説明

新規ブラジキニンB1アンタゴニスト

本発明は、一般式Iの化合物(式中、A、Y、R、R、R、R及びRは請求項1と同様である。)、その鏡像異性体(エナンチオマー)、そのジアステレオマー、その混合物、及びその塩、特に、有益な特性を有する、それらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩、その製造、薬理学的に活性のある化合物を有する薬剤、その製造及びその使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式Iの化合物、その鏡像異性体(エナンチオマー)、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特に、有益な特性を有する、それらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩、それらの製造、薬理学的に有効な化合物を有する医薬組成物、その製造及びその使用に関する。
【0002】
【化1】

式中、A、Y、R1、R2、R3、R4及びR5は請求項1記載の定義と同じである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
[発明の詳細な説明]
第1の態様は、上記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなり、式中、
Aは、以下のa)〜f)のいずれかを表し、
a)結合、
b)C1-4アルキレン基、
c)−N(R2)−、
d)−C(O)−、
e)飽和5又は6員環のアザへテロ環基、又は
f)飽和6又は7員環のジアザへテロ環基;
Yは、R2基で置換されていてもよいC1-6アルキレン基を表し、該アルキレン基に含まれるメチレン基がY1に取って換えられていてもよく;
1は、−O−、−S−、−S(O)−、−N(R2)−、−N(R2)−C(O)−、−C(O)−N(R2)−、−C(O)−、−CH(アリール)−、又は−S(O)2−を表し;
1は、以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)アリール基、又は
b)へテロアリール基、
前記アリール基及びヘテロアリール基はそれぞれ1、2、3又は4個のR1.1基で置換されていてもよく、複数のR1.1基は同一であっても異なっていてもよく;
1.1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-3アルキル基、CF3基、水酸基、C1-3アルキル−O−、又は、C1-3アルキル−O−C2-4アルキレン−O−を表し;
2は以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)水素原子、又は
b)C1-3アルキル基であって、該アルキル基中の各メチレン基は2個以下のフッ素原子で置換されていてもよく、各メチル基は3個以下のフッ素原子で置換されていてもよい;
3は以下のa)〜c)のいずれかを表し、
a)下記の中から選択される飽和4〜7員環のアザヘテロ環基、
【0004】
【化2】

b)単不飽和5〜7員環のアザヘテロ環基であって、オレフィン二重結合がR3.1基と縮合したアザヘテロ環基、又は
c)飽和8〜10員環のジアザ−ヘテロ二環基;
3.1は、フェニル基又はピリジル基を表し、
炭素骨格中のR3.1基は、1、2又は3個の同一の又は異なるR3.1.1基で置換されていてもよく;
3.1.1は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CH3基又はCF3基を表し;
4は以下のa)〜f)のいずれかを表し、
a)結合、
b)C1-3アルキレン基、
c)C3-6シクロアルキレン基、
d)飽和4〜7員環のアザヘテロ環基、
e)飽和6〜7員環のジアザヘテロ環基、又は
f)飽和9〜11員環のジアザ−スピロ環;
5は以下のa)〜e)のいずれかを表し、
a)R5.1で置換されたC1-4アルキル基、
b)NH2基、
c)C1-4アルキル−NH−、
d)(C1-4アルキル)2N−、又は
e)飽和4〜6員環のアザヘテロ環基;
5.1は、水素原子、(C1-4のアルキル)2N基、又は飽和4〜6員環のアザヘテロ環基を表す。
【0005】
本発明の第2の態様は、A、Y、R2、R3、R4及びR5が上記第1の態様で定義したとおりであり;
1が、いずれの場合も1、2、3又は4個のR1.1基で置換されたアリール基を表し、複数のR1.1基は同一であっても異なっていてもよく;
1.1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-3アルキル基、CF3基、水酸基、C1-3アルキル−O−、又はC1-3アルキル−O−C2-4のアルキレン−O−を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0006】
本発明の第3の態様は、A、Y、R2、R3、R4及びR5が上記第1の態様で定義したとおりであり;
1が、下記から選択される基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0007】
【化3】

【0008】
本発明の第4の態様は、A、Y、R2、R3、R4及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
1が下記の基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0009】
【化4】

【0010】
本発明の第5の態様は、A、Y、R1、R3、R4及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
2は以下のa)〜b):
a)水素原子、又は
b)CH3基;
のいずれかを表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0011】
本発明の第6の態様は、A、R1、R2、R3、R4及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
Yが、C1-4アルキレン基又は下記から選択される基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0012】
【化5】

【0013】
本発明の第7の態様は、A、R1、R2、R3、R4及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
Yが下記から選択される基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0014】
【化6】

【0015】
本発明の第8の態様は、A、Y、R1、R2、R4及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
3が、下記の中から選択される飽和4〜7員環のアザヘテロ環基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0016】
【化7】

【0017】
本発明の第9の態様は、A、Y、R1、R2、R4及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
3が、単不飽和5〜7員環のアザヘテロ環基であって、オレフィン二重結合が下記から選択されるフェニル基又はピリジル基と縮合しているアザヘテロ環基を表し;
【0018】
【化8】

3.1.1が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CH3基又はCF3基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0019】
本発明の第10の態様は、A、Y、R1、R2、R4及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
3が、下記の中から選択される飽和8〜10員環のジアザ−ヘテロ二環基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0020】
【化9】

【0021】
本発明の第11の態様は、A、Y、R1、R2、R3及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり、R4が結合を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0022】
本発明の第12の態様は、A、Y、R1、R2、R3及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり、R4がC1-3アルキレン基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0023】
本発明の第13の態様は、A、Y、R1、R2、R3及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり、R4がC3-6シクロアルキレン基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0024】
本発明の第14の態様は、A、Y、R1、R2、R3及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
4が、下記の中から選択される飽和4〜7員環のアザヘテロ環基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0025】
【化10】

【0026】
本発明の第15の態様は、A、Y、R1、R2、R3及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
4が、下記の中から選択される飽和6〜7員環のジアザヘテロ環基を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0027】
【化11】

【0028】
本発明の第16の態様は、A、Y、R1、R2、R3及びR5が上記第1の態様記載の定義と同じであり;
4が、下記から選択される飽和9〜11員環のジアザ−スピロ環を表すことを特徴とする、前記一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0029】
【化12】

【0030】
本発明の第17の態様は、Aが以下のa)〜e)のいずれかを表し、
a)結合、
b)C1-4アルキレン基、
c)−N(R2)−、
d)−C(O)−、又は
e)下記の中から選択されるヘテロ環基;
【0031】
【化13】

Yが、C1-4アルキレン基又は下記から選択される基を表し;
【0032】
【化14】

1が、下記から選択される基を表し;
【0033】
【化15】

2が以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)水素原子、又は
b)CH3基;
3が、下記から選択される基を表し;
【0034】
【化16】

3.1.1が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CH3基、又はCF3基を表し;
4が以下のa)〜c)のいずれかを表し、
a)結合、
b)−CH2−若しくは−(CH22−、又は
c)下記から選択される基;
【0035】
【化17】

5がC1-4アルキル基を表し、あるいは、
5が、下記から選択される基を表すことを特徴とする、一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0036】
【化18】

【0037】
本発明の第18の態様は、Aが以下のa)〜e)のいずれかを表し、
a)結合、
b)−CH2−若しくは−(CH22−、
c)−N(R2)−、
d)−C(O)−、又は
e)下記の中から選択されるヘテロ環基;
【0038】
【化19】

Yが下記から選択される基を表し;
【0039】
【化20】

1が下記の基を表し;
【0040】
【化21】

2が以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)水素原子、又は
b)CH3基;
3が、下記から選択される基を表し;
【0041】
【化22】

4が以下のa)〜c)のいずれかを表し、
a)結合、
b)−CH2−若しくは−(CH22−、又は
c)下記から選択される基;
【0042】
【化23】

5が、下記から選択される基を表すことを特徴とする、一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩からなる。
【0043】
【化24】

【0044】
上記一般式Iの特に好ましい化合物の例として、以下の化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩が挙げられる。
【0045】
【化25】

