説明

新規カチオン性アミノピリジン、カチオン性アミノピリジンを含む染料組成物、そのための方法およびその使用

本発明は、一般式(I)のカチオン性アミノピリジン、その酸付加塩およびその溶媒和物:


(式中、Rは、カチオン性ラジカルで置換されたおよび/または割り込まれた、直鎖もしくは分岐の飽和C〜C20アルキルラジカルである)に関する。本発明はまた、このカチオン性アミノピリジンの合成方法、組成物、使用、このカチオン性アミノピリジンを使用する毛髪染色方法およびデバイスを指向する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規カチオン性アミノピリジンに、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するためのそれらの使用に、そのようなカチオン性アミノピリジンを含む染料組成物に、ならびにこれらのアミノピリジンを使用する方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
オルト−もしくはパラ−フェニレンジアミン類、オルト−もしくはパラ−アミノフェノール類および複素環化合物などの酸化塩基として一般に知られる、酸化染料前駆体を含有する染料組成物で、ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を染色することは公知の慣習である。これらの酸化塩基は、酸化性製品と組み合わせられたときに、酸化縮合のプロセスによって着色化合物を生み出すことができる、無色または弱着色の化合物である。
【0003】
これらの酸化塩基で得られる色合いは、それらをカプラーまたは着色改質剤と組み合わせることによって変えることができ、着色改質剤が、芳香族メタ−ジアミノベンゼン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類、およびインドール化合物などのある種の複素環化合物からとりわけ選択されることはまた公知である。
【0004】
酸化塩基およびカプラーとして使用される様々な分子は、広範囲の色が得られることを可能にする。
【0005】
これらの酸化染料を用いて得られる「長持ちする」着色はさらに、一定数の要件を満たさなければならない。したがって、それは毒物学的欠点をまったく持ってはならず、それは、色合いが所望の強度で得られることを可能にしなければならず、かつ、それは、光、悪天候、洗浄、パーマをかけること、発汗および摩擦などの外部作用因子に対して良好な残留性を示さなければならない。
【0006】
染料はまた、白髪交じりの毛髪がカバーされることを可能にしなければならず、染料はできる限り無差別でなければならず、すなわち、染料は、その末端とその毛根との間で一般に感作が異なる(すなわち、損傷した)ケラチン繊維の1本の端から端に沿って起こり得る着色差を最小にしなければならない。
【0007】
本出願人は、意外にもおよび有利にも、カチオン性アミノピリジンから形成される新規系統の複素環カプラーを発見した。これらのカプラーはケラチン繊維を染色するための新規組成物を生み出すことができ、多様な、強力な色彩の色合いで着色することができる。
【0008】
これらの組成物はまた、ほとんど選択的でなく、堅牢である:それらは、繊維がさらされる可能性がある様々な攻撃因子に対して、とりわけ繰り返し洗浄に対しておよび光に対して良好な耐性を示す。
【0009】
さらに、これらの複素環カプラーは良好な溶解性を示し、満足できる色の吸収を可能にする。
仏国特許出願公開第2 874 821号明細書は、ヘテロ芳香族二核直接染料の合成中間体として式:
【化1】

のアミノピリジン:4−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムメチルスルフェートの使用を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2 874 821号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1主題は、ある系統のカチオン性アミノピリジンおよびそれらの合成方法に関する。
【0012】
本発明の主題はまた、少なくとも1つのカチオン性アミノピリジンを含有する組成物、この組成物を使用する染色方法、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するための本発明による前記組成物の使用、および多区画デバイスまたは染色「キット」である。
【0013】
本発明のその他の特徴、態様、主題および利点は、以下に続く説明および実施例を読むとさらにより明らかに分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、
・一般式(I’)の化合物、それらの酸付加塩およびそれらの溶媒和物:
【化2】

