説明

新規トリアゾール誘導体、その調製及び治療上のその適用

本発明は、遊離の塩基または酸付加塩の形態での式(A):


の新規化合物に関する。
本発明はまた、式(A)の化合物の製造法、それを含んでなる組成物、並びに治療上、特にがんにおけるその適用、に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアゾール、特にトリアゾールヌクレオシドの誘導体、その調製、及び特にがん細胞、特に膵臓のがん細胞株の治療及び/又はがん細胞株の成長を防止するためのその治療上の適用、に関する。
【背景技術】
【0002】
一部のトリアゾールヌクレオシド化合物は既に文献に開示されている。しかしながら、この医薬的性質は、あまり実証されていない。実際、ハロトリアゾールヌクレオシド化合物、アリールトリアゾリルヌクレオシド化合物及びビトリアゾリルヌクレオシド化合物は、Wu Q.等、Helv.Chim.Acta 2004,87,811−819;Wan J.等,Tetrahedron Lett., 2006,47,6727−6731;Zhu R.等,Tetrahedron Lett.,2007,48,2389−2393;Xia Y.等,Org.Biomol.Chem.,2007,5,1695−701;Li W.等,Tetrahedron Lett.,2008,49,2804−2809に記載されており、それに関連した特定の医薬上の活性は記載されていない。
【発明の概要】
【0003】
発明者は今回、式(A)のトリアゾールの新規誘導体、特に式(I)の化合物によって表わされるトリアゾールヌクレオシドが、強力な抗癌活性を有し、同時に、毒性は低い、ことを発見した。特に、彼等は、その新規誘導体は膵臓のがん細胞株に対して有効である、ということを実証する。
膵臓がんは最も致命的なヒトのがんの一つである。ほとんどの患者は転移が進行し、そして死に至る。このがんの攻撃力及び薬剤耐性の急速な発達のため、通常のがん治療はこのがんにほとんど影響を与えない。現在の第一の治療はゲムシタビン、ヌクレオシド薬剤に基づいている。しかしながら、この効果は控えめであり、そしてたった12%の応答を有するだけである。従って、特に膵臓がんの治療のためにこれまでにない有効な候補を開発する必要がある。
【0004】
発明者はここに、式(A)の新規トリアゾール誘導体、特に式(I)の化合物によって表わされるトリアゾールヌクレオシドが、顕著にMiaPaCa及びCapan−2細胞株(膵臓がん株)の成長を抑制し、そして対照治療のゲムシタビンの強力な代替である、ことを説明する。
第一の態様によれば、本発明は、遊離の塩基または酸付加塩の形態、並びに水和物または溶媒和物の形態での一般式(A):
【化1】

[式中、
Xが、
【化2】

であり、
Yが、C(=O)R2またはCNであり;
Zが、R1−C≡C−または
【化3】

であり、
1及びR1aが、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルキル−C1-6アルキレン、C3-10シクロアルケニル、C6-20アリール、C5-14アリール−C1-6アルキレン、C3-10ヘテロシクリル、C3-10ヘテロシクリル−C1-6アルキレン、C5-20ヘテロアリールまたはC5-20ヘテロアリール−C1-6アルキレン基を表わし、これらの基が1または複数のR4で任意に置換されたものであり;
2が、−NH2、−NHR5、ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシ基を表わし;
3a、R3b、R3c及びR3dは各々独立に、水素原子、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C6-20アリールまたは−C(O)R5を表わし;
4は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、−NH2、−NHR5、−NO2、−CN、−CF3、−C(O)R5、C1-14アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-20アリール、C5-20へテロアリールまたはC5-14アリール−C1-6アルキレン基を表わし;
5は、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C2-18アルキニル、C5-14アリール、C3-10ヘテロシクリル、C5-20ヘテロアリール、C5-14アリール−C1-6アルキレン、C5-14アリール−C2-18アルケニレン、C5-14アリール−C2-18アルキニレン、C5-20ヘテロアリール−C1-6アルキレン、C5-20ヘテロアリール−C2-18アルケニレン、C5-20ヘテロアリール−C2-18アルキニレン、C3-10ヘテロシクリル−C1-6アルキレン、C3-10ヘテロシクリル−C2-18アルケニレンまたはC3-10ヘテロシクリル−C2-18アルキニレンを表わす]
の化合物、に関する。
【0005】
好適な実施形態によれば、式(A)の化合物は式(I)、(I’)または(I”):
【化4】

