説明

新規アシルグアニジン誘導体

【課題】NHE3(Na+/H+exchanger-type3)に対する良好な阻害作用を有しNHE3の発現が認められる臓器の疾患を効果的に改善する薬剤の提供。
【解決手段】例えば下式のようなNHE3に対する良好な阻害作用を有し、経口吸収性に優れた新規アシルグアニジン化合物を使用する。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、特に Na+/H+ exchanger type3(以下、NHE3と略記することもある)阻害作用を有する経口吸収可能な新規アシルグアニジン誘導体、その製造方法、その製造中間体、および該アシルグアニジン誘導体を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
Na+/H+ exchanger (NHE)は細胞膜上に存在する12回膜貫通領域を持った輸送タンパクであり、現在までに9つのアイソフォーム (NHE1/SLC9A1〜NHE8/SLC9A9)の存在が確認されている(非特許文献1:Malo ME, Fliegel L. Can J Physiol Pharmacol. 2006; 84(11):1081−95)。 細胞内側に位置するC末端部位には細胞内シグナル調節に関わる様々な因子の結合領域が存在し、これらの因子と相互作用することで細胞機能調節を担っていると考えられている(非特許文献2:Rhysiol Review 2007, v87, pp825−872)。 細胞内外で生ずるNa+イオンの濃度勾配を駆動力としてH+イオンを細胞外へ交換輸送することで細胞内pHや水分の維持、さらには細胞増殖の調節にも関与する極めて重要なタンパクである。
【0003】
NHE3は、 腎尿細管および消化管に多く発現しており、特に体液Na濃度および体液pH調節に重要な役割を担っている(非特許文献3:Bookstein C, DePaoli AM, Xie Y, Niu P, Musch MW, Rao MC, Chang EB. J Clin Invest. 1994; 93(1): 106−13)。 NHE3ノックアウトマウスでは蛋白尿や軟便が報告されており(非特許文献4:Schultheis PJ, Clarke LL, Meneton P, Miller ML, Soleimani M, Gawenis LR, Riddle TM, Duffy JJ, Doetschman T, Wang T, Giebisch G, Aronson PS, Lorenz JN, Shull GE. Nat Genet. 1998; 19(3): 282−5)、 機能的にも腎尿細管でのタンパク再吸収や便水分調節との関連性が明らかにされている。
【0004】
近年になり、 NHE3の糖尿病性腎症やメタボリック症候群関連腎症などの病態への関与が報告されている(非特許文献5:Klisic J, Nief V, Reyes L, Ambuhl PM. Nephron Physiol. 2006; 102(2): 27−35.)。これら病態の初期には糸球体過剰濾過が起こり、 Na+再吸収亢進による浮腫や高血圧が起こるが、その際、重要な役割を演ずるのがNHE3である。NHE3はアルブミンや糖の負荷により発現が亢進する事がin vitroの検討で報告されており(非特許文献6:Stevens VA, Saad S, Poronnik P, Fenton−Lee CA, Polhill TS, Pollock CA. Nephrol Dial Transplant. 2008; 23(6): 1834−43)、糖尿病性腎症や高血圧時など腎臓疾患においても発現量が増加し、初期症状の悪化を促すと考えられている。
【0005】
NHE阻害剤の開発は古くからなされており、医薬品として臨床試験も進められている。NHE1に対して選択的な阻害剤であるCariporideは、心筋虚血に伴う障害に対して有効性が示されており、虚血再灌流時に生じるH+増加とそれに伴うNa+の排泄亢進を抑制することで心筋障害の広がりを抑制すると推定されている。また、NHE3に対して選択的な阻害活性があることが報告されているS3226は、腎虚血・再灌流障害に対して改善効果を示すことが報告されている(非特許文献7:Hropot M, Juretschke HP, Langer KH, Schwark JR. Kidney Int. 2001; 60(6): 2283−2289)。
【0006】
NHE3阻害薬としては、S3226に代表されるジアシルグアニジン構造を有する誘導体(特許文献1:欧州特許公開公報0825178、特許文献2:国際公開WO2001/87829パンフレット)、アミノイミダゾール構造を有する構造(特許文献3:国際公開WO2005/26173パンフレット)、テトラヒドロイソキノリン構造を有する誘導体(特許文献4:国際公開WO2004/85404パンフレット)などが知られている。
特に、モノアシルグアニジン構造を有する誘導体としては、一般式(I)のR6〜R10の部分に1つのスルホンアミド基を有する誘導体(特許文献5:国際公開WO2002/24637パンフレット)が報告されているが、具体的な置換位置、スルホンアミド基以外の官能基、特異性については記載されていない。また、NHE阻害剤として、一般式(I)のX部分が、単結合、酸素原子、または、硫黄原子のいずれかを有する誘導体(特許文献6:特開平10−175939号)が報告されているが、具体的な置換位置、R6〜R10に必要となる特定の官能基の記載はされていない。
今なお、優れたNHE3阻害薬、また、NHE3の発現が認められる臓器の疾患を狙ったNHE3阻害薬は得られていないのが現状であり、その創製が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許公開公報0825178
【特許文献2】国際公開WO2001/87829パンフレット
【特許文献3】国際公開WO2005/26173パンフレット
【特許文献4】国際公開WO2004/85404パンフレット
【特許文献5】国際公開WO2002/24637パンフレット
【特許文献6】特開平10−175939号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Malo ME, Fliegel L. Can J Physiol Pharmacol. 2006; 84(11):1081−95
【非特許文献2】Rhysiol Review 2007, v87, pp825−872
【非特許文献3】Bookstein C, DePaoli AM, Xie Y, Niu P, Musch MW, Rao MC, Chang EB. J Clin Invest. 1994; 93(1): 106−13
【非特許文献4】Schultheis PJ, Clarke LL, Meneton P, Miller ML, Soleimani M, Gawenis LR, Riddle TM, Duffy JJ, Doetschman T, Wang T, Giebisch G, Aronson PS, Lorenz JN, Shull GE. Nat Genet. 1998; 19(3): 282−5
【非特許文献5】Klisic J, Nief V, Reyes L, Ambuhl PM. Nephron Physiol. 2006; 102(2): 27−35
【非特許文献6】Stevens VA, Saad S, Poronnik P, Fenton−Lee CA, Polhill TS, Pollock CA. Nephrol Dial Transplant. 2008; 23(6): 1834−43
【非特許文献7】Hropot M, Juretschke HP, Langer KH, Schwark JR. Kidney Int. 2001; 60(6): 2283−2289
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、NHE3(Na+/H+ exchanger type3)阻害作用を有し、NHE3の発現が認められる臓器の疾患を効果的に改善する薬剤を提供することを目的とする。
また、本発明は新規アシルグアニジン化合物を提供することを目的とする。
また、本発明は経口吸収性を有する新規アシルグアニジン化合物を提供することを目的とする。
また、本発明は、医薬組成物を提供することを目的とする。
【0010】
本発明者らは、NHE3の発現が認められる臓器の疾患を効果的に改善する薬剤として有用な、NHE3阻害作用を有する化合物を鋭意検討した結果、一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物が存在することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)、(II)及び(III)で示されるアシルグアニジン化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分とするNHE3の発現が認められる臓器の疾患を効果的に改善する薬剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らはNa+/H+ exchanger阻害作用を有する化合物に付き、鋭意検討した結果、新規アシルグアニジン化合物が良好なNa+/H+ exchanger type3阻害作用を有することを見出し、その結果、該新規アシルグアニジン化合物がNHE3の発現が認められる臓器の疾患を効果的に改善する薬剤として有用であることを見出し、本発明を完成させるに到った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で示されるアシルグアニジン化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【化1】

【0013】
上記一般式(I)中、
1は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基であり、
2、R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基、未置換もしくは置換フェニルオキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択され、
Xは、単結合、−O−又は−S−であり、
6、R7、R8、R9及びR10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、置換基を有してもよいアミジノ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル−カルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ−カルボニル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル−S(=O)2−NH基、−OPから選択されるか、又は
6、R7、R8及びR9の内の隣接する2つの基は共に、1個もしくは2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環を形成し、
Pは、置換基を有してもよいC1-6−アシル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシカルボニル基、または置換基を有してもよいC1-6−アルキルアミノカルボニル基から選択される。
【0014】
一般式(I)中、R2、R3、R4及びR5が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択され、
6、R7、R8、R9及びR10が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基、アミノカルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル−カ
ルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ−カルボニル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル−S(=O)2−NH基から選択されるか、又は
6、R7、R8及びR9の内の隣接する2つの基は共に、1個もしくは2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環を形成するのが好ましい。
【0015】
下記一般式(II)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【化2】

【0016】
上記一般式(II)中、
14は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基であり、
15及びR17は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、未置換もしくは置換フェニルオキシ基、未置換もしくは置換フェニル基、並びに、少なくとも一つ以上の窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を5〜6員環内に含む置換基を有してもよいヘテロ環から選択され、ここで該ヘテロ環は、ピロール環、フラン環、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリミジン環、ピペラジン環及びモルホリン環から選択されるが、R15及びR17のうちいずれか一つはヘテロ環であり、
16、R18及びR19は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、未置換もしくは置換フェニルオキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択される。)
【0017】
下記一般式(III)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【化3】

【0018】
上記一般式(III)中、
20は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基であり、
21、R22、R23及びR24は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-5−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいモルホリン基及び置換基を有してもよいピペラジンから選択され、
25、R26、R27、R28及びR29は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、置換基を有してもよいアミジノ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル−カルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ−カルボニル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル−S(=O)2−NH基から選択されるか、又は R26、R27、R28及びR29の内の隣接する2つの基は共に、1個もしくは2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環を形成する。
【0019】
また、本発明は、上記一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する医薬組成物を提供する。
また、本発明は、上記一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有するNHE3の発現が認められる臓器の疾患の治療もしくは予防用医薬組成物を提供する。
また、本発明は、上記一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩を含有するNHE3阻害剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例7化合物を4日間投与後の尿細管障害マーカーβ2マイクログロブリンの結果を示す。
【図2】実施例7化合物を4日間投与後の腎病理組織像(PAS染色)を示す。
【図3】実施例7化合物を4日間投与後の尿細管障害スコアのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書において使用する用語を以下に定義する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
1-6−アルキル基とは、炭素数1〜6である直鎖、分岐鎖、環状若しくは一部環状の脂肪族炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチル−プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜3である。
【0022】
1-6−アルケニル基とは、炭素数1〜6の直鎖、または分岐鎖、または環状のアルケニル基を示し、具体的に例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基などがあげられる。C1-6−アルキニル基とは、炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示し、具体的に例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などがあげられる。
【0023】
1-6−アルコキシ基とは、炭素数1〜6の直鎖、または分岐鎖、または環状アルコキシ基を有するアルコキシ基を示し、具体的に例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜3である。
【0024】
1-6−アルキルチオ基とは、炭素数1〜6の直鎖、または分岐鎖、または環状アルキルチオ基を有するアルキルチオ基を示し、具体的に例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜3である。
【0025】
“1個もしくは2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環”は、特に限定されないが、2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環が好ましく、以下の式で表される環が特に好ましい。
【化4】

【0026】
“置換”とは、下記群より選ばれ、少なくとも1個以上置換されていることを示し、該置換基は同一、または異なってもよく、また置換基の位置および数は任意であって、特に限定されるものではない。ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホン酸アミド基、アリール基及びヘテロアリール基からなる群から選ばれる。
“置換基を有してもよい”とは、該用語に修飾される基が未置換であってもよいし、1個以上の置換基で置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一、または異なってもよく、また置換基の位置および数は任意であって、特に限定されるものではない。好ましくは、該置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホン酸アミド基、アリール基及びヘテロアリール基からなる群から選ばれる。
【0027】
本発明の化合物は、一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物でありアクリロイル基を有している。その構造に基づく、シスートランス(又は(E)体、(Z)体)の幾何異性体が存在する。本発明には、これらの分離されたもの(又は(E)体、(Z)体)あるいは混合物が含まれる。本発明化合物中、トランス配置を有するものが特に好ましい。更に、本発明化合物は、アシルグアニジン構造に基づく互変異性体が存在するが、本発明にはこれらの分離されたもの、あるいは混合物が含まれる。上記以外にも置換基の種類によっては、幾何異性体や互変異性体が存在する場合があるが、本発明にはこれらの異性体を分離したもの、あるいは混合物が含まれる。本発明化合物は、不斉炭素原子を有する場合があり、不斉炭素に基づく(R)体、(S)体の光学異性体が存在しうる。本発明はこれらの光学異性体の単離されたものや混合物を含む。
【化5】