【0046】
【化26】

【0047】
【化27】

【0048】
【化28】

【0049】
【化29】

【0050】
【化30】

【0051】
【化31】

【0052】
【化32】

【0053】
<使用されている用語及び定義>
別段の指定がない限り、全ての置換基は互いに独立している。例えば、1つの基に置換基として複数のC1-6アルキル基がある場合であって、これが3個のC1-6アルキル置換基の場合には、これらの置換基は互いに独立しており、1個はメチル基を表し、別の1個はn−プロピル基を表し、残りの1個はtert−ブチル基を表してもよい。
【0054】
本明細書の範囲内において、とり得る置換基の定義の中で、置換基を構造式の形で表してもよい。置換基の構造式中にアスタリスク記号(*)が存在する場合には、その記号は、その分子の残りと結合するポイントであると理解されるものとする。
【0055】
本発明の対象には、1又は複数の水素原子、例えば、1、2、3、4又は5個の水素原子を重水素に取って換えた本発明の化合物及びその塩も含まれる。
【0056】
「C1-3アルキル基」(他の基の一部であるものも含む)とは、炭素数1〜3のアルキル基を意味し、「C1-4アルキル基」とは、炭素数1〜4の分岐鎖及び非分岐鎖状のアルキル基を意味する。例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基が挙げられる。Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Buなどの略号を上記の基に対して用いてもよい。別段の指定がない限り、プロピル基及びブチル基の定義には、当該基のとり得る全ての異性体が含まれる。したがって、例えば、プロピル基には、n−プロピル基及びiso−プロピル基が含まれ、ブチル基にはiso−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が含まれる。
【0057】
また、上記の用語は、基中の各メチレン基が2個以下のフッ素原子で置換されていてもよく、各メチル基が3個以下のフッ素原子で置換されていてもよい基をも含む概念である。
【0058】
「C1-3アルキレン基」とは、炭素数1〜3の分岐鎖及び非分岐鎖のアルキレン基を意味し、「C1-4アルキレン基」とは、炭素数1〜4の分岐鎖及び非分岐鎖のアルキレン基を意味し、「C2-4アルキレン基」とは炭素数2〜4の分岐鎖及び非分岐鎖のアルキレン基を意味する。例として、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロピレン基、プロパン−2,2−ジイル基、1−メチルエチレン基、ブチレン基、1−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基が挙げられる。別段の指定がない限り、プロピレン及びブチレンの定義には、同一炭素数のとり得る全ての異性体が含まれる。従って、例えば、プロピレン基には1−メチルエチレン基が含まれ、ブチレン基には1−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基が含まれる。
また、上記の用語は、基中の各メチレン基が2個以下のフッ素原子で置換されていてもよい基をも含む概念である。
【0059】
「C3-6シクロアルキル基」(他の基の一部であるものを含む)とは、炭素数3〜6の環式アルキル基を意味する。例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が挙げられる。別段の指定がない限り、当該環式アルキル基は、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の中から選択される1又は複数の基で置換されていてもよい。
【0060】
「C3-6シクロアルキレン基」(他の基の一部であるものを含む)とは、炭素数3〜6の環式アルキレン基を意味する。例として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基又はシクロへキシレン基が挙げられる。別段の指定がない限り、当該環式アルキレン基は、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の中から選択される1又は複数の基で置換されていてもよい。
【0061】
「飽和アザ−へテロ環」とは、窒素原子を含む4、5、6又は7員環のヘテロ環を意味する。当該環は、窒素原子を介して、又は炭素原子と窒素原子を介して、分子の残りと結合している。例としては以下のものが挙げられる。
【0062】
【化33】

【0063】
「単不飽和アザ−ヘテロ環」とは、窒素原子を有し且つ該不飽和結合を介してフェニル環又はピリジル環と縮合した5、6又は7員環の単不飽和へテロ環を意味する。該ヘテロ環は窒素原子を介して、又は窒素原子と炭素原子を介して、分子の残りと結合している。例としては以下のものが挙げられる。
【0064】
【化34】

【0065】
「飽和ジアザ−へテロ環」とは、2個の窒素原子を有する6又は7員環のヘテロ環を意味する。該環は2個の窒素原子を介して分子の残りと結合している。例としては以下のものが挙げられる。
【0066】
【化35】

【0067】
「飽和ジアザ−ヘテロ二環基」とは、2個の窒素原子を有する8、9又は10員環のヘテロ二環式の環を意味する。該環は2個の窒素原子を介して分子の残りと結合している。例としては以下のものが挙げられる。
【0068】
【化36】

【0069】
「飽和ジアザ−スピロ環基」とは、2個の窒素原子を有する9、10又は11員環のスピロ環を意味する。該環は2個の窒素原子を介して分子の残りと結合している。例としては以下のものが挙げられる。
【0070】
【化37】

【0071】
「アリール基」(他の基の一部であるものを含む)とは、炭素数6〜10の芳香族環系を意味する。例として、フェニル基、1−ナフチル基又は2−ナフチル基が挙げられる。好ましいアリール基はフェニル基である。別段の指定がない限り、当該芳香族基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の中から選択される1又は複数の基で置換されていてもよく、複数の置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0072】
「ヘテロアリール基」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子の中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有していてもよく、さらに芳香族系を形成するのに十分な共役二重結合をも有する、5又は6員環のヘテロ環式芳香族基又は5〜10員環の二環式へテロアリール環を意味する。5又は6員環のヘテロ環式芳香族基としては以下のものが挙げられる。
【0073】
【化38】

【0074】
別段の指定がない限り、該ヘテロアリール基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の中から選択される1又は複数の基で置換されていてもよく、複数の置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
二環式ヘテロアリール環は、好ましくはフェニル基中で置換されていてもよい。
【0075】
「アリーレン基」(他の基の一部であるものを含む)とは、炭素数6〜10の芳香族環系を意味する。例として、フェニレン基、1−ナフチレン基又は2−ナフチレン基が挙げられる。好ましいアリーレン基はフェニレン基である。別段の指定がない限り、当該芳香族基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の中から選択される1又は複数の基で置換されていてもよい。
これらの芳香族環系は、互いに独立した2箇所で、いずれも炭素原子を介して分子の残りと結合する。
【0076】
「ヘテロアリーレン基」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子の中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有していてもよく、さらに芳香族系を形成するのに十分な共役二重結合をも有する、5又は6員環のヘテロ環式芳香族基又は5〜10員環の二環式へテロアリール環を意味する。これらのヘテロ環式芳香族基は、互いに独立した2箇所で、炭素原子及び/又は窒素原子を介して結合される。
5又は6員環のヘテロ環式芳香族基としては以下のものが挙げられる。
【0077】
【化39】

【0078】
別段の指定がない限り、当該へテロ芳香族基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の中から選択される1以上の基で置換されていてもよい。上記5〜10員環の二環式ヘテロアリール環中の該置換基がフェニル環上にあることが好ましい。
【0079】
一般式Iの化合物が例えばアミノ基などの適した塩基性官能基を有している場合には、特に医薬用途のために、一般式Iの化合物を、当該化合物と無機若しくは有機酸との生理学的に許容できる塩に変換してもよい。この目的に用いられる無機酸の例としては、臭化水素酸、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸が挙げられる。有機酸の例としては、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、マンデル酸、乳酸、酒石酸又はクエン酸が挙げられる。
【0080】
また、一般式Iの化合物が適したカルボン酸官能基を有する場合には、必要に応じて、当該化合物を、当該化合物と無機塩基若しくは有機塩基との付加塩に変換してもよい。無機塩基の例としては、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、アンモニア、水酸化亜鉛又は水酸化アンモニウムが挙げられる。有機アミンの例としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン又はジシクロヘキシルアミンが挙げられる。
【0081】
本発明の化合物が唯1つのキラル原子を有している場合、当該化合物はラセミ化合物として存在してもよいが、純粋な鏡像異性体(エナンチオマー)、すなわち(R)体又は(S)体として得られてもよい。
【0082】
しかしながら、本明細書は、一般式Iの化合物中に複数のキラル原子が存在する場合に得られる対掌体の個々のジアステレオマー対及びその混合物、並びに、上記ラセミ化合物を構成する個々の光学的に活性なエナンチオマーをも含むものである。
【0083】
<<製造方法>>
本発明によると、一般式Iの化合物は、たとえば以下の方法などの、それ自体公知である方法により得られる。
<スキーム1>
【0084】
【化40】

スキーム1に示す一般式II(式中、全ての基は上記で定義した通りである)のカルボン酸と一般式IIIのアミン(式中、全ての基は上記で定義した通りである)とを結合して、一般式Iaのカルボン酸アミド(式中、全ての基は上記で定義した通りである)を形成する工程は、従来のアミド形成方法を用いて行ってもよい。
【0085】
カップリングは、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)若しくはエチル−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドなどのカルボジイミド、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N−N’,N’−テトラメチルウロニウムのヘキサフルオロホスファート(HBTU)若しくはテトラフルオロボラート(TBTU)、又は、1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)を用いて、ペプチド化学でよく知られている方法(例えば、HoubenWeyl,Methoden der Organischen Chemie,Vol.15/2を参照)を用いて行うことが好ましい。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)又は3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)を加えることで、反応速度を高めることが出来る。当該カップリングは通常、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)又はこれらの混合物などの溶媒中で、−30℃〜+30℃、好ましくは−20℃〜+25℃の温度で、等モル量のカップリング成分とカップリング剤を用いて行われる。必要に応じて、N−エチル−ジイソプロピルアミン(ヒューニッヒ塩基)を追加の補助塩基として用いることが好ましい。
【0086】
出発物質として用いられる一般式IIのカルボン酸(式中、全ての基は上記で定義した通りである)は、例えばスキーム2〜7に示す合成方法などの、それ自体文献公知の方法を用いて得られる。
【0087】
<スキーム2>
【0088】
【化41】

