説明

新規オルガノポリシロキサン及び化粧料

【課題】揮発性であり、低温安定性であり、優れた光沢をもたらし、紫外線吸収剤との相溶性に優れる特性を有する新規なオルガノポリシロキサン、その製造法及び該オルガノポリシロキサンを含有する化粧料の提供。
【解決手段】オルガノポリシロキサンは、例えば、1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタンを加水分解することによって製造される下式の1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタン、或いは環状の1,1,3,3,6,6,8,8−オクタメチル−2,7−ジオキシ−1,3,6,8−テトラシラシクロデカンである。


従来のオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン又はメチルトリメチコンの代替品として該オルガノポリシロキサンは使用され、使用時の感触に優れ、優れた外観をもたらし、また、紫外線吸収剤等の各種成分の配合の自由度の高い化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料に関し、特に、特定の構造を有する新規オルガノポリシロキサン、並びに、当該オルガノポリシロキサンを含む化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料を構成する揮発性成分(油剤)として、オクタメチルシクロテトラシロキサン(以下、「D4」という)、デカメチルシクロペンタシロキサン(以下、「D5」という)等の環状ポリシロキサン類が使用されている。しかしながら、D4は、揮発性に優れるものの、配合した化粧料が低温で保存された場合に、D4が結晶化するため使用感を著しく損なう問題があった。一方、D5は、低温での保存安定性に問題はないが、揮発性が十分でないため使用時の感触が重く、べたつきを感じ、塗布された皮膚、毛髪においてドライフィールを生じる等、配合した化粧品において良好な使用感が得られないという問題があった。
【0003】
このような問題に対して、国際公開第01/15658号公報では、{(CHSiO}SiCHで示されるオルガノポリシロキサン(以下、「メチルトリメチコン」という)を揮発性成分として含有する化粧料が提案されている。
【0004】
しかしながら、国際公開第01/15658号公報に記載のオルガノポリシロキサンを配合した化粧料は揮発性に非常に優れるものの、使用時の感触を十分に改善することはできず、特にドライフィールの問題を十分に抑制することはできなかった。また、国際公開第01/15658号公報に記載の化合物は紫外線吸収剤に対する相溶性が低いため、紫外線吸収剤を溶解するために他の油剤を化粧料に多量に配合せざるを得ず、化粧料の成分・配合に多くの制限をもたらしていた。したがって、これらの点で、更なる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/15658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第一の目的は、揮発性であり、低温安定性であり、優れた光沢をもたらし、紫外線吸収剤との相溶性に優れる特性を有する、D4、D5又はメチルトリメチコンの代替品として有用な新規なオルガノポリシロキサンを提供することである。
【0007】
本発明の第二の目的は、使用時の感触に優れ、優れた外観をもたらし、また、紫外線吸収剤等の各種成分の配合の自由度の高い化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の目的は、下記一般式(1)又は(2):
【化1】

(式中、
は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状、分岐状又は環状の、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基であり、
は、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の、脂肪族不飽和結合を含まない二価炭化水素基であり、
mは1〜4の範囲の整数であり、
nは2〜4の範囲の整数である)で表されるオルガノポリシロキサンによって達成される。前記Rはジメチレン基であることが好ましい。
【0009】
一般式(1)又は(2)で表されるオルガノポリシロキサンは、下記構造式
【化2】

(式中、
及びRは上記と同様であり、
Xは塩素原子、水酸基または炭素原子数1〜3のアルコキシ基から選択される基である)で示される有機ケイ素化合物を加水分解処理する工程を経て製造することができる。特に、下記構造式:
【化3】

(式中、
は前記同様の基であり、Xは塩素原子またはメトキシ基である)で示される有機ケイ素化合物を加水分解処理する工程を含むことが好ましい。
【0010】
本発明の第二の目的は、上記一般式(1)又は(2)で表されるオルガノポリシロキサンを含む化粧料によって達成される。
【0011】
本発明の化粧料は、前記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン及び前記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンを共に含むことができる。
【0012】
本発明の化粧料中の前記オルガノポリシロキサンの配合量は当該化粧料全体の1〜99質量%であってよい。
【0013】
本発明の化粧料は、前記オルガノポリシロキサン以外の油剤を更に含むことができる。
【0014】
前記油剤はシリコーンオイルであることができ、また、当該シリコーンオイルは、25℃における粘度が0.65〜100,000mm/sの疎水性シリコーンオイルであることができる。
【0015】
また、前記シリコーンオイルは、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化4】

(式中、
は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
aは、0〜3の整数であり、
bは、0〜1000の整数であり、
cは、0〜1000の整数であり、但し、1≦b+c≦2000である)
【化5】

(式中、
は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化6】

(式中、
は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンであることができる。
【0016】
本発明の化粧料は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び、両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含むことができる。
【0017】
本発明の化粧料は、粉体及び/又は着色剤を更に含むことができる。前記粉体は、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることができる。前記粉体及び/又は前記着色剤の少なくとも一部が撥水化処理されていてもよい。
【0018】
本発明の化粧料は、水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、及び、有機変性粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
【0019】
本発明の化粧料は、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、及び、有機変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
【0020】
本発明の化粧料は、紫外線防御成分を更に含むことができる。
【0021】
本発明は、上記の化粧料を含む、スキンケア製品、毛髪製品、制汗剤製品、脱臭剤製品、メイクアップ製品、又は、紫外線防御製品にも関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明のオルガノポリシロキサンは、低重合度であり、揮発性であり、低温安定性に優れ、化粧料に配合した場合に優れた光沢をもたらし、また他の油剤、紫外線吸収剤等の各種有機化合物との相溶性に優れる特性を有する。また、本発明のオルガノポリシロキサンは合成が容易である。したがって、本発明のオルガノポリシロキサンは、D4、D5又はメチルトリメチコンの代替品として有用である。
【0023】
本発明の化粧料は、使用時の感触に優れ、優れた外観をもたらし、また、紫外線吸収剤等の各種成分の配合の自由度が高い。特に、制汗剤等の皮膚化粧料として使用した場合、従来の揮発性油剤を使用した場合に比して、ドライフィールが格段に抑制される点で有用である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のオルガノポリシロキサンは下記一般式(1)又は(2):
【化7】

