新規アリールピペラジニル化合物
本発明は、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニストに関する。式(I)で表わされる新規アリールピペラジニルスルホンアミド化合物、5−THにより直接的または間接的に媒介されるものを含めた疾患を治療するためのそれらの合成および使用が開示されている。このような病気には、中枢神経系障害(例えば、全身性不安障害、ADD/ADHD、神経傷害、脳卒中および片頭痛)が挙げられる。調製方法および新規中間体およびそれらの医薬塩もまた、含まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミンまたは5−HT)レセプタモジュレーター(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)に関し、さらに特定すると、新規アリールピペラジニル化合物(これはまた、5−HTモジュレーターである)、および例えば、セロトニン作用に関連した生理学的疾患を治療、調節および/または予防する際のこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
脳のセロトニン作動性神経系は、例えば、以下の種々の障害で現れる種々の生理学的機能に影響を与えることが明らかとなっている:摂食障害、精神分裂病、神経痛および習慣性障害;鬱病、強迫症、パニック障害、不安、中枢神経系により引き起こされる性的機能不全、および睡眠および食物吸収の乱れ、アルコール依存症、疼痛、記憶欠損、単極性鬱病、胸腺機能不全、双極性鬱病、治療耐性鬱病、医学的に病気の状態の鬱病、パニック障害、強迫症、摂食障害、対人恐怖および月経前不快性障害。
【0003】
5−HTレセプタモジュレーター(例えば、アゴニストまたはアンタゴニストおよび/または選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRIs)(例えば、フルオキセチン、パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ロラゼパム、イミプラミン、シタロプラムおよびノルトリプチリン)は、上記病気の治療だけでなく、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害((例えば、狭心症および片頭痛));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて)にも使用され得る。これらの化合物はまた、心血管系の調節にも適当である。それらはまた、脳循環の調節に介在しており、それゆえ、片頭痛に有効な薬剤に相当する。それらはまた、脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響を予防し抑制するのに適当である。それらはまた、セロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制に適当である。
【0004】
トラゾドンは、5−HTの作用を抑制し、そしてフルオキセチンおよびフルボキサミンは、シナプスニューロンへのセロトニンの再摂取を強力かつ選択的に阻止することによって、セロトニン作動性神経伝達を促進する。3−クロロイミプラミンは、5−HTおよびノルエピネフリンの両方の再摂取を阻止する。抗欝剤として現在関心がもたれている他の化合物には、ジメルジン、ブプロピオンおよびノミフェンシンが挙げられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
良好なバイオアベイラビリティー、CNS浸透を有し、例えば、インビボで良好な薬物動態特性を有する選択的で高親和性で代謝的に安定な5−HTレセプタモジュレーターが望まれている。本発明は、被験体を治療する新規化合物に関し、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法に関する。種々の病気は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、これらの化合物の導入に応答性である;またはこれらの化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用され得る。
【0006】
例えば、本発明の化合物は、以下に使用され得る:血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制。これらの化合物はまた、以下を治療するのに有用であり得る:ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)。
【0007】
1つの有利な局面では、本発明の化合物は、5−HT関連疾患を治療、予防または治癒するのに使用できる5−HTモジュレーター(例えば、アゴニストのまたはアンタゴニストおよび/またはSSRIs)であることが発見されている。特に、特定のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物は、有効な5−HTレセプタモジュレーターおよび/またはSSRIsであることが発見されている。
【0008】
1実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0009】
【化3】
ここで、
R1は、該化合物に5−HT1A/5−HT2Aアドレナリンレセプタ交差反応性を実質的に与えない官能基である;R2およびR3は、別個に、水素、または該化合物にHERGチャンネル阻害を実質的に与えない官能基である;Zは、NまたはCである;mは、0、1、2、3、4、5または6であり得る;nは、1、2、3、4、5または6であり得る;そしてpは、0、1、2、3または4であり得、さらに好ましくは、0より大きい。mは、有利には、0であり、nは、有利には、0または1である。
【0010】
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールであり得る;そしてR2およびR3は、別個に、以下であり得る:水素または低級アルキル;シクロアルキル;トリハロメチル;ハロ;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)、NHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)およびNCO−ジアルキルを含む)))、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ));スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であり得るが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない;p=0のとき、R1は、置換または非置換アリール以外のものであり、そしてR2およびR3は、別個に、フェニルまたはアルコキシフェニル以外のものである。
【0011】
このアリール基、ピリジニル基、ピリミジニル基またはピラジニル(すなわち、ここで、Z=N)基は、以下の置換基で置換され得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);シクロアルキル(例えば、C1〜C6);トリハロメチル(例えば、CF3またはOCF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める)));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;またはシアノ。このアリール基は、例えば、置換または非置換フェニル、ナフチル、トルイルまたはビフェニルであり得る。
【0012】
本発明の化合物はまた、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタを含めて))、望ましくは、5−HT1Aレセプタアゴニストである。驚くべきことに、本発明の化合物は、非常に良好な5−HT1Aレセプタアゴニストであり、そして優れた活性および選択性を有することが発見されている。本発明の化合物は、それらの作用について選択性が高く、他のレセプタ(例えば、α−アドレナリンレセプタ)との交差反応性を殆どまたは全く示さない。さらに、本発明の化合物は、HERGチャンネル阻害を殆どまたは全く示さない(これがあると、本発明の化合物をベースにした薬剤に不利となる)。そういうものとして、例えば、抗不安薬としての本発明の化合物の有用性は、非常に高められる。
【0013】
1実施態様では、R1は、低級アルキル(例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル))であり得る。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル、例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて)であり得る。
【0014】
1実施態様では、R3は、Hであり、そしてR2は、H以外のものであり、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル、例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ)であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。
【0015】
さらに他の実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0016】
【化4】
ここで、
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリール(例えば、トルイルまたはシクロヘキシル)であり得る。R1は、好ましくは、環含有基であるとき、非共役であり、そして有利には、置換または非置換アルキルまたはシクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)であり得る。R2は、以下であり得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);トリハロメチル(例えば、CF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル)であり得る;点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;Zは、NまたはCである;mは、0、1または2であり得る;nは、1、2、3または4であり得る;そしてpは、0または1であり得る;mは、有利には、0であり、nは、有利には、3または4であり、そしてpは、有利には、0または1である。
【0017】
1実施態様では、R1は、低級アルキル、例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)であり得る。有利には、R1は、シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニルであり得る。この実施態様では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。有利には、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める)であり得る。
【0018】
1実施態様では、R2は、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。本発明の化合物は、有利には、薬学的に受容可能な塩(例えば、HCl)である。
【0019】
特定の実施態様では、本発明の化合物には、以下が挙げられる:4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHCl塩;シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミド;2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド、(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミン、1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジン、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イルフェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド、N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミド、および1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジン。
【0020】
本発明の他の局面は、上記のように、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法を包含する。これらの化合物の導入に応答性である種々の病気に冒された被験体が治療され得る;またはこれらの化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用され得る。このような病気および生理学的現象には、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制;ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)が挙げられる。
【0021】
本発明はまた、セロトニン作動性の機能低下または機能亢進に関連した病気を治療する方法に関し、該方法は、被験体に本発明の化合物を投与して該病気を治療する工程を包含する。上で説明したように、本発明の化合物は、5−HT1Aでアンタゴニスト活性を有し得、これは、セロトニンの再摂取の阻止により誘発される負のフィードバック機構と反作用する;これは、それにより、本発明の化合物の活性を阻害するセロトニン再摂取の効果を改善すると予想される。本発明の他の化合物は、5−HT1Aのような5−HTレセプタでアゴニスト活性を有する。
【0022】
本発明の他の局面は、不安(特に、全身性不安障害)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0023】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において不安(特に、全身性不安障害)を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0024】
本発明の他の局面は、パニック障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0025】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)においてパニック障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0026】
本発明の他の局面は、機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害(ADD)(すなわち、ADHD)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0027】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0028】
本発明の他の局面は、麻薬関連障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0029】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において麻薬関連障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0030】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物である。
【0031】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療する方法である。
【0032】
これらの化合物および新規中間体を調製する方法もまた、本発明に含まれる。
【0033】
(発明の詳細な説明)
本発明の特徴および他の詳細は、今ここで、添付の図面を参照して特に記述され、そして請求の範囲で指摘されている。本明細書中で記述した特定の実施態様は、本発明の限定ではなく、例として示されていることが理解できる。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の実施態様で使用できる。全ての部およびパーセントは、特に明記しない限り、重量基準である。
【0034】
(定義)
便宜上、本明細書、実施例および添付の請求の範囲で使用する特定の用語をここで集める。
【0035】
「5−HTレセプタモジュレーター」または「5−HTモジュレーター」は、その5−HT1、5−HT2、5−HT3、5−HT4、5−HT5、5−HT6または5−HT7レセプタにて効果を有する化合物を含み、これらには、各レセプタ型の亜型(例えば、5−HT1A、B、C、D、EまたはF;5−HT2A、Bまたはc;および5−HT5AまたはB)が挙げられる。5−HTモジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。
【0036】
「治療する」は、病気、疾患、障害などの改善を生じる任意の効果(例えば、軽減、低減、変調または排除)を含む。
【0037】
「アルキル」は、飽和脂肪族基を含み、これには、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル(例えば、n−ブチル。s−ブチル、i−ブチル)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル)、分枝鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、第三級ブチル、イソブチル)、シクロアルキル(脂環族)基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基が挙げられる。「アルキル」は、さらに、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはリン原子で置き換えたアルキル基を含む。ある実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格内に、6個またはそれより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC1〜C6、分枝鎖についてC3〜C6)、さらに好ましくは、4個またはそれより少ない炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環構造内に、3個〜8個の炭素原子、さらに好ましくは、5個または6個の炭素原子を有する。「C1〜C6」は、1個〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を含む。
【0038】
「アルキル」との用語はまた、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含み、後者は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素上の水素を置換基で置き換えたアルキル部分を意味する。このような置換基には、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。シクロアルキルは、さらに、例えば、上記置換基で置換できる。「アルキルアリール」または「アラルキル」部分は、アリール(例えば、フェニルメチル(ベンジル))で置換されたアルキルである。「アルキル」はまた、天然および非天然アミノ酸の側鎖を含む。
【0039】
「アリール」は、芳香族性を有する基であって、これには、0個〜4個のヘテロ原子を含有し得る5員および6員の「非共役」または単一環芳香族基だけでなく、少なくとも1個の芳香環を有する「共役」または複数環系が挙げられる。アリール基の例には、ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどを含む。さらに、「アリール」との用語は、多環式(例えば、三環式、二環式)アリール基、例えば、ナフタレン、ベンゾキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリンまたはインドリジンを含む。その環構造内にヘテロ原子を有するアルキル基はまた、「アリール複素環」、「複素環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」とも呼ばれ得る。この芳香環は、1個またはそれ以上の環位置で、上記のような置換基(例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分)で置換できる。アリール基はまた、多環系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)を形成するために、脂環族または複素環式の環(これは、芳香族ではない)と縮合または架橋できる。
【0040】
「アルケニル」は、長さおよび可能な置換の点で上記アルキルと類似するが、少なくとも1個の二重結合を含有する、不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」との用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(例えば、脂環族)基(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルまたはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルケニル基を含む。アルケニルとの用語は、さらに、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を置き換えた酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはリン原子を含有するアルケニル基を含む。ある実施形態では、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その骨格内に、6個またはそれより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC2〜C6、分枝鎖についてC3〜C6)を有する。同様に、シクロアルケニル基は、それらの環構造内に、3個〜8個の炭素原子、さらに好ましくは、それらの環構造内に、5個または6個の炭素原子を有し得る。「C2〜C6」との用語は、2個〜6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。
【0041】
さらに、「アルケニル」との用語はまた、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」の両方を含み、後者は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素上の水素を置換基で置き換えたアルケニル部分を意味する。このような置換基には、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。
【0042】
「アルキニル」は、長さおよび可能な置換の点で上記アルキルと類似するが、少なくとも1個の三重結合を含有する、不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、分枝鎖アルキニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基を含む。「アルキニル」との用語は、さらに、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはリン原子で置き換えたアルキニル基を含む。ある実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキニル基は、その骨格内に、6個またはそれより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC2〜C6、分枝鎖についてC3〜C6)を有する。「C2〜C6」との用語は、2個〜6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。
【0043】
「アルキニル」との用語はまた、「非置換アルキニル」および「置換アルキニル」の両方を含み、後者は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素上の水素を置換基で置き換えたアルキニル部分を意味する。このような置換基には、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。
【0044】
炭素数を特に明記しない限り、本明細書中で使用する「低級アルキル」とは、その骨格構造内に2個〜10個の炭素原子、さらに好ましくは、1個〜6の炭素原子個を有する上で定義したアルキルを意味する。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、例えば、2個〜5個の炭素原子の鎖長を有する。
【0045】
「アシル」は、アシルラジカル(CH3CO−)またはカルボニル基を含有する化合物および部分を含む。「置換アシル」は、1個またはそれ以上の水素原子を、例えば、以下のもので置き換えたアシル基を含む:アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分。
【0046】
「アシルアミノ」は、アシル部分をアミノ基に結合した部分を含む。例えば、この用語は、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基およびウレイド基を含む。
【0047】
「アロイル」は、カルボニル基に結合したアリールまたはヘテロ芳香族部分を備えた化合物および部分を含む。アロイル基の例には、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシなどが挙げられる。
【0048】
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」および「チオアルコキシアルキル」は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を置き換える酸素原子、窒素原子またはイオウ原子をさらに含有する上記アルキル基を含む。
【0049】
「アルコキシ」との用語は、酸素原子に共有結合した置換および非置換アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を含む。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基およびペントキシ基が挙げられる。置換アルコキシ基の例には、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基は、以下のような基で置換できる:アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分。ハロゲン置換アルコキシ基の例には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「ヘテロシクリル」または「複素環基」との用語は、閉環構造(例えば、3〜10員環または4〜7員環)を含み、これは、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する。ヘテロシクリル基は、飽和または不飽和であり得、ピロリジン、オキソラン、チオラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム(例えば、アゼチジノンおよびピロリジノン)、スルタム、スルトンなどが挙げられる。この複素環は、1個またはそれ以上の位置で、上記置換基(例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、または芳香族部分またはヘテロ芳香族部分)で置換できる。
【0051】
「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」との用語は、二重結合でイオウ原子に連結された炭素を含有する化合物および部分を含む。
【0052】
「エーテル」との用語は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子に結合した酸素を含有する化合物または部分を含む。例えば、この用語は、「アルコキシアルキル」を含み、これは、他のアルキル基に共有結合した酸素原子に共有結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を意味する。
【0053】
「エステル」との用語は、カルボニル基の炭素に結合した酸素に結合した炭素またはヘテロ原子を含有する化合物および部分を含む。「エステル」との用語には、アルコキシカルボキシ基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなど)が挙げられる。このアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基は、上で定義したとおりである。
【0054】
「チオエーテル」との用語は、2個の異なる炭素またはヘテロ原子に結合したイオウ原子を含有する化合物および部分を含む。チオエーテルの例には、アルキチオアルキル、アルキチオアルケニルおよびアルキチオアルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。「アルキチオアルキル」との用語は、アルキル基に結合したイオウ原子に結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を備えた化合物を含む。同様に、「アルキチオアルケニル」および「アルキチオアルキニル」との用語は、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基がイオウ原子(これは、アルキニル基に共有結合している)に結合した化合物または部分を意味する。
【0055】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」との用語は、−OHまたは−O−を備えた基を含む。
【0056】
「ハロゲン」との用語は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。「過ハロゲン化」との用語は、一般に、例えば、全ての水素をハロゲン原子で置き換えた部分を意味する。
【0057】
「ポリシクリル」または「多環式ラジカル」との用語は、2個またはそれ以上の炭素原子が2個の隣接環と共通している2個またはそれ以上の環状環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)を意味する。非隣接原子を介して結合した環は、「架橋」環と呼ばれている。この多環の各環は、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分で置換できる。
【0058】
「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。ヘテロ原子の例には、窒素、酸素、イオウおよびリンが挙げられる。
【0059】
本発明の化合物の一部は、非対称炭素原子を含有することを記しておく。従って、このような非対称から生じる異性体(例えば、全ての鏡像異性体およびジアステレオマー)は、特に明記しない限り、本発明の範囲内に含まれる。このような異性体は、古典的な分離技術により、また、立体化学的に制御した合成により、実質的に純粋な形状で得ることができる。さらに、本願で述べた構造および他の化合物および部分はまた、それらの全ての互変異性体を含む。アルケンには、適当な場合、E−形状またはZ−形状のいずれかが含まれる。
【0060】
「併用療法」(または「同時療法」)には、治療薬の共同作用から有益な効果を得る目的の特定の治療レジメンの一部として、本発明の5−HTモジュレーターおよび少なくとも第二薬剤の投与を含む。その併用の有益な効果には、治療薬の組合せから生じる薬物動態学的または薬力学的な共同作用が挙げられるが、これらに限定されない。これらの治療薬を組み合わせた投与は、典型的には、規定の時間(選択する組合せに依存して、通常、分、時間、日または週)にわたって、実行される。「併用療法」は、偶発的かつ恣意的に本発明の組合せを生じる別々の単独療法レジメンの一部として、これらの治療薬の投与を包含すると解釈され得るが、これに限定されない。「併用療法」は、逐次様式(すなわち、ここで、各治療薬は、異なる時点で投与される)でのこれらの治療薬の投与だけでなく、実質的に同時様式でのこれらの治療薬または少なくとも2種の治療薬の投与を包含すると解釈される。実質的に同時の投与は、例えば、被験体に、固定比率の各治療薬を有するカプセル剤を投与することにより、または各治療薬用の単一カプセル剤を複数回投与することにより、達成できる。各治療薬の逐次投与または実質的な連続投与は、任意の適当な経路で行うことができ、これには、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路および粘膜組織を通る直接吸収が挙げられるが、これらに限定されない。これらの治療薬は、同じ経路または異なる経路で投与できる。例えば、選択した組合せの第一治療薬は、静脈注射で投与され得るのに対して、この組合せの他の治療薬は、経口投与され得る。あるいは、例えば、全ての治療薬が経口投与され得、または全ての治療薬が静脈注射で投与され得る。これらの治療薬を投与する順序は、あまり重要ではない。「併用療法」はまた、他の生物学的に活性な成分および非薬剤療法(例えば、手術または放射線治療)との別の組合せでの上記治療薬の投与を包含できる。この併用療法がさらに非薬剤治療を含む場合、この非薬剤治療は、これらの治療薬と非薬剤治療との組合せの同時作用から有益な効果が得られる限り、任意の適当な時点で、行われ得る。例えば、適当な場合、この非薬剤治療が一時的に何日または何週も治療薬の投与からはずされたときでも、依然として、この有益な効果が達成される。
【0061】
本明細書中で使用する「アニオン性基」は、生理学的pHで負に荷電した基を意味する。好ましいアニオン性基には、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、スルフィン酸塩、スルファミン酸塩、テトラゾリル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩またはホスホロチオ酸塩またはそれらの官能性等価物が挙げられる。アニオン性基の「官能性等価物」には、生物学的等価物(例えば、カルボン酸塩基の生物学的等価物)が挙げられると解釈される。生物学的等価物は、古典的な生物学的等価物および非古典的な生物学的等価物の両方を包含する。古典的および非古典的な生物学的等価物は、当該技術分野で公知である(例えば,Silverman,R.B.The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Academic Press,Inc.San Diego,Calif.,1992,pp.l9−23を参照)。特に好ましいアニオン性基は、カルボン酸塩である。
【0062】
「複素環基」には、環内の原子の1個またはそれ以上が炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)である閉環構造を含むと解釈される。複素環基は、飽和または不飽和であり得、複素環基(例えば、ピロールおよびフラン)は、芳香族特性を有し得る。それらには、縮合環構造(例えば、キノリンおよびイソキノリン)が挙げられる。複素環基の他の例には、ピリジンおよびプリンが挙げられる。複素環基はまた、1個またはそれ以上の置換基(例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF3、−CNなど)で置換できる。
【0063】
本発明は、その化合物を単独でおよび/または他の薬剤と組み合わせて導入することに応答性である種々の病気に罹っている被験体を治療する新規化合物に関する。例えば、本発明の化合物は、以下に使用され得る:血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制。これらの化合物はまた、以下を治療するのに有用であり得る:ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)。
【0064】
1つの有利な局面では、本発明の化合物は、5−HT関連疾患を治療、予防または治癒するのに使用できる5−HTモジュレーター(例えば、アゴニストのまたはアンタゴニストおよび/またはSSRIs)であることが発見されている。特に、特定のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物は、有効な5−HTレセプタモジュレーターおよび/またはSSRIsであることが発見されている。
【0065】
1実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0066】
【化5】
ここで、
R1は、該化合物に5−HT1A/5−HT2Aアドレナリンレセプタ交差反応性を実質的に与えない官能基である;R2およびR3は、別個に、水素、または該化合物にHERGチャンネル阻害を実質的に与えない官能基である;Zは、NまたはCである;mは、0、1、2、3、4、5または6であり得る;nは、1、2、3、4、5または6であり得る;そしてpは、0、1、2、3または4であり得、さらに好ましくは、0より大きい。mは、有利には、0であり、nは、有利には、0または1である。
【0067】
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールであり得る;そしてR2およびR3は、別個に、以下であり得る:水素または低級アルキル;シクロアルキル;トリハロメチル;ハロ;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)、NHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)およびNCO−ジアルキルを含む)))、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ));スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であり得るが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない。
【0068】
このアリール基、ピリジニル基、ピリミジニル基またはピラジニル(すなわち、ここで、Z=N)基は、以下の置換基で置換され得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);シクロアルキル(例えば、C1〜C6);トリハロメチル(例えば、CF3またはOCF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める)));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;またはシアノ。このアリール基は、例えば、置換または非置換フェニル、ナフチル、トルイルまたはビフェニルであり得る。
【0069】
1実施態様では、R1は、低級アルキル(例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル))であり得る。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル、例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて)であり得る。
【0070】
1実施態様では、R3は、Hであり、そしてR2は、H以外のものであり、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル、例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ)であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。
【0071】
さらに他の実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0072】
【化6】
ここで、
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリール(例えば、トルイルまたはシクロヘキシル)であり得る。R1は、好ましくは、環含有基であるとき、非共役であり、そして有利には、置換または非置換アルキルまたはシクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)であり得る。R2は、以下であり得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);トリハロメチル(例えば、CF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル)であり得る;点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;Zは、NまたはCである;mは、0、1または2であり得る;nは、1、2、3または4であり得る;そしてpは、0または1であり得る;mは、有利には、0であり、nは、有利には、3または4であり、そしてpは、有利には、0または1である。
【0073】
1実施態様では、R1は、低級アルキル、例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)であり得る。有利には、R1は、シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニルであり得る。この実施態様では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。有利には、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める)であり得る。
【0074】
1実施態様では、R2は、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。本発明の化合物は、有利には、薬学的に受容可能な塩(例えば、HCl)である。
【0075】
特定の実施態様では、本発明の化合物には、以下が挙げられる:4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHCl塩;シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミド;2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド、(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミン、1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジン、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イルフェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド、N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミド、および1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジン。
【0076】
本発明の化合物はまた、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタを含めて))、望ましくは、5−HT1Aレセプタアゴニストである。驚くべきことに、本発明の化合物は、非常に良好な5−HT1Aレセプタアゴニストであり、そして市場に出ている特定のアゴニスト(例えば、BuSpar(登録商標)(バスピロン、Bristol−Myers Squibb))と比較して、優れた活性および選択性を有することが発見されている。
【0077】
本発明の化合物は、それらの作用について選択性が高く、他のレセプタ(例えば、α−アドレナリンレセプタ)との交差反応性を殆どまたは全く示さない。さらに、これらの化合物は、選択性であるだけでなく、5−HT1レセプタ(例えば、5−HT1Aレセプタ)によく結合し、通常毒性の代謝物に急速には代謝されない。それゆえ、本発明の化合物は、インビボで、より長い半減期を有し、例えば、ここで、この化合物は、代謝されないか、または部分的に代謝されるにすぎない(HLMT1/2>20〜90分、残留している化合物の100%まで未変化である)。出願人は、特定の動作理論に限定するつもりはない;しかしながら、式Iの化合物は、このことに関して、特に良好であり、ここで、R1は、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)である;そしてR2は、−NR4R5であり、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ);NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含めて)));NCO−ジアルキルであり得る。そういうものとして、例えば、抗不安薬としての本発明の化合物の有用性は、非常に高められる。
【0078】
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリール(例えば、トルイルまたはシクロヘキシル)であり得る。R2は、以下であり得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);トリハロメチル(例えば、CF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル)であり得る;点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;Zは、NまたはCである;mは、0、1または2であり得る;nは、1、2、3または4であり得る;そしてpは、0または1であり得る;mは、有利には、0であり、nは、有利には、3または4であり、そしてpは、有利には、0または1である。
【0079】
1実施態様では、R1は、低級アルキル、例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)であり得る。有利には、R1は、シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニルであり得る。この実施態様では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。有利には、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める)であり得る。
【0080】
