説明

新規のイミダゾキナゾリン誘導体、この製造方法およびこれを用いた有機電気素子

本発明は、新規のイミダゾキナゾリン誘導体、この製造方法およびこれを用いた有機電気素子に関する。本発明に係るイミダゾキナゾリン誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電気素子で正孔注入、正孔輸送、電子注入および輸送、または発光物質の役割をすることができ、本発明に係る素子は、効率、駆動電圧、安定性の面に優れた特性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のイミダゾキナゾリン誘導体、この製造方法およびこれを用いた有機電気素子に関するものである。
本出願は、2005年12月13日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2005−0122778号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
有機電気素子とは正孔および/または電子を用いた電極と有機物との間における電荷交流を必要とする素子を意味する。有機電子素子は動作原理に応じて下記のように大きく2つに分けることができる。第1は、外部の光源から素子に流入された光子によって有機物層からエキシトン(exiton)が形成され、このエキシトンが電子と正孔に分離され、この電子と正孔が各々他の電極に伝達されて電流源(電圧源)として用いられる形態の電気素子である。第2は、2つ以上の電極に電圧または電流を加えて電極と界面をなす有機物半導体に正孔および/または電子を注入し、注入された電子と正孔によって動作する形態の電気素子である。
【0003】
有機電気素子の例としては、有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)、有機トランジスタなどがあり、これらすべては、素子の駆動のために正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質を必要とする。以下では主に有機発光素子について具体的に説明するが、前記有機電子素子では正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質が類似する原理によって作用する。
【0004】
一般的に有機発光現象とは有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象を言う。有機発光現象を用いる有機発光素子は、通常、陽極と陰極およびこの間に有機物層を含む構造を有する。ここで、有機物層は、有機発光素子の効率と安全性を高めるために、それぞれ異なった物質で構成された多層の構造でなされる場合が多く、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなり得る。このような有機発光素子の構造において、2つの電極の間に電圧をかけると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が有機物層に注入されるようになり、注入された正孔と電子が接した時にエキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に落ちる時に光が発されるようになる。このような有機発光素子は自発光、高輝度、高効率、低駆動電圧、広視野角、高コントラスト、高速応答性などの特性を有するものとして知られている。
【0005】
有機発光素子で有機物層として用いられる材料は、機能に応じて発光材料と電荷輸送材料、例えば、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料などに分類することができる。また、発光材料は、発光色に応じて青色、緑色、赤色発光材料と、より優れた天然色を実現するために必要な黄色およびオレンジ色発光材料に区分することができる。一方、発光材料として1つの物質のみを用いる場合には、分子間の相互作用によって最大発光波長が長波長に移動し、色純度が低下したり発光減衰効果によって素子の効率が減少するという問題が発生するため、色純度の増加とエネルギー転移による発光効率を増加させるために発光材料としてホスト/ドーパント系を用いることができる。
【0006】
有機発光素子が上述した優れた特徴を十分に発揮するためには、素子内の有機物層をなす物質、例えば、正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などが安定し、効率的な材料による裏付けが先行されなければならないが、安定かつ効率的な有機発光素子用の有機物層材料の開発が未だ十分になされていない状態である。したがって、新たな材料の開発が求め続けられており、このような材料開発の必要性は前述した他の有機電気素子においても同様である。
【特許文献1】韓国特許出願第10−2005−0122778号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、新規のイミダゾキナゾリン誘導体を合成し、このような誘導体が有機電気素子で正孔注入、正孔輸送、電子注入および輸送、または発光物質として作用するときに、界面特性および電荷輸送能力が優れていることを確認した上で本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、新規のイミダゾキナゾリン誘導体、この製造方法およびこれを用いた有機電子素子を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るイミダゾキナゾリン誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電気素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入および輸送、または発光物質の役割をすることができ、本発明に係る素子は、効率、駆動電圧、安定性の面に優れた特性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、下記化学式1で示されるイミダゾキナゾリン誘導体を提供する。
【化1】

前記化学式1において、
R1およびR2は、それぞれ独立に同一であるか相違しており、水素原子;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアルキル基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のシクロアルキル基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリール基;または、ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のヘテロアリール基であり、互いに隣接する基と脂肪族、芳香族、脂肪族ヘテロ、または芳香族ヘテロの縮合環を形成したりスピロ結合をなすことができ、
R3〜R6は、それぞれ独立に同一であるか相違しており、水素原子;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C12のアルコキシ基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C12のアルキルチオキシ基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアルキルアミン基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリールアミン;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリール基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のヘテロアリール基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のシリコン基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のホウ素基;アミノ基;ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;アミド基;またはエステル基であり、互いに隣接する基と脂肪族、芳香族、脂肪族ヘテロ、または芳香族ヘテロの縮合環を形成したりスピロ結合をなすことができ、
Arは、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリール基;または、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のヘテロアリール基であり、
Yは、環を構成する1つ以上の炭素が追加で窒素に置換されるヘテロアリール基であり、
Zは、アリール基または環を構成する1つ以上の炭素が窒素に置換されたヘテロアリール基である。次のような構造を例として挙げることができる。
【0011】
【化2】

【0012】
好ましくは、前記化学式1において、
R1およびR2は、それぞれ独立に同一であるか相違しており、フェニル、ビフェニル、ナフチル基、ピリジニル、またはメチル、またはニトリルに置換されたフェニルである。
また、好ましくは、前記化学式1において、
R1およびR2は、互いに隣接する基と脂肪族、芳香族、脂肪族ヘテロ、または芳香族ヘテロの縮合環を形成したりスピロ結合をなす。
特に、前記化学式1の化合物は、下記構造式からなる群から選択されうるが、これらだけに限定されるものではない。
【0013】
【化3】

