説明

新規エネルギーポリホスファゼン

【課題】高火薬材料に与える結合剤材料を提供する。
【解決手段】火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤であって、式Yのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)化合物;


式Y(式中:R1、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド基を有するアルキル又はアルキルエーテル側鎖、X=C〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC〜C20のフルオロアルコキシエーテル、3≦n≦10000、x+y+z=1.0、xは0〜0.95、yは0〜1.0、zは0〜1.0)を含む、エネルギー結合剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規エネルギーポリホスファゼンの合成に関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギー密度火薬類例えばRDX(1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアザシクロヘキサン)及びHMX(1,3,5,7−テトラニトロ−1,3,5,7−テトラアザシクロオクタン)は、形態学的において結晶性であり及び高い融点を保有し、それは、それらを装薬における使用のために形付けることを困難にさせる。それらの高いエネルギー密度に加えてこれらの材料の結晶化度は、それらを衝撃及び他の機械的刺激に敏感にさせ、従って、製造及びサービス環境においてそれらの処理実用性及び一般的安全性を減少させる。
当該技術分野において、試みはなされて、これらの材料の高い火薬の性質を保持するが、ポリマー結合剤を利用して上の悪影響に対抗する(Energetic Polymers as Binders in Composite Propellants and Explosives、M.Eamon Colclough et al.、polymers for Advanced Technologies、Vol5.pp.544-560参照)。ポリマー結合剤は、エネルギー的に不活性例えばエスタン(estane)又はポリブタジエン又は高エネルギーであり得る。後の事例において、エネルギーポリマー結合剤例えばポリNIMMO(ポリ−3−メチル−3−ニトラトメチルオキセタン)及びポリGLYN(ポリグリシジルニトレート)は、火薬それ自身のエネルギーが、組み合わせ材料において結合剤の存在により過剰に減少しないように、高い火薬と併せて使用され得ることが知られる。
【0003】
このアプローチでの困難は、結合剤として使用される時、所望な物理的特性例えば展性及び衝撃不感受性双方の適正な組み合わせを、高いエネルギー密度に加えて有するエネルギーポリマーを得ることにおいてある。例えば、最良の結合剤でさえ、それらが結合することを必要とされる結晶性火薬材料のものより有意に低いエネルギー密度を有する。これは、火薬のエネルギー性能を低減する効果を有する。この問題を解決するための試みにおいて、現在のプラクティスは、結合剤に関連して火薬の高装填を使用することであるが、これは、順に、結合剤/火薬混合物の所望な物理的特性を減少する。
ホスファゼンは、2つのペンダント側基を有する各リン原子を有する無機リン窒素主鎖を含む巨大分子の既知の種類である(Allcock H.R.et al.Inorg.Chem.1966、5
、1709-1715参照)。ポリ(オルガノホスファゼン)は、フルオロアルコキシ置換基(Macromolecules 2003、36、5566-5572参照)又はクロロ置換基(Allcock H.R.Inorganic and Organometallic Polymers 、ACS Symposium Series:Denver、1994;Vol.572、pp 208参照)を有する側基交換により合成され得ることが知られる。エネルギーポリ(オルガノホスファゼン)は、これまでこれらの方法を使用して製造されていない。
【0004】
ポリホスファゼン系は、合成的に柔軟であり及び構造の広範囲を保有するポリホスファゼン及び物理的特性は、知られる(R.Allcock、Chemistry and Applications of Polyphosphazenes、Wiley-Interscience、2003参照)。エネルギー置換基(R.Aallcock et al.Inorganic Chemistry、5535-5544、Vol.38、No.24、1999、参照及びForohar et al.US 6,218,554 B1参照)で機能的にされた小分子(三量体)環状ホスファゼンの合成の文献において、いくつかの例がある。しかしながら、小分子エネルギーホスファゼンの製造さえ、問題があり得(M.Eamon Colclough et al.Studies on the Synthesis of Energetic Phophazenes、International Symposium on Energetic Materials Technology、1995、Phoenix)及びこれまで当該技術分野においてエネルギーポリホスファゼンの製造に重大な障害があった。ある文献の言及のみは、材料の合成をこの分類においてアニオン重合を使用して記載する(Robert D.Chapman et al.Journal of Inroganic and Organometallic Polymers、267-275、Vol.6、No.3、1996参照)。Chapmanらは、n=3のエネルギー直線オリゴマーホスファゼンの合成を記載し及びnmr分光学のみをベースとし配合物からの及び最小の副生物として、より高い鎖ポリホスファゼン(n=22)の意図される単離を述べるが、収量は提供されず、また構造、分子量又は純度に関しては更なる確証的な情報もない。これらの材料が、結合剤として使用され得るそれらの刊行における提案はない。
【0005】
既刊文献において、ポリホスファゼンは、エネルギー系のための結合剤としての適用を見出だしていない。適切な高エネルギーポリホスファゼンも、そのような適用のために合成されていない。これは、そのようなポリホスファゼン系を合成することにおける困難さのみならず、そのようなエネルギー系のための適切な物理的特徴を提供する生成物の基本的な欠如を熟考する。従って、これまで高エネルギー密度を保有するポリホスファゼン結合剤は知られてなく及び更にいくつかの‘不活性’ポリホスファゼン、それは、一見魅力的な特性を有し得、使用して、効果的に火薬類の成分を配合することはできず、なぜなら、それらは、エネルギー結晶性成分の表面に適切に結合しないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、所望な処理特徴を高火薬材料に与える結合剤材料を開発することが必要であるが、それは、同時に火薬材料それ自身の火薬性能を過剰に減少しない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、構造(i)〜(iii)の1又は2以上を有するが(i)に限らないn単位の組み合わせを含む式A
【0008】
【化1】

【0009】
のランダム混合置換基ポリホスファゼン化合物を提供する:
及び(式中:
1、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル、又はアジドを含む複数のエネルギー官能基を含むアルキル、アルキルエーテル又は炭水化物ベースの側鎖である。
X=C1〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル。
3≦n≦10000)
100%置換ポリホスファゼンは、提供され得ない。これらの100%置換ポリホスファゼンは、ポリホスファゼンホモポリマーとして知られる。従って、構造(iii)のn単位を含む式B
【0010】
【化2】

