説明

新規ジヒドロ−オキサゾロベンゾジアゼピノン化合物、それらの調製方法およびそれらを含有する医薬組成物

【解決手段】式(I):


[式中、Rは、水素原子またはアルキル基を表し;Rは、アルキル基を表し;Rは、アリールまたはヘテロアリール基を表す]で表される化合物、医薬。
【効果】上記の化合物は、統合失調症、単極性鬱病、アルツハイマー病、血管性認知症、自閉症スペクトラム障害、ダウン症、脆弱性X症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、全般性不安、広場恐怖症を伴うもしくは伴わないパニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、双極性障害、脳血管障害の後遺症および脳の後遺症、脊椎損傷または延髄損傷の治療又は予防に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン化合物、それらの調製方法およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
γ−アミノ−酪酸(または、GABA)は、哺乳動物の中枢神経系における主要な抑制性神経伝達物質である。前脳においては、GABAは、GABAおよびGABA受容体を介して、複雑な神経回路を統合する介在ニューロンにより主に合成される。GABA受容体は、タンパク質サブユニットα(6遺伝子)、β(3遺伝子)およびγ(3遺伝子)を2:2:1の比で含む、イオンチャネル型のヘテロ五量体クロライドチャネルである。
【0003】
ベンゾジアゼピンは、モジュレーター結合部位で相互作用することにより、GABA受容体に対するGABAの作用を増強する。非選択的ベンゾジアゼピンアゴニストは、鎮静作用、催眠作用、抗不安作用、抗けいれん作用、健忘作用、抗侵害受容作用および骨格筋弛緩作用をもたらす。
【0004】
ノックイン遺伝子実験から、αサブユニットがベンゾジアゼピンアゴニストの鎮静作用に関与し、一方で、αおよび、おそらくはαサブユニットがベンゾジアゼピンアゴニストの抗不安作用に関与していることが示された。GABAにより引き起こされるGABA受容体の活性化を低下させることにより反対の効果をもたらす、ベンゾジアゼピン結合部位のリガンドを「インバースアゴニスト」と呼ぶ。このような化合物は、認知障害に対して有益な活性を示す;しかしながら、望ましくない痙攣誘発および不安惹起作用があるため、これらの化合物を用いてさらにより詳細な臨床研究を実施することができない。
【0005】
αサブユニットを含有するGABA受容体の機能は、十分に確立されていない。マウスでは、αサブユニットを含有するGABA受容体数の欠如または減少は、認知機能の向上と関連している。さらに、選択的αインバースアゴニストを用いた処置では、いくつかのげっ歯類モデルにおいて、認知促進効果(procognitive effect)の向上がもたらされ、一方で、ヒトでは、アルコールにより引き起こされる記憶障害において認知促進効果が観察された。
【0006】
様々な加齢に関連した障害、神経変性障害または血管障害、ならびに統合失調症に関連する認知障害の処置においてはニーズが十分に満たされていない。最も罹患率の高い病態であるアルツハイマー病の現在の処置は、コリンエステラーゼの阻害(例えば、ドネペジル)またはNMDA拮抗作用(メマンチン)のいずれかに基づいている。しかしながら、コリンエステラーゼ阻害剤は、その作用機序と関連する多くの望ましくない効果を有しており、さらに、メマンチンの真の有効性は限定されている。従って、高い有効性および良好な忍容性の新規治療薬が特に有益であろう。
【0007】
これらが新規であることに加え、本発明の化合物は、GABA受容体サブタイプへの選択的な結合、及びGABAの効果の低下の結果として、特に有益な特性を有する。
【0008】
より具体的に、本発明は、式(I):
【化1】