(式中、
は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状、分岐状又は環状の、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基であり、
は、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の、脂肪族不飽和結合を含まない二価炭化水素基であり、
mは1〜4の範囲の整数であり、好ましくはmは1又は2であり、より好ましくはmは1であり、
nは2〜4の範囲の整数であり、好ましくはnは2又は3であり、より好ましくはnは1である)で表される。
【0025】
炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状、分岐状又は環状の、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜30のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜30のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素原子数7〜30のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。一価炭化水素基は、非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基であることが好ましく、非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
【0026】
炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の、脂肪族不飽和結合を含まない二価炭化水素基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基;フェニレン基、ジフェニレン基等の炭素原子数6〜30のアリーレン基;ジメチレンフェニレン基等の炭素原子数7〜30のアルキレンアリーレン基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。二価炭化水素基は、非置換の炭素原子数1〜30の二価炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキレン基であることが特に好ましい。前記Rとして、最も好適なものは、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基である。
【0027】
なお、前記脂肪族不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等の炭素原子数2〜10のアルケニル基等が挙げられる。
【0028】
前記一般式(1)又は(2)で表されるオルガノポリシロキサンは揮発性である。ここで揮発性とは、1気圧下、25℃で0でない蒸気圧を有し、例えば、0.13Paから40000Pa(10−3から300mgHg)の範囲の蒸気圧を有することをいう。また、前記一般式(1)又は(2)で表されるオルガノポリシロキサンは、常温(25℃)で液体であり、好ましくは無色透明である。
【0029】
前記一般式(1)又は(2)で表されるオルガノポリシロキサンは、容易に合成することができ、例えば、下記構造式で示される有機ケイ素化合物を原料として以下の方法で調製することができる。
【化8】

式中、R、Rは前記同様の基であり、好適な基についても同様である。Xは塩素原子、水酸基または炭素原子数1〜3のアルコキシ基から選択される基であり、加水分解反応時の反応性および入手しやすさから、Xは塩素原子またはメトキシ基であることが特に好ましい。
【0030】
(A)目的とするオルガノポリシロキサンに対応する塩化物(上記構造式においてXが塩素原子に相当)を加水分解して、一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンを得る。その後、過剰のヘキサメチルジシロキサン及び酸性触媒の存在下、平衡化して、一般式(1)のオルガノポリシロキサンを得る。前記塩化物としては、例えば、下記式(6):
【化9】

等の二塩化物が挙げられる。
【0031】
(B)目的とするオルガノポリシロキサンに対応するアルコキシ化物(上記構造式においてXが炭素原子数1〜3のアルコキシ基に相当)を、過剰のヘキサメチルジシロキサン及び酸性触媒の存在下で処理して、一般式(1)のオルガノポリシロキサンを得る。必要に応じて、カルボン酸又はアルコールを反応系に存在させる。前記アルコキシ化物としては、例えば、下記式(7):
【化10】

等のジアルコキシドが挙げられる。
【0032】
本発明のオルガノポリシロキサンは、揮発性であり、低温で安定であり、優れた光沢をもたらし、他の油剤、紫外線吸収剤等の各種有機化合物との相溶性に優れる。また、低温下で保管した場合でも結晶化や凝固の問題を生じず、低温安定性に優れる。したがって、本発明のオルガノポリシロキサンは、従来の揮発性シリコーン、例えば、D4、D5又はメチルトリメチコンの代替品として有用である。
【0033】
本発明のオルガノポリシロキサンは、好ましくは、化粧料に配合することができる。本発明の化粧料には、一般式(1)のオルガノポリシロキサン又は一般式(2)のオルガノポリシロキサンの少なくとも一方を配合することができるが、両方とも配合してもよい。
【0034】
本発明の化粧料中の前記オルガノポリシロキサンの配合量は特に限定されるものではなく、本発明の化粧料は、例えば、化粧料の全質量を基準にして1〜99質量%のオルガノポリシロキサンを含むことができる。具体的には、前記オルガノポリシロキサンの配合量は、化粧料の種類に応じて、例えば、10〜90質量%、20〜80質量%、30〜70質量%の範囲で適宜変更することができる。
【0035】
本発明の化粧料は、前記オルガノポリシロキサン以外の油剤を更に含んでもよい。油剤としては、化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等が挙げられる。前記油剤は、疎水性であれば、起源を問わず、固形、半固形、液体のいずれでもよく、不揮発性、半揮発性、揮発性のいずれでよい。具体的には、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、脂肪酸エステル油類、高級脂肪酸類、シリコーンオイル類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、高級アルコール等が例示される。油剤は、肌や毛髪に潤滑性を付与し、肌を柔軟にし、しっとり感を付与するために用いられる。
【0036】
前記油剤としては、シリコーンオイル類が好ましい。シリコーンオイル類は、油剤である以上疎水性であり、その分子構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。シリコーンオイル類の25℃における粘度は、通常、0.65〜100,000mm/sの範囲であり、0.65〜10,000mm/sの範囲が好ましい。
【0037】
前記シリコーンオイル類としては、具体的には、環状オルガノポリシロキサン;直鎖状オルガノポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。これらの中でも、揮発性の、直鎖状オルガノポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサン及び環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0038】
前記シリコーンオイル類としては、例えば、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化11】

(式中、
は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
aは、0〜3の整数であり、
bは、0〜1000の整数であり、
cは、0〜1000の整数であり、但し、1≦b+c≦2000である)
【化12】

