説明

新規デヒドロジンゲロン誘導体

【課題】デヒドロジンゲロン、p−クマル酸及びルテオリンより強力な抗癌活性、特に口腔癌に対する活性を有する新規デヒドロジンゲロン誘導体、該新規デヒドロジンゲロン誘導体を、効率よく、安全に生成する方法、前記新規デヒドロジンゲロン誘導体を含有することを特徴とする抗癌剤、さらには食品、医薬品、医薬部外品を提供する。
【解決手段】式(1):


で示される新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規デヒドロジンゲロン誘導体及び該新規デヒドロジンゲロン誘導体の製造方法、並びに前記新規デヒドロジンゲロン誘導体を含有する抗癌剤、食品、医薬品又は医薬部外品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デヒドロジンゲロンは、ジンゲロールと共に、生姜の辛味成分として知られており、ショウガ科の植物全般に含まれていることが知られている。一方、p−クマル酸は、樹木の主成分であるリグニンやリグナンの前駆体となるほか、フラボノイド類やレスベラトロール等のスチルベン類の機能性成分の前駆体にもなっており、天然界に比較的多く存在する成分である。また、p−クマル酸としては、プラムをはじめとして、多くの果物の果実や果皮、プロポリス等にも含まれていることが知られている。前記デヒドロジンゲロン、p−クマル酸は共に食経験があり、安全性の高い成分である。
【0003】
デヒドロジンゲロンについての生理機能が報告されている。例えば、抗酸化活性(非特許文献1)等が知られている。また、p−クマル酸については、その生理機能に関連した先行技術がある。例えば、p−クマル酸をはじめ、桂皮酸類を有効成分とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤(特許文献1)、フェルラ酸及び/又はp−クマル酸を有効成分とする皮膚改善剤(特許文献2)、クマル酸をはじめ、プロポリスの抽出物に含まれる桂皮酸類を有効成分とする血管新生抑制剤(特許文献3)が挙げられる。
デヒドロジンゲロンの誘導体の生理機能についての報告もある。アドレナリンβ遮断薬(特許文献4)、また、p−クマル酸誘導体に関連した先行技術がある。例えば、クマル酸を化学合成させたリグニン類を有効成分とする抗菌剤(特許文献5)、カフェイン酸アミド誘導体又はエステル誘導体を有効成分とするアディポネクチン産生増強剤(特許文献6)、p−クマル酸二量体を原料とした抗菌剤であるベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法(特許文献7)が挙げられる。
デヒドロジンゲロンの誘導体に関連した先行技術としては、例えば、フェノールケトン類の合成反応(特許文献8)等がある。
【0004】
また、前記p−クマル酸やp−クマル酸誘導体は、植物中にも多く含まれていることから、リンゴ、ナシ又はモモの未熟果実の果実ポリフェノールとして、p−クマル酸やp−クマル酸誘導体等を含む酸化防止剤、血圧降下剤、抗変異原性作用剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤及び消臭剤(特許文献9)が挙げられる。また、p−クマル酸が弱いながらも抗癌活性を有するとの報告もある(非特許文献2)。
【0005】
このようにp−クマル酸、デヒドロジンゲロン及びこれらの誘導体は、優れた有用性を示すものが多いことから、原料やリード化合物として効率的にこれらの化合物を製造する技術についても開示されている。例えば、組み換え体を用いた微生物によるp−ヒドロキシ桂皮酸(p−クマル酸)等の製造方法が示される(特許文献10)。
【0006】
一方、厚生労働省の調べによると、平成20年の日本人の死亡原因の30%が悪性新生物つまり癌である。多くの癌が、医療技術や薬の発達により発生数は、横這い又は減少しているのに対し、現在でも増加している癌の1つが口腔癌であり癌発生の5%を占めている。また、2015年には現在の4倍の罹患数になると予想されている。現在の抗癌剤の研究では、日常的に摂取できる天然物由来の化合物としては、ルテオリンが知られている(非特許文献3)。
よって、抗癌活性が強く、日常的に摂取できる安全な癌、特に口腔癌の治療薬、予防薬の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−106335号公報
【特許文献2】特許第3330961号公報
【特許文献3】特開2007−223948号公報
【特許文献4】特開平7−145101号公報
【特許文献5】特許第4395623号公報
【特許文献6】特開2007−262050号公報
【特許文献7】特開2008−189554号公報
【特許文献8】特許2780316号公報
【特許文献9】特開2002−47196号公報
【特許文献8】特開平8−81352号公報
【特許文献9】特表2005−522180号公報
【特許文献10】特開2005−143377号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Arch Pharm Res Vol 28, No 5, 518−528, (2005)
