説明

新規ベンゾイミダゾール及びイミダゾピリジン誘導体並びにこれらの医薬としての使用

本発明は、メラノコルチン受容体のある種のサブタイプ、特にMC4受容体に対して良好な親和性を有する新規ベンゾイミダゾール及びイミダゾピリジン誘導体に関する。これら誘導体は、1種又はそれ以上のメラノコルチン受容体が関与する病的状態及び病気を治療するのに特に有用である。また、本発明は前記の化合物を含有する医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、新規ベンゾイミダゾール及びイミダゾピリジン誘導体である。これらの化合物は、メラノコルチン受容体のある種のサブタイプ、特にMC4受容体に対して良好な親和性を有する。これらの化合物は、1種又はそれ以上のメラノコルチン受容体が関与する病的状態及び病気を治療するのに特に有用である。本発明はまた、前記の化合物を含有する医薬組成物及びその医薬を製造するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
メラノコルチン類とは、その前駆物質、プロオピオメラノコルチン(POMC)から誘導され且つ構造上類似している一群のペプチド:副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)、β−MSH及びγ−MSHを表す(Eipper B.A. and Mains R.E., Endocr. Rev., 1980, 1, 1-27)。メラノコルチン類は、多数の生理学的機能を果たす。メラノコルチン類は、副腎皮質によるステロイド類の合成やメラニン細胞によるユーメラニンの合成を促進する。メラノコルチン類は、食物摂取、エネルギー代謝、性機能、神経再生、血圧及び心拍数、並びに痛みの認識、学習、注意及び記憶を調節する。メラノコルチン類はまた、抗炎症性及び解熱性を有し且つ数種の内分泌腺又は該分泌腺、例えば皮脂腺、涙腺及び乳腺、前立腺及び膵臓の分泌を調節する (Wikberg J.E. et al., Pharmacol. Res., 2000, 42, 393-420; Abdel-MaIek Z.A., Cell Mol. Life. Sci., 2001, 58, 434-441)。
【0003】
メラノコルチン類の効果は、7回貫膜ドメインに特異的であり且つGタンパク質に連結された膜受容体のファミリーを介する。MC1〜MC5と命名された5種類の受容体のサブタイプが、これまでクローン化され、特定されている。これらの受容体は、その組織分布及び種々のメラノコルチン類の親和性において異なり、MC2受容体だけがACTHを認識する。メラノコルチン受容体の刺激は、サイクリックAMPの産生と共にアデニール酸シクラーゼを活性化する。前記受容体のそれぞれの具体的な機能的役割が全く解明されていない場合には、病的状態及び疾患又は病気の治療は、受容体のある種のサブタイプに対する親和性と関係し得る。従って、MC1受容体の活性化は、炎症の治療に関係しており、炎症の阻止は皮膚癌の治療に関係している。栄養障害の治療は、MC3及びMC4受容体に関係しており、アゴニストを用いた肥満症の治療並びにアンタゴニストを用いた悪液質及び食欲不振症の治療もMC3及びMC4受容体に関係している。MC3及びMC4受容体の活性化と関係があるその他のインディケーション(indications)は、性行為、神経障害性疼痛、不安、鬱病及び薬物嗜癖に関連する問題である。MC5受容体の活性化は、座瘡及び皮膚疾患の治療に関係している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、以下に記載の一般式(I)で示される新規化合物がメラノコルチン受容体に対して良好な親和性をもつことを知見した。この新規化合物は、好ましくはMC4受容体に作用する。前記の化合物、すなわちメラノコルチン受容体のアゴニスト又はアンタゴニストは、1種又はそれ以上のメラノコルチン受容体が関与する代謝の病的状態又は病気、神経系の病的状態又は病気あるいは皮膚疾患、例えば次の例:炎症状態、エネルギーホメオスタシス障害、食物摂取障害、体重障害(肥満症、悪液質、食欲不振症)、性行為障害(勃起障害)、疼痛、特に神経障害性疼痛の治療に使用できる。また、精神衛生病(不安、鬱病)、薬物嗜癖、皮膚病(座瘡、皮膚疾患、皮膚癌、メラノーマ)も挙げることができる。また、これらの化合物は神経再生を促進するのにも使用することができる。
【0005】
従って、本発明の主題は、ラセミ形、鏡像異性体形又はこれらの形の組合せの一般式(I)

{式中、Aは−CH−、−C(O)−、−C(O)−C(R)(R)−を表し;
Xは−CH−又は−N−を表し;
及びRは、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
は水素原子;場合によりヒドロキシ基又は1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは式−(CH)−Xで示される基を表し;
は場合によりヒドロキシ基又は1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは
式−(CH)−Xで示される基を表し;
それぞれのXは、独立して、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アダマンチル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基、ニトロ基、シアノ基及びアリール基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−又は共有結合を表し;
は場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
nは0〜6の整数を表し且つn´は0〜2の整数を表す(但し、nが0である場合には、Xはアルコキシ基を表さないものと解釈される)〕;
あるいはR及びRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、ヘテロシクロアルキル基及び−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びYは独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロビシクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を形成するか;あるいはR及びRは一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
は−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z又は
−C(O)−Z´を表し;
Z3及びR´Z3は、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
はZ3a 、Z3b 、Z3c 、Z3d又はZ3eを表し;
3aは(C〜C)アルキル基を表し;
3bは(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基、(C〜C)アルキルアミノ基又はジ[(C〜C)アルキル]アミノ基を表し;
3cはアリール基又はヘテロアリール基を表し;
3dは(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基、(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し;
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、場合によりハロ基;ニトロ基;1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ基;1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルキル-カルボニル基;(C〜C)アルコキシ-カルボニル基;アミノ-カルボニル基;(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基;ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基及びオキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合によりハロ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、オキシ基、(C〜C)アルコキシカルボニル-(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、−SO−NR3132 、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基又は−(CH)p´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
31及びR32は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成し;
は−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−SO−、−SONH−、−NR´−SO−、−NR´−、−NR´−C(O)−、
−C(O)−NR´−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
は水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;場合によりハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基;あるいは場合によりハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール-(C〜C)アルキル基を表す〕;
3eは式

で示される基を表し;
Z´は場合によりハロ基、ニトロ基及び−(CH)p″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
V´は−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
Y´は水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´は水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
pは1〜4の整数を表し;p´及びp"は独立して0〜4の整数を表し;
は式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´はグアニジン基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はアラルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基;又は式−NWW´で示される基を表し;
は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´は式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
は水素原子;場合により(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基及びヒドロキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なる(C〜C)アルキル置換基で置換されていてもよい(C〜C)シクロアルキル基;シクロヘキセン基;ヘテロアリール基及びアリール基を表し;
〔但し、前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合により
式−(CH)s″−V−Y 、ヒドロキシ基、ハロ基、ニトロ基及びシアノ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−、−NH−C(O)−、−NV´−又は共有結合を表し;
は水素原子を表すか又は場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
´は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
s"は0〜4の整数を表す〕;
あるいはZは式

で示される基を表し;
s及びs´は、独立して、0〜6の整数を表し;
且つ i)Rが−C(O)−Z´を表し、Rが式−(CH)−NWW´で示される基を表し且つW及びW´が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す場合には、−(CH)はエチレン基又は−(CH)−CH[(C〜C)アルキル]−基を表さないものとし、またii)Rが−Z3cを表し且つZ3cがフェニル基又はナフチル基を表す場合には、フェニル基及びナフチル基はシアノ基で置換されていないものであり;且つRが−Z3dを表す場合には、Z3dは1個の(C〜C)シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基のみを表すと解釈される}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩である。
【0006】
前記に示した定義において、ハロ基という表現はフルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基、好ましくはクロロ基、フルオロ基又はブロモ基を表す。アルキル基という表現(特に明記しない限りは)、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基、ペンチル基又はアミル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基又は1,2,2−トリメチルプロピル基を表す。(C〜C)アルキル基という用語は、1〜8個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキル基、例えば前記で定義したような1〜6個の炭素原子を有する基、その他にヘプチル基、オクチル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基を示す。ヒドロキシアルキル基という用語は、そのアルキル基が前記で定義した通りである基、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基を示す。ヒドロキシ基で置換されたアルキル基という表現は、鎖に沿って置かれたヒドロキシ基を含有する線状又は分岐アルキル基を意味する;すなわち炭素原子3個とヒドロキシ基1個を含有する鎖については、例としてHO−(CH)−、
CH−CH(OH)−CH−及びCH−CH−CH(OH)−を挙げることができる。
【0007】
アルケニル基とは、特に明記しない限りは、1〜6個の炭素原子を有し且つ少なくとも1個の不飽和結合(二重結合)を有する線状又は分岐アルキル基、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基又はペンテニル基を意味する。
【0008】
アルコキシ基という用語は、そのアルキル基が前記で定義した通りである基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基又はイソプロピルオキシ基、その他に線状、第二級又は第三級ブトキシ基、ペンチルオキシ基を示す。アルコキシカルボニル基という用語は、好ましくは、そのアルキル基が前記で定義した通りである基、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基を示す。アルキルチオ基という用語は、そのアルキル基が前記で定義した通りである基、例えばメチルチオ基又はエチルチオ基を示す。グアニジン基という用語は−NHC(=NH)NH基を表す。
【0009】
(C〜C)シクロアルキル基という用語は、3〜7個の炭素原子から構成される飽和炭素単環系、好ましくはシクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロヘキシル環又はシクロヘプチル環を示す。ヘテロシクロアルキル基という表現は、2〜9個の炭素原子と少なくとも1個の異種原子を含有する縮合単環式又は二環式飽和系を示す。この基は、数個の同一又は異なる異種原子を含有することができる。好ましくは、異種原子は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される。ヘテロシクロアルキル基の例としては、少なくとも1個の窒素原子を含有する環、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、イソチアゾリジン、チアゾリジン、イソオキサゾリジン、オキサゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン(アザシクロヘプタン)、アザシクロオクタン、ジアゼパン、モルホリン、デカヒドロイソキノリン(又はデカヒドロキノリン)、その他に窒素原子を含有しない環、例えばテトラヒドロフラン又はテトラヒドロチオフェンを挙げ得る。オキシ基で置換されたシクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基の例としては、例えば、ピロリジノン及びイミダゾリジノンを挙げることができる。
【0010】
ヘテロビシクロアルキル基という用語は、5〜8個の炭素原子を含有し且つ酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される少なくとも1個の異種原子を含有する非縮合飽和炭化水素二環式系を示す。ヘテロビシクロアルキル基の例としては、アザ-ビシクロヘプタン及びアザ−ビシクロオクタン、例えば7−アザ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−アザ−ビシクロ[2,2,2]オクタン又は6−アザ−ビシクロ[3,2,1]オクタンを挙げることができる。
【0011】
アリール基という表現は、環又は縮合環によって構成される芳香族基、例えば、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基又はアントリル基を表す。ヘテロアリール基という表現は、1個の環又は縮合した複数の環によって構成され、少なくとも1個の環が硫黄原子、窒素原子又は酸素原子から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる異種原子を含有するものである芳香族基を示す。ヘテロアリール基の例としては、少なくとも1個の窒素原子を含有する基、例えばピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、チアゾアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、インドリル基、ジヒドロインドリル基、ベンゾオキサジアゾイル基、カルバゾリル基、フェノキサジニル基、その他に窒素原子を含有しない基、例えばチエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ジヒドロベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、チオキサンテニル基又はピラニル基を挙げることができる。アラルキル(すなわちアリールアルキル)基という用語は、好ましくは、そのアリール基及びアルキル基が前記で定義した通りである基、例えばベンジル基又はフェネチル基を示す。オキシ基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基の例としては、例えばフルオレノン、アクリドン、キサンテノン、ベンゾチエニル-ジオン、アントラキノン、チオキサンテン、ベンゾクマリンを挙げることができる。
【0012】
本出願において、(CH)基(整数iは前記のn、n´、p、p´、p″、s、s´及びs″を表すことができる)は、i個の炭素原子を有する線状又は分岐炭化水素鎖を表す。従って、−(CH)基は、−CH−CH−CH−、−CH(CH)−CH−、
−CH−CH(CH)−又は−C(CH)−を表すことができる。
【0013】
本出願によれば、基が式−B−D−Eを有し、Dが例えば−C(O)−NH−を表す場合には、これは−C(O)−NH−の炭素原子がBに結合され且つ窒素原子がEに結合されることを意味する。
【0014】
好ましくは、本発明は、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表すことを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0015】
好ましくは、本発明は、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し且つAが−CHを表し、さらに具体的には
及びRが、独立して(C〜C)アルキル基を表し;
が−Z3c、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3c 、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3d
−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z3dを表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表し;
好ましくは、
R´で示されるヘテロシクロアルキル基がピペリジン環を表し;
Z3及びR´Z3が水素原子を表し;
3cがチエニル基、フリル基又はフェニル基を表し、
前記フェニル基がハロ基及び−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されているものであり;
が−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
R´が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基又はヘテロシクロアルキル基を表し、好ましくはヘテロシクロアルキル基はイミダゾリジンである;
ことを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0016】
好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し且つAが−C(O)−C(R)(R)−を表し、Ra及びRbがメチル基を表し;さらに具体的には
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
が−Z3c、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3c 、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3d 又は
−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z3dを表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子、フェニル基又はヘテロアリール基を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表し;
好ましくは、
Z3及びR´Z3が、独立して、水素原子を表し;
3cが場合により(C〜C)アルコキシ-カルボニル基で置換されていてもよいチエニル基を表すか;あるいはハロ基、ニトロ基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されたフェニル基を表し;
が−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基を表し;
R´で示されるヘテロシクロアルキル基がピペリジンであり;
で示されるヘテロアリール基がピリジンである;
ことを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0017】
好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し且つAが−C(O)−を表すものであり、さらに詳しくは、
が−C(O)−Z´を表し;
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
Z´が場合によりハロ基、ニトロ基又は−(CH)P″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し;
V´が−O−、−C(O)−O−又は共有結合を表し;
Y´が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
p"が整数0を表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し且つR´が式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−R´で示される基を表し且つZが水素原子を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0018】
好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し且つAが−C(O)−を表し、且つ
が水素原子、場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基、又は式−(CH)−Xで示される基を表し;
が場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基又は式−(CH)−Xで示される基を表し;
それぞれのXが、独立して、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
前記アリール基が、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−又は共有結合を表し;
が場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;あるいはアリール基を表し;
あるいはR及びRが、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、ヘテロシクロアルキル基及び−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びY´は独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基を形成するか;
あるいはR及びRが、一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
が−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−Z又は−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はアラルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基;あるいは式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子、(C〜C)シクロアルキル基又はアリール基を表し;
sが0〜5の整数を表し;s"が0〜4の整数を表す
ものであることを特徴とし、さらに詳しくは、下記の特徴:
・ Xで表される(C〜C)シクロアルキル基がシクロプロピル基であること;
・ Xで表されるアリール基がフェニル基であること;
・ Xで表されるヘテロアリール基がピリジンであること;
・ R及びRがこれらが結合されている窒素原子と一緒になって形成するヘテロシクロアルキル基が、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アザシクロオクタン、モルホリン、ピペラジン及びデカヒドロイソキノリンの中から選択されるものであること;
・ R´で表され且つ場合によって(C〜C)アルキル基又はベンジル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基が、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基又はピペラジニル基の中から選択されるものであること;
・ R´で表されるヘテロアリール基がイミダゾリル基であること;
・ Zで表されるシクロアルキル基がシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基の中から選択されるものであること;
・ Zで表されるアリール基がフェニル基であること;
の少なくとも一つを有するものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0019】
極めて好ましくは、本発明は、前記の式Iで示される化合物であって、Rが式
−(CH)−R´で示される基を表し、R´がピロリジニル基又はピペリジニル基、あるいは式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し、Zが水素原子を表し;
sが2〜4の整数を表し;s"が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0020】
また、極めて好ましくは、本発明は、前記の式Iで示される化合物であって、R及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表すものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0021】
好ましくは、本発明は、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つRが−Zを表し且つZがZ3c 、Z3d又はZ3eを表し;Z3dが(C〜C)シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を表し;
さらに詳しくは、
3cがチエニル基、フリル基、インドリル基、ジヒドロインドリル基、ピリジル基、ベンゾチエニル基及びベンゾフリル基の中から選択されるヘテロアリール基を表すか;又はフェニル基、ナフチル基及びフルオレニルの中から選択されるアリール基を表し;
前記ヘテロアリール基が場合により(C〜C)アルキル-カルボニル基及び(C〜C)アルコキシ-カルボニル基から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
前記アリール基が場合によりハロ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、オキシ基、−SO−NR3132 、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
31及びR32がこれらが結合されている窒素原子と一緒になってピペリジン環を形成し;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−、−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;フェニル基;あるいはベンジル基を表し;
R´が水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
3dがシクロプロピル基、シクロヘキシル基又はピペリジニル基を表し、そのそれぞれが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基で置換されていてもよい;
ものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0022】
好ましくは、本発明は、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つ
が−Zを表し且つZがZ3c 、Z3d又はZ3eを表し;
3dが(C〜C)シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を表し;
さらに詳しくは、
3cがチエニル基、インドリル基及びベンゾチエニル基の中から選択されるヘテロアリール基を表すか;あるいはフェニル基又はナフチル基の中から選択されるアリール基を表し;
前記ヘテロアリール基が場合により1個又はそれ以上のオキシ基で置換されていてもよく;
前記アリール基が場合によりハロ基、ニトロ基、ヘテロアリール基又は
−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;フェニル基;あるいはベンジル基を表し;
R´が水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
3dがシクロプロピル基又はピペリジニル基を表し、そのそれぞれが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基で置換されていてもよいものであり;
好ましくは、
がZ3c又はZ3eを表し;
3cが場合によりニトロ基及び−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;(C〜C)アルキル基;フェニル基;又はベンジル基を表し;
R´が水素原子を表し;
3e

