説明

新規キノリニウム塩及び誘導体

本発明は、一般には、新規のキノリニウム塩及び誘導体化合物の合成に関する。そのような塩及び化合物は、癌細胞の増殖を抑制するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、新規の塩及び誘導体化合物の合成に関する。そのような塩及び化合物は、癌細胞の増殖を抑制し得る。特には、本発明は、新規キノリニウム塩及び新規キノリニウム誘導体化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの特許は、1−アルキル−2−(2−置換−ビニル)キノリニウム塩の製造を提供し、その物理的特性及び使用を与える。ブルッカー(Brooker)は、(1−メチル−2−キノリン)−1−ラウラル(laural)−2,5−ジメチル−3−ピロール)ジメチンシアニンp−トルエンスルホネートの製造及び写真薬剤としての使用を記載する1。追加の2−ビニルキノリニウムが写真薬剤として記載されており、6−ジメチルアミノ−1−メチル−2−[(1−フェニル−4−ピラゾイル)ビニル]キノリニウムヨウ化物、6−ジメチルアミノ−1−メチル−2−[3,5−ジメチル−1−フェニル−4−ピラゾイル]ビニル] キノリニウムヨウ化物、及び1−エチル−2−[(3,5−ジメチル−1−フェニル−4−ピラゾイル)ビニル]−6−ニトロキノリニウムヨウ化物2及び1−メチル−2−2’−3’’ピリジルビニルキノリニウムヨウ化物3が含まれる。いくつかのそのような化合物は、寄生虫侵入に反して有効であるとして記載され、表1において挙げられる4
表1:キノリニウム抗線虫剤化合物
【0003】

【0004】



【0005】
化学文献は、また、1−アルキル−2−(2−アリール(ary)又は2−ヘテロアリール置換−ビニル)キノリニウム塩の製造、及びそれらの物理的及びスペクトル特性に言及する。例えば、ウィジンガー(Wizinger)は、オレンジニードルとしてのN−メチル−2−[2−[2−ヒドロキシナフチル−1−イル]ビニル]キノリニウムペルクロレート(mp266℃)の製造及び塩基でのその色彩変化についての報告をした5
ルゴウキン(Lugowkin)は、1−メチル−2−[(E)−2−(1,3,7−トリメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−ビニル]−キノリニウム及び1−エチル−2−[(E)−2−(1,3,7−トリメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−ビニル]−キノリニウムヨウ化物を、キノリニウム及びカフェニン(caffenine)−8−アルデヒド(無水酢酸中)から製造し及び色素の物理的特性を報告した6
ルゴウキンは、また、1−メチル−2−[(E)−2−(1,3,9−トリメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−ビニル]−キノリニウム及び1−エチル−2−[(E)−2−(1,3,9−トリメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−ビニル]−キノリニウムヨウ化物を、キノリニウム及びイソカフェニン(isocaffenine)−8−アルデヒド(無水酢酸中)から製造し及び新規化合物の物理的特性を報告した7
【0006】
ズムロバ(Zhmurova)は、2−[(E)−2−(フェニル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(4−メチル−フェニル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(4−アミノ−フェニル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(4−(ジメチルアミノ)−フェニル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムペルクロレート及び2−[(E)−2−(4−(トリフェニルホスホラニリデン−フェニル)−ビニル)−1−エチル−キノリニウムペルクロレートの製造、物理的特性及び色素吸収極大を報告した8
ピリウジン(Pilyugin)は、2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ビニル]−1−フェニル−キノリニウムペルクロレート、1−デシル−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ビニル]−キノリニウムペルクロレート、1−デシル−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ビニル]−6−メトキシ−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−フェニル)−ビニル]−1−フェニル−キノリニウムペルクロレート、1−デシル−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−フェニル)−ビニル]−キノリニウムペルクロレート、1−デシル−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−フェニル)−ビニル]−6−メトキシ−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)−ビニル]−1−フェニル−キノリニウムペルクロレート、1−デシル−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)−ビニル]−キノリニウムペルクロレート及び1−デシル−2−[(E)−2−(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)−ビニル]−6−メトキシ−キノリニウムペルクロレートの色素酸塩及び遊離塩基の製造、物理的特性及び吸収スペクトルを報告した9
【0007】
ステパノブ(Stepanov)は、2−[(E)−2−(2,3−ジメチル−インドリジン−1−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムペルクロレート、2−[(E)−2−(2,3−ジメチル−インドリジン−1−イル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムペルクロレート、及び2−[(E)−2−(2,3−ジメチル−インドリジン−3−イル)ビニル]−1−メチル−キノリニウムペルクロレートのための製造及びUVスペクトルを報告した10
ケーンヤック(Chernyuk)は、2−(トリフェニルホスホニウム)メチル−1−メチルキノリニウムジペルクロレートの使用による2−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ビニル]−1−メチルキノリニウムペルクロレートの製造を報告した11。ブットゲレイト(Buttgereit)及びスチーブ(Scheibe)は、2−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ビニル]−1−メチルキノリニウムペルクロレートのピロリジンとの反応上のスペクトル移動について報告した12
マルトセバ(Mal'tseva)は、2−[(E)−2−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムペルクロレート及び2−[(E)−2−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムペルクロレートの製造、mp元素分析、及びスペクトル吸収極大を報告した13
ロート(Rout)は、ピラゾロンキノリンジメチン色素の光学特性を報告し及び測定した14
ボイヤー(Boyer)は、溶液及びAgBrペレットにおけるシアニン及びメロシアニン色素のスペクトル移動を報告した15
【0008】
オスマン(Osman)は、2−((E)−2−ベンゾオキサゾール−2−イル−ビニル)−1−エチル−キノリニウムヨウ化物及び2−((E)−3−エチル−2−ベンゾオキサゾリウム−2−イル−ビニル)−1−エチル−キノリニウム二ヨウ化物の製造及び吸収スペクトルを報告した16。ワインライト(Wainright)は、水素、メトキシ、アミノ及びヘキシルアミドでキノリン6位において置換された2−(4−ジメチルアミノストリール(dimethylaminostryrl))−1−メチルキノリニウムの弱い抗菌性を報告した17。マリナ(Malina)は、6−(アミノカルボキニルオキシ)−2−(2−(8−ヒドロキシ−5−メチルキノリン−7−イル)ビニル)−1−メチルキノリニウム(NSC 86372)が、真核生物の翻訳システムにおいて、タンパク質の合成を抑制することを報告した。
ピルビニウムは、上で議論されたものと同様の構造を有する化合物である。特には、それは、以下の構造を有する:
【0009】
【化1】

【0010】
それは、抗腫瘍活性を有することが示されている。より具体的には、そのパモ酸塩は、エスミ(Esumi)により、グルコース飢餓の間、種々の癌細胞株のための選択的毒性を有することが示されている18。更に、パモ酸ピルビニウムは、水中の2%DMSOにおけるサスペンションとして、膵臓癌を有するヌードマウスに経口で投与された。いくらか有効だが、この配合物は、制限された溶解性のために、100及び200ug/マウスで同一の結果を得る反応の飽和を示した。
より広い意味において、ピルビニウムの現在の形態は、癌の治療のために最適条件ではない。例えば、ピルビニウム塩化物は、極めて苦い味を有する19。更に、ヨウ化物形態は、好ましい医薬塩ではなく及び症状、例えば、皮膚発疹及び頭痛及び毒性さえもたらし得る20。ピルビニウムの更なる不適切な塩形態としてメタンスルフェート21及びフェノールフタレイン22が挙げられる。硫酸メチルナトリウムは、突然変異誘発物質であることが報告されている23。フェノールフタレインは、カリフォルニアにより発癌物質として記載される24
最終的に、上に議論されるように、パモ酸形態の制限された溶解性は、投与量制限効果を与える。従って、ピルビニウム及び新規ピルビニウム誘導体化合物のより良好な塩形態を開発する必要がある。
別のキノリニウム誘導体化合物、キナルジンレッド(下に描写される)は、抗癌活性を有するとされている。より具体的には、それは、形質転換細胞増殖の抑制剤として報告されている25
クナルジンレッド
【0011】
【化2】

【0012】
従って、さらに抗腫瘍活性をも有する追加の新規キノリニウム誘導体化合物を製造する必要がある。本発明は、これらの必要性を満足させ及びその上関連した利点を提供する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、抗腫瘍活性を有することが知られる化合物ピルビニウムの新規の塩形態を提供する。第一態様に従って、本発明は、改良された水溶解性を有する化合物の塩形態を提供する。別の態様に従って、本発明は、抗腫瘍活性を有する酸性化合物を組み込む(incorporate)化合物の形態を提供する。その上更なる態様において、本発明は、経口投与のために有用である、酸イオン交換ポリマーを有するピルビニウムの形態を提供する。追加の態様において、本発明の化合物は、別の化学療法薬と組み合わされる。
【0014】
本発明は、更に、以下の式を有する新規キノリニウム化合物誘導体を提供する:
【化3】

(変数の意味は以下に記載される)。
【0015】
本発明は、更に、以下の式を有する新規キノリニウム化合物誘導体を提供する:
【化4】

(変数の意味は以下に記載される)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、6−(ジメチルアミノ)−2−[2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)エテニル]−1−メチル−キノリニウムの化学名及び以下の構造を有する化合物ピルビニウムの新規の塩に関する:
【0017】
【化5】

【0018】
より具体的には、本発明は、その水溶性を改良するこの化合物の塩を提供する。従って、ピルビニウムの塩形態は、以下のものを含む:アセテート、トリフルオロアセテート、カーボネート、ビカーボネート、ベンゾエート、サリチレート、グルクロネート、ラクテート、タートレート、ムケート、グルコネート、スクシネート、グルタメート、アスパルテート、マレエート、シトレート、グルタレート、ホスフェート、スルフェート、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、1,2−エタンジスルホネート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、エタンスルホネート、カンフルスルホネート、スルファメート及びシクロヘキシルスルファメート。好ましい塩形態は、スルフェート及びホスフェートである。実施例1及び2を参照されたい。
本発明は、また、追加の有用な抗癌活性を有する酸性化合物を組み込むピルビニウムの新規の塩形態を提供する。そのような塩の例としては、2−メルカプロピリジン−N−オキシド[CAS Reg.No.1121−31−9]、シクロピロックス[CAS Reg.No.29342−05−0]、アセチル−11−ケト−β−ボスウェル酸、セラストロール、ヒジヒドロセラストロール、グリシルリジン酸[CAS Reg.No.53956−04−0]、ウルソル酸[CAS Reg.No.77−52−1]及び18−β−グリシルレチン酸、[CAS Reg.No.471−53−4]が挙げられるが、それらに制限されない。更に、本発明は、経口投与に有用なピルビニウムの新規の形態を提供する。ピルビニウム塩のそのような形態は、イオン交換ポリマー、例えば、強酸ポリマー樹脂を用いて製造されて、ピルビニウムの苦い味をマスクし、及びピルビニウムカチオンの制御又は遅延放出を提供する安定した塩形態を与える。例えば:http://www.rohmhaas.com/ionexchange/Pharmaceuticals/Formulations doc/us english/Irp69.PDFを参照されたい。
【0019】
そのような樹脂の例は、スルホン化ポリスチレンアンバーライトIRP−69である。あるいはまた、強酸ポリマー樹脂ドウエックス(Dowex)−50X8又はドウエックス−50X2を使用して、ピルビニウムの新規の塩形態を製造することができる。他の酸性非−ポリスチレンポリマー樹脂、例えば、アクリレート又はアクリルアミドポリマーが使用されてもよい。更に、アンバーライト(Amberlite)IRP69を使用して、デキストロメトルファンの制御又は遅延放出が提供されている。
上記の新規の塩形態は、溶剤において新規の塩の酸形態でパモ酸ピルビニウムを処理することにより製造され得る。新規の塩形態の沈殿物は、次いで、収集され得る。
あるいはまた、新規の塩形態は、溶剤において新規の塩の銀形態でピルビニウム塩化物又はヨウ化物を処理し、及び沈降ハロゲン化銀を除去することにより製造され得る。
あるいはまた、新規の塩形態は、溶剤において新規の塩の水素、ナトリウム又はカリウム形態でピルビニウム塩化物を処理し、新規の塩形態を収集することにより製造され得る。
あるいはまた、ピルビニウムは、その水素、アンモニウム、ナトリウム又はカリウム形態における強酸イオン交換樹脂で交換して、樹脂結合ピルビニウムを提供することができる。これを、そのまま使用することができ、又はピルビニウムは、樹脂から、その水素、アンモニウムナトリウム又はカリウム形態における別の酸の溶液での処理により引き続き除去され得る。
本発明は、また、以下の式の化合物に関する:
【0020】
【化6】

【0021】
(式中:
Rは、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12置換アルキル、C2-12置換アルケニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル又はC7-18置換フェニルアルキルであり;
又はR及びR6は、ヘテロ環又は置換ヘテロ環を形成し得;
又はR及びR4は、ヘテロ環又は置換ヘテロ環を形成し得;
1は、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、CO27、C(O)NR78、−CH=NR7、C=NR9−NR78又は−NR78であり、その中において、R7及びR8は、独立して、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12置換アルキル、C2-12置換アルケニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル又はC7-18置換フェニルアルキルであり;又は−NR78は、ヘテロ環、置換ヘテロ環、環状C2-7ヘテロアルキレン又は置換環状C2-7ヘテロアルキレンであり、その中において、置換ヘテロ環及び置換環状C2-7ヘテロアルキレンは、下に定義され及びまた、オキソ及び式=NR9(式中、R9は、水素、C1-12アルキル及びC1-12置換アルキルである)の置換基を含み;
2、R3、R4及びR6は、独立して、水素、C1-12アルキル及びC1-12置換アルキル及びハロ又は以下の式のうちの1つであり:a)−(CH2nCO210;b)−CH2nCON(R102;c)−(CH2nCN;又はd)(CH2nSO210;(式中、R10は、水素、C1-12アルキル又はC1-12置換アルキルであり、及びnは、0〜4である);及び
5は、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、環状C2-7ヘテロアルキレン又は置換環状C2-7ヘテロアルキレンである)。
【0022】
好ましい実施態様において、Rは、C1-6アルキル又はC7-18フェニルアルキルである。別の好ましい実施態様において、R2、R3、R4及びR6は、独立して、水素、C1-6アルキル又はハロである。
更に、別の実施態様において、R7及びR8は、独立して、C1-6アルキル、C1-6置換アルキル又はC7-18フェニルアルキルである。あるいはまた、追加の好ましい実施態様において、NR78は、N、O又はS及び基C=O、又はC=NR9より選択される0〜3個の追加ヘテロ原子を含む4〜8個の原子の複素環を形成し、及び複素環は、置換され得、又は追加の縮合環を有し得る。ヘテロ環NR78の好ましい例としては、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、3−オキソピペラジン(oxopiperzin)−1−イル、ホモピペラジン−1−イル、イミダゾール−1−イル、2−オキソイマダゾリジン−1−イル、2−オキソイミダゾリン−1−イル及び2−イミニオイマダゾリジン−1−イルが挙げられるが、それらに制限されない。
好ましい別の実施態様において、R5は、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。追加の好ましい実施態様において、R9及びR10は、独立して、水素又はC1-6アルキルである。
上記のこれらの新規化合物が、本件明細書に記載されるように、新規の塩形態において製造することができることが理解されるべきである。
本発明の化合物(下の“化合物1”参照)は、米国特許第2,515,912号及び第2,925,417号明細書における実施例に従って製造することができる。あるいはまた、本発明の化合物は、アルキル化化合物2により製造して、化合物1を得ることができる。
【0023】
【化7】

【0024】
化合物2は、ジ及びトリ置換オレフィンの製造のための既知の方法により製造することができる。
例えば、2−ビニルキノリンは、ビニルスタナンのPd媒介結合により製造されている26。アルデヒド及びキナルジン(無水酢酸中)の反応、キノリン−2−イルメチルホスホラン及びアルデヒドの反応、又はキノリン−2−イルメチルホスホネートエステルとアルデヒドとの反応による2−ビニルキノリンの製造の他の例は、AGモンタルバン(montalban)27の論文においてみられる。
本発明は、更に、以下の式を有する新規キノリニウム化合物誘導体を提供する:
【0025】
【化8】

