説明

新規の乳酸桿菌株及びその使用

本発明はヒトの消化管、特には胃の培養条件下でヘリコバクター・ピロリ菌を凝集可能である新規の単離された乳酸桿菌細胞と、こういった細胞の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規の乳酸桿菌株とその使用、特には医薬品及び/又は食餌療法用組成物での使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロバイオティック微生物には、その生きている形態において人間又は動物の身体に有益な効果を示す生きている細胞つまり生菌が含まれる。プロバイオティック組成物はこういった微生物を含有している。有益な効果とは、特には、消化管の微生物叢の改善である。特には、不要なその他微生物をプロバイオティック微生物とその不要な微生物との即時の相互作用、又はプロバイオティック微生物の発現産物による不要な微生物の代謝の阻害に負うところの即時の相互作用、又は固有の免疫システムの強化により微生物叢内で抑制することが可能である。概して、胃腸管での定着をめぐっての競合により、問題を起こすほどには不要な微生物が粘膜に定着することはできない又は不要な微生物が排除されるというのが主なメカニズムではないかと考えられる。
【0003】
プロバイオティック微生物群は、例えば、乳酸桿菌株によって形成されている。これらは典型的にはグラム陽性の微好気性又は嫌気性細菌であり、糖を発酵させ酸、特には乳酸を産生する。
【0004】
米国特許番号第5716615号の文献により、その成分の一部として乳酸桿菌を含有する医薬品組成物が当該分野で知られている。この医薬品組成物は、とりわけ、胃腸管の疾患の治療に使用可能である。
【0005】
US2005/0186190A1の文献により、スフィンゴミエリナーゼ又はスフィンゴミエリナーゼ含有乳酸桿菌を含有する食餌療法用又は医薬品組成物が当該分野で知られている。この組成物はヘリコバクター・ピロリ菌の感染の治療に適している。
【0006】
WO2004/087891の文献により、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した胃腸管の治療用の医薬品又は食餌療法用組成物の製造に適した乳酸桿菌株が当該分野で知られている。
【0007】
WO2005/060937A1の文献により、乳酸桿菌の生菌を含有する錠剤処方が当該分野で知られている。これらは経口投与と病原体に感染した胃腸管の治療に適している。
【0008】
WO2004/031368A1の文献により、ヘリコバクター・ピロリ菌への感染に関連した炎症の治療に適した乳酸桿菌株が当該分野で知られている。
【0009】
乳酸桿菌とヘリコバクター・ピロリ菌の相互作用は更にWangその他によるAm.J.Clin.Nutr.80:737−41(2004)、Felleyその他によるBest Practice & Research Clinical Gastroenterology 17(5):785−791(2003)、Cazzatoその他によるScandinavian Journal of Nutrition 48(1):26−31(2004)、及びSgourasその他によるApplied and Environmental Microbiology 70(1):518−526(2004)の文献により当該分野で知られている。
【0010】
ヘリコバクター・ピロリ菌は胃でコロニーを形成する螺旋形状の細菌であり、ウレアーゼの産生により胃内のpH値が上昇し、これにより細菌は胃酸から守られる。細菌は粘膜内に侵入し、胃の上皮細胞に留まる。こういった感染により体が本来有している免疫システムが活性化されるが、免疫反応は感染を排除するに十分な効果は有しておらず、この結果、免疫反応が強化される。最終的に、胃炎又は胃潰瘍を伴う慢性的な炎症及び疾患が生じる。現在に至るまで、ヘリコバクター・ピロリ菌の免疫システムに対する耐性メカニズムは知られていない。
【0011】
ヘリコバクター・ピロリ菌に対して従来の乳酸桿菌株が効果を発揮するメカニズムについては、多様な理論が上記の文献にて提示されている。しかしながら、メカニズムについて確実な所見は存在していない。
【0012】
総じて、胃内のヘリコバクター・ピロリ菌の菌数を非常に低く維持する、生理学的な副作用のない乳酸桿菌株を開発することが望ましい。
【特許文献1】米国特許番号第5716615号