【0014】
前記構造式において、R3〜R6、およびArは、前記化学式1で定義した通りであり、R1’およびR2’は、前記化学式1でR1およびR2の定義と同じである。
本発明で用いられる置換基の定義は、下記の通りである。
【0015】
前記アルキル基は、炭素数1〜30の立体的妨害を与えないものが好ましい。具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、およびヘプチル基などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0016】
前記シクロアルキル基は、炭素数3〜30の立体的妨害を与えないものが好ましく、具体的な例としては、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基がより好ましい。
前記アルコキシ基の例としては、炭素数1〜30のアルコキシ基がある。
【0017】
前記アルケニル基の例としては、スチルベニル基(stylbenyl)、スチレニル基(styrenyl)などのアリール基が連結したアルケニル基がある。
【0018】
前記アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基、ピレニル基、ペリレン基、およびこれらの誘導体などがある。
【0019】
前記アリールアミン基の例としては、フェニルアミン、ナフチルアミン、ビフェニルアミン、アントラセニルアミン、3−メチル−フェニルアミン、4−メチル−ナフチルアミン、2−メチル−ビフェニルアミン、9−メチル−アントラセニルアミン、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、カルバゾール、およびトリフェニルアミン基などがある。
【0020】
前記ヘテロアリール基の例としては、ピリジル基、ビピリジル基、トリアジン基、アクリジル基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、トリアゾール基、キノリニル基、およびイソキノリン基などがある。
前記ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素などがある。
【0021】
前記化学式1の化合物の具体的な例は、次の通りであるが、これらだけに限定されるものではない。
【0022】
化学式1の構造が次のような構造式の化合物である場合に、Arは表1の構造を有する。
【化4】

【0023】
【表1】





【0024】
その他の化学式1の構造は、次のような構造式の化合物を含むが、下記化合物だけに限定されるものではない。
【0025】
【表2】



【0026】
また、本発明は、前記化学式1で示されるイミダゾキナゾリン誘導体の製造方法を提供する。
【0027】
本発明に係るイミダゾキナゾリン誘導体の製造方法は、前記化学式1において、R1およびR2が環に連結しない化合物、およびR1およびR2が環に連結した化合物で製造される。
【0028】
第1に、前記化学式1において、R1およびR2が環に連結しない化合物である場合に、
本発明に係るイミダゾキナゾリン誘導体の製造方法は、
1)2−ニトロベンズアルデヒド化合物(II)と1,2−ジケトン化合物(III)をアンモニウムアセテート塩、またはホルムアミドと反応させて2−(2−ニトロフェニル)イミダゾール誘導体(IV)を製造する工程と、
2)前記1)工程で製造された2−(2−ニトロフェニル)イミダゾール誘導体(IV)をパラジウム触媒を用いて2−(2−アミノフェニル)イミダゾール誘導体(V)を製造する工程と、
3)前記2)工程で製造された2−(2−アミノフェニル)イミダゾール誘導体(V)をアルデヒド化合物(ArCHO)と反応させて化合物(I)を製造する工程とを含んで形成され、下記反応式1で示すことができる。
【0029】
【化5】

【0030】
前記反応式1において、R1〜R6、Ar、およびZは、前記化学式1で定義した通りである。
【0031】
第2に、前記化学式1において、R1およびR2が環に連結した化合物の場合に、
本発明に係るイミダゾキナゾリン誘導体の製造方法は、2−(2−アミノフェニル)ベンゾイミダゾール化合物(VI)とアルデヒド化合物(ArCHO)を有機溶媒下で加熱攪拌して化合物(I−1)を製造する工程を含み、下記反応式2で示すことができる。
前記有機溶媒としては、ニトロベンゼン、またはジメチルアセトアミド(DMAC)、またはトルエン、アセトニトリル、酢酸、エタノール、THFなどが好ましい。
【0032】
【化6】

