説明

新規のアミン組成物

【課題】本発明は、複数の第3級アミン基を有するアミン化合物を用いる新奇の高分子アミン組成物を提供する。これらの新規組成物を製造する方法も、また、開示される。本発明の高分子アミン組成物を用いるアミン組成物およびアミン−エポキシ組成物も、また、提供される。
【解決手段】これらの高分子アミン組成物は、約250〜約1500の数平均分子量(Mn)を有する。こうした組成物は、アミン−エポキシ組成物におけるアミン系硬化剤として、およびウレタン用途における触媒または鎖延長剤として用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、高分子アミン組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、アミン化合物、こうしたアミン化合物を用いるアミンおよびアミン−エポキシ組成物、および高分子アミン組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミン系硬化剤により硬化され、堅くされ、および/または架橋される一部のエポキシ樹脂は公知である。これらのアミン−エポキシ材料は、コンクリート床用の配合物などの土木用途に対する塗料、接着剤、および複合材に及ぶ用途において広く用いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アミン−エポキシ配合物中のアミン成分の揮発度を限定することは有利であることができる。揮発性有機化合物(VOC)規制を満たすだけでなく、揮発度を下げることは、作業者被曝および安全上の注意を減じることができる。アミン化合物中の複数の(multiple)第1級アミン基の存在は、化合物がアミン−エポキシ架橋または硬化反応の間に化学的に結合されることを可能とし、それによって、硬化最終製品からのアミン放出の可能性を排除する。加えて、第3級アミン基はエポキシ官能基を開鎖し、エポキシ樹脂の硬化を触媒化する。
【0004】
同様に、ポリウレタン触媒および鎖延長剤の揮発度を限定することは有利である。アミン化合物中の複数の第1級アミン基の存在は、ポリウレタン触媒が、例えば、ポリウレタンゲルまたはフォーム架橋反応の間に化学的に結合されることを可能とする。得られる製品は実質的に揮発性アミンの放出はない。加えて、第3級アミン基を有する化合物はウレタン反応に対して有用な触媒であることが知られている。
【0005】
従って、エポキシおよびウレタン両方の用途に対して、複数の第3級アミン基を有する化合物または組成物を製造することは望ましい。加えて、これらの化合物および組成物が、また、第1級アミン基を含有することは有利である。従って、本発明の高分子アミン組成物が目指すことは、これらの目的に対するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アミン化合物を含む新奇の高分子アミン組成物、およびこれらの組成物を製造する方法を開示する。これらの高分子アミン組成物は、約250〜約1500の数平均分子量(Mn)を有する。こうした組成物は、アミン−エポキシ組成物におけるアミン系硬化剤として、およびウレタン用途における触媒または鎖延長剤として用いることができる。
【0007】
本発明による高分子アミン組成物は、以下の式を有するアミン化合物を含む:
【化1】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化2】


【化3】


【化4】

、または
【化5】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化6】

であり;
各Xは、独立に、RC−NH2、RD−OH、またはRE−Hであり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化7】

であり;
Dは、RYが水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、またはRZがフェニル基または非置換C1〜C18直鎖または分岐鎖アルキル基であるCH2ORZである−CH2CHRY−であり;
Eは非置換C1〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基であり;および
nは0〜50を含む範囲内の整数である。
【0008】
アミン硬化剤組成物は、本発明の別の態様において提供される。本発明によるアミン硬化剤組成物は、エポキシ樹脂を硬化し、堅くし、または架橋するために用いることができる。こうした組成物は、直ぐ上に開示されたような高分子アミン組成物、および2個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミンを含むことができる。
【0009】
なお、別の態様において、本発明は以下の接触製品を含むアミン−エポキシ組成物を提供する:
(a)以下の式を有するアミン化合物を含む高分子アミン硬化剤組成物:
【化8】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化9】


【化10】


【化11】

、または
【化12】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化13】

であり;
各Xは独立にRC−NH2であり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化14】

であり;
高分子アミン硬化剤組成物は約250〜約1500のMnを有し;および
nは0〜50を含む範囲内の整数であり;および
(b)少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分。
【0010】
さらなる態様において、本発明は上述のようにアミン−エポキシ組成物を硬化するための方法を提供する。この態様において、高分子アミン硬化剤組成物は、さらに、2個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミンを含むことができる。
【0011】
本発明は、また、アミン−エポキシ組成物を含む製造品を包含する。こうした物品には、塗料、接着剤、建設製品、床製品、または複合製品を挙げることができるが、それらに限定されない。追加の構成成分または添加剤は、本発明の組成物と一緒に用いて製造品を作り出すことができる。
【0012】
本発明により、これらの新奇な高分子アミン組成物を製造する方法が開示される。約250〜約1500のMnを有するこうした高分子アミン組成物を製造するための方法は、
A.第1第1級アミンを、α、β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルと混合して中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを形成し;
B.中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを、水素存在下で、第1第1級アミンと同じか、または異なることができる第2第1級アミンを含有する第1液相に導入して、第2ジアミンポリマーを形成し;
C.第2ジアミンポリマーを、第2ニトリルが第1ニトリルと同じか、または異なることができるα、β−不飽和第2ニトリルと混合して、ビス−シアノエチル化化合物を形成し、および
D.ビス−シアノエチル化化合物を水素存在下で第2液相に導入して、高分子アミン組成物を形成すること、
を含む。
【0013】
本発明の別の態様において、約250〜約1500のMnを有する高分子アミン組成物を製造するための方法は、
A.第1第1級アミンおよびα、β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルの一つを、約40℃〜80℃で、約0.6:1〜約2.2:1のケトン、アルデヒド、または第1ニトリル対第1第1級アミンのモル比において、遅延添加方式により反応器中で他に添加して、中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを形成し;
B.中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを、水素化触媒および水素存在下、約70℃〜約150℃、約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の圧力で、第1第1級アミンと同じか、または異なることができる第2第1級アミン対全体中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリル供給原料の約0.1:1〜約0.75:1の質量比において第2第1級アミンを含有する第1液相に添加して、第2ジアミンポリマーを形成し;
C.第2ジアミンポリマーおよびα、β−不飽和第2ニトリルの一つを、約40℃〜80℃で、約0.6:1〜約3:1の第1ニトリルと同じか、または異なることができる第2ニトリル対第2ジアミンポリマーモル比において遅延添加方式により反応器中で他に添加して、ビス−シアノエチル化化合物を形成し、および
D.ビス−シアノエチル化化合物を、水素化触媒および水素存在下、約70℃〜約150℃、約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の圧力で、第2液相に添加して、高分子アミン組成物を形成すること、
を含む。
【0014】
これらの方法は、RA、RB、およびnが上で定義された通りであり、XがRC−NH2である式(I)を有するアミン化合物を含む新奇の高分子アミン組成物をもたらす。
【0015】
別の態様において、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびグリシジルエーテルなどの酸素含有部分は、段階Cにおいて第2ジアミンポリマーと反応する。段階Dは本発明のこの態様においては用いられない。得られる高分子アミン組成物は、ヒドロキシル官能基を有するアミン化合物を含む。なお別の態様において、段階Cは、第2ジアミンポリマーの水素存在下でのアルデヒドとの還元アルキル化反応である。段階Dは本発明のこの態様には用いられない。この方法論は式(I)中のRE−H部分をもたらす。
【0016】
本発明の異なる態様において、式(I)を有するアミン化合物を含む高分子アミン組成物が提供される。この態様において、各RAはメチル基であり、各RBは非置換C3直鎖アルカンジイル基(すなわち、1,3−プロパンジイル基)であり、各XはRCが非置換C3直鎖アルカンジイル基(すなわち、1,3−プロパンジイル基)であるRC−NH2である。高分子アミン組成物は約250〜約1500のMnを有し、nは0〜50を含む範囲内の整数であることができる。
【0017】
本発明の組成物は、エポキシおよびウレタン両方の用途において有用である複数の第3級アミン基を有する。一部の態様において、本発明は追加的に第1級アミン基を有する組成物を提供する。
定義
【0018】
以下の定義および略語は、本発明の詳細説明を理解する上で当業者を手助けするために提供される。
AHEW−アミン水素当量。
CHA−シクロヘキシルアミン。
DGEBA−ビスフェノール−Aのジグリリシジルエーテル。
DMAPA−ジメチルアミノプロピルアミン。
EEW−エポキシ当量。
Me−メチル。
MMA−メチルアミンまたはMeNH2
Mn−数平均分子量。
MPCA−MBPCAAとも略される。MPCAは多官能性アミン部類内に適合するメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミンの混合物である。エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals,Inc.)から市販されているアンカミン(Ancamine)(登録商標)2168は、57のAHEWを有するMPCAである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
アミンおよびアミン−エポキシ組成物
本発明は、アミン化合物を含む新奇の高分子アミン組成物、およびこうした組成物を製造する方法を開示する。これらの高分子アミン組成物は、約250〜約1500の数平均分子量(Mn)を有する。本発明による高分子アミン組成物は、以下の式を有するアミン化合物を含む:
【化15】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化16】