【非特許文献2】Cancer Epidemiology,Biomarkers & Prevention, Vol.9,1163−1170,November(2000)
【非特許文献3】Journal of Dental Research,84,401−406(2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、デヒドロジンゲロンとp−クマル酸に関する前記の状況を鑑みて、新規な生理活性又は、強力な生理活性を有するデヒドロジンゲロン誘導体の探索と、その製造方法を確立すべく鋭意検討した結果、意外にもデヒドロジンゲロンとp−クマル酸を金属塩存在下で加熱処理するという簡便且つ安全な方法により、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸及びルテオリンに比べて優れた抗癌活性、特に口腔癌に対する抗癌活性を有する新規なデヒドロジンゲロン誘導体を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0010】
したがって、本発明は、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸及びルテオリンより強力な抗癌活性、特に口腔癌に対する抗癌活性を有する新規デヒドロジンゲロン誘導体を提供し、さらに該新規デヒドロジンゲロン誘導体を、効率よく、安全に生成する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記新規デヒドロジンゲロン誘導体を含有することを特徴とする抗癌剤さらには食品、医薬品、医薬部外品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の要旨は、
〔1〕式(1):
【0012】
【化1】

【0013】
で示される新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩、
〔2〕前記〔1〕記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する抗癌剤、
〔3〕前記〔1〕記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する口腔癌細胞に対する抗癌剤、
〔4〕前記〔1〕記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する食品、医薬品又は医薬部外品、
〔5〕デヒドロジンゲロンとp−クマル酸を金属塩存在下で加熱処理することにより、目的の化合物を生成することを特徴とする前記〔1〕記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩の製造方法、
に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩(以下、新規デヒドロジンゲロン誘導体という)は、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸及びルテオリンと比べて、抗癌活性、特に口腔癌の抗癌活性に優れていることから、新規な抗癌剤として有用である。
また、本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体は、前記のような生理活性に優れることに加えて、安全性にも優れることから、食品、医薬品及び医薬部外品に配合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、実施例1で得られたクロマトグラムを示している。上から、反応前のクロマトグラム、金属塩として(1)ミネラルプレミックスを用いたクロマトグラム、(2)ミネラルウォーターを用いたクロマトグラム、(3)炭酸水素ナトリウムを用いたクロマトグラムを示している。図中、Aのピークは本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体は、式(1):
【0017】
【化2】

【0018】
で示される新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0019】
前記新規デヒドロジンゲロン誘導体の薬学的に許容可能な塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アルミニウムヒドロキシド塩等の金属ヒドロキシド塩;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、アルキレンジアミン塩、シクロアルキルアミン塩、アリールアミン塩、アラルキルアミン塩、複素環式アミン塩等のアミン塩;α−アミノ酸塩、ω−アミノ酸塩等のアミノ酸塩;ペプチド塩又はそれらから誘導される第1級、第2級、第3級若しくは第4級アミン塩等が挙げられる。これらの薬理的に許容し得る塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