一般式IVのスルホン酸クロリド(式中、R1は上記で定義した通りである)は文献により知られているか、市場で入手可能である。標準的な反応条件でこれらを一般式H2N−R2、VIa又はVIbのアミンと反応させて、一般式V、VIII又はIX(式中、R1及びR2は上記で定義した通りであり、nは1、2、3又は4の数字を表し、R6はC1-6アルキル基を表す)のスルホン酸アミドを得る。該反応は、トリエチルアミン、DIPEA又はピリジンなどの塩基と、ジクロロメタン又はテトラヒドロフランなどの不活性溶媒の存在下で、0℃〜100℃の温度、1〜24時間の標準的な反応時間で行われてもよい。
【0089】
一般式Vのスルホン酸アミドと一般式VIIのハロゲン化物(式中、Hal1は塩素原子又は臭素原子を表す)との反応は、例えば、0℃〜100℃で、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン中、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基の力を借りて、文献公知の方法を用いて行われる。
【0090】
一般式IXのカルボン酸エステル(式中、R1及びR2は上記で定義した通りであり、nは1、2、3又は4の数字を表し、R6はC1-3アルキル基を表す)を加水分解して一般式X(式中、R1及びR2は上記と同様であり、nは1、2、3又は4の数字を表し、R6はC1-3アルキル基を表す)のカルボン酸を得る工程は、例えば、メタノール及び/又はテトラヒドロフラン中で炭酸リチウム若しくはナトリウムと水を用いるなど、公知の条件で行われる。
【0091】
<スキーム3>
【0092】
【化42】

一般式XIIのスルホン酸アミドの製造はスキーム2に記載したようにして行われる。
一般式XII(式中、R1及びR2は、R2が水素原子を表さないことを除いて上記で定義した通りであり、nは1、2、3又は4の数字であり、R6はC1-3アルキル基である)のスルホン酸アミドのヒドロキシ機能のアルキル化は、文献公知の反応条件で行われ、例えば、0℃〜100℃、トルエンなどの不活性溶媒中で、水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液などの強い無機塩基の存在下、相間移動触媒を用いて2相(2−phase)条件下で行われる。
【0093】
一般式XIV(式中、R1及びR2は上記と同様であり、nは1、2、3又は4の数字を表し、R6はC1-3アルキル基を表し、R7は水素原子又はC1-3アルキル基を表す)のtert−ブチルエステルの開裂は、文献公知の方法を用いて行われる(例えば、Georg Thiemeにより出版されたPhilip J.Kocienski,Protecting Groups,3rd Edition,2005を参照のこと)。
【0094】
<スキーム4>
【0095】
【化43】

