説明

新規トリアゾロン誘導体およびそれを有効成分として含有する有害生物防除剤

【課題】効果が確実で安全に使用できる新規な有害生物防除剤を提供する。
【解決手段】次の式で示されるトリアゾロン誘導体を有効成分として含む、新規有害生物防除剤。


[式中、R1はCOR4(R4は、C1〜8アルキル基、またはフェニル基を表す)、SR5、またはSNHR5(R5はC1〜8アルキル基、またはフェニル基を表す)を表し、R2は水素原子、COR7(R7は、C1〜8アルキル基、またはフェニル基を表す)、またはSR8(R8は、C1〜8アルキル基を表す)を表し、Xは窒素原子を表す]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規トリアゾロン誘導体およびそれを有効成分として含有する有害生物防除剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでに多くの有害生物防除剤が見出されてきているが、薬剤感受性の低下の問題、効果の持続性、使用時の安全性等により、いまなお新規の薬剤が求められている。また、薬剤を土壌、水面、種子等に処理し、浸透移行的に有害生物から作物を保護することは、農業の省力化、環境への負荷の低減、作業者への安全などの点で、望まれる防除方法である。
【0003】
下記式(a)で示される化合物は、これまでにWeed Science (1968),16(2),152-158(非特許文献1)、American College of Physicians, Bulletin(1968),3(2),175-180(非特許文献2)等により除草活性を有することが知られているが、その殺虫活性については知られていない。
【0004】
【化1】

【0005】
式(a)
また、WO95/18123(特許文献1)において、下記式(b)で示される化合物は、殺虫活性を有することが開示されているが、本発明化合物についての示唆はない。
【0006】
【化2】

【0007】
式(b)
また、WO95/18123(特許文献1)において、下記式(c)で示される化合物は開示されているが、その殺虫活性についてはなんら記載がない。
【0008】
【化3】

【0009】
式(c)
また、Izvestiya Vysshikh Uchebnykh Zavedenii, Tekhnologiya Tekstil’noi Promyshlennosti(1990),(4),51-53(非特許文献3)において、下記式(d)で示される化合物は開示されているが、その殺虫活性についてはなんら記載がない。
【0010】
【化4】

【0011】
式(d)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO95/18123
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Weed Science (1968),16(2),152-158
【非特許文献2】American College of Physicians, Bulletin(1968),3(2),175-180
【非特許文献3】Izvestiya Vysshikh Uchebnykh Zavedenii, Tekhnologiya Tekstil’noi Promyshlennosti(1990),(4),51-53
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
効果が確実で安全に使用できる新規な有害生物防除剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明者らは、第一の発明として、次式(I)
【0016】
【化5】

【0017】
式(I)
[式中、
R1は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
CH2−O−R3
CH2−O−CO−R3
(上記基において、R3は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)、
COR4
COOR4
CONHR4
COSR4
(上記基において、R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR5
SOR5
SOOR5
SNHR5
CSNHR5
CSSR5
(上記基において、R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
R2は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6
CH2−O−R6
(上記基において、R6は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)、
COR7
COOR7
CONHR7
COSR7
(上記基において、R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOR8
SOOR8
SNHR8
CSR8
CSNHR8
CSSR8
(上記基において、R8は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9
NH−COO−R9
NH−COS−R9
NH−CSS−R9
N−(CO−R9)2
N−(COO−R9)2
N−(COS−R9)2
N−(CSS−R9)2
(上記基において、R9は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
NH−R10
NH−S−R10
(上記基において、R10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−R11
(上記基において、R11は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基)、
N=CH−NR12R13
(上記基において、R12、R13は、それぞれ独立して、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)または、
O−R14
(上記基において、R14は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
Xは、窒素原子またはCHを示す]で示される化合物を、1種以上含んでなる有害生物防除剤を提供する。
【0018】
本発明の有害生物防除剤の好ましい態様としては、
R1は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
COR4
COOR4
CONHR4
COSR4
(上記基において、R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR5
SOR5
SOOR5
SNHR5
CSSR5
(上記基において、R5は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
R2は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6
CH2−O−R6
(上記基において、R6は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、
COR7
COOR7
CONHR7
COSR7
(上記基において、R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOOR8
CSR8
(上記基において、R8は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9
NH−COO−R9
NH−COS−R9
NH−CSS−R9
N−(CSS−R9)2
(上記基において、R9は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH−R10
N−S−R10
(上記基において、R10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)
N=CH−R11
(上記基において、R11は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基を表す)、
N=CH−NR12R13
(上記基において、R12、R13は、それぞれ独立して
置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、または
O−R14
(R14は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基を表す)、
Xは、窒素原子またはCHを示す式(I)の化合物を1種以上含んでなる有害生物防除剤である。
【0019】
より好ましい態様としては、
R1は水素原子、COR4(R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)、SR5、またはSNHR5(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)を示し、
R2は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6
CH2−O−R6
(上記基において、R6は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、COR7
COOR7
CONHR7
COSR7
(上記基において、R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOOR8
CSR8
(上記基において、R8は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9
NH−COO−R9
NH−COS−R9
NH−CSS−R9
N−(CSS−R9)2
(上記基において、R9は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH−R10
N−S−R10
(上記基において、R10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−R11
(上記基において、R11は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基を表す)、
N=CH−NR12R13
(上記基において、R12、R13は、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、または
O−R14
(R14は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基を表す)、
Xは、窒素原子である式(I)の化合物を1種以上含んでなる有害生物防除剤である。
特に好ましい態様としては、
R1は水素原子、COR4(R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5、またはSNHR5(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)であり、
R2は水素原子、COR7(R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはSR8(R8は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、Xは、窒素原子である式(I)の化合物を1種以上含んでなる有害生物防除剤である。
【0020】
第二の発明としては、次式(I’)
【0021】
【化6】

