説明

新規ピリミジン−2,4−ジアミン誘導体及び小コンダクタンスのカルシウム依存性カリウムチャネルのモジュレーターとしてのこれらの使用

本発明は、小コンダクタンスのカルシウム依存性カリウムチャネル(SKチャネル)のモジュレーターとして有用な、新規のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体に関する。他の態様において、本発明は治療のための方法におけるこれら化合物の使用及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小コンダクタンスのカルシウム依存性カリウムチャネル(SKチャネル)のモジュレーターとして有用な新規のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体に関する。別の態様において、本発明は、治療のための方法におけるこれら化合物の使用及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
小コンダクタンスのカルシウム依存性カリウムチャネル(SKチャネル)の3つのサブタイプ、すなわちSK1、SK2及びSK3(ゲノム命名法を用いたKCNN1−3に相当する)がクローン化されている。これらチャネルの活性度は、構造的にチャネルに結合しているカルモジュリンを介して細胞内の遊離カルシウム([Ca2+)の濃度により決定される。SKチャネルは、生理学的範囲において[Ca2+によってしかりと制御され、約0.1μMまでの[Ca2+において閉鎖されるが1μMの[Ca2+において完全に活性化される。カリウムに対して選択性なので、オープン又は活性SKチャネルは、細胞の膜電位に過分極化の影響を有する。SKチャネルは、中枢神経系中に広範囲に発現する。SK1及びSK2の分布は、高度のオーバーラップを示し、マウス脳中の新皮質、辺縁皮質及び海馬領域において最も高水準の発現を示す。これに対して、SK3チャネルは、脳幹神経節、視床及び脳幹モノアミン作動性ニューロン、例えば背側縫線核、青斑核及び腹側被蓋領域において高水準の発現を示している(Sailer他「3つの小コンダクタンスのCa2+依存性カリウムチャネルサブユニットSK1、SK2及びSK3のマウス脳中における免疫組織化学的分布の比較(Comparative immunohistochemical distribution of three small−conductance Ca2+−activated potassium channel subunits,SK1,SK2 and SK3 in mouse brain)」Mol.Cell.Neurosci.2004、26、458−469)。またSKチャネルは、骨格筋、腺細胞肝細胞及びT−リンパ球を含む幾つかの体皮細胞中にも存在する。
【0003】
活性SKチャネルの過分極性作用は、発射パターン及び興奮細胞の興奮性の制御において重要な役割をはたす。アパミン及びビククリン−メトブロミドなどのSKチャネル阻害剤は、興奮性を増加することを実証しているが、一方ではオープナー1−EBIOは電気的活動を低減できる。Ca2+内向き流対電圧非依存性経路の量が膜電位に対して感受性の高い非興奮性細胞において、SKチャネルの活性化は駆動力を増加させ、一方SKチャネル遮断剤は脱分極効果を有し、それ故カルシウムに関する駆動力を消滅させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[Ca2+結合及び膜電位におけるSKチャネルの重要性に基づき、SKチャネルは新規の治療薬開発のための興味ある対象である。
【0005】
SKチャネル及びSKチャネルモジュレーターの概要は、Liegeois,J.−F.他「小コンダクタンスのカルシウム依存性カリウム(SK)チャネルの調節:医薬品化学における新しい挑戦(Modulation of small conductance calcium−activated potassium(SK)channels:a new challenge in medicinal chemistry)」、Current Medicinal Chemistry、2003、10、625−647において見出すこともできる。
【0006】
既知のSKチャネルモジュレーターは、巨大分子又はペプチド(アパミン、シラトキシン、ツボクラリン、塩化デクアリニウム、UCL1684)であり、又は有効性が低い(1−EBIO、リルゾール)という欠点を有している。したがって、最適化された薬理学的プロフィールを有する化合物に関する継続的な必要性が存在する。特に、SK3チャネルモジュレーターなど、選択的リガンドに関する大きな必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その第1態様において、本発明は式Iのピリミジン−2,4−ジアミン誘導体を、任意の異性体又は任意の異性体の混合物、及び薬学的に許容されるその塩を含めて提供する。
【化1】


式中のR、R、R、R、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、以下に定義する。
【0008】
その第2態様において、本発明は任意の異性体又は任意の異性体の混合物及び薬学的に許容されるその塩を含めた本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体の治療有効量を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0009】
さらなる態様において、本発明は任意の異性体又は任意の異性体の混合物、及び薬学的に許容されるその塩を含む本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体の、疾患又は障害又は状態がSKチャネルの調節に対して応答性である、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態の処置、予防又は軽減のための薬剤組成物製造のための使用を提供する。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、障害若しくは疾患又は状態がSKチャネルの調節に対して応答性である、ヒトを含む動物の生体の疾患又は障害又は状態の処置、予防又は軽減のための方法に関し、この方法は任意の異性体又は任意の異性体の混合物及び薬学的に許容されるその塩を含む本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体を、それを必要とするかかる動物の生体に投与する段階を含む。
【0011】
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明及び実施例から、当業者に対して明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ピリミジン−2,4−ジアミン誘導体
その第1態様において、本発明は式Iのピリミジン−2,4−ジアミン誘導体、
【化2】