【0026】
(式中:
Aは、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールであり、ここで、フェニル又はヘテロアリール上の置換基は、また、−OR3、−CHO、−CN、−SO2NR34、−NR5CONR34、−OCONR34、−CONR34CO23、−R5、−OR5、−SR5を含んでいてもよく、Rは、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7-18フェニルアルキル又はC7-18置換フェニルアルキルであり;
1及びR2は、独立して、水素、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、環状C2-7ヘテロアルキレン又は置換環状C2-7ヘテロアルキレン、二環状ヘテロ環、置換二環状ヘテロ環、ハロ、−CHO又はシアノ、又は以下の式のうちの1つであり:−OR3、−NR34、−SO2NR34、−NR5CONR34、−OCONR34、−C(O)NR34及び−CO23;及び
3及びR4は、独立して、水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12置換アルキル、C2-12置換アルケニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル又はC7-18置換フェニルアルキルであり:及び
5は、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリール、アルキルフェニル、置換アルキルフェニル、アルキルヘテロアリール又は置換アルキルヘテロアリールである)。
【0027】
好ましくは、Aが、置換される場合、それは、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールでなされる。より好ましくは、そのようなフェニル又はヘテロアリールは、C1-12アルキル、C1-12置換アルキルOR3、OR5、SR5、ハロ、−CHO、−CN、−CONR34又は−CO23で置換される。更に、そのような置換基は、1〜4個の追加の基、好ましくは、C1-12アルキル、C1-12置換アルキルOR3、OR5、SR5、ハロ、−CHO、−CN、−CONR34又は−CO23でなされ得る。
本発明の実施態様において、上記の化合物は、Rが、C1-4アルキル又はヒドロキシエチルであるそれらの化合物を排除して包含される。より好ましくは、C1-6アルキル及びヒドロキシアルキルは、また、排除される。
別の実施態様において、上記の化合物は、R1が、メチル、ジメチルアミノ、メトキシ又はヘプチルアミノであるそれらの化合物を排除して包含される。別の実施態様において、エチルは、排除され及び、より好ましくは、C1-4アルキルは、排除される。別の実施態様において、ジエチルアミノ、より好ましくは、ジアルキルアミノが、排除される。更なる実施態様において、エトキシ、より好ましくは、アルコキシが、排除される。更に別の実施態様において、アルキルアミノは、排除される。好ましくは、任意の1又はそれより多くのこれらの排除は、描写されたキノリル環の7−位にある。
【0028】
更なる実施態様において、Aは、三置換ピロール(ピロールの2−及び5−位での置換基が、メチル又はより好ましくは、C1-4アルキルであり、及びピロールの1−位が、フェニル、アルキルシクロヘキシル又はメトキシエチルである)ではない。より好ましくは、1−位は、アルコキシエチルではない。
下に記載される方法において、すべての化合物、及び上記の亜族は、本発明の対象の範囲である。好ましくは、Aは、ピロール又は置換ピロールである。好ましいピロール置換基としては、好ましくは、ピロールの2−又は5−位でのC1-12アルキル、好ましくは、メチル;C1-12アルキル、好ましくは、ブチル、又はフェニル又はヘテロアリール、好ましくは、ピリジル、より好ましくは、3−ピリジル(すべて好ましくはピロールの1−位におけるもの)、及び−CHO、−CO23、−CONR34又は−CN(すべて好ましくはピロールの4−位におけるもの)が挙げられる。
また、好ましくは、R1は、ジアルキルアミノ、好ましくは、ジメチルアミノ、又はハロ、好ましくは、ブロモ又はクロロ、又はアルコキシ、好ましくは、メトキシ、又はアルキル、好ましくは、メチル(すべて好ましくはキノリルの6−又は7−位におけるもの)であり;R2は、好ましくは、水素であり;及びRは、好ましくは、アルキル、より好ましくは、メチル又はエチルである。
【0029】
更に、請求の範囲に記載されている本発明の組成物及び方法の双方において、好ましくは、Aは、場合により置換されていてもよいフェニル、チオフェニル、フラニル、インドリル、イミダゾリル及びイソオキサゾリルである。好ましい置換基としては、C1-12アルキル、好ましくは、メチル又はブチル、又はフェニル又はベンジル、又は−フェノキシ、又はジアルキルアミノ、好ましくは、ジメチルアミノ、又はアルコキシ、好ましくは、ブチルオキシが挙げられる。好ましくは、そのような化合物は、R1でアミノ又は置換アミノ、より好ましくは、アルキル−又はジアルキルアミノ及び、更により好ましくはジメチルアミノを有する。また、好ましくは、そのような化合物は、Rでアルキル及び、より好ましくは、メチルを有する。
また、好ましくは、R1は、ジアルキルアミノ、好ましくは、ジメチルアミノ、又はハロ、好ましくは、ブロモ又はクロロ、又はアルコキシ、好ましくは、メトキシ、又はアルキル、好ましくは、メチル(すべて好ましくはキノリルの6−又は7−位におけるもの)であり;R2は、好ましくは、水素であり;及びRは、好ましくは、アルキル、より好ましくは、メチル又はエチルである。
【0030】
本発明の対象の化合物を、使用して、癌細胞の増殖を低減することができる。例えば、実施例1において示される化合物は、種々の細胞における癌細胞増殖を、添加グルコールなしの液体培養において、及び軟寒天培養において低減した。実施例61及び表4;及び実施例62及び表5を参照されたい。更に、実施例25〜60において示される化合物(化合物53を除く)は、また、種々の細胞系において癌細胞の増殖を低減した。実施例61及び表3を参照されたい。
更に、本発明の対象の化合物を使用して、インビボで腫瘍のサイズを低減することができる。例えば、実施例1の化合物は、マウスの異種移植片の進行した段階のモデルにおける結腸癌の腫瘍のサイズを低減した。実施例63及び図1を参照されたい。更に、実施例57の化合物は、マウスの異種移植片の早い段階のモデルにおける非小肺癌腫瘍のサイズを低減した。実施例64及び図2を参照されたい。
本発明は、また、a)本発明の化合物とb)1又はそれより多くの追加の活性化学療法薬の組み合わせを提供する。好ましい追加の活性化学療法薬としては、タクソール又はドキソルビシンが挙げられるが、それらに制限されない。図3において示され及び実施例65A及び表6において記載されるように、実施例1の化合物及びドキソルビシンの組み合わせは、マウスの異種移植片のモデルにおける前立腺腫瘍の増殖を抑制することにおいて大いに有効であった。更に、図4において示され及び実施例65B及び表6において記載されるように、実施例1の化合物及びタクソールの組み合わせは、また、マウスの異種移植片のモデルにおける前立腺腫瘍の増殖を抑制することにおいて大いに有効であった。
【0031】
本発明の化合物と共に使用され得る抗癌剤である他の予防又は治療薬としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない:アシビシン(acivicin)、アクラルビシン(aclarubicin)、塩酸アコダゾール(acodazole hydrochloride)、アクロニン、アドゼレシン(adozelesin)、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン(ambomycin)、酢酸アメタントロン(ametantrone acetate)、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、アムサクリン(amsacrine)、アナストロゾール(anastrozole)、アントラマイシン(anthramycin)、アスパラギナーゼ、アスペルリン(asperlin)、アザシチジン(azacitidine)、アゼテパ(azetepa)、アゾトマイシン(azotomycin)、バチマスタット(batimastat)、ベンゾデパ(benzodepa)、ビカルタミド、塩酸ビサントレン(bisantrene hydrochloride)、ビスナフィドジメシレート(bisnafide dimesylate)、ビゼレシン(bizelesin)、硫酸ブレオマイシン、ブレキナーナトリウム(brequinar sodium)、ブロピリミン(bropirimine)、ブスルファン(busulfan)、カクチノマイシン、カルステロン(calusterone)、カラセミド(caracemido)、カルベチマー(carbetimer)、カルボプラチン(carboplatin)、カルムスチン(carmustine)、塩酸カルビシン(carubicin hydrochloride)、カルゼレシン(carzelesin)、セデフィンゴール(cedefingol)、クロラムブシル、シロレマイシン(cirolemycin)、シスプラチン(cisplatin)、クラドリビン(cladribine)、クリスナトールメシレート(crisnatol mesylate)、シクロホスファミド(cyclophosphamido)、シタラビン(cytarabine)、ダカルバジン、ダクチノマイシン(dactinomycin)、塩酸ダウノルビシン、デカルバジン(decarbazine)、デシタビン(decitabine)、デキソルマプラチン(dexormaplatin)、J デザグアニン(J dezaguanine)、デザグアニンメシレート(dezaguanine mesylate)、ジアジコン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロルオキシフェン(droloxifene)、クエン酸ドロルオキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドゥアゾマイシン(duazomycin)、エダトレキセート(edatrexate)、塩酸エフロルニチン(eflornithine hydrochloride)、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エンロプラチン(enloplatin)、エンプロメート(enpromate)、
【0032】
エピプロピジン(epipropidine)、塩酸エピルビシン、エルブロゾール(erbulozole)、塩酸エソルビシン(esorubicin hydrochloride)、エストラムスチン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エタニダゾール(etanidazole)、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン(etoprine)、塩酸ファドロゾール、ファザラビン(fazarabine)、フェンレチニド(fenretinide)、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン(flurocitabine)、ホスキドン(fosquidone)、ホストリエシンナトリウム(fostriecin sodium)、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、塩酸イダルビシン、イホスファミド、イルモルファジン(ilmofosine)、インターロイキン2(組み換えインターロイキン2、即ちrIL2を含む)、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−nl、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Ia、インターフェロンγ−Ib、イプロプラチン、塩酸イリノテカン、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン(lomustine)、塩酸ロソキサントロン(losoxantrone hydrochloride)、マソプロコール、マイタンシン(maytansine)、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン(metoprine)、メトウレデパ(meturedepa)、ミチンドミド、マイトカルシン(mitocarcin)、マイトクロミン(mitocromin)、マイトジリン、マイトマルシン(mitomalcin)、マイトマイシン、ミトスペル(mitosper)、ミトタン、塩酸ミトキサントロン、
【0033】
ミコフェノール酸、ニトロソウレアス(nitrosoureas)、ノコダゾール、ノガラマイシン(nogalamycin)、オルマプラチン(ormaplatin)、オキシスウラン(oxisuran)、パクリタキセル、ペガスパルゲース(pegaspargase)、ペリオマイシン(peliomycin)、ペンタムスチン(pentamustine)、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド(perfosfamide)、ピポブロマン、ピポスルファン、塩酸ピロキサントロン(piroxantrone hydrochloride)、プリカマイシン、プロメスタン(plomestane)、ポルフィマーナトリウム、プルフィロマイシン(profiromycin)、プレドニムスチン(prednimustine)、塩酸プロカルバジン(procarbazine hydrochloride)、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン(pyrazofurin)、リボプリン(riboprine)、ログレチミド(rogletimide)、サフィンゴール(safingol)、塩酸サフィンゴール、セムスチン(semustine)、シムトラゼン(simtrazene)、スパルホセートナトリウム、スパルソマイシン(sparsomycin)、塩酸スピロゲルマニウム(spirogermanium hydrochloride)、スピロムスチン(spiromustine)、スピロプラチン(spiroplatin)、ストレプトニグリン(streptonigrin)、ストレプトゾシン(streptozocin)、スロフェニュール(sulofenur)、タリソマイシン(talisomycin)、テコガランナトリウム(tecogalan sodium)、テガフール、塩酸テロキサントロン(teloxantrone hydrochloride)、テモポルフィン、テニポシド(teniposide)、テロキシロン(teroxirone)、テストラクトン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン(thioguanine)、チオテパ、チアゾフリン(tiazofurin)、チラパザミン(tirapazamine)、クエン酸トレミフェン、酢酸トレストロン(trestolone acetate)、リン酸トリシリビン(triciribine phosphate)、トリメトレキサート(trimetrexate)、グルクロン酸トリメトレキサート、
トリプトレリン、塩酸チュブロゾール(tubulozole hydrochloride)、ウラシルマスタード、ウレデパ(uredepa)、バプレオチド、デルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン(vinepidine sulfate)、硫酸ビングリシネート(vinglycinate sulfate)、硫酸ビンレウロシン(vinleurosine sulfate)、酒石酸ビノレルビン(vinorelbine tartrate)、硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate)、硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate)、ボロゾール、ゼニプラチン(zeniplatin)、ジノスタチン(zinostatin)及び塩酸ゾルビシン(zorubicin hydrochloride)。
【0034】
本発明の化合物と共に使用され得る更なる抗癌剤としては、以下のものが挙げられるが、それらの限定されない:2−epi−1、25ジヒドロキシビタミンD3、5−エチニルウラシル(ethynyluracil)、アビラテロン(abiraterone)、アクラルビシン、アシルフルベン(acylfulvene)、アデシルペノール(adecypenol)、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL−TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス(amidox)、アミホスチン(amifostine)、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン(amsacrine)、アナグレライド、アナストロゾール(anastrozole)、アンドログラホリド(andrographolide)、血管形成抑制剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリックス(antarelix)、抗−ドルサライジング(anti-dorsalizing)形態形成タンパク質−1、抗アンドロゲン(antiandrogen)、抗エストロゲン、抗新生物薬、グリシン酸アフィジコリン(aphidicolin glycinate)、アポトーシス遺伝子モジュレータ、アポトーシス調節因子、アプリン酸、アラ(ara)−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン(asulacrine)、アタメスタン(atamestane)、アトリムスチン、アキシナスタチン(axinastatin)1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン(azasetron)、アザトキシン(azatoxin)、アザチロシン、バッカチン(baccatin)III誘導体、バラノール(balanol)、バチマスタット(batimastat)、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン(benzochlorins)、ベンゾイルスタウロスポリン(benzoylstaurosporine)、βラクタム誘導体、β−アレチン(alethine)、βクラマイシン(clamycin)B、ベツリン酸、bFGF抑制剤、ビカルタミド、ビサントレン(bisantrene)、ビサジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine)、ビスナフィド(bisnafide)、ビストラテンA、ビゼレシン(bizelesin)、ブレフレート(breflate)、
【0035】
ブロピリミン、ブドチタン(budotitane)、ブチオニンスルホキシミン(buthioninesulfoximine)、カルシポトリオール、カルホスチン(calphostin)C、カンプトテシン誘導体、カナリポックス(canarypox)IL−2、カペシタビン、カルボキサミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール(carboxyamidotriazole)、CaRest M3、CARN 700、軟骨由来抑制剤、カルゼレシン(carzeleisin)、カゼインキナーゼ抑制剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピン(cecropin)B、セクロトレリクス、クロロキノキサリンスルホンアミド(chloroquinoxaline sulfonamide)、シカプロスト、シス−ポルフィリン(cis-porphyrin)、クラドリビン(cladribine)、クロミフェンアナログ(clomifene analogue)、クロトリマゾール、コリスマイシン(collismycin)A、コリスマイシンB、コンブレタスタチン(combretastatin)A4、コンブレタスタチンアナログ、コナゲニン(conagenin)、クランベスシジン(crambescidin)816、クリスナトール(crisnatol)、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシン(curacin)A、シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinone)、シクロプラタム(cycloplatam)、シペマイシン(cypemycin)、シタラビンオクホスフェート(cytarabineocfosfate)、細胞溶解因子、シトスタチン(cytostatin)、ダクリキシマブ(dacliximab)、デシタビン(decitabine)、デヒドロジデムニン(dehydrodidemnin)B、デスロレリン(deslorelin)、デキサメタゾン(dexamethasone)、デキシホスファミド(dexifosfamide)、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジコン、ダイデムニンB、
【0036】
ジドックス(didox)、ジエチルノルスペルミン(diethylnorspermine)、ジヒドロ−5−アザシチジン(azacytidine)、ジヒドロタクソール(dihydrotaxol)、ジオキサマイシン(dioxamycin)、ジフェニルスピロムスチン(diphenyl spiromustine)、ドセタキセル(docetaxel)、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドロロキシフェン(droloxifene)、ドロナビノール(dronabinol)、デュオカルマイシン(duocarmycin)SA、エブセレン(ebselen)、エコムスチン(ecomustine)、エデルホシン、エドレコロマブ(edrecolomab)、エフロルニチン(eflornithine)、エレメン(elemene)、エミテフール(emitefur)、エピルビシン(epirubicin)、エプリステリド、エストラムスチンアナログ(estramustine analogue)、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール(etanidazole)、リン酸エトポシド、エキセメスタン(exemestane)、ファドロゾール、ファザラビン(fazarabine)、フェンレチニド(fenretinide)、フィルグラスチム(filgrastim)、フィナステリド(finasteride)、フラボピリドール、フレゼラスチン(flezelastine)、フルアステロン、フルダラビン、塩酸フルオロダウンオルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride)、フォルフェニメックス(forfenimex)、フォルメスタン、フォストリエシン(fostriecin)、フォテムスチン(fotemustine)、ガドリニウムテキサフィリン(gadolinium texaphyrin)、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス(ganirelix)、ゼラチナーゼ抑制剤、ゲムシタビン(gemcitabine)、グルタチオン抑制剤、ヘプスルファム(hepsulfam)、ヘレグリン(heregulin)、ヘキサメチレン(hexamethylene)、ビスアセタミド(bisacetamide)、ヒペリシン(hypericin)、イダンドロン酸(indandronic acid)、イダルビシン、イドキシフェン(idoxifene)、イドラマントン(idramantone)、イルモルファジン、アイロマスタット、イミダゾアクリドン(imidazoacridones)、
【0037】
イミクイモッド(imiquimod)、免疫賦活剤ペプチド、インスリン−様増殖因子−1受容体抑制剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、イオベングアン(iobenguane)、イオドドクソルビシン(iododoxorubicin)、イポメアノール(ipomeanol)、イロプラクト(iroplact)、イルソグラジン、イソベンガゾール(isobengazole)、イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B、イタセトロン、ジャスプラキノリド(jasplakinolide)、カハラリデ(kahalalide)F、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド(lanreotide)、レイナマイシン(leinamycin)、レノグラスチム(lenograstim)、硫酸レンチナン(lentinan)、レプトルスタチン(leptolstatin)、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、リュープロレイン、レバミソール(levamisole)、リアロゾール、直鎖ポリアミンアナログ、脂溶性二糖類ペプチド、脂溶性白金化合物、リスソクリナミド(lissoclinamide)7、ロバプラチン(lobaplatin)、ロンブリシン(lombricine)、ロレトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン(losoxantrone)、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテカン(lurtotecan)、ルテチウムテキサフィリン(lutetiumtexaphyrin)、リソフィリン(lysofylline)、細胞溶解性ペプチド、マイタンシン(maitansine)、マンノスタチン(mannostatin)A、マリマスタット(marimastat)、マソプロコール、マスピン(maspin)、マトリリシン抑制剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ抑制剤、メノガリル、メルバロン(merbarone)、メテレリン、メチオニナーゼ(methioninase)、メトクロプラミド、MIF抑制剤、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、不適合二重鎖RNA、ミトグアゾン(mitoguazone)、ミトラクトール(mitolactol)、マイトマイシンアナログ、ミトナフィド(mitonafide)、ミトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子−サポリン(saporin)、ミトキサントロン、モファロテン(mofarotene)、
