説明

新規アリールウレイド安息香酸誘導体及びその使用

本発明は、イオン調節型 GluR5 受容体の選択的及び非競合アンタゴニストとして有用である新規のアリールウレイド安息香酸誘導体に関する。
その生物学的活性の故に, 本発明のアリールウレイド誘導体は、アスパラギン酸受容体又はグルタミン酸受容体のモジュレーションに応答する疾患の治療に有用であるとみなされる。
更に、本発明は本発明にしたがって使用される化合物, 並びにこの化合物を含む医薬調合物, 及びアスパラギン酸受容体又はグルタミン酸受容体のモジュレーションに応答する疾患又は障害又は病態を治療する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン調節型 GluR5 受容体の選択的及び非競合アンタゴニストとして有用である新規のアリールウレイド安息香酸誘導体に関する。
【0002】
その生物学的活性の故に, 本発明のアリールウレイド誘導体は、アスパラギン酸受容体又はグルタミン酸受容体のモジュレーションに応答する疾患の治療に有用であるとみなされる。
【0003】
更に、本発明は本発明にしたがって使用される化合物, 並びにこの化合物を含む医薬調合物, 及びアスパラギン酸受容体又はグルタミン酸受容体のモジュレーションに応答する疾患又は障害又は病態を治療する方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
哺乳類中枢神経系(CNS) 中での興奮性神経伝達は、第一にイオン調節型及び代謝調節型受容体に作用するアミノ 酸, L-グルタマートによって調節される。このアミノ酸に応答するイオン調節型受容体は、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体 (NMDA) 受容体, アルファ-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸 (AMPA) 受容体及びカイニン酸 (KA) 受容体に分けられている。更に、分子生物学的研究によって、これらの受容体は機能チャネル(functional channel)を形成するために組み合わせることができるサブユニットからなることが立証され、そして多くのこのようなサブユニットが同定された。
【0005】
この方法で、AMPA 受容体がGluR1 〜GluR4として公知の4つの蛋白質サブユニットから組み合わされ, 一方、KA 受容体はGluR5 〜GluR7, KA-1 及び KA-2として公知のサブユニットを有するから組み合わせることが立証された。
【0006】
種々の哺乳類組織中にこれらが分布するゆえに, GluR5 受容体及びこれに作用する物質に特別の注意が引かれる。
【0007】
特許文献1には、カリウムチャネルオプンナーとして有用な尿素及びアミド誘導体が記載されている。
【0008】
特許文献2〜5には、酸性基を含むジフェニル尿素誘導体及びそのクロライドチャネル遮断剤としての使用が記載されている。
【0009】
特許文献6には、マラリヤを治療するためのマラリヤアニオンチャネル遮断剤としてジフェニル尿素誘導体の使用が記載されている。
【0010】
特許文献7には、過剰な又は不十分な細胞死によって特徴づけられる疾患の治療にカスパーゼ-9 〜Apaf-1が関連するモジュレーションにジフェニル尿素誘導体の使用が記載されている。
【0011】
特許文献8には細胞内蛋白質-分解経路の阻害剤として有用なジフェニル尿素誘導体が記載されている。
【0012】
しかしながら, イオン調節型 GluR5 受容体モジュレータとしてのジフェニル尿素誘導体の使用は開示されていない。
【特許文献1】特許出願公開(WO)第94/22807号明細書
【特許文献2】特許出願公開(WO)第97/45400号明細書
【特許文献3】特許出願公開(WO)第97/45111号明細書
【特許文献4】特許出願公開(WO)第98/47879号明細書
【特許文献5】特許出願公開(WO) 第00/24707号明細書
【特許文献6】特許出願公開(WO) 第02/039987号明細書
【特許文献7】特許出願公開(WO) 第02/064128号明細書
【特許文献8】特許出願公開(WO) 第02/070467号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題はイオン調節型 GluR5 受容体の選択的及び非競合アンタゴニストとして有用な新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、式 I
【0015】
【化1】

【0016】
{式中、
AC は、-SO2OH; -SO2NH2; 式 -(CH2)nCOOH(式中、n は0, 1, 2 又は3である。)で表わされる基; 式 -(CX)OH (式中、X はO 又はNR’’を示し、この際R’’ は水素又はアルキルを示すか又はX はR’ と一緒になってヘテロ環状環を形成する。)で表わされる基; 及び
構造
【0017】
【化2】

【0018】
で表わされるヘテロ環状環から選ばれる酸性基を示し、
そして
R’ は水素又はアルキルを示すか;又は
R’ 及び Xは一緒になってヘテロ環状環を形成し、そして
R1及びR2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及びR2のうちの一方が水素を示す場合, R1 及びR2 のうちの他方は水素と異なり、そして
AR は芳香族単環状, 二環状又は多環状の炭素環状又はヘテロ環状基を示し,
この芳香族基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
この芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O- (式中、m は1, 2 又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されている。}
で表わされる新規アリールウレイド誘導体、又はそのあらゆる対掌体又はその対掌体のあらゆる混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩を提供することによって満足される。
【0019】
もう一つの局面で、本発明は本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩の治療上有効な量を含む医薬調合物を提供する。
【0020】
別の局面で、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩を医薬調合物/医薬の製造に使用する方法を提供する。
【0021】
最後の局面で, 本発明は、ヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態−−−この障害、疾患又は病態はアスパラギン酸受容体又はグルタミン酸受容体のモジュレーションに応答する−−−の治療、予防又は緩和方法であって、この方法が本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩の治療上有効な量を、これを必要とする前記動物生体に投与する段階を含むことを特徴とする、上記治療、予防又は緩和方法を提供する。
【0022】
本発明のその他の他の目的は、下記の詳細な説明及び実施例から当業者に明らかである。
【0023】
発明の詳細な説明
その第一の局面で、本発明は式 I
【0024】
【化3】

【0025】
{式中、
AC は、-SO2OH; -SO2NH2; 式 -(CH2)nCOOH(式中、n は0, 1, 2 又は3である。)で表わされる基; 式 -(CX)OH (式中、X はO 又はNR’’を示し、この際R’’ は水素又はアルキルを示すか又はX はR’ と一緒になってヘテロ環状環を形成する。)で表わされる基; 及び
構造
【0026】
【化4】

【0027】
で表わされるヘテロ環状環から選ばれる酸性基を示し、
そして
R’ は水素又はアルキルを示すか;又は
R’ 及び Xは一緒になってヘテロ環状環を形成し、そして
R1及びR2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及びR2のうちの一方が水素を示す場合, R1 及びR2 のうちの他方は水素と異なり、そして
AR は芳香族単環状, 二環状又は多環状の炭素環状又はヘテロ環状基を示し,
この芳香族基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
この芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O- (式中、m は1, 2 又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されている。}
で表わされる新規アリールウレイド誘導体、又はそのあらゆる対掌体又はその対掌体のあらゆる混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩に関数する。
【0028】
好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体は、式 Ia
【0029】
【化5】

【0030】
(式中、R’, R1, R2, AC 及び AR は上記に定義された通りである。)
で表わされる。
【0031】
別の好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体は、式 I 又はIa {式中、AR は芳香族単環状, 二環状又は多環状炭素環状基を示し, この芳香族炭素環状基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は この芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されている。}で表わされる。
【0032】
より好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体は、式 II
【0033】
【化6】

【0034】
{式中、
R’ は水素又はアルキルを示し、
R1 及び R2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そしてR1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、そして R3及び R4は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-, (式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は R3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる。
【0035】
より好ましい実施態様において、 本発明のアリールウレイド誘導体は、式 II(式中、R’ は水素を示し、そしてR1 及び R2 は相互に独立して水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、 R1及び R2のうちの他方は水素と異なり、そして R3 及び R4 は相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ又はフェニルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又はR3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。)で表わされる化合物である。
【0036】
さらに好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体は、式 IIa
【0037】
【化7】

【0038】
{式中、
R’ は水素又はアルキルを示し、
R1は水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、
R2はハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R3及び R4は相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか又はR3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる化合物である。
【0039】
最も好ましい実施態様において, 本発明のアリールウレイド誘導体は、
2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-5-メチル-ベンゼンスルホン酸;
4-クロロ-5-メチル-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸;
4-クロロ-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸;
2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-ベンゼンスルホン酸又は
4-クロロ-5-メチル-2-(3-ナフタレン-2-イル-ウレイド)-ベンゼンスルホン酸
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である。
【0040】
第三の好ましい実施態様において, 本発明のアリールウレイド誘導体は、式 III
【0041】
【化8】