一般式X(式中、R1及びR2は上記で定義した通りであり、nは1、2、3又は4の数字を表す)のカルボン酸と一般式VI(式中、R1及びR2は上記で定義した通りであり、nは1、2、3又は4の数字であり、R6はC1-6アルキル基を表す)のアミノ酸とをアミド結合して、一般式XVI(式中、R1及びR2は上記で定義した通りであり、nは1、2、3又は4の数字であり、R6はC1-6アルキル基を表す)のカルボン酸アミドを形成する工程は、スキーム1に記載したようにして行われる。
【0096】
スキーム2において説明したようにして、一般式XVIのカルボン酸エステルを開裂し、一般式XVII(式中、R1及びR2は上記で定義した通りであり、nは1、2、3又は4の数字を表す)のカルボン酸を形成する。
【0097】
出発物質として用いられる一般式IIIのアミンは市場で入手可能なものであっても、文献により公知の方法を用いて得てもよい。
【0098】
<hBK1受容体結合の方法について>
hBK1受容体を発現するCHO細胞をダルベッコ変法培地(Dulbecco’s modified medium)中で培養する。コンフルエントの培養物から培地を除去し、PBSバッファーで洗浄し、こすり取り、遠心分離により分離する。細胞を懸濁液中で均質化(ホモジナイズ)し、ホモジネートを遠心分離して再度懸濁化する。タンパク質含有量を求めた後に、この方法で得られた細胞膜調製物を−80℃で凍結する。
【0099】
解凍した後、200μLのホモジネート(1アッセイ当たり50〜10μgのタンパク質)を、0.5〜1.0nMのカリジン(DesArg10、Leu9)、[3,4−プロリル−3,43H(N)]を用い、テスト材料を濃度を変えて(高めて)、合計量250μLで、60分間、室温でインキュベートする。ポリエチレンイミン(0.3%)で前処理したGF/Bガラス繊維フィルタを介して素早くろ過することにより、インキュベーションを終了する。トップカウントNXT(TopCount NXT)内で、タンパク質に結合した放射能を測定する。非特異的結合を、10μMのカリジン(DesArg10, Leu9)、[3,4−プロリル−3,43H(N)]の存在下で結合した放射能として定義する。コンピュータを使った非線形カーブフィッティングを用いて、濃度/結合曲線を分析する。この方法により得られたデータを用いて、テスト材料に対応するKiを求める。
【0100】
<適応症>
当該新規化合物及びその生理学的に許容できる塩は、その薬理学的特性により、少なくともある程度ブラジキニン−B1受容体の刺激によって引き起こされる病気及び病気の症状(兆候)を治療するのに適している。
【0101】
その薬理作用を考慮すると、当該物質は以下の治療に適している。
(a)例えば、歯痛、周術期及び術後の痛み、外傷痛、筋肉痛、やけどに起因する痛み、日焼け、三叉神経痛、疝痛に起因する痛み、並びに、胃腸管若しくは子宮のけいれん、などの急性痛;
(b)例えば、慢性骨盤痛、婦人科痛(gynaecological pain)、生理前及び生理中の痛み、膵炎に起因する痛み、消化性潰瘍、腎疝痛、狭心症、過敏性大腸、非潰瘍性消化不良及び胃炎に起因する痛み、非心臓性胸部痛(non−cardiac thoracic pain)、並びに、心筋虚血及び心筋梗塞に起因する痛み、などの内臓痛;
(c)例えば、疼痛を伴う神経障害、糖尿病性神経障害の痛み、AIDS関連の神経障害痛、腰痛の痛み、非ヘルペス関連の神経痛、帯状疱疹後の神経痛、神経損傷、脳−頭蓋外傷(cerebro−cranial trauma)、毒若しくは化学療法に起因する神経損傷の痛み、幻肢痛、多発性硬化症の痛み、神経根裂傷、並びに、疼痛を伴う外傷起因の個々の神経損傷、などの神経障害痛;
(d)変形性関節症、関節リウマチ、リウマチ熱、腱滑膜炎、腱炎、痛風、外陰部痛(vulvodynia)、筋肉及び筋膜の損傷及び疾患(筋障害、線維筋痛)、変形性関節症、若年性関節炎、脊椎炎、痛風関節炎(gout−arthritis)、乾癬性関節炎(psoriasis−arthritis)、線維筋痛、筋炎、片頭痛、歯の疾病、インフルエンザ及び風邪などの他のウィルス感染、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematodes)、などの病気に関連する炎症性/痛覚受容体介在性の痛み;
(e)リンファチド(lymphatid)若しくは骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、リンパ肉芽腫症、リンパ肉腫、固形悪性腫瘍(solid malignant tumours)、及び広範な転移、などの癌関連の腫瘍痛;
(f)例えば、様々な原因の頭痛、群発頭痛、(前兆のある若しくは前兆のない)片頭痛、及び緊張性頭痛などの頭痛疾患。
【0102】
当該化合物は以下の治療にも適している。
(g)(アトピー性及び非アトピー性)アレルギー性ぜんそく及び労作時気管支けいれんを含む気管支ぜんそく、職業性ぜんそく(occupationally induced asthma)、既存のぜんそくのウィルス性若しくは細菌性増悪、並びに、他の非アレルギー性ぜんそく疾患、などの気管の病気に関連する炎症変化;
肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性成人呼吸促迫症候群(ARDS)、気管支炎、肺炎症、アレルギー性鼻炎(季節性及び通年性)、血管運動神経性鼻炎(vasomotor rhinitis)、並びに、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症及び綿肺症などの肺中の塵によって引き起こされる病気;
(h)日焼け及びやけどに起因する炎症現象、熱傷後の浮腫、脳浮腫、血管浮腫(angiooedema)、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む腸の愁訴(intestinal complaints)、過敏性腸症候群、膵炎、腎炎、膀胱炎(間質性膀胱炎)、ブドウ膜炎;炎症性皮膚病(例えば、乾癬や湿疹など)、結合組織の血管疾患、狼瘡、捻挫、及び骨折;
(i)糖尿病及びその結果(例えば、糖尿病性血管障害(diabetic vasculopathy)、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症など)、並びに、膵島炎における糖尿病症状(高血糖、利尿、タンパク尿、ニトリル及びカリクレインの腎排せつの増加など);
(j)パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患;
(k)細菌感染後若しくは外傷後の敗血症及び敗血性ショック;
(l)かゆみやアレルギー性皮膚反応を引き起こす症候群;
(m)骨粗しょう症;
(n)てんかん;
(o)中枢神経系の損傷;
(p)傷及び組織損傷;
(q)歯肉炎;
(r)良性前立腺増殖症(benign prostatic hyperplasia)及び過活動膀胱;
(s)掻痒;
(t)白斑;
(u)呼吸器官、泌尿生殖器(genito−urinary)、胃腸(gastro−intestinal)又は血管領域の運動障害;及び
(v)術後発熱。
【0103】
これらの物質は、人間の治療剤として適しているのに加えて、家畜(domestic animals)、珍しい動物及び家畜(farm animals)の獣医治療にも有効である。
痛みを治療するために、本発明の化合物をカフェインなどの刺激物質や他の痛み軽減用活性化合物と組み合わせることが有利であってもよい。痛みの原因を治療するのに適した活性化合物が入手可能である場合には、それらを本発明の化合物と組み合わせることが出来る。痛みの治療とは独立して、他の内科療法、例えば高血圧や糖尿病に対する内科療法をも必要とする場合には、それに必要な活性化合物を本発明の化合物と組み合わせることが出来る。
【0104】
例えば、以下の化合物を、併用療法に用いてもよい。
非ステロイド系抗リウマチ薬(NSAR):プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキス酸(bucloxic acid)、カルプロフェン、フェンブフェン(fenhufen)、フェノプロフェン、フルプロフェン(fiuprofen)、フルルビプロフェン(fiulbiprofen)、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、チオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルコフェナク(alcofenac)、イソキセパク(isoxepac)、オキピナクス(oxpinax)、スリンダク(sulindac)、チオピナク(tiopinac)、トルメチン、ジドメタシン、ゾメピラク(zomepirac))、フェナミック誘導体(メクロフェナム酸(meclofenamic acid)、メフェナム酸(mefenamic acid)、トルフェナム酸(tolfenamic acid))、ビフェニル−カルボン酸誘導体、オキシカム系(イソキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカム)、サリチル酸誘導体(アセチルサリチル酸、スルファサラジン、メサラジン、オルサラジン)、ピラゾロン系(アパゾン、ベズピペリロン(bezpiperylone)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、プロピフェナゾン及びメタミゾール)、並びに、コキシブ系(coxibs)(セレコキシブ(celecoxib)、バレコキシブ(valecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、エトリコキシブ(etoricoxib))などの、COX−2阻害薬。
【0105】
例えばモルヒネ、プロポキシフェン(Darvon)、トラマドール(tramadol)及びブプレノルフィン(buprenorphine)などのオピエート(opiate)受容体アゴニスト。
例えば、GW−1000、KDS−2000、SAB−378、SP−104、NVP001−GW−843166、GW−842166X及びPRS−211375などのカナビノイドアゴニスト。
例えば、カルバマゼピン、メキシレチン、ラモトリジン、プレガバリン、テクチン(tectin)、NW−1029及びCGX−1002などのナトリウムチャネル遮断薬。
例えば、ジコニチド(ziconitide)、NMED−160及びSP1−860などのN型カルシウムチャネル遮断薬。
例えば、SR−57746、パロキセチン、デュロキセチン、クロニジン、アミトリプチリン及びシタロプラムなどの、セロトニン及びノルアドレナリンモジュレータ。
例えば、ベタメタゾン、ブデソニド(budesonide)、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)、プレドニゾロン、プレドニゾン及びトリアムシノロン(triamcinolone)などのコルチコステロイド。
例えば、ブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、デクスクロルフェニラミン(dexchlorpheniramine)、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、レボセチリジンなどの、ヒスタミンH1−受容体アンタゴニスト。
【0106】
例えば、シメチジン、ファモチジン及びラニチジンなどの、ヒスタミンH2−受容体アゴニスト。
例えば、オメプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬。
例えば、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト及びジロイトン(zileuton)などの、ロイコトリエンアゴニスト及び5−リポキシゲナーゼヘマー(5−lipoxygenasehemmer)。
例えば、アンブロキソール(ambroxol)、リドカインなどの局部麻酔薬。
例えば、NGX−4010、WL−1002、ALGRX−4975、WL−10001、AMG−517などのVR1アゴニスト。
例えば、ABT−202、A−366833、ABT−594、BTG−102、A−85380、CGX1204などのニコチン受容体アゴニスト。
例えば、A−317491、ISIS−13920、AZD−9056などの、P2X3−受容体アンタゴニスト。
例えば、RI−724、RI−1024、AMG−819、AMG−403、PPH207などのNGFアゴニスト及びアンタゴニスト。
例えば、DA−5018、R−116301、CP−728663、ZD−2249などのNK1及びNK2アンタゴニスト。
例えば、NER−MD−11、CNS−5161、EAA−090、AZ−756、CNP−3381などのNMDAアンタゴニスト。
例えば、CL−888、ICA−69673、レチガビン(retigabin)などのカリウムチャネルモジュレータ。
例えば、ラコサミドなどのGABAモジュレータ。
例えば、SR−57746、パロキセチン、デュロキセチン、クロニジン、アミトリプチリン、シタロプラム、フリバンセリン(flibanserine)などの、セロトニン及びノルアドレナリンモジュレータ。
例えば、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、エレトリプタンなどの抗片頭痛薬。
【0107】
痛み軽減効果を得るために必要な投与量は、静脈内投与の場合には、適切には体重1kg当たり0.01〜3mg、好ましくは0.1〜1mgであり、経口投与の場合には、体重1kg当たり0.1〜8mg、好ましくは0.5〜3mgであり、どちらの場合も1日に1〜3回の投与である。製造された本発明の化合物は、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、直腸内投与、鼻腔内投与、吸入投与、経皮投与又は経口投与することが出来る。エアロゾル製剤は吸入に特に適している。該化合物は、適切な場合には1又は複数の通常の不活性担体及び/又は希釈剤とともに、錠剤、コーティング錠、カプセル、粉末、懸濁液、溶液、定量エアロゾル又は坐薬などの通常の製剤に組み込むことが出来る。前記不活性担体及び/又は希釈剤の例としては、トウモロコシでんぷん、ラクトース、甘蔗糖(cane sugar)、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール(cetylstearyl alcohol)、カルボキシメチルセルロース、若しくは、硬化脂肪などの脂肪性物質、又はこれらの好適な混合物が挙げられる。
【実施例】
【0108】
一般的に、製造された化合物に対するIR、1H NMR及び/又は質量スペクトルが存在する。溶離剤に与えられている割合は、溶媒の容積単位である。アンモニアに与えられている容量単位は、濃アンモニア水溶液に基づいたものである。
別段の指定がない限り、反応溶液を用意するために用いられる酸、塩基及び塩の溶液は、記載された濃度を有する水溶液系である。
クロマトグラフィ精製では、Millipore(MATREXTM,35−70μm)、又はAlox(E.Merck,Darmstadt,Alumina 90 standardized,63−200μm,article No.1.01097.9050)のシリカゲルが用いられる。
【0109】
実施例の記載中、以下の略号が用いられている。
TLC 薄層クロマトグラム
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
HPLC 高圧液体クロマトグラフィ
tert 第3級(tertiary)
TBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1.1.3.3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボラート
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0110】
以下の分析HPLC法が用いられた。
[方法1]
カラム:YMC−Pack ODS−AQ、3.0μM、4.6×75mm
検出:230〜360nm
溶離剤A:水/0.1%ギ酸
溶離剤B:アセトニトリル/0.1%ギ酸
勾配(グラジエント):
【0111】
【表1】

