説明

新規ポリウレタンおよびその製造方法

【課題】機械的強度が強く、熱安定性の高い環構造を繰り返し単位を主鎖に有し、両末端に水酸基が導入されたポリオール化合物をジオール残基として導入された新規なポリウレタン化合物を提供すること。
【解決手段】特定の環構造を繰り返し単位として有する次式で例示されるポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを重付加反応することで得られるポリウレタン化合物。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリウレタンに関するものであり、更に詳しくはジオール残基として特定の環構造を繰り返し単位として有するポリオールとポリイソシアネートから製造される耐熱性、機械的強度に優れた新規なポリウレタンおよび、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは一般にポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応によって製造される。ここで得られるポリウレタン化合物は、硬質、または軟質ウレタンフォーム、RIM(反応射出成形法)材料、エラストマー、塗料、コーティング剤、バインダー、接着剤などに使用されている。
【0003】この様なポリウレタン化合物用のポリオール化合物の一つとしてポリマーポリオールがあり、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエチレンアジペートなどのポリエステルポリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール水添物などが知られていた。しかし、ポリエーテルポリオールは吸水性が高く、機械的強度が低い、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールは加水分解性が高い、ポリブタジエンポリオール水添物は合成上の制約から90%程度しか両末端に官能基が付いていない、機械的強度もまだ不十分など従来のポリマーポリオールには種々の問題点があった。そこで、両末端に確実に水酸基が導入され、耐水性、熱安定性が高く、機械的強度の強いポリマーポリオールを用いたポリウレタンが求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は機械的強度が強く、熱安定性の高い環構造を繰り返し単位として主鎖に有し、両末端に水酸基が導入されたポリオール化合物をジオール残基として導入された新規なポリウレタンを提供すること、およびそのポリウレタンの製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、ジオール残基として特定の脂環構造または複素環構造を有するポリオールとポリイソシアネート化合物とを重付加反応することで得られるポリウレタンが上記の課題を解決することを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は以下の(1)〜(28)に示されるポリウレタン化合物およびその製造方法に関する。
【0006】(1)両末端にそれぞれ独立に一般式(I)
−CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(II)
【化5】


(II)
〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応により得られるポリウレタン。
【0007】(2)ポリオール(a)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構造を有し、その間が一般式(II)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする(1)に記載のポリウレタン。
【0008】(3)ポリオール化合物の内、ポリオール(a)の割合が5〜100モル%である(1)または(2)に記載のポリウレタン。
【0009】(4)一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタン。
【0010】(5)一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8が水素原子である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタン。
【0011】(6)一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5がエチル基である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタン。
【0012】(7)両末端にそれぞれ独立に一般式(III)
=CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(IV)
【化6】


(IV)
〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応により得られるポリウレタン。
【0013】(8)ポリオール(b)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(III)で示される構造を有し、その間が一般式(IV)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする(7)に記載のポリウレタン。
【0014】(9)ポリオール化合物の内、ポリオール(b)の割合が5〜100モル%である(7)または(8)に記載のポリウレタン。
【0015】(10)一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である(7)〜(9)のいずれかに記載のポリウレタン。
【0016】(11)一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16が水素原子である(7)〜(9)のいずれかに記載のポリウレタン。
【0017】(12)一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R12、R15〜R16が水素原子であり、R13とR14が両方を併せてエチリデン基である(7)〜(9)のいずれかに記載のポリウレタン。
【0018】(13)両末端にそれぞれ独立に一般式(I)
−CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(II)
【化7】


(II)
〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを重付加反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【0019】(14)ポリオール(a)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構造を有し、その間が一般式(II)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする(13)に記載のポリウレタンの製造方法。
【0020】(15)ポリオール化合物の内、ポリオール(a)の割合が5〜100モル%である(13)または(14)に記載のポリウレタンの製造方法。
【0021】(16)一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である(13)〜(15)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0022】(17)一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8が水素原子である(13)〜(15)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0023】(18)一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5がエチル基である(13)〜(15)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0024】(19)両末端にそれぞれ独立に一般式(III)
=CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(IV)
【化8】