【0042】
{式中、n は0, 1又は2であり、XはO 又は NR’’ を示し、この際、R’’ は水素又はアルキルを示すか;又は R’ 及び X は一緒になってヘテロ環状環を形成し, このヘテロ環状環は特にピラゾール環, イソオキサゾール環又はピリダゾール環であってよく; そしてR’ は水素又はアルキルを示すか、又はR’ 及び X は一緒になってヘテロ環状環を形成し、このヘテロ環状環は特にピラゾール環, イソオキサゾール環又はピリダゾール環あってよく、そしてR1 及び R2 は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そしてR1 及び R2のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、そして R3 及び R4 は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O- (式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は R3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる化合物である。
【0043】
第四の好ましい実施態様において, 本発明のアリールウレイド誘導体は、式 IV
【0044】
【化9】

【0045】
{式中、n は0, 1又は2であり、そして R1 及び R2 は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、 R1及び R2のうちの他方は水素と異なり、そして R3 及び R4は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は R3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる化合物である。
【0046】
より好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体は、式 IV (式中、n は0, 1又は2であり、そして R1 及び R2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1 及びR2 のうちの他方は水素と異なり、そして R3及びR4, は相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ又はフェニルを示すか、又はR3 及びR4 は一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又はR3 及びR4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。)
で表わされる化合物である。
【0047】
更により好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体は式 Iva
【0048】
【化10】

【0049】
{式中、
n は0 又は1であり、
R1 は水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、
R2 はハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R3 及び R4は相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル又はフェニルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成し、又はR3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる化合物である。
最も好ましい実施態様において, 本発明のアリールウレイド誘導体は、
4-クロロ-2-(3-フェニル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-メトキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
2-(3-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
2-(3-ビフェニル-2-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
2-(3-ビフェニル-4-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
2-[3-(2-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-クロロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-メトキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-クロロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-(3-ナフタレン-2-イル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
2-(3-ビフェニル-3-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸又は
{2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-フェニル}-酢酸
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である。
【0050】
第五の好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体は式 V
【0051】
【化11】

【0052】
{式中、R1 及び R2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2のうちの他方は水素と異なり、そして R3 及び R4は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は R3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされるフェニルカルバモイルインダゾール誘導体である。
【0053】
より好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 V {式中、R1 及び R2 は相互に独立して水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、そして R3及び R4は相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ又はフェニルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又はR3 及びR4は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}で表わされる化合物である。
【0054】
更により好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 Va
【0055】
【化12】

【0056】
{式中、
R1 は水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、
R2 はハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R3 及び R4は相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ又はフェニルを示すか、又は R3 及びR4 は一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又は R3 及びR4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる化合物である。
【0057】
最も好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、6-クロロ-3-ヒドロキシ-インダゾール-1-カルボン酸ナフタレン-2-イルアミド又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である。
【0058】
第六の好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 I 又はIa {式中、 AC は構造
【0059】
【化13】

【0060】
で表わされるヘテロ環状環を示し、そして
R’ は水素又はアルキルを示し、そして R1 及び R2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2のうちの他方は水素と異なり、そして
AR は芳香族単環状, 二環状又は多環状の炭素環状又はヘテロ環状基を示し, この芳香族基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又はこの芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成する。}
で表わされる化合物である。
【0061】
第七の好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 VI
【0062】
【化14】

【0063】
{式中、
AC は構造
【0064】
【化15】

【0065】
で表わされるヘテロ環状環を示し、
R’ は水素又はアルキルを示し、
R1 は水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、
R2 はハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R3 及び R4は相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル又はフェニルを示すか、又は R3 及び R4 は一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又はR3 及び R4 は一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる化合物である。
【0066】
最も好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-尿素;
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-(3-ブロモ-フェニル)-尿素;
1-[5-クロロ-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-3-ナフタレン-2-イル-尿素又は
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-ナフタレン-2-イル-尿素
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である。
【0067】
第八の好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 VI
【0068】
【化16】

【0069】
{式中、AC は、-SO2OH; -SO2NH2; 式 -(CH2)nCOOH(式中、nは0, 1, 2又は3である。)で表わされる基; 式 -(CX)OH(式中、XはO 又は NR’’を示し、この際R’’ は水素又はアルキルを示すか、又は X はR’と一緒になってヘテロ環状環を形成し、このヘテロ環状環は特にピラゾール環,イソオキサゾール環又はピリダゾール環であってよい。)で表わされる基及び構造
【0070】
【化17】

【0071】
で表わされるヘテロ環状環から選ばれる酸性基であってよく、
R’ は水素又はアルキルを示すか、又はR’ 及びX は一緒になってヘテロ環状環を形成し, このヘテロ環状環は特にピラゾール環, イソオキサゾール環又はピリダゾール環であってよく、
R1 及び R2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、
R5 及び R6は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は R5 及び R6 は一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成する。}
で表わされる化合物である。
【0072】
より好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 VI(式中、AC は -(CH2)nCOOH, (式中、n は0, 1又は2である。)を示し、そして R’ は水素を示し、そしてR1 及び R2 は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なる。)で表わされる化合物である。
【0073】
更により好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 VIIa,
【0074】
【化18】

【0075】
{式中、
ACは -(CH2)nCOOH (式中、n は0, 1又は 2である。)を示し、
R’ は水素又はアルキルを示し、
R1 は水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、
R2 はハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R5 及び R6は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ヒドロキシ, アルコキシ及び(又は) ハロアルキルを示す。}
で表わされる化合物である。
【0076】
最も好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、4-クロロ-2-[3-(9-オキソ-9H-フルオレン-3-イル)-ウレイド]-安息香酸又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である。
【0077】
第九の好ましい実施態様において、AR は芳香族単環状, 二環状又は多環状ヘテロ環状基を示し、この芳香族ヘテロ環状基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又はこの芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されており、そしてAC, R’, R1 及び R2は上記に定義された通りである。
【0078】
より好ましい実施態様において、 ARはフラニル, チエニル及びピロリルから選ばれる芳香族5-員の単環状ヘテロ環状基、又はピリジル, ピリダジニル, ピリミジニル 及びピラジニルから選ばれる芳香族 6-員の単環状ヘテロ環状基、又はインドリル, イソインドリル, ベンゾ[b]フラニル, ベンゾ[b]チエニル, ベンジイミダゾリル 及び ベンゾチアゾリルから選ばれる芳香族二環状ヘテロ環状基を示し、この芳香族ヘテロ環状基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されており、そしてAC, R’, R1 及び R2は上記に定義された通りである。
【0079】
更により好ましい実施態様において、ACは-SO2OH; -SO2NH2; 又は 式 -(CH2)nCOOH, (式中、n は0, 1又は2である。)で表わされる基を示し、そして R’ は水素又はアルキルを示すか、又は R’ 及びX は一緒になってヘテロ環状環を形成し、このヘテロ環状環は特にピラゾール環, イソオキサゾール環又はピリダゾール環であってよく、そしてR1 及び R2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして R1 及び R2 のうちの一方が水素を示す場合、R1及び R2のうちに他方は水素と異なる。
【0080】
更に好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、VIII
【0081】
【化19】

【0082】
{式中、
ACは-SO2OH, -SO2NH2 又は -COOHを示し、
R’ は水素又はアルキルを示し、;
R1 は水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、;
R2 はハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
ARはチエニル, ピリジル又はインドリルを示す。}
で表わされる化合物である。
【0083】
また別の好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、式 VIIIa