【特許文献2】US2005/0186190A1
【特許文献3】WO2004/087891
【特許文献4】WO2005/060937A1
【特許文献5】WO2004/031368A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の技術的な目的はヘリコバクター・ピロリ菌の胃粘膜への定着を阻害する乳酸桿菌株を提供することである。
【0014】
更に、本発明の技術的目的は、特にはヘリコバクター・ピロリ菌感染の予防に効果の高い食餌療法用及び/又は医薬品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この技術的目的を達成するために、本発明はヒトの消化管、特には胃の培養条件下においてヘリコバクター・ピロリ菌を凝集することが可能な、単離された好ましくは乳酸桿菌の生菌を教示する。
【0016】
本発明は、特定の選ばれた乳酸桿菌株は遊離のヘリコバクター・ピロリ菌に結合して凝集体を形成可能であるとの驚くべき見解に基づいたものである。これらの比較的大きな凝集体は粘膜を突き通ることができなくなり、この結果、ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の上皮細胞にはもう到達、感染できず、死滅する。最後に、免疫システムの慢性的な炎症反応が活性化されなくなるため、胃炎又は胃潰瘍を伴う疾患が信頼性高く予防できる。凝集体は胃腸管を通過して、自然な形で体外に排出される。既に感染している場合であっても、本発明の乳酸桿菌株のこの作用機序は有用であり、これはヘリコバクター・ピロリ菌への更なる感染を予防することで、既に存在しているヘリコバクター・ピロリ菌を除菌して現在の感染をより制御し易くなるからである。通常、これは患者本来の免疫システムでも可能である。加えて、本発明の乳酸桿菌株はヘリコバクター・ピロリ菌のウレアーゼ活性の阻害も可能であると考えられ、これにより凝集体となったヘリコバクター・ピロリ菌は胃酸の攻撃に対してのその保護を失う。その限りにおいて、相乗効果も得られる。
【0017】
ヒトの胃管の必須培養条件には1.8〜4.5の範囲のpH値とペプシンとNaClの存在が含まれる。こういった培養条件に特徴的な基準培地は以下の成分:水、5g/lのNaCl及び3g/lのペプシンを含み、pH値はHClで2.0に調節される。
【0018】
凝集という用語は、少なくとも1μm〜1000μm及びそれ以上のサイズを有する菌細胞の凝集体の発生を意味し、乳酸桿菌細胞及びヘリコバクター・ピロリ菌細胞を、例えば以下の実施例においては、上述したように、特には基準媒体に懸濁させたものを含む。
【0019】
本発明の目的のために、多種多様な乳酸桿菌株をそのヘリコバクター・ピロリ菌との凝集能について調査し、以下の株が本発明の株として同定され、DSMZ Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(Mascheroder Weg 1b、D−38124 Braunschweig、 Germany)に寄託された:DSM17646、DSM17647、DSM17648、DSM17649、DSM17650、DSM17651、DSM17652及びDSM17653。DSM17646、DSM17649、DSM17652及びDSM17653はLactobacillus brevis株である。DSM17647、DSM17648及びDSM17651はLactobacillus fermentum株である。DSM17650はLactobacillus pentosus株である。
【0020】
本発明は更に、生理学的有効量の好ましくは本発明の乳酸桿菌の生菌と生理学的に耐容性の担体を含む医薬品及び/又は食餌療法用組成物に関する。医薬品組成物とは治療又は予防だけを目的とした組成物であり、有効な薬剤の他には製剤にて一般的な補助物質及び/又は担体のみが存在する。食餌療法用組成物とは、有効な薬剤の他に食品材料と栄養補助剤も含む組成物である。
【0021】
本発明は更に、特にはヘリコバクター・ピロリ菌への感染によって生じる疾患、例えば胃腸病の予防及び/又は治療用の医薬品又は食餌療法用組成物を製造するための、好ましくは本発明の乳酸桿菌生菌の使用に関する。胃腸病には特に胃炎、胃潰瘍及び胃ガンが属する。
【0022】