(IV)
〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを重付加させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【0025】(20)ポリオール(b)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(III)で示される構造を有し、その間が一般式(IV)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする(19)に記載のポリウレタンの製造方法。
【0026】(21)ポリオール化合物の内、ポリオール(b)の割合が5〜100モル%である(19)または(20)に記載のポリウレタンの製造方法。
【0027】(22)一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である(19)〜(21)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0028】(23)一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16が水素原子である(19)〜(21)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0029】(24)一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R12、R15〜R16が水素原子であり、R13とR14が両方を併せてエチリデン基である(19)〜(21)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0030】(25)(1)〜(6)のいずれかに記載のポリオール(a)とポリイソシアネート化合物を必須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【0031】(26)(7)〜(12)のいずれかに記載のポリオール(b)とポリイソシアネート化合物を必須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【0032】(27)(1)〜(6)のいずれかに記載のポリオール(a)、(7)〜(12)のいずれかに記載のポリオール(b)およびポリイソシアネート化合物を必須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【0033】(28)(25)〜(27)のいずれかに記載のポリウレタン製造用組成物を重付加反応して得られるポリウレタン。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発明のポリウレタンは、特定の構造を有する脂環式または複素環式骨格を有する繰り返し単位からなるポリオールから誘導されるジオール残基を繰り返し単位中に有するポリウレタンである。
【0035】本発明で使用される特定の環構造を有する繰り返し単位からなるポリオールは、前記一般式(II)または一般式(IV)で示される環構造の繰り返し単位を少なくとも一種類、有するポリオールである。ここで、一般式(II)で示される繰り返し単位を含む請求項1に記載のポリオール(a)は一般式(IV)で示される繰り返し単位を含む請求項7に記載のポリオール(b)の炭素−炭素二重結合を水添したものである。
【0036】具体的に一般式(II)におけるR1〜R8を以下に例示して説明する。下記一般式(V)は請求項1に記載のポリオール(a)の一例であり、一般式(I)の両末端と一般式(II)の繰り返し単位のみから成る場合である。
【化9】


(V)
〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。m、nは独立に0から5の整数を表し、kは任意の自然数。〕
【0037】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル等のアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、フェニル、トリル、メシチル、ナフチル等のアリール基、R1〜R8の2つ以上が連結した環としては、共通するひとつの炭素原子に結合する置換基、すなわちR1とR2、R3とR4またはR5とR6が連結した3〜6員環のスピロ環、一般式(V)中のα、βで示される炭素原子を共有した5〜8員環の縮合環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、クロロメチル、メトキシメチル、アセトキシメチル等の置換アルキル基等が挙げられる。
【0038】さらに、シアノ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシル基;アセトキシ、プロピオニルオキシ等のアシル基;ホルミル基;カルボキシル基またはそのメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル等のエステル類(アルコキシカルボニル基)もしくは2個のカルボキシル基から形成される酸無水物;トリメチルシリル等のシリル基等が挙げられる。
【0039】これらR1〜R8のうち、好ましくは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。また、一般式(II)におけるAは置換基R1、R2を有する炭化水素基または酸素原子であるが炭化水素基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。
【0040】次に、一般式(IV)におけるR9〜R16を以下に具体的に例示して説明する。下記一般式(VI)は請求項7に記載のポリオール(b)の一例であり、一般式(III)の両末端と一般式(IV)の繰り返し単位のみから成る場合である。
【化10】


(VI)
〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。m、nは独立に0から5の整数を表し、kは任意の自然数を表す。〕
【0041】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル等のアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、フェニル、トリル、メシチル、ナフチル等のアリール基、R11とR12、R13とR14のそれぞれの組から独立に形成されるアルキリデン基としては、メチレン(=CH2)、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン等のアルキリデン基、R9〜R16の2つ以上が連結した環としては、共通するひとつの炭素原子に結合する置換基、すなわちR9とR10、R11とR12またはR13とR14が連結した3〜6員環のスピロ環、一般式(VI)中のα、βで示される炭素原子を共有した5〜8員環の縮合環、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、クロロメチル、メトキシメチル、アセトキシメチル等の置換アルキル基等が挙げられる。
【0042】さらに、シアノ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシル基;アセトキシ、プロピオニルオキシ等のアシル基;ホルミル基;カルボキシル基またはそのメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル等のエステル類(アルコキシカルボニル基)もしくは2個のカルボキシル基から形成される酸無水物;トリメチルシリル等のシリル基等が挙げられる。これらR9〜R16のうち、好ましくは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはアルキリデン基である。また、一般式(IV)におけるAは置換基R9、R10を有する炭化水素基または酸素原子であるが炭化水素基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。
【0043】本発明の請求項7に記載のポリオール(b)(例として一般式(VI))は、一般式(VII)で表される化合物を1種以上含む環状不飽和化合物(a)と、両末端に官能基(水酸基、アシルオキシ基等)を有する鎖状不飽和化合物(b)とから触媒を使用し開環重合を行い、必要があれば官能基を水酸基に変換する操作を行って製造される。
【0044】環状不飽和化合物(a)のうち少なくとも1種類は一般式(VII):
【化11】