本発明者らは、鋭意検討した結果、デヒドロジンゲロンとp−クマル酸を金属塩存在下で加熱処理することで、新規デヒドロジンゲロン誘導体を効率的で安全に製造することができることを見出した。以下に、本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体の製造方法(以下、本発明の製造方法)について具体的に説明する。
【0021】
本発明の製造方法では、前駆体としてデヒドロジンゲロンを用いる。デヒドロジンゲロンは、生姜から抽出・精製した天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のデヒドロジンゲロンを用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み最終的に本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体が得られるから、デヒドロジンゲロン以外の成分を含む混合物も使用できる。
ただし、新規デヒドロジンゲロン誘導体の回収率の観点からは、デヒドロジンゲロン換算で1重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。
前記デヒドロジンゲロンとしては、生姜等の原料からの抽出物、凍結乾燥品等を使用してもよい。
【0022】
また、本発明の製造方法では、前駆体としてp−クマル酸も必要である。p−クマル酸は、天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であっても良い。天然由来のp−クマル酸を用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み最終的に本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体が得られるから、p−クマル酸以外の成分を含む混合物も使用できる。
ただし、新規デヒドロジンゲロン誘導体の回収量の観点からは、p−クマル酸が1重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。このような原料としては、様々な果実やジュース、濃縮果汁又は破棄されることの多い果皮の抽出物、プロポリス又はその抽出物が挙げられる。
【0023】
本発明の製造方法では、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸、又はデヒドロジンゲロンとp−クマル酸との混合物を適切な溶媒に溶解させる。この際、溶媒が水のみであればデヒドロジンゲロンやp−クマル酸の溶解度が著しく低いために、水と有機溶媒の混合液や、有機溶媒のみに溶解させればよい。水と有機溶媒の配合比や、有機溶媒の種類に特に制限はなく、デヒドロジンゲロンやp−クマル酸が十分に溶解すれば良い。中でも、メタノールやエタノールのみの溶媒や、水とメタノール、水とエタノールの混合液を使用することが、安全性やコスト面から好ましい。新規デヒドロジンゲロン誘導体を含む反応後組成物に対して最終的な精製を十分に適用せずに食品に使用する場合には、安全性や法規面から溶媒としてエタノールや含水エタノールを使用することが望ましい。
得られるデヒドロジンゲロン、p−クマル酸、又はデヒドロジンゲロンとp−クマル酸との混合物を含有する溶液中のデヒドロジンゲロン及びp−クマル酸の濃度に制限はない。それぞれの濃度が高いほど、溶媒使用量が少ない等のメリットもあるため、デヒドロジンゲロン及びp−クマル酸の濃度は各々の溶媒に対しデヒドロジンゲロン及びp−クマル酸がそれぞれ飽和する濃度近くが好ましい。
また、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸は前記溶液中において生成反応前に完全に溶解していなくともよい。例えば、デヒドロジンゲロン含有溶液とp−クマル酸含有溶液とを混合する場合、それぞれの溶液中のデヒドロジンゲロン濃度、p−クマル酸濃度が飽和濃度以上であっても、混合液とした場合には、飽和濃度近くになるように調整しておけばよい。
【0024】
次に、前記デヒドロジンゲロン及びp−クマル酸を含有する溶液(以下、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液)のpHを13未満に調整することが好ましい。調整方法として、例えば、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液を調製した後にpH調整剤を添加してpHを調整しても良いし、前記溶液の調製時に前もって溶媒のpHを調整しておいても良い。デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液の反応開始時のpHは13以上であれば、他の反応や目的化合物の分解も一方で生じるために最終的な新規デヒドロジンゲロン誘導体の回収量が低下する。したがって、反応開始時のpHは3以上13未満が望ましい。
【0025】