【0112】
[方法2]
カラム:Merck chromolithTM Flash RP18e、4.6×25mm
検出:190〜400nm
溶離剤A:水/0.1%ギ酸
溶離剤B:アセトニトリル/0.1%ギ酸
勾配(グラジエント):
【0113】
【表2】

【0114】
[方法3]
カラム:Zorbax Stable Bond C18、3.5μM、4.6×75mm
検出:230〜360nm
溶離剤A:水/0.1%ギ酸
溶離剤B:アセトニトリル/0.1%ギ酸
勾配(グラジエント):
【0115】
【表3】

【0116】
[方法4]
カラム:Interchim Strategy C18、5μM、4.6×50mm
検出:220〜320nm
溶離剤A:水/0.1%TFA
溶離剤B:アセトニトリル
勾配(グラジエント):
【0117】
【表4】

【0118】
[方法5]
カラム:Waters XBridge C18、3.5μM、4.6×50mm
検出:210〜500nm
溶離剤A:水/0.1%TFA
溶離剤B:アセトニトリル/0.1%TFA
勾配(グラジエント):
【0119】
【表5】

【0120】
<最終生成物の製造>
[実施例1]
【0121】
【化44】

【0122】
1a)
【0123】
【化45】

氷浴で冷やしながら、2.0g(14.69mmol)の3.5−ジメチルアニソールと20mLのジクロロメタンの混合物を5.85mL(88.0mmol)のクロロスルホン酸を混合する。その後、反応混合溶液を周囲温度で20分間攪拌してから、50mLの氷水に注ぐ。該混合溶液を100mLのジクロロメタンで抽出する。有機抽出物を5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、蒸発乾固する。
911ClO3S(234.70)
[M+H]+=234/236
TLC:シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 9:1、Rf値=0.46
【0124】
1b)
【0125】
【化46】

3.00g(12.78mmol)の上記1aの生成物、2.16g(14.06mmol)のβ−アラニンエチルエステル塩酸塩、7.13mL(51.13mmol)のトリエチルアミン、及び70mLのジクロロメタンの混合物を、周囲温度で一晩攪拌する。その後、その反応混合溶液を0.5MのHCl、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。
1421NO5S(315.39)
[M+H]+=316
TLC:シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 2:1、Rf値=0.23
【0126】
1c)
【0127】
【化47】

4.06g(12.87mmol)の前記1bの生成物、0.84mL(13.55mmol)のメチルヨージド、3.56g(25.75mmol)の無水炭酸カリウム、及び40mLのDMFの混合物を周囲温度で5時間攪拌する。その後、その反応混合溶液を真空で蒸発乾固し、その残渣を酢酸エチルに加える。その溶液を、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。
1523NO5S(329.41)
[M+H]+=330
TLC:シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 2:1、Rf値=0.36
【0128】
1d)
【0129】
【化48】

3.83g(11.63mmol)の前記1cの生成物、2.44g(58.13mmol)の水酸化リチウム一水和物、30mLのTHF及び30mLの水の混合物を、周囲温度で1時間攪拌する。その後、THFを真空で除去し、残渣を濃HClを用いて酸性化する。その後、その反応混合溶液を酢酸エチルで3回抽出する。有機抽出物を、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、蒸発乾固する。粗生成物をジエチルエーテルを用いて粉末化し、吸引ろ過する。
1319NO5S(301.36)
[M+H]+=302
TLC:シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 1:1、Rf値=0.12
【0130】
1e)
【0131】
【化49】

1.19g(6.60mmol)の1−メチル−[4,4’]ビピペリジン(J.Chem.Soc.1957,3165−3172)、1.28g(7.80mmol)の1−ベンジル−3−ピロリジノン(Aldrich)及び60mLのTHFの混合物を、周囲温度で1時間攪拌する。その後、1.65g(7.80mmol)のトリアセトキシボロヒドリド及び0.37mL(6.50mmol)の氷酢酸を添加する。その後、その反応混合溶液を周囲温度で一晩攪拌して、半飽和炭酸カリウム溶液と混合する。THFを真空で除去し、水性残渣を酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固する。このようにして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製する(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア 「95:5:0.5」〜「90:10:1」)。
22353(341.53)
[M+H]+=342
TLC:シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア 9:1:0.1、Rf値=0.31
【0132】
1f)
【0133】
【化50】

1.43g(4.19mmol)の前記1eの生成物、0.30gの水酸化パラジウム及び40mLのメタノールの混合物を、周囲温度で4時間、オートクレーブ内で水素化する。その後、触媒をろ別し、ろ液を真空で蒸発乾固する。
15293(251.41)
[M+H]+=252
TLC:シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア 8:2:0.2、Rf値=0.08
【0134】
1g)
【0135】
【化51】

90.4mg(0.30mmol)の前記1dの生成物、83.6μL(0.60mmol)のトリエチルアミン、106.0mg(0.33mmol)のTBTU、7mLのTHF及び1mLのDMFの混合物を、周囲温度で30分間攪拌する。その後、75.4mg(0.30mmol)の前記1fの生成物を添加し、その混合液をさらに一晩周囲温度で攪拌する。その後、THFを真空で除去し、含DMFの残渣を2mLのメタノール/水、及び数滴のギ酸と混合する。この混合溶液をシリンジフィルタを通してろ過した後、生成物を用意したHPLCを用いて溶出する。対応する溶出液を蒸発乾固し、飽和炭酸カリウムと混合し、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。このようにして得られた生成物をジイソプロピルエーテルを用いて粉末化し、乾燥ピストル内で60℃で乾燥する。
284644S(534.76)
[M+H]+=535
HPLC(方法1):保持時間=2.3分
【0136】
以下の化合物(実施例2〜12)を、実施例1と類似の方法により製造した。
[実施例2]
【0137】
【化52】

284754S(549.77)
[M+H]+=550
HPLC(方法1):保持時間=2.3分
[実施例3]
【0138】
【化53】

294954S(563.80)
[M+H]+=564
HPLC(方法1):保持時間=2.0分
[実施例4]
【0139】
【化54】

305154S(577.82)
[M+H]+=578
HPLC(方法1):保持時間=2.0分
[実施例5]
【0140】
【化55】

315154S(589.83)
[M+H]+=590
HPLC(方法1):保持時間=2.0分
[実施例6]
【0141】
【化56】

325354S×3HCl(713.24)
[M+H]+=604
TLC:シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア 8:2:0.2、Rf値=0.71
[実施例7]
【0142】
【化57】

315154S×3HCl(699.22)
[M+H]+=590
HPLC(方法1):保持時間=2.3分
[実施例8]
【0143】
【化58】

325354S(603.86)
[M+H]+=604
TLC:シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア 8:2:0.2、Rf値=0.64
[実施例9]
【0144】
【化59】

315154S(589.83)
[M+H]+=590
TLC:シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア 8:2:0.2、Rf値=0.49
[実施例10]
【0145】
【化60】

315154S×3HCl(699.22)
[M+H]+=590
HPLC(方法1):保持時間=2.06分
[実施例11]
【0146】
【化61】

294844S×2HCl(621.70)
[M+H]+=549
HPLC(方法1):保持時間=2.4分
[実施例12]
【0147】
【化62】

305154S×3HCl(687.21)
[M+H]+=578
HPLC(方法1):保持時間=2.1分
[実施例13]
【0148】
【化63】

【0149】
13a)
【0150】
【化64】

0.20g(0.80mmol)のtert−ブチル5−ヒドロキシメチル−1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボキシラート(THL23,1982、2691−2692に類似)、124μL(0.88mmol)のトリエチルアミン及び2mLのジクロロメタンの混合物を、氷浴中で冷やしながら65.2μL(0.84mmol)のメタンスルホン酸クロリドと混合する。その後、その反応混合溶液を0℃で1時間攪拌した後、氷浴中で冷やしながら、THF中の1.20mL(2.41mmol)のジメチルアミン2Mと混合し、一晩かけて周囲温度にまで温度を上げる。その後、その反応混合溶液を真空で蒸発乾固し、相当量のメタノールに溶解し、膜ろ過する。その粗生成物を用意したHPLCにより精製する。
11162×2C2HF32(404.30)
[M+H]+=177
HPLC(方法2):保持時間=1.40分
【0151】
13b)
【0152】
【化65】

実施例13の化合物は、0.5mLのDMF中の、50.0mg(0.16mmol)の4−[(4−メトキシ−2,6−ジメチルベンゼンスルホニル)−メチルアミノ]−酪酸(前記1a〜1dに類似の方法で製造する)、128.2mg(0.32mmol)の前記13aの生成物、0.11mL(0.79mmol)のトリエチルアミン及び56.0mg(0.17mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
253534S(473.63)
[M+H]+=474
HPLC(方法2):保持時間=1.57分
【0153】
[実施例14]
【0154】
【化66】