【0033】
前記反応式2において、R3〜R6、Ar、およびZは、前記化学式1で定義した通りであり、R1’は、前記化学式1でR1の定義と同じである。
また、本発明は、前記化学式1のイミダゾキナゾリン誘導体を用いた有機電気素子を提供する。
【0034】
本発明の有機電気素子は、前述した化合物を用いて1層以上の有機物層を形成することを除いては、通常の有機電気素子の製造方法および材料によって製造されうる。
【0035】
以下、有機発光素子について例示する。
前記化学式1の化合物は、構造的な特異性により、有機発光素子において有機物層として用いられる。
【0036】
本発明の一実施状態において、有機発光素子は、第1電極と第2電極およびこの間に配置された有機物層を含む構造でなされることができ、前述した本発明に係る化合物を有機発光素子の有機物層のうちの1層以上に用いるということを除いては、通常の有機発光素子の製造方法および材料を用いて製造されうる。本発明の有機発光素子のうちの有機物層は、1層からなる単層構造であり得るが、発光層を含む2層以上の多層構造でもあり得る。本発明の有機発光素子のうちの有機物層が多層構造である場合に、これは、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などが積層された構造であり得る。
【0037】
しかし、有機発光素子の構造がこれに限定されるものではなく、さらに少数の有機物層を含むことができる。このような多層構造の有機物層において、前記化学式1の化合物は、発光層、正孔注入/正孔輸送と発光を同時に行う層、正孔輸送と発光を同時に行う層、または電子輸送と発光を同時に行う層などに含まれることができる。
【0038】
例えば、本発明の有機発光素子の構造は、図1〜図4に示すような構造を有することができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0039】
図1には、基板101上に陽極102、発光層105、および陰極107が順次に積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化学式1の化合物は、前記発光層105に含まれることができる。
【0040】
図2には、基板101の上に陽極102、正孔注入/正孔輸送および発光層105、電子輸送層106、および陰極107が順次に積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化学式1の化合物は、正孔注入/正孔輸送および発光層105に含まれることができる。
【0041】
図3には、基板101、陽極102、正孔注入層103、正孔輸送および発光層105、電子輸送層106、および陰極107が順次に積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記前記化学式1の化合物は、正孔注入/正孔輸送および発光層105に含まれることができる。
【0042】
図4には、基板101、陽極102、正孔注入層103、正孔輸送層104、電子輸送および発光層105、および陰極107が順次に積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化学式1の化合物は、電子輸送および発光層105に含まれることができる。
【0043】
例えば、本発明に係る有機発光素子は、スパッタリング(sputtering)や電子ビーム蒸発(e−beam evaporation)のようなPVD(physical vapor deposition)方法を用い、基板上に金属または伝導性を有する金属酸化物、またはこれらの合金を蒸着させて陽極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に陰極で使用可能な物質を蒸着させることによって製造されうる。このような方法の他にも、基板上に陰極物質から有機物層、陽極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作ることもできる。
【0044】
前記有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層などを含む多層構造でもあり得るが、これに限定されず、単層構造でもあり得る。また、前記有機物層は、多様な高分子素材を用いて蒸着法ではなく溶媒工程(solvent process)、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、スクリーン印刷、インクジェット印刷、または熱転写法などの方法によってさらに少数の層で製造することができる。
【0045】
前記陽極物質としては、通常、有機物層に正孔注入が円滑になされるように、一関数が大きい物質が好ましい。本発明で用いられる陽極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール、およびポリアニリンのような伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0046】
前記陰極物質としては、通常、有機物層に電子注入が容易なように、一関数が小さい物質であることが好ましい。陰極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造物質などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0047】
前記正孔注入物質としては、低い電圧で陽極から正孔が適切に注入されうる物質として、正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の一関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrine)、オリゴチオフェン、アリールアミン系列の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系列の有機物、キナクリドン(quinacridone)系列の有機物、ペリレン(perylene)系列の有機物、アントラキノン、およびポリアニリンとポリチオフェン系列の伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0048】
前記正孔輸送物質としては、陽極や正孔注入層から正孔が輸送されて発光層に移すことができる物質として、正孔に対する移動性が大きい物質が適合する。具体的な例としては、アリールアミン系列の有機物、伝導性高分子、および共役部分と非共役部分がともにあるブロック共重合体などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0049】
前記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子がそれぞれ輸送されて結合させることで可視光線領域の光を出すことができる物質として、蛍光や燐光に対する陽子効率が優れた物質が好ましい。具体的な例としては、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾール系列化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、およびベンゾイミダゾール系列の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系列の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらだけに限定されるものではない。
前記電子輸送物質としては、陰極から電子が適切に注入されて発光層に移すことができる物質として、電子に対する移動性が大きい物質が適合する。具体的な例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0050】
本発明に係る有機発光素子は、用いられる材料によって、前面発光型、後面発光型、または両面発光型となり得る。
【0051】
本発明に係る化合物は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタなどをはじめとする有機電気素子でも、有機発光素子に適用されるものと類似した原理で作用することができる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の理解のための好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されたものに過ぎず、これによって本発明の内容が限定されるものではない。
<製造例1>化合物Aの製造
1−1.化合物A−1の製造
【化7】

2−(2−アミノフェニル)ベンゾイミダゾール(4.18g、20.0mmol)と4−ブロモベンズアルデヒド(4.07g、22.0mmol)をニトロベンゼン50mLに溶かした後、20時間加熱攪拌した。反応温度を室温に下げた後、形成された黄色固体をろ過し、エチルエーテルで洗った後に乾燥させて化合物A−1(5.1g、収率67.8%)を製造した。
MS[M+H]=376
【0053】
1−2.化合物A−2の製造
【化8】

前記1−1で製造した化合物A−1(5.1g、13.6mmol)にKMnO(2.3g、0.15mmol)、THF100mLを入れて12時間常温で攪拌した。セリット(Celite)に反応液をろ過させて固体化合物を除去した。HO100mL、エチルエーテル50mLを入れて有機物層を分離した後に無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機溶媒を真空蒸留して得られた固体にエタノールを加えて洗った後、ろ過および乾燥して化合物A−2(4.5g、収率89%)を製造した。
MS[M+H]=374
【0054】
1−3.化合物Aの製造
【化9】

前記1−2で製造した化合物A−2(4.5g、12.0mmol)にビス(ピナコラト)ジボラン(3.66g、14.4mmol)、および酢酸カリウム(3.54g、36mmol)をジオキサン(100mL)に懸濁させた。前記懸濁液にパラジウム(ジフェニルホスフィノフェロセン)クロライド(0.29g、3mol%)を加えた。混合物を約8時間80℃で攪拌して室温に冷却した。前記混合物を水(100mL)で希釈してジクロロメタン(3x50mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。エチルエーテルとヘキサンで結晶を形成させ、乾燥ろ過して化合物A(3.13g、92%)を製造した。
MS[M+H]=422
【0055】
<製造例2>化合物Bの製造
2−1.化合物B−1の製造
【化10】

前記製造例1−1において、4−ブロモベンズアルデヒドの代わりに3−ブロモベンズアルデヒドを用いたことを除いては、製造例1−1と同一の方法で製造して化合物B−1を製造した。
MS[M+H]=376
【0056】
2−2.化合物B−2の製造
【化11】