(式中、
は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化13】

(式中、
は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンを使用することができる。
【0039】
炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、及び、アルコキシ基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜30のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜30のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜30のアルコキシ基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素又はアミノ基で置換された基が挙げられる。非置換のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、非置換の炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
【0040】
より具体的には、環状オルガノポリシロキサンとしてヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、1,1−ジエチルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1、1−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラシクロヘキシルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−カルボキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−ビニロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(p−ビニルフェニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−ビニルフェニル)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−アクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(ラウロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
【0041】
直鎖状オルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(2cstや6cstなど低粘度〜100万cstなど高粘度のジメチルシリコーン)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体,トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、フェニル(トリメチルシロキシ)シロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルアルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチルアルキルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジエトキシポリジメチルシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ドデシルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキサデシルトリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、トリストリメチルシロキシアルキルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン等が例示される。
【0042】
分岐状オルガノポリシロキサンとしては、メチルトリストリメチルシロキシシラン、エチルトリストリメチルシロキシシラン、プロピルトリストリメチルシロキシシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、フェニルトリストリメチルシロキシシラン等が挙げられる。
【0043】
本発明の化粧料に、これらのシリコーンオイルの少なくとも一種を含有せしめると、その経日安定性を改善でき、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触を実現することができる。
【0044】
シリコーンオイル類以外の油剤は5〜100℃で液状であることが好ましい。シリコーンオイル以外の油剤としては、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油が好ましい。これらは単独でもよいが、前記シリコーンオイルとの併用が好ましい。炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油を前記シリコーンオイルと併用することにより、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触に加えて、肌上の水分を保持し、化粧料に肌や毛髪が潤うような保湿感(「しっとりした感触」ともいう)や滑らかな感触を付与することができ、しかも、化粧料の経日安定性を損なわないという利点がある。さらに、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油と前記シリコーンオイルを含有する化粧料は、これらの保湿成分を肌上又は毛髪上により安定かつ均一な状態で塗布することができ、保湿成分の肌上の保湿効果が向上しており、シリコーンオイル以外の油剤(炭化水素油や脂肪酸エステル油)のみを含む化粧料に比して、より滑らかでしっとりした感触を付与するという利点がある。
【0045】
上記以外にも、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、脂肪酸エステル油類、高級脂肪酸類、シリコーンオイル類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、高級アルコール等は、いずれもこれら2種類以上を併用してもよい。例えば、下記に表される油剤の2種以上を併用してもよい。以下、本発明に用いることができるシリコーンオイル類以外の油剤をより具体的に例示する。
【0046】
シリコーンオイル類以外の油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状のいずれのものも使用することができ、炭化水素油、エステル油、天然動植物油脂類及び半合成油脂、高級アルコール類、高級脂肪酸、フッ素系油剤、トリグリセライド、人工皮脂から選択される1種類または2種類以上が例示できる。
【0047】
炭化水素油としては、流動パラフィン,軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン,ワセリン,n−パラフィン,イソパラフィン,イソドデカン、イソヘキサデカン、ポリイソブチレン、水素化ポリイソブチレン、ポリブテン,オゾケライト,セレシン,マイクロクリスタリンワックス,パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリピロピレンワックス、スクワラン,スクワレン、プリスタン,ポリイソプレン等が例示される。
【0048】
エステル油としては、オクタン酸ヘキシルデシル、オクタン酸セチル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチル,乳酸ミリスチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,酢酸ラノリン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ジオイレイン酸プロピレングリコール,モノステアリン酸グリセリル,モノオレイン酸グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸エチル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジオクチル、ステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチルオクチル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、N − ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチ
ルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル) 、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ネオデカン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10 、デカ( エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸) グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロ
ジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、アボカド油脂肪酸エチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等が例示される。
【0049】
天然動植物油脂類及び半合成油脂として、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、オリーブスクワラン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、水添ホホバエステル、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POE はポリオキシエチレンを意味する。
【0050】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール) 、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0051】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0052】
フッ素系油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0053】
本発明の化粧料は、洗浄成分あるいは各成分の表面処理剤、乳化剤あるいは分散剤として、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤からなる群より選ばれる1種又は2種類以上の界面活性剤を併用することができる。以下、具体的に例示する。
【0054】
アニオン性界面活性剤としては、飽和または不飽和脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム,ステアリン酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,リノレン酸ナトリウム等),アルキル硫酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸,トクチルベンゼンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸等)およびその塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩,スルホコハク酸アルキルエステル塩,ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩,アルカンスルホン酸塩,オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,アルキルスルホネート,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩,アシルグルタミン酸塩,α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルまたはアルケニルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体が例示される。塩としてはナトリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、さらにはアンモニウム塩が挙げられる。
【0055】
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルベンザルコニウム,塩化アルキルジメチルベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム、ベンジルアンモニウム塩が例示される。
【0056】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類,ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル類,ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル類,ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類,ポリオキシアルキレンアルキルフェノール類,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類,ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類,ポリグリセリンアルキルエーテル類,ポリグリセリン脂肪酸エステル類,ショ糖脂肪酸エステル類,脂肪酸アルカノールアミド,アルキルグルコシド類,ポリオキシアルキレン脂肪酸ビスフェニルエーテル類,ポリプロピレングリコール,ジエチレングリコール,ポリオキシアルキレン変性シリコーン,ポリグリセリル変性シリコーン,グリセリル変性シリコーン,糖変性シリコーン,フッ素系界面活性剤,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー,アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテルが例示される。
【0057】
両性界面活性剤としては、イミダゾリン型、アミドベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アルキルスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、カルボベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸型、アミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。具体的には、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、硬化牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミドベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタインなどのアルキルヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシホスホベタインなどのホスホベタイン型両性界面活性剤;N−ラウロイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−オレオイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ココイル−N’−ヒドロキシエチル−N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N−オレオイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメ
チルエチレンジアミンナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル−N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウムなどのアミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。
【0058】