任意のその異性体若しくは任意のその異性体の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供し;式中、
は−(CH−Rを表し;ここで、vは0又は1であり;Rはアリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換され;
R’及びR’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又はR’はR’’’と一緒になって−(CH−を形成し、ここで、pは、3、4又は5であり;又はR’はRのアリール基のオルト位に対して−(CH−架橋を形成し、ここで、qは、2、3又は4であり;R’’’は、水素又はR−アルキルを表し;ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
は−(CH−Rを表し、ここで、wは0又は1であり;Rはアリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換され;
R’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又はR’’はR’’’’と一緒になって−(CHを形成し、ここで、sは、3、4又は5であり;又はR’’はRのアリール基のオルト位に対して−(CH架橋を形成し、ここで、tは、2、3又は4であり;R’’’’は、水素又はR−アルキルを表し;ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
及びRは、化合物が、
,N−ビス(ジベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(ジベンジル)−5−フルオロピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(ジベンジル)−6−フルオロピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(ジベンジル)−6−クロロピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(ジベンジル)−6−メチルピリミジン−2,4−ジアミン;又は
,N−ビス(1−フェニルエチル)−6−クロロピリミジン−2,4−ジアミン
ではないという条件において、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル及びアルコキシからなる群から選択される。
【0013】
好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、式中Rは−(CH−Rを表し;vは0又は1であり、Rはアリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル及びアルコキシ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合により置換される。
【0014】
より好ましい実施形態において、Rは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合により置換されたフェニル基を表す。
【0015】
より一層好ましい実施形態において、Rは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキルアミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により1回又は2回置換されたフェニル基を表す。
【0016】
さらにより好ましい実施形態において、Rは、ハロ、トリフルオロメチル及びN,N−ジメチル−アミノからなる群から独立に選択される置換基により1回又は2回置換されたフェニル基を表す。
【0017】
別のより好ましい実施形態において、Rは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換されたベンジル基を表す。
【0018】
より一層好ましい実施形態において、Rは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ又はアルキルからなる群から独立に選択される置換基により場合によって置換されたベンジル基を表す。
【0019】
さらにより好ましい実施形態において、Rは、ハロで場合により置換されたベンジル基を表す。
【0020】
別の好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は式Iの化合物であり、式中R’及びR’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又はR’はR’’’と一緒になって−(CH−を形成し、ここで、pは、3、4又は5であり;又はR’はRのアリール基のオルト位に対して−(CH−架橋を形成し、ここで、qは、2、3又は4であり;R’’’は、水素又はR−アルキルを表し;ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0021】
より好ましい実施形態において、R’及びR’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0022】
より一層好ましい実施形態において、R’及びR’’’は、互いに独立に、水素、アルキル又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0023】
さらにより好ましい実施形態において、R’及びR’’’は、互いに独立に、水素、メチル又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0024】
第3の好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は式Iの化合物であり、式中Rは−(CH−Rを表し;ここで、wは0又は1であり;Rはアリール基を表し、このアリール基がハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合により置換される。
【0025】
より好ましい実施形態において、Rはフェニル基を表し、このフェニル基がハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合により置換される。
【0026】
より一層好ましい実施形態において、Rはフェニル基を表し、このフェニル基がハロ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は2つの置換基により場合により置換される。
【0027】
さらにより好ましい実施形態において、Rはフェニル基を表し、このフェニル基がハロ、トリフルオロメチル又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は2つの置換基により場合により置換される。
【0028】
別のより好ましい実施形態において、Rはベンジル基を表し、アリール基がハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から独立に選択される1つ又は2つの置換基により場合により置換される。
【0029】
より一層好ましい実施形態において、Rはベンジル基を表し、アリール基がハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ又はアルキルで場合により置換される。
【0030】
さらにより好ましい実施形態において、Rはベンジル基を表し、アリール基がハロで場合により置換される。
【0031】
第4に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は式Iの化合物であり、式中、R’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又はR’’はR’’’’と一緒になって−(CH−を形成し、ここで、sは、3、4又は5であり;又はR’’はRのアリール基のオルト位に対して−(CH−架橋を形成し、ここで、tは、2、3又は4であり;R’’’’は、水素又はR−アルキルであり;ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0032】
より好ましい実施形態において、R’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0033】
より一層好ましい実施形態において、R’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素、アルキル、ヒドロキシル−アルキル又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0034】
さらにより好ましい実施形態において、R’’は、水素又はアルキルを表し;R’’’’は、水素、アルキル、ヒドロキシル−アルキル又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0035】
さらにより好ましい実施形態において、R’’は、水素又はメチルを表し;R’’’’は、水素、メチル、ヒドロキシル−メチル、ヒドロキシル−エチル又はN,N−ジメチル−アミノを表す。
【0036】
第5に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は式Iの化合物であり、式中R及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル及びアルコキシからなる群から選択される。
【0037】
より好ましい実施形態において、式中R及びRは、互いに独立に、水素、アルキルからなる群から選択される。
【0038】
より一層好ましい実施形態において、Rは、水素又はアルキルを表し;Rは、水素を表す。
【0039】
さらにより好ましい実施形態において、Rは、水素又はメチルを表し;Rは、水素を表す。
【0040】
別の実施形態において、R及びRは両方とも水素を表す。
【0041】
第6に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は式Iの化合物であり、式中、
R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
はアリール基を表し;このアリール基がハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合により置換され;
はアリール基を表し;このアリール基がハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合により置換され;
及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル及びアルコキシからなる群から選択される。
【0042】
第7に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、R
【化3】