[式中、基Zはカチオン性であり、
は、酸素原子または基NRであり;
は、水素原子または直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキルラジカル、ベンジルラジカルもしくはアセチルラジカルであり;
は、カチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルおよびC〜Cアルコキシもしくはヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、直鎖もしくは分岐の飽和C〜C10アルキルラジカルであり、前記カチオン性ラジカルは、直鎖、分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;またはRは、C〜Cアルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和、不飽和または芳香族の5〜8員環のカチオン性複素環であり;
がNRを表すとき;
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成してもよく、この複素環は、NおよびOから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくはNを含有する可能性があり、または
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、カチオン性ラジカルで置換された、そしてC〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環を形成してもよく;前記カチオン性ラジカルは、直鎖、分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;
Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択され、
An−はアニオンまたはアニオンの混合物を表す]
・以下の化合物、それらの酸付加塩およびそれらの溶媒和物:
1−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−N,N,N−トリメチルピロリジン−3−アンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピペラジン−1−イウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1,1−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−トリメチルエタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−トリメチルメタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−メチルジエチルエタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−メチルジエチルメタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−2−モルホリン−1,1−ジメチルピロリジニウム、
(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−3−トリメチルピペリジンアンモニウム、
(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−4−トリメチルピペリジンアンモニウム
から選択されるカチオン性アミノピリジンに関する。
【0015】
本発明との関連で、後で定義されるような式(I)または(I’)の化合物中に存在する用語「カチオン性ラジカル」は、あらゆる直鎖、分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含むものであることを意味し、この第四級アンモニウムは好ましくは、タイプ−NRaRbRcのものであり、同一であっても異なってもよいRa、RbおよびRcが、ヒドロキシルで置換されていてもよいC〜Cアルキルラジカルを表す。RaおよびRbは、それらが結合している窒素原子と一緒に、飽和もしくは不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成してもよく、ラジカルRcは、それが存在するとき、ヒドロキシルで置換されていてもよいC〜Cアルキルラジカルである。カチオン性ラジカルはまた、N,N−ジメチルピペラジニウムであってもよい。
【0016】
式(I)または(I’)の化合物中に存在するカチオン性ラジカルが、タイプ−NRaRbRcの第四級アンモニウムを含むとき、そしてRaおよびRbが、それらが結合している窒素原子と一緒に、ピリジニウムなどの不飽和のカチオン性複素環を形成するとき、この第四級アンモニウムは基Rcを持たない。
【0017】
言及されてもよいタイプ−NRaRbRcの第四級アンモニウムの例としては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジエチルプロピルアンモニウム、ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム、ジ−β−ヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリ−β−ヒドロキシエチルアンモニウム、N−メチルピペリジニウム、N−メチルピロリジニウム、N−メチルモルホリニウム、イミダゾリウム、ヒドロキシエチルイミダゾリウム、メチルイミダゾリウムおよびN−メチルピペラジニウムラジカルが挙げられる。
【0018】
本特許出願の目的のためには、用語「カチオン性複素環」は、環メンバーの少なくとも1つが第四級アンモニウムである5〜8員環の複素環を意味する。
【0019】
言及されてもよいカチオン性複素環ラジカルの例としては、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピリミジニウム、チアゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ベンゾチアゾリウム、オキサゾリウム、ベンゾトリアゾリウム、ピラゾリウム、トリアゾリウムおよびベンゾオキサゾリウムラジカルを挙げることができる。
【0020】
好ましくは、Zは、Rが水素原子およびC〜Cアルキルラジカルから選択される状態で基NRを表し、より優先的にはNRは、NHおよびNMeから選択される。
【0021】
好ましくは、Rは、先に定義されたようなカチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルラジカルで任意選択的に置換されたC〜Cアルキルラジカルである。
【0022】
好ましくは、カチオン性ラジカルは、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピリミジニウム、チアゾリウムおよびベンズイミダゾリウムラジカルから選択される。
【0023】
さらにより好ましくは、カチオン性ラジカルは、トリメチルアンモニウムおよびイミダゾリウムラジカルから選択される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1の特に好ましい変形によれば、Zは、酸素原子であるか、またはRが水素原子および直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキルラジカルから選択される状態でNRであり、好ましくは、RはHまたはMeを表し;Rは、酸素原子でまたは基NHで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルラジカルで任意選択的に置換された、そしてトリメチルアンモニウムおよびイミダゾリウムラジカルから選択されるカチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、飽和の直鎖C〜Cアルキルラジカルを表す。
【0025】
本発明の第2の好ましい変形によれば、Zは基NRであり、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、C〜C10アルキルおよびC〜C10ヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成する。この複素環は、NおよびOから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくはNを含有してもよい。この変形によれば、Zは基NRであり、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、C〜CヒドロキシアルキルおよびC〜Cアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで置換されたピペリジニウム、イミダゾリウム、ピロリジニウム、モルホリニウムまたはピペラジニウムラジカルを形成する。
【0026】
第3の変形によれば、Zは基NRであり、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、トリメチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウムおよびイミダゾリウムラジカルから好ましくは選択される、先に定義されたようなカチオン性ラジカルで置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環を形成する。この変形によれば、飽和もしくは不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環は、ピロリジニン、ピペリジンおよびモルホリンから好ましくは選択され、この環は、トリメチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウムおよびイミダゾリウムラジカルから選択されるカチオン性ラジカルで置換されている。
【0027】
好ましくは、Rは、水素原子およびC〜Cアルキルラジカルから選択される。さらにより好ましくは、Rは水素原子である。
【0028】
本発明のカチオン性アミノピリジンは、遊離の形態で、または塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、もしくはリン酸塩から好ましくは選択される鉱酸との付加塩、または有機酸との付加塩、たとえばクエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシレート、ベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの、塩の形態で存在してもよい。
【0029】
本発明のカチオン性アミノピリジンはまた、溶媒和物、たとえば水和物またはエタノールもしくはイソプロパノールなどの直鎖もしくは分岐アルコールの溶媒和物の形態にあってもよい。
【0030】
本発明との関連で、用語「本発明のカチオン性アミノピリジン」は、あらゆるメソメリー体または異性体を意味する。
【0031】
本発明のカチオン性アミノピリジンの電気的中性は、An−と示される、美容上許容される有機もしくは無機アニオンの1つまたは混合物によって確保される。
【0032】
An−は、たとえば、クロリド、ブロミド、フルオリドもしくはヨウ化物などの、ハライド;ヒドロキシド;スルフェート;硫酸水素イオン;直鎖もしくは分岐アルキル部分がC〜Cであるアルキルスルフェート、たとえばメチルスルフェートまたはエチルスルフェートイオン;カーボネートおよび炭酸水素イオン;ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩もしくはシュウ酸塩などのカルボン酸塩;直鎖もしくは分岐アルキル部分がC〜Cであるアルキルスルホネート、たとえばメチルスルホネートイオン;アリール部分、好ましくはフェニルが1つ以上のC〜Cアルキルラジカルで任意選択的に置換されているアリールスルホネート、たとえば4−トリルスルホネート;メシレートなどのアルキルスルホニルから選択されるアニオンまたはアニオンの混合物を表す。
【0033】
好ましくは、本発明のカチオン性アミノピリジンは、次の化合物から選択される:
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

【0038】
【表5】

【0039】
【表6】

【0040】
【表7】

【0041】
An−は、先と同じ意味を有する。
【0042】
本発明のカチオン性アミノピリジンは、様々な合成ルートに従って製造することができる。
【0043】
本特許出願はまた、式(II):
【化3】

(式中、Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択され、xは1または2を表す)
の化合物に関する。
【0044】
これらの化合物は、本発明によるカチオン性アミノピリジンの合成中間体としてとりわけ使用されてもよい。
【0045】
より具体的には、本特許出願はまた、式(III):
【化4】

(式中、Xは、ハロゲンを表わすか、またはRがC〜Cアルキル、好ましくはメチル、フェニルラジカルおよびメチルフェニルラジカルから選択される状態で基SOを表し、
Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択される)
の化合物から出発して、本発明によるカチオン性アミノピリジンの合成方法であって、
この順に、少なくとも次の工程:
・上に定義された基Zでの基Xの置換、
・ニトロ基の還元
を含む前記方法に関する。
【0046】
この方法は、下のスキーム:
【化5】

にまとめられる。
【0047】
例として、Rが、カチオン性ラジカルで置換されたC〜C10アルキルラジカルであって、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで割り込まれている前記アルキルラジカルを表すとき、用いられる合成方法は下記:
【化6】