半極性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド型界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、アルキルヒドロキシアミンオキサイドなどが例示され、炭素数10〜18のアルキルジメチルアミンオキサイド、炭素数8〜18のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド等が好ましく用いられる。具体的には、ドデシルジメチルアミンオキサイド、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジエチルデシルアミンオキサイド、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキサイド、ジプロピルテトラデシルアミンオキサイド、メチルエチルへキサデシルアミンオキサイド、ドデシルアミドプロピルジメチルアミンオキサイド、セチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、タロウジメチルアミンオキサイド、ジメチル−2−ヒドロキシオクタデシルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、イソステアリルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アルキルジメチルアミンオキシド、カプリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、イソステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、12−ヒドロキシステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ヒマシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオ
キシド、及びヤシ脂肪酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが例示される。
【0059】
本発明の化粧料は、上記の成分の他に、各種の化粧品用原料を含むことができる。かかる原料は、室温において、水に対して全く溶解しないか、水100gに対する該成分の溶解度が1質量%未満であるような疎水性のものが好ましい。そのような化粧品原料としては、例えば、粉体、着色剤、水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、シリコーンガム、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー(特に粉末状シリコーンエラストマー)、架橋性オルガノポリシロキサン、アクリルシリコーンデンドリマーコポリマー、ポリアミド変性シリコーン、ワックス状のアルキル変性シリコーンもしくはアルキル変性シリコーンレジン、ポリビニルアルコール等の有機樹脂、その他の有機変性シリコーン、紫外線防御成分、生理活性成分、香料等が挙げられる。
【0060】
さらに、本発明の化粧料は、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、水、粉体または着色剤、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、油剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、界面活性剤、樹脂、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等、生理活性物質、香料を添加することができ、これらは特に限定されるものではない。
【0061】
以下、上記したその他の化粧品用原料について説明する。
【0062】
粉体または着色剤としては、例えば無機粉体 、有機粉体 、界面活性剤金属塩粉体 (金属石鹸)、有色顔料 、パール顔料 、金属粉末顔料 等が挙げられ、さらにこれらの顔料を複合化したものも使用することができる。具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体 としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンで表面を被覆したシリコーンエラストマー球状粉体 、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体 、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体 、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体 としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料 としては、ベンガラ、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料 、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料 、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料 、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料 、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料 、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料 、紺青、群青等の無機青色系顔料 、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール系色素をレーキ化したもの、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素をレーキ化したもの等;パール顔料 としては、酸化チタン被覆雲母、雲母チタン、酸化鉄処理雲母チタン、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料 としては、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ステンレス等の金属粉末が挙げられる。
【0063】
また、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等の紫外線を吸収散乱する粉体も挙げられる。
【0064】
さらに、これらの粉体及び/または着色剤は、その一部または全部が撥水化処理がされていることが特に好ましい。また、これらの粉体及び/または着色剤同士を複合化したり、一般油剤や、本発明に係るオルガノポリシロキサン共重合体以外のシリコーン化合物、又はフッ素化合物、界面活性剤等で表面処理が行われたものも使用することができ、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。これらの粉体及び/または着色剤の配合量としては、化粧料全体の0.1〜99質量% の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量としては、化粧料全体の80〜99 質量%の範囲が好適である。
【0065】
その他の撥水化処理の例としては、前記の粉体及び/又は着色剤を各種の撥水化表面処理剤で処理したものが挙げられ、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、シリコーンガム処理、アクリルシリコーン処理、フッ素化シリコーン処理などのオルガノシロキサン処理、ステアリン酸亜鉛処理などの金属石鹸処理、シランカップリング剤処理、アルキルシラン処理などのシラン処理、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル処理などのフッ素化合物処理、N-ラウロイル-L-リジン処理などのアミノ酸処理、スクワラン処理などの油剤処理、アクリル酸アルキル処理などのアクリル処理などが挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。
【0066】
水溶性高分子としては、1種又は2種以上の水溶性高分子を用いることができる。天然の水溶性高分子としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。また、半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル系高分子、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL 940, 941; BF Goodrich社)等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、ポリエチレングリコール6,000、ポリエチレングリコール4,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、PEG/PPGメチルエーテル等の共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が例示される。その他のカチオン性水溶性高分子としては、特に、毛髪化粧料に好適に配合できる成分として、第4級窒素変性ポリサッカライド(例えば、カチオン変性セルロース、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカストビーンガム、カチオン変性デンプン等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩
化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(例えば、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)が例示できる。
【0067】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α、γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体等が挙げられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0068】
有機変性粘土鉱物としては、例えば、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー、ジメチルアルキルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム処理ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどが挙げられる。これらの市販品としては、ベントン27(ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト: ナショナルレッド社製)、ベントン38(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト: ナショナルレッド社製)等がある。
【0069】
シリコーンガムは、超高重合度の直鎖状ジオルガノポリシロキサンであり、シリコーン生ゴムやオルガノポリシロキサンガムとも称されている。代表例として、一般式:R(CHSiO{(CHSiO}a{(CH)RSiO}bSi(CH(式中、Rはビニル基、フェニル基、炭素数が6〜20のアルキル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、炭素数3〜15のパーフロロアルキル基、炭素数3〜15の4級アンモニウム塩基含有アルキル基から選択される基であり、末端基Rは、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、水酸基及び炭素数1〜8のアルコキシ基から選択される基である。また、a=2,000〜6,000、b=0〜1,000、a+b=2,000〜6,000)で示されるものがある。
【0070】
シリコーン樹脂は、高度の分岐状構造、網状構造又は籠状構造を有するオルガノポリシロキサンであり、常温で液状又は固形状であり、本発明の目的に反しない限り、通常化粧料に用いられるシリコーン樹脂であればいずれのものでもよい。固形状のシリコーン樹脂には、例えば、トリオルガノシロキシ単位(M単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基もしくはフェニル基である)、ジオルガノシロキシ単位(D単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基もしくはフェニル基である)、モノオルガノシロキシ単位(T単位)(オルガノ基はメチル基、ビニル基、又はフェニル基である)及びシロキシ単位(Q単位)の任意の組み合わせからなるMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂がある。さらには、トリメチルシロキシケイ酸、ポリアルキルシロキシケイ酸、ジメチルシロキシ単位含有トリメチルシロキシケイ酸、アルキル(パーフルオロアルキル)シロキシケイ酸が例示される。これらのシリコーン樹脂は油溶性であり、D4やD5に溶解しうるものが特に好ましい。
【0071】
シリコーンエラストマーは、その目的に応じて任意の形態で化粧料に配合することが可能であるが、特に、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体または架橋性オルガノポリシロキサンとして配合することが好ましい。
【0072】
シリコーンエラストマーは、主として直鎖状ジオルガノポリシロキサンの架橋物であり、球状、扁平状、不定形状等種々の形状を取りうる。形状を持たずに油分散体の形態を持つものでもよい。本発明の化粧料には、粒子形状を有するシリコーンエラストマーであり、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析/散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入り、かつ一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粉末が好ましい。シリコーンエラストマー粉末を構成するシリコーンエラストマーは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」のタイプAデュロメータによる硬さが80以下が好ましく、65以下がより好ましい。
【0073】
そのようなシリコーンエラストマー粉末は、例えば、特開平2−243612号公報、特開平8−12545号公報、特開平8−12546号公報、特開平8−12524号公報、特開平9−241511号公報、特開平10−36219号公報、特開平11−193331号公報、特開2000−281523号公報等に記載されているものが挙げられる。市販品として東レ・ダウコーニング株式会社製トレフィルEシリーズのトレフィルE−505,E−506,E−507,E−508等があり、「化粧品種別配合成分規格」収載の架橋型シリコーン末が該当する。これらのシリコーンエラストマー粉末は表面処理がされていてもよく、表面処理剤の例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シリコーンレジン、金属石鹸、シランカップリング剤、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩等のフッ素化合物が挙げられる。
【0074】
シリコーンエラストマー粉末は、油剤との混練物であるペースト状物や、水系分散体の形で化粧料に配合することが好ましい。より詳しくは、シリコーンエラストマー粉末と、エステル油、炭化水素油、高級アルコール、植物油及び動物油からなる群から選ばれる常温で液体の油性成分とを混練して作られたペースト状物;シリコーンエラストマー粉末を機械力で乳化剤含有水中に分散したものが挙げられる。かかるシリコーンエラストマー粉末を媒体に分散した化粧品用原料のうち、本発明で好ましく使用することができるのは、市販品としては東レ・ダウコーニング株式会社製「BY29−129」や「PF−2001 PIF Emulsion」等が挙げられる。これらのシリコーンエラストマー粉末の水系分散体(=サスペンジョン)を配合することにより、本発明の化粧料の使用感をさらに改善することができる点で極めて有用である。
【0075】
架橋性オルガノポリシロキサンとしては、オルガノポリシロキサン鎖が架橋性成分等との反応により3次元架橋した構造のものであってポリオキシアルキレン単位などの親水部を有しない、非乳化性のものが好ましい。このような架橋性オルガノポリシロキサンであれば、希釈・性状などの物理的形態や製法等によらず制限なく使用できるが、特に好ましいものとしては米国特許第5654362号中に記載されているα,ω−ジエン架橋シリコーンエラストマー(市販品としては、DC 9040 Silicone Elastomer Blend, DC 9041 Silicone Elastomer Blend, DC 9045 Silicone Elastomer Blend, DC 9046 Silicone Elastomer Blend、米国ダウコーニング社製)が例示される。
【0076】
本発明の化粧料で、目的に応じてアクリルシリコーンデンドリマーコポリマーを使用することもできる。具体的には、特許第4009382号公報(特開2000−063225号公報)中に記載されている、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体が、特に好ましく例示される。市販品としては、東レ・ダウコーニング社製のFA 4001 CM Silicone Acrylate, FA 4002 ID Silicone Acrylateなどが挙げられる。
【0077】
本発明の化粧料で、目的に応じて使用するポリアミド変性シリコーンを配合することができる。例えば、米国特許5981680号中に記載されているシロキサンベースのポリアミドが例示され、市販品としては2−8178 Gellant, 2−8179 Gellantなど(米国ダウコーニング社製)が挙げられる。
【0078】
本発明の化粧料で、目的に応じて使用するアルキル変性シリコーンワックスを配合することができる。かかるアルキル変性シリコーンワックスは、室温でワックス状のアルキル変性シリコーンであればよく、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル長鎖アルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチル長鎖アルキルシロキサン共重合体,分子鎖両末端長鎖アルキル変性ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。これらの市販品としては、AMS−C30 Cosmetic Wax, 2503 Cosmetic Waxなど(米国ダウコーニング社製)が挙げられる。