[式中、
は、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基を表し;
は、直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基を表し;
は、アリールまたはヘテロアリール基を表す]
で表される化合物、その位置異性体、そのエナンチオマー、そのジアステレオ異性体、ならびに、その薬学的に許容しうる酸との付加塩、その溶媒和物、その錯体およびその付加物に関する。
【0009】
薬学的に許容しうる酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、ショウノウ酸などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0010】
アリール基は、ハロゲン原子;非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルキルカルボニル基;カルボキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシカルボニル基;ヒドロキシ基;シアノ基;ニトロ基;非置換または1つ以上の直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノカルボニル基;あるいは、非置換または1つもしくは2つの直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノ基;から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、ナフチル基を意味すると理解される。
【0011】
ヘテロアリール基は、ハロゲン原子;非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルキルカルボニル基;カルボキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシカルボニル基;ヒドロキシ基;シアノ基;ニトロ基;非置換または1つ以上の直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノカルボニル基;あるいは、非置換または1つもしくは2つの直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノ基;から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の同一または異なるヘテロ原子を含有する、少なくとも1つの環が芳香族性の二環式または三環式基を意味すると理解される。
【0012】
式(I)で表される化合物において、Rは、好ましくは、水素原子を表す。
【0013】
好都合には、式(I)で表される化合物は、Rがメチル基を表す化合物である。
【0014】
基は、好ましくは、ヘテロアリール基を表す。
【0015】
特に、好ましいものが与えられる式(I)で表される化合物は、Rが、ハロゲン原子;非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルキルカルボニル基;カルボキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシカルボニル基;ヒドロキシ基;シアノ基;ニトロ基;非置換または1つ以上の直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノカルボニル基;非置換または1つもしくは2つの直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノ基;から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の同一または異なるヘテロ原子を含有する二環式芳香族基を表す、化合物である。
【0016】
好ましいものが与えられる式(I)で表される化合物は、Rが、ハロゲン原子および非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、ベンゾチエニル、ベンゾフリルまたはキノリル基である、化合物である。
【0017】
好ましいものが与えられる本発明の他の化合物は、Rが、ハロゲン原子および非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、1−ベンゾチエニルまたは6−キノリル基である、化合物である。
【0018】
別の有利な可能性は、Rが、ハロゲン原子および非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、1−ベンゾチエニル基を表すことからなる。
【0019】
基は、ハロゲン原子および非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、1−ベンゾチエン−2−イル基を表す。
【0020】
好ましいものが与えられるヘテロアリール基の置換基は、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素などのハロゲン原子、より特に、フッ素もしくは塩素;トリフルオロメチル基;またはメチル基である。
【0021】
本発明の好ましい化合物は、
5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
8−メチル−5−(6−キノリル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(5−クロロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−[3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
8−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(6−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(7−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
である。
【0022】
本発明の好ましい化合物の薬学的に許容しうる塩との付加塩、ならびに、溶媒和物、錯体および付加物は、本発明の不可欠な部分をなす。
【0023】
本発明は、また、式(I)で表される化合物を調製するための方法に関し、該方法は、式(II):
【化2】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を出発物質として使用して、遊離形態または塩形態の式(II)で表される化合物を、次に、1,1’−カルボニルジイミダゾールの存在下で環化反応に付して、式(III):
【化3】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、これを還元剤と反応させて、式(IV):
【化4】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを式(V):
【化5】


(式中、Rは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物の作用に付して、式(VI):
【化6】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを酸化剤の作用に付し、その後の塩の形成により、式(VII):
【化7】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりであり、Xは、ClO、Cl、Br、HSOなどの対イオンを表す)
で表される化合物を得て、次に、これをヒドラジンの作用に付して、式(I)で表される化合物を得て、次に、式(I)で表される化合物を、従来の分離技術に従って精製してもよく、所望であれば、その薬学的に許容しうる酸との付加塩に変換して、そして必要に応じて、異性体が存在する場合、従来の分離技術に従ってその異性体に分離することを特徴とする。
【0024】
有利な変形例は、式(I)で表される化合物を調製するための方法に関し、該方法は、式(III):
【化8】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を出発物質として使用して、これを臭素化反応に付して、式(VIII):
【化9】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、これをカルボニル基の保護工程に付して、式(IX):
【化10】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを式(X):
【化11】