【化17】


【化18】

、または
【化19】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化20】

であり;
各Xは、独立に、RC−NH2、RD−OH、またはRE−Hであり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化21】

であり;
Dは、RYが水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、またはRZがフェニル基または非置換C1〜C18直鎖または分岐鎖アルキル基であるCH2ORZである−CH2CHRY−であり;
Eは非置換C1〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基であり;および
nは0〜50を含む範囲内の整数である。
【0020】
アミン硬化剤組成物は、本発明の別の態様において提供される。本発明によるアミン硬化剤組成物は、エポキシ樹脂を硬化し、堅くし、または架橋するために用いることができる。こうした組成物は、(i)RA、RB、X、およびnが直ぐ上に定義された通りであり、高分子アミン組成物が約250〜約1500のMnを有する式(I)を有するアミン化合物を含む高分子アミン組成物;および
(ii)2個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミン、
を含む。
【0021】
高分子アミン組成物の相対量対多官能性アミンのそれは、例えば、最終用途物品、その望ましい特性、および最終用途物品を製造するために用いられる製造方法および条件に応じて変わることができる。
【0022】
なお、別の態様において、本発明は以下の接触製品を含むアミン−エポキシ組成物を提供する:
(a)以下の式を有するアミン化合物を含む高分子アミン硬化剤組成物:
【化22】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化23】


【化24】


【化25】

、または
【化26】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化27】

であり;
各Xは独立にRC−NH2であり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化28】

であり;
高分子アミン硬化剤組成物は約250〜約1500のMnを有し;および
nは0〜50を含む範囲内の整数であり;および
(b)少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分。
【0023】
さらなる態様において、本発明は、上に示されるようにアミン−エポキシ組成物を硬化するための方法を提供する。すなわち、アミン−エポキシ組成物は、高分子アミン硬化剤組成物およびエポキシ成分の接触製品を含む。この態様において、高分子アミン硬化剤組成物は、さらに、2個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミンを含むことができる。あるいは、多官能性アミンは3個以上の活性アミン水素を有することができる。
【0024】
本発明は、また、アミン−エポキシ組成物を含む製造品を包含する。アミン−エポキシ組成物は、高分子アミン硬化剤組成物およびエポキシ成分の接触製品を含む。こうした物品には、塗料、接着剤、建設製品、床製品、または複合製品を挙げることができるが、それらに限定されない。追加の成分または添加剤は本発明の組成物と一緒に用いて、製造品を製造することができる。
【0025】
本明細書において開示されるアミン−エポキシ組成物により、エポキシ成分中のエポキシ基対高分子アミン硬化剤組成物中の反応性水素の化学量論比は、約1.5:1〜約1:1.5の範囲にある。別の態様において、化学量論比は約1.3:1〜約1:1.3の範囲にある。
【0026】
本発明は、また、
(a)(i)RA、RB、およびnが上に定義された通りであり;各Xが、独立に、RCが非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化29】

であるRC−NH2であり;および高分子アミン硬化剤組成物が約250〜約1500のMnを有する式(I)を有するアミン化合物を含む高分子アミン硬化剤組成物;および
(ii)3個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミン、
を含むアミン成分を形成し、
(b)アミン成分を、約1.5:1〜約1:1.5の範囲にある、多官能性エポキシ樹脂中のエポキシ基対アミン成分中のアミン水素の化学量論比で少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂と接触させること、
を含むエポキシ樹脂組成物を製造する方法を提供する。
【0027】
出願者らは、本明細書においていくつかのタイプの範囲を開示する。これらには、原子数の範囲、整数の範囲、分子量の範囲、アミン水素当量の範囲、化学量論比の範囲、および温度の範囲が挙げられるがそれらに限定されない。出願者らがあらゆるタイプの範囲を開示するか、またはクレームする場合に、出願者らの意図は、こうした範囲が、あらゆる部分的な範囲およびその中に包含される部分的な範囲の組合せをも合理的に包含することができるであろう各可能数を個々に開示するか、またはクレームすることにある。例えば、出願者らが炭素原子の一定数を有する化学物質部分を開示するか、またはクレームする場合に、出願者らの意図は、こうした範囲が、本明細書における開示内容と一致した、包含することができるであろう個々のすべての各可能数を開示するか、またはクレームすることにある。例えば、「RB」が、本明細書において用いられるC3〜C8アルカンジイル基であり、または別の表現で3〜8個の炭素原子数を有することができるという開示内容は、3、4、5、6、7、または8個の炭素原子を有するアルカンジイル基、ならびにこれら二つの数間のあらゆる範囲(例えば、C3〜C8アルカンジイル基)、およびこれら二つの数間のあらゆる範囲の組合せ(例えば、C3〜C4およびC6〜C8アルカンジイル基)をも包含するアルカンジイル基から独立に選択することができる「RB」基を指す。
【0028】
同様に、別の代表的な実施例は、高分子アミン組成物の数平均分子量(Mn)をフォローする。高分子アミン組成物が約250〜約1500のMnを有するという開示内容については、出願者らは、Mnが約250、約275、約300、約325、約350、約375、約400、約425、約450、約475、約500、約525、約550、約575、約600、約625、約650、約675、約700、約725、約750、約775、約800、約825、約850、約875、約900、約925、約950、約975、約1000、約1025、約1050、約1075、約1100、約1125、約1150、約1175、約1200、約1225、約1250、約1275、約1300、約1325、約1350、約1375、約1400、約1425、約1450、約1475、または約1500から選択することができることを言うように意図している。加えて、Mnは約250〜約1500のあらゆる範囲内にあることができる(例えば、Mnは約300〜約800の範囲にある)と共に、これは、また、約250〜約1500間の範囲のあらゆる組合せを包含する。同様に、本明細書において開示されるすべての他の範囲は、これら二つの例に類似のやり方で解釈されることが好ましい。
【0029】
出願者らは、何らかの理由で、例えば、出願者らが出願書の出願時点で気付かないことが可能である参考文献が原因で、開示内容の不足のない量目に届かずにクレームすることを選択する場合、範囲によりまたはあらゆる類似のやり方でクレームすることができる、基内のあらゆる部分的な範囲または部分的な範囲の組合せを包含するあらゆるこうした基のあらゆる個々のメンバーについて但し書きを外すかまたは除外する権利を留保する。さらに、出願者らは、何らかの理由で、例えば、出願者らが出願書の出願時点で気付かないことが可能である参考文献が原因で、開示内容の不足のない量目に届かずにクレームすることを選択する場合、あらゆる個々の置換基、類似物、化合物、リガンド、構造、またはそれらの基、またはクレームされた基のあらゆるメンバーについて但し書きを外すかまたは除外する権利を留保する。
【0030】
用語「接触製品」は、本明細書において、構成成分が、任意の順序で、どんな方法でも、いかなる時間帯でも一緒に接触している組成物を説明するために用いられる。例えば、構成成分は配合または混合により接触することができる。さらに、あらゆる構成成分の接触は、本明細書において記載される組成物または配合物のあらゆる他の構成成分の存在下または不在下で起こることができる。追加の材料または構成成分を混合することは、当業者に公知のあらゆる方法により行うことができる。さらに、用語「接触製品」には、混合物、配合物、溶液、スラリー、および反応製品など、またはそれらの組合せが挙げられる。「接触製品」は反応製品を含むことができるが、個々の構成成分が互いに反応することは必要とされない。
【0031】
組成物および方法は種々の構成成分または段階を「含む」観点から記載されるが、一方で、組成物および方法は、また、種々の構成成分または段階「から本質的になる」または「からなる」ことができる。
高分子アミン組成物
【0032】
本開示による高分子アミン組成物は以下の式に示されるアミン化合物を含む:
【化30】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化31】


【化32】


【化33】

、または
【化34】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化35】

であり;
各Xは独立にRC−NH2、RD−OH、またはRE−Hであり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化36】