【0028】
本発明においては、上記各記号の好ましい基の組み合わせからなる化合物が好ましい。
より具体的には、一般式(I)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中、次のものが好ましい。
【0029】
Xとしては、単結合又は−O−が好ましく、単結合がより好ましい。
1としては、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
2、R3、R4及びR5としては、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基によって置換されたフェニル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基がより好ましく、水素原子、ハロゲン原子、メチル基が最も好ましい。
6、R7、R8、R9及びR10としては、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ−カルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルS(=O)2−NH基、置換基を有してもよいアミジノ基及び置換基を有してもよいアミノカルボニル基が好ましく、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、1−ヒドロキシエチル基、CH3−S(=O)2−NH基、アミジノ基及びHONHC(=O)基がより好ましく、ヒドロキシ基が最も好ましい。
また、上述に加えて、R7、R8及びR9としては、ヒドロキシ基が好ましく、R8にヒドロキシ基が最も好ましい。
【0030】
また、一般式(I)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中、次の組み合わせのものが好ましい。
5が、水素原子、メチル基であり、
6及びR10が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル基から選択される。
さらに、R2は、水素原子であることがより好ましい。
より好ましくは、R1は、水素原子又はC1-6−アルキル基である。
【0031】
また、一般式(I)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中、次の組み合わせのものも好ましい。
3が、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択され、
4が、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、未置換もしくは置換フェニルオキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択される。
また、上記各置換基の定義中、未置換もしくは置換フェニル基は、未置換のフェニル基もしくはヒドロキシフェニル基であることが好ましく、未置換もしくは置換フェニルオキシ基は、ヒドロキシフェノキシ基であることが好ましい。
同様に、上記各置換基の定義中“C1-6”は、全てC1-3であることがより好ましい。
【0032】
一般式(II)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中で定義される各基が次のものが好ましい。
14としては、水素原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基が好ましい。
16としては、水素原子又はメチル基が好ましい。
15及びR17としては、少なくともひとつ以上の窒素、酸素、硫黄から得らばれるヘテロ原子を5〜6員環内に含む置換基を有してもよいヘテロ環群が好ましく、さにら、置換基を有してもよいフラン環、置換基を有してもよいピロール環、置換基を有してもよいチオフェン環、置換基を有してもよいピラゾール環及び置換基を有してもよいイミダゾール環がより好ましく、さらに、ピロール環が最も好ましい。
19としては、水素原子、ハロゲン原子又はメチル基が好ましい。
15がヘテロ環群から得ればれる場合、R17としては、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基が好ましい。
同様に、上記各置換基の定義中“C1-6”は、全てC1-3であることがより好ましい。
【0033】
また、一般式(II)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中、次の組み合わせのものも好ましい。
14としては、水素原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
16としては、水素原子又はメチル基が好ましい。
17としては、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基が好ましい。
15が、少なくともひとつ以上の窒素、酸素、硫黄から得らばれるヘテロ原子を5〜6員環内に含む置換基を有してもよいヘテロ環群が好ましく、さにら、置換基を有してもよいフラン環、置換基を有してもよいピロール環、置換基を有してもよいチオフェン環、置換基を有してもよいピラゾール環及び置換基を有してもよいイミダゾール環がより好ましく、さらに、ピロール環が最も好ましい。
同様に、上記各置換基の定義中“C1-6”は、全てC1-3であることがより好ましい。
【0034】
また、一般式(II)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中、次の組み合わせのものも好ましい。
14としては、水素原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
15及びR19としては、水素原子又はメチル基が好ましい。
17としては、少なくともひとつ以上の窒素、酸素、硫黄から得らばれるヘテロ原子を5〜6員環内に含む置換基を有してもよいヘテロ環群が好ましく、さにら、置換基を有してもよいフラン環、置換基を有してもよいピロール環、置換基を有してもよいチオフェン環、置換基を有してもよいピラゾール環及び置換基を有してもよいイミダゾール環がより好ましい。
同様に、上記各置換基の定義中“C1-6”は、全てC1-3であることがより好ましい。
【0035】
また、一般式(III)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中で定義される各基が次のものが好ましい。
21及びR24が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいモルホリン基及び置換基を有してもよいピペラジン基が好ましい。
22及びR23としては、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基が好ましく、さらに、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基がより好ましい。
25及びR29としては、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル基が好ましく、さらに、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基がより好ましい。
25、R26、R27、R28及びR29のいずれかひとつが、ヒドロキシ基であることが好ましく、さらに、R26、R27及びR28いずれかひとつがヒドロキシ基であることがより好ましい。
【0036】
また、一般式(III)で表されるアシルグアニジン化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中、次の組み合わせのものも好ましい。
21及びR24が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいモルホリン基及び置換基を有してもよいピペラジン基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、モルホリン基がより好ましく、水素原子、メチル基、モルホリノ基が最も好ましい。
22及びR23としては、水素原子、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基が好ましく、さらに、水素原子、メチル基がより好ましい。
25及びR29としては、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル基が好ましく、さらに、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチル基、エチル基がより好ましい。
26、R27及びR28のいずれかひとつが、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ基であることが好ましく、R27がヒドロキシ基であることがより好ましい。
同様に、上記各置換基の定義中“C1-6”は、全てC1-3であることがより好ましい。
【0037】
本発明化合物(I)、(II)及び(III)の代表的な製造法を以下に説明する。
本発明の多くの化合物は、例えば、以下に記載する方法を用いることで合成することができる。
【化6】

【0038】
式中、R1乃至R10は上記で記載したとおりである。R11、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲンで置換されていてもよいC1-5−アルキル基又はベンジル基であり、また、R11に関しては、二つのR11が置換基を共有、もしくは結合して環を形成してもよい。
【0039】
対応するブロモアルデヒド(1A)を、対応するフェニルボロン酸誘導体とカップリングすることにより対応するアルデヒド(2A)を合成できる。得られたアルデヒド(2A)に対して、NaH、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、n−BuLiなどの塩基性条件の低温下で処理した対応するホスホリル誘導体を作用させると、対応するアクリル酸エステル(3A)を合成できる。得られたアクリル酸エステル(3A)をアルカリ条件下などの加水分解処理することにより対応するアクリル酸(4A)を合成できる。得られたアクリル酸(4A)に、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(CDI)などの縮合剤を加え活性化し、その後、1M−グアニジン−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を加えることで本発明であるアシルグアニジン(IV)を合成できる。
【化7】

【0040】
式中、R1乃至R10は上記で記載したとおりである。R11、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲンで置換されていてもよいC1-5−アルキル基又はベンジル基であり、また、R11に関しては、二つのR11が置換基を共有、もしくは結合して環を形成してもよい。
【0041】
対応する2−ブロモアルデヒド(1B)に対して、NaH、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、n−BuLiなどの塩基性条件の低温下で処理した対応するホスホリル誘導体を作用させると、対応するアクリル酸エステル(2B)を合成できる。得られたアクリル酸エステル(2B)をアルカリ条件下などの加水分解処理することにより対応するアクリル酸(3B)を合成できる。得られたアクリル酸(3B)に、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(CDI)などの縮合剤を加え活性化し、その後、1M−グアニジン−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を加えることでアシルグアニジン(4B)を合成できる。得られたアシルグアニジン(4B)に対して、対応するフェニルボロン酸誘導体とカップリングすることにより本発明であるアシルグアニジン(IV)を合成できる。
【化8】

【化9】

【化10】

【0042】
式中、R1乃至R10、R14乃至R29は上記で記載したとおりである。R11、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲンで置換されていてもよいC1-5−アルキル基又はベンジル基であり、また、R11に関しては、二つのR11が置換基を共有、もしくは結合して環を形成してもよい。
【0043】
対応する2−ブロモアルデヒド(1C)に対して、NaH、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、n−BuLiなどの塩基性条件の低温下で処理した対応するホスホリル誘導体を作用させると、対応するアクリル酸エステル(2C)を合成できる。得られたアクリル酸エステル(2C)をアルカリ条件下などの加水分解処理することにより対応するアクリル酸(3C)を合成できる。得られたアクリル酸(3C)に、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(CDI)などの縮合剤を加え活性化し、その後、tert−ブトキシカルボニル(Boc)基で保護されたグアニジンとの縮合反応によってアシルグアニジン(4C)を合成できる。得られたアシルグアニジン(4C)に対して、対応するフェニルボロン酸誘導体とカップリングすることにより本発明であるアシルグアニジン(IV)、(V)及び(VI)を合成できる。
【0044】
製造方法A、B、およびCにおけるアクリル酸とグアニジン誘導体縮合方法は、通常行われる一般的方法に従って行うことができ、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性エステル、低級アルキルエステル、酸アジド、縮合剤の使用などが挙げられる。
酸ハロゲン化物としては、酸クロリド、酸ブロマイドなどが挙げられる。
酸無水物としては、対称酸無水物または混合酸無水物が用いられ、混合酸無水物の具体例としては、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチルのようなクロロ炭酸アルキルエステルとの混合酸無水物、クロロ炭酸ベンジルのようなクロロ炭酸アラルキルエステルとの混合酸無水物、クロロ炭酸フェニルのようなクロロ炭酸アリールエステルとの混合酸無水物、イソ吉草酸、ピバリン酸のようなアルカン酸との混合酸無水物などが挙げられる。
【0045】
活性エステルとしては、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエスエル、ペンタフルオロフェニルエステル、2,4,5−トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、シアノメチルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、N−ヒドロキシフタルイミドエステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドエステル、N−ヒドロキシピペリジンエステル、8−ヒドロキシキノリンエステル、2−ヒドロキシフェニルエステル、2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニルエステル、2−ヒドロキシピペリジンエステル、2−ピリジルチオールエステル、1−ベンゾトリアゾールエステルなどが挙げられる。
【0046】
縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、ジフェニルホスホニルアジド(DPPA)、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(CDI)などが挙げられる。場合によっては、N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)などの添加剤を加えてもよい。
【0047】
それぞれの工程においては、一般的に置き換えることのできる反応条件を使用することで合成でき、原料化合物の種類等に従い適時選択されるべきである。
また、溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、ピリジン等の塩基性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または水も含めた2種以上で混合して用いられる。溶媒は原料化合物の種類等に従い適時選択されるべきである。
【0048】
本発明を実施するにあたり、製造方法Cを用いる場合がより好ましく、縮合剤としてはCDIを用いるのがより好ましい。
なお、上記の方法で得られる本発明の化合物は、通常有機合成で用いられる、抽出、蒸留、結晶化、カラムクロマトグラフィー等の手法を用いて精製することができる。
【0049】
本発明の一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物が塩の形態を成し得る場合、その塩は医薬的に許容しうるものであればよく、例えば、式中にカルボキシル基等の酸性基が存在する場合の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げることができる。
【0050】
式中に塩基性基が存在する場合の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸などの無機酸との塩、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げることができる。塩を形成する方法としては、一般式(I)、(II)及び(III)の化合物と必要な酸または塩基とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することや、他の塩の形より陽イオン交換または陰イオン交換を行うことによっても得られる。
【0051】
本発明の化合物には、一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物の溶媒和物、例えば水和物、アルコール付加物等も含まれる。
本発明の化合物は、プロドラッグ化することもできる。本発明におけるプロドラッグとは、体内で変換されて本発明の化合物を生成する化合物を表す。例えば、活性本体がカルボキシル基やリン酸基を含む場合はそれらのエステル、アミド等が挙げられる。また、活性本体がアミノ基を含む場合にはそのアミド、カーバメート等が挙げられる。活性本体がヒドロキシ基を含む場合にはそのエステル、カーボネート、カーバメート等が挙げられる。本発明の化合物をプロドラッグ化する際にはアミノ酸、糖類と結合していてもよい。
【0052】
本発明の化合物であるアシルグアニジン誘導体(I)、(II)及び(III)又はそれらの医薬的に許容される塩は、そのまま、あるいは普通の製剤助剤を用いて常法に従って医薬組成物として製造し投与することができる。このような医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、散剤、注射剤、凍結乾燥注射剤、あるいは、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、液剤、糖衣剤、デボー剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、トローチ剤、舌下剤、貼付剤、口腔内崩壊剤(錠)、吸入剤、注腸剤、軟膏剤、貼り布剤、テープ剤、点眼剤などが挙げられる。
【0053】
本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤には、本発明のアシルグアニジン化合物又はその医薬的に許容される塩として、上記一般式(I)、(II)及び(III)で表されるアシルグアニジン化合物又はその医薬的に許容される塩に包含されるあらゆるアシルグアニジン化合物又はその医薬的に許容される塩を、単独で又は任意の2種又は3種以上を組み合わせて含有させてもよく、さらに、医薬的、生理学的、実験的に許容しうるあらゆる固体又は液体の担体、添加物等を含有させてもよい。
上記担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ゼラチン、アルブミン、アミノ酸、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤に、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤等の慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
【0054】
上記添加物としては、目的に応じて当該目的に対して通常用いられるものであれば特に制限されないが、具体的には、例えば、香料、糖類、甘味料、食物繊維類、ビタミン類、グルタミン酸ナトリウム(MSG)などのアミノ酸類、イノシン一リン酸(IMP)などの核酸類、塩化ナトリウムなどの無機塩類、水などが挙げられる。
本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤は、乾燥粉末、ペースト、溶液などの物性に制限なしにあらゆる形態で用いることができる。
【0055】
本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤の適用方法としては、特に制限されず、経口投与あるいは注射等を利用したあらゆる侵襲的又は非侵襲的投与が利用可能であり、坐薬投与あるいは経皮投与を採用してもよい。有効成分を経口、注射などの投与方法に適した固体又は液体の医薬用担体と共に、慣用の医薬製剤の形態で投与することが出来る。このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の固形剤の形態、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤の形態、凍結乾燥剤等の形態が挙げられる。これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。さらに、本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤には、医薬的、生理学的に許容しうるあらゆる固体又は液体の担体、添加物等を任意に添加してもよい。
【0056】
本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤の使用量は、それぞれの目的に応じて適宜調節されるが、例えば、経口投与で対象に投与される場合には、上記式(I)、(II)及び(III)で表されるアシルグアニジン化合物又はその医薬的に許容される塩の合計量として、1回の投与において体重1kgあたり、0.0001mg〜5gが好ましく、体重1kgあたり、0.001mg〜1gがより好ましく、さらに好ましくは体重1kgあたり、0.01mg〜10mgである。投与回数は特に制限されず、1日あたり1回〜複数回投与することができる。
本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤中の上記式(I)、(II)及び(III)で表されるアシルグアニジン化合物又はその医薬的に許容される塩の含有量は、上記使用量に適したものであれば特に制限されず、好ましくは、乾燥重量あたり0.000001質量%〜99.9999質量%、より好ましくは、0.00001質量%〜99.999質量%、特に好ましくは、0.0001質量%〜99.99質量%である。
本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤は、さらに、臨床上の所望の効果を発揮しうる既知の物質を1種又は2種以上含むものであってもよい。
【0057】
本発明の医薬組成物又はNHE3阻害剤は、NHE3に関連する疾患を含む臨床上所望の治療若しくは予防効果を示すあらゆる疾患又は状態に対して用いることができ、例として、腎機能障害、糖尿病性腎症、メタボリック症候群関連腎症、浮腫、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、腎虚血・再灌流障害、尿細管障害等を挙げることができるがこれらに限定されるものではなく、好ましくは、尿細管障害又は腎機能障害である。
【0058】
本発明の式(I)、(II)及び(III)で示されるアシルグアニジン化合物又はそれらの医薬的に許容される塩は、良好なNa+/H+ exchanger type3に対する阻害作用を示す。本発明の式(I)、(II)及び(III)で示されるアシルグアニジン化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の特に好ましいものは、経口吸収性が良好である。また、本発明の式(I)、(II)及び(III)で示されるアシルグアニジン化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の特に好ましいものは、NHE3に対する選択性が良好である。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0060】
略号のリスト
AIBN アゾイソブチロニトリル
Boc tert−ブトキシカルボニル
CDI 1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール
DMA ジメチルアセトアミド
DMF ジメチルホルムアミド
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EtOAc 酢酸エチル
EDCl 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
HATU O−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HPLC ハイパフォーマンスリキッドクロマトグラフィー
MeOH メタノール
MS 質量分析値(EI)[M+H]+
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0061】
中間体1
N−[(E)−3−(2−ブロモ−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成(製造方法C)
【化11】