【0022】
式(I’)
[式中
R1’は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
COR4’、
COOR4’、
CONHR4’、
COSR4’、
(上記基において、R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR5’、
SOR5’、
SOOR5’、
SNHR5’、
CSSR5
(上記基において、R5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
R2’は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6’、
CH2−O−R6’、
(上記基において、R6’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、COR7’、
COOR7’、
CONHR7’、
COSR7’、
(上記基において、R7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOOR8
CSR8
(上記基において、R8’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9’、
NH−COO−R9’、
NH−COS−R9’、
NH−CSS−R9’、
N−(CSS−R9’)2
(上記基において、R9’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH−R10’、
NH−S−R10’、
(上記基において、R10’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−R11
(上記基において、R11’は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基を表す)、
N=CH−NR12’R13
(上記基において、R12’、R13’は、それぞれ独立して
置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、
O−R14
(上記基において、R14’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基を表す)、
Xは、窒素原子またはCHを示す、
ただし、R1’とR2’が同時に水素原子または同時にアセチル基を示すことはなく、またR1’がアセチル基の時、R2’はNH2を示すことはない] で示されるトリアゾロン誘導体およびその塩を提供する。
【0023】
第二の発明の好ましい態様としては、
R1’は水素原子、COR4’(R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)、SR5’、またはSNHSR5’(SR5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)を示し、R2’は水素原子、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6’、
CH2−O−R6’、
(上記基において、R6’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、COR7’、
COOR7’、
CONHR7’、
COSR7’、
(上記基において、R7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8’、
SOOR8’、
CSR8’、
(上記基において、R8’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9’、
NH−COO−R9’、
NH−COS−R9’、
NH−CSS−R9’、
N−(CSS−R9’)2
(上記基において、R9’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH−R10'、
N−S−R10'
(上記基において、R10'は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、 置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−R11’、
(上記基において、R11'は、水素原子、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基を表す)、
N=CH−NR12'R13'
(上記基において、R12'、R13'は、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、または
O−R14'
(R14'は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基を表す)、
Xは、窒素原子を示す、ただし、R1’とR2’が同時に水素原子または同時にアセチル基を示すことはなく、またR1’がアセチル基の時、R2’はNH2を示すことはないトリアゾロン誘導体およびその塩を提供する。
【0024】
特に好ましい態様としては、
R1'は水素原子、COR4'(R4'は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5'、またはSNHR5'(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)であり、R2'は水素原子、COR7'(R7'は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはSR8'(R8'は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、Xは、窒素原子を示す、ただし、R1’とR2’が同時に水素原子または同時にアセチル基を示すことはないトリアゾロン誘導体およびその塩を提供する。
【0025】
第三の発明としては、上記式(I)で示されるトリアゾロン誘導体を1種以上含んでなる有害生物防除剤を利用した有害生物の防除方法を提供する。
【0026】
第四の発明としては、上記式(I)で示されるトリアゾロン誘導体を1種以上含んでなる有害生物防除剤を、植物または土壌に適用することを含んでなる、有害生物の防除方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明のトリアゾロン誘導体を含んでなる有害生物防除剤は、農園芸上の害虫、衛生害虫、動物の寄生虫、貯穀害虫、衣類害虫、家屋害虫および不快害虫に対して優れた防除効果を示し、また本発明の有害生物防除剤は、有害生物、特に農園芸上の害虫を、浸透移行的な薬剤処理でも優れた効果を示し、効果が確実で、安全に使用できる有害生物防除剤である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
上記式(I)および(I')の定義において、「置換されていてもよいC1〜8アルキル基」とは、炭素数1から8の直鎖状、分岐状、環状またはそれらの組み合わせで示されるアルキル基である。このアルキル基が分岐状、または環状アルキル基を含むとき、これらが示すアルキル基の炭素数は3以上であることは明らかである。置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基またはニトロ基が挙げられる。
【0029】
上記式(I)および(I')の定義において、「置換されていてもよいC2〜8アルケニル基」とは、炭素数2から8の直鎖状、分岐状、環状またはそれらの組み合わせで示されるアルケニル基である。このアルケニル基が分岐状、または環状アルキル基を含むとき、これらが示すアルケニル基の炭素数は3以上であることは明らかである。置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基またはニトロ基が挙げられる。
【0030】
上記式(I)および(I')の定義において、「置換されていてもよいC2〜8アルキニル基」とは、炭素数2から8の直鎖状、分岐状、環状またはそれらの組み合わせで示されるアルキニル基である。このアルキニル基が分岐状、または環状アルキル基を含むとき、これらが示すアルキニル基の炭素数は3以上であることは明らかである。置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基またはニトロ基が挙げられる。
【0031】
上記式(I)および(I')の定義において、「置換されていてもよいフェニル基」、「フェニル基が置換されていてもよいフェニル-(C1〜4アルキル)基」、「フェニル基が置換されていてもよいベンジル基」に、置換されていてもよい置換基とは、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜4アルコキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
【0032】
上記式(I)および(I')の定義において、「置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基」、「置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環」の「芳香族5員または6員のヘテロ環」とは、例えばピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、フリル基、ピラニル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基等が挙げられ、置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜4アルコキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
【0033】
上記式(I)および(I')の定義において、「置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基」の「5員または6員のヘテロシクロアルキル基」とは、モルホリニル基、ピロリジニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基等が挙げられ、置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜4アルコキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
【0034】
上記式(I)および(I')において、R1およびR1’が示す置換されていてもよいC1〜8アルキル基とは、具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられ、好ましくはエチル基である。
【0035】
上記式(I)および(I')において、R1およびR1’が示すフェニル基が置換されていてもよいベンジル基とは、具体的にはベンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基、4-トリフルオロメトキシベンジル基等が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
【0036】
上記式(I)および(I')において、R1およびR1’が示す置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基とは、具体的には4-ピリジルメチル基、5-クロロ-3-チアゾリルメチル基、2-フラニル基、6-クロロ-3-ピリジル基等が挙げられ、好ましくは6-クロロ-3-ピリジル基である。
【0037】
上記式(I)および(I')において、R1およびR1’がCH2−O−R3、CH2−O−CO−R3 、CH2−O−R3’、CH2−O−CO−R3’を示すとき、R3およびR3’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を示し、具体的なR1としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、イソプロピルオキシメチル基、アセチルオキシメチル基、イソプロピルカルボニルオキシメチル基、シクロプロパンカルボニルオキシメチル基等が挙げられ、好ましくはイソプロピルカルボニルオキシメチル基、エトキシメチル基であり、より好ましくはエトキシメチル基である。
【0038】
上記式(I)および(I')において、R1およびR1’が、COR4、COOR4、CONHR4、COSR4、 COR4’、COOR4’、CONHR4’、COSR4’を示すとき、R4およびR4’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基であり、具体的なR1およびR1’としては、アセチル基、n-ペンチルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、4-トリフルオロメトキシベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基、ピロリジン-1-カルボニル基、2,6-ジフルオロベンゾイル基、2,6-ジクロロベンゾイル基、ピリミジン-4-カルボニル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、3-ピリジルカルボニル基、イソチアゾール-4-カルボニル基、4-モルホリニルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはアセチル基、ベンゾイル基である。
【0039】
上記式(I)および(I')において、R1およびR1’が、SR5、SOR5、SOOR5、SNHR5、CSNHR5、CSSR5、SR5’、SOR5’、SOOR5’、SNHR5’、CSNHR5’、CSSR5’を示すとき、R5およびR5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環であり、より好ましくは置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基であり、具体的なR1およびR1’の例としてはフェニルチオ基、4−モルホリニルチオ基、ジ-n-ブチルアミノチオ基、n-ヘキシルチオ基、sec-ブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、1-フェニルプロパン-2-イルチオ基、tert-ブチルアミノチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基、イソプロピルチオ基、イソプロピルスルホニル基、イソチアゾール-4-カルボニル基、ヘプタン-2-イルチオ基、フェニルスルホニル基、ヘプタン-4-イルチオ基、5H-テトラゾール-5-カルボニル基、2H-イミダゾール-2-カルボニル基、メタンスルホニル基、tert-ブチルチオ基、ピリジン-3-イルメチルチオ基、6-クロロ-ピリジン-3-イルメチルチオ基等が挙げられ、好ましくはn-ヘキシルチオ基、sec-ブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、1-フェニルプロパン-2-イルチオ基、tert-ブチルアミノチオ基、フェニルチオ基、イソプロピルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基であり、より好ましくはn-ヘキシルチオ基、sec-ブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、フェニルチオ基、イソプロピルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基である。
【0040】
上記式(I)および(I')において、R1およびR1’の好ましい例は、水素原子、COR4およびCOR4’(R4およびR4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5、SNHR5、SR5’またはSNHR5’(R5およびR5’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)であり、具体的には、アセチル基、4-メチルベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニル基、3-ピリジルカルボニル基、4-モルホリニルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、2,6-ジフルオロベンゾイル基、4-トリフルオロメトキシベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、イソプロピルカルボニル基、フェニルチオ基、n-ヘキシルチオ基、sec-ブチルチオ基、1-ピロリジニルカルボニル基、シクロヘキシルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基、イソプロピルチオ基、ヘプタン-2-イルチオ基、ヘプタン-4-イルチオ基、tert-ブチルアミノチオ基が挙げられ、好ましくはアセチル基、ベンゾイル基、n-ヘキシルチオ基、sec-ブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、フェニルチオ基、イソプロピルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基である。
【0041】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’が示す置換されていてもよいC1〜8アルキル基とは、具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、tert-ブチル基、n-へキシル基等が挙げられ、好ましくはエチル基である。
【0042】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’が示す置換されていてもよいC2〜8アルケニル基とは、具体的にはアリル基、3,3,3−トリフルオロ-1-プロペニル基、3-ヘキシニル基等が挙げられ、好ましくはアリル基である。
【0043】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’が示すフェニル基が置換されていてもよいベンジル基とは、具体的にはベンジル基、4-トリフルオロメトキシベンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基等が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
【0044】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’がCH2−O−CO−R6、CH2−O−R6、CH2−O−CO−R6’、CH2−O−R6’を示すとき、R6およびR6’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を示し、具体的なR2およびR2’としてはエトキシメチル基、イソプロピルカルボニルオキシメチル基、アリルオキシメチル基、トリフルオロメトキシメチル基、sec-ブチルオキシメチル基、アセチルオキシメチル基、シクロプロパンカルボニルオキシメチル基等が挙げられ、好ましくはイソプロピルカルボニルオキシメチル基、エトキシメチル基である。
【0045】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’がCOR7、COOR7、CONHR7、COSR7、 COR7’、COOR7’、CONHR7’、COSR7’を示すとき、R7およびR7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基であり、具体的なR2およびR2’としては、アセチル基、ベンジルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、4-トリフルオロメトキシベンゾイル基、イソチアゾール-4-カルボニル基、4−メチルベンゾイル基、ピロリジン-1-カルボニル基、2,6-ジクロロベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、4H-ピラゾール-4-カルボニル基、2,6−ジフルオロベンゾイル基、S-イソプロピルカルボチオエート基等が挙げられ、好ましくはベンジルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、4-メチルベンゾイル基、ピロリジン-1-カルボニル基、2,6-ジクロロベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基である。
【0046】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’がSR8、SOR8、SOOR8、SNHR8、CSR8、CSNHR8、CSSR8、 SR8’、SOR8’、SOOR8’、SNHR8’、CSR8’、CSNHR8’、CSSR8’を示すとき、R8およびR8’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基であり、具体的なR2およびR2’としてはsec-ブチルチオ基、イソチアゾール-4-イルチオ基、メタンスル
ホニル基、フェニルスルホニル基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基、1,2,4-トリアゾール-3-オン-2-イルチオカルボニル基等が挙げられ、好ましくはsec-ブチルチオ基、1,2,4-トリアゾール-3-オン-2-イルチオカルボニル基である。
【0047】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’がNH−CO−R9、NH−COO−R9、NH−COS−R9、NH−CSS−R9、N−(CO−R9)2、N−(COO−R9)2、N−(COS−R9)2、N−(CSS−R9)2、 NH−CO−R9’、NH−COO−R9’、NH−COS−R9’、NH−CSS−R9’、N−(CO−R9’)2、N−(COO−R9’)2、N−(COS−R9’)2、N−(CSS−R9’)2を示すとき、R9およびR9’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基であり、具体的なR2およびR2’としては、イソプロピルカルバモジチオエート基、S-イソプロピルカルバモチオエート基、ピリミジン-5-カルボキシアミド基、5H-テトラゾール-5カルボキシアミド基、ベンズアミド基、2,6-ジフルオロベンズアミド基、n-ヘキサンカルボキシアミド基、シクロヘキサンカルボキシアミド基、エトキシカルボニルアミノ基、シクロプロパンカルボキシアミド基等が挙げられ、好ましくはn-ヘキサンカルボニルアミド基である。
【0048】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’が、NH−R10、NH−S−R10、NH−R10’、NH−S−R10’を示すとき、R10およびR10’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換
されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環であり、具体的なR2およびR2’としてはイソプロピルチオアミノ基、イソプロピルアミノ基、2,6-ジフルオロベンジルアミノ基、3-ピリジルメチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、1-フェニルエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基、フェニルエチルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェニルプロピルアミノ基、シクロプロピルメチルアミノ基、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ基、5H-テトラゾール-5-カルボニル基、2H-イミダゾール-2-カルボニル基、1-(4-シアノフェニル)エチ
ルアミノ基、1-(4-メチルフェニル)エチルアミノ基、1-(4-フルオロフェニル)エチルアミノ基、5-アセトアミド−2−アセトキシメチル-3,4-ジアセトキシ-テトラヒドロ-2H-ピラン-6-イル-アミノ基、1-(4-tert-ブチルフェニル)エチルアミノ基、フェニルアミノ基、1-(4-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ基、2,2-ジメチル-1-フェニルプロピルアミノ基、2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル)エチルアミノ基、1-(1-シアノ-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル)エチルアミノ基等が挙げられ、好ましくはベンジルアミノ基、5-アセトアミド−2−アセトキシメチル-3,4-ジアセトキシ-テトラヒドロ-2H-ピラン-6-イル-アミノ基である。
【0049】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’がN=CH−R11、N=CH−R11’を示すとき、R11およびR11’は、水素原子、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基であり、具体的なR2およびR2’としてはエチリデンアミノ基、ヘキシリデンアミノ基、2-フェニルエチリデンアミノ基、ベンジリデンアミノ基、シクロプロピルメチレンアミノ基、3-フェニルプロピリデンアミノ基、(1-(4-トリフルオロメチル)フェニル)エチリデンアミノ基等が挙げられ、好ましくはヘキシリデンアミノ基、シクロプロピルメチレンアミノ基、3-フェニルプロピリデンアミノ基、(1-(4-トリフルオロメチル)フェニル)エチリデンアミノ基である。
【0050】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’がN=CH−NR12R13、N=CH−NR12’R13’を示すとき、R12、R13、R12’、R13’は、それぞれ独立して置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基であり、具体的なR2およびR2’としては(N-エチル-N-トリフルオロメチルアミノ)-メチレンアミノ基、(N-フェニル-N-メチルアミノ)-メチレンアミノ基、ジメチルアミノメチレンアミノ基、(N-メチル-N-ピリミジン-4-イルアミノ)-メチレンアミノ基等が挙げられ、好ましくはジメチルアミノメチレンアミノ基である。
【0051】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’がO−R14、O−R14’を示すとき、R14およびR14’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を示し、好ましくは置換されていてもよいC1〜8アルキル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基であり、具体的なR2およびR2’としてはメトキシ基、イソプロピルオキシ基、アリルオキシ基、4-モルホニルオキシ基、5-ピリミジンオキシ基、ベンジルオキシ基、3-ピリジルオキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基、ベンジルオキシ基である。
【0052】
上記式(I)および(I')において、R2およびR2’は好ましくは水素原子、アミノ基、COR7、COR7’(R7およびR7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、NH-CO-R9、NH-CO-R9’ (R9
よびR9’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、NH−R10、NH−R10’(R10およびR10’は、置換されてい
てもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、またはN=CH−R11、N=CH−R11’(R11およびR11’は、水素原子、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)であり、より好ましくは水素原子、COR7、COR7’(R7およびR7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR8、SR8’(R8およびR8’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、具体的には、ベンジルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、4-メチルベンゾイル基、1-ピロリジニルカルボニル基、2,6-ジクロロベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、n-ヘキサンカルボニルアミド基、ベンジルアミノ基、ヘキシリデンアミノ基、シクロプロピルメチレンアミノ基、3-フェニルプロピリデンアミノ基、(1-(4-トリフルオロメチル)フェニル)エチリデンアミノ基が挙げられ、好ましくは、水素原子、ベンジルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、4-メチルベンゾイル基、ピロリジン-1-カルボニル基、2,6-ジクロロベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、sec-ブチルチオ基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0053】
上記式(I)および(I')において、XはCHまたは窒素原子を示し、好ましくは窒素原子である。
【0054】
上記式(I)において、好ましい組合せとしては、R1は水素原子、COR4(R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5、またはSNHR5(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)であり、R2は水素原子、COR(Rは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはSR8(R8は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、Xは、窒素原子である。好ましい具体的な組合せとしては、Xは窒素原子、R2が水素原子のとき、R1が水素原子、アセチル基、3-ピリジルカルボニル基、ベンゾイル基、2,6-ジフルオロベンゾイル基、4-トリフルオロメトキシベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、イソプロピルカルボニル基、フェニルチオ基、n-ヘキシルチオ基、sec-ブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基、イソプロピルチオ基、ヘプタン-2-イルチオ基、ヘプタン-4-イルチオ基、tert-ブチルアミノチオ基が挙げられ、特に好ましい具体的な組合せとしては、Xは窒素原子、R2が水素原子のとき、R1が水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、イソプロピルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基である。
【0055】
上記式(I)によって示される有害生物防除剤が、動物寄生性害虫防除剤を示すとき、好ましい組合せとしては、R1は水素原子、COR4(R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5、SNHR5(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、または置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、またはCH2-O-R3(R3は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、R2は水素原子、COR(Rは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR8(R8は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、またはCH2-O-R3(R3は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、Xは、窒素原子である。より好ましい組合せとしては、R1が水素原子またはメチル基、Xが窒素原子であり、R2が置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基であるか、R2が水素原子、Xが窒素原子を示し、R1がSR5、SNHR5(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、または置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)であるか、Xが窒素原子であり、R1とR2が同一で、COR4(R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはCH2-O-R3(R3は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)である。
【0056】
上記式(I’)において、好ましい組合せとしては、R1’は水素原子、COR4’(R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5’、SNHR5’(R5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、または置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、またはCH2-O-R3’(R3’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、R2’は水素原子、COR7’(R7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR8’(R8’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、またはCH2-O-R3(R3は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、Xは、窒素原子である、ただし、R1’とR2’が同時に水素原子または同時にアセチル基を示すことはない。
【0057】
より好ましい組合せとしては、R1’は水素原子、COR4’(R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5’、またはSNHR5’(R5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基を表す)であり、R2’は水素原子、COR7’(R7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはSR8’(R8’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)であり、Xは、窒素原子である(ただし、R1’とR2’が同時に水素原子または同時にアセチル基を示すことはない)か、R1’が水素原子またはメチル基、Xが窒素原子であり、R2’が置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、フェニル基が置換されていてもよいベンジル基であるか、R2’が水素原子、Xが窒素原子を示し、R1’がSR5’、SNHR5’(R5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、または置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)であるか、Xが窒素原子であり、R1’とR2’が同一で、COR4’(R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはCH2-O-R3’( R3’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)である。
【0058】
好ましい具体的な組合せとしては、Xは窒素原子、R2’が水素原子のとき、R1’がアセチル基、3-ピリジルカルボニル基、ベンゾイル基、2,6-ジフルオロベンゾイル基、4-トリフルオロメトキシベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、イソプロピルカルボニル基、フェニルチオ基、n-ヘキシルチオ基、sec-ブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基、イソプロピルチオ基、ヘプタン-2-イルチオ基、ヘプタン-4-イルチオ基、tert-ブチルアミノチオ基が挙げられ、特に好ましい具体的な組合せとしては、Xは窒素原子、R2’が水素原子のとき、R1'がアセチル基、ベンゾイル基、イソプロピルチオ基、4,4,4-トリフルオロブタン-2-イルチオ基である。
【0059】
式(I)または(I')で示される化合物の具体的な例を表1〜4に記す
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