【0038】
モルグラモスチム(molgramostim)、モノクロナール抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリル液体A+ミオバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk、モピダモール(mopidamol)、多剤耐性遺伝子抑制剤、多発性腫瘍スプレスソール(suppressorl)−ベースの治療、マスタード抗癌剤、マイカペルオキシド(mycaperoxide)B、マイコバクテリア細胞壁抽出、マイリアポロン(myriaporone)、N−アセチルジナリン(acetyldinaline)、N−置換ベンズアミド、ナフェレリン、ナグレスチップ(nagrestip)、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン(napavin)、ナフテルピン(naphterpin)、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン(nemorubicin)、ネリドロン酸(neridronic acid)、中性エンドペプチターゼ、ニルタミド、ニサマイシン(nisamycin)、酸化窒素モジュレータ、ニトロキシド抗酸化剤、ニトルリン(nitrullyn)、06−ベンジルグアニン(benzylguanine)、オクトレオチド、オキセノン(okicenone)、オリゴヌクレオチド、オナプリストン(onapristone)、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン(oracin)、経口サイトカイン誘導物質、オルマプラチン(ormaplatin)、オサテロン、オキサリプラチン、オキザウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセルアナログ、パクリタキセル誘導体、パラウアミン(palauamine)、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナックシトリオル、パノミフェン(panomifene)、パラバクチン(parabactin)、パゼルリプチン(pazelliptine)、ベグアスパルガーゼ、ペルデシン、ペントサン多硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール(pentrozole)、ペルフルブロン(perflubron)、ペルフォスファミド(perfosfamide)、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、
【0039】
フェニルアセテート(phenylacetate)、ホスファターゼ抑制剤、ピシバニール、塩酸ピロカルビン、ピラルビシン、ピリトレキシム(piritrexim)、プラセチン(placetin)A、プラセチンB、プラスミノーゲン活性化抑制剤、白金錯体、白金化合物、白金−トリアミン錯体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン(porfiromycin)、プレドニゾロン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジン J2、プロテアソーム抑制剤、タンパク質A−ベースの免疫モジュレータ、タンパク質キナーゼC抑制剤、微細藻類、タンパク質チロシンホスファターゼ抑制剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ抑制剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン(pyrazoloacridine)、ピリドキシレート(pyridoxylated)ヘモグロビンポリオキシエチレン共役、ラフアンタゴニスト(raf antagonists)、ラルチトレキセド、ラモセトロン、ラス(ras)ファルネシルタンパク質トランスファーゼ抑制剤、ラス抑制剤、ラス−GAP抑制剤、レテリプチン(retelliptine)脱メチル化、レニウムRe186エチドロネート、リゾキシン(rhizoxin)、リボザイム、RIIレチナミド、ログレチミド(rogletimide)、ロイツキン(rohitukine)、ロムルチド、ロキニメックス(roquinimex)、ルビギノン(rubiginone)B1、ルボキシル(ruboxyl)、サフィンゴール、サイントピン(saintopin)、SarCNU、サルコフィトール(sarcophytol)A、サルグラモスチム、Sdi 1 ニメチックス(mimetics)、セムスチン、老化誘導抑制剤1、センス(sense)オリゴヌクレオチド、情報伝達抑制剤、情報伝達モジュレータ、単一鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、
【0040】
ナトリウムボロカプテート(sodium borocaptate)、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール(solverol)、ソマトメジン(somatomedin)結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォシン酸(sparfosic acid)、スピカマイシン(spicamycin)D、スピロムスチン、スプレノペンチン(splenopentin)、スポンジスタチン(spongistatin)1、スクアラミン、幹細胞抑制剤、幹−細胞分割抑制剤、スチピアミド(stipiamide)、ストロメライシン抑制剤、スルフィノシン(sulfinosine)、超活性血管作動性ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ(suradista)、スラミン、スワインソニン、シンセチックグリコスアミノグリカン(syntheticglycosaminoglycans)、タリムスチン、タモキシフェン(tamoxifen)、メチオジド、タウロムスチン(tauromustine)、タクソール(taxol)、タザロテン(tazarotene)、テコガランナトリウム、テガフール(tegafur)、テルラピリリウム(tellurapyrylium)、テロメラーゼ(telomerase)抑制剤、テモポルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド(tetrachlorodecaoxide)、テトラゾミン(tetrazomine)、タリブラスチン(thaliblastine)、タリドミド(thalidomide)、チオコラリン(thiocoraline)、チオグアニン(thioguanine)、トロンボポエチン、トロンボボエチンミメチック(thrombopoetin mimetic)、サイマルファシン、チモポイエチン(thymopoietin)受容体アゴニスト、チモトリナン(thymotrinan)、甲状腺刺激ホルモン、スズエチルエチオプルプリン(tin ethyl etiopurpurin)、チラパザミン(tirapazamine)、チタノセン(titanocene)二塩化物、トプセンチン(topsentin)、トレミフェン(tremifene)、
【0041】
全能性幹細胞因子、翻訳抑制剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン(triacetyluridine)、トリシリビン(triciribine)、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、チュロステライド、チロシンキナーゼ抑制剤、チルホスチン(tyrphostins)、UBC抑制剤、ウベニメクス、ウロゲニタル(urogenital)サイナス−誘導増殖抑制因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バブレオチド、バリオリン(variolin)B、ベクター系、赤血球遺伝子治療、バラレソール(velaresol)、ベラミン(veramine)、ベルジン(verdins)、ベルテポルフィン(verteporfin)、ビノレルビン、ビンキサルチン、ビタキシン(vitaxin)、ボロゾール(vorozole)、ザノテロン(zanoterone)、ゼニプラチン(zeniplatin)、ジラスコルブ(zilascorb)、ジノスタチン、スチマラマー、5−フルオロウラシル、ロイコロビン、アンギオスタチン(プラスミノーゲンフラグメント)、抗血管形成抗トロンビンIII、アンギオザイム(Angiozyme)、ABT−627、ベイ12−9566、ベネフィン、ベバシツマブ、BMS−275291、軟骨誘導抑制剤(CDI)、CAI、CD59補体フラグメント、CEP−7055、Col 3、コンブレタスタチン(Combretastatin)A−4、エンドスタチン(Endostatin)(コラーゲンXVIIIフラグメント)フィブロネクチンフラグメント、グロ(Gro)−β、ハロフジノン、ヘパリナーゼ(Heparinases)、ヘパリン六糖類フラグメント、HMV833、ヒトコリオニックゴナドトロピン(hCG)、IM−862、インターフェロンα/β/γ、インターフェロン誘導タンパク質(IP−10)、インターロイキン−12、クリングル5(プラスミノーゲンフラグメント)、マリマスタット(Marimastat)、
【0042】
メタロプロテイナーゼ抑制剤(TIMPs)、2−メトキシエストラジオール、MMI 270(CGS 27023A)、MoAbIMC−lCll、ネオバスタット(neovastat)、NM−3、パンゼム、PI−88、胎盤リボヌクレアーゼ抑制剤、プラスミノーゲン活性化抑制剤、血小板因子−4(PF4)、プリノマスタット(Prinomastat)、プロラクチン16kDフラグメント、プロリフェリン−関連タンパク質(PRP)、PTK 787/ZK 222594、レチノイド、ソリマスタット(Solimastat)、スクアラミン、SS 3304、SU5416、SU6668、SU11248、テトラヒドロコルチゾール−S、テトラチオモリブデン酸塩、サリドマイド、トロンボスポンジンー1(TSP−1)、TNP−470、変質転換増殖因子−β(TGF−b)、バスキュロスタチン(Vasculostatin)、バソスタチン(Vasostatin)(カルレティキュリンフラグメント)、ZD6126、ZD 6474、ファルネシルトランスファーゼ抑制剤(FTI)及びビスフォスフォネート。
【0043】
本発明の化合物と共に使用され得る抗癌剤の好ましいクラスは、キナーゼ抑制剤である。使用され得るキナーゼ抑制剤としては、以下のものが挙げられるが、それらに制限されない:ABL、ACK、AFK、AKT(例えば、 AKT−1、 AKT−2、及び AKT−3)、 ALK、AMP−PK、ATM、オーロラ、オーロラ2、bARKl、bArk2、BLK、BMX、BTK、CAK、CaMキナーゼ、CDC2、CDK、CK、COT、CTD、DNA−PK、EGF−R、ErbB−l、ErbB−2、ErbB−3、ErbB−4、ERK(例えば、ERK1、ERK2、ERK3、ERK4、ERK5、ERK6、ERK7)、ERT−PK、FAK、FGR(例えば、FGF1R、FGF2R)、FLT(例えば、FLT−1、FLT−2、FLT−3、FLT−4)、FRK、FYN、GSK(例えば、GSK1、GSK2、GSK3−α、GSK3−β、GSK4、GSK5)、G−タンパク質結合受容体キナーゼ(GRKs)、HCK、HER2、HKII、JAK(例えば、JAK1、JAK2、JAK3、JAK4)、JNK(例えば、JNK1、JNK2、JNK3)、KDR、KIT、IGF−1 受容体、IKK−1、IKK−2、INSR (インスリン受容体)、IRAKI、IRAK2、IRK、ITK、LCK、LOK、LYN、MAPK、MAPKAPK−1、MAPKAPK−2、MEK、MET、MFPK、MHCK、MLCK、MLK3、NEU、NIK、PDGF受容体α、PDGF受容体β、PHK、PI−3キナーゼ 、PKA、PKB、PKC、PKG、PRK1、PYK2、p38キナーゼ、pl35tyk2、p34cdc2、p42cdc2、p42mapk、p44mpk、RAF、RET、RIP、RIP−2、RK、RON、RSキナーゼ、SRC、SYK、S6K、TAK1、TEC、TIE1、TIE2、TRKA、TXK、TYK2、UL13、VEGFR1、VEGFR2、YES、YRK、ZAP−70、及びこれらのキナーゼのすべてのサブタイプ(例えば、Hardie及びHanks(1995)The Protein Kinase Facts Book、I及びII、Academic Press、San Diego、Calif参照)の抑制剤。
【0044】
本発明の化合物は、また、血管形成抑制剤、例えば、以下のものであるが、それらに制限されないもの1又はそれより多くの薬剤と共に使用することができる:アンギオスタチン(プラスミノーゲンフラグメント)、抗血管形成抗トロンビンIII、アンギオザイム、ABT−627、ベイ12−9566、ベネフィン、ベバシツマブ、BMS−275291、軟骨誘導抑制剤(CDI)、CAI、CD59補体フラグメント、CEP−7055、Col 3、コンブレタスタチンA−4、エンドスタチン(コラーゲンXVIIIフラグメント)フィブロネクチンフラグメント、グロ−β、ハロフジノン、ヘパリナーゼ、ヘパリン六糖類フラグメント、HMV833、ヒトコリオニックゴナドトロピン(hCG)、IM−862、インターフェロンα/β/γ、インターフェロン誘導タンパク質(IP−10)、インターロイキン−12、クリングル5(プラスミノーゲンフラグメント)、マリマスタット、メタロプロテイナーゼ抑制剤(TIMPs)、2−メトキシエストラジオール、MMI 270(CGS 27023A)、MoAbIMC−lCll、ネオバスタット、NM−3、パンゼム、PI−88、胎盤リボヌクレアーゼ抑制剤、プラスミノーゲン活性化抑制剤、血小板因子−4(PF4)、プリノマスタット、プロラクチン16kDフラグメント、プロリフェリン−関連タンパク質(PRP)、PTK 787/ZK 222594、レチノイド、ソリマスタット、スクアラミン、SS 3304、SU5416、SU6668、SU11248、テトラヒドロコルチゾール−S、テトラチオモリブデン酸塩、サリドマイド、トロンボスポンジンー1(TSP−1)、TNP−470、変質転換増殖因子−β(TGF−b)、バスキュロスタチン、バソスタチン(カルレティキュリンフラグメント)、ZD6126、ZD 6474、ファルネシルトランスファーゼ抑制剤(FTI)及びビスフォスフォネート。
【0045】
本発明はまた、医薬的に許容される担体及び、活性成分としての、上記のような本発明の新規化合物又は塩形態を含む医薬組成物に関する。好ましくは、医薬組成物において、活性成分は、許容される錠剤又はカプセル剤形態において送達され、又は水性又は液体担体において、溶解される。更に、本発明の好ましい実施態様に従って、組成物は更に、少なくとも1つの他の化学療法薬を含む。
本発明は、更に、哺乳類の癌細胞に、本件明細書に記載されるような、本発明の新規化合物又は塩形態の治療的有効量を適用することを含む、哺乳類の癌細胞増殖の低減のための方法を提供する。
更に、本発明は、哺乳類の対象体に、活性成分として、本件明細書に記載されるような、本発明の新規化合物又は塩形態の治療的有効量を含む医薬組成物を投与することを含む、哺乳類の癌の治療のための方法を提供する。
癌細胞に関して、本発明の文脈の中において、用語“増殖の低減”は、以下の少なくとも1つにおける減少を意味する:コントロールと比較する細胞の数(ネクローシス様、アポトーシス様又は他のあらゆるタイプの細胞死又はそれらの組み合わせに起因し得る細胞死);細胞の増殖速度における低減、即ち、細胞の全体の数は、上昇し得るが、コントロールにおける上昇より低レベル又は低い速度;たとえそれらの全体の数が、変化しなくてもコントロールと比較して細胞の侵襲性における低減(例えば、軟寒天アッセイにより測定されるような);より分化した細胞タイプからあまり分化しない細胞タイプへの進行:腫瘍過程における減速;又は、あるいは、ある段階から次の段階への癌細胞の進行の減速。
【0046】
癌細胞の増殖の低減は、癌の治療のために、本件明細書で記載されるような本発明の化合物の治療的有効量を、そのような治療を必要としている個体に投与することにより利用することができる。
本発明は、更に、哺乳類における癌の治療用の薬剤を製造するための上記のような本発明の組成物の使用を開示する。
本発明の文脈における用語“癌の治療”は、以下の少なくとも1つを含む:癌の増殖速度における減少(即ち、癌は、依然として成長するが、低速である);癌性増殖の停止、即ち、腫瘍増殖の停滞、及び好ましいケースにおいては、腫瘍は、サイズにおいて縮小し又は低減される。用語は、また、転移の数における低減、形成される新しい転移の数における低減、ある段階から他の段階への癌の進行の減速及び癌により誘発される血管形成における減少を含む。最も好ましいケースにおいて、腫瘍は、完全に除去される。更に、この用語は、治療を受ける対象体の生存期間を延ばすことを含む。用語は、また、予防的状態のための又は腫瘍になる影響を受けやすいそれらの個体のための予防を包含する。本発明の化合物の投与は、個体が疾患にかかる可能性を低減するであろう。好ましい状態においては、化合物が投与される個体は、疾患にかからない。
【0047】
本発明の文脈における用語“癌”は、すべてのタイプの新生物を、固体又は非−固体腫瘍の形態であろうとなかろうと、すべての由来のものを含み、及び悪性及び良性状態の双方、及びそれらの転移を含む。特には、この用語は:上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、アデノーマ、肝細胞癌、肝芽腫、黄紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽細胞腫、繊維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、滑液腫瘍、エウィング腫瘍、レイミオ肉腫、ラブドセリオ肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、腎臓細胞癌、血腫、肝管癌、黒肉腫、絨毛腫、セミノ−マ、胎生期癌、ウィルム腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞及び非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、グリオーマ、アストロシオマ、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、エペンジノマ、松果体腫、網膜芽腫、多発性骨髄腫、直腸癌、甲状腺の癌、頭部及び頚部癌、脳腫瘍、抹消神経系の癌、中枢神経系の癌、神経芽細胞腫、エドメトリウムの癌、脊髄リンパ腫、白血病、リンパ腫、リンパ増殖性疾患、急性骨髄性白血病、慢性白血病、ホジキンリンパ腫及び非−ホジキンリンパ腫及び上のすべての転移を意味する。
より好ましくは、癌は、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、肺癌及び膵臓癌からなる群より選択される。
薬剤を製造する使用の他の実施態様において、薬剤は、更に、本発明の化合物以外の少なくとも1つの活性化学療法薬を含む。ある実施態様において、新規化合物は、有効ではあるが相当の副作用を有する従来の化学療法薬と一緒に投与することができる。本発明の化合物及び従来の薬剤の組み合わせは、従来の薬剤の投与量を減らすことを可能にし得、従って、被検体により起こる副作用は、有意に、低くなるが、十分な化学療法効果は、それでもなお達成される。好ましい追加の活性化学療法薬としては、タクソール又はドクソルブシンが挙げられるが、それらに制限されない。
【0048】
本発明は、更に、哺乳類に、活性成分として、上記のような、本発明の化合物を含む医薬組成物の治療的有効量を投与することを含む、哺乳類における癌の治療のための方法を開示する。更に、方法の好ましい実施態様において、化合物は、1μg〜1000mg/kg体重から選択される投与量で投与される。
また、本発明において、活性成分として、上記のような本発明の化合物の治療的有効量を含む、哺乳類における癌の治療のための医薬組成物が提供される。
また、本発明において、活性成分として、ここに記載されるような本発明の化合物の治療的有効量、及び医薬的に許容される担体を含む、哺乳類における癌の治療のための医薬組成物が提供される。
用語“医薬的に許容される”は、連邦政府の監督官庁又は州政府により承認され又は動物における及び、特には、ヒトにおける使用のための米国薬局方又は他の一般に認証された薬局方において挙げられることを意味する。
用語“担体”は、治療化合物が、共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又はビヒクルに関する。そのような医薬担体は、石油、動物、植物又は合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油など、ポエリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶剤を含む、殺菌液体、例えば、水及び油であり得る。水は、医薬組成物が、静脈内に投与される場合、好ましい担体である。塩水及び水性デキストロース及びグリセロール溶液は、また、液体担体として、特には、注射剤のために用いられ得る。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、サッカロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩酸ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール、シクロデキストリンなどが挙げられる。
【0049】
組成物は、所望なら、また、少量の湿潤又は乳化剤、又はpH緩衝剤、例えば、アセテート、シトレート又はホスフェートを含んでいてもよい。抗菌剤、例えば、ベンジルアルコール又はメチルパラベン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸;及び等張の調節ための薬剤、例えば、塩酸ナトリウム又はデキストロースが、また、想定される。
組成物は、溶液、サスペンション、エマルジョン、錠剤、ピル、カプセル剤、散剤、徐放性配合物などの形態であり得る。組成物は、座薬として、従来の結合剤及び担体、例えば、トリグリセリド、微結晶性セルロース、トラガカントゴム又はゼラチンと一緒に配合され得る。経口配合物は、標準担体、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどの医薬品グレードを含んでいてもよい。適切な医薬担体の例は、E.W.Martinによる“Remington's Pharmaceutical Sciences”において記載される。そのような組成物は、本発明の化合物の治療的有効量を、好ましくは、実質的に精製された形態において、被検体に対する正確な投与のための形態を提供するために担体の適切な量と一緒に含むであろう。
担体は、配合物の所望な形態をベースとして時には選択され得る。担体は、また、時には、薬剤の安定性のための、クリアランス率を減速するための、遅延放出特性を与えるための、所望でない副作用を低減するためなどのターゲット組織に対する活性成分の送達又は浸透の改良の効果を有し得る。担体は、また、食用フレーバーを有する配合物を提供するなどのための配合物(例えば、防腐剤)を安定させる物質であってもよい。
【0050】
担体は、従来から使用されるもののいずれでもよく、科学的−物理的要因(例えば、溶解性及び本発明の化合物との反応性の欠如)及び投与経路によってのみ制限される。担体の選択は、医薬組成物を投与するために使用される特定の方法により決定されるであろう。従って、担体は、添加剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、防腐剤、香料添加剤、及び薬理学的に許容される担体を含んでいてもよい。更に、担体は、アジュバントであってもよく、それは、定義によれば、予測され得る様式で活性成分の作用に影響を及ぼす物質である。
本発明の化合物を含む医薬組成物の導入法としては、局所、内皮、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜内、眼、及び経口の経路が挙げられるが、それらに制限されない。化合物は、従来の経路により、例えば、注入又は静脈内ボーラスにより、上皮(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸粘膜)を通る吸収により投与され得、及び他の治療的活性剤と一緒に投与され得る。投与は、局所的であることが好ましいが、全身的なものであってもよい。更に、本発明の医薬組成物を、中枢神経系内に、脳室内及び髄膜注射を含む適切な経路により導入することが望ましいことであり得;脳室内注射は、例えば、溜めに接続される脳室内カテーテルにより促進され得る。肺の投与は、また、例えば、吸入器又は噴霧器、及びエアロゾル化剤(aerosolizing agent)を有する配合物の使用により用いられ得る。
本発明の医薬組成物を、局所的に、治療が必要である領域に投与することが、望ましいことであり得;これは、例えば、及び制限なしに、外科手術の際の局所注入、局所的適用の方法により、例えば、外科後の創傷包帯と併せて、注射により、カテーテルにより、座薬により、インプラントにより達成され得、該インプラントは、多孔質、無孔又はゲル状材料を有する。いくつかの好ましい実施態様に従って、投与は、直接注入により、例えば、シリンジを介して、腫瘍又は新生物又は新生物発生前の組織の部位ですることができる。
【0051】