【0062】
<工程1> NaH(60%assay、824mg、20.6mmol)をDMF(50ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に 2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(4.48ml、20.6mmol)のDMF(10ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、2−ブロモベンズアルデヒド(2.0ml、17.0mmol)のDMF(3ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(50ml)とMeOH(20ml)に溶解し、1N−NaOH(40ml、40mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(3.37g、82.0%)を白色結晶で得た。
MS 241
<工程2> 工程2で得られたカルボン酸(3.81g、15.7mmol)をDMF(40ml)に溶解し、CDI(2.80g、17.3mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(3.75g、23.6mmol)を加えて16時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である中間体1(3.48g、57.0%)を得た。
MS 282
【0063】
中間体2
N−[(E)−3−(2−ブロモ−4−メチル−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0064】
<工程1> NaH(60%assay、502mg、12.6mmol)をDMF(50ml)に懸濁させ、その溶液に トリエチル 2−ホスホノプロピオネイト(2.74ml、12.6mmol)をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、2−ブロモ−4−メチルベンズアルデヒド(2g、10.1mmol)のDMF(10ml)溶液をゆっくりと加え、18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去後、得られた化合物をTHF(15ml)とMeOH(12ml)に溶解し、1N−NaOH(8ml、8mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(1.36g、42%)を得た。
【0065】
<工程2> 工程1で得られたカルボン酸(1.36g、5.3mmol)をDMF(10ml)に溶解し、CDI(1.0g、6.4mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(1.27g、8.0mmol)を加えて16時間攪拌した。EtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。
残渣にTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、中間体2(820mg、38%)を得た。
MS 297
【0066】
中間体3
N−[(E)−3−(2,6−ジブロモ−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0067】
<工程1> 中間体1と同様な手法により中間体3を得た。
MS 362
【0068】
中間体4
N−[(E)−3−(2,4−ジブロモ−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0069】
<工程1> 2,4−ジブロモトルエン(5.00g、20mmol)、N−ブロモスクシンイミド (3.92g、22.0mmol)、四塩化炭素(6.0ml)が入った容器に、室温にてAIBN(657mg、4.0mmol)を加えた。65℃で16時間攪拌した後、溶媒を減圧除去した。残渣をろ過し、ヘキサンで洗浄後、ろ液を減圧除去し、粗生成物(5.12g、78%)を得た。
【0070】
<工程2> 工程1の粗生成物(5.12g,15.6mmol)のアセトニトリル溶液(30ml)にトリメチルアミンN−オキシド(1.17g、15.6 mmol)を加え、60℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/EtOAc系)にて精製し、目的とするアルデヒド(2.49g、60%)を得た。
MS 265
【0071】
<工程3> NaH(60%assay、1.13g、28.3mmol)をTHF(40ml)に懸濁させ、0℃に冷却した。その懸濁液にトリエチル2−ホスホノプロピオネイト(6.74g、28.3mmol)のTHF(5ml)溶液をゆっくり加えた。15分攪拌後、工程2で得られたアルデヒド(2.49g、9.435mmol)のTHF(5ml)溶液を加え、ゆっくり室温へ昇温させながら1時間攪拌した。EtOAcを加え、NaHCO3水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。無水MgSO4で乾燥後、溶媒を減圧除去し、粗生成物(エステル中間体)を得た。
MS 349
得られた粗生成物をTHF/MeOH混合溶液(v/v=5/3、40ml)に溶解した。その溶液に2N−NaOH(30ml、60mmol)を加え50℃で6時間攪拌した。0℃に冷却後、2N−HClを加え溶液を酸性にして、ジクロロメタンを加え、水、飽和食塩水で洗浄後、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/EtOAc系)にて精製し、目的とするカルボン酸(2.04g、68%)を得た。
MS 321
【0072】
<工程4> 工程3で得られたカルボン酸(2.04g,6.375mmol)をDMF(20ml)に溶解し、CDI(1.24g,7.65mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液にN−Boc−グアニジン(1.22g、7.65mmol)を加えて19時間攪拌した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣にTFA(20ml)を加え55℃で8間攪拌した。その後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)によって精製し、目的とする中間体4(0.821g,27%)を得た。
MS 362
【0073】
中間体5
N−[(E)−3−(4−ブロモ−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0074】
<工程1> NaH(60%assay、412mg、10.3mmol)をDMF(50ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に トリエチル2−ホスホノプロピオネイト(2.24ml、10.3mmol)のDMF(10ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、4−ブロモベンズアルデヒド(1.57g、8.49mmol)のDMF(3ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(50ml)とMeOH(20ml)に溶解し、1N−NaOH(40ml、40mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(729mg、35%)を白色結晶で得た。
MS 242
【0075】
<工程2> 工程1で得られたカルボン酸(729mg、3.0mmol)をDMF(20ml)に溶解し、CDI(535g、3.3mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(720mg、4.5mmol)を加えて16時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である中間体5(348mg、29%)を得た。
【0076】
中間体6
N−[(E)−3−(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0077】
<工程1> 4−ブロモ−2−メチルベンズアルデヒド(1.0g、)から、中間体1と同様の方法により、上記中間体6(330mg、17%)を得た。
MS 297
【0078】
実施例1
N−[(E)−3−(4’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化12】

【0079】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4−クロロフェニルボロン酸 (9mg,0.055mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3mg,2.6umol)とNa2CO3(21mg,0.2mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする実施例1化合物(5.7mg,27%)を得た。
MS 314
【0080】
実施例2
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化13】

【0081】
<工程1> 中間体1(50mg、0.126mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(19.2mg、0.139mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.4ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.29mg、6.30umol)とNa2CO3(40.1mg、0.378mmol)を加えて、90℃で15時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例2化合物(51.6mg、100%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 2.01(s、3H)、6.82(d、2H、J=8.5Hz)、7.13(d、2H、J=8.5Hz)、7.33(s、1H)、7.37−7.52(m、4H)、8.19−8.33(bs、4H)、9.66(s、1H)
MS 296
【0082】
実施例3
N−[(E)−3−(4’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化14】

【0083】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4−メトキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例3化合物(6.6mg,31%)を得た。
MS 310
【0084】
実施例4
N−[(E)−3−(4’−エトキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化15】

【0085】
<工程1> 2−ブロモベンズアルデヒド(200mg、1.08mmol)と4−エトキシフェニルボロン酸(179mg、1.08mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、8ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(125mg、0.108mmol)とNa2CO3(343mg、3.24mmol)を加えて、90℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、EtOAcを加え、NaHCO3水溶液、水、飽和食塩水にて洗浄後、無水MgSO4にて乾燥した。溶媒を減圧除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc系)にて精製することで、目的とするアルデヒド(202mg、82.6%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ1.46(t、3H、J=7.0Hz)、4.10(q、2H、J=7.0Hz)、6.99(d、2H、J=8.5Hz)、7.26(s、1H)、7.30(d、2H、J=8.5Hz)、7.39−7.50(m、2H)、7.62(ddd、2H、J= 1.5、7.3、7.3Hz)、8.00(dd、2H、J=1.1、7.3Hz)、10.0(s、1H)
MS 227
【0086】
<工程2> NaH(60%assay、53.6mg、1.34mmol)をTHF(5ml)に懸濁させ、0℃に冷却した。その懸濁液に2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(319mg、1.34mmol)のTHF(2ml)溶液をゆっくり加えた。15分攪拌後、工程1で得られたアルデヒド(202mg、0.893mmol)のTHF(2ml)溶液を加え、ゆっくり室温へ昇温させながら一晩攪拌した。EtOAcを加え、NaHCO3水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc系)にて精製し、目的とするエステル(258mg、93.0%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 1.26(t、3H、J=7.0Hz)、1.44(t、3H、J=7.0Hz)、2.01(s、3H)、4.07(q、2H、J=7.0Hz)、4.20(q、2H、J=7.0Hz)、6.91(d、2H、J=8.8Hz)、7.23(d、2H、J=8.8Hz)、7.31(s、1H)、7.33−7.40(m、3H)、7.54(bs、1H)、7.98(d、1H、J=16Hz)
MS 311
【0087】
<工程3> 工程2で得られたエステル(258mg、0.831mmol)をTHF/MeOH混合溶液(v/v=4/1、5.2ml)に溶解した。その溶液に2N−NaOH(4.2mL、8.31mmol)を加えて室温で63時間半攪拌した。溶媒を減圧除去後、2N−HCl(4.2ml)を加え溶液を酸性にして、EtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄後、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、目的物であるカルボン酸(235mg)を定量的に得た。
MS 283
【0088】
<工程4> 工程3で得られたカルボン酸(50mg、0.177mmol)をDMF(3ml)に溶解し、CDI(31.6mg、0.195mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に2N−グアニジンDMF溶液(0.266ml、0.531mmol)を加えて室温で21時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)で精製し、実施例4化合物(2.2mg、2.84%)を得た。
MS 324
【0089】
実施例5
N−[(E)−3−(4’−アセチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化16】

【0090】
<工程1> 中間体1(20mg、0.05mmol)と4−アセチルフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例5化合物(6.8mg,31%)を得た。
MS 322
【0091】
実施例6
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシメチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化17】

【0092】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4−ヒドロキシメチルフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。
室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例6化合物(7.8mg,38%)を得た。
MS 310
【0093】
実施例7
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−4−カルボン酸 メチルエステルの合成
【化18】

【0094】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(11mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例7化合物(3.3mg,15%)を得た。
MS 338
【0095】
実施例8
N−[(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−4−イル]−メタンスルホンアミドの合成
【化19】

【0096】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4−メタンスルホンアミドフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例8化合物(9.9mg,41%)を得た。
MS 373
【0097】
実施例9
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−4−カルボン酸 アミドの合成
【化20】

【0098】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4−カルボキシアミドフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。
室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例9化合物(3.1mg,14%)を得た。
MS 323
【0099】
実施例10
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−4−カルボン酸の合成
【化21】

【0100】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4−カルボキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例10化合物(4.2mg,19%)を得た。
MS 324
【0101】
実施例11
N−[(E)−3−(4’−ボロン酸−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化22】