であり;
Dは、RYが水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、またはRZがフェニル基または非置換C1〜C18直鎖または分岐鎖アルキルであるCH2ORZである−CH2CHRY−であり、
Eは非置換C1〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基であり、および
nは0〜50を含む範囲内の整数である。
【0033】
約250〜約1500のMnを有する高分子アミン組成物は本発明の範囲内である。別の態様において、高分子アミン組成物は、約275〜約1200、または約300〜約800の範囲にあるMnを有する。なお別の態様において、Mnは約300〜約750、約300〜約700、または約300〜約650の範囲にある。別の態様において、高分子アミン組成物のMnは約350〜約650の範囲にある。
【0034】
本開示によるMnデータ、および以下の実施例1において提供されるデータは、本明細書において参考のためその全体を包含する、2006年10月20日に出願された米国特許出願第11/584,388号明細書に検討されているガスクロマトグラフィー(GC)技術を用いて測定した。溶出物の質量がこのGC技術により得られる面積%に比例することを想定してMnを測定した。反応副生物はMn計算には含まれず、上述のGC条件下で溶出するために十分な揮発性を有する高分子化学種だけが計算に含まれた。各面積%(質量に比例する)を特定の高分子化学種の分子量で割ってその化学種の相対モルを出すことによりMnを測定した。次に、高分子化学種の相対モルの合計を、高分子化学種の全体面積%に分割してMnを与えた。全体面積%は反応副生物の面積%を除外する。例えば、式(I)中の整数nがゼロに等しい場合に、高分子試料のMnの計算が含まれることに留意すること。当業者により認識されるように、Mnが増大するにつれて、ある時点で、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)などの代替技術は、分配におけるより高い分子量の化学種の低い揮発度のせいで、Mn測定用に用いることができる。一部の高分子アミン組成物に対して、これはMnが約400を超える場合に起こる。
【0035】
本発明の別の態様において、高分子アミン組成物は、約40〜約500のアミン水素当量(AHEW)を有することができる。あるいは、高分子アミン組成物は、約45〜約450、約50〜約400、または約55〜約300のAHEWを有する。異なる態様において、高分子アミン組成物のAHEWは、約60〜約250の範囲にある。
【0036】
「アルカンジイル基」部分としてRB、RC、およびREを記載することにより、出願者らは、それぞれのジイル基部分に対して化学原子価の法則に適合するために必要とされる水素原子数と併せて、それぞれの部分中の炭素原子数を特定している。例えば、式(I)において、RBが二つの他の基に結合されるという事実は、アルカンジイル基部分のこの記載と一致する。
【0037】
特記のない限り、本明細書において記載されるアルカンジイル基は、所定部分の直鎖または分岐鎖のすべての構造異性体を包含するように意図されている;例えば、すべての光学異性体およびすべてのジアステレオマーはこの定義内に含まれる。例として、特記のない限り、用語プロパンジイル基は、1,1−プロパンジイル、1,2−プロパンジイル、1,3−プロパンジイル、および2,2−プロパンジイル基を含むことを意味する。同様に、ブタンジイル基は、ブタンのすべての立体および部位ジイル異性体、例えば、n−ブタン−1,1−ジイル、n−ブタン−1,2−ジイル、n−ブタン−1,3−ジイル、n−ブタン−1,4−ジイル、n−ブタン−2,3−ジイル、2−メチルプロパン−1,1−ジイル、および2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などを含むことを意味する。
【0038】
各RAが、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、または置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であることは、本発明の範囲内である。C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基上の置換基には、−N(CH32、−N(CH2CH32
【化37】


【化38】


【化39】

、または
【化40】

などが挙げられるがそれらに限定されない。別の態様において、RAは置換または非置換C1〜C6直鎖または分岐鎖アルキル基である。なお、別の態様において、RAはメチル基である。RA選択の非限定例は、以下の実施例1〜4において示される。実施例1において、RAはメチル基である。RAは構成実施例2中の−N(CH32置換基を有する直鎖C3部分である。RAは構成実施例3中のシクロヘキシル基部分である。構成実施例4において、RA
【化41】

置換基を有するC2部分である。
【0039】
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、または
【化42】

である。整数pおよびqは独立に1、2、3、4、5、または6である。本発明の一つの態様において、整数pおよびqは両方とも1に等しい。別の態様において、RBは非置換C3〜C6直鎖または分岐鎖アルカンジイル基である。さらに、RBは、本発明の別の態様において、非置換C3直鎖アルカンジイル基(すなわち、1,3−プロパンジイル基)であることができる。RB選択の非限定例は、以下の実施例において示される。例えば、RBは実施例1において1,3−プロパンジイル基である。RBに対する分岐鎖アルカンジイル基の選択は、構成実施例8において示される。
【0040】
XがRC−NH2である場合に、RCは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、または
【化43】

である。整数rおよびsは、独立に、1または2である。RCは、本発明の一つの態様において、非置換C3〜C6直鎖または分岐鎖アルカンジイル基であることができる。別の態様において、RCは非置換C3直鎖アルカンジイル基(すなわち、1,3−プロパンジイル基)である。RCに対する1,3−プロパンジイル基選択の非限定例は、実施例1に示される。
【0041】
XがRD−OHである場合に、RDは−CH2CHRY−である。この式において、RYは水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、またはCH2ORZである。RZはフェニル基、または非置換C1〜C18直鎖または分岐鎖アルキル基である。RYは、本発明の一つの態様において、水素原子、メチル基、またはフェニル基である。RD選択の非限定例は、以下の実施例11〜13において示される。RYは、構成実施例11において水素原子、構成実施例12においてメチル基、構成実施例13においてCH2ORZである。
【0042】
XがRE−Hである場合に、REは非置換C1〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基である。一つの態様において、REは非置換C2〜C4直鎖アルカンジイル基である。異なる態様において、RE−Hはメチル基である。
【0043】
本発明の別の態様において、本発明は、各RAがメチル基であり、各RBが非置換C3直鎖アルカンジイル基(すなわち、1,3−プロパンジイル基)であり、各Xが、RCが非置換C3直鎖アルカンジイル基(すなわち、1,3−プロパンジイル基)であるRC−NH2である式(I)を有するアミン化合物を含む高分子アミン組成物を提供する。高分子アミン組成物は、この態様において、約250〜約1500の数平均分子量(Mn)を有すると共に、nは0〜50を含む範囲内の整数であることができる。
【0044】
本発明の高分子アミン組成物は、それらが少なくとも一つの反復単位を含むことを示すポリマーとして記載される。出願者らの用語「ポリマー」の使用は、より低い分子量のポリマーまたはオリゴマーを含むすべての分子量ポリマーを包含することを意味する。ポリマーとオリゴマー間の分子量の工業的に許容される境界は存在しないので、出願者らは、本開示全体を通して用語ポリマーを使用することを選択し、用語ポリマーがオリゴマーをも包含するように意図している。
【0045】
本発明の組成物が高分子であるので、それらは、必然的に、異なる数の反復単位を有する異なるサイズの分子の混合物を含む。さらに、アミン化合物を含む高分子アミン組成物に対しては、以下の式を有する:
【化44】