本発明の製造方法では、前記デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液中に金属塩を添加する。前記金属塩としては、酸性塩、塩基性塩、正塩のいずれでもよく、また、単塩、複塩、錯塩のいずれでもよい。さらに、金属塩は1種類であっても、複数種類の混合物であってもよい。金属塩の例としては、食品添加物として認可されているものが安全性の面で好ましい。例えば、食品に添加することが認められているマグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、銅塩等が挙げられる。
また、前記金属塩の混合物としては、例えば、ミネラルプレミックス(田辺製薬株式会社、グルコン酸亜鉛、クエン酸鉄アンモニウム、乳酸カルシウム、グルコン酸銅、リン酸マグネシウムを主成分としたミネラル混合物)のように金属塩を数種類含む物質が挙げられる。また、複数の金属塩を含む混合物として、ミネラルウォーターも挙げることができる。
なお、前記金属塩の含有量としては、新規デヒドロジンゲロン誘導体を生成可能な量であればよく、特に限定はない。
【0026】
次に、金属塩存在下、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液を加熱処理する。この加熱処理により、新規デヒドロジンゲロン誘導体の生成反応を行う。生成反応を効率的に進ませるために、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液の加熱温度は90℃以上に調整することが好ましい。また、使用する溶媒の沸点から考え、加圧加温が望ましい。例えば、開放容器にデヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液を入れ、溶媒の沸点を超える高温で前記容器を加温する、密閉容器にデヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液を入れて前記容器を加温する、レトルト装置やオートクレーブを用いて加圧加温する等、少なくとも部分的に溶液温度が90℃以上に達するように加熱することが好ましい。回収効率面から、溶液温度が均一に110℃〜150℃になることが、さらに好ましい。加熱時間も加熱温度と同様に限られたものではなく、効率的に目的の反応が進行する時間条件とすればよい。特に、加熱時間は加熱温度との兼ね合いによるものであり、加熱温度に応じた加熱時間にすることが望ましい。例えば、130℃付近で加熱する場合は、5分〜120分の加熱時間が望ましい。また、加熱は、一度でも良いし、複数回に分けて繰り返し加熱しても良い。複数回に分けて加熱する場合、溶媒を新たに追加して行うことが好ましい。
【0027】
前記加熱処理による新規デヒドロジンゲロン誘導体の生成反応の終了は、例えば、HPLCによる成分分析により新規デヒドロジンゲロン誘導体の生成量を確認して判断すればよい。
【0028】
得られる反応液中には、本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体が含有されている。
また、安全な原料のみを用いた工程で新規デヒドロジンゲロン誘導体を製造した場合には、前記新規デヒドロジンゲロン誘導体を含む混合物の状態で食品、医薬品又は医薬部外品に使用することが可能である。例えば、天然由来のデヒドロジンゲロン、p−クマル酸を含水エタノール溶媒に溶解し、ミネラルウォーターやミネラルプレミックスを用い、加熱処理した場合には、得られる反応液を食品原料の一つとして使用することが可能である。
【0029】
また、風味面での改良やさらなる高機能化を望む場合は、前記反応液を濃縮して新規デヒドロジンゲロン誘導体の濃度を高める、あるいは前記反応液を精製し新規デヒドロジンゲロン誘導体の純品を得ることができる。濃縮、精製は、公知の方法で実施可能である。例えば、クロロホルム、酢酸エチル、エタノール、メタノール等の溶媒抽出法や炭酸ガスによる超臨界抽出法等で抽出して新規デヒドロジンゲロン誘導体を濃縮できる。また、カラムクロマトグラフィーを利用して濃縮や精製を施すことも可能である。再結晶法や限外ろ過膜等の膜処理法も適用可能である。
【0030】
また、前記反応液から式(1)で表される新規デヒドロジンゲロン誘導体を分離して回収する場合には、カラムクロマトグラフィー、HPLC等を用いてもよい。
【0031】
前記濃縮物や精製物を、必要に応じて、減圧乾燥や凍結乾燥して溶媒除去することで、粉末状の新規デヒドロジンゲロン誘導体を得ることができる。
【0032】
以上のようにして得られる本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体は、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸に比べて、極めて優れた抗癌活性を有する。したがって、新規デヒドロジンゲロン誘導体を有効成分として含有する抗癌剤を提供することができる。
【0033】