経口投与のために適切な医薬組成物は、(a)液体溶液、ここで、活性物質の有効量は、希釈剤、例えば、水、食塩水、天然果汁、アルコール、シロップなどにおいて溶解される;(b)固体製剤形態、例えば、固体又は顆粒のような、活性成分の一定量を各々含有する、カプセル剤(例えば、界面活性剤、潤滑剤、及び不活性充填剤を含有する、例えば、普通の硬質−又は殻の柔らかい−ゼラチンタイプ)、錠剤、ロゼンジ(その中において、活性物質は、例えば、サッカロース、アカシア又はトラガカントで風味付けされ、又は活性物質は、不活性塩基、例えば、ゼラチン及びグリセリンにおいて存在する)、及びトローチ;(c)散剤;(d)適切な液体におけるサスペンション;(e)適切なエマルジョン;(f)リポソーム配合物;及び他のものから成り得る。
更に別の実施態様において、組成物は、局所性投与のために、例えば、軟膏、ゲル、ドロップ又はクリームとして製造される。例えば、クリーム、ゲル、ドロップ、軟膏などを使用する体表面に対する局所性投与のために、本発明の化合物は、製造され及び医薬担体を用いて又は用いないで薬理学的に許容される希釈剤において適用され得る。本発明を使用して、局所的に又は経皮的に、癌、例えば、黒色腫を治療することができる。局所性のためのアジュバント又はゲルベース形態としては、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び木材ワックスアルコールを挙げることができる。
【0052】
直接内部局所適用のために、医薬組成物は、錠剤又はカプセル剤の形態においてあり得、それは、以下の成分のいずれか、又は同様の性質の化合物を含んでいてもよい:結合剤、例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴム又はゼラチン;賦形剤、例えば、デンプン又はラクトース;崩壊剤、例えば、アルギン酸、プリモゲル、又はコーンスターチ;潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はステロート;又は流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素。投与体の形態が、カプセル剤である場合、それは、上のタイプの材料に加えて、液体担体、例えば、脂肪油を含有得る。更に、投与体の形態は、投与体の物理的形態を改良する種々の他の材料、例えば、糖のコーティング、セラック、又は他の腸溶性剤を含有し得る。
本発明の化合物は、制御放出系において送達され得る。ある実施態様において、注入ポンプ(例えばインスリン又は化学療法を特定の器官又は腫瘍に送達するために使用されるもの;Buchwald et al., 1980, Surgery 88:507;Saudek et al., 1989, N.Engl.J.Med.321:574参照)を使用して、本発明の化合物を投与することができる。好ましい形態において、本発明の化合物は、選択された部位で、制御された期間にわたり、化合物を放出する、生分解性、生体適合ポリマーインプラントと組み合わせて投与される。好ましいポリマー材料の例としては、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレン酢酸ビニル、コポリマー及びそれらのブレンドが挙げられる(Medical applications of controlled release, Langer and Wise(eds.), 1974, CRC Pres., Boca Raton, Fla.参照)。更に別の実施態様において、制御放出系は治療ターゲットの近接に置くことが可能であり、それにより全身投与量のほんの一部のみが必要となる。
【0053】
時には、活性化合物は、エアロゾル配合剤に製造して、吸入を介して投与され得る。これらのエアロゾル配合剤は、加圧された許容される噴射剤、例えば、プロパン、ブタン、窒素内などに置かれ得る。それらは、また、非−圧力製剤のための医薬品として、例えば、噴霧器又はアトマイザーにおいて配合され得る。
更に、時には、医薬組成物は、非経口投与(皮下、静脈内、動脈内、又は筋肉内注射)のために配合され得、及び水性及び非水性、等張殺菌注射液(抗−酸化剤、緩衝剤、静菌薬、及び所定の受容者の血液で配合物を等張にする溶質を含有し得る)、及び懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤及び防腐剤を含む水性及び非水性殺菌サスペンションを含み得る。油、例えば、石油、動物、植物、又は合成油及び石鹸、例えば、脂肪アルカリ金属、アルミニウム、及びトリエタノールアミン塩、及び適切な洗浄剤は、また、非経口投与のために使用され得る。上の配合物は、また、直接の腫瘍内注射のために使用され得る。更に、注射の部位で、炎症を最小限にし又は排除するために、組成物は、1又はそれより多くの非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。適切な界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールでの酸化プロピレンの縮合により形成された、疎水性塩基を有する酸化エチレンの高分子量付加化合物及びソルビタンモノオレエート、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
非経口配合物は、単位投与体又は複数の投与体のシールされた容器、例えば、アンプル及びバイアルにより提供することができ、使用する直前に注射のために殺菌液体担体(例えば水)のみの添加を必要とするような凍結乾燥された状態において貯蔵され得る。即時注射溶液及びサスペンションは、前に記載される種類の及び当該技術分野において知られる、殺菌粉末、顆粒、及び錠剤から製造され得る。
【0054】
癌を含む特定の病気又は状態の治療において有効となる本発明の化合物の量は、病気又は症状の性質に依存し、標準臨床技術により決定され得る。更に、インビトロでのアッセイを場合により用いて、最適な用量範囲の同定を容易とすることができる。配合物において用いられるべき正確な投与量は、また、投与の経路、及び病気又は症状の重症度に依存し、及び医師の判断及び各々の患者の環境に従って決められるべきである。好ましい用量は、0.01〜1000mg/kg体重、より好ましくは、0.1〜100mg/kg及び更により好ましくは、1〜10mg/kgの範囲内であろう。有効投与量は、インビトロ又は動物モデル試験バイオアッセイ又はシステムから誘導される用量反応曲線から推定され得る。
“治療的”処置は、病理の兆候を示す対象体に対して、それらの兆候を減少又は排除する目的のために施される処置である。本発明の化合物の“治療的有効量”は、化合物が、投与される対象体に有益な効果を提供するのに十分である化合物の量である。
それらの必要な患者は、疾患(例えば癌)に罹患していてもよいし、又はそのような疾患に対して大きな感受性を有することが判明しているものでもよい。従って、本発明による治療方法は、治療的及び予防的双方の効用を含む。
所望な治療的又は予防的活性を求めるため及び治療的有効用量の決定のために、本発明の化合物はインビボで試験され得る。例えば、そのような化合物は、ヒトにおいて試験する前に、ラット、マウス、鳥、牛、猿、うさぎなどを含むが、それらに制限されない適切な動物モデル系において試験され得る。インビボでの試験のために、ヒトに対する投与の前に、当該技術分野において知られる動物モデル系が、使用され得る。
【0055】
上の所望な化合物が、1又はそれより多くの不斉中心を含む場合、そのような不斉中心の立体化学は、独立してR又はSの形状であってもよく、又は両者の混合物であってもよい。不斉中心は、更に、R又はS又はR、S又はd、D、I、L又はd、I、D、Lのように表記され得る。
本件明細書に記載される化合物に関して、記載される用語のいずれかに加えられる語尾“エン”は、置換基の2つの部分が、化合物における2つの他の部分に各々接続されることを意味する(置換基が炭素を1個しか含まない場合を除く:その場合、その炭素は化合物内の2つの他の部分に接続される(例えばメチレン))。
用語“C1-12アルキル”は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどのような基を示す。好ましい“C1-12アルキル”基は、メチル、エチル、イソ−ブチル、s−ブチル及びイソ−プロピルである。同様に、用語“C1-12アルキレン”は、化合物内の2つの他の部分に結合される1〜12個の炭素の基を示す。
用語“C2-12アルケニル”は、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、5−ヘプテニル、6−ヘプテニル(及び適切な炭素位置で付着されるオクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル基など)及び直鎖及びの分枝鎖のジエン及びトリエンのような基を示す。
【0056】
用語“C2-12アルキニル”は、エタノール、プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、2−ヘプチニル、3−ヘプチニル、4−ヘプチニル、5−ヘプチニル(及び適切な炭素位置で付着されるオクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル基など)及び直鎖及び分枝鎖のジ−及びトリ−インのような基を示す。
用語“C1-12置換アルキル”、“C2-12置換アルケニル”、“C2-12置換アルキニル”、“C1-12置換アルキレン”、 “C2-12置換アルケニレン”及び“C2-12置換アルキニレン”は、1以上の、及び好ましくは、1又は2つのハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、保護オキソ、C3-7シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、グアニジノ、保護グアニジノ、複素環、置換複素環、イミダゾリル、インドリル、ピロリジニル、C1-12アルコキシ、C1-12アシル、C1-12アシルオキシ、ニトロ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、シアノ、メチルスルホニルアミド、チオール、C1-10アルキルチオ又はC1-10アルキルスルホニル基により置換される基を示す。置換アルキル基は、1又はそれより多く、及び好ましくは、1回又は2回、同一であっても異なっていてもよい置換基で置換され得る。好ましい置換基は、ハロである。
【0057】
用語“保護オキソ”は、2つのアルコキシ基で置換された2つの追加炭素原子に結合され又は置換ジオール部に2回結合され、従って非環式又は環状ケタル基を形成すする炭素原子を示す。
本件明細書に使用されるような用語“C1-12アルコキシ”は、基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシなどを示す。好ましいアルコキシは、メトキシである。用語“C1-12置換アルコキシ”は、アルコキシのアルキル部が、C1-12置換アルキルに関連するような同一方法において置換され得ることを意味する。好ましい置換基は、ハロである。同様に、本件明細書に使用されるような用語“C1-12フェニルアルコキシ”は、フェニル基に結合される“C1-12アルコキシ”を意味する。
用語“C1-12アシルオキシ”は、本件明細書においては、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノイルオキシ、ウンデカノイルオキシ、ドデカノイルオキシなどを示す。
同様に、用語“C1-12アシル”は、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、ベンゾイルなどの基を包含する。好ましいアシル基は、アセチル及びベンゾイルである。
【0058】
用語“C1-12置換アシル”は、1又はそれより多くの、好ましくは、1又は2つのハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、保護オキソ、シクロヘキシル、ナフチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、グアニジノ、複素環、置換複素環、イミダゾリル、インドリル、ピロリジニル、C1-12アルコキシ、C1-12アシル、C1-12アシルオキシ、ニトロ、C1-12アルキルエステル、カルボキシ、保護カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、シアノ、メチルスルホニルアミノ、チオール、C1-10アルキルチオ又はC1-10アルキルスルホニル基により置換されたアシル基を示す。置換アシル基は、1又はそれより多く、及び好ましくは、1回又は2回、同一であっても異なっていてもよい置換基で置換され得る。
置換基の用語“C3-7シクロアルキル”は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル環を含む。同様に、“C3-7シクロアルキル”であり得る置換基は、また、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル環を含む“C5-7シクロアルキル”であり得る。
置換基の用語“C3-7置換シクロアルキル”又は“C5-7置換シクロアルキル”は、1又は2つのハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、C1-10アルキルチオ、C1-10アルキルスルホキシド、C1-10アルキルスルホニル、C1-10置換アルキルチオ、C1-10置換アルキルスルホキシド、C1-10置換アルキルスルホニル、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルキル、C1-12アルコキシ、オキソ、保護オキソ、(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、保護カルボキシ、フェニル、置換フェニル、フェニルチオ、フェニルスルホキシド、フェニルスルホニル、アミノ、又は保護アミノ基により置換された上のシクロアルキル環を示す。
【0059】
用語“シクロアルキレン”は、シクロアルキル基が2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続するような、上で記載されるようなシクロアルキルを意味する。同様に、用語“置換シクロアルキレン”は、シクロアルキル基が、2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続し、さらに少なくとも1つの追加置換基を有するシクロアルキレンを意味する。
用語“C5-7シクロアルケニル”は、1,2又は3−シクロペンテニル環、1,2,3又は4−シクロヘキセニル環又は1,2,3,4又は5−シクロヘプテニル環を示し、用語“置換C5-7シクロアルケニル”は、C1-12アルキルラジカル、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、C1-12アルコキシ、トリフルオロメチル、カルボキシ、保護カルボキシ、オキソ、保護オキソ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、フェニル、置換フェニル、アミノ又は保護アミノにより置換された上のC5-7シクロアルケニル環を示す。
用語“C5-7シクロアルケニレン”は、シクロアルケニル基が、2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続するような、上記のようなシクロアルケニル環である。C5-7シクロアルケニレンの例としては、1,3−シクロペンチレン及び1,2−シクロヘキシレンが挙げられる。
同様に、“置換C5-7シクロアルケニレン”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、C1-10アルキルチオ、C1-10アルキルスルホキシド、C1-10アルキルスルホニル、C1-10置換アルキルチオ、C1-10置換アルキルスルホキシド、C1-10置換アルキルスルホニル、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルキル、C1-12アルコキシ、オキソ、保護オキソ、(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、保護カルボキシ、フェニル、置換フェニル、フェニルチオ、フェニルスルホキシド、フェニルスルホニル、アミノ、又は保護アミノ基により更に置換されたシクロアルケニレンを意味する。
【0060】
用語“ヘテロ環”又は“複素環”は、1〜4個のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄及び/又は窒素、特には窒素を、単独で又は硫黄又は酸素環原子と併せてのいずれかで有する、場合により置換されていてもよい5〜8員環を示す。用語“二環式ヘテロ環”は、そのような2つの環が互いに融合されたもの意味する。これらの5〜8員環は、飽和、完全に不飽和又は部分的に不飽和されていてもよく、完全に飽和された環が好ましい。好ましい複素環としては、モルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニル、2−アミノ−イミダゾイル、テトラヒドロフラノ、ピロロ、テトラヒドロチオフェン−イル、ヘキシルメチレンイミノ及びヘプチルメチルレンイミノが挙げられる。
用語“置換ヘテロ環”又は“置換複素環”及び“置換二環式ヘテロ環”は、上記の複素環又は融合二環式複素環が、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルコキシ、C1-12アシル、C1-12アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノカルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ、N−(フェニルスルホニル)アミノ、ヘテロ環又は置換ヘテロ環基であり得る、同一であっても異なっていてもよい、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの置換基で置換されることを意味する。
【0061】
用語“ヘテロアリール”は、1〜4個のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄及び/又は窒素、特には、窒素を、単独で又は硫黄又は酸素環原子と併せてのいずれかで有する5〜6員環系である複素環芳香族誘導体を意味する。ヘテロアリールの例としては、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニル、ピリダジニル、ピロロ、フラノ、オキサゾロ、イソキサゾロ(isoxazolo)、フタリミド(phthalimido)、チアゾロ(thiazolo)などが挙げられる。
用語“置換ヘテロアリール”は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルコキシ、C1-12アシル、C1-12置換アシル、C1-12アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ、N−(フェニルスルホニル)アミノ基であり得る、同一であっても異なっていてもよい、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの置換基で置換される上記のヘテロアリールを意味する。
【0062】
用語“C7-18フェニルアルキル”は、アルキル鎖内の任意の位置で、フェニルにより置換されたC1-12アルキル基を示す。定義は、以下の式の基を含む:−フェニル−アルキル、−アルキル−フェニル及び−アルキル−フェニル−アルキル。そのような基の例としては、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニル(n−プロピル)、4−フェニルヘキシル、3−フェニル(n−アミル)、3−フェニル(s−ブチル)などが挙げられる。好ましいC7-18フェニルアルキル基は、フェニル基と組み合わせされた本件明細書に記載される好ましいアルキル基のいずれか1つである。
同様に、用語“C1-12ヘテロシクロアルキル”は、本件明細書に記載されるような、アルキル鎖内の任意の位置で、“ヘテロ環”により置換されたC1-12アルキル基を示す。定義は、以下の式の基を含む:−複素環−アルキル、−アルキル−複素環及び−アルキル−複素環−アルキル。好ましいC1-12ヘテロシクロアルキル基は、本件明細書に記載される好ましいヘテロ環基のいずれか1つと組み合わせされた、本件明細書に記載される好ましいアルキル基のうちのいずれか1つである。
【0063】
用語“C7-18置換フェニルアルキル”及び“C1-12置換ヘテロシクロアルキル”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、保護オキソ、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、グアニジノ、保護グアニジノ、複素環、置換複素環、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルコキシ、C1-12アシル、C1-12置換アシル、C1-12アシルオキシ、ニトロ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−(C1-12ジアルキル)カルボキサミド、シアノ、N−(C1-12アルキルスルホニル)アミノ、チオール、C1-10アルキルチオ、C1-10アルキルスルホニル基より選択される、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの基で置換された(アルキル、又はここで適応できるところのフェニル又は複素環部上で)C7-18フェニルアルキル基又はC1-12ヘテロシクロアルキルを示し;及び/又はフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルコキシ、C1-12アシル、C1-12置換アシル、C1-12アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ、N−(フェニルスルホニル)アミノ、環状C2-12アルキレン又はフェニル基(置換又は未置換される)より選択された1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの置換基で、得られるビフェニル基のために、置換され得る。置換アルキル、フェニル又は複素環基は、同一であっても異なっていてもよい、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの置換基で置換され得る。
【0064】
用語“C7-18フェニルアルキレン”は、フェニルアルキル基が2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続するような、上記のようなC7-18フェニルアルキルを特定する。定義は、以下の基を含む:−フェニル−アルキル−、−アルキル−フェニル−及び−アルキル−フェニル−アルキル−。フェニル環上の置換基は、1,2、1,3又は1,4であり得る。C7-18フェニルアルキレンとしては、例えば、1,4−トリレン及び1,3−キシリレンが挙げられる。
同様に、用語“C1-12ヘテロシクロアルキレン”は、ヘテロシクロアルキル基が2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続するような、上記のようなC1-12ヘテロシクロアルキルを特定する。定義は、以下の式の基を含む:−複素環−アルキル−、−アルキル−複素環及び−アルキル−複素環−アルキル−。
用語“C7-18置換フェニルアルキレン”及び“C1-12置換ヘテロシクロアルキレン”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、C1-10アルキルチオ、C1-10アルキルスルホキシド、C1-10アルキルスルホニル、C1-10置換アルキルチオ、C1-10置換アルキルスルホキシド、C1-10置換アルキルスルホニル、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルキル、C1-12アルコキシ、オキソ、保護オキソ、(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、保護カルボキシ、フェニル、置換フェニル、フェニルチオ、フェニルスルホキシド、フェニルスルホニル、アミノ又は保護アミノ基により、フェニル環上で又はアルキル基上で更に置換される上記のようなC7-18フェニルアルキレン又はC1-12ヘテロシクロアルキレンを意味する。
【0065】
用語“置換フェニル”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルコキシ、C1-12アシル、C1-12置換アシル、C1-12アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ、N−(フェニルスルホニル)アミノ又はフェニルからなる群より選択される、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの基で置換されたフェニル基を特定し、その中において、フェニルは、置換され又は未置換である(例えば、ビフェニルを生じるように)。
用語“フェノキシ”は、分子の残りの部分に対する結合が酸素原子を介して行われる、酸素原子に結合されたフェニルを示す。用語“置換フェノキシ”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルコキシ、C1-12アシル、C1-12アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ及びN−(フェニルスルホニル)アミノからなる群より選択される、1又はそれより多くの及び好ましくは、1又は2つの基で置換されたフェノキシ基を特定する。
【0066】
用語“アリール”は、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ又はチオ又はチオアルキルより選択された1又はそれより多くの基により置換され又は未置換であり得る、少なくとも1つの炭素環芳香族基又は複素環芳香族基を有する芳香族基を言及する。アリール環の限定されない例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリルなどである。用語“アリールオキシ”は、分子の残りに対する結合が、酸素原子を介する、酸素原子に結合された“アリール”基を言及する。