式中、RA、RB、Xは上述の通りであり、整数nはゼロであることができる。
【0046】
例えば、式(I)で表される括弧内の部分は、所定の分子または化合物中の反復単位を示し、整数「n」はその分子または化合物中の反復単位の数を表す。本発明の高分子アミン組成物が高分子であるので、それは、種々のサイズの、すなわち、種々のn値の分子または化合物の混合物により表される。整数nが0〜50以上に変わることは本発明の範囲内である。異なる態様において、nは0〜40、または0〜30、または0〜20を含む範囲にある。さらなる態様において、nは0〜10を含む範囲にある。異なる態様において、nは1〜50、1〜40、1〜30、または1〜20を含む範囲にあることができる。さらに、nは、本発明の一つの態様において、1〜10を含む範囲にあることができる。nが高分子組成物内の単一分子または化合物に対する反復単位の数を指定する整数を表すと共に、高分子組成物がnの分配値を有し、分子サイズの分布、および分子量の分配を有することは理解される。式(I)中に示される反復部分を有する化合物を含むあらゆる所定の高分子アミン組成物に対して、nの平均値は、数平均分子量、Mnから容易に決定することができる。nの平均値を決定することは、それぞれの分子量分配に応じて、整数または自然数を必ずしももたらさないであろう。
【0047】
本発明により、これらの新奇高分子アミン組成物を製造する方法が開示される。約250〜約1500のMnを有する高分子アミン組成物を製造するための方法は、
A.第1第1級アミンを、α、β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルと混合して中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを形成し;
B.中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを、水素存在下で、第1第1級アミンと同じか、または異なることができる第2第1級アミンを含有する第1液相に導入して、第2ジアミンポリマーを形成し;
C.第2ジアミンポリマーを、第2ニトリルが第1ニトリルと同じか、または異なることができるα、β−不飽和第2ニトリルと混合して、ビス−シアノエチル化化合物を形成し、および
D.ビス−シアノエチル化化合物を水素存在下で第2液相に導入して、高分子アミン組成物を形成すること、
を含むことができる。
【0048】
本発明の別の態様において、約250〜約1500のMnを有する高分子アミン組成物を製造するための方法は、
A.第1第1級アミンおよびα、β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルの一つを、約0.6:1〜約2.2:1のケトン、アルデヒド、または第1ニトリル対第1第1級アミンのモル比において、約40℃〜80℃で遅延添加方式により反応器中で他に添加して、中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを形成し;
B.中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを、水素化触媒および水素存在下、約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の圧力で、第1第1級アミンと同じか、または異なることができる第2第1級アミン対全体中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリル供給原料の約0.1:1〜約0.75:1の質量比において約70℃〜約150℃で第2第1級アミンを含有する第1液相に添加して、第2ジアミンポリマーを形成し;
C.第2ジアミンポリマーおよびα、β−不飽和第2ニトリルの一つを、約0.6:1〜約3:1の第1ニトリルと同じか、または異なることができる第2ニトリル対第2ジアミンポリマーのモル比において約40℃〜80℃で遅延添加方式により反応器中で他に添加して、ビス−シアノエチル化化合物を形成し、および
D.ビス−シアノエチル化化合物を、水素化触媒および水素存在下、約70℃〜約150℃、約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の圧力で第2液相に添加して、高分子アミン組成物を形成すること、
を含む。
【0049】
これらの方法は式(I)を有するアミン化合物を含む高分子アミン組成物をもたらし、式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化45】


【化46】


【化47】

、または
【化48】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化49】

であり;
XはRC−NH2であり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化50】

であり;および
nは0〜50を含む範囲内の整数である。
【0050】
それぞれの初期反応物質から見ての段階A用の一般反応スキームを以下に示す:
一般反応スキーム−段階A
【化51】

【0051】
第1第1級アミンとしての使用に適する第1級アミンには、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン(CHA)、エタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルピペラジン、アミノエチルモルホリン、N−アミノエチル−N’−メチルピペラジン、またはアミノプロピルジエタノールアミンなど、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられるがそれらに限定されない。α,β−不飽和ケトンまたはアルデヒド化合物の非限定例には、アセチルアセトン、メチル・ビニル・ケトン、またはアクロレインなど、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられる。適するα,β−不飽和第1ニトリルには、アクリロニトリル、マロノニトリル、アジポニトリル、またはキシリレン・ジシアン化物など、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられるがそれらに限定されない。本明細書において用いられる遅延添加方式は、一つの反応物質が数時間にわたり他の反応物質に緩やかに添加されることを示す。例えば、第1第1級アミンは、実施例1において4時間にわたり第1ニトリルに添加される。
【0052】
それぞれの中間物質から見ての段階B用の一般反応スキームを以下に示す:
一般反応スキーム−段階B
【化52】

【0053】
段階Aの中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルは、段階Bにおいて第2第1級アミンと反応する。第2第1級アミンは、上の一般反応スキームにおいて示されるように第1第1級アミンと同じであることができる。あるいは、段階Bにおいて用いられる第2第1級アミンは、段階Aにおいて用いられる第1第1級アミンとは異なることができる。適する水素化触媒には、当業者に周知である、Pt、Pd、Rh、Ru、Ni、またはCoなど、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられるがそれらに限定されない。段階Bにおいて有用である触媒量は、金属の相対量対触媒支持体の質量に応じて決まる。実施例1において用いられるPd/Al23触媒に対して、全体中間ニトリル供給原料に対する全体触媒の適する質量%は、一般に、約0.75%〜約5%の範囲にある。段階Bの得られる製品は、第2ジアミンポリマーである。第2ジアミンポリマーを製造するための方法は、また、本明細書において参考のためその全体を包含する、2006年10月20日に出願された米国特許出願第11/584,388号明細書に開示されている。
【0054】
本発明の一つの態様において、段階Bの第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリルと反応し、段階Dにおいて水素化される。第2ニトリルは、段階Aにおいて用いられる第1ニトリルと同じかまたは異なることができる。適する第2ニトリルには、アクリロニトリル、マロノニトリル、アジポニトリル、またはキシリレン・ジシアン化物など、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられるがそれらに限定されない。実施例1の段階Cにおける第2ニトリルはアクリロニトリルである。段階Dにおける水素化触媒は、段階Bにおいて用いられるものと同じか、または異なることができる。実施例1は段階Dにおいてコバルト水素化触媒を用いる。
【0055】
上述の手順は、約250〜約1500のMnを有する高分子アミン組成物を製造するために用いることができる。500または1000を超えるMnを有する高分子アミン組成物を製造するために、ケトン、アルデヒド、または第1ニトリル対第1第1級アミンのモル比は、段階Aにおいて約1.8:1〜約2.1:1の範囲にあることができる。段階Bにおいて、第2第1級アミン対全体中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリル供給原料の質量比は、約0.1:1〜約0.25:1の範囲にある。この態様において、段階Bにおける温度は、90〜140℃範囲内に保持することが好ましい。
【0056】
当業者は、また、上の段階AおよびBから生じる第2ジアミンポリマーを製造するための代替法があることを認識するであろう。この代替法は、脂肪族または芳香族ジニトリルを、水素および適する金属水素化触媒の存在下などの還元条件下で第1級アミンと接触させることを含む。以下の反応スキームは、第1級アミンとしてのメチルアミンおよび適切なジニトリルを用いるこの代替法の二つの非限定実施例を示す:
【化53】