の化合物である。
式(A)、特に(I)、(I’)及び(I”)の化合物は、1または複数の不斉炭素原子を含んでよい。従って、これらはエナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在する。これらのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、並びにラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明の一部を形成する。
【0006】
式(A)、特に(I)、(I’)及び(I”)の化合物は、不飽和部を含んでよく、従ってこれらの互変異性型で存在してよい。本発明はまた、互変異性型の式(A)、特に(I)、(I’)及び(I”)の化合物にまで及ぶ。
式(A)、特に(I)、(I’)及び(I”)の化合物は、遊離の塩基の形態または酸付加塩の形態で提供することができ、これらはまた本発明の一部を形成する。これらの塩は、医薬的に許容される酸、または他の酸で調製することができ、これらは例えば式(A)、特に(I)、(I’)及び(I”)の化合物の精製または単離に有用であり、また本発明の一部を形成する。
式(A)、特に(I)、(I’)及び(I”)の化合物はまた、水和物または溶媒和物、すなわち、1または複数の水または溶媒分子との会合または結合の形態で存在することができる。このような水和物及び溶媒和化合物はまた、本発明の一部を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一部の化合物、化合物番号1及び4について、ゲムシタビンと比較したMiaPaCa細胞上の用量依存性試験の結果を図示する。
【図2】本発明の一部の化合物、化合物番号1、2及び3について、ゲムシタビンと比較したCapan−2細胞上の用量依存性試験の結果を図示する。
【図3】本発明の一部の化合物、化合物番号1及び番号4について、ゲムシタビンと比較したMiaPaCa細胞上のアポトーシス試験の結果を図示する。
【図4】MiaPaCa−2に対する活性化合物(14, 16, 18, 22)の用量依存性効果を図示する。
【図5】Capan−2に対する活性化合物(14, 18)の用量依存性効果を図示する。
【図6】フローサイトメトリによる、MiaPaCa−2に対する活性化合物(18)のアポトーシス評価を図示する。
【図7】カスパーゼ3及び7の切断アッセイによる、MiaPaCa−2に対する活性化合物(18)のアポトーシス評価を図示する。
【図8】ELISAアッセイによる、MiaPaCa−2に対する活性化合物(18)のアポトーシス評価を図示する。
【図9】MiaPaCa−2細胞上でMTTアッセイを使用することにより得られた結果に基づく、インビトロ(in vitro)での化合物(1, 4または18)の有利な組合せ効果を図示する。
【図10】インビボ(in vivo)でのMiaPaCa−2腫瘍成長における、単独或いはゲムシタビンとの組合せでの化合物(1または4)による薬剤処理の効果を図示する。
【図11】単独或いはゲムシタビンとの組合せでの化合物(1または4)による薬剤処理の副作用の非存在を図示する。
【図12】ゲムシタビンと併用の化合物1、及び化合物18単独によるp−8 mRNA発現の下方制御効果を図示する。
【図13】化合物4によるMiaPaCa−2細胞中のHsp27 mRNA発現の抑制を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によれば、以下の用語は次の意味を有する:
ここで言及する例えばC1-18またはC1-10等の接頭語を有する用語はまた、より少数の炭素原子、例えばC1-8またはC1-6として使用することができる。例えば、用語C1−C6を使用する場合、相当する炭化水素鎖が1〜6の炭素原子を含んでよいということを意味する。例えば用語C3−C8を使用する場合、相当する炭化水素鎖または環は、3〜8の炭素原子を含んでよいということを意味する。
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、クロリン、臭素またはヨード原子に相当する。
【0009】
ここで使用されるように、用語「アルキル」は、飽和、直鎖または分岐の脂肪族基に言及する。次の例が挙げられる:メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−メチル−1−プロピル(i-Buとも呼ばれる)、2−ブチル(s-Buとも呼ばれる)、2−メチル−2−プロピル(t-Buとも呼ばれる)、1−ペンチル(n-ペンチルとも呼ばれる)、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3−メチル-3−ペンチル、2−メチル-3−ペンチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル。好適には、本発明によればアルキルは、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−メチル−1−プロピル(i-Buとも呼ばれる)、2−ブチル(s-Buとも呼ばれる)、2−メチル−2−プロピル(t-Buとも呼ばれる)、1−ペンチル(n-ペンチルとも呼ばれる)、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチルである。
【0010】
ここで使用される場合並びに特に明記しない限り、用語「シクロアルキル」は、上述の飽和環式アルキル基を意味する。次の例が挙げられる:シクロ-プロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロヘプチル、シクロオクチル等、或いは他に飽和多環式のアルキル基、例えばノルボルニル、フェンキル、トリメチルトリシクロヘプチルまたはアダマンチル等。本発明によれば、好適なシクロアルキルは、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
用語「アルケニル」は、直鎖または分岐の、少なくとも1つの不飽和部(通常1〜3、好適には1)、すなわち炭素−炭素sp2二重結合を含んでなる不飽和脂肪族基に相当する。次の例が挙げられる:エチレン、アリル。二重結合は、シスまたはトランス配列中に存在してよい。
【0011】
用語「シクロアルケニル」は、上述の環式アルケニル基に相当する。次の例が挙げられる:シクロペンテニル、5−ヘキセニル、1−ヘキセニル。
ここで使用される用語「アルキニル」は、直鎖または分岐の、少なくとも1つの不飽和部(通常1〜3、好適には1)、すなわち炭素−炭素sp3三重結合を含んでなる不飽和脂肪族基に相当する。次の例が挙げられる:アセチレニル、プロパルギル。
用語「シクロアルキニル」は、上述の環式アルキニル基に相当する。次の例が挙げられる:シクロペンチン−1−イル、シクロヘキシン−1−イル。
用語「アルコキシ」は、アルキル基が上述のものである‐O‐アルキル基に相当する。次の例が挙げられる:メトキシ、エトキシ、プロポキシ。
【0012】
ここで使用される用語「アリール」は、芳香族のモノまたはポリ環式基を意味する。単環式基の例には、フェニルが含まれる。多環式の環の例には、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルが含まれる。
ここで使用される用語「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素、または硫黄原子から選択される少なくとも1つのヘテロ原子をさらに含んでなる上述のシクロアルキルに言及する。次の例が挙げられる:ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、1,4−ジオキサニル、1,4−ジチアニル、ホモモルホリニル、1,3,5−トリチアニル(trithianyl)、ピロリジニル、2−ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル。
【0013】
ここで使用される用語「ヘテロアリール」は、5〜14の炭素原子、並びに少なくとも1つのヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄原子等を含んでなる芳香族の、モノまたはポリ環式基に相当する。このようなモノ及びポリ環式ヘテロアリール基の例には次のものを含んでよい:ピリジル、ジヒドロピリジル、チアゾリル、チオフェニル、フラニル、アゾシニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチニル(phenoxanthinyl)、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イサチニル、ピリジル、ジヒドロピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、s−トリアジニル、オキサゾリル、チオフラニル。
【0014】
ここで使用される用語「アリール−アルキレン」は、上述のアルキル基であって、炭素原子に結合した水素原子の1つが上述のアリール基で置換された基に言及する。次の例が挙げられる:ベンジル、2−フェニルエチレン−1−イル、ナフチルメチレン、2−ナフチルエチレン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエチレン−1−イル。
この定義は類推により「ヘテロアリール−アルキレン」、「シクロアルキル−アルキレン」及び「ヘテロシクロアルキル−アルキレン」へ適用する。
ここで使用される用語「アリール−アルケニレン」は、炭素原子に結合した水素原子の1つが上述のアリール基で置換されたアルケニル基に言及する。次の例が挙げられる:2−フェニルエテン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル。
【0015】
この定義は、類推により「ヘテロアリール−アルケニレン」、「シクロアルキル−アルケニレン」及び「ヘテロシクロアルキル−アルケニレン」へ適用する。
ここで使用される用語「アリール−アルキニレン」は、炭素原子に結合した水素原子の1つが上述のようなアリール基と置換されたアルキニル基に言及される。次の例が挙げられる:2−フェニルエチン−1−イル、2−ナフチルエチン−1−イル。
この定義は、類推により「ヘテロアリール−アルキニレン」、「シクロアルキル−アルキニレン」及び「ヘテロシクロアルキル−アルキニレン」に適用する。
上述の環は、炭素原子またはヘテロ原子があればこれらを介して結合されてよい。
【0016】
例えば、これらが炭素原子を介して結合される場合、これらはピリジンの2、3、4、5、または6位、ピリダジンの3、4、5、または6位、ピリミジンの2、4、5、または6位、ピラジンの2、3、5、または6位、フランの2,3,4,または5位、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロール、オキサゾールの2、4、または5位、イミダゾールまたはチアゾール、イソオキサゾールの3、4、または5位、ピラゾール、またはイソチアゾール、アジリジンの2または3位、アゼチジンの2、3、または4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、または8位或いはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、または8位で結合される。さらに典型的には、炭素が結合した複素環には、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、または5−チアゾリルが含まれる。
【0017】
例えば、これらがヘテロ原子、例えば窒素等を介して結合される場合、窒素が結合した複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール、またはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、並びにカルバゾールまたはβ−カルボリンの9位で結合する。さらに典型的には、窒素が結合された複素環には、1−アジリジル、1−アゼテジル(azetedyl)、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、及び1−ピペリジニルが含まれる。
【0018】
結合の表示にかかわらず、置換基が多価の場合(言及される構造中の置換基の位置に基づき)、置換基の任意の及びあらゆる可能な方向を対象とする。
以下に言及する「がんの予防薬及び/又は治療薬」は、がんに予防及び/又は治療作用を有する式(I)それ自体の化合物或いはこのような物質を含む医薬品であってよい。
【0019】
本発明によれば、式(I)の化合物の中で、化合物の第一のグループは例えば:
‐R1が、基が1または複数のR4基で置換されたC6-20アリール基、特にフェニル基を表わし;及び
‐R4が、ハロゲン原子、特にフッ素、−CF3基、C1-6アルコキシ、特にメトキシまたはC1-14アルキル、特にメチルまたはn−ペンチル基を表わし、
他の基は前述の通りである、と定義することができる。
【0020】
好適な式(I)の化合物の変異形はまた、式(II):
【化5】