【0102】
<工程1> 中間体1(20mg、0.05mmol)と1,4−ベンゼンジボロン酸(10mg、0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.4ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg、2.60umol)とNa2CO3(21.0mg、0.152mmol)を加えて、90℃で15時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例11化合物(5.0mg、23%)を得た。
MS 324
【0103】
実施例12
N−[(E)−2−メチル−3−(4’−ニトロ−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化23】

【0104】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と4ニトロフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例12化合物(3.8mg,17%)を得た。
MS 325
【0105】
実施例13
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化24】

【0106】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例13化合物(5.6mg,27%)を得た。
MS 296
【0107】
実施例14
N−{(E)−3−[3’−(1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−2−イル]−2−メチル−アクリロイル}−グアニジンの合成
【化25】

【0108】
<工程1> 実施例15化合物(10mg,0.0229mmol)をTHF(1ml)に溶解し、0℃に冷却し、NaBH4(2mg,0.046mmol)を加えて、室温で2 時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例14化合物(4.0mg,40%)を得た。
MS 324
【0109】
実施例15
N−[(E)−3−(3’−アセチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化26】

【0110】
<工程1> 中間体1(20mg, 0.05mmol)と4−アセチルフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例15化合物(4.3mg,20%)を得た。
MS 322
【0111】
実施例16
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−3−カルボン酸 メチルエステルの合成
【化27】

【0112】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例16化合物(3.3mg,31%)を得た。
MS 338
【0113】
実施例17
N−[(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−3−イル]−メタンスルホンアミドの合成
【化28】

【0114】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3−メタンスルホンアミドフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例17化合物(6.3mg,27%)を得た。
MS 373
【0115】
実施例18
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−3−カルボン酸 アミドの合成
【化29】

【0116】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3−カルボキシアミドフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。
室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例18化合物(4.6mg,21%)を得た。
MS 323
【0117】
実施例19
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−3−カルボン酸の合成
【化30】

【0118】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3−カルボキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、
逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例19化合物(6.5mg,30%)を得た。
MS 324
【0119】
実施例20
N−[(E)−3−(3’−シアノ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化31】

【0120】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3シアノフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例20化合物(4.1mg,20%)を得た。
MS 305
【0121】
実施例21
N−[(E)−3−(2’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化32】

【0122】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と2−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例21化合物(5.6mg,27%)を得た。
MS 296
【0123】
実施例22
N−[(E)−3−(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化33】

【0124】
<工程1> 中間体1(20mg、0.05mmol)と3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10.0mg、0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.4ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.29mg、6.30umol)とNa2CO3(40.1mg、0.378mmol)を加えて、90℃で15時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例22化合物(5.0mg、23%)を得た。
MS 324
【0125】
実施例23
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化34】

【0126】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例23化合物(5.2mg,24%)を得た。
MS 326
【0127】
実施例24
N−[(E)−3−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化35】

【0128】
<工程1> 中間体1(20mg、0.05mmol)と3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10.2mg、0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.4ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg、2.60umol)とNa2CO3(21.0mg、0.152mmol)を加えて、90℃で15時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例24化合物(3.0mg、14%)を得た。
MS 314
【0129】
実施例25
N−[(E)−3−(3’、5’−ジフルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化36】

【0130】
<工程1> 実施例32化合物の工程2で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と3,5ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例25化合物(5.2mg,24%)を得た。
MS 318
【0131】
実施例26
N−[(E)−3−(3’、4’−ジヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化37】

【0132】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3,4−ジヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。
室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例26化合物(5.3mg,25%)を得た。
MS 312
【0133】
実施例27
N−[(E)−3−(3’、5’−ジヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化38】

【0134】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3,5−ジヒドロキシフェニルボロン酸(10mg, 0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例27化合物(6.1mg,29%)を得た。
MS 312
【0135】
実施例28
N−[(E)−3−(3’、4’、5’−トリヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化39】

【0136】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3,4,5−トリヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例28化合物(3.5mg,16%)を得た。
MS 328
【0137】
実施例29
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化40】

【0138】
<工程1> 中間体1(100mg,0.253mmol)と2−メチル−4−メトキシフェニルボロン酸(46.1mg,0.278mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg,12.7umol)とNa2CO3(80.5mg,0.759mmol)を加えて、90℃で2時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、カップリング体(69.7mg,63%)を得た。
MS 324
【0139】
<工程2> 工程1で得られたカップリング体(25mg、0.057mmol)にCH2Cl2(2.0ml)を加え溶解し、その溶液に1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.35ml、0.35mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例29化合物(16.7mg、68.9%)を得た。
MS 310
【0140】
実施例30
N−[(E)−3−(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化41】

【0141】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3,4−メチレンジオキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例30化合物(5.4mg,25%)を得た。
MS 324
【0142】
実施例31
N−{(E)−3−[2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−フェニル]−2−メチル−アクリロイル}−グアニジンの合成
【化42】

【0143】
<工程1> 中間体1(20mg,0.05mmol)と3,4−エチレンジオキフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例31化合物(12mg, 53%)を得た。
MS 338
【0144】
実施例32
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化43】

【0145】
<工程1> 2−ブロモベンズアルデヒド(500mg、2.70mmol)とマロン酸(562mg、5.40mmol)をピリジン(5ml)に溶解した。その溶液にピロリジン(19.2mg、0.270mmol)を加えて100℃で19時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、CH2Cl2を用いてデカンテーションすることで、目的物であるカルボン酸(402mg、65.5%)を白色結晶で得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 6.57(d、2H、J=15.8Hz)、7.36(ddd、1H、J=1.8、7.6、7.6Hz)、7.44(ddd、1H、J=1.2、7.6、7.6Hz)、7.71(dd、1H、J=1.2、7.6Hz)、7.84(d、1H、15.8Hz)、7.90(dd、J=1.8、7.6Hz)
MS 241
【0146】
<工程2> 工程1で得られたカルボン酸(402mg、1.77mmol)をDMF(15ml)に溶解し、CDI(287mg、1.77mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液にN−Boc−グアニジン(338mg、2.13mmol)を加えて19時間半攪拌した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣にTFA(5ml)を加え室温で6時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)によって精製し、目的とするアシルグアニジン(308mg、45.5%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 6.78(d、1H、J=16Hz)、7.43(ddd、1H、J=1.8、7.6、7.6Hz)、7.52(ddd、1H、J=1.2、7.6、7.6Hz)、7.73−7.84(m、2H)、8.39(bs、1H)
MS 268
【0147】
<工程3> 工程2で得たアシルグアニジン(50mg、0.131mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(19.9mg、0.144mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、1.3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.58mg、6.60umol)とNa2CO3(41.7mg、0.393mmol)を加えて、90℃で18時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミノ、CH2Cl2/MeOH系)にて再精製することで、実施例32化合物(4.14mg、7.99%)を得た。
MS 282
【0148】
実施例33
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化44】

【0149】
<工程1> 実施例32化合物の工程2で得られたアシルグアニジン(50mg、0.131mmol)と3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(31.7mg、0.144mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、1.3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.58mg、6.60umol)とNa2CO3(41.7mg、0.393mmol)を加えて、90℃で18時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製することで、実施例33化合物(18.2mg、7.99%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 6.67−6.77(m、2H)、6.81−6.88(m、1H)、7.24−7.32(m、1H)、7.40(dd、1H、J=1.8、7.0Hz)、7.47−7.59(m、2H)、7.70(d、1H、J=16Hz)、7.77−7.83(m、1H)、8.24−8.48(bs、4H)
MS 282
【0150】
実施例34
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−エチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化45】

【0151】
<工程1> NaH(97.3mg、2.43mmol)をTHF(10ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に2−ホスホノ酪酸トリエチル(613mg、2.43mmol)のTHF(3ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、2−ブロモベンズアルデヒド(300mg、1.62mmol)のTHF(3ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(10ml)とMeOH(2ml)に溶解し、2N−NaOH(4ml、8.0mmol)を加えて50℃で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えた溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(364mg、88.4%)を白色結晶で得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 1.13(t、3H、J=7.3Hz)、2.40(q、2H、J=7.3Hz)、7.16−7.39(m、4H)、7.63(d、1H、J=8.2Hz)、7.78(s、1H)
MS 255
【0152】
<工程2> 工程2で得られたカルボン酸(250mg、0.984mmol)をDMF(10ml)に溶解し、CDI(191mg、1.18mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(188mg、1.18mmol)を加えて16時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(4ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるアシルグアニジン(228mg、56.6%)を得た。
MS 296
【0153】
<工程3> 工程2で得たアシルグアニジン(42.5mg、0.104mmol)と3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(34.3mg、0.156mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(6.01mg、5.20umol)とNa2CO3(33.1mg、0.312mmol)を加えて、90℃で21時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製することで、実施例34化合物(28.3mg、64.3%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 1.05(t、3H、J=7.3Hz)、2.44−2.57(m、2H)、6.71−6.84(m、3H)、7.21−7.30(m、2H)、7.41−7.56(m、4H)、8.13−8.50(bs、4H)
MS 310
【0154】
実施例35
N−[(E)−3−(4,3’−ジヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化46】

【0155】
<工程1> 中間体1と同様な手法により、目的とするアシルグアニジンを2−ブロモ−5−メトキシベンズアルデヒドより得た。
【0156】
<工程2> 工程1で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg, 2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFA を含む水/CH3CN系)にて精製し、カップリング体(5.4mg,25%)を得た。
MS 328
【0157】
<工程3> 工程2で得られたカップリング体(10mg,0.023mmol)をCH2Cl2(1ml)に溶解し、0℃に冷却し1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.34ml,0.341mmol)を加えて、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例35化合物(29.1mg,79%)を得た。
MS 312
【0158】
実施例36
N−[(E)−2−メチル−3−(4,5,3’−トリヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化47】

【0159】
<工程1> 実施例39化合物(20mg,0.045mmol)をCH2Cl2(1ml)に溶解し、0℃に冷却し1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.34ml,0.341mmol)を加えて、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例36化合物(10.8mg,54%)を得た。
MS 328
【0160】
実施例37
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−5−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0161】
<工程1> 中間体2(20mg、0.05mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg、0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg、2.60umol)とNa2CO3(21.0mg、0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFA を含む水/CH3CN 系)にて精製し、実施例37化合物(5mg、24%)を得た。
MS 310
【0162】
実施例38
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−4−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化48】

【0163】
<工程1> 中間体1と同様な手法により、中間体であるアシルグアニンを2−ブロモ−5−メチルベンズアルデヒドより得た。
【0164】
<工程2> 工程1で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg, 0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例38化合物(4.8mg,23%)を得た。
MS 310
【0165】
実施例39
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化49】

【0166】
<工程1> 中間体1と同様な手法により、中間体であるアシルグアニジンを2−ブロモ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒドより得た。
【0167】
<工程2> 工程1で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例39化合物(4.9mg,21%)を得た。
MS 356
【0168】
実施例40
N−[(E)−3−(2,6−ジ(3−ヒドロキシフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化50】

【0169】
<工程1> 中間体3(40mg、0.08mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸 (18mg、0.11mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(6mg、5.2umol)とNa2CO3(42mg、0.4mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする実施例40化合物(5.8mg、14%)を得た。
MS 388
【0170】
実施例41
N−[(E)−3−(2,5−ジ(3−ヒドロキシフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化51】

【0171】
<工程1> 中間体1と同様な手法により、中間体であるアシルグアニジンを2,5−ジブロモベンズアルデヒドを得た。
【0172】
<工程2> 工程1で得られた中間体(40mg、0.08mmol)と3−クロロフェニルボロン酸 (18mg、0.11mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(6mg、5.2umol)とNa2CO3(42mg、0.4mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。
室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする実施例41化合物(3.7mg、9%)を得た。
MS 388
【0173】
実施例42
N−[(E)−3−(5−フルオロ−3’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化52】

【0174】
<工程1> 中間体1と同様な手法により、中間体であるアシルグアニジンを2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒドから得た。
【0175】
<工程2> 工程1で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg, 0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例42化合物(10.8mg,51%)を得た。
MS 314
【0176】
実施例43
N−[(E)−3−(5−フルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化53】

【0177】
<工程1> 実施例42化合物の工程1で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFA を含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例43化合物(10.2mg,50%)を得た。
MS 314
【0178】
実施例44
N−[(E)−3−(4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化54】

【0179】
<工程1> 実施例35化合物の工程1で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、カップリング体(4.3mg,20%)を得た。
MS 328
<工程2> 工程1で得られたカップリング体(10mg,0.023mmol)をCH2Cl2(1ml)に溶解し、0℃に冷却し1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.34ml,0.341mmol)を加えて、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例44化合物(29.1mg,40%)を得た。
MS 312
【0180】
実施例45
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化55】

【0181】
<工程1> 実施例39の工程1で得られた中間体(20mg,0.05mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg,0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1,3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg,2.60umol)とNa2CO3(21.0mg,0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例45化合物(5.1mg,22%)を得た。
MS 356
【0182】
実施例46
N−[(E)−2−メチル−3−(4,5,4’−トリヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化56】