【0155】
14a)
【0156】
【化67】

14aは、DMF(10mL)中の、1.00g(3.61mmol)の2−tert−ブチル3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2,7−ジカルボキシラート(Arch)、THF中の1.98mL(3.97mmol)のジメチルアミン2M、0.60mL(4.33mmol)のトリエチルアミン及び1.39g(4.33mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
172423(304.38)
[M+H]+=305
HPLC(方法2):保持時間=2.06分
【0157】
14b)
【0158】
【化68】

1.00g(3.29mmol)の前記14aの生成物、5mLのTFA及び10mLのジクロロメタンの混合物を周囲温度で1.5時間攪拌する。その後、その反応混合溶液を真空で蒸発乾固する。残渣を水と混合し、1Mの水酸化ナトリウム溶液でアルカリ化し、ジクロロメタンで抽出する。混合有機抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。
12162O(204.27)
[M+H]+=205
HPLC(方法2):保持時間=0.33分
【0159】
14c)
【0160】
【化69】

0.50(2.45mmol)の前記14bの生成物と20mLのジオキサンの混合物を、窒素雰囲気下で、THF中の7.34mL(7.34mmol)の水素化アルミニウムリチウム1Mにゆっくりと滴下する。その後、その反応混合溶液を75℃で3時間攪拌した。その後、当該反応混合溶液を少量の水と1Mの水酸化ナトリウム溶液で慎重にクエンチ(quench)する。その反応混合溶液をろ過し、ろ液を真空で蒸発乾固する。残渣をジクロロメタンに加えてろ過し、再度真空で蒸発乾固する。
12182(190.28)
[M+H]+=191
【0161】
14d)
【0162】
【化70】

実施例14の化合物は、0.5mLのDMF中の、50.0mg(0.16mmol)の4−[(4−メトキシ−2,6−ジメチルベンゾールスルホニル)−メチルアミノ]−酪酸(上記1a〜1dに類似の方法で製造する)、60.3mg(0.32mmol)の前記14cの生成物、0.11mL(0.79mmol)のトリエチルアミン及び56.0mg(0.17mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
263734S(487.66)
[M+H]+=488
HPLC(方法2):保持時間=1.60分
【0163】
以下の化合物(実施例15〜16)を、実施例14と類似の方法により製造した。
[実施例15]
【0164】
【化71】

263734S(487.66)
[M+H]+=488
HPLC(方法2):保持時間=1.60分
[実施例16]
【0165】
【化72】

273934S(501.68)
[M+H]+=502
HPLC(方法2):保持時間=1.53分
[実施例17]
【0166】
【化73】

【0167】
17a)
【0168】
【化74】

4.50g(19.17mmol)の上記1aの生成物、1.69g(21.10mmol)のN−メチルアミノエタノール(BASF)、6.68mL(47.90mmol)のトリエチルアミン、及び150mLのジクロロメタンの混合物を、周囲温度で一晩攪拌する。その後、その反応混合溶液を0.5MのHCl、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。
1219NO4S(273.35)
[M+H]+=274
TLC:シリカゲル、ジクロロメタン/エタノール 19:1、Rf値=0.43
【0169】
17b)
【0170】
【化75】

5.15g(18.84mmol)の前記17aの生成物、1.75g(6.60mmol)のテトラブチルアンモニウムクロリド(Fluka)及び80mLのトルエンの混合物を、0℃で最初に100mLの35%水酸化ナトリウム溶液と混合し、その後に20mLのトルエン中の4.18mL(28.26mmol)のtert−ブチルブロモアセタートと混合する。その後、その反応混合溶液を周囲温度で1.5時間攪拌し、ジエチルエーテルで希釈する。相分離した後、有機相を中性になるまで水で4度洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。このようにして得られた粗生成物を、シリカゲルを介してカラムクロマトグラフィにより精製する(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル 4:1)。
1829NO6S(387.49)
[M+H]+=388
TLC:シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 7:3、Rf値=0.59
【0171】
17c)
【0172】
【化76】

6.80g(17.55mmol)の前記17bの生成物、8mLのTFA及び100mLのジクロロメタンの混合物を、周囲温度で2.5時間攪拌する。その後、その反応混合溶液を真空で蒸発乾固する。その残渣を1Mの水酸化ナトリウム溶液と混合し、酢酸エチルで二度抽出する(有機抽出物を捨てる)。水相を2MのHClで酸性化した後、再度酢酸エチルで2度抽出する。その有機抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。
1421NO6S(331.29)
[M+H]+=332
HPLC(方法3):保持時間=3.4分
【0173】
17d)
【0174】
【化77】

実施例17の化合物は、10mLのDMF中の、0.10g(0.30mmol)の前記17cの生成物、0.43g(2.44mmol)の前記13aの生成物、1.0mL(7.19mmol)のトリエチルアミン及び0.50g(1.56mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
253535S(489.63)
[M+H]+=490
HPLC(方法4):保持時間=1.50分
[実施例18]
【0175】
【化78】

実施例18の化合物は、5mLのDMF中の、0.10g(0.30mmol)の前記17cの生成物、0.07g(0.36mmol)の前記14cの生成物、0.06mL(0.60mmol)のトリエチルアミン及び0.12g(0.36mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
263735S×HCl(540.12)
[M+H]+=504
HPLC(方法4):保持時間=1.50分
【0176】
以下の化合物(実施例19〜20)を、実施例18と類似の方法により製造した。
[実施例19]
【0177】
【化79】

273935S(517.68)
[M+H]+=518
HPLC(方法4):保持時間=1.50分
[実施例20]
【0178】
【化80】

273935S×HCl(554.14)
[M+H]+=518
HPLC(方法4):保持時間=1.56分
[実施例21]
【0179】
【化81】

【0180】
21a)
【0181】
【化82】

0.20g(1.00mmol)の(S)−3−アミノ−1−N−Boc−ピペリジン(Arch)、0.08mL(1.47mmol)の酢酸、0.11g(1.00mmol)のN−メチル−4−ピペリドン(Aldrich)及び1.9mLのジクロロメタンの混合物を、周囲温度で20分間攪拌する。その後、その反応混合溶液を0.30g(1.43mmol)のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドと混合し、周囲温度で一晩攪拌する。その後、その反応混合溶液を飽和炭酸カリウム溶液でクエンチし、相分離を行う。水相をジクロロメタンで2度抽出する。混合有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。
163132(297.44)
[M+H]+=298
【0182】
21b)
【0183】
【化83】

0.30g(1.02mmol)の前記21aの生成物、0.57mL(4.09mmol)のトリエチルアミン及び7.5mLのジクロロメタンの混合物を、氷浴中で冷やしながら、0.22mL(1.23mmol)のベンジルクロロホルマート95%と混合する。その後、その反応混合溶液を周囲温度で4時間攪拌する。その後、その溶液を水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。このようにして得られた粗生成物を、シリカゲルを介してカラムクロマトグラフィにより精製する(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア 9:1:0.1)。
243734(431.57)
[M+H]+=432
【0184】
21c)
【0185】
【化84】

0.15g(0.35mmol)の前記21bの生成物、ジオキサン中の2.30mL(9.18mmol)のHCl・4M、及び1mLのメタノールの混合物を、周囲温度で一晩攪拌する。その後、その反応混合溶液を真空で蒸発乾固する。
192932×2HCl(404.38)
[M+H]+=332
【0186】
21d)
【0187】
【化85】

21dの化合物は、4mLのTHF中の、0.10g(0.30mmol)の前記17cの生成物、0.13g(0.30mmol)の前記21cの生成物、0.17mL(1.21mmol)のトリエチルアミン及び0.10g(0.30mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
334847S(644.82)
[M+H]+=645
【0188】
21e)
【0189】
【化86】

0.13g(0.20mmol)の前記21dの生成物、20mgのチャコール上パラジウム10%、及び50mLのメタノールの混合物を、周囲温度で18時間、オートクレーブ内で水素化する。その後、触媒をろ別し、ろ液を真空で蒸発乾固する。
254245S(510.69)
[M+H]+=511
HPLC(方法4):保持時間=1.38分
【0190】
以下の化合物(実施例22〜23)を、実施例21と類似の方法により製造した。
[実施例22]
【0191】
【化87】