(式中、Rは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物の作用に付して、式(XI):
【化12】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを環化反応に付して、式(VII):
【化13】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりであり、Xは、ClO、Cl、Br、HSOなどの対イオンを表す)
で表される化合物を得て、次に、これをヒドラジンの作用に付して、式(I)で表される化合物を得て、次に、式(I)で表される化合物を、従来の分離技術に従って精製してもよく、所望であれば、その薬学的に許容しうる酸との付加塩に変換して、そして必要に応じて、異性体が存在する場合、従来の分離技術に従ってその異性体に分離することを特徴とする。
【0025】
式(II)、(V)および(X)で表される化合物は、市販品であるか、または従来の化学反応もしくは文献に記載の化学反応を用いて、当業者は容易に入手することができる。
【0026】
本発明の化合物は、GABA受容体のαサブユニットに選択的であり、神経伝達物質GABAの効果を低下させることにより、統合失調症、単極性鬱病、アルツハイマー病、血管性認知症、自閉症スペクトラム障害、ダウン症、脆弱性X症候群、パーキンソン病、ハンチントン病などの認知障害を特徴とする精神障害および神経障害の治療または予防に有用である。他の可能な処置指標は、全般性不安、広場恐怖症を伴うもしくは伴わないパニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害および双極性障害などの様々な不安神経症に関連している。本発明の化合物を、脳血管障害の後遺症および脳の後遺症、脊椎損傷または延髄損傷の処置に使用することができる。
【0027】
本化合物は、好ましくは、脳血管障害、ハンチントン病およびダウン症の結果により、アルツハイマー病、認知症などの血管性認知症の治療または予防に使用されるであろう。
【0028】
本発明は、また、活性成分として、少なくとも1つの式(I)で表される化合物を単独で、または1つ以上の不活性な非毒性の賦形剤もしくは担体と組み合わせて含む医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物には、特に、経口、非経口(静脈もしくは皮下)または経鼻投与に適切である、錠剤もしくは糖衣錠、舌下錠、カプセル剤、トローチ剤、坐剤、クリーム剤、軟膏、経皮ゲル、注射製剤および飲料懸濁剤を挙げることができる。
【0029】
有効な用量は、患者の年齢および体重、疾患の特徴および重症度、ならびに投与経路(経鼻、直腸、非経口または経口であってもよい)に応じて変更される。一般的に、単位用量は、1〜3回投与での処置につき、24時間あたり0.1〜1000mgの範囲である。
【0030】
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、いずれにおいても限定するものではない。記載される化合物の構造は、従来の分光学的技術(例えば、プロトンNMR:ls=大きなシングレット;s=シングレット;d=ダブレット;t=トリプレット;dd=ダブルダブレット;m=マルチプレット)により確認した。
【0031】
本明細書において後述する調製から、本発明の化合物の合成で使用される出発物質が得られる。
【0032】
調製1:5−(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
工程A:5−(2−オキソプロピル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
テトラヒドロフラン(509mL)中の(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アセトン塩酸塩(EP 101 223; Chemistry Letters 1980, 1, 85-88;またはJ. Org. Chem. 1951, 16, 221-224に従って調製した)(250mmol)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(48.25g;290mmol)を添加し、混合物を2時間還流した。周囲温度まで冷ました後、沈殿物を濾別して、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(400mL)に溶解させて、溶液を5%HCl水溶液(2×200mL)およびブライン(2×200mL)で洗浄した後、有機相を減圧下で濃縮して、標記生成物を固体形態で得た。
融点:115〜116℃
【0033】
工程B:5−(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
酢酸エチル(352mL)および水(120mL)中の上記工程の生成物(180mmol)の溶液に、0〜10℃で、水素化ホウ素ナトリウム(2.1g;550mmol)を数回に分けて20分間かけて添加した。反応が完了するまで、反応混合物を周囲温度で撹拌した。次に、pHが2になるまで混合物を10%HCl水溶液で処理して、相を分離した後、水相を酢酸エチル(3×90mL)で抽出した。有機相を回収して、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。固体残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁した後、濾別して、標記生成物を固体形態で得た。
融点:133〜134℃
【0034】
調製2:5−(1−エチル−2−ヒドロキシプロピル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
調製1に記載の手順に従って、1−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アセトン塩酸塩の代わりに、3−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ペンタノン塩酸塩を出発試薬として使用して標記生成物を得る。
融点:107〜109℃
【0035】
調製3:5−[1−(1−ヒドロキシエチル)ブチル]−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
調製1に記載の手順に従って、1−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アセトン塩酸塩の代わりに、2−アミノ−4−[1−(1−ヒドロキシエチル)ブチル]フェノール塩酸塩を出発試薬として使用して標記生成物を油状物形態で得る。
【0036】
調製4:5−(2−ヒドロキシブチル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
調製1に記載の手順に従って、1−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アセトン塩酸塩の代わりに、1−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン塩酸塩を出発試薬として使用して標記生成物を得る。
融点:117〜119℃
【0037】
実施例1:8−メチル−5−(2−ナフチル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
工程A:7−メチル−5−(2−ナフチル)−1,5,7,8−テトラヒドロ−2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−2−オン
調製1の化合物(97.0mmol)および2−ナフトアルデヒド(94.3mmol)の酢酸エチル(180mL)懸濁液に、15%無水HCl−酢酸エチル(90mL)溶液を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。沈殿物が観察され、濾過により予想される生成物を粉末形態で回収した。
融点:220〜222℃
【0038】
工程B:7−メチル−5−(2−ナフチル)−2−オキソ−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート
上記工程の生成物(67.5mmol)のアセトン(490mL)溶液に、0〜10℃で、ジョーンズ試薬(88.63mL;236mmol)を40分間かけて滴下した。反応が終了するまで混合物を周囲温度で撹拌した後、氷冷水(2200mL)に注いだ。沈殿物を濾別して、水(5×50mL)で洗浄し、乾燥させて、次の工程にそのまま使用した。乾燥生成物の酢酸エチル(460mL)懸濁液に、還流下、70%過塩素酸(5.87mL;67.5mmol)を添加した。激しく撹拌しながら、還流をさらに60分間維持した。周囲温度まで冷ました後、得られた結晶を濾別し、乾燥させて、予想される生成物を得た。
融点:304〜307℃
【0039】
工程C:8−メチル−5−(2−ナフチル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
上記工程の生成物(51mmol)の2−プロパノール(468mL)溶液に、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.68mL;133mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別して、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、アセトニトリル中で還流させて固体を精製した。
融点:304〜306℃
【0040】
実施例2:5−(1−ベンゾフラン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
工程A:6−ブロモ−5−(2−オキソプロピル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
メタノール(150mL)中の調製1の化合物(52mmol)の溶液に、0〜10℃で、N−ブロモスクシンイミド(9.8g;55mmol)を少量ずつ添加した。混合物を1時間以上撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(250mL)に溶解させ、有機相を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(4×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、予想される生成物を固体形態で得た。
融点:160〜162℃
【0041】