本発明は、被験体を治療する新規化合物に関し、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法に関する。種々の病気は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、これらの化合物の導入に応答性である。
【0081】
本発明の他の局面は、上記のように、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法を包含する。これらの化合物の導入に応答性である種々の病気に冒された被験体が治療され得る;またはこれらの化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用され得る。このような病気および生理学的現象には、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制;ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)が挙げられる。
【0082】
本発明はまた、セロトニン作動性の機能低下または機能亢進に関連した病気を治療する方法に関し、該方法は、被験体に本発明の化合物を投与して該病気を治療する工程を包含する。上で説明したように、本発明の化合物は、5−HT1Aでアンタゴニスト活性を有し得、これは、セロトニンの再摂取の阻止により誘発される負のフィードバック機構と反作用する;これは、それにより、本発明の化合物の活性を阻害するセロトニン再摂取の効果を改善すると予想される。本発明の他の化合物は、5−HT1Aのような5−HTレセプタでアゴニスト活性を有する。
【0083】
本発明の他の局面は、不安(特に、全身性不安障害)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0084】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において不安(特に、全身性不安障害)を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0085】
本発明の他の局面は、パニック障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0086】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)においてパニック障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0087】
本発明の他の局面は、機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害(ADD)(すなわち、ADHD)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0088】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0089】
本発明の他の局面は、麻薬関連障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0090】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において麻薬関連障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0091】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物である。
【0092】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療する方法である。
【0093】
これらの化合物および新規中間体を調製する方法もまた、本発明に含まれる。
【0094】
本発明はまた、セロトニン作動性の機能低下または機能亢進に関連した病気を治療する方法に関し、該方法は、被験体に本発明の化合物を投与して該病気を治療する工程を包含する。上で説明したように、本発明の化合物は、5−HT1Aでアンタゴニスト活性を有し得、これは、セロトニンの再摂取の阻止により誘発される負のフィードバック機構と反作用する;これは、それにより、本発明の化合物の活性を阻害するセロトニン再摂取の効果を改善すると予想される。本発明の他の化合物は、5−HT1Aのような5−HTレセプタでアゴニスト活性を有する。
【0095】
本発明の化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある多種多様な臨床病(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療するのに貴重である。このような病気には、以下が挙げられる:摂食障害、精神分裂病、神経痛および嗜癖性障害;強迫性障害、パニック障害、中枢神経系ならびに睡眠および食物吸収の障害により引き起こされる性的機能不全、アルコール依存症、疼痛、記憶欠損、単極性鬱病、気分変調、双極性鬱病、治療耐性鬱病、医学的病気における鬱病、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、対人恐怖、月経前不快気分障害、鬱病またはより詳細には抑鬱性障害のような気分障害(例えば、単一エピソード性もしくは再発性の大鬱病性障害および気分変調性障害)、または双極性障害(例えば、双極性I障害、双極性II障害および循環気質);広場恐怖症を伴うかまたは伴わないパニック障害のような不安障害、パニック障害の病歴を有さない広場恐怖症、特定の恐怖症(例えば、特定の動物恐怖症、対人恐怖症、心的外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害)および全般性不安障害、;精神分裂病および他の精神障害(例えば、分裂病様障害、統合失調感情性障害、妄想性障害、短期精神障害、共有精神病障害および妄想または幻覚を伴う精神病性障害);精神錯乱、痴呆、および健忘症ならびに他の認知障害または神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、老年性痴呆、アルツハイマー型の痴呆、血管性痴呆、および例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病に起因するか、または複数の病因に起因する他の痴呆;パーキンソン病および薬物誘導性運動障害、例えば、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群、神経弛緩薬悪性症候群、神経弛緩薬誘導性急性失調症、神経弛緩薬誘導性急性静座不能、神経弛緩薬誘導性遅発性ジスキネジーおよび薬物誘導性姿勢振せんのような他の錐体外運動障害;アルコール、アンフェタミン(もしくはアンフェタミン様物質)カフェイン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入剤およびエアゾール噴霧剤、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン誘導体、鎮静薬、睡眠薬、および抗不安薬の使用から生じる物質関連障害であって、この物質関連障害としては、依存性および乱用性、中毒、禁断症状、中毒せん妄、禁断症状せん妄、残存性痴呆、精神障害、気分障害、不安障害、性機能不全および睡眠障害;てんかん;ダウン症候群;MSおよびALSのような脱髄疾患および末梢神経障害のような他の神経病理学的な障害(糖尿病および化学療法誘導型神経障害)、および処置後の神経痛、三叉神経痛、分節性神経痛または肋間神経痛および他の神経痛;そして脳梗塞、クモ膜下出血または脳水腫のような急性または慢性の脳血管損傷に起因する大脳の血管障害が挙げられる。1実施態様では、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある病気(セロトニン作動性機能低下または機能亢進)には、鬱病を含めない。
【0096】
本発明の化合物は、上記病気の治療だけでなく、以下に使用され得る:血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制。
【0097】
これらの化合物はまた、以下を含めた種々の他の病気を治療するのに有用であり得る:ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)。
【0098】
特定の病気を治療するためには、本発明の化合物を他の薬理学的に活性な薬剤と併用することが望まれ得る。本発明の化合物は、同時使用、個別使用または逐次使用のための組合せ調製として、治療薬と共に提供され得る。このような組合せ調製は、例えば、ツインパックの形状であり得る。
【0099】
本発明のさらに他の局面は、他の5−HTアンタゴニストおよび/またはSSRI(例えば、5−HT3アンタゴニスト(例えば、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロンまたはザチセトロン))と組み合わせて、本発明の化合物を含有する。さらに、本発明の化合物は、抗炎症性コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン)と組み合わせて、投与され得る。さらに、本発明の化合物は、上記のように、化学療法薬(例えば、アルキル化剤、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害剤または細胞毒性抗生物質)と組み合わせて、投与され得る。一般に、このように併用する公知の治療薬の現在利用可能な剤形は、適当である。
【0100】
本発明の他の局面または代替局面によれば、本発明は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、本発明の化合物の導入に応答性である種々の病気を治療または予防する医薬の製造;または特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用する化合物を提供する。このような病気および生理学的現象には、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制;ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)が挙げられる。
【0101】
本発明の他の局面または代替局面によれば、本発明は、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある生理学的障害(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療する医薬の製造で使用する本発明の化合物を提供する。
【0102】
本発明は、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある生理学的障害(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療または予防する方法を提供し、該方法は、治療が必要な患者に、有効量の本発明の化合物または本発明の化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。
【0103】
片頭痛を処置または防止するために、本発明の化合物は、他の抗片頭痛薬(例えば、エルゴタミンまたは5−HT1アゴニスト、特にスマトリプタンまたはリザトリプタン)と組み合わせて用いられ得る。同様に、行動性痛覚過敏を処置するために、本発明の化合物は、N−メチルD−アスパルラート(NMDA)のアンタゴニスト(例えば、ジゾシルピン)と組み合わせて用いられ得る。
【0104】
不安および/もしくは抑うつを処置または防止するために、本発明の化合物は、抗うつ剤または抗不安薬と組み合わせて用いられ得ることがさらに理解される。本発明の使用に適切な種類の抗うつ剤としては、ノルエピネフリン再摂取インヒビター、選択性セロトニン再摂取インヒビター、モノアミン酸化酵素インヒビター、可逆性モノアミン酸化酵素インヒビター、セロトニンおよびノルエピネフリンの再摂取インヒビター、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、β−アドレナリンレセプターアンタゴニストならびに非定型抗うつ剤が、挙げられる。本発明に使用の別の種類の抗うつ剤としては、ノルアドレナリン作動性抗うつ剤および特定のセロトニン作動性抗うつ剤(例えば、ミルタザピン(mirtazapine))である。ノルエピネフリン再摂取インヒビターの適切な例としては、アミトリプジリン(amitripdyline)、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、レボキセチンおよびプロトリプチリンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。選択性セロトニン摂取インヒビターの適切な例としては、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセルトラリンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。モノアミン酸化酵素インヒビターの適切な例としては、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。可逆性モノアミン酸化酵素インヒビターの適切な例としては、モクロベミド(moclobemide)およびその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。セロトニンおよびノルアドレナリンの摂取インヒビターの適切な例としては、ベンラファキシンおよびその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストの適切な例としては、国際特許明細書番号WO94/13643、WO94/13644、WO94/13661、WO94/13676およびWO94/13677に記載されるこれらCRFアンタゴニストの化合物が挙げられる。非定型抗うつ剤の適切な例としては、ビュープロピオン、リチウム、ネファゾドン、シブトラミン、トラゾドンおよびビロキサジンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。本発明に使用する他の抗うつ剤としては、アジノゾラム(adinozolam)、アラプロクラート、アミネプチン、トリプタノール(amitryptyline)/クロルジアゼポキシドの併用、アティパメゾル、アザミアンセリン、バジナプリン(bazinaprine)、フェフラリン(fefuraline)、ビフェメラン、ビノダリン(binodaline)、ビペナモール、ブロファロミン、ビュープロピオン、カロキサゾン(caroxazone)、セリクラミン、シアノプラミン(cianopramine)、シモキサトン、シタロプラム、クレメプロール、クロボキサミン、ダセピニル(dasepinil)、デアノール、デメキシプチリン、ジベンゼピン、ドチエピン(dothiepin)、ドロキシドパ、エネフェキシン、セタゾラム(setazolam)、エトペリドン(etoperidone)、フェモキセチン、フェンガビン、フェゾラミン、フルオトラセン、イダゾキサン(idazoxan)、インダルピン、インデロキサジン、イプリンドール(iprindole)、レボプロチリン、リトキセチン、ロフェプラミン、メジホキサミン、メタプラミン(metapramine)、メトラリンドール(metralindole)、ミアンセリン、ミルナシプラン、ミナプリン(minaprine)、ミルタザピン(mirtazapine)、モンチレリン(montirelin)、ネブラセタム(nebracetam)、ネホパム、ニアラミド、ノミフェンシン、ノルフルオキセチン、オロチレリン(orotirelin)、オキサフロザン(oxaflozane)、ピナゼパム(pinazepam)、ピリンドール(pirindole)、ピゾチリン(pizotyline)、リタセリン(ritaserin)、ロリプラム、セリクロレミン(sercloremine)セチプチリン、シブトラミン、スルブチアミン(sulbutiamine)、スルピリド、テニロキサジン(teniloxazine)、トザリノン(thozalinone)、チモリベリン(thymoliberin)、チアネプチン、チフルカービン(tiflucarbine)、トフェナシン、トフィソパム、トロキサトン、トモキセチン、ベラリプリド(veralipride)、ビクアリン(viqualine)、ジメリジンおよびゾメタピン(zometapine)およびその薬学的に受容可能な塩およびセントジョーンズワートハーブもしくはセイヨウオトギリソウまたはその抽出物が挙げられる。好ましい抗鬱剤としては、選択的セロトニン再取り込みインヒビター、特にフルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセルトラリンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。
【0105】
本発明の使用に適切な種類の抗不安剤としては、ベンゾジアゼピンおよび5−HT1Aのアゴニストおよびアンタゴニスト、特に5−HT1Aの部分的なアゴニスト、ならびにコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストが挙げられる。ベンゾジアゼピンに加えて、他の適切な種類の抗不安剤は、非ベンゾジアゼピン鎮静−睡眠薬(例えば、ゾルピデム);気分安定剤(例えば、クロバザム、ギャバペンチン、ラモトリジン、ロレクレゾール(loreclezole)、オキソカルバマゼピン(oxcarbamazepine)、スチリペントールおよびビガバトリン;ならびにバルビツレートである。本発明の使用に適切なベンゾジアゼピン系薬としては、アルプラゾラム、クロルジゼポキシド(chlordizepoxide)、クロナゼパム、クロラゼペイト、ジアゼパム、ハラゼパム、ロレゼパム、オキサゼパムおよびパラゼパム、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。本発明の使用に適切な例の5−HT1Aのアゴニストおよびアンタゴニストとしては、特に、5−HT1Aの部分的なアゴニストのブスピロン、フレシノキサン、ジェピロン、イプサピロンおよびピンドロル、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。本発明に使用する別の種類の抗不安剤は、ムスリカン性コリン作用性活性を有する化合物である。この種類の適切な化合物としては、欧州特許明細書番号第0 709 093号、同第0 709 021号および同第0 773 021号ならびに国際特許明細書番号WO96/12711に記載される化合物のようなm1ムスリカン性コリン作用性レセプターアンタゴニストが挙げられる。本発明に使用する別の種類の抗不安剤は、イオンチャネルに作用する化合物である。この種類の適切な化合物としては、カルバマゼピン、ラモトリジンおよびバルプロエート、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。
【0106】
従って、本発明のさらなる局面において、薬学的組成物は、少なくとも一つの薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、本発明の化合物および抗うつ剤または抗不安剤を含んで提供される。
【0107】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適切な抗精神病薬としては、フェノチアジン(例えば、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、パーフェナジンおよびトリフルオペラジン);チオキサンテン(例えば、クロルプロチキセンまたはチオチキセン);複素環式ジベンザゼピン(例えば、クロザピンまたはオランザピン);ブチロフェノン(例えば、ハロペリドール);ジフェニルブチルピペリジン(例えば、ピモジド);ならびにインドロン(indolone)(例えば、モリンドレン)が挙げられる。他の抗精神病薬としては、ロキサピン(loxapine)、スルピリドおよびリスペリドンが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて用いられる場合、抗精神病薬は、薬学的に受容可能な塩(例えば、塩酸クロルプロマジン、メソリダジンベシレート、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオセキセン、デカン酸ハロペリドール 、コハク酸ロクサピンおよび塩酸モリンドンの形態であり得ることが理解される。パーフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、オランザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドン(risperidone)は一般に、非塩形態で用いられる。
【0108】
本発明の化合物と組み合わせて用いる他の種類の抗精神病薬としては、ドーパミンレセプターアンタゴニスト、特にD2、D3およびD4ドーパミンレセプターアンタゴニスト、ならびにムスカリン性m1レセプターアゴニストが挙げられる。D3ドーパミンレセプターアンタゴニストの例は、化合物PNU−99194Aである。D4ドーパミンレセプターアンタゴニストの例は、PNU−101387である。ムスカリン性m1レセプターアゴニストの例は、キサノメリンである。
【0109】
本発明の化合物と組み合わせて使用する別の種類の抗精神病薬は、5−HT2Aレセプターアンタゴニストであり、この例としては、MDL100907およびファナンセリン(fananserin)が挙げられる。セロトニンドーパミンアンタゴニスト(SDA)が、また本発明の化合物と組み合わせて用いられる。セロトニンドーパミンアンタゴニストは、5−HT2Aと結合し、ドーパミンレセプターアンタゴニスト活性を有すると考えられる。例としては、オランザピンおよびジペラシドンが挙げられる。
【0110】
従って、本発明のさらなる局面において、薬学的組成物は、少なくとも一つの薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、本発明の化合物および抗精神病剤を含んで提供される。
【0111】
本発明の化合物および他の薬理学的に活性な因子は、同時に、連続的にまたは併用して、患者に投与され得る。本発明を組み合わせて用いる場合、本発明の化合物および他の薬理学的に活性な因子は、同一の薬学的に受容可能なキャリアであり得、そのため同時に投与され得ることが理解される。これらは別々の薬学的キャリアで同時に摂取される従来の経口用量形態であり得る。用語「組み合わせ」はさらに、化合物が、別々の用量形態で提供されかつ連続的に投与される場合もいう。
【0112】
本発明はまた、注意欠陥過活動性障害(ADHD)の処置におけるこのような化合物の使用に関する。機能亢進を伴うかまたは伴わないADHD(また注意欠損障害/過活動性症候群(ADD/HS)としても文献中に参照される)は、社会的な状況における衝動性、転導性、不適性の行動ならびに機能亢進によって特徴付けられる状態(または状態の群)である。ADD/HSは、子供において3%〜5%の有病率(DSM−IV診断基準を用いる)を有することが報告されている。この場合のおよそ30%〜60%は、成人期まで持続すると考えられる。この障害は、社会的機能、学習および/または発達を損ない得、そのため現在深刻な問題として認識されている。ADHDを有する多くの子供達は、成人期において他の同等の病的な状態の発生または社会的問題を生じることがさらに認識されている。
【0113】
臨床期間において、三つの主要な臨床的な特徴(不注意、過活動および衝動性)のうちいずれか一つが、二つ以上の状況(例えば、家庭環境および学校環境の両方において)において、持続する場合、ADHDと診断される(American Psychiatric Association.Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第4版(DSM−IV)Washington D.C.;American Psychiatric Association,1994)。
【0114】
ADHDの特に重症の状態は、運動過剰障害と称される。三つの主要な臨床的な特徴(不注意、過活動および衝動性)が、若い年齢から現れており、一つより多くの状況(例えば、家および学校)で持続し、機能を損なう場合、運動過剰障害の診断がなされ得る(The ICD−10 Classification of Mental and Behavioural Disorders:Diagnostic Criteria for Research.Geneva:World Health Organization,1993:155−7)。報告は、200人の子供のうちの一人が、運動過剰障害を罹患することを示す。
【0115】
現在、ほんの僅かの治療剤が存在し、これは、幼児期のADHD処置において有効性を有するとして認識されている;現在、選択薬物としては、デキストロアンフェタミン、ペモリン、および特にメチルフェニデート(Ritalin(登録商標))が挙げられる。抗うつ剤および抗精神病剤の投与(例えば、リスペリドン)はまた、一部の症例においては効果的であり得るが、標準的な処置ではない。メチルフェニデートは、おそらくADHDの処置において最も広範に用いられている薬物であるが、いくつかの不都合を受ける:メチルフェニデートは、規制薬物である:大量に代謝され、錯乱および幻覚を引き起こし得る。さらに、メチルフェニデートは、ADHDの三つの主要な臨床的な特徴のうちの一つ(すなわち、不注意)を処置せず、さらにADHDの子供を正常な状態にしない。
【0116】
本発明の化合物は、最適な薬効を与える投薬量で、このような治療を必要としている患者(動物およびヒト)に投与され得る。任意の特定の用途で使用するのに必要な用量は、選択される特定の化合物または組成物だけでなく、投与経路、治療する病気の性質、患者の年齢および健康状態、併用する医薬品とそれに次いで患者に与えられる特別食、および当業者が認識する他の要因と共に患者ごとに変わり、適当な投薬量は、最終的には、担当医の自由裁量となることが分かる。
【0117】
セロトニンの過剰または欠如に関連した病気(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)の治療では、適当な投薬レベルは、一般に、約0.001〜50mg/患者の体重1kg/日であり、これは、単一用量または複数用量で、投与され得る。もし、経口投与されるなら、その投薬レベルは、約0.01〜約30mg/kg/日(例えば、0.01〜約1、3、5、7、10、15、20、25または30mg/kg/日)であり得る。もし、静脈内投与されるなら、その投薬レベルは、それより幾分少なくされ得る(例えば、0.01〜約0.3、1、3、5、7または10mg/kg/日)。例えば、中枢神経系の障害の治療または予防では、適当な経口投薬レベルは、約0.01〜約30mg/kg/日(例えば、0.01〜約1、3、5、7、10、15、20、25または30mg/kg/日)であり得る。これらの化合物は、1日あたり1〜4回、好ましくは、1日あたり、1回または2回のレジメンで、投与され得る。
【0118】
任意の治療で使用するのに必要な本発明の化合物の量は、選択される特定の化合物または組成物だけでなく、投与経路、治療する病気の性質、患者の年齢および健康状態と共に患者ごとに変わり、適当な投薬量は、最終的には、担当医の自由裁量となることが分かる。
【0119】
本発明の組成物および併用療法は、種々の医薬賦形剤(本明細書中で記述したような安定化剤、担体および/またはカプセル化処方を含めて)と併用して、投与され得る。
【0120】
本発明の水性組成物は、有効量の本発明のペプチド(これは、薬学的に受容可能な担体または水性媒体に溶解または分散されている)を含有する。
【0121】
「薬学的または薬理学的に受容可能な」には、適当に動物またはヒトに投与したとき、好ましくない反応、アレルギー反応または他の有害な反応を生じない分子要素および組成物が含まれる。「薬学的に受容可能な担体」には、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、被覆、抗菌剤および抗真菌剤および吸収遅延剤などが挙げられる。このような媒体および薬剤を薬学的に活性な物質に使用することは、当該技術分野で周知である。任意の通常の媒体が活性成分と非相溶性である場合を除いて、治療組成物でのその使用が考慮されている。これらの組成物には、補助活性成分もまた取り込むことができる。
【0122】
ヒトに投与するには、製剤は、FDA Office of Biologicsの標準により要求される無菌性、発熱性、一般的な安全性および純度の標準を満たすべきである。
【0123】
本発明の組成物および併用療法は、次いで、一般に、非経口投与のために処方される(例えば、静脈内経路、筋肉内経路、皮下経路、病巣内経路または腹腔内経路による注射のために処方される)。本発明の組成物または活性成分を含有する水性組成物の調製は、本開示に照らして、当業者に公知である。典型的には、このような組成物は、液状溶液または懸濁液のいずれかの注射可能物として、調製できる;注射前に液体を加える際に溶液または懸濁液を調製するのに使用するのに適当な固体形状もまた、調製できる;また、これらの製剤は、乳化できる。
【0124】
注射可能用途に適当な製剤形状には、無水水溶液または水性分散液;ゴマ油、落花生油または水性プロピレングリコールを含めた処方;および無菌注射可能溶液または分散液の即席製剤用の無菌粉末が挙げられる。いずれの場合でも、その形状は、無菌でなければならず、また、簡単な注射可能性が存在している程度まで、流動性でなければならない。それは、製造条件および保存条件下にて安定でなければならず、また、微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対して、保存が利かなければならない。
【0125】
遊離塩基または薬理学的に受容可能な塩としての活性化合物の溶液は、界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)と適当に混合した水中で、調製できる。分散液はまた、グリセロール、液状プロピレングリコールおよびそれらの混合物中にて、およびオイル中にて、調製できる。通常の保存条件および使用条件下にて、これらの製剤は、微生物の成長を阻止するために、防腐剤を含有する。
【0126】
本発明の治療組成物または薬理組成物は、一般に、有効量の併用療法の成分を含有し、これは、薬学的に受容可能な媒体に溶解または分散されている。薬学的に受容可能な媒体または担体には、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、被覆、抗菌剤および抗真菌剤および吸収遅延剤などが挙げられる。このような媒体および薬剤を薬学的に活性な物質に使用することは、当該技術分野で周知である。本発明の組成物には、補助活性成分もまた取り込むことができる。
【0127】
薬学的組成物または薬理組成物の調製は、本開示に照らして、当業者に公知である。典型的には、このような組成物は、液状溶液または懸濁液のいずれかの注射可能物として;注射前に液体中の溶液または懸濁液に適当な固体形状として;経口投与用の他の固体の錠剤として;時間放出カプセル剤として;または現在使用される任意の他の形状(クリーム、ローション、うがい薬、吸入薬などを含めて)で、調製され得る。
【0128】
無菌注射可能溶液は、適当な溶媒中の必要量の活性化合物を上で列挙した種々の他の成分と混ぜ合わせることに続いて、必要に応じて、濾過滅菌を行うことにより、調製される。一般に、分散液は、種々の無菌活性成分を無菌ビヒクル(これは、その基本分散媒体および上で列挙したものに由来の必要な他の成分)に取り込むことにより、調製される。無菌注射可能溶液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分の粉末+先に滅菌濾過した溶液に由来の任意の追加所望成分が得られる。
【0129】
筋肉内注射用のさらに濃縮した溶液の調製もまた、考慮される。このことに関して、溶媒としてのDMSOの使用は、非常に急速な浸透が得られて高濃度の活性成分または薬剤を小領域に送達するので、好ましい。
【0130】
手術野における特定の領域を浄化するために外科医、医師または医療従事者が無菌処方(例えば、生理食塩水ベースの洗浄液)を使用することもまた、特に有用であり得る。本発明による治療処方はまた、うがい薬の形状で、または抗真菌薬と併用して、調製され得る。吸入薬の形状もまた、想定される。本発明の治療処方はまた、局所投与に適当な形状(例えば、クリームおよびローション)で調製され得る。
【0131】
このような溶液で使用するのに適当な防腐剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、チメロサールなどが挙げられる。適当な緩衝液には、そのpHを約pH6とpH8の間(好ましくは、約pH7とpH7.5の間)で維持するのに十分な量で、ホウ酸、炭酸水素ナトリウムおよびカリウム、ホウ酸ナトリウムおよびカリウム、炭酸ナトリウムおよびカリウム、酢酸ナトリウム、二リン酸ナトリウムなどが挙げられる。適当な強壮剤には、デキストラン40、デキストラン70、ブドウ糖、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコール、塩化ナトリウムなどがあり、その結果、この眼科溶液の塩化ナトリウム当量は、0.9±0.2%の範囲である。適当な酸化防止剤および安定化剤には、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、チオ尿素などが挙げられる。適当な湿潤剤および浄化剤には、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282およびチロキサポールが挙げられる。適当な粘度増加剤には、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ワセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
【0132】
処方すると、その投薬処方に適合する様式で、薬理学的に有効な量で、治療が施される。これらの処方は、種々の剤形(例えば、上記型の注射可能溶液)で容易に投与されるが、薬剤放出カプセル剤などもまた、使用できる。
【0133】
これに関連して、活性成分の量および投与する組成物の容量は、治療するホスト動物に依存している。投与に必要な活性化合物の正確な量は、医師の判断に依存しており、各個人に特有である。
【0134】
典型的には、これらの活性成分を分散するのに必要な最小容量の組成物が使用される。適当な投与レジメンもまた可変であるが、まず、この化合物を投与し、それらの結果をモニターし、次いで、さらに間隔を置いて、さらに制御した用量を与えることにより、類型化される。例えば、非経口投与には、適当に緩衝化し必要に応じて等張性の水溶液が調製され、そして静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与または腹腔内投与に使用される。1投薬量が等張性NaCl溶液1mlに溶解され、そして皮下注入液1000mlに加えられるか、または提案された注入部位で注射されるか、いずれかである(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 15th Edition,pages 1035−1038および1570−1580を参照)。
【0135】
ある実施態様では、活性化合物は、経口的に投与され得る。これは、消化酵素によるタンパク質分解に一般に抵抗性であるか抵抗性にした薬剤に対して、考慮される。このような化合物には、化学的に設計または変性された薬剤;右旋性ペプチド;およびペプチダーゼ分解およびリパーゼ分解を避けるための時間放出カプセル剤中のペプチドおよびリポソーム処方が挙げられる。
【0136】
薬学的に受容可能な塩には、酸付加塩が挙げられ、これは、無機酸(例えば、塩酸またはリン酸)または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などのような有機酸を使って形成される。遊離カルボキシル基を使って形成される塩もまた、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化鉄)およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から誘導できる。
【0137】
この担体はまた、溶媒または分散媒体(これは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコール)、それらの適当な混合物、および植物油を含有する)であり得る。適当な流動性は、例えば、被覆(例えば、レシチン)を使用することにより、分散液の場合に必要な粒径を維持することにより、また、界面活性剤を使用することにより、維持できる。微生物の作用の阻止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)により、誘発できる。多くの場合、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含めることが好ましい。これらの注射可能組成物の長期的な吸収は、薬剤遅延吸収組成物(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することにより、誘発できる。
【0138】
無菌注射可能溶液は、適当な溶媒中の必要量の活性化合物を上で列挙した種々の他の成分と混ぜ合わせることに続いて、必要に応じて、濾過滅菌を行うことにより、調製される。一般に、分散液は、種々の無菌活性成分を無菌ビヒクル(これは、その基本分散媒体および上で列挙したものに由来の必要な他の成分)に取り込むことにより、調製される。無菌注射可能溶液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分の粉末+先に滅菌濾過した溶液に由来の任意の追加所望成分が得られる。
【0139】
直接注射用のさらに濃縮した溶液の調製もまた、考慮され、この場合、溶媒としてのDMSOの使用は、非常に急速な浸透が得られて高濃度の活性成分または薬剤を小領域に送達するので、好ましい。
【0140】
処方すると、その投薬処方に適合する様式で、治療に有効な量で、溶液が投与される。これらの処方は、種々の剤形(例えば、上記型の注射可能溶液)で容易に投与されるが、薬剤放出カプセル剤などもまた、使用できる。
【0141】
水溶液中での非経口投与には、例えば、この溶液は、必要に応じて、適当に緩衝化され、その液状希釈剤は、まず、十分な生理食塩水またはグルコースで等張性にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与または腹腔内投与に特に適当である。これに関して、使用できる無菌水性媒体は、本開示に照らして、当業者に公知である。
【0142】
非経口投与(例えば、静脈内注射または筋肉内注射)に処方される化合物に加えて、他の薬学的に受容可能な形状には、例えば、錠剤または経口投与用の他の形状;リポソーム処方;時間放出カプセル剤;および現在使用される他の形状(クリームを含めて)が挙げられる。
【0143】
他の投与様式に適当な追加処方には、座剤が挙げられる。座剤、伝統的な結合剤および担体には、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドが挙げられ得る;このような座剤は、0.5%〜10%、好ましくは、1%〜2%の範囲の活性成分を含有する混合物から形成され得る。
【0144】
経口処方には、通常使用される賦形剤(例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなど)が挙げられる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル剤、徐放処方または粉剤の形状をとる。
【0145】
規定した特定の実施態様では、経口薬学的組成物は、不活性希釈剤または吸収できる食用担体を含有するか、または硬質または軟質殻のゼラチンカプセルに閉じ込められ得るか、または錠剤に圧縮され得るか、または常食に直接組み入れられ得る。経口治療投与には、これらの活性化合物は、賦形剤に取り込まれ得、そして経口摂取可能錠剤、舌下錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハなどの形状で使用され得る。このような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべきである。これらの組成物および製剤の割合は、もちろん、変えられ得、そして好都合には、その単位の重量の約2%〜約75%、または好ましくは、25〜60%の間であり得る。このような治療に有用な組成物中の活性化合物の量は、適当な投薬量が得られるようにされる。
【0146】
これらの錠剤、トローチ、丸薬、カプセル剤などはまた、以下を含有し得る:結合剤(例えば、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン);賦形剤(例えば、リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸など);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);および甘味料(例えば、スクロース、ラクトースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、冬緑油またはサクランボ香味)。その剤形がカプセルであるとき、それは、上記種類の物質に加えて、液状担体を含有し得る。種々の他の物質は、被覆として存在し得るか、またはその投薬単位の物理的形状を変える。例えば、錠剤、丸薬またはカプセル剤は、セラック、糖またはそれらの両方で被覆され得る。エリキシル剤のシロップは、甘味料としての活性化合物スクロース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料および香味料(例えば、サクランボ香味またはオレンジ香味)を含有し得る。
【0147】
本発明の薬学的組成物は、外部用途、腸内用途または非経口用途に適当な有機または無機担体または賦形剤と混合して、例えば、固体、半固体または液体形状の医薬製剤(これは、本発明の化合物の1種またはそれ以上を含有する)で使用され得る。その活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル剤、座剤、溶液、乳濁液、懸濁液および任意の他の使用に適当な形状の通常の非毒性で薬学的に受容可能な担体と配合され得る。使用できる担体には、固体、半固体または液体形状で、水、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプン糊、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイドシリカ、ポテトスターチ、尿素および製剤の使用に適当な他の担体があり、さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤および着色剤および芳香剤が使用され得る。この薬学的組成物には、疾患の進行または状態に所望の効果を生じるのに十分な量で、活性対象化合物が含まれる。
【0148】
錠剤のような固形組成物を調製するには、その主要な活性成分は、医薬担体(例えば、通常の錠剤化成分(例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはゴム)および他の医薬希釈剤(例えば、水))と混合されて、固形予備処方組成物(これは、本発明の化合物またはそれらの非毒性で薬学的に受容可能な塩の均一混合物を含有する)を形成する。これらの予備処方組成物を均一であると呼ぶとき、その組成物が有効な単位剤形(例えば、錠剤、丸薬およびカプセル剤)に等しく容易に細分され得るように、この組成物全体にわたって分散されていることを意味する。この固形予備処方組成物は、次いで、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含有する上記型の単位剤形に細分される。この新規組成物の錠剤または丸薬は、長期的な作用があるという有利な点を与える剤形を生じるように被覆または配合できる。例えば、この錠剤または丸薬は、内部投薬成分および外部投薬成分を含有でき、後者は、前者を覆うエンベロープの形状である。これらの2種の成分は、腸溶層(これは、胃での崩壊に抵抗して内部成分を無傷で十二指腸に通すか放出を遅らせるのに役立つ)により、分離できる。このような腸溶層または被覆には、種々の物質が使用でき、このような物質には、多数の高分子酸および高分子酸とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような物質との混合物が挙げられる。
【0149】
本発明の組成物が経口投与または注射用に取り込まれ得る液体形状には、水溶液、適当な香味を付けたシロップ、水性またはオイル懸濁液、および適当なオイル(例えば、綿実油、ゴマ油、やし油または落花生油)との乳濁液、または静脈内用途に適当な溶解剤または乳化剤だけでなくエリキシルおよび類似の医薬ビヒクルとの乳濁液が挙げられる。水性懸濁液に適当な分散剤または懸濁剤には、合成ゴムおよび天然ゴム(例えば、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはゼラチン)が挙げられる。
【0150】
吸入またはガス注入用の組成物には、薬学的に受容可能な水性溶媒または有機溶媒またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、および粉末が挙げられる。これらの液体組成物または固体組成物は、上で述べたような適当な薬学的に受容可能な賦形剤を含有し得る。好ましくは、これらの組成物は、局所効果または全身効果を得るために、経口または鼻内呼吸経路により、投与される。好ましくは、無菌の薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスを使用することにより、噴霧され得る。噴霧した溶液は、噴霧装置から直接呼吸され得るか、または噴霧装置は、フェースマスク、テントまたは断続的正圧呼吸機器に装着され得る。溶液、懸濁液または粉末組成物は、その処方を適当な様式で送達する装置から、好ましくは、経口または鼻内投与され得る。
【0151】
上で述べた臨床病および疾患を治療するために、本発明の化合物は、通常の非毒性で薬学的に受容可能な担体、補助剤およびビヒクルを含有する剤形処方で、経口的、局所的、非経口的、吸入噴霧または直腸的に投与され得る。本明細書中で使用する非経口的との用語には、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、幹内(intrastemal)注射または注入技術が含まれる。
【0152】
本発明の化合物を調製する方法は、以下の実施例で説明する。以下の実施例は、本発明の範囲または精神を限定するのではなく、本発明を例示する目的で示されている。
【0153】
(アリールピペラジニルスルホンアミド化合物の合成)
以下のスキームにより、本発明のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物を合成した。
【0154】
(スキーム1)
【0155】
【化7】
(スキーム2)
【0156】
【化8】
(スキーム3)
