説明

新規なPDMS−PVPブロックコポリマー

【課題】コンタクトレンズにおける親水性湿潤剤として用いるための重合性官能基を有するポリビニルピロリドン(PVP)を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリレート化PVPコポリマーの合成への第1工程は、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)などのようなアゾ開始剤を用いて、連鎖移動剤の存在下、末端官能基含有PVPを生成させる。さらに、得られた末端官能基含有PVPは、メタクリロイルクロリド等を用いてメタクリレートやメタアクリルアミド末端誘導体に転化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(PVP)、並びに、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びポリビニルピロリドンを含む両親媒性コポリマーに関する。かかるコポリマーは、眼科用途及び創傷ケアのような生物医学用具における成分として特に有用である。
【背景技術】
【0002】
N−ビニル−2−ピロリドン及びそのポリマーであるポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(PVP)は、錠剤の結合、毛髪の色留め、眼科レンズ配合物中の湿潤剤、膜、接着剤、親水性被覆等などのための広範囲の商業的な用途のために幅広く用いられている水溶性で生体適合性のポリマーである。例えば連鎖移動剤(例えば、メルカプトエタノール、イソプロパノール、イソプロポキシエタノール、メルカプトエチルアミン、メルカプトプロピオン酸)の存在下でアゾラジカル開始剤を用いて官能化ポリビニルピロリドンを製造するための幾つかの方法が報告されている。例えば、US−5,135,297(ポリマー体の表面被覆);US−6,756,449−B2(ポリ(ビニルピロリドン)単位を有するANBブロックコポリマー、医療用具、及び方法);並びにUS−2005/0119404−A1(両親媒性ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)ブロックコポリマーの製造方法)を参照。これらの文献のそれぞれの開示内容は参照として本明細書中に包含される。
【0003】
幾つかの場合においては、PVP中に官能基を形成して、使用中にPVP成分を浸出させることなく最終の機能性ポリマー用具内に永久的に保持される材料を製造することが望ましい。例えば、(メタ)アクリレート化又は(メタ)アクリルアミド官能化PVP誘導体は、コンタクトレンズ組成物において有用性が見出される。実施においては、コンタクトレンズ混合物の照射又は加熱重合中に、官能性PVPが共有結合して架橋ネットワークを形成して、非浸出性の湿潤性眼科レンズを与える。
【0004】
シリコーン(PDMS)ブロック、並びにPVP、ポリ(ジアルキルアクリルアミド)(例えば、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドなど)、及びポリアルキレングリコールのような親水性部分を含ませたコポリマーは、コンタクトレンズ配合物の疎水性及び親水性成分と相溶化して、光学的に透明の機能性レンズを生成する。これらのコポリマーは、シリコーンヒドロゲルレンズのような用途における活性成分として有用である。更に、両親媒性部分も、特定のタイプのコンタクトレンズを対象とするレンズケア溶液における用途が見出される。眼科溶液及びレンズケア溶液の他に、両親媒性ブロックコポリマーに関する他の用途としては、再生医療、経皮移植及び創傷の手当、工業用接着剤、シーラント、表面保護剤、薬物放出剤、及び他の生物医学用途における使用が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,137,297号明細書
【特許文献2】米国特許第6,756,449号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0119404号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明は、重合性官能基を有する官能化ポリビニルピロリドン(PVP)、並びに新規な両親媒性ポリジメチルシロキサン−PVPコポリマーの製造方法を開示する。本発明のブロックコポリマーは生物医学用具における生体適合性成分として特に有用である。本発明において開示する材料の好ましい態様は、生物医学用具(例えば眼科レンズ)に対して、改良された湿潤性、潤滑性、及び材料適合性を与える。
【0007】
本発明の1つの一般的態様は、次式:
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Rは、アルキル、アルコキシであり;Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜10000であり;Xは、O、NH、Sであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンである)
の構造を有する両親媒性ジブロックコポリマー化合物である。
【0010】
このジブロックコポリマーの典型的な特定の態様においては、Rはブチルであり;aは2〜50の範囲であり;Rは(CH又は(CH−O−(CHであり;bは1であり;XはO又はNHであり;RはHであり;Rはピロリジノンであり;dは10〜10,000の範囲である。これらの新規な両親媒性ジブロックコポリマーは、コンタクトレンズ、例えばシリコーンヒドロゲルレンズ用のレンズケア成分として;創傷治療具用の酸素透過性で湿潤性の基材として;再生医療用の骨格材として;或いは制御薬剤放出用の成分として;用いるために配合することができる。
【0011】
本発明の他の一般的な態様は、次式:
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜10000であり;Xは、O、NH、Sであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンである)
の構造を有する両親媒性トリブロックコポリマー化合物である。
【0014】
このトリブロックコポリマーの典型的な特定の態様においては、Rは(CH又は(CH−O(CHであり;RはHであり;Rはピロリジノンであり;XはO又はNHであり;aは2〜50の範囲であり;bは1であり;cは2であり;dは10〜10,000の範囲である。これらの新規な両親媒性トリブロックコポリマーは、コンタクトレンズ、例えばシリコーンヒドロゲルレンズ用のレンズケア成分として;創傷治療具用の酸素透過性で湿潤性の基材として;再生医療用の骨格材として;或いは制御薬剤放出用の成分として;用いるために配合することができる。
【0015】
本発明の更に他の一般的な態様は、次式:
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、Rは、アルキル、アルコキシであり;Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜10000であり;Xは、O、NH、Sであり;Yは、O、NHであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンであり;Rは、C(CH−O−CH−CH、C(CH、S−(CH、C(CH−O−C(=O)−NH−(CH、C(CH−O−CH−CH−O−C(=O)−NH−(CH、S−(CH−O−C(=O)−NH−(CHであり;Rは、H又はCHである)
の構造を有する、重合性官能基を有する両親媒性ジブロックコポリマー化合物である。
【0018】
このジブロックコポリマーの典型的な特定の態様においては、Rはブチルであり;aは2〜50の範囲であり;Rは(CH又は(CH−O−(CHであり;bは1であり;XはO又はNHであり;RはHであり;Rはピロリジノンであり;dは10〜10,000の範囲であり;RはC(CH−O−CH−CH又はC(CH)であり;YはO又はNHであり;RはCHである。これらの新規な両親媒性ジブロックコポリマーは、シリコーンヒドロゲルレンズ用のレンズケア成分として;創傷治療具用の酸素透過性で湿潤性の基材として;再生医療用の骨格材として;或いは制御薬剤放出用の成分として;用いるために配合することができる。
【0019】
本発明はまた、次式:
【0020】
【化4】