前記製造例1−2において、化合物A−1の代わりに前記2−1で製造した化合物B−1を用いたことを除いては、製造例1−2と同一の方法で製造して化合物B−2を製造した。
MS[M+H]=374
【0057】
2−3.化合物Bの製造
【化12】

前記製造例1−3において、化合物A−2の代わりに前記2−2で製造した化合物B−2を用いたことを除いては、製造例1−3と同一の方法で製造して化合物Bを製造した。
MS[M+H]=422
【0058】
<製造例3>化合物Cの製造
3−1.化合物C−1の製造
【化13】

9−ブロモアントラセン(2.57g、10.00mmol)、2−ナフチルボロン酸(1.80g、12.65mmol)、および炭酸ナトリウム(2.34g、22.1mmol)をトルエン(20mL)、エタノール(3mL)、および水(10 mL)の混合物に懸濁させた。前記懸濁液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.25g、0.22mmol)を加えた。前記混合物を約24時間還流で攪拌した後、還流させた混合物を室温に冷却した。有機層を分離して水で洗浄した後、水溶液層をクロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮させ、9−(2−ナフチル)アントラセン化合物C−1(2.55g、収率84%)を製造した。
MS[M+H]=305
【0059】
3−2.化合物Cの製造
【化14】

乾燥CCl(60ml)内に前記3−1で製造した9−(2−ナフチル)アントラセン(1.89g、6.24mmol)溶液に、臭素(0.32mL、6.24mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で約3時間攪拌した後、飽和中炭酸ナトリウム溶液を加えた。有機層を分離し、水性層をクロロホルムで抽出した。結合した有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。カラムクロマトグラフィ(THF/ヘキサン=1/4)によって精製してエタノールから再結晶し、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物C(1.08g、収率45%)を製造した。
MS[M+H]=383
【0060】
<製造例4>化合物Dの製造
4−1.化合物D−1の製造
【化15】

前記製造例3−1において、2−ナフチルボロン酸の代わりに前記製造例1−3で製造した化合物Aを用いたことを除いては、製造例3−1と同一の方法で製造して化合物D−1を製造した。
MS[M+H]=472
【0061】
4−2.化合物Dの製造
【化16】

前記4−1で製造した化合物D−1(4.7g、9.97mmol)にDMF80mLを入れて攪拌させ、常温でNBS(N−bromosuccinimide,1.95g、10.96mmol)を常温で滴加した。反応混合物を室温で約3時間攪拌した後、生成された白色の固体をろ過して水とエタノールで洗った後に乾燥させて化合物D(3.6g、収率64%)を製造した。
MS[M+H]=550
【0062】
<製造例5>化合物Eの製造
5−1.化合物E−1の製造
【化17】

前記製造例3−1において、2−ナフチルボロン酸の代わりに前記製造例2−3で製造した化合物Bを用いたことを除いては、製造例3−1と同一の方法で製造して化合物E−1を製造した。
MS[M+H]=472
【0063】
5−2.化合物Eの製造
【化18】

前記5−1で製造した化合物E−1(4.7g、9.97mmol)にDMF80mLを入れて攪拌させ、常温でNBS(N−bromosuccinimide、1.95g、10.96mmol)を滴加した。反応混合物を室温で約3時間攪拌した後、生成された白色の固体をろ過して水とエタノールで洗った後に乾燥させて化合物E(4.2g、収率76.5%)を製造した。
MS[M+H]=550
【0064】
<製造例6>化合物Fの製造
6−1.化合物F−1の製造
【化19】

前記製造例1−1において、4−ブロモベンズアルデヒドの代わりに9−アントラセンカルボキシアルデヒド(9−anthracenecarboxaldehyde)を用いたことを除いては、製造例1−1と同一の方法で製造して化合物F−1を製造した。
MS[M+H]=396
【0065】
6−2.化合物Fの製造
【化20】

前記製造例4−2において、化合物D−1の代わりに前記製造例6−1で製造した化合物F−1を用いたことを除いては、製造例4−2と同一の方法で製造して化合物Fを製造した。
MS[M+H]=474
【0066】
<製造例7>化合物Gの製造
【化21】

2−ブロモ−9,10−ジナフチルアントラセン(5.00g、9.82mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(2.75g、10.9mmol)、および酢酸カリウム(2.89g、29.4mmol)をジオキサン(50mL)に懸濁させた。前記懸濁液にパラジウム(ジフェニルホスフィノフェロセン)クロライド(0.24g、3mol%)を加えた。混合物を約6時間80℃で攪拌して室温に冷却した。前記混合物を水(50mL)で薄めてジクロロメタン(3x50mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。組生成物をエタノールで洗浄して真空内で乾燥して9,10−ジナフチルアントラセニル−2−ボロネート化合物G(5.46g、92%)を製造した。
MS[M+H]=557
【0067】
<製造例8>化合物Hの製造
8−1.化合物H−1の製造
【化22】

ジフェニルエチレン(7.8g、43.3mmol)とCCl100mL溶液を−15℃で維持した後、臭素(Br、2.45mL、47.6mmol)をゆっくり加えた。よく乾燥したシリカゲル10gを反応物に添加した後、80℃で1時間攪拌させた。反応水の温度を常温に冷ました後、カラムクロマトグラフィーで精製し、ブロモ基が導入された化合物H−1(10.7g、収率95%)を製造した。
MS:[M+H]=259
【0068】
8−2.化合物Hの製造
【化23】