用語“C7-18置換フェニルアルコキシ”は、フェニルアルキル部が、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、オキソ、保護オキソ、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、グアニジノ、複素環、置換複素環、C1-12アルコキシ、C1-12アシル、C1-12アシルオキシ、ニトロ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−(C1-12ジアルキル)カルボキサミド、シアノ、N−(C1-12アルキルスルホニル)アミノ、チオール、C1-10アルキルチオ、C1-10アルキルスルホニル基より選択された、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの基で置換される、酸素原子を介して分子の残りの部分に結合されたC7-18フェニルアルコキシ基を示し;及び/又はフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12アシル、C1-12アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ、N−(フェニルスルホニル)アミノ又はフェニル基(得られるビフェニル基のために置換され又は未置換である)より選択された、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの置換基で置換され得る。置換アルキル又はフェニル基は、同一であっても異なっていてもよい、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの置換基で置換され得る。
【0067】
用語“フタルイミド”は、1,2−ベンゼンジカルボン酸とも呼ばれるフタル酸から製造される環状イミドを意味する。用語“置換フタルイミド”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルコキシ、C1-12アシル、C1-12アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ及びN−(フェニルスルホニル)アミノからなる群より選択される、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの基で置換されたフタルイミド基を特定する。
用語“置換ナフチル”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-7アルコキシ、C1-7アシル、C1-7アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド、N,N−ジ(C1-12アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N−((C1-12アルキル)スルホニル)アミノ又はN−(フェニルスルホニル)アミノからなる群より選択される、同一環又は異なる環上のいずれかの、1又はそれより多くの、及び好ましくは、1又は2つの基で置換されたナフチル基を特定する。また、用語“置換ナフチル”は、置換基が異なる二置換ナフチル基を表す。
【0068】
用語“ナフチレン”は、2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続するような、ナフチル基を意味する。同様に、用語“置換ナフチレン”は、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、C1-10アルキルチオ、C1-10アルキルスルホキシド、C1-10アルキルスルホニル、C1-10置換アルキルチオ、C1-10置換アルキルスルホキシド、C1-10置換アルキルスルホニル、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C1-12置換アルキル、C1-12アルコキシ、オキソ、保護オキソ、(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、保護カルボキシ、フェニル、置換フェニル、フェニルチオ、フェニルスルホキシド、フェニルスルホニル、アミノ、又は保護アミノ基により更に置換されるナフチレン基を意味する。
用語“ハロ”及び“ハロゲン”は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を言及する。同一でも異なっていてもよい1又はそれより多くのハロゲンが存在していてもよい。
用語“(モノ置換)アミノ”は、フェニル、置換フェニル、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、C1-12アシル、C1-12置換アシル、C2-12アルケニル、C2-12置換アルケニル、C2-12アルキニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル、C7-18置換フェニルアルキル、複素環、置換複素環、C1-12ヘテロシクロアルキル及びC1-12置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される1つの置換基を有するアミノ基を言及する。(モノ置換)アミノは、更に、用語“保護(モノ置換)アミノ”により包含されるようなアミノ−保護基を有し得る。
【0069】
用語“(二置換)アミノ”は、フェニル、置換フェニル、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、C1-12アシル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C7-18フェニルアルキル、C7-18置換フェニルアルキル、C1-12ヘテロシクロアルキル及びC1-12置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される2つの置換基を有するアミノ基を言及する。2つの置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
本件明細書で使用されるような用語“アミノ−保護基”は、分子の他の官能基を反応させつつ、アミノ官能性をブロック又は保護するために通常用いられるアミノ基の置換基を言及する。用語“保護(モノ置換)アミノ”は、モノ置換アミノ窒素原子上にアミノ−保護基があることを意味する。更に、用語“保護カルボキシサミド”は、カルボキサミド窒素上にアミノ−保護基があることを意味する。同様に、用語“保護N−(C1-12アルキル)カルボキサミド”は、カルボキサミド窒素上にアミノ−保護基があることを意味する。
用いられるアミノ−保護基の種類は、誘導体化アミノ基がその後の反応の状態に安定である限り決定的な要素ではなく、適切なポイントで、化合物の残りを分裂することなく除去され得る。好ましいアミノ−保護基は、Boc、Cbs及びFmocである。上の用語により包含されるアミノ−保護基の更なる例は、有機合成及びペプチド技術においてよく知られ及び、例えば、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts、“Protective Groups in Organic Synthesis,”2nd ed., John Wiley及びSons, New York, NY, 1991, Chapter 7, M.Bondanzsky, “Principles of Peptide Synthesis,”1st及び2nd revised ed., Springer-Verlag, New York, NY, 1984及び1993及びStewart及びYoung, “Solid Phase Peptide Synthesis, ”2nd ed., Pierce Chemical Co., Pockford, IL, 1984に記載され、それらの各々は、参考文献として本件明細書に組み込まれる。関連用語“保護アミノ”は、上で議論されたアミノ−保護基で置換されたアミノ基を定義する。
【0070】
本件明細書で使用されるような用語“保護グアニジノ”は、1又は2つのグアニジノ窒素原子上の“アミノ−保護基”を言及する。“保護グアニジノ”基の例は、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts;M.Bodanzsky;及びStewart及びYoung(上記)により記載される。
用語“エピミノ”は、−NH−を意味する。用語“置換エピミノ”は、Rが、“(モノ置換)アミノ”の定義の下、上で挙げられた置換基である−N(R)−を意味する。
用語“C1-5アルキレンエピミノ”は、エピミノを、任意のポイントで、鎖に沿って有する1〜5個の炭素アルキレン鎖を言及する。用語“C1-5置換アルキレンエピミノ”は、a)エピミノ位置で(上記の、“置換エピミノ”のような同一方法において);及び/又はb)1又はそれより多くのアルキレン位置で(上記のような“置換アルキレン”のような同一の方法において)置換されるC1-5アルキレンエピミノ基を言及する。
用語“チオ”は、−SH又は、2つの他の基の間にある場合、−S−を言及する。用語“C1-10アルキレンチオ”は、チオを、任意のポイントで、鎖に沿って、有する1〜10個の炭素アルキレン鎖を言及する。用語“C1-10置換アルキレンチオ”は、1又はそれより多くのアルキレン位置で(上記のような、“置換アルキレン”のような同一方法において)置換されるC1-10アルキレンチオ基を言及する。
【0071】
用語“スルホニル”は、−S(O)2−を言及する。用語“C1-10アルキレンスルホニル”は、スルホニルを、任意のポイントで、鎖に沿って有する1〜10個の炭素アルキレン鎖を言及する。用語“C1-10置換アルキレンスルホニル”は、1又はそれより多くのアルキレン位置で(上記のような、“置換アルキレン”のような、同一方法において)置換されるC1-10アルキレンスルホニル基を言及する。
用語“スルフィニル”は、−S(O)−を言及する。用語“C1-10アルキレンスルフィニル”は、スルフィニルを、任意のポイントで、鎖に沿って有する1〜10個の炭素アルキレン鎖を言及する。用語“C1-10置換アルキレンスルフィニル”は、1又はそれより多くのアルキレン位置で(上記のような、“置換アルキレン”のような同一方法において)置換されるC1-10アルキレンスルフィニル基を言及する。
用語“オキシ”は、−O−を言及する。用語“C1-10アルキレンオキシ”“C1-10アルキレンジオキシ”及び“C1-10アルキレントリオキシ”は、それぞれ1、2又は3個の−O−を、任意の位置で、鎖に沿って有する1〜10個の炭素アルキレン鎖を言及し、但し、連続する2つの酸素原子はなく、及び但し、いずれか2つの酸素原子は、少なくとも2つの炭素により分離される。用語“C1-10置換アルキレンオキシ”“C1-10置換アルキレンジオキシ”及び“C1-10置換アルキレントリオキシ”は、丁重には、1又はそれより多くのアルキレン位置で(上記のような、“置換アルキレン”のような同一方法において)置換される、“C1-10アルキレンオキシ”、“C1-10アルキレンジオキシ”及び“C1-10アルキレントリオキシ”を言及する。
【0072】
用語“チオカルボニル”は、−C(S)H又は、2つの他の基の間の場合、−C(S)−を言及する。用語“チオエステル”は、−C(O)SH又は、2つの他の基の間の場合、−C(O)S−を言及する。
本件明細書に使用されるような用語“カルボキシ−保護基”は、カルボン酸基をブロック又は保護するために通常用いられるカルボン酸基のエステル誘導体の1つを言及するが、反応は、化合物上の他の官能基で行われる。これらの基の例は、参考文献として本件明細書に組み込まれる、E.Haslam, “Protective Groups in Organic Chemistry,”J.G.W.McOmie, Ed., Plenum Press, New York, NY, 1973, Chapter 5及びT.W.Greene及びP.G.M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, 2nd ed., John Wiley及びSons, New York, NY, 1991, Chapter 5において見出される。関連用語は、上のカルボキシ−保護基の1つで置換されたカルボキシ基を言及する“保護カルボキシ”である。
用語“ヒドロキシ−保護基”は、ヒドロキシ基に結合された容易に開裂できる基を言及する。ヒドロキシ−保護基の種類は、誘導体化ヒドロキシ基がその後の反応の状態に安定である限り決定的な要素ではなく、適切なポイントで、分子の残りを分裂することなく、除去され得る。ヒドロキシ−保護基の例は、C.B.Reese及びE.Haslam, “Protective Groups in Organic Chemistry”, J.G.W.McOmie, Ed., Plenum Press, New York, NY, 1973, Chapter 3及び4のそれぞれ、及びT.W.Greene及びP.G.M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, 2nd ed., John Wiley及びSons, New York, NY, 1991, Chapters 2及び3により記載される。関連用語は、上のヒドロキシ保護基の1つで置換されたヒドロキシ又はヒドロキシメチルを言及する“保護ヒドロキシ”及び“保護ヒドロキシメチル”である。
【0073】
用語“C1-10アルキルチオ”は、スルフィド基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、t−ブチルチオ基などを言及する。
用語“C1-10アルキルスルホキシド”は、スルホキシド基、例えば、メチルスルホキシド、エチルスルホキシド、n−プロピルスルホキシド、イソプロピルホキシド、n−ブチルスルホキシド、s−ブチルスルホキシドなどを示す。用語“C1-10アルキルスルホニル”は、基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニルなどを包含する。また、上のチオ、スルホキシド又はスルホニル基が、アルキル鎖上の任意のポイントでで存在し得ることが、理解されるべきである(例えば、2−メチルメルカプトエチル)。
用語“C1-10置換アルキルチオ”、“C1-10置換アルキルスルホキシド”、及び“C1-10置換アルキルスルホニル”は、これらの基のC1-10アルキル部が、“置換アルキル”に関して上記のように置換され得ることを示す。
用語“フェニルチオ”、“フェニルスルホキシド”及び“フェニルスルホニル”は、フェニル基を含む、チオール、スルホキシド、又はスルホンのそれぞれを特定する。用語“置換フェニルチオ”、“置換フェニルスルホキシド”及び“置換フェニルスルホニル”は、これらの基のフェニルが、“置換フェニル”に関して上記のように置換され得ることを意味する。
【0074】
用語“C1-12アルキルアミノカルボニル”は、アミノカルボニル基の窒素に結合されたC1-12アルキルを意味する。C1-12アルキルアミノカルボニルの例としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル及びブチルアミノカルボニルが挙げられる。用語“C1-12置換アルキルアミノカルボニル”は、アルキルが、C1-12置換アルキルに関して上記のように置換され得る、アミノカルボニル基の窒素に結合された置換アルキルを示す。
用語“C1-12アルキルカルボニル”は、カルボニル基に結合された“C1-12アルコキシ”基を意味する。用語“C1-12置換アルコキシカルボニル”は、アルコキシが、“C1-12置換アルキル”に関して上記のように置換され得る、カルボニル基に結合された置換アルコキシを示す。
用語“フェニルアミノカルボニル”は、アミノカルボニル基の窒素に結合されたフェニルを意味する。用語“置換フェニルアミノカルボニル”は、フェニルが、置換フェニルに関して上記のように置換され得る、アミノカルボニル基の窒素に結合された置換フェニルを示す。
用語“C1-12アルキルアミチオノカルボニル”は、アルキルが、上に定義されるような同一の意味を有する、アミノチオカルボニルに結合されたC1-12アルキルを意味する。
【0075】
用語“C1-12置換アルキルアミノチオカルボニル”は、アルキルが、C1-12置換アルキルに関して上記にように置換され得る、アミノチオカルボニル基に結合された置換アルキルを示す。
用語“フェニルアミノチオカルボニル”は、フェニルが、上に定義されるような同一の意味を有する、アミノチオカルボニル基に結合されたフェニルを意味する。
用語“置換フェニルアミノチオカルボニル”は、フェニルが、置換フェニルに関して上記にように置換され得る、アミノチオカルボニル基に結合された置換フェニルを示す。
用語“フェニレン”は、フェニル基が、一緒に2つの別の追加基を接続する2つの位置で結合されるフェニル基を意味する。
用語“置換フェニレン”は、フェニル基が、一緒に2つの別の追加基を接続する2つの位置で結合され、その中において、フェニルが、“置換フェニル”に関して上記のように置換されるフェニル基を意味する。
用語“置換C1-12アルキレン”は、アルキル基が2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続し、かつ更に追加置換基を有するC1-12アルキル基を意味する。
用語“環状C2-7アルキレン”、“置換環状C2-7アルキレン”、“環状C2-7ヘテロアルキレン”及び“置換環状C2-7ヘテロアルキレン”は、二環系において得られるフェニル基に結合された(“融合された”)そのような環状基を定義する。環状基は、飽和され又は1又は2つの二重結合を含有し得る。更に、環状基は、環状C2-7ヘテロアルキレンである、1又は2個の酸素、窒素又は硫黄原子により置換された、1又は2つのメチレン又はメチン基を有し得る。
【0076】
環状アルキレン又はヘテロアルキレン基は、適切な場合、以下の基:ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、オキソ、保護オキソ、C1-4アシルオキシ、フォルミル、C1-12アシル、C1-12アルキル、C1-7アルコキシ、C1-10アルキルチオ、C1-10アルキルスルホキシド、C1-10アルキルスルホニル、ハロ、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、ヒドロキシメチル又は保護ヒドロキシメチルからなる群より選択される化合物(例えば、アルキレン)の別の部分に接続され得る、同一又は異なる置換基により1回又は2回置換され得る。
ベンゼン基上で融合された環状アルキレン又はヘテロアルキレン基は、2〜10の環員を含有し得るが、それは、好ましくは、3〜6の員を含有する。そのような飽和環状基の例は、得られた二環系が、2,3−ジヒドロ−インダニル及びテトラリン環である場合にある。環状基が、不飽和である場合、例は、得られた二環系が、ナフチル環又はインドリルである場合に発生する。各々が、1つの窒素原子及び1以上の二重結合、好ましくは、1又は2つの二重結合を含有する融合された環状基の例は、ベンゼンラジカルが、ピリジノ、ピラノ、ピロロ、ピリジニル、ジヒドロピロロ、又はジヒドロピリジニル環に融合される場合にある。各々が、1つの酸素原子及び1又は2つの二重結合を含有する融合された環状基の例は、ベンゼンラジカル環が、フロ、ピラノ、ジヒドロフラノ、又はジヒドロピラノ環に融合される場合にある。各々が、1つの硫黄原子を有し及び1又は2つの二重結合を含有する融合された環状基の例は、ベンゼン基が、チエノ、チオピラノ、ジヒドロチエノ又はジヒドロチオピラノ環である場合にある。硫黄及び窒素から選択される2個のヘテロ原子及び1又は2つの二重結合を含有する環状基の例は、ベンゼンラジカル環が、チアゾロ、イソチアゾロ、ジヒドロチアゾロ又はジヒドロイソチアゾロ環に融合される場合にある。酸素及び窒素から選択される2つのヘテロ原子及び1又は2つの二重結合を含有する環状基の例は、ベンゼン環が、オキサゾロ、イソキサゾロ、ジヒドロオキサゾロ又はジヒドロイソオキサゾロ環に融合される場合にある。2つの窒素ヘテロ原子及び1又は2つの二重結合を含有する環状基の例は、ベンゼン環が、ピラゾロ、イミダゾロ、ジヒドロピラゾロ又はジヒドロイミダゾロ環又はピラジニルに融合される場合に発生する。
【0077】
用語“カルバモイル”は、基が2つの位置で結合して、2つの別個の追加の基を1つに接続する−NC(O)−基を意味する。
用語“有機又は無機カチオン”は、カルボン酸塩のカルボン酸アニオンのための対イオンに関する。
対イオンは、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、アルミニウム及びカルシウム);アンモニウム及びモノ−、ジ−及びトリ−アルキルアミン、例えば、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン;及び有機カチオン、例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、フェニルエチルベンジルアンモニウム、ジベンジルエチレンジアンモニウムなどのカチオンから選択される。例えば、参考文献として本件明細書に組み込まれる“Pharmaceutical Salts”, “Berge et al., J.Pharm Sci., 66:1-19(1977)を参照されたい。上の用語により包含される他のカチオンは、プロカイン、キニーネ及びN−メチルグルコサミンのプロトン化形態、及び塩基性アミノ酸、例えば、グリシン、オルニチン、ヒスチジン、フェニルグリシン、リシン及びアルギニンのプロトン化形態を含む。更に、カルボン酸及びアミノ基により形成された本発明の化合物の双性形態は、この用語により言及される。例えば、カルボン酸アニオンのためのカチオンは、位置が、(第四アンモニウム)メチル基で置換される場合に存在するであろう。カルボン酸アニオンのための好ましいカチオンは、ナトリウムカチオンである。
【0078】
本発明の化合物は、また、溶剤和物及び水和物として存在し得る。従って、これらの化合物は、例えば、水和の水、又は1、多くの、又はいずれかの、母液溶剤の分子のそれらの蒸留で結晶化することができる。そのような化合物の溶媒和物及び水和物は、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の1又はそれより多くの化合物は、生物学的に活性なエステル形態、例えば、非毒性の、代謝的に不安定なエステル形態において存在し得る。そのようなエステル形態は、増加した血液レベルを含み及び化合物の対応する非−エステル化形態の有効性を延長する。使用され得るエステル基としては、低アルコキシメチル基、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、イソプロポキシメチルなど;−(C1-12)アルコキシエチル基、例えば、メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、イソプロポキシエチルなど;2−オキソ−1,3−ジオオキシレン(diooxlen)−4−イルメチル基、例えば、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル、5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメチルなど;C1-10アルキルチオメチル基、例えば、メチルチオメチル、エチルチオメチル、イソ−プロピルチオメチルなど;アシルオキシメチル基、例えば、ピバロイルオキシメチル(pivaloyloxymethyl)、ピバロイルオキシエチル(pivaloyloxyethyl)、−アセトキシメチルなど;エトキシカルボニル−1−メチル基;−アセトキシエチル;1−(C1-12アルキルオキシカルボニルオキシ)エチル基、例えば、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基;及び1−(C1-12アルキルアミノカルボニルオキシ)エチル基、例えば、1−(メチルアミノカルボニルオキシ)エチル基が挙げられる。
【0079】
用語“アミノ酸”は、20の自然発生アミノ酸のいずれか1つ又は自然発生のアミノ酸のいずれか1つのD−形態を含む。更に、用語“アミノ酸”はさらに、自然発生アミノ酸の機能的等価体(functional equivalent)である、D−アミノ酸以外の他の非−自然発生アミノ酸を含む。そのような非−自然発生アミノ酸は、例えば、ノルロイシン(“Nle”)、ノルバリン(“Nva”)、L−又はD−ナフタラニン(naphthalanine)、オルニチン(“Orn”)、ホモアルギニン(ホモArg)及びペプチド技術においてよく知られる他のもの、例えば、M.Bodanzsky, “Principles of Peptide Synthesis”, 1st 及び2nd revised ed., Springer-Verlag, New York, NY, 1984及び1993及びStewart及びYoung, “Solid Phase Peptide Synthesis”, 2nd ed., Pierce Chemical Co., Rockford, IL, 1984(その双方が、本件明細書に参考文献として組み込まれる)において記載されるものを含む。アミノ酸及びアミノ酸アナログは、商業的に購入され(Sigma Chemical Co.;Advanced Chemtech)又は当該技術分野において知られる方法を用いて合成することができる。
請求の範囲に記載されている発明の位置が、最大3つの一連の“置換基”を有することが理解されるべきである。例えば、“置換フェニル”で置換され、順に、“置換アルキル”で置換される“置換アルキル”は、順に、もう1つの基により置換され及びもはや更に置換され得ない。しかしながら、また、本発明が、適切な場合、3より多くの平行(parallel)置換基を熟考することが理解されるべきである。例えば、適切な場合、アルキル基上の3個より多くの水素は、ハロ及びヒドロキシを含む1又はそれより多くの種々の基で置換され得る。
【0080】
キノリニウム誘導体の一般合成
実施例の化合物の合成は、スキーム1において示されるように達成された。種々のキノリンのアルキル化を、ジクロロメタン、クロロホルム又はトルエン中のアルキルトリフラート、アルキルスルフェート、アリキルメタンスルホネート又はアルキルトシレートを用いて達成して、所望なキノリニウム塩を提供した。乾燥に対する蒸発又は簡単なろ過からなる精製、及び生産は、常に高かった。N−置換ピロールは、触媒ヨウ素、又は触媒酢酸を用いて、2,5−ヘキサジオンでの第一級アミンの凝縮により合成された。ピロールは、ビルスマイヤー−ハック条件(vilsmeier-Haack condition)を用いてホルミル化された。アルデヒド及びキノリニウム塩の間のピペリジン触媒の凝縮は、所望な最終キノリニウム誘導体を提供した。
【0081】
【化9】