(VII)
〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、あわせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で表されるノルボルネン系化合物である。これらのノルボルネン系化合物は、1種単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
【0045】より具体的に一般式(VII)で表される繰り返し単位を形成する単量体化合物としては、ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、2−メチル−5−ノルボルネン、2−ヘキシル−5−ノルボルネン、2−シクロヘキシル−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ベンゾノルボルナジエン等の炭化水素のみから形成されるノルボルネン類、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、5−ノルボルネン−2−カルバルデヒド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−トリメチルシリル−5−ノルボルネン、2−クロロ−5−ノルボルネン、2−メトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2−メチル−5−ノルボルネン−3−カルバルデヒド、2−メチル−5−ノルボルネン−3−メタノール等の炭化水素基以外の置換基を有するノルボルネン類、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.125.17,10]−3−ドデセン等の縮合環を有するノルボルネン類等のノルボルネン系化合物が挙げられる。
【0046】また、複素環式化合物としてはベンゾオキサノルボルナジエン、2,3−ビス(メトキシメチル)−7−オキサ−5−ノルボルネン、2,3−トリフルオロメチル−7−オキサ−5−ノルボルネン等のオキサノルボルネン類などが挙げられる。
【0047】これらのノルボルネン系化合物は、1種単独でまたは2種以上を組合せて用いても構わない。これらノルボルネン系化合物のうち、好ましくは炭化水素のみで形成されるノルボルネン類であり、より好ましくはノルボルネン及び5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0048】環状不飽和化合物(a)としては、一般式(VII)で示されるノルボルネン系化合物が必須であるが、これ以外の環状不飽和化合物も組みあわせる事が出来る。但し、その環状不飽和化合物は上記ノルボルネン系化合物の開環重合を阻害するものであってはならない。例として、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン等のシクロアルケン類、4−メチル−1−シクロヘキセン等の置換シクロアルケン類、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン等のシクロアルカジエン類、3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、6−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール等の水酸基を有するシクロアルケン類、3−ブロモシクロヘキセン等のハロゲン化シクロアルケン類等の環状不飽和化合物が挙げられる。
【0049】これらの環状不飽和化合物は、1種単独でまたは2種以上を組合せて用いても構わない。これら環状不飽和化合物のうち好ましくはシクロアルカジエン、シクロアルケン類である。
【0050】両末端に官能基を有する鎖状不飽和化合物(b)は一般式(VIII):
【化12】