【0157】
【化9】
(スキーム4)
【0158】
【化10】
(スキーム5)
【0159】
【化11】
(スキーム6)
【0160】
【化12】
(スキーム7)
【0161】
【化13】
(スキーム8)
【0162】
【化14】
(スキーム9)
【0163】
【化15】
(スキーム10)
【0164】
【化16】
【0165】
(スキーム11)
【化17】
(スキーム12)
【0166】
【化18】
(スキーム13)
【0167】
【化19】
(調製1)
【0168】
【化20】
アミノアルコール1(1.0g、11.0mmol)の無水塩化メチレン(25mL)氷冷溶液に、N2下にて、Et3N(6.1mL、44.0mmol)を加え、続いて、塩化トシル(5.3g、28.0mmol)を加えた。その混合物を、0℃で、3時間攪拌し、次いで、冷NaHCO3飽和水溶液(15mL)を加え、その有機相を水(3×15mL)で洗浄した。この有機層をMgSO4で乾燥し、そして濾過し、減圧下にて溶媒を除去して、赤褐色残留物を得た。この粗製物質を、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
【実施例】
【0169】
(実施例1)
【0170】
【化21】
THFまたはCH3CN(500ml)中の1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン(3.4g、16.4mmol);調製1の生成物、4−メチルベンゼンスルホン酸4−(トシルアミノ)ブチル(7.8g、19.6mmol);トリエチルアミン(2.4g、23.7mmol)の混合物を、窒素下にて、室温で、48時間攪拌した。その反応混合物をジクロロメタンで希釈し、そして10%炭酸ナトリウム水溶液(2×200mL)および水(2×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを除去した後、減圧下にて溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、ジクロロメタン−メタノール(100:2)を使用する)で精製して、5.4g(収率76%)の表題化合物4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0171】
【化22】
(実施例2)
【0172】
【化23】
実施例1の生成物(150mg、0.35mmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶液に、室温で、2M塩酸エーテル溶液2mMを加えた。その沈殿物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、そして一晩真空乾燥して、黒色固形生成物(168mg、収率95%)として、実施例1の生成物の塩を得た。
【0173】
【化24】
(調製2)
【0174】
【化25】
塩化スズ(3.5g、18.5mmol)のメタノール(50mL)および濃塩酸(10mL)溶液に、−10℃で、実施例1の生成物(800mg、1.85mmol)のメタノール(50mL)溶液を一度に加えた。その反応混合物を室温まで温め、その反応がTLCで決定したときに完結するまで、攪拌した。この反応物を、10%炭酸ナトリウム溶液(200mL)を加えることによりクエンチし、そしてジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下にて蒸発させた。その残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液としてジクロロメタン−メタノール(100:2)を使用する)で分離して、表題化合物である3−(4−(4−(トシルアミノ)ブチル)ピペラジン−1−イル)ベンゼンアミン(670mg、収率90%)を得た。その還元もまた、Pd/C触媒を使う水素化により、行った。それにより、所望生成物が得られた。
【0175】
【化26】
(実施例3)
【0176】
【化27】
調製2の生成物(31mg、0.077mmol)のジクロロメタン(3mL)およびピリジン(2mL)溶液に、0℃で、塩化シクロプロパンカルボニル(8.1mg、0.077mmol)を加えた。その混合物を、室温で、一晩攪拌し、そして減圧下にて、揮発性物質を除去した。その残留物をジクロロメタンで希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2×100mL)および水(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:MeOH/CH2Cl2=1:100)で精製して、表題化合物であるシクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド(27mg、収率75%)を得た。そのアシル化もまた、無水物を使用することにより行い、所望生成物を得た。
【0177】
【化28】
(実施例4)
【0178】
【化29】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例3の生成物と塩化水素とり反応を行うと、実施例3の化合物の塩として、所望の白色固形生成物が得られた。
【0179】
【化30】
(実施例5)
【0180】
【化31】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化イソブチリルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミドが得られた。
【0181】
【化32】
(実施例6)
【0182】
【化33】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化ブチリルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミドが得られた。
【0183】
【化34】
(実施例7)
【0184】
【化35】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化2,2−ジメチル−プロピオニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物である2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドが得られた。
【0185】
【化36】
(実施例8)
【0186】
【化37】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0187】
【化38】
(実施例9)
【0188】
【化39】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例8の生成物と塩化水素とを反応させると、実施例8の生成物の塩として、所望の白色固形物が得られた。
【0189】
【化40】
(実施例10)
【0190】
【化41】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化プロピオニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドが得られた。
【0191】
【化42】
(実施例11)
【0192】
【化43】
ジクロロメタン(5ml)中の調製2の生成物(31mg、0.077mmol)およびピリジン(2ml)の混合物に、0℃で、塩化メタンスルホニル(0.008mL、0.10mmol)を加えた。この混合物を、室温で、一晩攪拌し、そして真空下にて、乾燥状態まで濃縮した。得られた残留物をジクロロメタンで希釈し、そして炭酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)で精製すると、白色固形物として、36mg(97%)の所望生成物N−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0193】
【化44】
(実施例12)
【0194】
【化45】
実施例11で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化プロパン−2−スルホニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物である4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0195】
【化46】
(実施例13)
【0196】
【化47】
実施例11で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化エタンスルホニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0197】
【化48】
(実施例14)
【0198】
【化49】
実施例1で記述したようにして、1−フェニル−ピペラジンと調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物である4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0199】
【化50】
(実施例15)
【0200】
【化51】
実施例1で記述したようにして、2−ピペラジン−1−イル−ピリミジンと調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物である4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0201】
【化52】
(実施例16)
【0202】
【化53】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例15の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例15の化合物の塩が得られた。
【0203】
【化54】
(実施例17)
【0204】
【化55】
実施例1で記述したようにして、1−ピリジン−2−イル−ピペラジンと調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物である4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0205】
【化56】
(実施例18)
【0206】
【化57】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例17の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例17の化合物の塩が得られた。
【0207】
【化58】
(調製3)
【0208】
【化59】
クロロベンゼン(300mL)中の2−メトキシ−5−ニトロ−フェニルアミン(16.8g、0.1mol)、ビス−(2−クロロ−エチル)−アミン塩酸塩(17.8g、0.1mol)および炭酸カリウム(69g、0.5mol)の混合物を48時間還流し、水で洗浄した。その水相をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH)で精製して、所望生成物である1−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)ピペラジン(10.7g、45%)を得た。
【0209】
【化60】
(実施例19)
【0210】
【化61】
実施例1で記述したようにして、調製3の生成物と調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物であるN−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0211】
【化62】
(調製4)
【0212】
【化63】
調製1で記述したようにして、塩化トシルとピペリジン−4−イル−メタノールとを反応させると、所望化合物である4−メチルベンゼンスルホン酸(1−トシルピペリジン−4−イル)メチルが得られ、これを、さらに精製することなく、使用した。
【0213】
(実施例20)
【0214】
【化64】
実施例1で記述したようにして、1−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンと調製4の生成物とを反応させると、所望化合物である1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジンが得られた。
【0215】
【化65】
(実施例21)
【0216】
【化66】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例20の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例20の化合物の塩が得られた。
【0217】
【化67】
(調製5)
【0218】
【化68】
調製1で記述したようにして、(4−ヒドロキシ−ブチル)−カルバミン酸第三級ブチルエステルと塩化トシルとを反応させると、所望化合物が得られ、これを、さらに精製することなく、使用した。
【0219】
(調製6)
【0220】
【化69】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンと調製5の生成物とを反応させると、所望化合物である4−(4−(3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブチルカルバミン酸第三級ブチルが得られた。
【0221】
【化70】
(調製7)
【0222】
【化71】
調製6の生成物(14.0g、0.037mol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、0℃で、トリフルオロ酢酸(10mL、0.13mol)を加えた。得られた溶液をさらに2時間攪拌した。減圧下にて溶媒を蒸発させた。残留物をジエチルエーテル(100mL)で洗浄した。沈殿物を乾燥して、収率90%で、生成物である4−(4−(3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタン−1−アミン(16.85g)を得た。
【0223】
【化72】
この反応はまた、ジオキサン中の塩化水素を使用することにより行い、所望生成物を得た。
【0224】
(調製8)
【0225】
【化73】
調製7の生成物(0.5mmol)のジクロロメタン(25mL)およびトリエチルアミン(0.75mmol)溶液に、0℃で、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニル(0.5mmol)を加えた。その混合物を、0℃で、2〜3時間攪拌し、そして減圧下にて、揮発性物質を除去した。その残留物をジクロロメタンで希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2×15mL)および水(2×15mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した後、その残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/CH2Cl2)で精製して、表題化合物(収率75〜88%)を得た。
【0226】
【化74】
(調製9)
【0227】
【化75】
調製2で記述したようにして、調製9の生成物と触媒としての塩化スズまたはPd/Cとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0228】
【化76】
(調製10)
【0229】
【化77】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製9の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドが得られた。
【0230】
【化78】
(実施例22)
【0231】
【化79】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製10の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製10の化合物の塩が得られた。
【0232】
【化80】
(調製11)
【0233】
【化81】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製9の生成物と塩化シクロプロパンカルボニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるシクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アミドが得られた。
【0234】
【化82】
(実施例23)
【0235】
【化83】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製11の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製11の生成物の塩が得られた。
【0236】
【化84】
(調製12)
【0237】
【化85】
調製8で記述したようにして、塩化プロパン−2−スルホニルと調製7の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0238】
【化86】
(調製13)
【0239】
【化87】
調製2で記述したようにして、調製9の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0240】
【化88】
(調製14)
【0241】
【化89】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製13の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0242】
【化90】
(実施例24)
【0243】
【化91】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製14の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製14の生成物の塩が得られた。
【0244】
【化92】
(調製15)
【0245】
【化93】
調製8で記述したようにして、塩化2−メチル−プロパン−1−スルホニルと調製7の生成物とを反応させることにより、所望生成物が得られた。その粗混合物を、さらに精製することなく、還元に使用した。
【0246】
【化94】
(調製16)
【0247】
【化95】
調製2で記述したようにして、調製15の生成物と塩化スズとを反応させるか、または触媒としてPd/Cを使用して調製15の生成物を水素化すると、所望生成物が得られた。
【0248】
【化96】
(調製17)
【0249】
【化97】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製16の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0250】
【化98】
(実施例25)
【0251】
【化99】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製17の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製17の生成物の塩が得られた。
【0252】
【化100】
(調製18)
【0253】
【化101】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、シクロヘキサンスルホン酸{4−[4−(3−アミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−アミドと塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドが得られた。
【0254】
【化102】
(実施例26)
【0255】
【化103】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製18の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製18の生成物の塩が得られた。
【0256】
【化104】
(調製19)
【0257】
【化105】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンとトルエン−4−スルホン酸4−(第三級ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ブチルエステルとを反応させると、所望化合物が得られた。
【0258】
【化106】
(調製20)
【0259】
【化107】
調製7で記述したようにして、調製19の生成物とTFAとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0260】
【化108】
(調製21)
【0261】
【化109】
調製8で記述したようにして、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニルと調製20の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0262】
【化110】
(調製22)
【0263】
【化111】
調製2で記述したようにして、調製21の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0264】
【化112】
(調製23)
【0265】
【化113】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製22の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0266】
【化114】
(実施例27)
【0267】
【化115】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製23の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製23の生成物の塩が得られた。
【0268】
【化116】
(調製24)
【0269】
【化117】
調製8で記述したようにして、塩化2−メチル−プロパン−1−スルホニルと調製20の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0270】
【化118】
(調製25)
【0271】
【化119】
調製2で記述したようにして、調製24の生成物と塩化スズとを反応させるか、または触媒としてPd/Cを使用して調製24の生成物を水素化すると、所望生成物が得られた。
【0272】
【化120】
(調製26)
【0273】
【化121】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製25の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0274】
【化122】
(実施例28)
【0275】
【化123】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製26の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製26の生成物の塩が得られた。
【0276】
【化124】
(調製27)
【0277】
【化125】
実施例1で記述したようにして、1−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンと調製5の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0278】
【化126】
(調製28)
【0279】
【化127】
調製7で記述したようにして、調製27の生成物とTFAとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0280】
【化128】
(実施例29)
【0281】
【化129】
調製8で記述したようにして、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニルと調製28の生成物とを反応させると、所望生成物であるC−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドが得られた。
【0282】
【化130】
(実施例30)
【0283】
【化131】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例29の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例29の生成物の塩が得られた。
【0284】
【化132】
(調製29)
【0285】
【化133】
調製8で記述したようにして、{3−[4−(4−アミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−ジメチル−アミンとシクロヘキシル−塩化メタンスルホニルとを反応させると、所望生成物であるC−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドが得られた。
【0286】
【化134】
(実施例31)
【0287】
【化135】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製29の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製29の生成物の塩が得られた。
【0288】
【化136】
(調製30)
【0289】
【化137】
実施例1で記述したようにして、1−ピリジン−2−イル−ピペラジンと調製5の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0290】
【化138】
(調製31)
【0291】
【化139】
調製7で記述したようにして、調製30の生成物とTFAとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0292】
【化140】
(調製32)
【0293】
【化141】
調製8で記述したようにして、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニルと調製31の生成物とを反応させると、所望生成物であるC−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミドが得られた。
【0294】
【化142】
(実施例32)
【0295】
【化143】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製32の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製32の生成物の塩が得られた。
【0296】
【化144】
(調製33)
【0297】
【化145】
実施例1で記述したようにして、ジメチル−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチルエステルとを反応させると、所望生成物である(3−{{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミンが得られた。
【0298】
【化146】
(実施例33)
【0299】
【化147】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製33の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製33の生成物の塩が得られた。
【0300】
【化148】
(調製34)
【0301】
【化149】
実施例1で記述したようにして、1−ピリジン−2−イル−ピペラジンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチルエステルとを反応させると、所望生成物である1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジンが得られた。
【0302】
【化150】
(実施例34)
【0303】
【化151】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製34の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製34の生成物の塩が得られた。
【0304】
【化152】
(調製35)
【0305】
【化153】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチルエステルとを反応させると、所望化合物が得られた。
【0306】
【化154】
(調製36)
【0307】
【化155】
調製2で記述したようにして、調製35の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0308】
【化156】
(調製37)
【0309】
【化157】
実施例3で記述したようにして、調製36の生成物と塩化アセチルとを反応させると、所望生成物であるN−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0310】
【化158】
(実施例35)
【0311】
【化159】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製37の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製37の生成物の塩が得られた。
【0312】
【化160】
(調製38)
【0313】
【化161】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチルエステルとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0314】
【化162】
(調製39)
【0315】
【化163】
調製2で記述したようにして、調製38の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0316】
【化164】
(調製40)
【0317】
【化165】
実施例3で記述したようにして、調製39の生成物と塩化アセチルとを反応させると、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0318】
【化166】
(実施例36)
【0319】
【化167】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製40の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製40の生成物の塩が得られた。
【0320】
【化168】
(調製41)
【0321】
【化169】
調製8で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−4−ピペリジン−4−イルメチル−ピペラジンTFA塩と塩化プロパン−2−スルホニルとを反応させることにより、所望生成物が得られた。
【0322】
【化170】
(調製42)
【0323】
【化171】
調製2で記述したようにして、調製41の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0324】
【化172】
(調製43)
【0325】
【化173】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製42の生成物と塩化アセチルとを反応させることにより、白色固形物として、所望生成物が得られた。
【0326】
【化174】
(実施例37)
【0327】
【化175】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製43の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物であるN−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0328】
【化176】
(調製44)
【0329】
【化177】
調製8で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−4−ピペリジン−4−イルメチル−ピペラジンTFA塩とシクロヘキシル−塩化メタンスルホニルとを反応させることにより、所望生成物が得られた。
【0330】
【化178】
(調製45)
【0331】
【化179】
調製2で記述したようにして、調製44の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0332】
【化180】
(調製46)
【0333】
【化181】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製45の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドが得られた。
【0334】
【化182】
(実施例38)
【0335】
【化183】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製46の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製46の生成物の塩が得られた。
【0336】
【化184】
(実施例39)
(アリールピペラジニルスルホンアミド化合物の活性)
上記合成に従って、本発明のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物を製造し、それらの活性および選択性を決定した。これらの化合物には、以下がある:4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHCl塩;シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミド;2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド、(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミン、1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジン、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イルフェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド、N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミド、および1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジン。
【0337】
これらの化合物は、(例えば、約0.1〜約10μMの濃度で)活性であり、そして選択性5−HT1Aモジュレーターであることが発見された。
【0338】
試験データは、表1で示す。従って、これらの化合物は、例えば、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある多種多様な臨床病(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療する際に、5−HT1Aレセプタモジュレーターとして有用であると予想される。このような病気には、以下が挙げられる:摂食障害、精神分裂病、神経痛および嗜癖性障害;強迫性障害、パニック障害、中枢神経系ならびに睡眠および食物吸収の障害により引き起こされる性的機能不全、アルコール依存症、疼痛、記憶欠損、単極性鬱病、気分変調、双極性鬱病、治療耐性鬱病、医学的病気における鬱病、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、対人恐怖、月経前不快気分障害、鬱病またはより詳細には抑鬱性障害のような気分障害(例えば、単一エピソード性もしくは再発性の大鬱病性障害および気分変調性障害)、または双極性障害(例えば、双極性I障害、双極性II障害および循環気質);広場恐怖症を伴うかまたは伴わないパニック障害のような不安障害、パニック障害の病歴を有さない広場恐怖症、特定の恐怖症(例えば、特定の動物恐怖症、対人恐怖症、心的外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害)および全般性不安障害、;精神分裂病および他の精神障害(例えば、分裂病様障害、統合失調感情性障害、妄想性障害、短期精神障害、共有精神病障害および妄想または幻覚を伴う精神病性障害);精神錯乱、痴呆、および健忘症ならびに他の認知障害または神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、老年性痴呆、アルツハイマー型の痴呆、血管性痴呆、および例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病に起因するか、または複数の病因に起因する他の痴呆;パーキンソン病および薬物誘導性運動障害、例えば、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群、神経弛緩薬悪性症候群、神経弛緩薬誘導性急性失調症、神経弛緩薬誘導性急性静座不能、神経弛緩薬誘導性遅発性ジスキネジーおよび薬物誘導性姿勢振せんのような他の錐体外運動障害;アルコール、アンフェタミン(もしくはアンフェタミン様物質)カフェイン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入剤およびエアゾール噴霧剤、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン誘導体、鎮静薬、睡眠薬、および抗不安薬の使用から生じる物質関連障害であって、この物質関連障害としては、依存性および乱用性、中毒、禁断症状、中毒せん妄、禁断症状せん妄、残存性痴呆、精神障害、気分障害、不安障害、性機能不全および睡眠障害;てんかん;ダウン症候群;MSおよびALSのような脱髄疾患および末梢神経障害のような他の神経病理学的な障害(糖尿病および化学療法誘導型神経障害)、および処置後の神経痛、三叉神経痛、分節性神経痛または肋間神経痛および他の神経痛;そして脳梗塞、クモ膜下出血または脳水腫のような急性または慢性の脳血管損傷に起因する大脳の血管障害が挙げられる。
【0339】
【表1−1】
【0340】
【表1−2】
【0341】
【表1−3】
5−HTアゴニストのような本発明の化合物の適合性をさらに示すために、本発明のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド(「化合物A」)を、以下に示す複数の標準試験を用いて実験動物で調べた。
【0342】
(実施例40)
(インビボでの代表的なアリールピペラジニルスルホンアミド化合物の活性−不安および運動活性の評価)
この実験において、本発明の化合物、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)を、マウスの不安および運動活性の動物モデルで調べた。この化合物の効果を、短期間の経口投与の後調べた。マウスに経口投与された化合物Aは、高架式十字迷路法およびストレス誘発高体温試験によって、行動的におよび生理学的にそれぞれ測定される抗不安剤様の効果を示した。化合物Aの最高用量(すなわち、20 mg/kg)は、ストレス誘発高体温試験において有効であったが、より少ない用量(すなわち、3mg/kg)は、高架式十字迷路法において有効であった。これは、この化合物の異なる用量が、ストレス−誘導型の不安の異なる局面を標的とし得ることを示唆し得る。
【0343】
基準化合物のクロルジアゼポキシドおよびブスピロンと対照的に、化合物Aは、オープンフィールドおよび高架式十字迷路において影響がないことによって示されるような一般的な運動活性を変化させなかった。これは、化合物Aが、これらのモデルにおいて好ましいプロフィールを示し得ることを示唆する。
【0344】
(材料および方法)
(動物)
若い成体の雄のC57Bl6/Jマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor,Maine由来)を、高架式十字迷路法に用いた;129 svevマウス(Taconic,Germantown,NY由来)を、ストレス誘発高体温試験、オープンフィールド試験および尾懸垂試験に用いて、そしてDBA/2Jマウス(Jackson Laboratory,Bar Harbor,Maine由来)を、強制水泳試験に用いた。全てのマウスを6週齢で受け入れ、特有の識別番号を割り当てた。動物を、上部にフィルターを備えるポリカーボネートのケージ内に、1ケージあたり4匹ごと収容し、尾の標識によってケージの他の個体との識別を維持した。動物を、7日間順応させ、適宜食物および水を与えた。マウスを、8週齢で試験を開始する前に調べ、適切な健康状態および適合性であることを確認した。研究の過程の間、12時間の明期/12時間の暗期の周期を、午前7時に明かりを付けて維持した。室温を、30%と70%との間に維持した相対湿度で20℃と23℃との間に維持した。固形飼料および水を適宜与えた。
【0345】
各試験において、動物を、処置群にランダムに割り当て、ケージ数ごとに調節した。10匹の動物を、各処置群に用いた。オープンフィールド研究のマウスおよびストレス誘発高体温研究のマウスを、試験前に連続して2日間、1日1回操作した。高架式十字迷路実験に割りたてたマウスは、試験時のストレスレベルを増加させるために操作しなかった。
【0346】
(薬物)
以下の化合物をこの研究に用いた:
試験化合物:
N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)(1mg/kg、3mg/kgおよび20mg/kg)(ロット番号DC−006−022−L2、C23H38N4O3S2HCL、ミリグラム単位の塩で表現された用量)
基準化合物:
バスピロン(3mg/kg、10mg/kgおよび20mg/kg、Sigma、ロット番号101H0402)
塩酸セルトラリン(5mg/kg、20mg/kg、Pfizerより寄贈品として受けたCP−51、974−01、ロット番号047451−029−19)
クロルジアゼポキシド(CDP、10mg/kg、Sigma、ロット番号94H1023)
全ての化合物を、賦形剤コントロールとして用いた注射用の滅菌水に溶解した。全ての溶液を、実験の当日に調製した。化合物Aを、全ての試験において10ml/kg体重量の容量で経口的に(PO)動物に与えた;全ての基準化合物を、高架式十字迷路(EPM)法およびオープンフィールド(OF)試験において経口的に与えたブスピロンを除いて、動物の腹腔内(IP)に与えた。尾懸垂(TS)試験を除いて全ての試験において、薬物を、短期間投与した;TS試験において、化合物Aを、試験する前に、3日間(試験日を含む)1日1回、投与した。30分間の前処置時間を、SIHを除く全ての試験において用いた。SIHの場合の化合物は、試験の1時間前に動物に与えた。
【0347】
(方法)
全ての実験を、午前9時と午後5時との間の明周期の下、周囲温度で、40日間実施した。結果を、自動的に記録し、マイクロコンピューターによって処理した;または個々のデータシートに手動で、1項目ごとに記載しかつ立証した。
【0348】
(高架式十字迷路(EPM))
高架式十字迷路は、一般にげっ歯類動物の不安を調べるための試験である。この迷路は、中心に四角形のプラットホーム(6cm×6cm)を有し、十字を形成する二つの閉鎖したアーム(l×w×h:15cm×6cm×30cm)および二つの開放したアーム(6cm w×30cm l)からなる。げっ歯類は生来、開放空間を恐れ、閉鎖したアームでより多くの時間を過ごす傾向がある。抗不安剤は、開放空間のこの恐れを減じ、開放アームで過ごす時間を増加させる。全ての見えている面は、黒色のアクリルからなる。迷路の各アームを、床より50cm上の支持カラムに配置する。光度は、開放アーム上で約100luxであり、閉鎖アーム上で約70luxであった。動物を、試験前の少なくとも1時間前に、実験室のホームケージ(食物および水を得られ得る)に運んだ。マウスを、開放アームに向かう高架式十字迷路の中心に配置し、1回5分間の試験を1回試験した。開放アーム/閉鎖アーム内での時間および開放アーム/閉鎖アームへ侵入した回数を、ビデオカメラを用いて記録し、不安の指標として用いた。マウスを、試験後ホームケージに戻し、次いでコロニー室へと戻した。
【0349】
(ストレス誘発高体温(SIH))
マウスは、ストレスに対して生来、体温上昇反応を有し、ストレス誘発不安の指標として提唱されている(Olivier,Zethof,Ronken & van der Heyden,European Journal of Pharmacology 342(2−3):177−82,1998)。抗不安剤は、ストレスに対するこの体温上昇反応を減少させることが公知である。この試験は、10分間以内に同一の動物における繰返し2回の直腸温の測定を含む。試験する前の日に、動物を、予定された消灯の1時間前に実験室に運び、適宜食物および水を伴い一晩、一匹ずつ収容した。実験日の朝に、動物に最初に、治療化合物または賦形剤の注射をした。処置後1時間、この動物を、保持ケージから取り出し、仰臥位に維持し、PhysiTemp温度計(Fisher Scientific)に取り付けた直腸プローブを用いることによって直腸温度を測定した。試験した各動物について、直腸プローブを、アルコールパッドを用いて洗浄し、滅菌したK−Yゼリーを用いて潤滑し、動物の直腸に約3mm〜5mmの長さをゆっくりと挿入した。このプローブを、約5秒間または体温が安定するまで動物の直腸内にとどめ、ベースラインの直腸温度(T1)を、記録した。この動物を、保持ケージへすぐに戻し、10分間の間隔の後、第二の直腸温度(T2)を、T1と同一の手順を用いて得た。次いで、この動物を、保持ケージへ戻し、そして実験完了時に、コロニー室へ戻した。
【0350】
(オープンフィールド(OF))
オープンフィールド運動モニタリングシステム(Med Associates,Inc.)は、一般的な自発運動を測定した。この試験を、標準的な照明条件(400ルクス)下で行った。マウスを実験室に運び込み、少なくとも1時間順化させた。処置の30分後、各マウスを、動物の運動を自動的にモニタリングする赤外線ビームアレイを備える試験用囲い(l×w×h:27cm×27cm×20cm)中に配置した。バランスのとれた処置をされた8匹の動物を、一度に試験した。この試験セッションを40分間続け、そして動物をこのセッションの終わりにホームケージに戻した。この試験の重要な尺度としては、歩行運動(移動した合計距離)、立ち上がり(垂直的な運動)、中央進入(center entry)の回数およびOF領域の中央領域で費やした時間百分率が挙げられる。
【0351】
(統計学的分析)
全てのデータを、試験物質で処置された群と、ビヒクルコントロール群または参照処置群とを比較することによって分析した。統計学的分析を、ANOVAによって行い、続いて必要に応じてフィッシャーのポストホック(post−hoc)試験によって行った。0.05未満のPは、有意差があると考えられた。データは、平均および平均に対する標準誤差(s.e.m)として表される。