【0183】
<工程1> 実施例45化合物(20mg,0.045mmol)をCH2Cl2(1ml)に溶解し、0℃に冷却し1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.34ml,0.341mmol)を加えて、室温で2 時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例46化合物(10.8mg,24%)を得た。
MS 328
【0184】
実施例47
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−5−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0185】
<工程1> 中間体2(20mg、0.05mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(10mg、0.06mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、3ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(3.00mg、2.60umol)とNa2CO3(21.0mg、0.2mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFA を含む水/CH3CN 系)にて精製し、実施例47化合物(8.1mg、38%)を得た。
MS 310
【0186】
実施例48
N−[(E)−3−(2,5−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化57】

【0187】
<工程1> 実施例41化合物と同様の方法を用いて、実施例41化合物の工程1で得られた中間体と4−ヒドロキシフェニルボロン酸を反応させることで目的とする実施例48化合物(7.4mg、18%)を得た。
MS 388
【0188】
実施例49
N−{(E)−3−[2−(3−メトキシ−フェノキシ)−フェニル]−2−メチル−アクリロイル}−グアニジンの合成
【化58】

【0189】
<工程1> 2−フルオロベンズアルデヒド(100mg、0.806mmol)と3−メトキシフェノール(110mg、0.886mmol)をDMA(4ml)に溶解し、K2CO3(335mg、2.42mmol)を加えて170℃で1時間半攪拌した。室温へ冷却後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc系)にて精製し、目的物であるアルデヒド(110mg、59.8%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 3.80(s、3H)、6.59−6.66(m、2H)、6.73(ddd、1H、J=1.2、2.4、8.2Hz)、6.95(d、1H、J=8.2Hz)、7.20(dd、1H、J=7.3、8.5Hz)、7.28(dd、1H、J=8.5、8.5Hz)、7.52(ddd、1H、J=1.8、7.3、8.5Hz)、7.94(dd、1H、J=1.8、7.9Hz)、10.5(s、1H)
MS 229
【0190】
<工程2> NaH(60%assay、28.9mg、0.723mmol)をTHF(5ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(182mg、0.723mmol)のTHF(2ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、工程1で得たアルデヒド(110mg、0.482mmol)のTHF(1ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら22時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(4ml)とMeOH(2ml)に溶解し、2N−NaOH(2ml、4.0mmol)を加えて50℃で22時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えた溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(114mg、83.1%)を白色結晶で得た。
MS 285
【0191】
<工程3> 工程2で得られたカルボン酸(114mg、0.400mmol)をDMF(4ml)に溶解し、CDI(77.8mg、0.480mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(76.4mg、0.480mmol)を加えて約3日間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(3ml)を加えて2時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例49化合物(97.8mg、55.3%)を得た。
MS 326
【0192】
実施例50
N−{(E)−3−[2−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−フェニル]−2−メチル−アクリロイル}−グアニジンの合成
【化59】

【0193】
<工程1> 2−フルオロベンズアルデヒド(100mg、0.806mmol)と4−メトキシフェノール(110mg、0.886mmol)をDMA(4ml)に溶解し、K2CO3(335mg、2.42mmol)を加えて170℃で2時間半攪拌した。室温へ冷却後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc系)にて精製し、粗生成物である目的とするアルデヒド(185mg)を得た。
MS 243
【0194】
<工程2> NaH(60%assay、48.6mg、1.22mmol)をTHF(5ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(307mg、1.22mmol)のTHF(2ml)溶液をゆっくり滴下し30分攪拌した。その後、工程1で得たアルデヒド(185mg、0.810mmol)のTHF(1ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら14時間半攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。
溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(4ml)とMeOH(2ml)に溶解し、2N−NaOH(2ml、4.0mmol)を加えて50℃で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えた溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(217mg、工程1より94.1%)を白色結晶で得た。
MS 285
【0195】
<工程3> 工程2で得られたカルボン酸(100mg、0.352mmol)をDMF(3ml)に溶解し、CDI(68.4mg、0.422mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(67.1mg、0.422mmol)を加えて約3日間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(2ml)を加えて2時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とするアシルグアニジン(52.4mg、33.9%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、300MHz) σ 2.01(s、3H)、3.69(s、3H)、6.72(d、1H、J=8.2Hz)、6.88−6.97(m、4H)、7.12(dd. 1H、J=7.8、8.2Hz)、7.31(ddd、1H、J=1.5、7.8、8.5Hz)、7.44(dd、1H、J=1.2、7.8Hz)、7.58(s、1H)、8.11−8.55(bs、4H)
MS 326
【0196】
<工程4> 工程3で得られた化合物(30mg、0.0683mmol)をCH2Cl2(1ml)に溶解し、0℃に冷却し1.0mol/lBBr3のジクロロメタン溶液(0.34ml、0.341mmol)を加えて、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例50化合物(29.1mg、100%)を得た。
MS 312
【0197】
実施例51
N−[2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−2−イル]−メタンスルホンアミドの合成
【化60】

【0198】
<工程1> 実施例1化合物と同様の手法を用いて、中間体1と2−メタンスルホンアミドフェニルボロン酸とを反応させることにより、実施例51化合物を得た。
MS 373
【0199】
実施例52
N‐[(E)−3‐(2’,3’−ジメトキシ‐ビフェニル‐2‐イル)‐2‐メチル‐アクリロイル)‐グアニジンの合成
【化61】

【0200】
<工程1> 実施例1化合物と同様の手法を用いて、中間体1と2,3−ジメトキシフェニルボロン酸とを反応させることにより、実施例52化合物を得た。
MS 340
【0201】
実施例53
N‐[(E)−3−(2’,4’−ジヒドロキシ−2−イル)−2−メチル−アクリロイル)−グアニジンの合成

【0202】
<工程1> 中間体1(100mg、0.252mmol)と2,4−ジメトキシフェニルボロン酸 (55.1mg、0.303mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、12.6umol)とNa2CO3(80.3mg、0.757mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(107.2mg、94%)を得た。
MS 340
【0203】
<工程2> 工程1で得られた中間体(100mg、0.221mmol)に、0℃にて1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(4.4ml、4.4mmol)を加えた後、反応温度を35℃まで上昇させ、6時間攪拌した。0℃に冷却後、ジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させた。飽和食塩水を加えた後、アセトニトリルにて抽出、減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例53化合物(79.8mg、85%)を得た。
MS 312
【0204】
実施例54
N−[(E)−3−(2’,3’−ジフルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0205】
<工程1> 4−ブロモ−2,5−ジフルオロアニソール(223.0mg、1.00mmol)と2−ホルミルフェニルボロン酸(179.9mg、1.20mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、20ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(57.8mg、0.05mmol)とNa2CO3(318.0 mg、3.0mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、ジクロロメタンを加え、水にて洗浄後、無水MgSO4にて乾燥した。溶媒を減圧除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/EtOAc系)にて精製することで、目的とするアルデヒド(200mg、81%)を得た。
MS 249
【0206】
<工程2> NaH(60%assay、96.7mg、2.42mmol)をTHF(8ml)に懸濁させ、0℃に冷却した。その懸濁液にトリエチル 2−ホスホノプロピオネイト(576mg、2.42mmol)のTHF(2ml)溶液をゆっくり加えた。15分攪拌後、工程1で得られた中間体アルデヒド(200mg、0.806mmol)のTHF(2ml)溶液を加え、ゆっくり室温へ昇温させながら1時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、NaHCO3水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。無水MgSO4で乾燥後、溶媒を減圧除去し、粗生成物を得た。
MS 333
得られた粗生成物をTHF/MeOH混合溶液(v/v=5/3、16ml)に溶解した。その溶液に2N−NaOH(5ml、10mmol)を加え50℃で6時間攪拌した。0℃に冷却後、2N−HClを加え溶液を酸性にして、ジクロロメタンを加え、水、飽和食塩水で洗浄後、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/EtOAc系)にて精製し、目的とするカルボン酸(123mg、50%)を得た。
MS 305
【0207】
<工程3> 工程2で得られたカルボン酸(123mg,0.383mmol)をDMF(5ml)に溶解し、CDI(74.5mg,0.459mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液にN−Boc−グアニジン(73.1mg、0.459mmol)を加えて19時間半攪拌した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣にTFA(5ml)を加え55℃で8間攪拌した。溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)によって精製し、目的とするアシルグアニジン(17.3mg,10%)を得た。
MS 346
【0208】
<工程4> 工程3で得られたアシルグアニジン(10mg、0.0218mmol)に、0℃にて1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(3.0ml、3.0mmol)を加えた後、反応温度を35℃まで上昇させ、6時間攪拌した。0℃に冷却後、ジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させた。飽和食塩水を加えた後、アセトニトリルにて抽出、減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例54化合物(2.1mg、22%)を得た。
MS 332
【0209】
実施例55
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−3−カルボン酸 ヒドロキシアミドの合成

【0210】
<工程1> 3−ブロモ安息香酸(200mg、0.995mmol)とtert−ブトキシアミン塩酸塩(111mg、0.887mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、その溶液にトリエチルアミン(0.34ml、2.42mmol)とEDCl(186mg、0.967mmol)を室温で加えて13時間攪拌した。ジクロロメタンを加え、水、飽和NH4Cl水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2、Hexane/EtOAc系)にて精製し、目的物(147mg,54.2%)を得た。
MS 273
【0211】
<工程2> 工程1で得られた化合物(147mg、0.539mmo)と2−ホルミルフェニルボロン酸(147mg、0.539mmol)をジオキサン/水(v/v=3/1、4.0ml)の混合溶液に溶解し、その溶液に、その溶液に、Pd(PPh34(31.2mg、27umol)とNa2CO3(171mg、1.62mmol)を加えて、90℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、EtOAcを加え、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水にて有機層を洗浄後、無水MgSO4にて乾燥した。溶媒を減圧除去することで粗生成物(229mg)を得た。
MS 298
【0212】
<工程3> NaH(60%assay、97.2mg、2.43mmol)をTHF(6.0ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に トリエチル 2−ホスホノプロピオネイト(579mg、2.43mmol)のTHF(1.0ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、工程2で得られた粗生成物のTHF(1.0ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら3日間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(3.0ml)とMeOH(1.0ml)に溶解し、2N−NaOH(1.5ml、3.0mmol)を加えて室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、粗生成物であるカルボン酸(174mg)を白色結晶で得た。
MS 354
【0213】
<工程4> 工程3で得られたカルボン酸(100mg、0.283mmol)をDMF(3.0ml)に溶解し、CDI(55.1mg、0.340mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(53.3mg、0.340mmol)を加えて22時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(4.0ml)を加えて17時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例55化合物(28.5mg、22.3%)を得た。
MS 339
【0214】
実施例56
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−4−カルボキサミジンの合成

【0215】
<工程1> 中間体1(150mg、0.379mmol)と4−シアノフェニルボロン酸(111mg、0.758mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=4/1、5.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(21.9mg、19.0umol)とNa2CO3(161mg、1.52mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(84.3mg、53%)を得た。
MS 305
【0216】
<工程2> 工程1で得られた中間体(70mg、0.167mmol)をEtOH(1.0ml)に溶解した。その溶液に、4N HCl/ジオキサン(4.0ml)を加えて、室温で48時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、EtOH(1.0ml)に溶解し、(NH42CO3(161mg、1.67mmol)を加えて、室温で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例56化合物(38mg、52%)を得た。
MS 322
【0217】
実施例57
(E)−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−2−メチル−ビフェニル−4−カルボキサミジンの合成

【0218】
<工程1> 中間体1(100mg、0.253mmol)と2−メチル−4−シアノフェニルボロン酸(61.0mg、0.379mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、13.0umol)とNa2CO3(107mg、1.01mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(90mg、80%)を得た。
MS 319
【0219】
<工程2>
工程1で得られた中間体(90mg、0.208mmol)をEtOH(0.8ml)に溶解した。その溶液に、4N HCl/ジオキサン(4.0ml)を加えて、室温で72時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、EtOH(2.0ml)に溶解し、(NH42CO3(200mg、2.08mmol)を加えて、室温で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例57化合物(70mg、60%)を得た。
MS 336
【0220】
実施例58
(E)−3−フルオロ−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−4−カルボキサミジンの合成