本発明による医薬品組成物は例えば10〜1015、好ましくは10又は10〜1012、特には10〜1010個の乳酸桿菌細胞を含有することを特徴とする。基準値は投与単位、例えば錠剤である。好ましくは、組成物は経口投与用に調製される。乳酸桿菌細胞は適切に凍結乾燥される。
【0023】
本発明の医薬品組成物のガレノス製剤は、本技術で一般的なやり方で調製可能である。適切な固形又は液状ガレノス製剤形態は例えば顆粒、粉末、糖衣錠、錠剤、(マイクロ)カプセル、坐薬、シロップ、ジュース、懸濁液又はエマルジョンであり、これらの製造には通常の手段、例えば担体、爆薬、結合剤、コーティング剤、膨張剤、滑剤又は潤滑剤、風味剤、甘味料及び溶液メディエータを用いる。ここで補助物質としては炭酸マグネシウム、二酸化チタン、乳糖、マンニトール及びその他糖類、滑石、乳たんぱく質、ゼラチン、澱粉、セルロース及び誘導体、動物性及び植物性油、例えば肝油、ひまわり油、ピーナッツ油又はゴマ油、ポリエチレングリコール及び溶媒、例えば滅菌水及び一価アルコール又は多価アルコール、例えばグリセリンが挙げられる。本発明の医薬品組成物は、少なくとも1つの本発明で使用の乳酸桿菌株の細胞を既定の用量で薬学的に適し、かつ生理学的な耐容性が良好な担体と、場合によっては更に適切な活性の追加又は補助物質と混合し、所望の投与形態に調製することで製造可能である。担体は特にはマルトデキストリン、微結晶性セルロース、澱粉、特にはコーンスターチ、レブロース、乳糖、ブドウ糖、及びこういった物質の混合物を含む群から選択された物質である。組成物は0.1〜95重量%の担体と、5〜99.9重量%の凍結乾燥させた乳酸桿菌細胞を細胞及び担体の総量に対して含有しても又はこれらから構成してもよい。
【0024】
食餌療法用組成物の場合、10〜1015、好ましくは10〜10、特には10〜10個の乳酸桿菌細胞を含有する組成物を提供し得る。基準値は投与単位、例えばエンドユーザに販売される食品材料の包装単位である。生理学的に耐容性の担体は通常は食品材料であり、特には乳製品、発酵乳製品、牛乳、ヨーグルト、チーズ、シリアル、ミューズリーバー、及び幼児用加工食品を含む群から選択したものである。
【0025】
本発明は更に本発明の医薬品及び/又は食餌療法用組成物の製造方法に関し、凍結乾燥させた又は凍結乾燥させていない、好ましくは乳酸桿菌の生菌を生理学的に耐容性の担体と混合し、経口投与用に調製する。
【0026】
最後に、本発明はヘリコバクター・ピロリ菌への感染によって引き起こされる疾患、特に胃炎又は胃潰瘍の予防、或いは罹患した又はこういった病気を発病すると疑われる患者の治療方法に関し、患者に生理学的有効量の本発明の医薬品及び/又は食餌療法用組成物を1日1〜5回投与する。投与は一定期間、例えば1〜30週間に亘って、又は期間無制限で行うことができる。特に、後者は持続的な予防、同様に疾患の再発予防に適している。
【0027】
以下において、実施形態のみを代表する実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
使用株の保存
乳酸桿菌株の保存は凍結状態で行った。MRS培地(55g/l、pH6.5、Difco、USA)で静止期(OD600/ml 4〜8)まで培養した培養物1mlを500μlの50容量%の滅菌グリセリン溶液と混合し、混合物を−80℃まで急速冷凍した。
【0029】
ヘリコバクター・ピロリ菌の保存は凍結状態で行った。5容量%の脱繊維化した馬の血液(Oxoid)を追加したブルセラ培養液(28g/l、pH7.0、BD、USA)で静止期まで培養した培養物1mlを500μlの50容量%の滅菌グリセリン溶液と混合し、混合物を−80℃まで急速冷凍した。馬の血液は使用前に凍結し、20℃で分解し、血球を破壊した。
【実施例2】
【0030】
本発明の乳酸桿菌株によるヘリコバクター・ピロリ菌の凝集
乳酸桿菌の培養を37℃のMRS培地で24〜48時間に亘って閉じたファルコン管内で行った。
【0031】
ヘリコバクター・ピロリ菌を5〜6日間に亘って三角フラスコ内で微好気性環境下で培養した。その他の条件は実施例1と同様である。
【0032】
培養後、細胞形態を顕微鏡で観察した。球菌形態の細胞のみならずS状形態の細胞から成る培養物について分析した。異なる形態が交じり合った培養物についても調査した。
【0033】
各種細胞を3200gで10分間に亘っての遠心分離により採取し、上清を除去した。細胞を5mlの緩衝液で1回洗浄し、5mlの緩衝液(1.5g/lのNaHPO*2HO、0.2g/lのKHPO及び8.8g/lのNaClを含有するPBS緩衝液)に再懸濁させた。pH値はHClを用いて7.0に調節した。OD600値を測定し、緩衝液の添加により2に調節した。