得られる第2ジアミンポリマーは、次に、上述の段階CおよびDによりさらに処理されて、本発明の高分子アミン組成物を製造することができる。
【0057】
本発明の別の態様は構成実施例11〜13において実証される。段階Cにおいて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびグリシジルエーテルなどの酸素含有部分は、第2ジアミンポリマーと反応する。段階Dは本発明のこの態様においては用いられない。得られる高分子アミン組成物は、ヒドロキシル官能基を有するアミン化合物を含む。
【0058】
本発明のなお別の態様において、段階Cは、水素存在下での第2ジアミンポリマーのアルデヒドとの還元アルキル化反応である。段階Dは本発明のこの態様においては用いられない。例えば、当業者は、第2ジアミンポリマーをホルムアルデヒドと反応させることにより、結果が式(I)におけるRE−H部分用のメチル基であることを認識するであろう。同様に、反応物質が、それぞれ、エタナール(アセトアルデヒド)、プロパナール(プロピオンアルデヒド)、またはブタナール(ブチルアルデヒド)である場合に、REは非置換C2、C3、またはC4直鎖アルカンジイルである。
【0059】
必要ならば、高分子アミン組成物中のアミン化合物の誘導体は本発明の実施のために用いることができる。こうした誘導体には、ポリアミド誘導体、アミドアミン誘導体、アミン−エポキシ付加物誘導体、およびそれらの組合せが挙げられる。これらの誘導体は当業者に周知である。
多官能性アミン
【0060】
本発明による組成物は、少なくとも一つの多官能性アミンを含むことができる。本明細書において用いられる多官能性アミンは、アミン官能基を有し、2個以上の活性アミン水素を含有する化合物を言う。別の態様において、多官能性アミンは3個以上の活性アミン水素を含有することができる。
【0061】
作業者暴露および安全性の問題が生じることが可能である一部の用途において用いられる特定多官能性アミンの揮発性を限定することは、有利であることができる。従って、本発明の一つの態様において、少なくとも一つの多官能性アミンは6個以上の炭素原子を含有する。別の態様において、少なくとも一つの多官能性アミンは8個以上の炭素原子を含有する。なお別の態様において、少なくとも一つの多官能性アミンは12個以上の炭素原子を含有する。
【0062】
本発明の範囲内にある多官能性アミンの非限定例には、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基型誘導体、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体、および脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体など、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられるがそれらに限定されない。
【0063】
1を超える多官能性アミンは、本発明の組成物中に用いることができる。例えば、少なくとも一つの多官能性アミンは、脂肪族アミンおよび脂環式アミンのマンニッヒ塩基型誘導体を含むことができる。また、少なくとも一つの多官能性アミンは、一つの脂肪族アミンおよび一つの異なる脂肪族アミンを含むことができる。
【0064】
代表的な脂肪族アミンには、ポリエチレンアミン(トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、およびペンタエチレンヘキサミンなど)、1,6−ヘキサンジアミン、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,5,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(ダイテック(Dytek)−Aとして市販されている)、ビス−(3−アミノプロピル)アミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,2−エタンジアミン、およびアミノエチルピペラジンなど、またはそれらの組合せが挙げられる。加えて、ハンツマン(Huntsman Corporation)からジェファミン(Jeffamine)名で市販されているポリ(アルキレンオキシド)ジアミンおよびトリアミンは、本発明において有用である。説明のための例には、ジェファミン(登録商標)D−230、ジェファミン(登録商標)D−400、ジェファミン(登録商標)D−2000、ジェファミン(登録商標)D−4000、ジェファミン(登録商標)T−403、ジェファミン(登録商標)EDR−148、ジェファミン(登録商標)EDR−192、ジェファミン(登録商標)C−346、ジェファミン(登録商標)ED−600、ジェファミン(登録商標)ED−900、およびジェファミン(登録商標)ED−2001など、またはそれらの組合せが挙げられるがそれらに限定されない。
【0065】
脂環式および芳香族アミンには、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、水素化オルト−トルエンジアミン、水素化メタ−トルエンジアミン、メタキシリレンジアミン、水素化メタキシリレンジアミン(商業的には1,3−BACと呼ばれる)、イソフォロンジアミン、種々の異性体またはノルボルナンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、およびメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミンなど、またはそれらの組合せが挙げられるがそれらに限定されない。メチレン架橋ポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミンの混合物は、MBPCAAまたはMPCAのいずれかとして略され、本明細書において参考のためその全体を包含する米国特許第5,280,091号明細書に記載されている。本発明の一つの態様において、少なくとも一つの多官能性アミンは、メチレン架橋ポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミン(MPCA)の混合物である。
【0066】
マンニッヒ塩基型誘導体は、上述の脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンの、フェノールまたは置換フェノールおよびホルムアルデヒドとの反応により製造することができる。本発明における有用性を有するマンニッヒ塩基を製造するために用いられる代表的な置換フェノールは、カシューナッツシェル液から得られるカルダノールである。あるいは、マンニッヒ塩基は、多官能性アミンの、トリス−ジメチルアミノメチルフェノール(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals,Inc.)からアンカミン(Ancamine)(登録商標)として市販されている)またはビス−ジメチルアミノメチルフェノールなどのマンニッヒ塩基を含有する第3級アミンとの交換反応により調製することができる。ポリアミド誘導体は、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのダイマー脂肪酸、またはダイマー脂肪酸と脂肪酸の混合物との反応により調製することができる。アミドアミン誘導体は、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンの脂肪酸との反応により調製することができる。アミン付加物は、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンの、エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、またはエポキシノボラック樹脂との反応により調製することができる。脂肪族、脂環式、および芳香族アミンは、また、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ブチルジグリシジルエーテル、および他のアルキルジグリシジルエーテルなどの単官能エポキシ樹脂に付加することができる。
多官能性エポキシ樹脂
【0067】
本発明のアミン−エポキシ組成物は、少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分を含む。本明細書において用いられる多官能性エポキシ樹脂は、分子当り2個以上の1,2−エポキシ基を含有する化合物を言う。このタイプのエポキシド化合物は、本明細書において参考のため包含する、Y.Tanaka,“Synthesis and Characteristics of Epoxides”,in C.A.May,ed.,Epoxy Resins Chemistry and Technology(Marcel Dekker,1988)に記載されている。
【0068】
本発明における使用に適するエポキシ樹脂の一つの部類は、2価フェノールのグリシジルエーテルを包含する多価フェノールのグリシジルエーテルを含む。説明のための例には、レゾルシノールのグリシジルエーテル、ヒドロキノン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(商業的にビスフェノールAとして知られる)、およびビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン(商業的にビスフェノールFとして知られ、2−ヒドロキシフェニル異性体の変動量を含有することが可能である)など、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられるがそれらに限定されない。加えて、以下の構造の新型2価フェノールも、また、本発明において有用である:
【化54】

式中、mは整数であり、Rは上に一覧した2価フェノールなどの2価フェノールの2価炭化水素ラジカルである。この式による物質は、2価フェノールおよびエピクロロヒドリンの混合物を重合させるか、または、2価フェノールのジグリシジルエーテルと2価フェノールの混合物を進行させることにより調製することができる。あらゆる所定の分子において、m値は整数であるが、一方で、物質は、常に、必ずしも自然数ではないmの平均値を特徴とすることができる混合物である。0〜約7間のm平均値を有する高分子物質は、本発明の一つの態様において用いることができる。
【0069】
別の態様において、ノボラック樹脂のグリシジルエーテルであるエポキシノボラック樹脂は、本発明による多官能性エポキシ樹脂として用いることができる。なお別の態様において、少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂は、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル(DGEBA)、新型またはより高い分子量版のDGEBA、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、またはそれらのあらゆる組合せである。より高い分子量版またはDGEBAの誘導体は、過剰DGEBAがビスフェノール−Aと反応してエポキシ末端製品を生成する、新型プロセスにより調製される。こうした製品に対するエポキシ当量(EEW)は、約450〜3000以上の範囲にある。これらの製品が室温では固形であるので、それらは、多くの場合、固形エポキシ樹脂と呼ばれる。
【0070】
DGEBAまたは新型DGEBA樹脂は、多くの場合、それらの低コストと一般に高性能特性の組合せのせいで塗料配合物中に用いられる。約174〜約250、さらに一般的には約185〜約195の範囲にあるEEWを有するDGEBAの商用銘柄は容易に利用可能である。これらの低分子量で、エポキシ樹脂は液体であり、多くの場合、液体エポキシ樹脂と呼ばれる。液体エポキシ樹脂のほとんどの銘柄が、純粋DGEBAが174のEEWを有するのでやや高分子的であることは、当業者により理解される。また一般に新型プロセスにより調製される250〜450間のEEWを有する樹脂は、それらが室温で固形物および液体の混合物であるので、半固形エポキシ樹脂と呼ばれる。
【0071】
最終消費用途に応じて、エポキシ成分を修正することにより本発明の組成物の粘度を下げることは有利であることができる。例えば、粘度は、なお簡単な用途を可能としながら、配合物または組成物中の顔料のレベルの増加を可能とするように、またはより高い分子量エポキシ樹脂の使用を可能とするように下げることができる。従って、少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分が、さらに単官能エポキシドを含むことは本発明の範囲内である。モノエポキシドの例には、スチレン・オキシド、シクロヘキセン・オキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびフェノール、クレゾール、t−ブチルフェノール、他のアルキルフェノール、ブタノ−ル、2−エチルヘキサノール、C4〜C14アルコールのグリシジルエーテルなどが挙げられるがそれらに限定されない。
その他の添加剤
【0072】
本発明の組成物は、種々の製造品を製造するために用いることができる。物品製造の間の、または物品の最終消費用途用の要求事項に応じて、種々の添加剤は特定の特性を仕立てるために配合物および組成物中で用いることができる。これらの添加剤には、溶媒、促進剤、可塑剤、充填剤、ガラスなどの繊維または炭素繊維、顔料、顔料分散剤、レオロジー調整剤、チキソトロープ剤、流動助剤またはレベリング助剤、消泡剤、またはそれらのあらゆる組合せが挙げられるがそれらに限定されない。技術上公知である他の混合物または材料が組成物または配合物中に含むことができると共に、本発明の範囲内であることは理解される。
【0073】
さらに、本発明の範囲内の組成物は、溶媒なしであり、溶媒フリーまたは100%固形物とも呼ぶことができる。あるいは、これらの組成物は、さらに、少なくとも一つの溶媒(溶媒は希釈剤とも呼ばれる)を含むことができる。多くの場合、溶媒または溶媒の混合物は、配合物の構成成分の溶解性を保持しながら、組成物または配合物用の特定蒸発速度プロフィールを与えるために選択される。
物品
【0074】
本発明は、また、本明細書において開示される組成物を含む製造品を目指す。例えば、物品は、高分子アミン硬化剤組成物とエポキシ成分の接触製品を含むアミン−エポキシ組成物を含むことができる。高分子アミン硬化剤組成物は、式(I)を有するアミン化合物を含む。高分子アミン硬化剤組成物は、さらに、少なくとも一つの多官能性アミンを含むことができる。エポキシ成分は少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂を含む。任意に、種々の添加剤は、望ましい特性に応じて、製造品を製造するために用いられる組成物または配合物中に存在することができる。これらの添加剤には、溶媒、促進剤、可塑剤、充填剤、ガラスなどの繊維または炭素繊維、顔料、顔料分散剤、レオロジー調整剤、チキソトロープ剤、流動助剤またはレベリング助剤、消泡剤、またはそれらのあらゆる組合せを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0075】
本発明による物品には、塗料、接着剤、建設製品、床製品、または複合製品が挙げられるがそれらに限定されない。これらのアミン−エポキシ組成物に基づく塗料は溶媒なしであることができるか、または特定用途用に必要とされる溶媒または希釈剤を含有することができる。例えば、50%を超える、65%を超える、75%を超える、または85%を超える固形物含量を有する塗料は、本発明の範囲内である。塗料は、塗装で用いるための種々のタイプおよびレベルの顔料を含有することができる。
【0076】
多くの基板は、当業者に周知のような適正な表面調製により、本発明の塗料用途用に適する。こうした基板には、コンクリートおよび鋼およびアルミニウムなどの種々のタイプの金属および合金が挙げられるがそれらに限定されない。
【0077】
本発明の塗料は、噴霧、ブラシ、ローラー、および塗装ミットなどを含むいくつもの技術により塗布することができる。本発明の極めて高い固形物含量のまたは100%固形物の塗料を塗布するために、アミンおよびエポキシ成分が、スプレーガン自体の中でスプレーガンに至るライン中で混合されるか、またはそれらがスプレーガンを離れる際に二つの成分を一緒に混合することにより混合される複数成分噴霧塗布装置は、用いることができる。この技術を用いることは、アミン反応性および固形物含量の両方が増大するにつれて一般的に減少する配合物のポット・ライフに関する制約を緩和することができる。加熱複数成分装置は、構成成分の粘度をさげ、それによって塗布の容易さを改善するために用いることができる。
【0078】
建設および床用途には、建設産業において一般的に用いられるコンクリートまたは他の材料と組合せて本発明のアミン−エポキシ組成物を含む組成物が含まれる。本発明の組成物は、エポキシ系床の建設、多くの場合、通常セメント質または他の類似のタイプの床材料から得られるものよりも、より良い機械的性質(例えば、改善された引張強度または改善された圧縮強度)またはより良い伸びを必要とする用途において用いることができる。ひび割れ注入およびひび割れ充填製品も、また、本明細書において開示される組成物、ならびにポリマー変性セメント、およびタイルグラウトなどから調製することができる。本明細書において開示されるアミン−エポキシ組成物を含む複合製品または物品の非限定例には、テニスラケット、スキー板、バイクフレーム、飛行機翼、ガラス繊維強化複合材、および他の成形製品が挙げられる。
【実施例】
【0079】
本発明は、さらに、どの面からも本発明の範囲に対する限定を課するとして解釈されるべきではない以下の実施例により説明される。種々の他の態様、実施形態、修正、およびそれらの同等物は、本明細書における説明を読んだ後、本発明の精神または添付クレームの範囲から逸脱することなく当業者にそれら自身を示唆することが可能である。
実施例1
初期反応物質としてアクリロニトリルおよびメチルアミンを利用する高分子アミン組成物の合成
【0080】
合成の第1段階(上述の段階A)は、以下の反応スキームにより説明される。第1第1級アミンはメチルアミン(MMA、MeNH2)であり、α,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルはアクリロニトリルである。
【化55】