[式中、R1、R2、R3a、R3b及びR3cは、式(I)の化合物に関して前述する通りである。]
の化合物によって表わされる。
【0021】
上記の式(II)の化合物の中で、本発明の好適な実施形態は、式(II)の化合物の1グループを含み、式中:
‐R1は、C6-20アリール基、特にフェニル基を表わし、当該基が1または複数のR4と置換されたものであり;
‐R4は、−CF3、またはC1-14アルキル基、特にメチルまたはn−ペンチルを表わし;
‐R2は、−NH2またはC1‐C6アルコキシ基、特にメトキシを表わし;
‐R3a、R3b及びR3cは各々独立に、水素原子または−C(O)R5;を表わし、R5はC1-6アルキル基、特にメチルである、である。
この最後のグループの化合物の中で、本発明の好適な実施形態には式(II)の化合物の1グループが含まれ、式中R1は1つのR4と置換され、R4はC6-20アリール基上のパラ配位にある。
【0022】
他の好適な実施形態では、式(II)の化合物のグループは、R2がC1-6アルコキシ、特にメトキシを表わし、並びにR3a、R3b及びR3cが各々−C(O)R5基、を表わし、R5がC1-6アルキル基、特にメチルである場合、R1が任意に1または複数のR4で置換された、C3-10シクロアルケニル、特にシクロヘキセン−1−イル基を表わし、R4が式(I)の化合物に関して定義される通りである、と定義される。好適には、R1がC3-10シクロアルケニル、特にシクロヘキセン−1−イル基を表わす場合、R1は非置換型である。
他の好適な実施形態では、式(II)の化合物の1グループは、例えばR2が−NH2を表わし、R3a、R3b及びR3cが各々水素原子を表わす場合、R1は、1または複数のR4で任意に置換されたC3-10シクロアルキル、特にシクロペンチル基を表わし、R4はヒドロキシル基である、と定義される。
【0023】
式(I)の好適な化合物の変異形は、式(III):
【化6】

[式中、R1は、1または複数のR4で任意に置換され、R1及びR4は式(I)の化合物に関して前述した通りであり、「Ac」はアセチル基−C(O)CH3を表わす]
の化合物によって表わされる。
【0024】
より詳細には、式(III)の化合物において、R1はC6-20アリール基、特にフェニル基、C3-10シクロアルキル、特にシクロペンチルまたはシクロヘキシル基、或いはC1-18アルキル、特にn−プロピル基を表わし、当該基は1または複数のR4基で置換されており、或いはR1はC3-10シクロアルケニル、特に1または複数のR4で任意に置換されたシクロヘキセン−1−イル基を表わし;R4は式(I)の化合物に関して前述した通りである。
好適には、このグループにおいて、R4はハロゲン原子、特にフッ素またはクロリン或いはヒドロキシル基である。
【0025】
特に、式(III)の化合物において、R1がC6-20アリール基、特にハロゲン原子である1つのR4で置換されたフェニル基を表わす場合、R4はパラ配位にある。
好適には、式(III)の化合物において、R1がC3-10シクロアルキル、特にシクロペンチルまたはシクロヘキシルを表わし、これが1つのR4で置換され、R4がヒドロキシル基である場合、R4は当該シクロアルキルの1位にある。
さらに特定の変異形では、好適な式(I)の化合物は式(IV):
【化7】

[式中、R1は1または複数のR4で任意に置換され、R1及びR4は式(I)の化合物に関して前述した通りである。]
の化合物によって表わされる。
【0026】
この最後のグループの化合物中で、本発明の好適な実施形態は式(IV)の化合物のグループを含み、式中:
‐R1は、C1-18アルキル基、特にn−プロピル基、C6-20アリール、特にフェニル基、C3-10シクロアルキル、特にシクロペンチルまたはシクロヘキシル或いはC3-10シクロアルケニル、特にシクロヘキセン−1−イル基を表わし、当該基は1または複数のR4で任意に置換され、R4は式(I)の化合物に関して前述した通りである。好適には、この場合において、R4はハロゲン、特にフッ素またはクロリン原子、−CF3、ヒドロキシル、C1-14アルキル基、特にn−ペンチルまたはC1-6アルコキシ、好適にはメトキシである。
【0027】
好適な実施形態において、式(IV)の化合物のグループは、例えば、R1がC6-20アリール、特にフェニル基を表わす場合、R1は1つのR4で置換され;R4はハロゲン原子、−CF3、C1-14アルキル基、特にn−ペンチルまたはC1-6アルコキシ、特にメトキシを表わす、と定義される。
このような場合、R4は好適にはパラ位に位置する。
他に記述しない限り、式(I)の化合物に関して述べることはまた、式(II)、(III)及び(IV)の化合物のサブグループに対しても有用である。
【0028】
本発明によれば、式(I)の化合物の中で、化合物の次のリスト:
‐メチル5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ‐O‐アセチル‐β‐D−リボフラノシル)‐1H‐[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート;
‐メチル5−(シクロヘキセニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ‐O‐アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート;
‐5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシル酸アミド;
‐3−(4−ペンチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール-5−カルボキシル酸アミド;
‐5−(4−ペンチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシル酸アミド;
‐3−(4−フルオロフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド;
‐3−(3−フルオロフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド;
‐3−(2−フルオロフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド;
‐3−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド;
‐3−(4−メトキシフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド;
‐3−(5−クロロペント−1−イニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール-5−カルボキシル酸アミド;
‐3−(1−ヒドロキシシクロヘキシルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド;
‐3−(シクロヘキセニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド、
が挙げられる。
【0029】
より好適には、式(I)の化合物の次のリスト:
‐メチル5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート;
‐メチル5−(シクロヘキセニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ‐O‐アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート;
‐5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシル酸アミド;
‐3−(4−ペンチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド、
が挙げられる。
【0030】
式(I’)の好適な化合物の変異形はまた、式(II’):
【化8】

の化合物によって表わされる。
上記の式(II’)の化合物中、本発明の好適な実施形態には式(II’)の化合物の1グループが含まれ、式中:
‐R1は、C6-20アリール基、特にフェニル基を表わし、当該基は1または複数のR4と置換されており;
‐R4は、ハロゲン原子、特にBr、または−CF3を表わし;
‐Yは、CNまたはC(=O)R2を表わし;
‐R2は、−NH2またはC1−C6アルコキシ基、特にメトキシを表わし;
‐R3dは、水素原子または−C(O)R5を表わし;R5は、C5-14アリール基、特にフェニルである。
【0031】
より好適には、式(I’)の化合物の次のリストを挙げることができる:
−1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(2−(4−ブロモフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール-3−カルボキサミド;
−1−[(2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ)メチル]−5−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;及び
−1−[(2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ)メチル]−5−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−ニトリル。
式(I”)の好適な化合物の変異形はまた、式(II”):
【化9】

の化合物によって表わすことができる。
【0032】
上記の式(II”)の化合物中、本発明の好適な実施形態には、式(II”)の化合物の1グループが含まれ、式中:
‐R1aは、C1-18アルキル、またはC5-14アリール−C1-6アルキレン基を表わし;
‐R2は、−NH2またはC1‐C6アルコキシ基、特にメトキシを表わし;
‐R3dは、水素原子または−C(O)R5を表わし;R5はC1-18アルキル基、特にメチルである。
【0033】
より好適には、式(I”)の化合物の次のリストを挙げることができる:
−1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−ドデシル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;
−メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート;
−1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;
−1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−3−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド;
−1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−(ナフタレン−1−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;及び
−メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−(1−(ピレン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート。
【0034】
本発明によれば、式(I)の化合物及び式(II),(III)及び(IV)の化合物のサブグループを、次のステップに従って調製することができる。
開始化合物及び反応物は他に記述しない限り、市販のまたは文献に記載されるものである、或いは文献に記載のまたは当業者に知られる方法に従って調製することができる。
【0035】
式(I)の化合物、並びに式(I)の化合物のサブグループを表わす式(II)、(III)及び(IV)の化合物の調製は、スキーム1に図示されるように、マイクロ波照射下でのPd触媒薗頭カップリング反応を使用することによって実施することができる。
【化10】