【0011】
のポリホスファゼンホモポリマー化合物のために提供される:
及び(式中、R2=R3
3≦n≦10000)
式Aのランダム混合置換ポリホスファゼン化合物についての好ましい実施態様において、:
1は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22である。R2は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22である。R3は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22である。
Xは、OCH2CF3;OCH2CF2CF3;OCH2(CF23CF3である。
5≦n≦300
【0012】
式Bの100%置換ポリホスファゼンホモポリマー化合物についての好ましい実施態様において、:
2は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22である。R3は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22である。
5≦n≦300
【0013】
本発明の実施態様は、下の図及び実施例に関連して記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】先駆物質ポリマーポリ[ビス−(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]の合成のための図表である。
【図2】先駆物質ポリマーポリ(ジクロロホスファゼン)の合成のための図表である。
【図3】アルコキシド先駆物質(1)(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノール、(2)(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタノール及び(3)2−ピラニルオキシエタノールの合成のための図表である。
【図4】トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ1)の合成のための図表である。
【図5】トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼン(PZ2)の合成のための図表である。
【図6】トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ3)の合成のための図表である。
【図7】トリフルオロエトキシ/2−ピラニルオキシ−エトキシポリホスファゼン(PZ4)の合成のための図表である。
【図8】トリフルオロエトキシ/(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ5)の合成のための図表である。
【図9】1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ6)の合成のための図表である。
【図10】1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ7)の合成のための図表である。
【図11】トリフルオロエトキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ8)の合成のための図表である。
【図12】トリフルオロエトキシ/3,4−ジニトラトブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ9)の合成のための図表である。
【図13】トリフルオロエトキシ/5,6−ジニトラトヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ10)の合成のための図表である。
【図14】トリフルオロエトキシ/2−ニトラトエトキシポリホスファゼン(PZ11)の合成のための図表である。
【図15】トリフルオロエトキシ/2−メチル−3−ニトロオキシ−2−ニトロオキシメチル−プロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ12)の合成のための図表である。
【図16】1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ13)の合成のための図表である。
【図17】1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ14)の合成のための図表である。
【図18】左ページで示される先駆物質(1)3−アジドプロパン−1−オール、及び(2)右ページで示される6−アジドヘキサン−1−オールの合成のための図表である。
【図19】先駆物質5,6−ジアジドヘキサン−1−オールの合成のための図表である。
【図20】トリフルオロエトキシ/6−アジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ15)の合成のための図表である。
【図21】トリフルオロエトキシ/5,6−ジアジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ16)の合成のための図表である。
【図22】ポリ[ビス−(2−ニトラトエトキシ)ホスファゼン](PZ20)の合成のための図表である。
【図23】ポリ[ビス−(2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ21)の合成のための図表である。
【図24】ポリ[ビス−(3,4−ジニトラトブタン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ22)の合成のための図表である。
【図25】ポリ[ビス−(3−アジドプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ23)の合成のための図表である。
【図26】ポリ[ビス−(6アジドヘキサン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ24)の合成のための図表である。
【図27】NMR分光学的同定のためのペンダント側−基の命名法を記載する図表である。
【図28】PZ8−10及びPZ21−22のための分解エネルギー(グラフ1)及び密度(グラフ2)でパーセンテージエネルギー側基の効果を示す2つのグラフを示す。
【図29】PZ8−10及びPZ21−22のためのエネルギー密度(グラフ3)及びガラス転移温度(グラフ4)でパーセンテージエネルギー側基の効果を示す2つのグラフを示す。
【図30】PZ15−16及びPZ24のための分解エネルギー(グラフ5)及び密度(グラフ6)におけるパーセンテージ側基の効果を示す2つのグラフを示す。
【図31】PZ15−16及びPZ24のためのエネルギー密度(グラフ7)でパーセンテージ側基の効果を示す1つのグラフを示す。
【図32】PZ10及びポリGLTNの質量分率を有するTgの変化を示すグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
化学表記法のみの問題として及び説明的な及び明確な目的のために、好ましい実施態様のポリホスファゼンは、同様に、以下の化学式により表され得る:
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、x、y及びzは、化学量論値を言及し及びいつもx+y+z=1.0を提供される0.0〜1.0(しかしx=1.0でない)であり得及びすべての他の表記法及び値は、好ましい実施態様において言及されるものと同じであり及びそれに従って解釈されるべきである。
出願者により合成された具体的な実施態様は、0.0〜0.95のxの値、0〜1.0のyの値、及び0〜1.0のzの値を生じさせている;その中において、各事例においてx+y+z=1.0。当業者は、独立して0.0〜1.0の変化するx、y及びzの値(その中において、x+y+z=1.0)が、反応条件の変化を通して実験により期待されるであろうことを認識するであろう。式Bのポリホスファゼンホモポリマーは、z=1.0及びx+y=0.0の値を生じさせるであろう。
【0018】
具体的な実施例において、式Aのランダム混合置換基ポリホスファゼン化合物は、製造されていて、以下から成る:−
(a)トリフルオロエトキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ8)のランダム混合置換基ポリマー
(b)トリフルオロエトキシ/3,4−ジニトラトブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ9)のランダム混合置換基ポリマー
(c)トリフルオロエトキシ/5,6−ジニトラトヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ10)のランダム混合置換基ポリマー
(d)トリフルオロエトキシ/2−ニトラトエトキシポリホスファゼン(PZ11)のランダム混合置換基ポリマー
(e)トリフルオロエトキシ/2−メチル−3−ニトロオキシ−2−ニトロオキシメチル−プロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ12)のランダム混合置換基ポリマー
(f)1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/2,3ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ13)のランダム混合置換基ポリマー
(g)1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/2,3ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ14)のランダム混合置換基ポリマー
(h)トリフルオロエトキシ/6−アジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ15)のランダム混合置換基ポリマー
(i)トリフルオロエトキシ/5,6−ジアジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ16)のランダム混合置換基ポリマー
【0019】
具体的な実施例において、式Bのポリホスファゼンホモポリマー化合物は製造されていて、以下から成る:
(j)ポリ[ビス−(2−ニトラトエトキシ)ホスファゼン](PZ20)のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー
(k)ポリ[ビス−(2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ21)のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー
(l)ポリ[ビス−(3,4−ジニトラトブタン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ22)のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー
(m)ポリ[ビス−(3−アジドプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ23)のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー
(n)ポリ[ビス−(6−アジドヘキサン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ24)のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー
出願者は、これらの新規エネルギー材料への新規合成経路を開発している。この合成経路は、エネルギー的に置換ペンダント側基の直接アタッチメントを利用するよりもむしろエネルギー直線ポリホスファゼンが、合成されるのを可能にする新規ポリマーアルコキシ置換先駆物質の使用を含む。
【0020】
従って、以下の工程を含む式Aのランダム混合置換基エネルギーポリホスファゼンの合成のための方法が提供される:−
工程(1)[a] ペンダントフルオロアルコキシ又はフルオロアルコキシエーテル基で置換可能なポリ(ポスファゼン)先駆物質を作り出し、又は(1)[b]ペンダントクロロ基で置換可能なポリ(ホスファゼン)先駆物質を作り出す工程、
工程(2)エネルギー官能基又はエネルギー官能基に対する先駆物質又は保護エネルギー先駆物質のいずれかを保有するC2−C20のペンダント基先駆物質を作り出す工程、
工程(3)[a]工程(2)において記載される先駆物質のC2−C20のペンダント基を、ポリ(ホスファゼン)主鎖にそのアルコキシド誘導体を使用して化学的に結合して、適切に置換されたポリホスファゼンにおいてフルオロアルコキシ又はフルオロアルコキシエーテル基のランダム求核置換を達成し又は工程(3)[b] 工程(2)において記載される先駆物質のC2−C20のペンダント基を、遊離アルコール又はそのアルコキシド誘導体のいずれかを使用して化学的に結合させて、クロロ基の部分的な置換をクロロ置換ポリホスファゼンにおいて達成し、次いで残りのクロロ基の引き続く置換をフルオロアルコール又はそのアルコキシド誘導体で又は逆で達成し即ちフルオロアルコールを、3つのアルコール又はそのアルコキシド誘導体により、クロロ基の部分的な置換を介してポリホスファゼン主鎖に、次いで残りのクロロ基の引き続く置換を工程(2)において記載される先駆物質のC2−C20のペンダント基で、遊離アルコール又はそのアルコキシドにより(例えばPZ13及びPZ14に関して)結合すること。
【0021】
その中において、工程(1)及び(2)は、配列特異的でないが、工程(3)は、工程(1)又は工程(2)のいずれかに続き、及びその中において工程(1)[a]は使用され工程(3)[a]は使用され及びそこで工程(1)[b]は使用され工程(3)[b]は使用され、及び
工程(4)硝酸エステル誘導体をニトレート化により作り出し、そこで、上の工程(2)で記載されるアルコキシド先駆物質は、保護ヒドロキシ基(例えばピラニルオキシ、PZ11に関して)、保護1,2−ジオール(例えば環状ケタール、PZ8−10に関して)又はニトレート化可能なエネルギー先駆物質(例えば(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシ官能基、PZ12に関して)を保有する。
当該技術者は、ヒドロキシ及び1,2−ジオール官能基のための他の塩基耐性保護基が、硝酸エステル誘導体が、所望であるニトレート化に先立って所望な保護基として同様に有効的であろうことを認識するであろう。(Chapter 2 in Protective Groups in Organic Synthesis'3rdEdition、1999、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、Wiley Interscience参照)
すべてのクロロ基が、工程(2)及び工程(4)において記載される先駆物質のC2−C20のペンダント基により置換されるような工程(1)[b]、工程(2)、工程(3)[b]を用いることは、式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマーをもたらすであろう。従って、式Bのエネルギーポリホスファゼンホモポリマーの合成のための方法が提供される。
【0022】
好ましい実施態様において、工程(1)[a]で言及されるペンダントフルオロアルコキシ基は、トリフルオロアルコキシ基を含む。更なる好ましい実施態様において、工程(1)[a]で言及されるペンダントフルオロアルコキシ基は、1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ基を含む。更なる好ましい実施態様において、工程(1)[a]で言及されるペンダントフルオロアルコキシ基は、1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ基を含む。
好ましい実施提要において、工程(1)[b]における置換可能な基は、塩素を含む。
好ましい実施態様において、工程3の結合は、トリフルオロエトキシ基のランダム求核置換を介してなされる。
具体的な実施態様において、工程(3)の結合は、クロロ基の置換を介してなされる。
従って、上の方法による入手可能な式Aのランダム混合エネルギーポリホスファゼンが提供され、そこで:
好ましくは、工程(1)[a]において使用される置換可能なポリホスファゼン先駆物質は、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ポスファゼン]を含む。
好ましくは、工程(1)[b]において使用される置換可能なポリホスファゼン先駆物質は、ポリ(ジクロロホスファゼン)を含む。
【0023】
工程(1)[a]において使用されるポリホスファゼン先駆物質が、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]を含む場合:−
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、2−ピラニルオキシエタノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メタノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、6−アジドヘキサン−1−オールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、5,6−ジアジドヘキサン−1−オールを含む。
【0024】
工程(1)[b]において使用されるポリホスファゼン先駆物質が、ポリ(ジクロロホスファゼン)を含む場合:−
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノール次いで1H,1H−ペルフルオロプロパノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノール及び次いで1H,1H−ペルフルオロペンタノールを含む。
従って、上の方法により得られ得る式Bのポリホスファゼンホモポリマーが提供されここで:
好ましくは、工程(1)において使用される置換可能なポリ(ホスファゼン)先駆物質は、ポリ(ジクロロホスファゼン)を含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、2−ピラニルオキシエタノールを含む。
【0025】
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、6−アジドヘキサン−1−オールを含む。
好ましくは、工程(2)において使用される置換可能なペンダント基先駆物質は、3−アジドプロパン−1−オールを含む。
好ましくは、工程(4)において使用されるニトレート化媒体は、95%硝酸であり、それは、見出されて、特に透明な生成物を与えている。当業者は、硝酸及び他のニトレート化媒体の他の濃縮物が、使用され得、N25、混合硫/硝酸及び硝酸/無水酢酸を含むことが認識されるであろう。
エネルギー側基によるポリマー鎖の置換の程度を変化することにより、ポリホスファゼンのエネルギー含量を修正することが可能であり及び異なる鎖の長さ及び置換パターンの賢明な選択を通して、他のパラメータ例えば密度及びガラス転移温度は、操作され得る。開示される合成方法により、従って、それが、与えられる適用のための特定のポリホスファゼンの所望な特徴を最適化するのを可能する。
エネルギー側基の置換の程度は、(a)ニトレート化に先立ってアルコキシド先駆物質の及び(b)アジ化側鎖の置換の程度を増加することにより修正され得る。
【0026】
従って、ランダム混合置換基ポリホスファゼン(上の工程(3))の置換の程度(即ち、フルオロアルコキシ又はフルオロアルコキシエーテル基に関する置換可能なペンダント側-基の割合)を変化するための方法が提供される。変化は、以下の1又は2以上によりもたらされ得る:
(a)(i)工程(3)[a]−ポリ[ビス(フルオロアルコキシ)−ホスファゼン]又はポリ[ビス(フルオロアルコキシエーテル)−ホスファゼン]に対する[上の工程(2)において記載される置換可能なペンダント基先駆物質の]アルコキシドの相対的比率
(ii)[上の工程(2)において記載される第一置換可能なペンダント基先駆物質の即ち工程3bにおいて言及される第一基である]、アルコキシドのポリ(ジクロロホスファゼン)に対する相対的比率。上のように、ポリマーの先駆物質に対してアルコキシドの相対的比率を増加することにより置換の相対的程度を増加することが見出される。
(b)反応時間の長さ。反応時間が、先駆物質におけるフルオロアルコキシ及び先駆物質におけるクロロ基の置換の相対的程度を、第一アルコキシド(又は遊離アルコール)により、工程(3)[a]及び(3)[b]それぞれにおいて増加させることが見出される。
(c)アルコキシド塩のカチオン。アルコキシド塩のカチオンの半径を増加することにより、フルオロアルコキシ/フルオロアルコキシエーテル先駆物質への置換の相対的程度を増加させることが見出される。それは、リチウムカチオンより効果的であるナトリウム陽イオンである。
【0027】
(d)反応の温度。反応温度を増加することにより、これはまた、先駆物質においてフルオロアルコキシ基の置換の相対的程度を増加することの効果を有することが見出される。
(e)フルオロアルコキシ先駆物質のフルオロアルコキシ側基の修飾。
ポリマーの置換の程度及び置換ペンダント側基それら自身の性質は、ポリマーの物理的特性を修正する。
従って、式A及び式Bのポリホスファゼン生成物の物理的特性を変化するための方法が提供される。ポリマーの物理的特性の変化は、以下の1又は2以上の変化により影響され得る:
(i)上の(a)−(e)による(即ち、フルオロアルコキシ又はフルオロアルコキシエーテル側基に対してエネルギー側−基の相対的比率の修正を通して)置換の程度;(ii)複数のエネルギー官能基を含む置換可能なペンダント側−基の炭素鎖の長さ(iii)置換ペンダント側−基に結合する複数のエネルギー官能基の数;(iv)ポリマー主鎖に置換ペンダント側−基の1タイプより多くを結合すること及び(v)置換ペンダント側−基に結合するエネルギー官能基のタイプ(vi)置換可能なポリホスファゼンの分子量を変化すること (i)エネルギー及びエネルギー密度に関しては、置換の程度を増加することにより(即ち、エネルギー側基の数を増加することにより)増加され得る;ガラス転移温度及び密度は、置換の程度を変化することにより変化され得る。
【0028】
(ii)エネルギー、密度、エネルギー密度及びガラス転移温度に関しては、置換可能なペンダント側−基の炭素鎖の長さを変化することにより変化され得る。
(iii)エネルギー及びエネルギー密度に関しては、置換ペンダント側−基に結合する複数のエネルギー官能基の数を増加することにより増加され得る;ガラス転移温度及び密度は、置換ペンダント側基に結合する複数のエネルギー官能基の数を変化することにより変化され得る。
(iv)エネルギー、密度、エネルギー密度、ガラス転移温度及び熱安定性に関しては、ポリマー主鎖に対する置換ペンダント側−基の1タイプより多くを結合することにより変化され得る。
(v)エネルギー、密度、エネルギー密度、ガラス転移温度及び熱安定性に関しては、置換ペンダント側−基に結合するエネルギー官能基のタイプを変化することにより変化され得る。
式A及び式Bの選択されたポリホスファゼン生成物の物理的データは、表1において、比較のための商業的に入手可能なエネルギーポリマーのためのデータと一緒に要約される。
【0029】
表1

*示差走査熱量測定(DSC)を使用して記録される分解エネルギーデータ
【0030】
表1:PZ8−16及びPZ20−24についてのパーセンテージエネルギー側基を有する物理的特性の変化及びポリGLYN及びポリNIMMOのものを有するこれらの特性の比較。
表1のデータは、高エネルギー密度が、式A及び式Bのエネルギーポリホスファゼンのために達成可能であり及びいくつかのケースにおいて、これらは、商業的に入手可能なエネルギーポリマーのものを上回ることを示す。更に、挙げられる値のいくつかは、いくつかの現在の火薬類のものに近い。これは、他の既知のポリマー結合剤を超えて改良された爆発性能を促進する。
式A及び式Bのポリホスファゼン化合物は、所望な低ガラス転移温度を含むガラス転移温度の範囲を提供するが、同時に高い相対的エネルギー−密度を維持する。
低ガラス転移温度の保有は、低温度使用のための配合物に可塑剤又はエネルギー可塑剤のいずれかを添加する必要を最小限にし又は打ち消す。これは、有利であり、なぜなら、時間とともに、可塑剤は、配合物の外を移動し得るからであり、潜在的に、特に低温度で配合物の機械的特性を危うくする。従って、非可塑化又はわずかな可塑化ポリホスファゼン結合剤の使用は、結合火薬の強化されたエージング性能に到るであろう。高エネルギー密度と結びつく低ガラス転移温度(Tg)の保有は、これらの化合物が、結合剤として使用される時、結合火薬は、形付けられ及び幅広い温度にわたり使用され得るが、全材料は、その高い火薬力を維持するという有意な利点を与える。
【0031】
実施例において記載されるように、本発明のエネルギーポリホスファゼンは、予想外に、とても効果的な結合剤として、エネルギー材料のために、溶剤ペースト工程を用いて作用する;しかしながら、それらは、化学的に硬化性ではない。それにもかかわらず、本件明細書で記載されるポリホスファゼンのいくつかが、ある商業的なエネルギーポリマー例えばポリGLYN及びポリNIMMOで混和でき、それは、それら自体で(標準イソシアネート技術を使用して)硬化され及び混合結合剤が、それら自身硬化されたイソシアネートされ得ることが定着している。
ポリGLYNのケースにおいて、混合結合剤は、2つの個々の結合剤のものの間で、割合に依存してガラス転移温度中間体を有する。従って、本発明のポリホスファゼンは、共−結合剤として用いられる時、補助的な結合剤のエネルギー−密度を増大するためだけでなく、そのガラス転移温度を低下させるために役立ち得る。例えばポリGLYN/ポリホスファゼン共−結合剤により製造されるゴムは、柔軟、伸張性であり及び多くの結晶性エネルギーフィルターに効果的にそれを粘着させるかなり‘高い粘着性’を保有する。用語、共−結合剤は、他の結合剤材料と併せて結合剤としてのこれらのポリホスファゼンの使用を言及する。
【0032】
従って、式A及び式Bのポリホスファゼン化合物は、火薬結合剤組成物における及び花火組成物における成分及び/又は共−結合剤及び/又は結合剤として使用され得る。当業者は、式A及び式Bのポリホスファゼンがまた、この実施態様を決定するための更なる実験なしで発射組成物のための結合剤及び/又は共−結合剤成分として同様に使用され得ることを認識するであろう。これは、これらの化合物の燃焼の観察されるシューという音及び発泡性質から明白である。
【0033】
実施例1
式A及び式Bのポリホスファゼン化合物及びそれらの先駆物質の詳細な合成