を表すものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0023】
好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、Rが−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3b
3c 、Z3d又はZ3eを表すものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0024】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つRが−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3b又はZ3cを表し;RZ3及びR´Z3が水素原子を表し;
さらに具体的には、
3bが(C〜C)アルコキシ基を表し;
3cがチエニル基、フリル基、ピリジル基、ベンゾチエニル基及びジヒドロベンゾフリル基の中から選択されるヘテロアリール基;あるいはフェニル基及びナフチル基の中から選択されるアリール基を表し;
前記アリール基が場合によりハロ基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表す;
ものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0025】
極めて好ましくは、本発明は、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つ
が−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3b又はZ3cを表し;
さらに詳しくは、
3bが(C〜C)アルコキシ基を表し;
3cがチエニル基、フリル基、ジヒドロベンゾフリル基の中から選択されるヘテロアリール基を表すか;あるいはフェニル基を表し;
前記フェニル基が場合によりハロ基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表し;
好ましくは、
がZ3cを表し;
3cがフリル基又はフェニル基を表し;
前記フェニル基が場合により式−(CH)P´−V−Yで示される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子を表すか;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表す;
ものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0026】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つ
が−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3d又はZ3eを表し;
Z3及びR´Z3が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、(C〜C)シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を表し;
3e

を表し;
さらに詳しくは、
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、シクロヘキシル基又はテトラヒドロフラニル基を表すものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0027】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが
−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つ
が−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3d又はZ3eを表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基を表し;
3e

を表し;
好ましくはZがZ3eを表し;Z3e

を表すものであることを特徴とする記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0028】
好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、Rが−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3b 、3c又はZ3dを表すものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0029】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが
−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つ
が−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3bを表し;
さらに詳しくは、
Z3及びR´Z3が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基又はジ[(C〜C)アルキル]アミノ基を表すものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩塩に関する。
【0030】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが
−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し且つRが−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3bを表し;
さらに詳しくは、
Z3及びR´Z3が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3bが(C〜C)アルコキシ基又は(C〜C)アルキルチオ基を表すものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0031】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つRが−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3c又はZ3dを表し;
さらに詳しく、
Z3及びR´Z3が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3cがインドリル基又はフェニル基を表し;
前記フェニル基が場合により式−(CH)P´−V−Yで示される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−SONH−を表し;
が水素原子;又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基を表すか、あるいは場合によりオキシ基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基、好ましくはピペリジニル基、モルホリニル基、ピロリジン基又はイミダゾリジニル基を表す;
ものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0032】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式Iで示される化合物であって、Xが
−CH−を表し、Aが−C(O)−を表し、且つ
が−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3c又はZ3dを表し;
さらに詳しく、
がZ3dを表し;
Z3及びR´Z3が、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基又はヘテロシクロアルキル基、好ましくは場合によりオキシで置換されていてもよいピロリジン基又はイミダゾリジニル基を表す;
ものであることを特徴とする化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0033】
本出願において、記号 →* は、基の結合点に対応する。結合部位が基について明示されていない場合には、これは 結合が、このような結合についてこの基の利用し得る部位の一つで行われることを意味する。
【0034】
種々の基A、X、R 、R 、R及びRの定義に従って、本発明の化合物は、以下に記載の種々の方法A〜Gに従って液相中で製造することができる。
【0035】
A.反応工程図Aに従った製造
本発明の式(I)で示される化合物であって、Aが−C(O)−を表す場合の化合物は、次の反応工程図Aに従って製造することができる:

反応工程図Aに記載のように、メチル化誘導体(1)(X=Cの誘導体については、市販の化合物;X=Nの誘導体については、6-メチル-3-ニトロ-ピリジン-2-アミンから、Baumgarten et al., J. Am. Chem. Soc., 1952, 74, 3828-3831の方法に従って製造した化合物) を、過マンガン酸カリウム水溶液で100℃の温度で3〜6時間処理することによって(Schmelkes et al., J. Am. Chem. Soc., 1944, 1631の方法に従って)、又は硫酸の存在下でジクロム酸ナトリウム水溶液を用いて20〜90℃の温度で1〜3時間処理することによって(Howes et al., European J. Med. Chem., 1999, 34, 225-234の方法に従って)カルボン酸(2)に酸化することができる。カルボン酸(2)は、不活性有機溶媒、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミド中で、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を用いて又は用いずに、結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)又はカルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下で、第一級又は第二級アミンと周囲温度で3〜24時間結合させて、対応するアミド(3)を製造することができる。弗素化又は塩素化誘導体(3)は、不活性有機溶媒、例えばジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中で、無機塩基、例えば炭酸セシウム又は炭酸カリウムの存在下で、第一級アミンで20〜100℃の温度で2〜48時間処理すると、誘導体(4)をもたらす。化合物(4)のニトロ官能基は、不活性溶媒、例えば酢酸エチル又はジメチルホルムアミド中で、塩化スズ二水塩で60〜80℃の温度で3〜15時間処理することによって還元するか、あるいは不活性溶媒、メタノール、エタノール、酢酸エチル又はこれらの溶媒の混合物中で、10%パラジウム担持炭素の存在下で18〜25℃の温度で2〜8時間接触水素化することにより還元して、ジアニリン(5)が得られる。次いで、誘導体(5)は、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレン又はクロロホルム中で、樹脂に支持された又は支持されていない結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド又はジシクロヘキシルカルボジイミドあるいはN-メチルシクロヘキシルカルボジイミド N-メチルポリスチレン樹脂の存在下で、イソチオシアネートを用いて20〜70℃の温度で2〜72時間処理して、誘導体(6)を得る。別法として、誘導体(5)は、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム又はエタノール中で、イソチオシアネートで20〜80℃の温度で1〜16時間処理し、次いで得られたチオ尿素を、極性溶媒、例えばメタノール又はエタノール中で、触媒量の硫黄の存在下でヨウ化メチル又は黄色酸化水銀(II)で20〜80℃の温度で2〜24時間処理して化合物(6)を得ることができる。化合物(6)は、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって、又は反応混合物に、例えばアミノメチルポリスチレン樹脂などの重合体に担持させた求核試薬及び/又は例えばメチルイソチオシアネート−ポリスチレン樹脂などの重合体に担持させた求電子試薬を加え、次いで濾過し、濾液を蒸発させることによって単離することができる。
【0036】
実施例A1: 4-[(1-(3-アミノプロピル)-6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノカルボニル}-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)アミノ]安息香酸メチル二塩酸塩

工程1: 3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸
水(1L) 中で3-フルオロ-4-ニトロトルエン(10g、1当量)及び過マンガン酸カリウム(25.5 g、2.5当量)の混合物を6時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却した。得られた混合物を、セライトを用いて濾過し、水性相をジエチルエーテル(2×300 ml)で2回洗浄した。水性相を、0℃で濃塩酸水溶液を用いて酸性化し、次いで減圧下で、40℃で約300 mlの容量に濃縮した。生成した沈殿物を濾過し、次いで石油エーテルで洗浄し、乾燥して、予想化合物を白色固体の形で得た(6.9 g;収率58%)。
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 7.93(m, 2H), 8.25(m, 1H), 13.95(m, 1H)。
【0037】
工程2: 3-フルオロ-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド
無水THF(30 ml)に溶解した3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(3.8 g、1当量)に、クロロホルム(25 ml)に溶解した1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-メチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(4.4 g、1.1当量)と、THF(40 ml)に溶解した1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(3.05 g、1.1当量)とを連続して加えた。得られた混合物を約20℃の温度で1時間攪拌し、次いでTHF(30ml)に溶解したジイソアミルアミン(3.6 g、1.1当量)を加えた。約20℃の温度で16時間攪拌した後に、反応混合物を40℃で減圧濃縮した。残留物をジクロロメタン(200 ml)と水(70 ml)とに溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。得られた化合物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 9:1)により精製して、予想化合物を黄色油状物の形で得た(4.3 g;収率65%)。
MS/LC:計算MM=324.4; m/z=325.2(MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.69(m, 6H), 0.93(m, 6H), 1.35-1.60(m, 6H), 3.09(m, 2H), 3.41(m, 2H), 7.38(d, 1H), 7.63(d, 1H), 8.21(t, 1H)。
【0038】
工程3: 3-[(5-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-2-ニトロフェニル)アミノ]プロピルカルバミン酸tert-ブチル
3-フルオロ-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド(1.6 g、1当量)、N-Boc-1,3-ジアミノプロパン(0.9g、1.2当量)及び炭酸カリウム(1.35g、2当量)の混合物をアセトニトリル(80ml)中で、5時間加熱還流し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をジクロロメタン(100 ml)と水(40 ml)とに溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。得られた化合物を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 8:2〜6:4)により精製して、予想化合物を黄色油状物の形で得た(2.2g;収率96%)。
MS/LC:計算MM=478.6; m/z=479.2(MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.68(m, 6H), 0.92(m, 6H), 1.36(s, 9H), 1.31-1.69(m, 8H), 3.0(m, 2H), 3.09(m, 2H), 3.38(m, 4H), 6.53(d, 1H), 6.88(m, 2H), 8.10(d,lH), 8.26(m,lH)。
【0039】
工程4: 3-[(2-アミノ-5-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)アミノ]プロピルカルバミン酸tert-ブチル
酢酸エチル/エタノールの2:1混合物(130 ml)に溶解した3-[(5-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-2-ニトロフェニル)アミノ]プロピルカルバミン酸tert-ブチル(1.65 g)と、10%パラジウム担持炭素 (165 mg)とを、オートクレーブに入れた。水素雰囲気(3バール)下で約20℃の温度で3時間攪拌した後に、セライトを用いて濾過することにより触媒を除去し、濾液を40℃で減圧濃縮して予想化合物を油状物の形で得た(1.35g;収率89%)。
MS/LC:計算MM=448.6; m/z=449.2 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.81(m, 12H), 1.37(s, 9H), 1.32-1.53(m, 6H), 1.70
(m, 2H), 3.0(m, 4H), 3.26(m, 4H), 4.47(m, 1H), 4.79(s, 2H), 6.35-6.51(m, 3H), 6.85(m, 1H)。
【0040】
工程5: 4-[(6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)アミノ]安息香酸メチル
3-[(2-アミノ-5-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)アミノ]プロピルカルバミン酸tert-ブチル(500 mg、1当量)をテトラヒドロフラン(30 ml)に溶解した溶液に、4-メトキシカルボニルフェニルイソチオシアネート(327mg、1.5当量)と、N-メチルシクロヘキシルカルボジイミド-N-メチル-ポリスチレン樹脂(Novabiochem社から入手した;装填量1.9 ミリモル/g;1.75g、3当量)とを連続的に加えた。得られた混合物を17時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、アミノメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem社から入手した、2当量)を加えた。周囲温度で4時間攪拌した後に、ガラス濾過器を用いて混合物を濾過し、濾液を40℃で減圧濃縮した。残留物を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー (溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 1:1) により精製して、予想化合物を白色固体の形で得た(409 mg;収率60%)。
MS/LC:計算MM=607.8; m/z=608.1 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.65-0.90(m, 12H), 1.36(s, 9H), 1.31-1.44(m, 6H), 1.81(m, 2H), 3.0(m, 2H), 3.26-3.39(m, 4H), 3.82(s, 3H), 4.29(m, 2H), 6.95(m, 1H), 7.04(d, 1H), 7.36(s, 1H), 7.44(d, 1H), 7.94(AB, 2H), 8.02(AB, 2H), 9.34(s, 1H)。
【0041】
工程6: 4-[(1-(3-アミノプロピル)-6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)アミノ]安息香酸メチル二塩酸塩
4-[(6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)アミノ]安息香酸メチル(180mg)を酢酸エチル(2ml)に溶解した溶液に、ジオキサンに溶解した塩酸溶液(4N、2ml)を加えた。約20℃の温度で1時間攪拌した後に、混合物を40℃で減圧濃縮した。得られた固体をエチルエーテルで洗浄し、乾燥した(165 mg;収率96%)。
MS/LC:計算MM=507.7; m/z=508.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.63-0.98(m, 12H), 1.45(m, 6H), 2.08(m, 2H), 2.98(m, 2H), 3.12-3.45(m, 4H), 3.85(s, 3H), 4.59(m, 2H), 7.20(d, 1H), 7.46(d, 1H), 7.67(s, 1H), 7.90(m, 2H), 8.01-8.07(m, 5H), 11.08(m, 1H)。
【0042】
実施例A2: 2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1-(3-ピペリジン-1-イルプロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩

工程1: N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロ-3-[(3-ピペリジン-1-イルプロピル)アミノ]ベンズアミド
3-フルオロ-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド (430 mg、1当量、実施例A1に従って製造したもの)、3-ピペリジノ-プロピルアミン(212 mg、1.1当量)及び炭酸カリウム(365 mg、2当量)の混合物を、アセトニトリル(10 ml)中で3時間加熱還流し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(50 ml) と水 (20 ml)とに溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー (溶出液:酢酸エチル 100%) により精製して、予想化合物を黄色油状物の形で得た(460 mg;収率78%)。
MS/LC:計算MM=446.6; m/z=447.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.68(d, 6H), 0.92(d, 6H), 1.31-1.69(m, 12H), 1.74(m, 2H), 2.32(m, 6H), 3.10(m, 2H), 3.38(m, 4H), 6.53(d, 1H), 6.91(m, 1H), 8.09(d, 1H), 8.44(t,1H)。
【0043】
工程2: 2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1-(3-ピペリジン-1-イルプロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩
酢酸エチル/エタノールの2:1混合物(1.5 ml)に溶解したN,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロ-3-[(3-ピペリジン-1-イル-プロピル)アミノ]ベンズアミド(44 mg)と、10%パラジウム担持炭素(5mg)とを、オートクレーブの中に入れた溶血管に導入した。水素雰囲気(3バール)下に約20℃の温度で3時間攪拌した後に、セライトを用いて濾過することにより触媒を除去し、濾液を40℃で減圧濃縮した。このようにして得られ、テトラヒドロフラン(2ml)に溶解したアニリンに、4-アセチルフェニルイソチオシアネート(27mg、1.5当量)と、N-メチルシクロヘキシルカルボジイミド-N-メチル-ポリスチレン樹脂(Novabiochem社から入手した;装填量1.9ミリモル/g;158 mg、3当量)とを連続的に加えた。混合物を18時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、アミノメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem社から入手したもの;2当量)を加えた。周囲温度で4時間攪拌した後に、ガラス濾過器を用いて混合物を濾過し、濾液を40℃で減圧濃縮した。残留物を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:100%ジクロロメタンからジクロロメタン/メタノール 9:1)により精製して、予想化合物を塩基の形で得た。塩化水素のエーテル溶液を加えることによって、対応する塩酸塩を形成した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して予測した二塩酸塩化合物を得た。
MS/LC:計算MM=559.8; m/z=560.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.68(m, 6H), 0.94(m, 6H), 1.31-1.56(m, 6H), 1.57-1.90(m, 6H), 2.28(m, 2H), 2.60(s, 3H), 2.86(m, 2H), 3.21(m, 4H), 3.40(m, 4H), 4.62(t, 2H), 7.24(AB, 1H), 7.47(AB, 1H), 7.76(s, 1H), 7.81(m, 2H), 8.07(m, 2H), 10.40(s, 1H), 11.64(m, 1H)。
【0044】
実施例A3: 2-(シクロヘキシルアミノ)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩

工程1: 3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド
3-フルオロ-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド(2.5 g、1当量、実施例A1に従って製造したもの)、3-ジエチルアミノ-プロピルアミン(877 mg、1.1当量)及び炭酸カリウム(2.13 g、2当量)の混合物を、アセトニトリル(80 ml)中で5時間加熱還流し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(130 ml)と水(50 ml)とに溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー (溶出液:ジクロロメタン/メタノール 9:1) により精製して、予想化合物を黄色油状物の形で得た(2.1g mg;収率68%)。
MS/LC:計算MM=406.6; m/z=407.3(MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.68(d, 6H), 0.92(d, 6H), 1.31-1.51(m, 5H), 1.59(m, 1H), 1.74(m, 2H), 2.14(s, 6H), 2.31(t, 2H), 3.11(m, 2H), 3.39(m, 4H), 6.53(d, 1H), 6.90(s, 1H), 8.09(d, 1H), 8.57(t,lH)。
【0045】
工程2: 2-(シクロヘキシルアミノ)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩
酢酸エチル/エタノールの2:1混合物(4ml)に溶解した3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド(81 mg)と、10%パラジウム担持炭素(8mg)とを、オートクレーブの中に入れた溶血管に導入した。水素雰囲気(3バール)下に約20℃の温度で3時間攪拌した後に、セライトを用いて濾過することにより触媒を除去し、濾液を40℃で減圧濃縮した。このようにして得られ、テトラヒドロフラン(2ml)に溶解したアニリンに、シクロヘキシルイソチオシアネート(58mg、2当量)を連続的に加えた。混合物を3時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、減圧濃縮した。このようにして形成し、エタノール(3ml)に溶解したチオ尿素に、黄色酸化水銀(II) (87mg、2当量)と硫黄(1.4mg)とを加えた。混合物を17時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、マイクロファイバー濾紙を用いて濾過した。濾液を減圧濃縮した。残留物を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:100%ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール 9:1)により精製して、予想化合物を塩基の形で得た。1N塩化水素エーテル溶液を加えることによって、対応する塩酸塩を形成した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して予測した二塩酸塩化合物を得た(87 mg、収率78%)。
MS/LC:計算MM=483.7; m/z=484.4 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.58-1.03(m, 12H), 1.18(m, 1H), 1.30-1.71(m, 11H), 1.80(m, 2H), 2.01(m, 4H), 2.73(s, 6H),.3.14(m, 4H), 3.25(m, 2H), 3.71(m, 1H), 4.32(m, 2H), 7.16(m, 1H), 7.39(m, 1H), 7.54(m, 1H), 8.42(m, 1H), 10.40(m, 1H), 13.41(m, 1H)。
【0046】
市販されていないイソチオシアネート類の製造

第一級アミンを、非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中で、トリエチルアミンのような第三級塩基の存在下で、チオホスゲンを用いて0〜20℃の温度で0.3〜2時間処理するか、あるいは非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中で、二硫化炭素と、樹脂に支持させるか又は支持させないシクロヘキシルカルボジイミドとを用いて0〜70℃の温度で0.3〜15時間処理することによって、イソチオシアネートに転化させた。
【0047】
N-(4-イソチオシアナトフェニル)アセトアミド

N-(4-アミノフェニル)アセトアミド(1g、1当量)とトリエチルアミン(2.8 ml、3当量)をテトラヒドロフラン(130ml)に溶解し、0℃に冷却した溶液に、チオホスゲン(0.56 ml、1.1当量)を滴加した。混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで冷却浴を取り除き、攪拌をさらに30分間続けた。得られた混合物に、水(70 ml)とジエチルエーテル(150 ml) を加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。得られた固体を、ジクロロメタン/石油エーテルの混合物から再結晶した(0.95 g;収率75%)。
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 2.04(s, 3H), 7.35(AB, 2H), 7.63(AB, 2H), 10.14(s, 1H)。
【0048】
下記のイソチオシアネートを、N-(4-イソチオシアナトフェニル)アセトアミドについて記載した方法と同じ方法に従って、製造した:


【0049】
N-(4-イソチオシアナトフェニル)-N´-メトキシ尿素

4-アミノフェニルカルバミン酸tert-ブチル(1.04 g)を無水ジクロロメタン(100 ml)に溶解し、0℃に冷却した溶液に、カルボニル-ジ-イミダゾール(1.62 g、2当量)を加えた。混合物を20℃の温度にし、この温度で15時間攪拌した。0℃に冷却した反応混合物に、トリエチルアミン(7ml、10当量)、次いでO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.2g、10当量)を連続的に加えた。約20℃の温度で3時間攪拌した後に、混合物に、炭酸水素ナトリウム飽和水とクロロホルムを加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮して、4-{[(メトキシアミノ)カルボニル]アミノ}フェニルカルバミン酸tert-ブチル(1.33 g)を得た。この誘導体を酢酸エチルに懸濁した懸濁物に、ガス状塩化水素流を反応が完結するまで通送した。得られた沈殿物を濾過し、次いでジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、N-(4-アミノフェニル)-N´-メトキシ尿素塩酸塩(1g)を得た。
N-(4-アミノフェニル)-N´-メトキシ尿素塩酸塩(1g)とトリエチルアミン(3.2 ml、5当量)とをテトラヒドロフラン(90 ml)に溶解し、0℃に冷却した溶液に、チオホスゲン(0.38 ml、1.1当量)を滴加した。混合物を0℃で15分間攪拌し、次いで水とジエチルエーテルを加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。生成物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 7:3〜3:7)により精製して、予想化合物を得た(630mg;収率62%)。
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 3.61(s, 3H), 7.34(AB, 2H), 7.67(AB, 2H), 9.11(s, 1H), 9.65(s.1H)。
【0050】
市販されていないアシル-イソチオシアネート類の製造:

アシル-イソチオシアネート類は、対応する酸ハロゲン化物から出発して、アセトニトリルなどの非プロトン性溶媒中で、チオシアン酸カリウムを用いて0〜60℃で0.2〜5時間処理することによって製造することができる。
【0051】
4-イソチオシアナトカルボニル安息香酸メチル:

4-クロロカルボニル安息香酸メチル(2g)をアセトニトリル(30 ml)に溶解した溶液に、チオシアン酸カリウム(1.08 g)を加えた。約20℃で1時間攪拌した後に、混合物を濾過し、濾液を40℃で減圧濃縮した。得られた固体を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 1:1)により精製して、予想化合物を得た(2.1g;収率95%)。
NMR (H、400 MHz、DMSO-d6):δ 3.88(s, 3H), 8.0(m, 4H)。
【0052】
下記のイソチオシアネートを、4-イソチオシアナトカルボニル安息香酸メチルについて記載した方法と同じ方法に従って製造した:

【0053】
反応工程図Aに従って及び4-[(1-(3-アミノプロピル)-6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノカルボニル}-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)アミノ]安息香酸メチル二塩酸塩、2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1-(3-ピペリジン-1-イルプロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩又は2-(シクロヘキシルアミノ)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩について記載した方法と同様の方法で、下記の化合物を製造した:

(式中、RNは、下記の基:

の一つを表し且つRは下記の基:


の一つを表し且つRは下記の基:

の一つを表す)。
【0054】
B.反応工程図Bに従った製造
本発明の式(I)で示される化合物であって、Aが−C(O)−を表す化合物はまた、下記の反応工程図Bに従って製造することができる:

反応工程図Bに記載のように、カルボン酸(2)は、トリメチルシリル-ジアゾメタン溶液で0〜20℃の温度で処理することによって、又はテトラヒドロフランなどの不活性有機溶媒中で無機塩基、例えば水酸化リチウム二水塩又は炭酸セシウムを使用して周囲温度で30分〜2時間カルボン酸塩を形成し、次いでジメチル硫酸を周囲温度で加え、還流下で5〜15時間攪拌することによってメチルエステル(7)に添加することができる。弗素化又は塩素化誘導体(7)は、不活性有機溶媒、例えばジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中で、無機塩基、例えば炭酸セシウム又は炭酸カリウムの存在下に、第一級アミンを用いて20〜100℃の温度で2〜48時間処理して誘導体(8)を製造することができる。化合物(8)のニトロ官能基は、不活性溶媒、例えば酢酸エチル又はジメチルホルムアミド中で塩化スズ二水塩で60〜80℃の温度で3〜15時間処理することによって還元するか、あるいは不活性溶媒、例えばメタノール、エタノール、酢酸エチル又はこれらの溶媒の混合物中で、10%パラジウム担持炭素の存在下で18〜25℃の温度で2〜8時間接触水素添加することによって還元して、ジアニリン(9)を製造することができる。次いで、誘導体(9)は、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレン又はクロロホルム中で、結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド又はジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下に、イソチオシアネートを用いて20〜70℃の温度で2〜72時間処理して、誘導体(10)を製造することができる。別法として、誘導体(9)は、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム又はエタノール中で、イソチオシアネートを用いて20〜80℃の温度で1〜16時間処理し、次いで得られたチオ尿素を、極性溶媒、例えばメタノール又はエタノール中で触媒量の硫黄の存在下に、ヨウ化メチル又は黄色酸化水銀(II)を用いて20〜80℃の温度で2〜24時間処理して、化合物(10)を製造することができる。次いで、得られたメチルエステル(10)は、無機塩基、例えば水酸化リチウム二水塩の存在下で、極性溶媒混合物、例えば水及びテトラヒドロフランの混合物中で20〜70℃の温度で3〜17時間ケン化することができる。得られたカルボン酸(11)は、不活性有機溶媒、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミド中で、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を用いて又は用いずに、結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)又はカルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下で、第一級又は第二級アミンと周囲温度で3〜24時間結合させて、対応するアミド(6)を製造することができ、該アミドは、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより単離するか、又は反応混合物に重合体、例えばアミノメチルポリスチレン樹脂上に支持させた求核試薬及び重合体、例えばメチルイソシアネート-ポリスチレン樹脂上に支持させた求電子試薬を加え、次いで濾過し、濾液を蒸発させることにより単離することができる。
【0055】
実施例B1: 1-(3-アミノプロピル)-6-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-N-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン二塩酸塩