【0021】
(式中、Rは、水素又はC〜Cアルキル、好ましくはHであり;Rはピロリジノンであり;nは1〜10,000であり;Rは、連結鎖中に8個以下の炭素原子、並びに2個以下の酸素、イオウ、及び/又は窒素原子を有する二価の脂肪族連結鎖、例えば、C(CH−CH−CH、C(CH、S−(CH、C(CH−O−C(=O)−NH−(CH、C(CH−CH−CH−O−C(=O)−NH−(CH、又はS−(CH−O−C(=O)−NH−(CHであり;Rは、水素又はC〜Cアルキル、例えばCHである)
で示される一般的な構造の(メタ)アクリレート化ポリビニルピロリドン化合物も提供する。特定の態様においては、RはHであり、RはC(CH−O−CH−CHであり、RはCHであり、nは10〜1000であるか;或いは、RはHであり、RはC(CHであり、RはHであり、nは10〜1000であるか;或いは、RはHであり、RはS−(CHであり、RはCHであり、nは10〜1000であるか;或いは、RはHであり、RはC(CH−O−C(=O)−NH−(CHであり、RはCHであり、nは10〜1000である。この化合物は、コンタクトレンズ配合物における重合性湿潤剤として用いるのに好適である。
【0022】
本発明は、更に、次式:
【0023】
【化5】