【0084】
{式中、
AC は-SO2OH, -SO2NH2 又は -COOHを示し、
R’ は水素又はアルキルを示し、
R1 は水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキルを示し、
R2 はハロ, アルキル, シクロアルキル又はハロアルキルを示し、そして
AR は2- 又は3-チエニル, 2-, 3- 又は4-ピリジルあるいは2- 又は3-インドリルを示す。}
で表わされる化合物である。
【0085】
最も好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド安息香酸誘導体は、
4-クロロ-2-[3-(2-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-(3-チオフェン-2-イル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-(3-ピリジン-2-イル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(1H-インドール-2-イル)-ウレイド]-5-メチル-ベンゼンスルホン酸又は
4-クロロ-2-[3-(1H-インドール-2-イル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である。
【0086】
ここに記載された実施態様2種以上のあらゆる組み合わせは、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0087】
置換基の定義
本発明の範囲において、ハロはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
【0088】
本発明の範囲において、アルキル基は一価の飽和、直鎖状又は分枝状炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は好ましくは炭素原子1〜18個を有し(C1-18-アルキル)、更に好ましくは炭素原子1〜6個を有し(C1-6-アルキル:低級アルキル)、これはペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを包む。好ましい具体例において、アルキルはC1-4-アルキル基を示し、これはブチル、イソブチル、s−ブチル及びt−ブチルを含む。本発明の好ましい具体例において、アルキルはC1-3-アルキルアルキル基を示し、これは特にメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであってよい。
【0089】
本発明の範囲において、ハロアルキル基は上記に定義された通りのアルキル基をを示し、このアルキル基は上記に定義された通りのハロによって1回以上置換されている。本発明の好ましいハロアルキル基は、トリハロメチル, 特にトリフルオロメチル, 及びトリハロメチル, 特に2,2,2-トリフルオロエチルを含む。
【0090】
本発明の範囲において、アルケニル基は二重結合1個以上を有する炭素鎖を示し、これはジエン、トリエン及びポリエンを含む。好ましい具体例において、本発明のアルケニル基は少なくとも1個の二重結合を含む炭素原子2〜8個(C2-8-アルケニル)、より好ましくは炭素原子2〜6個(C2-6-アルケニル)を有する。最も好ましい具体例において、本発明のアルケニル基はエテニル;1−又は2−プロペニル(アリル);1−、2−又は3−ブテニル,又は1,3−ブチジエニル;1−、2−、3−、4−又は5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキシジエニル、又は1,3,5−ヘキシトリエニル; 1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6- 又は7-オクテニル, 又は1,3-オクロジエニル, 又は1,3,5-オクトトリエニル, 又は1,3,5,7-オクトテトラエニルである。
【0091】
本発明の範囲において、アルキニル基は三重結合1個以上を有する炭素鎖を示し、これはジイン、トリイン及びポリインを含む。好ましい具体例において、本発明のアルキニル基は少なくとも1個の三重結合を含む炭素原子2〜8個(C2-8-アルキニル)より好ましくは炭素原子2〜6個(C2-6-アルキニル)を有する。最も好ましい具体例において、本発明のアルキニル基はエチニル、1−又は2−プロピニル;1−、2−、3−又は4−ブチニル又は1,3−ブトジイニル;1−、2−、3−,4−ペンチニル、又は1,3−ペントジイニル;1−、2−、3−,4−又は5−ヘニニル、又は1,3−ヘキシジイニル、又は1,3,5−ヘキシトリイニル; 1-, 2-, 3-, 4-, 5- 又は 6-ヘプチニル, 又は1,3-ヘプトジイニル, 又は1,3,5-ヘプトトリイニル; 1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6- 又は7-オクチニル, 又は1,3-オクトジイニル, 又は1,3,5-オクトトリイニル, 又は1,3,5,7-オクトテトライニルである。
【0092】
本発明の範囲において、シクロアルキル基は環状アルキル基、好ましくは炭素原子3〜7個を有するシクロアルキル基であって(C3-7-シクロアルキル)、これはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。
【0093】
本発明の範囲において、シクロアルキル−アルキル基は、上記に定義された通りのシクロアルキル基を示し、このシクロアルキル基は上記に定義された通りのアルキル基が置換されている。本発明の好ましいシクロアルキル−アルキル基の例はシクロプロピルメチル及びシクロプロピルエチルを含む。
【0094】
本発明の範囲において、アルコキシ基は“アルキル- O- ”基を示し、この際アルキルは上記に定義された通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例はメトキシ及びエトキシを含む。
【0095】
本発明の範囲において、芳香族単環状, 二環状又は多環状炭素基は環原子として炭素のみを有する単環状, 二環状 又は多環状炭素環状基である。本発明の好ましい芳香族炭素環状基は、フェニル, インデニル, ナフチル, アズレニル, フルオレニル, 及びアントラセニルを含む。
【0096】
本発明の範囲において、芳香族単環状、二環状又は多環状ヘテロ環状基はその環構造中にヘテロ原子1個以上を有する単環状、二環状又は多環状化合物である。“二環状及び多環状ヘテロ環状基”なる用語はヘテロ原子1個以上を有する、ベンゾ-融合された5- 及び 6-員のヘテロ環状環を含む。好ましいヘテロ原子は、窒素(N), 酸素(O), 及びイオウ(S)を含む。
【0097】
本発明の好ましい芳香族単環状ヘテロアリール基は5- 及び6 員のヘテロ環状単環状基を含み、これはフラニル, 特に 2- 又は 3-フラニル; チエニル, 特に 2 又は 3-チエニル; セレノフェニル, 特に 2- 又は 3-セレノフェニル; ピロリル (アゾリル), 特に 2 又は 3-ピロリル; オキサゾリル, 特に オキサゾール-2,4 又は 5-イル; チアゾリル, 特に チアゾール-2,4 又は 5-イル; イミダゾリル, 特に 2 又は 4-イミダゾリル; ピラゾリル, 特に 1,3 又は 4-ピラゾリル; イソオキサゾリル, 特にイソオキサゾール-3,4 又は 5-イル; イソチアゾリル, 特に イソチアゾール-3,4 又は 5-イル; オキサジアゾリル, 特に 1,2,3-オキサジアゾール-4 又は 5-イル, 又は 1,3,4-オキサジアゾール-2-イル; トリアゾリル, 特に 1,2,3-トリアゾール-4-イル又は 1,2,4-トリアゾール-3-イル; チアジアゾリル, 特に 1,2,3-チアジアゾール-4 又は 5-イル, 又は 1,3,4-チアジアゾール-2-イル; ピリジニル, 特に 2,3 又は 4-ピリジニル; ピリダジニル, 特に 3 又は 4-ピリダジニル; ピリミジニル, 特に 2,4 又は 5-ピリミジニル; ピラジニル, 特に 2 又は 3-ピラジニル; 及びトリアジニル, 特に 1,2,4- 又は 1,3,5-トリアジニルを含む。
【0098】
本発明の好ましい芳香族二環状ヘテロ環状基は、インドリジニル, 特に 2,5 又は6-インドリジニル; インドリル, 特に 2,5 又は6-インドリル; イソインドリル, 特に 2,5 又は6-イソインドリル; ベンゾ[b]フラニル, 特に 2,5又は6-ベンゾフラニル; ベンゾ[b]チエニル, 特に 2,5 又は6-ベンゾチエニル; ベンズイミダゾリル, 特に 2,5 又は6-ベンズイミダゾリル; ベンゾチアゾリル, 特に 5 又は6-ベンゾチアゾリル; プリニル, 特に 2 又は8-プリニル; キノリニル, 特に 2,3,6 又は7-キノリニル; イソキノリニル, 特に 3,6 又は7-イソキノリニル; シンノリニル, 特に 6 又は7-シンノリニル; フタラジニル, 特に 6 又は7-フタラジニル; キナゾリニル, 特に2,6 又は7-キナゾリニル; キノキサリニル, 特に 2 又は6-キノキサリニル; 1,8-ナフチリジニル, 特に1,8-ナフチリジン-2,3,6 又は7-イル; 又はプテリジニル, 特に 2,6 又は7-プテリジニルである。
【0099】
薬学的に許容し得る塩
本発明のアリールウレイド誘導体を、意図される投与に適するすべての形態で提供することができる。適する形態は薬学的に(すなわち生理学的に)許容し得る塩及び本発明の化合物のプレドラッグ形及びプロドラッグ形を含む。
【0100】
薬学的に許容し得る付加塩の例としては、以下のものに限定されないが、非毒性無機- 及び有機酸付加塩、たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニチン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイヒ酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナンチン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2- スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン-p- スルホン酸塩を含む。この様な塩は当該技術分野で公知であり、そして開示された方法で製造することができる。
【0101】
本発明のアリールウレイド誘導体の金属塩はアルカリ金属塩、たとえばカルボキシ基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩を含む。
【0102】
立体異性体
本発明のアリールウレイド誘導体は(+)-及び(-) 形並びにラセミ形で存在することができる。これらの異性体のラセミ化合物及び個々の異性体それ自体は本発明の範囲内にある。
【0103】
ラセミ形は公知の方法及び処理で光学対掌体に分割することができる。そのジアステレオマー塩を分離する一つの方法は、光学的に活性な酸を使用し、次いで塩基で処理して光学的に活性アミン化合物を遊離することにある。ラセミ化合物の光学対掌体への他の分割法は、光学的活性なマトリックス上でのクロマトグラフィー法に基づく。本発明のラセミ化合物は、たとえばd- 又はl- 塩 (酒石酸塩、マンデル酸塩、又はシヨウノウスルホン酸塩)の分別結晶によって、その光学的対掌体に分割することができる。
【0104】
本発明のアリールウレイド誘導体はまた、本発明の化合物と光学的活性に活性化されたカルボン酸、たとえば(+)又は(−)フエニルアラニン、(+)又は(−)フエニルグリシン、(+)又は(−)カンフアン酸に由来するカルボン酸とを反応させてジアステレオマーアミドを生成させることによってあるいは本発明の化合物と光学的活性なクロロギ酸塩等々とを反応させて、ジアステレオマーカルバミン酸塩を生成させることによって分割することができる。
【0105】
他の光学的異性体分割法は技術上周知である。この様な方法は、Jaques J. Collet A, 及びWilen S, “対掌体, Racemates, and Resolutions", John Wiley 及びSons,ニューヨーク(1981)中に記載されている方法を含む。
【0106】
光学活性な化合物も、光学活性出発化合物から製造することができる。
【0107】
製造方法
本発明のアリールウレイド誘導体を、化学合成に通常の方法、たとえば下記例に記載する方法によって製造することができる。本発明で記載される方法の出発化合物は公知であるか又は市販化合物から常法で製造することができる。
【0108】
本発明の化合物は、常法で本発明の他の化合物に変えることができる。
【0109】
ここに記載される反応最終生成物を、通常の手段、たとえば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィー等によって単離することができる。
【0110】
生物学的活性
本発明のアリールウレイド誘導体は、イオン調節型グルタミン酸受容体, 及び特にイオン調節型GluR5 受容体のモジュレータであることが分かった。本発明の好ましい実施態様において、アリールウレイド誘導体は、イオン調節型 GluR5 受容体の選択的、非競合アンタゴニストとして有用である。
【0111】
アスパラギン酸受容体及びグルタミン酸受容体との相互作用によって神経伝達を変化させる化合物が種々のCNS 及び PNS疾患及びその他の起源の疾患-------これらは慢性痛又は急性痛, 神経障害性疼痛, 難治性疼痛, 偏頭痛様頭痛, 神経及び精神障害, 鬱病、不安, 精神病、統合失調症, 興奮性アミノ酸依存性精神病, 認知障害、痴呆症, 老人性痴呆症, AIDS誘発性痴呆症, ストレス関連の精神障害, 発作, 全身性及び局所性虚血性又は出血性発作, 脳低酸素症/虚血, 血栓塞栓症発作又は出血性発作に起因する脳梗塞又は脳虚血, 心筋梗塞, 脳損傷, 脳水腫, 頭蓋/脳損傷, 脊髄損傷, 骨髄病変, 低血糖症, 酸素欠乏症; 低血糖症, 低血圧, 低酸素症, 周産期低酸素症, 心不全, 急性及び慢性神経変性疾患又は障害及び種々の起源の脳虚血後のニューロン損傷, CNS 変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチングトン病、特発性及び薬物誘発性パーキンソン病, 筋萎縮性側索硬化症(ALS), 急性期後(post-acute phase)脳病変又は神経系の慢性疾患、心臓バイパス手術及び移植後の脳欠損, 周産期呼吸停止; 溺死、肺疾患手術及び脳外傷に由来する酸素欠乏症, 低酸素症誘発性神経細胞傷害 (たとえば心不全又はバイパス手術, あるいは 新生児苦痛において), 癲癇, 癲癇重積症, 発作性疾患, 脳血管けいれん, CNS-依存性けいれん, 消化管運動異常, 筋肉けいれん, 尿失禁, 痙攣, 抗痙攣剤に応答する障害, 自動免疫疾患, 嘔吐, 吐き気, 肥満, 薬物(chemical)依存及び嗜癖, 嗜癖及び禁断症状, 薬物(drug)又はアルコール誘発性欠損, 薬物(drug)嗜癖, 眼の損傷, 網膜症, 網膜神経症, 耳鳴り, 遅発性ジスキネジー を含む----------の治療に有用であると現在考えられている。
【0112】
より好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体を、認知及び神経変性疾患, 運動障害, うつ病, AD, ADHD, 精神病及びこれに関連する認知障害, 薬物誘発性精神病, 薬物禁断症状, 発作, 痛み, 特に慢性又は急性痛, 神経障害性疼痛, 難治性疼痛, 又は偏頭痛及び偏頭痛様頭痛, 癲癇及び網膜症の治療に使用する。
【0113】