254245S(510.69)
[M+H]+=511
HPLC(方法4):保持時間=1.36分
[実施例23]
【0192】
【化88】

264445S×2HCl(597.64)
[M+H]+=525
HPLC(方法4):保持時間=1.14分
[実施例24]
【0193】
【化89】

【0194】
24a)
【0195】
【化90】

1.70g(44.80mmol)の水素化アルミニウムリチウム及び30mLのTHFの混合物を、30mLのTHF中の1.69g(7.97mmol)の(4−メチルピペラジン−1−イル)−ピペリジン−3−イル−メタノン(Bioorg.Med.Chem.Lett.16,2006,204−207に類似)と65℃でゆっくりと混合する。その後、その反応混合溶液を65℃で3時間、及び周囲温度で一晩攪拌する。その後、その反応混合溶液を、氷浴中で冷やしながら、水及び1Mの水酸化ナトリウム溶液で慎重に加水分解し、セリット(Celite)を介してろ過する。ろ液を真空で蒸発乾固する。
11233(197.32)
[M+H]+=198
【0196】
24b)
【0197】
【化91】

実施例24の化合物は、15mLのDMF中の、0.34g(1.02mmol)の前記17cの生成物、0.21g(1.06mmol)の前記24aの生成物、0.35mL(2.54mmol)のトリエチルアミン及び0.39g(1.22mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
254245S×2HCl(583.61)
[M+H]+=511
HPLC(方法4):保持時間=1.40分
【0198】
以下の化合物(実施例25)を、実施例24と類似の方法により製造した。
[実施例25]
【0199】
【化92】

254245S×2HCl(583.61)
[M+H]+=511
HPLC(方法4):保持時間=1.39分
[実施例26]
【0200】
【化93】

【0201】
26a)
【0202】
【化94】

26aの化合物は、20mLのDMF中の、0.99g(3.00mmol)の前記17cの生成物、0.64g(3.00mmol)のtert−ブチル(3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロール[3,4−b]ピロール−5−カルボキシラート(エナミン)、1.29mL(7.50mmol)のDIPEA及び1.00g(3.00mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
253937S(525.66)
HPLC(方法2):保持時間=2.36分
【0203】
26b)
【0204】
【化95】

26bの化合物は、1.50g(2.85mmol)の前記26aの生成物、12mLのTFA及び12mLのジクロロメタンから、前記「14b」と類似の方法により製造する。
203135S(425.54)
[M+H]+=426
HPLC(方法2):保持時間=1.40分
【0205】
26c)
【0206】
【化96】

実施例26の化合物は、0.21g(0.50mmol)の前記26bの生成物、82mg(0.50mmol)の1−メチルピペリジン−4−カルバルデヒドヒドロクロリド(Chembridge)、0.16g(0.75mmol)のナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、0.06mL(1.00mmol)の酢酸及び7mLのTHFから、前記「1e」と類似の方法により製造する。
274445S×2C2HF32(764.77)
[M+H]+=537
HPLC(方法2):保持時間=1.32分
【0207】
以下の化合物(実施例27〜35)を、実施例26と類似の方法により製造した。
[実施例27]
【0208】
【化97】

264245S×2C2HF32(750.75)
[M+H]+=523
HPLC(方法2):保持時間=1.30分
[実施例28]
【0209】
【化98】

264245S×2HCl(595.62)
[M+H]+=523
HPLC(方法2):保持時間=1.22分
[実施例29]
【0210】
【化99】

274445S×2C2HF32(764.77)
[M+H]+=537
HPLC(方法2):保持時間=1.27分
[実施例30]
【0211】
【化100】

264245S×2C2HF32(750.75)
[M+H]+=523
HPLC(方法2):保持時間=1.24分
[実施例31]
【0212】
【化101】

274445S×CH22(582.75)
[M+H]+=537
HPLC(方法2):保持時間=1.29分
[実施例32]
【0213】
【化102】

274246S×C2HF32(664.74)
[M+H]+=551
HPLC(方法x):保持時間=?分
[実施例33]
【0214】
【化103】

264046S×C2HF32(650.71)
[M+H]+=537
HPLC(方法x):保持時間=?分
[実施例34]
【0215】
【化104】

274246S(550.71)
[M+H]+=551
HPLC(方法x):保持時間=?分
[実施例35]
【0216】
【化105】

264156S(551.70)
[M+H]+=552
HPLC(方法x):保持時間=?分
[実施例36]
【0217】
【化106】

【0218】
36a)
【0219】
【化107】

1.65g(7.05mmol)の前記1aの生成物、0.98g(7.05mmol)のサルコシンメチルエステル塩酸塩(Fluka)及び50mLのピリジンの混合物を、周囲温度で1時間攪拌する。その後、その反応混合溶液を真空で蒸発乾固する。その後、残渣を1MのHClに加えて、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発乾固する。
1319NO5S(301.36)
[M+H]+=302
【0220】
36b)
【0221】
【化108】

1.90g(6.29mmol)の前記36aの生成物、6.45mL(12.90mmol)の2M・水酸化ナトリウム溶液、及び9mLのメタノールの混合物を、周囲温度で3日間攪拌する。メタノールを真空除去し、水性残渣を1M・HClに注ぐ。形成された析出物をろ別し、真空乾燥器中で一晩乾燥する。
1217NO5S(287.33)
[M+H]+=288
【0222】
36c)
【0223】
【化109】

36cの化合物は、5mLのTHF中の、0.20g(0.70mmol)の前記36bの生成物、0.087g(0.70mmol)のグリシンメチルエステル塩酸塩(Aldrich)、0.29mL(2.09mmol)のトリエチルアミン及び0.22g(0.70mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
152226S(358.41)
[M+H]+=359
HPLC(方法5):保持時間=1.72分
【0224】
36d)
【0225】
【化110】

36dの化合物は、1mLのメタノール中の、0.23g(0.63mmol)の前記36cの生成物及び0.64mL(1.29mmol)の2M・塩化ナトリウム溶液から、前記36bと類似の方法により製造する。
142026S(344.38)
[M+H]+=345
【0226】
36e)
【0227】
【化111】

実施例36の化合物は、5mLのDMF中の、0.10g(0.29mmol)の前記36dの生成物、0.07g(0.35mmol)の前記14cの生成物、59μL(0.58mmol)のトリエチルアミン及び0.11g(0.35mmol)のTBTUから、前記「1g」と類似の方法により製造する。
263645S×HCl(553.11)
[M+H]+=517
HPLC(方法4):保持時間=1.46分
【0228】
以下の化合物(実施例37〜39)を、実施例36と類似の方法により製造した。
[実施例37]
【0229】
【化112】

273845S×HCl(567.14)
[M+H]+=531
HPLC(方法4):保持時間=1.54分
[実施例38]
【0230】
【化113】

263645S×HCl(553.11)
[M+H]+=517
HPLC(方法5):保持時間=1.73分
[実施例39]
【0231】
【化114】

273845S(530.68)
[M+H]+=531
HPLC(方法4):保持時間=1.49分
【0232】
以下の実施例では、一般式Iのあらゆる所望の化合物を活性物質として有する医薬製剤を記載する。
[実施例I]
・10mL当たり75mgの活性化合物を有する乾燥アンプル
組成:
活性化合物 75.0mg
マンニトール 50.0mg
注射用水 ad10.0mL
製造:
活性化合物及びマンニトールを水に溶解する。これらを詰めたアンプルを凍結乾燥する。注射用水を用いて溶解し、使用できる状態の溶液を得る。
【0233】
[実施例II]
・50mgの活性化合物を有する錠剤
組成:
(1)活性化合物 50.0mg
(2)ラクトース 98.0mg
(3)トウモロコシでんぷん 50.0mg
(4)ポリビニルピロリドン 15.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
215.0mg
【0234】
製造:
上記(1)、(2)及び(3)を混合し、(4)の水溶液を用いて粒状化する。その乾燥顆粒に上記(5)を混ぜる。この混合物と、両側に斜角を有し片側に分割溝を有する2平面とから、錠剤を固める。
錠剤の直径:9mm。
【0235】
[実施例III]
・350mgの活性化合物を有する錠剤
組成:
(1)活性化合物 350.0mg
(2)ラクトース 136.0mg
(3)トウモロコシでんぷん 80.0mg
(4)ポリビニルピロリドン 30.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 4.0mg
600.0mg
【0236】
製造:
上記(1)、(2)及び(3)を混合し、(4)の水溶液を用いて粒状化する。その乾燥顆粒に上記(5)を混ぜる。この混合物と、両側に斜角を有し片側に分割溝を有する2平面とから、錠剤を固める。
錠剤の直径:12mm。
【0237】
[実施例IV]
・50mgの活性化合物を有するカプセル
組成:
(1)活性化合物 50.0mg
(2)乾燥トウモロコシでんぷん 58.0mg
(3)粉末ラクトース 50.0mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
160.0mg
【0238】
製造:
上記(1)を(3)を用いて粉状化する。粉末化したものを、上記(2)及び(4)の混合物に勢いよく混ぜ合わせながら添加する。
この粉末混合物を、カプセル充填機内で、サイズ3の硬質ゼラチンのツーピースカプセルの中に詰める。
【0239】
[実施例V]
・350mgの活性化合物を有するカプセル
組成:
(1)活性化合物 350.0mg
(2)乾燥トウモロコシでんぷん 46.0mg
(3)粉末ラクトース 30.0mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 4.0mg
430.0mg
【0240】
製造:
上記(1)を(3)を用いて粉状化する。粉末化したものを、上記(2)及び(4)の混合物に勢いよく混ぜ合わせながら添加する。
この粉末混合物を、カプセル充填機内で、サイズ0の硬質ゼラチンのツーピースカプセルの中に詰める。
【0241】
[実施例VI]
・100mgの活性化合物を有する坐薬
1個の坐薬は以下のものを含む:
活性化合物 100.0mg
ポリエチレングリコール(M.W.1500) 600.0mg
ポリエチレングリコール(M.W.6000) 460.0mg
ポリエチレンソルビタンモノステアラート 840.0mg
2000.0mg