【0081】
アクリロニトリル329g(6.2モル)および水10gを、攪拌器を備えた1−リットルステンレス鋼バッチ圧力反応器中に入れた。反応器を密封し、次に、窒素でパージして反応器から空気を除去した。反応器内容物を攪拌しながら、メチルアミン232g(7.5モル)を4時間の時間帯にわたり反応器に添加した。メチルアミン添加の間、反応器温度を55〜60℃の範囲に保持した。次に、この温度範囲を、メチルアミン添加が完了した後、1.5時間にわたり保持した。反応器を冷却し、中間製品HMe(CH22CNを除去した。
【0082】
段階Bは、メチルアミンが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化56】

【0083】
イソプロパノール100gおよび5%Pd/Al23触媒5.6gを、攪拌器および1リットル水素バラスト・タンクを備えた1リットルステンレス鋼バッチ圧力反応器中に入れた。Pd/Al23触媒は、ジョンソン・マセー(Johnson−Mathey Corporation)からスタンダード・グレード(Standard Grade)粉末として市販されている。あるいは、5%Pd/C触媒は5%Pd/Al23触媒の代わりに用いることができる。反応器を密閉し、次に、窒素および水素でパージして反応器から空気を除去した。反応器内容物を攪拌しながら、無水メチルアミン100gを反応器に添加した。次に、反応器を水素で5.5MPa(800psi)に加圧し、120℃に加熱した。5時間にわたり、上述の中間製品375gを反応器に添加した。中間製品の添加が完了した後、実質的に一定の反応器条件を2時間にわたり保持し、このときにバラスト・タンクからの水素取り込み速度は0.0034MPa/分(約0.5psi/分)未満に落ちた。反応器を室温に冷却し、脱圧し、反応製品を濾過して触媒を除去した。次に、溶媒を回転蒸発により除去した。得られる反応製品は、第2ジアミンポリマー、メチルアミン末端ポリ−(N−メチルアゼチジン)である。Mnは上述のGC技術を用いて約194であると測定した。メチルアミン末端ポリ−(N−メチルアゼチジン)は以下の化学構造を有する:
【化57】

【0084】
実施例1のメチルアミン末端ポリ−(N−メチルアゼチジン)化合物は、GCを用いて分析され、GCを用いて分離されないかまたは識別されないし、またMnを測定する上で用いられない反応副生物を表す「他」と共に、面積%による以下のポリマー分配を有した:
【表1】

【0085】
合成中の段階CおよびDは、出発材料として上で製造された第2ジアミンポリマーを用いる以下の反応スキームにより示される。段階Cは、第2ジアミンポリマーをα,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応させて、ビスシアノエチル化化合物を形成する。段階Dはビスシアノエチル化製品の水素化反応であって、本発明の高分子アミン組成物を形成する。
【化58】

【0086】
段階Cにおいて、段階Bで製造された第2ジアミンポリマー300gおよび水7.5gを、攪拌器を備えた1−リットルステンレス鋼バッチ圧力反応器中に入れた。反応器を密封し、次に、窒素でパージして反応器からあらゆる空気を除去した。反応器内容物を攪拌しながら、アクリロニトリル68gを4時間の時間帯にわたり反応器に添加した。アクリロニトリル添加の間、反応器温度を55〜60℃の範囲に保持した。次に、この温度範囲を、アクリロニトリル添加が完了した後、1.5時間にわたり保持した。反応器を冷却し、ビスシアノエチル化製品を除去した。
【0087】
段階Dは上に参照される水素化反応である。イソプロパノール125gおよびラネー・コバルト触媒5gを、攪拌器および1リットル水素バラスト・タンクを備えた1リットルステンレス鋼バッチ圧力反応器中に入れた。ラネー・コバルト触媒は、グレース(Grace)から0.5〜5%クロム(促進化)、78〜96%コバルト、および0.5〜5%ニッケルを含有する促進化グレードとして市販されている。反応器を密閉し、次に、窒素および水素でパージして反応器から空気を除去した。次に、反応器を水素で5.5MPa(800psi)に加圧し、120℃に加熱した。4時間にわたり、段階Cのビスシアノエチル化製品330gを攪拌反応器に添加した。ビスシアノエチル化製品の添加が完了した後、実質的に一定の反応器条件を約2時間以上にわたり保持し、このときにバラスト・タンクからの水素取り込み速度は0.0034MPa/分(約0.5psi/分)未満に落ちた。反応器を室温に冷却し、脱圧し、反応製品を濾過して触媒を除去した。次に、溶媒を回転蒸発により除去した。
【0088】
得られる高分子アミン組成物は、以下の構造を有する第1級アミン化合物を含んだ:
【化59】

【0089】
上に示される「n」の分配により、実施例1の高分子アミン組成物は約350のMnを有した。AHEWは約90であった。
構成実施例2
初期反応物質としてアクリロニトリルおよびジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0090】
構成実施例2は、実質的に、ここで記される反応物質および条件を除いて、実施例1において詳述される手順および反応スキームを用いる。構成実施例2は、第1第1級アミンとしてDMAPAを、α,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとしてアクリロニトリルを用いる。
【0091】
段階Aにおいて、アクリロニトリル約250〜350gを、約0.6:1〜約2.2:1のニトリル対アミンモル比でDMAPAと反応させる。水はアクリロニトリルの約2〜4質量%で反応器中に存在する。DMAPAの遅延添加の間、反応器温度を約40℃〜約80℃の範囲に保持する。この温度範囲を、DMAPA添加完了後、約1〜2時間にわたり保持する。得られる中間ニトリル製品は、Me2N(CH23NH(CH22CNである。
【0092】
段階Bは、DMAPAが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化60】