【0079】
本発明の化粧料で、目的に応じて使用するアルキル変性シリコーンレジンワックスとしては、例えば、特表2007−532754号公報に記載されているシルセスキオキサン樹脂ワックスが好ましく挙げられる。
【0080】
本発明の化粧料で、目的に応じて使用する有機樹脂としてはポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルキルコポリマー等が挙げられる。
【0081】
上記以外の有機変性シリコーンは、特に、親油性であるものが好ましい。具体的には、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーンを挙げることができる。該有機変性シリコーン類は、主鎖としてポリシロキサン結合の他に、アルキレン鎖、アミノアルキレン鎖又は化合物が親水性を有さない程度のポリエーテル鎖を有するものであってもよく、有機変性基は、ポリシロキサン鎖の側鎖又は末端の一方又は両方に有するものであってよい。本発明の化粧料を毛髪化粧料として使用する場合、アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン又はアミノグリコール変性シリコーンを好適に用いることができ、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピル基等を有するアミノ変性シリコーンが一般的なものとして例示できる。
【0082】
紫外線防御成分には、無機系の紫外線防御成分と有機系の紫外線防御成分がある。本発明の化粧料が日焼け止め化粧料であれば、少なくとも1種の無機系又は有機系、特に有機系の紫外線防御成分を含有することが好ましい。
【0083】
無機系の紫外線防御成分は、前記の無機系の顔料粉体、金属粉末顔料等を紫外線分散剤として配合するものであっても良く、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、低次酸化チタン、鉄ドープ酸化チタン等の金属酸化物、水酸化鉄等の金属水酸化物、板状酸化鉄、アルミニウムフレーク等の金属フレーク類、炭化珪素等のセラミック類が挙げられる。このうち、平均粒子径が1〜100nmの範囲にある、粒状、板状、針状又は繊維状の微粒子金属酸化物及び微粒子金属水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。これらの粉末は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖等を付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩が好ましい)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理等がされていることが好ましく、これらの処理の複数で処理されていることが好ましい。例えば、微粒子酸化チタン表面を酸化ケイ素やアルミナ等の金属酸化物で被覆した後、アルキルシランで表面処理すること等が挙げられる。表面処理量は、粉体に対して総計で0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
【0084】
有機系の紫外線防御成分は親油性の紫外線防御成分であり、1種又は2種以上の紫外線防御成分を用いることができる。例えば、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0085】
より具体的には、これらの有機系の紫外線防御成分として、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す),PABAモノグリセリンエステル,N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル,N,N−ジエトキシPABAエチルエステル,N,N−ジメチルPABAエチルエステル,N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート,メンチルサリシレート,ホモメンチルサリシレート,オクチルサリシレート,フェニルサリシレート,ベンジルサリシレート,p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート,エチル−4−イソプロピルシンナメート,メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート,エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート,メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート,プロピル−p−メトキシシンナメート,イソプロピル−p−メトキシシンナメート,イソアミル−p−メトキシシンナメート,オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート),2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート,シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート,エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート,2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート,グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート,3,4,5−トリメトキシ桂皮酸3−メチル−4−[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]ブチル等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン,2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン,2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン,2-ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩,4−フェニルベンゾフェノン,2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート,ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン,4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)-d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が例示される。
【0086】
また、前記の有機系紫外線防御成分を疎水性のポリマー粉末中に含有したものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくてもよく、平均一次粒子径は0.1〜50μmの範囲にあればよく、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂、シリル化ポリペプチド樹脂が例示される。有機系紫外線防御成分を0.1〜30質量%の範囲で含有するポリマー粉末が好ましく、特にUV−A吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含有するポリマー粉末が好ましい。
【0087】
本発明の化粧料において、好適に使用できる紫外線防御成分は、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、及び、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの紫外線防御成分は、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いため好適に使用することができる。特に、無機系と有機系の紫外線防御成分を併用することが好ましく、UV−Aに対応した紫外線防御成分とUV−Bに対応した紫外線防御成分を併用することがさらに好ましい。
【0088】
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用されるその他の成分:アルコール類、防菌防腐剤、生理活性成分、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、溶媒、酸化防止剤、保湿成分、香料、塩類、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。これらは特に限定されるものではない。
【0089】
アルコール類としては、1種又は2種以上の多価アルコール及び/又は低級一価アルコールを用いることができる。低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール、s−ブタノール等が例示され、多価アルコールとしては、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ジブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、キシリトール等の4価以上の多価アルコール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリオース、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解物、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコールが挙げられる。さらに、これら低分子多価アルコールのほかに、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体等が例示される。中でも、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールが特に好ましい。配合量は、化粧料全体の0.1〜50重量%の範囲が好適である。
【0090】
本発明の化粧料に、その目的に応じて配合する防菌防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素等が挙げられるが、口紅の場合は配合しないことが好ましい。
【0091】
本発明の化粧料に、その目的に応じて配合する生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種、または2種以上配合することが好ましい。
【0092】
具体的な成分としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0093】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸、エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤等が挙げられる。
【0094】
また、美肌用成分としては、例えば、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられ、ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェノール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類等が挙げられる。
【0095】
本発明の化粧料に、その目的に応じて配合するpH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0096】
本発明の化粧料に、その目的に応じて配合する溶媒としては、例えば、精製水、ミネラルウォーター等の水以外に、軽質イソパラフィン、エーテル類、LPG、N−メチルピロリドン、次世代フロン等が挙げられる。
【0097】
本発明の化粧料に、その目的に応じて配合する酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等;キレート剤としては、例えば、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
【0098】
本発明の化粧料に、その目的に応じて配合するその他の保湿成分としては、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。なお、前記した多価アルコール類等が肌上あるいは毛髪上への保湿機能を発揮することは言うまでもない。
【0099】
香料は、親油性の香料であれば特に限定されるものではなく、種々の植物の花、種子、葉、根等から抽出した香料、海藻類から抽出した香料、動物の各部位又は分泌物から抽出した香料(例、じゃこう、マッコウ)、人工的に合成した香料(例、メントール、ムスク、酢酸エステル、バニラ)が例示される。香料は、化粧料に香気、香りを付与するため、あるいは不快臭をマスクするために配合される。
【0100】
本発明の化粧料は、具体的な製品としては、皮膚洗浄剤製品、スキンケア製品、メイクアップ製品、制汗剤製品、紫外線防御製品などの皮膚用化粧品;毛髪用洗浄剤製品、整髪料製品、毛髪用着色料製品、養毛料製品、ヘアリンス製品、ヘアコンディショナー製品、ヘアトリートメント製品等の頭髪用化粧品;浴用化粧品が例示される。特に、本発明に係る化粧料は、揮発性油剤由来のドライフィールが抑制されており、スキンケア製品、毛髪用化粧料製品、制汗剤製品、メイクアップ製品、又は紫外線防御製品が好適である。本発明の医薬は、発毛剤、育毛剤、鎮痛剤、殺菌剤、抗炎症剤、清涼剤、皮膚老化防止剤が例示されるが、これらに限定されない。
【0101】
前記皮膚用化粧品としては、頭皮、顔面(口唇、眉毛、頬を含む)、手指、爪、全身のいずれの部位についても用いることができる。具体的には、クレンジングジェル、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗顔クリーム、アイメークアップリムーバー、洗顔フォーム、液体石鹸(ボディソープ)、ハンドソープ、ゲル状石鹸、固形石鹸、フェイシャルリンス、ボディリンス、シェービングクリーム、除光液、アクネ対策化粧料等の皮膚洗浄剤製品;肌用クリーム、頭皮用トリートメント、スキンミルク、ミルクローション、乳液、化粧水、保湿液、美容液、フェイシャルパック、ボディパウダー、エッセンス、シェービングローション、マッサージ料、等のスキンケア製品;ファンデーション、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、メークアップベース、白粉、フェースパウダー、リップスティック、リップクリーム、練紅、リップグロス、アイシャドウ、アイライナー、アイクリーム、眉墨、まつげ化粧品、アイブローペンシル、アイブローブラッシュ、マスカラ、頬紅、頬化粧料(チークカラー、チークルージュ)、マニキュア、ペディキュア、ネイルカラー、ネイルラッカー、エナメルリムーバー、ネイルポリッシュ等のメイクアップ製品;デオドラント等の制汗剤;サンスクリーン剤、日焼け用薬剤(サンタン剤)等の紫外線防御製品が例示される。
【0102】
前記頭髪用化粧品としては、シャンプー、リンスインシャプー等の毛髪用洗浄剤;ヘアオイル、ヘアワックス、髪用カール保持剤、セット剤、ヘアクリーム、へアスプレー、ヘアリキッド等の整髪料製品;染毛料、ヘアカラースプレー、ヘアカラーリンス、ヘアカラースティック等の毛髪用着色料製品;ヘアトニック、ヘアトリートメントエッセンス、ヘアパック等の養毛料製品;オイルリンス、クリームリンス、トリートメントリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等のヘアリンス又はヘアコンディショニング製品が例示される。また、前記の浴用化粧品は、バスオイル、バスソルト、フォームバスが例示される。
【0103】
本発明にかかる化粧料および化粧品の形態は特に限定されるものではなく、液状、W/O乳液状、O/W乳液状、W/Oクリーム状、O/Wクリーム状、固体状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、ミスト状、顆粒状、フレーク状、碎石状等に好ましく適用が可能である。特に好ましい形態は、W/O乳液状、W/Oクリーム状、固体状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状である。
【0104】
本発明にかかる化粧料および化粧品の容器についても特に限定されるものではなく、ジャー、ポンプ、チューブ、ボトル、圧力缶吐出容器、耐圧エアゾール容器、遮光容器、コンパクト容器、金皿、スティック容器、繰り出し容器、噴霧容器、混合液吐出口を備えた仕切り付き容器等の任意の容器に充填することができる。チューブは、通常のシリコーン系製剤では分離が起きやすい傾向があるが、本発明にかかる外用剤組成物、特に化粧料は安定性に優れるため、かかるチューブ容器に充填されても安定に保管することが可能であるというメリットがある。
【実施例】
【0105】
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。以下、「%」及び「部」とあるのは、それぞれ、質量%及び質量部を意味し、また、粘度は25℃での値である。
【0106】
[実施例1a] 1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタンの調製