特に好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体を痛み, 特に慢性又は急性痛, 神経障害性疼痛 及び 難治性疼痛, 偏頭痛、偏頭痛様頭痛の治療に使用する。
【0114】
別の特に好ましい実施態様において、本発明のアリールウレイド誘導体を癲癇, 癲癇重積症又は発作性疾患の治療に使用する。
【0115】
医薬調合物
本発明の別の局面で、本発明は、本発明のアリールウレイド誘導体の治療上有効な量を含む新規医薬調合物を提供する。
【0116】
本発明のアリールウレイド誘導体を治療で使用するにあたり、そのまま化合物として投与することもできるが、有効成分を場合により生理学的に許容し得る塩の形で、1種以上の佐剤、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、及び(又は)その他の慣用の薬学的助剤と共に医薬調合物の形で提供するが好ましい。
【0117】
好ましい実施態様において、本発明は、更に本発明のアリールウレイド誘導体又はその薬学的に許容し得る塩又は誘導体を薬学的に容認されたキャリヤー1種以上及び場合により他の治療及び(又は)予防成分と共に含有する医薬調合物を提供する。このキャリヤーは、調合物中の他の成分と適合しかつこれに投与される患者に有害でないという意味で“許容し得”なければならない。
【0118】
本発明の医薬調合物を所望の治療に適するあらゆる好都合な手段で投与することができる。好ましい投与手段は経口投与、特に錠剤の形で、カプセルの形で、糖衣錠の形で、粉末の形で、又は液体の形での経口投与及び非経口投与、特に皮膚、皮下、筋肉内又は静脈内注射を含む。医薬調合物は所望の調合物に妥当な標準かつ通常の方法を用いて当業者によって製造することができる。所望の場合には、有効成分の持続した放出を生じるのに適合した調合物を使用することができる。
【0119】
調合物及び投与方法に関する更に詳しい説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co., Easton, PA)の最新版中に見出される。
【0120】
実際の薬用量は治療される疾患の性質及び過酷さ及び投与経路に依存し、更にその量は医師の裁量にまかされており、所望の治療効果を生じるために本発明の特定の状況に薬用量を適合させることによって変化させることができる。しかし単位投薬形あたり有効成分約0.1〜約500mg、好ましくは約1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgを含有する調合物が治療的処置に適当であると現在考えられている。
【0121】
有効成分を、1日1回又は数回の薬用量で投与することができる。満足のいく結果は、ある場合、0.1μg/kg(静脈内)及び1μg/kg(腹腔内)ほどの低い薬用量で得ることができる。薬用量範囲の上限は約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(腹腔内)であると現在見なされる。好ましい範囲は、一日あたり約0.1μg/kg〜約10mg/kg(静脈内)及び約1μg/kg〜約100mg/kg(腹腔内)である。
【0122】
治療法
別の局面で、本発明はヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態−−−この障害、疾患又は病態はアスパラギン酸受容体又はグルタミン酸受容体のモジュレーションに応答する−−−を診断、治療、予防又は緩和する方法であって、この方法が本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩の治療上有効な量を、これを必要とするヒトを含めた前記動物生体に投与する段階を含むことを特徴とする、上記診断、治療、予防又は緩和方法を提供する。
【0123】
本発明により意図される好ましい適応疾患(indications)は、上記のものである。
【0124】
好ましい実施態様において, 障害、疾患又は病態は慢性又は急性痛, 神経障害性疼痛, 難治性難治性疼痛, 偏頭痛又は偏頭痛様頭痛である。
【0125】
より好ましい実施態様において、障害、疾患又は病態は癲癇, 癲癇重積症 又は発作性疾患である。
【0126】
適する投薬量は投与の厳密なモード、投与される形態、投与の対象となる症状、関係する対象者(subject involved)及びその対象者の体重及び更に担当する医者又は獣医の好み又は経験に通常基づいて1日あたり0.1〜1000mg、1日あたり10〜500mg、特に1日あたり30〜100mgであると現在考えられている。
【実施例】
【0127】
次の例によって本発明を詳述するが、これらが請求項に記載される本発明の範囲に何らの限定を与えることを意図するものではない。
【0128】
例 1
製造例
出発化合物
2-アミノ-4-クロロ-ベンゼンスルホン酸
濃硫酸 (比重1.84) (13.9 ml, 250 mmol) を100 mlの水で希釈する。温度を85°Cで保ちながら、3-クロロ-アニリン(31.9 g, 250 mmol) を30分かけて添加する。添加の間に少量の沈殿が生じる。懸濁液を室温に冷却させ、重い沈殿を生じさせる。固体を吸引濾取して、白色結晶性固体を生じさせる。固体を徐々に減圧(送水ポンプ)下で200°Cに加熱し、ウォータートラップで濾過する。固体を200°C で7時間保つ。水を結晶性材料から除く。固体を冷却し、ついで希NaOH水溶液に溶解させ、ついで塩酸で沈殿させる。 25 g (48%) の目的化合物を白色結晶固体 (融点(m.p.)> 250°C)として得る。
【0129】
2-アミノ-4-クロロ-N-ヒドロキシ-ベンズアミド
2-アミノ-4-クロロ-ベンゾニトリル(5.3 g, 35 mmol) をエタノール(180 ml)に加熱して溶解させる。ヒドロキシルアミン塩酸塩(4.9 g, 70 mmol) 及び重炭酸ナトリウム(11.1 g, 105 mmol)を有する水溶液を添加し、混合物を8 時間還流する。ついで溶剤を減少させ、生成物を水(100 ml)に懸濁させ、濾過し、5.6 g (86%)の白色粉末(m.p. 131-133°C)を生じさせる。
【0130】
3-(2-アミノ-4-クロロ-フェニル)-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オン
金属ナトリウム(0.92 g, 40 mmol)を70 ml の無水エタノールに溶解させ、2-アミノ-4-クロロ-N-ヒドロキシ-ベンズアミド(3.71 g, 20 mmol)を添加し、ついで炭酸ジエチル(9.44 g, 80 mmol) を添加する。混合物を18 時間還流し、ついで真空下で還元乾燥させ(reduced to dryness)、0.5 M HCl水溶液と共に砕き, 濾過し、ついでトルエンと共に砕き、濾過して3.4 g (80%) の赤褐色固体(m.p. 159-161°C)を生じさせる。
【0131】
個々の方法
2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-5-メチル-ベンゼンスルホン酸 (化合物 1a)
2-アミノ-4-クロロ-5-メチル-ベンゼンスルホン酸 (665 mg, 3.0 mmol)を30 mlの乾燥THFに懸濁させ、1-ブロモ-3-イソシアネートベンゼン (624 mg, 3.15 mmol) を添加する。トリエチルアミン (354 mg, 3.15 mmol)を添加しながら、懸濁液を澄明化し、溶液とする。溶液を室温で一晩攪拌する。反応混合物を酢酸エチル (150 ml)で希釈し、 ついで希塩酸水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、真空下に還元乾燥 させる。目的化合物を酢酸エチル/ヘプタンから再結晶させて、820 mg (65%) の白色結晶 (m.p. 275°C; 分解)を生じさせる。
【0132】
6-クロロ-3-ヒドロキシ-インダゾール-1-カルボン酸ナフタレン-2-イルアミド (化合物 1b)
2-アミノ-4-クロロ-安息香酸(17.16 g, 100 mmol) を90 mlの水 及び 20 mlの濃 HClに懸濁させる。NaNO2 (6.9 g, 100 mmol)を15 mlの水に溶解させ、0°Cで徐々に添加する。混合物を0°Cで30分間攪拌させ、Na2SO3 (34.0 g, 270 mmol)を添加し、150 mlの水に溶解させる。ついで混合物を2 時間室温で攪拌する。30 mlの濃HClを添加し、混合物を室温で一晩、ついで80°C で2時間攪拌する。pH が5.5になるまで、溶液をNaOH水溶液で処理し、沈殿を濾過し、エタノールと共に砕き、13.8 g (82%)の6-クロロ-1H-インダゾール-3-オールを生じさせる。 6-クロロ-1H-インダゾール-3-オール (700 mg, 4.15 mmol) を25 mlのピリジンに1-ブロモ-3-イソシアネートベンゼン (990 mg, 5 mmol) と共に溶解させ、ついで室温で4時間攪拌させる。ついで混合物をEtOAc (100 ml)で希釈し 及び 2回1 M HClで洗浄する。有機層をNa2SO4 で乾燥させ、 真空下に還元する。残留物を1 M NaOHに溶解させ、ついでEtOAcで洗浄し、ついでHClで沈殿させ、沈殿をEtOAcで抽出させ, 乾燥させ、ついで真空下に還元する。ついで生成物をEtOAc及びヘプタンから再結晶させて、1.1 g (79%) の結晶性固体 (m.p. 223-225°C)を生じさせる。
【0133】
{2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-フェニル}-酢酸 (化合物 1c)
6-クロロオキシインドール (2.5 g, 14.9 mmol)を50 mlの4 M NaOH水溶液に懸濁させ、ついで混合物を6時間還流する。反応混合物を冷却させ、生成物を沈殿させ、ついで吸引濾取する。固体を水 (100 ml)に溶解させ、ついで4 M HCl水溶液を用いて 0°Cで沈殿させる。ついで固体を吸引濾取し、真空下に乾燥させて、2.0 g (72%)の 白色の結晶性固体を生じさせる。ついで (2-アミノ-4-クロロ-フェニル)-酢酸 (700 mg, 3.8 mmol) を25 mlのピリジンに溶解させ、1-ブロモ-3-イソシアネートベンゼン (811 mg, 4.1 mmol) を滴加し、ついで溶液を90分間攪拌する。反応混合物を150 mlの酢酸エチルで希釈し、2回1 M HCl水溶液で洗浄する。有機層を真空下で還元し、生成物を酢酸エチル/ヘプタンから再結晶させて、 680 mg の白色結晶性固体(47%) (m.p. 195-196°C)を生じさせる。
【0134】
方法 A
2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-ベンゼンスルホン酸, トリエチルアンモニウム塩 (化合物 A1)
2-アミノ-4-クロロ-5-ベンゼンスルホン酸 (623 mg, 3 mmol)を40 mlの乾燥THFに懸濁させ、ついで1-ブロモ-3-イソシアネートベンゼン (693 mg, 3.5 mmol) を添加する。トリエチルアミン (354 mg, 3.5 mmol) を添加しながら、懸濁液を澄明化し、溶液とする。 溶液を室温で1時間攪拌する。反応混合物を真空下に還元乾燥させる。目的化合物を酢酸エチル/ヘプタンから再結晶させ、1060 mg (70%) の目的化合物の白色結晶 (m.p. 178-179°C)を生じさせる。
【0135】
4-クロロ-5-メチル-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸, トリエチルアンモニウム塩(化合物 A2)
上記化合物を方法 A にしたがって製造する(m.p. 182-183°C)。
【0136】
4-クロロ-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸, トリエチルアンモニウム塩(化合物 A3)
上記化合物を方法 A にしたがって製造する(m.p. 174-176°C)。
【0137】
方法 B
4-クロロ-2-[3-(1H-インドール-2-イル)-ウレイド]-5-メチル-ベンゼンスルホン酸 (化合物 B1)
インドール-2-カルボン酸(1.29 g, 8.0 mmol) を20 ml の乾燥トルエンに懸濁させ、ついでジフェニル-ホスホリルアジド (2.64 g, 9.6 mmol) を添加する。ついでトリエチルアミン (0.816 g, 8.0 mmol)を滴加し、ついで混合物を室温で0.5 時間攪拌する。溶液を80°Cに加熱し、懸濁液を直ちに澄明化する。ついで2-アミノ-4-クロロ-5-メチル-ベンゼンスルホン酸 (1.661 g, 8.0 mmol) を添加し、ついでトリエチルアミン (0.816 g, 8.0 mmol)を添加する。混合物を3 時間80°Cで攪拌し、ついで反応混合物を200 mlの酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。ついで有機層を3 回蒸留水で抽出する。目的化合物を水相からHClの添加によって沈殿させ, 濾過し、酢酸エチル/ヘプタンから再結晶させて、1.6 g (53%) の目的化合物を淡い紫色結晶固体 (m.p. 284-286°C; 分解)として生じさせる。
【0138】
4-クロロ-2-[3-(1H-インドール-2-イル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸 (化合物 B2)
上記化合物を方法 Bにしたがって製造する (m.p. 277-279°C; 分解)。
【0139】
方法 C
4-クロロ-2-(3-フェニル-ウレイド)-安息香酸 (化合物 C1)
2-アミノ-4-クロロ-安息香酸(515 mg, 3.0 mmol) を乾燥THF (5 ml)に懸濁させ、ついでフェニルイソシアネート (429 mg, 3.6 mmol)を添加する。トリエチルアミン (303 mg, 3.0 mmol) を添加し、混合物を2時間攪拌する。混合物を75 ml の酢酸エチルで希釈し、150 mlの1 M NaOH水溶液中に抽出させ、そして1回50 mlの酢酸エチルで洗浄する。ついで水相を4 M HCl水溶液で酸性化し、ついで生成物を2 x 100 ml の酢酸エチルで抽出する。有機溶剤を乾燥させ (Na2SO4)、ついで真空下に減少させ、ついで生成物をアセトン/水から再結晶させ、680 mg (78%)のオフホワイト結晶 (m.p. 186-188°C)生じさせる。
【0140】
4-クロロ-2-[3-(2-メトキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C2)
上記化合物を方法 Cを用いて製造する (m.p. 181-183°C)。
【0141】
2-(3-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸 (化合物 C3)
上記化合物を方法 Cを用いて製造する(m.p. 183-185°C)。
【0142】
4-クロロ-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C4)
上記化合物を方法 Cを用いて製造する (m.p. 179-182°C)。
【0143】
2-(3-ビフェニル-2-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸 (化合物 C5)
上記化合物を方法 Cを用いて製造する(m.p. 208-209°C)。
【0144】
2-(3-ビフェニル-4-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸 (化合物 C6)
上記化合物を方法 Cを用いて製造する (m.p. 193-194°C)。
【0145】