【0352】
(結果)
(高架式十字迷路(Elevated Plus Maze))
参照化合物CDPおよび試験物質化合物Aは、オープンアーム(open arm)において費やした時間の増大およびオープンアームへの進入(entry)回数の増加が測定されたように、抗不安薬様効果を示した(図1および図2)。ここで留意すべきは、図1において、ビヒクル処置と比較してのオープンアーム進入の割合の増加は、抗不安薬様効果を表すことである。ビヒクル処置群(水)に対して、*P<0.05。ANOVAは、処置についての有意な主効果を明らかにした(p=0.0029)。一対比較についてのフィッシャーのPLSDは、抗不安薬参照化合物CDP(しかしバスピロンではない)が、オープンアームへの進入の百分率を有意に上昇させた(p=0.011)(CDPの臨床的抗不安薬効果と一致した効果)ことを示した。3mg/kgの用量の化合物Aは、有意な抗不安薬様効果を誘発した(p=0.039)。化合物Aのより多い用量(10mg/kgおよび20mg/kg)は、類似の傾向を示したが、これは、統計学的有意性には達しなかった(それぞれ、p=0.279およびp=0.074)。図2において、ビヒクル処置と比較したオープンアーム時間は、抗不安薬様効果を表す。ビヒクル処置群(水)に対して、*p<0.05。ANOVAは、処置についての有意な効果を明らかにした(p=0.04)。一対比較についてのフィッシャーのPLSDは、抗不安薬参照化合物CDPが、オープンアーム時間のほぼ有意な増大を引き起こし(p=0.0554);バスピロンは効果がなかったことを示した。3mg/kg用量の化合物Aは、有意な抗不安薬様効果を誘発した(p=0.048)。化合物Aのより多い用量(10mg/kgおよび20mg/kg)は、類似の傾向を示したが、これは、統計学的有意性には達しなかった(それぞれ、p=0.467およびp=0.543)。
【0353】
しかし、バスピロンは、EPMにおいて有意な抗不安薬様効果を引き起こさなかった。このバスピロン効果の欠如は、文献に以前報告されていた。化合物Aは、クローズドアーム(closed arm)における進入回数に対しても、クローズドアームおよびオープンアームにおける進入回数の合計に対しても効果の欠如が測定されるように自発運動を変化させなかったので(図3および図4)、化合物Aの抗不安薬効果は特異的であった。図3において、ビヒクル処理群(水)に対して、*p<0.05。ANOVAは、処置についての有意な効果を明らかにした(p=0.0028)。一対比較についてのフィッシャーのPLSDは、参照化合物バスピロン(しかしCDPでも化合物Aでもない)が、20mg/kg用量においてクローズドアームへの進入回数を有意に減少させた(p=0.0012)ことを示した。図4において、留意すべきことは、ビヒクル処置と比較した進入合計の上昇は、上昇した自発運動を表し、またはビヒクル処置と比較した進入合計の減少は、低減した自発運動を表すことである。ビヒクル処置群(水)に対して*p<0.05、ビヒクル処置群(水)に対して**p<0.01。ANOVAは、処置についての有意な主効果を示した(p=0.0001)。一対比較についてのフォローアップのフィッシャーのPLSDは、自発運動量のわずかな上昇を示すビヒクルと比較してCDPの有意な効果を明らかにした(p=0.021)。バスピロンの最も多い用量(20mg/kg)は、進入回数の合計の有意な減少をもたらした(p=0.0014)。化合物Aは、進入回数の合計を変化させなかった。
【0354】
従って、化合物Aは、この試験において自発運動に影響を与えなかった。興味深いことに、CDPは、わずかな上昇を引き起こしたが、他方バスピロンの多い用量は(20mg/kg)は、進入回数の合計の減少をもたらした。
【0355】
(ストレス誘発高体温)
参照化合物バスピロンおよび化合物Aの両方は、試験された多い用量(すなわち、20mg/kg)においてストレスに対する高体温応答の低減が測定されたように、用量依存性の抗不安薬様効果を及ぼした。この効果はまた、基礎直腸温度の変化に付随して起こった(図5〜図6)。この現象はまた、この現象が、臨床的に使用される抗不安薬で共通に報告されるので、抗不安薬様プロファイルに関連し得る。図5において、ビヒクル処置群(水)に対して*p<0.05、ビヒクル処置群(水)に対して**P<0.01。ANOVAは、処置の有意な効果を明らかにした(p=0.0109)。一対比較についてのフォローアップのフィッシャーのPLSDは、バスピロン(20mg/kg)が基礎直腸温度を有意に低下させた(p=0.044)ことを示した。同様に、20mg/kg用量の化合物Aは、有意な低下をもたらした(p=0.0023)。薬物のより少ない用量は、有意な効果を示さなかった(化合物Aの1mg/kgおよび3mg/kgについて、それぞれ、p=0.808およびp=0.326)。図6において、ビヒクル処置動物における直腸温度の上昇(ストレス誘発高体温)、ならびにバスピロンの遮断の効果(20mg/kg;ビヒクル処置群に対してP<0.05)および化合物Aの遮断の効果(20mg/kg;ビヒクル処置群に対してP<0.01)に留意すること。ANOVAは、処置の有意な効果を明らかにした(p=0.0009)。一対比較についてのフォローアップ(follow−up)のフィッシャーのPLSDは、バスピロン(20mg/kg)がストレス誘発高体温を有意に低下させた(p=0.024)ことを示した。同様に、20mg/kg用量の化合物Aは、有意な低下をもたらした(p=0.0067)。薬物のより少ない用量は、有意な効果を示さなかった(化合物Aの1mg/kgおよび3mg/kgについて、それぞれ、p=0.618およびp=0.2911)。
【0356】
(オープンフィールド)
化合物Aは、移動距離の合計(図7)、立ち上がりの回数(図8)、および中央での移動距離(図9〜図11)で測定されるように、自発運動を変化させなかった。図7において、タイムビン(time bin)は、40分の試験時間合計と共に5分間のインターバルを表す。棒グラフは、40分間の間に移動した累計距離を表す。反復測定ANOVAは、処置についての有意な主効果がないことを明らかにした(p=0.2736)。しかし、有意な距離と処置との相互作用が同定された(p<0.0001)。一対比較についてのフォローアップのフィッシャーのPLSDは、水処置コントロールと比較して有意差がないことを明らかにした。図8において、ANOVAは、処置についての有意な効果を示さなかった(p=0.087)。化合物Aは、立ち上がりの回数を減少させたバスピロンとは対照的に、使用されたいずれの用量においても、有意に垂直運動を変化させなかった。図9において、ANOVAは、処置効果についての有意な主効果がないことを明らかにした(p=0.923)。これらの結果は、バスピロンおよび化合物Aの両方が、中央で移動した距離の百分率を変化させないことを示した。図10において、ANOVAは、処置効果についての有意な主効果がないことを明らかにした(p=0.834)。これらの結果は、バスピロンおよび化合物Aの両方が、中央で移動した距離の百分率を変化させないことを示した。図11において、タイムビン(time bin)は、40分の試験時間合計と共に5分間のインターバルを表す。棒グラフは、40分間の間に移動した累計距離を表す。反復測定ANOVAは、処置についての有意な主効果がないこと(p=0.492)または時間と処置との相互作用がないこと(p=0.659)を明らかにした。これらの結果は、バスピロンまたは化合物Aの両方とも、区画横切り運動(zone crossing activity)(周囲と中央との間)を変化させなかったことを示した。
【0357】
(考察)
これらの研究の結果を、以下の表2に要約した。
【0358】
【表2】
本発明者らの実験条件において、マウスに経口投与された化合物Aは、それぞれ、高架式十字迷路試験およびストレス誘発高体温試験によって、行動的におよび生理学的に測定された抗不安薬様効果を示した。化合物Aの最も多い用量(すなわち、20mg/kg)は、ストレス誘発高体温試験において有効であり、他方より少ない用量(すなわち、3mg/kg)は、高架式十字迷路試験において有効であった。これは、化合物の異なる用量が、ストレス誘発不安の異なる局面を標的とし得ることを示唆し得る。他の研究が特定の条件下で行われたとき(例えば、尾宙吊り試験および強制水泳試験)、化合物Aは、抗鬱特性を有するようには見えなかった。
【0359】
参照化合物クロルジアゼポキシドおよびバスピロンとは対照的に、化合物Aは、オープンフィールドおよび高架式十字迷路における効果の欠如によって実証されたような一般的な自発運動を変化させず、これは、化合物Aが、これらのモデルにおいて好ましいプロファイルを示し得ることを示唆している。
【0360】
全体的に、これらの結果は、化合物Aが、使用された実験条件において明らかな抗不安薬様効果を示すことを示唆する。
【0361】
(実施例41:インビボでの高自発運動(hyperlocomotor activity)評価における代表的なアリールピペラジニルスルホンアミド化合物の活性)
この実験において、経口投与される本発明の化合物、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)は、1mg/kgおよび20mg/kgの用量で欠損マウスに観察される高自発運動を低減させた。この効果は、d−アンフェタミンで観察される効果と類似であった。全体的に、これらの結果は、化合物Aが、使用される実験条件において機能亢進を正常化し得ることを示唆する。
【0362】
欠損変異体マウスは、これらの自発的な高レベルの機能亢進に起因して、注意欠陥過活動性障害(ADHD)の動物モデルとして考えられる。実際、機能亢進症候群は、学習障害と診断された子供の大部分の割合を占めると考えられ、従って、多くの注目が、子供の機能亢進の原因および処置に集中されてきた。
【0363】
マウス変異体欠損は、欠失変異に起因する深在性の自発的な運動機能亢進を示す。SNAP−25(神経伝達物質放出に関与する神経終末タンパク質)をコードするSnapを含むいくつかの遺伝子は、この欠失を含む。1996年に、Hessらは、アンフェタミン(ADHDに罹患した子供に発現される機能亢進を正常化する、臨床的に使用される薬剤)が、欠損マウスにおいて自発運動を顕著に低減させたが、コントロールのマウスの運動を上昇させたことを実証した。SNAP−25をコードする導入遺伝子が欠損系統の中に入れ込まれてSnap欠失を補足した場合、これらのマウスによって発現された機能亢進が弱められ(rescued)、これらの修正されたマウスを正常レベルの自発運動まで回復させる。Millら(2002)はまた、連鎖研究において、SNAP−25はADHDの病因の遺伝において役割を果たし得ると示した(さらなる研究がこの仮説を確証または拒絶するのに必要とされるが)。全体的には、これらの結果は、齧歯動物における機能亢進を模倣するモデルとしての欠損マウスの使用を支持した。
【0364】
この実験において、化合物Aの効果は、短期間の経口投与後に調査された。この試験化合物の3つの用量を、欠損マウスに投与し、そしてこのマウスの自発的な運動を、オープンフィールド試験を使用して測定した。d−アンフェタミンを、正の参照化合物として使用した。
【0365】
(材料および方法)
(動物)
本研究において使用されるマウスは、本来はJackson Laboratory,Bar Harbor,Maineから購入された交配対(C3H/HeSnj−Cm)の子孫である。試験した48匹のマウスのうち、22匹が雄、そして26匹が雌であり、12〜20週齢であった。これらの動物を21日齢にて離乳させ、標準動物管理が維持された本発明者らの動物施設において、1ケージ当たり2〜4匹の同腹仔を収容した。この群体の部屋を、午前7時に点灯し、12時間明るい/12時間暗いサイクル下で保った。相対湿度を30%と70%との間に維持しながら、温度を20℃と23℃の間で維持した。動物は食事をとり、そして水が自由に与えられた。
【0366】
(薬物)
以下の化合物を、この研究のために使用した。
【0367】
試験化合物:N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)(1mg/kg、3mg/kg、および20mg/kg)(ロット#DC−006−022−L2、C23H38N4O3S2HCL、mg塩単位で表された用量)。
【0368】
参照化合物:d−アンフェタミン(4mg/kg、Sigma、ロット#60K1909)。
【0369】
全ての化合物を、無菌注射可能水に溶解した。無菌注射可能水を、ビヒクルコントロールとして供給した。全ての溶液を、実験日に調製した。化合物Aおよびそのビヒクル(水)を、体重1kg当たり10mlの容積で動物に経口的に与え(PO);上記参照化合物を、腹腔内的に動物に与えた(IP)。化合物Aおよびビヒクルについては、30分間の前処理時間を使用し、他方d−アンフェタミン(AMPH)を、この試験の15分前に動物に与えた。
【0370】
(方法)
この研究を、2日連続にわたって行い、各日午前10時と午後5時との間で動物を試験した。性別および年齢を、5つの処置群および試験日にわたってバランスをとった。1群当たりに8〜10匹の動物を配分した。この結果を自動的に記録し、そしてマイクロコンピュータによって処理した。
【0371】
オープンフィールド運動モニタリングシステム(Med Associates,Inc.)は、一般的な自発運動を測定した。この試験を通常の照明条件(400ルクス)下で行った。マウスを実験室に運び込み、少なくとも1時間の順化を行い、続いて薬物投与を行った。薬物投与後(すなわち、化合物Aまたはビヒクルの投与の30分後、およびd−アンフェタミンの投与の15分後)、各マウスを、動物の運動を自動的にモニタリングする赤外線ビームアレイを備える試験用囲い(l×w×h:27cm×27cm×20cm)中に配置した。バランスのとれた処置をされた8匹の動物を、一度に試験した。この試験セッションを40分間続け、そして動物をこのセッションの終わりにホームケージに戻した。この試験の重要な尺度は、移動した距離であった。
【0372】
(統計学的分析)
全てのデータを、試験物質で処置された群と、ビヒクルコントロール群または基準処理群とを比較することによって分析した。統計学的分析を、ANOVAによって行い、続いて必要に応じてフィッシャーのポストホック(post−hoc)試験によって行った。0.05未満のPは、有意差であると考えられた。データは、平均および平均に対する標準誤差(s.e.m)として表される。
【0373】
(結果)
アンフェタミンは、ビヒクル処置群と比較して自発運動を有意に低減させた。全体的に、この化合物はまた、運動のレベルを有意に減少させた。ポストホック分析は、化合物Aの1mg/kgおよび20mg/kgの用量のみが、ビヒクルと有意差があったことを明らかにした。
【0374】
タイムビンは、40分の合計試験時間と共に5分間のインターバルを表す。棒グラフは、40分間の間に移動した累計距離を表す。水処置コントロールに対して、*p<0.05。
【0375】
(考察)
上のデータから、経口投与される化合物Aが、1mg/kgおよび20mg/kgの用量において、欠損マウスに観察される高自発運動を低減させたことがわかり得る。この効果は、d−アンフェタミンで観察された効果と類似であった。
【0376】
実施例3に示されるように、化合物Aは、正常C57B16/Jマウスおよび129svevマウスのそれぞれにおいて、高架式十字迷路およびオープンフィールドにおける効果の欠如によって示されるような一般的な自発運動を変化させるようには見えなかった。従って、この効果が非特異的な鎮静作用に関連する見込みはない。
【0377】
全体的に、これらの結果は、化合物Aが、使用される実験条件において機能亢進を正常化し、従ってこの化合物Aは、ADDおよびADHDのような注意欠陥関連性状態を処置するための有用な薬物であると予測されることを示唆する。
【0378】
上記実験は、5−HTアゴニストとしての本発明の化合物の適合性、ならびに本明細書中に記載される適応症(例えば、不安、ADDおよびADHD)の処置においてこれらの予測される有効性を実証する。
【0379】
(均等物)
当業者は、本明細書中に記載される特定の手順に対する多くの均等物を認識するか、慣用実験法を使用するだけでその均等物を確認し得る。このような均等物は、本発明の範囲内であり、そして添付の特許請求の範囲によって包含されると考えられる。種々の置換、変更、および改変は、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対してなされ得る。他の局面、利点、および改変は、本発明の範囲内である。本出願の全体にわたって記載される全ての参考文献、発行特許、および公開特許出願の内容は、本明細書中で参考として援用される。これらの特許、出願および他の書類の適切な構成要素、プロセスおよび方法は、本発明およびその実施形態のために選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0380】
【図1】図1は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図2】図2は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図3】図3は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図4】図4は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図5】図5は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図6】図6は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図7】図7は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図8】図8は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図9】図9は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図10】図10は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図11】図11は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図12】図12は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミンまたは5−HT)レセプタモジュレーター(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)に関し、さらに特定すると、新規アリールピペラジニル化合物(これはまた、5−HTモジュレーターである)、および例えば、セロトニン作用に関連した生理学的疾患を治療、調節および/または予防する際のこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
脳のセロトニン作動性神経系は、例えば、以下の種々の障害で現れる種々の生理学的機能に影響を与えることが明らかとなっている:摂食障害、精神分裂病、神経痛および習慣性障害;鬱病、強迫症、パニック障害、不安、中枢神経系により引き起こされる性的機能不全、および睡眠および食物吸収の乱れ、アルコール依存症、疼痛、記憶欠損、単極性鬱病、胸腺機能不全、双極性鬱病、治療耐性鬱病、医学的に病気の状態の鬱病、パニック障害、強迫症、摂食障害、対人恐怖および月経前不快性障害。
【0003】
5−HTレセプタモジュレーター(例えば、アゴニストまたはアンタゴニストおよび/または選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRIs)(例えば、フルオキセチン、パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ロラゼパム、イミプラミン、シタロプラムおよびノルトリプチリン)は、上記病気の治療だけでなく、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害((例えば、狭心症および片頭痛));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて)にも使用され得る。これらの化合物はまた、心血管系の調節にも適当である。それらはまた、脳循環の調節に介在しており、それゆえ、片頭痛に有効な薬剤に相当する。それらはまた、脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響を予防し抑制するのに適当である。それらはまた、セロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制に適当である。
【0004】
トラゾドンは、5−HTの作用を抑制し、そしてフルオキセチンおよびフルボキサミンは、シナプスニューロンへのセロトニンの再摂取を強力かつ選択的に阻止することによって、セロトニン作動性神経伝達を促進する。3−クロロイミプラミンは、5−HTおよびノルエピネフリンの両方の再摂取を阻止する。抗欝剤として現在関心がもたれている他の化合物には、ジメルジン、ブプロピオンおよびノミフェンシンが挙げられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
良好なバイオアベイラビリティー、CNS浸透を有し、例えば、インビボで良好な薬物動態特性を有する選択的で高親和性で代謝的に安定な5−HTレセプタモジュレーターが望まれている。本発明は、被験体を治療する新規化合物に関し、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法に関する。種々の病気は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、これらの化合物の導入に応答性である;またはこれらの化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用され得る。
【0006】
例えば、本発明の化合物は、以下に使用され得る:血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制。これらの化合物はまた、以下を治療するのに有用であり得る:ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)。
【0007】
1つの有利な局面では、本発明の化合物は、5−HT関連疾患を治療、予防または治癒するのに使用できる5−HTモジュレーター(例えば、アゴニストのまたはアンタゴニストおよび/またはSSRIs)であることが発見されている。特に、特定のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物は、有効な5−HTレセプタモジュレーターおよび/またはSSRIsであることが発見されている。
【0008】
1実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0009】
【化3】
ここで、
R1は、該化合物に5−HT1A/5−HT2Aアドレナリンレセプタ交差反応性を実質的に与えない官能基である;R2およびR3は、別個に、水素、または該化合物にHERGチャンネル阻害を実質的に与えない官能基である;Zは、NまたはCである;mは、0、1、2、3、4、5または6であり得る;nは、1、2、3、4、5または6であり得る;そしてpは、0、1、2、3または4であり得、さらに好ましくは、0より大きい。mは、有利には、0であり、nは、有利には、0または1である。
【0010】
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールであり得る;そしてR2およびR3は、別個に、以下であり得る:水素または低級アルキル;シクロアルキル;トリハロメチル;ハロ;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)、NHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)およびNCO−ジアルキルを含む)))、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ));スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であり得るが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない;p=0のとき、R1は、置換または非置換アリール以外のものであり、そしてR2およびR3は、別個に、フェニルまたはアルコキシフェニル以外のものである。
【0011】
このアリール基、ピリジニル基、ピリミジニル基またはピラジニル(すなわち、ここで、Z=N)基は、以下の置換基で置換され得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);シクロアルキル(例えば、C1〜C6);トリハロメチル(例えば、CF3またはOCF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める)));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;またはシアノ。このアリール基は、例えば、置換または非置換フェニル、ナフチル、トルイルまたはビフェニルであり得る。
【0012】
本発明の化合物はまた、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタを含めて))、望ましくは、5−HT1Aレセプタアゴニストである。驚くべきことに、本発明の化合物は、非常に良好な5−HT1Aレセプタアゴニストであり、そして優れた活性および選択性を有することが発見されている。本発明の化合物は、それらの作用について選択性が高く、他のレセプタ(例えば、α−アドレナリンレセプタ)との交差反応性を殆どまたは全く示さない。さらに、本発明の化合物は、HERGチャンネル阻害を殆どまたは全く示さない(これがあると、本発明の化合物をベースにした薬剤に不利となる)。そういうものとして、例えば、抗不安薬としての本発明の化合物の有用性は、非常に高められる。
【0013】
1実施態様では、R1は、低級アルキル(例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル))であり得る。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル、例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて)であり得る。
【0014】
1実施態様では、R3は、Hであり、そしてR2は、H以外のものであり、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル、例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ)であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。
【0015】
さらに他の実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0016】
【化4】
ここで、
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリール(例えば、トルイルまたはシクロヘキシル)であり得る。R1は、好ましくは、環含有基であるとき、非共役であり、そして有利には、置換または非置換アルキルまたはシクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)であり得る。R2は、以下であり得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);トリハロメチル(例えば、CF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル)であり得る;点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;Zは、NまたはCである;mは、0、1または2であり得る;nは、1、2、3または4であり得る;そしてpは、0または1であり得る;mは、有利には、0であり、nは、有利には、3または4であり、そしてpは、有利には、0または1である。
【0017】
1実施態様では、R1は、低級アルキル、例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)であり得る。有利には、R1は、シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニルであり得る。この実施態様では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。有利には、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める)であり得る。
【0018】
1実施態様では、R2は、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。本発明の化合物は、有利には、薬学的に受容可能な塩(例えば、HCl)である。
【0019】
特定の実施態様では、本発明の化合物には、以下が挙げられる:4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHCl塩;シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミド;2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド、(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミン、1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジン、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イルフェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド、N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミド、および1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジン。
【0020】
本発明の他の局面は、上記のように、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法を包含する。これらの化合物の導入に応答性である種々の病気に冒された被験体が治療され得る;またはこれらの化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用され得る。このような病気および生理学的現象には、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制;ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)が挙げられる。
【0021】
本発明はまた、セロトニン作動性の機能低下または機能亢進に関連した病気を治療する方法に関し、該方法は、被験体に本発明の化合物を投与して該病気を治療する工程を包含する。上で説明したように、本発明の化合物は、5−HT1Aでアンタゴニスト活性を有し得、これは、セロトニンの再摂取の阻止により誘発される負のフィードバック機構と反作用する;これは、それにより、本発明の化合物の活性を阻害するセロトニン再摂取の効果を改善すると予想される。本発明の他の化合物は、5−HT1Aのような5−HTレセプタでアゴニスト活性を有する。
【0022】
本発明の他の局面は、不安(特に、全身性不安障害)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0023】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において不安(特に、全身性不安障害)を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0024】
本発明の他の局面は、パニック障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0025】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)においてパニック障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0026】
本発明の他の局面は、機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害(ADD)(すなわち、ADHD)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0027】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0028】
本発明の他の局面は、麻薬関連障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0029】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において麻薬関連障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0030】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物である。
【0031】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療する方法である。
【0032】
これらの化合物および新規中間体を調製する方法もまた、本発明に含まれる。
【0033】
(発明の詳細な説明)
本発明の特徴および他の詳細は、今ここで、添付の図面を参照して特に記述され、そして請求の範囲で指摘されている。本明細書中で記述した特定の実施態様は、本発明の限定ではなく、例として示されていることが理解できる。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の実施態様で使用できる。全ての部およびパーセントは、特に明記しない限り、重量基準である。
【0034】
(定義)
便宜上、本明細書、実施例および添付の請求の範囲で使用する特定の用語をここで集める。
【0035】
「5−HTレセプタモジュレーター」または「5−HTモジュレーター」は、その5−HT1、5−HT2、5−HT3、5−HT4、5−HT5、5−HT6または5−HT7レセプタにて効果を有する化合物を含み、これらには、各レセプタ型の亜型(例えば、5−HT1A、B、C、D、EまたはF;5−HT2A、Bまたはc;および5−HT5AまたはB)が挙げられる。5−HTモジュレーターは、アゴニスト、部分アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。
【0036】
「治療する」は、病気、疾患、障害などの改善を生じる任意の効果(例えば、軽減、低減、変調または排除)を含む。
【0037】
「アルキル」は、飽和脂肪族基を含み、これには、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル(例えば、n−ブチル。s−ブチル、i−ブチル)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル)、分枝鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、第三級ブチル、イソブチル)、シクロアルキル(脂環族)基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基が挙げられる。「アルキル」は、さらに、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはリン原子で置き換えたアルキル基を含む。ある実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格内に、6個またはそれより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC1〜C6、分枝鎖についてC3〜C6)、さらに好ましくは、4個またはそれより少ない炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環構造内に、3個〜8個の炭素原子、さらに好ましくは、5個または6個の炭素原子を有する。「C1〜C6」は、1個〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を含む。
【0038】
「アルキル」との用語はまた、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含み、後者は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素上の水素を置換基で置き換えたアルキル部分を意味する。このような置換基には、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。シクロアルキルは、さらに、例えば、上記置換基で置換できる。「アルキルアリール」または「アラルキル」部分は、アリール(例えば、フェニルメチル(ベンジル))で置換されたアルキルである。「アルキル」はまた、天然および非天然アミノ酸の側鎖を含む。
【0039】
「アリール」は、芳香族性を有する基であって、これには、0個〜4個のヘテロ原子を含有し得る5員および6員の「非共役」または単一環芳香族基だけでなく、少なくとも1個の芳香環を有する「共役」または複数環系が挙げられる。アリール基の例には、ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどを含む。さらに、「アリール」との用語は、多環式(例えば、三環式、二環式)アリール基、例えば、ナフタレン、ベンゾキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリンまたはインドリジンを含む。その環構造内にヘテロ原子を有するアルキル基はまた、「アリール複素環」、「複素環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」とも呼ばれ得る。この芳香環は、1個またはそれ以上の環位置で、上記のような置換基(例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分)で置換できる。アリール基はまた、多環系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)を形成するために、脂環族または複素環式の環(これは、芳香族ではない)と縮合または架橋できる。
【0040】
「アルケニル」は、長さおよび可能な置換の点で上記アルキルと類似するが、少なくとも1個の二重結合を含有する、不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」との用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(例えば、脂環族)基(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルまたはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルケニル基を含む。アルケニルとの用語は、さらに、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を置き換えた酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはリン原子を含有するアルケニル基を含む。ある実施形態では、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その骨格内に、6個またはそれより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC2〜C6、分枝鎖についてC3〜C6)を有する。同様に、シクロアルケニル基は、それらの環構造内に、3個〜8個の炭素原子、さらに好ましくは、それらの環構造内に、5個または6個の炭素原子を有し得る。「C2〜C6」との用語は、2個〜6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。
【0041】
さらに、「アルケニル」との用語はまた、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」の両方を含み、後者は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素上の水素を置換基で置き換えたアルケニル部分を意味する。このような置換基には、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。
【0042】
「アルキニル」は、長さおよび可能な置換の点で上記アルキルと類似するが、少なくとも1個の三重結合を含有する、不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、分枝鎖アルキニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基を含む。「アルキニル」との用語は、さらに、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはリン原子で置き換えたアルキニル基を含む。ある実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキニル基は、その骨格内に、6個またはそれより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC2〜C6、分枝鎖についてC3〜C6)を有する。「C2〜C6」との用語は、2個〜6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。
【0043】
「アルキニル」との用語はまた、「非置換アルキニル」および「置換アルキニル」の両方を含み、後者は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素上の水素を置換基で置き換えたアルキニル部分を意味する。このような置換基には、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。
【0044】
炭素数を特に明記しない限り、本明細書中で使用する「低級アルキル」とは、その骨格構造内に2個〜10個の炭素原子、さらに好ましくは、1個〜6の炭素原子個を有する上で定義したアルキルを意味する。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、例えば、2個〜5個の炭素原子の鎖長を有する。
【0045】
「アシル」は、アシルラジカル(CH3CO−)またはカルボニル基を含有する化合物および部分を含む。「置換アシル」は、1個またはそれ以上の水素原子を、例えば、以下のもので置き換えたアシル基を含む:アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分。
【0046】
「アシルアミノ」は、アシル部分をアミノ基に結合した部分を含む。例えば、この用語は、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基およびウレイド基を含む。
【0047】
「アロイル」は、カルボニル基に結合したアリールまたはヘテロ芳香族部分を備えた化合物および部分を含む。アロイル基の例には、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシなどが挙げられる。
【0048】
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」および「チオアルコキシアルキル」は、その炭化水素骨格の1個またはそれ以上の炭素を置き換える酸素原子、窒素原子またはイオウ原子をさらに含有する上記アルキル基を含む。
【0049】
「アルコキシ」との用語は、酸素原子に共有結合した置換および非置換アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を含む。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基およびペントキシ基が挙げられる。置換アルコキシ基の例には、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基は、以下のような基で置換できる:アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分。ハロゲン置換アルコキシ基の例には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「ヘテロシクリル」または「複素環基」との用語は、閉環構造(例えば、3〜10員環または4〜7員環)を含み、これは、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する。ヘテロシクリル基は、飽和または不飽和であり得、ピロリジン、オキソラン、チオラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム(例えば、アゼチジノンおよびピロリジノン)、スルタム、スルトンなどが挙げられる。この複素環は、1個またはそれ以上の位置で、上記置換基(例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、または芳香族部分またはヘテロ芳香族部分)で置換できる。
【0051】
「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」との用語は、二重結合でイオウ原子に連結された炭素を含有する化合物および部分を含む。
【0052】
「エーテル」との用語は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子に結合した酸素を含有する化合物または部分を含む。例えば、この用語は、「アルコキシアルキル」を含み、これは、他のアルキル基に共有結合した酸素原子に共有結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を意味する。
【0053】
「エステル」との用語は、カルボニル基の炭素に結合した酸素に結合した炭素またはヘテロ原子を含有する化合物および部分を含む。「エステル」との用語には、アルコキシカルボキシ基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなど)が挙げられる。このアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基は、上で定義したとおりである。
【0054】