工程1: 3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸メチル
トリメチルシリルジアゾメタン溶液(2Mヘキサン溶液、50 ml、4当量)を、3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(4.7g、1当量)をメタノール(70 ml)に溶解した溶液に、ガスの発生が止むまで徐々に加えた。過剰のトリメチルシリルジアゾメタンを、溶液が変色するまで酢酸を滴加することによって消費させた。次いで、混合物を約40℃の温度で減圧濃縮した。残留物に水(200 ml)とジクロロメタン(300 ml)を加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。得られた固体を、石油エーテルで洗浄し、乾燥した(4.4 g;収率87%)。
NMR(H, 400 MHz, CDCl3):δ 4.0(s, 3H), 7.97(m, 2H), 8.11(d, 1H)。
【0056】
工程2: 3-({3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}アミノ)-4-ニトロ安息香酸メチル
3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸メチル(5.8 g、1当量)、N-Boc-1,3-ジアミノプロパン(5.75 g、1.1当量)及び炭酸カリウム(8.04 g、2当量)の混合物を、アセトニトリル(200 ml)中で2時間加熱還流し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(200 ml)と水(100 ml)に溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。得られた固体を、石油エーテルで洗浄し、乾燥した(10.2 g;収率99%)。
NMR(H, 400 MHz, CDCl3):δ 1.45(s, 9H), 1.95(m, 2H), 3.30(m, 2H), 3.44(m, 2H), 3.95(s, 3H), 4.67(m, 1H), 7.25(m, 1H), 7.55(s, 1H), 8.04(m, 1H), 8.22(m, 1H)。
【0057】
工程3: 4-アミノ-3-({3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}アミノ)安息香酸メチル
酢酸エチル/メタノールの3:1混合物(300 ml)に溶解した3-({3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}アミノ)-4-ニトロ安息香酸メチル(10.2 g)と、10%パラジウム担持炭素(1.02 g)とを、オートクレーブに入れた。水素雰囲気下(3バール)に約20℃の温度で4時間攪拌した後に、セライトを用いて触媒を濾過し、濾液を40℃で減圧濃縮して、予想化合物をを油状物の形で得た(7.75 g;収率83%)。
MS/LC:計算MM=323.4; m/z=324.2 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, CDCl3):δ 1.45(s, 9H), 1.85(m, 2H), 3.24(m, 2H), 3.30(m, 2H), 3.86(m, 5H), 4.68(m, 1H), 6.68(d, 1H), 7.34(s, 1H), 7.45(d, 1H)。
【0058】
工程4: 1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボン酸メチル
4-アミノ-3-({3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}アミノ)安息香酸メチル(7.75 g、1当量)をテトラヒドロフラン(130 ml)に溶解した溶液に、3,4,5-トリメトキシフェニルイソチオシアネート(6.6 g、1.2当量)とジイソプロピルカルボジイミド(9.1 g、3当量)とを連続的に加えた。混合物を16時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、40℃で減圧濃縮した。得られた残留物に水(100 ml)とジクロロメタン(200 ml)を加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 8:2〜3:7)により精製して、予想化合物を固体の形で得、これをエーテルで洗浄した(4.4 g;収率36%)。
MS/LC: 計算MM=514.5; m/z=515.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, CDCl3):δ 1.54(s, 9H), 2.11(m, 2H), 3.26(m, 2H), 3.83(m, 3H), 3.90(s, 3H), 3.93(s, 6H), 4.22(m, 2H), 5.03(m, 1H), 7.23(s, 2H), 7.53(d, 1H), 7.90(s, 1H), 7.92(d, 1H), 9.12(m, 1H)。
【0059】
工程5: 1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボン酸
1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-lH-ベンゾイミダゾール-6-カルボン酸メチル(4.4 g、1当量)をテトラヒドロフラン(40 ml)と水(30 ml)の混合物に溶解した溶液に、水酸化リチウム(2.18 g、6当量)を加えた。混合物を18時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、40℃で減圧濃縮した。残留物に、ジクロロメタン(150 ml)と水(100 ml)を加えた。混合物を、酢酸を加えることによってpH5に酸性化した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして硫酸ナトリウム で乾燥し、減圧濃縮した。得られた固体をエチルエーテルで洗浄した(3.95 g;93%)。
MS/LC:計算MM=500.5; m/z=501.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 1.37(s, 9H), 1.83(m, 2H), 3.03(m, 2H), 3.61(s, 3H), 3.80(s, 6H), 4.27(m, 2H), 7.0(m, 1H), 7.31(s, 2H), 7.35(d, 1H), 7.71(d, 1H), 7.87(s, 1H), 8.97(s, 1H)。
【0060】
工程6: 1-(3-アミノプロピル)-6-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-N-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン二塩酸塩
1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボン酸(50 mg、1当量)をテトラヒドロフラン(0.45 ml)とジメチルホルムアミド (0.05 ml)に溶解した溶液に、カルボニルジイミダゾール(CDI)(18 mg、1.1当量)をクロロホルム(0.2 ml)に溶解した溶液を加えた。混合物を約20℃の温度で16時間攪拌し、次いでピペリジン(17 mg、2当量)をテトラヒドロフラン(0.2 ml)に溶解した溶液を加えた。約20℃の温度で18時間攪拌した後に、混合物をジクロロメタン(3ml)で希釈し、次いでアミノメチルポリスチレン樹脂(2当量)、TBD-メチル-ポリスチレン樹脂(2当量)及びメチルイソチオシアネート-ポリスチレン樹脂(4当量)を加えた。約20℃で6時間攪拌した後に、混合物を濾過し、濾液を40℃で減圧濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(0.5 ml)に溶解し、塩化水素酸溶液(1Nジエチルエーテル溶液、3ml)を加えた。約20℃の温度で1時間攪拌した後に、得られた沈殿物を濾過し、乾燥して予想化合物を得た(35 mg、65%)。
MS/LC:計算MM=467.56; m/z=467.9 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 1.48-1.63(m, 6H), 2.05(m, 2H), 2.90(m, 2H), 3.50(m, 4H), 3.65(s, 3H), 3.79(s, 6H), 4.45(m, 2H), 7.10-7.60(m, 5H), 7.54(m, 1H), 7.94(m, 3H), 8.41(m, 1H), 14.3(m, 1H)。
【0061】
反応工程図Bに従って及び1-(3-アミノプロピル)-6-(ピペリジン-1-イルカルボニル)-N-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン二塩酸塩の合成について記載の方法と同様にして、次の化合物を製造した:

(式中、RNは、下記の基:

の一つを表し且つRは下記の基:

を表し且つRは下記の基:

の一つを表す)。
【0062】
C.反応工程図Cに従った製造

反応工程図Cに記載のように、反応工程図A又はBに従って製造した誘導体(12)を、非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン、ジエチルエーテル又は酢酸エチル中で、有機又は無機酸、例えばトリフルオロ酢酸又は塩酸(水溶液又はガス状物)で0〜20℃の温度で0.5〜5時間処理して、アミン(13)を製造する。アミン(13)は、プロトン性又は非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はメタノール中で、アルデヒドと0〜50℃の温度で1〜15時間反応させることができる。次いで、得られたイミンを、酢酸などの酸の存在下で又は不存在下で、樹脂に支持させるか又は支持させない還元剤、好ましくは樹脂に支持させたトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素ナトリウムでその場で20〜50℃の温度で0.2〜5時間還元して、化合物(14)を製造する。第二級アミン(14)は、場合によって前記の操作条件と同じ条件下で第二の還元アミノ化を行って、第三級アミン(14´)を製造することができる。
【0063】
実施例C1: N,N-ジイソブチル-1-[3-(ネオペンチルアミノ)プロピル]-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩

工程1: 1-(3-アミノプロピル)-N,N-ジイソブチル-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド
3-{6-[(ジイソブチルアミノ)カルボニル]-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル(350 mg;反応工程図Aに従って製造したもの)を酢酸エチル(30 ml)に溶解し、0℃に冷却した溶液に、乾燥HCl流を、TLC(溶出液:酢酸エチル100%)が出発物質の完全消失を示すまで通送した。次いで、混合物を40℃で減圧濃縮した。得られた固体をエチルエーテル中で磨砕し、次いで濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥した。得られた二塩酸塩をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮して、予想化合物を遊離塩基の形で得た(275 mg;収率94%)。
MS/LC:計算MM=511.6; m/z=512.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.82(m, 12H), 1.87(m, 4H), 2.58(m, 2H), 3.21(m, 4H), 3.62(s, 3H), 3.78(s, 6H), 4.25(t, 2H), 7.0(AB. 1H), 7.20(s, 2H), 7.26(s, 1H), 7.34(AB, 1H)。
【0064】
工程2: N,N-ジイソブチル-1-[3-(ネオペンチルアミノ)プロピル]-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩
1-(3-アミノプロピル)-N,N-ジイソブチル-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド(100 mg、1当量)とトリメチルアセトアルデヒド(25 mg、1.5当量)とをジクロロメタン(1ml)に溶解した溶液を、約20℃の温度で4時間攪拌した。混合物をメタノール(1ml)で希釈し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(41 mg、2当量)を加えた。約20℃の温度で1時間経過した後に、 混合物にジクロロメタン(20 ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水(10 ml)とを加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン100%〜ジクロロメタン/メタノール 9:1)により精製して、予想化合物を塩基の形で得た。1N塩化水素酸エーテル溶液を加えることによって、対応する塩酸塩を生成させた。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して予想した二塩酸塩化合物を得た(83 mg、収率65%)。
MS/LC:計算MM=581.8; m/z=582.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.67(m, 6H), 0.95(m, 6H), 0.99(s, 9H), 1.82(m, 1H), 2.06(m, 1H), 2.27(m, 2H), 2.71(m, 2H), 3.10(m, 4H), 3.28(m, 2H), 3.70(s, 3H), 3.81(s, 6H), 4.58(t, 2H), 6.99(m, 2H), 7.22(AB, 1H), 7.41(AB, 1H), 7.69(s, 1H), 8.72(m, 2H), 11.42(m, 1H), 13.02(m, 1H)。
【0065】
反応工程図C´に従った製造
s=3である化合物(14)もまた、下記の反応工程図C´に従って製造することができる:

反応工程図C´に記載のように、反応工程図Aに従って製造される誘導体(15)は、非プロトン性溶媒、例えばアセトン中で、水の存在下に有機酸、例えばピリジニウムトシレート又はパラトルエンスルホン酸を用いて20〜70℃の温度で2〜12時間処理するか、又は非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で無機酸、例えば水性塩化水素を用いて0〜20℃の温度で6〜18時間処理して、化合物(16)を製造する。次いで、アルデヒド(16)は、プロトン性又は非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はメタノール中で、アミンで20℃の温度で1〜18時間処理することができる。次いで、得られたイミンを、酢酸などの酸の存在下又は不存在下で、還元剤、好ましくはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムでその場で20〜50℃の温度で0.2〜6時間還元して、化合物(17)を製造する。第二級アミン(17)は、場合によって前記の操作条件と同じ条件下で第二の還元アミノ化を行って、第三級アミン(17´)を製造することができる。
【0066】
実施例C1´: 2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-1-{3-[シクロヘキシルメチルアミノ]プロピル}-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサニリド二塩酸塩

工程1: 3-{[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]アミノ}-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド
実施例A1に従って製造した3-フルオロ-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド(1.86 g、1当量)、2-(2-アミノエチル)-1,3-ジオキソラン(0.8 g、1.2当量)及び炭酸カリウム(1.58 g、2当量)の混合物を、アセトニトリル(150 ml)中で3時間加熱還流し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(150 ml)と水(60 ml)に溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 8:2〜7:3)により精製して、予想化合物を黄色油状物の形で得た(2.4 g;収率98%)。
MS/LC:計算MM=421.5; m/z=422.2 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.6S(d, 6H), 0.92(d, 6H), 1.31-1.50(m, 5H), 1.61(m, 1H), 1.97(m, 2H), 3.10(m, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.80(m, 2H), 3.91(m, 2H), 4.94(t, 1H), 6.55(d, 1H), 6.89(s, 1H), 8.10(d, 1H), 8.39(t, 1H)。
【0067】
工程2: 4-アミノ-3-{[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]アミノ}-N,N-ビス(3-メチルブチル)ベンズアミド
酢酸エチル/メタノールの2:1混合物(100 ml)に溶解した3-{[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]アミノ}-N,N-ビス(3-メチルブチル)-4-ニトロベンズアミド(2.4 g)と、10%パラジウム担持炭素(240 mg)とを、オートクレーブに入れた。水素雰囲気下(3バール)で、約20℃の温度で4時間攪拌した後に、セライトを用いて濾過することにより触媒を除去し、濾液を40℃で減圧濃縮して、予想化合物を油状物の形で得た(2.02 g;収率89%)。
MS/LC: 計算MM=391.5; m/z=392.2 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.80(m, 12H), 1.40(m, 6H), 1.90(m, 2H), 3.10(m, 2H), 3.29(m, 4H), 3.77(m, 2H), 3.90(m, 2H), 4.54(m, 1H), 4.78(s, 2H), 4.93(t, 1H), 6.36-6.52(m, 1H)。
【0068】
工程3: 2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-1-[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド
4-アミノ-3-{[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]アミノ}-N,N-ビス(3-メチルブチル)ベンズアミド(2g、1当量)をテトラヒドロフラン(50 ml)に溶解した溶液に、4-アセチルフェニルイソチオシアネート(1.1 g、1.2当量)とジイソプロピルカルボジイミド(1.95 g、3当量)とを連続的に加えた。混合物を18時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、40℃で減圧濃縮した。得られた残留物に、水(100 ml)と ジクロロメタン(200 ml)とを加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 4:6)により精製して、予想化合物を白色フォーム状物の形で得た(1.8 g;収率66%)。
MS/LC:計算MM=534.7; m/z=535.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.30(m, 12H), 1.44(m, 6H), 2.01(m, 2H), 2.52(s, 3H), 3.30(t, 4H), 3.72(t, 2H), 3.85(m, 2H), 4.39(t, 2H), 4.83(t, 1H), 7.05(AB, 1H), 7.30(s, 1H), 7.44(AB, 1H), 7.96(s, 4H), 9.37(s, 1H)。
【0069】
工程4: 2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1-(3-オキソプロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド
2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-1-[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド(900 mg)を テトラヒドロフラン(30 ml)と水性塩酸(3N、40 ml)との混合物に溶解した溶液を、約20℃の温度で18時間攪拌し、次いで40℃で減圧濃縮した。残った水性相に、ジクロロメタン(100 ml)を加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮して、予想化合物をベージュ色フォーム状物の形で得た(820mg、収率99%)。
MS/LC:計算MM=490.6; m/z=491.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.68-0.99(m, 12H), 1.35(m, 6H), 2.39(m, 2H), 2.64(s, 3H), 3.10-3.49(m, 4H), 3.72(m, 2H), 4.15(m, 1H), 4.50(m, 1H), 5.54(s, 1H), 7.27(AB, 1H), 7.39(AB, 1H), 7.64(s, 1H), 7.82(AB, 1H), 8.15(AB, 1H)。
【0070】
工程_5: 2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-1-{3-[(シクロヘキシルメチル)アミノ]プロピル}-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩
2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1-(3-オキソプロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド(100 mg、1当量)とアミノメチルシクロヘキサン(46 mg、2当量)との溶液を、約20℃の温度で4時間攪拌した。混合物をメタノール(1ml)で希釈し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(86 mg、2当量)と、数滴の酢酸とを加えて、pH5にした。約20℃の温度で1時間経過した後に、混合物にジクロロメタン(20 ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水(10 ml)を加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:100%ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール 9:1)により精製して、予想化合物を塩基の形で得た。1N塩化水素酸エーテル溶液を加えることによって、対応する塩酸塩を生成させた。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して予想した二塩酸塩化合物を得た(83 mg、収率62%)。
MS/LC:計算MM=587.8; m/z=588.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.68-0.99(m, 14H), 1.19(m, 3H), 1.29-1.82(m, 12H), 2.59(s, 3H), 2.73(m, 2H), 3.07(t, 2H), 3.21(m, 2H), 3.43(m, 2H), 4.64(t, 2H), 7.24(AB, 1H), 7.47(AB, 1H), 7.37(s, 1H), 7.84(d, 2H), 8.06(d, 2H), 8.89(m, 2H), 11.42(m,lH)。
【0071】
反応工程図C及びC´に従って及びN,N-ジイソブチル-1-[3-(ネオペンチルアミノ)プロピル]-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩又は2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-1-{3-[(シクロヘキシルメチル)アミノ]プロピル}-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩の合成について記載した方法と同様にして、次の化合物を製造した:

(式中、Rは下記の基:

の一つを表し且つRは下記の基:

の一つを表す)。
【0072】
D.反応工程図Dに従った製造

反応工程図Dに記載のように、反応工程図Aに従って製造される誘導体(18)は、極性溶媒の混合物、例えば水とテトラヒドロフランの混合物中で、無機塩基、例えば水酸化リチウム二水塩の存在下で、20〜70℃の温度で3〜17時間ケン化することができる。得られたカルボン酸(19)は、不活性有機溶媒、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミド中で、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールe (HOBt)を用いて又は用いずに、結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、(EDC)又はカルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下で、第一級又は第二級アミンと周囲温度で3〜24時間結合させて、化合物(20)を製造することができる。
【0073】
実施例D1: 1-(3-アミノプロピル)-2-({4-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}アミノ)-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩

工程1: 4-[(6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル}アミノ)安息香酸
テトラヒドロフラン(4ml)と水(3ml)との混合物中の反応工程図A、実施例A1に従って製造した4-[(6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)アミノ]安息香酸メチル(405 mg、1当量)に、水酸化リチウム(141 mg、5当量)を加えた。混合物を18時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、40℃で減圧濃縮した。残留物にジクロロメタン(50 ml)と水(20 ml)を加えた。混合物を、酢酸を加えることによってpH5に酸性化した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた固体をエチルエーテルに溶解して、予想化合物を得た(309 mg;79%)。
MS/LC:計算MM=593.8; m/z=594.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.77(m, 12H), 1.22-1.55(m, 6H), 1.36(s, 9H), 1.83(m, 2H), 3.03(m, 2H), 3.33(m, 4H), 4.28(m, 2H), 6.95- 7.90(m, 8H), 9.24(s, 1H)。
【0074】
工程2: 1-(3-アミノプロピル)-2-({4-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}アミノ)-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩
無水テトラヒドロフラン(1ml)に溶解した4-[(6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)アミノ]安息香酸 (50 mg、1当量)に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(18mg、1.1当量)をクロロホルム(1ml)に溶解した溶液と、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(13 mg、1.1当量)をテトラヒドロフラン(1ml)に溶解した溶液とを、連続的に加えた。混合物を約20℃の温度で1時間攪拌し、次いでメチルアミン(2M THF溶液;0.86 ml、2当量)を加えた。約20℃の温度で17時間攪拌した後に、混合物をジクロロメタン(3ml)で希釈し、次いでアミノメチルポリスチレン樹脂(2当量)、TBD-メチルポリスチレン樹脂(2当量)及びメチルイソチオシアネート-ポリスチレン樹脂(4当量)を加えた。約20℃の温度で6時間攪拌した後に、混合物を濾過し、濾液を40℃で減圧濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(3ml)に溶解し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、約40℃の温度で減圧濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(0.5 ml)に溶解し、塩化水素酸溶液(4Mジオキサン溶液、2ml)を加えた。約20℃の温度で1時間攪拌した後に、得られた沈殿物を濾過し、乾燥して、予想化合物を得た(29 mg;収率60%)。
MS/LC:計算MM=506.7; m/z=507.2 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.78(m, 12H), 1.46(m, 6H), 2.0(m, 2H), 2.77(d, 3H), 2.89(m, 2H), 3.33(m, 4H), 4.45(m, 2H), 7.07(d, 1H), 7.43(d, 1H), 7.48(s, 1H), 7.84(m, 5H), 7.97(m, 2H), 8.28(m, 2H), 9.49(m, 1H)。
【0075】
反応工程図Dに従って及び1-(3-アミノプロピル)-2-({4-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}アミノ)-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド二塩酸塩の合成について記載した方法と同様にして、次の化合物を製造した:

(式中、Rは下記の基:

の一つを表す)。
【0076】
D.反応工程図Eに従った製造

反応工程図Eに記載のように、反応工程図Aに従って製造される誘導体(21)は、不活性溶媒、例えば酢酸エチル又はジメチルホルムアミド中で塩化スズ二水塩を用い60〜80の温度で3〜15時間処理することによって還元するか、あるいは不活性溶媒、例えばメタノール、エタノール、酢酸エチル又はこれらの溶媒の混合物中で、10%パラジウム担持炭素のの存在下で18〜25℃の温度で2〜8時間接触水素添加することによって還元して、アニリン(22)を製造することができる。化合物23は、非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中でイソシアネートを用いて20〜60℃の温度で2〜24時間処理するか、あるいは別法として非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中でカルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて0〜60℃の温度で6〜24時間処理し、次いで第一級アミンで20〜60℃の温度で2〜24時間処理して、尿素(23)を製造することができる。
【0077】
実施例E1: 1-(3-アミノプロピル)-2-[(4-{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)アミノ]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド

工程1: 3-{6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-2-[(4-ニトロフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル
実施例A1に従って製造した3-[(2-アミノ-5-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)アミノ]プロピルカルバミン酸tert-ブチル(500 mg、1当量)をテトラヒドロフラン(30 ml)に溶解した溶液に、4-ニトロフェニルイソチオシアネート(305 mg、1.5当量)と、N-メチルシクロヘキシルカルボジイミド-N-メチル-ポリスチレン樹脂(Novabiochem社から入手したもの;充填量1.9ミリモル/g;1.75 g、3当量)とを、連続的に加えた。混合物を18時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、ガラス濾過器を用いて濾過した。濾液を40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 7:3〜2:8)により精製して、予想化合物を黄色固体の形で得た(584 mg;収率88%)。
MS/LC:計算MM=594.7; m/z=595.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.64-0.95(m, 12H), 1.36(s, 9H), 1.31-1.65(m, 6H), 1.82(m, 2H), 3.0(m, 2H), 3.15-3.39(m, 4H), 4.32(t, 2H), 6.95(m, 1H), 7.05(d, 1H), 7.40(s, 1H), 7.48(d, 1H), 8.11(AB, 2H), 8.26(AB, 2H), 9.71(s, 1H)。
【0078】
工程2: 3-(2-[(4-アミノフェニル)アミノ]-6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)プロピルカルバミン酸tert-ブチル
酢酸エチル/メタノールの3:1混合物(40 ml)に溶解した3-{6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-2-[(4-ニトロフェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル(580 mg)と、10%パラジウム担持炭素(58 mg)とを、オートクレーブに入れた。水素雰囲気下(3バール)で約20℃の温度で15時間攪拌した後に、セライトを用いて濾過することにより触媒を除去し、濾液を40℃で減圧濃縮して、予想化合物をフォーム状物の形で得た(480 mg;収率87%)。
MS/LC:計算MM=564.7; m/z=565.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.86(m, 12H), 1.37(s, 9H). 1.31-1.58(m, 6H), 1.79(m, 2H), 3.01(m, 2H), 3.15-3.39(m, 4H), 4.15(t, 2H), 4.80(m, 2H), 6.56(m, 2H), 6.94(d, 2H), 7.21(AB, 2H), 7.40(AB, 2H), 8.45(s, 1H)。
【0079】
工程3: 3-{6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-2-[(4-{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル二塩酸塩
3-(2-[(4-アミノフェニル)アミノ]-6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)プロピルカルバミン酸tert-ブチル(50 mg、1当量)をジクロロメタン(2ml)に溶解した溶液に、カルボニルジイミダゾール(CDI)(29 mg、2当量)をジクロロメタン(2ml)に溶解した溶液を加えた。混合物を約20℃の温度で18時間攪拌し、次いでメチルアミン(2M THF溶液、0.440 ml、10当量)を加えた。混合物を約20℃の温度で4時間攪拌し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物を、ジクロロメタン(7ml)と、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(3ml)に溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 1:1〜1:9)により精製して、化合物をフォーム状物の形で得、これを酢酸エチル(0.5 ml)に溶解した。塩化水素酸溶液(2Nジエチルエーテル溶液、2ml)を加え、混合物を約20℃の温度で1時間攪拌し、次いで得られた沈殿物を濾過し、乾燥して、予想化合物を得た(28 mg、収率55%)。
MS/LC:計算MM=521.7; m/z=522.3 (MH+)
【0080】
反応工程図Eに従って及び3-{6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]カルボニル}-2-[(4-{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)アミノ]-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル}プロピルカルバミン酸tert-ブチル二塩酸塩の合成について記載した方法と同様にして、次の化合物を製造した:

(式中、Rは下記の基:

の一つを表し且つRは下記の基:

の一つを表す)。
【0081】
F.反応工程図Fに従った製造
本発明の式(I)で示される化合物であって、Aが−CH−を表す場合の化合物は、次の反応工程図F及びF´に従って製造することができる:

反応工程図Fに記載のように、反応工程図Aに従って製造される誘導体(4)は、非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル中で0〜70℃の温度で、18〜24時間ボラン又は水素化アルミニウムリチウムを使用して化合物(24)に還元することができる。次いで、ジアニリン(24)を、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレン又はクロロホルム中で、樹脂上に支持された又は支持されない結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド又はジシクロヘキシルカルボジイミド又はN-メチルシクロヘキシルカルボジイミド N-メチルポリスチレン樹脂の存在下に、イソチオシアネートで20〜70℃の温度で2〜72時間処理して、誘導体(25)を製造することができる。
【0082】
F.反応工程図F´に従った製造
化合物(25)はまた、次の反応工程図F´に従って製造することができる:

反応工程図F´に記載のように、反応工程図A又はBに従って製造されるアミド(6)は、非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル中で、ボラン又は水素化アルミニウムリチウムを0〜70℃の温度で1〜6時間使用して対応するアミン(25)に還元することができる。
【0083】
実施例F´1: 6-{[ビス(3-メチルブチル)アミノ]メチル}-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N-(4-メトキシフェニル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン塩酸塩

反応工程図Aに従って製造した1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-2-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-N,N-ビス(3-メチルブチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド(80 mg、1当量)を無水テトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、0℃に冷却した溶液に、水素化アルミニウムリチウム溶液(0.785 ml;1M THF溶液)を加えた。混合物を20℃の温度にし、次いで、60℃で3時間加熱した。0℃に冷却した後に、反応混合物を加水分解した。酢酸エチルを加え、傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:100%ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール 9:1)により精製して、予想化合物を塩基の形で得た。1N塩化水素酸エーテル溶液を加えることによって、対応する塩酸塩を生成させた(61 mg;収率55%)。
MS/LC:計算MM=493.7; m/z=494.4 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.83(m, 12H), 1.50-1.72(m, 6H), 2.29(m, 2H), 2.78(m, 6H), 2.99(m, 4H), 3.30(m, 2H), 3.80(s, 3H), 4.41(m, 4H), 6.90-8.50(m, 7H), 10.5(m, 1H), 10.85(m, 1H), 12.9(m, 1H)。
【0084】
反応工程図F及びF´に従って次の化合物を製造した:

(式中、RNは、下記の基:

の一つを表し、Rは下記の基:

を表し且つRは下記の基:

の一つを表す)。
【0085】
G.反応工程図Gに従った製造
本発明の式(I)で示される化合物であって、Aが−C(O)−C(R)(R)−を表す場合の化合物は、次の反応工程図Gに従って製造することができる:

反応工程図Gに記載のように、誘導体(26)を、非プロトン性極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で、強塩基、例えばカリウムtert-ブチラートの存在下に、α−クロロエステル誘導体を用いて0〜20℃の温度で0.5〜2時間アルキル化して、化合物(27)を製造することができる。誘導体(27)は、非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で、強塩基、例えば水素化ナトリウム及びアルキル化剤、例えばヨウ化アルキルの存在下で0〜20℃の温度で1〜4時間アルキル化して、化合物(28)を製造することができる。エステル(28)は、極性溶媒、例えば水及びメタノールの混合物中で、無機塩基、例えば水酸化リチウム又は水酸化カリウムの存在下で、20〜80℃の温度で1〜6時間ケン化することができる。得られたカルボン酸(29)を、不活性有機溶媒、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミド中で、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を用いて又は用いずに、結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)又はカルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下で、周囲温度で3〜24時間、第一級又は第二級アミンと結合させることができる。別法として、酸(29)は、非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン又はトルエン中で、塩化チオニル又は塩化オキサリルを用いて40〜60℃の温度で2〜16時間処理し、次いでこのようにして得られた酸塩化物を非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中で、第三級塩基、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、第一級又は第二級アミンと0〜20℃の温度で0.5〜4時間反応させて、アミド(30)を製造することができる。弗素化又は塩素化誘導体(30)を、不活性有機溶媒、例えばジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中で、無機塩基、例えば炭酸セシウム又は炭酸カリウムの存在下に、第一級アミンで20〜100℃の温度で2〜48時間処理して、誘導体(31)を得る。化合物(31)のニトロ官能基を、不活性溶媒、例えば酢酸エチル又はジメチルホルムアミド中で、塩化スズ二水塩で60〜80℃の温度で3〜15時間処理することにより還元するか、あるいは不活性溶媒、例えばメタノール、エタノール、酢酸エチル又はこれらの溶媒の混合物中で、10%パラジウム担持炭素の存在下に18〜25℃の温度で2〜8時間接触水素添加することにより還元して、ジアニリン(32)を製造する。次いで、誘導体(32)を、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレン又はクロロホルム中で、樹脂上に支持されるか又は支持されない結合剤、例えばジイソプロピルカルボジイミド又はジシクロヘキシルカルボジイミドあるいはN-メチルシクロヘキシルカルボジイミド N-メチルポリスチレン樹脂の存在下に、イソチオシアネートで20〜70℃の温度で2〜72時間処理して、誘導体(33)を製造する。別法として、誘導体(32)を、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム又はエタノール中で、イソチオシアネートで20〜80℃の温度で1〜16時間処理し、次いで得られたチオ尿素を、極性溶媒、例えばメタノール又はエタノール中で、触媒量の硫黄の存在下でヨウ化メチル又は黄色酸化水銀(II)で20〜80℃の温度で2〜24時間処理して、誘導体(33)を製造することができる。化合物(6)は、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより単離することができるし、あるいは反応混合物に、重合体、例えばアミノメチルポリスチレン樹脂上に支持させた親核試薬及び/又は重合体、例えばメチルイソチオシアネート-ポリスチレン樹脂に支持させた親電子試薬を加え、次いで濾過し、濾液を蒸発させることによって単離することができる。
【0086】
実施例G1: 2-{2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-1-[3-(ジメチルアミノアミノ)プロピル]-1H-ベンゾイミダゾール-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンアミド二塩酸塩