(VIII)
〔式中、m、nは独立に0〜5の整数、X1、X2は独立に水酸基またはOCOR(Rは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)である。〕で表され、請求項7に記載のポリオールの分子量調節剤であるとともに両末端に官能基を入れるための化合物である。
【0051】具体的な官能基X1、X2としてはアセトキシ、プロピオニルオキシ等のアシルオキシ基;ベンゾイルオキシ、トルオイルオキシ等のアロイルオキシ基、水酸基が挙げられる。
【0052】一般式(VIII)で表される鎖状不飽和化合物(b)としては、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、1,6−ジヒドロキシ−3−ヘキセン、1,8−ジヒドロキシ−4−オクテン等の両末端ジオール化合物、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,6−ジアセトキシ−3−ヘキセン、1,8−ジアセトキシ−4−オクテン等の両末端ジオールのカルボン酸エステル化合物などが挙げられる。好ましくは1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン及び1,4−ジアセトキシ−2−ブテンが用いられる。
【0053】一般式(VII)で表される化合物を含む環状不飽和化合物(a)と、両末端に水酸基、アシルオキシ基等を有する鎖状不飽和化合物(b)との開環重合はメタセシス触媒を使用することにより実施される。具体的な製造方法としては、鎖状不飽和化合物(b)と開環重合触媒(メタセシス触媒)との混合物に、環状不飽和化合物(a)の一部または全量を少しづつ添加し、重合させる方法があげられる。より詳細には、鎖状不飽和化合物(b)及び溶媒、あるいは場合によっては一部の環状不飽和化合物をも含有する混合物に触媒を加えることにより反応を開始させた後、環状不飽和化合物(a)を、該混合物に添加して反応させる製造方法である。両末端の官能基がアシルオキシ基の場合には反応終了後、加水分解、けん化あるいはエステル交換などの方法により水酸基に変換することによりジオール化合物とする事ができる。
【0054】上記の開環重合触媒は、いわゆるメタセシス反応を進行させることができる触媒であって、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウムなどの金属触媒である。触媒は担体に担持したものまたは錯体触媒が使用できるが、好ましくは錯体触媒である。
【0055】具体的な例を以下にあげる。(C55)Ti(CH32または(C55N)2TiCl4にC25AlCl2やCH3AlCl2を混合したチタン系触媒、Cl3Ta=CHSi(CH33などのタンタル系触媒、(n−C494Snや(C253Alを混合したタングステン系触媒、((CH33CCH2O)2(O、P-(iso−C37263)−N=Mo=CH(ter−C49)、MoCl5にC25AlCl2を混合したようなモリブデン系触媒、ReCl5にn−C494Snや(C253Alを混合したレニウム系触媒、ルテニウムおよびオスミウム系触媒としては、RuCl3、OsCl3にアルコールを添加した系や以下のカルベン錯体、(各式中、Meはルテニウム原子またはオスミウム原子を表す。)、Cl2[P(iso−C3732Me=CH−C65、BrCl[P(iso−C3732Me=CH−C65、Cl2[P(iso−C3732Me=CH−[C64(CH3)]、Cl2[P(iso−C3732Me=CH−[C64(ter−C49)]、BrCl[P(iso−C3732Me=CH−CH265、Cl2[P(sec−C4932Me=CH−C65等のリン原子にアルキル基が結合した配位子を有するカルベン錯体、Cl2[P(C5932Me=CH2、Cl2[P(C5932Me=CH−CH3、Br2[P(C5932Me=CH−iso−C37、Cl2[P(C5932Me=CH−n−C49、Cl2[P(C5932Me=CH−C59、Cl2[P(C5932Me=CH−C611、F2[P(C5932Me=CH−C65、Cl2[P(C5932Me=CH−C65、Br2[P(C5932Me=CH−C65、Br2[P(C5932Me=CH−(C64−OC25)、Cl2[P(C5932Me=CH−(C64−Br)、Cl2[P(C5932Me=CH−[C63−(CH32]、F2[P(C5932Me=CH−[C63−(CH32]、Br2[P(C5932Me=CH−CH265等のリン原子にシクロペンチル基が結合した配位子を有するカルベン錯体、Cl2[P(C6112−CH2CH2−P(C6112]Me=CH−C65、Cl2[P(C61132Me=CH2、Cl2[P(C61132Me=CH−CH3、Cl2[P(C61132Me=CH−n−C49、Cl2[P(C61132Me=CH−ter−C49、Cl2[P(C61132Me=CH−C109、F2[P(C61132Me=CH−C65、Cl2[P(C61132Me=CH−C65、Br2[P(C61132Me=CH−C65、Cl2[P(C61132Me=CH(C64−CH3)、Cl2[P(C61132Me=CH−C64−CH(CH32、Cl2[P(C61132Me=CH−[C64(ter−C49)]、Br2[P(C61132Me=CH−C62−(CH33、Cl2[P(C61132Me=CH−C64−OCH3、Br2[P(C61132Me=CH−(C64−NO2)、Cl2[P(C61132Me=CH−(C64−Cl)、BrCl[P(C61132Me=CH−CH265、BrCl[P(C61132Me=CH−CH265、Cl2[P(C6112(C(CH2CH22N(CH32Cl)]2Me=CH−C65、Cl2[P(C6112(CH2CH2SO3Na)]2Me=CH−C65、Cl2[P(C6112(CH2CH2N(CH33Cl)]2Me=CH−C65等のリン原子にシクロヘキシル基が結合した配位子を有するカルベン錯体、Cl2[P(C6532Me=CH−C65、Cl2[P(C64−CH332Me=CH−C65、Br2[P(C63−(CH3232Me=CH−C65、Cl2[P(C62−(CH3332Me=CH−C65等のリン原子に芳香族基が結合した配位子を有するカルベン錯体、WO 98/21214に記載のルテニウム、オスミウムのカルベン錯体、Thomas WeskampらのAngew.Chem. Int. Ed., Vol.37, 2490(1998)に記載のルテニウムに1,3−ジアルキル−イミダゾリン−2−イリデンが配位したカルベン錯体等やCl2[P(C61132Ru=C=CH(ter−C49)などのビニリデン錯体などである。
【0056】これらの触媒は1種単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。これらのうち、好ましくはタングステン原子、モリブデン原子、ルテニウム原子、オスミウム原子を有する錯体であり、より好ましくはルテニウム原子を有する錯体であって、リン系または窒素系化合物の配位子を有するカルベン錯体が用いられる。
【0057】一般式(II)を繰り返し単位として有する請求項1〜6のいずれかに記載のポリオール(a)は一般式(IV)を繰り返し単位として主鎖に有する請求項7〜12のいずれかに記載のポリオール化合物(b)を水添する事で得ることができる。また、請求項7〜12のいずれかに記載のポリオール(b)への開環重合の際、原料である鎖状不飽和化合物(b)(一般式(VIII))の両末端の官能基がアシルオキシ基、アロイルオキシ基である場合には開環重合物を水添した後、加水分解、けん化またはエステル交換してポリオール(b)として得ることもできる。
【0058】水添方法としては、基本的に、炭素−炭素二重結合を水添しうる全ての方法があげられる。例えば、金属水素化物、金属水素錯化合物、ボランやヒドラジン類などの試薬を用いた量論的な方法や水素による触媒的な方法が用いられる。これらの方法から一つを選択することは難しいが、水素と触媒を用いた水添反応が経済性、量産性の面から望ましい。但し、アルデヒドやニトリル基などの置換基を水添させずにそのまま残す必要がある場合には、水素による水添法ではなく、炭素−炭素二重結合のみを選択的に水添する方法をとる必要がある。
【0059】本発明の両末端官能型化合物を製造する方法における水素ガスによる水添の触媒としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどを活性炭、アルミナ、シリカなどに担持した触媒、ニッケル、ルテニウムなどのラネー金属触媒、酸化パラジウム、酸化白金などの金属酸化物触媒やNi(CH3COCHCOCH32/(C253Al、(C552TiCl2/(C252AlCl、[(C653P]3RhCl、[(C653P]3RuCl2、[(C653P]3RuH2、[(C653P]3(CO)RuCl2、[(C653P]3(CO)RuHClのや開環重合で用いたルテニウム、オスミウムのメタセシス触媒などの均一系触媒を使用することができる。
【0060】本発明に示されるポリウレタン中のポリオール残基は、請求項1〜12で示された特定の環構造を繰り返し単位にもつポリオール(a)および/またはポリオール(b)から誘導される残基以外に、他のジオール化合物から誘導されるジオール残基を含んでいてもよい。例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基であり、一般のポリウレタン製造に使用するポリイソシアネート化合物と反応できるポリオール化合物に基づくポリオール残基であれば特に制限はない。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式構造の繰り返し単位を持つジオール、ビスフェノールA、キシリレンジオール等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の(ポリ)エーテルグリコール、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペート、ポリカプロラクタム等のポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等のジオール残基が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。特定の環構造の繰り返し単位を持つポリオール残基とその他のジオール残基の割合は任意に調節可能であるが、本発明の効果を発揮させるためには特定の環構造の繰り返し単位を持つポリオール(a)および/または(b)を通常5〜100モル%、好ましくは、10〜100モル%の割合、より好ましくは20〜100モル%の割合で含有する。1モル%未満では耐熱性が十分ではなくなる傾向にある。