1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタンの33%トルエン溶液100gと水10gの混合物を90℃で6時間反応させ、クロロシランを完全に加水分解させ、冷却した。過剰量のヘキサメチルジシロキサン375gとトリフルオロメタンスルホン酸0.1gの混合物を50℃に加熱し、先ほどの加水分解物を滴下した後、2時間エージングした。得られた混合物を、洗液が中性になるまで水洗を行い、蒸留によって、下記式:
【化14】

で表される1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタンを得た。沸点は109℃/20torrであり、収量は、29.8g(収率61%)であった。
【0107】
[実施例1b] 1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタンの調製

ヘキサメチルジシロキサン294.9g、酢酸87.38g、トリフロオロメタンスルホン酸0.13gをフラスコに仕込み、混合物を45℃まで加熱した。フラスコに1,2−ビス(ジメチルメトキシシリル)エタン150gを滴下した。滴下終了後、1時間エージングを行い、原料の消失をガスクロマトグラフィーで確認した。得られた混合物を、洗液が中性になるまで水洗し、蒸留によって、1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタンを得た。収量は79.7g(収率34%)であった。
【0108】
実施例1a及び実施例1bによって合成された1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタンをガスクロマトグラフィーによって分析を行った結果、純度は99.2%であった。また、29Si−NMR(δ:7.09(2Si)、8.52(2Si))及び13C−NMR(δ:−0.28(4C)、2.04(6C)、9.93(2C))を使用して構造の確認を行った。
【0109】
[実施例2] 1,1,3,3,6,6,8,8−オクタメチル−2,7−ジオキシ−1,3,6,8−テトラシラシクロデカンの調製

1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタンの33%トルエン溶液100gと水10gで加水分解し、90℃で6時間エージングさせた。得られた混合物を、洗液が中性になるまで水洗を行い、蒸留によって、下記式(但しn=2):
【化15】