【0024】
で示される一般的な構造の、コンタクトレンズ配合物における重合性湿潤剤として用いるのに同様に好適な(メタ)アクリルアミド官能化ポリビニルピロリドンを提供する。
【0025】
式において、Rは、水素又はC〜Cアルキルであり;Rはピロリジノンであり;nは1〜10,000であり;Rは、連結鎖中に8個以下の炭素原子、並びに2個以下の酸素、イオウ、及び/又は窒素原子を有する二価の脂肪族連結鎖、例えば、S−(CH(ここでmは1〜6である)であり;Rは、水素又はC〜Cアルキル、例えばCHである。特定の態様においては、RはHであり、RはS−(CHであり、mは1〜6であり、RはHであり、nは10〜10,000であるか;或いは、RはHであり、RはS−(CHであり、mは1〜3であり、RはCHであり、nは10〜10,000である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、例えばコンタクトレンズにおける親水性湿潤剤として用いるための重合性官能基を有するPVPの製造方法を提供する。本発明は、官能化複合PDMS/極性両親媒性コポリマーブロック系を含む新しい種類の組成物を提供する。これらの材料は、工業用具及び生物医学用具の両方において、眼科用具(ヒドロゲル)、再生医療、経皮移植、工業用接着剤、シーラント、表面保護剤等のような成分として用いることができる。例えば、(メタ)アクリレート化PVP誘導体は、光重合性成分を含むコンタクトレンズ組成物中における有効な用途が見出される。実施においては、コンタクトレンズ混合物の照射中に、(メタ)アクリレート化PVPは他の重合性成分と一緒に重合して非浸出性レンズを与える。
【0027】
下記に詳細に説明するように、これらの合成は、PDMSフリーラジカルマクロ開始剤を製造し、次にこれを、N−ビニルピロリドン又はフリーラジカル重合を受けやすい他のビニル若しくはアクリルモノマーの存在下、IPA、イソプロポキシエタノール、又はメルカプトエタノールのようなCTA(連鎖移動剤)の存在下で重合して、OH官能化ポリマーを生成することを含む。得られるポリマーは、異なる化学系を用い、塩基の存在下においてOH基をメタクリロイルクロリド又は無水メタクリル酸と反応させるか、或いはイソシアナトエチルメタクリレートと反応させることによってメタクリレート化することができる。
【0028】
このアプローチを用いて、種々のメタクリレート(MA)官能化PDMS−極性コポリマーブロックを合成することができる。興味深い物質の例は、PDMS−PVP−MAA及びPDMS−ポリNIPAAm−MAである。この化学系はまた、商業的に入手できるジヒドロキシ又はジアミノ官能化ポリジメチルシロキサンで出発して、MA−PVPーPDMS−PVP−MA及び他のポリマーのような二官能性メタクリレート官能化トリブロックコポリマーを製造することに拡張することもできる。当業者であれば、官能的に活性な末端基を有するブロックコポリマーの製造は一般に熟知している。例えば、US−5,589,563(Polymer Technology Group)(その開示事項は参照として本明細書中に包含される)は、官能化コポリマーをどのようにして製造し使用するかを開示している。
【実施例】
【0029】
実施例1:(メタ)アクリレート化PVPポリマー:
当業者に公知の反応を用いて調製したヒドロキシ官能化PVPをメタクリレート化反応することによってメタ(アクリレート)官能化PVPの合成を行う。重合性(メタ)アクリレート化PVPの一般的な構造は、例えば次式:
【0030】
【化6】