乾燥THF(50mL)内の前記製造例8−1で製造した化合物H−1(10.7g、41.3mmol)溶液に、窒素の雰囲気下−78℃でn−BuLi(61.9mmol、2.5Mヘキサン溶液内24.8mL)を滴加した。混合物を約1時間攪拌した後、トリメチルホウ酸塩(14mL、123.9mmol)を−78℃で滴加した。約30分後に冷却容器を除去し、混合物を室温で約3時間攪拌した。前記混合物に1N HCl(200mL)を加えてエチルアセテートで抽出した。有機物層を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮させた。組生成物を石油エーテル内でスラリー化し、吸入ろ過し、乾燥して化合物H(4.0g、収率43%)を製造した。
【0069】
<製造例9>化合物Iの製造
9−1.化合物I−1の製造
【化24】

5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェン(5.00g、15.4mmol)、フェニルボロン酸(2.07g、17.0mmol)、および炭酸ナトリウム(4.90g、46.3mmol)をトルエン(30mL)と水(15mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.50g、0.46mmol)を前記懸濁液に加えた。結果混合物を還流で約24時間攪拌した。還流された混合物を室温に冷却してクロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)によって精製して化合物I−1(2.80g、収率56.6%)を製造した。
MS:[M+H]=321
【0070】
9−2.化合物Iの製造
【化25】

前記製造例8−2において、化合物H−1の代わりに前記製造例9−1で製造した化合物I−1を用いたことを除いては、製造例8−2と同一の方法で製造して化合物Iを製造した。
【0071】
<製造例10>化合物Jの製造
10−1.化合物J−1の製造
【化26】

カルバゾール(3.3g、20mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(3.0mL、24mmol)、炭酸カリウム(KCO、5.6g、40mmol)、ヨウ化銅(CuI、1.9g、1.0mmol)、およびキシレン50mLを窒素雰囲気下で還流した。常温に冷却した後に生成物をエチルアセテートで抽出し、無水硫酸マグネシウム(MgSO)から水分を除去した後に減圧下で溶媒を除去した。ヘキサン溶媒を用いてシリカゲルカラムを通過させて化合物を得た後溶媒を減圧下から除去して真空乾燥させて白色固体の化合物J−1(1.6g、25%収率)を製造した。
MS:[M+H]=322
【0072】
10−2.化合物Jの製造
【化27】

前記製造例8−2において、化合物H−1の代わりに前記製造例10−1で製造した化合物J−1を用いたことを除いては、製造例8−2と同一の方法で製造して化合物Jを製造した。
【0073】
<製造例11>化合物Kの製造
11−1.化合物K−1の製造
【化28】

9−アントラセンカボキシルアルデヒド(3.3g、15.9mmol)、およびN−フェニル−1,2−ジアミノベンゼン(2.93g、15.9mmol)をトルエン60mLおよび酢酸20MLの混合溶液に入れ、160℃で12時間攪拌した。常温に冷ました後、溶媒を真空蒸留した後にカラムクロマトグラフィーで分離して化合物K−1(4.6g、収率78%)を製造した。
MS:[M+H]=371
【0074】
11−2.化合物Kの製造
【化29】

前記製造例4−2において、化合物D−1の代わりに前記製造例11−1で製造した化合物K−1を用いたことを除いては、製造例4−2と同一の方法で製造して化合物Kを製造した。
MS:[M+H]=449
【0075】
<製造例12>化合物Lの製造
12−1.化合物L−1の製造
【化30】

6−ブロモ−2−ナフト酸(5.0g、20mmol)に塩化チオニル(SOCl)20mL、ジメチルホルムアミド(DMF、1mL)を入れて4時間加熱攪拌した。過量の塩化チオニル(SOCl)を真空蒸留で除去した後、反応混合物にN−メチルピロルリデン(NMP)20mL、N−フェニル−1,2−ジアミノベンゼン(3.7g、20mmol)を入れて160℃で12時間攪拌した。常温に冷ました後、過量の水を加えて固体を形成させた。ろ過し、水、エタノールで順次に洗った後に乾燥させて化合物L−1(6.2g、収率78%)を製造した。
MS[M+H]=399
【0076】
12−2.化合物L−2の製造
【化31】

前記製造例7において、2−ブロモ−9,10−ジナフチルアントラセンの代わりに前記製造例12−1で製造した化合物L−1を用いたことを除いては、製造例7と同一の方法で製造して化合物L−2を製造した。
MS[M+H]=446
【0077】
12−3.化合物L−3の製造
【化32】

前記製造例3−1において、2−ナフチルボロン酸の代わりに前記製造例12−2で製造した化合物L−2を用いたことを除いては、製造例3−1と同一の方法で製造して化合物L−3を製造した。
MS[M+H]=497
【0078】
12−4.化合物Lの製造
【化33】

前記製造例4−2において、化合物D−1の代わりに前記製造例12−3で製造した化合物L−3を用いたことを除いては、製造例4−2と同一の方法で製造して化合物Lを製造した。
MS[M+H]=575
【0079】
<製造例13>化合物Mの製造
13−1.化合物M−1の製造
【化34】

前記製造例1−1において、4−ブロモベンズアルデヒドの代わりに2−ブロモ−6−ナフトアルデヒドを用いたことを除いては、製造例1と同一の方法で製造して化合物M−1を製造した。
MS[M+H]=424
【0080】
13−2.化合物Mの製造
【化35】

前記製造例1−3において、化合物A−2の代わりに前記13−1で製造した化合物M−1を用いたことを除いては、前記製造例1−3と同一の方法で製造して化合物Mを製造した。
MS[M+H]=472
【0081】
<実施例1>化合物1−2−24の製造
【化36】