2-[3-(2-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-安息香酸 (化合物 C7)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 195-197°C)。
【0146】
4-クロロ-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C8)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 194-195°C)。
【0147】
4-クロロ-2-[3-(4-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C9)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 209-210; 分解)。
【0148】
4-クロロ-2-[3-(4-クロロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C10)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 205-207°C)。
【0149】
4-クロロ-2-[3-(3-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C11)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 192-193°C)。
【0150】
4-クロロ-2-[3-(4-メトキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C12)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 194-195°C)。
【0151】
4-クロロ-2-[3-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C13)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 173-175°C)。
【0152】
4-クロロ-2-[3-(3-クロロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 C14)
上記化合物を方法Cを用いて製造する (m.p. 207-209°C)。
【0153】
方法 D
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-尿素(化合物 D1)
3-(2-アミノ-4-クロロ-フェニル)-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オン(400 mg, 1.92 mmol)を20 mlの乾燥THFに懸濁させ、3-トリフルオロメチル-フェニル-イソシアネート (450 mg, 2.40 mmol) を添加し、ついで反応を16 時間攪拌する。溶剤を真空下に減少させ、ついで生成物を酢酸エチル及びヘプタンから再結晶させ、480 mg (63%) のオフホワイト結晶性固体 (m.p. 246-248; 分解)を生じさせる。
【0154】
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-(3-ブロモ-フェニル)-尿素 (化合物 D2)
上記化合物を方法 Dを用いて製造する (m.p. 210-211°C; 分解)。
【0155】
方法 E
4-クロロ-2-(3-ピリジン-2-イル-ウレイド)-安息香酸 (化合物 E1)
ピリジン-2-カルボン酸(369 mg, 3 mmol)を15 ml の乾燥トルエンに懸濁させ、ついでジフェニル-ホスホリルアジド (958 mg, 3.5 mmol)を添加する。ついでトリエチルアミン (354 mg, 3.6 mmol) を滴加し、混合物を室温で0.5時間攪拌する。溶液を80°Cに加熱し、2 時間後、2-アミノ-4-クロロ-安息香酸 (463 mg, 2.7 mmol)を20 ml のTHFに添加し、ついでトリエチルアミン (0.354 g, 3.6 mmol)を更に添加する。混合物を1 時間80°Cで攪拌し、ついで室温で一晩攪拌する。混合物を冷却させ、溶剤を減圧下に除去する。残留物を酢酸エチル中に取り、ヘプタンで沈殿させ、ついで吸引濾取する。酢酸エチル/ヘプタンから再結晶させた後、640 mg (73%) の白色結晶性固体 (m.p. 222-224°C)を生じさせる。
【0156】
4-クロロ-2-(3-ナフタレン-2-イル-ウレイド)-安息香酸 (化合物 E2)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (m.p. 176-179°C)。
【0157】
4-クロロ-2-[3-(9-オキソ-9H-フルオレン-3-イル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 E3)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (m.p. 260-263°C; 分解)。
【0158】
4-クロロ-2-[3-(2-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 E4)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (m.p 198-201°C)。
【0159】
4-クロロ-2-[3-(2-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 E5)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (M.p >300°C)。
【0160】
4-クロロ-5-メチル-2-(3-ナフタレン-2-イル-ウレイド)-ベンゼンスルホン酸 (化合物 E6)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (m.p. >300°C)。
【0161】
1-[5-クロロ-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-3-ナフタレン-2-イル-尿素 (化合物 E7)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (m.p. 167-169°C; 分解)。
【0162】
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-ナフタレン-2-イル-尿素 (化合物 E8)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (m.p. 245°C; 分解)。
【0163】
2-(3-ビフェニル-3-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸 (化合物 E9)
p-ヨード-安息香酸 (4.96 g, 20 mmol), フェニルボロン酸(2.68 g, 22 mmol), Na2CO3 (6.36 g, 60 mmol) 及びPd(OAc)2 (44 mg)を80 mlの水に溶解させ、ついで50°Cに1時間加熱する。濾過し、EtOAcで洗浄し, ついで1 M HClを用いて酸性化し、EtOAc中に抽出させ, Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、EtOAc及びヘプタンから再結晶させて、3.9 g のメタ-フェニル 安息香酸を白色固体として生じさせる。ついで2-(3-ビフェニル-3-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸を方法 Eにしたがって製造する (m.p. 181-183°C)。
【0164】
4-クロロ-2-(3-チオフェン-2-イル-ウレイド)-安息香酸 (化合物 E10)
上記化合物を方法Eを用いて製造する (m.p. 199-200°C)。
【0165】
方法 F
4-クロロ-2-[3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 F1)
4-クロロ-2-[3-(2-メトキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸(430 mg, 1.5 mmol)を 100 mlのCH2Cl2 に0°Cで懸濁させ, 及び BBr3 (1.8 ml, ヘキサン中に1.0 M, 1.8 mmol) を添加する。混合物を一晩攪拌し、更にBBr3 (0.9 ml, ヘキサン中に1.0 M, 0.9 mmol)を添加し、ついでさらに一晩攪拌する。混合物を水洗し、真空下に還元する。目的化合物をアセトン/水から再結晶させて、310 mg (73%) の白色固体 (m.p. 212-214°C; 分解)を生じさせる。
【0166】
4-クロロ-2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 F2)
上記化合物を方法Fを用いて製造する (m.p. 209-211°C)。
【0167】
4-クロロ-2-[3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸 (化合物 F3)
上記化合物を方法Fを用いて製造する (m.p. 179-180°C; 分解)。
【0168】
例 2
GluR5 及び GluR6 機能アッセイ
この例に、細胞を主体とするアッセイを示す。それはGluR5 及び GluR6 受容体それぞれを安定に発現するヒト胎児293細胞を用いて行われる。このアッセイにおいて、ドモエート誘発性(domoate-induced)Cai の増加の抑制は、供試化合物のグルタマートアンタゴニスト活性に対する尺度として使用される。
【0169】
細胞内遊離カルシウム濃度(Cai) は、哺乳類細胞における主要な代謝過程を調節する。興奮組織、たとえばニューロン中でCai の上昇は、受容体作動性カルシウムチャネル(たとえばグルタミン酸受容体)の特異的活性化の後, 又は電位作動性カルシウムチャネルの脱極性化及び開放の後に観察される。いくつかの神経伝達物質及び神経モジュレータは、G-蛋白質結合性イオノフォアの活性化によって又は細胞内貯蔵部から二次伝達物質IP3を介してCai の遊離によってCaiを増加させる。
【0170】
Cai をFluorescent Image plate Reader (FLIPR)で蛍光法によって測定する。 カルシウム-キレートする蛍光色素 (テトラカルボン酸) をアセトキシ-メチルエステルとして細胞中に負荷し、ついで非特異性細胞内エステラーゼによって遊離させる。細胞膜に不透過性である遊離酸を数時間細胞内に維持する。蛍光スペクトル (EXmax, EMmax 又は両方のどれか)をカルシウムの結合によって変化し、そして蛍光はそのCaiに正比例する。
【0171】
本法で、蛍光色素Fluo-3 又はFluo-4をカルシウム-キレート剤として使用する。Fluo-3/Fluo-4 は実際上カルシウムのない状態で非蛍光であるが, カルシウム-Fluo-3/Fluo-4 錯体は、励起約500 nmの後 (EXmax = 505 nm)、強い蛍光(EMmax= 526 nm)を示す。この蛍光スペクトルは、フルオレスセリンのスペクトルに類似する。励起及び発光がスペクトルの可視光線領域にあるので、クオーツオプティクス(quarts optics)のない標準装置を使用することができる。
【0172】
イオン調節型グルタミン酸受容体のカイニン酸サブタイプは、2つの高い親和性サブユニット- KA1 及び KA2, 及び3つの低い親和性サブユニット- GluR5-7として存在する。GluR5 受容体サブタイプ中のイオンチャネルは、ポア領域でのアルギニン(R)のグルタミン(Q)への置換によってカルシウムに対して透過性にすることができる。ここで使用される、安定に発現されるヒトGluR5 受容体はカルシウム透過性(Q)であって, このことがこれらの受容体を蛍光測定に申し分のないものにする。
細胞培養
GluR5, GluR6 のそれぞれを発現するHEK 293細胞を、10% 胎児牛血清を含むDMEM中で, ポリスチレン培養フラスコ (175 cm) で空気中に5% CO2 の湿った大気中37°Cで増殖させる。 細胞の密集度は塗布の当日で 80-90% でなければならない。GluR5 細胞を10 mlのPBSで洗浄し, ついで1.5 mlの トリプシン-EDTAを添加し、ついで 5分間インキュベータ中に放置する。10 mlの培養基の添加の後、細胞を10 mlのピペットを用いて15回粉砕して再浮遊させる。
【0173】
細胞を0.5-1x106 細胞/ml (100 μl/ウエル)の密度で、0.001% PEI 溶液 (75μl/ウエル、330 分間)で前処理された黒壁の, 透明な底の、96-ウエルプレートに植え付ける。 塗布された細胞を、染料を充填する前の24時間増殖させる。
【0174】
Fluo-4-AMによる負荷
Fluo-4-AM (1 mg, 分子プローブ)に、25 mg/150 μl のPluoronic F-127 (分子プローブ)を含む912 μlのDMSOを添加する。Fluo-4-AM 原液(1 mM) をDMEMを用いて希釈し、最終濃度の2 μM のFluo-4-AMとする。
【0175】
培地をウエルから除き、ついで50μlのFluo-4-AMを有する溶液を各ウエルに添加する。プレートを密封し、室温で60分間インキュベートする。
【0176】
カルシウム測定
負荷期間の後, 負荷培地を吸引し、細胞を2回100 μl のNa+ 不含リンゲル(Ringer)(NN: 10 mM HEPES, 140 mM コリンクロライド, 5 mM KCl, 1 mM MgCl2, 10 mM CaCl2,pH 7.4) で洗浄して、細胞外染料を除く。100 μl のNN を各ウエルに添加し、蛍光をFLIPRで測定する。
【0177】
ドモエート(50 μl) の添加前に、細胞を1.5分間、供試化合物(50μl)と共に前インキュベートし、GluR5を測定する際、最終濃度2 μM 及びGluR6を測定する際、最終濃度0.2μMとする。
【0178】
供試化合物の原液を、48% エタノール, 50% DMSO又は100% DMSOで調製する。ウエル中でエタノール又はDMSOの最終濃度は、0.1%を超えては成らない。 希釈はNN中で透明V-底プレートで行われる。
【0179】
FLIPR 設定
温度:25°C
前インキュベーション: 30 μl/秒の速度及び開始高さ100 μlで50 μlの供試化合物
アンタゴニストフェーズ: 35 μl/秒の速度及び開始高さ150μlで50 μlのドモエート溶液 (8μM)
読み取り間隔:前インキュベーション - 10秒 x 7 及び 3 秒 x 3
アンタゴニストフェーズ - 3 秒 x 17 及び 10 秒 x 12
添加プレート (希釈された化合物プレート及びドモエートプレート)をFLIPR トレイにおいて一番右より位置と左より位置に置く。細胞プレートを中央位置に置く。上記設定を用いて最初に前インキュベーション相試験を行う。FLIPR を化合物プレートから所望の量を採取し、細胞プレート中にピペットで入れる。 ついでFLIPRを上記間隔設定にしたがって適する尺度を取る。
【0180】
結果
ドモエート又は供試化合物を用いる刺激での蛍光は平均基本蛍光 (NN中で)に対して修正される。
【0181】
供試化合物の存在下でのドモエートの蛍光は、ドモエート応答単独に対して表わされる。
【0182】
ドモエート刺激の25-75% 阻害はIC50 を算出する前に得なければならない。
【0183】
試験値はIC50 (供試化合物の濃度(μM), これはドモエート誘発性Cai 上昇の50%を阻害する)として表わされ, 濃度/応答曲線からか又は下記式から算出される:

【0184】
(式中、Co はコントロールアッセイでのドモエート刺激されたCai蓄積であり、そしてCx は供試化合物の存在下でドモエート刺激されたCai である。)
この測定の結果を、下記表1に提示する。
表 1
機能データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式 I
【化1】

{式中、
AC は、
-SO2OH;
-SO2NH2;
式 -(CH2)nCOOH(式中、n は0, 1, 2 又は3である。)で表わされる基;
式 -(CX)OH
(式中、X はO 又はNR’’を示し、この際R’’ は水素又はアルキルを示すか又はX はR’ と一緒になってヘテロ環状環を形成する。)
で表わされる基; 及び
構造
【化2】

で表わされるヘテロ環状環から選ばれる酸性基を示し、
そして
R’ は水素又はアルキルを示すか;又は
R’ 及び Xは一緒になってヘテロ環状環を形成し、そして
R1及びR2は相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及びR2のうちの一方が水素を示す場合, R1 及びR2 のうちの他方は水素と異なり、そして
AR は芳香族単環状, 二環状又は多環状の炭素環状又はヘテロ環状基を示し,
この芳香族基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
この芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O- (式中、m は1, 2 又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されている。}
で表わされるアリールウレイド誘導体、又はそのあらゆる対掌体又はその対掌体のあらゆる混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩。
【請求項2】
AR が芳香族単環状, 二環状又は多環状の炭素環状基を示し,
この芳香族炭素環状基が場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
この芳香族基が場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されている、
請求項1記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項3】
式 II
【化3】