を表し、式中R及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から選択される。
【0043】
第8に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、R
【化4】


を表し、
式中R及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から選択される。
【0044】
第9に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、式中Rは、水素又はアルキルを表す。
【0045】
第10に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、式中Rは、水素又はアルキルを表す。
【0046】
第11に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、式中R’は、水素又はアルキルを表す。
【0047】
第12に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、式中R’’は、水素又はアルキルを表す。
【0048】
第13に好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、式Iの化合物であり、式中R’’’及びR’’’’は、水素を表す。
【0049】
最も好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、
,N−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−6−メチルピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(3,4−ジクロロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス[1−(4−フルオロフェニル)エチル]ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(4−クロロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(4−クロロベンジル)−N,N−ジメチル−ピリミジン−2,4−ジアミン;
2−{ベンジル[4−(4−クロロベンジルアミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}エタノール;
,N−ビス−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ジ−(R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ジベンジル−N,N−ビス(2−ジメチルアミノエチル)ピリミジン−2,4−ジアミン;又は
,N−ビス(4−ジメチルアミノベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
又は薬学的に許容されるその塩である。
【0050】
上で述べた実施形態の2つ以上の任意の組合せも本発明の範囲内であると考えられる。
【0051】
置換基の定義
本発明の文脈において、ハロはフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0052】
本発明の文脈において、アルキル基は、一価の飽和した、直線又は分枝の炭化水素鎖を指す。炭化水素鎖は、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第3ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含む、1〜6個の炭素原子を含んでいること(C1〜6−アルキル)が好ましい。好ましい実施形態において、アルキルは、ブチル、イソブチル、第2ブチル、及び第3ブチルを含み、C1〜4−アルキル基を表す。本発明の別の好ましい実施形態において、アルキルはC1〜3−アルキル基を表し、これは特にメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルとすることもできる。
【0053】
アルキルが上で定義した通りの場合、アルコキシはO−アルキルである。
【0054】
本発明の文脈において、アリール基はフェニル、ナフチル(1−ナフチル若しくは2−ナフチル)又はフルオレニルなどの炭素環式芳香族環系を指す。
【0055】
本発明の好ましいアリール基はフェニルである。
【0056】
薬学的に許容される塩
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、目的とする投与に適した任意の形態において提供することもできる。適切な形態は、薬学的に(すなわち生理学的に)許容される塩、及び本発明の本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体のプレ−又はプロドラッグ形態を含む。
【0057】
薬学的に許容される付加塩の例には、これだけに限らないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコネート、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボネート、エナント酸塩、フマール酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタール酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性無機及び有機酸付加塩が含まれる。かかる塩は、当該技術においてよく知られており記述されている手順で形成することもできる。
【0058】
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体の薬学的に許容される陽イオン性塩の例には、これだけに限らないが、陰イオン性の基を含む本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体の、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン、リシニウム、アンモニウム塩などが含まれる。かかる陽イオン性塩は、当該技術においてよく知られており記述されている手順で形成することもできる。
【0059】
本発明の文脈において、N−含有化合物の「オニウム塩」もまた薬学的に許容される塩であると考えられる。好ましい「オニウム塩」には、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、シクロアルキルアルキル−オニウム塩が含まれる。
【0060】
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体のプレ−又はプロドラッグ形態の例には、親化合物の1つ又は複数の反応性又は誘導体化可能基において改質された化合物を含む本発明による物質の適切なプロドラッグの例を含んでいる。特に興味のあるのは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基において改質された化合物である。適切な誘導体の例は、エステル又はアミドである。
【0061】
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、水、エタノールなど、薬学的に許容される溶媒と一緒に溶解性及び非溶解性形態で提供することができる。可溶性形態は、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物などの水和形態を含むこともできる。一般的に、溶解性形態は本発明の目的に関して非溶解性形態に相当すると考えられる。
【0062】
立体異性体
当業者によって、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体が、1つ又は複数のキラル中心を有することもできること、及びかかる化合物が異性体の形態で存在することが認識される。
【0063】