式(I)で示される化合物は、以下の方法で合成することにより、または一部化合物については市販品として入手可能である。
次式(Ia)、
【0064】
【化7】

【0065】
式(Ia)
[式中R1は、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
CH2−O−R3
CH2−O−CO−R3
(上記基において、R3は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)、
COR4
COOR4
CONHR4
COSR4
(上記基において、R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR5
SOR5
SOOR5
SNHR5
CSNHR5
CSSR5
(上記基において、R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表し、
R2は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6
CH2−O−R6
(上記基において、R6は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)、
COR7
COOR7
CONHR7
COSR7
(上記基において、R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOR8
SOOR8
SNHR8
CSR8
CSNHR8
CSSR8
(上記基において、R8は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9
NH−COO−R9
NH−COS−R9
NH−CSS−R9
N−(CO−R9)2
N−(COO−R9)2
N−(COS−R9)2
N−(CSS−R9)2
(上記基において、R9は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
NH−R10
NH−S−R10
(上記基において、R10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−R11
(上記基において、R11は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−NR12R13
(上記基において、R12、R13は、それぞれ独立して
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
O−R14
(上記基において、R14は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表し、
Xは、窒素原子またはCHを表す]で示される化合物は、
次式(IIa)
【0066】
【化8】

【0067】
式(IIa)
[式中R2およびXは上記式(Ia)における定義と同じ]で示される化合物を原料として、合成することができる。
式(Ia)において、
R1が置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
CH2−O−R3
CH2−O−CO−R3
(上記基において、R3は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)を表すとき、
式(Ia)で示される化合物は、式(IIa)で示される化合物と、次式(IIIa)、または次式(IIIb)で示される試薬とを塩基存在下または非存在下で作用させることにより得ることができる。
【0068】
【化9】

【0069】
式(IIIa)
【0070】
【化10】

【0071】
式(IIIb)
[上記式(IIIa)、式(IIIb)において、R1、R3は上記定義と同じ意味を示し、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。]。
塩基を使用する場合、使用する塩基は、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(IIa)で示される化合物に対して0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2当量である。
反応に使用する溶媒としては、例えば、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等が用いられ、好ましくはアセトンである。使用する溶媒は式(IIa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは50〜100等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
式(Ia)において、
R1がCOR4
COOR4
CONHR4
COSR4
(上記基において、R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき、式(Ia)で示される化合物は、式(IIa)で示される化合物と、次式(IVa)、次式(IVb)または次式(IVc)で示される試薬を塩基存在下または非存在下で作用させることにより得ることができる。
【0072】
【化11】

【0073】
式(IVa)
【0074】
【化12】

【0075】
式(IVb)
【0076】
【化13】

【0077】
式(IVc)
[上記式(IVa)、式(IVb)、式(IVc)において、R4は上記定義と同じ意味を示し、Zは酸素原子、硫黄原子またはNHを示す。]。
塩基を使用する場合、使用する塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(IIa)で示される化合物に対して 0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2等量である。
反応に使用する溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタンを用いることができ、好ましくはアセトンまたは水である。使用する溶媒は式(IIa)で示される
化合物に対して、1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
式(Ia)において、
R1がSR5
SOR5
SOOR5
SNHR5
CSNHR5
CSSR5
(上記基において、R5は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき、式(Ia)で示される化合物は、式(IIa)で示される化合物と、例えば新実験化学講座(14-III 1742〜1746)で示される方法により調製される次式(Va)で示される試薬とを塩基存在下に作用させることにより得ることができる。
【0078】
【化14】