であってもよい。
【0048】
置換反応は、20℃から溶媒の還流温度までの温度で1〜24時間、たとえば、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基、および1つ以上のHOAZ1Hの存在下に、アセトニトリルもしくはTHFなどの双極性溶媒中でまたはDMFもしくはNMP中で、またはエタノールなどのアルコール中で行われる。
【0049】
こうして導入されたヒドロキシル官能基は次に、20℃から溶媒の還流温度までの温度で1〜24時間、たとえば、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基の存在下に、たとえば、アセトニトリル、THFなどの溶媒中でまたはエタノールなどのアルコール中で、ハロゲン化物(たとえばハロゲン化メシルまたはトシル)で置換される。
【0050】
前工程で導入された脱離基の置換は、カチオン性ニトロ化合物を与えるため、直接カチオン性化合物を与えるためにメチルイミダゾールなどの芳香族第三級アミンとの反応によってか、15℃から溶媒の還流温度までの範囲の温度で15分〜24時間、THF、アセトニトリル、ジオキサンまたは酢酸エチルなどの溶媒中で少なくとも1当量のハロゲン化アルキルまたは硫酸メチルでアルキル化される化合物を与えるための特定の第一級または第二級アミン、たとえばN,N−ジメチルエチレンジアミンまたは2−ピペリジン−1−イルエタンアミンとの反応によってかのどちらかで行われる。
【0051】
これらの化合物のニトロ基の還元は、たとえば、Pd/C、Pd(II)/C、Ni/Raなどの存在下での不均一触媒作用下に水素化反応を行うことによって、またはあるいは金属での、たとえば亜鉛、鉄、スズなどでの還元反応を行うことによって、標準条件下に行われる(Advanced Organic Chemistry,3rd edition,J.March,1985,Wiley Interscience、およびReduction in Organic Chemistry,M.Hudlicky,1983,Ellis Horwood Series Chemical Scienceを参照されたい)。
【0052】
本特許出願はまた、一般式(I)のカチオン性アミノピリジン、その酸付加塩およびその溶媒和物:
【化7】

[式中、基Zはカチオン性であり、
は、酸素原子または基NRであり;
は、水素原子であるか、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキルラジカル、ベンジルラジカルまたはアセチルラジカルであり;
は、カチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルおよびC〜Cアルコキシもしくはヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、直鎖もしくは分岐の飽和C〜C10アルキルラジカルであり、前記カチオン性ラジカルは、直鎖もしくは分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;またはRは、C〜Cアルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和、不飽和または芳香族の5〜8員環のカチオン性複素環であり;
がNRを表すとき;
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、その環メンバーの少なくとも1つが第四級アンモニウムであり、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成してもよく、この複素環は、NおよびOから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくはNを含有する可能性があり、または
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、カチオン性ラジカルで置換された、そしてC〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環を形成してもよく;前記カチオン性ラジカルは、直鎖もしくは分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;
Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択され、
An−はアニオンまたはアニオンの混合物を表す]
のケラチン繊維、とりわけ毛髪などのヒトのケラチン繊維の染色のためのカプラーとしての使用に関する。
【0053】
本発明はまた、好適な染色媒体中に、一般式(I)のカチオン性アミノピリジン、その酸付加塩および/またはその溶媒和物:
【化8】