工程1: 2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)プロパン酸エチル
0℃に冷却したDMF溶液(80 ml)に、カリウムtert-ブチラート(11.22 g、2当量)を加えた。混合物に、1-クロロ-2-ニトロベンゼン(7.87 g、1当量)と2-クロロプロパン酸エチル(7ml、1.1当量)の溶液を、反応温度を5℃以下に保ちながら45分間にわたって滴加した。添加終了後に、攪拌を0℃で2時間維持し、次いで混合物をこの温度で1N塩酸溶液で加水分解し、酢酸エチルを加えた。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで減圧濃縮した。シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/ジクロロメタン 8:2〜6:4)により精製して、予想化合物を黄色油状物の形で得た(8.28 g;収率64%)。
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ(t, 3H), 1.42(d, 3H), 3.99(q, 1H), 4.08(m, 2H), 7.52(AB, 1H), 7.71(s, 1H), 8.05(AB, 1H)。
【0087】
工程2: 2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)-2-メチルプロパン酸エチル
水素化ナトリウム(60%油中物、2.4 g、1.1当量)をDMF(15 ml)に懸濁し、0℃に冷却した懸濁物に、2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)プロパン酸エチル(14.1 g)の溶液を滴加した。この温度で1時間攪拌した後に、混合物に、ヨウ化メチル(3.72 ml、1.1当量)をDMF(40 ml)に溶解した溶液を滴加した。攪拌を周囲温度で3時間続けた。反応混合物を0℃に冷却し、次いで酢酸エチルと、飽和炭酸水素ナトリウム水を滴下し、次いで水を滴加した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで減圧濃縮して、予想化合物を油状物の形で得、これを結晶化した。結晶をヘプタンで洗浄し、乾燥した(13.8g;収率94%)。
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 1.12(t, 3H), 1.54(s, 6H), 4.09(q, 1H), 7.50(AB, 1H), 7.66(s, 1H), 8.04(AB, 1H)。
【0088】
工程3: 2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)-2-メチルプロパン酸
2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)-2-メチルプロパン酸エチル(1g)をメタノール(20 ml)に溶解した溶液に、約20℃の温度で水酸化カリウム(18 ml)の2N溶液を加えた。次いで、混合物を80℃で1.5時間加熱し、次いで周囲温度まで冷却した。混合物を減圧下で濃縮することによってメタノールを蒸発させた。残った水性相をジクロロメタンで洗浄し、次いで、0℃まで冷却し、酢酸で酸性化した。ジクロロメタンを加え、傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで減圧濃縮して、予想化合物 を油状物の形で得、これを結晶化させた(852 mg、収率95%)。
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 1.52(s, 6H), 7.53(AB, 1H), 7.66(s, 1H), 8.04(AB, 1H), 12.72(s, 1H)。
【0089】
工程4: 2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンイミド
2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)-2-メチルプロパン酸 (500 mg)をジクロロメタン(1ml)に溶解した溶液に、塩化チオニル(0.54 ml、4当量)を加えた。混合物を16時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却した。溶媒を40℃で減圧下で蒸発させた(トルエンと共蒸発)。このようにして得られた酸塩化物をジクロロメタン(1ml)に溶解し、0℃に冷却したた溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.42 ml、1.2当量)と、ジイソブチルアミン(0.36 ml、1当量)とを連続的に加えた。添加の終わりに、攪拌を周囲温度で3時間続け、次いで混合物を40℃で減圧濃縮した。残留物をエチルエーテルに溶解し、有機相を、1N炭酸ナトトリム、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、塩水で連続的に洗浄し、次いでNa2S04で乾燥し、40℃で減圧濃縮した。シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル 8:2〜7:3)により精製して、予想化合物を油状物の形で得、これを結晶化させた(0.585g;収率82%)。
MS/LC:計算MM=354.9; m/z=355.2 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, CDCl3):δ0.58(d, 6H), 0.90(d, 6H), 1.58(m, 6H), 1.74(m, 1H), 1.95(m, 1H), 2.65(d, 2H), 3.27(d, 2H), 7.30(AB, 1H), 7.44(s, 1H), 7.91(AB, 1H)。
【0090】
工程5: 2-(3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-4-ニトロフェニル)-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンアミド
2-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンアミド(78 mg、1当量)、3-ジメチルアミノプロピルアミン(45 mg、2当量)及び炭酸カリウム(62 mg、2当量)の混合物をDMF(2ml)中で3時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却した。残留物を酢酸エチル(20 ml)と水(8ml)に溶解した。傾瀉し、抽出した後に、有機相を一緒にして塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:100%ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール 8:2)により精製して、予想化合物を黄色油状物の形で得た(44 mg;収率48%)。
MS/LC:計算MM=420.6; m/z=421.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, CDCl3):δ 0.60(d, 6H), 0.90(d, 6H), 1.57(m, 6H), 1.75(m, 1H), 1.88(m, 2H), 1.97(m, 1H), 2.28(s, 6H), 2.45(t, 1H), 2.75(d, 2H), 3.26(d, 2H), 3.34(m, 2H), 6.57(m, 1H), 6.68(s, 1H), 8.15(m, 1H), 8.49(m, 1H)。
【0091】
工程6: 2-(4-アミノ-3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}フェニル)-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンアミド
酢酸エチル/エタノールの2:1混合物(3ml)に溶解した2-(3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}-4-ニトロフェニル)-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンアミド(44 mg)と、10%パラジウム担持炭素(5mg)とを、オートクレーブに入れた。水素雰囲気下(3バール)で約20℃の温度で4時間攪拌した後に、セライトを用いて濾過することにより触媒を除去し、濾液を40℃で減圧濃縮して、予想化合物を油状物の形で得た(39 mg;収率95%)。
MS/LC:計算MM=390.6; m/z=391.3 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.49(m, 6H), 0.81(m, 6H), 1.36(s, 6H), 1.65(m, 1H), 1.72(m, 2H), 1.87(m, 1H), 2.20(s, 6H), 2.39(t, 2H), 2.81(m, 2H), 2.97(t, 2H), 3.11(m, 2H), 4.56(m, 2H), 6.18(s, 1H), 6.30(AB, 1H), 6.48(AB, 1H)。
【0092】
工程7: 2-{2-[(4-アセチルフェニル)アミノ]-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1H-ベンゾイミダゾール-6-イル}-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンアミド二塩酸塩
2-(4-アミノ-3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}フェニル)-N,N-ジイソブチル-2-メチルプロパンアミド溶液(39 mg、1当量)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶解した溶液に、4-アセチルフェニルイソチオシアネート(14 mg、1.2当量)と、N-メチルシクロヘキシルカルボジイミド-N-メチル-ポリスチレン樹脂(Novabiochem社から入手した;装填量1.9ミリモル/g;210 mg、4当量)とを、連続的に加えた。混合物を17時間加熱還流し、次いで周囲温度まで冷却し、濾過した。濾液を40℃で減圧濃縮した。残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:100%ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール 9:1)により精製して、予想化合物を塩基の形で得た(409 mg;収率60%)。1N塩化水素酸エーテル溶液を加えることによって、対応する塩酸塩を生成させた。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して予想した二塩酸塩化合物を得た(51 mg、収率85%)。
MS/LC:計算MM=533.7; m/z=534.4 (MH+)
NMR(H, 400 MHz, DMSO-d6):δ 0.40(m, 6H), 0.82(m, 6H), 1.53(s, 6H), 1.64(m, 1H), 1.89(m, 1H), 2.21(m, 2H), 2.59(s, 3H), 2.75(m, 8H), 3.15(m, 2H), 3.25(m, 2H), 4.60(t, 2H), 7.10(AB, 1H), 7.41(AB, 1H), 7.56(s, 1H), 7.82(m, 2H), 8.05(m, 2H), 10.79(m,lH), 11.4(m, 1H)。
【0093】
反応工程図Gに従って、次の化合物を製造した:

(式中、RNは、下記の基:

の一つを表し、Rは下記の基:

の一つを表し且つRは下記の基:

の一つを表す)。
【0094】
本発明の主題はまた、一般式:

(式中、A、X、R 、R 、Rは前記の意義を有する)で示される化合物を、プロトン性又は非プロトン性溶媒中で、連結剤の存在下で、あるいは硫黄存在下の黄色酸化水銀(II)の存在下で、一般式RN=C=S(式中、Rは前記の意義を有する)で示されるイソチオシアネートで50〜80℃の温度で3〜48時間処理することを特徴とする前記の式(I)で示される化合物の製造方法である。
【0095】
結合剤は、N-メチルシクロヘキシルカルボジイミド N-メチルポリスチレン樹脂のように支持させることができるし、あるいはジイソプロピルカルボジイミド、ジエチルカルボジイミド又はジシクロヘキシルカルボジイミドのように支持させないものであり得る。プロトン性溶媒、例えばメタノール又はエタノール、あるいは非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はアセトニトリルを使用することができる。
【0096】
本発明の主題はまた、ラセミ形、鏡像異性体形又はこれらの形の組合せの一般式(II)

{式中、Aは−CH−、−C(O)−、−C(O)−C(R)(R)−を表し;
Xは−C−又は−N−を表し;
及びRは、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
及びRは、独立して、水素原子;場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは式−(CH)−Xで示される基を表し;
は(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アダマンチル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基、ニトロ基及びシアノ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−又は共有結合を表し;
は場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表すか;あるいはアリール基を表し、
nは0〜6の整数を表し且つn´は0〜2の整数を表す(但し、nが0である場合には、Xはヒドロキシ基又はアルコキシ基を表さないものと解釈される)〕;
あるいはR及びRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、(C〜C)アルキル基、(C〜C)ヒドロキシアルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びY´は独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕及びヘテロシクロアルキル基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロビシクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を形成するか;あるいはR及びRは一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
は−(CH)−Z又は−C(O)−Z´を表し;
は(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基。アリール基又はヘテロアリール基を表し;
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよく;
前記のアリールは、場合によりハロ基、ニトロ基、アジド基又は
−(CH)p´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−NH−C(O)−、
−C(O)−NR´−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
は水素原子;あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表す〕;
あるいはZは式

で示される基を表し;
Z´は場合によりハロ基、ニトロ基及び−(CH)p″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
V´は−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
Y´は水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´は水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
p、p´及びp″は、独立して、0〜4の整数を表し;
は式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´は少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はアラルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基;又は式−NWW´で示される基を表し;
は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´は式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
は水素原子;場合により(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基及びヒドロキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なる(C〜C)アルキル置換基で置換されていてもよい(C〜C)シクロアルキル基;シクロヘキセン基;ヘテロアリール基;場合により式
−(CH)s″−V−Y 、ヒドロキシ基、ハロ基、ニトロ基及びシアノ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいアリール基を表し;
は−O−、−S−、−NH−C(O)−、−NV´−又は共有結合を表し;
は水素原子を表すか又は場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
´は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
s"は0〜4の整数を表す〕;
あるいはZは式

で示される基を表し;
s及びs´は、独立して、0〜6の整数を表し;
且つRが−C(O)−Z´を表し、Rが式−(CH)−NWW´で示される基を表し、W及びW´が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す場合には、
−(CH)はエチレン基又は−(CH)−CH[(C〜C)アルキル]−基を表さないものとする}
で示される化合物である。
【0097】
好ましくは、本発明は、前記の式IIで示される化合物であって、式中の
Aが−C(O)−を表し且つXが−C−を表し;
及びRが、独立して、水素原子;場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは式−(CH)−Xで示される基を表し;
が、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
〔但し、前記のアリール基は、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
は−O−又は共有結合を表し;
は場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表すか;あるいはアリール基を表す〕;
あるいはR及びRが、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、(C〜C)アルキル基、(C〜C)ヒドロキシアルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びY´は独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕及びヘテロシクロアルキル基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基を形成するか;あるいはR及びRは一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
が−(CH)−Z又は−C(O)−Z´を表し;
が(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロアリール基を表すか、あるいは場合によりハロ基、ニトロ基又は−(CH)p´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
が式