【0093】
イソプロパノール約100〜150gおよびPd/Al23触媒約5〜10gを、1リットル水素バラスト・タンクを備えた攪拌反応器中に入れた。攪拌しながら、DMAPA約90〜150gを反応器に添加した。次に、反応器を水素で約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の範囲に加圧し、約70℃〜約150℃範囲の温度に加熱する。約4〜5時間にわたり、上述の中間ニトリル製品を反応器に添加する。DMAPA対全体中間ニトリル供給原料の質量比は、約0.1:1〜約0.75:1の質量比にある。中間製品の添加が完了した後、実質的に一定の反応器条件を約30分間〜2時間にわたり保持し、このときにバラスト・タンクからの水素取り込み速度は0.0034MPa/分(約0.5psi/分)未満に落ちることが好ましい。触媒および溶媒を除去し、第2ジアミンポリマーを得る。得られる第2ジアミンポリマーに対する分子サイズの分布およびMnは、次に、前述のGC技術またはGPCなどの他の分析技術を用いて測定することができる。
【0094】
段階Cにおいて、段階Bで製造される第2ジアミンポリマー約250〜350gを、約0.6:1〜約3:1のニトリル対ジアミンポリマーモル比でα,β−不飽和第2ニトリルと反応させる。α,β−不飽和第2ニトリルは、実施例1におけるようにアクリロニトリル、または、例えば、マロノニトリル、アジポニトリル、またはキシリレン・ジシアン化物などの他のα,β−不飽和ニトリルであることができる。水は第2ジアミンポリマーに対して約2〜4質量%で反応器中に存在する。第2ニトリルの遅延添加の間、反応器温度を約40℃〜約80℃の範囲に保持する。この温度範囲を、第2ニトリル添加の完了後、約1〜2時間にわたり保持する。冷却後、ビスシアノエチル化製品を除去した。
【0095】
段階Dは水素化反応である。イソプロパノール約100〜150gおよび水素化触媒約5〜10gを、1リットル水素バラスト・タンクを備えた攪拌反応器中に入れる。次に、反応器を水素で約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の範囲に加圧し、約70℃〜約150℃範囲の温度に加熱する。約4〜5時間にわたり、段階Cのビスシアノエチル化製品約250〜350gを反応器に添加する。ビスシアノエチル化製品の添加が完了した後、実質的に一定の反応器条件を約30分〜2時間にわたり保持し、このときにバラスト・タンクからの水素取り込み速度は約0.0034MPa/分(約0.5psi/分)未満に落ちることが好ましい。触媒および溶媒を除去し、高分子アミン組成物を得る。次に、得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例3
初期反応物質としてアクリロニトリルおよびシクロヘキシルアミン(CHA)を利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0096】
構成実施例3は、実質的に、CHAがDMAPAの代わりに第1第1級アミンおよび第2第1級アミンとして用いられることを除いて、構成実施例2において詳述される手順および反応スキームを用いる。構成実施例3は、α,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとしてアクリロニトリルを用いる。
【0097】
段階Aにおいて、アクリロニトリルおよびCHAが反応して以下の中間ニトリル化合物を生成する:
【化61】

【0098】
段階Bは、CHAが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化62】

【0099】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く。得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例4
初期反応物質としてアクリロニトリルおよびアミノエチルモルホリンを利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0100】
構成実施例4は、実質的に、アミノエチルモルホリンがDMAPAの代わりに第1第1級アミンおよび第2第1級アミンとして用いられることを除いて、構成実施例2において詳述される手順および反応スキームを用いる。構成実施例3は、α,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとしてアクリロニトリルを用いる。
【0101】
段階Aにおいて、アクリロニトリルおよびアミノエチルモルホリンが反応する。以下の反応スキームにより説明されるように、段階Bにおいて、アミノエチルモルホリンが第2第1級アミンである:
【化63】

【0102】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く。得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例5
初期反応物質としてアクロレインおよびメチルアミンを利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0103】
構成実施例5は、実質的に、メチルアミンがDMAPAの代わりに第1第1級アミンおよび第2第1級アミンとして用いられること、およびアクロレインがアクリロニトリルの代わりにα,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとして用いられることを除いて、構成実施例2において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0104】
段階Aにおいて、アクロレインおよびメチルアミンが反応して中間アルデヒド製品HMeN(CH22CHOを生成する。段階Bは、メチルアミンが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化64】

【0105】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く。得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例6
初期反応物質としてアクロレインおよびジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0106】
構成実施例6は、実質的に、アクロレインがアクリロニトリルの代わりにα,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとして用いられることを除いて、構成実施例2において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0107】
段階Aにおいて、アクロレインおよびDMAPAが反応して中間アルデヒド製品Me2N(CH23NH(CH22CHOを生成する。段階Bは、DMAPAが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化65】

【0108】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く。得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例7
初期反応物質としてアクロレインおよびシクロヘキシルアミン(CHA)を利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0109】
構成実施例7は、実質的に、アクロレインがアクリロニトリルの代わりにα,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとして用いられることを除いて、構成実施例3において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0110】
段階Aにおいて、アクロレインおよびCHAが反応して以下の中間アルデヒド化合物を生成する:
【化66】

【0111】
段階Bは、CHAが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化67】

【0112】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く。得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例8
初期反応物質としてα,β−不飽和ケトンおよびメチルアミンを利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0113】
構成実施例8は、実質的に、α,β−不飽和ケトンがアクロレインの代わりにα,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとして用いられることを除いて、構成実施例5において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0114】
段階Aにおいて、α,β−不飽和ケトンおよびメチルアミンが反応して以下の反応スキームにおいて示されるように中間ケトン製品を生成する:
【化68】

【0115】
Rはこの実施例においてC1〜C5直鎖アルキル基を表す。段階Bは、MMAが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化69】

【0116】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く:
【化70】

【0117】
得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例9
初期反応物質としてα,β−不飽和ケトンおよびDMAPAを利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0118】
構成実施例9は、実質的に、α,β−不飽和ケトンがアクロレインの代わりにα,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとして用いられることを除いて、構成実施例6において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0119】
段階Aにおいて、α,β−不飽和ケトンおよびDMAPAが反応して以下の反応スキームにおいて示されるように中間ケトン製品を生成する:
【化71】

【0120】
Rはこの実施例においてC1〜C5直鎖アルキル基を表す。段階Bは、DMAPAが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化72】

【0121】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く。得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例10
初期反応物質としてα,β−不飽和ケトンおよびCHAを利用する高分子アミン組成物の構成的な合成
【0122】
構成実施例10は、実質的に、α,β−不飽和ケトンがアクロレインの代わりにα,β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルとして用いられることを除いて、構成実施例7において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0123】
段階Aにおいて、α,β−不飽和ケトンおよびCHAが反応して以下の反応スキームにおいて示されるように中間ケトン製品を生成する:
【化73】

【0124】
Rはこの実施例においてC1〜C5直鎖アルキル基を表す。段階Bは、CHAが第2第1級アミンである以下の反応スキームにより説明される:
【化74】

【0125】
次に、第2ジアミンポリマーは、段階Cにおいて、α,β−不飽和第2ニトリル(アクリロニトリル)と反応し、次いで段階Dの水素化反応に続く。得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例11
エチレンオキシドが段階Cにおいて用いられる高分子アミン組成物の構成的な合成
【0126】
構成実施例11は、実質的に、実施例1、段階AおよびBにおいて詳述される手順および反応スキームを用いて、以下の化学構造を有する第2ジアミンポリマーを生成する:
【化75】

【0127】
構成実施例11は、実質的に、ここで記される反応物質および条件を除いて、実施例1における段階Cにおいて詳述される手順および反応スキームを用いる。構成実施例11の段階Cにおいて、段階Bで生成される第2ジアミンポリマー約250〜350gは、約0.6:1〜約3:1のエチレンオキシド対ジアミンポリマーモル比でエチレンオキシドと反応する。水は第2ジアミンポリマーに対して2〜4質量%で反応器中に存在する。4時間にわたるエチレンオキシドの添加の間、反応器温度は40℃〜80℃の範囲に保持される。この温度範囲は、エチレンオキシド添加完了後、1〜2時間にわたり保持される。冷却後、高分子アミン組成物は除去される。
【0128】
得られる高分子アミン組成物は、以下の構造を有するアミン化合物を含む:
【化76】