【0034】
こうして得られた2.5mlの細胞懸濁液全て(ヘリコバクター・ピロリ菌/乳酸桿菌)を混合し、混合物を10分間に亘ってボルテックスにかけた。結果を顕微鏡で観察した。自己凝集についての対照実験をそれぞれ乳酸桿菌及びヘリコバクター・ピロリ菌だけの培養物を別に調査することで行った。
【0035】
図1において、乳酸桿菌とヘリコバクター・ピロリ菌の混合物の懸濁液では大きな凝集体が形成されているのが見て取れるが、こういった凝集体は対照実験では見られない。この結果は本発明の株全てについて得られ、図1では乳酸桿菌株DSM17648のみを例示として示している。
【0036】
図1AはDSM17647株によるヘリコバクター・ピロリ菌の典型的な凝集体を図示している。図1BはDSM17648株のみを図示している。図1Cはヘリコバクター・ピロリ菌のみを図示している。倍率は1000倍である。凝集体は典型的にはサイズが1μm、通常は5μ〜50μm、又は図1Aのように1000μm以上にもなる(最大)。
【0037】
原則として、問題となっている乳酸桿菌株は、調査対象である株により乳酸桿菌とヘリコバクター・ピロリ菌からそういった凝集が引き起こされるか否かについてのこういった凝集試験で調査可能である。
【実施例3】
【0038】
胃管の条件のシミュレーション
生体内の条件をシミュレーションするために、実施例2の実験を繰り返したが、乳酸桿菌細胞の再懸濁は人工胃液(5g/lのNaCl及び3g/lのペプシン(Sigma))で行った。pHはHClを用いて2に調節した。この培養は37℃で30分に亘って行った。ヘリコバクター・ピロリ菌は細胞直近領域のpH値をpH4にまで上昇可能なため、実施例2に記載のように、細胞を採取し次にpH4の酢酸塩緩衝液に再懸濁させた。緩衝液の調節のために、41mlの0.1モル/lの酢酸と0.2モル/lの酢酸ナトリウム溶液の溶液をpH4まで調節した。次に水を用いて最終容量の100mlまで満たした。
【0039】
ヘリコバクター・ピロリ菌細胞を実施例2に沿って培養した。
【0040】
実施例2に沿って細胞を採取した後、実施例2とは異なり、細胞を酢酸塩緩衝液(上記参照)に再懸濁させた。その後、実施例2による凝集実験を行った。結果を図2に示す。図2AはDSM17648株による、人工胃を通過後のヘリコバクター・ピロリ菌の典型的な凝集を示す。図2Bは人工胃を通過後のDSM17648株のみを示す。図2Cはヘリコバクター・ピロリ菌のみを図示する。倍率は1000倍である。混合物で得られた凝集体のサイズは2μm〜1000μm以上の範囲にあることが見て取れる。
【0041】
この凝集試験の変形も又、本発明の乳酸桿菌株の同定に適している。
【実施例4】
【0042】
乳酸桿菌の凍結乾燥の影響
実施例1に沿って細菌を取り出した。乳酸桿菌培養物の分割量1mlを3200gで10分に亘っての遠心分離により採取した。上清を除去し、ペレットを真空下で2時間に亘って凍結乾燥させた。こうやって得られた本発明の各乳酸桿菌株のペレットをpH7.0の1mlのPBS緩衝液に再懸濁させた。再懸濁させた乳酸桿菌細胞を体積比1:1で新たに取り出したヘリコバクター・ピロリ菌培養物と混合し、凝集の有無を実施例2及び3同様に判断した。乳酸桿菌細胞によるヘリコバクター・ピロリ菌の凝集誘発能は、上記実施例による調査で示されるように、凍結乾燥の影響を受けなかった(但し、写真資料は作成しなかった)。
【実施例5】
【0043】
種の決定
本発明の乳酸桿菌株の分類学上の種の決定を、その炭化水素発酵パターンを用いて行った。これはAPI50CHシステム(BioMerieux、France)を用いて決定され、分析はAPILAB PLUSソフトウェア(同供給業者によるバージョン3.3.3)で行った。種の決定は供給業者の指示に沿って行った。
【実施例6】
【0044】
本発明の乳酸桿菌株を用いての医薬品組成物の製造
本発明の乳酸桿菌株又は幾つかの乳酸桿菌株の細胞を実施例4のようにして取り出し、凍結乾燥させる。その後、ペレットを直径最大約1mmの粒径まで粉砕する。得られた粒状物を以下の比率(重量%)で担体又は補助物質と混合する。
20重量%粒状物
2重量%二酸化ケイ素(Syloid AL−1FP、GRACE Davidson)
1重量%ステアリン酸マグネシウム(MF−2−V、Ackros)