[式中、基Zはカチオン性であり、
は、酸素原子または基NRであり;
は、水素原子であるか、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキルラジカル、ベンジルラジカルまたはアセチルラジカルであり;
は、カチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルおよびC〜Cアルコキシもしくはヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、直鎖もしくは分岐の飽和C〜C10アルキルラジカルであるかまたはRは、C〜Cアルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された飽和、不飽和または芳香族の5〜8員環のカチオン性複素環であり;前記カチオン性ラジカルは、直鎖もしくは分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;
がNRを表すとき;
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、その環メンバーの少なくとも1つが第四級アンモニウムであり、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成してもよく、この複素環は、NおよびOから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくはNを含有する可能性があり、または
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、カチオン性ラジカルで置換された、そしてC〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環を形成してもよく;前記カチオン性ラジカルは、直鎖もしくは分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;
Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択され、
An−はアニオンまたはアニオンの混合物を表す]
を含む、とりわけ毛髪などのケラチン繊維を染色するための化粧品組成物に関する。
【0054】
好ましくは、一般式(I)のカチオン性アミノピリジンの濃度は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0055】
好適な染色媒体は、水または水と少なくとも1つの有機溶媒、たとえば、エタノールおよびイソプロパノールなどの、直鎖もしくは分岐のC〜C低級アルコール;ポリオールおよびポリオールエーテル、たとえば2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル、グリセロールおよびまた芳香族アルコール、たとえばベンジルアルコールまたはフェノキシエタノール、ならびにそれらの混合物との混合物を一般に含む。
【0056】
有利には、化粧品組成物は、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、界面活性剤、調整剤、フィルム形成剤、ポリマー、セラミド、保存剤、真珠剤または乳白剤、およびビタミンまたはプロビタミンで形成される群から選択される少なくとも1つの化粧品補助剤を含む。
【0057】
上記補助剤は、組成物の重量に対して0.01重量%〜20重量%のそれらのそれぞれについての量で一般に存在する。
【0058】
組成物はまた、少なくとも1つの酸化塩基を含む。これらの塩基は、パラ−フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ−アミノフェノール類、オルト−アミノフェノール類および複素環塩基、ならびにそれらの付加塩からとりわけ選択されてもよい。
【0059】
パラ−フェニレンジアミン類の中では、より具体的に言及されてもよい例としては、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルエンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−(エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノフェニルピロリジン、2−チエニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノトルエン、3−ヒドロキシ−1−(4’−アミノフェニル)ピロリジンおよび6−(4−アミノフェニルアミノ)ヘキサン−1−オール、ならびにそれらの酸との付加塩が挙げられる。
【0060】
上に言及されたパラ−フェニレンジアミン類の中では、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルエンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミンおよび2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、ならびにそれらの酸との付加塩が特に好ましい。
【0061】
ビス(フェニル)アルキレンジアミン類の中では、言及されてもよい例としては、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン、ならびにそれらの酸との付加塩が挙げられる。
【0062】
パラ−アミノフェノール類の中では、言及されてもよい例としては、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−2−クロロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール、4−アミノ−6[((5’−アミノ−2’−ヒドロキシ−3’−メチル)フェニル)メチル]−2−メチルフェノールおよびビス[(5’−アミノ−2’−ヒドロキシ)フェニルメタン、ならびにそれらの酸との付加塩が挙げられる。
【0063】
オルト−アミノフェノール類の中では、言及されてもよい例としては、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノールおよび5−アセトアミド−2−アミノフェノール、ならびにそれらの酸との付加塩が挙げられる。
【0064】
複素環塩基の中では、言及されてもよい例としては、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体が挙げられる。
【0065】
ピリジン誘導体の中では、たとえば、特許、GB第1 026 978号明細書およびGB第1 153 196号明細書に記載されている化合物、たとえば2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジンおよび3,4−ジアミノピリジン、ならびにそれらの酸との付加塩が言及されてもよい。
【0066】
本発明において有用であるその他のピリジン酸化塩基は、たとえば、特許出願、FR第2 801 308号明細書に記載されている3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン酸化塩基またはその付加塩である。言及されてもよい例としては、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−アセチルアミノピラゾロ−[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸;2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)メタノール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)エタノール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)エタノール;(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メタノール;3,6−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;3,4−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,7−ジアミン;7−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,5−ジアミン;5−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−オール;3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−オール;ならびにまたそれらの酸との付加塩が挙げられる。
【0067】
ピリミジン誘導体の中では、たとえば、特許、DE第2 359 399号明細書;JP1988−169571号公報;JP2005−63124号公報;EP第0 770 375号明細書または特許出願、国際公開第96/15765号パンフレットに記載されている化合物、たとえば2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジンおよび2,5,6−トリアミノピリミジン、ならびにそれらの付加塩および互変異性平衡が存在するとき、それらの互変異性体が言及されてもよい。
【0068】
言及されてもよいピラゾール誘導体の中には、特許、DE第3 843 892号明細書、DE第4 133 957号明細書ならびに特許出願、国際公開第94/08969号パンフレット、国際公開第94/08970号パンフレット、FR第A−2 733 749号明細書およびDE第195 43 988号明細書に記載されている化合物、たとえば4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−第三ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−第三ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾールおよび3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、ならびにそれらの付加塩がある。
【0069】
一般に、酸化塩基の濃度は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0070】
本発明による組成物は、一般式(I)のカチオン性アミノピリジン以外の、少なくとも1つの追加の酸化カプラーを好ましくは含有する。
【0071】
これらの酸化カプラーの中では、メタ−フェニレンジアミン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類、ナフタレンベースのカプラーおよび複素環カプラー、ならびにまたそれらの付加塩がとりわけ言及されてもよい。
【0072】
言及されてもよい例としては、2−メチル−5−アミノフェノール、5−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、6−クロロ−2−メチル−5−アミノフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン(すなわちレゾルシノール)、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、3−ウレイドアニリン、3−ウレイド−1−ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼンおよび2,6−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、ならびにそれらの付加塩が挙げられる。
【0073】
一般に、酸化カプラーの濃度は、組成物の総重量に対して0.0001%〜20重量%、好ましくは0.005%〜6重量%である。
【0074】
一般に、酸化塩基およびカプラー用に使用されてもよい酸との付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシレート、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩および酢酸塩からとりわけ選択される。
【0075】
本発明に従った染料組成物はまた、中性、酸性またはカチオン性ニトロベンゼン染料、中性、酸性またはカチオン性アゾ直接染料、中性、酸性またはカチオン性キノン、特にアントラキノン直接染料、アジン直接染料、メチン、アゾメチン、トリアリールメタンまたはインドアミン直接染料および中性直接染料からとりわけ選択されてもよい、1つ以上の直接染料を含有してもよい。好ましくは、本発明による組成物は、カチオン性直接染料および中性直接染料から選択される少なくとも1つの染料を含む。
【0076】
本発明により使用されてもよいカチオン性直接染料の中では、特許出願、国際公開第95/15144号パンフレット、国際公開第95/01772号パンフレットおよびEP第714 954号明細書に記載されているカチオン性アゾ直接染料について言及されてもよい。
【0077】
これらの化合物の中では、次の染料:
− 1,3−ジメチル−2−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
− 1,3−ジメチル−2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
− 1−メチル−4−[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]ピリジニウムメチルスルフェート
について最も特に言及されてもよい。
【0078】
本発明により使用されてもよい中性直接染料の中では、ラウソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシンおよびアピゲニジンについて言及されてもよい。これらの中性染料を含有する抽出物または煎剤およびとりわけヘナベースの湿布剤または抽出物がまた使用されてもよい。
【0079】
直接染料は好ましくは、組成物の総重量に対して約0.001重量%〜20重量%、さらにより優先的には約0.005重量%〜10重量%を示す。
【0080】
言うまでもなく、当業者は、本発明に従った酸化染料組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けないように、または実質的に悪影響を受けないように、よく注意して補助剤、追加の酸染料前駆体および直接染料を選択するであろう。
【0081】
本発明に従った染料組成物のpHは一般に、約3〜12、好ましくは約5〜11である。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用される酸性化剤または塩基性化剤を用いて、または代わりに標準緩衝剤システムを使用して、所望の値に調整されてもよい。
【0082】
酸性化剤の中では、言及されてもよい例としては、鉱酸もしくはカルボン酸以外の有機酸、たとえば塩酸、オルトリン酸、硫酸、酢酸、酒石酸、クエン酸および乳酸などのカルボン酸、ならびにスルホン酸が挙げられる。
【0083】
塩基性化剤の中では、言及されてもよい例としては、水性アンモニア、アルカリ金属炭酸塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ならびにまたそれらの誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび式:
【化9】