【0079】
式(Va)
[上記式(Va)において、R5は上記定義と同じ意味を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
使用する塩基は、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくはトリエチルアミンである。使用する塩基は式(IIa)で示される化合物に対して0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2当量である。
反応に使用する溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン等が用いられ、好ましくはジメチルホルムアミドである。使用する溶媒は式(IIa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは10〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
【0080】
式(IIa)で示される化合物は、以下のようにして得ることができる
式(IIa)において、
R2が水素原子を示すとき、J.Heterocyclic.Chem., 16, 199 (1979)に記載の方法で得ることができる。
【0081】
式(IIa)において
R2が置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基を表すとき
式(IIa)で示される化合物は、次のスキームに従って得ることができる[式(VIa)、式(VIb)、式(VIc)、式(IIa)におけるR2は上記定義と同じ意味を示す]。すなわち、式(VIa)で示されるアミンを塩基存在下または非存在下でハロゲン化炭酸アリール化合物と反応させ、式(VIb)とした後、ヒドラジンと反応させて式(VIc)とし、更に酸触媒存在下または非存在下でギ酸またはオルソギ酸エステルと反応させることにより得られる。
【0082】
【化15】

【0083】
式(VIa)から式(VIb)への反応において塩基を使用する場合、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくはピリジンである。使用する塩基は式(VIa)で示される化合物に対して0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2当量である。
反応に使用する溶媒としては、例えばジクロロメタン、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン等が用いられ、好ましくはジクロロメタンである。使用する溶媒は式(VIa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。
反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
式(VIb)から式(VIc)への反応に使用する溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン等が用いられ、好ましくはエタノールである。使用する溶媒は式(VIb)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは2〜50当量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは80〜100℃である。
式(VIc)から式(IIa)への反応において、酸を使用する場合、使用する酸としては、例えばパラトルエンスルホン酸、、塩酸、硫酸、ギ酸、塩化アルミニウム等を用いることができ、好ましくはパラトルエンスルホン酸、塩酸、ギ酸である。使用する酸は式(VIc)で示される化合物に対して 0.0001〜50等量を用いることができ、好ましくは0.01〜5等量である。反応に使用する溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン等が用いられ、好ましくはエタノールである。使用する溶媒は式(VIc)で示される化合物に対して 1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。
使用するギ酸またはオルソギ酸エステルは、式(VIc)で示される化合物に対して1〜1000等量を用いることができ、好ましくは3〜20等量である。反応は、0〜250℃で行うことができ、好ましくは110〜160℃である。
【0084】
式(IIa)において、
R2がCH2−O−CO−R6
CH2−O−R6
(上記基において、R6は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)を表すとき、
式(IIa)で示される化合物は、式(VIIa)または式(VIIb)で示される試薬と、式(IIa’)で示される化合物とを塩基存在下または非存在下で作用させることにより得ることができる。
【0085】
【化16】

【0086】
式(VIIa)
【0087】
【化17】

【0088】
式(VIIb)
【0089】
【化18】

【0090】
式(IIa’)
[上記式(VIIa)、式(VIIb)において、R6は上記定義と同じ意味を示し、Yは塩素原子、臭素またはヨウ素原子を示し、式(IIa’)において、Xは窒素原子またはCHを示す。]
塩基を使用する場合、使用する塩基は、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(IIa’)で示される化合物に対して0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2当量である。
反応に使用する溶媒としては、例えば、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等が用いられ、好ましくはアセトンである。使用する溶媒は式(IIa’)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは50〜100等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
式(IIa)において
R2が、COR7
COOR7
CONHR7
COSR7
(上記基において、R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき、式(IIa)で示される化合物は、次式(VIIIa)、次式(VIIIb)または次式(VIIIc)で示される試薬と、上記式(IIa’)で示される化合物を塩基存在下または非存在下で作用させることにより得ることができる。
【0091】
【化19】

【0092】
式(VIIIa)
【0093】
【化20】

【0094】
式(VIIIb)
【0095】
【化21】

【0096】
式(VIIIc)
[上記式(VIIIa)、式(VIIIb)、式(VIIIc)において、R7は上記定義と同じ意味を示し、Zは酸素原子、硫黄原子またはNHを示す]
塩基を使用する場合、使用する塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(IIa’)で示される化合物に対して 0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2等量である。
反応に使用する溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、好ましくはジメチルホルムアミド、アセトンまたは水である。使用する溶媒は式(IIa’)で示れる化合物に対して1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。
反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
【0097】
式(IIa)において、
R2がSR8
SOR8
SOOR8
SNHR8
CSR8
CSNHR8
CSSR8
(上記基において、R8は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき、式(IIa)で示される化合物は、次式(IXa)、次式(IXb)、次式(IXc)、次式(IXd)または次式(IXe)で示される試薬と、上記式(IIa’)で示される化合物とを塩基存在下または非存在下で作用させることにより得ることができる。
【0098】
【化22】

【0099】
式(IXa)
【0100】
【化23】

【0101】
式(IXb)
【0102】
【化24】

【0103】
式(IXc)
【0104】
【化25】

【0105】
式(IXd)
【0106】
【化26】

【0107】
式(IXe)
[上記式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)において、R8は上記定義と同じ意味を示し、Wは硫黄原子またはNHを示す。]
塩基を使用する場合、使用する塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(IIa’)で示される化合物に対して 0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2等量である。
反応に使用する溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、好ましくはジメチルホルムアミド、アセトンまたは水である。使用する溶媒は式(IIa’)で示される化合物に対して 1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
【0108】
式(IIa)において、
R2がNH2で示される化合物(式(XIa))は、Chem. Ber., 98, 3025 (1965)によって得ることができる。
【0109】
式(IIa)において、
R2がNH−CO−R9
NH−COO−R9
NH−COS−R9
NH−CSS−R9
N−(CO−R9)2
N−(COO−R9)2
N−(COS−R9)2
N−(CSS−R9)2
(上記基において、R9は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき、式(IIa)で示される化合物は、次式(Xa)、次式(Xb)または次式(Xc)で示される試薬と、次式(XIa)とを塩基存在下または非存在下で作用させることにより得ることができる。
【0110】
【化27】

【0111】
式(Xa)
【0112】
【化28】

【0113】
式(Xb)
【0114】
【化29】

【0115】
式(Xc)
【0116】
【化30】

【0117】
式(XIa)
[上記式(Xa)、式(Xb)、式(Xc)において、R9は、上記定義と同じ意味を示し、Vは酸素原子または硫黄原子を示し、Xは窒素原子またはCHを示す。]
塩基を使用する場合、使用する塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(XIa)で示される化合物に対して 0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2等量である。反応に使用する溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、好ましくはジメチルホルムアミド、アセトンまたは水である。使用する溶媒は式(XIa)で示される化合物に対して、1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
【0118】
式(IIa)において、
R2がNH−R10
NH−S−R10
(上記基において、R10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき、式(IIa)で示される化合物は、次式(XIIa)または次式(XIIb)で示される試薬と、上記式(XIa)を塩基存在下に作用させることにより得ることができる。
【0119】
【化31】

【0120】
式(XIIa)
【0121】
【化32】

【0122】
式(XIIb)
[式(XIIa)、式(XIIb)において、R10は上記定義と同じ意味を示し、Yは塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子を示す。]
使用する塩基は、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくはトリエチルアミンである。使用する塩基は式(XIa)で示される化合物に対して0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2当量である。反応に使用する溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン等が用いられ、好ましくはジメチルホルムアミドである。
使用する溶媒は式(XIa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは10〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
【0123】
式(IIa)において、
R2が、N=CH−R11
(上記基において、R11は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき、
次のスキームに従って得ることができる。
【0124】
【化33】



【0125】
[式(XIIIa)、式(XIIIb)において、R11a,R11bは上記R11と同じ定義であるが、ただしR11aとR11bの炭素数の和は0〜7であり、Xは窒素原子またはCHを示す。]
すなわち、式(XIIIa)で示される物質は、式(XIa)で示される化合物とR11a-CO−R11bで示されるカルボニル化合物とを酸触媒の存在下反応させることにより得られる。
また、式(XIIIb)で示される化合物は、式(XIIIa)で示される化合物を水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウムなどの一般的な還元剤で還元することにより得ることもできる。
式(XIa)から式(XIIIa)への反応において、使用する酸は、例えばパラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、塩酸、硫酸、酢酸等を用いることができ、好ましくはカンファースルホン酸である。使用する酸は式(XIa)で示される化合物に対して0.0001〜10等量を用いることができ、好ましくは0.005〜0.05当量である。反応に使用する溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン等が用いられ、好ましくはエタノールである。
使用する溶媒は式(XIa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは5〜50等量である。反応は、−78〜250℃で行うことができ、好ましくは80〜120℃である。
式(XIIIa)から式(XIIIb)への反応において使用する還元剤は、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム等を用いることができ、好ましくは水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウムである。使用する還元剤は式(XIIIa)で示される化合物に対して0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは0.5〜2当量である。反応に使用する溶媒としては、例えばクロロホルム、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等が用いられ、好ましくはエタノールである。
使用する溶媒は式(XIIIa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは5〜50等量である。反応は、−78〜250℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
【0126】
式(IIa)において、
R2が、
N=CH−NR12R13
(R12、R13は、それぞれ独立して、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表すとき
式(IIa)で示される化合物は、上記式(XIa)で示される化合物と、次式(XIVa)
で示される試薬を酸触媒の存在下反応させることにより得られる。
【0127】
【化34】

【0128】
式(XIVa)
[式(XIVa)において、R12、R13は上記と同じ定義を示す]。
使用する酸は、例えばパラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、塩酸、硫酸、酢酸等を用いることができ、好ましくはカンファースルホン酸である。使用する酸は式(XIa)で示される化合物に対して0.0001〜10等量を用いることができ、好ましくは0.005〜0.05当量である。反応に使用する溶媒としては、例えば、クロロホルム、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン等が用いられ、好ましくはエタノールである。使用する溶媒は式(XIa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは5〜50等量である。反応は、−78〜250℃で行うことができ、好ましくは80〜120℃である。
【0129】
式(IIa)において、
R2がO−R14
(R14は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
または
R2がNH-R10
(R10は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)を表し、Xが窒素原子を表すとき、式(IIa)で示される化合物は、次のスキームに従って得ることができる。
【0130】
【化35】