【0061】本発明に示されるポリウレタン化合物に使用されるポリイソシアネート化合物は、通常のポリウレタン合成に使用できるものであれば特に制限はない。具体的には、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのトリイソシアネートやイソシアヌレートなどのイソシアネート縮合体があげられる。また、イソシアネート基に保護基がついているブロックイソシアネート化合物も使用することができる。
【0062】本発明に示されるポリウレタン化合物は、請求項1〜12に記載された特定の環構造の繰り返し単位を持つポリオールとポリイソシアネート化合物との重付加反応によって得られる。また他のジオール化合物を含むポリウレタンは、上記のポリオール、ポリイソシアネート化合物及び他のジオール化合物の重付加反応によって得られる。
【0063】本発明におけるポリウレタン合成反応の実施形態としては、一般的なポリウレタンの製造方法をそのまま適用することが可能である。即ち、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を触媒の存在下、または無触媒下で反応させる方法である。
【0064】触媒としては、一般的なポリウレタン合成における重付加反応で通常用いられるものが使用可能であり、有機アミン化合物、有機スズ化合物等を使用することが出来る。
【0065】また、場合によっては鎖延長剤、架橋剤としてのポリオール化合物、ポリアミン化合物等を添加し、ポリマーの重合度を変化させることも可能である。この場合、ポリウレタンの合成はこれらの鎖延長剤、架橋剤と請求項1〜12に記載された特定の環構造の繰り返し単位を持つポリオールとポリイソシアネート化合物とを同時に反応させ、一段でポリウレタンを合成することも可能であるし、先に上記特定の環構造を有するポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて末端ポリイソシアネートオリゴマーを調整しておき、その後で、このオリゴマーと鎖延長剤、架橋剤とを反応させる2段でのポリウレタン合成も可能である。
【0066】鎖延長剤、架橋剤として本発明のポリウレタン合成に使用できるポリオール化合物、ポリアミン化合物は、一般的にポリウレタンに使用できるものであれば特に制限はない。そのようなポリオール化合物の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA、キシリレンジオール、ハイドキノンジエチロールエーテル等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の(ポリ)エーテルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等のポリオール、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールポリブタジエンポリオールポリオール等が挙げられる。また、ポリアミン化合物の具体例としては3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)等の脂肪族ポリアミン化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の水酸基含有アミン等が挙げられる。
【0067】重付加反応は溶媒中、または無溶媒で行うことができる。溶媒は本発明におけるポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物を溶解し、重付加反応を阻害しないものであれば特に制限はなく、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が例示される。ただし、水分はイソシアネート基と反応し、ポリオール化合物との重付加反応を阻害するので、溶媒は脱水(乾燥)してから用いることが望ましい。
【0068】ポリオール化合物(特定の環構造を繰り返し単位を含むポリオール、その他のポリールを含む)とポリイソシアネート化合物の比率は特に制限はないが、通常ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の数とこれと反応させる官能基(水酸基、アミノ基)の数がの比が最終的に1に近い値となるように調整する。即ち、ポリイソシアネート化合物のNCO基の総モル当量とポリオール化合物の水酸基、および鎖延長剤、架橋剤の水酸基、あるいはアミノ基の総モル当量との比NCO/(OH+NH)が好ましくは0.7〜1.5、更に好ましくは0.9〜1.2の範囲となるようにそれぞれの原料の配合比を決定する。イソシアネート基、水酸基のどちらかの官能基が極端に多い配合だと、過剰の官能基を有するほうの化合物が未反応で残留することになる。また、生成したポリウレタンの分子量が十分に大きくならず、機械的強度が劣ったものになる事が多い。
【0069】本発明のポリウレタンには必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を配合することもできる。
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ制限されるものではない。
【0071】合成例、実施例に用いた試薬及び溶媒は特に断らない限り脱水等の精製を行うことなく購入したまま使用した。但し、合成例では使用前に不活性ガス置換による脱気を実施した。
【0072】実施例中の「室温」とは特に断らない限り10〜25℃の温度範囲を示す。
【0073】得られた化合物の分析は以下の条件で行った。
【0074】・ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
テトラヒドロフランまたはキシレンを溶離液として、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
【0075】・プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)
合成例1は重クロロホルム中、合成例2、3はトリククロベンゼン/重ベンゼン中においてプロトンNMRにより構造及び両末端官能基の確認、定量を行った。
【0076】・蒸気圧浸透圧測定(VPO)
クロロホルム中で、数平均分子量(Mn)を測定した。
【0077】・IRスペクトル(赤外吸収スペクトル)測定日本分光(株)製FT/IR7300赤外分光装置を用いて、反射法で測定した。
【0078】・TG/DTA測定(熱重量/示差熱分析)
セイコーインスツルメント社製TG/DTA320型TG/DTA分析装置を用いて測定した。
測定条件:空気中100℃で20分間保持後、10℃/分の速度で500℃まで昇温
【0079】(合成例1)冷却管、滴下ロートを備えた50ml三口フラスコを窒素置換し、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン5.16g(30mmol)、トルエン10mlを加えた。これに、触媒(Cl2[P(C61132Ru=CH−C65)0.06g(0.07mmol)を溶解してメカニカルスターラーで撹拌した。フラスコをオイルバスにつけ、バス温を40℃に上げ、別途に調整したエチリデンノルボルネン9.0g(75mmol)をトルエン10mlに溶解した溶液を滴下ロートから1時間かけて滴下した。滴下終了後40℃で2時間反応した。反応終了した溶液は室温まで冷却した。この反応溶液と触媒(HClRu(CO)[P(C6533)0.03gを100mlステンレス製オートクレーブに入れ、撹拌しながら水素圧6MPa、温度155℃で4時間水添反応を行った。反応終了後、冷却し、この反応液をメタノール200ml中に滴下し固形分を析出させた。この固形分を20mlトルエンに溶解メタノール200ml中に析出させることを3回繰り返し精製した。精製した固形分は真空乾燥した。やや黄色みを帯びた透明な粘性固体であった。
【0080】この固形物のGPCを測定したところ、ポリスチレン換算のMnは4800であり、Mw/Mnは2.3であった。
【0081】プロトンNMR測定の各ピークの積分比から99%の水添率であった。プロトンNMRの結果から計算した分子量Mnは3800であった。
【0082】また、VPOで測定した分子量Mnは3600であり、プロトンNMRで測定した分子量と良い一致を示した。この結果から本発明の方法により製造された化合物は確実に両末端にアセトキシル基が導入されていることが分かった。次に、両末端のエステル部分をエステル交換でジオールに変換した。上記粘性固体(分析に用いた以外の全量)をトルエン30mlに溶解させ、28%ナトリウムメトキサイド/メタノール溶液1gとメタノール10mlを加え、5時間還流した。反応終了した溶液をメタノール100ml中にあけ、デカンテーションした。さらに、シクロヘキサンに溶解、メタノールを添加して析出させる操作を3回繰り返し精製した。固形物は75℃で2日間真空乾燥した。柔らかい固形物が得られた。
【0083】プロトンNMRの結果から、アセトキシル基はエステル交換され、100%ヒドロキシル化されていることが確認された。尚、プロトンNMRから計算した分子量は3700であった。
【0084】この物質を化合物(A)とする。
【化13】