スキーム1によれば、式(VI)の化合物は、式中R2、R3a、R3b及びR3cは、式(I)の化合物に関して定義される通りであり、当該化合物は周知の薗頭反応に従って、式中R1が式(I)の化合物に関して定義される通りである式(V)の化合物と反応させる。
【0036】
より正確には、式(V)の化合物及び式(VI)の化合物は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、CuI、トリエチルアミンの存在下で添加され、そしてアルゴン下で新鮮な蒸留アセトニトリル(MeCN)中に懸濁させた。容器を密封しそして100℃で25分間マイクロ波を照射し、室温まで冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮し、続いて未精製の残渣をフラッシュクロマトグラフィでシリカゲル上で精製した(石油エーテル: 酢酸エチル, 2:1)。対応する生成物を提供するために、精製した物質を真空内で乾燥させた。
他の実施形態によれば、式中R2が−NH2を表わし、並びにR3a、R3b及びR3cが全て水素原子を表わす式(I)の化合物は、式中R2がアルコキシ、特にメトキシを表わし、並びにR3a、R3b及びR3cが−C(O)R5を表わし、R5が特にアルキル基である式(I)の化合物からNH3/MeOH中の更なる溶解によって得ることができ、室温で2日間攪拌した。次に、溶媒を除去し、不純物のない状態でアンモノリシス生成物を産生するために残渣をCH2Cl2で洗浄した。
【0037】
式(V)の化合物及び触媒は、アクロス(Acros)またはランカスター(Lancaster)から購入することができる。
式(I’)の化合物の調製は、スキーム2に図示されるように、上述のようにマイクロ波照射下でPd触媒薗頭カップリング反応を使用することによって実施することができる。
【化11】

【0038】
式(I”)の化合物の調製は、スキーム3に図示されるように、ヒュスゲン環化付加反応を使用することによって実施することができる。適当な手順は、特にシア(Xia Y.)等(Org. Biomol. Chem., 2007, 5, 1695-701 及びLi W. 等, Tetrahedron Lett., 2008, 49, 2804-2809)によって開示される。
【化12】

【0039】
化合物(VI)、(VI’)及び(VI’’)は、ウー(Wu Q.)等(Helv. Chim. Acta 2004, 87, 811-819; Wan J. 等, Tetrahedron Lett., 2006, 47, 6727-6731)が記載した手順に従って合成した。
マイクロ波補助反応をバイオタージによって生産されるイニシエータ(商標登録)クリエーター上で実施した。
1H NMRスペクトルを300または600MHzで、13C NMRスペクトルを75または150MHzで、各々バリアンマーキュリー(Varian Mercury)−VX300及びバリアンイノバ(Varian Inova)−600分光計上で記録した。
【0040】
化学シフトを、内部標準としてTMSを使用し百万分率(ppm)で記録した。
ZAB−HF−3F及びフィニガンLCQアドバンテージ(Finnigan LCQ Advantage)質量分析計を各々使用して、FAB及びESI質量スペクトルを測定した。
イオンスペック4.7テスラフーリエ(IonSpec 4.7 Tesla Fourier)変換質量分析計を使用して、マトリクッス補助レーザー脱離/イオン化質量分析(MALDI-MS)によって高分解能質量スペクトルを得た。
【0041】
シリカゲル(200-300メッシュ)上でフラッシュクロマトグラフィを実施することにより全化合物を精製した。
次の実施例は、本発明の一部の化合物の合成を記載する。これらの実施例は制限的であることを意図するものではなく、単に本発明を図示するものである。実施例で括弧中に表示される数値は、表II中のものを言及する。
【実施例】
【0042】
実施例1:メチル5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ‐O‐アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート(化合物番号1)の調製
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(28.9 mg, 0.025 mmol)、CuI(9.5mg, 0.05 mmol)及びトリエチルアミン(0.8 mL, 5.7 mmol)の存在下で、メチル5−ブロモ−1−[2,3,5−トリ‐O‐アセチル−β−D−リボフラノシル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(232.0 mg, 0.5 mmol)及び4−トリフルオロメチルフェニルエチニル(0.5 mmol)をアルゴン下で4mLの新鮮な蒸留MeCN中に懸濁した。容器を密封し、100℃で25分間マイクロ波を照射し、続いて室温まで冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮し、そして未精製の残渣をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって精製した(石油エーテル: 酢酸エチル, 2:1)。対応する生成物を提供するために、精製した物質を真空内で乾燥した。
淡黄色の固形物として単離された、177.1mgの生成物が得られた。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例2: メチル5−(シクロヘキセニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ‐O‐アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート(化合物番号2)
シクロヘキセン−1−イルエチニルを使用したことを除いて、実施例1に記載されるように反応を実施した。
無色油として単離された、91.6mgの生成物が得られた。
【0045】
【表2】

【0046】
実施例3: 5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシル酸アミド(化合物番号3)
実施例1に従って調整したメチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ‐O‐アセチル−β−D−リボフラノ−シル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート(177.1mg, 0.32 mmol)を、0.2MのNH3/MeOH中で溶解し、室温で2日間攪拌した。続いて溶媒を除去し、残渣をCH2Cl2で洗浄した。白色の固形物として生成物を得た。
白色の固形物として単離された、114.8mgの生成物が得られた。
【0047】
【表3】

【0048】
実施例4: 3−(4−ペンチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド(化合物番号4)
4−ペンチルフェニルエチニルを使用したことを除いて実施例1で前述の基本手順に従って、メチル3−(4−ペンチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ‐O‐アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシレート(205.6 mg, 0.37 mmol)を調製した。続いて得られた生成物を0.2MのNH3/MeOHに溶解し、室温で2日間攪拌した。次に溶媒を除去し、そして残渣をCH2Cl2で洗浄した。
白色の固形物として単離された113.5mgの生成物が得られた。
【0049】
【表4】

【0050】
本発明の他の化合物は、上術の実施例に関して記載した方法で類推により調製することができる。実施例に関して、化合物番号5〜13(表I)を、さらに調製した。
【0051】
【表5−1】

【表5−2】

【表5−3】

【表5−4】

【表5−5】

【0052】
実施例5:
1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(2−(4−ブロモフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(化合物番号14)の調製
4−ブロモメチルフェニルエチニル(34.1mg, 1.2eq)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12.3 mg, 0.1eq)、CuI(1.7 mg, 0.05 eq)、Li2CO3(31.2 mg, 2 eq)及び5−ブロモ−1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(40.3mg)を、アルゴン下で2.8mLのジオキサン/H2O(3/1)中で懸濁した。容器を密封し、100℃で25分間マイクロ波照射へ供し、続いて室温まで冷却した。反応混合物を減圧下で濃縮し、未精製の残渣をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって精製した(CH2Cl2 / CH3OH, 20:1)。対応する生成物を提供するために、精製した物質を真空内で乾燥した。
淡黄色の固形物として単離された、26.6mgの生成物が得られた。
【0053】
【表6】

【0054】
実施例6:1−[(2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ)メチル]−5−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(化合物番号15)
1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3カルボキサミド(35.8mg)、Bz2O(27.2mg, 1.2 eq)及びDMAP(12.5 mg, 0.1eq)をCH2Cl2中に溶解し、室温で24時間攪拌し、この時TLC分析から開始物質の完全な消費が示された。反応混合物中の溶媒を蒸発させ、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィにより残渣を精製した(CH2Cl2 /CH3OH, 30:1)。対応する生成物を提供するために、精製した物質を真空内で乾燥した。
白色粉末として単離された、37.6mgの生成物が得られた。
【0055】
【表7】

【0056】
実施例7:1−[(2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ)メチル]−5−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−ニトリル(化合物番号16)
POCl3(5mL)中の化合物番号15(37.4 mg)の溶液を、70℃で1時間加熱し、続いて濃縮した。残渣をEtOAc中で溶解し、次に水性の飽和NaHCO3、水及びブラインで洗浄した。有機相をNa2SO4中で乾燥させ、続いて濃縮した。シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって未精製の生成物を精製した(石油エーテル / EtOAc, 6:1)。対応する生成物を提供するために、精製した物質を真空内で乾燥した。
白色粉末として単離された、15.4mgの生成物が得られた。
【0057】
【表8】