さらに、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、(+)及び(−)形態並びにラセミ体(±)における鏡像体として存在することもできる。これら異性体のラセミ化合物及び個々の異性体それ自体も本発明の範囲内である。
【0064】
本発明は、かかる異性体及びラセミ混合物を含むその任意の混合物の全てを含む。
【0065】
ラセミ体は、既知の方法及び技法によって光学対掌体に分割することができる。異性体塩を分離する1つの方法は、光学活性酸を使用し、光学活性アミン化合物を塩基で処理して遊離することである。ラセミ体を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性マトリックス上のクロマトグラフィーに基づいている。本発明のラセミ体は、このようにして、例えばd−又はI−(酒石酸塩、マンデル酸塩、又はカンファースルホン酸塩)の分別結晶化によってこれらラセミ体の光学対掌体に分割される。
【0066】
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、本発明の化合物を、(+)又は(−)フェニルアラニン、(+)又は(−)フェニルグリシン、(+)又は(−)カンファン酸などから誘導された光学的活性の活性化カルボン酸と反応させることによるジアステレオマー性アミドの形成によって、又は本発明の化合物を、光学活性クロロギ酸塩などと反応させることによるジアステレオマー性カルバメートの形成によって分割することもできる。
【0067】
光学異性体を分割するための追加の方法が当該技術において知られている。かかる方法は、Jaques J,Collet A,&Wiley S「異性体、ラセミ体及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」John Wiley and Sons、New York(1981)において記載された方法を含む。
【0068】
光学活性化合物は、光学活性出発原料から調製することもできる。
【0069】
標識化合物
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、これらの標識化合物又は非標識化合物の形態で使用することもできる。本発明の文脈において、標識化合物は、自然において見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数の原子で置き換えられた1つ又は複数の原子を有する。標識化は、当該化合物の容易な定量的検出を可能にする。
【0070】
本発明の標識化合物は、診断用道具、ラジオトレーサー、又はさまざまな診断方法の監視剤、及びin vivoのレセプター画像として有用である。
【0071】
本発明の標識化異性体は、少なくとも1つの標識としての放射性核種を含んでいることが好ましい。陽電子放出放射性核種は、全て使用の候補である。本発明の文脈において、放射性核種は、H(重水素)、H(トリチウム)、13C、14C、131I、125I、123I及び18Fから選択されることが好ましい。
【0072】
本発明の標識化異性体の物理的検出方法は、陽電子放射断層撮影(PET)、単一光子放射断層撮影(SPECT)、磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)、磁気共鳴映像法(MRI)、及び軸方向X線コンピュータ断層撮影(CAT)、又はその組合せから選択することもできる。
【0073】
調製方法
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、例えば実施例に記述されているような、化学合成のための在来の方法により調製することもできる。本出願に記載されている方法のための出発原料は周知であり、市販されている化学薬品から在来の方法により調製することもできる。
【0074】
また、本発明のある化合物を、在来の方法を使用して本発明の別の化合物に転換することができる。
【0075】
本明細書に記載の反応の最終製品を、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなど在来の技法により分離することもできる。
【0076】
生物学的活性
本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、これらのSKチャネルをin vitroで調節する能力を試験することもできる。Strobaek他「HEK293細胞中に発現した小コンダクタンスのCa2+依存性Kチャネルの薬理学的特性(Pharmacological characterization of small−conductance Ca2+−activated K channels expressed in HEK293 cells)」、British Journal of Pharmacology(2000)129、991−999頁に記述されているように、パッチクランプ技法によりSK電流における化合物誘導の変化を測定することによって、機能的調節を決定することができる。この種類の測定結果から、所定の化合物の潜在能力を、遮断剤/阻害剤に関するK又はIC50値として及びオープナー/アクチベーターに関するEC50値として決定することができる。同様のデータを他のパッチクランプ形態から、及びさまざまな細胞系に内生的に発現したチャネルから得ることができる。
【0077】
一実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、SK1及びSK2を越えるSK3に関する選択性を示している。さらなる実施形態において、本発明の化合物は、正のSK3チャネルモジュレーターなど、正のSKチャネルモジュレーターである。一層さらなる実施形態において、本発明の化合物は、負のSK3チャネルモジュレーターなど、負のSKチャネルモジュレーターである。特別な実施形態において、本発明の化合物は、SK3チャネル遮断剤などのSKチャネル遮断剤である。
【0078】
パッチクランプ実験において観察された活性度に基づき、本発明の化合物は、疾患又は障害又は状態がSKチャネルの調節に対して応答性である、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。
【0079】
特別な実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、欠神発作、加齢による記憶喪失、アルツハイマー病、狭心症、不整脈、ぜんそく、不安症、運動失調、注意欠陥、脱毛症、双極性障害、膀胱興奮性亢進、膀胱流出障害、膀胱けいれん、脳腫瘍、脳虚血、慢性閉塞性肺疾患、癌、循環器疾患、認知機能障害、結腸炎、便秘、けいれん、冠動脈攣縮、冠状動脈性心臓病、嚢胞性線維症、認知症、抑鬱症、II型糖尿病、月経困難症、てんかん、胃腸障害、胃食道逆流疾患、胃腸低運動性障害、胃腸運動性機能不全、聴力損失、高インスリン血症、高血圧、免疫抑制症、炎症性腸疾患、炎症性疼痛、間欠性跛行、過敏性腸症候群、虚血、虚血性心疾患、学習障害、男性機能障害、躁鬱病、記憶障害、偏頭痛、気分障害、運動ニューロン疾患、筋波動症、筋強直性ジストロフィー症、筋緊張症、睡眠発作、神経障害性疼痛、疼痛、パーキンソン病、多発性嚢胞腎、術後腸閉塞、早期分娩、精神病、神経異常、腎機能異常、レイノー病、鼻漏、分泌性下痢、発作、ショーグレン症候群、睡眠時無呼吸症、痙縮、睡眠障害、脳卒中、外傷性脳損傷、三叉神経痛、尿失禁、泌尿生殖器疾患、血管けいれん、失明、及び口内乾燥の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。より好ましい実施形態において、本発明の化合物は、抑鬱症、偽認知症、ガンサー症候群、脅迫性障害、パニック障害、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安症、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソン症、認知症、加齢による認知症、老年性認知症、後天性免疫不全症候群認知症コンプレックス、加齢による記憶機能障害、対人恐怖、薬物たんでき癖、薬物誤用、コカイン乱用、たばこ乱用、アルコール依存症、疼痛、偏頭痛の疼痛、過食症、月経前症候群、遅発月経前症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、早漏、勃起困難、拒食症、睡眠障害、自閉症、無言症、抜け毛症、睡眠発作、ジル・ドラ・トゥレット症候群、炎症性大腸炎又は過敏腸疾患症候群の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。