(式中、Wは、ヒドロキシル基またはC〜Cアルキルラジカルで任意選択的に置換されたプロピレン残基であり;R、R、RおよびRは同一であっても異なってもよく、水素原子を表わすか、またはC〜CアルキルもしくはC〜Cヒドロキシアルキルラジカルを表す)
の化合物が挙げられる。
【0084】
本発明による化粧品組成物は、液体、クリームもしくはゲルの形態に、またはケラチン繊維、とりわけヒトの毛髪を染色するために好適であるあらゆるその他の形態になどの、様々な形態にあってもよい。
【0085】
本特許出願は、先に定義されたような本発明による組成物が、酸化剤の存在下に所望の着色を発現するのに十分な時間ケラチン繊維に適用される方法であって、酸化剤が組成物の前に、組成物と同時に、または組成物の後に適用される方法に関する。
【0086】
色は、酸性、中性もしくはアルカリ性pHで現れるようにされてもよく、酸化剤は、使用時の直前に本発明の組成物に添加されてもよく、または酸化剤は、酸化剤を含有する酸化性組成物を始めとして使用されてもよく、酸化性組成物は、本発明の組成物と同時にもしくは本発明の組成物の次に適用される。
【0087】
特定の一実施形態によれば、本発明による組成物は、好適な染色媒体中に、少なくとも1つの酸化剤を含有する組成物と、好ましくは使用時に、混合され、この酸化剤は、着色を発現するのに十分な量で存在する。
【0088】
この特定の実施形態によれば、本発明による組成物と、過酸化水素、ウレアペルオキシド、アルカリ金属臭素酸塩、過ホウ酸塩および過硫酸塩などの過酸塩、過酸ならびにオキシダーゼ酵素から好ましくは選択される少なくとも1つの酸化剤を含む酸化性組成物との混合物である、すぐに使用できる組成物が提供され、オキシダーゼ酵素の中では、ペルオキシダーゼ、ウリカーゼなどの2−電子酸化還元酵素、および4−電子オキシゲナーゼ、たとえばラッカーゼについて言及されてもよい。過酸化水素が特に好ましい。得られた混合物は次に、所望の着色を発現するのに十分な時間、ケラチン繊維に適用される。約3〜50分、好ましくは約5〜30分の付けたままにした時間の後に、ケラチン繊維はリンスされ、シャンプーで洗浄され、再びリンスされ、次に乾燥される。
【0089】
酸化性組成物はまた、毛髪染料組成物中に通常使用される、先に定義されたような様々な補助剤を含有してもよい。
【0090】
酸化剤を含有する酸化性生成物のpHは、染料組成物と混合した後に、ケラチン繊維に適用される生じた組成物のpHが好ましくは約3〜12、さらにより優先的には5〜11の範囲であるようなものである。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用されるおよび先に定義されたような酸性化剤または塩基性化剤を用いて所望の値に調整されてもよい。
【0091】
ケラチン繊維に最終的に適用される、すぐに使用できる組成物は、液体、クリームもしくはゲルの形態に、またはケラチン繊維、とりわけヒトの毛髪を染色するために好適であるあらゆるその他の形態になどの、様々な形態にあってもよい。
【0092】
本特許出願の主題はまた、ケラチン繊維の染色方法であって、すぐに使用できる組成物が所望の着色を発現するのに十分な時間前記繊維に適用される方法である。
【0093】
所望の着色を発現させるのに十分な時間は一般に、約3〜50分、好ましくは約5〜30分の付けっぱなし時間に相当する。
【0094】
本発明の主題はまた、第1区画が上に定義されたような染料組成物を含有し、第2区画が酸化剤を含有する、多区画染色デバイスまたは「キット」である。このデバイスは、本出願人の名義の特許、FR第2 586 913号明細書に記載されているデバイスなどの、所望の混合物を毛髪上に分配するための手段を備えていてもよい。
【0095】
このデバイスを用いると、本発明に従った染料組成物と先に定義されたような酸化剤とを混合すること、および所望の着色を発現するのに十分な時間、得られた混合物をケラチン繊維上に適用することを含む方法を用いてケラチン繊維を染色することが可能である。
【0096】
次に続く実施例は、本発明を例示するのに役立つが、事実上限定しない。
【実施例】
【0097】
合成の実施例:
実施例1: 2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド二塩酸塩(化合物1)の合成
【化10】

【0098】
N’−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミンの合成
【化11】

30mlのエタノールおよび10.15g(0.05モル)の2−クロロ−3,5−ジニトロピリジンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた50mlの3口丸底フラスコに入れる。媒体を40℃にし、8.8g(0.1モル)のN,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミンを5分にわたって滴下漏斗によって滴加し、混合物を1時間撹拌する。
【0099】
反応媒体を冷却した後、それを、撹拌しながら、氷と水との混合物に注ぎ込む。
【0100】
形成した黄色固体を、焼結漏斗上での濾過によって単離し、水で洗浄し、一定重量まで、乾燥剤の存在下に30℃で真空下に乾燥させる。10.5g(82.5%の収率)の予期された化合物がこうして黄色固体の形態で得られる。
【0101】
質量分析法による分析は、予期された化合物を確認する:予期された分子C13の擬分子イオン[M+H]および[M+Na]が主として検出される。
【0102】
2−[(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムメチルスルフェート
【化12】

50mlの酢酸エチルおよび6.38g(25ミリモル)のN’−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた100mlの3口丸底フラスコに入れる。3.15g(25ミリモル)の硫酸ジメチルを次にこの溶液に注ぎ込み、混合物を1時間撹拌する。
【0103】
形成した黄色固体を濾取し、吸引により乾燥させ、酢酸エチルで洗浄し、次に、一定質量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。7g(73%収率)の予期された化合物がこうして黄色固体の形態で得られる。
【0104】
質量分析法による分析は、予期された化合物を確認し;予期されたカチオン[C1016がm/z、ESP=270に主として検出される。
【0105】
2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド二塩酸塩の合成
【化13】

300mlのエタノール、20mlの水、24g(62.95ミリモル)の2−[(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムメチルスルフェートおよび52ml(503ミリモル)のシクロヘキセンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器およびバブラーを備えた1Lの3口丸底フラスコに入れる。媒体を50℃にし、12gのパラジウム/チャーコールを少しずつ加え、混合物を2時間還流させる。
【0106】
アルゴン下に冷却した後、反応媒体を、Celiteを充填した焼結漏斗上で、0℃での200mlの6.0N塩酸2−プロパノールを含有する真空フラスコ上へアルゴンの流れ下に濾過する。
【0107】
予期された化合物は、撹拌しながら真空フラスコ中で結晶化する。固体を濾取し、アルゴン下に焼結漏斗上で吸引により素早く乾燥させ、最小量の冷iPrOHで、次に3×100mlのiPrOでリンスする。化合物を、一定重量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。17.5g(87.4%収率)の予期された化合物がこうしてベージュ着色の固体の形態で得られる。
【0108】
NMR(H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO−d)ならびに質量分析法による分析は、予期された構造と一致する。
【0109】
実施例2: 2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド二塩酸塩の合成
【化14】

【0110】
N−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミンの合成
【化15】

50mlのエタノールおよび12.30g(60.43ミリモル)の2−クロロ−3,5−ジニトロピリジンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた250mlの3口丸底フラスコに入れる。媒体を40℃にし、9.26ml(72.52ミリモル)のN,N,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミンを、5分にわたって、滴下漏斗によって滴加し、混合物を65℃に1時間維持する。
【0111】
反応媒体を冷却した後、それを、撹拌しながら、氷と水との200gの混合物に注ぎ込む。
【0112】
形成した黄色固体を、焼結漏斗上での濾過によって単離し、水で洗浄し、一定重量まで、乾燥剤の存在下に30℃で真空下に乾燥させる。予期された化合物に相当する10.7g(62%の収率)の黄色固体がこうして単離される。
【0113】
質量分析法による分析は、予期された化合物を確認する:予期された分子C1015の擬分子イオン[M+H]および[M+Na]が主として検出される。
【0114】
2−[(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムメチルスルフェート
【化16】