【0082】
スキーム1.キノリニウムアナログの合成
中間体A.を提供するためのキナルジンのアルキル化についての一般手順(Tetrahedron 2003、59、4911-4921):
【0083】
【化10】

【0084】
中間体B.を提供するためのピロールの形成についての一般手順(J.Org.Chem.2004,69,213-216):
【0085】
【化11】

【0086】
中間体C.を形成するためのホルミル化についての一般手順(J. Org.Chem.1959、24、372-374):
【0087】
【化12】

【0088】
縮合のための一般手順:
メタノール(1mL)中の2−メチルキノリニウム塩(0.571mmol)及びアルデヒド(0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4〜16時間還流した。溶液を室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、固体を提供した。
【実施例】
【0089】
中間体の製造
中間体1:(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3,4−ジカルボキサルデヒド(dicarboxaldehyde))を、以下のように製造した:
【0090】
【化13】

【0091】
無水トルエン(9mL)中の2,5−ジメチル−1−フェニルピロール(Banik J.Org.Chem.2004、69、213-216)(12mmol)及びDMF(10.2eq)の攪拌溶液に、POCl3(8.2eq)を滴下で添加した。溶液を、110℃に6時間加熱した。混合物を、室温に冷却した。NaOAc(サット)(sat)(100mL)を、添加し及び次いで、20分間激しく攪拌した。ジクロロメタン(500mL)及び5gのK2CO3(s)を添加した。混合物を、色が、水性層から全く消えるまで振動した。有機層を、NaHCO3及び塩水で洗浄し及び蒸発して、2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3,4−ジカルボキサルデヒドを提供した。
: 1HNMR (CDCl3): d 10.29 (s, 2H), 3.83 (t, J= 7.8 Hz, 2H), 2.54 (s, 6H), 1.66-1.62 (m, 2H), 1.43 (m, 2H), 0.98 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
中間体2:(4’−ホルミル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル)を、以下のように製造した:
【0092】
【化14】

【0093】
ジクロロメタン(10ml)中の4’−ホルミル−ビフェニル−3−カルボン酸(0.500g、2.21mmol)及び炭酸カリウム(0.305g、2.21mmol)の溶液に、メチルトリフラート(.26mL、2.32mmol)を滴下で添加した。その溶液を、室温で16時間攪拌した。pptを、ろ過し及び有機層を濃縮して、白色固体(0.395g、74%)を提供した。 1H NMR (CDCl3) 10 1(s, 1H) 8.33(t, J=1.8 Hz, 1H), 8.09 (dd,J=9.1Hz, 1H), 7.99-7.97 (m, 2H), 7.84-7.80 (m, 1H), 7.80 (dd, J = 6.6, 1.8 Hz , 2H), 7.57 (t, J = 7.9 Hz, 1H ), 3.97 (s, 3H)。
【0094】
中間体3:
1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート
ジクロロメタン(7mL)中のキナルジン(1.34mmol)の攪拌溶液に、室温で、メチルトリフラート(1.47mmol)を滴下で添加した。その溶液を、16時間攪拌し、真空ろ過を介して収集された沈殿物を得て、1,2−ジメチルキノリニウムトリフラートを提供した。
1H NMR (DMSO) d 8.71 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 8.34 (d, J= 9.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 9.7, 3.0 Hz, 1H), 7.28-7.25 (m, 1H), 4.34 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.11 (s, 6H)。
【0095】
中間体4:
6−ブロモ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート
中間体3の方法を使用
: 1H NMR (DMSO) d 8.99 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 8.71 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 8.53 (d, J= 9.5 Hz, 1H), 8.36 (dd, J= 9.5, 2.4 Hz, 1H), 8.15 (d, J= 8.6 Hz, 2H), 3.03 (s, 3H), 3.05 (s, 3H)。
HPLCを使用して、残りの化合物を特徴付けた。ゾルバックス(Zorbax)−SB C−18分析カラム(5mm)を、CH3CN(15分にわたり0〜100%)中の0.05%TFAに対して、H2O中の溶離剤0.05%TFAを用いて、1.5mL/分の流速で使用した。
表2.キノリニウム塩の保持時間(Rt
【0096】

【0097】
中間体12:
2,5−ジメチル−1−フェニルピロール
2,5−ヘキサジオン(1.2mmol)及びアニリン(1mmol)の攪拌溶液に、室温で、ヨウ素(0.1mmol)を添加した。その溶液を、16時間攪拌した。溶液を、ジクロロメタン(20mL)で希釈し及び次いで、5%NaSSO3、NaHCO3及び塩水(各々5mL)で連続して洗浄した。有機層を、MgSO4で乾燥し及び真空下で濃縮して、2,5−ジメチル−1−フェニルピロールを提供した。
1HNMRは、リット(lit)値と一致する(J.Org.Chem.1959、24、372-374)。
【0098】
中間体13:
2.5−ジメチル−1−(3−ピリジル)ピロール
中間体12についての方法
1HNMR (CDCl3): d 8.60 (dd, J= 4.7, 1.7 Hz, 1H), 7.81 (td,J= 7.8, 1.9 Hz, 1H), 7.29 (dd, J= 7.2, 5.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 5.89 (s, 2H), 2.18 (s, 6H)。
【0099】
中間体14:
1−ブチル−2,5−ジメチルピロール
中間体12についてと同様の方法
1HNMR (CDCl3): d 5.76 (s, 2H), 3.72 (t, J= 3.6 Hz, 2H), 2.22 (s, 6H), 1.63-1.57 (m, 2H), 1.39-1.35 (m, 2H), 0.96 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
中間体14に関する代替方法:
ブチルアミン6.3gのサンプルを、1,5−ヘキサンジオン9.6gで処理し、及び次いで、2ulの酢酸を添加した。その混合物を、触ってみると暖かくし、そして氷浴中に置いた。4時間後、氷浴は、融解し、及び3mlの水層を分離した。その混合物を、30mlのヘキサン及び10mlの水で処理し及び−20℃で貯蔵した。翌日、有機層を、冷凍水性層からデカントし、次いで、有機層を、真空で蒸発して、淡黄色油として、12.24gの1−ブチル−2,5−ジメチルピロールを提供した。
【0100】
中間体15:
2.5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド
無水トルエン(9mL)中の2,5−ジメチル−1−フェニルピロール(12mmol)及びDMF(12mmol)のよく攪拌された溶液に、POCl3(12mmol)を滴下した。その溶液を、110℃に6時間加熱した。混合物を、室温に冷却した。NaOAc(サット)(100mL)を、添加し及び次いで、20分間強力に攪拌した。ジクロロメタン(500mL)及び5gのK2CO3を添加した。その混合物を、色が、水性層から全く消えるまで振動した。有機層を、NaHCO3及び塩水で洗浄し及び蒸発して、2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒドを提供した。
1HNMR (CDCl3): d 9.87 (s, 1H), 7.54-7.48 (m, 3H), 7.21-7.19 (m, 2H), 6.38 (s, 1H), 2.27 (s,3H), 1.98 (s, 3H)。
【0101】
中間体16:
2,5−ジメチル−1−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド
中間体15についてと同様の方法
1HNMR (CDCl3): d 9.89 (s, 1H), 8.75-8.74(m, 1H), 8.54 (m, 1H), 7.61-7.58 (m, 1H), 7.52-7.49 (m, 1H), 6.42 (s, 1h), 2.30 (s, 3H), 2.00 (s, 3H)。
【0102】
中間体17:
2,5−ジメチル−1−ブチル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド
1:1のEtOAc及びヘキサンを用いて中間体15、シリカ上のTLC、Pf=0.3に関して製造した。
1HNMR (CDCl3)δ10.30 (s, 2H), 3.83-3.80(m, 2H), 3.15(s, 6H), 1.65-1.62(m, 2H), 1.43-1.38(m, 2H), 0.99(t,J=7.4,3H)。
【0103】
中間体18:
4−ベンジルオキシ−3−クロロベンズアルデヒド
3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド0.156gのサンプルを、攪拌棒を有する13X100mmの試験管に入れた。次いで、無水炭酸カリウム0.33g、次いで、0.5mlの乾燥アセトンを添加した。次いで、0.12mlの臭化ベンジルを添加し、及びその混合物を室温で一晩中攪拌した。22時間攪拌した後、2mlのジクロロメタンを添加し、及び固体をろ過により除去した。ろ液のTLCは、シリカ上でジクロロメタンについてのTLC上の新しいスポット、RF0.7、及び出発物質なし、RF0.2を示した。蒸留により、白色固体を得た。
【0104】
中間体19:
3,4−ジホルミル−2,5−ジメチル−1−(2−フェニルエチル)ピロール
A:2,5−ジメチル−1−(2−フェニルエチル)ピロール
1.67gのヘキサン−2,5−ジオンのサンプルを、攪拌棒を有する20mlのバイアルに入れた。次いで、1.67mlのフェネチルアミン、次いで、0.1mlの酢酸を添加した。酢酸の添加で、その混合物が急速に温まり、及び濁ってきた。その混合物を、2時間攪拌し、次いで、10mlのヘキサン及び2mlの水を添加した。混合物を、一晩中攪拌した。有機層を分離し、及び蒸発して、−20℃の貯蔵で固体になる2.5gの淡黄色油を得た。
NMR DMSO 7.27-7.11, M, 5 H, 5.58, S, 2H, 3.90, T, 2H, 2.80, T, 2H
B:3,4−ジホルミル−2,5−ジメチル−1−(2−フェニルエチル)ピロール
2,5ジメチル−1−(2−フェニルエチル)ピロール0.1gを、攪拌棒を有する20X150mlの試験管に入れ、そして5mlの乾燥DMFを添加した。次いで、その混合物を、5分間にわたり1.8mlのPOCl3の滴下して処理した。混合物が、発熱的に、85℃に温められ、次いで100℃で1時間加熱した。CH2C12中の10%アセトンについてのシリカ上のTLCは、新しいスポットRF0.5、及び出発物質なしRF0.8を示した。反応物を、90gの氷及び8gの酢酸ナトリウム上に注いだ。その混合物を、30mlの酢酸エチルで処理し、5分間強力に攪拌した。混合物を、次いで、分離し及び、トップ層を硫酸マグネシウムで乾燥し、及び次いで、真空で蒸発して、黒い(dark)油を提供した。その油を、シリカ上の、1X2.5インチのカラムでのクロマトグラフィにかけた。油を、40mlのジクロロメタンにおいて溶解し、及びカラム上に吸着させた。カラムを、次いで、ジクロロメタン中の2Xの40mlの5%酢酸エチルで溶離した。TLCにより純粋であると判断されたフラクションを組み合わせ及び真空で蒸発してしばらく置き、固化された黄色油を得た。
NMR DMSO 10.16, S, 2H, 7.31-7.24, M, 3H, 7.15-7.14, M, 2H, 4.14, T, 2H, 2.93,T, 2H, 2.37, S, 6 H
【0105】
中間体20
1−ブチル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール
磁気攪拌棒及び温度計を有する250mlの丸底フラスコに、中間体14 12.24gを置いた。次いで、ジメチルホルムアミド60mlを添加した。フラスコを、氷浴において冷却し及び混合物を、次いで、1mlずつ、オキシ塩化リン19mlで処理した。最初の8mlについて、激しい発熱により、各々1ml部で溶液を10℃から20℃に温めた。最初の8ml後、追加オキシ塩化リンは、少しの温度上昇をもたらした。オキシ塩化リンの添加後、氷浴を除去し及び明るいオレンジ色溶液を含有するフラスコを油浴に置き、次いで、浴槽を100℃に加熱した。溶液は、45分後90℃に達し、次の45分で85℃に冷却した。2時間加熱した後、油浴を除去し、及び溶液を、15分間冷却させた。溶液を、次いで、600gの氷及び100gの酢酸ナトリウムの混合物上に注ぎ、及び攪拌した。25分後、灰色固体のサスペンションが形成され、混合物をろ過し、及び固体を、2X100mlの水で洗浄し、及び空気を乾燥して、1−ブチル−3,4−ジホルミル−2,5ジメチルピロール9.8gを提供した。固体は、ジクロロメタン中の10%酢酸エチルについてシリカTLC上に1つのスポット、RF0.3を示した。
1HNMR (DMSO, 500 MH): 10.18 (s, 2H), 3.90 (dd, 2H), 2.51 (s, 6 H), 1.56 (m, 2H), 1.34 (m, 2H), 0.92 (t, 3H)
【0106】
中間体21
1,2−ジメチルキノリニウムトシレート
4mLのCHCl3中の6−ジメチルアミノキナルジン(5.0g、26.8mmol)の溶液に、4.0mLのp−トルエンスルホン酸メタンを添加し及び加熱して、12時間還流した。反応物を、濃縮して、所望の製品を得た。
1HNMR (DMSO-d6)δ8.67(d,J=9.2,1H),8.28(d,J=9.8,1H),7.80(d,J=8.7,1H),7.69-7.66(m,1H),7.48(d,J=8.0,2H),4.31(s,3H),3.07(s,6H),2.98(s,3H),2.25(s,3H)。
【0107】
実施例1:リン酸ピルビニウムの合成
パモ酸ピルビニウム0.51g、ICN♯156475、ロット8256Bのサンプルを、磁気攪拌棒を有する250mlの三角フラスコに入れた。次いで、40mlのクロロホルム、フィッシャーBP1145−1、ロット982393、次いで、20mlの95%エタノール、PhamacoACS/USPグレードロット0204092バッチ02102−15を添加し、深紅の溶液を得た。
混合物を、50℃に温め及び10分間攪拌した。混合物を、次いで、95%エタノール中の10mlの2%リン酸(85%)で処理し、沈殿物を製造した。2分後、30mlの酢酸エチルを添加し、及びその混合物を、20分間攪拌した。固体を、次いで、ろ過により収集し、2/1/1の酢酸エチル/クロロホルム/エタノール20mlで洗浄し、及び空気を乾燥して、0.45gの赤れんが色の粉末を提供した。CNH実測av2回測定C50.75H6.11N6.70、計算値C26H28N3.H2PO4.H3PO4.2H2O、C50.90H6.08N6.85。
実施例1のリン酸塩のサンプルは、水において、1mg/mlで自由に溶解性であり、橙赤色溶液を得た。これは、パモ酸ピルビニウムの乏しい溶解性と対照的であり、それは、水において、1mg/mlで、16時間、RTで攪拌し及び次いで、ろ過した時、HPLC分析による検出の制限下でピルビニウムを有する無色の溶液を得た。
【0108】
実施例2:硫酸ピルビニウムの合成
0.51gのパモ酸ピルビニウムのサンプルを、250mlの三角フラスコに入れ、1.5X3/8インチの攪拌棒を加えた。次いで、40mlのクロロホルム(エタノール安定された)及び20mlの95%エタノールを添加し、及び混合物を攪拌し、深紅の溶液を得た。10分後、4mlの95%エタノール中の0.11mlの95%硫酸の溶液を滴下し、深紅の溶液を得た。5分間攪拌した後、50mlの酢酸エチルを1部として注いだ。得られた固体のサスペンションを、20分間攪拌し、及び次いで、ろ過して、固体を収集した。固体を、2X5mlの酢酸エチルで洗浄し、及び空気を乾燥して、0.4035gの微細粉末状の深紅の固体を得た。CNA実測C61.09、H、6.08、N8.07、S6.53、KF5.40、計算C26H28N3+.HSO4−.4H20 61.656.378.30、S6.32 KF5.33。
硫酸ピルビニウムは、水中の1.5%DMSO及び5%デキストロースにおいて1mg/mで溶解性である。
実施例3:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成
【0109】
【化15】

【0110】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ベンザルデヒド(85mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、紫色固体(102mg、37%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ8.55 (d, J= 9.4 Hz, 1H), 8.31 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.25 (d, J= 9.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J= 15.6 Hz, 1H), 7.78 (d, J= 9.0 Hz, 2H), 7.63 (dd, J= 9.8, 3.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J= 15.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 6.81 (d, J= 9.0 Hz, 2H), 4.40 (s, 3H), 3.11 (s, 6H), 3.06 (s, 6H); HPLC Rt = 10.0。
【0111】
実施例4:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成
【0112】
【化16】

【0113】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及びp−アニスアルデヒド(69uL,0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤みがかった紫色固体(121mg、45%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.67 (d, J= 9.1 Hz, 1H), 8.34-8.31 (m, 2H), 7.99 (d, J= 15.9 Hz, 1H), 7.89 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 7.72-7.69 (m, 2H), 7.26 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 7.0 Hz, 2H), 4.47 (s, 3H), 3.20 (s, 3H), 3.13 (s, 6H); HPLC Rt = 10.0。
【0114】
実施例5:2−((E)−2−ビフェニル−4−イル−ビニル)−6−ジメチルアミノ−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成
【0115】
【化17】