【0221】
<工程1> 中間体1(100mg、0.253mmol)と3−フルオロ−4−シアノフェニルボロン酸(62.5mg、0.379mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、13.0umol)とNa2CO3(107mg、1.01mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(84mg、76%)を得た。
MS 323
【0222】
<工程2> 工程1で得られた中間体(84mg、0.192mmol)をEtOH(0.6ml)に溶解した。その溶液に、4N HCl/ジオキサン(3.0ml)を加えて、室温で6日間攪拌した。溶媒を減圧除去後、EtOH(2.0ml)に溶解し、(NH42CO3(200mg、2.08mmol)を加えて、室温で12時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例58化合物(38mg、35%)を得た。
MS 340
【0223】
実施例59
N−[(E)−3−(2’−フルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0224】
<工程1> 中間体1(50mg、0.126mmol)と2−フルオロ−4−メトキシフェニルボロン酸(23.6mg、0.138mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.29mg、6.30umol)とNa2CO3(40.0mg、0.378mmol)を加えて、90℃で2時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるカップリング体(38.6mg、69.5%)を得た。
MS 328
【0225】
<工程2> 工程1で得られたカップリング体(25mg、0.0567mmol)にCH2Cl2(1.0ml)を加え溶解し、その溶液に1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.42ml、0.420mmol)を加えて室温で4時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例59化合物(22.3mg、92.1%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ2.00(s、3H)、6.62(dd、1H、J=2.6、12Hz)、6.67(dd、1H、J=2.6、8.2Hz)、7.07(t、1H、J=8.8Hz)、7.26(s、1H)、7.33−7.41(m、1H)、7.43−7.53(m、3H)、8.24(bs、4H)、10.6 (bs、1H)
MS 314
【0226】
実施例60
N−[(E)−3−(2’−クロロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0227】
<工程1> 中間体1(50mg、0.126mmol)と2−クロロ−4−メトキシフェニルボロン酸(25.9mg、0.139mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(8.04mg、6.95umol)とNa2CO3(41.6mg、0.378mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるカップリング体(38.9mg、67.6%)を得た。
MS 345
【0228】
<工程2> 工程1で得られたカップリング体(33mg、0.0722mmol)をCH2Cl2(1.0ml)に溶解した。その溶液に、1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.50ml、0.50mmol)を加えて室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例60化合物(22.4mg、69.9%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ 1.96(d、3H、J=1.3Hz)、6.80(dd、1H、J=2.5、8.5Hz)、6.91(d、1H、J=2.5Hz)、7.07(d、1H、J=8.5z)、7.15−7.18(m、1H)、7.28−7.33(m、1H)、7.44−7.51(m、2H)、8.26(bs、4H)、10.1(s、1H)
MS 331
【0229】
実施例61
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−3’−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0230】
<工程1> 中間体1(50mg、0.126mmol)と3−メチル−4−メトキシフェニルボロン酸(23.9mg、0.139mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(6.94mg、6.00umol)とNa2CO3(41.6mg、0.378mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるカップリング体(40.5mg、73.5%)を得た。
MS 324
【0231】
<工程2>
工程1で得られたカップリング体(30mg、0.0671mmol)をCH2Cl2(1.0ml)に溶解した。その溶液に、1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.50ml、0.50mmol)を加えて室温で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例61化合物(27.2mg、95.8%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ 2.00(d、3H、J=1.2Hz)、6.81(d、1H、J=8.3Hz)、6.92(dd、1H、J=2.2、8.4Hz)、7.06(d、1H、J=1.7Hz)、7.34(d、1H、J=1.2)、7.35−7.38(m、4H)、8.22−8.52(m、4H)、9.53(s、1H)
MS 310
【0232】
実施例62
N−[(E)−3−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシ−5−メチルビフェニル−2−イル)−2−メチルアクリロイル]−グアニジンの合成

【0233】
<工程1> 中間体2(50mg、0.122mmol)と3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニルボロン酸(22.8mg、0.146mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.0mg、6.1umol )とNa2CO3(38.8mg、0.366mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去した後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例62化合物(10.9mg、20%)を得た。
MS 328
【0234】
実施例63
N−[(E)−3−(4’−フルオロ−3’−ヒドロキシ−5−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0235】
<工程1> 中間体2(50mg、0.122mmol)と4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニルボロン酸(22.8mg、0.146mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.0mg、6.10umol)とNa2CO3(38.8mg、0.366mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例63化合物(7.9mg、15%)を得た。
MS 328
【0236】
実施例64
4−[(E)−6−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−3’−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イルオキシ]−ベンゼンスルホンアミドの合成
【化62】

【0237】
<工程1> 実施例65化合物と同様の手法を用いて、実施例65の工程3で得られた中間体と3−ヒドロキシフェニルボロン酸とを反応させることで、実施例化合物64を得た。
MS 477
【0238】
実施例65
4−[(E)−6−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イルオキシ]−ベンゼンスルホンアミドの合成

【0239】
<工程1> 2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド (500mg、2.46mmol) をDMF(50ml)に溶解し、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド (511mg、2.95mmol)、K2CO3(408mg、2.96mmol)を加え、100℃で2時間攪拌した。室温に戻して、EtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/EtOAc系)にて精製し、目的とするエーテル(690mg、78%)を得た。
【0240】
<工程2> NaH(60%assay、116mg、2.9mmol)をDMF(50ml)に懸濁させ、その溶液に トリエチル 2−ホスホノプロピオネイト(0.611ml、2.9mmolをゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、工程1で得られた化合物のDMF(3ml)溶液をゆっくりと加え、18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/EtOAc系)にて精製し、目的とするエステル(880mg、70%)を得た。
得られた化合物をTHF(5ml)とMeOH(2ml)に溶解し、1N−NaOH(8ml、8mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(830mg、100%)を得た。
【0241】
<工程3> 工程2で得られたカルボン酸(830mg、2.0mmol)をDMF(10ml)に溶解し、CDI(375mg、2.3mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(453mg、2.85mmol)を加えて16時間攪拌した。EtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。残渣にTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、中間体アシルグアニジン(410mg、35%)を得た。
MS 454
【0242】
<工程4> 工程3で得られた中間体から実施例2と同様な手法により実施例65化合物を得た。
MS 477
【0243】
実施例66
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシ−5−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0244】
<工程1> 中間体2(50mg、0.122mmol)と2−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(36.6mg,0.0146mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.00mg、6.10umol)とNa2CO3(38.8mg、0.366mmol)を加えて、90℃で2時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例66化合物(1.7mg、3%)を得た。
MS 388
【0245】
実施例67
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−6−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0246】
<工程1> 2−メチル−3−ブロモ安息香酸(1g、4.65mmol)とトリエチルアミン(0.97ml、6.78mmol)をTHF(20ml)に溶解し、氷冷下、クロロギ酸エチル(0.49ml、6.11mmol)を加え15分間撹拌した。生じた析出物を吸引濾過により除去し、濾液に氷1gと水素化ホウ素ナトリウム(260mg、6.78mmol)を氷冷下で加え一晩撹拌した。水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をクロロホルム(50ml)に溶解し、二酸化マンガン(2g、22.5mmol)を加えて一晩攪拌した。濾過後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、アルデヒド(640mg、69%)を得た。
MS 199
【0247】
<工程2> NaH(60%assay、193mg、4.82mmol)をDMF(10ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に トリエチル2−ホスホノプロピオネイト(1.05ml、4.82mmol)のDMF(10ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、工程1で得られたアルデヒド(640mg、3.22mmol)のDMF(3ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(10ml)とMeOH(4ml)に溶解し、2N−NaOH(8ml、8mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(600mg、93%)を白色結晶で得た。
MS 256
【0248】
<工程3> 工程2で得られたカルボン酸(600mg、3.0mmol)をDMF(10ml)に溶解し、CDI(610mg、3.8mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(716mg、4.5mmol)を加えて16時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるアシルグアニジン(250mg、20%)を得た。
MS 297
【0249】
<工程4> 工程3で得られたアシルグアニジン(50mg、0.122mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(18.5mg、0.134mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.06mg、6.10umol)とNa2CO3(40.3mg、0.366mmol)を加えて、90℃で14時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例67化合物(20.0mg、38.8%)を得た。
MS 310
【0250】
実施例68
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−6−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化63】

【0251】
<工程1> 実施例67の工程3で得られた中間体(50mg, 0.122 mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(18.5mg, 0.134mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1, 2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.06mg, 4.56umol)とNa2CO3(40.3mg, 0.366mmol)を加えて、90℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例68化合物(20.9mg, 40.5%)を得た。
MS 310
【0252】
実施例69
N−[(E)−3−(3’,4’−ジヒドロキシ−5−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化64】

【0253】
<工程1> 実施例1と同様の手法を用いて、中間体2と2,3−ジヒドロキシフェニルボロン酸を反応させ、実施例69化合物を得た。
MS 326
【0254】
実施例70
N−[(E)−3−(3−ブロモ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0255】
<工程1> 中間体3(100mg、0.210mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(29.1mg、0.210mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=4/1、2.5ml)に溶解した。その溶液に、PdCl2(dppf)(8.5mg、11.0umol)とNa2CO3(89.0mg、0.840mmol)を加えて、90℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例70化合物(85.0mg)を得た。
MS 376
【0256】
実施例71
N−{(E)−3−[4’−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−ビフェニル−2−イル]−2−メチル−アクリロイル}−グアニジンの合成

【0257】
<工程1> 4−メトキシ−フェノール(283mg. 2.28mmol)と2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド(386mg. 1.90mmol)をDMF(10ml)に溶解し、その溶液にK2CO3(315mg、2.28mmol)を加えて100℃で2時間攪拌した。反応溶液を冷却し、EtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
NaH(60%assay、114mg、2.85mmol)をDMF(10ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に トリエチル 2−ホスホノプロピオネイト(0.62ml、2.85mmol)のDMF(10ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、得られた残渣のDMF(3ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで得られた残渣をシリカゲルカラムにて精製することでエステル(230mg、30%)を得た。
MS 392
得られたエステル(230mg、0.59mmol)をTHF(5ml)とMeOH(2ml)に溶解し、1N−NaOH(4ml、4mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(210mg、98%)を白色結晶で得た。
MS 364
【0258】
<工程2> 工程1で得られたカルボン酸(210mg、0.58mmol)をDMF(10ml)に溶解し、CDI(113mg、0.70mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(138mg、0.87mmol)を加えて16時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるアシルグアニジン(120mg、52%)を得た。
MS 282
【0259】
<工程3> 工程2で得られたアシルグアニジン(50mg、0.096mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(14.6mg、0.106mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(5.55mg、4.80umol)とNa2CO3(30.5mg、0.288mmol)を加えて、90℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるカップリング体(34.1mg、66.8%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ 2.03(s、3H)、3.76(s、3H)、6.80(d、2H、J=8.6Hz)、6.89(d、1H、J=2.7Hz)、6.94(dd、1H、J=2.7、8.6Hz)、7.00(d、2H、J=9.0Hz)、7.08(d、2H、J=8.6Hz)、7.12(d、2H、J=9.0Hz)、7.27(s、1H)、7.45(d、1H、J=8.6Hz)、8.24(bs、4H)、9.67(s、1H)
MS 418
【0260】
<工程4> 工程3で得られたカップリング体(30mg、0.0564mmol)をCH2Cl2(1.0ml)に溶解した。その溶液に、1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.50ml、0.50mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例71化合物(22.5mg、77.1%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ 2.02(d、3H、J=1.2Hz)、6.79(d、2H、J=8.6Hz)、6.81(d、2H、J=9.0Hz)、6.86(d、1H、J=2.7Hz)、6.91(dd、1H、J=2.7、8.6Hz)、6.98(d、2H、J=9.0Hz)、7.09(d、2H、J=8.6Hz)、7.22(s、1H)、7.43(d、1H、J=8.6Hz)、8.33(bs、4H)、9.45(s、1H)、9.68(s、1H)
MS 404
【0261】
実施例72
N−[(E)−3−(2,4−ジ (4−ヒドロキシフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0262】
<工程1> 中間体4(31mg、0.0653mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(21.6mg、0.157mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.5mg、6.53umol)とNa2CO3(41.5mg、0.392mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例72化合物(14.1mg、43%)を得た。
MS 388
【0263】
実施例73
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−5−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0264】
<工程1> NaOMe in MeOH(0.46ml、 2.28mmol)をDMF(10ml)に溶解し、K2CO3(315mg、2.28mmol)を加えた15分攪拌した。その溶液に、2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド(386mg. 1.9mmol)を加えて100℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、EtOAcを加えて、NaHCO3水溶液、飽和食塩水にて洗浄後、無水MgSO4にて乾燥した。溶媒を減圧除去することで、目的とするアルデヒドを得た。
MS 216
【0265】
<工程2> NaH(60%assay、114mg、2.85mmol)をDMF(10ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に トリエチル 2−ホスホノプロピオネイト(0.62ml、2.85mmol)のDMF(5ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、工程1で得られたアルデヒドのDMF(3ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(5ml)とMeOH(2ml)に溶解し、1N−NaOH(4ml、4mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(90mg、17%)を白色結晶で得た。
MS 272
【0266】
<工程3> 工程2で得られたカルボン酸(90mg、0.33mmol)をDMF(4ml)に溶解し、CDI(75mg、0.45mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(73mg、0.45mmol)を加えて16時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるアシルグアニジン(80mg、57.0%)を得た。
MS 313
【0267】
<工程4> 工程3で得られたアシルグアニジン(33.8mg、0.079mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(36.0mg、0.261mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(13.5mg、11.7umol)とNa2CO3(75.3mg、0.711mmol)を加えて、90℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例73化合物(11.0mg、31.7%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ 2.04(d、3H、J=1.2Hz)、3.84(s、3H)、6.79−6.86(m、3H)、7.00(dd、2H、J=2.7、8.6Hz)、7.15(d、2H、J=8.6Hz)、7.27(s、1H)、7.42(d、1H、J=8.6Hz)、8.38(bs、4H)、9.67(s、1H)
MS 326
【0268】
実施例74
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシ−5−メチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0269】
<工程1> 中間体2(100mg、0.244mmol)と3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルボロン酸ピナコールエステル(73.2mg、0.293mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.1mg、0.0122mmol)とNa2CO3(155.1mg、1.463mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例74化合物(11.6mg、10%)を得た。
MS 340
【0270】
実施例75
N−[(E)−3−(2,4−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0271】
<工程1> 中間体4(50mg、0.105mmol)と2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(62.7mg、0.253mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(12.2mg、0.0105mmol)とNa2CO3(133.8mg、1.262mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例75化合物(7.9mg、13%)を得た。
MS 444
【0272】
実施例76
N−[(E)−3−(2,4−ジ(3−ヒドロキシ−4−フルオロフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0273】
<工程1> 中間体4(50mg、0.105mmol)と4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニルボロン酸(39.4mg、0.253mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(12.2mg、0.0105mmol)とNa2CO3(133.8mg、1.262mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例76化合物(26.4mg、47%)を得た。
MS 424
【0274】
実施例77
N−[(E)−3−(2,4−ジ(3−ヒドロキシフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0275】
<工程1> 中間体4(50mg、0.105mmol)と3−ヒドロキシフェニルボロン酸(34.8mg、0.253mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(12.2mg、0.0105mmol)とNa2CO3(133.8mg、1.262mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例77化合物(20.9mg、40%)を得た。
MS 388
【0276】
実施例78
N−[(E)−3−(2,4−ジ(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0277】
<工程1> 中間体4(50mg、0.105mmol)と2−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(63.2mg、0.253mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(8.6mg、0.0105mmol)とNa2CO3(133.8mg、1.262mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例78化合物(2.1mg、4%)を得た。
MS 448
【0278】
実施例79
(E)−3−フルオロ−2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−5’−メチル−ビフェニル−4−カルボキサミジンの合成