300mlの酢酸エチルおよび15.80g(60ミリモル)のN−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた500mlの3口丸底フラスコに入れる。
【0115】
12g(120ミリモル)の硫酸ジメチルをこの溶液に滴加し、混合物を1時間還流で撹拌する。
【0116】
冷却後に、形成した黄色固体を焼結漏斗上で濾取し、吸引により乾燥させ、酢酸エチルで洗浄し、次に、一定質量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。22.3g(94%収率)の予期された化合物がこうして黄色固体の形態で得られる。
【0117】
質量分析法による分析は、予期された化合物を確認し;予期されたカチオン[C1118がm/z、ESP=284に主として検出される。
【0118】
2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド二塩酸塩の合成
【化17】

300mlのエタノール、5mlの水、20g(50.60ミリモル)の2−[(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムメチルスルフェートおよび104mlのシクロヘキセンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器およびバブラーを備えた1Lの3口丸底フラスコに入れる。
【0119】
媒体を50℃にし、5gのパラジウム/チャーコールを少しずつ加え、混合物を2時間還流させる。
【0120】
アルゴン下に冷却した後、反応媒体を、Celiteを充填した焼結漏斗上で、0℃での250mlの6.0N塩酸2−プロパノールを含有する真空フラスコ上へアルゴンの流れ下に濾過する。
【0121】
撹拌しながらフラスコ中で結晶化する、予期された化合物を濾取し、アルゴン下に焼結漏斗上で吸引により素早く乾燥させ、最小量の冷iPrOHで、次に3×100mlのiPrOでリンスする。化合物を、一定重量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。12.1g(81%収率)の予期された化合物がこうしてベージュ着色の固体の形態で単離される。
【0122】
NMR(H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO−d)ならびに質量分析法による分析は、予期された構造と一致する。
【0123】
実施例3: 4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムクロリド二塩酸塩の合成
【化18】

【0124】
1−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−4−メチルピペラジンの合成
【化19】

40mlのエタノールおよび5g(24.57ミリモル)の2−クロロ−3,5−ジニトロピリジンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた250mlの3口丸底フラスコに入れる。媒体を40℃にし、6.15ml(49.13ミリモル)のメチルピペラジンを、5分にわたって、滴下漏斗によって滴加し、混合物を1時間還流させ、次に室温で一晩撹拌する。
【0125】
黄色固体が媒体から結晶化する。それを焼結漏斗上で濾過により単離し、水で洗浄し、一定重量まで、乾燥剤の存在下に30℃で真空下に乾燥させる。5.7g(88%の収率)の予期された化合物がこうして黄色固体の形態で単離される。
【0126】
質量分析法による分析は、予期された化合物を確認する:予期された分子C1013の擬分子イオン[M+H]および[M+Na]が主として検出される。
【0127】
4−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムメチルスルフェートの合成
【化20】

100mlのTHFおよび5.5g(20ミリモル)の1−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−4−メチルピペラジンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた200mlの3口丸底フラスコに入れる。
【0128】
4.19g(40ミリモル)の硫酸ジメチルをこの溶液に滴加し、混合物を1時間還流で撹拌する。
【0129】
形成した黄色固体を焼結漏斗上で濾取し、吸引により乾燥させ、THFで洗浄し、次に、一定質量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。7.4g(収率94%)の予期された化合物がこうして黄色固体の形態で単離される。
【0130】
質量分析法による分析は、予期された化合物の構造を確認する。予期されたカチオン[C1516が主として検出される。
【0131】
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化21】

50mlのエタノール、1mlの水、20g(50.60ミリモル)の4−(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムメチルスルフェートおよび36.56mlのシクロヘキセンを引き続いて、撹拌しながら、温度計、冷却器およびバブラーを備えた250mlの3口丸底フラスコに入れる。
【0132】
媒体を50℃にし、3.5gのパラジウム/チャーコールを少しずつ加え、混合物を次に24時間還流させる。
【0133】
反応媒体を、Celiteを充填した焼結漏斗上で、0℃での250mlの6.0N塩酸2−プロパノールを含有する真空フラスコ上へアルゴンの流れ下に濾過する。
【0134】
予期された化合物は、撹拌しながらフラスコ中で結晶化し;それを焼結漏斗上で濾取し、アルゴン下に吸引により素早く乾燥させ、最小量の冷iPrOHで、次に3×100mlのiPrOでリンスする。固体を次に、一定重量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。4.6g(88%収率)の予期された化合物がこうしてベージュ着色の固体の形態で単離される。
【0135】
NMR(H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO−d)ならびに質量分析法による分析は、予期された構造と一致する。
【0136】
予期されたされるカチオン[C1120が主として検出される。
【0137】
実施例4: 1−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−1−メチルピペリジニウムクロリド二塩酸塩の合成
【化22】

【0138】
3,5−ジニトロ−N−(2−ピペリジン−1−イルエチル)ピリジン−2−アミンの合成
【化23】

800mlのエタノールおよび10.17g(50ミリモル)の2−クロロ−3,5−ジニトロピリジンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた250mlの3口丸底フラスコに入れる。この媒体を40℃にし、7mlの2−アミノエチルピペリジンを、5分にわたって、滴下漏斗によって滴加し、混合物を次に1時間撹拌する。
【0139】
不均一になった媒体を次に、500gの氷上へ注ぐ。黄色固体がより豊富に沈澱し;それを焼結漏斗上での濾過により単離し、水で洗浄し、一定重量まで、乾燥剤の存在下に30℃で真空下に乾燥させる。11.5g(78%収率)の予期された化合物がこうして黄色固体の形態で単離される。
【0140】
質量分析法による分析は、予期された化合物を確認する:予期された分子C1217の擬分子イオン[M+H]および[M+Na]が主として検出される。
【0141】
1−{2−[(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−1−メチルピペリジニウムメチルスルフェートの合成
【化24】