【0131】
[上記スキームにおいて、R10、R14は上記定義と同じ意味を示し、Uは酸素原子または窒素原子を表す]
すなわち、式(XVd)で示される物質は、式(XVa)で示される化合物を塩基存在下または非存在下でハロゲン化炭酸アリール化合物と反応させ、式(XVb)とした後、ヒドラジンと反応させて式(XVc)とし、更に酸触媒存在下または非存在下でギ酸またはオルソギ酸エステルと反応させることにより得られる。
式(XVa)から式(XVb)への反応において塩基を使用する場合、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくはピリジンである。使用する塩基は式(XVa)で示される化合物に対して0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2当量である。反応に使用する溶媒としては、例えばジクロロメタン、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン等が用いられ、好ましくはジクロロメタンである。使用する溶媒は式(XVa)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは10〜30℃である。
式(XVb)から式(XVc)への反応に使用する溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン等が用いられ、好ましくはエタノールである。使用する溶媒は式(XVb)で示される化合物に対して1〜1000当量を用いることができ、好ましくは2〜50当量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは80〜100℃である。
式(XVc)から式(XVd)への反応において酸を使用する場合、使用する酸としては、例えばパラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、ギ酸、塩化アルミニウム等を用いることができ、好ましくはパラトルエンスルホン酸、塩酸またはギ酸である。使用する酸は式(XVc)で示される化合物に対して 0.0001〜50等量を用いることができ、好ましくは0.01〜5等量である。反応に使用する溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン等が用いられ、好ましくはエタノールである。使用する溶媒は式(XVc)で示される化合物に対して 1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。
使用するギ酸またはオルソギ酸エステルは、式(XVc)で示される化合物に対して1〜1000等量を用いることができ、好ましくは3〜20等量である。反応は、0〜250℃で行うことができ、好ましくは110〜160℃である。
【0132】
また次式(Ib)
【0133】
【化36】

【0134】
式(Ib)
[ここでR1b=R2bであり、R1bおよびR2bは、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6b
CH2−O−R6b
(上記基において、R6bは置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)を表し、
Xは窒素原子またはCHを表す]で示される化合物は、
次式(XVIa)で示される試薬と、前記式(IIa’)で示される化合物とを塩基存在下または非存在下で作用させることでも得ることができる。
【0135】
【化37】

【0136】
式(XVIa)
[上記式(XVIa)において、R1bは上記定義と同じ意味を示し、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。]
塩基を使用する場合、使用する塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(IIa’)で示される化合物に対して 0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2等量である。
反応に使用する溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタンであり、好ましくはアセトンまたは水である。使用する溶媒は式(IIa’)で示される化合物に対して 1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
また次式(Ic)
【0137】
【化38】