「チオエーテル」との用語は、2個の異なる炭素またはヘテロ原子に結合したイオウ原子を含有する化合物および部分を含む。チオエーテルの例には、アルキチオアルキル、アルキチオアルケニルおよびアルキチオアルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。「アルキチオアルキル」との用語は、アルキル基に結合したイオウ原子に結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を備えた化合物を含む。同様に、「アルキチオアルケニル」および「アルキチオアルキニル」との用語は、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基がイオウ原子(これは、アルキニル基に共有結合している)に結合した化合物または部分を意味する。
【0055】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」との用語は、−OHまたは−O−を備えた基を含む。
【0056】
「ハロゲン」との用語は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。「過ハロゲン化」との用語は、一般に、例えば、全ての水素をハロゲン原子で置き換えた部分を意味する。
【0057】
「ポリシクリル」または「多環式ラジカル」との用語は、2個またはそれ以上の炭素原子が2個の隣接環と共通している2個またはそれ以上の環状環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)を意味する。非隣接原子を介して結合した環は、「架橋」環と呼ばれている。この多環の各環は、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含めて)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含めて)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、または芳香族またはヘテロ芳香族部分で置換できる。
【0058】
「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。ヘテロ原子の例には、窒素、酸素、イオウおよびリンが挙げられる。
【0059】
本発明の化合物の一部は、非対称炭素原子を含有することを記しておく。従って、このような非対称から生じる異性体(例えば、全ての鏡像異性体およびジアステレオマー)は、特に明記しない限り、本発明の範囲内に含まれる。このような異性体は、古典的な分離技術により、また、立体化学的に制御した合成により、実質的に純粋な形状で得ることができる。さらに、本願で述べた構造および他の化合物および部分はまた、それらの全ての互変異性体を含む。アルケンには、適当な場合、E−形状またはZ−形状のいずれかが含まれる。
【0060】
「併用療法」(または「同時療法」)には、治療薬の共同作用から有益な効果を得る目的の特定の治療レジメンの一部として、本発明の5−HTモジュレーターおよび少なくとも第二薬剤の投与を含む。その併用の有益な効果には、治療薬の組合せから生じる薬物動態学的または薬力学的な共同作用が挙げられるが、これらに限定されない。これらの治療薬を組み合わせた投与は、典型的には、規定の時間(選択する組合せに依存して、通常、分、時間、日または週)にわたって、実行される。「併用療法」は、偶発的かつ恣意的に本発明の組合せを生じる別々の単独療法レジメンの一部として、これらの治療薬の投与を包含すると解釈され得るが、これに限定されない。「併用療法」は、逐次様式(すなわち、ここで、各治療薬は、異なる時点で投与される)でのこれらの治療薬の投与だけでなく、実質的に同時様式でのこれらの治療薬または少なくとも2種の治療薬の投与を包含すると解釈される。実質的に同時の投与は、例えば、被験体に、固定比率の各治療薬を有するカプセル剤を投与することにより、または各治療薬用の単一カプセル剤を複数回投与することにより、達成できる。各治療薬の逐次投与または実質的な連続投与は、任意の適当な経路で行うことができ、これには、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路および粘膜組織を通る直接吸収が挙げられるが、これらに限定されない。これらの治療薬は、同じ経路または異なる経路で投与できる。例えば、選択した組合せの第一治療薬は、静脈注射で投与され得るのに対して、この組合せの他の治療薬は、経口投与され得る。あるいは、例えば、全ての治療薬が経口投与され得、または全ての治療薬が静脈注射で投与され得る。これらの治療薬を投与する順序は、あまり重要ではない。「併用療法」はまた、他の生物学的に活性な成分および非薬剤療法(例えば、手術または放射線治療)との別の組合せでの上記治療薬の投与を包含できる。この併用療法がさらに非薬剤治療を含む場合、この非薬剤治療は、これらの治療薬と非薬剤治療との組合せの同時作用から有益な効果が得られる限り、任意の適当な時点で、行われ得る。例えば、適当な場合、この非薬剤治療が一時的に何日または何週も治療薬の投与からはずされたときでも、依然として、この有益な効果が達成される。
【0061】
本明細書中で使用する「アニオン性基」は、生理学的pHで負に荷電した基を意味する。好ましいアニオン性基には、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、スルフィン酸塩、スルファミン酸塩、テトラゾリル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩またはホスホロチオ酸塩またはそれらの官能性等価物が挙げられる。アニオン性基の「官能性等価物」には、生物学的等価物(例えば、カルボン酸塩基の生物学的等価物)が挙げられると解釈される。生物学的等価物は、古典的な生物学的等価物および非古典的な生物学的等価物の両方を包含する。古典的および非古典的な生物学的等価物は、当該技術分野で公知である(例えば,Silverman,R.B.The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Academic Press,Inc.San Diego,Calif.,1992,pp.l9−23を参照)。特に好ましいアニオン性基は、カルボン酸塩である。
【0062】
「複素環基」には、環内の原子の1個またはそれ以上が炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)である閉環構造を含むと解釈される。複素環基は、飽和または不飽和であり得、複素環基(例えば、ピロールおよびフラン)は、芳香族特性を有し得る。それらには、縮合環構造(例えば、キノリンおよびイソキノリン)が挙げられる。複素環基の他の例には、ピリジンおよびプリンが挙げられる。複素環基はまた、1個またはそれ以上の置換基(例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF3、−CNなど)で置換できる。
【0063】
本発明は、その化合物を単独でおよび/または他の薬剤と組み合わせて導入することに応答性である種々の病気に罹っている被験体を治療する新規化合物に関する。例えば、本発明の化合物は、以下に使用され得る:血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制。これらの化合物はまた、以下を治療するのに有用であり得る:ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)。
【0064】
1つの有利な局面では、本発明の化合物は、5−HT関連疾患を治療、予防または治癒するのに使用できる5−HTモジュレーター(例えば、アゴニストのまたはアンタゴニストおよび/またはSSRIs)であることが発見されている。特に、特定のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物は、有効な5−HTレセプタモジュレーターおよび/またはSSRIsであることが発見されている。
【0065】
1実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0066】
【化5】
ここで、
R1は、該化合物に5−HT1A/5−HT2Aアドレナリンレセプタ交差反応性を実質的に与えない官能基である;R2およびR3は、別個に、水素、または該化合物にHERGチャンネル阻害を実質的に与えない官能基である;Zは、NまたはCである;mは、0、1、2、3、4、5または6であり得る;nは、1、2、3、4、5または6であり得る;そしてpは、0、1、2、3または4であり得、さらに好ましくは、0より大きい。mは、有利には、0であり、nは、有利には、0または1である。
【0067】
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールであり得る;そしてR2およびR3は、別個に、以下であり得る:水素または低級アルキル;シクロアルキル;トリハロメチル;ハロ;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)、NHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)およびNCO−ジアルキルを含む)))、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ));スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であり得るが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない。
【0068】
このアリール基、ピリジニル基、ピリミジニル基またはピラジニル(すなわち、ここで、Z=N)基は、以下の置換基で置換され得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);シクロアルキル(例えば、C1〜C6);トリハロメチル(例えば、CF3またはOCF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める)));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル);ヒドロキシル;またはシアノ。このアリール基は、例えば、置換または非置換フェニル、ナフチル、トルイルまたはビフェニルであり得る。
【0069】
1実施態様では、R1は、低級アルキル(例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル))であり得る。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル、例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて)であり得る。
【0070】
1実施態様では、R3は、Hであり、そしてR2は、H以外のものであり、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル、例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ)であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含めて))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。
【0071】
さらに他の実施態様では、本発明の化合物には、次式を有するものおよびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステルが挙げられる:
【0072】
【化6】
ここで、
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリール(例えば、トルイルまたはシクロヘキシル)であり得る。R1は、好ましくは、環含有基であるとき、非共役であり、そして有利には、置換または非置換アルキルまたはシクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)であり得る。R2は、以下であり得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);トリハロメチル(例えば、CF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル)であり得る;点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;Zは、NまたはCである;mは、0、1または2であり得る;nは、1、2、3または4であり得る;そしてpは、0または1であり得る;mは、有利には、0であり、nは、有利には、3または4であり、そしてpは、有利には、0または1である。
【0073】
1実施態様では、R1は、低級アルキル、例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)であり得る。有利には、R1は、シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニルであり得る。この実施態様では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。有利には、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める)であり得る。
【0074】
1実施態様では、R2は、メタ位置にある。この実施態様の1形式では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。他の形式では、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める))であり得る。この実施態様の1形式では、R1は、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルフェニルであり得る。本発明の化合物は、有利には、薬学的に受容可能な塩(例えば、HCl)である。
【0075】
特定の実施態様では、本発明の化合物には、以下が挙げられる:4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHCl塩;シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミド;2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド、(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミン、1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジン、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イルフェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド、N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミド、および1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジン。
【0076】
本発明の化合物はまた、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、5−HTレセプタアゴニストまたはアンタゴニスト(5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタを含めて))、望ましくは、5−HT1Aレセプタアゴニストである。驚くべきことに、本発明の化合物は、非常に良好な5−HT1Aレセプタアゴニストであり、そして市場に出ている特定のアゴニスト(例えば、BuSpar(登録商標)(バスピロン、Bristol−Myers Squibb))と比較して、優れた活性および選択性を有することが発見されている。
【0077】
本発明の化合物は、それらの作用について選択性が高く、他のレセプタ(例えば、α−アドレナリンレセプタ)との交差反応性を殆どまたは全く示さない。さらに、これらの化合物は、選択性であるだけでなく、5−HT1レセプタ(例えば、5−HT1Aレセプタ)によく結合し、通常毒性の代謝物に急速には代謝されない。それゆえ、本発明の化合物は、インビボで、より長い半減期を有し、例えば、ここで、この化合物は、代謝されないか、または部分的に代謝されるにすぎない(HLMT1/2>20〜90分、残留している化合物の100%まで未変化である)。出願人は、特定の動作理論に限定するつもりはない;しかしながら、式Iの化合物は、このことに関して、特に良好であり、ここで、R1は、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)である;そしてR2は、−NR4R5であり、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ);NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキル(NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含めて)));NCO−ジアルキルであり得る。そういうものとして、例えば、抗不安薬としての本発明の化合物の有用性は、非常に高められる。
【0078】
R1は、置換または非置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリール(例えば、トルイルまたはシクロヘキシル)であり得る。R2は、以下であり得る:低級アルキル(例えば、C1〜C4);トリハロメチル(例えば、CF3);ハロ(例えば、F、BrまたはCl);共役5員または6員環または複素環(例えば、3,4−メチレンジオキシ);−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、OまたはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル(例えば、ニトロ;NHCO−アルキル(例えば、NHCO−低級アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2)(すなわち、シクロプロピル)を含める));NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル(例えば、スルホンアミド(C2〜C4)アルキル)であり得る;点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;Zは、NまたはCである;mは、0、1または2であり得る;nは、1、2、3または4であり得る;そしてpは、0または1であり得る;mは、有利には、0であり、nは、有利には、3または4であり、そしてpは、有利には、0または1である。
【0079】
1実施態様では、R1は、低級アルキル、例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル;p−トルエン、p−ハロフェニル(例えば、p−フルオロフェニル、p−クロロフェニルまたはp−ブロモフェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニル)であり得る。有利には、R1は、シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルフェニルであり得る。この実施態様では、R2は、アミノアルキル(例えば、アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノシクロプロピル、アミノブチルまたはジアルキルアミノ))であり得る。有利には、R2は、NHCO−アルキル(例えば、NHCO−(C2〜C4)アルキルであって、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)およびNHCO−(CH(CH2)2(すなわち、NHCO−シクロプロピル)を含める)であり得る。
【0080】
本発明は、被験体を治療する新規化合物に関し、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法に関する。種々の病気は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、これらの化合物の導入に応答性である。
【0081】
本発明の他の局面は、上記のように、病気を治療するのに有効な量の本発明の化合物を投与することにより治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法を包含する。これらの化合物の導入に応答性である種々の病気に冒された被験体が治療され得る;またはこれらの化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用され得る。このような病気および生理学的現象には、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制;ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)が挙げられる。
【0082】
本発明はまた、セロトニン作動性の機能低下または機能亢進に関連した病気を治療する方法に関し、該方法は、被験体に本発明の化合物を投与して該病気を治療する工程を包含する。上で説明したように、本発明の化合物は、5−HT1Aでアンタゴニスト活性を有し得、これは、セロトニンの再摂取の阻止により誘発される負のフィードバック機構と反作用する;これは、それにより、本発明の化合物の活性を阻害するセロトニン再摂取の効果を改善すると予想される。本発明の他の化合物は、5−HT1Aのような5−HTレセプタでアゴニスト活性を有する。
【0083】
本発明の他の局面は、不安(特に、全身性不安障害)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0084】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において不安(特に、全身性不安障害)を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0085】
本発明の他の局面は、パニック障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0086】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)においてパニック障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0087】
本発明の他の局面は、機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害(ADD)(すなわち、ADHD)に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0088】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0089】
本発明の他の局面は、麻薬関連障害に罹っている哺乳動物において、それを治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物、およびそれらの薬学的に受容可能な担体である。
【0090】
本発明の他の局面は、哺乳動物(例えば、ヒト)において麻薬関連障害を治療する方法であり、該方法は、治療有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0091】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療するのに有効な量の式IまたはIIの化合物を含有する薬学的組成物である。
【0092】
本発明の他の局面は、血管障害に関連した病気(例えば、狭心症および片頭痛)を治療する方法である。
【0093】
これらの化合物および新規中間体を調製する方法もまた、本発明に含まれる。
【0094】
本発明はまた、セロトニン作動性の機能低下または機能亢進に関連した病気を治療する方法に関し、該方法は、被験体に本発明の化合物を投与して該病気を治療する工程を包含する。上で説明したように、本発明の化合物は、5−HT1Aでアンタゴニスト活性を有し得、これは、セロトニンの再摂取の阻止により誘発される負のフィードバック機構と反作用する;これは、それにより、本発明の化合物の活性を阻害するセロトニン再摂取の効果を改善すると予想される。本発明の他の化合物は、5−HT1Aのような5−HTレセプタでアゴニスト活性を有する。
【0095】
本発明の化合物は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある多種多様な臨床病(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療するのに貴重である。このような病気には、以下が挙げられる:摂食障害、精神分裂病、神経痛および嗜癖性障害;強迫性障害、パニック障害、中枢神経系ならびに睡眠および食物吸収の障害により引き起こされる性的機能不全、アルコール依存症、疼痛、記憶欠損、単極性鬱病、気分変調、双極性鬱病、治療耐性鬱病、医学的病気における鬱病、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、対人恐怖、月経前不快気分障害、鬱病またはより詳細には抑鬱性障害のような気分障害(例えば、単一エピソード性もしくは再発性の大鬱病性障害および気分変調性障害)、または双極性障害(例えば、双極性I障害、双極性II障害および循環気質);広場恐怖症を伴うかまたは伴わないパニック障害のような不安障害、パニック障害の病歴を有さない広場恐怖症、特定の恐怖症(例えば、特定の動物恐怖症、対人恐怖症、心的外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害)および全般性不安障害、;精神分裂病および他の精神障害(例えば、分裂病様障害、統合失調感情性障害、妄想性障害、短期精神障害、共有精神病障害および妄想または幻覚を伴う精神病性障害);精神錯乱、痴呆、および健忘症ならびに他の認知障害または神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、老年性痴呆、アルツハイマー型の痴呆、血管性痴呆、および例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病に起因するか、または複数の病因に起因する他の痴呆;パーキンソン病および薬物誘導性運動障害、例えば、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群、神経弛緩薬悪性症候群、神経弛緩薬誘導性急性失調症、神経弛緩薬誘導性急性静座不能、神経弛緩薬誘導性遅発性ジスキネジーおよび薬物誘導性姿勢振せんのような他の錐体外運動障害;アルコール、アンフェタミン(もしくはアンフェタミン様物質)カフェイン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入剤およびエアゾール噴霧剤、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン誘導体、鎮静薬、睡眠薬、および抗不安薬の使用から生じる物質関連障害であって、この物質関連障害としては、依存性および乱用性、中毒、禁断症状、中毒せん妄、禁断症状せん妄、残存性痴呆、精神障害、気分障害、不安障害、性機能不全および睡眠障害;てんかん;ダウン症候群;MSおよびALSのような脱髄疾患および末梢神経障害のような他の神経病理学的な障害(糖尿病および化学療法誘導型神経障害)、および処置後の神経痛、三叉神経痛、分節性神経痛または肋間神経痛および他の神経痛;そして脳梗塞、クモ膜下出血または脳水腫のような急性または慢性の脳血管損傷に起因する大脳の血管障害が挙げられる。1実施態様では、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある病気(セロトニン作動性機能低下または機能亢進)には、鬱病を含めない。
【0096】
本発明の化合物は、上記病気の治療だけでなく、以下に使用され得る:血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制。
【0097】
これらの化合物はまた、以下を含めた種々の他の病気を治療するのに有用であり得る:ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)。
【0098】
特定の病気を治療するためには、本発明の化合物を他の薬理学的に活性な薬剤と併用することが望まれ得る。本発明の化合物は、同時使用、個別使用または逐次使用のための組合せ調製として、治療薬と共に提供され得る。このような組合せ調製は、例えば、ツインパックの形状であり得る。
【0099】
本発明のさらに他の局面は、他の5−HTアンタゴニストおよび/またはSSRI(例えば、5−HT3アンタゴニスト(例えば、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロンまたはザチセトロン))と組み合わせて、本発明の化合物を含有する。さらに、本発明の化合物は、抗炎症性コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン)と組み合わせて、投与され得る。さらに、本発明の化合物は、上記のように、化学療法薬(例えば、アルキル化剤、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害剤または細胞毒性抗生物質)と組み合わせて、投与され得る。一般に、このように併用する公知の治療薬の現在利用可能な剤形は、適当である。
【0100】
本発明の他の局面または代替局面によれば、本発明は、単独でおよび/または他の薬剤と併用して、本発明の化合物の導入に応答性である種々の病気を治療または予防する医薬の製造;または特定の病気の所望の治療を達成するために該病気に関連した生理学的現象を変えるのに使用する化合物を提供する。このような病気および生理学的現象には、血管拡張、平滑筋収縮、気管支収縮、脳障害(例えば、血管性障害(例えば、血管拡張により引き起こされる血流障害)および血管攣縮性疾患(例えば、狭心症、血管性頭痛、片頭痛およびレーノー病));および神経病理学的障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病を含めて);心血管系の調節;脳梗塞(Apoplexia cerebri)(例えば、脳卒中または脳虚血)の発生の影響の予防および抑制;およびセロトニン作動系の乱れ、また、炭水化物代謝の乱れに特徴がある腸管の障害の抑制;ストレス関連体細胞障害;反射性交感神経性ジストロフィー(例えば、肩/手症候群);膀胱機能障害(例えば、膀胱炎、膀胱排尿筋反射亢進および失調症);および前記病気のいずれかに起因するか関連している疼痛または痛覚(特に、片頭痛での疼痛伝達)が挙げられる。
【0101】
本発明の他の局面または代替局面によれば、本発明は、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある生理学的障害(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療する医薬の製造で使用する本発明の化合物を提供する。
【0102】
本発明は、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある生理学的障害(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療または予防する方法を提供し、該方法は、治療が必要な患者に、有効量の本発明の化合物または本発明の化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。
【0103】
片頭痛を処置または防止するために、本発明の化合物は、他の抗片頭痛薬(例えば、エルゴタミンまたは5−HT1アゴニスト、特にスマトリプタンまたはリザトリプタン)と組み合わせて用いられ得る。同様に、行動性痛覚過敏を処置するために、本発明の化合物は、N−メチルD−アスパルラート(NMDA)のアンタゴニスト(例えば、ジゾシルピン)と組み合わせて用いられ得る。
【0104】
不安および/もしくは抑うつを処置または防止するために、本発明の化合物は、抗うつ剤または抗不安薬と組み合わせて用いられ得ることがさらに理解される。本発明の使用に適切な種類の抗うつ剤としては、ノルエピネフリン再摂取インヒビター、選択性セロトニン再摂取インヒビター、モノアミン酸化酵素インヒビター、可逆性モノアミン酸化酵素インヒビター、セロトニンおよびノルエピネフリンの再摂取インヒビター、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、β−アドレナリンレセプターアンタゴニストならびに非定型抗うつ剤が、挙げられる。本発明に使用の別の種類の抗うつ剤としては、ノルアドレナリン作動性抗うつ剤および特定のセロトニン作動性抗うつ剤(例えば、ミルタザピン(mirtazapine))である。ノルエピネフリン再摂取インヒビターの適切な例としては、アミトリプジリン(amitripdyline)、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、レボキセチンおよびプロトリプチリンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。選択性セロトニン摂取インヒビターの適切な例としては、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセルトラリンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。モノアミン酸化酵素インヒビターの適切な例としては、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。可逆性モノアミン酸化酵素インヒビターの適切な例としては、モクロベミド(moclobemide)およびその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。セロトニンおよびノルアドレナリンの摂取インヒビターの適切な例としては、ベンラファキシンおよびその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストの適切な例としては、国際特許明細書番号WO94/13643、WO94/13644、WO94/13661、WO94/13676およびWO94/13677に記載されるこれらCRFアンタゴニストの化合物が挙げられる。非定型抗うつ剤の適切な例としては、ビュープロピオン、リチウム、ネファゾドン、シブトラミン、トラゾドンおよびビロキサジンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。本発明に使用する他の抗うつ剤としては、アジノゾラム(adinozolam)、アラプロクラート、アミネプチン、トリプタノール(amitryptyline)/クロルジアゼポキシドの併用、アティパメゾル、アザミアンセリン、バジナプリン(bazinaprine)、フェフラリン(fefuraline)、ビフェメラン、ビノダリン(binodaline)、ビペナモール、ブロファロミン、ビュープロピオン、カロキサゾン(caroxazone)、セリクラミン、シアノプラミン(cianopramine)、シモキサトン、シタロプラム、クレメプロール、クロボキサミン、ダセピニル(dasepinil)、デアノール、デメキシプチリン、ジベンゼピン、ドチエピン(dothiepin)、ドロキシドパ、エネフェキシン、セタゾラム(setazolam)、エトペリドン(etoperidone)、フェモキセチン、フェンガビン、フェゾラミン、フルオトラセン、イダゾキサン(idazoxan)、インダルピン、インデロキサジン、イプリンドール(iprindole)、レボプロチリン、リトキセチン、ロフェプラミン、メジホキサミン、メタプラミン(metapramine)、メトラリンドール(metralindole)、ミアンセリン、ミルナシプラン、ミナプリン(minaprine)、ミルタザピン(mirtazapine)、モンチレリン(montirelin)、ネブラセタム(nebracetam)、ネホパム、ニアラミド、ノミフェンシン、ノルフルオキセチン、オロチレリン(orotirelin)、オキサフロザン(oxaflozane)、ピナゼパム(pinazepam)、ピリンドール(pirindole)、ピゾチリン(pizotyline)、リタセリン(ritaserin)、ロリプラム、セリクロレミン(sercloremine)セチプチリン、シブトラミン、スルブチアミン(sulbutiamine)、スルピリド、テニロキサジン(teniloxazine)、トザリノン(thozalinone)、チモリベリン(thymoliberin)、チアネプチン、チフルカービン(tiflucarbine)、トフェナシン、トフィソパム、トロキサトン、トモキセチン、ベラリプリド(veralipride)、ビクアリン(viqualine)、ジメリジンおよびゾメタピン(zometapine)およびその薬学的に受容可能な塩およびセントジョーンズワートハーブもしくはセイヨウオトギリソウまたはその抽出物が挙げられる。好ましい抗鬱剤としては、選択的セロトニン再取り込みインヒビター、特にフルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセルトラリンならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。
【0105】
本発明の使用に適切な種類の抗不安剤としては、ベンゾジアゼピンおよび5−HT1Aのアゴニストおよびアンタゴニスト、特に5−HT1Aの部分的なアゴニスト、ならびにコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストが挙げられる。ベンゾジアゼピンに加えて、他の適切な種類の抗不安剤は、非ベンゾジアゼピン鎮静−睡眠薬(例えば、ゾルピデム);気分安定剤(例えば、クロバザム、ギャバペンチン、ラモトリジン、ロレクレゾール(loreclezole)、オキソカルバマゼピン(oxcarbamazepine)、スチリペントールおよびビガバトリン;ならびにバルビツレートである。本発明の使用に適切なベンゾジアゼピン系薬としては、アルプラゾラム、クロルジゼポキシド(chlordizepoxide)、クロナゼパム、クロラゼペイト、ジアゼパム、ハラゼパム、ロレゼパム、オキサゼパムおよびパラゼパム、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。本発明の使用に適切な例の5−HT1Aのアゴニストおよびアンタゴニストとしては、特に、5−HT1Aの部分的なアゴニストのブスピロン、フレシノキサン、ジェピロン、イプサピロンおよびピンドロル、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。本発明に使用する別の種類の抗不安剤は、ムスリカン性コリン作用性活性を有する化合物である。この種類の適切な化合物としては、欧州特許明細書番号第0 709 093号、同第0 709 021号および同第0 773 021号ならびに国際特許明細書番号WO96/12711に記載される化合物のようなm1ムスリカン性コリン作用性レセプターアンタゴニストが挙げられる。本発明に使用する別の種類の抗不安剤は、イオンチャネルに作用する化合物である。この種類の適切な化合物としては、カルバマゼピン、ラモトリジンおよびバルプロエート、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。
【0106】
従って、本発明のさらなる局面において、薬学的組成物は、少なくとも一つの薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、本発明の化合物および抗うつ剤または抗不安剤を含んで提供される。
【0107】
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適切な抗精神病薬としては、フェノチアジン(例えば、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、パーフェナジンおよびトリフルオペラジン);チオキサンテン(例えば、クロルプロチキセンまたはチオチキセン);複素環式ジベンザゼピン(例えば、クロザピンまたはオランザピン);ブチロフェノン(例えば、ハロペリドール);ジフェニルブチルピペリジン(例えば、ピモジド);ならびにインドロン(indolone)(例えば、モリンドレン)が挙げられる。他の抗精神病薬としては、ロキサピン(loxapine)、スルピリドおよびリスペリドンが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて用いられる場合、抗精神病薬は、薬学的に受容可能な塩(例えば、塩酸クロルプロマジン、メソリダジンベシレート、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオセキセン、デカン酸ハロペリドール 、コハク酸ロクサピンおよび塩酸モリンドンの形態であり得ることが理解される。パーフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、オランザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドン(risperidone)は一般に、非塩形態で用いられる。
【0108】
本発明の化合物と組み合わせて用いる他の種類の抗精神病薬としては、ドーパミンレセプターアンタゴニスト、特にD2、D3およびD4ドーパミンレセプターアンタゴニスト、ならびにムスカリン性m1レセプターアゴニストが挙げられる。D3ドーパミンレセプターアンタゴニストの例は、化合物PNU−99194Aである。D4ドーパミンレセプターアンタゴニストの例は、PNU−101387である。ムスカリン性m1レセプターアゴニストの例は、キサノメリンである。
【0109】
本発明の化合物と組み合わせて使用する別の種類の抗精神病薬は、5−HT2Aレセプターアンタゴニストであり、この例としては、MDL100907およびファナンセリン(fananserin)が挙げられる。セロトニンドーパミンアンタゴニスト(SDA)が、また本発明の化合物と組み合わせて用いられる。セロトニンドーパミンアンタゴニストは、5−HT2Aと結合し、ドーパミンレセプターアンタゴニスト活性を有すると考えられる。例としては、オランザピンおよびジペラシドンが挙げられる。
【0110】
従って、本発明のさらなる局面において、薬学的組成物は、少なくとも一つの薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、本発明の化合物および抗精神病剤を含んで提供される。
【0111】
本発明の化合物および他の薬理学的に活性な因子は、同時に、連続的にまたは併用して、患者に投与され得る。本発明を組み合わせて用いる場合、本発明の化合物および他の薬理学的に活性な因子は、同一の薬学的に受容可能なキャリアであり得、そのため同時に投与され得ることが理解される。これらは別々の薬学的キャリアで同時に摂取される従来の経口用量形態であり得る。用語「組み合わせ」はさらに、化合物が、別々の用量形態で提供されかつ連続的に投与される場合もいう。
【0112】
本発明はまた、注意欠陥過活動性障害(ADHD)の処置におけるこのような化合物の使用に関する。機能亢進を伴うかまたは伴わないADHD(また注意欠損障害/過活動性症候群(ADD/HS)としても文献中に参照される)は、社会的な状況における衝動性、転導性、不適性の行動ならびに機能亢進によって特徴付けられる状態(または状態の群)である。ADD/HSは、子供において3%〜5%の有病率(DSM−IV診断基準を用いる)を有することが報告されている。この場合のおよそ30%〜60%は、成人期まで持続すると考えられる。この障害は、社会的機能、学習および/または発達を損ない得、そのため現在深刻な問題として認識されている。ADHDを有する多くの子供達は、成人期において他の同等の病的な状態の発生または社会的問題を生じることがさらに認識されている。
【0113】
臨床期間において、三つの主要な臨床的な特徴(不注意、過活動および衝動性)のうちいずれか一つが、二つ以上の状況(例えば、家庭環境および学校環境の両方において)において、持続する場合、ADHDと診断される(American Psychiatric Association.Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第4版(DSM−IV)Washington D.C.;American Psychiatric Association,1994)。
【0114】
ADHDの特に重症の状態は、運動過剰障害と称される。三つの主要な臨床的な特徴(不注意、過活動および衝動性)が、若い年齢から現れており、一つより多くの状況(例えば、家および学校)で持続し、機能を損なう場合、運動過剰障害の診断がなされ得る(The ICD−10 Classification of Mental and Behavioural Disorders:Diagnostic Criteria for Research.Geneva:World Health Organization,1993:155−7)。報告は、200人の子供のうちの一人が、運動過剰障害を罹患することを示す。
【0115】
現在、ほんの僅かの治療剤が存在し、これは、幼児期のADHD処置において有効性を有するとして認識されている;現在、選択薬物としては、デキストロアンフェタミン、ペモリン、および特にメチルフェニデート(Ritalin(登録商標))が挙げられる。抗うつ剤および抗精神病剤の投与(例えば、リスペリドン)はまた、一部の症例においては効果的であり得るが、標準的な処置ではない。メチルフェニデートは、おそらくADHDの処置において最も広範に用いられている薬物であるが、いくつかの不都合を受ける:メチルフェニデートは、規制薬物である:大量に代謝され、錯乱および幻覚を引き起こし得る。さらに、メチルフェニデートは、ADHDの三つの主要な臨床的な特徴のうちの一つ(すなわち、不注意)を処置せず、さらにADHDの子供を正常な状態にしない。
【0116】
本発明の化合物は、最適な薬効を与える投薬量で、このような治療を必要としている患者(動物およびヒト)に投与され得る。任意の特定の用途で使用するのに必要な用量は、選択される特定の化合物または組成物だけでなく、投与経路、治療する病気の性質、患者の年齢および健康状態、併用する医薬品とそれに次いで患者に与えられる特別食、および当業者が認識する他の要因と共に患者ごとに変わり、適当な投薬量は、最終的には、担当医の自由裁量となることが分かる。
【0117】
セロトニンの過剰または欠如に関連した病気(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)の治療では、適当な投薬レベルは、一般に、約0.001〜50mg/患者の体重1kg/日であり、これは、単一用量または複数用量で、投与され得る。もし、経口投与されるなら、その投薬レベルは、約0.01〜約30mg/kg/日(例えば、0.01〜約1、3、5、7、10、15、20、25または30mg/kg/日)であり得る。もし、静脈内投与されるなら、その投薬レベルは、それより幾分少なくされ得る(例えば、0.01〜約0.3、1、3、5、7または10mg/kg/日)。例えば、中枢神経系の障害の治療または予防では、適当な経口投薬レベルは、約0.01〜約30mg/kg/日(例えば、0.01〜約1、3、5、7、10、15、20、25または30mg/kg/日)であり得る。これらの化合物は、1日あたり1〜4回、好ましくは、1日あたり、1回または2回のレジメンで、投与され得る。