なお、本発明で得られた新規デヒドロジンゲロン誘導体が持つさらなる効果効能は、得られた生理活性データより類推できる範囲で使用できる。
【0034】
原料であるデヒドロジンゲロン及びp−クマル酸の安全性が確認されていることから、本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体の安全性も同様に優れたものであると考えられる。
【0035】
また、本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体は、前記のような生理活性を奏することから、食品、医薬品、医薬部外品等に配合して使用することができる。
【0036】
前記食品としては、例えば、飲料、アルコール飲料、ゼリー、菓子等、どのような形態でもよく、菓子類の中でも、その容量等から保存や携帯に優れた、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、タブレット等が挙げられるが、特に限定はない。また、新規デヒドロジンゲロン誘導体を生姜系の飲料、例えば、生姜湯、ジンジャーエール、生姜紅茶等に添加することで、生姜の健康機能効果をさらに増強した新規な飲料とすることもできる。この新規な飲料のように、嗜好性と健康機能効果の双方を持ち合わせた食品は、社会ニーズの非常に高い分野であり、これに応えることが可能である。また、新規デヒドロジンゲロン誘導体は、後述のように、癌、中でも口腔癌に対する優れた抗癌活性を有することから、現在問題になっている口腔癌に対する予防を目的に、容易に摂取できるキャンディー、グミキャンディ、タブレット等としても有用である。なお、食品には、機能性食品、健康食品、健康志向食品等も含まれる。
【0037】
前記医薬品としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、ゲル剤等が挙げられる。錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施したり、又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、公知の可溶化処理を施すこともできる。常法に基づいて、注射剤、点滴剤に配合して使用してもよい。
【0038】
医薬部外品としては、口腔に用いられる医薬部外品、例えば、歯磨き、マウスウオッシュ、マウスリンスが挙げられる。
【0039】
本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体を用いて食品、医薬品又は医薬部外品を調製する場合、本発明の効果が損なわれない範囲内で食品、医薬品又は医薬部外品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。
例えば、食品の場合には、水、アルコール、澱粉室、蛋白質、繊維質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、安定剤、防腐剤のような食品に通常配合される原料又は素材と組み合わせることができる。
医薬部外品の場合には、主剤、基材、界面活性剤、起泡剤、湿潤剤、増粘剤、透明剤、着香料、着色料、安定剤、防腐剤、殺菌剤等組み合わせ、常法に基づいて、液状、軟膏状あるいはスプレー噴射可能な最終形態等にすることができる。
特に、本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体の生理活性分野を考慮すると、癌治療等の健康維持増進、さらには疾病治癒分野において用いることが好ましい。
【0040】
本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体を食品に添加する場合には、該食品中に対して、通常は0.001〜20重量%添加することが好ましい。
【0041】
本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体を医薬用途で使用する場合、例えば、その摂取量は、所望の改善、治療又は予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常その態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。
【0042】
本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体を医薬部外品に添加する場合には、該医薬部外品中に、通常0.001〜30重量%添加するのが好ましい。
【0043】
また、本発明の新規デヒドロジンゲロン誘導体は、安全性に優れたものであるので、ヒトに対してだけでなく、例えば、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤又は飼料に配合してもよい。飼料としては、例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、イヌ、ネコ、小鳥、リス等に用いるペットフードが挙げられる。
【0044】