【0080】
別のより好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、抑鬱症、偽認知症、ガンサー症候群、脅迫性障害、パニック障害、記憶障害、注意欠陥多動性障害、肥満、不安症、摂食障害又はパーキンソン病の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。
【0081】
第3のより好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、呼吸器系疾患、尿失禁、勃起機能障害、不安症、てんかん、精神病、統合失調症、双極性障害、抑鬱症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病又は疼痛の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。
【0082】
第4のより好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、精神病、統合失調症、双極性障害、抑鬱症、てんかん、パーキンソン病又は疼痛の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。
【0083】
第5のより好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、疼痛、温和な又は中庸或いは厳しい疼痛、激しい疼痛、慢性又は再発性特性、偏頭痛によって起こる疼痛、術後疼痛、幻想肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、糖尿病性神経障害に関する疼痛、術後神経痛に関する疼痛、又は末梢神経障害に関する疼痛の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。
【0084】
最も好ましい実施形態において、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、統合失調症、抑鬱症又はパーキンソン病の処置、予防又は軽減に有用であると考えられる。
【0085】
現在、活性な薬剤成分(API)の適切な投与量は、1日当たり約0.1〜約1000mgAPI、より好ましくは1日当たり約10〜約500mgAPI、最も好ましくは約30〜約100mgAPIの範囲内であると考えられるが、しかし実際の投与方法においては、投与される形態、検討された適用、関与する患者及び特に患者の体重、さらには担当する医師又は獣医の好み及び経験により決まる。
【0086】
好ましい本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、サブマイクロモル及びマイクロモルの範囲、すなわち1未満〜約100μMにおいて生物学的活性を示す。
【0087】
薬剤組成物
別の態様において、本発明は、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体の治療に効果のある量を含む新規の薬剤組成物を提供する。
【0088】
治療において使用するための本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体は、未処理の化合物の形態で投与することもできるが、活性成分を、場合によっては生理学的に許容される塩の形態で、1つ又は複数の補助剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は在来の薬剤助剤と一緒に薬剤組成物に導入することが好ましい。
【0089】
好ましい実施形態において、本発明は、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体、或いはこれらの薬学的に許容される塩又はその誘導体を、1つ又は複数の薬学的に許容される担体、場合によっては当該技術において知られており使用されている他の治療的及び/又は予防的成分と一緒に含む、薬剤組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と相容性があり、その組成物の受容者に対して有害でないという意味において、「許容できる」ものでなければならない。
【0090】
本発明の薬剤組成物は、所望する治療に適した任意の便利な経路によって投与することもできる。好ましい投与の経路には、特に錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末又は液体の形状の経口投与、特に皮膚、皮下、筋肉内、又は静脈注射の非経口投与が含まれる。本発明の薬剤組成物は、当業者によって所望の製剤に適した標準的方法及び在来技術を用いて調製することができる。所望する場合には、活性成分が持続的に放出されるように組成物が適合される。
【0091】
製剤及び投与に関する技法のさらなる詳細は、「レミントンの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版において見出すこともできる。
【0092】
実際の投与量は、治療する疾患の性質及び重症度に依存し、医師の裁量内であり、本発明の特定の状況に対する投与量の滴定によって変えることもでき、所望する治療効果を生み出す。しかしながら、現在個別の投与量当たり、約0.1〜約500mg、好ましくは約1〜100mg、最も好ましくは約1〜約10mgの活性成分を含む薬剤組成物が、治療処置のために適していると考えられる。
【0093】
活性成分は、1日当たり1回又は数回の投与量で投与することもできる。場合によっては、0.1μg/kg静注及び1μg/kg経口の低さの投与量で満足すべき結果を得ることができる。投与量範囲の上限は、現在約10mg/kg静注及び100mg/kg経口であると考えられる。好ましい範囲は、約0.1μg/kg〜約10mg/kg/日静注及び約1μg/kg〜約100mg/kg/日経口である。
【0094】
治療方法
本発明の別の態様は、疾患又は障害又は状態がSKチャネルの調節に対して応答性である、ヒトを含む哺乳動物身体の疾患又は障害又は状態の処置、予防又は軽減のための方法を提供し、この方法はヒトを含むかかる動物の生体へ、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体のその必要な有効量を投与することを含む。
【0095】
現在、適切な投与量の範囲は、1日0.1〜1000ミリグラム、1日10〜500ミリグラム、特に1日30〜100ミリグラムであり、通常は厳密な投与方法、投与形態、投与の対象となる適用、関与する患者及び患者の体重、さらには担当する医師又は獣医の好み及び経験によって決まる。
【実施例】
【0096】
本発明を、以下の実施例を参照にしてさらに説明するが、実施例は請求する本発明の範囲を決して制限することを意図するものではない。
【0097】
概要:手順は、本発明のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体を調製するのに用いられる一般的手順を表す。使用される略語は以下の通り。
Me:メチル
mp:融点
MW:マイクロ波
rt:室温
【0098】
手順A
2,4−ジクロロピリミジン及び所要の2当量のアミンを、密封したバイアル中のアセトニトリル中に懸濁させ、マイクロ波(MW)照射を用いて150〜200℃に15〜45分間加熱した。室温に冷却した後、沈澱した固体をろ過し、カラムクロマトグラフィー又は分取LCMSを用いて精製し、所望の生成物を遊離塩基として得た。別の方法では、生成物を水/アセトニトリル中のHClの混合物から沈澱によってHCl塩として分離した。
【0099】
手順Aの例として、N,N−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミンの調製をスキーム1に示す。
【化5】