【0118】
任意の治療で使用するのに必要な本発明の化合物の量は、選択される特定の化合物または組成物だけでなく、投与経路、治療する病気の性質、患者の年齢および健康状態と共に患者ごとに変わり、適当な投薬量は、最終的には、担当医の自由裁量となることが分かる。
【0119】
本発明の組成物および併用療法は、種々の医薬賦形剤(本明細書中で記述したような安定化剤、担体および/またはカプセル化処方を含めて)と併用して、投与され得る。
【0120】
本発明の水性組成物は、有効量の本発明のペプチド(これは、薬学的に受容可能な担体または水性媒体に溶解または分散されている)を含有する。
【0121】
「薬学的または薬理学的に受容可能な」には、適当に動物またはヒトに投与したとき、好ましくない反応、アレルギー反応または他の有害な反応を生じない分子要素および組成物が含まれる。「薬学的に受容可能な担体」には、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、被覆、抗菌剤および抗真菌剤および吸収遅延剤などが挙げられる。このような媒体および薬剤を薬学的に活性な物質に使用することは、当該技術分野で周知である。任意の通常の媒体が活性成分と非相溶性である場合を除いて、治療組成物でのその使用が考慮されている。これらの組成物には、補助活性成分もまた取り込むことができる。
【0122】
ヒトに投与するには、製剤は、FDA Office of Biologicsの標準により要求される無菌性、発熱性、一般的な安全性および純度の標準を満たすべきである。
【0123】
本発明の組成物および併用療法は、次いで、一般に、非経口投与のために処方される(例えば、静脈内経路、筋肉内経路、皮下経路、病巣内経路または腹腔内経路による注射のために処方される)。本発明の組成物または活性成分を含有する水性組成物の調製は、本開示に照らして、当業者に公知である。典型的には、このような組成物は、液状溶液または懸濁液のいずれかの注射可能物として、調製できる;注射前に液体を加える際に溶液または懸濁液を調製するのに使用するのに適当な固体形状もまた、調製できる;また、これらの製剤は、乳化できる。
【0124】
注射可能用途に適当な製剤形状には、無水水溶液または水性分散液;ゴマ油、落花生油または水性プロピレングリコールを含めた処方;および無菌注射可能溶液または分散液の即席製剤用の無菌粉末が挙げられる。いずれの場合でも、その形状は、無菌でなければならず、また、簡単な注射可能性が存在している程度まで、流動性でなければならない。それは、製造条件および保存条件下にて安定でなければならず、また、微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対して、保存が利かなければならない。
【0125】
遊離塩基または薬理学的に受容可能な塩としての活性化合物の溶液は、界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)と適当に混合した水中で、調製できる。分散液はまた、グリセロール、液状プロピレングリコールおよびそれらの混合物中にて、およびオイル中にて、調製できる。通常の保存条件および使用条件下にて、これらの製剤は、微生物の成長を阻止するために、防腐剤を含有する。
【0126】
本発明の治療組成物または薬理組成物は、一般に、有効量の併用療法の成分を含有し、これは、薬学的に受容可能な媒体に溶解または分散されている。薬学的に受容可能な媒体または担体には、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、被覆、抗菌剤および抗真菌剤および吸収遅延剤などが挙げられる。このような媒体および薬剤を薬学的に活性な物質に使用することは、当該技術分野で周知である。本発明の組成物には、補助活性成分もまた取り込むことができる。
【0127】
薬学的組成物または薬理組成物の調製は、本開示に照らして、当業者に公知である。典型的には、このような組成物は、液状溶液または懸濁液のいずれかの注射可能物として;注射前に液体中の溶液または懸濁液に適当な固体形状として;経口投与用の他の固体の錠剤として;時間放出カプセル剤として;または現在使用される任意の他の形状(クリーム、ローション、うがい薬、吸入薬などを含めて)で、調製され得る。
【0128】
無菌注射可能溶液は、適当な溶媒中の必要量の活性化合物を上で列挙した種々の他の成分と混ぜ合わせることに続いて、必要に応じて、濾過滅菌を行うことにより、調製される。一般に、分散液は、種々の無菌活性成分を無菌ビヒクル(これは、その基本分散媒体および上で列挙したものに由来の必要な他の成分)に取り込むことにより、調製される。無菌注射可能溶液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分の粉末+先に滅菌濾過した溶液に由来の任意の追加所望成分が得られる。
【0129】
筋肉内注射用のさらに濃縮した溶液の調製もまた、考慮される。このことに関して、溶媒としてのDMSOの使用は、非常に急速な浸透が得られて高濃度の活性成分または薬剤を小領域に送達するので、好ましい。
【0130】
手術野における特定の領域を浄化するために外科医、医師または医療従事者が無菌処方(例えば、生理食塩水ベースの洗浄液)を使用することもまた、特に有用であり得る。本発明による治療処方はまた、うがい薬の形状で、または抗真菌薬と併用して、調製され得る。吸入薬の形状もまた、想定される。本発明の治療処方はまた、局所投与に適当な形状(例えば、クリームおよびローション)で調製され得る。
【0131】
このような溶液で使用するのに適当な防腐剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、チメロサールなどが挙げられる。適当な緩衝液には、そのpHを約pH6とpH8の間(好ましくは、約pH7とpH7.5の間)で維持するのに十分な量で、ホウ酸、炭酸水素ナトリウムおよびカリウム、ホウ酸ナトリウムおよびカリウム、炭酸ナトリウムおよびカリウム、酢酸ナトリウム、二リン酸ナトリウムなどが挙げられる。適当な強壮剤には、デキストラン40、デキストラン70、ブドウ糖、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコール、塩化ナトリウムなどがあり、その結果、この眼科溶液の塩化ナトリウム当量は、0.9±0.2%の範囲である。適当な酸化防止剤および安定化剤には、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、チオ尿素などが挙げられる。適当な湿潤剤および浄化剤には、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282およびチロキサポールが挙げられる。適当な粘度増加剤には、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ワセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
【0132】
処方すると、その投薬処方に適合する様式で、薬理学的に有効な量で、治療が施される。これらの処方は、種々の剤形(例えば、上記型の注射可能溶液)で容易に投与されるが、薬剤放出カプセル剤などもまた、使用できる。
【0133】
これに関連して、活性成分の量および投与する組成物の容量は、治療するホスト動物に依存している。投与に必要な活性化合物の正確な量は、医師の判断に依存しており、各個人に特有である。
【0134】
典型的には、これらの活性成分を分散するのに必要な最小容量の組成物が使用される。適当な投与レジメンもまた可変であるが、まず、この化合物を投与し、それらの結果をモニターし、次いで、さらに間隔を置いて、さらに制御した用量を与えることにより、類型化される。例えば、非経口投与には、適当に緩衝化し必要に応じて等張性の水溶液が調製され、そして静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与または腹腔内投与に使用される。1投薬量が等張性NaCl溶液1mlに溶解され、そして皮下注入液1000mlに加えられるか、または提案された注入部位で注射されるか、いずれかである(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 15th Edition,pages 1035−1038および1570−1580を参照)。
【0135】
ある実施態様では、活性化合物は、経口的に投与され得る。これは、消化酵素によるタンパク質分解に一般に抵抗性であるか抵抗性にした薬剤に対して、考慮される。このような化合物には、化学的に設計または変性された薬剤;右旋性ペプチド;およびペプチダーゼ分解およびリパーゼ分解を避けるための時間放出カプセル剤中のペプチドおよびリポソーム処方が挙げられる。
【0136】
薬学的に受容可能な塩には、酸付加塩が挙げられ、これは、無機酸(例えば、塩酸またはリン酸)または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などのような有機酸を使って形成される。遊離カルボキシル基を使って形成される塩もまた、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化鉄)およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から誘導できる。
【0137】
この担体はまた、溶媒または分散媒体(これは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコール)、それらの適当な混合物、および植物油を含有する)であり得る。適当な流動性は、例えば、被覆(例えば、レシチン)を使用することにより、分散液の場合に必要な粒径を維持することにより、また、界面活性剤を使用することにより、維持できる。微生物の作用の阻止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)により、誘発できる。多くの場合、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含めることが好ましい。これらの注射可能組成物の長期的な吸収は、薬剤遅延吸収組成物(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することにより、誘発できる。
【0138】
無菌注射可能溶液は、適当な溶媒中の必要量の活性化合物を上で列挙した種々の他の成分と混ぜ合わせることに続いて、必要に応じて、濾過滅菌を行うことにより、調製される。一般に、分散液は、種々の無菌活性成分を無菌ビヒクル(これは、その基本分散媒体および上で列挙したものに由来の必要な他の成分)に取り込むことにより、調製される。無菌注射可能溶液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分の粉末+先に滅菌濾過した溶液に由来の任意の追加所望成分が得られる。
【0139】
直接注射用のさらに濃縮した溶液の調製もまた、考慮され、この場合、溶媒としてのDMSOの使用は、非常に急速な浸透が得られて高濃度の活性成分または薬剤を小領域に送達するので、好ましい。
【0140】
処方すると、その投薬処方に適合する様式で、治療に有効な量で、溶液が投与される。これらの処方は、種々の剤形(例えば、上記型の注射可能溶液)で容易に投与されるが、薬剤放出カプセル剤などもまた、使用できる。
【0141】
水溶液中での非経口投与には、例えば、この溶液は、必要に応じて、適当に緩衝化され、その液状希釈剤は、まず、十分な生理食塩水またはグルコースで等張性にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与または腹腔内投与に特に適当である。これに関して、使用できる無菌水性媒体は、本開示に照らして、当業者に公知である。
【0142】
非経口投与(例えば、静脈内注射または筋肉内注射)に処方される化合物に加えて、他の薬学的に受容可能な形状には、例えば、錠剤または経口投与用の他の形状;リポソーム処方;時間放出カプセル剤;および現在使用される他の形状(クリームを含めて)が挙げられる。
【0143】
他の投与様式に適当な追加処方には、座剤が挙げられる。座剤、伝統的な結合剤および担体には、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドが挙げられ得る;このような座剤は、0.5%〜10%、好ましくは、1%〜2%の範囲の活性成分を含有する混合物から形成され得る。
【0144】
経口処方には、通常使用される賦形剤(例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなど)が挙げられる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル剤、徐放処方または粉剤の形状をとる。
【0145】
規定した特定の実施態様では、経口薬学的組成物は、不活性希釈剤または吸収できる食用担体を含有するか、または硬質または軟質殻のゼラチンカプセルに閉じ込められ得るか、または錠剤に圧縮され得るか、または常食に直接組み入れられ得る。経口治療投与には、これらの活性化合物は、賦形剤に取り込まれ得、そして経口摂取可能錠剤、舌下錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハなどの形状で使用され得る。このような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべきである。これらの組成物および製剤の割合は、もちろん、変えられ得、そして好都合には、その単位の重量の約2%〜約75%、または好ましくは、25〜60%の間であり得る。このような治療に有用な組成物中の活性化合物の量は、適当な投薬量が得られるようにされる。
【0146】
これらの錠剤、トローチ、丸薬、カプセル剤などはまた、以下を含有し得る:結合剤(例えば、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン);賦形剤(例えば、リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸など);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);および甘味料(例えば、スクロース、ラクトースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、冬緑油またはサクランボ香味)。その剤形がカプセルであるとき、それは、上記種類の物質に加えて、液状担体を含有し得る。種々の他の物質は、被覆として存在し得るか、またはその投薬単位の物理的形状を変える。例えば、錠剤、丸薬またはカプセル剤は、セラック、糖またはそれらの両方で被覆され得る。エリキシル剤のシロップは、甘味料としての活性化合物スクロース、防腐剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料および香味料(例えば、サクランボ香味またはオレンジ香味)を含有し得る。
【0147】
本発明の薬学的組成物は、外部用途、腸内用途または非経口用途に適当な有機または無機担体または賦形剤と混合して、例えば、固体、半固体または液体形状の医薬製剤(これは、本発明の化合物の1種またはそれ以上を含有する)で使用され得る。その活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル剤、座剤、溶液、乳濁液、懸濁液および任意の他の使用に適当な形状の通常の非毒性で薬学的に受容可能な担体と配合され得る。使用できる担体には、固体、半固体または液体形状で、水、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプン糊、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイドシリカ、ポテトスターチ、尿素および製剤の使用に適当な他の担体があり、さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤および着色剤および芳香剤が使用され得る。この薬学的組成物には、疾患の進行または状態に所望の効果を生じるのに十分な量で、活性対象化合物が含まれる。
【0148】
錠剤のような固形組成物を調製するには、その主要な活性成分は、医薬担体(例えば、通常の錠剤化成分(例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはゴム)および他の医薬希釈剤(例えば、水))と混合されて、固形予備処方組成物(これは、本発明の化合物またはそれらの非毒性で薬学的に受容可能な塩の均一混合物を含有する)を形成する。これらの予備処方組成物を均一であると呼ぶとき、その組成物が有効な単位剤形(例えば、錠剤、丸薬およびカプセル剤)に等しく容易に細分され得るように、この組成物全体にわたって分散されていることを意味する。この固形予備処方組成物は、次いで、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含有する上記型の単位剤形に細分される。この新規組成物の錠剤または丸薬は、長期的な作用があるという有利な点を与える剤形を生じるように被覆または配合できる。例えば、この錠剤または丸薬は、内部投薬成分および外部投薬成分を含有でき、後者は、前者を覆うエンベロープの形状である。これらの2種の成分は、腸溶層(これは、胃での崩壊に抵抗して内部成分を無傷で十二指腸に通すか放出を遅らせるのに役立つ)により、分離できる。このような腸溶層または被覆には、種々の物質が使用でき、このような物質には、多数の高分子酸および高分子酸とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような物質との混合物が挙げられる。
【0149】
本発明の組成物が経口投与または注射用に取り込まれ得る液体形状には、水溶液、適当な香味を付けたシロップ、水性またはオイル懸濁液、および適当なオイル(例えば、綿実油、ゴマ油、やし油または落花生油)との乳濁液、または静脈内用途に適当な溶解剤または乳化剤だけでなくエリキシルおよび類似の医薬ビヒクルとの乳濁液が挙げられる。水性懸濁液に適当な分散剤または懸濁剤には、合成ゴムおよび天然ゴム(例えば、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはゼラチン)が挙げられる。
【0150】
吸入またはガス注入用の組成物には、薬学的に受容可能な水性溶媒または有機溶媒またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、および粉末が挙げられる。これらの液体組成物または固体組成物は、上で述べたような適当な薬学的に受容可能な賦形剤を含有し得る。好ましくは、これらの組成物は、局所効果または全身効果を得るために、経口または鼻内呼吸経路により、投与される。好ましくは、無菌の薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスを使用することにより、噴霧され得る。噴霧した溶液は、噴霧装置から直接呼吸され得るか、または噴霧装置は、フェースマスク、テントまたは断続的正圧呼吸機器に装着され得る。溶液、懸濁液または粉末組成物は、その処方を適当な様式で送達する装置から、好ましくは、経口または鼻内投与され得る。
【0151】
上で述べた臨床病および疾患を治療するために、本発明の化合物は、通常の非毒性で薬学的に受容可能な担体、補助剤およびビヒクルを含有する剤形処方で、経口的、局所的、非経口的、吸入噴霧または直腸的に投与され得る。本明細書中で使用する非経口的との用語には、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、幹内(intrastemal)注射または注入技術が含まれる。
【0152】
本発明の化合物を調製する方法は、以下の実施例で説明する。以下の実施例は、本発明の範囲または精神を限定するのではなく、本発明を例示する目的で示されている。
【0153】
(アリールピペラジニルスルホンアミド化合物の合成)
以下のスキームにより、本発明のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物を合成した。
【0154】
(スキーム1)
【0155】
【化7】
(スキーム2)
【0156】
【化8】
(スキーム3)
【0157】
【化9】
(スキーム4)
【0158】
【化10】
(スキーム5)
【0159】
【化11】
(スキーム6)
【0160】
【化12】
(スキーム7)
【0161】
【化13】
(スキーム8)
【0162】
【化14】
(スキーム9)
【0163】
【化15】
(スキーム10)
【0164】
【化16】
【0165】
(スキーム11)
【化17】
(スキーム12)
【0166】
【化18】
(スキーム13)
【0167】
【化19】
(調製1)
【0168】
【化20】
アミノアルコール1(1.0g、11.0mmol)の無水塩化メチレン(25mL)氷冷溶液に、N2下にて、Et3N(6.1mL、44.0mmol)を加え、続いて、塩化トシル(5.3g、28.0mmol)を加えた。その混合物を、0℃で、3時間攪拌し、次いで、冷NaHCO3飽和水溶液(15mL)を加え、その有機相を水(3×15mL)で洗浄した。この有機層をMgSO4で乾燥し、そして濾過し、減圧下にて溶媒を除去して、赤褐色残留物を得た。この粗製物質を、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
【実施例】
【0169】
(実施例1)
【0170】
【化21】
THFまたはCH3CN(500ml)中の1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン(3.4g、16.4mmol);調製1の生成物、4−メチルベンゼンスルホン酸4−(トシルアミノ)ブチル(7.8g、19.6mmol);トリエチルアミン(2.4g、23.7mmol)の混合物を、窒素下にて、室温で、48時間攪拌した。その反応混合物をジクロロメタンで希釈し、そして10%炭酸ナトリウム水溶液(2×200mL)および水(2×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを除去した後、減圧下にて溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、ジクロロメタン−メタノール(100:2)を使用する)で精製して、5.4g(収率76%)の表題化合物4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0171】
【化22】
(実施例2)
【0172】
【化23】
実施例1の生成物(150mg、0.35mmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶液に、室温で、2M塩酸エーテル溶液2mMを加えた。その沈殿物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、そして一晩真空乾燥して、黒色固形生成物(168mg、収率95%)として、実施例1の生成物の塩を得た。
【0173】
【化24】
(調製2)
【0174】
【化25】
塩化スズ(3.5g、18.5mmol)のメタノール(50mL)および濃塩酸(10mL)溶液に、−10℃で、実施例1の生成物(800mg、1.85mmol)のメタノール(50mL)溶液を一度に加えた。その反応混合物を室温まで温め、その反応がTLCで決定したときに完結するまで、攪拌した。この反応物を、10%炭酸ナトリウム溶液(200mL)を加えることによりクエンチし、そしてジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下にて蒸発させた。その残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液としてジクロロメタン−メタノール(100:2)を使用する)で分離して、表題化合物である3−(4−(4−(トシルアミノ)ブチル)ピペラジン−1−イル)ベンゼンアミン(670mg、収率90%)を得た。その還元もまた、Pd/C触媒を使う水素化により、行った。それにより、所望生成物が得られた。
【0175】
【化26】
(実施例3)
【0176】
【化27】
調製2の生成物(31mg、0.077mmol)のジクロロメタン(3mL)およびピリジン(2mL)溶液に、0℃で、塩化シクロプロパンカルボニル(8.1mg、0.077mmol)を加えた。その混合物を、室温で、一晩攪拌し、そして減圧下にて、揮発性物質を除去した。その残留物をジクロロメタンで希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2×100mL)および水(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:MeOH/CH2Cl2=1:100)で精製して、表題化合物であるシクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド(27mg、収率75%)を得た。そのアシル化もまた、無水物を使用することにより行い、所望生成物を得た。
【0177】
【化28】
(実施例4)
【0178】
【化29】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例3の生成物と塩化水素とり反応を行うと、実施例3の化合物の塩として、所望の白色固形生成物が得られた。
【0179】
【化30】
(実施例5)
【0180】
【化31】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化イソブチリルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミドが得られた。
【0181】
【化32】
(実施例6)
【0182】
【化33】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化ブチリルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミドが得られた。
【0183】
【化34】
(実施例7)
【0184】
【化35】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化2,2−ジメチル−プロピオニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物である2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドが得られた。
【0185】
【化36】
(実施例8)
【0186】
【化37】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0187】
【化38】
(実施例9)
【0188】
【化39】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例8の生成物と塩化水素とを反応させると、実施例8の生成物の塩として、所望の白色固形物が得られた。
【0189】
【化40】
(実施例10)
【0190】
【化41】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化プロピオニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドが得られた。
【0191】
【化42】
(実施例11)
【0192】
【化43】
ジクロロメタン(5ml)中の調製2の生成物(31mg、0.077mmol)およびピリジン(2ml)の混合物に、0℃で、塩化メタンスルホニル(0.008mL、0.10mmol)を加えた。この混合物を、室温で、一晩攪拌し、そして真空下にて、乾燥状態まで濃縮した。得られた残留物をジクロロメタンで希釈し、そして炭酸ナトリウム水溶液、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)で精製すると、白色固形物として、36mg(97%)の所望生成物N−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0193】
【化44】
(実施例12)
【0194】
【化45】
実施例11で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化プロパン−2−スルホニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物である4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0195】
【化46】
(実施例13)
【0196】
【化47】
実施例11で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製2の生成物と塩化エタンスルホニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0197】
【化48】
(実施例14)
【0198】
【化49】
実施例1で記述したようにして、1−フェニル−ピペラジンと調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物である4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0199】
【化50】
(実施例15)
【0200】
【化51】
実施例1で記述したようにして、2−ピペラジン−1−イル−ピリミジンと調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物である4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0201】
【化52】
(実施例16)
【0202】
【化53】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例15の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例15の化合物の塩が得られた。
【0203】
【化54】
(実施例17)
【0204】
【化55】
実施例1で記述したようにして、1−ピリジン−2−イル−ピペラジンと調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物である4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0205】
【化56】
(実施例18)
【0206】
【化57】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例17の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例17の化合物の塩が得られた。
【0207】
【化58】
(調製3)
【0208】
【化59】
クロロベンゼン(300mL)中の2−メトキシ−5−ニトロ−フェニルアミン(16.8g、0.1mol)、ビス−(2−クロロ−エチル)−アミン塩酸塩(17.8g、0.1mol)および炭酸カリウム(69g、0.5mol)の混合物を48時間還流し、水で洗浄した。その水相をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH)で精製して、所望生成物である1−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)ピペラジン(10.7g、45%)を得た。
【0209】
【化60】
(実施例19)
【0210】
【化61】
実施例1で記述したようにして、調製3の生成物と調製1の生成物とを反応させることにより、所望生成物であるN−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドが得られた。
【0211】
【化62】
(調製4)
【0212】
【化63】
調製1で記述したようにして、塩化トシルとピペリジン−4−イル−メタノールとを反応させると、所望化合物である4−メチルベンゼンスルホン酸(1−トシルピペリジン−4−イル)メチルが得られ、これを、さらに精製することなく、使用した。
【0213】
(実施例20)
【0214】
【化64】
実施例1で記述したようにして、1−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンと調製4の生成物とを反応させると、所望化合物である1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジンが得られた。
【0215】
【化65】
(実施例21)
【0216】
【化66】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例20の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例20の化合物の塩が得られた。
【0217】
【化67】
(調製5)
【0218】
【化68】
調製1で記述したようにして、(4−ヒドロキシ−ブチル)−カルバミン酸第三級ブチルエステルと塩化トシルとを反応させると、所望化合物が得られ、これを、さらに精製することなく、使用した。
【0219】
(調製6)
【0220】
【化69】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンと調製5の生成物とを反応させると、所望化合物である4−(4−(3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブチルカルバミン酸第三級ブチルが得られた。
【0221】
【化70】
(調製7)
【0222】
【化71】
調製6の生成物(14.0g、0.037mol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、0℃で、トリフルオロ酢酸(10mL、0.13mol)を加えた。得られた溶液をさらに2時間攪拌した。減圧下にて溶媒を蒸発させた。残留物をジエチルエーテル(100mL)で洗浄した。沈殿物を乾燥して、収率90%で、生成物である4−(4−(3−ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタン−1−アミン(16.85g)を得た。
【0223】
【化72】
この反応はまた、ジオキサン中の塩化水素を使用することにより行い、所望生成物を得た。
【0224】
(調製8)
【0225】
【化73】
調製7の生成物(0.5mmol)のジクロロメタン(25mL)およびトリエチルアミン(0.75mmol)溶液に、0℃で、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニル(0.5mmol)を加えた。その混合物を、0℃で、2〜3時間攪拌し、そして減圧下にて、揮発性物質を除去した。その残留物をジクロロメタンで希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2×15mL)および水(2×15mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した後、その残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/CH2Cl2)で精製して、表題化合物(収率75〜88%)を得た。
【0226】
【化74】
(調製9)
【0227】
【化75】
調製2で記述したようにして、調製9の生成物と触媒としての塩化スズまたはPd/Cとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0228】
【化76】
(調製10)
【0229】
【化77】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製9の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドが得られた。
【0230】
【化78】
(実施例22)
【0231】
【化79】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製10の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製10の化合物の塩が得られた。
【0232】
【化80】
(調製11)
【0233】
【化81】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製9の生成物と塩化シクロプロパンカルボニルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるシクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アミドが得られた。
【0234】
【化82】
(実施例23)
【0235】
【化83】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製11の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製11の生成物の塩が得られた。
【0236】
【化84】
(調製12)
【0237】
【化85】
調製8で記述したようにして、塩化プロパン−2−スルホニルと調製7の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0238】
【化86】
(調製13)
【0239】
【化87】
調製2で記述したようにして、調製9の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0240】
【化88】
(調製14)
【0241】
【化89】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製13の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0242】
【化90】
(実施例24)
【0243】
【化91】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製14の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製14の生成物の塩が得られた。
【0244】
【化92】
(調製15)
【0245】
【化93】
調製8で記述したようにして、塩化2−メチル−プロパン−1−スルホニルと調製7の生成物とを反応させることにより、所望生成物が得られた。その粗混合物を、さらに精製することなく、還元に使用した。
【0246】
【化94】
(調製16)
【0247】
【化95】
調製2で記述したようにして、調製15の生成物と塩化スズとを反応させるか、または触媒としてPd/Cを使用して調製15の生成物を水素化すると、所望生成物が得られた。
【0248】
【化96】
(調製17)
【0249】
【化97】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製16の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0250】
【化98】
(実施例25)
【0251】
【化99】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製17の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製17の生成物の塩が得られた。
【0252】
【化100】
(調製18)
【0253】
【化101】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、シクロヘキサンスルホン酸{4−[4−(3−アミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−アミドと塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドが得られた。
【0254】
【化102】
(実施例26)
【0255】
【化103】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製18の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製18の生成物の塩が得られた。
【0256】
【化104】
(調製19)
【0257】
【化105】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンとトルエン−4−スルホン酸4−(第三級ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ブチルエステルとを反応させると、所望化合物が得られた。
【0258】
【化106】
(調製20)
【0259】
【化107】
調製7で記述したようにして、調製19の生成物とTFAとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0260】
【化108】
(調製21)
【0261】
【化109】
調製8で記述したようにして、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニルと調製20の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0262】
【化110】
(調製22)
【0263】
【化111】
調製2で記述したようにして、調製21の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0264】
【化112】
(調製23)
【0265】
【化113】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製22の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0266】
【化114】
(実施例27)
【0267】
【化115】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製23の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製23の生成物の塩が得られた。
【0268】
【化116】
(調製24)
【0269】
【化117】
調製8で記述したようにして、塩化2−メチル−プロパン−1−スルホニルと調製20の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0270】
【化118】
(調製25)
【0271】
【化119】
調製2で記述したようにして、調製24の生成物と塩化スズとを反応させるか、または触媒としてPd/Cを使用して調製24の生成物を水素化すると、所望生成物が得られた。
【0272】
【化120】
(調製26)
【0273】
【化121】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製25の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0274】
【化122】
(実施例28)
【0275】
【化123】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製26の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製26の生成物の塩が得られた。
【0276】
【化124】
(調製27)
【0277】
【化125】
実施例1で記述したようにして、1−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンと調製5の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0278】
【化126】
(調製28)
【0279】
【化127】
調製7で記述したようにして、調製27の生成物とTFAとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0280】
【化128】
(実施例29)
【0281】
【化129】
調製8で記述したようにして、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニルと調製28の生成物とを反応させると、所望生成物であるC−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドが得られた。
【0282】
【化130】
(実施例30)
【0283】
【化131】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、実施例29の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である実施例29の生成物の塩が得られた。
【0284】
【化132】
(調製29)
【0285】
【化133】
調製8で記述したようにして、{3−[4−(4−アミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−ジメチル−アミンとシクロヘキシル−塩化メタンスルホニルとを反応させると、所望生成物であるC−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドが得られた。
【0286】
【化134】
(実施例31)
【0287】
【化135】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製29の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製29の生成物の塩が得られた。
【0288】
【化136】
(調製30)
【0289】
【化137】
実施例1で記述したようにして、1−ピリジン−2−イル−ピペラジンと調製5の生成物とを反応させると、所望生成物が得られた。
【0290】
【化138】
(調製31)
【0291】
【化139】
調製7で記述したようにして、調製30の生成物とTFAとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0292】
【化140】
(調製32)
【0293】
【化141】
調製8で記述したようにして、シクロヘキシル−塩化メタンスルホニルと調製31の生成物とを反応させると、所望生成物であるC−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミドが得られた。
【0294】
【化142】
(実施例32)
【0295】