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0045】
(実施例1:新規デヒドロジンゲロン誘導体の生成方法検討)
デヒドロジンゲロン(和光純薬工業(株)製)100mg、p−クマル酸(和光純薬工業(株)製)100mgをエタノール2mLに溶解し、(1)ミネラルプレミックス(田辺製薬(株)製)100mg、水2mL(2)ミネラルウォーター(商品名「ゲロルシュタイナー」サッポロ飲料(株)製)2mL、(3)5%炭酸水素ナトリウム(和光純薬(株)製)水溶液2mLをそれぞれ加えて、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液(pH:(1)5.0、(2)4.8、(3)7.4)を3種類調製した。このデヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液をオートクレーブ(三洋電機(株)製、「SANYO LABO AUTOCLAVE」)にて130℃、30分間加熱した。得られた3種類の反応溶液からそれぞれ1mLを採取して、メタノールにて50mLにメスアップし、このうちの10μLをHPLCにより分析した。
【0046】
HPLC分析は以下条件にて行った。
カラム:逆相用カラム「Develosil(登録商標)C−30−UG−5」(4.6mmi.d.×250mm)
移動相:A・・・H2O(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)), B・・・アセトニトリル(0.1%TFA)
流速:1mL/min
注入:10μL
検出:254nm
勾配(容量%):100%A/0%Bから0%A/100%Bまで33分間、100%Bで7分間(全て直線)
【0047】
得られたクロマトグラムを図1に示す。上から、反応前、(1)、(2)、(3)の反応溶液のクロマトグラムをそれぞれ示している。反応後には、デヒドロジンゲロンやp−クマル酸以外のピークが検出され、複数の化合物が生成されていることが確認された。
反応前後で生成量に顕著な差があったのが、後述する新規デヒドロジンゲロン誘導体であるAのピークである。なお、(1)、(2)、(3)の反応溶液のすべてでAのピークが確認できた。しかし、Aのピーク成分の生成量の差があった。特に、(3)の反応液において、生成量が多いことから、金属塩の中でも炭酸水素ナトリウムのような水溶液や懸濁液がアルカリ性を示す金属塩の方が新規デヒドロジンゲロンの生成量が増えることが明らかになった。
【0048】
(実施例2:新規デヒドロジンゲロン誘導体の大量生成)
デヒドロジンゲロン1g、p−クマル酸1gをエタノール20mLに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液20mLを加えて、デヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液(pH=7.4)を得た。このデヒドロジンゲロン、p−クマル酸含有溶液をオートクレーブにて130℃、120分間加熱した。得られた反応溶液のうち1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、実施例1と同様にHPLCにより分析し、実施例1と同様のクロマトグラムが確認できた。
【0049】
(実施例3:新規デヒドロジンゲロン誘導体の単離・構造決定)
実施例2で得られた反応物のうち、図1のAで示したピークに含まれる化合物を分取HPLCにより単離し、常法により乾燥したところ新規化合物(以下UHA1029)を108.4mg得た。単離精製したUHA1029は、褐色粉末状物質となった。
【0050】
次いで、前記UHA1029の分子量を高分解能電子イオン化質量分析法(Electron Ionization−Mass Spectrometry)にて測定したところ、測定値は312.3593であり、理論値との比較から、以下の分子式を得た。
理論値C19H20O4(M+):312.3597
分子式C19204
【0051】
次に、前記UHA1029を核磁気共鳴(NMR)測定に供し、1H−NMR、13C−NMR及び各種2次元NMRデータの解析から、前記UHA1029が式(1)で表される構造を有することを確認した。式(1)で表される新規デヒドロジンゲロン誘導体は本発明の方法で効率的に生成できることが示された。
【0052】
NMR測定値について、UHA1029を
【0053】
【化3】

【0054】
として、その1H核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトルを表1に示す。
値はδ、ppmで、溶媒はメタノール−d3で測定した。
【0055】
【表1】

【0056】
また、UHA1029の物理化学的性状は、以下のようになった。
(性状)
褐色粉末
(溶解性)
水:難溶
メタノール:溶解
エタノール:溶解
DMSO:溶解
クロロホルム:溶解
酢酸エチル:溶解
【0057】
(実施例4:UHA1029のヒト骨髄球性白血病細胞に対する抗癌作用)