【0116】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び4−ビフェニルカルボキサルデヒド(104mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(150mg、51%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.73 (d, J= 9.1 Hz, 1H), 8.39-8.35 (m, 2H), 8.08-7.90 (m, 3H), 7.92 (d, J= 15.9 Hz, 1H), 7.85 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.78 (dd, J= 7.4, 1.8 Hz, 2H), 7.74 (dd, J= 9.3, 3.0 Hz, 1H), 7.52 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 7.43 (td, J= 7.1, 1.2 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 3.1 Hz, 1H), 4.53 (s, 3H), 3.15 (s, 6H); HPLC Rt = 11.7
【0117】
実施例6:6−ジメチルアミノ−1−メチル−2−[(E)−2−(5−(4−メチルフェニル)−イソキサゾール−3−イル)−ビニル]−キノリニウムトリフラートの合成
【0118】
【化18】

【0119】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び5−(4−メチルフェニル)−イソキサゾール−3−カルボキサルデヒド(99mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(126mg、43%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.78 (d, J= 9.1 Hz, 1H), 8.44 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.41 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.83-7.81 (m, 3H), 7.76 (s, 1H) 7.42 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.30 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 4.54 (s, 3H), 3.17 (s, 6H), 2.40 (s,3H); HPLC Rt = 11.2。
【0120】
実施例7:6−ジメチルアミノ−1−メチル−2−[(E)−2−(4−フェニル−チオフェン−2−イル)−ビニル]−キノリニウムトリフラートの合成
【0121】
【化19】

【0122】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び4−フェニル−チオフェン−2−カルボキサルデヒド(107mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(142mg、48%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.69 (d, J= 9.2, 1H), 8.34 (d, J= 9.9 Hz, 1H), 8.32 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.19 (d, J= 15.7 Hz, 1H), 7.78 (dd, J= 8.4, 1.2 Hz, 2H), 7.73 (dd, J= 9.8, 3.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J= 15.6, 1H), 7.48 (td, J= 9.2, 2H), 7.38-7.35 (m, 1H), 7.26 (d, J= 3.0, 1H), 4.48 (s, 3H), 3.14 (s, 6H); HPLC Rt = 11.7。
【0123】
実施例8:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2(1H−インドール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0124】
【化20】

【0125】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.mmol)及びインドール−3−カルボキサルデヒド(83mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、深紅の固体(95mg、35%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ12.1 (s, 1H), 8.57 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H) 8.18-8.16 (m, 1H), 7.63 (dd, J = 9.8, 3.0 Hz, 1H), 7.53-7.50 (m, 2H), 7.29-7.24 (m, 3H), 4.42 (s, 3H), 3.12 (s, 6H); HPLC Rt = 10.0
【0126】
実施例9:6−ジメチルアミノ−1−メチル−2−[(E)−2−(5−フェニル−フラン−2−イル)−ビニル]キノリニウムトリフラートの合成:
【0127】
【化21】

【0128】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び5−フェニル−2−フルアルデヒド(98mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(142mg、49%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.65 (d,J= 9.1 Hz, 1H), 8.35 (d, J= 9.8 Hz, 1H), 8.32 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.99-7.97 (m, 2H), 7.95 (d, J= 15.6 Hz, 1H), 7.71 (dd, J= 9.8, 3.0 Hz, 1H), 7.65 (d, J= 15.6 Hz, 1H), 7.52 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 7.44-7.40 (m, 1H), 7.29 (d, J= 3.8 Hz, 1H), 7.26 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J= 3.6 Hz, 1H), 4.49 (s, 3H), 3.14 (s, 6H); HPLC Rt = 11.4
【0129】
実施例10:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(4−ホルミル−2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0130】
【化22】

【0131】
MeOH(1mL)中のA6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.111g、0.318mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3,4−ジカルボキサルデヒド(132mg、0.636mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色の固体(49mg、29%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 10.0 (s, 1H), 8.60 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.42 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.34 (d, J= 15.4 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 7.99 (d, J= 15.4 Hz, 1H), 7.66 (dd, J= 9.8, 3.1 Hz, 1H), 7.25 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 4.40 (s, 3H), 3.98 (t, J= 7.8 Hz, 2H), 3.12(s, 6H), 2.59 (s, 3H), 2.53 (s, 3H), 1.62-1.59 (m, 2H), 1.39-1.34 (m, 2H), 0.95 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
【0132】
実施例11:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(3’−メトキシカルボニル−ビフェニル−4−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0133】
【化23】

【0134】
MeOH(1mL)中のA6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び中間体2(mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、有色固体(mg、%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.72 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.37-8.27 (m, 2H), 8.27-8.26 (m, 1H), 8.07-8.01 (m, 5H), 7.93-7.83 (m, 3H), 7.73 (dd, J= 9.8, 3.1 Hz, 1H), 7.68 (t, J= 7.8 Hz, 1H), 7.26 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 4.52 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.14 (s, 3H) ; HPLC Rt = 11.4
【0135】
実施例12:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0136】
【化24】

【0137】
MeOH(1.3mL)中の6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び2,5−ジメチル−1−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(114mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(131mg、43%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.73 (dd, J= 4.8, 1.5 Hz, 1H), 8.63 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.54 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.46 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.24 (d, J= 9.7 Hz, 1H), 8.09 (d, J= 15.2 Hz, 1H), 7.927.90 (m, 1H), 7.65-7.60 (m, 2H), 7.27 (d, J= 15.2 Hz, 1H), 7.23 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 4.37 (s, 3H), 3.11 (s, 6H), 2.26 (s, 3H), 2.03 (s, 3H); HPLC Rt = 9.3
【0138】
実施例13:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル−エチル硫酸キノリニウムの合成:
【0139】
【化25】

【0140】
MeOH(1mL)中の6−ジメチルアミノ−2−メチル−2−エチル硫酸エチルキノリニウム(0.120g、0.352mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(70mg、0.352mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(78mg、44%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.53-8.47 (m, 2H), 8.23 (d, J= 9.8 Hz, 1H), 8.15 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.62-7.58 (m, 3H), 7.56-7.54 (m, 1H), 7.37 (dd, J= 3.5, 1.4 Hz, 2H), 7.24 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 7.16 (d, J= 15.1 Hz, 1H), 6.77 (s, 1H), 4.96 (q, J= 7.1 Hz, 2H), 3.73 (q, J= 7.0 Hz, 2H), 3.11 (s, 6H), 2.23 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.50 (t, J= 7.1 Hz, 3H), 1.10 (t, J= 6.9 Hz, 3H); HPLC Rt = 12.8
【0141】
実施例14:6−ブロモ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0142】
【化26】

【0143】
MeOH(1mL)中の6−ブロモ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.571mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(103mg、0.517mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(99mg、34%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.70 (d, J= 9.4 Hz, 1H), 8.64 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.49 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 8.38 (d, J= 14.8 Hz, 2H), 8.33 (d, J= 9.4 Hz, 1H), 8.18 (dd, J= 9.3, 2.3 Hz, 1H), 7.62-7.59 (m, 2H), 7.57-7.54 (m, 1H), 7.39 (dd, J= 3.5, 1.4 Hz, 1H), 7.28 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 6.84 (s,1H), 4.37 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.02 (s, 3H); HPLC Rt = 11.9。
【0144】
実施例15: 6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−ブチル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0145】
【化27】

【0146】
MeOH(1mL)中のA6−ジメチルアミノ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.517mmol)及び1−ブチル−2,5−ジメチル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(300mg、0.571mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体を提供した。固体を、SiO2カラムクロマトグラフィを用いて、クロロホルム(57mg、20%)中の10%アセトンを用いて精製した。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.46 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.41 (d, J= 9.4 Hz, 1H), 8.18 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 8.04 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.57 (dd, J= 9.7, 3.1 Hz, 1H), 7.21 (J= 3.0 Hz, 1H), 7.08 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 6.54 (s,1H), 4.30 (s, 3H), 3.83 (t, J= 7.8 Hz, 2H), 3.09 (s, 6H), 2.49 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.58-1.55 (m, 2H), 1.36-1.31 (m, 2H), 0.92 (t, J= 4.0 Hz, 3H); HPLC Rt = 12.6
【0147】
実施例16:6−ブロモ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0148】
【化28】

【0149】
MeOH(1mL)中のA6−ブロモ−1−エチル−2−メチルキノリウムトリフラート(0.200g、0.499mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(100mg、0.499mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(50mg、17%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.72 (d, J= 11.2 Hz, 1H), 8.64 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.50 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 8.43 (d, J= 14.8, 1H), 8.34 (d, J= 9.5 Hz, 1H), 8.18 (dd, J= 9.4, 2.3 Hz, 1H), 7.63-7.60 (m, 3H), 7.39-7.38 (m, 2H), 7.20 (d, J= 14.9 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.97 (q, J= 7.1 Hz, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.50 (t, J= 7.1 Hz, 3H); HPLC Rt = 12.9
【0150】
実施例17:6−ジメチルアミノ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0151】
【化29】

【0152】
MeOH(1mL)中のA6−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチルキノリウムトリフラート(0.125g、0.343mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(68mg、0.343mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、赤色固体(30mg、16%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ 8.52-8.47 (m, 2H), 8.23 (d, J= 9.9 Hz, 1H), 8.14 (d, J= 15.1 Hz, 1H), 7.62-7.52 (m, 4H), 7.37- 7.35 (m, 2H), 7.24 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 7.16 (d, J= 15.1 Hz, 1H), 6.77 (s, 1H), 4.96 (q, J= 7.5 Hz, 2H), 3.11 (s, 6H), 2.24 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.50 (t, J= 7.1 Hz, 1H); HPLC Rt = 12.9。
【0153】
実施例18:2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0154】
【化30】

【0155】
MeOH(1mL)中の1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.651mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(130mg、0.651mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、黒色固体(113mg、36%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ8.75 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.66 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.40 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.34(d, J= 15.0 Hz, 1H), 8.22 (dd, J= 8.0, 1.5 Hz, 1H), 8.08-8.05 (m, 1H), 7.83 (t, J= 7.8 Hz, 1H), 7.62-7.54 (m, 3H), 7.39-7.37 (m, 2H), 7.30 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 6.83 (s, 1H), 4.40 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.02 (2, 3H); HPLC Rt 11.2。
【0156】
実施例19:6−ブロモ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0157】
【化31】

【0158】
MeOH(1mL)中の6−ブロモ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.518mmol)及び2,5−ジメチル−1−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(104mg、0.518mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、濃い紫色固体(34mg、12%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6)δ. 8.76-8.66 (m, 4H), 8.51 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.35 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 8.20 (dd, J= 9.4, 2.4 Hz, 1H), 7.95- 7.93 (m, 1H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.32 (d, J= 14.9 Hz, 1H), 6.83 (s, 1H), 4.39 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.04 (s, 3H); HPLC Rt = 9.0。
【0159】
実施例20:6−メチル−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−エチル−キノリニウムヨウ化物の合成:
【0160】
【化32】

【0161】
MeOH(1mL)中の1−エチル−2,6−ジメチルキノリニウムヨウ化物(0.025g、0.080mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(16mg、0.080mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、有色固体(5mg、13%)を提供した。HPLC Rt = 12.0
【0162】
実施例21:6−クロロ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリラートの合成:
【0163】
【化33】

【0164】
MeOH(1mL)中の6−クロロ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.585mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(117mg、0.585mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。その溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、固体(85mg、28%)を提供した。%). 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.71 (d, J= 9.5 Hz, 1H), 8.65 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.40 (m, J= 9.4 Hz, 2H), 8.36-8.35 (m, 1H), 8.08 (dd, J= 9.4, 2.5, 1H), 7.63-7.54 (m, 3H), 7.40-7.38 (m, 2H), 7.28 (d, J= 14.9 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.38 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); HPLC Rt = 11.7
【0165】
実施例22:7−クロロ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0166】
【化34】

【0167】
MeOH(1mL)中の7−クロロ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.585mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(117mg、0.585mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、固体(99mg、32%)を提供した。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.73 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.67 (d, J= 9.4 Hz, 1H), 8.53 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 8.38 (d, J= 14.9 Hz, 1H), 8.23 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.87 (dd, J= 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.63-7.53 (m, 3H), 7.40-7.38 (m, 2H), 7.28 (d, J= 14.9 Hz, 1H), 6.86 (s, 1H), 4.37 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); HPLC Rt = 11.8
【0168】
実施例23:6−メトキシ−2−[(E)−2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル)−ビニル]−1−メチル−キノリニウムトリフラートの合成:
【0169】
【化35】

【0170】
MeOH(1mL)中の6−メトキシ−1,2−ジメチルキノリニウムトリフラート(0.200g、0.593mmol)及び2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(118mg、0.593mmol)の溶液に、ピペリジン(1〜2滴)を添加し及び4時間還流した。溶液を、室温に冷却し及び沈殿物を、真空ろ過を用いて収集して、紫色固体(114mg、37%)を提供した。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.66 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.61 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 8.35 (d, J= 9.5 Hz, 1H), 8.23 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.72-7.68 (m, 2H), 7.62-7.53 (m, 3H), 7.38 (m, 2H), 7.27 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 4.40 (s, 3H), 3.03 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); HPLC Rt = 11.5
【0171】
実施例24:2−(2−(4−ベンジルオキシ−3−クロロフェニル)ビニル)−6−ジメチルアミノ−1−メチルキノリニウムメタンスルホネートの合成:
【0172】
【化36】

【0173】
1mlのブタノール中の6−(ジメチルアミノ)−1,2−ジメチルキノリニウムメタンスルホネート、120mg、及び4−ベンジルオキシ−3−クロロベンザルデヒド、180mgのサンプルを、10ulのピペリジンで処理し、及び100℃に1時間温めた。配合物を、−20℃に一晩冷却し、固体を、沈殿した。室温に温め、固体は、溶解した。溶液を、2mlの酢酸エチルで処理し、及び次いで、−20℃に冷却した。得られた固体を、ろ過により収集し、2mlの酢酸エチルで洗浄し及び空気を、乾燥して、68mgの赤色固体、HPLC方法0100CD Rt12.118分、99%純度を得た。
NMR D6DMSO 500 MH 8.70 J=9 D 1H, 8.34 J=9.9 D 1H, 8.29 J= 9.15 D 1H, 8.18 J=2.1 D 1H, 7.94 J=15.9 D 1H, 7.81 J= 8.7,2.2 DD 1H, 7.79 J=16 D 1H, 7.73 J=9.8,3.0 DD 1H, 7.50 J=7.4 D 2H, 7.45-7.35 M 4H, 7.26 J=3 D, 1H, 5.33 S 2H, 4.49 S 3H, 3.14 S 6H, 2.28 S 3H。
【0174】
実施例25〜58:
以下の実施例を、実施例23の方法に従って製造した:
【0175】
【化37】

【0176】
表3:実施例25〜59
トリフラート塩として、R2=H



以下の化合物は、メタンスルホネートである。

【0177】
実施例60:3−ホルミル−2,5−ジメチル−1−(2−フェニルエチル)ピロール−4−イルの合成
【0178】
【化38】

【0179】
4mLのエタノール中の1,2−ジメチルキナルジン(4.08g、10.9mmol)及び2,5−ジメチルピロール(2.25g)に、一滴のピペリジンを添加し、それを、次いで、加熱して、16時間還流した。その溶液を、冷却し及び沈殿物を、ろ過して、1.8gの不純な製品を得た。不純な製品を、無水EtOH(60%回収)を用いて再結晶化した。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.00 (s, 1H), 8.59 (d, J= 9.2, 1H), 8.41 (d, J= 9.2, 1H), 8.34 (d, J= 15.0, 1H), 8.25 (d, J= 9.8, 1H), 8.00 (d, J= 15.4, 1H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.46 (dd, J= 6.4, 1.8, 2H), 7.25 (d, J= 3.0, 1H), 7.11 (d, J= 8, 2H), 4.41 (s, 3H), 3.99-3.97(m, 2H), 3.12 (s, 6H), 2.59 (s, 3H), 2.53 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 1.62-1.59 (m, 2H), 1.39-1.43 (m, 2H), 0.95 (t, J= 7.3, 1H)。
【0180】
実施例61:癌細胞の付着依存性増殖(通常液体細胞培養)における低減
実施例1の化合物を、96ウェルプレートにおける追加グルコースを伴うか伴わない液体培養においてテストして、癌細胞増殖を低減することにおけるその有効性を解明した。その方法は、次の通りである:
細胞を、37℃で5%CO2を有する加湿インキュベータ(Ultra-Tech WJ301D;Baxter Scientific Products、West Chester、PA、USA)において、4.5g/Lのグルコース、すべてInvitrogen、Caelsbad、CA,USAから)を伴うか伴わないかで、10%胎児ウシ血清(FBS)、2mM L−グルタミン(L−Glu)、1X非必須アミノ酸(NEAAs)、1%ピルビン酸ナトリウムで補われた1Xダルベッコ(1XDulbecco)の改良されたイーグル(eagle)媒体(DMEM)において培養した。1−3X103細胞を含有する細胞サスペンション(100ml)を、96−ウェルフラット−ボトムマイクロプレートの各々のウェル内にプレート(plate)した。細胞を1〜3日間増殖させた後、細胞増殖を、製造の指示に従って、マラマーブルー(商標)染色(1:10容量試薬;Biosurce International、Camarillo、CA、USA)を用いて測定した。
【0181】
表4.((+)Glu及び(−)Gluで示された)追加グルコースを伴うか伴わない、液体増殖培養における癌細胞に対する実施例1の化合物の選択的効力。

実施例25〜60の化合物を示されるようにテストし、グルコース欠損媒体及びPanc−1、HCT−116、Pc3M/N、HEPG2、ASPC1、又はH460細胞を用いて、表3において記載された濃度で可変的細胞増殖の少なくとも50%低減を提供した(不活性であった化合物53を除く)。
【0182】
実施例62:癌細胞の接着−依存性増殖(柔軟な寒天)における低減
実施例1の化合物を、液体培養及び柔軟な寒天の双方において更にテストした。より具体的には、細胞を、37℃で5%CO2を有する加湿インキュベータ(Ultra-Tech WJ301D;Baxter Scientific Products、West Chester、PA、USA)において、10%胎児ウシ血清(FBS)、2mM L−グルタミン、1X非必須アミノ酸、及び1%ピルビン酸ナトリウム(sdium pyruvate)で補われた1Xダルベッコ(1XDubecco)の改良されたイーグルの媒体(DMEM)、又は10%EBS及び2mM L−グルタミン、すべてInvitrogen、Caelsbad、CA,USAからで補われたRPMI1640のいずれかにおいて培養した。1X103細胞を含有する細胞サスペンションを、液体培養媒体又は半固体寒天培養媒体における96−ウェルフラット−ボトムマイクロプレートの各々のウェル内にプレートし及び37℃で、それぞれ3日間又は7日間インキュベートした。細胞増殖を、アラマーブルー(商標)染色(1:10容量試薬;Biosource International、Camarillo、CA、USA)により、PerSeptive Biosystems CytoFluor(登録商標) Series4000Multi-Well Plate Readerを用いて、530±25nmでの励起及び590±35nmでの放出で測定した。結果を、下の表5に示す。
【0183】
表5.液体培養及び柔軟な寒天培養における癌細胞に対する実施例1の化合物の効力