で示される基を表し;
Z´が場合によりハロ基、ニトロ基及び−(CH)p″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
V´が−O−又は共有結合を表し;
Y´が水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
pが0又は1であり、且つp´及びp″が0であり;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はベンジル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有するヘテロアリール基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子、(C〜C)アルキル基、(C〜C)シクロアルキル基又はアリール基を表し;
さらに詳しくは、
前記シクロアルキル基がシクロプロピル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基の中から選択され、
前記ヘテロシクロアルキル基がピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、アザシクロヘプチル基、アザシクロオクチル基及びデカヒドロイソキノリニル基の中から選択され、
前記アリール基がフェニル基であり、
前記ヘテロアリール基がフリル基、ピリジル基及びイミダゾリル基の中から選択される;
ものである前記の式IIで示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0098】
極めて好ましくは、本発明はまた、前記の式IIで示される化合物であって、式中の
Aが−C(O)−を表し且つXが−C−を表し;
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基;基を表し;
が−(CH)−Zを表し;
が場合によりニトロ基又は−(CH)p´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
が−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
pが0又は1であり;且つp´が0であり;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)シクロアルキル基を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表し;
さらに詳しくは、R´で示されるヘテロシクロアルキル基がピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基の中から選択され、且つZで示されるシクロアルキル基がシクロヘキシル基である;
ものである前記の式IIで示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0099】
また、好ましくは、本発明は、前記の式IIで示される化合物であって、式中の
Aが−C(O)−C(R)(R)−を表し;Xが−C−を表し;
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
が−(CH)−Zを表し;
が−(CH)p´−V−Yで示される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し;
が−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
R´が(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
p及びp´が0であり;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子;フェニル基又はヘテロアリール基を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す
式IIで示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0100】
また、好ましくは、本発明は、前記の式IIで示される化合物であって、式中の
Aが−CH−を表し;Xが−C−を表し;
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
が−(CH)−Zを表し;
が−(CH)p´−V−Yで示される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し;
が−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
R´が(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
p及びp´が0であり;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す;
ものである式IIで示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0101】
本発明の化合物I及びIIは、有用な薬理学的性質を有する。すなわち、本発明の化合物I及びIIが、メラノコルチン受容体のある種のサブタイプ、特にMC4受容体に対して良好な親和性を有することが知見された。
【0102】
従って、本発明の化合物は、種々の医薬用途に使用することができる。本発明の化合物は、1種又はそれ以上のメラノコルチン受容体が関与する病的状態又は病気、例えば炎症状態、体重障害(肥満症、悪液質、食欲不振症)、性行為障害(勃起障害)、疼痛、さらには精神衛生障害(不安、鬱病)、薬物嗜癖、皮膚病(座瘡、皮膚疾患、メラノーマ)を治療するのに都合よく使用できる。以下、実験の部で、本発明の化合物の薬理学的性質を例証する。
【0103】
本出願の主題はまた、有効成分として前記の式Iで示される化合物の少なくとも1種、及び前記の式Iで示される化合物の製薬学的に許容し得る塩を製薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含有する医薬組成物である。
【0104】
製薬学的に許容し得る塩とは、特に無機酸の付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩及び硝酸塩、又は有機酸の付加塩、例えば酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩及びステアリン酸塩であると解釈される。本発明の範囲には、使用できる場合には、塩基、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムから形成される塩も含まれる。製薬学的に許容し得る塩のその他の例については、“Salt selection for basic drugs”, Int. J. Pharm., (1986), 33, 201-217を参照することができる。
【0105】
本出願の主題はまた、体重障害、例えば肥満症、悪液質、さらに詳しくは癌性悪液質、AIDS悪液質、老人悪液質、心悪液質、腎臓悪液質、慢性関節リウマチにおける悪液質、並びに食欲不振症の治療、疼痛、さらに詳しくは神経障害性疼痛の治療、精神衛生障害、例えば不安及び鬱病、性行為障害、例えば勃起障害の治療の医薬を製造するための本発明の化合物の使用である。
【0106】
前記医薬組成物は、固体の形状、例えば、散剤、粒剤、錠剤、ゼラチンカプセル剤又は坐薬であり得る。適当な固形担体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン及ワックスであり得る。
【0107】
本発明の主題はまた、体重障害、精神衛生障害、疼痛又は性行為障害の治療用の医薬を製造するための、ラセミ形、鏡像異性形又はこれらの形の組合せ一般式(I´)

{式中、A´は−CH−、−C(O)−、−C(O)−C(R)(R)−を表し;
X´は−CH−を表し;
及びRは、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
R´は水素原子;場合によりヒドロキシ基又は1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは式−(CH)−Xで示される基を表し;
R´は場合によりヒドロキシ基又は1個もしくはそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは
式−(CH)−Xで示される基を表し;
それぞれのXは、独立して、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アダマンチル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基、ニトロ基、シアノ基及びアリール基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−又は共有結合を表し;
は場合により1個もしくはそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
nは0〜6の整数を表し且つn´は0〜2の整数を表し(但し、nが0である場合には、Xはアルコキシ基を表さないものと解釈される)〕;
あるいはR及びRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、ヘテロシクロアルキル基及び−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びYは独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロビシクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を形成するか;あるいはR及びRは一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
R´は−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z又は−C(O)−Z´を表し;
Z3及びR´Z3は、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
はZ3a 、Z3b 、Z3c 、Z3d又はZ3eを表し;
3aは(C〜C)アルキル基を表し;
3bは(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基、(C〜C)アルキルアミノ基又はジ[(C〜C)アルキル]アミノ基を表し;
3cはアリール基又はヘテロアリール基を表し;
3dは(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基、(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し;
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、場合によりハロ基、ニトロ基、1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ基、1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルキル-カルボニル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基及びオキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合によりハロ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、オキシ基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、−SO−NR3132 、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基又は−(CH)p´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
31及びR32は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成し;
は−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−SO−、−SONH−、−NR´−SO−、−NR´−、−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
は水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;場合によりハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基;あるいはハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール-(C〜C)アルキル基を表す〕;
3eは式

で示される基を表し;
Z´は 場合によりハロ基、ニトロ基及び−(CH)p″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
V´は−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
Y´は水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´は水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
pは1〜4の整数を表し;p´及びp"は独立して0〜4の整数を表し;
は式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´はグアニジン基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はアラルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基;又は式−NWW´で示される基を表し;
は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´は式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
は水素原子、場合により(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基及びヒドロキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なる(C〜C)アルキル置換基で置換されていてもよい(C〜C)シクロアルキル基;シクロヘキセン基;ヘテロアリール基及びアリール基を表し;
〔但し、前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合により式
−(CH)s″−V−Y 、ヒドロキシ基、ハロ基、ニトロ基及びシアノ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−、−NH−C(O)−、−NV´−又は共有結合を表し;
は水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
´は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
s"は0〜4の整数を表す〕;
あるいはZは式

で示される基を表し;
s及びs´は、独立して、0〜6の整数を表す}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩の使用である。
【0108】
本出願の主題は、さらに詳しくは、前記の式(I´)で示される化合物であって、
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
がZ3cを表し且つZ3c がそれぞれ少なくともシアノ基で置換されたフェニル基又はナフチル基を表し;
が式−(CH)−R´(但し、R´はピロリジニル基又はピペリジニル基;あるいは式−NWW´で示される基を表す)で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Z(但し、Zは水素原子を表す)で示される基を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする前記の式(I´)で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩の使用である。
【0109】
本発明の化合物を含有する医薬組成物はまた、液体の形態、例えば溶液乳化液、懸濁液又はシロップで提供しえる。適当な液状担体は、例えば水、有機溶媒、例えばグリセリン、グリセロール又はグリコール類、並びにこれらの製薬学的に許容し得る油類又は油脂類に加えられた水中の種々の割合の混合物であり得る。滅菌液組成物は、筋肉内、腹腔内又は皮下注射に使用でき、該滅菌組成物は静脈内経路で投与することもできる。
【0110】
本明細書で使用した技術用語及び科学用語は全て、当業者に知られている意味を有する。また、特許(又は特許出願)及びその他の技術文献は全て参考として組み込まれる。
【0111】
実験の部
前記の実施例A、B、C、C´、D、E、F、F´及びGの方法に従って得られた本発明の化合物を、以下の表に示す。尚、表中の用語「Example」は「実施例」を意味し、「Molecualra structure」は「分子構造」を意味し、「min」は「分」を意味する。
【0112】
化合物は、その保持時間(rt)及びその質量分光分析(MH+)で測定される分子ピークにより特定される。
【0113】
質量分光分析については、エレクトロスプレー源を備えた単一の四重極質量分析計(Micromass、Platform model) を、50%valleyで0.8Daの解像度で使用した。較正は、一ヶ月毎に、イソプロパノール/水の混合物(容量で1/1)に溶解したヨウ化ナトリウムと沃化ルビジウムの較正混合物を使用して質量80Daと質量1000Daの間で行った。
【0114】
液体クロマトグラフィーについては、インラインデガッサー、Waters 600 quaternary pump、Gilson 233 プレートサンプリングインジェクター及びWaters PAD 996 UV検出器を含むWaters製装置を使用した。
【0115】
溶出条件は次の通りである。
【0116】
溶出液:A 水+0.04%トリフルオロ酢酸; B アセトニトリル

流量:1ml/min; 注入量:10 μl;カラム:Uptisphere ODS 3μm 75*4.6 mm i.d
これらの実施例は、前記の方法を例証する目的で示すものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0117】































































































【0118】
薬理学的研究
メラノコルチン受容体の種々のサブタイプに対する本発明の化合物の親和性を、MC4受容体について以下に記載の方法と同様の方法に従って測定した。
【0119】
メラノコルチンのMC4受容体に対する化合物の親和性の研究
MC4受容体に対する本発明の化合物の親和性を、移入CHO-K1細胞の膜調製物に対する[125I]-[Nle,D-Phe]-α-MSHの結合の阻害を測定することによって調べた。
ヒトMC4受容体を安定な方法で発現するCHO-K1細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、100U/mlのペニシリン、0.1mg/mlのストレプトマイシン及び0.5mg/mlのG418を含有するRPMI 1640培地中で培養した。細胞を0.5mMのEDTAを用いて回収し、500 gで、4℃で5分間遠心分離した。得られたペレットを、リン酸緩衝食塩水(PBS)に再懸濁し、500 gで、4℃で5分間遠心分離した。得られたペレットを、pH7.4のTris 50mM緩衝培地に再懸濁し、500 gで、4℃で5分間遠心分離した。得られた細胞を音波処理により溶解し、39,000 g で、4℃で10分間遠心分離した。得られたペレットを、pH7.4のTris 50mM緩衝培地に再懸濁し、50,000 gで、4℃で10分間遠心分離した。この最後のペレットにおける得られた膜を−80℃で保存した。
MC4受容体に対する[125I]-[Nle,D-Phe]-α-MSHの結合の競争阻害の測定は、ポリプロピレン製96ウエルプレートを使用して2重反復試験で行った。細胞膜(50μgタンパク質/ウエル)を、[125I]-[Nle,D-Phe]-α-MSH(0.5nM)と共に、2%ウシ血清アルブミン(BSA)、5mMのMgCl2及び0.1mg/mlのバシトラシンを含有するTris-HCl 50mM緩衝培地中で37℃で90分間インキュベートした。
結合された[125I]-[Nle,D-Phe]-α-MSHを、Filtermate 196 (Packard)を使用して、0.1%ポリエチルアミン(P.E.I.)を予め含浸させたGF/Cガラス 線維フィルター(Unifilter、Packard)に通して濾過することにより遊離の[125I]-[Nle,D-Phe]-α-MSHから分離した。フィルターを、Tris-HCl 50mM緩衝液(pH7.4)で0〜4℃で洗浄し、存在する放射能をカウンター(Packard Top Count)を使用して測定した。
特異結合を、全部の結合から非特異結合(0.1μMのNle,D-Phe-α-MSHの存在下で測定される)を差し引くことによって得た。得られたデータをコンピューター支援非線形回帰(MDL)法により分析し、定数阻害(Ki)の値を測定した。
【0120】
本発明の化合物のMC4受容体のアゴニスト又はアンタゴニスト活性を、MC4受容体により移入CHO-K1細胞によるサイクリックAMPの産生を測定することによって調べた。
【0121】
MC4受容体による細胞内サイクリックAMPの産生の測定
メラノコルチンのMC4受容体を発現するCHO-K1細胞を、10%ウシ胎児血清及び0.5 mg/mlのG418を含有するRPMI 1640培地を入れた384ウエルプレート中で培養した。細胞を、0.2%BSA及び0.5mMの3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)を含有するRPMI培地50μlを用いて2回洗浄した。
化合物のアゴニスト効果を測定するために、細胞を0.5mMのIBMXの存在下で、37℃で5分間インキュベートし、次いでサイクリックAMPの産生の促進が、二重反復試験で1pM〜10μMからなる濃度の化合物を37℃で20分間で加えることにより得られた。化合物のアンタゴニスト効果を、二重反復試験で、37℃で20分間、1nM〜10μMからなる濃度の試験すべき化合物のの存在下で、1pM〜10μMからなる濃度のNle,D-Phe-α-MSHで誘導したサイクリックAMPの産生の促進を阻害することによって調べた。
反応混合物を除去し、80μlの溶解緩衝液を加えた。細胞内サイクリックAMP濃度を、 蛍光サイクリックAMP(CatchPoint、Molecular Devices)を用いる競争試験により測定した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラセミ形、鏡像異性体形又はこれらの形の組合せの一般式(I)

{式中、Aは−CH−、−C(O)−、−C(O)−C(R)(R)−を表し;
Xは−CH−又は−N−を表し;
及びRは、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
は水素原子;場合によりヒドロキシ基又は1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは式−(CH)−Xで示される基を表し;
は場合によりヒドロキシ基又は1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは
式−(CH)−Xで示される基を表し;
それぞれのXは、独立して、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アダマンチル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基、ニトロ基、シアノ基及びアリール基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−又は共有結合を表し;
は場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
nは0〜6の整数を表し且つn´は0〜2の整数を表す(但し、nが0である場合には、Xはアルコキシ基を表さないものと解釈される)〕;
あるいはR及びRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、ヘテロシクロアルキル基及び−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びY´は独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロビシクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を形成するか;あるいはR及びRは一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
は−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z又は
−C(O)−Z´を表し;
Z3及びR´Z3は、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
はZ3a 、Z3b 、Z3c 、Z3d又はZ3eを表し;
3aは(C〜C)アルキル基を表し;
3bは(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基、(C〜C)アルキルアミノ基又はジ[(C〜C)アルキル]アミノ基を表し;
3cはアリール基又はヘテロアリール基を表し;
3dは(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基、(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し;
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、場合によりハロ基;ニトロ基;1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ基;1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルキル-カルボニル基;(C〜C)アルコキシ-カルボニル基;アミノ-カルボニル基;(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基;ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基及びオキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合によりハロ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、オキシ基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、−SO−NR3132 、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基又は−(CH)p´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
31及びR32は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成し;
は−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−SO−、−SONH−、−NR´−SO−、−NR´−、−NR´−C(O)−、
−C(O)−NR´−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
は水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;場合によりハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基;あるいは場合によりハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール-(C〜C)アルキル基を表す〕;
3eは式

で示される基を表し;
Z´は場合によりハロ基、ニトロ基及び−(CH)p″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
V´は−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
Y´は水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´は水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
pは1〜4の整数を表し;p´及びp"は独立して0〜4の整数を表し;
は式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´はグアニジン基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はアラルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基;又は式−NWW´で示される基を表し;
は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´は式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
は水素原子;場合により(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基及びヒドロキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なる(C〜C)アルキル置換基で置換されていてもよい(C〜C)シクロアルキル基;シクロヘキセン基;ヘテロアリール基及びアリール基を表し;
〔但し、前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合により
式−(CH)s″−V−Y 、ヒドロキシ基、ハロ基、ニトロ基及びシアノ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−、−NH−C(O)−、−NV´−又は共有結合を表し;
は水素原子を表すか又は場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
´は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
s"は0〜4の整数を表す〕;
あるいはZは式