50mlの酢酸エチルおよび6.16g(20ミリモル)の3,5−ジニトロ−N−(2−ピペリジン−1−イルエチル)ピリジン−2−アミンを引き続いて、磁気撹拌しながら、温度計、冷却器、バブラーおよび滴下漏斗を備えた200mlの3口丸底フラスコに入れる。
【0142】
2.52g(20ミリモル)の硫酸ジメチルを滴加し、混合物を1時間撹拌する。
【0143】
形成した黄色固体を焼結漏斗上で濾取し、吸引により乾燥させ、酢酸エチルで洗浄し、次に、一定質量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。7.6g(90%収率)の予期された化合物がこうして黄色固体の形態で単離される。
【0144】
質量分析法による分析は、予期された化合物の構造を確認する。予期されたカチオン[C1320が主として検出される。
【0145】
1−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−1−メチルピペリジニウムクロリド二塩酸塩の合成
【化25】

150mlのエタノール、5mlの水、6g(14.2ミリモル)の1−{2−[(3,5−ジニトロピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−1−メチルピペリジニウムメチルスルフェートおよび1.2gのパラジウム/チャーコールを引き続いて、300mlの水素化オートクレーブに入れる。
【0146】
媒体を窒素で、次に水素でパージした後、反応を75℃の発熱とともに8バールの水素圧下に行う。
【0147】
冷却および水素でのパージング後に、触媒を窒素下に除去し、溶液を窒素下に100mlの6N塩酸イソプロパノールに注ぎ込む。
【0148】
冷条件下にゆっくりと結晶化したベージュ着色の固体を、アルゴン下に焼結漏斗上で吸引により素早く乾燥させ、最小量の冷iPrOHで、次に3×100mlのiPrOでリンスする。得られた固体を、一定重量まで、乾燥剤の存在下に50℃で真空下に乾燥させる。4.8g(94%収率)の予期された化合物がこうしてベージュ着色の固体の形態で単離される。
【0149】
NMR(H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO−d)ならびに質量分析法による分析は、予期された構造と一致する。
【0150】
予期されるカチオン[C1324が主として検出される。
【0151】
実施例5: 1−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−N,N,N−トリメチルピロリジン−3−アンモニウムクロリド塩酸塩の合成
【化26】

本方法は、アミンがN−ジメチルピロリジン−3−アミンであって、実施例4に記載されるものと同一である。
【0152】
ベージュ着色の1−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−N,N,N−トリメチルピロリジン−3−アンモニウムクロリド塩酸塩が65%の収率で得られる。
【0153】
NMR(H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO−d)ならびに質量分析法による分析は、予期された構造と一致する。
【0154】
予期されたカチオン[C1222が主として検出される。
【0155】
実施例6: 1−{3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]プロピル}−3−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−3−イウムクロリド二塩酸塩の合成
【化27】

本方法は、3−アミノプロピルイミダゾールを使用する置換およびクロロエタノールを使用するカチオン化、引き続きオートクレーブでの接触還元を使って、実施例4のそれと同一の方法で行う。
【0156】
NMR(H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO−d)ならびに質量分析法による分析は、予期された構造と一致する。
【0157】
予期されるカチオン[C1321O]が主として検出される。
【0158】
染色の実施例
次の染料組成物を調製する:
【0159】
【表8】

【0160】
【表9】

【0161】
【表10】

【0162】
【表11】

【0163】
【表12】

【0164】
使用時に、各組成物を、等重量の20−ボリューム水性過酸化水素溶液(6重量%)と混合する。9.5の最終pHが得られる。
【0165】
得られた各混合物を、90%の白髪を含有する白髪交じりの髪房に適用する。30分の付けっぱなし時間の後に、髪房をリンスし、標準シャンプーで洗浄し、再びリンスし、次に乾燥させて言及される色合いを与える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・一般式(I’)の化合物、それらの酸付加塩およびそれらの溶媒和物:
【化1】