硝酸エステル官能化ポリホスファゼン

(A−D)先駆物質合成
(A1)トリス(トリフルオロエトキシ)−N−(トリメチルシリル)ホスホラニミンの合成
アジドトリメチルシラン(10.54g、91.4ミリモル)を、攪拌を伴い2,2,2−トリス−トリフルオロエチルホスフィット(trifluoroethylphosphite)(10.0g、30.5ミリモル)に不活性ガス雰囲気下で添加した。混合物を、加熱して、還流し(約110℃)また反応を、31P{1H}NMR分光学により観測した。全ホスフィットを、消費した後(約72時間後)、反応を、室温に冷却しておき、淡黄色液体を得た。純ホスホラニミン生成物を、粗製混合物から真空蒸留を介して分離して、無色の液体を得た。収量=12.7g(55%)。
δH(d6-アセトン):0.09ppm(s)[Si(CH3)3];4.95('q')[CH2CF3]
δC(d6-アセトン):2.67ppm(s)[Si(CH3)3];63.21(dq、2JC-F=37Hz、2JC-P=5Hz)
[CH2CF3]; 123.94 (dq, 1JC-F = 276 Hz, 3JC-P = 11 Hz) [CH2CF3]
δP(d6-アセトン):-10.48ppm(bs)
【0034】
(A2)ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]の合成
方法1
ジグリム(45ml)中のトリス(トリフルオロエトキシ)−N−(トリメチルシリル)ホスホラニミン(38.7g、93.0ミリモル)の攪拌溶液に、不活性ガス雰囲気下で、1−メチルイミダゾール(〜2モル%)及び水(約0.5ml)を添加した。混合物を、125℃に8時間加熱し、淡黄色液体を得た。粗製混合物を、クロロホルム(150ml)を含むフラスコ内に静かに移し、約−10℃に冷却した。ポリホスファゼン生成物は、すぐに白色固体沈殿物として現れた。これを、真空で数時間乾燥する前に、ろ過し及びクロロホルム及びヘキサンの一部で十分に洗浄した。収量=18.5g(82%)
方法2
工程1−新たに昇華したヘキサクロロシクロトリホスファゼン(17g)を、乾燥パイレックチューブに置き及び真空下でシールした。チューブを、オーブンに置き及び255℃に1時間及び次いで250℃で16時間(チューブの回転とともに)加熱し、その時間後、チューブの内側の溶融材料は、ほとんど流れなくなった。チューブは、室温に冷却し、不活性雰囲気グローブボックスの内側で壊して開けられ、及び内容物は、無水トルエンの最小量において溶解した。ポリ(ジクロロホスファゼン)から成る生成物を、無色のゴムのような材料として過剰の無水ヘキサン内での沈殿物上で単離した。
【0035】
工程2−ナトリウムトリフルオロエトキシドを、THF(32ml)中のトリフルオロエタノール(5.0g、0.05モル)の溶液をTHF(20ml)中の水素化ナトリウム(1.20g、0.05モル)の攪拌された懸濁液に不活性雰囲気下で添加することにより製造した。得られた溶液に、TBAB(テトラ−n−ブチルアンモニウム臭化物、0.1g)及びポリ(ジクロロホスファゼン)の無水トルエン溶液(16ml、00.021モル)を注射器を介して添加した。反応混合物を、水に添加する前に、加熱して、6時間還流し、ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]から成る白色固体の沈殿物を得た。生成物を、沈殿によりアセトン溶液としてトルエン内で精製した。
vmax(ニート)/cm-1:1292、1168、1080、962、897、845、662
δH(d6-アセトン):4.55ppm(m)[CH2CF3]
δC(d6-アセトン):64.12ppm(q、2JC-F=37Hz)[CH2CF3];123.92(q、1JC-F=278Hz)[CH2CF3]
δP(d6-アセトン):-6.28ppm(bs)
【0036】
(A3)ポリ(ジクロロホスファゼン)の合成
(i)トリス(クロロ)−N−(トリメチルシリル)ホスホラニミン
ジエチルエーテル(250ml)を攪拌を伴いリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(27.7g、0.17モル)を含む氷/水槽において冷却されたフラスコに添加した。三塩化リン(14.5ml、0.17モル)をついで添加し及び混合物は、氷水槽を除去する前に更なる5〜10分間攪拌した。攪拌を、周囲温度で更なる1〜2時間続けた。反応フラスコを、次いで氷/水槽において再び冷却し及び塩化スルフリル(13.3ml、0.17モル)を添加した。混合物を、氷/水槽を除去する前に更に10〜15分間攪拌し及び周囲温度で更なる1〜2時間又は反応物が完成するまで31P{1H}NMR分光学により示されるように攪拌した。生成物を、それだけを真空蒸留を介して単離した。
収率=76%
δH(CDCl3):1.26ppm(s)[Si-CH3]
δP(CDCl3):-57.2ppm(s)

(ii)ポリ(ジクロロホスファゼン)
ジクロロメタン(10ml)中のPCl5(37.0mg、0.178ミリモル)の攪拌溶液にトリス(クロロ)−N−(トリメチルシリル)ホスホラニミン(1.0g、4.45ミリモル)を添加した。攪拌を、周囲温度で2〜6時間又は反応物が完成するまで、31P{1H}NMR分光学により示されるように続けた。ジクロロメタンを、真空で除去して、生成物を無色の粘着性のある粘性液体として得た。
収率=100%
δP(CDCl3):-17.4ppm(s)
[NB,ポリ(ジクロロホスファゼン)はまた、上の方法A2の方法2(工程1)を介して製造され得る]。
【0037】
(A4)(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタノールの合成 アセトン(50ml)中の1,2,6−ヘキサントリオール(10.0g、74.6ミリモル)の攪拌溶液に、ジクロロメタン(50ml)、p−トルエンスルホン酸(1モル%、触媒)及び無水硫酸マグネシウム(50g)を、添加した。混合物を、周囲温度で24時間攪拌しておいた。MgSO4を、次いで、ろ過を介して除去し及びアセトン/ジクロロメタン溶液を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(1×30ml)及び水(2×30ml)で洗浄した。有機溶液を、次いで無水MgSO4に乾燥し、ろ過し及び溶剤を真空で除去して、生成物を無色の液体として得た。収量=13.0g(79%)。
vmax(ニート)/cm-1:3419(O−Hストレッチ)、2985、2937、2866、1379、1370、1247、1215、1156、1057、853
δH(d6-アセトン):1.26ppm(s)、1.30(s)[HA、HB];1.30-1.70(m)[HF、HG、HH];3.43(m)、3.99(m)[HD、HD'];3.52(m)[HJ];4.01(m)[HE]。
δC(d6-アセトン):22.76ppm(s)[CG];25.90(s)、27.18(s)[CA,CB];33.35(s)、34.02(s)[CF、CH];62.08(s)[CJ];69.79(s)[CD];76.54(s)[CE];108.73(s)[CC]。
【0038】
(A5)(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノールの合成 A4において記載されるような同様の手順を、1,2,4−ブタントリオール(10.0g、94.3ミリモル)を使用して続けた。生成物を、無色の液体として単離した。収量=7.6g(55%)
Vmax(ニート)/cm-1:3426(O−Hストレッチ)、2987、2938、2878、1472、1456、1379、1370、1244、1216、1159、1059、856
δH(d6-アセトン):1.25ppm(s)、1.30(s)[HA,HB];1.72(m)[HF];3.49(m)、4.01(m)[HD,HD'];3.61(m)[HG];4.15(m)[HE]。
δC(d6-アセトン):25.34ppm(s)、26.56(s)[CA,CB];36.58(s)[CF];58.74(s)[CG];69.35(s)[CD];73.77(s)[CE];108.13(s)[CC]。
[(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールは、商業的に入手可能な材料であり及びアルドリッチ(Aldrich)]から購入した]。
【0039】
(A6)2−ピラニルオキシエタノールの合成
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(30.0g、0.36モル)、エチレングリコール(310.0cm3、5.36モル)及びp−トルエンスルホン酸(約1モル%、触媒)を、ジクロロメタン(100cm3)に添加し及び混合物を、周囲温度で18時間不活性ガス雰囲気下で攪拌した。水(約150cm3)を、次いで添加し、二相混合物を生じた。有機相(所望な生成物を含む)を、収集し及び水性相(過剰のエチレングリコールを含む)は、更なるジクロロメタン(3×50cm3)の一部で抽出した。組み合わせられた有機相及び洗液を無水硫酸マグネシウムに乾燥し、ろ過し及び溶剤を、真空で除去して、ほとんどモノ−保護アルコールだけを含む粗生成物を得た。所望な生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィを介して(シリカゲル60及び3:1の比のヘキサン:酢酸エチルを溶離剤として使用して)単離した。収量=9.01g(17.3%)
vmmax(ニート)/cm-1:3425(ブロード、O−Hストレッチ)、2943、2872、1455、1443、1385、1351、1202、1138、1124、1072、1033、986、926、905、871、812。
δH(d6-アセトン):1.31ppm(m)[HE、HF];1.40−1.70(m)[HD];3.20−3.70(m)[HA、HB、HG];4.36(m)[HC]。
δc(d6-アセトン):19.81ppm[CE];25.22[CF];30.65[CD];61.88[CG];62.95[CA];70.18[CB];99.81[CC]。
【0040】
(B)(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノール、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノール、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタノール及び2−ピラニルオキシエタノール及び(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メタノールのLi塩の合成のための一般手順
THF中の適切なアルコールの攪拌された溶液に(不活性ガス雰囲気下で)、等モル量のn−BuLi(ヘキサン中の1.8M溶液として)を、周囲温度で滴下で添加した。添加の間、反応フラスコの温度上昇は、顕著だった。溶液を、1〜2時間周囲温度で攪拌したままにし、THF中のLi塩の淡黄色溶液を得た(定量的転換)。