9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物(3.83g、10mmol)、前記製造例1で製造した化合物A(5.06g、12mmol)、および炭酸ナトリウム(2.76g、20mmol)をテトラヒドロフラン(120mL)および水(50mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.06g、0.05mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約24時間攪拌した後、室温に冷却した。有機層を分離し、水性層をテトラヒドロフランで抽出した。結合した有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。THF/EtOHで精製して化合物1−2−24(4.0g、収率67%)を製造した。
MS[M+H]=598
【0082】
<実施例2>化合物1−2−25の製造
【化37】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物(3.83g、10mmol)に、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例2で製造した化合物B(4.2g、10mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−25(1.9g、収率61%)を製造した。
MS[M+H]=598
【0083】
<実施例3>化合物1−2−62の製造
【化38】

前記製造例5で製造した化合物E(3.00g、5.4mmol)、前記製造例7で製造した化合物G(3.3g、5.9mmol)、および炭酸ナトリウム(1.5g、10.8mmol)をテトラヒドロフラン(70mL)および水(30mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.03g、0.025mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約24時間攪拌した後、室温に冷却した。有機層を分離し、水性層をテトラヒドロフランで抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。THF/EtOHで精製して化合物1−2−62(2.4g、収率49%)を製造した。
MS[M+H]=900
【0084】
<実施例4>化合物1−1−41の製造
【化39】

前記実施例3の製造方法において、前記製造例5で製造した化合物E(3.00g、5.4mmol)に、前記製造例7で製造した化合物Gの代わりに前記製造例8で製造した化合物H(1.8g、8.1mmol)を用いたことを除いては、前記実施例3と同一の方法で製造して化合物1−1−41(2.35g、収率67%)を製造した。
MS[M+H]=650
【0085】
<実施例5>化合物1−2−68の製造
【化40】

前記実施例3の製造方法において、前記製造例5で製造した化合物E(3.00g、5.4mmol)に、前記製造例7で製造した化合物Gの代わりに前記製造例9で製造した化合物I(2.3g、8.1mmol)を用いたことを除いては、前記実施例3と同一の方法で反応させて化合物1−2−68(1.8g、収率47%)を製造した。
MS[M+H]=712
【0086】
<実施例6>化合物1−1−2の製造
【化41】

前記実施例1の製造方法において、前記製造例1で製造した化合物A(4.2g、10.0mmol)と前記製造例11で製造した化合物K(4.5g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−1−2(5.8g、収率87%)を製造した。
MS[M+H]=664
【0087】
<実施例7>化合物1−1−15の製造
【化42】

前記実施例1の製造方法において、前記製造例1で製造した化合物A(4.2g、10.0mmol)と前記製造例12で製造した化合物L(5.7g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−1−15(5.8g、収率87%)を製造した。
MS[M+H]=790
【0088】
<実施例8>化合物1−2−35の製造
【化43】

9,10−ジブロモアントラセン化合物(3.36g、10.00mmol)、前記製造例1で製造した化合物A(9.92g、23.56mmol)、および炭酸ナトリウム(5.4g、39.28mmol)をテトラヒドロフラン(120mL)および水(50mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.06g、0.05mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約18時間攪拌した後、室温に冷却した。形成された固体をろ過して乾燥させた後、再びカラムクロマトグラフィーで精製して化合物1−2−35(3.9g、収率51%)を製造した。
MS[M+H]=765
【0089】
<実施例9>化合物1−2−36の製造
【化44】

前記実施例8の製造方法において、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例2で製造した化合物B(4.2g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例8と同一の方法で製造して化合物1−2−36(4.3g、収率56%)を製造した。
MS[M+H]=765
【0090】
<実施例10>化合物1−2−37の製造
【化45】

前記実施例1の製造方法において、前記製造例1で製造した化合物A(4.2g、10.0mmol)と前記製造例5で製造した化合物E(5.5g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−37(6.0g、収率78%)を製造した。
MS[M+H]=765
【0091】
<実施例11>化合物1−2−34の製造
【化46】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに前記製造例6で製造した化合物F(4.7g、10.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例2で製造した化合物B(4.2g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−34(4.5g、収率65%)を製造した。
MS[M+H]=689
【0092】
<実施例12>化合物1−3−26の製造
【化47】

2−ブロモ−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン化合物(5.00g、9.82mmol)、前記製造例1で製造した化合物A(4.96g、11.78mmol)、および炭酸ナトリウム(2.7g、19.64mmol)をテトラヒドロフラン(120mL)および水(50mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.06g、0.05mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約24時間攪拌した後、室温に冷却した。有機層を分離し、水性層をテトラヒドロフランで抽出した。結合した有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。THF/EtOHで精製して化合物1−3−26(4.9g、収率68.9%)を製造した。
MS[M+H]=724
【0093】
<実施例13>化合物1−3−27の製造
【化48】

前記実施例12において、化合物Aの代わりに前記製造例2で製造した化合物B(4.2g、10.0mmol)を用いたことを除いては、実施例12と同一の方法で製造して化合物1−3−27(5.2g、収率72%)を製造した。
MS[M+H]=724
【0094】
<実施例14>化合物1−3−32の製造
【化49】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに2−ブロモ−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン化合物(5.1g、10.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例13で製造した化合物M(4.7g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−3−32(3.6g、収率46%)を製造した。
MS[M+H]=774
【0095】
<実施例15>化合物1−3−12の製造
【化50】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに前記製造例13−1で製造した化合物M−1(4.2g、10.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例13−2で製造した化合物M(4.7g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−3−12(3.9g、収率56%)を製造した。
MS[M+H]=689
【0096】
<実施例16>化合物1−2−39の製造
【化51】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに9,10−ジブロモアントラセン化合物(3.4g、10.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例13で製造した化合物M(4.7g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−39(4.7g、収率54%)を製造した。
MS[M+H]=865
【0097】
<実施例17>化合物1−1−51の製造
【化52】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに前記製造例12で製造した化合物L−1(4.0g、10.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例13で製造した化合物M(4.7g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−1−51(4.4g、収率67%)を製造した。
MS[M+H]=664
【0098】
<実施例18>化合物1−2−8の製造
【化53】