【0279】
<工程1> 中間体2(100mg、0.244mmol)と3−フルオロ−4−シアノフェニルボロン酸(60.3mg、0.366mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.1mg、12.0umol)とNa2CO3(103.5mg、0.976mmol)を加えて、80℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(80mg、73%)を得た。
MS 337
【0280】
<工程2> 工程1で得られた中間体(60mg、0.133mmol)をEtOH(0.4ml)に溶解した。その溶液に、4N−HCl/ジオキサン(2.0ml)を加えて、室温で36時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、EtOH(2.0ml)に溶解し、(NH42CO3(200mg、2.08mmol)を加えて、室温で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例79化合物(7.0mg、11%)を得た。
MS 355
【0281】
実施例80
N−[(E)−3−(4,4’’−ジヒドロキシ−[1,1’;3’,1’’]テルフェニル−2’−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0282】
<工程1> 中間体3(20mg、0.042mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(14.6mg、0.106mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(5.55mg、4.80umol)とNa2CO3(30.5mg、0.288mmol)を加えて、90℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例80化合物(6.5mg、30%)を得た。
MS 388
【0283】
実施例81
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0284】
<工程1> NaH(60%assay、237mg、5.92mmol)をDMF(50ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に トリエチル2−ホスホノプロピオネイト(1.29ml、5.92mmol)のDMF(20ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルベンズアルデヒド(1.00g、3.95mmol)のDMF(5ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで、残渣を得た。
得られた残渣をTHF(30ml)とMeOH(20ml)に溶解し、1N−NaOH(10ml、10mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にし、析出した結晶をろ過することで、目的物であるカルボン酸(460mg、38%)を白色結晶で得た。
MS 310
【0285】
<工程2> 工程2で得られたカルボン酸(460mg、1.49mmol)をDMF(20ml)に溶解し、CDI(289mg、1.78mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(355mg、2.24mmol)を加えて16時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(10ml)を加えて1時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物であるアシルグアニジン(228mg、33%)を得た。
MS 351
【0286】
<工程3> 工程3で得られたアシルグアニジン(50mg、0.108mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(16.4mg、0.119mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(6.24mg、5.40umol)とNa2CO3(35.6mg、0.324mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例81化合物(19.2mg、37.3%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ1.96(s、3H)、6.63(d、2H、J=8.5Hz)、7.21(d、3H、J=8.5Hz)、7.37(s、1H)、7.64(d、2H、J=8.5Hz)、7.68(s、1H)、7.76(d、1H、J=8.5Hz)、8.36 (bs、4H)、9.79(s、1H)
MS 364
【0287】
実施例82
N−[(E)−3−(3−フルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−2−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0288】
<工程1> 中間体1と同様な手法により、2−ブロモ−6−フルオロ−ベンズアルデヒドより中間体を得た。
MS 300
【0289】
<工程2> 工程1で得られた中間体(93mg、0.225mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(46.5mg、0.337mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(13.0mg、11.0umol)とNa2CO3(95.4mg、0.90mmol)を加えて、90℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする実施例82化合物(46.0mg、48%)を得た。
MS 314
【0290】
実施例83
N−{(E)−2−メチル−3−[2−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−フェニル]−アクリロイル}−グアニジンの合成

【0291】
<工程1> 中間体1(100mg、0.253mmol)と4−メチルチオフェン−3−ボロン酸ピナコールエステル(85.0mg、0.379mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、13.0umol)とNa2CO3(107.3mg、1.012mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例83化合物を得た。
MS 300
【0292】
実施例84
N−{(E)−2−メチル−3−[2−(1H−ピロール−3−イル)−フェニル]−アクリロイル}−グアニジンの合成

【0293】
<工程1> 中間体1(100mg、0.253mmol)と1− Boc−ピロール−3−ボロン酸ピナコールエステル(111mg、0.379mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、13.0umol)とNa2CO3(107.3mg、1.012mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去することで残渣を得た。
得られた残渣をTFA(5.0ml)中、室温で30分攪拌した。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例84化合物を得た。
MS 269
【0294】
実施例85
N−[(E)−3−(4−フラン−3−イル−フェニル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0295】
<工程1> 中間体5(100mg、0.253mmol)とフラン−3−ボロン酸(43.0mg、0.379mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、13.0umol)とNa2CO3(107mg、1.01mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする実施例85化合物(54mg、55%)を得た。
MS 270
【0296】
実施例86
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−2’−メチル−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0297】
<工程1> 中間体5(100mg、0.253mmol)と2−メチル−4−メトキシフェニルボロン酸(46.1mg、0.278mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、12.7umol)とNa2CO3(80.5mg、0.759mmol)を加えて、90℃で1時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、EtOAcを加え、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水にて有機層を洗浄し、無水MgSO4にて乾燥した。溶媒を減圧除去することで残渣を得た。
【0298】
<工程2> 工程1で得られた残渣にCH2Cl2(2.0ml)を加え溶解し、その溶液に1.0mol/l BBr3ジクロロメタン溶液(0.50ml、0.50mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例86化合物(22.3mg、20.8%)を得た。
1H−NMR (d−DMSO、400MHz) σ2.16(d、3H、J=1.2Hz)、2.20(s、3H)、6.68(dd、1H、J=2.5、8.3Hz)、6.71(dd、1H、J=1.2、2.2Hz)、7.05(d、1H、J=8.3Hz)、7.41(d、2H、J=8.3Hz)、7.52(s、1H)、7.56(d、2H、J=8.3Hz)、8.39 (bs、4H)、9.45(s、1H)、11.1(s、1H)
MS 310
【0299】
実施例87
N−[(E)−3−(3’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化65】

【0300】
<工程1> 実施例1と同様の手法を用いて、中間体5と3−ヒドロキシフェニルボロン酸を反応させ、実施例87化合物を得た。
MS 296
【0301】
実施例88
N−[3−(2’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化66】

【0302】
<工程1> 実施例1と同様の手法を用いて、中間体5と2−ヒドロキシフェニルボロン酸を反応させ、実施例88化合物を得た。
MS 296
【0303】
実施例89
N−[(E)−3−(4’−フルオロ−3’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化67】

【0304】
<工程1> 中間体5(50mg, 0.126 mmol)と4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニルボロン酸(21.7mg, 0.139mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1, 2.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.23mg, 6.3umol)とNa2CO3(40.1mg, 0.378mmol)を加えて、90℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去し、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例89化合物(10.2mg, 18.9%)を得た。
MS 314
【0305】
実施例90
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−2’−メチル−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成
【化68】

【0306】
<工程1> 中間体5(100mg, 0.253mmol)と2−メチル−4−メトキシフェニルボロン酸(46.1mg, 0.278mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1, 4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg, 12.7umol)とNa2CO3(80.5mg, 0.759mmol)を加えて、90℃で1時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、EtOAcを加え、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水にて有機層を洗浄後、無水MgSO4にて乾燥した。溶媒を減圧除去することで残渣を得た。
得られた残渣にCH2Cl2(2.0ml)を加え溶解し、その溶液に1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.50ml, 0.50mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例90化合物(22.3mg, 20.8%)を得た。
MS 310
【0307】
実施例91
N−[(E)−3−(2’−フルオロ−5’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0308】
<工程1> 中間体5(100mg、0.253mmol)と2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸(64.4mg、0.379mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、13.0umol)とNa2CO3(107mg、1.01mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(112mg、100%)を得た。
MS 328
【0309】
<工程2> 工程1で得られた中間体(112mg、0.253mmol)に、0℃にて1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(2.53ml、2.53mmol)を加えた後、室温で、3時間攪拌した。0℃に冷却後、ジクロロメタンで希釈し、水を加えて反応を停止させた。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例91化合物(77.0mg、70%)を得た。
MS 314
【0310】
実施例92
N−[(E)−3−(3’,4’−ジヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0311】
<工程1> 中間体5(100mg、0.253mmol)と3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルボロン酸ピナコールエステル(95.3mg、0.381mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.6mg、13.0umol)とNa2CO3(107mg、1.01mmol)を加えて、80℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(60.0mg、54%)を得た。
MS 326
【0312】
<工程2> 工程1で得られた中間体(20mg、0.046mmol)に、0℃にて1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(0.46ml、0.46mmol)を加えた後、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却後、ジクロロメタンで希釈し、水を加えて反応を停止させた。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例92化合物(10.0mg、51%)を得た。
MS 312
【0313】
実施例93
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシメチル−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0314】
<工程1> 中間体5(50mg、0.127mmol)と4−ヒドロキシメチルフェニルボロン酸(29.0mg、0.190mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=4/1、2.5ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.50mg、7.0umol)とNa2CO3(54.0mg、0.51mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする実施例93化合物(43mg、80%)を得た。
MS 310
【0315】
実施例94
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0316】
<工程1> NaH(60%assay、222mg、5.55mmol)をTHF(20ml)に懸濁させ、その溶液に トリエチル2−ホスホノプロピオネイト(1.19ml、5.55mmol)をゆっくり滴下し30分攪拌した。その後、4−ブロモ−2−(N−モルホリノ)−ベンズアルデヒド (500mg、1.85mmol)をゆっくりと加え、12時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、粗生成物のエステルを得た。
得られた化合物をTHF(5ml)とMeOH(3ml)に溶解し、2N−NaOH(3ml、16.0mmol)を加えて50℃で30分間攪拌した。溶媒を減圧除去し、2N−HClを加えて溶液を酸性にした後、ジクロロメタンで抽出した。溶媒を除去後、Na2SO4で乾燥し、目的物であるカルボン酸を得た。
MS 326
【0317】
<工程2> 工程1で得られたカルボン酸をDMF(15.0ml)に溶解し、CDI(360mg、2.22mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(355mg、2.22mmol)を加えて12時間攪拌した。EtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。残渣にTFA(15ml)を加えて1時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、中間体(300mg、34%)を得た。
MS 367
【0318】
<工程3> 工程2で得られた中間体(50.0mg、0.104mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(21.5mg、0.156mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=4/1、2.5ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(6.0mg、5.0umol)とNa2CO3(44.0mg、0.416mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例94化合物(41.0mg、80%)を得た。
MS 381
【0319】
実施例95
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−3−メチル−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0320】
<工程1> 中間体6(50mg、0.122mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(25.2mg、0.183mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(7.0mg、6.0umol)とNa2CO3(51.7mg、0.488mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする実施例95化合物(31mg、60%)を得た。
MS 324
【0321】
実施例96
N−[(E)−3−(4’−ヒドロキシ−3,2’−ジメチル−ビフェニル−4−イル)−2−メチル−アクリロイル]−グアニジンの合成