次に癌細胞に対する各化合物の効果を見るため、HL−60細胞(Human promyelocytic leokemia cells:ヒト骨髄球性白血病細胞)を用いた癌細胞増殖抑制作用について試験した。
【0058】
HL−60細胞の培養には、4mMグルタミン(L−Glutamine シグマアルドリッチジャパン社製)、10%ウシ胎児血清(Foetal Bovine Serum:FBS Biological industries社製)を含む高栄養培地RPMI−1640(シグマアルドリッチジャパン社製)を使用した。試験には細胞培養用96ウェルプレート(Corning社製)を用い、5×105cells/mLとなるように細胞数を調整したHL−60細胞を1ウェルあたり100μLずつ播種して試験に使用した。
【0059】
試料は、p−クマル酸、デヒドロジンゲロン及び本発明品であるUHA1029の3種類を用いた。試料調製は、各々の化合物をジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide:DMSO、和光純薬工業(株)製)にて溶解し、HL−60細胞培養液中の最終濃度がそれぞれ6.3μM、12.5μM、25μM、50μM、及び100μMとなるように添加して、37℃、5%CO2の培養条件下で試験を開始した。なお、溶媒であるDMSOのみを同量添加したものをネガティブコントロールとした。
【0060】
生存細胞数の定量はCell counting kit−8(DOJINDO社製)を用いたMTT法にて行った。つまり、試験開始より24時間後、各ウェルにCell counting kit−8溶液を10μL添加し、よく攪拌した。37℃、5%CO2条件下で1時間の遮光反応を行った。その後にプレートリーダー(「BIO−RAD Model 680」、バイオ・ラッドラボラトリーズ社製)を用いて測定波長450nmの吸光度測定を行い、得られたデータをもとに細胞生存率を算出した。細胞生存率とは、溶媒であるDMSOのみを添加した培養液の生存細胞数を100%とし、各化合物の濃度下における細胞の生存細胞数を相対値として算出した値である。各化合物濃度と細胞生存率の関係から、細胞増殖を50%抑制する濃度IC50(half maximal inhibitory concentration:50%阻害濃度)を算出した(表2)。これらの結果から、UHA1029に強い癌細胞増殖抑制能が認められた。この効果は、p−クマル酸、デヒドロジンゲロンには全く認められなかった。したがってp−クマル酸とデヒドロジンゲロンを新規デヒドロジンゲロン誘導体に変換する高い有意性が示された。
【0061】
【表2】

【0062】
(実施例5:UHA1029のヒト口腔癌細胞に対する抗癌作用)
次に口腔癌細胞に対する各化合物の効果を見るため、SCC−4細胞(ヒト舌扁平上皮癌細胞、ATCC社製)を用いた癌細胞増殖抑制作用について試験した。
【0063】
SCC−4細胞の培養には、400ng/mLヒドロコルチソン(Hydrocortisone、シグマアルドリッチジャパン社製)、1%アンチバイオティック−アンチマイコティック(Antibiotic−Antimycotic、ギブコ(GIBCO)社製)、10%FBS(ATCC社製)を含むDMEM/F−12(1:1)培地(ギブコ社製)を使用した。試験には細胞培養用コラーゲンIコート96ウェルプレート(日本BD社製)を用い、5×105cells/mLとなるように細胞数を調整したSCC−4細胞を1ウェルあたり100μLずつ播種した。これを37℃、5%CO2条件下で24時間培養し、80%コンフルエント以上の状態で試験に使用した。
【0064】
試料は、p−クマル酸、デヒドロジンゲロン、SCC−4細胞に抗癌活性を有する天然物であるルテオリン(和光純薬工業(株)製)、及び本発明品であるUHA1029の4種類を用いた。試料調製は、各々の化合物をDMSOにて溶解し、0.63mM、1.25mM、2.5mM、5mM、10mMとなるように調製した。これをSCC−4細胞培養液中の最終濃度がそれぞれ6.3μM、12.5μM、25μM、50μM、及び100μMとなるように添加して37℃、5%CO2培養条件下で試験を開始した。なお溶媒であるDMSOのみを同量添加したものをネガティブコントロールとした。
【0065】
生存細胞数の定量は、実施例4と同様に、「Cell counting kit−8」を用いたMTT法にて行った。つまり、試験開始より48時間後、各ウェルにCell counting kit−8溶液を10μL添加して、よく攪拌した。37℃、5%CO2条件下で1時間の遮光反応後にプレートリーダーを用いて測定波長450nmの吸光度測定を行い、得られたデータをもとに細胞生存率を算出した。各化合物濃度と細胞生存率の関係から、細胞増殖を50%抑制する濃度IC50を算出した(表3)。これらの結果から、UHA1029のIC50が最も低かったことから、強い口腔癌細胞増殖抑制能が認められた。この口腔癌細胞増殖抑制能は、p−クマル酸及びデヒドロジンゲロンには全く認められず、さらにルテオリンよりも高い活性を示した。したがってp−クマル酸とデヒドロジンゲロンを新規デヒドロジンゲロン誘導体に変換する高い有意性が示された。