【0058】
実施例8: 1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−ドデシル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(化合物番号17)
メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−エチニル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(26.6 mg, 0.1 mmol)、CuSO45H2O(1.3 mg, 0.05eq)及びアスコルビン酸ナトリウム(10.2 mg, 0.5eq)を、混合溶媒システム(THF / H2O = 1/3, 4 ml)中にアルゴン保護下で溶解した。アジド(28.0 mg, 1.2 eq)を添加した。黄色混合物を45℃で攪拌し、この時TLC分析によりアルキンの全消費が示された。反応混合物中の溶媒を蒸発させ、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィにより残渣を精製した(石油エーテル / EtOAc, 1:1)。生成物番号17−1(39.3 mg)を提供するために生成物を真空内で乾燥した。
45.6mgの化合物番号17−1を10mlの飽和NH3/MeOHに溶解し、室温で1日間攪拌した。次に溶媒を除去し、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィにより残渣を精製した(CH2Cl2 / CH3OH, 20:1)。対応する生成物を提供するために精製した物質を真空内で乾燥した。
白色粉末として単離された、35.6mgの生成物が得られた。
【0059】
【表9】

【0060】
実施例9: メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(化合物番号18)
メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−エチニル−1H−1,2,4−トリアゾール-3−カルボキシレート(26.1 mg, 0.1 mmol)、CuSO45H2O(1.2 mg, 0.05 eq)及びアスコルビン酸ナトリウム(10.3 mg, 0.5 eq)をアルゴン保護下で混合溶媒システム(THF / H2O = 3/1, 4 ml)に溶解した。アジド(30 mg, 1.2 eq)を添加した。黄色混合物を45℃で攪拌し、この時TLC分析からアルキンの完全な消費が示された。反応混合物中の溶媒を蒸発させ、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィにより残渣を精製した(石油エーテル / EtOAc, 1:1)。対応する生成物を提供するために、生成物を真空内で乾燥した。
白色粉末として単離された、52.2mgの生成物が得られた。
【0061】
【表10】

【0062】
実施例10: 1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(化合物番号19)
52.2mgの化合物番号18を10mlの飽和NH3/MeOHに溶解し、室温で1日間攪拌した。続いて溶媒を除去し、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィにより残渣を精製した(CH2Cl2 / CH3OH, 20:1)。対応する生成物を提供するために、精製した物質を真空内で乾燥させた。
白色粉末として単離された、36.9mgの生成物が得られた。
【0063】
【表11】

【0064】
実施例11:1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−3−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド(化合物番号20)
メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−3−エチニル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレートを使用したことを除いて、実施例5及び6に記載するように反応を実施した。
白色の固形物として単離された、77.7mgの生成物が得られた。
【0065】
【表12】

【0066】
実施例12: 1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−(ナフタレン−1−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(化合物番号21)
1−アジドナフタレンを使用したことを除いては、実施例5及び6に記載するように反応を実施した。
白色の固形物として単離された、32mgの生成物が得られた。
【0067】
【表13】

【0068】
実施例13: メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−(1−(ピレン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(化合物番号22)
1−アジドピレンを使用したことを除いて、実施例5に記載するように反応を実施した。
白色の固形物として単離された、41.7mgの生成物が得られた。
【0069】
【表14】

【0070】
本発明の化合物に対して、これらの抗癌特性及び治療上の活性物質としての価値を実証する薬理学的試験を実施した。
A.本発明の化合物の細胞生存に対する抑制効果の予備測定及び検討
この試験は、ゲムシタビンと同様の効力を示す、より好適にはゲムシタビンより強力である化合物を検討するために実施した。
膵臓がん細胞株、MiaPaCa細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)で補充したDMEM培地(Gibco)に培養した。96ウェルビュープレート(View Plate)(商標登録)(パッカード社)(Packard)で、上述の同一成分を含む培地250μlの1ウェルあたり15,000細胞の密度で細胞を播種した。
【0071】
Capan−2細胞株に関しては、10%FBS及び1%グルタミンを補充したRPMI 1640培地で細胞を培養した。96ウェルビュープレート(View Plate)(商標登録)(パッカード社)(Packard)で、上述の同一成分を含む培地250μlの1ウェルあたり2万細胞の密度で細胞を播種した。
細胞を24時間接着及び増殖させた。この時、培地を除去し、続いて10nM〜200μMの試験化合物の段階希釈物を培地に添加した。ゲムシタビン及び未処理のものをポジティブ及びネガティブコントロールとして含めた。さらに、プレートを37℃及び5%CO2で48時間インキュベートした。適当な処理後に残っている生存細胞の数を比色アッセイ(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド,MTT)により測定した。
本発明の化合物の異なる用量:50μM、100μM及び200μMで、MiaPaCa及びCapan−2細胞の抑制を試験した。
本発明の化合物は、がん細胞上で顕著な抑制活性を示す。実際に、本発明の化合物は、化学耐性がん細胞株(MiaPaCa)及び/又は化学感受性がん細胞株(Capan-2)に特に強力である。
【0072】
本発明の化合物の薬剤感受性及び/又は耐性がん細胞の抑制効果は、少なくとも10%である。好適には、10%〜90%、より好適には15%〜80%、さらに好適には20%〜65%である。実際、本発明の最も強力な化合物は、50μMで50%以上の抑制を示す。
化学耐性及び急成長のMiaPaCa並びに化学感受性及び成長の遅いCapan−2細胞株において、最低用量で、すなわち50μMでの本発明の一部の化合物に関して、結果を示す。同じ濃度で使用した対照薬剤ゲムシタビンと比較した結果を表II及び表IIIに示す。
【0073】
【表15】

【0074】
表IIに示されるように、本発明の化合物はゲムシタビンと同様の効力を示し、好適にはゲムシタビンより強力なことである。
より詳細には、表IIによれば、本発明の化合物はMiaCaPa及び/又はCapan−2細胞株に活性がある。例えば:
‐化合物番号1は、両細胞タイプに50%以上の抑制を示す。
‐化合物番号2は、化学感受性の及び成長の遅いCapan−2細胞により強力であるが、化学耐性及び急成長のMiaPaCa細胞にも顕著な抑制活性を示す。
‐化合物番号3は、化学耐性及び急成長の細胞と比較して、化学感受性の及び成長の遅いCapan−2細胞により強力である。
‐化合物番号4は、化学耐性及び急成長のMiaPaCa細胞により強力であるが、化学感受性の及び成長の遅いCapan−2細胞にもまた非常に良好な抑制活性を示す。
【0075】
【表16】