[式中、基Zはカチオン性であり、
は、酸素原子または基NRであり;
は、水素原子または直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキルラジカル、ベンジルラジカルもしくはアセチルラジカルであり;
は、カチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルおよびC〜Cアルコキシもしくはヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、直鎖もしくは分岐の飽和C〜C10アルキルラジカルであり、前記カチオン性ラジカルは、直鎖、分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;またはRは、C〜Cアルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和、不飽和または芳香族の5〜8員環のカチオン性複素環であり;
がNRを表すとき;
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成してもよく、この複素環は、NおよびOから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくはNを含有する可能性があり、または
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、カチオン性ラジカルで置換された、そしてC〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環を形成してもよく;前記カチオン性ラジカルは、直鎖、分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;
Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択され、
An−はアニオンまたはアニオンの混合物を表す]
・以下の化合物、それらの酸付加塩およびそれらの溶媒和物:
1−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−N,N,N−トリメチルピロリジン−3−アンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピペラジン−1−イウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1,1−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−トリメチルエタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−トリメチルメタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−メチルジエチルエタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−メチルジエチルメタン)モルホリンアンモニウム、
4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)モルホリン}−2−1,1−ジメチルピロリジニウム、
(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−3−トリメチルピペリジンアンモニウム、
(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−4−トリメチルピペリジンアンモニウム
から選択されるカチオン性アミノピリジン。
【請求項2】
前記カチオン性ラジカルが、N,N−ジメチルピペラジニウムまたは直鎖もしくは分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み、この第四級アンモニウムがタイプ−NRaRbRcのものであり、同一であっても異なってもよいRa、RbおよびRcがヒドロキシルで置換されていてもよいC〜Cアルキルラジカルを表し、RaおよびRbが、それらが結合している窒素原子と一緒に、飽和もしくは不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成する可能性があり、前記ラジカルRcが、それが存在するとき、ヒドロキシルで置換されていてもよいC〜Cアルキルラジカルである、請求項1に記載のカチオン性アミノピリジン。
【請求項3】
前記第四級アンモニウムが、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジエチルプロピルアンモニウム、ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム、ジ−β−ヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリ−β−ヒドロキシエチルアンモニウム、N−メチルピペリジニウム、N−メチルピロリジニウム、N−メチルモルホリニウム、イミダゾリウム、ヒドロキシエチルイミダゾリウム、メチルイミダゾリウムおよびN−メチルピペラジニウムラジカルから選択される、請求項2に記載のカチオン性アミノピリジン。
【請求項4】
が、請求項1〜3のいずれか一項に定義されるカチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルラジカルで任意選択的に置換されたC〜Cアルキルラジカルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカチオン性アミノピリジン。
【請求項5】
が、酸素原子であるか、またはRが水素および直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキルラジカルから選択される状態でNRであり、Rが、酸素原子でまたは基NHで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルラジカルで任意選択的に置換された、そしてトリメチルアンモニウムおよびイミダゾリウムラジカルから選択されるカチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、飽和の直鎖C〜Cアルキルラジカルを表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカチオン性アミノピリジン。
【請求項6】
が基NRであり、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒に、C〜C10アルキルおよびC〜C10ヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカチオン性アミノピリジン。
【請求項7】
が基NRであり、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒に、請求項1〜6のいずれか一項に定義されるカチオン性ラジカルで置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環を形成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカチオン性アミノピリジン。
【請求項8】
次の化合物:2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウム、2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウム、1−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−1−メチルピペリジニウム、1−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−N,N,N−トリメチルピロリジン−3−アンモニウム、1−{3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]プロピル}−3−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−3−イウム、1−{3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]プロピル}−1−メチルピペリジニウム、1−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−1−メチルピロリジニウム、1−{3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]プロピル}−1−メチルピロリジニウム、1−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム、4−{3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]プロピル}−4−メチルモルホリン−4−イウム、4−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−4−メチルモルホリン−4−イウム、1−[2−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]−1−メチルピペリジニウム、1−[2−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]−1−メチルピロリジニウム、1−[2−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム、4−[2−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]−4−メチルモルホリン−4−イウム、2−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウム、3−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウム、2−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エトキシ}−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウム、3−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エトキシ}−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウム、1−(2−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エトキシ}エチル)−1−メチルピペリジニウム、1−(2−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エトキシ}エチル)−1−メチルピロリジニウム、1−{3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]プロピル}−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム、1−[3−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)プロピル]−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム、4−[3−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)プロピル]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウム、1−(3−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エトキシ}プロピル)−1−メチルピペリジニウム、4−[3−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)プロピル]−4−メチルモルホリン−4−イウム、1−[3({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)プロピル]−1−メチルピロリジニウム、3−({2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}アミノ)−N−エチル−N−メチル−N−プロピルプロパン−1−アンモニウム、3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウム、3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウム、3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウム、1−{2−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)アミノ]エチル}−3−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−3−イウム、4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピペラジン−1−イウム、4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−1,1−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イウム、4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−トリメチルエタン)モルホリンアンモニウム、4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−メチルジエチルエタン)モルホリンアンモニウム、4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−2−モルホリン−1,1−ジメチルピロリジニウム、(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−3−トリメチルピペリジンアンモニウム、(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)−4−トリメチルピペリジンアンモニウム、4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−トリメチルメタン)モルホリンアンモニウム、4−(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)(2−メチルジエチルメタン)モルホリンアンモニウムから選択されるようなものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカチオン性アミノピリジン。
【請求項9】
式(III):
【化2】

(式中、Xは、ハロゲンを表わすか、またはRがC〜Cアルキル、フェニルラジカルおよびメチルフェニルラジカルから選択される状態で基SOを表し、
Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択される)
の化合物から出発する一般式(I’)のカチオン性アミノピリジンの合成方法であって、この順に、少なくとも次の工程:
・ 請求項1に定義される基Zでの基Xの置換、
・ ニトロ基の還元
を含む方法。
【請求項10】
式(II):
【化3】

(式中、Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択され、
xは1または2を表す)
の化合物。
【請求項11】
一般式(I)のカチオン性アミノピリジン、その酸付加塩およびその溶媒和物:
【化4】

[式中、基Zはカチオン性であり、
は、酸素原子または基NRであり;
は、水素原子であるか、または直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキルラジカル、ベンジルラジカルもしくはアセチルラジカルであり;
は、カチオン性ラジカルで置換されたまたは割り込まれた、1個以上の酸素原子でおよび/または1つ以上の基NRで任意選択的に割り込まれた、ヒドロキシルおよびC〜Cアルコキシもしくはヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、直鎖もしくは分岐の飽和C〜C10アルキルラジカルであり、前記カチオン性ラジカルは、直鎖、分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;またはRは、C〜Cアルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和、不飽和または芳香族の5〜8員環のカチオン性複素環であり;
がNRを表すとき;
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、その環メンバーの少なくとも1つが第四級アンモニウムであり、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環のカチオン性複素環を形成してもよく、この複素環は、NおよびOから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくはNを含有する可能性があり、または
・RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、カチオン性ラジカルで置換された、そしてC〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、チオ、(C〜C)アルキルチオ、カルボキシル、(C〜C)アルキルカルボニル、スルホニル、アミドおよびC〜Cヒドロキシアルキルラジカルから選択される1つ以上のラジカルで任意選択的に置換された、飽和もしくは不飽和の5〜8員環の非カチオン性複素環を形成してもよく;前記カチオン性ラジカルは、直鎖、分岐もしくは環状の飽和もしくは不飽和ラジカルであって第四級アンモニウムを含み;
Rは、水素原子と、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンと、直鎖もしくは分岐のC〜Cアルキル、カルボキシル(−COOH)および(C〜C)アルコキシカルボニルラジカルとから選択され、
An−はアニオンまたはアニオンの混合物を表す]
のケラチン繊維、とりわけ毛髪などのヒトのケラチン繊維の染色のためのカプラーとしての、使用。
【請求項12】
好適な染色媒体中に、
− 請求項1〜8または請求項11のいずれか一項に定義される少なくとも1つのカチオン性アミノピリジンと、
− 過酸化水素、ウレアペルオキシド、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩、過酸およびオキシダーゼ酵素から選択される少なくとも1つの酸化剤と
を含むすぐに使用できる化粧品染料組成物。
【請求項13】
好適な染色媒体中に、請求項1〜8または請求項11のいずれか一項に定義される少なくとも1つのカチオン性アミノピリジンを含む化粧品染料組成物が、酸化剤の存在下に所望の着色を発現するのに十分な時間、前記繊維に適用され、前記酸化剤が前記組成物の前に、それと同時にまたはそれの後に適用されることを特徴とする、ケラチン繊維の染色方法。
【請求項14】
多区画デバイス、請求項13に定義されるようにケラチン繊維を染色するための化粧品組成物を含有する第1区画、および酸化剤を含有する第2区画。

【公表番号】特表2013−512936(P2013−512936A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542464(P2012−542464)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068801
【国際公開番号】WO2011/069898
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】