【0031】
(式中、RはHであり;Rはピロリジノンであり;Rは、C(CH−CH−CH、C(CH、又はS−(CH、C(CH−O−C(=O)−NH−(CHであり;Rは、H又はCHであり;nは1〜1000である)
を有していてよい。
【0032】
(メタ)アクリレート化PVPコポリマーの合成への第1工程は、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)などのようなアゾ開始剤を用いて、イソプロパノール、メルカプトエタノール、イソプロポキシエタノールのような連鎖移動剤の存在下、溶媒を用いるか又は用いないで蒸留N−ビニル−2−ピロリドンを重合して、10,000〜1,000,000ダルトンの間の異なるMWのヒドロキシル末端PVPを生成させることである。得られるヒドロキシル末端PVPは、メタクリロイルクロリド、無水メタクリル酸、又はイソシアナトエチルメタクリレートのいずれかを用いてメタクリレート末端誘導体に転化させる。この態様の1つの例は、反応式1に示すプロトコールを用いて合成される。
【0033】
【化7】

【0034】
実施例2:(メタ)アクリルアミド官能化PVPポリマー:
重合性PVPの他の種類を下記に示す。ここでは、重合性官能基は(メタ)アクリルアミド基である。
【0035】
【化8】

【0036】
(式中、RはHであり;Rはピロリジノンであり;RはS−(CHであり;mは1〜6であり;RはH又はCHであり;nは1〜1000である)
(メタ)アクリルアミド官能化PVPコポリマーの合成への第1工程は、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)などのようなアゾ開始剤を用いて、アミノアルキルメルカプタン連鎖移動剤の存在下、溶媒を用いるか又は用いないで蒸留N−ビニルピロリドンを重合して、10,000〜1,000,000ダルトンの間の異なるMWのアミノ末端PVPを生成させることである。得られるアミノ末端PVPは、メタクリロイルクロリド又は無水メタクリル酸との反応によって(メタ)アクリルアミド末端誘導体に転化させる。この態様の1つの例は、反応式2に示すプロトコールを用いて合成される。
【0037】
【化9】

【0038】
実施例3:PDMS−PVPコポリマーを含む両親媒性ジブロックコポリマー:
本発明は、また、下式で示される一般的な構造の新規なポリジメチルシロキサン(PDMS)−PVPコポリマー及び他の両親媒性コポリマーの製造方法も提供する。
【0039】
【化10】

【0040】
(式中、Rは、アルキル、アルコキシであり;Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜1000であり;Xは、O、NH、Sであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンである)
上記のクラスの物質を製造するための逆合成法は、下記の反応式で示される。
【0041】
【化11】

【0042】
実施例4:PVP−PDMS−PVPコポリマーを含む両親媒性トリブロックコポリマー:
本発明によって与えられる合成方法によれば、下式で示される一般的な構造の新規なPVP−PDMS−PVPトリブロックコポリマー及び他の両親媒性コポリマーの合成も可能である。
【0043】
【化12】

【0044】
(式中、Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜1000であり;Xは、O、NH、Sであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンである)
上記のクラスの物質を製造するための逆合成アプローチは、下記の反応式で示される。ここでは、実施例3と同様に、最終生成物の前に中間体を、更にその前に出発物質を示している。
【0045】
【化13】

【0046】
実施例5:PDMS−PVPメタクリレートコポリマーを含む単官能性重合性両親媒性コポリマー:
本発明の他の態様は、下式で示される重合性官能基を有する一般的な種類の化合物である。
【0047】
【化14】

【0048】
(式中、Rは、アルキル、アルコキシであり;Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜1000であり;Xは、O、NH、Sであり;YはO、NHであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンであり;Rは、C(CH−O−CH−CH、C(CH、又はS−(CH、O−C(=O)−NH−(CHであり;Rは、H又はCHである)
上記のクラスの物質を製造するための逆合成アプローチは反応式5で示される。
【0049】
【化15】

【0050】
上記に開示したように、本発明によって与えられる組成物は、とりわけシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するために用いることができる。当業者であれば、かかるコンタクトレンズを製造する方法を一般的に熟知している。例えば、「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」と題されたUS−7,268,198−B2(Bausch & Lomb);「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」と題されたUS−6,861,123−B2(Johnson & Johnson);及び「シリコーン含有ヒドロゲルレンズの製造方法」と題されたUS−5,260,000(Bausch & Lomb)を参照。
【0051】
本発明を一般的に且つ特定の態様を参照して記載したが、これを多くの方法で変化させることができることは当業者には容易に明らかであろう。全てのかかる変更は、その特許範囲が特許請求の範囲において定められる本発明の精神に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式:
【化1】