[化合物18−1]
前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに前記反応式の化合物18−1(4.0g、10.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例13で製造した化合物M(4.7g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−8(5.3g、収率88%)を製造した。
MS[M+H]=598
【0099】
<実施例19>化合物1−2−48の製造
【化54】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに4,4’−ジブロモ−9,9’−ジフェニルフルオレン化合物(4.8g、10.0mmol)と、前記製造例1で製造した化合物A(4.2g、10.0mmol)を用い、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−48(5.9g、収率65%)を製造した。
MS[M+H]=905
【0100】
<実施例20>化合物1−2−69の製造
【化55】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに1,3,5−トリブロモベンゼン化合物(3.1g、10.0mmol)と、前記製造例2で製造した化合物B(16.9g、40.0mmol)を用い、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−69(3.3g、収率34%)を製造した。
MS[M+H]=958
【0101】
<実施例21>化合物1−3−64の製造
【化56】

1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライド(1.3g、4.9mmol)にN−メチルピロリジン(NMP)60mLを入れて攪拌させた後、2−(2−アミノフェニル)ベンゾイミダゾール(6.0g、16.2mmol)を入れて18時間180℃で加熱攪拌した。真空蒸留してNMPを除去させ、CHClに溶かしてシリカゲル層を通過させた後、再び溶媒を除去してエタノールで攪拌させて白色固体である化合物1−3−64(0.45g、収率12.6%)を製造した。
MS[M+H]=730
【0102】
<実施例22>化合物1−3−1の製造
【化57】

前記製造例1において、4−ブロモベンズアルデヒドの代わりに1−ホルミルピレン(2.3g、10mmol)を用いたことを除いては、製造例1と同一の方法で製造して化合物1−3−1(3.5g、収率84%)を製造した。
MS[M+H]=420
【0103】
<実施例23>化合物1−3−2の製造
【化58】

前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに1−ブロモピレン化合物(2.8g、10.0mmol)と、前記製造例1で製造した化合物A(4.2g、10.0mmol)を用い、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−3−2(3.8g、収率76%)を製造した。
MS[M+H]=496
【0104】
<実施例24>化合物1−3−5の製造
【化59】

[化合物24−1]
前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに前記反応式の化合物24−1(4.1g、10.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例13で製造した化合物M(4.7g、10.0mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−3−5(4.5g、収率67%)を製造した。
MS[M+H]=672
【0105】
<実施例25>化合物1−2−44の製造
【化60】

[化合物25−1]
前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに前記反応式の化合物25−1(3.0g、5.2mmol)を、前記製造例1で製造した化合物A(2.2g、5.2mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−2−44(3.3g、収率88%)を製造した。
MS[M+H]=729
【0106】
<実施例26>化合物1−3−65の製造
【化61】

[化合物26−1]
前記実施例1の製造方法において、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン化合物の代わりに前記反応式の化合物26−1(2.5g、5.0mmol)を、前記製造例1で製造した化合物Aの代わりに前記製造例4で製造した化合物D(2.7g、4.9mmol)を用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で製造して化合物1−3−65(2.6g、収率62%)を製造した。
MS[M+H]=850
【0107】
<実験例1>
ITO(indium tin oxide)が1500Åの厚さで薄膜コーティングされたガラス基板を、洗剤を溶かした蒸溜水に入れて超音波で洗浄した。このとき、洗剤としてはフィッシャー(Fischer Co.)社の製品を用い、蒸溜水としてはミリポア(Millipore Co.)社の製品のフィルタ(Filter)で2次に排泄した蒸留水を用いた。ITOを30分間洗浄した後、蒸溜水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間進行した。蒸溜水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄をして乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送させた。
【0108】
このように準備したITO透明電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene)を500Åの厚さで熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。その上に正孔を輸送する物質であるNPB(400Å)を真空蒸着した後、発光層としてAlq化合物を300Åの厚さで真空蒸着した。
[ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン]
【化62】

[NPB]
【化63】

[Alq
【化64】

前記発光層上に前記実施例1で製造した化合物1−2−24を200Åの厚さで真空蒸着して電子注入および輸送層を形成した。前記電子注入および輸送層の上に順次に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成した。
【0109】
前記の過程において、有機物の蒸着速度は1Å/secを維持し、フッ化リチウムは0.2Å/sec、アルミニウムは3〜7Å/secの蒸着速度を維持した。
前記実験例1のように、それぞれの化合物を電子注入および輸送層物質として用いて製造した有機発光素子を実験した結果を表2に表した。
【表3】

次の実験例12は、有機発光素子を発光層として実験した例である。
【0110】
<実験例12>
実験例1のように準備したITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン500Å、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)400Å、および前記実施例2で製造した化合物1−2−25(200Å)、Alq(300Å)を順次に熱真空蒸着し、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成させた。前記電子輸送層上に順次に12Åの厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Åの厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に5.2Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinate基準でx=0.21、y=0.32に該当する青色光が観察されたし、7.3Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で4.3cd/Aの青色光が観察された。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明に適用可能な有機発光素子の構造を例示する図である。
【図2】本発明に適用可能な有機発光素子の構造を例示する図である。
【図3】本発明に適用可能な有機発光素子の構造を例示する図である。
【図4】本発明に適用可能な有機発光素子の構造を例示する図である。
【図5】実施例12の化合物1−3−26の質量スペクトラムである。
【図6】実施例3の1−2−62化合物のUVスペクトラムである。(2x10−5M、溶媒トルエン)
【図7】実施例12の1−3−26化合物のUVスペクトラムである。(2x10−5M、溶媒トルエン)
【図8】実施例18の1−2−8化合物のUVスペクトラムである。(2x10−5M、溶媒トルエン)
【図9】実施例24の1−3−5化合物のUVスペクトラムである。(2x10−5M、溶媒トルエン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で示されるイミダゾキナゾリン誘導体。
【化1】