{式中、
R’ が水素又はアルキルを示すか、又は
R1及びR2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及びR2のうちの一方が水素示す場合, R1 及びR2 のうちの他方は水素と異なり、そして
R3及びR4が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は
R3及び R4が一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる、請求項2記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項4】
R’ が水素又はアルキルを示し、そして
R1 及びR2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、 そして
R1及びR2のうちの一方が水素である場合, R1 及びR2 の他方は水素と異なり、そして
R3 及びR4が相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ又はフェニルを示すか、又は
R3 及びR4が一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又は
R3 及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている、
請求項3記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項5】
式 IIa
【化4】

{式中、
R’ が水素又はアルキルを示し、そして
R1が水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R2がハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R3及びR4が相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキルを示すか、又は
R3及びR4が一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる、請求項4記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項6】
2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-5-メチル-ベンゼンスルホン酸;
4-クロロ-5-メチル-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸;
4-クロロ-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸;
2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-ベンゼンスルホン酸又は
4-クロロ-5-メチル-2-(3-ナフタレン-2-イル-ウレイド)-ベンゼンスルホン酸
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である、請求項5記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項7】
式 III
【化5】

{式中、
n が0, 1又は2であり、
XがO又はNR’’を示し、この際R’’ は水素又はアルキルを示すか、又は
R’及びXが一緒になってヘテロ環状環を形成し、そして
R’が水素又はアルキルを示すか、又は
R’及びXが一緒になってヘテロ環状環を形成し、そして
R1及びR2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及びR2のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、そして
R3及びR4が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は
R3及びR4が一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる、請求項2記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項8】
式 IV
【化6】

{式中、
n が0, 1又は2であり、そして
R1及びR2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及びR2のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、そして
R3及びR4が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は
R3及びR4が一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-
(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる、請求項7記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項9】
n が0, 1又は2であり、そして
R1 及びR2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R1 及びR2のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、そして
R3 及びR4が相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ又はフェニルを示すか、又は
R3 及びR4が一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又は
R3 及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている、
請求項8記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項10】
式 IVa
【化7】

{式中、
n が0又は1であり、そして
R1が水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R2がハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R3及びR4が相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル又はフェニルを示すか、又は
R3及びR4が一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる、請求項9記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項11】
4-クロロ-2-(3-フェニル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-メトキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
2-(3-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
2-(3-ビフェニル-2-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
2-(3-ビフェニル-4-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
2-[3-(2-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-クロロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-メトキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-クロロ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-(3-ナフタレン-2-イル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
2-(3-ビフェニル-3-イル-ウレイド)-4-クロロ-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-ウレイド]-安息香酸又は
{2-[3-(3-ブロモ-フェニル)-ウレイド]-4-クロロ-フェニル}-酢酸
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である、請求項10記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項12】
式 V
【化8】

{式中、
R1及びR2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及びR2のうちの一方が水素を示す場合、R1 及び R2 のうちの他方は水素と異なり、そして
R3及びR4が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は
R3及びR4が一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされるフェニルカルバモイルインダゾール誘導体である、請求項7記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項13】
式 Va
【化9】

{式中、
R1が水素, ハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、
R2がハロ, アルキル又はシクロアルキルを示し、そして
R3及びR4 が相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ又はフェニルを示すか、又は
R3及びR4が一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる、請求項12記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項14】
6-クロロ-3-ヒドロキシ-インダゾール-1-カルボン酸ナフタレン-2-イルアミド
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である、請求項13記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項15】
AC が構造
【化10】

で表わされるヘテロ環状環を示し、そして
R’ が水素又はアルキルを示し、そして
R1 及びR2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1 及びR2のうちの一方が水素を示す場合、R1及びR2のうちの他方は水素と異なり、そして
AR が芳香族単環状, 二環状又は多環状の炭素環状又はヘテロ環状基を示し,
この芳香族基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
この芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されている、
請求項1記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項16】
式 VI
【化11】

{式中、
ACが構造
【化12】

で表わされるヘテロ環状環を示し、そして
R’ が水素又はアルキルを示し、
R1が水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、
R2がハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R3及びR4が相互に独立して水素, ハロ, ヒドロキシ, アルコキシ, ハロアルキル又はフェニルを示すか、又は
R3及びR4が一緒になって構造 -O-CH2-O-で表わされるメチレンジオキシ環を形成するか、又は
R3及びR4が一緒になってベンゾ縮合環を形成し, この縮合環は場合によりハロ, ヒドロキシ, アルコキシ及びハロアルキルから選ばれた置換基によって1回以上置換されている。}
で表わされる、請求項15記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項17】
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-尿素;
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-(3-ブロモ-フェニル)-尿素;
1-[5-クロロ-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-3-ナフタレン-2-イル-尿素又は
1-[5-クロロ-2-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-フェニル]-3-ナフタレン-2-イル-尿素
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である、請求項16記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項18】
式 VII
【化13】