【0129】
得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例12
プロピレンオキシドが段階Cにおいて用いられる高分子アミン組成物の構成的な合成
【0130】
構成実施例12は、実質的に、プロピレンオキシドがエチレンオキシドの代わりに段階Cにおける反応物質として用いられることを除いて、構成実施例11において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0131】
得られる高分子アミン組成物は、以下の構造を有するアミン化合物を含む:
【化77】

【0132】
得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。
構成実施例13
グリシジルエーテルが段階Cにおいて用いられる高分子アミン組成物の構成的な合成
【0133】
構成実施例13は、実質的に、グリシジルエーテルがエチレンオキシドの代わりに段階Cにおける反応物質として用いられることを除いて、構成実施例11において詳述される手順および反応スキームを用いる。
【0134】
グリシジルエーテルは以下の構造を有する:
【化78】

式中RZは、フェニル基または非置換C1〜C18直鎖または分岐鎖アルキル基である。
【0135】
得られる高分子アミン組成物は、以下の構造を有するアミン化合物を含む:
【化79】

【0136】
得られる高分子アミン組成物に対する分子サイズの分布、Mn、およびAHEWは、次に、当業者に公知の技術により測定することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式を有するアミン化合物を含む高分子アミン組成物:
【化1】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化2】


【化3】


【化4】

、または
【化5】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化6】

であり;
各Xは、独立に、RC−NH2、RD−OH、またはRE−Hであり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化7】

であり;
Dは、RYが水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、またはRZがフェニル基または非置換C1〜C18直鎖または分岐鎖アルキル基であるCH2ORZである−CH2CHRY−であり;
Eは非置換C1〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイルであり;
高分子アミン組成物は約250〜約1500の数平均分子量(Mn)を有し;および
nは0〜10を含む範囲内の整数である、高分子アミン組成物。
【請求項2】
(i)以下の式を有するアミン化合物を含む高分子アミン組成物:
【化8】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化9】


【化10】


【化11】

、または
【化12】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化13】

であり;
各Xは独立にRC−NH2、RD−OH、またはRE−Hであり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化14】

であり;
Dは、RYが水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、またはRZがフェニル基または非置換C1〜C18直鎖または分岐鎖アルキル基であるCH2ORZである−CH2CHRY−であり;
Eは非置換C1〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基であり;
高分子アミン組成物は約250〜約1500の数平均分子量(Mn)を有し;および
nは0〜10を含む範囲内の整数である、高分子アミン組成物;ならびに
(ii)2個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミン、
を含むアミン硬化剤組成物。
【請求項3】
Aが置換または非置換C1〜C6直鎖または分岐鎖アルキル基である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
Bが非置換C3〜C6直鎖または分岐鎖アルカンジイル基である、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
Cが非置換C3〜C6直鎖または分岐鎖アルカンジイル基である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
Yが水素原子、メチル基、またはフェニル基である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
高分子アミン組成物が約300〜約800のMnを有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
高分子アミン組成物が約40〜約500のアミン水素当量(AHEW)を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
高分子アミン組成物が約60〜約250のアミン水素当量(AHEW)を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
高分子アミン組成物のアミン化合物がそれらの誘導体を含み、該誘導体が、ポリアミド誘導体、アミドアミン誘導体、アミン−エポキシ付加物誘導体、またはそれらのあらゆる組合せである、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも一つの多官能性アミンが3個以上の活性アミン水素および6個以上の炭素原子を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも一つの多官能性アミンが、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基型誘導体、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体、またはそれらのあらゆる組合せである、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも一つの多官能性アミンがメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミンの混合物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
(i)以下の式を有するアミン化合物を含む高分子アミン組成物:
【化15】

式中:
各RAはメチル基であり;
各RBは非置換C3直鎖アルカンジイル基であり;
各XはRC−NH2であり;
Cは非置換C3直鎖アルカンジイル基であり;
高分子アミン組成物は約250〜約1500の数平均分子量(Mn)を有し;および
nは0〜10を含む範囲内の整数である、高分子アミン組成物;ならびに
(ii)2個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミン、
を含むアミン硬化剤組成物。
【請求項15】
(a)以下の式を有するアミン化合物を含む高分子アミン硬化剤組成物:
【化16】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化17】


【化18】


【化19】

、または
【化20】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化21】

であり;
各Xは独立にRC−NH2であり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化22】

であり;
高分子アミン硬化剤組成物は約250〜約1500のMnを有し;および
nは0〜10を含む範囲内の整数である、高分子アミン硬化剤組成物;ならびに
(b)少なくとも一つの多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分、
の接触製品を含むアミン−エポキシ組成物。
【請求項16】
エポキシ成分中のエポキシ基対高分子アミン硬化剤組成物中の反応性水素の化学量論比が、約1.5:1〜約1:1.5の範囲にある、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
エポキシ成分中のエポキシ基対高分子アミン硬化剤組成物中の反応性水素の化学量論比が、約1.3:1〜約1:1.3の範囲にある、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
高分子アミン硬化剤組成物が約300〜約800のMnを有する、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
高分子アミン硬化剤組成物が、さらに、3個以上の活性アミン水素を有する少なくとも一つの多官能性アミンを含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項20】
請求項15に記載のアミン−エポキシ組成物を硬化させることを含む方法。
【請求項21】
請求項15に記載の組成物を含む製造品。
【請求項22】
物品が塗料、接着剤、建設製品、床製品、または複合製品である請求項21に記載の物品。
【請求項23】
A.第1第1級アミンを、α、β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルと混合して中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを形成し;
B.中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルを、水素存在下で、第1第1級アミンと同じか、または異なることができる第2第1級アミンを含有する第1液相に導入して、第2ジアミンポリマーを形成し;
C.第2ジアミンポリマーを、第2ニトリルが第1ニトリルと同じか、または異なることができるα、β−不飽和第2ニトリルと混合して、ビス−シアノエチル化化合物を形成し、および
D.ビス−シアノエチル化化合物を水素存在下で第2液相に導入して、高分子アミン組成物を形成すること、
を含む、約250〜約1500のMnを有する高分子アミン組成物を製造する方法であって、
該高分子アミン組成物は以下の式を有するアミン化合物を含み:
【化23】

式中:
各RAは、独立に、非置換C5〜C6シクロアルキル基、またはアルキル基上の置換基が独立に−N(CH32、−N(CH2CH32
【化24】


【化25】


【化26】

、または
【化27】

である置換または非置換C1〜C12直鎖または分岐鎖アルキル基であり;
各RBは、独立に、非置換C3〜C8直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはpおよびqが独立に1、2、3、4、5、または6である
【化28】

であり;
XはRC−NH2であり;
Cは非置換C3〜C10直鎖または分岐鎖アルカンジイル基、またはrおよびsが独立に1または2である
【化29】

であり;および
nは0〜10を含む範囲内の整数である、高分子アミン組成物を製造する方法。
【請求項24】
第1第1級アミンおよびα、β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルが、約40℃〜約80℃で、および約0.6:1〜約2.2:1の範囲にある第1第1級アミン対α、β−不飽和ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルのモル比で混合され;
中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルが、水素存在下、約70℃〜約150℃の温度、約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の圧力で、および約0.1:1〜約0.75:1の範囲にある第2第1級アミン対中間ケトン、アルデヒド、または第1ニトリルの質量比で、第2第1級アミンを含有する第1液相と接触し;
第2ジアミンポリマーおよびα、β−不飽和第2ニトリルが、約40℃〜約80℃の温度で、および約0.6:1〜約3:1の範囲にある第2ニトリル対ジアミンポリマーのモル比で混合され;および
ビス−シアノエチル化化合物が、水素存在下、約70℃〜約150℃の温度、約1.38〜約20.7MPa(約200〜約3000psig)の圧力で第2液相と接触する、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
α、β−不飽和ケトンまたはアルデヒドがアセチルアセトン、メチルビニルケトン、またはアクロレインである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
α、β−不飽和第1ニトリルおよび第2ニトリルが、独立に、アクリロニトリル、マロノニトリル、アジポニトリル、またはキシリレン・ジシアン化物である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
第1第1級アミンおよび第2第1級アミンが、独立に、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルピペラジン、アミノエチルモルホリン、N−アミノエチル−N’メチルピペラジン、またはアミノプロピルジエタノールアミンである、請求項23に記載の方法。

【公開番号】特開2008−291240(P2008−291240A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−113037(P2008−113037)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】