工程B:6−ブロモ−5−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
上記工程の生成物(14.7g;54mmol)、エチレングリコール(13.6mL;243mmol)、パラ−トルエンスルホン酸(1g;5mmol)およびトルエン(300mL)の混合物を、Dean-Stark装置を用いて、6時間還流した。溶液を周囲温度まで冷ました後、酢酸エチル(300mL)に注いだ。有機相を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して、標記生成物を固体形態で得た。
融点:117〜119℃
【0042】
工程C:6−(1−ベンゾフラン−2−イルカルボニル)−5−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン
2.5Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液(10.5mL;2.6mmol)を、−78℃で、テトラヒドロフラン(120mL)中の上記工程の生成物(3.1g;10mmol)の溶液に滴下した。次に、反応混合物を−35℃まで温め、30分間撹拌した後、N−メトキシ−N−メチル−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミド(16.5mmol)を添加した。次に、反応混合物を、−35℃で1.5時間以上撹拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液(150mL)に注いだ。酢酸エチル(150mL)を添加した後、有機相をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、標記生成物を得た。
融点:213〜215℃
【0043】
工程D:5−(1−ベンゾフラン−2−イル)−7−メチル−2−オキソ−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート
酢酸エチル(460mL)中の上記工程の生成物の懸濁液に、還流下、70%過塩素酸(5.87mL;67.5mmol)を添加した。激しく撹拌しながら、60分間以上還流を維持した。周囲温度まで冷ました後、得られた結晶を濾別し、乾燥させて、予想される生成物を得た。
融点:318〜320℃
【0044】
工程E:5−(1−ベンゾフラン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
2−プロパノール(468mL)中の上記工程の生成物(51mmol)の溶液に、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.68mL;133mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別した後、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、アセトニトリル中で還流させて固体を精製した。
融点:290〜292℃
【0045】
実施例3:5−(5−クロロ−3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
N−メトキシ−N−メチル−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミドの代わりに、5−クロロ−N−メトキシ−N,3−ジメチル−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミドを使用して、実施例2に記載の手順に従って標記生成物を得た。
融点:297〜298℃
【0046】
実施例4:8−メチル−5−(2−キノリル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
2−プロパノール(468mL)中の7−メチル−2−オキソ−5−(2−キノリル)−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート(51mmol)(実施例2に記載の工程A〜Dにおいて、N−メトキシ−N−メチル−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミドの代わりに、N−メトキシ−N−メチル−2−キノリンカルボキサミドを使用して得た)の溶液に、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.68mL;133mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別した後、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール)で精製して、標記生成物を得た。
融点:304〜306℃
【0047】
実施例5:8−メチル−5−(6−キノリル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
2−プロパノール(468mL)中の7−メチル−2−オキソ−5−(6−キノリル)−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート(51mmol)(実施例2に記載の工程A〜Dに従って、N−メトキシ−N−メチル−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミドの代わりに、N−メトキシ−N−メチル−6−キノリンカルボキサミドを使用して得た)の懸濁液に、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.68mL;133mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別した後、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、固体をジメチルホルムアミド/メタノール混合物で結晶化して精製した。
融点:302〜304℃
H NMR分光分析(500MHz、DMSO、ppmでのδ): 12.05 (ls, 1H); 8.95 (dd, 1H, J = 4.2 および 1.7 Hz); 8.44 (dd, 1H, J = 8.3 および 1.7 Hz); 8.09 (m, 3H); 7.57 (dd, 1H, J = 8.3 および 4.2 Hz); 7.29 (s, 1H); 7.24 (s, 1H); 3.64 (d, 1H, J = 12.3 Hz); 2.89 (d, 1H, J = 12.2 Hz); 2.10 (s, 3H)
【0048】
実施例6:5−(1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
アセトン(490mL)中の5−(1−ベンゾチエン−2−イル)−7−メチル−1,5,7,8−テトラヒドロ−2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−2−オン(67.5mmol)(実施例1に記載の工程Aに従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して得た)の溶液に、0〜10℃で、ジョーンズ試薬(88.63mL;236mmol)を40分間かけて滴下した。反応が終了するまで混合物を周囲温度で撹拌した後、氷冷水(2200mL)に注いだ。沈殿物を濾別し、水(5×50mL)で洗浄して、乾燥させて、次の工程にそのまま使用した。酢酸エチル(460mL)中の乾燥生成物の懸濁液に、還流下、70%過塩素酸(5.87mL;67.5mmol)を添加した。激しく撹拌しながら、還流をさらに60分間維持した。周囲温度まで冷ました後、粗生成物を単離し、次に、2−プロパノール(434mL)に懸濁した後、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.17mL;127mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別して、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、固体をアセトニトリル中で30分間還流した。単離、乾燥して、標記生成物を得た。
融点:338〜340℃
H NMR分光分析(500MHz、DMSO、ppmでのδ): 12.10 (ls, 1H); 7.99 (m, 1H); 7.86 (m, 1H); 7.69 (s, 1H); 7.53 (s, 1H); 7.39 (m, 2H); 7.28 (s, 1H); 3.61 (d, 1H, J = 12.3 Hz); 2.86 (d, 1H, J = 12.2 Hz); 2.08 (s, 3H)
【0049】
実施例7:5−(3−クロロ−4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−クロロ−4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:295〜297℃
【0050】
実施例8:5−(3−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
2−プロパノール(468mL)中の5−(3−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−7−メチル−2−オキソ−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート(51mmol)(実施例1に記載の工程AおよびBに従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して得た)の懸濁液に、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.68mL;133mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別した後、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、固体をジメチルホルムアミド/メタノール混合物で結晶化して精製した。
融点:276〜278℃
【0051】
実施例9:5−[3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:322〜323℃
H NMR分光分析(500MHz、DMSO、ppmでのδ): 12.02 (ls, 1H); 8.52 (d, 1H, J = 8.1 Hz); 7.99 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 7.72 (t, 1H, J = 7.9 Hz); 7.31 (s, 1H); 7.30 (s, 1H); 3.77 (d, 1H, J = 12.5 Hz); 2.85 (d, 1H, J = 12.3 Hz); 2.13 (s, 3H)