【0322】
<工程1> 中間体6(100mg、0.244mmol)と2−メチル−4−メトキシフェニルボロン酸(60.8mg、0.366mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、4.0ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(14.0mg、12.0umol)とNa2CO3(103.4mg、0.976mmol)を加えて、80℃で12時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的とする中間体(55mg、50%)を得た。
MS 338
【0323】
<工程2> 工程1で得られた中間体(50mg、0.11mmol)に、0℃にて1.0mol/lBBr3ジクロロメタン溶液(1.10ml、1.10mmol)を加えた後、室温で3時間攪拌した。0℃に冷却後、ジクロロメタンで希釈し、水を加えて反応を停止させた。溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、実施例96化合物(24.0mg、50%)を得た。
MS 324
【0324】
実施例97
(E)−2−メチル−2−フェニル−プロピオン酸 2’−(3−グアニジノ−2−メチル−3−オキソ−プロペニル)−ビフェニル−4−イル エステルの合成

【0325】
<工程1> NaH(60%assay、944mg、23.6mmol)をDMF(50ml)に懸濁させ0℃に冷却した。その溶液に 2−(ジエトキシ−ホスホリル)−プロピオン酸 tert−ブチル エステル(5.9ml、23.6mmol)のDMF(10ml)溶液をゆっくり滴下し15分攪拌した。その後、2−ブロモベンズアルデヒド(3.5g、18.9mmol)のDMF(3ml)溶液をゆっくりと加え、0℃から室温へと徐々に昇温しながら18時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2、Hexane/EtOAc系)にて精製し、目的とする化合物エステル(4.84g、86%)を得た。
MS 298
【0326】
<工程2> 工程1で得られたエステル(3.59g、12mmol)と4−ヒドロキシフェニルボロン酸(2.0g、14.5mmol)をジオキサン/水の混合溶液(v/v=3/1、2.4ml)に溶解した。その溶液に、Pd(PPh34(168mg、145umol)とNa2CO3(2.5g、24mmol)を加えて、90℃で15時間半攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧除去後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、カップリング体(1.9g、44%)を得た。
MS 241
【0327】
<工程3> 工程2で得られたカップリング体(115mg、0.322mmol)にジクロロメタン(5ml)、HATU(170mg、0.46mmol)、トリエチルアミン(0.09ml、0.778mmol)、2−メチル−2−フェニルプロピオン酸(67mg、0.41mmol)を加えて室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧除去後、得られた残渣を0℃でTFA(3.0ml)に溶解し、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、酢酸エチルを加え、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水で有機層を洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をDMF(3.0ml)に溶解し、CDI(38mg、0.23mmol)を加えて室温で30分攪拌した。その溶液に、N−Boc−グアニジン(48mg、0.25mmol)を加えて一晩攪拌した。溶媒を減圧除去後、残渣に0℃でTFA(3.0ml)を加えて4時間半攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、逆相HPLC(0.1%TFAを含む水/CH3CN系)にて精製し、目的物である実施例97化合物(5mg,3%)を得た。
MS 442
【0328】
表1、表2、表3、表4、表5及び表6に実施例記載の化合物の構造式を示す。
【0329】
表1

【0330】
表1のつづき

【0331】
表2

【0332】
表3

【0333】
表4

【0334】
表5

【0335】
表6

【0336】
本発明化合物のNHE阻害活性評価は以下に記載する方法を用いて行った。
【0337】
試験例1 NHE1阻害活性の測定
評価用細胞はHLF細胞(ヒト由来肝癌細胞)を用い、96穴プレートに1×104/wellで播種・3日培養した後、一晩血清飢餓培養を行った。Tetramethylammonium(TMA )Buffer(130mM TMA−Cl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgSO2、25mM glucose、20mM HEPES pH7.4)に、NH4Cl 40mM、pH感受性蛍光指示薬BCECF−AM 1ug/mlを添加した染色溶液で37℃、40分間インキュベートしてBCECFを細胞内に導入した。次にTMA Bufferで1回洗浄し、TMA+40mM NH4Cl溶液で37℃、15分間インキュベートした後、溶液を除きTMA Buffer 20ul/well、TMA Bufferで作成した化合物希釈溶液 10ul/wellを各ウエルに添加した。測定は、Na Buffer(130mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgSO2、1mM NaH2PO4、25mM glucose、20mM HEPES pH7.4)或はTMA Buffer(base測定用)を200ul/well添加して直ちにFlexStation(Molecular Device)に設置し、37℃ 10分後に励起波長505nm、蛍光波長530nm(測定値)と励起波長440nm、蛍光波長530nm(等吸収点値)の2波長で測定する。NHE活性は測定値を等吸収点値で割った値を用い、コントロール(Na Buffer添加)からBase(TMA Buffer 添加)を引いた値を100%としたときの化合物添加時のNHE阻害活性をNHE1阻害活性とした。すなわち、以下の式によりNHE1阻害活性を算出した。
NHE1阻害活性 (%) =100×(1−(測定値[化合物添加時]− Base[TMA Buffer添加])/(コントロール[Na Buffer添加]−ベース[TMA Buffer添加]))
表7に、代表的な本発明化合物のNHE1阻害活性評価結果を示す。
【0338】
表7

【0339】
試験例2 NHE3阻害活性の測定
評価用細胞はOK細胞(opossum kidney)にヒトNHE3遺伝子を過剰発現させたOK26細胞を用い、試験例1と同様な方法で測定時間を37℃、5分に変更してNHE阻害活性を測定し、NHE3阻害活性とする。表8に、代表的な本発明化合物のNHE3阻害活性評価結果を示す。
【0340】
表8

【0341】
試験例3 改良版NHE3阻害活性の測定
OK26細胞には内在性のNHE1(opNHE1)が発現している。より正確なNHE3阻害活性を評価するために、opNHE1の発現量を90%減弱したOK26ND株を作製した。この株を用いて試験例1と同様な方法で測定時間を室温(26℃)、8分に変更してNHE阻害活性を測定し、より正確なNHE3阻害活性を調べた。表9に、代表的な本発明化合物のNHE3阻害活性評価結果を示す。
【0342】
表9

【0343】
本発明化合物の膜透過性をMDCK(MADIN−DARBY Canine Kidney)細胞を用いた評価を用いることで行った。
【0344】
試験例4 MDCK膜透過性評価
MDCK(MADIN−DARBY Canine Kidney)細胞を1×106細胞/ウェルの濃度で撒き、トランスウェル上で4日間培養(培地:DMEM:F12=1:1の混合培地)した。トランスウェルは、細胞が撒き込まれている上室と多孔質膜で区切られた下室とから成り、上室に添加した試験化合物が多孔質膜を透過することにより下室で検出されるようになる。細胞膜透過のモデルとして利用されている。
上室(Apical側)にpH6.5の緩衝液(138 mM NaCl、2.7 mM KCl、25 mM D−Glucose、20 mM MES、1.25 mM CaCl2、0.5 mM MgCl2;pHをKOHで調整)を、下室(basal側)にpH7.4の緩衝液(138 mM NaCl、2.7 mM KCl、25 mM D−Glucose、20 mM HEPES、1.25 mM CaCl2、0.5 mM MgCl2;pHをKOHで調整)を添加し20分間、37℃でプレインキュベーションした。続いて、50μMの試験化合物を添加し、1時間、37℃で反応させた。上室及び下室の溶液を回収し、LC/MSにて試験化合物の濃度を定量し、膜透過性Pm値を以下の式により算出した。
Pm[cm/sec]=(basal側化合物濃度×1.5mL)/(3600sec×1.12cm2×添加化合物初期濃度)
表10に、実施例番号7及び15の本発明化合物の膜透過性Pm値を示す。
【0345】
表10

【0346】
本発明化合物の腎障害改善効果について、腎障害モデルラットを用いた連投試験を実施することで確認した。
【0347】
試験例5 腎障害モデルラットへの連投試験
7週齢のWistarラットに片腎摘手術を施し、1週間馴化した後、体重により群分けし、正常群,病態群、実施例7化合物の20mg/kg群及び50mg/kg群に各5匹ずつを割り当てた。4日間代謝ケージに馴化した後、オレイン酸含有ウシ血清アルブミン(OA−BSA)を1日1回、2g/animal/dayで4日間腹腔内投与すると同時に、0.5%メチルセルロース溶液に溶解した被験物質(実施例7化合物)を強制経口投与した。正常及び病態群には被験物質(実施例7化合物)の代わりに媒体(0.5%メチルセルロース溶液)を投与した。また,正常群にはオレイン酸含有BSAを投与せず、腎摘処置のみとした。投与最終日から翌日にかけて採尿を実施し、投与終了翌日に採血、剖検を実施した。図1に4日間投与後の尿細管障害マーカーβ2マイクログロブリンの結果を示す。被験物質(実施例7化合物)mg/kg群及び50mg/kg群で尿細管障害の有意な改善が認められた。図2に腎病理組織像を、図3に尿細管障害スコアのグラフを示す。病態群では正常群に対し、OA−BSA投与により尿細管拡張、尿円柱出現といった腎障害像が認められ、尿細管障害スコアが有意に上昇したが、被験物質(実施例7化合物)投与群では腎障害による近位尿細管の拡充が改善し、尿円柱の出現も顕著に低下することが確認され、尿細管障害スコアも減少していた。以上の結果から、NHE3阻害剤投与により腎障害が改善することが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【化1】

(式中、
1は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基であり、
2、R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基、未置換もしくは置換フェニルオキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択され、
Xは、単結合、−O−又は−S−であり、
6、R7、R8、R9及びR10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、置換基を有してもよいアミジノ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル−カルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ−カルボニル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル−S(=O)2−NH基、−OPから選択されるか、又は
6、R7、R8及びR9の内の隣接する2つの基は共に、1個もしくは2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環を形成し、
Pは、置換基を有してもよいC1-6−アシル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシカルボニル基、または置換基を有してもよいC1-6−アルキルアミノカルボニル基から選択される。)
【請求項2】
式中、R2、R3、R4及びR5が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択され、
6、R7、R8、R9及びR10が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキルチオ基、アミノカルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル−カ
ルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ−カルボニル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル−S(=O)2−NH基から選択されるか、又は
6、R7、R8及びR9の内の隣接する2つの基は共に、1個もしくは2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環を形成する、請求項1記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Xが、単結合又は−O−である、
請求項1又は2記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Xが、単結合である、
請求項1〜3のいずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
5が、水素原子及びメチル基であり、
6及びR10が、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル基から選択される、
請求項1〜4のいずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
5が、水素原子である、請求項5記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
2が、水素原子、メチル基、ハロゲン原子及び置換フェニル基から選択される、
請求項1〜6のいずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
2が、水素原子である、請求項7記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
1が、水素原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基である、
請求項1〜8のいずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
3が、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいフェニルオキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択され、
4が、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基から選択される、
請求項1〜9のいずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
3が、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択される、請求項10記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
各置換基の定義中、未置換もしくは置換フェニル基が、未置換フェニル基もしくはヒドロキシフェニル基であるか、未置換もしくは置換フェニルオキシ基が、未置換フェニルオキシ基、ヒドロキシフェニルオキシ基である、
請求項1〜11のいずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
各置換基の定義中、未置換もしくは置換フェニル基が、未置換フェニル基もしくはヒドロキシフェニル基である、請求項12記載の一般式(I)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含有するNHE3の発現が認められる臓器の疾患の治療もしくは予防用医薬組成物。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含有するNHE3阻害剤。
【請求項17】
下記一般式(II)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【化2】

(式中、
14は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基であり、
15及びR17は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、未置換もしくは置換フェニルオキシ基、未置換もしくは置換フェニル基、並びに、少なくとも一つ以上の窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を5〜6員環内に含む置換基を有してもよいヘテロ環から選択され、ここで該ヘテロ環は、ピロール環、フラン環、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリミジン環、ピペラジン環及びモルホリン環から選択されるが、R15及びR17のうちいずれか一つはヘテロ環であり、
16、R18及びR19は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、未置換もしくは置換フェニルオキシ基及び未置換もしくは置換フェニル基から選択される。)
【請求項18】
下記一般式(III)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【化3】

(式中、
20は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基であり、
21、R22、R23及びR24は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいモルホリン基及び置換基を有してもよいピペラジンから選択され、
25、R26、R27、R28及びR29は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、B(OH)2基、置換基を有してもよいアミジノ基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル基、置換基を有してもよいC1-6−アルケニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ基、置換基を有してもよいアミノカルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルキル−カルボニル基、置換基を有してもよいC1-6−アルコキシ−カルボニル基及び置換基を有してもよいC1-6−アルキル−S(=O)2−NH基から選択されるか、又は
26、R27、R28及びR29の内の隣接する2つの基は共に、1個もしくは2個の酸素原子を環構成ヘテロ原子として有するヘテロ5員環又はヘテロ6員環を形成する。)
【請求項19】
22及びR23が、水素原子から選択される、
請求項18記載の一般式(III)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項20】
20が、水素原子又は置換基を有してもよいC1-6−アルキル基である、
請求項18又は19記載の一般式(III)で示される化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項21】
請求項17〜20のいずれか1項記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項22】
請求項17〜20のいずれか1項記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含有するNHE3の発現が認められる臓器の疾患の治療もしくは予防用医薬組成物。
【請求項23】
請求項17〜20のいずれか1項記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含有するNHE3阻害剤。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−12376(P2012−12376A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224931(P2010−224931)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】