(C)(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノール、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノール、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタノール、2−ピラニルオキシエタノール及び(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メタノールのNa塩の合成のための一般手順 THF中の水素化ナトリウムの懸濁液(不活性ガス雰囲気下で)を、製造した。等モル量の適切なアルコールを、THF中の溶液として、周囲温度で滴下で添加した。混合物を、数時間常温で攪拌したままにし、THF中の懸濁液としてNa−塩を得た(定量的転換)。
【0041】
(D1)トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ1)の合成のための一般方法
THF(20ml)中のポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン](1.0g、4.12ミリモル)の攪拌溶液に、不活性ガス雰囲気下で、THF(10ml)中の(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールのLi塩の溶液を添加した[あるいは、溶液ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]を、THF中のナトリウム塩の攪拌懸濁液に添加することができる。]。混合物を、加熱して、還流し及び18時間攪拌した。周囲温度に冷却して、THFを、低減し及び粗生成物の濃縮溶液/懸濁液を、攪拌を伴い、水に滴下で添加した。水性混合物を、次いで、酸性にし(約pH5−6)、ポリマー生成物の沈殿物を生じた。水性溶液を、静かに移し及び可溶性ならば、ポリマーを、ジクロロメタン(約50ml)において再溶解した(さもなければ真空で50℃で数時間乾燥した)。有機溶液を、無水MgSO4上で乾燥する前に、次いで飽和塩化ナトリウム溶液(2×30ml)及び最終的に水(1×30ml)で抽出した(あるいはまた、水中で複数の沈殿物は、使用され得、次いでジクロロメタンにおける溶解及びMgSO4上で乾燥させた。ろ過及び真空における溶剤の除去後、生成物は、最少量のアセトンにおいて溶解され及びヘキサン中(約100ml)で沈殿した。ヘキサンを、静かに移し及び生成物を、真空において乾燥した(ヘキサン中の沈殿を、生成物が混じりけがなくなるまで、1H NMRによって繰り返した)。ポリマー生成物を淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約60−90%
Vmax(ニート)/cm-1:2990、2969、1281、1255、1171、1084、964、879、843、660、562
δH(d6-アセトン):1.29(s)、1.36(s)ppm[HA、HB];3.81(b)、4.09(b)、4.36(b)[HD、HE、HF];4.55(b)[CH2CF3]。
δC(d6-アセトン):24.59ppm(s)、26.19(s)[CA、CB];62.77(q、2JC-F=37Hz)[CH2CF3];65.69(b);67.92[CF];74.11(s)[CE];109.54(s)[CC];123.17(q、1JC-F=276Hz)[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):〜−7.0ppm(b)
【0042】
(D2)トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリオホスファゼン(PZ2)の合成のための一般方法
(D1)において記載されるような同様の手順を、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノールのNa又はLiアルコキシド塩を使用して続けた。生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約60−90%。
Vmax(ニート)/cm-1:2990、2967、1419、1373、1282、1170、1089、962、862
δH(d6-アセトン):1.28ppm(s)、1.33ppm(s)[HA、HB];1.92(b、m)[HF];3.57(b、m)[HD'];4.00−4.30(b、m)[HD、HE、HG];4.55(m)[CH2CF3]。
δC(d6-アセトン):25.09(s)、26.41(s)[CA、CB];34.27(b)[CF];63.28(q、2JC-F=38Hz)[CH2CF3];69.03(s)[CD];72.94(s)[CE];108.49(s)[CC];123.12(q、1JC-F=277Hz)[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):−7.23ppm(b)
【0043】
(D3)トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ3)の合成のための一般方法
(D1)において記載されるような同様の方法を、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタノールのNa又はLiアルコキシド塩を使用して続けた。生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約60−90%。
Vmax(ニート)/cm-1:2986、2939、2868、1379、1370、1283、1245、1164、1087、1063、964、852。
δH(d6-アセトン):1.26ppm(s)、1.33(s)ppm[HA、HB];1.35-1.80(b、m)[HF、HG、HH];3.45(b、m)[HD'];3.95-4.20(b、m)[HD、HE、HJ];4.55(m)[CH2CF3]。
δC(d6-アセトン)::21.90ppm(b)[CG];25.14(s)、26.46(s)[CA、CB];30.10(b)[CH];33.24(b)[CF];63.30(q、2JC-F=37Hz)[CH2CF3];〜67.0[CJ];69.15(s)[CD];75.75(s)[CE];108.24(s)[CC];123.12(q、1J C-F=277Hz)[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):-7.20ppm(b)
【0044】
(D4)トリフルオロエトキシ/2−ピラニルオキシエトキシポリホスファゼン(PZ4)の合成のための一般方法
(D1)において記載されるような同様の手順を、2−ピラニルオキシエタノールのNa又はLiアルコキシド塩を使用して続けた。生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約60−90%
vmax(ニート)/cm-1:2944、2873、1283、1245、1204、1165、1126、1071、1035、988、965、872。
δH(d6-アセトン):1.50-1.80ppm(bm)[HD、HE、HF];3.46(b)、3.66(b)、3.87(b)、4.21(b)[HA、HB、HG];4.51(b)[CH2CF3];4.66(b)[HC]。
δC(d6-アセトン):19.42ppm[CE];25.46[CF];30.35[CD];61.50-67.00[CA、CB、CG];63.17(q、2JC-F=36Hz)[CH2CF3];98.55[CC];123.29(q、1JC-F=275Hz)[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):-7.57ppm、-6.59、-3.07(vb)、-1.03(vb)
【0045】
(D5)トリフルオロエトキシ/3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ5)の合成のための一般方法
(D1)において記載されるような同様の手順を、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メタノールのNaアルコキシド塩を使用して続けた。生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約60−90%
δH(d6アセトン):1.31ppm(s)[HD];4.16(s)[HE];4.49(m)[CH2CF3];4.29&4.51(dd)[HA、HB]。
δC(d6-アセトン):20.9ppm[CD];40.5[CC];30.35[CD];63.7[CH2CF3];72.3[CE];124.3[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):-6.30&-7.40ppm
【0046】
(D6)1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/(2,2−ジメタ−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼン(PZ6)の合成のための一般方法
THF(100ml)の(2,2−ジメチル−[1,3] −ジオキソラン−4−イル)−メタノール(ソルケタール)のNa塩の攪拌された懸濁液に、THF(30ml)のポリ(ジクロロホスファゼン)の溶液(1.19g、10.30ミリモル)を不活性ガス雰囲気下で添加した。混合物、周囲温度で2時間攪拌し、その後、1H,1H−ペルフルオロプロパノールのNa塩(25.75ミリモル)のTHF溶液(50ml)を添加した。混合物を、次いで加熱して、還流し及び更なる18時間攪拌した。周囲温度に冷却して、得られたNaCl副産物を、ろ過を介して除去し及び得られた溶液を約20mlに濃縮した。過剰の水(約150ml)を、次いで攪拌を伴い添加し、次いで希釈HClを使用して酸性化(約pH5−6に)し、粘性油としてポリマー生成物の沈殿物を得た。水性層を静かに移し及びポリマーを、水の更なる部分(3×50ml)で洗浄した。生成物を、次いで真空で数時間50℃で乾燥してその後、最小量のアセトンにおいて溶解し及びヘキサン(約100ml)内で沈殿させた。ヘキサンを、静かに移し及び生成物を真空で乾燥し、淡黄色の、高い粘性の粘性液体を得た。
回収収量=1.23g、43%
vmax(ニート)/cm-1:2988、1372、1243、1197、1152、1018、933、836、723、651、619、599。
δH(d6-アセトン):1.31(s)、1.38(s)ppm[HA、HB];3.83(b)、4.07(b)4.36(b)[HD、HE、HF];4.56(b)[CH2CF3]。
δC(d6-アセトン):24.73ppm(s)、26.34(s)[CA、CB];62.01(m)[CH2CF3];66.14(b)[CD];67.22[CF];74.28(s)[CE];109.31(s)[CC];112-125(m)[CH2CF2CF3領域]。
δP(d6-アセトン):-7.34ppm(b)
【0047】
(D7)1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼン(PZ7)の合成のための一般方法
(D6)のために記載されるような同様の手順を、ペルフルオロペンタノールのNa塩を使用して続けた。生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。
δH(d6-アセトン):1.29(s)、1.36(s)ppm[HA、HB];3.82(b)、4.07(b),4.35(b)[HD、HE、HF];4.60(b)[-OCH2CF3-]。
δC(d6-アセトン):24.49ppm(s)、26.02(s)[CA、CB];62.34(m)[-OCH2CF2-];
65.83(b)[CD];67.74[CF];74.09(s)[CE];109.46(s)[CC];103−125(m)[−OCH2CF2CF2CF3領域]。
δP(d6−アセトン):−6.87ppm(b)
【0048】
(D8)ポリ[ビス−(2−ピラニルオキシエトキシ)ホスファゼン](PZ17)
ポリ(ジクロロホスファゼン)(2.0g、17.24ミリモル)のTHF溶液(20ml)を、THF(20ml)中の2−ピラニルオキシエタノール(51.72ミリモル)のNa塩の攪拌懸濁液に添加した。混合物を、加熱して、18時間還流した。周囲温度に冷却して、THFを、低減し及び粗生成物の濃縮溶液/懸濁液を、攪拌を伴い水に滴下で添加した。水性混合物を、次いで酸性化し(約pH5−6に)、ポリマー生成物の沈殿物を生じた。水性溶液を、静かに移し及びポリマーを、ジクロロメタン(約200ml)において再溶解した(又は真空で数時間50℃で乾燥した)。有機溶液を、次いで無水MgSO4上で乾燥した。ろ過及び真空で溶剤の除去後、生成物を、最小量のアセトンにおいて溶解し及びヘキサン(約100ml)内で沈殿させた。ヘキサンを、静かに移し及び生成物を、真空で乾燥した(ヘキサン内で沈殿を、1H NMR分光学により示されるように、生成物が、混じりけがなくなるまで繰り返した)。ポリマー生成物を、淡黄色の、粘着性のある、粘性の高い液体として単離した。
νmax(ニート)/cm2:2939、2869、1441、1384、1321、1231、1201、1183、1167、1123、1029、985、958、906、870、812、760。
δH(d6-アセトン):1.50−1.90ppm(bm)[HD、HE、HF];3.49(bm)、3.70(bm)、3.88(bm)、4.21(b)[HA、HB、HG];4.70(b)[HC]。
δC(d6-アセトン):19.37ppm[CE];25.59[CF];30.58[CD];61.34、65.05、66.55[CA、CB、CG];98.39[CC]。
δP(d6-アセトン):−7.10ppm
【0049】
(D9)ポリ[ビス−((2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ)]ポリホスファゼン](PZ18)
(D8)において記載されるような同様の手順を、ポリ(ジクロロホスファゼン)及び(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールのナトリウム塩を使用して続けた。生成物を、無色の粘着性のある、高い粘性の液体として単離した。
vmax(ニート)/cm-1:2985、2937、2885、1456、1370、1211、1157、1018、884、834、789、647
δH(d6-アセトン):1.31(s)、1.40(s)ppm、[HA,HB];3.87(m)、3.97(m)、4.08(m) [HD
,HE,HF];4.34(m) [HD'];
δC (d6-アセトン):25.04ppm、26.63[CA,CB];66.57,66.68[CD,CF];74.48[CE];109.12[CC]。
δP(d6-アセトン):-6.63ppm
【0050】
(D10)ポリ[ビス−((2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ)ポリホスファゼン](PZ19)
(D8)において記載されるような同様の手順を、ポリ(ジクロロホスファゼン)及び(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノールのナトリウム塩を使用して続けた。生成物を、淡黄色の、粘着性のある、高い粘性の液体として単離した。
vmax(ニート)/cm-1:2984、2937、2873、1368、1227、1159、1035、974、916、850、795 δH(d6-アセトン):1.33ppm(s)、1.37(s)ppm[HA,HB];1.98(m)[HF];3.61(m) [HD];4.15(m)、4.24(m)[HD',HE,HG]。
δC (d6-アセトン):25.59(s)、26.76(s)[CA,CB];34.81(b) [CF];63.06[CG];69.48(s)[CD]73.50(s)[CE];108.25(s)[CC]。
δP(d6-アセトン):-7.06ppm
【0051】
(E)エネルギーポリホスファゼン(PZ8−14、20−22)の合成

(E1)トリフルオロエトキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ8)の合成のための一般方法
95%硝酸(5ml)を、攪拌を伴い、0〜5℃の間に氷/水槽において冷却した。トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(200mg)を、添加し(ニートで又はDCM中の溶液として滴下)及び反応混合物を、5℃より下に温度を維持して、15分間攪拌した。溶液を、次いで、攪拌を伴い滴下で冷された蒸留水(〜60ml)に添加し、ニトレート化された生成物を、白色の、油性の固体沈殿物として得た。過剰の水(即ち、希酸)を、静かに移し、沈殿物を、いくつかのアリコートの蒸留水で洗浄し及び真空で50℃で2〜3時間乾燥した。純生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約80−90%。
vmax(ニート)/cm-1:2966、2910、1647(NO2非対称、ストレッチ)、1273、1174、1086,1005,964,843(O-Nストレッチ)、752、703、561
δH(d6-アセトン):4.55ppm(b,m)[CH2CF3];4.91(b),5.10(b)[HA,HC];5.77(b)[HB]。
δC (d6-アセトン):63.29ppm(q,2JC-F=37Hz)[CH2CF3];69.20(b)[CC];71.28(b)[CA];77.72(b)[CB];123.11(q,1JC-F=277Hz)[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):-6.35ppm(b)
【0052】
(E2)トリフルオロエトキシ/3,4−ジニトラトブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ9)の合成のための一般方法
(E1)のために記載されるような同様の手順を、トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼンを使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約80−90%。