【0052】
実施例10:8−メチル−5−(3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:301〜303℃
【0053】
実施例11:8−メチル−5−[3−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:313〜315℃
【0054】
実施例12:8−メチル−5−[3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:301〜303℃
【0055】
実施例13:8−メチル−5−[3−メチル−6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−メチル−6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:303〜305℃
【0056】
実施例14:8−メチル−5−[3−メチル−7−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−メチル−7−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:292〜294℃
【0057】
実施例15:5−(3−エチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−エチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:293〜295℃
【0058】
実施例16:5−(3−エチル−4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
2−プロパノール(468mL)中の5−(3−エチル−4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−7−メチル−2−オキソ−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート(51mmol)(実施例1に記載の工程AおよびBに従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−エチル−4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して得た)の懸濁液に、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.68mL;133mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別した後、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトニトリル)で精製して、標記生成物を得た。
融点:297〜299℃
【0059】
実施例17:5−(3−エチル−4,7−ジフルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例8に記載の手順に従って、3−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、3−エチル−4,7−ジフルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:270〜272℃
【0060】
実施例18:8−メチル−5−(3−プロピル−1−ベンゾチエン−2−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
2−プロパノール(468mL)中の5−(3−プロピル−1−ベンゾチエン−2−イル)−7−メチル−2−オキソ−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート(51mmol)(実施例1に記載の工程AおよびBに従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−プロピル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して得た)の懸濁液に、周囲温度で、激しく撹拌しながら、ヒドラジン水和物(6.68mL;133mmol)を添加した。反応混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、得られた結晶を濾別した後、温水(1900mL)中で30分間撹拌した。濾過、乾燥した後、固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して、標記生成物を得た。
融点:307〜308℃
【0061】
実施例19:5−(3−ブチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例18に記載の手順に従って、3−プロピル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、3−ブチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:278〜280℃
【0062】
実施例20:8−メチル−5−[3−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、3−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:260〜262℃
【0063】
実施例21:5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
工程A:5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−7−メチル−2−オキソ−1H,2H−イソクロメノ[6,7−d][1,3]オキサゾール−6−イウムペルクロラート
実施例1の工程AおよびBに記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して、または、実施例2の工程A〜Dに記載の手順に従って、N−メトキシ−N−メチル−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミドの代わりに、4−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミドを使用して予想される生成物を得た。
融点:278〜280℃
【0064】
工程B:5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1の工程Cに記載の手順に従って、上記工程の化合物から開始して、予想される生成物を得た。
融点:394〜396℃
H NMR分光分析(500MHz、DMSO、ppmでのδ): 12.06 (ls, 1H); 7.86 (d, 1H, J =8.1 Hz); 7.74 (s, 1H); 7.45 (m, 1H); 7.45 (s, 1H); 7.28 (s, 1H); 7.21 (dd, 1H, J1 = 8.1 Hz, J2 = 10.4 Hz); 3.62 (d, 1H, J = 12.3 Hz); 2.85 (d, 1H, J = 12.2 Hz); 2.08 (s, 3H)
【0065】
実施例22:5−(4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:321〜323℃
【0066】
実施例23:9−エチル−5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒド、そして、調製1の化合物の代わりに、調製2の化合物を使用して標記生成物を得た。
融点:291〜292℃
【0067】
実施例24:5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−9−プロピル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1の工程AおよびBに記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒド、そして、調製1の化合物の代わりに、調製3の化合物を使用して、その後、実施例18に記載の手順により、標記生成物を得た。
融点:299〜300℃
【0068】
実施例25:5−(4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−9−プロピル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒド、そして、調製1の化合物の代わりに、調製3の化合物を使用して標記生成物を得た。
融点:269〜271℃
【0069】
実施例26:5−(4−フルオロ−7−ヨード−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−7−ヨード−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:324〜326℃
【0070】
実施例27:5−(4−クロロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例6に記載の手順に従って、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、4−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:333〜335℃
【0071】
実施例28:5−(4−クロロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−クロロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:305〜307℃
【0072】
実施例29:5−(4−ブロモ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−ブロモ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:336〜338℃
【0073】
実施例30:5−(4−ヨード−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−ヨード−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:326〜328℃