【0076】
表IIIに関して、本発明の化合物は、MiaCaPa及び/又はCapan−2細胞株に活性がある。例えば:
‐化合物番号14は、両細胞タイプに50%以上の抑制を示す。
‐化合物番号15は、両細胞タイプに50%以上の抑制を示す。
‐化合物番号16は、両細胞タイプに50%以上の抑制を示す。
‐化合物番号17は、化学耐性及び急成長のMiaPaCa−2細胞により強力である。
‐化合物番号18は、両細胞タイプに50%以上の抑制を示す。
‐化合物番号19は、化学耐性及び急成長のMiaPaCa−2細胞により強力であり、また化学感受性の及び成長の遅いCapan−2細胞に中等度の抑制活性を示す。
‐化合物番号20は、化学感受性の及び成長の遅いCapan−2細胞により強力である。
‐化合物番号21は、化学感受性及び成長の遅いCapan−2細胞により強力である。
‐化合物番号22は、化学感受性及び成長の遅いCapan−2細胞により強力であるが、また化学耐性及び急成長のMiaPaCa−2細胞に中等度の抑制活性を示す。
ゲムシタビンと比較した本発明の化合物の優位性を示すために、さらなる実験(以下のB.及びC.を参照)を実施した。
【0077】
B.本発明の一部の化合物の細胞生存に対する用量依存性効果(図1, 2, 4及び5)
細胞を96ウェルプレート上の250μL培地中に播種し、24時間後に、試験する化合物を目的とする最終濃度(10 nM 〜200 μM)まで250μLの培地に添加した。48時間後、適当な処理後に残っている生存細胞の数をMTTにより測定した。最小有効量(MED)及びIC50値を用量依存性試験から評価した。図1、2、4及び5の結果は、コントロールの未処理細胞と比較して、細胞成長抑制のパーセンテージで示す。
【0078】
化学耐性及び急成長のMiaPaCaに関して、本発明の試験した化合物、すなわち化合物番号1及び4の結果を、図1に示す:
‐50μMの化合物番号1または4で、約60%の細胞が死滅し、そして
‐100μMの化合物番号1または4で、80%以上の細胞が死滅し、
‐一方、50μMまたは100μMのゲムシタビンでは、細胞生存率が停滞し、そして用量の増加とは非依存的に約80%の細胞が生存したままである。
化学感受性の及び成長の遅いCapan−2に関する本発明の試験した化合物、すなわち化合物番号1、2及び3の結果を、図2に示す:
‐50μMの化合物番号1で、約60%の細胞が死滅し、
‐100μMの化合物番号1で、80%以上の細胞が死滅し、そして100μM以上の化合物番号2又は3の用量に関しては細胞生存率は急速に減少し、一方ゲムシタビンでは細胞生存率は用量の増加とは非依存的に停滞している。
MiaPaCa−2に関する活性化合物(14, 16, 18, 22)の用量依存性効果を図4に、Capan−2に関する活性化合物(14, 18)用量依存性効果を図5に示す。
結果として、本発明の化合物は、がん細胞、例えば化学耐性及び急成長のMiaPaCa細胞並びに化学感受性の及び成長の遅いCapan−2細胞等に対して活性を有し、従ってがんの治療のため、特に、ゲムシタビン等の既知の薬剤がほとんど効果を有しない及び/又は患者に耐性が生じるがんの治療のための有望な活性成分を構成する。
【0079】
C.フローサイトメトリ(図 3及び6)、カスパーゼ3/7切断アッセイ(図 7)、及びELISAアッセイ(図 8)による、本発明の化合物のMiaPaCa細胞に対するアポトーシス評価
10cmのディッシュに30万細胞/プレートの密度で細胞を蒔いた。処理後12、24及び48時間のフローサイトメトリ分析のために、細胞を停止させた。トリプシン処理後、細胞ペレットをPBSで洗浄し、低温エタノール70%中で4℃でオーバーナイトで固定した。リン酸クエン酸バッファーで洗浄後、細胞を200μLのRNAアーゼ(500 μg/mL)で処理し、1mLのヨウ化プロピジウム(50 μg/mL)で標識し、フローサイトメトリ(FACS Calibur, Becton Dickinson, Le Pont-De-Claix, France)で即座に分析した。sub−G0の割合を評価して、細胞死分析を100万細胞上で行った。各サンプルを3通りに実施した。図3は、未処理のコントロール細胞と比較したアポトーシスの速度比を示す。
本発明の化合物について、この割合はゲムシタビンより高い。本発明の化合物番号1で、この割合は特に高い。実際、適用の24時間後、アポトーシスは未処理細胞に比べ約8倍高く、ゲムシタビンで処理した細胞に比べ約4倍高い。
フローサイトメトリによる活性MiaPaCa−2に対する活性化合物(18)のアポトーシス評価を、図6に表わす。
【0080】
図7は、化合物番号18でのMiaPaCaにおけるカスパーゼ−3/7の切断アッセイを表わす。カスパーゼ−3/7の活性を、アポワンホモジーニアス(Apo-ONE Homogeneous)カスパーゼ−3/7アッセイ蛍光定量キット(Promega)を使用して測定した。MiaPaCa−2細胞をまず96ウェルプレート上に15,000細胞/ウェルで播種した。24時間後、細胞を試験化合物で48時間処理し、製造者(Promega)の指示に従ってフルオロ蛍光定量基質(fluorometric substrate)Z−DEVD−R110の切断によってカスパーゼ−3活性を測定した。次に100μLのアポワンホモジーニアスカスパーゼ−3/7試薬を100μLのブランク、コントロールまたは培養中の細胞を含有するブラック96ウェルプレートの各ウェルへ添加した。各実験を3通り実施した。プレートをプレートシーラーで覆い、各ウェルの蛍光を測定する前に室温で30分間インキュベートした。
【0081】
アポトーシスもまた、アポトーシスの間に生成された細胞質ヌクレオソームを定量化する酵素結合免疫測定法(ELISA)により評価した(細胞死検出ELISA plus, Roche)。細胞を96ウェルプレート中に24時間播種し(15,000 細胞 / ウェル)、試験化合物処理した、またはネガティブコントロールとして未処理とした。48時間後、96ウェルプレートを10分間遠心分離し(200g)、上清を廃棄し、溶解バッファを添加した。溶解後、サンプルを遠心分離し、20μLの上清をストレプトアビジンでコーティングしたマイクロタイターのプレートへ移した。ビオチンでコーティングした抗ヒストン抗体及びペルオキシダーゼを結合させた抗DNA抗体を各ウェルへ添加し、そしてプレートを室温で2時間インキュベートした。バッファーでの3回の洗浄後、捕捉されたヌクレオソームを定量化するためにペルオキシダーゼ基質を各ウェルへ添加した。20分のインキュベーション後、プレートをマイクロプレートリーダー中で405/490nmで読んだ。コントロールと比較して、ヒストン−DNA断片中の濃縮が、吸光度中に倍増して発現された。結果を図8に記載する。
【0082】
用量依存性試験及びアポトーシス試験(実験B. 及びC.)から、未処理の細胞及びゲムシタビンで処理した細胞と比較して、本発明の化合物はがん細胞で顕著な増殖抑制及びアポトーシス増加を示すことが実証される。
【0083】
D.インビトロ(in vitro)でのゲムシタビンとの有利な組合せ効果
ゲムシタビンと組合わせた3つの化合物(化合物番号1, 4及び18)の抗癌活性を評価した。図9は、ゲムシタビンの1または18との結合が抗増殖により効率的であることを示す。
【化13】