vmax(ニート)/cm-1:2968、2916、1652、(NO2非対称、ストレッチ)、1420、1275、1171、1083、963、845(O-Nストレッチ)
δH(d6-アセトン):2.26ppm(b)[HC];4.30(b,m)[HD];4.55(m)[CH2CF3];4.76(b,m)、5.04(b,m)[HA,HA];5.64(b,m)[HB]。
δC (d6-アセトン):63.29ppm(q,2JC-F=37Hz)[CH2CF3];71.68(b)[CA];76.93(b)[CB];123.25(q,1JC-F=277Hz)[CH2CF3];[CC及びCD共鳴は、d-アセトン及びCH2CF3それぞれにより分かりにくくなると考えた]。
δP(d6-アセトン):-7.10ppm(b)
【0053】
(E3)トリフルオロエトキシ/5,6−ジニトラトヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ10)の合成のための一般方法
(E1)のために記載されるような同様の手順を、トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタン−1−オキシポリホスファゼンを使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約80−90%。
Vmax(ニート)/cm-1:2960、2901、2876、1638(NO2非対称、ストレッチ)、1286、1272、1169、1082、1061、1036、1006、965、853、754、696
δH(d6-アセトン):1.50-1.95ppm(b,m)[HC,HD,HE];4.13(b,m)[HF];4.55(m)[CH2CF3]; 4.70(b,m)、4.98(b,m)[HA,HA'];5.48(b,m)[HB]。
δC (d6-アセトン):21.16ppm(s)[CD];28.52(d-アセトンにより覆い隠される)[CE];-29.7(d-アセトンにより覆い隠される)[CC];63.25(q,2JC-F=33Hz)[CH2CF3];66.78(b)[CF];71.86(s)[CA];80.05(s)[CB];123.17(q,1JC-F=273Hz)[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):-7.23ppm(b)
【0054】
(E4)トリフルオロエトキシ/2−ニトラトエトキシポリホスファゼン(PZ11)の合成のための一般方法
(E1)のために記載されるような同様の手順を、トリフルオロエトキシ/(2−ピラニルオキシエトキシポリホスファゼンを使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約80−90%。
vmax(ニート)/cm-1:2965、2904、1638、1423、1373、1282、1172、1073、965、904、853、758、705、654
δH(d6-アセトン):4.46ppm(b)、4.84(b)[HA,HB];4.50(b)[CH2CF3]
δC (d6-アセトン):〜63.2ppm(b,覆い隠される)[CA];63.24(q,2JC-F=36Hz)[CH2CF3];71.89[CB];123.23(q,1JC-F=278Hz)[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):-7.25ppm、-6.70、-3.07(vb)、約-2.0(vb)
【0055】
(E5)トリフルオロエトキシ/2−メチル−3−ニトロオキシ−2−ニトロオキシメチル−プロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ12)の合成のための一般方法
(E1)のために記載されるような同様の手順を、トリフルオロエトキシ/(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシポリホスファゼンを使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。収率=約80−90%。
vmax(ニート)/cm-1:1644、1280、1251、1173、1084、965、863
δH(d6-アセトン):1.06ppm(s)[HD];4.17(s)[HC];4.53(m)[CH2CF3];4.61(dd)[HA]。
δC (d6-アセトン):16.9ppm[CD];40.0[CB];63.7[CH2CF3];69.3[CC];74.4[CA];124.3[CH2CF3]。
δP(d6-アセトン):-6.50&-6.90ppm
【0056】
(E6)1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ13)の合成のための一般方法
(E1)のために記載されるような同様の手順を、1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼンを使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。
収率=約80−90%。
vmax(ニート)/cm-1:2963、1638、1198、1161、1059、1022、899、826、750、701、619 δH(d6-アセトン):4.53ppm(b,m)[CH2CF3];4.89(b)、5.07(b)[HA,HC];5.76(b)[HB]。
δC (d6-アセトン):62.21ppm(m)[CH2CF3];64.16(b)[CA];69.20(b)[CC];77.59(b)[CB];108-125(m)[CF2CF3]。
δP(d6-アセトン):-7.81ppm(b)
【0057】
(E7)1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ14)の合成のための一般方法
(E1)のために記載されるような同様の手順を、1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼンを使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。
収率=約80−90%。
vmax(ニート)/cm-1:2967、1650、1270、1225、1134、1082、1025、977、957、881、835、750、736、642
δH(d6-アセトン):4.60ppm(b,m)[CH2CF3];4.87(b)、5.06(b)[HA,HC];5.75(b)[HB]。
δC (d6-アセトン):62.60ppm(m)[CH2CF3];64.22(b)[CC];69.40(b)[CA];77.68(b)[CB];103-125(m)[-OCH2CF2CF2CF2CF3領域]。
δP(d6-アセトン):-7.13ppm(b)
【0058】
(E8)ポリ[ビス−(2−ニトラトエトキシ)ホスファゼン](PZ20
(E1)のために記載されるような同様の手順を、ポリ[ビス−(2−ピラニルオキシエトキシ)ホスファゼン]を使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘着性のある粘性液体として単離した。
収率=約80−90%。
vmax(ニート)/cm-1:2960、1621、1453、1426、1371、1273、1119、1059、958、897、843、800、754、704、650
δH(d6-アセトン):4.43ppm(b)、4.85(b)[HA,HB]
δC (d6-アセトン):62.74ppm[CA];72.53[CB]
δP(d6-アセトン):-6.55ppm
【0059】
(E9)ポリ[ビス−(2,3−ニトラトプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ21)
(E1)のために記載されるような同様の手順を、ポリ[ビス−((2、2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ)ポリホスファゼン]を使用して続けた。純生成物を、淡黄色の粘着性のある粘性液体として単離した。
収率=約80−90%。
vmax(ニート)/cm-1:2908、1629、156、1427、1267,1045,993、899、826、749、699、633
δH(d6-アセトン):4.54(b)、4.90(bm)、5.10(m)[HA,HC];5.78(b)[HB]
δC (d6-アセトン):63.90(b)[CC];69.30(b)[CA];77.79(b)[CB]。
δP(d6-アセトン):-6.35ppm(b)
【0060】
(E10)ポリ[ビス−(3,4−ジニトラトブタン−1−オキシ)ポリホスファゼン](PZ22)
(E1)のために記載されるような同様の手順を、ポリ[ビス−((2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ)ポリホスファゼン]を使用して続けた。純生成物を、無色の粘着性のある粘性液体として単離した。
収率=約80−90%
vmax(ニート)/cm-1:2905、1627、1428、1267、1041、977、832、750、692、635
δH(d6-アセトン):2.31ppm(b)[HC]、4.25(b) [HD]、4.76(m)、5.07(m)[HA,HA'];5.68(b)[HB]。
δC (d6-アセトン):62.09(s)[CD];71.89(s)[CA];77.28(s)[CB];[ d6-アセトンにより覆い隠されやすいCC共鳴]。
δP(d6-アセトン):-8.41ppm
【0061】
アジド官能化ポリホスファゼン
(F)先駆物質の合成
(F1)6−アジドヘキサン−1−オールの合成
(方法1)
無水DMF(5ml)中の1−クロロ−6−ヒドロキシヘキサン(0.20g、1.47ミリモル)の攪拌溶液に、アジ化ナトリウム(0.14g、2.15ミリモル)を懸濁液として及び15−クラウン−5(ピペットを介して2滴)を、不活性ガス雰囲気下で添加した。反応混合物を、110℃に2時間加熱した。周囲温度に冷却後、水(10ml)を、添加し、淡黄色の溶液を生じた。これを、酢酸エチル(2×25ml)で抽出し、次いで飽和、塩化ナトリウム水溶液(2×25ml)及び水(2×25ml)を組み合わせた酢酸エチル洗液による抽出を続けた。有機層を、次いで無水MgSO4で乾燥し、ろ過し及び溶剤を真空で除去し、生成物を、無色の液体として得た。収量=0.16g、76%。
【0062】
(方法2)
アジ化ナトリウム及びヨウ化ナトリウムを、DMSO中の1−クロロ−6−ヒドロキシヘキサンの攪拌溶液に添加した。方法1に対する同様の手順を、次いで続けた。収量=0.18g、86%。
vmax(ニート)/cm-1:3337、2936、2862、2097、1459、1350、1285、1261、1056
δH(CDCl3):1.20-1.40ppm(2H,m)&1.40-1.60(4H,m)[H2,H3,H4,H5];2.39(1H,bs)[OH];3.21(2H,m)[H6];3.55(2H,m)[H1]。
δC (CDCl3):25.37ppm&26.56[C3,C4];28.83[C2];32.53[C5];51.41[C1];62.56[C6]。
(F2)3−アジド−プロパン−1−オールの合成
F1のために記載されるような同様の手順を、1−クロロ−3−ヒドロキシプロパンを使用して続けた。生成物を、淡黄色の液体として単離した。
vmax(ニート)/cm-1:3334、2944、2881、2089、1662、1455、1343、1257、1045、955、901
δH(d6-アセトン):1.75ppm(p)[H2];3.42(t)[H3];3.62(m)、3.77(m)[OH,H1]。
δC (d6-アセトン):31.80ppm[C2];48.16[C3];54.46[C1]。
【0063】
(F3)5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オールの合成
(i)ヘックス−5−エニル−1−アセテート
ジクロロメタン(250ml)中のヘックス−5−エン−1−オールの無水溶液(15.0g、0.15モル)に、塩化アセチル(11.3ml、0.20モル)を添加した。トリエチルアミン(20.8ml、0.15ml)を、次いで添加し及び反応混合物を、室温で(18時間)攪拌し、次いで水(50ml)の添加を続けた。有機層を、分離し、水性層を、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出し及び組み合わせ有機抽出物を、飽和ブライン溶液(3×100ml)で洗浄した。有機層を、最終的に水(3×100ml)で洗浄し及び無水硫酸マグネシウムで乾燥した。重力下でのろ過による乾燥剤の除去で、溶剤を、真空で除去して、ヘックス−5−エニル−1−アセトンを無色の油としてほとんど定量的な収量(21.0g、99%)において生じた。
δH(CDCl3):1.32(2H,m)[H3];1.53(2H,m)[H4];1.94-1.97(5H,m)[CH3C=O、H2]、3.94(2H,t,J6.4Hz)[H1];4.88(2H,m)[H6];5.68(1H,m)[H5]。
δC (CDCl3):20.89[CH3C=O];25.17[C3];28.02[C4];33.28[C2];64.31[C1];114.78[C6];138.25[C5];171.01[C=O]。
【0064】
(ii)5−オキシラニル−ヘキシル−1−アセテート
ジクロロメタン(250ml)中のヘックス−5−エニル−1−アセテート(8.00g、56.3ミリモル)の無水溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(水中、14.9g、56.3ミリモル、75質量%)を0℃で添加した。反応混合物を、次いで室温で空気中で(18時間)攪拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)の慎重な添加を続けた。不溶性の沈殿物を、一旦溶解すると、有機層を、分離した。水性層を、次いでジクロロメタン(2×50ml)で抽出し及び組み合わせ有機抽出物を、飽和炭化水素ナトリウム溶液(3×100ml)で洗浄した。有機層を、次いで飽和ブライン溶液(3×100ml)、水(3×100ml)で洗浄し及び最終的に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。重力下でのろ過による乾燥剤の除去で、溶剤を、真空で除去して、5−オキシラニル−ヘキシル−1−アセテートを無色の油としてほとんど定量的な収量(8.60g、97%)において与えた。
δH(CDCl3):1.46-1.60(6H,m)[H4,H3,H2];2.01(3H)[CO2Me];2.40(1H,m)[HH6];2.73(1H,m)[HH6];2.87(1H,m)[H5];4.03(2H,t,J6.4Hz) [H1]。
δC (CDCl3):21.04 CH3C=O];22.55[C3];28.42[C4];32.10[C2];47.13[C6];52.27[C5];64.34[C1];171.43[C=O]。
【0065】
(iii)5,6−ジヒドロキシ−1−アセテート
5−オキシラニル−ヘキシル−1−アセテート(8.00g、50.6ミリモル)の溶液に、水性エーテル(100ml、1:1v/v)において濃塩酸(5.00ml)を添加した。反応混合物を、室温で、空気中で(3時間)攪拌し、次いで飽和炭化水素ナトリウム溶液(100ml)の慎重な添加を続け及び有機層を、分離した。水性層を、次いでジクロロメタン(2×50ml)で抽出し及び組み合わせ有機抽出物を、飽和炭化水素溶液(3×50ml)で洗浄した。有機層を、次いで飽和ブライン溶液(3×50ml)、水(3×50ml)で洗浄し及び最終的に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤の除去で、溶剤を、真空で除去して、5,6−ジヒドロキシ−ヘキシル−1−アセテートを淡黄色の油としてほとんど定量的な収量(8.90g、99+%)において与えた。
δH(CDCl3):1.50-1.54(6H,m)[H2,H3,H4];2.02(3H,s)[CO2Me];3.45(1H,m)[HH6];3.58(1H,m)[HH6];3.78 (1H,m)[H5];4.06(2H,J6.4Hz)[H1];5.71(2H,bs)[OH]。
δC (CDCl3):21.08[CH3C=O];22.10[C3];28.51[C4];33.78[C2];50.36[C6];64.39[C1];71.36[C5];171.20[C=O]。
【0066】
(iv)5,6−ジメタンスルホニルオキシ−ヘキシル−1−アセテート
無水ジクロロメタン(10ml)中の5,6−ジヒドロキシ−ヘキシル−1−アセテート(1.00g、5.68ミリモル)の溶液に、塩化メタンスルホニル(1.94ml、25.0ミリモル)を添加した。反応混合物を、0℃に冷却し、トリエチルアミン(2.77ml、20.0ミリモル)を、慎重に滴下で添加し及び反応混合物を、室温に攪拌を伴い(18時間)暖めておいた。水(10ml)の添加の上、有機層を、分離し及び水性層を、ジクロロメタン(2×10ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和炭化水素溶液(3×10ml)で洗浄した。有機層を、次いで飽和ブライン溶液(3×10ml)及び水(3×10ml)で洗浄し及び最終的に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤の除去で、溶剤を、真空で除去して、5,6−ジメタンスルホニルオキシ−ヘキシル−1−アセテートを黄色の油として与えた(1.79g、95%)。
δH(CDCl3):1.61(6H,m)[H2,H3,H4];1.97(3H,s)[CO2Me];3.64-3.67(6H,2×s)[SO2Me]; 3.99-4.01(3H,m)[H1,HH6];4.05(1H,m)[HH6];4.78(1H,m)[H5]。
δC (CDCl3):21.07CH3C=O];21.39[C3];28.04[C4];32.23[C2];45.60[2×SO2Me];52.69[C6];63.95[C1];81.04[C5];171.24[C=O]。
【0067】
(v)5,6−ジアジド−ヘキシル−1−アセテート
無水ジメチルホルムアミド(10ml)中の5,6−ジメタンスルホニルオキシ−ヘキシル−1−アセテート(0.25g、0.75ミリモル)の溶液に、アジ化ナトリウム(0.17g、2.5ミリモル)を添加した。反応混合物を、次いで攪拌し及び90℃に(18時間)加熱した。冷却して、水を、反応混合物に添加し及び粗生成物を、酢酸エチル(3×10ml)内で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和ブライン溶液(4×50ml)、水(3×25ml)で洗浄し及び最終的に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤の除去で、溶剤を、真空で除去して、5,6−ジアジド−ヘキシル−1−アセテートをオレンジ色の油としてほとんど定量的な収量(0.16g、94%)において与えた。
vmax(ニート)/cm-1:1245(w)、1736(m,C=O)、2102(s,N3)。
δC (CDCl3):1.51-1.53(H,m)[H2,H3,H4];1.99(3H,s)[CO2Me];3.31(2H,m)[H6];3.40(1H,m)[H5];4.02(2H,t,J6.4Hz)[H1]。
δC (CDCl3):21.04[CH3C=O];22.53[C3];28.36[C4];31.47[C2];54.86[C6];61.93[C5];64.02[C1];171.17[C=O]。
【0068】
(vi)5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オール
メタノール(10ml)中の5,6−ジアジド−ヘキシル−1−アセテート(0.16g、0.70ミリモル)の溶液に、炭酸カリウム(0.83g、6.00ミリモル)を添加した。反応混合物を、室温で空気中で(18時間)攪拌し、水(20ml)の添加を続けた。粗生成物を、次いで酢酸エチル(3×10ml)内で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和ブライン溶液(3×10ml)及び水(3×10ml)で洗浄し及び最終的に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤の除去で、溶剤を、真空で除去して、5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オールをオレンジ油としてほとんど定量的な収量(0.12g、99%)において与えた。
vmax(ニート)/cm-1:
δH(CDCl3):1.44(6H,m)[H2,H3,H4]2.40(1H,bs)[OH];3.27(2H,m)[H6];3.34(1H,m)[H5];3.58(2H,t,J5.9Hz)[H1]。
δC (CDCl3):20.35[C3];31.63及び32.29[C4,C2];54.87[C6];62.09[C5];62.07[C1]。
【0069】
(G)エネルギーポリマー(PZ15、16、23、24)の合成