【0138】
式(Ic)
[R1cは、CO-R4
COO-R4
COS-R4
CSS-R4
R2cは、NH−CO−R9c
NH−COO−R9c
NH−COS−R9c
NH−CSS−R9c
N−(CO−R9c)2
N−(COO−R9c)2
N−(COS−R9c)2
N−(CSS−R9c)2を示す。ここでR4=R9cであり、R4の定義は上記式(I)における定義と同じであり、Xは窒素原子またはCHを表す]で示される化合物は、前記式(IVa)、前記式(IVb)または前記式(IVc)で示される試薬と、前記式(XIa)を、塩基存在下または非存在下で作用させることにより得ることができる。
塩基を使用する場合、使用する塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムである。使用する塩基は式(XIa)で示される化合物に対して 0.1〜50等量を用いることができ、好ましくは1〜2等量である。
反応に使用する溶媒としては、例えばアセトン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、好ましくはジメチルホルムアミド、アセトンまたは水である。使用する溶媒は式(XIa)で示される化合物に対して 1〜1000等量を用いることができ、好ましくは2〜50等量である。反応は、−78〜200℃で行うことができ、好ましくは0〜30℃である。
以上のようにして得られた化合物は、たとえばシリカゲルを用いたクロマトグラフィーにより精製し、目的物を純品として得ることができる。
【0139】
前記式(I’)で示される化合物も、上記の式(I)で示される化合物と同様に得ることができる。
【0140】
式(I)で表される本発明化合物の少なくとも1種を含有する有害生物防除剤が防除効果を示す虫種は、特に限定されるものではないが、農園芸上の害虫としては、鱗翅目害虫(例えば、ハスモンヨトウ、ヨトウガ、アワヨトウ、アオムシ、コナガ、シロイチモジヨトウ、ニカメイガ、コブノメイガ、ハマキガ、シンクイガ、ハモグリガ、ドクガ、アグロティス属害虫(Agrotis spp)、ヘリコベルパ属害虫(Helicoverpa spp)、ヘリオティス属害虫(Heliothis spp)など)、半翅目害虫(例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、Aphisfabae、トウモロコシアブラムシ、エンドウヒゲナガアブラムシ、ジヤガイモヒゲナガアブラムシ、マメアブラムシ、チューリップヒゲナガアブラムシ、Macrosiphum avenae、Methopolophium dirhodum、ムギクビレアブラムシ、ムギミドリアブラムシ、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、ユキヤナギアブラムシ、Rosy apple aphid、リンゴワタムシ、コミカンアブラムシ、ミカンクロアブラムシなどのアブラムシ類(Aphididae,Adelgidae,Phy11oxeridae)、ツマグロヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイなどのヨコバイ類、ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカなどのウンカ類、シラホシカメムシ、ミナミアオカメムシ、アカヒゲホソミドリカスミカメなどのカメムシ類、シルバーリーフコナジラミ、タバココナジラミ、オンシツコナジラミなどのコナジラミ類(A1eyrodidae)、クワコナカイガラムシ、ミカンコナカイガラムシ、クワシロカイガラムシ、アカマルカイガラムシなどのカイガラムシ類(Diaspididae,Margarodidae,Ortheziidae,Ac1erdiae,Dacty1opiidae,Kerridae,Pseudococcidae,Coccidae,Eriococcidae,Asterolecaniidae,Beesonidae,Lecanodiaspididae,Cerococcidaeなど)、鞘翅目害虫(例えば、イネミズゾウムシ、アズキゾウムシ、チャイロコメノゴミムシダマシ、ウェスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ、キスジノミハムシ、ウリハムシ、コロラドポテトハムシ、イネドロオイムシ、シンクイムシ類、カミキリムシ類など)、ダニ目(例えば、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニなど)、膜翅目害虫(例えばハバチ類)、直翅目害虫(例えば、バッタ類)、双翅目害虫(例えば、イエバエ、ハモグリバエ類)、アザミウマ目害虫(例えば、ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマなど)、植物寄生性線虫(例えば、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、イネシンガレセンチュウ、マツノザイセンチュウなど)、動物の寄生虫としては、マダニ類(例えば、ローン・スターマダニ、メキシコ湾岸マダニ、オウシマダニ、ロッキー山脈森林マダニ、西海岸マダニ、アメリカンドッグティック、ツリガネチマダニ、キチマダニ、フタトゲチマダニ、オオトゲチマダニ、タネガタマダニ、ヤマトマダニ、西部クロアシダニ、シュルツェマダニ、ヒツジダニ、クロアシダニ、カズキダニ、クリイロコイタマダニ)、ツメダニ類(例えば、ネコツメダニ、イヌツメダニ)、ニキビダニ類(例えば、イヌニキビダニ、ネコニキビダニ)、キュウセンダニ類(例えば、ウシキュウセンヒゼンダニ)、ヒゼンダニ類(例えば、ウシショクヒヒゼンダニ、イヌミミヒゼンダニ)、サオオシダニ類(例えば、トリサシダニ)、ワクモ類、ウモウダニ類(例えば、ニワトリウモウダニ、ヒシガタウモウダニ)、ツツガムシ類(例えば、ミヤガワタマツツガムシ、アカツツガムシ)、ノミ類(例えば、ネコノミ、ヒトノミ)、ハジラミ類(例えば、イヌハジラミ、ニワトリハジラミ)、シラミ類(例えば、ブタジラミ、イヌジラミ、コロモジラミ、ヒトジラミ、ケジラミ)、ハエ類(例えば、ウシバエ、サシバエ)、アブ類、カ類(例えば、ヒトスジシマカ、アカイエカ等)、ブユ類、ヌカカ類、線虫類(例えば、糞線虫類、鈎虫類、円虫類(例えば、捻転胃虫、ネズミ円虫)、毛様線虫類、変円虫類(例えば、豚肺虫、広東住血線虫、猫肺虫)、蟯虫類、盲腸虫類(例えば、鶏回虫)、回虫類(例えば、アニサキス線虫、豚回虫、馬回虫、犬回虫、猫回虫)、旋尾線虫類(例えば、スブルラ類、有棘顎口虫、猫胃虫、類円豚胃虫、大口馬胃虫、鶏胃虫)、糸条虫類(例えば、犬糸条虫)、腎虫類、旋毛虫類(例えば、犬鞭虫、旋毛虫))、吸虫類(例えば、日本住血吸虫、肝蛭)、鉤頭虫類、条虫類(例えば、疑葉類(例えば、マンソン裂頭条虫)、円葉類(例えば、瓜実条虫))、原虫類などが挙げられる。より好ましくは、鱗翅目害虫、半翅目害虫、アザミウマ目害虫、双翅目害虫、鞘翅目害虫、動物寄生性のノミ類、ダニ類が挙げられ、さらに好ましくは、半翅目害虫、アザミウマ目害虫、動物寄生性のダニ類である。
【0141】
本発明の有害生物防除剤は、式(I)で示される化合物のほか、使用法に応じた担体を用いて調製することもできる。
使用可能な担体としては、液体担体、固体担体、ガス状担体、界面活性剤、分散剤、その他の製剤用補助剤等が挙げられる。
【0142】
固体担体としては、例えば粘土類(カリオンクレー、珪藻土、ベントナイト、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリナイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)などの微粉末や粒状物、でんぷん、乳糖、塩化ビニル系重合体、ポリウレタン等の合成ポリマーが挙げられる。
【0143】
液体担体としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンジルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(パラフィン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、灯油等)、エーテル類(ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル類(炭酸プロピレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジル、ミスチリン酸イソプロピル、プロピレングリコールの脂肪酸エステル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ダイズ油、綿実滴等の動植物油類、ジメチルスルホキシド、シリコーンオイル、高級脂肪酸、グリセロールホルマール、水などが挙げられる。
【0144】
ガス状担体としてはLPG、空気、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
【0145】
乳化、分散、展着等のための界面活性剤、分散剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキル(アリール)スルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル類、多価アルコールエステル類、リグニンスルホン酸塩等が用いられる。
更に、製剤の性状を改善するための補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸カルシウム等が用いられる。
上記の担体、界面活性剤、分散剤、及び補助剤は、必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いられる。
【0146】
本発明の有害生物防除剤が農業害虫防除剤であるときは、通常は適当な固体担体、液体担体、ガス状担体、界面活性剤、分散剤その他の製剤用補助剤と混合して乳剤、液剤、懸濁剤、水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤、錠剤、油剤、エアゾール、薫煙剤などの任意の剤型で提供される。
【0147】
固体担体としては、例えば、タルク、ベンナイト、クレー、カオリン、ケイソウ土、バーミキュライト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等があげられる。
【0148】
液体担体としては、例えばメタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、n−ヘキサン、ケロシン、灯油等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル、イソブチロニトリルなどのニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類、ダイズ油、綿実油等の植物油類、ジメチルスルホキシド、水などがあげられる。
【0149】
また、ガス状担体としてはLPG、空気、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテルなどがあげられる。
【0150】
乳化、分散、展着などのための界面活性剤、分散剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル類、アルキル(アリール)スルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル類、多価アルコールエステル類、リグニンスルホン酸塩などが用いられる。
【0151】
また、製剤の性状を改善するための補助剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸カルシウム等が用いられる。
【0152】
上記の担体、界面活性剤、分散剤、及び補助剤は、必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いられる。
【0153】
上記製剤中の有効成分の含有量は、特に限定されないが、通常、乳剤では1−75重量%、粉剤では0.3−25重量%、水和剤では1−90重量%、粒剤では0.5−10重量%とされる。
【0154】
式(I)で表される化合物、ならびに、これらの製剤は、そのまま用いても良いが、場合によっては、希釈して、種子、植物茎葉部、根部、土壌、水面、栽培用資材に、好ましくは、種子、根部、土壌、水面、栽培用資材に対して適用することができる。
式(I)で示される化合物を少なくとも1種含む有害生物防除剤は、品種改良技術あるいは遺伝子導入によって創出された植物、作物(例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、保存性向上作物、収量向上作物等)の導入等にも適応することができる。
【0155】
本発明の有害生物防除剤が動物寄生性害虫防除剤であるときは、液剤、乳剤、液化滴剤、噴霧剤、泡状製剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、粉剤、カプセル剤、錠剤、チュアブル剤、注射剤、座剤、クリーム剤、シャンプー剤、リンス剤、樹脂剤、燻煙剤、毒餌剤等で提供され、液剤、液化滴剤が特に好ましい。
【0156】
液剤には、さらに、通常の乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、懸濁化剤、保存剤、噴射剤等の製剤用補助剤等も配合することができ、さらに、通常の塗膜形成剤も配合することができる。乳化、分散、展着等のための界面活性剤としては、例えば石鹸類、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級アルコール類、アルキルアリールスルホン酸塩等が用いられる。分散剤としては、例えばカゼイン、ゼラチン、多糖類、リグニン誘導体、糖類、合成水溶性高分子等が挙げられる。展着・湿潤剤としては、例えばグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。懸濁化剤としては、例えばカゼイン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアガム等が挙げられ、安定化剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤(BHT、BHA等)、アミン系酸化防止剤(ジフェニルアミン等)、有機硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。保存剤としては、例えばパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。上記の担体、界面活性剤、分散剤、及び補助剤は、必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いられる。さらに香料、共力剤などを含有しても良い。本発明の有害生物防除剤中の有効成分の含有量は、液剤で通常1-75重量%が適当である。
【0157】
クリーム剤を調製するために使用する担体としては、例えば非揮発性炭化水素類(流動パラフィン等)、ラノリン水添加油脂類、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、動植物油、シリコーンオイル、水が挙げられ、さらに、乳化剤、保湿剤、酸化防止剤、香料、ホウ砂、紫外線吸収剤も必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いられる。乳化剤としては脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレン等が挙げられる。本発明の有害生物防除剤中の有効成分の含有量は、クリーム剤では通常0.5-70重量%が適当である。
【0158】
カプセル剤、丸剤または錠剤は、本発明の組成物中の有効成分を適当に小分けし、希釈液または澱粉、乳糖、タルク等のキャリアーと混合し、更に、ステアリン酸マグネシウム等のような崩壊剤および/または結合剤を加え、必要に応じて打錠することで使用することができる。
【0159】
注射剤を調製するための担体としては、無菌溶液としての調製が必要であるが、これには他の物質、例えばその溶液を血液と等張にさせるために十分な塩またはブドウ糖が含まれていても良い。使用可能な担体としては、グリセリド、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピルおよびプロピレングリコールの脂肪酸誘導体などのエステル、N-メチルピロリドン、グリセロールホルマールのような有機溶媒が挙げられる。本発明の有害生物防除剤中の有効成分の含有量は、注射剤では0.01-10重量%が適当である。
【0160】
樹脂剤を調製するための担体としては、例えば塩化ビニル系重合体、ポリウレタン等が挙げられる。これらの基材には、必要によりフタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、ステアリン酸などの可塑剤を添加することができる。該基材中に本有効成分を混練した後、射出成型、押出成型、プレス成型等により成型する。さらに適宣成型、裁断等の工程を経て動物用イヤータッグ、動物用防虫首輪とすることもできる。
【0161】
毒餌剤用の担体としては、餌物質および誘引物質(小麦粉、トウモロコシ粉等の穀粉、コーンスターチ、ポテトスターチ等の澱粉、グラニュー糖、麦芽糖、蜂蜜等の糖類、グリセリン、オニオンフレーバー、ミルクフレーバー等の食品フレーバー、蛹粉、魚粉等の動物性粉末、各種フェロモンなどが挙げられる。本発明の有害生物防除剤の有効成分の含有量は、毒餌剤では通常0.0001-90重量%が適当である。
本発明の有害生物防除剤は、経口または注射により適用動物の体内へ投与すること、適用動物の体表の全体又は部分へ投与すること、害虫の侵入、寄生、移動が予想される場所を被覆すること等により、有害生物を防除することができる。
【0162】
本発明の有害生物防除剤は、そのまま用いても良いが、場合によっては水、液状の担体、市販のシャンプー、リンス、餌、飼育舎下敷き等で希釈して適用することができる。
【0163】
また、本発明による有害生物防除剤は、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤、肥料などと混合して用いることもできる。混合して用いることができる薬剤としては、ペスティサイド マニュアル(第13版 The British Crop Protection Council 発行)や、シブヤインデックス(SHIBUYA INDEX 第13版、2008年、SHIBUYA INDEX RESEARCH GROUP 発行)に記載のものが挙げられる。より具体的には、殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤としては、アセフェート(acephate)、ジクロルボス(dichlorvos)、EPN、フェニトロチオン(fenitothion)、フェナミホス(fenamifos)、プロチオホス
(prothiofos)、プロフェノホス(profenofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、ダイアジノン(diazinon)のような有機リン酸エステル系化合物、メソミル(methomy1)、チオジカルブ(thiodicarb)、アルジカルブ(aldicarb)、オキサミル(oxamyl)、プロポキスル(propoxur)、カルバリル(carbaryl)、フェノブカルブ(fenobucarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、ピリミカーブ(pirimicarb)、カルボフラン(carbofuran)、ベンフラカルブ(benfuracarb)のようなカーバメート系化合物カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)のようなネライストキシン誘導体、ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)のような有機塩素系化合物、ペルメトリン(permethrin)、テフルトリン(tefluthrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルバリネート(fluvalinate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)のようなピレスロイド系化合物、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、のようなベンゾイルウレア系化合物、メトプレン(methoprene)のような幼若ホルモン様化合物、クロマフェノジドのような脱皮ホルモン様化合物、その他の化合物として、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroxymate)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)フルアクリピリム(fluacrypyrim)、アセキノシル(acequinocyl)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、フルベンジアミド(flubendizmide)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、エトキサゾール(ethoxazole)、イミダクロプリド(imidacloprid)、クロチアニジン(c1othianidin)、チアメトキサム(thiamethoxam)、アセタミプリド(acetamiprid)、ニテンピラム(nitempyram)、チアクロプリド(thiacloprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、ピメトロジン(pymetrozine)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、フロニカミド(flonicamid)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfene )、インドキサカルブ(indoxacarb)、ピリダリル(pyridalyl)、またはスピノサド(spinosad)、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、スピネトラム(spinetoram)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、スピロテトラマト(spirotetramat)、レピメクチン(lepimectin)、メタフルミゾン(metaflumizone)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、トリアザメート(triazamate)、スルフォキサフロル(sulfoxaflor)、フロメトキン(flometoquin)、有機金属系化合物、ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラジン系化合物のような化合物が挙げられる。
さらにまた、本発明による組成物は、BT剤、昆虫病原ウイルス剤などのような微生物農薬と、混用または併用することもできる。
混用または併用で用いられる殺菌剤は、例えば、アゾキシストルビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxym-methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)などのストロビルリン系化合物、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)のようなアニリノピリミジン系化合物、トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、プロクロラズ(prochloraz)、シメコナゾール(simeconazole)のようなアゾール系化合物、キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物、マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンコゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、プロビネブ(propineb)のようなジチオカーバメート系化合物、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物、ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、カーベンダジム(carbendazole)のようなベンズイミダゾール系化合物、メタラキシル(metalaxyl)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフラセ(ofurase)、ベナラキシル(benalaxyl)、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラン(cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物、ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物、水酸化第二銅(copper hydroxide)、オキシキノリン銅(oxine-copper)のような銅系化合物、ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyisoxazole)のようなイソキサゾール系化合物、ホセチルアルミニウム(fosetyl-aluminium)、トルクロホス−メチル(tolclofos-methyl)のような有機リン系化合物、キャプタン(captan)、カプタホール(captafol)、フォルペット(folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物、プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinchlozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)のようなベンズアニリド系化合物、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、ジメトモルフ(dimethomorph)のようなモルフォリン系化合物、水酸化トリフェニルスズ(fenthin hydroxide)、酢酸トリフェニルスズ(fenthin acetate)のような有機スズ系化合物、フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物、その他フサライド(fthalide)、フルアジナム(fluazinam)、シモキサニル(cymoxanil)、トリホリン(triforine)、 ピリフェノックス(pyrifenox)、フェナリモル(fenarimol)、フェンプロピディン(fenpropidin)、ペンシクロン(pencycuron)、シアゾファミド(cyazofamid)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、またはベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)が挙げられる。
【実施例】
【0164】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではないことは言うまでもない。
以下に記す化合物番号は、表1〜4に記載の化合物番号と同一であり、表1〜4に記載の構造を示すものである。
【0165】
合成例
合成例1:化合物21の合成(合成法A)
Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii,2(1),110(1966)に記載の方法で得た化合物1(10.6g)及び炭酸カリウム(17.3g)を水(100mL)に溶解した。激しく撹拌下、塩化ベンゾイル(17.5g)を滴下し、室温で20分間反応させた。析出した結晶をろ取して、表題化合物3.9gを得た。
【0166】
合成例2:化合物14の合成(合成法C)
ベンジルアミン(3.22g)をピリジン(4.74g)及びジクロロメタン(30mL)に溶解し、0℃でクロロ炭酸フェニル(4.7g)を添加した。室温で3時間反応させた後、水にあけ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を0.5N塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、フェニルベンジルカーバメート粗生成物6.9gを得た。
フェニルベンジルカーバメート粗成生物(3.4g)をエタノール(20mL)に溶解し、ヒドラジン1水和物(863mg)を加え、9時間還流させた。室温まで放冷後、0.8N塩酸水20mLを加え、エタノールを減圧下留去した。酢酸エチルで洗浄し、水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してアルカリ性とした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、N-ベンジルヒドラジンカルボキシアミド粗生成物1.4gを得た。
N-ベンジルヒドラジンカルボキシアミド粗成生物(2.0g)、オルソギ酸トリエチル(5.37g)およびパラトルエンスルホン酸(6.24g)をエタノール(43mL)に溶解し、5日間還流させた。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mLを加えた後、エタノールを留去し、水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60(45g)、溶出溶媒;ヘキサン:アセトン 5:4)で精製し、表題化合物380mgを得た。)
【0167】
合成例3:化合物38の合成(合成法E)
ジイソプロピルジスルフィド(750mg)に塩化チオニル(677mg)を−18℃で添加し、この温度で1時間反応させ、イソプロピルスルフェンクロライド粗生成物を得た。
化合物1(170mg)およびトリエチルアミン(444mg)をジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、調製したイソプロピルスルフェンクロライド粗生成物245mgを0℃で添加し、室温で1時間反応させた。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。これを分取HPLC(カラム:capcellpak C18-AQ、移動相:アセトニトリル-水)で精製し、表題化合物3mgを得た。
【0168】
合成例4:化合物19の合成(合成法D)
合成例2で合成された化合物14(40mg)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、炭酸カリウム128mg及び2-ブロモアセトニトリル110mgを加え室温で24時間反応させた。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。これを分取HPLC(カラム:capcellpak C18-AQ、移動層:アセトニトリル-水)で精製し、表題化合物8mgを得た。
【0169】
合成例5:化合物56の合成
カルボヒドラジン(4.5g)をN-メチル-2-ピロリドン(10mL)及びオルソギ酸トリエチル(8.15g)に懸濁し、140℃の加温下、6時間反応させた。室温まで放冷後、析出した結晶をろ取し、表題化合物1.96gを得た。
【0170】
合成例6:化合物89の合成(合成法F)
合成例5で合成された化合物56(200mg)およびカンファースルホン酸(23mg)をエタノール30mLに溶解し、ベンズアルデヒド(255mg)を加えた。3時間還流し、この一部(3mL)を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去して表題化合物37mgを得た。
【0171】
合成例7:化合物90の合成(合成法F)
合成例5で合成された化合物56(200mg)およびカンファースルホン酸(23mg)をエタノール30mLに溶解し、ベンズアルデヒド(255mg)を加えた。3時間還流し、室温まで放冷した後、0℃で水素化ホウ素ナトリウム91mgを添加した。室温で2時間反応させ、2N-塩酸水(2.5mL)を加えた。更に水7.5mLを加え、エタノールを留去した後、クロロホルム10mLを加えて50℃で撹拌した。放冷後、クロロホルム層と水層に分けた。水層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル層と先のクロロホルム層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。これを分取TLC(展開溶媒:ヘキサン:アセトン 1:1)で精製し、表題化合物58mgを得た。
【0172】
合成例8:化合物101の合成(合成法G)
フェニルヒドラジン(2.7g)およびピリジン(3.96g)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、0℃でクロロ炭酸フェニル(3.91g)を加え、室温で2時間半反応させた。反応液を0.7N-塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーで精製(シリカゲル60:500mL 展開溶媒;ヘキサン:アセトン )した。更にこれを から再結晶し、フェニル−2−フェニルヒドラジンカルボキシラート 1.48g を得た。
フェニル−2−フェニルヒドラジンカルボキシラート(1.47g)をエタノール10mLに溶解し、ヒドラジン1水和物(370mg)を加え、6時間還流した。放冷後、エタノールを減圧下留去し、塩酸でpHを3〜4に調整した後、酢酸エチルで抽出した。水層を減圧下濃縮し、フェニルセミカルバゾン塩酸塩粗生成物(1.3g)を得た。
フェニルセミカルバゾン塩酸塩(203mg)及びオルソギ酸トリエチル(163mg)をN-メチル-2-ピロリドン(1mL)に溶解し、140℃の加温下7時間反応させた。これを分取HPLC(カラム:capcellpak C18 AQ、移動相:アセトニトリル-水)で精製し、表題化合物28mgを取得した。
【0173】
合成例9:化合物30の合成(合成法B)
化合物1(170mg)及び炭酸カリウム(152mg)を水(1.5mL)に溶解した。激しく撹拌下、クロロ炭酸エチル(208mg)を滴下し、室温で20分間反応させた。析出した結晶をろ取して、表題化合物63mgを得た。
合成例1〜9に記載の化合物のスペクトルデータ、および上記の方法と同様にして得られた化合物のスペクトルデータを表5〜9に記す。
【0174】
【表5】