【0084】
E.インビボ(in vivo)での薬剤処理のMiaPaCa−2腫瘍成長における効果
活性化合物1及び4の抗腫瘍効果をMiaPaCa−2の異種移植の腫瘍を有するヌードマウスで評価した。研究におけるヒトによる動物の適当な使用に関する機関のガイドラインに従った。約1×107のMiaPaCa−2細胞を0.1mLのマトリゲル(BD Biosciences Discovery Labware)で異種移植した6週齢のオスのヌードマウスに皮下接種した。MiaPaCa−2腫瘍が100mm3に達した時、マウスを試験化合物での処理のためにランダムに選択し、未処理マウスをコントロールとして使用した。各実験群は、8匹のマウスから成っていた。ランダムに選択後、150mg/kgの試験化合物を口腔内注射により3日ごとに5週間注射した。組合せ注射を1日ごとに実施した。腫瘍容量測定を週に一度実施し、式 長さ×幅×深さ×0.5236によって算出した。
図10は、1及び4での処理がMiaPaCa−2腫瘍容積を減少し得ることを示す。特に、1をゲムシタビンと組合せた場合に、腫瘍成長は顕著にほぼ抑制された。使用した実験条件で、副作用は観察されなかった(図 11)。
【0085】
F.化合物の細胞内標的の同定
ストレスに関連するタンパクであり、抗アポトーシス特性を有するp−8が、最も耐性の強い膵臓がん細胞株2つで強く発現され、一方熱ショックタンパク質27(Hsp27)は、多くの腫瘍細胞で過剰発現され得るタンパク質であり、様々な刺激によって誘発されるアポトーシス細胞死を防ぐ。従って、活性化合物の細胞内標的を調査するために、活性化合物のMiaPaCa−2細胞におけるp−8及びHsp27 mRNAの発現に対するの効果を定量RT−PCRによって調べた。エキスパンドリバーストランスクリプターゼ(Expand Reverse Transcriptase)(Roche, Meylan, France)を使用して製造者の指示に従って、1μgの総RNAを有する20μLの反応中で、第一鎖cDNAを合成した。ライトサイクラーシステム(Roche)及びタカラ(Berkeley, CA)試薬で定量PCRを行った。5マイクロリッターの10倍希釈のcDNAを、10μLのSYBR Premix Ex Taq(Taq ポリメラーゼ, 反応バッファー, MgCl2, SYBR green I 色素, 及びデオキシヌクレオチド 三リン酸混合物を含む)並びに4nmolの順方向及び逆方向プライマー(TBPプライマーをコントロールとして使用した)と共に容積20μL中で混合した。95℃で10秒間の初期Taq活性(initial Taq activation)後、次のサイクリング条件:95℃で5秒間、58℃で6秒間、及び72℃で12秒間、で45〜55サイクルを使用してライトサイクラーPCRを行った。各サンプルを繰り返し分析し、実験を2度繰り返した。レルクアント(RelQuant)(Roche)を使用して結果を分析し、コントロール値のパーセントとして表わした。
【0086】
図12から、ゲムシタビン及び1の組合せによって、p−8 mRNA発現が下方制御されたことが示された。特にここで、化合物18の1回処理はp−8の発現を有意に抑制し得る。
図13から、MiaPaCa−2細胞中のHsp27 mRNA発現は、4の処理によってほぼ完全に抑制されたことが示された。
【0087】
従って、本発明は、膵臓のがん細胞における有意な増殖抑制及びアポトーシス増殖を示す新しい化合物を提供する。上述のインビボ(in vivo)での活性化合物の試験によって、これらの化合物が動物モデルで副作用なく腫瘍成長を抑制することができることが確認された。さらに、上述の結果から、活性化合物のがん細胞に対する抗増殖効果が、抗アポトーシスタンパク質p−8及びHsp27の発現を抑制するこれらの能力に関連するかもしれないことが示される。
【0088】
本発明の化合物は、低毒性のがん予防の及び/又は治療の薬剤を表わし、ヒトを含む哺乳類でがんを治療及び/又は予防することを目的とする組成物の調製に有用である。
従って、本発明の対象は、がん、例えば、脳腫瘍、髄芽腫、神経膠腫、下垂体腫瘍、神経膠細胞、聴神経腫、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、胸腺腫、中皮腫、乳がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、胃がん、食道がん、結腸直腸がん、結腸がん、直腸がん、肝がん、肝細胞がん、膵臓がん、膵内分泌腫瘍、胆管がん、胆嚢がん、陰茎がん、腎がん、腎盂がん、尿道がん、腎細胞がん、精巣腫瘍、前立腺がん、膀胱がん、外陰がん、子宮がん、子宮頸がん、子宮体がん、子宮肉腫、絨毛性疾患、膣がん、卵巣がん、卵巣胚細胞腫瘍、皮膚がん、悪性黒色腫、菌状息肉腫、基底細胞腫、軟部肉腫、悪性リンパ腫、ホジキン病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ白血病、成人T細胞白血病、慢性骨髄増殖性疾患、膵内分泌腫瘍、原発不明のがん、好適には、髄芽腫、乳がん、小細胞肺がん、胃がん、食道がん、結腸直腸がん、結腸がん、膵臓がん、胆管がん、前立腺がん等の予防及び/又は治療の目的で使用のための、本発明の化合物に関連する。本発明のさらなる実施形態は、がんの治療及び/又は予防における使用のための、式(A)、特に式(I)、(I’)及び(I”)の化合物である。
【0089】
本発明の他の実施形態は、膵臓がんの治療及び/又は予防における使用のための、式(A)、特に式(I)、(I’)及び(I”)の化合物である。
本発明の化合物は、医薬組成物、特に上述の疾患を治療及び/又は予防することを目的とする薬物の調製のために使用することができる。
従って、本発明の一態様は、活性成分として、少なくとも本発明の1つの化合物を含んでなる医薬組成物である。
【0090】
このような医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の化合物、または医薬として許容される塩を有するこの付加塩、或いは後者の水和物若しくは溶媒和化合物、並びに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤の有効用量を含んでなる。当該賦形剤は、望ましい医薬品形態及び適用経路に従って、当業者に知られている通常の賦形剤の中から選択される。
より詳細には、本発明は式(A)、特に式(I)、(I’)及び(I”)の化合物、または医薬として許容される塩のための当該化合物の付加塩、或いは式(A)、特に式(I)、(I’)及び(I”)の化合物の水和物または溶媒和化合物を含んでなる薬物を対象にする。
【0091】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、外用、局所的、気管内、鼻腔内、経皮または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、式(A)、特に上述の式(I)、(I’)及び(II”)の活性成分、この塩、溶媒和化合物または水和物は、上述の疾患の予防または治療のために通常の医薬賦形剤と混合して単一剤形として動物及びヒトへ適用することができる。
適当な単一剤形は、経口剤形、例えばタブレット、ハードまたはソフトのゼラチンカプセル、粉末、顆粒及び経口溶液または懸濁液等、舌下、バッカル、気管内、眼球内、鼻腔内形態、吸入による形態、外用、経皮、皮下、筋肉内または静脈内形態、直腸形態及びインプラントを含んでなる。外用適用に関しては、本発明の化合物はクリーム、ゲル、軟膏またはローションとして使用することができる。
【0092】
例としては、本発明の化合物のためのタブレット形態での単一剤形は、次の成分:
本発明の化合物 50,0mg
マンニトール 223,75mg
クロスカルメロースナトリウム 6,0mg
トウモロコシデンプン 15,0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2,25mg
ステアリン酸マグネシウム 3,0mg
を含むことができる。
【0093】
非経口経路によって、用量は例えば150mg/kg/日に達してよい。
適用経路及び患者に応じて、用量の増加または減少することが適当である。これらの用量は、本発明の範囲内に含まれる。
他の態様によれば、本発明はまた、患者への本発明の化合物、または医薬として許容されるこの塩、或いはこの水和物若しくは溶媒和化合物の有効用量の適用を含んでなる、上述の病状の治療方法に関する。
【0094】
このような治療は、このような治療を必要としている哺乳類へ、活性成分として式(A)、特に式(I)、(I’)及び(I”)の化合物の治療上有効量を適用することを含んでなる。
本発明はさらに、がんの治療において、単独、組合せまたは逐次の使用のための本発明の組成物の使用に関し、:
a)少なくとも1または複数の式(A)、特に式(I)、(I’)及び(I”)の化合物の有効量を患者に適用すること、並びに任意に
b)さらに、1または複数のがんの治療で有効な化合物の有効量を適用すること、を含んでなる。
【0095】
この場合、本発明の化合物と同時適用されるさらなる活性薬剤は、例えば抗癌または細胞分裂停止特性を有する他の分子、例えばプラチナ塩(platine salts)、アントラサイクリン、有糸分裂を減少させる毒素、トポイソメラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤のキナーゼ阻害剤であってよい。例えば、さらなる活性薬剤はゲムシタビンであってよい。一部の化学療法で使用される温熱療法との組合せを考慮することができるかもしれない。
本発明の化合物はまた、がんの治療のための他の細胞毒性薬剤、分子治療、外科的治療及び/又は放射線療法と組合せて使用してよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離の塩基または酸付加塩の形態、並びに水和物または溶媒和物の形態での一般式(A):
【化1】