(G1)トリフルオロエトキシ/6−アジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ15)の合成のための一般方法
ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン](THF中の溶液として1g、4.12ミリモル、約10ml)を、無水THF中のナトリウム6−アジドヘキサン−1−オキシドの攪拌懸濁液[等モル量のNaHでアルコールの反応を介して方法Cにおいて記載されるような同様のやり方において製造した;定量的な転換]に添加し及び反応混合物は、加熱して、18時間、不活性ガス雰囲気下で還流した。周囲温度に冷却した上、THFを、低減し及び粗生成物の濃溶液/懸濁液を、水に滴下で攪拌を伴い添加した。水性混合物を、次いでHClを使用して(pH5−6に)酸性化し、全ポリマー生成物の沈殿物を生じた。水性溶液を、THF(又はアセトン)において再溶解し及び沈殿物方法を繰り返す前に、静かに移し及びポリマーを、水で洗浄した。ポリマーを、次いでジクロロメタンにおいて溶解し及び無水MgSO4で乾燥した。ろ過及び真空における溶剤の除去後、生成物は、最少量のアセトンにおいて溶解し及びヘキサン内で沈殿した。ヘキサンを、静かに移し及び生成物を、真空で乾燥した(ヘキサン内での沈殿を、生成物が、混じりけがなくなるまで、1H NMRを介して繰り返した)。ポリマー生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。
【0070】
収率=約60−90%
(あるいはまた、1つは、方法D1において詳述されるような作業手順を続け得る)。
vmax(ニート)/cm-1:2941、2865、2099(N3 ストレッチ)、1457、1419、1284、1169、1092、1057、964、870、557。
δH(d6-アセトン):1.46(b)、1.64(b)[H2,H3,H4,H5];3.35(b)[H6];4.04(b)[H1];4.46(b)[OCH2CF3]。
δC (d6-アセトン):25.21(b)&26.37(b)[C3,C4];30.01(b)[C2];51.16(s)[C6];62.90(b)[OCH2CF3];67.11(b)[C1];123.66(bq,1JC-F=278Hz)[OCH2CF3]。
[d6-アセトンシグナルにより覆い隠されるC5共鳴]
δP(d6-アセトン):約-7.0(かなりブロード)
【0071】
(G2)トリフルオロエトキシ/5,6−ジアジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ16)の合成
(G1)のために記載されるような同様の手順を、ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]及びナトリウム5,6−ジアジドヘキサン−1−オキシドを使用して続けた。
収率=約60−90%
vmax(ニート)/cm-1:2950、2095(N3 ストレッチ)、1418、1241、1160、1078、961、866、655、623。
δH(d6-アセトン):1.58(b)、1.72(b)[H2,H3,H4];3.43-3.61(bm)[H5,H6];4.09(b)[H1];4.49(b)[OCH2CF3]。
δC (d6-アセトン):22.13(b)[C3];30.01(b)[C2又はC4];54.66(s)[C6];62.05(s)[C5];62.82(bm)[OCH2CF3];約66.50(b)[C1];123.47(bq,1JC-F=278Hz)[OCH2CF3]
[d6-アセトンシグナルにより覆い隠される残りの共鳴(CB又はCD)]
δP(d6-アセトン):約-7.0(かなりブロード)
【0072】
(G3)ポリ[ビス−(3−アジドプロパン−1−オキシ)ホスファゼン(PZ23)
THF(20ml)中のポリ(ジクロロホスファゼン)(2.0g、17.24ミリモル)の溶液を、THF(50ml)中の3−アジドプロパン−1−オールのNa塩(51.72ミリモル)の攪拌懸濁液に添加した。混合物を、加熱して、18時間還流した。周囲温度に冷却した上、THFを、低減し及び粗生成物の濃溶液/懸濁液を、水に滴下で攪拌を伴い添加した。水性混合物を、次いで酸性化(約pH5−6に)し、ポリマー生成物の沈殿物を生じた。水性溶液を、静かに移し及びポリマーは、ジクロロメタン(約200ml)において再溶解した。有機溶液を、次いで無水MgSO4で乾燥した。ろ過及び真空における溶剤の除去後、生成物は、最少量のアセトンにおいて溶解し及びヘキサン(約100ml)内で沈殿した。ヘキサンを、静かに移し及び生成物を、真空で乾燥した(ヘキサン内での沈殿を、生成物が、混じりけがなくなるまで、1H NMR分光学により示されるように繰り返した)。
回収収量=3.17g、75%
vmax(ニート)/cm-1:2955、2089、1456、1235、1034、977、909、836、749。
δH(d6-アセトン):1.96(b)、[H2];3.52(b)[H3];4.12(b)[H1]
δC (d6-アセトン):29.80ppm[C2];48.12[C3];62.98[C1]
δP(d6-アセトン):-1.46(bm)、-6.68(s)
【0073】
(G4)ポリ[ビス−(6−アジドヘキサン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ24)
(G3)のために記載されるような同様の手順を、6−アジドヘキサノールのNa塩を使用して続けた。生成物を、淡黄色の粘性液体として単離した。ポリマー生成物を、淡黄色の粘着性のある高い粘性液体として単離した。
回収収量=4.47g、79%
vmax(ニート)/cm-1:2934、2859、2088、1455、1238、991、865、726、665。
δH(d6-アセトン):1.48(bm)、1.65(bm)[H2,H3,H4,H5];3.37(bm)[H6];4.02(b)[H1]。
δC (d6-アセトン):25.76(b)&26.74(b)[C3,C4];30.66(b)[C2];51.30(s)[C6];65.41(b)[C1]
[d6-アセトンシグナルにより覆い隠されるC5共鳴]。
δP(d6-アセトン):-7.36(s)
【0074】
実施例2
側−基化学量論の変化
アルコキシドの置換の範囲(及び従って主鎖に沿う硝酸エステル基の最終装填)を、反応条件の変更により変化させた。これを、以下の実施例において示す。エネルギー側基先駆物質置換の範囲を、1H NMR分光学シグナルの積分により決定した。置換の程度は、ニトレート化の間変化しないと仮定し、従って挙げられる値はまた、それらのニトレート化誘導体に適用されるであろう。
ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]を介して合成される−硝酸エステルポリマー先駆物質(PZ1−PZ5)
硝酸エステル置換の範囲は、以下のいずれかにより増加され得る:(1)置換可能なアルコキシドとポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]との比を増加すること、又は(2)反応時間の長さを増加すること及び(3)リチウム塩に対抗するようなナトリウムアロキシド塩を使用すること。下の表2は、エネルギー側基先駆物質置換におけるこれらの可変の効果を示す。
【0075】

表2;パーセンテージエネルギー先駆物質側基での硝酸エステルポリマー先駆物質PZ1−PZ5のためのアルコキシド対ポリマー比、アルコキシドカチオン及び反応時間の効果
【0076】
ポリ(ジクロロホスファゼン)を介して合成される−硝酸エステルポリマー先駆物質(PZ6−PZ7)
硝酸エステル置換の範囲は、以下のいずれかにより増加され得る:(1)工程1における置換可能なアルコキシドとポリ(ジクロロホスファゼン)との比を増加すること(表3参照)、(2)工程1のための反応時間の長さを増加すること及び(3)工程1の反応の温度を上昇すること。工程1におけるアルコキシドと関係しているアルカリ金属カチオンを変化することがまた、置換の程度に影響を及ぼすであろうことが理解できる。

-アルコキシド=(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールのNa塩
+アルコキシド=1H,1H−ペルフルオロアルコールのNa塩

表3:パーセンテージエネルギー先駆物質側基で硝酸エステルポリマー先駆物質PZ6−PZ7のためのアルコキシドとポリマー比、アルコキシドカチオン及び反応時間との効果
【0077】
アジドポリマー(PZ15−PZ16)

ポリマー主鎖でのアジド官能化側基の置換の範囲は、ポリマーに対して置換可能なアルコキシドの比を増加することにより増加され得る(これは、表4において示される)。当業者は、置換の程度はまた、反応時間、温度及びカチオンの性質に従って変性され得ることを認識するであろう。エネルギー側基置換基の範囲は、1H NMRシグナルの積分により決定した。

*18時間還流下で攪拌された全反応は、反応が完成することを確実にするための2つの段階反応の使用を示す。

表4:アジド置換ポリマーのためのパーセンテージエネルギー側基でのアルコキシドのポリマー比への効果
【0078】
実施例3
物理的特性の変化
式A及び式Bのポリホスファゼンと関係する物理的特性は、以下の1又は2以上を変化することにより変性され得る:(a)エネルギー側−基の置換の程度(b)エネルギー側−基の炭素鎖の長さ、(c)エネルギー側−基内に導入されるエネルギー官能基のタイプ及び(d)エネルギー側−基に結合するエネルギー官能基の数及び(e)フルオロアルコキシ/フルオロアルコキシエーテル側基の修飾
これは、下の式A及び式Bのポリホスファゼンを官能化されたいくつかの硝酸エステル(グラフ1−4)及びアジド(グラフ5−7)のために説明される。グラフ1−2は、図28にいて示され、グラフ3−4は、図29において示され、グラフ5−6は、図30において示され及びグラフ7は、図31において示される。ホモポリマーPZ21及びPZ22(式B)は、PZ8及びPZ9各々の100%置換誘導体(式A)であり、従って、これらの点は、グラフ1−4で含まれる。同様に、PZ24は、PZ15の100%置換誘導体であり、及び従ってグラフ5−7で含まれる。PZ1−5、8−16、20−24のためのすべての入手可能な物理的特徴のデータは、別表Aの表形式形態において見出され得る。
【0079】
グラフ1(図28参照)は、PZ8−10、21−22のための分解エネルギーでパーセンテージエネルギー側基の効果を示す。
グラフ2(図28参照)は、PZ8−10、21−22のための密度でパーセンテージエネルギー側基の効果を示す。
グラフ3(図29参照)は、PZ8−10、21−22のためのエネルギー密度でパーセンテージエネルギー側基の効果を示す。
グラフ4(図29参照)は、PZ8−10、21−22のためのガラス転移温度でパーセンテージエネルギー側基の効果を示す。
グラフ5(図30参照)は、PZ15−16、24のための分解エネルギーでパーセンテージエネルギー側基の効果を示す。
グラフ6(図30参照)は、PZ15−16、24のための密度でパーセンテージエネルギー側基の効果を示す。
グラフ7(図31参照)は、PZ15−16、24のためのエネルギー密度でパーセンテージエネルギー側基の効果を示す。
グラフ8(図32参照)は、PZ10のためのガラス転移温度でPZ10の質量分率の効果を示す。
【0080】
実施例4
1より多くのアルコキシド置換基を使用するTgの改良
表5は、2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシ(表5におけるC3−ONO2)及び5,6−ジニトラトへキサン−1−オキシ(C6−ONO2)側−基(及びトリフルオロエトキシ(TFE))の双方を含む式Aの3つの混合置換基ポリホスファゼン(サンプル1−3)のために得られるTgデータを要約する。これらのデータは、グラフ4との比較によりTgは、1より多くの非−トリフルオロエトキシ置換基を導入することにより改良され得ることを示す。

*不活性先駆物質の1H NMRの積分を介して算出した。
**PZ8のためのグラフ4におけるデータを使用する傾向線から決定した。

表5:硝酸エステル側基の複数の置換でのTgの変化
【0081】
1の合成:(1)方法D1による18時間還流THFにおける3:1:1比のナトリウム2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタン−1−オキシド:ナトリウム2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシド:ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]の反応、次いで(2)方法E1による95%硝酸を使用するニトレート化。
2の合成:(1)方法D1による18時間還流THFにおける1:1比のナトリウム2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシド:ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]の反応、次いで(2)D1による18時間還流THFにおける4:1の過剰のナトリウム2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシドでのこの生成物の反応、次いで(3)方法E1による95%硝酸を使用するニトレート化。
3の合成:(1)方法D1による4時間還流THFにおける2:1比のナトリウム2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシド:ポリ[(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]の反応、次いで(2)D1による18時間還流THFにおける4:1の過剰のナトリウム2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシドでのこの生成物の反応、次いで(3)方法E1による95%硝酸を使用するニトレート化。
【0082】
実施例5
高エネルギー結晶性分子を有する式Aのエネルギーポリホスファゼンの配合物
1.有機充填剤を有する配合物
本発明において解明されるポリホスファゼンの結合剤の特性は、有機充填剤に関して以下の結晶性エネルギー材料を使用することにより説明されている:HNS(2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサニトロスチルベン、HMX(1,3,5,7−テトラニトロ−1,3,5,7−テトラアザシクロオクタン)、TATB(1,3,5−トリアミノ−2,4,6−トリニトロベンゼン)及びFOX−7(1,1−ジアミノ−2,2−ジニトロエチレン)。そのようなエネルギー材料は、高い火薬類として及び発射成分として(特にはHMX)の双方で用いられ得る。今まで、PZ8(18/68%硝酸エステル側−基)、PZ10(17/70%硝酸エステル)及びPZ15(60%アジド)の種々の組み合わせは、検査されている。1,5及び10%結合剤装填を含む組成物は、溶剤ペースト混合方法を使用して製造されている。これらのポリマーは、流動だが凝集成形粉末を作り出し、それは、加圧して、頑丈なペレットを形成した。
【0083】
多くのこれらの配合物のための物理的及び火薬危険データは、表6において表される。
これらのデータは、エネルギー充填剤の分解開始温度において色の変化がなく(100℃まで)、有意な減少がないこと及び許容可能な小規模の危険データにより示されるように、ポリホスファゼン及び種々の結晶性エネルギー材料の間の良好な互換性を示す。サンプルのためのIデータのFは、同様に十分な危険特徴を説明した。走査電子顕微鏡写真は、良好な結晶付着量が、ポリホスファゼン結合剤により達成されていて及び98%までのTMD密度は、生成物ペレットのために測定されていて、それは、真空なしで基本的なダイ圧力を使用して製造されたことを示唆する。
成形粉末/加圧ペレットの製造のための一般方法
ポリホスファゼン結合剤材料の溶液(THF中、約6−10%w/v)を、必要組成物に従ってニッケルるつぼにおいて粉末結晶性エネルギー成分(約3−5gに添加した。得られたスラリーを、(ボーンスパチュラ(bone spatula)使用して)周囲温度で攪拌したが、溶剤の大部分は、蒸発し、高粘度のペーストを作り出した。るつぼを、次いでオーブンにおいて40℃で30分間置いて、溶剤の最終痕跡を除去した。得られた成形粉末は、硬い粒状の自由流動の固体だった。ペレットを、10.6mmの直径のスチールダイにおいてペレットあたり0.6−0.8gの形成粉末を使用して製造した。加圧を、サンプルあたり5分間2トンの加圧を用いて実行した。
【0084】
2.無機充填剤を有する配合物
本発明において解明されるポリホスファゼンの結合剤特性は、強化された爆発火薬、花火及び発射配合物において使用される多くの典型的な無機充填剤に関して更に確立されている。従って、過塩素酸アンモニウム(AP)、硝酸アンモニウム(AN)、マグネシウム粉末及びアルミニウム粉末は、PZ10(70%ニトラト置換)及びPZ15(60%アジド置換)で各々配合されている。同様の混合手順を、有機充填剤(上の)のために使用されるものに導入した。場合により、アセトンを、THFの代わりにプロセス溶剤として用いた。配合物及びそれらの危険/発火特徴の詳細は、表7において与えられる。これらの実験の重要な目的は、固体を有効的にコートし及び付着するためのポリホスファゼンの能力及び固体での化学的互換性を示すこと、従って結合剤として使用するのに適切なそれらを製造することだった。コートされると、成形粉末は、凝集固体内にすぐにぎっしり詰められ得る凝集粒状材料だった。
一方、発火試験の結果はまた、示され、燃焼のための配合物を最適化するための企てはない。従って、酸化剤例えば過塩素酸アンモニウムの欠如において、アルミニウム/ポリホスファゼン混合物が、すぐに燃えず及び同様に硝酸アンモニウム系は、それらがすぐに可燃性になる前に、有意な変性を必要とするであろうことは驚くべきことではない。しかしながら、個々の充填剤(高火薬類、酸化剤及び金属を理論的に結合するためのこれらの能力及びポリホスファゼンを有するこれらの個々の充填剤材料の化学的互換性を説明し、これらの材料の複数の選択が、火薬、発射又は花火として与えたれる配合物の所望な特性を最適化するために、ポリホスファゼン(及びできる限り他の材料)と一緒に使用され得ると仮定するのは理にかなっている。
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
実施例6
混和性及び硬化を有するエネルギーポリホスファゼンの共−結合剤系:ポリGLYN及びNIMMO
混和性の研究
現在、本件明細書で作り出される純エネルギーポリホスファゼンは、化学的架橋方法を介して直接硬化され得ないが、上で説明されるように、それらは、有効な配合物結合剤として、溶剤ペースト方法を使用して、使用され得る。しかしながら、これらのポリホスファゼンのいくつかが、他のエネルギーポリマー(例えばポリNIMMO、ポリGLYN)(それら自身標準イソシアネート技術を用いて交差結合され得る)で、混和性であることが説明されている。従って、これらの結合剤とポリホスファゼンの混合物を含む(即ち、共−結合剤としてポリホスファゼンを使用することにより)化学的に硬化系を作り出すことが可能である。ポリGLYN及びポリホスファゼンの混和性は、ブレンドされた混合物のためのただ1つのTgの観察により説明されている。従って、ポリGLYNを有する硝酸エステル官能化ポリホスファゼンの個々の混合物(70% C6−ニトラト、PZ10)を、変化する比において、表8において要約されるように製造し、及びガラス転移温度は、DSCを使用して測定した。表は、ポリGLYNを用いる共−結合剤としてのポリホスファゼンの使用が、ポリGLYNのみのものより低Tgを保有する混合結合剤を製造することの利益を有することを示す。
【0088】