【0175】
【表6】

【0176】
【表7】

【0177】
【表8】

【表9】

製剤例

製剤例1〔粒剤〕
化合物3 5重量%
ベントナイト 40重量%
タルク 10重量%
クレー 43重量%
リグニンスルホン酸カルシウム 2重量%
上記成分を均一に粉砕混合し、水を加えてよく練合した後、造粒乾燥して粒剤を得た。

製剤例2〔水和剤〕
化合物21 30重量%
クレー 50重量%
ホワイトカーボン 2重量%
ケイソウ土 13重量%
リグニンスルホン酸カルシウム 4重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1重量%
上記成分を均一に混合し、粉砕して水和剤を得た。

製剤例3〔顆粒水和剤〕
化合物38 30重量%
クレー 60重量%
デキストリン 5重量%
アルキルマレイン酸共重合物 4重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1重量%
上記成分を均一に粉砕混合し、水を加えてよく練合した後、造粒乾燥して顆粒水和剤を得た。

製剤例4〔フロアブル剤〕
化合物51 25重量%
POEポリスチリルフェニルエーテル硫酸塩 5重量%
プロピレングリコール 6重量%
ベントナイト 1重量%
キサンタンガム1%水溶液 3重量%
PRONAL EX−300(東邦化学工業株式会社)0.05重量%
ADDAC 827(ケイ・アイ化成株式会社) 0.02重量%
水 加えて100重量%
上記配合からキサンタンガム1%水溶液と適当量の水を除いた全量を予備混合した後、湿式粉砕機にて粉砕した。その後、キサンタンガム1%水溶液と残りの水を加え100重量%としてフロアブル剤を得た。

製剤例5〔乳剤〕
化合物4 15重量%
N,N−ジメチルホルムアミド 20重量%
ソルベッソ150(エクソンモービル有限会社) 55重量%
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10重量%
上記成分を均一に混合、溶解して乳剤を得た。

製剤例6〔粉剤〕
化合物3 2重量%
クレー 60重量%
タルク 37重量%
ステアリン酸カルシウム 1重量%
上記成分を均一に混合して粉剤を得た。

製剤例7〔DL粉剤〕
化合物38 2重量%
DLクレー 94.5重量%
ホワイトカーボン 2重量%
ステアリン酸カルシウム 1重量%
軽質流動パラフィン 0.5重量%
上記成分を均一に混合して粉剤を得た。

製剤例8〔微粒剤F〕
化合物38 2重量%
キャリヤー 94重量%
ホワイトカーボン 2重量%
ハイゾールSAS−296 2重量%
上記成分を均一に混合して粉剤を得た。