【化143】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製32の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製32の生成物の塩が得られた。
【0296】
【化144】
(調製33)
【0297】
【化145】
実施例1で記述したようにして、ジメチル−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチルエステルとを反応させると、所望生成物である(3−{{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミンが得られた。
【0298】
【化146】
(実施例33)
【0299】
【化147】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製33の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製33の生成物の塩が得られた。
【0300】
【化148】
(調製34)
【0301】
【化149】
実施例1で記述したようにして、1−ピリジン−2−イル−ピペラジンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチルエステルとを反応させると、所望生成物である1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジンが得られた。
【0302】
【化150】
(実施例34)
【0303】
【化151】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製34の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製34の生成物の塩が得られた。
【0304】
【化152】
(調製35)
【0305】
【化153】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチルエステルとを反応させると、所望化合物が得られた。
【0306】
【化154】
(調製36)
【0307】
【化155】
調製2で記述したようにして、調製35の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0308】
【化156】
(調製37)
【0309】
【化157】
実施例3で記述したようにして、調製36の生成物と塩化アセチルとを反応させると、所望生成物であるN−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0310】
【化158】
(実施例35)
【0311】
【化159】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製37の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製37の生成物の塩が得られた。
【0312】
【化160】
(調製38)
【0313】
【化161】
実施例1で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジンと4−フルオロ−ベンゼンスルホン酸4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチルエステルとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0314】
【化162】
(調製39)
【0315】
【化163】
調製2で記述したようにして、調製38の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0316】
【化164】
(調製40)
【0317】
【化165】
実施例3で記述したようにして、調製39の生成物と塩化アセチルとを反応させると、所望生成物であるN−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0318】
【化166】
(実施例36)
【0319】
【化167】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製40の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製40の生成物の塩が得られた。
【0320】
【化168】
(調製41)
【0321】
【化169】
調製8で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−4−ピペリジン−4−イルメチル−ピペラジンTFA塩と塩化プロパン−2−スルホニルとを反応させることにより、所望生成物が得られた。
【0322】
【化170】
(調製42)
【0323】
【化171】
調製2で記述したようにして、調製41の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0324】
【化172】
(調製43)
【0325】
【化173】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製42の生成物と塩化アセチルとを反応させることにより、白色固形物として、所望生成物が得られた。
【0326】
【化174】
(実施例37)
【0327】
【化175】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製43の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物であるN−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドが得られた。
【0328】
【化176】
(調製44)
【0329】
【化177】
調製8で記述したようにして、1−(3−ニトロ−フェニル)−4−ピペリジン−4−イルメチル−ピペラジンTFA塩とシクロヘキシル−塩化メタンスルホニルとを反応させることにより、所望生成物が得られた。
【0330】
【化178】
(調製45)
【0331】
【化179】
調製2で記述したようにして、調製44の生成物と塩化スズとを反応させると、所望生成物が得られた。
【0332】
【化180】
(調製46)
【0333】
【化181】
実施例3で記述したようにして、ジクロロメタン中にて、調製45の生成物と塩化アセチルとを反応させると、白色固形物として、所望生成物であるN−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドが得られた。
【0334】
【化182】
(実施例38)
【0335】
【化183】
実施例2で記述したようにして、エーテル中にて、調製46の生成物と塩化水素とを反応させることにより、所望の白色固形物である調製46の生成物の塩が得られた。
【0336】
【化184】
(実施例39)
(アリールピペラジニルスルホンアミド化合物の活性)
上記合成に従って、本発明のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物を製造し、それらの活性および選択性を決定した。これらの化合物には、以下がある:4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHCl塩;シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミド;2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド;N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミド;N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミド、(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミン、1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジン、C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミド、C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミド、N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イルフェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド、N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミド、シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミド、および1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジン。
【0337】
これらの化合物は、(例えば、約0.1〜約10μMの濃度で)活性であり、そして選択性5−HT1Aモジュレーターであることが発見された。
【0338】
試験データは、表1で示す。従って、これらの化合物は、例えば、セロトニンの過剰または欠如に特徴がある多種多様な臨床病(例えば、セロトニン作動性機能低下または機能亢進)を治療する際に、5−HT1Aレセプタモジュレーターとして有用であると予想される。このような病気には、以下が挙げられる:摂食障害、精神分裂病、神経痛および嗜癖性障害;強迫性障害、パニック障害、中枢神経系ならびに睡眠および食物吸収の障害により引き起こされる性的機能不全、アルコール依存症、疼痛、記憶欠損、単極性鬱病、気分変調、双極性鬱病、治療耐性鬱病、医学的病気における鬱病、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、対人恐怖、月経前不快気分障害、鬱病またはより詳細には抑鬱性障害のような気分障害(例えば、単一エピソード性もしくは再発性の大鬱病性障害および気分変調性障害)、または双極性障害(例えば、双極性I障害、双極性II障害および循環気質);広場恐怖症を伴うかまたは伴わないパニック障害のような不安障害、パニック障害の病歴を有さない広場恐怖症、特定の恐怖症(例えば、特定の動物恐怖症、対人恐怖症、心的外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害)および全般性不安障害、;精神分裂病および他の精神障害(例えば、分裂病様障害、統合失調感情性障害、妄想性障害、短期精神障害、共有精神病障害および妄想または幻覚を伴う精神病性障害);精神錯乱、痴呆、および健忘症ならびに他の認知障害または神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、老年性痴呆、アルツハイマー型の痴呆、血管性痴呆、および例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病に起因するか、または複数の病因に起因する他の痴呆;パーキンソン病および薬物誘導性運動障害、例えば、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群、神経弛緩薬悪性症候群、神経弛緩薬誘導性急性失調症、神経弛緩薬誘導性急性静座不能、神経弛緩薬誘導性遅発性ジスキネジーおよび薬物誘導性姿勢振せんのような他の錐体外運動障害;アルコール、アンフェタミン(もしくはアンフェタミン様物質)カフェイン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入剤およびエアゾール噴霧剤、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン誘導体、鎮静薬、睡眠薬、および抗不安薬の使用から生じる物質関連障害であって、この物質関連障害としては、依存性および乱用性、中毒、禁断症状、中毒せん妄、禁断症状せん妄、残存性痴呆、精神障害、気分障害、不安障害、性機能不全および睡眠障害;てんかん;ダウン症候群;MSおよびALSのような脱髄疾患および末梢神経障害のような他の神経病理学的な障害(糖尿病および化学療法誘導型神経障害)、および処置後の神経痛、三叉神経痛、分節性神経痛または肋間神経痛および他の神経痛;そして脳梗塞、クモ膜下出血または脳水腫のような急性または慢性の脳血管損傷に起因する大脳の血管障害が挙げられる。
【0339】
【表1−1】
【0340】
【表1−2】
【0341】
【表1−3】
5−HTアゴニストのような本発明の化合物の適合性をさらに示すために、本発明のアリールピペラジニルスルホンアミド化合物、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミド(「化合物A」)を、以下に示す複数の標準試験を用いて実験動物で調べた。
【0342】
(実施例40)
(インビボでの代表的なアリールピペラジニルスルホンアミド化合物の活性−不安および運動活性の評価)
この実験において、本発明の化合物、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)を、マウスの不安および運動活性の動物モデルで調べた。この化合物の効果を、短期間の経口投与の後調べた。マウスに経口投与された化合物Aは、高架式十字迷路法およびストレス誘発高体温試験によって、行動的におよび生理学的にそれぞれ測定される抗不安剤様の効果を示した。化合物Aの最高用量(すなわち、20 mg/kg)は、ストレス誘発高体温試験において有効であったが、より少ない用量(すなわち、3mg/kg)は、高架式十字迷路法において有効であった。これは、この化合物の異なる用量が、ストレス−誘導型の不安の異なる局面を標的とし得ることを示唆し得る。
【0343】
基準化合物のクロルジアゼポキシドおよびブスピロンと対照的に、化合物Aは、オープンフィールドおよび高架式十字迷路において影響がないことによって示されるような一般的な運動活性を変化させなかった。これは、化合物Aが、これらのモデルにおいて好ましいプロフィールを示し得ることを示唆する。
【0344】
(材料および方法)
(動物)
若い成体の雄のC57Bl6/Jマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor,Maine由来)を、高架式十字迷路法に用いた;129 svevマウス(Taconic,Germantown,NY由来)を、ストレス誘発高体温試験、オープンフィールド試験および尾懸垂試験に用いて、そしてDBA/2Jマウス(Jackson Laboratory,Bar Harbor,Maine由来)を、強制水泳試験に用いた。全てのマウスを6週齢で受け入れ、特有の識別番号を割り当てた。動物を、上部にフィルターを備えるポリカーボネートのケージ内に、1ケージあたり4匹ごと収容し、尾の標識によってケージの他の個体との識別を維持した。動物を、7日間順応させ、適宜食物および水を与えた。マウスを、8週齢で試験を開始する前に調べ、適切な健康状態および適合性であることを確認した。研究の過程の間、12時間の明期/12時間の暗期の周期を、午前7時に明かりを付けて維持した。室温を、30%と70%との間に維持した相対湿度で20℃と23℃との間に維持した。固形飼料および水を適宜与えた。
【0345】
各試験において、動物を、処置群にランダムに割り当て、ケージ数ごとに調節した。10匹の動物を、各処置群に用いた。オープンフィールド研究のマウスおよびストレス誘発高体温研究のマウスを、試験前に連続して2日間、1日1回操作した。高架式十字迷路実験に割りたてたマウスは、試験時のストレスレベルを増加させるために操作しなかった。
【0346】
(薬物)
以下の化合物をこの研究に用いた:
試験化合物:
N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)(1mg/kg、3mg/kgおよび20mg/kg)(ロット番号DC−006−022−L2、C23H38N4O3S2HCL、ミリグラム単位の塩で表現された用量)
基準化合物:
バスピロン(3mg/kg、10mg/kgおよび20mg/kg、Sigma、ロット番号101H0402)
塩酸セルトラリン(5mg/kg、20mg/kg、Pfizerより寄贈品として受けたCP−51、974−01、ロット番号047451−029−19)
クロルジアゼポキシド(CDP、10mg/kg、Sigma、ロット番号94H1023)
全ての化合物を、賦形剤コントロールとして用いた注射用の滅菌水に溶解した。全ての溶液を、実験の当日に調製した。化合物Aを、全ての試験において10ml/kg体重量の容量で経口的に(PO)動物に与えた;全ての基準化合物を、高架式十字迷路(EPM)法およびオープンフィールド(OF)試験において経口的に与えたブスピロンを除いて、動物の腹腔内(IP)に与えた。尾懸垂(TS)試験を除いて全ての試験において、薬物を、短期間投与した;TS試験において、化合物Aを、試験する前に、3日間(試験日を含む)1日1回、投与した。30分間の前処置時間を、SIHを除く全ての試験において用いた。SIHの場合の化合物は、試験の1時間前に動物に与えた。
【0347】
(方法)
全ての実験を、午前9時と午後5時との間の明周期の下、周囲温度で、40日間実施した。結果を、自動的に記録し、マイクロコンピューターによって処理した;または個々のデータシートに手動で、1項目ごとに記載しかつ立証した。
【0348】
(高架式十字迷路(EPM))
高架式十字迷路は、一般にげっ歯類動物の不安を調べるための試験である。この迷路は、中心に四角形のプラットホーム(6cm×6cm)を有し、十字を形成する二つの閉鎖したアーム(l×w×h:15cm×6cm×30cm)および二つの開放したアーム(6cm w×30cm l)からなる。げっ歯類は生来、開放空間を恐れ、閉鎖したアームでより多くの時間を過ごす傾向がある。抗不安剤は、開放空間のこの恐れを減じ、開放アームで過ごす時間を増加させる。全ての見えている面は、黒色のアクリルからなる。迷路の各アームを、床より50cm上の支持カラムに配置する。光度は、開放アーム上で約100luxであり、閉鎖アーム上で約70luxであった。動物を、試験前の少なくとも1時間前に、実験室のホームケージ(食物および水を得られ得る)に運んだ。マウスを、開放アームに向かう高架式十字迷路の中心に配置し、1回5分間の試験を1回試験した。開放アーム/閉鎖アーム内での時間および開放アーム/閉鎖アームへ侵入した回数を、ビデオカメラを用いて記録し、不安の指標として用いた。マウスを、試験後ホームケージに戻し、次いでコロニー室へと戻した。
【0349】
(ストレス誘発高体温(SIH))
マウスは、ストレスに対して生来、体温上昇反応を有し、ストレス誘発不安の指標として提唱されている(Olivier,Zethof,Ronken & van der Heyden,European Journal of Pharmacology 342(2−3):177−82,1998)。抗不安剤は、ストレスに対するこの体温上昇反応を減少させることが公知である。この試験は、10分間以内に同一の動物における繰返し2回の直腸温の測定を含む。試験する前の日に、動物を、予定された消灯の1時間前に実験室に運び、適宜食物および水を伴い一晩、一匹ずつ収容した。実験日の朝に、動物に最初に、治療化合物または賦形剤の注射をした。処置後1時間、この動物を、保持ケージから取り出し、仰臥位に維持し、PhysiTemp温度計(Fisher Scientific)に取り付けた直腸プローブを用いることによって直腸温度を測定した。試験した各動物について、直腸プローブを、アルコールパッドを用いて洗浄し、滅菌したK−Yゼリーを用いて潤滑し、動物の直腸に約3mm〜5mmの長さをゆっくりと挿入した。このプローブを、約5秒間または体温が安定するまで動物の直腸内にとどめ、ベースラインの直腸温度(T1)を、記録した。この動物を、保持ケージへすぐに戻し、10分間の間隔の後、第二の直腸温度(T2)を、T1と同一の手順を用いて得た。次いで、この動物を、保持ケージへ戻し、そして実験完了時に、コロニー室へ戻した。
【0350】
(オープンフィールド(OF))
オープンフィールド運動モニタリングシステム(Med Associates,Inc.)は、一般的な自発運動を測定した。この試験を、標準的な照明条件(400ルクス)下で行った。マウスを実験室に運び込み、少なくとも1時間順化させた。処置の30分後、各マウスを、動物の運動を自動的にモニタリングする赤外線ビームアレイを備える試験用囲い(l×w×h:27cm×27cm×20cm)中に配置した。バランスのとれた処置をされた8匹の動物を、一度に試験した。この試験セッションを40分間続け、そして動物をこのセッションの終わりにホームケージに戻した。この試験の重要な尺度としては、歩行運動(移動した合計距離)、立ち上がり(垂直的な運動)、中央進入(center entry)の回数およびOF領域の中央領域で費やした時間百分率が挙げられる。
【0351】
(統計学的分析)
全てのデータを、試験物質で処置された群と、ビヒクルコントロール群または参照処置群とを比較することによって分析した。統計学的分析を、ANOVAによって行い、続いて必要に応じてフィッシャーのポストホック(post−hoc)試験によって行った。0.05未満のPは、有意差があると考えられた。データは、平均および平均に対する標準誤差(s.e.m)として表される。
【0352】
(結果)
(高架式十字迷路(Elevated Plus Maze))
参照化合物CDPおよび試験物質化合物Aは、オープンアーム(open arm)において費やした時間の増大およびオープンアームへの進入(entry)回数の増加が測定されたように、抗不安薬様効果を示した(図1および図2)。ここで留意すべきは、図1において、ビヒクル処置と比較してのオープンアーム進入の割合の増加は、抗不安薬様効果を表すことである。ビヒクル処置群(水)に対して、*P<0.05。ANOVAは、処置についての有意な主効果を明らかにした(p=0.0029)。一対比較についてのフィッシャーのPLSDは、抗不安薬参照化合物CDP(しかしバスピロンではない)が、オープンアームへの進入の百分率を有意に上昇させた(p=0.011)(CDPの臨床的抗不安薬効果と一致した効果)ことを示した。3mg/kgの用量の化合物Aは、有意な抗不安薬様効果を誘発した(p=0.039)。化合物Aのより多い用量(10mg/kgおよび20mg/kg)は、類似の傾向を示したが、これは、統計学的有意性には達しなかった(それぞれ、p=0.279およびp=0.074)。図2において、ビヒクル処置と比較したオープンアーム時間は、抗不安薬様効果を表す。ビヒクル処置群(水)に対して、*p<0.05。ANOVAは、処置についての有意な効果を明らかにした(p=0.04)。一対比較についてのフィッシャーのPLSDは、抗不安薬参照化合物CDPが、オープンアーム時間のほぼ有意な増大を引き起こし(p=0.0554);バスピロンは効果がなかったことを示した。3mg/kg用量の化合物Aは、有意な抗不安薬様効果を誘発した(p=0.048)。化合物Aのより多い用量(10mg/kgおよび20mg/kg)は、類似の傾向を示したが、これは、統計学的有意性には達しなかった(それぞれ、p=0.467およびp=0.543)。
【0353】
しかし、バスピロンは、EPMにおいて有意な抗不安薬様効果を引き起こさなかった。このバスピロン効果の欠如は、文献に以前報告されていた。化合物Aは、クローズドアーム(closed arm)における進入回数に対しても、クローズドアームおよびオープンアームにおける進入回数の合計に対しても効果の欠如が測定されるように自発運動を変化させなかったので(図3および図4)、化合物Aの抗不安薬効果は特異的であった。図3において、ビヒクル処理群(水)に対して、*p<0.05。ANOVAは、処置についての有意な効果を明らかにした(p=0.0028)。一対比較についてのフィッシャーのPLSDは、参照化合物バスピロン(しかしCDPでも化合物Aでもない)が、20mg/kg用量においてクローズドアームへの進入回数を有意に減少させた(p=0.0012)ことを示した。図4において、留意すべきことは、ビヒクル処置と比較した進入合計の上昇は、上昇した自発運動を表し、またはビヒクル処置と比較した進入合計の減少は、低減した自発運動を表すことである。ビヒクル処置群(水)に対して*p<0.05、ビヒクル処置群(水)に対して**p<0.01。ANOVAは、処置についての有意な主効果を示した(p=0.0001)。一対比較についてのフォローアップのフィッシャーのPLSDは、自発運動量のわずかな上昇を示すビヒクルと比較してCDPの有意な効果を明らかにした(p=0.021)。バスピロンの最も多い用量(20mg/kg)は、進入回数の合計の有意な減少をもたらした(p=0.0014)。化合物Aは、進入回数の合計を変化させなかった。
【0354】
従って、化合物Aは、この試験において自発運動に影響を与えなかった。興味深いことに、CDPは、わずかな上昇を引き起こしたが、他方バスピロンの多い用量は(20mg/kg)は、進入回数の合計の減少をもたらした。
【0355】
(ストレス誘発高体温)
参照化合物バスピロンおよび化合物Aの両方は、試験された多い用量(すなわち、20mg/kg)においてストレスに対する高体温応答の低減が測定されたように、用量依存性の抗不安薬様効果を及ぼした。この効果はまた、基礎直腸温度の変化に付随して起こった(図5〜図6)。この現象はまた、この現象が、臨床的に使用される抗不安薬で共通に報告されるので、抗不安薬様プロファイルに関連し得る。図5において、ビヒクル処置群(水)に対して*p<0.05、ビヒクル処置群(水)に対して**P<0.01。ANOVAは、処置の有意な効果を明らかにした(p=0.0109)。一対比較についてのフォローアップのフィッシャーのPLSDは、バスピロン(20mg/kg)が基礎直腸温度を有意に低下させた(p=0.044)ことを示した。同様に、20mg/kg用量の化合物Aは、有意な低下をもたらした(p=0.0023)。薬物のより少ない用量は、有意な効果を示さなかった(化合物Aの1mg/kgおよび3mg/kgについて、それぞれ、p=0.808およびp=0.326)。図6において、ビヒクル処置動物における直腸温度の上昇(ストレス誘発高体温)、ならびにバスピロンの遮断の効果(20mg/kg;ビヒクル処置群に対してP<0.05)および化合物Aの遮断の効果(20mg/kg;ビヒクル処置群に対してP<0.01)に留意すること。ANOVAは、処置の有意な効果を明らかにした(p=0.0009)。一対比較についてのフォローアップ(follow−up)のフィッシャーのPLSDは、バスピロン(20mg/kg)がストレス誘発高体温を有意に低下させた(p=0.024)ことを示した。同様に、20mg/kg用量の化合物Aは、有意な低下をもたらした(p=0.0067)。薬物のより少ない用量は、有意な効果を示さなかった(化合物Aの1mg/kgおよび3mg/kgについて、それぞれ、p=0.618およびp=0.2911)。
【0356】
(オープンフィールド)
化合物Aは、移動距離の合計(図7)、立ち上がりの回数(図8)、および中央での移動距離(図9〜図11)で測定されるように、自発運動を変化させなかった。図7において、タイムビン(time bin)は、40分の試験時間合計と共に5分間のインターバルを表す。棒グラフは、40分間の間に移動した累計距離を表す。反復測定ANOVAは、処置についての有意な主効果がないことを明らかにした(p=0.2736)。しかし、有意な距離と処置との相互作用が同定された(p<0.0001)。一対比較についてのフォローアップのフィッシャーのPLSDは、水処置コントロールと比較して有意差がないことを明らかにした。図8において、ANOVAは、処置についての有意な効果を示さなかった(p=0.087)。化合物Aは、立ち上がりの回数を減少させたバスピロンとは対照的に、使用されたいずれの用量においても、有意に垂直運動を変化させなかった。図9において、ANOVAは、処置効果についての有意な主効果がないことを明らかにした(p=0.923)。これらの結果は、バスピロンおよび化合物Aの両方が、中央で移動した距離の百分率を変化させないことを示した。図10において、ANOVAは、処置効果についての有意な主効果がないことを明らかにした(p=0.834)。これらの結果は、バスピロンおよび化合物Aの両方が、中央で移動した距離の百分率を変化させないことを示した。図11において、タイムビン(time bin)は、40分の試験時間合計と共に5分間のインターバルを表す。棒グラフは、40分間の間に移動した累計距離を表す。反復測定ANOVAは、処置についての有意な主効果がないこと(p=0.492)または時間と処置との相互作用がないこと(p=0.659)を明らかにした。これらの結果は、バスピロンまたは化合物Aの両方とも、区画横切り運動(zone crossing activity)(周囲と中央との間)を変化させなかったことを示した。
【0357】
(考察)
これらの研究の結果を、以下の表2に要約した。
【0358】
【表2】
本発明者らの実験条件において、マウスに経口投与された化合物Aは、それぞれ、高架式十字迷路試験およびストレス誘発高体温試験によって、行動的におよび生理学的に測定された抗不安薬様効果を示した。化合物Aの最も多い用量(すなわち、20mg/kg)は、ストレス誘発高体温試験において有効であり、他方より少ない用量(すなわち、3mg/kg)は、高架式十字迷路試験において有効であった。これは、化合物の異なる用量が、ストレス誘発不安の異なる局面を標的とし得ることを示唆し得る。他の研究が特定の条件下で行われたとき(例えば、尾宙吊り試験および強制水泳試験)、化合物Aは、抗鬱特性を有するようには見えなかった。
【0359】
参照化合物クロルジアゼポキシドおよびバスピロンとは対照的に、化合物Aは、オープンフィールドおよび高架式十字迷路における効果の欠如によって実証されたような一般的な自発運動を変化させず、これは、化合物Aが、これらのモデルにおいて好ましいプロファイルを示し得ることを示唆している。
【0360】
全体的に、これらの結果は、化合物Aが、使用された実験条件において明らかな抗不安薬様効果を示すことを示唆する。
【0361】
(実施例41:インビボでの高自発運動(hyperlocomotor activity)評価における代表的なアリールピペラジニルスルホンアミド化合物の活性)
この実験において、経口投与される本発明の化合物、N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)は、1mg/kgおよび20mg/kgの用量で欠損マウスに観察される高自発運動を低減させた。この効果は、d−アンフェタミンで観察される効果と類似であった。全体的に、これらの結果は、化合物Aが、使用される実験条件において機能亢進を正常化し得ることを示唆する。
【0362】
欠損変異体マウスは、これらの自発的な高レベルの機能亢進に起因して、注意欠陥過活動性障害(ADHD)の動物モデルとして考えられる。実際、機能亢進症候群は、学習障害と診断された子供の大部分の割合を占めると考えられ、従って、多くの注目が、子供の機能亢進の原因および処置に集中されてきた。
【0363】
マウス変異体欠損は、欠失変異に起因する深在性の自発的な運動機能亢進を示す。SNAP−25(神経伝達物質放出に関与する神経終末タンパク質)をコードするSnapを含むいくつかの遺伝子は、この欠失を含む。1996年に、Hessらは、アンフェタミン(ADHDに罹患した子供に発現される機能亢進を正常化する、臨床的に使用される薬剤)が、欠損マウスにおいて自発運動を顕著に低減させたが、コントロールのマウスの運動を上昇させたことを実証した。SNAP−25をコードする導入遺伝子が欠損系統の中に入れ込まれてSnap欠失を補足した場合、これらのマウスによって発現された機能亢進が弱められ(rescued)、これらの修正されたマウスを正常レベルの自発運動まで回復させる。Millら(2002)はまた、連鎖研究において、SNAP−25はADHDの病因の遺伝において役割を果たし得ると示した(さらなる研究がこの仮説を確証または拒絶するのに必要とされるが)。全体的には、これらの結果は、齧歯動物における機能亢進を模倣するモデルとしての欠損マウスの使用を支持した。
【0364】
この実験において、化合物Aの効果は、短期間の経口投与後に調査された。この試験化合物の3つの用量を、欠損マウスに投与し、そしてこのマウスの自発的な運動を、オープンフィールド試験を使用して測定した。d−アンフェタミンを、正の参照化合物として使用した。
【0365】
(材料および方法)
(動物)
本研究において使用されるマウスは、本来はJackson Laboratory,Bar Harbor,Maineから購入された交配対(C3H/HeSnj−Cm)の子孫である。試験した48匹のマウスのうち、22匹が雄、そして26匹が雌であり、12〜20週齢であった。これらの動物を21日齢にて離乳させ、標準動物管理が維持された本発明者らの動物施設において、1ケージ当たり2〜4匹の同腹仔を収容した。この群体の部屋を、午前7時に点灯し、12時間明るい/12時間暗いサイクル下で保った。相対湿度を30%と70%との間に維持しながら、温度を20℃と23℃の間で維持した。動物は食事をとり、そして水が自由に与えられた。
【0366】
(薬物)
以下の化合物を、この研究のために使用した。
【0367】
試験化合物:N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドHCl(「化合物A」)(1mg/kg、3mg/kg、および20mg/kg)(ロット#DC−006−022−L2、C23H38N4O3S2HCL、mg塩単位で表された用量)。
【0368】
参照化合物:d−アンフェタミン(4mg/kg、Sigma、ロット#60K1909)。
【0369】
全ての化合物を、無菌注射可能水に溶解した。無菌注射可能水を、ビヒクルコントロールとして供給した。全ての溶液を、実験日に調製した。化合物Aおよびそのビヒクル(水)を、体重1kg当たり10mlの容積で動物に経口的に与え(PO);上記参照化合物を、腹腔内的に動物に与えた(IP)。化合物Aおよびビヒクルについては、30分間の前処理時間を使用し、他方d−アンフェタミン(AMPH)を、この試験の15分前に動物に与えた。
【0370】
(方法)
この研究を、2日連続にわたって行い、各日午前10時と午後5時との間で動物を試験した。性別および年齢を、5つの処置群および試験日にわたってバランスをとった。1群当たりに8〜10匹の動物を配分した。この結果を自動的に記録し、そしてマイクロコンピュータによって処理した。
【0371】
オープンフィールド運動モニタリングシステム(Med Associates,Inc.)は、一般的な自発運動を測定した。この試験を通常の照明条件(400ルクス)下で行った。マウスを実験室に運び込み、少なくとも1時間の順化を行い、続いて薬物投与を行った。薬物投与後(すなわち、化合物Aまたはビヒクルの投与の30分後、およびd−アンフェタミンの投与の15分後)、各マウスを、動物の運動を自動的にモニタリングする赤外線ビームアレイを備える試験用囲い(l×w×h:27cm×27cm×20cm)中に配置した。バランスのとれた処置をされた8匹の動物を、一度に試験した。この試験セッションを40分間続け、そして動物をこのセッションの終わりにホームケージに戻した。この試験の重要な尺度は、移動した距離であった。
【0372】
(統計学的分析)
全てのデータを、試験物質で処置された群と、ビヒクルコントロール群または基準処理群とを比較することによって分析した。統計学的分析を、ANOVAによって行い、続いて必要に応じてフィッシャーのポストホック(post−hoc)試験によって行った。0.05未満のPは、有意差であると考えられた。データは、平均および平均に対する標準誤差(s.e.m)として表される。
【0373】
(結果)
アンフェタミンは、ビヒクル処置群と比較して自発運動を有意に低減させた。全体的に、この化合物はまた、運動のレベルを有意に減少させた。ポストホック分析は、化合物Aの1mg/kgおよび20mg/kgの用量のみが、ビヒクルと有意差があったことを明らかにした。
【0374】
タイムビンは、40分の合計試験時間と共に5分間のインターバルを表す。棒グラフは、40分間の間に移動した累計距離を表す。水処置コントロールに対して、*p<0.05。
【0375】
(考察)
上のデータから、経口投与される化合物Aが、1mg/kgおよび20mg/kgの用量において、欠損マウスに観察される高自発運動を低減させたことがわかり得る。この効果は、d−アンフェタミンで観察された効果と類似であった。
【0376】
実施例3に示されるように、化合物Aは、正常C57B16/Jマウスおよび129svevマウスのそれぞれにおいて、高架式十字迷路およびオープンフィールドにおける効果の欠如によって示されるような一般的な自発運動を変化させるようには見えなかった。従って、この効果が非特異的な鎮静作用に関連する見込みはない。
【0377】
全体的に、これらの結果は、化合物Aが、使用される実験条件において機能亢進を正常化し、従ってこの化合物Aは、ADDおよびADHDのような注意欠陥関連性状態を処置するための有用な薬物であると予測されることを示唆する。
【0378】
上記実験は、5−HTアゴニストとしての本発明の化合物の適合性、ならびに本明細書中に記載される適応症(例えば、不安、ADDおよびADHD)の処置においてこれらの予測される有効性を実証する。
【0379】
(均等物)
当業者は、本明細書中に記載される特定の手順に対する多くの均等物を認識するか、慣用実験法を使用するだけでその均等物を確認し得る。このような均等物は、本発明の範囲内であり、そして添付の特許請求の範囲によって包含されると考えられる。種々の置換、変更、および改変は、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対してなされ得る。他の局面、利点、および改変は、本発明の範囲内である。本出願の全体にわたって記載される全ての参考文献、発行特許、および公開特許出願の内容は、本明細書中で参考として援用される。これらの特許、出願および他の書類の適切な構成要素、プロセスおよび方法は、本発明およびその実施形態のために選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0380】
【図1】図1は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図2】図2は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図3】図3は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図4】図4は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図5】図5は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図6】図6は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図7】図7は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図8】図8は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図9】図9は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図10】図10は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図11】図11は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【図12】図12は、実施例40および41でさらに詳述したように、種々の試験における本発明の化合物の動物に対する効果を図示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化1】
ここで、
R1は、置換または非置換、アルキルまたはシクロアルキルである;
R2およびR3は、別個に、以下である:水素、低級アルキル;シクロアルキル;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキルであり得る;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であるが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない;
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1、2、3、4、5または6である;
nは、1、2、3、4、5または6である;
pは、0、1、2、3または4である;
但し、p=0のとき、R1は、置換または非置換アリール以外のものである、
化合物。
【請求項2】
前記得られたアリール、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラジニル基が、低級アルキル;シクロアルキル;トリハロメチル;ハロ;共役5員または6員環または複素環;ニトロ;NHCO−アルキル;NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;およびシアノからなる群から選択される置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R2が、メタ位置にある、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
mが、0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
nが、3または4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、5−HTレセプタアンタゴニストである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、5−HT1レセプタアンタゴニストである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項19】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項20】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項21】
治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法であって、該病気を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項22】
5−HT−関連疾患を治療する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項23】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項1に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項24】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項25】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項26】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項27】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項28】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項30】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項31】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHClを含有する組成物。
【請求項32】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項33】
2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミド)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項34】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項35】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項36】
4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項37】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項38】
4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項39】
N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項40】
4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項41】
N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項42】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項43】
N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項44】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項45】
N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項46】
4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項47】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項48】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項49】
(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項50】
1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項51】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項52】
C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項53】
N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項54】
N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項55】
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項56】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化2】
ここで、
R1は、置換または非置換アルキル;またはシクロアルキルである;
R2は、以下である:低級アルキル;シクロアルキル;または−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル;スルホンアミドアルキル;ヒドロキシル;であり得る;