【0100】
(実施例1)
,N−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び3,4−ジフルオロベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物をろ過により分離し、その後カラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物を黄色のオイルとして得た。MS(ES)m/z363([M+1]、100)。
【化6】

【0101】
(実施例2)
,N−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−6−メチルピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン及び3,4−ジフルオロベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物をろ過により分離し、その後分取LCMSにより精製して、標題の化合物を黄色のオイルとして得た。MS(ES)m/z377([M+1]、100)。
【化7】

【0102】
(実施例3)
,N−ビス[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び3−(トリフルオロメチル)−ベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMS及びその後の沈澱によりHCl塩(白色固体、mp172℃)として分離した。MS(ES)m/z427([M+1]、100)。
【0103】
(実施例4)
,N−ビス(3,4−ジクロロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び3,4−ジクロロベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMS及びその後の沈澱によりHCl塩(白色固体、mp167〜170℃)として分離した。MS(ES)m/z429([M+1]、100)。
【0104】
(実施例5)
,N−ビス[1−(4−フルオロフェニル)エチル]ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び1−(4−フルオロフェニル)エチルアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMS及びその後の沈澱によりHCl塩(オフホワイト色の固体、mp151〜154℃)として分離した。MS(ES)m/z355([M+1]、100)。
【0105】
(実施例6)
,N−ビス[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMSにより分離して、標題の化合物を無色のオイルとして得た。MS(ES)m/z463([M+1]、100)。
【化8】