77重量%微結晶性セルロース(Avicel PH112、FMC)
【0045】
混合はQuintech Micromixer内でポジション70レベルIIで行う。全成分を同時に添加する。混合は約120秒行う。次に、得られた混合物を市販の打錠機で標準条件下で打錠する。ただし、圧力は可能な限り低くし(<10kN)、重量約500mgの錠剤を形成する。各錠剤は約10〜1010個の乳酸桿菌細胞を含有する。
【実施例7】
【0046】
本発明の乳酸桿菌株を用いた食餌療法用組成物の製造
本発明の乳酸桿菌株又は幾つかの乳酸桿菌株の細胞を実施例4のように取り出し、凍結乾燥させる。約10〜10個の乳酸桿菌細胞を含有する凍結乾燥物をそれぞれ約1Lの市販の低温殺菌牛乳と混合し、5℃で短時間均質化する。均質化した牛乳を次に瓶に詰め、慣用の方法で包装する。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの消化管、特には胃の培養条件下でヘリコバクター・ピロリ菌を凝集することが可能な単離された乳酸桿菌細胞。
【請求項2】
DSM17646、DSM17647、DSM17648、DSM17649、DSM17650、DSM17651、DSM17652又はDSM17653として寄託された請求項1に記載の単離された乳酸桿菌細胞。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生理学的有効量の乳酸桿菌細胞と、生理学的に耐容性である担体を含む医薬品組成物及び/又は食餌療法用組成物。
【請求項4】
医薬品又は食餌療法用組成物を製造するための請求項1又は2に記載の乳酸桿菌細胞の使用。
【請求項5】
ヘリコバクター・ピロリ菌への感染によって生じる疾患、特には胃潰瘍等の胃腸病の予防及び/又は治療用の医薬品又は食餌療法用組成物を製造するための請求項1又は2に記載の乳酸桿菌細胞の使用。
【請求項6】
組成物が10〜1015、好ましくは10又は10〜1012、特には10〜1010個の乳酸桿菌細胞を含有する請求項3〜5の1つに記載の医薬品組成物又は使用。
【請求項7】
組成物が経口投与用に調製される請求項3〜6の1つに記載の医薬品組成物又は使用。
【請求項8】
乳酸桿菌細胞が凍結乾燥される請求項3〜7の1つに記載の医薬品組成物又は使用。
【請求項9】
担体がマルトデキストリン、微結晶性セルロース、澱粉、特にはコーンスターチ、レブロース、乳糖、ブドウ糖、及びこういった物質の混合物を含む群から選択される請求項3〜8の1つに記載の医薬品組成物又は使用。
【請求項10】
組成物が0.1〜95重量%の担体と、5〜99.9重量%の凍結乾燥させた乳酸桿菌細胞を含有する請求項3〜9の1つに記載の医薬品組成物又は使用。
【請求項11】
組成物が10〜1015、好ましくは10〜10、特には10〜10個の乳酸桿菌細胞を含有する請求項3〜5の1つに記載の食餌療法用組成物又は使用。
【請求項12】
生理学的に耐容性の担体が食品材料であり、特には乳製品、発酵乳製品、牛乳、ヨーグルト、チーズ、シリアル、ミューズリーバー、及び幼児用加工食品を含む群から選択される請求項3〜5又は11の1つに記載の食餌療法用組成物又は使用。
【請求項13】
生理学的有効量の凍結乾燥させた又は凍結乾燥させていない乳酸桿菌細胞を生理学的に耐容性の担体と混合し、経口投与用に調製する請求項3〜12に記載の医薬品及び/又は食餌療法用組成物の製造方法。
【請求項14】
生理学的有効量の請求項3〜12に記載の医薬品及び/又は食餌療法用組成物を患者に1日1〜5回投与する、ヘリコバクター・ピロリ菌への感染によって引き起こされる疾患の予防及び/又はこういった病気に罹患した又は発病すると疑われる患者の治療方法。

【公表番号】特表2009−520470(P2009−520470A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546085(P2008−546085)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/DE2006/001842
【国際公開番号】WO2007/073709
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(507268145)オルガノバランス ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】