化合物(A)
【0085】(合成例2)冷却管、滴下ロートを備えた300ml三口フラスコをアルゴン置換し、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン20.64g(120mmol)、トルエン70mlを加えた。これに、触媒(Cl2[P(C61132Ru=CH−C65)0.3g(0.35mmol)を溶解してメカニカルスターラーで撹拌した。フラスコをオイルバスにつけ、バス温を55℃に上げ、別途に調整したノルボルネン28.2g(300mmol)をトルエン70mlに溶解した溶液を滴下ロートから5時間かけて滴下した。滴下終了後55℃で2時間反応した。反応終了後、反応液100mlを150mlステンレス製オートクレーブに入れ、撹拌しながら水素圧0.7MPa、温度130℃で7時間水添反応を行った。水添反応終了後、反応液をメタノール300mlに落とし、固形分を完全に析出させた。この固形分をろ過、メタノール洗浄し、真空乾燥した。固形物は白色粉末であった。
【0086】次に両末端のエステル部分をエステル交換によりジオールに変換した。冷却管付き200mlなす型フラスコに該固形分と100mlテトラヒドロフランを入れ、90℃で撹拌し、溶解させた。この溶液に、ナトリウムエトキサイド2gを含むエタノール溶液20mlを加え、5時間反応させた。反応終了後冷却して、メタノール300mlに滴下し、固形分を完全に析出させた。この固形分をろ過、メタノール洗浄し、真空乾燥した。固形物は白色粉末であった。
【0087】プロトンNMRの結果から、二重結合は99%以上水添され、アセトキシル基は100%ヒドロキシル化されていることが確認された。尚、プロトンNMRから計算した分子量は3700であった。
【0088】この物質を化合物(B)とする。
【化14】