表8:ポリGLYN及びPZ10の質量分率でのTgの変化。
混合物及び個々の成分のためのTgデータは、表において提供される。これらのデータは、各混合物のためのあるTgのみを解明し、それは、通常、個々の成分の値の間で落下する。これは、グラフ8において分かりやすく説明され及び2つの材料が、事実、混和性であることを示す。混合物のための観察される推移は、組成物の純成分の質量平均値をベースとする‘典型’(即ち、グラフ8における線)から少々逸脱する。そのような逸脱は、通常、2つのポリマー(例えば水素結合)間で相互作用により引き起こされ及び一般にポリマーブレンドのために観察される。
【0089】
硬化研究
ポリGLYN及びポリNIMMOの双方を有するPZ10(70%エネルギー側−基)の個々の混合物は、製造され及び硬化されている。これらは、PZ10:ポリGLYN及びPZ10:ポリNIMMOの50:50及び40:60の混合物を含む。ポリマーを、最小量のTHFにおいて、均質混合物を達成するための補助として溶解した;溶剤を、次いで大気圧下で蒸発した。混合結合剤を、アセトン及びイソフェロンジイソシアネート(isopherone diisocyanate)(IPDI、ヒドロキシル終端ポリマーの特定ヒドロキシル官能基に関して1.1モル当量)において再溶解し及びジブチルスズジラウラート触媒(ヒドロキシ官能化ポリマーに関して1000ppm)を添加した。ブレンドポリマーを次いで、2−6日間60℃で硬化して、柔らかい高い粘着性の伸張性のゴムを形成した。
【0090】
付録 A:PZ1−5、8−16、20−24のための物理的特徴決定のデータ
不活性ポリホスファゼン先駆物質PZ1−5

【0091】
式Aのエネルギー混合置換基ポリマー
トリフルオロエトキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ8)

*ヘキサクロロシクロトリホスファゼンの重合を介して合成された
【0092】
トリフルオロエトキシ/3,4−ジニトラトブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ9)

*ボールドにおける主なGPC
トリフルオロエトキシ/5,6−ジニトラトへキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ10)

*ボールドにおける主なGPC
【0093】
トリフルオロエトキシ/2−ニトラトエトキシポリホスファゼン(PZ11)

トリフルオロエトキシ/2−メチル−3−ニトロオキシ−2−ニトロオキシメチル−プロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ12)


1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ13)


【0094】
1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ14)



【0095】
トリフルオロエトキシ/5,6−ジアジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PA16)

式Bのエネルギーホモポリマー(PZ20−PZ24)

【0096】
PZ1−24のための分子量決定
式A及び式Bの硝酸エステル官能化ポリホスファゼン及びそれらの先駆物質
GPCを使用して測定されるPZ3のためのピーク分子量(Mp)データは、約20−50の繰り返し単位に相当するが、全体的な分布は、かなり幅広い。これらの数字は、PZ1−PZ5に通常適用される。しかしながら、これらのGPC決定分子量は、絶対的な値ではないが、ポリスチレン当価質量であることに留意するべきである。従って、一方、引用されたGPC数値は、生成物を特徴決定し、それらは、絶対的なポリマー鎖の長さの正確な表示としてなされるべきではない。
トリフルオロエトキシ置換ホモポリマー先駆物質のために記録したMALDI MS(マトリックス補助装置レーザー脱離イオン化質量分光分析)(Matrix Assisted Laser Desorption Ionisation Mass Spectrometry)データ(置換ポリホスファゼンのための入手可能でないデータ)は、約16の繰り返し単位及び約7−50単位の分布範囲に相当する約4000Daのピーク分子量を示す。これらのデータは、絶対的な分子量であり及び低質量端で鎖の長さのより正確な決定を与えると考えられる。鎖の減成が、アルコキシド置換工程の間、発生しないと仮定して、これらの値は、PZ1−5に適用され得る。しかしながら、MALDIは、大きな分子の気化での問題に起因して的確に高分子質量分率を検出しそうもない。
【0097】
いくつかのケースにおいて、エネルギーポリホスファゼンPZ8−11のための入手可能なGPCデータは、非現実的に低分子量(即ち、PZ1−4の先駆物質ポリマーより有意に低い−ニトレート化の間、鎖の減成を意味する)であると信じられるものを示す。この効果は、GPC方法の制限及び溶離溶剤の選択に起因して分析的な例外であると考えられる。以下の証拠は、この表明を支持する:−
(1)純粋なままのポリ(ビス−トリフルオロエトキシ)ホスファゼンために記録されるMALDI MSデータは、及び95%硝酸(PA8−PZ12の合成のために使用されるニトレート化媒体に暴露後の同一材料は、分子量分布において有意な差違を示さない(従って、鎖の切断は、発生していないことを示す)。
(2)溶離剤としてTHFを使用するときに得られる結果と対照的に、PZ10のために得られるGPCデータは、その先駆物質PZ3と比較して、アセトンが溶離剤として使用される場合、低分子量にシフト(shift)を示さなかった。
式A及び式Bのアジド官能化ポリホスファゼン:
ピーク分子量のデータは、約10−20の繰り返し単位のポリマー鎖の長さを示し、従って、分布は、入手可能なポリ分散度データをベースとする約5の繰り返し単位−50の範囲になりやすい。しかしながら、上のPZ1−5のために議論されるGPCデータにおける同一の制限は、PZ15−16に適用される。
【0098】
なお、本発明は以下の(1)〜(71)に関するものである。

(1)式Aのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)化合物であって、構造(i)〜(iii)
【化4】

(式中:
1、R2及びR3は、アルキル、アルキルエーテル又は炭水化物ベースの側鎖であり、それらは、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド官能基を含む複数のエネルギー官能基を含み、
X=C1〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル、
10000)
の1以上を有するが、(i)に限らないn単位の組み合わせを含むことを特徴とする化合物。

(2)R1が、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、R2は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、R3は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、X=OCH2CF3;OCH2CF2CF3;OCH2(CF23CF3であり、5300である前記(1)に記載の開鎖、ランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(3)式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマー化合物であって、構造(iii)
【化5】

(式中、R2=R3であり、310000である)のn単位を含むことを特徴とする化合物。

(4)R2が、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、R3が、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、5300である前記(3)に記載のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー化合物。

(5)トリフルオロエトキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ8)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(6)トリフルオロエトキシ/3,4−ジニトラトブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ9)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(7)トリフルオロエトキシ/5,6−ジニトラトヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ10)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(8)トリフルオロエトキシ/2−ニトラトエトキシポリホスファゼン(PZ11)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(9)トリフルオロエトキシ/2−メチル−3−ニトロオキシ−2−ニトロオキシメチル−プロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ12)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(10)1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ13)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。
【0099】
(11)1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ14)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(12)トリフルオロエトキシ/6−アジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ15)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(13)トリフルオロエトキシ/5,6−ジアジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ16)から成る前記(1)又は(2)に記載のランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(14)ポリ[ビス−(2−ニトラトエトキシ)ホスファゼン](PZ20)から成る前記(3)又は(4)に記載のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(15)ポリ[ビス−(2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ21)から成る前記(3)又は(4)に記載のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(16)ポリ[ビス−(3,4−ジニトラトブタン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ22)から成る前記(3)又は(4)に記載のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(17)ポリ[ビス−(3−アジドプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ23)から成る前記(3)又は(4)に記載のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(18)ポリ[ビス−(6−アジドヘキサン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ24)から成る前記(3)又は(4)に記載のポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(19)火薬類のための成分/共−結合剤/エネルギー結合剤としての式Aのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)の使用。

(20)火薬類のための成分/共−結合剤/エネルギー結合剤としての式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマーの使用。
【0100】
(21)火薬類としての式Aのランダム置換基ポリ(ホスファゼン)の使用。

(22)火薬類としての式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマーの使用。

(23)花火組成物のための成分又は共−結合剤又はエネルギー結合剤としての式Aのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)の使用。

(24)花火組成物のための成分又は共−結合剤又はエネルギー結合剤としての式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマーの使用。

(25)発射組成物のための成分又は共−結合剤又はエネルギー結合剤としての式Aのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)の使用。

(26)発射組成物のための成分又は共−結合剤又はエネルギー結合剤としての式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマーの使用。

(27)式Aのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)の合成方法であって、以下の工程、
(a)(i)ペンダントフルオロアルコキシ又はフルオロアルコキシエーテル基で置換可能なポリ(ホスファゼン)先駆物質を作り出し又は(a)(ii)ペンダントクロロ基で置換可能なポリ(ホスファゼン)先駆物質を作り出す工程、
(b)エネルギー官能基又はエネルギー官能基に対する先駆物質又は保護エネルギー先駆物質のいずれかを保有するC2−C20のペンダント基先駆物質を作り出す工程、
(c)(i)(b)において記載される先駆物質のC2−C20のペンダント基を、ポリ(ホスファゼン)主鎖に、そのアルコキシド誘導体を使用して化学的に結合させて、適切に置換されたポリホスファゼンにおいてフルオロアルコキシ又はフルオロアルコシキシエーテル基のランダム求核置換を達成し又は(c)(ii)(b)において記載される先駆物質のC2−C20のペンダント基を、遊離アルコール又はそのアルコキシド誘導体のいずれかを使用して、化学的に結合させて、クロロ置換ポリホスファゼンにおいてクロロ基の部分的な置換を次いでフルオロアルコール又はそのアルコキシド誘導体又は逆で残りのクロロ基のその後の置換を達成する工程、
(d)場合により、ニトレート化により硝酸エステル誘導体を作り出す工程、そこで、上の(b)において記載されるアルコキシド先駆物質は、保護ヒドロキシル基又は保護1,2−ジオール又はニトレート化可能なエネルギー先駆物質を保有する工程、
を含むことを特徴とする方法。

(28)フルオロアルコキシ基が、トリフルオロエトキシ基を含む前記(27)に記載の方法。

(29)フルオロアルコキシ基が、1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ基を含む前記(27)に記載の方法。

(30)フルオロアルコキシ基が、1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ基を含む前記(27)に記載の方法。
【0101】
(31)ポリホスファゼン先駆物質が、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]から成る前記(27)に記載の方法。

(32)ポリホスファゼン先駆物質が、ポリ[ビス(1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ)ホスファゼン]から成る前記(27)に記載の方法。

(33)ポリホスファゼン先駆物質が、ポリ[ビス(1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ)ホスファゼン]から成る前記(27)に記載の方法。

(34)ポリホスファゼン先駆物質が、ポリ[ジクロロホスファゼン]から成る前記(27)に記載の方法。

(35)工程(c)の結合が、トリフルオロエトキシ基のランダム求核置換を介してなされる前記(27)、(28)及び(31)のいずれか1項に記載の方法。

(36)工程(c)の結合が、クロロ基の置換を介してなされる前記(27)又は(34)に記載の方法。

(37)工程(a)のポリホスファゼンが、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]を含む前記(27)、(28)及び(31)のいずれか1項に記載の方法。

(38)工程(a)のポリホスファゼンが、ポリ[ジクロロホスファゼン]を含む前記(27)又は(34)に記載の方法。

(39)工程(d)のニトレート化剤が、硝酸を含む前記(27)〜(38)のいずれか1項に記載の方法。

(40)工程(d)のニトレート化剤が、他のニトレート化媒体、例えばN25、混合硫酸/硝酸又は硝酸/無水酢酸を含む前記(27)〜(38)のいずれか1項に記載の方法。
【0102】
(41)[27(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールからなる前記(27)〜(40)のいずれか1項に記載の方法。

(42)[27(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノールから成る前記(27)〜(40)のいずれか1項に記載の方法。

(43)[27(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタノールを含む前記(27)〜(40)のいずれか1項に記載の方法。

(44)[27(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、2−ピラニルオキシエタノールを含む前記(27)〜(40)のいずれか1項に記載の方法。

(45)[27(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メタノールを含む前記(27)〜(40)のいずれか1項に記載の方法。

(46)[27(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、6−アジド−ヘキサン−1−オールを含む前記(27)〜(40)のいずれか1項に記載の方法。

(47)[27(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オールを含む前記(27)〜(40)のいずれか1項に記載の方法。

(48)トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ1)から成るランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(49)トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼン(PZ2)から成るランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(50)トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ3)から成るランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。
【0103】
(51)トリフルオロエトキシ/2−ピラニルオキシ−エトキシポリホスファゼン(PZ4)から成るランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(52)トリフルオロエトキシ/(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ5)から成るランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(53)1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ6)から成るランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(54)1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ7)から成るランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)。