(式中、Rは、アルキル、アルコキシであり;Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜10000であり;Xは、O、NH、Sであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンである)
の構造を有する両親媒性ジブロックコポリマー化合物。
【請求項2】
コンタクトレンズ用のレンズケア成分として用いるために配合されている、請求項1に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項3】
コンタクトレンズがシリコーンヒドロゲルレンズである、請求項2に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項4】
創傷治療具用の酸素透過性で湿潤性の基材として用いるために配合されている、請求項1に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項5】
再生医療用の骨格材として用いるために配合されている、請求項1に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項6】
制御薬剤放出用の成分として用いるために配合されている、請求項1に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項7】
がブチルであり;aが2〜50であり;Rが(CHであり;bが1であり;XがOであり;RがHであり;Rがピロリジノンであり;dが10〜10,000である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がブチルであり;aが2〜50であり;Rが(CH−O−(CHであり;bが1であり;XがOであり;RがHであり;Rがピロリジノンであり;dが10〜10,000である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がブチルであり;aが2〜50であり;Rが(CHであり;bが1であり;XがNHであり;RがHであり;Rがピロリジノンであり;dが10〜10,000である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
次式:
【化2】


(式中、Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜10000であり;Xは、O、NH、Sであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンである)
の構造を有する両親媒性トリブロックコポリマー化合物。
【請求項11】
コンタクトレンズ用のレンズケア成分として用いるために配合されている、請求項10に記載の両親媒性トリブロックコポリマー。
【請求項12】
コンタクトレンズがシリコーンヒドロゲルレンズである、請求項11に記載の両親媒性トリブロックコポリマー。
【請求項13】
創傷治療具用の酸素透過性で湿潤性の基材として用いるために配合されている、請求項10に記載の両親媒性トリブロックコポリマー。
【請求項14】
再生医療用の骨格材として用いるために配合されている、請求項10に記載の両親媒性トリブロックコポリマー。
【請求項15】
制御薬剤放出用の成分として用いるために配合されている、請求項10に記載の両親媒性トリブロックコポリマー。
【請求項16】
がHであり;Rがピロリジノンであり;dが1〜10,000であり、cが2であり;XがOであり;Rが(CH−O−(CHであり;bが1であり;aが2〜50である、請求項10に記載の化合物。
【請求項17】
がHであり;Rがピロリジノンであり;dが1〜10,000であり;cが2であり;XがNHであり;Rが(CHであり;bが1であり;aが2〜50である、請求項10に記載の化合物。
【請求項18】
がHであり;Rがピロリジノンであり;dが1〜10,000であり;cが2であり;XがNHであり;Rが(CH−O−(CHであり;bが1であり;aが2〜50である、請求項10に記載の化合物。
【請求項19】
次式:
【化3】