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1または2である;
nは、1、2、3または4である;そして
pは、0または1である;
化合物。
【請求項57】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項58に記載の化合物。
【請求項60】
R2が、メタ位置にある、請求項57に記載の化合物。
【請求項61】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項56に記載の化合物。
【請求項62】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項56に記載の化合物。
【請求項63】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項56に記載の化合物。
【請求項64】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項63に記載の化合物。
【請求項65】
mが、0である、請求項56に記載の化合物。
【請求項66】
nが、3または4である、請求項56に記載の化合物。
【請求項67】
pが、1である、請求項56に記載の化合物。
【請求項68】
前記化合物が、5−HTレセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項69】
前記化合物が、5−HT1レセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項70】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項71】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項72】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項56に記載の化合物。
【請求項73】
シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項74】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項75】
N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項76】
N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項77】
シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項78】
N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項79】
N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項80】
N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項81】
N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項82】
N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項83】
N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項84】
N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項85】
シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項86】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項87】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項88】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項89】
治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法であって、該病気を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項90】
5−HT−関連疾患を治療する方法であって、有効量の請求項56に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項91】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項56に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項92】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項93】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項94】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項95】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項96】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項97】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化1】
ここで、
R1は、置換または非置換、アルキルまたはシクロアルキルである;
R2およびR3は、別個に、以下である:水素、低級アルキル;シクロアルキル;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキルであり得る;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であるが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない;
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1、2、3、4、5または6である;
nは、1、2、3、4、5または6である;
pは、0、1、2、3または4である;
但し、p=0のとき、R1は、置換または非置換アリール以外のものである、
化合物。
【請求項2】
前記得られたアリール、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラジニル基が、低級アルキル;シクロアルキル;共役5員または6員環または複素環;ニトロ;NHCO−アルキル;NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;およびシアノからなる群から選択される置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R2が、メタ位置にある、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
mが、0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
nが、3または4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、5−HTレセプタアンタゴニストである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、5−HT1レセプタアンタゴニストである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項19】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項20】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項21】
治療が必要な病気に冒された被験体を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項22】
5−HT−関連疾患を治療するのに有効量の請求項1に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項23】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項1に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項24】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項25】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHClを含有する組成物。
【請求項26】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項27】
2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミド)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項28】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項29】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項30】
4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項31】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項32】
4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項33】
N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項34】
4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項35】
N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項36】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項37】
N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項38】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項39】
N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項40】
4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項41】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項42】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項43】
(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル.
【請求項44】
1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項45】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項46】
C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項47】
N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項48】
N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項49】
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項50】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化2】
ここで、
R1は、置換または非置換アルキル;またはシクロアルキルである;
R2は、以下である:低級アルキル;シクロアルキル;または−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル;スルホンアミドアルキル;ヒドロキシル;であり得る
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1または2である;
nは、1、2、3または4である;そして
pは、0または1である;
化合物。
【請求項51】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項52に記載の化合物。
【請求項54】
R2が、メタ位置にある、請求項51に記載の化合物。
【請求項55】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項50に記載の化合物。
【請求項56】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項50に記載の化合物。
【請求項57】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項50に記載の化合物。
【請求項58】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
mが、0である、請求項50に記載の化合物。
【請求項60】
nが、3または4である、請求項50に記載の化合物。
【請求項61】
pが、1である、請求項50に記載の化合物。
【請求項62】
前記化合物が、5−HTレセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項63】
前記化合物が、5−HT1レセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項64】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項65】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項66】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項50に記載の化合物。
【請求項67】
シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項68】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項69】
N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項70】
N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項71】
シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項72】
N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項73】
N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項74】
N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項75】
N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項76】
N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項77】
N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項78】
N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項79】
シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項80】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項81】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項82】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項83】
治療が必要な病気を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項84】
5−HT−関連疾患を治療するのに有効量の請求項50に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項85】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項50に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項1】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化1】
ここで、
R1は、置換または非置換、アルキルまたはシクロアルキルである;
R2およびR3は、別個に、以下である:水素、低級アルキル;シクロアルキル;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキルであり得る;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であるが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない;
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1、2、3、4、5または6である;
nは、1、2、3、4、5または6である;
pは、0、1、2、3または4である;
但し、p=0のとき、R1は、置換または非置換アリール以外のものである、
化合物。
【請求項2】
前記得られたアリール、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラジニル基が、低級アルキル;シクロアルキル;トリハロメチル;ハロ;共役5員または6員環または複素環;ニトロ;NHCO−アルキル;NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;およびシアノからなる群から選択される置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R2が、メタ位置にある、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
mが、0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
nが、3または4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、5−HTレセプタアンタゴニストである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、5−HT1レセプタアンタゴニストである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項19】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項20】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項21】
治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法であって、該病気を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項22】
5−HT−関連疾患を治療する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項23】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項1に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項24】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項25】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項26】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項27】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項28】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項30】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項31】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHClを含有する組成物。
【請求項32】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項33】
2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミド)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項34】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項35】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項36】
4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項37】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項38】
4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項39】
N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項40】
4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項41】
N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項42】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項43】
N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項44】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項45】
N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項46】
4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項47】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項48】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項49】
(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項50】
1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項51】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項52】
C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項53】
N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項54】
N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項55】
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項56】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化2】
ここで、
R1は、置換または非置換アルキル;またはシクロアルキルである;
R2は、以下である:低級アルキル;シクロアルキル;または−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル;スルホンアミドアルキル;ヒドロキシル;であり得る;
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1または2である;
nは、1、2、3または4である;そして
pは、0または1である;
化合物。
【請求項57】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項58に記載の化合物。
【請求項60】
R2が、メタ位置にある、請求項57に記載の化合物。
【請求項61】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項56に記載の化合物。
【請求項62】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項56に記載の化合物。
【請求項63】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項56に記載の化合物。
【請求項64】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項63に記載の化合物。
【請求項65】
mが、0である、請求項56に記載の化合物。
【請求項66】
nが、3または4である、請求項56に記載の化合物。
【請求項67】
pが、1である、請求項56に記載の化合物。
【請求項68】
前記化合物が、5−HTレセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項69】
前記化合物が、5−HT1レセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項70】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項71】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアンタゴニストである、請求項56に記載の化合物。
【請求項72】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項56に記載の化合物。
【請求項73】
シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項74】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項75】
N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項76】
N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項77】
シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項78】
N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項79】
N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項80】
N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項81】
N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項82】
N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項83】
N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項84】
N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項85】
シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項86】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項87】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項88】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項89】
治療が必要な病気に冒された被験体を治療する方法であって、該病気を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項90】
5−HT−関連疾患を治療する方法であって、有効量の請求項56に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項91】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項56に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項92】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項93】
全身性不安障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項94】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項95】
性的機能不全を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【請求項96】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項97】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療する方法であって、治療を必要とする患者を診断する工程、および治療を必要とする患者に、該注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項56に記載の化合物を含有する薬学的組成物を含めた治療を施す工程を包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化1】
ここで、
R1は、置換または非置換、アルキルまたはシクロアルキルである;
R2およびR3は、別個に、以下である:水素、低級アルキル;シクロアルキル;−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキルであり得る;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;シアノ;または共役5員または6員環または複素環であるが、但し、R2およびR3は、両方共に水素になることはない;
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1、2、3、4、5または6である;
nは、1、2、3、4、5または6である;
pは、0、1、2、3または4である;
但し、p=0のとき、R1は、置換または非置換アリール以外のものである、
化合物。
【請求項2】
前記得られたアリール、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラジニル基が、低級アルキル;シクロアルキル;共役5員または6員環または複素環;ニトロ;NHCO−アルキル;NCO−ジアルキル;スルホアミドアルキル;ヒドロキシル;およびシアノからなる群から選択される置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R2が、メタ位置にある、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
mが、0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
nが、3または4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、5−HTレセプタアンタゴニストである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、5−HT1レセプタアンタゴニストである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアンタゴニストである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項19】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項20】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項21】
治療が必要な病気に冒された被験体を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項22】
5−HT−関連疾患を治療するのに有効量の請求項1に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項23】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項1に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項24】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項25】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドHClを含有する組成物。
【請求項26】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項27】
2,2−ジメチル−N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミド)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項28】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−イソブチルアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項29】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項30】
4−メチル−N−(4−{4−[3−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項31】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項32】
4−メチル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項33】
N−{4−[4−(2−メトキシ−5−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項34】
4−メチル−N−[4−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項35】
N−{4−[4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項36】
N−{4−[4−(3−エタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項37】
N−{4−[4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項38】
4−メチル−N−{4−[4−(3−ピラジン−2−イル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項39】
N−[4−(4−ビフェニル−3−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項40】
4−メチル−N−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−ベンゼンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項41】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項42】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−プロピオンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項43】
(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−ジメチル−アミンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル.
【請求項44】
1−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−4−ピリジン−2−イル−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項45】
C−シクロヘキシル−N−{4−[4−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項46】
C−シクロヘキシル−N−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メタンスルホンアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項47】
N−(3−{4−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項48】
N−(3−{4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項49】
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イルメチル]−ピペラジンを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項50】
次式を有する化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル:
【化2】
ここで、
R1は、置換または非置換アルキル;またはシクロアルキルである;
R2は、以下である:低級アルキル;シクロアルキル;または−NR4R5であって、ここで、R4およびR5は、別個に、H、O、R6またはCOR6であり、ここで、R6は、低級アルキル;スルホンアミドアルキル;ヒドロキシル;であり得る
点線結合で示される原子は、一緒になって、4員、5員、6員または7員環または複素環を形成し得る;
Zは、NまたはCである;
mは、0、1または2である;
nは、1、2、3または4である;そして
pは、0または1である;
化合物。
【請求項51】
両方のZ原子が、Cである;R2が、ニトロ、NHCO−アルキル、NCO−ジアルキルまたはアミノアルキルである;そしてR3が、Hである、請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
前記NHCO−アルキルが、NHCO−低級アルキルである、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
前記NHCO−低級アルキルが、NHCO−(CH3)、NHCO−(CH2CH3)、NHCO−(CH2CH2−CH3)またはNHCO−(CH(CH2)2である、請求項52に記載の化合物。
【請求項54】
R2が、メタ位置にある、請求項51に記載の化合物。
【請求項55】
前記低級アルキルまたはアルコキシが、低級(C1〜C4)である、請求項50に記載の化合物。
【請求項56】
前記シクロアルキルが、(C1〜C6)である、請求項50に記載の化合物。
【請求項57】
R1が、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、p−トルエン、p−ハロフェニルまたはシクロアルキルである、請求項50に記載の化合物。
【請求項58】
前記シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルフェニルである、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
mが、0である、請求項50に記載の化合物。
【請求項60】
nが、3または4である、請求項50に記載の化合物。
【請求項61】
pが、1である、請求項50に記載の化合物。
【請求項62】
前記化合物が、5−HTレセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項63】
前記化合物が、5−HT1レセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項64】
前記化合物が、5−HT1A、B、C、D、EまたはFレセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項65】
前記化合物が、5−HT1Aレセプタアゴニストである、請求項50に記載の化合物。
【請求項66】
前記化合物のインビボ半減期が、HLMT1/2>20〜90分間であり、残留している化合物の100%まで未変化である、請求項50に記載の化合物。
【請求項67】
シクロプロパンカルボン酸(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項68】
N−(3−{4−[4−(トルエン−4−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項69】
N−{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項70】
N−{3−[4−(1−シクロヘキシルメタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項71】
シクロプロパンカルボン酸{3−[4−(4−シクロヘキシルメタンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項72】
N−(3−{4−[1−(プロパン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項73】
N−(3−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項74】
N−{3−[4−(4−シクロヘキサンスルホニルアミノ−ブチル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項75】
N−(3−{4−[4−(シクロヘキシルメタンスルホニル−メチル−アミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項76】
N−(3−{4−[4−(2−メチル−プロパン−1−スルホニルアミノ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項77】
N−[3−(4−{4−[メチル−(2−メチル−プロパン−1−スルホニル)−アミノ]−ブチル}−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項78】
N−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アセトアミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項79】
シクロプロパンカルボン酸(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−アミドを含有する組成物;およびそれらの薬学的に受容可能な塩および/またはエステル。
【請求項80】
全身性不安障害を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項81】
性的機能不全を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項82】
機能亢進を伴うかそれなしの注意欠陥障害を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項83】
治療が必要な病気を治療するのに有効な量の請求項50に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項84】
5−HT−関連疾患を治療するのに有効量の請求項50に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項85】
5−HTレセプタを変調させる方法であって、該レセプタを請求項50に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−516640(P2006−516640A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503235(P2006−503235)
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/002858
【国際公開番号】WO2004/069794
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(505284840)プレディックス ファーマシューティカルズ ホールディングス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/002858
【国際公開番号】WO2004/069794
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(505284840)プレディックス ファーマシューティカルズ ホールディングス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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