【0074】
実施例31:8−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:343〜345℃
H NMR分光分析(500MHz、DMSO、ppmでのδ): 12.12 (ls, 1H); 8.38 (d, 1H, J = 8,1 Hz); 7.80 (d, 1H, J = 7.4 Hz); 7.70 (s, 1H); 7.61 (t, 1H, J = 7.8 Hz); 7.45 (s, 1H); 7.29 (s, 1H); 3.64 (d, 1H, J = 12.3 Hz); 2.88 (d, 1H, J = 12.3 Hz); 2.09 (s, 3H)
【0075】
実施例32:5−(5−クロロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例6に記載の手順に従って、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、5−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:322〜324℃
H NMR分光分析(500MHz、DMSO、ppmでのδ): 12.11 (ls, 1H); 8.03 (d, 1H, J = 8.7 Hz); 7.95 (d, 1H, J = 2.1 Hz); 7.68 (s, 1H); 7.52 (s, 1H); 7.44 (dd, 1H, J1 = 2.1 Hz, J2 = 8.5 Hz); 7.38 (s, 1H); 3.62 (d, 1H, J = 12.5 Hz); 2.86 (d, 1H, J = 12.2 Hz); 2.08 (s, 3H)
【0076】
実施例33:5−(5−クロロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例6に記載の手順に従って、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、5−クロロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:310〜312℃
【0077】
実施例34:5−(5−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例6に記載の手順に従って、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、5−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:291〜292℃
【0078】
実施例35:8−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:282〜284℃
【0079】
実施例36:5−(6−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例6に記載の手順に従って、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:345〜347℃
【0080】
実施例37:5−(6−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、6−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:286〜288℃
【0081】
実施例38:8−メチル−5−[6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例6に記載の手順に従って、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:329〜331℃
【0082】
実施例39:2−(8−メチル−2−オキソ−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−5−イル)−1−ベンゾチオフェン−6−カルボニトリル
実施例6に記載の手順に従って、1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、2−ホルミル−1−ベンゾフラン−6−カルボニトリルを使用して標記生成物を得た。
融点:388〜390℃
【0083】
実施例40:5−(7−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、7−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:324〜326℃
H NMR分光分析(500MHz、DMSO、ppmでのδ): 12.09 (bs, 1H); 7.73 (m, 1H); 7.70 (s, 1H); 7.63 (d, 1H, J = 3.7 Hz); 7.42 (m, 1H); 7.29 (m, 1H); 7.27 (s, 1H); 3.62 (d, 1H, J = 12.5 Hz); 2.86 (d, 1H, J = 12.3 Hz); 2.08 (s, 3H)
【0084】
実施例41:5−(7−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、7−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:307〜309℃
【0085】
実施例42:5−(7−クロロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、7−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:333〜335℃
【0086】
実施例43:5−(7−クロロ−4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、7−クロロ−4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:364〜366℃
【0087】
実施例44:5−(7−クロロ−4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例8に記載の手順に従って、3−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、7−クロロ−4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:319〜320℃
【0088】
実施例45:5−[7−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、7−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:340〜342℃
【0089】
実施例46:5−(7−ブロモ−4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、7−ブロモ−4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:345〜347℃
【0090】
実施例47:8−メチル−5−[7−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、7−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:336〜338℃
【0091】
実施例48:8−メチル−5−(1−メチルナフト[2,1−b]チエン−2−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例8に記載の手順に従って、3−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドの代わりに、1−メチルナフト[2,1−b]チオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:318〜320℃
【0092】
実施例49:8−エチル−5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒド、そして、調製1の化合物の代わりに、調製4の化合物を使用して標記生成物を得た。
融点:295〜297℃
【0093】
実施例50:8−エチル−5−[4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,5−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒド、そして、調製1の化合物の代わりに、調製4の化合物を使用して標記生成物を得た。
融点:301〜303℃
【0094】
実施例51:8−エチル−5−[4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,5−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、4−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒド、そして、調製1の化合物の代わりに、調製4の化合物を使用して標記生成物を得た。
融点:289〜291℃
【0095】
実施例52:5−(5−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
実施例1に記載の手順に従って、2−ナフトアルデヒドの代わりに、5−フルオロ−1−ベンゾチオフェン−2−カルバルデヒドを使用して標記生成物を得た。
融点:291〜293℃
【0096】
薬理学的研究
実施例A:GABA受容体活性研究
ヒトGABA受容体のサブユニットα、ならびにサブユニットβ2(短)およびγ2(長)を安定的に発現するHEK−293(ヒト胎児腎臓)細胞で本化合物を試験した。10%(v/v)ウシ胎児血清を含有するダルベッコ培地(DMEM)中、3つの抗生物質−ネオマイシン、ゼオシンおよびピューロマイシン−のセレクションの存在下で細胞を維持した。実験の前日に、細胞を96ウェルプレートに移す(50,000細胞/ウェルの密度)。次に、細胞を被試験化合物と共に40分間プレインキュベートし、GABAで処理した。ブルーFMPマーカー(Molecular Devices)を使用し、製造業者の説明書に従って、膜電位をモニタリングした。FlexStation3プレートリーダー(Molecular Devices, USA)で120秒間応答を記録した。SoftMax Proソフトウェア(Molecular Devices, USA)を使用して、非線形回帰から得られる曲線の適合により、試験化合物のIC50値を決定した。
【0097】
【表1】