製剤例9〔液化滴剤〕
化合物37 10重量%
ベンジルアルコール 74.9重量%
プロピレンカーボネート 15重量%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1重量%
上記成分を均一に攪拌、溶解して液化滴剤を得た。
【0178】
試験例
【0179】
試験例1 ヒメトビウンカ防除試験
播種48時間後のコムギ苗根部を、10%アセトン水にて所定濃度に調製した薬液を処理した。72時間根部より薬剤を吸収させた後、これにヒメトビウンカ2令幼虫を10頭ずつ放飼した。その後、25℃の恒温室(16時間明期一8時間暗期)に放置した。放飼7日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。死虫率(%)={死亡虫数 /(生存虫数十死亡虫数)}×100
その結果、20μg/苗の処理量において、化合物1,3,5,7,8,9,11,12,13,14,16,18,20,21,22,25,26,28,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,44,45,46,47,48,49,51,52,53,54,55,56,58,59,60,61,62,63,64,66,67,68,69,70,71,75,76,85,86,87,88,89,90,91,92,93,95,99,101,102,109,111,112,151,153,154,155,156が、2μg/苗の処理量において、化合物3,7,21,28,33,36,37,38,39,41,44,45,46,47,48,49,53,54,56,59,61,62が、死虫率80%以上の殺虫活性を示した。
【0180】
試験例2 ムギクビレアブラムシ防除試験
播種48時間後のコムギ苗根部を、10%アセトン水となる様に調製した所定濃度の薬液を処理した。72時間、根部より薬液を吸収させた後、これにムギクビレアブラムシ幼虫を10頭ずつ放飼した。その後、25℃の恒温室(16時間明期一8時間暗期)に放置した。放飼6日後に幼虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数 /(生存虫数十死亡虫数)}×100
その結果、20μg/苗の処理量において、化合物3,4,7,8,9が、
10μg/苗の処理量において、化合物28,30,31,33,34,35が死虫率80%以上の殺虫活性を示した。
【0181】
試験例3 コナガ防除試験
ポット栽培のキャベツから直径5.0cmのリーフディスクを切り抜き、これに50%アセトン水(0.05%Tween20加用)となるように調製した所定濃度の薬液を散布した。風乾後、これに2令幼虫を放飼した。その後、これを25℃の恒温室(16時間明期一8時間暗期)に放置した。放飼6日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数 /(生存虫数十死亡虫数)}×100
その結果、200ppmの茎葉処理により、化合物4,8,9,20,21,22,28,30,31、33,36,37,39,41,44,45,46,47,49,51,54,154,155が死虫率80%以上の殺虫活性を示した。
【0182】
試験例4 ワタアブラムシ防除試験
ポット栽培のキュウリから直径2.0cmのリーフディスクを切り抜き、これに50%アセトン水(0.05%Tween20加用)となるように調製した所定濃度の薬液を散布した。風乾後、これに1令幼虫を放飼した。その後、これを25℃の恒温室(16時間明期一8時間暗期)に放置した。放飼6日後に葉上の幼虫数を観察し、次式に従って防除価を算出した。試験は2連制により行った。
防除価={(処理6日後の無処理区の寄生虫数)−(処理6日後の処理区の寄生虫数)/(処理6日後の無処理区の寄生虫数)}×100
その結果、200ppmの茎葉処理により、化合物3,4,7,8,9,32,33,34,35,37、38,43,46,47,107,108,113,114,が、50ppmの茎葉処理により、化合物71が防除価80以上の高い密度抑制効果を示した。
【0183】
試験例5 ミカンキイロアザミウマ防除試験
ポット栽培のインゲンから直径2.8cmのリーフディスクを切り抜き、これに50%アセトン水(0.05%Tween20加用)となるように調製した所定濃度の薬液を散布した。風乾後、これに1令幼虫を放飼した。その後、これを25℃の恒温室(16時間明期一8時間暗期)に放置した。放飼6日後に虫の生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数 /(生存虫数十死亡虫数)}×100
200ppmの茎葉処理により、化合物5,6,8,9,10,11,12,14,15,38,39,153,154,155,156が、100ppmの茎葉処理により、化合物4,7,8,9,16,20,21,22,23が、50ppmの茎葉処理により、化合物51,52,53,54,56,57,58,59,61,62,63,64,66,77,81,85,87,90,92,93,102,104,107が、20ppmの茎葉処理により、化合物41,44,45,46,47が、10ppmの茎葉処理により、化合物3,4,7,8,9,34,35,37,46,47,51,53,58,59,62が死虫率80%以上の高い殺虫活性を示した。
【0184】
試験例6 フタトゲチマダニ防除試験
4mL容ガラスバイアルに所定濃度に調整したアセトン溶液30μLを入れ、バイアル内壁に本発明化合物のドライフィルムを作成した。これにフタトゲチマダニ幼ダニ10頭以上を放飼して蓋をした。バイアルは、25℃、湿度85%、全暗条件の恒温室に静置した。放飼2日後に生死を観察し、次式に従って死虫率を算出した。試験は2連制により行った。
死虫率(%)={死亡虫数 /(生存虫数十死亡虫数)}×100
その結果、500ppmの試験濃度にて、化合物11,13,15,17,32,35,36,37,43,44,46,49,53,107,154が、死虫率80%以上の殺虫活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(I)
【化1】


式(I)
[式中、
R1は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
CH2−O−R3
CH2−O−CO−R3
(上記基において、R3は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)、
COR4
COOR4
CONHR4
COSR4
(上記基において、R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR5
SOR5
SOOR5
SNHR5
CSNHR5
CSSR5
(上記基において、R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
R2は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6
CH2−O−R6
(上記基において、R6は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基を表す)、
COR7
COOR7
CONHR7
COSR7
(上記基において、R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOR8
SOOR8
SNHR8
CSR8
CSNHR8
CSSR8
(上記基において、R8は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9
NH−COO−R9
NH−COS−R9
NH−CSS−R9
N−(CO−R9)2
N−(COO−R9)2
N−(COS−R9)2
N−(CSS−R9)2
(上記基において、R9は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
NH−R10
NH−S−R10
(上記基において、R10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−R11
(上記基において、R11は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基)、
N=CH−NR12R13
(上記基において、R12、R13は、それぞれ独立して、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)または、
O−R14
(上記基において、R14は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
置換されていてもよいC2〜8アルキニル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
Xは、窒素原子またはCHを示す]で示される化合物を、1種以上含んでなる有害生物防除剤。
【請求項2】
上記式(I)において、R1は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
COR4
COOR4
CONHR4
COSR4
(上記基において、R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR5
SOR5
SOOR5
SNHR5
CSSR5
(上記基において、R5は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
R2は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6
CH2−O−R6
(上記基において、R6は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、COR7
COOR7
CONHR7
COSR7
(上記基において、R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOOR8
CSR8
(上記基において、R8は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9
NH−COO−R9
NH−COS−R9
NH−CSS−R9
N−(CSS−R9)2
(上記基において、R9は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH−R10
N−S−R10
(上記基において、R10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)
N=CH−R11
(上記基において、R11は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基を表す)、N=CH−NR12R13
(上記基において、R12、R13は、それぞれ独立して
置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、または
O−R14
(R14は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基を表す)、
Xは、窒素原子またはCHを示す、
で表される請求項1に記載の有害生物防除剤。
【請求項3】
上記式(I)において、R1は水素原子、COR4(R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)、SR5、またはSNHR5(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)で表される、請求項2に記載の有害生物防除剤。
【請求項4】
上記式(I)において、R1は水素原子、COR4(R4は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5、またはSNHR5(R5は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)を表し、R2は水素原子、COR7(R7は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはSR8(R8は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)を表し、Xは、窒素原子を表す、請求項2に記載の有害生物防除剤。
【請求項5】
次式(I’)
【化2】


[式中
R1’は水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基、
COR4’、
COOR4’、
CONHR4’、
COSR4’、
(上記基において、R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR5’、
SOR5’、
SOOR5’、
SNHR5’、
CSSR5
(上記基において、R5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
R2’は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいC2〜8アルケニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい芳香族5員または6員のヘテロ環メチル基、
CH2−O−CO−R6’、
CH2−O−R6’、
(上記基において、R6’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、COR7’、
COOR7’、
CONHR7’、
COSR7’、
(上記基において、R7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
SR8
SOOR8
CSR8
(上記基において、R8’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH2
NH−CO−R9’、
NH−COO−R9’、
NH−COS−R9’、
NH−CSS−R9’、
N−(CSS−R9’)2
(上記基において、R9’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基を表す)、
NH−R10’、
NH−S−R10’、
(上記基において、R10’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基、
置換されていてもよい5員または6員のヘテロシクロアルキル基を表す)、
N=CH−R11
(上記基において、R11’は、水素原子、
置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、
フェニル基が置換されていてもよいフェニル−(C1〜4アルキル)基を表す)、
N=CH−NR12’R13
(上記基において、R12’、R13’は、それぞれ独立して
置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)、
O−R14
(上記基において、R14’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、
フェニル基が置換されていてもよいベンジル基を表す)、
Xは、窒素原子またはCHを示す
ただし、R1’とR2’が同時に水素原子または同時にアセチル基を示すことはなく、またR1’がアセチル基の時、R2’はNH2を示すことはない]
で示されるトリアゾロン誘導体およびその塩。
【請求項6】
上記式(I’)において、R1’は水素原子、COR4’(R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)、SR5’、またはSNHR5’(R5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示す)で表される、請求項5に記載のトリアゾロン誘導体およびその塩。
【請求項7】
上記式(I’)において、R1’は水素原子、COR4’( R4’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、SR5’、またはSNHR5’(R5’は置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)を表し、R2’は水素原子、COR7’(R7’は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す)、またはSR8'(R8'は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す)を表し、Xは、窒素原子を表す、請求項5に記載のトリアゾロン誘導体およびその塩。
【請求項8】
請求項1〜4に記載の有害生物防除剤を利用した有害生物の防除方法。
【請求項9】
請求項1〜4に記載の有害生物防除剤を、植物または土壌に適用することを含んでなる、有害生物の防除方法。

【公開番号】特開2012−77078(P2012−77078A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196748(P2011−196748)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006091)Meiji Seikaファルマ株式会社 (180)
【Fターム(参考)】