(式中、Rは、アルキル、アルコキシであり;Rは、(CH、(CH−O(CHであり;m及びnは1〜16の間であってよく;aは1〜200であり;bは1〜6であり;cは1〜6であり;dは1〜10000であり;Xは、O、NH、Sであり;Yは、O、NHであり;Rは、H、CHであり;Rは、ピロリジノン、C(=O)OH、C(=O)Oアルキル、Ph、置換Ph、C(=O)NH、C(=O)N(アルキル)、OC(=O)CH、OH、C(=O)−オキシエチルホスホリコリンであり;Rは、C(CH−O−CH−CH、C(CH、S−(CH、C(CH−O−C(=O)−NH−(CH、C(CH−O−CH−CH−O−C(=O)−NH−(CH、S−(CH−O−C(=O)−NH−(CHであり;Rは、H又はCHである)
の一般的構造を有する重合性官能基を有する両親媒性ジブロックコポリマー化合物。
【請求項20】
シリコーンヒドロゲルレンズの製造において用いるために配合されている、請求項19に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項21】
創傷治療具用の酸素透過性で湿潤性の基材の製造において用いるために配合されている、請求項19に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項22】
再生医療用の骨格材の製造において用いるために配合されている、請求項19に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項23】
制御薬剤放出用の成分の製造において用いるために配合されている、請求項19に記載の両親媒性ジブロックコポリマー。
【請求項24】
がブチルであり;aが2〜50であり;Rが(CHであり;bが1であり;XがOであり;RがHであり;Rがピロリジノンであり;dが1〜10,000であり;RがC(CH−O−CH−CHであり;YがOであり;RがCHである、請求項19に記載の化合物。
【請求項25】
がブチルであり;aが2〜50であり;Rが(CHであり;bが1であり;XがOであり;RがHであり;Rがピロリジノンであり;dが1〜10,000であり;RがC(CH−O−CH−CHであり;YがNHであり;RがCHである、請求項19に記載の化合物。
【請求項26】
がブチルであり;aが2〜50であり;Rが(CHであり;bが1であり;XがNHであり;RがHであり;Rがピロリジノンであり;dが1〜10,000であり;RがC(CH)であり;YがOであり;RがCHである、請求項19に記載の化合物。
【請求項27】
がブチルであり;aが2〜50であり;Rが(CH−O−(CHであり;bが1であり;XがOであり;RがHであり;Rがピロリジノンであり;dが1〜10,000であり;RがC(CH)であり;YがNHであり;RがCHである、請求項19に記載の化合物。
【請求項28】
次式:
【化4】


(式中、Rは、水素又はC〜Cアルキル、好ましくはHであり;Rはピロリジノンであり;nは1〜10,000であり;Rは、連結鎖中に8個以下の炭素原子、並びに2個以下の酸素、イオウ、及び/又は窒素原子を有する二価の脂肪族連結鎖、例えば、C(CH−CH−CH、C(CH、S−(CH、C(CH−O−C(=O)−NH−(CH、C(CH−CH−CH−O−C(=O)−NH−(CH、又はS−(CH−O−C(=O)−NH−(CHであり;Rは、水素又はC〜Cアルキル、例えばCHである)
で示される一般的な構造の、コンタクトレンズ配合物における重合性湿潤剤として用いるのに好適な(メタ)アクリレート化ポリビニルピロリドン。
【請求項29】
がHであり;RがC(CH−O−CH−CHであり;RがCHであり;nが10〜10,000である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
がHであり;RがC(CHであり;RがHであり;nが10〜10,000である、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
がHであり;RがS−(CHであり;RがCHであり;nが10〜10,000である、請求項28に記載の化合物。
【請求項32】
がHであり;RがC(CH−O−C(=O)−NH−(CHであり;RがCHであり;nが10〜10,000である、請求項28に記載の化合物。
【請求項33】
次式:
【化5】


(式中、Rは水素又はC〜Cアルキルであり;Rはピロリジノンであり;nは1〜10,000であり;Rは、連結鎖中に8個以下の炭素原子、並びに2個以下の酸素、イオウ、及び/又は窒素原子を有する二価の脂肪族連結鎖、例えば、S−(CH(ここでmは1〜6である)であり;Rは、水素又はC〜Cアルキル、例えばCHである)
で示される一般的な構造の、コンタクトレンズ配合物における重合性湿潤剤として用いるのに好適な(メタ)アクリルアミド官能化ポリビニルピロリドン。
【請求項34】
がHであり;RがS−(CHであり;mが1〜6であり;RがHであり;nが10〜10,000である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
がHであり;RがS−(CHであり;mが1〜3であり;RがCHであり;nが10〜10,000である、請求項33に記載の化合物。

【公開番号】特開2012−246489(P2012−246489A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−157818(P2012−157818)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2009−553775(P2009−553775)の分割
【原出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】