【0066】
【表3】

【0067】
(実施例6:加熱温度によるUHA1029の生成量の違い)
デヒドロジンゲロン100mg、p−クマル酸100mg、エタノール2mL、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2mLの混合溶液(pH=7.4)を、オートクレーブにて70℃、90℃、110℃、130℃の各温度条件で20分間加熱した。それぞれの温度条件で得られた反応後組成物1mLをメタノールにて50mLにメスアップし、実施例1と同様にHPLCにより分析した。
【0068】
その結果、90℃以上でUHA1029の生成は確認できた。デヒドロジンゲロン及びp−クマル酸の合計量からの生成比率(重量%)は、70℃が非生成、90℃が極微量、110℃が1%、130℃が5%となり、130℃での加熱がもっとも多くUHA1029が生成していた。
【0069】
(実施例7:UHA1029含有エキスの調製)
生姜パウダー(デヒドロジンゲロン原料)10g、プロポリス抽出エキス(p−クマル酸原料)10g、エタノール10mL、5%重曹水溶液を10mL加えて調製した混合溶液を、オートクレーブにて130℃、60分間加熱した。得られた反応溶液を減圧加熱させて乾固し、UHA11029含有エキスを23g得た。得られたUHA1029エキス23g中には、実施例3と同様の手法で確認したところUHA1029が0.012g含有されていた。必要に応じてこのUHA1029含有エキスの調製作業を繰り返した。
【0070】
(実施例8:UHA1029を含有する食品)
実施例7で得たUHA1029含有エキス1gをあらかじめ100mLのエタノールに溶解させ、これに砂糖500g、水飴400gを混合溶解し、生クリーム100g、バター20g、練乳70g、乳化剤1.0gを混合した後、真空釜にて−550mmHg減圧させ、115℃の条件下で濃縮し、水分値3.0重量%のミルクハードキャンディを得た。このミルクハードキャンディは、菓子として食べ易いものであることはもちろん、癌患者における癌の拡散のリスクを低減したり、癌の発症のリスクを低減したり、癌の予防を期待した機能性食品としても利用できる。
【0071】
(実施例9:UHA1029を含有する医薬品)
実施例2,3と同様の方法で得たUHA1029をエタノールに溶解し、これを微結晶セルロースに添加して吸着させた後に、減圧乾燥させた。この吸着物を用いて常法に従い、打錠品を得た。処方は、UHA1029を10重量部、コーンスターチ23重量部、乳糖12重量部、カルボキシメチルセルロース8重量部、微結晶セルロース32重量部、ポリビニルピロリドン4重量部、ステアリン酸マグネシウム3重量部、タルク8重量部の通りである。本打錠品は、癌、特に口腔癌の治癒を目的とする医薬品として有効に利用できる。
【0072】
(実施例10:UHA1029を含有する医薬部外品)
実施例2、3の方法で得たUHA1029 1.2gを10mLのエタノールに溶解し、タウリン20g、ビタミンB1硝酸塩0.12g、安息香酸ナトリウム0.6g、クエン酸4g、砂糖60g、ポリビニルピロリドン10gを全て精製水に溶解させ、1000mLにメスアップした。なお、pHは、希塩酸を用いて3.2に調整した。得られた溶液1000mLのうち50mLをガラス瓶に充填し、80℃で30分間滅菌して、医薬部外品であるドリンク剤を完成させた。本ドリンク剤は、栄養補給の目的に加えて、癌患者における癌の拡散のリスクを低減したり、癌の発症のリスクを低減したり、癌の予防を目的とする医薬部外品として有効に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

で示される新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
請求項1記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する抗癌剤。
【請求項3】
請求項1記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する口腔癌細胞に対する抗癌剤。
【請求項4】
請求項1記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含有する食品、医薬品又は医薬部外品。
【請求項5】
デヒドロジンゲロンとp−クマル酸を金属塩存在下で加熱処理することにより、目的の化合物を生成することを特徴とする請求項1記載の新規デヒドロジンゲロン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−10720(P2013−10720A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145329(P2011−145329)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(390020189)ユーハ味覚糖株式会社 (242)
【Fターム(参考)】