前記化学式1において、
R1およびR2は、それぞれ独立に同一であるか相違しており、水素原子;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアルキル基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のシクロアルキル基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリール基;または、ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のヘテロアリール基であり、互いに隣接する基と脂肪族、芳香族、脂肪族ヘテロ、または芳香族ヘテロの縮合環を形成したりスピロ結合をなすことができ、
R3〜R6は、それぞれ独立に同一であるか相違しており、水素原子;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C12のアルコキシ基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C12のアルキルチオキシ基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアルキルアミン基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリールアミン基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリール基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、CC30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のヘテロアリール基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のシリコン基;ハロゲン原子、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のホウ素基;アミノ基;ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;アミド基;またはエステル基であり、互いに隣接する基と脂肪族、芳香族、脂肪族ヘテロ、または芳香族ヘテロの縮合環を形成したりスピロ結合をなすことができ、
Ar1は、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のアリール基;または、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、およびC〜C30のヘテロアリール基からなる群から選択された1つ以上の基に置換されたかまたは無置換のC〜C30のヘテロアリール基であり、
Yは、環を構成する1つ以上の炭素が窒素で置換されうるヘテロアリール基であり、Zは、アリール基または環を更に構成する1つ以上の炭素が窒素に置換されたヘテロアリール基である。
【請求項2】
前記化学式1の化合物は、下記構造式の化合物からなる群から選択されることを特徴とするイミダゾキナゾリン誘導体。
【化2】

【請求項3】
前記化学式1において、
R1およびR2は、それぞれ独立に同一であるか相違しており、フェニル、バイフェニル、ナフチル基、ピリジル基、またはメチル基またはニトリル基に置換されたフェニルであることを特徴とする、請求項1に記載のイミダゾキナゾリン誘導体。
【請求項4】
前記化学式1において、
R1およびR2は、互いに隣接する基と脂肪族、芳香族、脂肪族ヘテロ、または芳香族ヘテロの縮合環を形成したりスピロ結合をなすことを特徴とする、請求項1に記載のイミダゾキナゾリン誘導体。
【請求項5】
前記化学式1の化合物は、下記構造式からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のイミダゾキナゾリン誘導体。
【化3】

前記構造式において、R3〜R6、およびArは、前記化学式1で定義した通りであり、R1’およびR2’は、前記化学式1でR1およびR2の定義と同じである。
【請求項6】
前記化学式1の化合物は、次の構造式の化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のイミダゾキナゾリン誘導体。
【表1】





【請求項7】
前記化学式1の化合物は、次の構造式の化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のイミダゾキナゾリン誘導体。
【表2】



【請求項8】
1) 2−ニトロベンズアルデヒド化合物(II)と、1,2−ジケトン化合物(III)をアンモニウムアセテート塩またはホルムアミドと反応させて2−(2−ニトロフェニル)イミダゾール誘導体(IV)を製造する工程と、
2)前記1)工程で製造された2−(2−ニトロフェニル)イミダゾール誘導体(IV)をパラジウム触媒を用いて2−(2−アミノフェニル)イミダゾール誘導体(V)を製造する工程と、
3)前記2)工程で製造された2−(2−アミノフェニル)イミダゾール誘導体(V)をアルデヒド化合物(Ar1CHO)と反応させて化合物(I)を製造する工程とを含んでなされ、
下記反応式1で示される請求項1に記載のイミダゾキナゾリン誘導体の製造方法。
<反応式1>
【化4】

前記反応式1において、R1〜R6、Ar1およびZは、前記化学式1で定義した通りである。
【請求項9】
2−(2−アミノフェニル)ベンゾイミダゾール化合物(VI)と、アルデヒド化合物(Ar1CHO)を有機溶媒下で加熱攪拌して化合物(I−1)を製造する工程を含み、下記反応式2で示される請求項1に記載のイミダゾキナゾリン誘導体の製造方法。
<反応式2>
【化5】

前記反応式2において、R3〜R6、Ar1およびZは、前記化学式1で定義した通りであり、R1’は、前記化学式1でR1の定義と同じである。
【請求項10】
第1電極、第2電極、および前記第1電極と第2電極の間に配置された1層以上の有機物層を含む有機電気素子であって、前記有機物層のうちの1層以上が請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項の化合物を含むことを特徴とする有機電気素子。
【請求項11】
前記有機物層は、正孔注入層および正孔輸送層を含んでおり、この正孔注入層および正孔輸送層が請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項の化合物を含むことを特徴とする、請求項10に記載の有機電気素子。
【請求項12】
前記有機物層は、発光層を含んでおり、この発光層が請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項の化合物を含むことを特徴とする、請求項10に記載の有機電気素子。
【請求項13】
前記有機物層は、電子輸送層を含んでおり、この電子輸送層が請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項の化合物を含むことを特徴とする、請求項10に記載の有機電気素子。
【請求項14】
前記有機電気素子は、有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)、および有機トランジスタからなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の有機電気素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−516652(P2009−516652A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539943(P2008−539943)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/KR2006/005420
【国際公開番号】WO2007/069847
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】