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩:
【化1】

式中、Aは以下のa)〜f)のいずれかを表し、
a)結合、
b)C1-4アルキレン基、
c)−N(R2)−、
d)−C(O)−、
e)飽和5又は6員環のアザへテロ環基、又は
f)飽和6又は7員環のジアザへテロ環基;
Yは、R2基で置換されていてもよいC1-6アルキレン基を表し、該アルキレン基に含まれるメチレン基がさらにY1に取って換えられていてもよく;
1は、−O−、−S−、−S(O)−、−N(R2)−、−N(R2)−C(O)−、−C(O)−N(R2)−、−C(O)−、−CH(アリール)−、又は−S(O)2−を表し;
1は以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)アリール基、又は
b)へテロアリール基
前記アリール基及びヘテロアリール基は、それぞれ1、2、3又は4個のR1.1基で置換されていてもよく、複数のR1.1基は同一であっても異なっていてもよく;
1.1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-3アルキル基、CF3基、水酸基、C1-3アルキル−O−、又はC1-3アルキル−O−C2-4アルキレン−O−を表し;
2は以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)水素原子、又は
b)C1-3アルキル基であって、該アルキル基中の各メチレン基は2個以下のフッ素原子で置換されていてもよく、各メチル基は3個以下のフッ素原子で置換されていてもよい;
3は、以下のa)〜c)のいずれかを表し、
a)下記の中から選択される飽和4〜7員環のアザヘテロ環基、
【化2】

b)単不飽和5〜7員環のアザヘテロ環基であって、オレフィン二重結合がR3.1と縮合したアザヘテロ環基、又は
c)飽和8〜10員環のジアザ−ヘテロ二環基;
3.1は、フェニル基又はピリジル基を表し、
炭素骨格中のR3.1基は、さらに1、2又は3個の同一の又は異なるR3.1.1基で置換されていてもよく;
3.1.1は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CH3基、CF3基を表し;
4は以下のa)〜f)のいずれかを表し、
a)結合、
b)C1-3アルキレン基、
c)C3-6シクロアルキレン基、
d)飽和4〜7員環のアザヘテロ環基、
e)飽和6〜7員環のジアザヘテロ環基、又は
f)飽和9〜11員環のジアザ−スピロ環;
5は以下のa)〜e)のいずれかを表し、
a)R5.1で置換されたC1-4アルキル基、
b)NH2基、
c)C1-4アルキル−NH−、
d)(C1-4アルキル)2N−、又は
e)飽和4〜6員環のアザヘテロ環基;
5.1は、水素原子、(C1-4アルキル)2N基、又は飽和4〜6員環のアザヘテロ環基を表す。
【請求項2】
A、Y、R2、R3、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
1が、いずれの場合も1、2、3又は4個のR1.1基で置換されたアリール基を表し、複数のR1.1基は同一であっても異なっていてもよく;
1.1が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-3アルキル基、CF3基、水酸基、C1-3アルキル−O−、又はC1-3アルキル−O−C2-4アルキレン−O−を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【請求項3】
A、Y、R2、R3、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
1が下記から選択される基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化3】

【請求項4】
A、Y、R2、R3、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり、
1が下記の基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化4】

【請求項5】
A、Y、R1、R3、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
2が以下のa)〜b):
a)水素原子、又は
b)CH3基、
のいずれかを表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【請求項6】
A、R1、R2、R3、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
Yが、C1-4アルキレン基又は下記から選択される基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化5】

【請求項7】
A、R1、R2、R3、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
Yが下記から選択される基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化6】

【請求項8】
A、Y、R1、R2、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
3が下記の中から選択される飽和4〜7員環のアザヘテロ環基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化7】

【請求項9】
A、Y、R1、R2、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
3が、単不飽和5〜7員環のアザヘテロ環基であって、オレフィン二重結合が下記から選択されるフェニル基又はピリジル基と縮合しているアザヘテロ環基を表し;
【化8】

3.1.1が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CH3基、CF3基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【請求項10】
A、Y、R1、R2、R4及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
3が、下記の中から選択される飽和8〜10員環のジアザ−ヘテロ二環基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化9】

【請求項11】
A、Y、R1、R2、R3及びR5が請求項1記載の定義と同じであり、R4が結合を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【請求項12】
A、Y、R1、R2、R3及びR5が請求項1記載の定義と同じであり、R4がC1-3アルキレン基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【請求項13】
A、Y、R1、R2、R3及びR5が請求項1記載の定義と同じであり、R4がC3-6シクロアルキレン基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【請求項14】
A、Y、R1、R2、R3及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
4が、下記の中から選択される飽和4〜7員環のアザヘテロ環基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化10】

【請求項15】
A、Y、R1、R2、R3及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
4が、下記の中から選択される飽和6〜7員環のジアザヘテロ環基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化11】

【請求項16】
A、Y、R1、R2、R3及びR5が請求項1記載の定義と同じであり;
4が、下記から選択される飽和9〜11員環のジアザ−スピロ環を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化12】

【請求項17】
Aが、以下のa)〜e)のいずれかを表し、
a)結合、
b)C1-4アルキレン基、
c)−N(R2)−、
d)−C(O)−、又は
e)下記の中から選択されるヘテロ環基;
【化13】

Yが、C1-4アルキレン基又は下記から選択される基を表し;
【化14】

1が、下記から選択される基を表し;
【化15】

2が以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)水素原子、又は
b)CH3基;
3が、下記から選択される基を表し、
【化16】

3.1.1が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CH3基、CF3基を表し;
4が以下のa)〜c)のいずれかを表し、
a)結合、
b)−CH2−若しくは−(CH22−、又は
c)下記から選択される基;
【化17】

5がC1-4アルキル基を表し、あるいは、
5が下記から選択される基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化18】

【請求項18】
Aが以下のa)〜e)のいずれかを表し、
a)結合、
b)−CH2−若しくは−(CH22−、
c)−N(R2)−、
d)−C(O)−、又は
e)下記の中から選択されるヘテロ環基;
【化19】

Yが、下記から選択される基を表し;
【化20】

1が下記の基を表し;
【化21】


2が以下のa)〜b)のいずれかを表し、
a)水素原子、又は
b)CH3基;
3が、下記から選択される基を表し;
【化22】

4が以下のa)〜c)のいずれかを表し、
a)結合、
b)−CH2−若しくは−(CH22−、又は
c)下記から選択される基;
【化23】

5が下記から選択される基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化24】

【請求項19】
請求項1に記載の一般式Iの以下の化合物、その鏡像異性体、そのジアステレオマー、それらの混合物、及びそれらの塩、特にそれらと有機若しくは無機の酸若しくは塩基との生理学的に許容できる塩。
【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物と、無機若しくは有機の酸若しくは塩基との、生理学的に許容できる塩。
【請求項21】
請求項1〜19の少なくとも1項に記載の化合物又は請求項20に記載の生理学的に許容できる塩を含み、更に任意に1又は複数の不活性担体及び/又は希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項22】
請求項1〜20の少なくとも1項に記載の化合物の、急性痛、内臓痛、神経障害痛、炎症性/痛覚受容体介在性の痛み、腫瘍痛、及び頭痛疾患の急性及び予防治療用医薬組成物を製造するための使用。
【請求項23】
請求項1〜20の少なくとも1項に記載の化合物を1又は複数の不活性担体及び/又は希釈剤に組み込むことを特徴とする、請求項21に記載の医薬組成物の製造方法。

【公表番号】特表2010−534218(P2010−534218A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517391(P2010−517391)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059622
【国際公開番号】WO2009/013299
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】