【0098】
従って、本発明の化合物は、α5受容体に対して優れた親和性を示し、選択的であった。
【0099】
実施例B:マウスにおける新規対象物の認識試験
この試験では、げっ歯類における非空間性作動記憶を測定した。これは、新規対象物の探索では、馴染の対象物に比べてより多くの時間を必要とする動物の性向に基づいている。新規対象物を探索する欲求には、学習および認識記憶を使用することが実証されている。
【0100】
0日目(習得段階)に、雄のNMRIマウスを、対象物なしの黒色PVCボックス(32×45×27cm)に2.5分間入れた。1日目に、2つの同一の対象物を探索させるために、マウスを3分間自由にさせた(獲得段階)。2日目に、対象物の1つを新規対象物に交換して、探索期間を対象物ごとに4分間とした(保持段階)。本発明の化合物での前処理は、獲得段階の日に腹腔内(i.p.)経路により実施した。TSE Systemソフトウェア(TSE System GmbH, Bad Homburg, Germany)により探索期間を測定した。
【0101】
結果:
【表2】

【0102】
【表3】

【0103】
【表4】

【0104】
結果から、本発明の化合物が、マウスでの対象物認識モデルにおいて認知促進効果を有することが示された。特に、実施例21の化合物は、0.01、0.03および0.1mg/kgの用量でのi.p.で、有意な認知促進効果を有した。さらに、実施例31の化合物は、1mg/kgの用量でのi.p.で有意な認知促進効果を有し、実施例36の化合物は、10mg/kgの用量でのi.p.で有意な認知促進効果を有した。
【0105】
実施例C:ラットでの放射状迷路試験
この試験は、げっ歯類において、作動記憶および参照記憶を評価するために広く用いられている。装置は、小型の中央の8角形プラットフォームとそこから放射状に等しく配置された8つの異なる通路から構成される。各通路の端には食物があり、中央のプラットフォームからは見えない。実験では、通路の全てには報酬が含まれ、動物は各通路を一度訪れる必要がある。各々のさらなる訪問はエラーとみなす。
【0106】
実験の1日目は、ラットに24時間食物を与えない。翌日に学習を開始した。8つの通路の各々に食物を置いた迷路の中央プラットフォームにラットを置く。8つの通路で食物を食べるように動物を自由にした。ラットが20分以内に全ての食物を食べなかった場合、迷路から取り出す。
【0107】
動物が決められた目的を達成するまで、即ち、エラー(つまり、通路への任意のさらなる訪問)の合計が3未満になるまで、本実験を1日1回続けた。これらの動物を研究の残りの部分に含めた。最終日に、選択したラットを、担体または本発明の化合物のいずれかを同時投与してケタミン(10mg/kg、i.p.)で経口(p.o.)処理した。投与の120分後、試験を開始した。各試験を最大5分間続けた。
【0108】
結果:
【表5】

【0109】
結果から、本発明の化合物が、試験動物の記憶を大きく向上することが示された。特に、実施例21の化合物は、用量依存的にケタミン誘導参照記憶欠損を大きく改善した(0.3〜3mg/kg、p.o.)。
【0110】
実施例D:マウスにおける中大脳動脈(MCA)閉塞
永続的局所脳虚血は、左MCAの電気凝固法により生成する(Welsh FA et al., J. Neurochem. 1987, 49, 846-851の方法に従って)。2,2,2−トリブロモエタノール(500mg/kg i.p.、20ml/kg)を使用して、雄のNMRIマウスに麻酔をかけた。眼窩と耳の間で頭の左側頭頭頂領域を切開した。次に、側頭筋を切開して、頭蓋骨が現れるように折り返した。穿頭術で頭蓋骨の外側部に、MCAのレベルまで小さい穴を開けた後、電気凝固法によりMCA幹を閉塞させた。
【0111】
MCA閉塞の30分後に、本発明の化合物をi.p.経路により投与した。2日後、ペントバルビタールナトリウム(60mg/kg i.p.、10ml/kg)を使用して、動物に深く麻酔をかけて、4%2,3,5−トリフェニルテトラゾリウムクロリド溶液を用いて心臓からかん流した。最後に動物を断頭し、脳を摘出して、8%ホルムアルデヒドを含有する食塩水中で少なくとも24時間維持した。壊死した表面積の測定は、画像解析システム(DigiCell for Windows 4.0)を用いて行った。
【0112】
結果:
【表6】

【0113】
結果から、本発明の化合物が有意な神経保護効果を有することが示された。特に、実施例21の化合物は、マウスのMCA閉塞モデルにおいて、1、3および10mg/kg用量でのi.p.で、脳損傷を有意に抑制した。
【0114】
実施例E:医薬組成物
各々10mgの5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オンを含有する、1000個の錠剤の処方。
(実施例21).....................................................10g
ヒドロキシプロピルセルロース.........................................2g
小麦デンプン.......................................................10g
ラクトース.......................................................100g
ステアリン酸マグネシウム.............................................3g
タルク...............................................................3g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化14】