【0184】
表5において示されるように、実施例1の化合物(挙げられた濃度レベルで)は、液体又は柔軟な寒天培養のいずれかにおいて挙げられた細胞系の細胞増殖の50%低減を示した。
【0185】
実施例63:結腸癌異種移植片モデルにおける腫瘍サイズの低減
実施例1の化合物の抗−腫瘍活性を、単剤治療の2つの異なる形態:腹腔内及び経口投与を利用して、ヌードマウス異種移植片の進行した段階モデルにおいてテストした。メスの無胸腺ヌード(nu/nu)マウスに、HCT116結腸癌細胞を接種し及び腫瘍を、約150mm3の容量に増殖させた。マウスに、次いで、実施例1の化合物又はコントロールを、経口で又は腹腔内のいずれかで投与した。図1において描写されるように、結果は、コントロールと比較して、腫瘍容量における有意な低減を示し、明らかな毒性はない(即ち、体重の変化が最小限である)(実施例1の化合物は、図1においてIMST8−pと称される)。
【0186】
実施例64:非小細胞肺癌(NSCL)の異種移植片モデルにおける腫瘍増殖の低減
実施例57の化合物の抗−腫瘍活性を、ヌードマウス異種移植片の早期段階のモデルにおいてテストした。メスの無胸腺ヌード(nu/nu)マウスに、H460NSCL細胞を接種し及び2つのグループに分割した。日々(6回/週)、最初のグループに、ビヒクル(コントロール)を投与し及び第二のグループに、実施例57の化合物を腹腔内投与した。図2において示されるように、H460腫瘍サイズ(p<0.05)の有意な低減は、明らかな毒性を伴わずに、実施例57の化合物を受けたマウス(図2における標識IMST8D1b)においてコントロールと比較して観察された。
【0187】
実施例65:相乗的な組み合わせ
少なくとも1つの追加の化学療法薬と組み合わせる本発明の化合物の抗−腫瘍活性を、また、ヌードマウスの異種移植片モデルにおいてテストした。
A.メスの無胸腺ヌード(nu/un)マウスに、PC3前立腺細胞を接種した。腫瘍容量が、約100mm3に達したとき、動物を、4つのグループの間で同様の平均サイズの腫瘍を有する4つのグループに分割した。第一グループに、ビヒクル(コントロールとして)を、第二グループに、実施例1の化合物(日々P.O.)を、第三グループに、ドキソルビシン(腹腔内)を及び第四グループに、組み合わせたもの(腹腔内Dox/実施例1の化合物p.o.)を投与した。結果を、図3に示す(実施例1の化合物は、図3においてIMST8と称される)。図3からわかり得るように、実施例1の化合物及びドキソルビシンの組み合わせ治療は、PC3媒体−段階的異種移植片腫瘍の増殖を低減することにおいて大いに有効であった。
B.メスの無胸腺ヌード(nu/nu)マウスに、PC3前立腺細胞を接種した。腫瘍容量が、約100mm3に達したとき、動物を、4つのグループの間で同様の平均サイズの腫瘍を有する4つのグループに分割した。第一グループに、ビヒクル(コントロールとして)を、第二グループに、実施例1の化合物(日々P.O.)を、第三グループに、パクリタキセル(タクソール)(腹腔内)を及び第四グループに、組み合わせたもの(腹腔内にタクソール/実施例1の化合物p.o.)を投与した。結果を、図4に示す(実施例1の化合物は、図4においてIMST8と称される)。図4からわかり得るように、パクリタキセル(タクソール)単剤治療は、腫瘍サイズを有意に低減し;及び実施例1の化合物及びパクリタキセルの組み合わせ治療は、腫瘍増殖における更なる低減を証明した。
下の表6は、腫瘍増殖を低減すること又は抑制することにおいて、本発明の化合物(即ち、実施例1又は実施例57の化合物)の有効性を示す、異種移植片実験の結果を要約する。
【0188】
表6.

本件明細書に記載された全ての参考文献のそれらの全体が、組み込まれる。上記詳細な記載が、本発明のある好ましい実施態様を単に説明することのみを意図することが理解される。それは、いかなる場合にも、請求の範囲に記載されるような本発明の範囲を制限しない。
【0189】
参考文献
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2 米国特許第3615608号
3 米国特許第2965485号
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21 Chem Ab, 101:166571
22 米国特許第2,715,622号; Chen Ab, 50:p5246g
23 Heslot et al., Eff Ioniz Radiat Seeds Proc Symp (1960), 243-249 (1961)
24 http://www.oehha.org/prop65/out_of_date/598not.html
25 米国出願公開第2004097408号
26 Ciufolini, M.A., Tet Lett, 37:8281 (1996).
27 http://www.ch.ic.ac.uk/montalban/PhD.pdf
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】図1は、実施例1の化合物を用いる、結腸癌細胞の腫瘍増殖における低減(コントロールと比較)を示す。
【図2】図2は、実施例57の化合物を用いる、非小肺癌細胞の腫瘍増殖における低減(コントロールと比較)を示す。
【図3】図3は、PC3媒体−段階的な異種移植片腫瘍のための実施例1の化合物及びドキソルビシンの組み合わせ治療の効果を示す。
【図4】図4は、PC3媒体−段階的な異種移植片腫瘍のための実施例1の化合物及びタクソールの組み合わせ治療の効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キノリニウムの塩形態を含む組成物であって、該塩が、アセテート、トリフルオロアセテート、カーボネート、重炭酸塩、ベンゾエート、サリチレート、グルクロネート、ラクテート、タートレート、ムケート、グルコネート、スクシネート、グルタメート、アスパルテート、マレエート、シトレート、グルタレート、ホスフェート、スルフェート、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、1,2−エタンジスルホネート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、エタンスルホネート、カンフルスルホネート、スルファメート、シクロヘキシルスルファメート、2−メルカプトピリジン−N−オキシドシクロピロックス、アセチル−11−ケト−β−ボズウェル酸、セラストロール、ジヒドロセラストロール、グリシルリジン酸、ウルソル酸及び18−β−グリシルレチン酸からなる群より選択される組成物。
【請求項2】
前記塩が、アセテート、トリフルオロアセテート、カーボネート、重炭酸塩、ベンゾエート、サチリレート、グルクロネート、ラクテート、タートレート、ムケート、グルコネート、スクシネート、グルタメート、アスパルテート、マレエート、シトレート、グルタレート、ホスフェート、スルフェート、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、1,2−エタンジスルホネート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、エタンスルホネート、カンフルスルホネート、スルファメート及びシクロヘキシルスルファメートからなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記塩が、ホスフェート又はスルフェートである請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記塩が、2−メルカプトピリジン−N−オキシドシクロピロックス、アセチル−11−ケト−β−ボスウェル酸、セラストロール、ジヒドロセラストロール、グリシルリジン酸、ウルソル酸及び18−β−グリシルレチン酸からなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
キノリニウムの塩形態を含む組成物であって、前記塩が、強酸ポリマー樹脂を使用して製造される組成物。
【請求項6】
前記樹脂が、スルホン化ポリスチレン又はDowex−50である請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
以下の式の化合物又それらの医薬的に許容される塩:
【化1】

(式中:
Rは、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12置換アルキル、C2-12置換アルケニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル及びC7-18置換フェニルアルキルからなる群より選択され;
又はR及びR6は、ヘテロ環又は置換ヘテロ環を形成し;
又はR及びR4は、ヘテロ環又は置換ヘテロ環を形成し;
1は、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、CO27、C(O)NR78、C=NR9−NR78、−CH=NR7及び−NR78からなる群より選択され、その中において、R7及びR8は、独立して、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12置換アルキル、C2-12置換アルケニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル及びC7-18置換フェニルアルキルからなる群より選択され;
又は−NR78を組み合わせて、ヘテロ環、置換ヘテロ環、環状C2-7ヘテロアルキレン又は置換環状C2-7ヘテロアルキレンを形成し、その中において、置換ヘテロ環及び置換環状C2-7ヘテロアルキレンは、また、オキソ及び式=NR9(式中、R9は、水素、C1-12アルキル及びC1-12置換アルキルからなる群より選択される)の置換基を含み;
2、R3、R4及びR6は、独立して、水素、C1-12アルキル及びC1-12置換アルキル及びハロ又は以下の式のうちの1つからなる群より選択され:a)−(CH2nCO210;b)−(CH2nCON(R102;c)−(CH2nCN;及びd)(CH2nSO210(式中、R10は、水素、C1-12アルキル及びC1-12置換アルキルからなる群より選択され、及びnは、0〜4である);及び
5は、C1-12アルキル及びC1-12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、環状C2-7ヘテロアルキレン及び置換環状C2-7ヘテロアルキレンからなる群より選択される)。
【請求項8】
Rが、C1-6アルキル又はC7-18フェニルアルキルである請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
2、R3、R4及びR6が、独立して、水素、C1-6アルキル又はハロである請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
7及びR8が、独立して、C1-6アルキル、C1-6置換アルキル又はC7-18フェニルアルキルである請求項7に記載の化合物。
【請求項11】
NR78が、N、O又はSより選択される0〜3個の追加ヘテロ原子を含む4〜8個の原子の複素環を形成し、場合によりオキソ又は式=NR9により置換されていてもよい請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
NR78が、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、3−オキソピペラジン−1−イル、ホモピエラジン−1−イル、イミダゾール−1−イル、2−オキソイマダゾリジン−1−イル、2−オキソイミダゾリン−1−イル及び2−イミニオイマダゾリジン−1−イルからなる群より選択される請求項7に記載の化合物。
【請求項13】
5が、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである請求項7に記載の化合物。
【請求項14】
9及びR10が、独立して、水素又はC1-6アルキルである請求項7に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
哺乳類の癌細胞に、請求項1に記載の組成物の治療的有効量を適用することを含む哺乳類の癌細胞の増殖を低減する方法。
【請求項17】
癌に罹患した哺乳類対象体に、請求項15に記載の組成物の治療的有効量を投与することを含む哺乳類の癌を治療する方法。
【請求項18】
癌が、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、アデノーマ、肝細胞癌、肝芽腫、黄紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽細胞腫、繊維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、滑液腫瘍、エウィング腫瘍、レイミオ肉腫、ラブドセリオ肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、腎臓細胞癌、血腫、肝管癌、黒肉腫、絨毛腫、セミノ−マ、胎生期癌、ウィルム腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞及び非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、グリオーマ、アストロシオマ、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、エペンジノマ、松果体腫、網膜芽腫、多発性骨髄腫、直腸癌、甲状腺の癌、頭部及び頚部癌、脳腫瘍、抹消神経系の癌、中枢神経系の癌、神経芽細胞腫、エドメトリウムの癌、脊髄リンパ腫、白血病、リンパ腫、リンパ増殖性疾患、急性骨髄性白血病、慢性白血病、ホジキンリンパ腫及び非−ホジキンリンパ腫からなる群より選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、肺癌及び膵臓癌からなる群より選択される請求項17に記載の方法。
【請求項20】
請求項7に記載の化合物及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項21】
哺乳類の癌細胞に、請求項7に記載の化合物の治療的有効量を適用することを含む哺乳類の癌細胞の増殖を低減する方法。
【請求項22】
哺乳類の癌に罹患した哺乳類対象体に、請求項20に記載の組成物の治療的有効量を投与することを含む哺乳類の癌を治療する方法。
【請求項23】
癌が、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、アデノーマ、肝細胞癌、肝芽腫、黄紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽細胞腫、繊維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、滑液腫瘍、エウィング腫瘍、レイミオ肉腫、ラブドセリオ肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、腎臓細胞癌、血腫、肝管癌、黒肉腫、絨毛腫、セミノ−マ、胎生期癌、ウィルム腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞及び非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、グリオーマ、アストロシオマ、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、エペンジノマ、松果体腫、網膜芽腫、多発性骨髄腫、直腸癌、甲状腺の癌、頭部及び頚部癌、脳腫瘍、抹消神経系の癌、中枢神経系の癌、神経芽細胞腫、エドメトリウムの癌、脊髄リンパ腫、白血病、リンパ腫、リンパ増殖性疾患、急性骨髄性白血病、慢性白血病、ホジキンリンパ腫及び非−ホジキンリンパ腫からなる群より選択される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、肺癌及び膵臓癌からなる群より選択される請求項22に記載の方法。
【請求項25】
以下の式の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩:
【化2】

(式中:
Aは、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、置換基はさらに、−OR3、−CHO、−CN、−CONR34又はCO23を含み得;
Rは、水素、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7-18フェニルアルキル及びC7-18置換フェニルアルキルからなる群より選択され;
1及びR2は、独立して、水素、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、環状C2-7ヘテロアルキレン、置換環状C2-7ヘテロアルキレン、二環式ヘテロ環、置換二環式ヘテロ環、ハロ、−CHO及びシアノ、又は以下の式のうちの1つからなる群より選択され:−OR3、−NR34、−C(O)NR34及び−CO23;及び
3及びR4は、独立して、水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12置換アルキル、C2-12置換アルケニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル及びC7-18置換フェニルアルキニルからなる群より選択され;
但し以下の排除の少なくとも1つが生じる:
a)Rは、C1-4アルキル又はヒドロキシルエチルではなく;
b)R1は、示されたキノリル環の7−位における、メチル、ジメチルアミノ、メトキシ又はヘプチルアミノではなく;又は
c)Aは、置換ピロールではなく、ここで、i)ピロールの2−及び5−位での置換基が、メチルであるか;又はii)ピロールの1−位での置換基が、フェニル、アルキル、シクロヘキシル又はメトキシエチルであるかのいずれかである)。
【請求項26】
以下の排除の少なくとも1つが生じる請求項25に記載の化合物:
a)Rは、C1-6アルキル又はヒドロキシアルキルではなく;又は
b)R1は、C1-4アルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ又はアルキルアミノではなく;又は
c)Aは、置換ピロールではなく、ここで、i)ピロールの2−及び5−位での置換基が、C1-4アルキルであるか;又はii)ピロールの1−位での置換基が、フェニル、ベンジル、アルキル、シクロヘキシル又はアルコキシエチルであるかのいずれかである。
【請求項27】
Aが置換される場合、それは、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールでなされる請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
前記フェニル又はヘテロアリールが、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、OR3、ハロ、−CHO、−CN、−CONR34又は−CO23で置換される請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
Aが、場合により置換されていてもよいフェニル、チオフェニル、フラニル、インドリル、イミダゾリル又はイソオキサゾリルである請求項25に記載の化合物。
【請求項30】
Aが置換され、かつ置換基が、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシ、置換フェニル、−CHO及びアルコキシからなる群より選択される請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
置換基が、メチル、ブチル、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHO及びメトキシからなる群より選択される請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Rが、アルキルである請求項29に記載の化合物。
【請求項33】
Rが、メチルである請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
哺乳類の癌細胞に、以下の式の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の治療的有効量を適用することを含む哺乳類の癌細胞の増殖を低減する方法:
【化3】

(式中:
Aは、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、置換基は、また、−OR3、−CHO、−CN、−CONR34又はCO23を含み得;
Rは、水素、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7-18フェニルアルキル及びC7-18置換フェニルアルキルからなる群より選択され;
1及びR2は、独立して、水素、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、環状C2-7ヘテロアルキレン、置換環状C2-7ヘテロアルキレン、二環式ヘテロ環、置換二環式ヘテロ環、ハロ、−CHO及びシアノ、又は以下の式のうちの1つからなる群より選択され:−OR3、−NR34、−C(O)NR34及び−CO23;及び
3及びR4は、独立して、水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12置換アルキル、C2-12置換アルケニル、C2-12置換アルキニル、C7-18フェニルアルキル及びC7-18置換フェニルアルキニルからなる群より選択される)。
【請求項35】
Aが、ピロール又は置換ピロールである請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ピロールが、ピロールの2−及び5−位でC1-12アルキル;及びピロールの1−位でC1-12アルキル、フェニル、ヘテロアリール又は−CHOで置換される請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ピロールが、ピロールの2−及び5−位でメチル;又はピロールの1−位でブチル、フェニル、ピリジル又は−CHOで置換される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
1が、ジアルキルアミノ、ハロ又はアルコキシである請求項34に記載の方法。
【請求項39】
1が、キノリルの6−又は7−位にある請求項38に記載の方法。
【請求項40】
1が、ジメチルアミノ、ブロモ、クロロ又はメトキシである請求項39に記載の方法。
【請求項41】
2が、水素である請求項34に記載の方法。
【請求項42】
Rが、アルキルである請求項41に記載の方法。
【請求項43】
Rが、メチル又はエチルである請求項42に記載の方法。
【請求項44】
Aが、場合により置換されていてもよいフェニル、チオフェニル、フラニル、インドリル、イミダゾリル又はイソオキサゾリルである請求項34に記載の方法。
【請求項45】
Aが、置換され及び置換基が、C1-12アルキル、C1-12置換アルキル、フェニル、フェノキシ、置換フェニル、ベンジルオキシ、−CHO、アルコキシ及びジアルキルアミノからなる群より選択される請求項44に記載の方法。
【請求項46】
置換基が、メチル、ブチル、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHO、ジメチルアミノ及びメトキシからなる群より選択される請求項45に記載の方法。
【請求項47】
1が、アミノ一置換アミノ又は二置換アミノである請求項34に記載の方法。
【請求項48】
1が、アルキル−又はジアルキルアミノである請求項47に記載の方法。
【請求項49】
1が、ジメチルアミノである請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項25に記載の組成物及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項51】
癌が、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、アデノーマ、肝細胞癌、肝芽腫、黄紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽細胞腫、繊維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、滑液腫瘍、エウィング腫瘍、レイミオ肉腫、ラブドセリオ肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、腎臓細胞癌、血腫、肝管癌、黒肉腫、絨毛腫、セミノ−マ、胎生期癌、ウィルム腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞及び非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、グリオーマ、アストロシオマ、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、エペンジノマ、松果体腫、網膜芽腫、多発性骨髄腫、直腸癌、甲状腺の癌、頭部及び頚部癌、脳腫瘍、抹消神経系の癌、中枢神経系の癌、神経芽細胞腫、エドメトリウムの癌、脊髄リンパ腫、白血病、リンパ腫、リンパ増殖性疾患、急性骨髄性白血病、慢性白血病、ホジキンリンパ腫及び非−ホジキンリンパ腫からなる群より選択される請求項37に記載の方法。
【請求項52】
癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、肺癌及び膵臓癌からなる群より選択される請求項34に記載の方法。
【請求項53】
請求項7に記載の化合物及び他の化学療法薬の組み合わせ。
【請求項54】
他の化学療法薬が、タクソール又はドキソルビシンである請求項53に記載の化合物の組み合わせ。
【請求項55】
他の化学療法薬が、キナーゼ抑制剤である請求項53に記載の化合物の組み合わせ。
【請求項56】
請求項25に記載の化合物及び他の化学療法薬の組み合わせ。
【請求項57】
他の化学療法薬が、タクソール又はドキソルビシンである請求項56に記載の化合物の組み合わせ。
【請求項58】
他の化学療法薬が、キナーゼ抑制剤である請求項56に記載の化合物の組み合わせ。
【請求項59】
請求項34に記載の化合物及び他の化学療法薬の組み合わせ。
【請求項60】
他の化学療法薬が、タクソール又はドキソルビシンである請求項59に記載の化合物の組み合わせ。
【請求項61】
他の化学療法薬が、キナーゼ抑制剤である請求項59に記載の化合物の組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−527047(P2008−527047A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552241(P2007−552241)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/001793
【国際公開番号】WO2006/078754
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(501027359)イミューソル インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】