化合物(B)
【0089】(合成例3)環状不飽和化合物として、1,5−シクロオクタジエンとノルボルネンを使用した。
【0090】冷却管、滴下ロートを備えた300ml三口フラスコをアルゴン置換し、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン4.13g(24mmol)、トルエン30ml及び1,5−シクロオクタジエン25.92g(240mmol)を加えた。これに、触媒(Cl2[P(C61132Ru=CH−C65)0.12g(0.14mmol)を溶解してマグネティックスターラーで撹拌した。フラスコをオイルバスにつけ、バス温を55℃に上げ、別途に調整したノルボルネン11.28g(120mmol)をトルエン45mlに溶解した溶液を滴下ロートから5時間かけて滴下した。滴下終了後55℃で2時間反応した。
【0091】反応終了した溶液は室温まで冷却した。この反応溶液100mlをとり、150mlステンレス製オートクレーブに入れ、撹拌しながら水素圧0.7MPa、温度130℃で7時間水添反応を行った。水添反応終了後、反応液をメタノール300mlに滴下し、固形分を完全に析出させた。この固形分をろ過、メタノール洗浄し、真空乾燥した。固形物は白色粉末であった。次に両末端のエステル部分のエステル交換を行い、ジオールに変換した。冷却管付き200mlなす型フラスコに固形分と100mlテトラヒドロフランを入れ、90℃で撹拌し、溶解させた。この溶液に、ナトリウムエトキサイド2gを含むエタノール溶液20mlを加え、5時間反応させた。反応終了後冷却して、メタノール300mlに滴下し、固形分を完全に析出させた。この固形分をろ過、メタノール洗浄し、真空乾燥した。固形物は白色粉末であった。
【0092】プロトンNMRの結果から、二重結合は99%以上水添され、アセトキシル基は100%ヒドロキシル化されていることが確認された。尚、プロトンNMRの各ピークから計算したノルボルネンとシクロオクタジエンの共重合割合は、0.67:0.33であり、分子量Mnは3600であった。この物質を化合物(C)とする。
【化15】