【0106】
(実施例7)
,N−ビス(4−クロロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び4−クロロベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMS及びその後の沈澱によりHCl塩(白色固体、mp213〜216℃)として分離した。MS(ES)m/z359(M、100)。
【0107】
手順B
アセトニトリルに溶解した2,4−ジクロロピリミジンを氷上で冷却し、1.2当量の所要のアミン(スキーム2のアミンA)を加えた。室温で一夜撹拌した後、反応混合物に水を加え、EtOAcを用いて抽出した。合わせた有機相を(MgSOで)乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮して粗製4−アリールアルキルアミノ−2−クロロピリミジンを得、これをカラムクロマトグラフィーにより分離した。その後この中間生成物をアセトニトリルに溶解し、1.2当量の(スキーム2の)アミンBを加え、反応混合物を、MW照射を用いて150〜200℃で15〜80分間加熱した。
【0108】
別な方法として、4−アリールアルキルアミノ−2−クロロピリミジンを分離していないステップ1後の粗製反応混合物を使用し、アミンBを加えMWオーブン中で加熱した。
【0109】
ステップ2の後、上で説明した水性作業によって又はろ過によって、粗製生成物を反応混合物から分離した。粗製生成物は、その後カラムクロマトグラフィー又は分取LCMSによって精製し、所望の2,4−ビス(アリールアルキルアミノ)ピリミジンを遊離塩基として得ることもできる。別な方法として、この生成物は反応混合物のろ過及び再結晶化においてHCl塩として分離された。
【0110】
手順Bの例、2−{ベンジル[4−(4−クロロベンジルアミノ)−ピリジン−2−イル]アミノ}エタノールの調製を、スキーム2に示す。
【化9】

【0111】
(実施例8)
,N−ビス(4−クロロベンジル)−N,N−ジメチル−ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及びN−(4−クロロベンジル)−N−メチルアミンから手順Aにより調製した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液に加え、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を(MgSOで)乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色オイルとして標題の化合物を得た。MS(ES)m/z387([M+1]、100)。
【化10】

【0112】
(実施例9)
2−{ベンジル[4−(4−クロロベンジルアミノ)ピリジン−2−イル]アミノ}エタノール
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン、4−クロロベンジルアミン及びN−ベンジルエタノールアミンから、手順Bにより2ステップで調製した。反応混合物を水に加えEtOAcで抽出した。合わせた有機相を(MgSOで)乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色オイルとして標題の化合物を得た。MS(ES)m/z369([M+1]、100);HR−MS:369.148400([M+1]、C2022ClNO;calc.369.148214)。
【0113】
(実施例10)
,N−ビス[2−(4−フルオロフェニル)エチル]ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び4−フルオロベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物をカラムクロマトグラフィー及びその後の沈澱によりHCl塩(白色固体、mp177.4〜179.4℃)として分離した。MS(ES)m/z355([M+1]、100)。
【0114】
(実施例11)
,N−ビス[2−(4−クロロフェニル)エチル]ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び4−クロロベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物をカラムクロマトグラフィー及びその後の沈澱によりHCl塩(白色固体、mp201〜204℃)として分離した。MS(ES)m/z388([M+1]、100)。
【0115】
(実施例12)
,N−ジ−(R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び(R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチルアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMSにより分離し、標題の化合物を無色のオイルとして得た。MS(ES)m/z371([M+1]、100)。
【化11】

【0116】
(実施例13)
,N−ジベンジル−N,N−ビス(2−ジメチルアミノエチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及びN’−ベンジル−N,Nジメチルエチレンジアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMSにより分離し、標題の化合物を無色のオイルとして得た。MS(ES)m/z433([M+1]、100)。
【化12】

【0117】
(実施例14)
,N−ビス(4−ジメチルアミノベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
標題の化合物を、2,4−ジクロロピリミジン及び4−(ジメチルアミノ)−ベンジルアミンから手順Aにより調製した。生成物を分取LCMSにより分離し、標題の化合物を無色のオイルとして得た。MS(ES)m/z377([M+1]、100)。
【化13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのピリミジン−2,4−ジアミン誘導体、
【化1】


任意のその異性体若しくは任意のその異性体の混合物、又は薬学的に許容されるその塩
[式中、
は−(CH−Rを表し;ここで、
vは0又は1であり;
はアリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換され;
R’及びR’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又は
R’はR’’’と一緒になって−(CH−を形成し、ここで、pは、3、4又は5であり;又は
R’はRのアリール基のオルト位に対して−(CH−架橋を形成し、ここで、qは、2、3又は4であり;R’’’は、水素又はR−アルキルを表し;
ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
は−(CH−Rを表し、ここで、
wは0又は1であり;
はアリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換され;
R’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又は
R’’はR’’’’と一緒になって−(CHを形成し、ここで、sは、3、4又は5であり;又は
R’’はRのアリール基のオルト位に対して−(CH架橋を形成し、ここで、tは、2、3又は4であり;R’’’’は、水素又はR−アルキルを表し;
ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル及びアルコキシからなる群から選択される]。
【請求項2】
が−(CH−Rを表し;式中、
vは0又は1であり;
はアリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換される、請求項1に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項3】
R’及びR’’’が、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又は
R’がR’’’と一緒になって−(CH−を形成し、ここで、pは、3、4又は5であり;又は
R’が、Rのアリール基のオルト位に対して−(CH−架橋を形成し、ここで、qは、2、3又は4であり;R’’’が水素又はR−アルキルを表し;
ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表す、請求項1又は2に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項4】
が−(CH−Rを表し;式中、
wは0又は1であり;
はアリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換される、請求項1から3までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項5】
R’’及びR’’’’が、互いに独立に、水素又はR−アルキルを表し;又は
R’’がR’’’’と一緒になって−(CH−を形成し、ここで、sは、3、4又は5であり;又は
R’’がRのアリール基のオルト位に対して−(CH−架橋を形成し、ここで、tは、2、3又は4であり;R’’が水素又はR−アルキルを表し;ここで、
が水素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はN,N−ジアルキル−アミノを表す、請求項1から4までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項6】
及びRが、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル及びアルコキシからなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項7】
R’、R’’、R’’’及びR’’’’が、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
R’がアリール基を表し;
このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換され;
がアリール基を表し;
このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基により場合によって置換され;
及びRが、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル及びアルコキシからなる群から選択される、請求項1から6までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項8】
が、
【化2】