[式中、
Xは
【化2】

であり、
Yは、C(=O)R2またはCNであり;
Zは、R1−C≡C−または
【化3】

であり、
1及びR1aが、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルキル−C1-6アルキレン、C3-10シクロアルケニル、C6-20アリール、C5-14アリール−C1-6アルキレン、C3-10ヘテロシクリル、C3-10ヘテロシクリル−C1-6アルキレン、C5-20ヘテロアリール若しくはC5-20ヘテロアリール−C1-6アルキレン基を表わし、これらの基が1または複数のR4で任意に置換されたものであり;
2は、−NH2、−NHR5、ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシ基を表わし;
3a、R3b、R3c及びR3dは、各々独立に、水素原子、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C6-20アリールまたは−C(O)R5を表わし;
4は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、−NH2、−NHR5、−NO2、−CN、−CF3、−C(O)R5、C1-14アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-20アリール、C5-20ヘテロアリールまたはC5-14アリール−C1-6アルキレン基を表わし;
5は、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C2-18アルキニル、C5-14アリール、C3-10ヘテロシクリル、C5-20ヘテロアリール、C5-14アリール−C1-6アルキレン、C5-14アリール−C2-18アルケニレン、C5-14アリール−C2-18アルキニレン、C5-20ヘテロアリール−C1-6アルキレン、C5-20ヘテロアリール−C2-18アルケニレン、C5-20ヘテロアリール−C2-18アルキニレン、C3-10ヘテロシクリル−C1-6アルキレン、C3-10ヘテロシクリル−C2-18アルケニレンまたはC3-10ヘテロシクリル−C2-18アルキニレンを表わす]
、の化合物。
【請求項2】
式(I)、(I’)または(I”):
【化4】

[式中、Y、R1、R1a、R2、R3a、R3b、R3c及びR3dは、請求項1で定義される通りである]
の化合物である、請求項1に記載の式(A)の化合物。
【請求項3】
一般式(I):
【化5】

[式中、R1、R2、R3a、R3b、R3cは、請求項1で定義される通りである]
の化合物。
【請求項4】
1が、C6-20アリール基を表わし、当該基が1または複数の基R4で置換され;さらにR4がハロゲン原子、−CF3基、C1-6アルコキシまたはC1-14アルキル基を表わし;
他の基は請求項1で定義される通りである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式(II):
【化6】

[式中、R1、R2、R3a、R3b及びR3cは、請求項3または4で定義される通りである]
によって表わされる、請求項3または4に記載の化合物。
【請求項6】
式(II)の化合物において、
1は、C6-20アリール基を表わし、当該基が1または複数のR4で置換され;
4は、−CF3またはC1-14アルキル基を表わし;
2は、−NH2またはC1−C6アルコキシ基を表わし;
3a、R3b及びR3cは、各々独立に、水素原子または−C(O)R5を表わし;
5は、C1−C6アルキル基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
1が、1つのR4と置換され、R4がパラ位にある、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
式(III):
【化7】

[式中、R1が、1または複数のR4で任意に置換され、R1及びR4は請求項3または4で定義される通りである]
の化合物によって表わされる、請求項3または4に記載の化合物。
【請求項9】
式(IV):
【化8】

[式中、R1が、1または複数のR4で任意に置換されており、R1及びR4は請求項3または4で定義される通りである]
の化合物によって表わされる、請求項3または4に記載の化合物。
【請求項10】
1が、C1-18アルキル、C6-20アリール、C3-10シクロアルキルまたはC3-10シクロアルケニル基を表わし、これらの基が1または複数のR4で任意に置換されている、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
1がC6-20アリールを表わす場合、R1は1つのR4で置換され;R4はハロゲン原子、−CF3、C1-14アルキル基またはC1-6アルコキシ基を表わす、請求項9または10に記載の化合物。
【請求項12】
式(I)の化合物が:
‐メチル5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート;
‐メチル5−(シクロヘキセニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシレート;
‐5−(4−トリフルオロメチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシル酸アミド;
‐3−(4−ペンチルフェニルエチニル)−1−(2,3,5−トリ−ヒドロキシ−β−D−リボフラノシル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−5−カルボキシル酸アミド、
から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項13】
式(II’):
【化9】

[式中、Y、R1及びR3dが請求項1で定義される通りである]
によって表わされる、請求項2に記載の式(I’)の化合物。
【請求項14】
1は、C6-20アリール基、特にフェニル基を表わし、当該基は1または複数のR4と置換され;
4は、ハロゲン原子、特にBr、または−CF3を表わし;
Yは、CNまたはC(=O)R2を表わし;
2は、−NH2またはC1−C6アルコキシ基を表わし;
3dは、水素原子または−C(O)R5を表わし;
5は、C5-14アリール基である、請求項13に記載の式(II’)の化合物。
【請求項15】
‐1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(2−(4−ブロモフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;
‐1−[(2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ)メチル]−5−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;及び
‐1−[(2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ)メチル]−5−(2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−ニトリル、
から選択される、請求項14に記載の式(II’)の化合物。
【請求項16】
式(II”):
【化10】

[式中、R1a、R2及びR3dが、請求項1で定義される通りである]
によって表わされる、請求項2に記載の式(I”)の化合物。
【請求項17】
1aは、C1-18アルキル、またはC5-14アリール−C1-6アルキレン基を表わし;
2は、−NH2またはC1−C6アルコキシ基を表わし;
3dは、水素原子または−C(O)R5を表わし;
5は、C1-18アルキル基である、請求項16に記載の式(II”)の化合物。
【請求項18】
‐1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−ドデシル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;
‐メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート;
‐1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;
‐1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−3−(1−((ピレン−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド;
‐1−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−5−(1−(ナフタレン−1−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;及び
‐メチル1−((2−アセトキシエトキシ)メチル)−5−(1−(ピレン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート、
から選択される、請求項17に記載の式(II”)の化合物。
【請求項19】
式(VI):
【化11】

[式中、R2、R3a、R3b及びR3cが、式(I)の化合物に関して記載する通りである]
の化合物が、
式(V):
【化12】

[式中、R1が、式(I)の化合物に関して記載する通りである]
の化合物と、マイクロ波照射下でのPd触媒薗頭カップリング反応に従って反応する、請求項3〜12のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の製造法。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の式(A)の化合物、または医薬として許容される塩のための当該化合物の付加塩、或いは当該化合物の水和物若しくは溶媒和化合物を含んでなる、医薬。
【請求項21】
少なくとも1つの請求項1〜18のいずれか1項に記載の式(A)の化合物、または医薬として許容される塩のための当該化合物の付加塩、或いは当該化合物の水和物若しくは溶媒和化合物並びに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでなる、医薬組成物。
【請求項22】
がんの治療及び/又は予防における使用のための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
膵臓がんの治療及び/又は予防における使用のための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−522784(P2011−522784A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506709(P2011−506709)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055213
【国際公開番号】WO2009/133147
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(500248467)アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サントゥ エ ドゥ ラ ルシェルシェ メディカル(イーエヌエスエーエールエム) (19)
【出願人】(501089863)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) (173)
【Fターム(参考)】