の大環状化合物を得た。沸点は、125℃/20torrであり、収量は、17.2g(収率35%)であった。
【0110】
[評価1]
実施例1で得た1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタン、1,1,3,3,6,6,8,8−オクタメチル−2,7−ジオキシ−1,3,6,8−テトラシラシクロデカン、ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製SH200-2cs:粘度2cs)、シクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン(以下、単に「シリコーン成分」と称することがある)と、代表的な紫外線吸収剤であるパラメトキシ桂皮酸オクチルとの相溶性を評価した。シリコーン成分とパラメトキシ桂皮酸オクチルとの配合割合(質量%)をシリコーン成分/パラメトキシ桂皮酸=10/90、50/50、90/10と変化させて混合し、室温で6時間放置して目視により外観を確認した。結果を表1に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
[評価2]
手の甲及び前腕内側部に、シリコーン成分を塗布し、塗布直後及びしばらく放置した後の光沢を目視により下記の基準で評価した。

◎:光沢が強く認められることを示す。
○:光沢が認められることを示す。
△:やや光沢が認められることを示す。
×:光沢が認められないことを示す。
【0113】
結果を表2に示す。
【表2】

【0114】
[評価3]
実施例1で得られた1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタンをガラス瓶に入れ、−5℃の冷凍庫で1週間保管し、低温安定性を評価した。比較として、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)も併せて評価した。
【0115】
結果を表3に示す。
【表3】

【0116】
表3に示すように、本発明のオルガノポリシロキサンは、公知の揮発性シリコーン類であり低温安定性に優れるD5と同等以上の低温安定性を有することが確認された。
【0117】
[実施例3] ドライフィールが抑制された制汗剤

下記処方の制汗剤を調製した。

処方:
[油相]
1)1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタン 41.15%
2)シクロメチコン 2.35%
3)シクロメチコン/ジメチコンコポリオール 6.0%
4)イソプロピルミリステート 4.5%
5)PPG−3ミリスチルエーテル 4.5%
6)芳香剤 1.0%
7)オクチルメトキシシンナメート 0.5%
[極性相]
8)アルミニウムクロロヒドレート(50%水溶液) 40.0%
【0118】
具体的には、成分1〜7を均一に混合して分散させ、その後、成分8を混合して、分散させた。
【0119】
[評価4]

実施例3の制汗剤と、実施例3の制汗剤において1,2−ビス(ペンタメチルジシロキシ)エタンを全てシクロメチコンで置き換えて作成した比較制汗剤を使用して、使用時の肌の伸び及び塗布後ドライフィールの抑制の2点について、化粧料の使用感をパネリスト20名により比較評価した。
【0120】
比較評価にあたっては、以下の2点を評価の基準とした
○ 制汗剤使用時に肌上での伸びが良いか否か
○ 塗布後のドライフィールを感じるか否か
なお、「ドライフィール」とは、制汗剤等の化粧料の官能評価において、パネリストが塗布直後または経時で肌上にかさついた感触(しばしば、「かさつき」と表現される)、肌上の乾燥感や脱脂感といったネガティブな使用感を覚えることであり、ドライフィールが抑制されていることはより好適な使用感が実現されていることを示す。下表に、パネリスト20名による比較評価結果を示す。
【0121】
【表4】

【0122】
表4に示すように、実施例3の制汗剤は、パネリストの大部分から、比較制汗剤に比べて肌上での伸びが良いと評価された。さらに、実施例3の制汗剤は、パネリストの大部分から、比較制汗剤に比べて、ドライフィールを感じず、肌上で瑞々しく伸びて、好適な使用感であると評価された。
【0123】
このように、使用時の伸び及び塗布後のドライフィール抑制の両点で、比較制汗剤よりも実施例3の制汗剤の方が格段に優れていることが確認された。
【0124】
以下、本発明の化粧料の処方例及び製造例を具体的に示す。
【0125】
[処方例1:O/W 石鹸乳化タイプ]

1)ステアリン酸 1部
2)ポリソルベート80 0.3部
3)セスキオレイン酸ソルビタン 0.2部
4)ステアリン酸グリセリル 0.2部
5)セタノール 1.5部
6)テトラオクタン酸ペンタエリスチル 2部
7)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 5部
8)ミネラルオイル 1部
9)水 55.25部
10)DPG 8部
11)グリセリン 4部
12)メチルイソチアゾリノン 0.05部
13)トリエタノールアミン 0.5部
14)カルボマー 21部

手順
1.成分1〜8を70℃で均一に混合して溶解させる。
2.成分9〜13を70℃で均一に混合して溶解させる。
3.工程1で得られた油性液体に工程2で得られた水性液体を70℃で徐々に添加する。
4.工程3で得られたエマルジョンに成分14を添加し、冷却する。
【0126】
[処方例2:油中水型クリーム状化粧料]

1)PEG/PPG−19/19ジメチコン 1部
2)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 10.5部
3)ジメチコン 6cs 6部
4)PCAジメチコン 1部
5)酢酸トコフェロール 0.2部
6)ジメチコンクロスポリマー(注1) 1部
7)シクロペンタシロキサン 0.5部
8)精製水 67.75部
9)リン酸L−アルコルビルマグネシウム 3部
10)クエン酸ナトリウム 1部
11)グリセリン 8部
12)メチルイソチアゾリン 0.05部

注1:ダウコーニング社製DC9040を使用した。

手順
1.成分6及び7を均一に混合して分散させる。
2.成分8〜10を均一に混合して溶解させる。
3.工程2で得られた水性液体に成分11及び12を添加し、均一に混合して溶解させる。
4.工程1で得られた油性分散物に成分1〜5を添加し、均一に混合して分散させる。
5.工程4で得られた油性分散物に工程3で得られた水性液体を添加し、乳化する。
【0127】
[処方例3:リキッドファンデーション(W/O型)]

1)ラウリルPEG/PPG-18/18 ジメチコン(注1) 10部
2)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 20部
3)ジメチコンクロスポリマー(注2) 5部
4)2−エチルヘキサン酸エチルヘキシル 5部
5)オクチルシラン処理赤色酸化鉄 0.1部
6)オクチルシラン処理黄色酸化鉄 0.6部
7)マイカ 3.5部
8)オクチルシラン処理黒色酸化鉄 0.05部
9)精製水 残余
10)ポリソルベート20 0.2部
11)防腐剤 0.5部
12)キサンタンガム 0.5部
13)硫酸マグネシウム 0.4部

注1:ダウコーニング社製 DC5200 Formulation Aidを用いた。
注2:ダウコーニング社製DC9040を使用した。

手順
1.成分1〜8を混合し、十分に分散させる。
2.成分9〜13を均一に混合して分散させる。
3.工程2で得られた水性分散物を工程1で得られた油性分散物に加え、乳化する。
【0128】
[処方例4:リキッドファンデーション(O/W型)]