[式中、
は、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基を表し;
は、直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基を表し;
は、アリールまたはヘテロアリール基を表す]
で表される化合物、その位置異性体、そのエナンチオマー、そのジアステレオ異性体、ならびに、その薬学的に許容しうる酸との付加塩、その溶媒和物、その錯体およびその付加物。
【請求項2】
が、水素原子を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項3】
が、メチル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項4】
が、ヘテロアリール基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項5】
が、ハロゲン原子;非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルキルカルボニル基;カルボキシ基;直鎖または分岐鎖(C−C)アルコキシカルボニル基;ヒドロキシ基;シアノ基;ニトロ基;非置換または1つ以上の直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノカルボニル基;あるいは、非置換または1つもしくは2つの直鎖もしくは分岐鎖(C−C)アルキル基により置換されているアミノ基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の同一または異なるヘテロ原子を含有する二環式芳香族基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項6】
が、ハロゲン原子および非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、ベンゾチエニルまたはキノリル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項7】
が、ハロゲン原子および非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、1−ベンゾチエニル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項8】
が、ハロゲン原子および非置換もしくは1つ以上のハロゲン原子により置換されている直鎖または分岐鎖(C−C)アルキル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、1−ベンゾチエン−2−イル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項9】
が、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基およびメチル基から選択される1つ以上の同一または異なる基により場合により置換されている、1−ベンゾチエン−2−イル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項10】
5−(4−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
8−メチル−5−(6−キノリル)−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(5−クロロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−[3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
8−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾチエン−2−イル]−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(6−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン;
5−(7−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−8−メチル−1,9−ジヒドロ−2H−[1,3]オキサゾロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−2−オン
である、請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の式(I)で表される化合物を調製するための方法であって、式(II):
【化15】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を出発物質として使用して、遊離形態または塩形態の式(II)で表される化合物を、次に、1,1’−カルボニルジイミダゾールの存在下で環化反応に付して、式(III):
【化16】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、これを還元剤と反応させて、式(IV):
【化17】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを式(V):
【化18】


(式中、Rは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物の作用に付して、式(VI):
【化19】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを酸化剤の作用に付し、その後の塩の形成により、式(VII):
【化20】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりであり、Xは、ClO、Cl、Br、HSOなどの対イオンを表す)
で表される化合物を得て、次に、これをヒドラジンの作用に付して、式(I)で表される化合物を得て、次に、式(I)で表される化合物を、従来の分離技術に従って精製してもよく、所望であれば、その薬学的に許容しうる酸との付加塩に変換して、そして必要に応じて、異性体が存在する場合、従来の分離技術に従ってその異性体に分離することを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の式(I)で表される化合物を調製するための方法であって、式(VIII):
【化21】


(式中、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を出発物質として使用して、これをカルボニル基の保護工程に付して、式(IX):
【化22】


(式中、RおよびRは、本明細書で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを式(X):
【化23】


(式中、Rは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物の作用に付して、式(XI):
【化24】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりである)
で表される化合物を得て、次に、これを環化反応に付して、式(VII):
【化25】


(式中、R、RおよびRは、式(I)で定義されたとおりであり、Xは、ClO、Cl、Br、HSOなどの対イオンを表す)
で表される化合物を得て、次に、これをヒドラジンの作用に付して、式(I)で表される化合物を得て、次に、式(I)で表される化合物を、従来の分離技術に従って精製してもよく、所望であれば、その薬学的に許容しうる酸との付加塩に変換して、そして必要に応じて、異性体が存在する場合、従来の分離技術に従ってその異性体に分離することを特徴とする、方法。
【請求項13】
活性成分として、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物を、1つ以上の不活性な非毒性の薬学的に許容しうる担体と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項14】
統合失調症、単極性鬱病、アルツハイマー病、血管性認知症、自閉症スペクトラム障害、ダウン症、脆弱性X症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、全般性不安、広場恐怖症を伴うもしくは伴わないパニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、双極性障害、脳血管障害の後遺症および脳の後遺症、脊椎損傷または延髄損傷の治療又は予防で使用するための、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
統合失調症、単極性鬱病、アルツハイマー病、血管性認知症、自閉症スペクトラム障害、ダウン症、脆弱性X症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、全般性不安、広場恐怖症を伴うもしくは伴わないパニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、双極性障害、脳血管障害の後遺症および脳の後遺症、脊椎損傷または延髄損傷の治療又は予防で使用するための医薬の製造における、請求項1〜10のいずれか1項記載の式(I)で表される化合物の使用。
【請求項16】
統合失調症、単極性鬱病、アルツハイマー病、血管性認知症、自閉症スペクトラム障害、ダウン症、脆弱性X症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、全般性不安、広場恐怖症を伴うもしくは伴わないパニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、双極性障害、脳血管障害の後遺症および脳の後遺症、脊椎損傷または延髄損傷の治療又は予防で使用するための、請求項1〜10のいずれか1項記載の式(I)で表される化合物。

【公開番号】特開2012−188422(P2012−188422A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−50550(P2012−50550)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【出願人】(512058593)
【氏名又は名称原語表記】EGIS GYOGYSZERGYAR NYRT
【Fターム(参考)】