(55)式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマーの合成方法であって、以下の工程、
(a)ペンダントクロロ基で置換可能なポリ(ホスファゼン)先駆物質を作り出す工程、(b)エネルギー官能基又はエネルギー官能基に対する先駆物質又は保護エネルギー先駆物質のいずれかを保有するC2−C20のペンダント基先駆物質を作り出す工程、
(c)(b)において記載される先駆物質のC2−C20のペンダント基を、そのアルコキシド誘導体又は遊離アルコールの方法により、クロロ基の置換を介してポリ(ホスファゼン)主鎖に化学的に結合する工程、
(d)場合により、ニトレート化により硝酸エステル誘導体を作り出す工程、そこで、(b)で記載されるアルコキシド先駆物質は、保護ヒドロキシル基又は保護1,2−ジオール又はニトレート化可能なエネルギー先駆物質を保有する工程、
を含むことを特徴とする方法。

(56)[59(a)での]ポリホスファゼン先駆物質が、ポリ(ジクロロホスファゼン)から成る前記(55)に記載の方法。

(57)工程(c)の結合が、クロロ基の置換を介してなされる前記(55)又は(56)に記載の方法。

(58)工程(d)のニトレート化剤が、硝酸を含む前記(55)〜(57)のいずれか1項に記載の方法。

(59)工程(d)のニトレート化剤が、他のニトレート化媒体、例えばN25、混合硫酸/硝酸又は硝酸/無水酢酸を含む前記(55)〜(57)のいずれか1項に記載の方法。

(60)[59(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノールから成る前記(55)〜(59)のいずれか1項に記載の方法。
【0104】
(61)[59(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エタノールから成る前記(55)〜(59)のいずれか1項に記載の方法。

(62)[59(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、2−ピラニルオキシエタノールを含む前記(55)〜(59)のいずれか1項に記載の方法。

(63)[59(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、6−アジドヘキサン−1−オールを含む前記(55)〜(59)のいずれか1項に記載の方法。

(64)[59(b)での]置換可能なペンダント基先駆物質が、3−アジドプロパン−1−オールを含む前記(55)〜(59)のいずれか1項に記載の方法。

(65)ポリ[ビス−(2−ピラニルオキシエトキシ)ポリホスファゼン](PZ17)から成るポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(66)ポリ[ビス−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ)ポリホスファゼン](PZ18)から成るポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(67)ポリ[ビス−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ)ポリホスファゼン](PZ19)から成るポリ(ホスファゼン)ホモポリマー。

(68)式Aのポリ(ホスファゼン)の物理的特性の最適化の方法であって、(i)ポリマー主鎖に沿って複数のエネルギー官能基を含むペンダント側−基の数を変化すること及び(ii)複数のエネルギー官能基を含むペンダント側−基の性質を介するペンダント側−基の調節によることを特徴とする方法。

(69)物理的特性を最適化するための他の結合剤を有する共−結合剤としての式Aのポリ(ホスファゼン)の使用。

(70)式Bのポリ(ホスファゼン)の物理的特性の最適化の方法であって、複数のエネルギー官能基を含むペンダント側−基の性質を介するペンダント側−基の調節によることを特徴とする方法。

(71)物理的特性を最適化するための他の結合剤を有する共−結合剤としての式Bのポリ(ホスファゼン)の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤であって、
式Yのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)化合物;
【化1】

式Y
(式中:
1、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド基から選択される複数のエネルギー官能基を有するアルキル又はアルキルエーテル側鎖であり、
X=C1〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル、
3≦n≦10000、及び
x+y+z=1.0、及びxは0〜0.95、yは0〜1.0、及びzは0〜1.0である)
を含む、エネルギー結合剤。
【請求項2】
1が、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、
2は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、
3は、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、
X=OCH2CF3;OCH2CF2CF3;OCH2(CF23CF3であり、
5≦n≦300である、請求項1に記載のエネルギー結合剤。
【請求項3】
火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤であって、
式Yのポリ(ホスファゼン)ホモポリマー化合物;
【化2】

式Y
(式中:
1、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド基から選択される複数のエネルギー官能基を有するアルキル又はアルキルエーテル側鎖であり、
X=C1〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル、
3≦n≦10000、及び
xが0であり、yが0であり及びzが1である)
を含む、エネルギー結合剤。
【請求項4】
2が、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、
3が、C1-18(アルキル)CH(ONO2)CH2(ONO2);C1-18(アルキル)CH(N3)CH2(N3);C1-19(アルキル)CH2(ONO2);C1-19(アルキル)CH2(N3);CH2C(CH3)(CH2ONO22であり、
5≦n≦300である、請求項3に記載のエネルギー結合剤。
【請求項5】
ランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)化合物が、
トリフルオロエトキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ8)、
トリフルオロエトキシ/3,4−ジニトラトブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ9)、
トリフルオロエトキシ/5,6−ジニトラトヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ10)、
トリフルオロエトキシ/2−ニトラトエトキシポリホスファゼン(PZ11)、
トリフルオロエトキシ/2−メチル−3−ニトロオキシ−2−ニトロオキシメチル−プロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ12)、
1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ13)、
1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシポリホスファゼン(PZ14)、
トリフルオロエトキシ/6−アジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ15)又は
トリフルオロエトキシ/5,6−ジアジドヘキサン−1−オキシポリホスファゼン(PZ16)
である請求項1又は2に記載のエネルギー結合剤。
【請求項6】
ポリ(ホスファゼン)ホモポリマー化合物が、
ポリ[ビス−(2−ニトラトエトキシ)ホスファゼン](PZ20)、
ポリ[ビス−(2,3−ジニトラトプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ21)、
ポリ[ビス−(3,4−ジニトラトブタン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ22)、
ポリ[ビス−(3−アジドプロパン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ23)又は
ポリ[ビス−(6−アジドヘキサン−1−オキシ)ホスファゼン](PZ24)
である請求項3又は4に記載のエネルギー結合剤。
【請求項7】
式Yのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)化合物
【化3】

式Y
(式中:
1、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド基から選択される複数のエネルギー官能基を有するアルキル又はアルキルエーテル側鎖であり、
X=C1〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル、
3≦n≦10000、及び
x+y+z=1.0、及びxは0〜0.95、yは0〜1.0、及びzは0〜1.0である)
を含む、火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤の合成方法であって、以下の工程を含む方法;
(i)以下の繰り返し単位を有するポリマーを準備する工程、
【化4】

(ii)工程(i)のポリマー上のクロロ基を、C1〜C20フルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル(X)で置き換えて、以下の繰り返し単位を有するポリマーを得る工程、
【化5】

(iii)工程(ii)で得られたポリマー上の基Xを、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシ基、2−ピラニルオキシエトキシ基、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシ基、6−アジド−ヘキサン−1−オキシ基及び5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オキシ基から選択されるペンダント基(Y)で部分的に置き換えて、以下の構造を有するポリマーを得る工程、
【化6】

(式中、
XはC1〜C20フルオロアルコキシ基又はC1〜C20フルオロアルコキシエーテルであり、
Yは、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシ基、2−ピラニルオキシエトキシ基、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシ基、6−アジド−ヘキサン−1−オキシ基及び5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オキシ基から選択されるペンダント基である)、
(iv)工程(iii)により得られたポリマーの前記ペンダント基に、ニトロ、ニトラミン又は硝酸エステル基を導入する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
式Yのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)化合物
【化7】

式Y
(式中:
1、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド基から選択される複数のエネルギー官能基を有するアルキル又はアルキルエーテル側鎖であり、
X=C1〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル、
3≦n≦10000、及び
x+y+z=1.0、及びxは0〜0.95、yは0〜1.0、及びzは0〜1.0である)
を含む、火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤の合成方法であって、以下の工程を含む方法;
(i)以下の繰り返し単位を有するポリマーを準備する工程、
【化8】

(式中、XはC1〜C20フルオロアルコキシ基又はC1〜C20フルオロアルコキシエーテルである)
(ii)工程(i)で得られたポリマー上の基Xを、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシ基、2−ピラニルオキシエトキシ基、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシ基、6−アジド−ヘキサン−1−オキシ基及び5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オキシ基から選択されるペンダント基(Y)で部分的に置き換えて、以下の構造を有するポリマーを得る工程、
【化9】

(式中、
XはC1〜C20フルオロアルコキシ基又はC1〜C20フルオロアルコキシエーテルであり、
Yは、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシ基、2−ピラニルオキシエトキシ基、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシ基、6−アジド−ヘキサン−1−オキシ基及び5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オキシ基から選択されるペンダント基である)、
(iii)工程(ii)により得られたポリマーの前記ペンダント基に、ニトロ、ニトラミン又は硝酸エステル基を導入する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
式Yのランダム混合置換基ポリ(ホスファゼン)化合物
【化10】

式Y
(式中:
1、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド基から選択される複数のエネルギー官能基を有するアルキル又はアルキルエーテル側鎖であり、
X=C1〜C20のフルオロアルコキシ基、又はC1〜C20のフルオロアルコキシエーテル、
3≦n≦10000、及び
x+y+z=1.0、及びxは0〜0.95、yは0〜1.0、及びzは0〜1.0である)
を含む、火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤の合成方法であって、以下の工程を含む方法;
(i)以下の繰り返し単位を有するポリマーを準備する工程、
【化11】

(ii)工程(i)のポリマー上のクロロ基を、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシ基、2−ピラニルオキシエトキシ基、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシ基、6−アジド−ヘキサン−1−オキシ基及び5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オキシ基から選択されるペンダント基(Y)で部分的に置き換えて、次いで、残りのクロロ基をC1〜C20フルオロアルコキシ基又はC1〜C20フルオロアルコキシエーテル(X)で置き換えて、以下の構造を有するポリマーを得る工程、
【化12】

(式中、
XはC1〜C20フルオロアルコキシ基又はC1〜C20フルオロアルコキシエーテルであり、
Yは、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブトキシ基、2−ピラニルオキシエトキシ基、(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシ基、6−アジド−ヘキサン−1−オキシ基及び5,6−ジアジド−ヘキサン−1−オキシ基から選択されるペンダント基である)、
(iii)工程(ii)により得られたポリマーの前記ペンダント基に、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド官能基を導入する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
フルオロアルコキシ基が、トリフルオロエトキシ基を含む、請求項7、8又は9に記載の方法。
【請求項11】
フルオロアルコキシ基が、1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ基又は1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ基を含む、請求項7、8又は9に記載の方法。
【請求項12】
工程(ii)のポリマーが、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]である、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
工程(i)のポリマーが、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
工程(iii)が、トリフルオロエトキシ基のランダム求核置換を介してなされる、請求項7又は12に記載の方法。
【請求項15】
工程(ii)が、トリフルオロエトキシ基のランダム求核置換を介してなされる、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
工程(ii)が、クロロ基の置換を介してなされる請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記工程(iv)がニトレート化により行われ、C2〜C20ペンダント基が保護ヒドロキシル基又は保護1,2−ジオールを有しており、及びニトレート化剤が、硝酸、N25、混合硫酸/硝酸又は硝酸/無水酢酸である、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記工程(iii)がニトレート化により行われ、C2〜C20ペンダント基が保護ヒドロキシル基又は保護1,2−ジオールを有しており、及びニトレート化剤が、硝酸、N25、混合硫酸/硝酸又は硝酸/無水酢酸である、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記工程(iii)がニトレート化により行われ、C2〜C20ペンダント基が保護ヒドロキシル基又は保護1,2−ジオールを有しており、及びニトレート化剤が、硝酸、N25、混合硫酸/硝酸又は硝酸/無水酢酸である、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
工程(ii)におけるペンダント基(Y)が、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メタノール、次いで1H,1H−ペルフルオロプロパノール又は1H,1H−ペルフルオロペンタノールを用いて導入される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ1)、トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシポリホスファゼン(PZ2)、トリフルオロエトキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−ブタン−1−オキシポリホスファゼン(PZ3)、トリフルオロエトキシ/2−ピラニルオキシ−エトキシポリホスファゼン(PZ4)、トリフルオロエトキシ/(3−メチル−オキセタン−3−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ5)、1H,1H−ペルフルオロプロパン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ6)又は1H,1H−ペルフルオロペンタン−1−オキシ/(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシポリホスファゼン(PZ7)である請求項7、8又は9に記載の方法により得られる式Yのランダム混合置換基エネルギーポリ(ホスファゼン)を含む、火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤。
【請求項22】
以下の構造(iii)のn単位を含む式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマー化合物:
【化13】

(式中、R2及びR3は、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド基から選択される複数のエネルギー官能基を有するアルキル又はアルキルエーテル側鎖であり、R2=R3であり、3≦n≦10000である)を含む、火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤の合成方法であって、以下の工程、
(a)以下の繰り返し単位を有するポリマーを準備する工程、
【化14】

(b)工程(a)のポリマー上のクロロ基を、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ基、(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ基、2−ピラニルオキシエトキシ基、6−アジド−ヘキサン−1−オキシ基及び3−アジドプロパン−1−オキシ基から選択されるペンダント基(Y)で置き換えて、以下の繰り返し単位を有するポリマーを製造する工程、
【化15】

(c)工程(b)により得られたポリマーの前記ペンダント基に、ニトロ、ニトラミン、硝酸エステル又はアジド官能基を導入する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
工程(b)が、クロロ基の置換を介してなされる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記工程(c)が、ニトレート化により行われ、C2〜C20ペンダント基が保護ヒドロキシル基又は保護1,2−ジオールを有しており、及びニトレート化剤が、硝酸、N25、混合硫酸/硝酸又は硝酸/無水酢酸である、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
ポリ[ビス−(2−ピラニルオキシエトキシ)ポリホスファゼン](PZ17)、ポリ[ビス−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−メトキシ)ポリホスファゼン](PZ18)又はポリ[ビス−(2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル)−エトキシ)ポリホスファゼン](PZ19)である請求項22記載の方法により得られる式Bのポリ(ホスファゼン)ホモポリマーを含む、火薬類、発射組成物及び/又は花火組成物のためのエネルギー結合剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−49619(P2013−49619A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−208801(P2012−208801)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【分割の表示】特願2007−532952(P2007−532952)の分割
【原出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(503450852)イギリス国 (6)
【Fターム(参考)】