で示される基を表し;
s及びs´は、独立して、0〜6の整数を表し;
且つ i)Rが−C(O)−Z´を表し、Rが式−(CH)−NWW´で示される基を表し且つW及びW´が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す場合には、−(CH)はエチレン基又は−(CH)−CH[(C〜C)アルキル]−基を表さないものとし、またii)Rが−Z3cを表し且つZ3cがフェニル基又はナフチル基を表す場合には、フェニル基及びナフチル基はシアノ基で置換されていないものであり;且つRが−Z3dを表す場合には、Z3dは1個の(C〜C)シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基のみを表すと解釈される}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
Xが−CH−を表すものであることを特徴とする請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
Aが−CH−を表すものであることを特徴とする請求項2に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
及びRが、独立して(C〜C)アルキル基を表し;
が−Z3c、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3c 、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3d
−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z3dを表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す
ものであることを特徴とする請求項3に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
R´で示されるヘテロシクロアルキル基がピペリジン環を表し;
Z3及びR´Z3が水素原子を表し;
3cがチエニル基、フリル基又はフェニル基を表し、
前記フェニル基がハロ基及び−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されているものであり;
が−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
R´が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基又はヘテロシクロアルキル基を表し、好ましくはヘテロシクロアルキル基はイミダゾリジンである;
ものであることを特徴とする請求項4に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項6】
Aが−C(O)−C(R)(R)−を表し;R及びRがメチル基を表すものであることを特徴とする請求項2に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
が−Z3c、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3c 、−C(RZ3)(R´Z3)−Z3d 又は
−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z3dを表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;又は式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子、フェニル基又はヘテロアリール基を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする請求項6に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項8】
Z3及びR´Z3が、独立して、水素原子を表し;
3cが場合により(C〜C)アルコキシ-カルボニル基で置換されていてもよいチエニル基を表すか;あるいはハロ基、ニトロ基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されたフェニル基を表し;
が−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基を表し;
R´で示されるヘテロシクロアルキル基がピペリジンであり;
で示されるヘテロアリール基がピリジンである;
ものであることを特徴とする請求項7に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項9】
Aが−C(O)−を表すものであることを特徴とする請求項2に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項10】
が−C(O)−Z´を表し;
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
Z´が場合によりハロ基、ニトロ基又は−(CH)P″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し;
V´が−O−、−C(O)−O−又は共有結合を表し;
Y´が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
p"が整数0を表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し且つR´が式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−R´で示される基を表し且つZが水素原子を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする請求項2に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項11】
が水素原子、場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基、又は式−(CH)−Xで示される基を表し;
が場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基又は式−(CH)−Xで示される基を表し;
それぞれのXが、独立して、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
前記アリール基が、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−又は共有結合を表し;
が場合により1個もしくはそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;あるいはアリール基を表し;
あるいはR及びRが、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、ヘテロシクロアルキル基及び−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びY´は独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基を形成するか;
あるいはR及びRが、一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
が−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−Z又は−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し;
が式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´が少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はアラルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基;あるいは式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
が水素原子、(C〜C)シクロアルキル基又はアリール基を表し;
sが0〜5の整数を表し;s"が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする請求項9に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項12】
下記の特徴:
・ Xで表される(C〜C)シクロアルキル基がシクロプロピル基であること;
・ Xで表されるアリール基がフェニル基であること;
・ Xで表されるヘテロアリール基がピリジンであること;
・ R及びRがこれらが結合されている窒素原子と一緒になって形成するヘテロシクロアルキル基が、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アザシクロオクタン、モルホリン、ピペラジン及びデカヒドロイソキノリンの中から選択されるものであること;
・ R´で表され且つ場合によって(C〜C)アルキル基又はベンジル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基が、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基又はピペラジニル基の中から選択されるものであること;
・ R´で表されるヘテロアリール基がイミダゾリル基であること;
・ Zで表されるシクロアルキル基がシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基の中から選択されるものであること;
・ Zで表されるアリール基がフェニル基であること;
の少なくとも一つを有するものであることを特徴とする請求項11に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項13】
が式−(CH)−R´で示される基を表し、R´がピロリジニル基又はピペリジニル基、あるいは式−NWW´で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Zで示される基を表し、Zが水素原子を表し;
sが2〜4の整数を表し;s"が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする請求項11に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項14】
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表すものであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項15】
が−Zを表し且つZがZ3c 、Z3d又はZ3eを表し;Z3dが(C〜C)シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を表すものであることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項16】
3cがチエニル基、フリル基、インドリル基、ジヒドロインドリル基、ピリジル基、ベンゾチエニル基及びベンゾフリル基の中から選択されるヘテロアリール基を表すか;又はフェニル基、ナフチル基及びフルオレニルの中から選択されるアリール基を表し;
前記ヘテロアリール基が場合により(C〜C)アルキル-カルボニル基及び(C〜C)アルコキシ-カルボニル基から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
前記アリール基が場合によりハロ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、オキシ基、−SO−NR3132 、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
31及びR32がこれらが結合されている窒素原子と一緒になってピペリジン環を形成し;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−、−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;フェニル基;あるいはベンジル基を表し;
R´が水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
3dがシクロプロピル基、シクロヘキシル基又はピペリジニル基を表し、そのそれぞれが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基で置換されていてもよい;
ものであることを特徴とする請求項15に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項17】
が−Zを表し且つZがZ3c 、Z3d又はZ3eを表し;
3cがチエニル基、インドリル基及びベンゾチエニル基の中から選択されるヘテロアリール基を表すか;あるいはフェニル基又はナフチル基の中から選択されるアリール基を表し;
前記ヘテロアリール基が場合により1個又はそれ以上のオキシ基で置換されていてもよく;
前記アリール基が場合によりハロ基、ニトロ基、ヘテロアリール基又は
−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;フェニル基;あるいはベンジル基を表し;
R´が水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
3dがシクロプロピル基又はピペリジニル基を表し、そのそれぞれが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基で置換されていてもよい;
ものであることを特徴とする請求項15に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項18】
がZ3c又はZ3eを表し;
3cが場合によりニトロ基及び−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
が水素原子;(C〜C)アルキル基;フェニル基;又はベンジル基を表し;
R´が水素原子を表し;
3e

を表すものであることを特徴とする請求項17に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項19】
が−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3b 、Z3c 、Z3d又はZ3eを表すものであることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項20】
が−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3b又はZ3cを表し;RZ3及びR´Z3が水素原子を表すものであることを特徴とする請求項19に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項21】
3bが(C〜C)アルコキシ基を表し;
3cがチエニル基、フリル基、ピリジル基、ベンゾチエニル基及びジヒドロベンゾフリル基の中から選択されるヘテロアリール基を表すか;あるいはフェニル基及びナフチル基の中から選択されるアリール基を表し;
前記アリール基が場合によりハロ基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−NR´−C(O)−、−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表す;
ものであることを特徴とする請求項20に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項22】
が−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3b又はZ3cを表し;
3bが(C〜C)アルコキシ基を表し;
3cがチエニル基、フリル基、ジヒドロベンゾフリル基の中から選択されるヘテロアリール基を表すか;あるいはフェニル基を表し;
前記フェニル基が場合によりハロ基又は−(CH)P´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表す;
ものであることを特徴とする請求項20に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項23】
がZ3cを表し;
3cがフリル基又はフェニル基を表し;
前記フェニル基が場合により式−(CH)P´−V−Yで示される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−SO−、−SONH−、
−C(O)−NR´−を表し;
が水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´が水素原子を表す;
ものであることを特徴とする請求項22に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項24】
が−C(RZ3)(R´Z3)−Zを表し且つZがZ3d又はZ3eを表し;
Z3及びR´Z3が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、(C〜C)シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を表し;
3e

を表す;
ものであることを特徴とする請求項19に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項25】
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、シクロヘキシル基又はテトラヒドロフラニル基を表すものであることを特徴とする請求項24に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項26】
がZ3d又はZ3eを表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基を表し;
3e

を表す;
ものであることを特徴とする請求項24に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項27】
がZ3eを表し;Z3e

を表すものであることを特徴とする請求項26に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項28】
が−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3b 、3c又はZ3dを表すものであることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項29】
が−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3bを表すものであることを特徴とする請求項28に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項30】
Z3及びR´Z3が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基又はジ[(C〜C)アルキル]アミノ基を表すものであることを特徴とする請求項29に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項31】
Z3及びR´Z3が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3bが(C〜C)アルコキシ基又は(C〜C)アルキルチオ基を表すものであることを特徴とする請求項29に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項32】
が−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Zを表し且つZがZ3c又はZ3dを表すものであることを特徴とする請求項28に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項33】
Z3及びR´Z3が独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3cがインドリル基又はフェニル基を表し;
前記フェニル基が式−(CH)P´−V−Yで示される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
が−SONH−を表し;
が水素原子;又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基を表すか、あるいは場合によりオキシ基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基、好ましくはピペリジニル基、モルホリニル基、ピロリジン基又はイミダゾリジニル基を表す;
ものであることを特徴とする請求項32に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項34】
がZ3dを表し;
Z3及びR´Z3が、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
3dが(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基又はヘテロシクロアルキル基、好ましくは場合によりオキシで置換されていてもよいピロリジン基又はイミダゾリジニル基を表す;
ものであることを特徴とする請求項32に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項35】
一般式:

(式中、A、X、R 、R 、Rは請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物を、プロトン性又は非プロトン性溶媒中で、結合剤の存在下で、又は硫黄存在下の黄色酸化水銀(II)の存在下で、一般式RN=C=S(式中、Rは請求項1に記載の意義を有する)で示されるイソチオシアネートで50〜80℃の温度で3〜48時間処理することを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物の製造方法。
【請求項36】
有効成分として請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1種を製薬学的に許容し得る担体と組み合わせて含有する医薬組成物。
【請求項37】
体重障害、精神衛生障害又は性行為障害の治療用の医薬を製造するための請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項38】
体重障害、例えば食欲不振症及び悪液質、さらに詳しくは癌悪液質、AIDS悪液質、老齢悪液質、心悪液質、腎臓悪液質、慢性関節リウマチの悪液質を治療するための請求項37に記載の使用。
【請求項39】
疼痛、さらに詳しくは神経障害性疼痛を治療するための請求項37に記載の使用。
【請求項40】
不安及び鬱病などの精神衛生障害を治療するための請求項37に記載の使用。
【請求項41】
体重障害、精神衛生障害、疼痛又は性行為障害の治療用の医薬を製造するための、ラセミ形、鏡像異性形又はこれらの形の組合せ一般式(I´)

{式中、A´は−CH−、−C(O)−、−C(O)−C(R)(R)−を表し;
X´は−CH−を表し;
及びRは、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
R´は水素原子;場合によりヒドロキシ基又は1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは式−(CH)−Xで示される基を表し;
R´は場合によりヒドロキシ基又は1個もしくはそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;あるいは
式−(CH)−Xで示される基を表し;
それぞれのXは、独立して、(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、アダマンチル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、場合により基−(CH)n´−V−Y、ハロ基、ニトロ基、シアノ基及びアリール基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−又は共有結合を表し;
は場合により1個もしくはそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
nは0〜6の整数を表し且つn´は0〜2の整数を表し(但し、nが0である場合には、Xはアルコキシ基を表さないものと解釈される)〕;
あるいはR及びRは、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、ヘテロシクロアルキル基及び−C(O)NV´Y´〔但し、V´及びYは独立して水素原子又は(C〜C)アルキル基を表す〕の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいヘテロビシクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を形成するか;あるいはR及びRは一緒になって、次式:

で示される基を形成し;
R´は−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−Z、−C(RZ3)(R´Z3)−(CH)−Z又は−C(O)−Z´を表し;
Z3及びR´Z3は、独立して、水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
はZ3a 、Z3b 、Z3c 、Z3d又はZ3eを表し;
3aは(C〜C)アルキル基を表し;
3bは(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基、(C〜C)アルキルアミノ基又はジ[(C〜C)アルキル]アミノ基を表し;
3cはアリール基又はヘテロアリール基を表し;
3dは(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキル−C(O)−NH−基、(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し;
〔但し、前記の(C〜C)シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、場合によりハロ基、ニトロ基、1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ基、1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルキル-カルボニル基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル基、アミノ-カルボニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル基、ジ[(C〜C)アルキル]アミノ-カルボニル基及びオキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合によりハロ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、オキシ基、(C〜C)アルコキシ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルキルアミノ-カルボニル-(C〜C)アルケニル基、−SO−NR3132 、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基又は−(CH)p´−V−Yの中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよく;
31及びR32は、これらが結合されている窒素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成し;
は−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−SO−、−SONH−、−NR´−SO−、−NR´−、−NR´−C(O)−、
−C(O)−NR´−、−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
は水素原子;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;場合によりハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基;あるいはハロ基、ニトロ基、(C〜C)アルキル基及び(C〜C)アルコキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール-(C〜C)アルキル基を表す〕;
3eは式

で示される基を表し;
Z´は 場合によりハロ基、ニトロ基及び−(CH)p″−V´−Y´の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
V´は−O−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NR´−、
−NH−C(O)−NR´−又は共有結合を表し;
Y´は水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
R´は水素原子、(C〜C)アルキル基又は(C〜C)アルコキシ基を表し;
pは1〜4の整数を表し;p´及びp"は独立して0〜4の整数を表し;
は式−(CH)−R´で示される基を表し;
R´はグアニジン基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基又はアラルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;少なくとも1個の窒素原子を含有し且つ場合により(C〜C)アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基;又は式−NWW´で示される基を表し;
は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´は式−(CH)s´−Zで示される基を表し;
は水素原子、場合により(C〜C)アルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基及びヒドロキシ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる置換基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基;(C〜C)アルケニル基;場合により1個又はそれ以上の同一又は異なる(C〜C)アルキル置換基で置換されていてもよい(C〜C)シクロアルキル基;シクロヘキセン基;ヘテロアリール基及びアリール基を表し;
〔但し、前記のアリール基及びヘテロアリール基は、場合により式
−(CH)s″−V−Y 、ヒドロキシ基、ハロ基、ニトロ基及びシアノ基の中から選択される1個又はそれ以上の同一又は異なる基で置換されていてもよく;
は−O−、−S−、−NH−C(O)−、−NV´−又は共有結合を表し;
は水素原子を表すか、あるいは場合により1個又はそれ以上の同一又は異なるハロ基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル基を表し;
´は水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
s"は0〜4の整数を表す〕;
あるいはZは式

で示される基を表し;
s及びs´は、独立して、0〜6の整数を表す}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る塩の使用。
【請求項42】
及びRが、独立して、(C〜C)アルキル基を表し;
がZ3cを表し且つZ3c がそれぞれ少なくともシアノ基で置換されたフェニル基又はナフチル基を表し;
が式−(CH)−R´(但し、R´はピロリジニル基又はピペリジニル基;あるいは式−NWW´で示される基を表す)で示される基を表し;
が水素原子又は(C〜C)アルキル基を表し;
W´が式−(CH)s´−Z(但し、Zは水素原子を表す)で示される基を表し;
sが2〜4の整数を表し;s´が0〜4の整数を表す;
ものであることを特徴とする請求項41の使用。


【公表番号】特表2006−519214(P2006−519214A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502162(P2006−502162)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000418
【国際公開番号】WO2004/075823
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505474717)ソシエテ ド コンセイユ ド ルシェルシェ エ ダアップリカーション シャンティフィック(エス.セー.エール.アー.エス.) (41)
【Fターム(参考)】