1)ステアリン酸 2.4部
2)モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0部
3)セチルアルコール 0.2部
4)液状ラノリン 2部
5)流動パラフィン 1部
6)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 2部
7)ミリスチン酸イソプロピル8.5部
8)精製水 残余
9)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2部
10)ベントナイト 0.5部
11)ジプロピレングリコール 4.0部
12)トリエタノールアミン 1.1部
13)防腐剤 適量
14)酸化チタン 8部
15)マイカ 4.0部
16)着色顔料 適量
17)香料

手順
1.成分8〜16を75℃で十分に混合して分散させる。
2.成分1〜7を80℃で混合する。
3.工程2で得られた油性混合物を工程1で得られた水性混合物に75℃で添加し、乳化して、室温まで冷却する。
【0129】
[処方例5:サンスクリーン乳液(W/O型)]

1)パラメトキシ桂皮酸エチルヘキシル 5部
2)シリコーン処理酸化チタン 5部
3)シリコーン処理酸化亜鉛 9部
4)スクワラン 20部
5)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 13.0部
6)ジメチコン(2cs) 10部
7)シクロペンタシロキサン/(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー(注1) 2部
8)ジイソステアリン酸グリセリン 2.0部
9)ポリエーテル変性シリコーン(注2) 0.5部
10)有機変性モンモリロナイト 0.5部
11)精製水 残余
12)1,3−ブチレングリコール 5部

注1:東レ・ダウコーニング社製FA4001CM Silicone Acrylateを使用した。
注2:東レ・ダウコーニング社製SS-2910を使用した。

手順
1.成分1〜10を60℃に加熱し、均一に混合して溶解させる。
2.成分11及び12を工程1で得られた油性液体に徐々に添加して、乳化する。
【0130】
[処方例6:サンスクリーンクリーム(W/O型)]

1)酸化チタンスラリー 40部
2)メトキシケイ皮酸オクチル 10部
3)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 5部
4)カプリルメチコン 3部
5)トリメチルシロキシケイ酸 7.5部
6)ジメチコン 6cs 4.5部
7)PEG−10 ジメチコン(注1) 1部
8)シリカ 2.5部
9)精製水 26.45部
10)メチルイソチアゾリノン 0.05部

注1:東レ・ダウコーニング社製SS-2910を使用した

手順
1.成分1〜8を均一に混合して分散させる。
2.成分9及び10を混合して、溶解させる。
3.工程1で得られた油性分散物に2で得られた水性液体を添加し、乳化する。
【0131】
[処方例7:リップグロス]

1)ポリアミド変性シリコーン(注1) 19部
2)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 10部
3)メチルフェニル変性シリコーン28部
4)パルミチン酸イソプロピル 38部
5)トリオクタノイン 2部
6)酸化チタン 3部

注1:ダウコーニング社製2−8178gellantを用いた。

手順
各成分を100℃で加熱混合したあと、容器に充填して製品を得た。

【0132】
[処方例8:ヘアワックス]

1)ポリアミド変性シリコーン(注1)18部
2)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 35部
3)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 残余
4)赤色225号 0.001部
5)エタノール 0.5部

注1:ダウコーニング社製2−8178gellantを用いた。

手順
1.成分1〜3を混合し、100℃で加熱溶解した後で、60℃で冷却する。
2.成分4及び5の混合物を工程1で得られた油性液体に添加し、容器に充填して製品を得る。
【0133】
[処方例9:制汗剤]

1)ポリアミド変性シリコーン 12部
2)トリメチルシロキシケイ酸 2.5部
3)べヘノキシジメチコン(Abil WAX 2440) 2.5部
4)一般式(1)又は(2)のオルガノポリシロキサン 29.37部
5)フェニルトリメチコン10.0部
6)イソステアリルアルコール(Prisorine) 0.50
7)精製水 残余
8)AlZrテトラヒドロヒドレックスグリ 20.00
9)ポリソルベート20 1部

手順
1.成分1〜6を均一に混合して分散させる。
2.成分7〜10を混合して、分散させる。
3.工程1で得られた油性分散物に2で得られた水性分散物を添加し、混合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)又は(2):
【化1】

(式中、
は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状、分岐状又は環状の、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基であり、
は、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の、脂肪族不飽和結合を含まない二価炭化水素基であり、
mは1〜4の範囲の整数であり、
nは2〜4の範囲の整数である)で表されるオルガノポリシロキサン。
【請求項2】
前記Rがジメチレン基である、請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項3】
請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサンを含む化粧料。
【請求項4】
前記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン及び前記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンを共に含む、請求項3記載の化粧料。
【請求項5】
前記オルガノポリシロキサンを1〜99質量%含む、請求項3又は4記載の化粧料。
【請求項6】
前記オルガノポリシロキサン以外の油剤を更に含む、請求項3乃至5のいずれかに記載の化粧料。
【請求項7】
前記油剤がシリコーンオイルである、請求項6記載の化粧料。
【請求項8】
前記シリコーンオイルが25℃における粘度が0.65〜100,000mm/sの疎水性シリコーンオイルである、請求項7記載の化粧料。
【請求項9】
前記シリコーンオイルが、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化2】

(式中、
は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
aは、0〜3の整数であり、
bは、0〜1000の整数であり、
cは、0〜1000の整数であり、但し、1≦b+c≦2000である)
【化3】

(式中、
は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化4】

(式中、
は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンである、請求項7又は8記載の化粧料。
【請求項10】
アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び、両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含む請求項3乃至9のいずれかに記載の化粧料。
【請求項11】
粉体及び/又は着色剤を更に含む、請求項3乃至10のいずれかに記載の化粧料。
【請求項12】
前記粉体が、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項11記載の化粧料。
【請求項13】
前記粉体及び/又は前記着色剤の少なくとも一部が撥水化処理されている請求項11又は12記載の化粧料。
【請求項14】
水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、及び、有機変性粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種を更に含む請求項3乃至13のいずれかに記載の化粧料。
【請求項15】
シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、及び、有機変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種を更に含む請求項3乃至14のいずれかに記載の化粧料。
【請求項16】
紫外線防御成分を更に含む請求項3乃至15のいずれかに記載の化粧料。
【請求項17】
請求項3乃至16のいずれかに記載の化粧料を含む、スキンケア製品、毛髪製品、制汗剤製品、脱臭剤製品、メイクアップ製品、又は、紫外線防御製品。
【請求項18】
下記構造式
【化5】

(式中、
及びRは上記と同様であり、
Xは塩素原子、水酸基または炭素原子数1〜3のアルコキシ基から選択される基である)で示される有機ケイ素化合物を加水分解処理する工程を含むこと特徴とする、請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
【請求項19】
下記構造式:
【化6】

(式中、
は前記同様の基であり、Xは塩素原子またはメトキシ基である)で示される有機ケイ素化合物を加水分解処理する工程を含むこと特徴とする、請求項2記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。

【公開番号】特開2011−116701(P2011−116701A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275675(P2009−275675)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】