化合物(C)
【0093】(実施例1〜3)20mlサンプル瓶中、ジオール化合物(化合物A、B、Cのいずれか1種)の1.5g、および、その1.0倍当量のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を乾燥トルエン10mlに80℃で溶解した。この溶液にジブチルスズジラウレート0.1gを50mlトルエンに溶解した溶液1mlを加えて80℃で5時間放置した。反応後、溶液を50mlメタノール中に少量ずつ滴下し、ポリマーを沈殿させた。得られたポリマーは、メタノールで洗浄後真空乾燥した。得られたポリマーのIRスペクトルを測定した。組成とIRピーク位置は表1に、実施例1における化合物(A)および化合物(A)とHDIの反応物のIRスペクトルは図1および図2に示した。
【0094】図2のIRスペクトルには新規にウレタン結合の発現(3330、1700、1540、1260、1145cm-1の吸収ピーク)が観測され、得られた化合物はウレタン結合を持ちヘキサメチレンジイソシアネートとジオール化合物のポリウレタンであることが確認された。化合物(B)または化合物(C)とHDIとの反応物についても同様にウレタン結合が確認された。
【0095】
【表1】


【0096】(比較例1)ジオール化合物としてポリブタジエンポリオール水添物(三菱化学社製 ポリテールH)を用いた以外は実施例1と同様に1:1のモル比でHDIと反応しポリウレタンを得た。このポリウレタンと実施例1で得られたポリウレタンの空気中でのTG/DTAを測定した。全体重量の10%が減少する温度を求めた結果を表2に示した。この結果から実施例3で得られたポリウレタンはポリブタジエンポリオールから得られたポリウレタンと比較して、重量10%減少温度が40℃以上高く、熱安定性に優れていることが分かった。
【0097】(実施例4〜6)20mlサンプル瓶中、ジオール化合物(化合物A、B、Cのいずれか1種)の1.5gと1.1倍当量のヘキサメチレンジイソシアネートを150℃に昇温し、混合した。150℃で1時間放置したところ、150℃でも溶融しない反応物が得られた。溶剤非存在下でも容易に硬化することが分かった。
【0098】
【表2】


【0099】(実施例7〜9)20mlサンプル瓶中、ジオール化合物(化合物A、B、Cのいずれか1種)の1.5g、1.1倍当量の3官能イソシアネート(スミジュール N3300住友化学社製)を乾燥トルエン10mlに80℃で溶解した。この溶液にジブチルスズジラウレート1滴を加えた。溶液は速やかにゲル化し、不溶化した。3官能イソシアネートで架橋ウレタンが生成したために不溶化したものと考えられる。
【0100】
【発明の効果】本発明のポリウレタンは特定の環構造を繰り返し単位として有するポリオールとポリイソシアネートから製造されたものであり、主鎖に環構造を有している為、従来のポリウレタン樹脂に比べて機械強度、熱安定性に優れている。
【0101】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のジオール化合物(A)のIRスペクトル。
【図2】実施例1における化合物(A)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との反応物のIRスペクトル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】両末端にそれぞれ独立に一般式(I)
−CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(II)
【化1】


(II)
〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応により得られるポリウレタン。
【請求項2】ポリオール(a)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構造を有し、その間が一般式(II)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項3】ポリオール化合物の内、ポリオール(a)の割合が5〜100モル%である請求項1または2に記載のポリウレタン。
【請求項4】一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項5】一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8が水素原子である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項6】一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5がエチル基である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項7】両末端にそれぞれ独立に一般式(III)
=CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(IV)
【化2】


(IV)
〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応により得られるポリウレタン。
【請求項8】ポリオール(b)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(III)で示される構造を有し、その間が一般式(IV)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする請求項7に記載のポリウレタン。
【請求項9】ポリオール化合物の内、ポリオール(b)の割合が5〜100モル%である請求項7または8に記載のポリウレタン。
【請求項10】一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である請求項7〜9のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項11】一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16が水素原子である請求項7〜9のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項12】一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R12、R15〜R16が水素原子であり、R13とR14が両方を併せてエチリデン基である請求項7〜9のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項13】両末端にそれぞれ独立に一般式(I)
−CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(II)
【化3】


(II)
〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを重付加反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【請求項14】ポリオール(a)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構造を有し、その間が一般式(II)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする請求項13に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項15】ポリオール化合物の内、ポリオール(a)の割合が5〜100モル%である請求項13または14に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項16】一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である請求項13〜15のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項17】一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R8が水素原子である請求項13〜15のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項18】一般式(II)で示される繰り返し単位のR1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5がエチル基である請求項13〜15のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項19】両末端にそれぞれ独立に一般式(III)
=CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III)
〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一種類が一般式(IV)
【化4】


(IV)
〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを重付加させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【請求項20】ポリオール(b)の少なくとも1種が両末端にそれぞれ独立に一般式(III)で示される構造を有し、その間が一般式(IV)で示される環構造の繰り返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返し単位から成る化合物であることを特徴とする請求項19に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項21】ポリオール化合物の内、ポリオール(b)の割合が5〜100モル%である請求項19または20に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項22】一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよい。)である請求項19〜21のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項23】一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R16が水素原子である請求項19〜21のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項24】一般式(IV)で示される繰り返し単位のR9〜R12、R15〜R16が水素原子であり、R13とR14が両方を併せてエチリデン基である請求項19〜21のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項25】請求項1〜6のいずれかに記載のポリオール(a)とポリイソシアネート化合物を必須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【請求項26】請求項7〜12のいずれかに記載のポリオール(b)とポリイソシアネート化合物を必須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【請求項27】請求項1〜6のいずれかに記載のポリオール(a)、請求項7〜12のいずれかに記載のポリオール(b)およびポリイソシアネート化合物を必須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【請求項28】請求項25〜27のいずれかに記載のポリウレタン製造用組成物を重付加反応して得られるポリウレタン。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2002−53638(P2002−53638A)
【公開日】平成14年2月19日(2002.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−240234(P2000−240234)
【出願日】平成12年8月8日(2000.8.8)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】