を表し、式中、
及びRが、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から選択される、請求項1又は7に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項9】

【化3】


を表し、式中、
及びRが、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ及びアルキルからなる群から選択される、請求項1、7及び8のいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項10】
が水素又はアルキルを表す、請求項1及び7から9までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項11】
が水素又はアルキルを表す、請求項1及び7から10までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項12】
R’が水素又はアルキルを表す、請求項1及び7から11までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項13】
R’’が水素又はアルキルを表す、請求項1及び7から12までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項14】
R’’’及びR’’’’が水素を表す、請求項1及び7から13までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項15】
,N−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−6−メチルピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(3,4−ジクロロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス[1−(4−フルオロフェニル)エチル]ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(4−クロロベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス(4−クロロベンジル)−N,N−ジメチル−ピリミジン−2,4−ジアミン;
2−{ベンジル[4−(4−クロロベンジルアミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}エタノール;
,N−ビス−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ビス−[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ジ−(R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン;
,N−ジベンジル−N,N−ビス(2−ジメチルアミノエチル)ピリミジン−2,4−ジアミン;又は
,N−ビス(4−ジメチルアミノベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
又は薬学的に許容されるその塩である、請求項1に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体、又はその任意の異性体若しくはその任意の異性体の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に含む薬剤組成物。
【請求項17】
請求項1から15までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体、又はその任意の異性体若しくはその任意の異性体の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の、薬剤製造のための使用。
【請求項18】
疾患又は障害又は状態がSKチャネルの調節に対して応答性である、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態の処置、予防又は軽減を目的とする薬剤薬剤組成物製造のための請求項17に記載の使用。
【請求項19】
SKチャネルの調節に対して応答性である疾患、障害又は状態が、欠神発作、加齢による記憶喪失、アルツハイマー病、狭心症、不整脈、ぜんそく、不安症、運動失調、注意欠陥、脱毛症、双極性障害、膀胱興奮性亢進、膀胱流出障害、膀胱けいれん、脳腫瘍、脳虚血、慢性閉塞性肺疾患、癌、循環器疾患、認知機能障害、結腸炎、便秘、けいれん、冠動脈攣縮、冠状動脈性心臓病、嚢胞性線維症、認知症、抑鬱症、II型糖尿病、月経困難症、てんかん、胃腸障害、胃食道逆流疾患、胃腸低運動性障害、胃腸運動性機能不全、聴力損失、高インスリン血症、高血圧、免疫抑制症、炎症性腸疾患、炎症性疼痛、間欠性跛行、過敏性腸症候群、虚血、虚血性心疾患、学習障害、男性機能障害、躁鬱病、記憶障害、偏頭痛、気分障害、運動ニューロン疾患、筋波動症、筋強直性ジストロフィー症、筋緊張症、睡眠発作、神経障害性疼痛、疼痛、パーキンソン病、多発性嚢胞腎、術後腸閉塞、早期分娩、精神病、神経異常、腎機能異常、レイノー病、鼻漏、分泌性下痢、発作、ショーグレン症候群、睡眠時無呼吸症、痙縮、睡眠障害、脳卒中、外傷性脳損傷、三叉神経痛、尿失禁、泌尿生殖器疾患、血管けいれん、失明、又は口内乾燥である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
ヒトを含む、動物の生体の疾患又は障害又は状態の処置、予防又は軽減のための方法であって、この障害、疾患又は状態がSKチャネルの調節に対して応答性であり、この方法が、それを必要とするかかる動物の生体に対して請求項1から15までのいずれか一項に記載のピリミジン−2,4−ジアミン誘導体、又はその任意の異性体若しくはその任意の異性体の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量を投与する段階を含む方法。

【公表番号】特表2009−511548(P2009−511548A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535039(P2008−535039)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067387
【国際公開番号】WO2007/042571
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】