{式中、
AC が、
-SO2OH;
-SO2NH2;
式 -(CH2)nCOOH(式中、n は0, 1, 2 又は3である。)で表わされる基;
式 -(CX)OH
(式中、XはO 又は NR’’を示し、この際R’’ は水素又はアルキルを示すか又はXはR’と一緒になってヘテロ環状環を形成する。)
で表わされる基及び構造
【化14】

で表わされるヘテロ環状環から選ばれる酸性基を示し、そして
R’ が水素又はアルキルを示すか、又は
R’ 及び Xが一緒になってヘテロ環状環を形成し、そして
R1及び R2が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1及び R2のうちの一方が水素を示す場合、R1及びR2のうちの他方は水素と異なり、そして
R5及び R6が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルを示すか、又は
R5及び R6が一緒になってメチレンジオキシ環又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体を形成する。}
で表わされる、請求項1記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項19】
式VIIa
【化15】

{式中、AC が -(CH2)nCOOH(式中、n は0, 1又は2である。)で表わされる基を示し、そして
R’ が水素又はアルキルを示し、そして
R1が水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R2がハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R5及び R6が相互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ヒドロキシ, アルコキシ 及び(又は) ハロアルキルを示す。}
で表わされる、請求項18記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項20】
4-クロロ-2-[3-(9-オキソ-9H-フルオレン-3-イル)-ウレイド]-安息香酸、又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である、請求項19記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項21】
AR が芳香族単環状, 二環状又は多環状ヘテロ環状基を示し、この芳香族ヘテロ環状基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されているか、又は
この芳香族基は場合によりメチレンジオキシ基 又は構造 -O-(CH2)m-O-(式中、m は1, 2又は3である。)で表わされる高級同族体によって置換されており、そして
AC, R’, R1 及び R2が請求項1に定義された通りである、請求項1記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項22】
ARが
フラニル, チエニル 及び ピロリルから選ばれる芳香族5-員の単環状ヘテロ環状基; 又は
ピリジル, ピリダジニル, ピリミジニル及びピラジニルから選ばれる芳香族6-員の単環状ヘテロ環状基; 又は
インドリル, イソインドリル, ベンゾ[b]フラニル, ベンゾ[b]チエニル, ベンジイミダゾリル及びベンゾチアゾリルから選ばれる芳香族二環状ヘテロ環状基を示し、
この芳香族ヘテロ環状基は場合によりハロ, アルキル, シクロアルキル, シクロアルキル-アルキル, アルケニル, アルキニル, ヒドロキシ, アルコキシ, オキソ, ハロアルキル, ニトロ, シアノ, フェニル又はベンジルより成る群から選ばれた置換基によって1回以上置換されており、そして
AC, R’, R1 及びR2が請求項1に定義された通りである、
請求項21記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項23】
AC が-SO2OH; -SO2NH2; 又は式 -(CH2)nCOOH(式中、n は0, 1又は2である。)で表わされる基を示し、そして
R’ が水素又はアルキルを示し、そして
R1 及びR2が互に独立して水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R1 及びR2のうちの一方が水素を示す場合、R1及びR2のうちの他方は水素と異なる、
請求項22記載のアリールウレイド誘導体。
【請求項24】
式 VIII
【化16】

{式中、
AC が -SO2OH, -SO2NH2 又は -COOHを示し、そして
R’ が水素又はアルキルを示し、そして
R1 が水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
R2 がハロ, アルキル, シクロアルキル, ハロアルキル, ニトロ又はシアノを示し、そして
ARがチエニル, ピリジル又はインドリルを示す。}
で表わされる、請求項23記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項25】
式 VIIIa
【化17】

{式中、
AC が-SO2OH, -SO2NH2 又は-COOHを示し、そして
R’ が水素又はアルキルを示し、そして
R1が水素, ハロ, アルキル, シクロアルキル又はハロアルキルを示し、そして
R2がハロ, アルキル, シクロアルキル 又はハロアルキルを示し、そして
AR が2- 又は3-チエニル, 2-, 3- 又は4-ピリジルあるいは2- 又は3-インドリルを示す。}
で表わされる、請求項23記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項26】
4-クロロ-2-[3-(2-ヨード-フェニル)-ウレイド]-安息香酸;
4-クロロ-2-(3-チオフェン-2-イル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-(3-ピリジン-2-イル-ウレイド)-安息香酸;
4-クロロ-2-[3-(1H-インドール-2-イル)-ウレイド]-5-メチル-ベンゼンスルホン酸又は
4-クロロ-2-[3-(1H-インドール-2-イル)-ウレイド]-ベンゼンスルホン酸
又はその対掌体又はその対掌体の混合物、又はその薬学的に許容し得る付加塩である、請求項25記載のアリールウレイド安息香酸誘導体。
【請求項27】
請求項1-26のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩の治療上有効な量を含む医薬調合物。
【請求項28】
請求項1-26のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩を医薬調合物/医薬の製造に使用する方法。
【請求項29】
ヒトを含めた哺乳類の疾患又は障害又は病態―――この疾患又は障害又は病態はイオン調節型 GluR5 受容体のモジュレーションに応答する―――の治療、予防又は緩和用医薬調合物/薬剤の製造に請求項1-26のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩を使用する方法。
【請求項30】
疾患、障害又は病態が慢性痛又は急性痛, 神経障害性疼痛, 難治性疼痛, 偏頭痛様頭痛, 神経及び精神障害, 鬱病、不安, 精神病、統合失調症, 興奮性アミノ酸依存性精神病, 認知障害、痴呆症, 老人性痴呆症, AIDS誘発性痴呆症, ストレス関連の精神障害, 発作, 全身性及び局所性虚血性又は出血性発作, 脳低酸素症/虚血;血栓塞栓症発作又は出血性発作に起因する脳梗塞又は脳虚血, 心筋梗塞, 脳損傷, 脳水腫, 頭蓋/脳損傷, 脊髄損傷, 骨髄病変, 低血糖症, 酸素欠乏症;低血糖症, 低血圧, 低酸素症, 周産期低酸素症, 心不全, 急性及び慢性神経変性疾患又は障害及び種々の起源の脳虚血後のニューロン損傷, CNS 変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチングトン病、特発性及び薬物誘発性パーキンソン病, 筋萎縮性側索硬化症(ALS), 急性期後(post-acute phase)脳病変又は神経系の慢性疾患、心臓バイパス手術及び移植後の脳欠損, 周産期呼吸停止;溺死、肺疾患手術及び脳外傷に由来する酸素欠乏症, 低酸素症誘発性神経細胞傷害 (たとえば心不全又はバイパス手術, あるいは 新生児苦痛において), 癲癇, 癲癇重積症, 発作性疾患, 脳血管けいれん, CNS-依存性けいれん, 消化管運動異常, 筋肉けいれん, 尿失禁, 痙攣, 抗痙攣剤に応答する障害, 自動免疫疾患, 嘔吐, 吐き気, 肥満, 薬物(chemical)依存及び嗜癖, 嗜癖及び禁断症状, 薬物(drug)又はアルコール誘発性欠損, 薬物(drug)嗜癖, 眼の損傷, 網膜症, 網膜神経症, 耳鳴り, 遅発性ジスキネジーである、請求項29記載の使用する方法。
【請求項31】
障害, 疾患又は病態が慢性又は急性痛, 神経障害性疼痛, 難治性疼痛, 偏頭痛又は偏頭痛様頭痛である、請求項29記載の使用する方法。
【請求項32】
障害、疾患又は病態が癲癇, 癲癇重積症又は発作性疾患である、請求項29記載の使用する方法。
【請求項33】
ヒトを含めた動物生体の疾患又は障害又は病態−−−この障害、疾患又は病態はアスパラギン酸受容体又はグルタミン酸受容体のモジュレーションに応答する−−−の治療、予防又は緩和方法であって、この方法が請求項1-26のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容し得る付加塩の治療上有効な量を、これを必要とする前記動物生体に投与する段階を含むことを特徴とする、上記治療、予防又は緩和方法。

【公表番号】特表2006−507329(P2006−507329A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552424(P2004−552424)
【出願日】平成15年11月10日(2003.11.10)
【国際出願番号】PCT/DK2003/000768
【国際公開番号】WO2004/046090
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(591019645)ニューロサーチ、アクティーゼルスカブ (16)
【氏名又は名称原語表記】NEUROSEARCH A/S
【Fターム(参考)】