説明

新規メタキサロン組成物

本発明は、メタキサロンを含むナノ粒子組成物に関する。組成物のメタキサロン粒子は約2μm未満の有効平均粒径を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、有効平均粒径が約2000nm未満のメタキサロン粒子、および好ましくは薬物粒子の表面に吸着され、またはその表面と関連する少なくとも1つの表面安定化剤を含むメタキサロンの新規組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
A.ナノ粒子組成物に関する背景
ナノ粒子組成物は、米国特許第5,145,684号(「‘684特許」)において初めて記述されたが、その表面と非架橋表面安定化剤が結合する水溶性の低い治療薬または診断薬から構成される粒子である。‘684特許は、ナノ粒子組成物メタキサロンについては記述していない。
【0003】
ナノ粒子組成物の製造法は、例えば、以下に記述されている。

これらの特許は、ナノ粒子メタキサロンの製造方法について記述していない。
【0004】
ナノ粒子組成物はまた、例えば、以下に記述されている。



は、ナノ粒子活性剤組成物について記述し、かつ参照により具体的に組み入れられる。ナノ粒子組成物を記述し、かつ参照により組み入れられる。これらの参照文献はどれも、メタキサロンの組成物について記述していない。
【0005】
アモルファス小粒子組成物が、例えば下記において記述されている。

これらの参照文献では、ナノ粒子メタキサロンについて記述されていない。
【0006】
B.メタキサロンに関する背景
メタキサロンは、筋肉の損傷、攣縮、捻挫および筋挫傷の痛みを軽減する骨格筋弛緩薬である。ヒトにおけるメタキサロンの作用機序は確立されていないが、全身の中枢神経系抑制によるものである可能性がある。横紋筋の収縮機構、運動終板、または神経線維への直接の作用はない。薬物はヒトの緊張した骨格筋を直接緩和しない。The Physician's Desk Reference, 57th Edition, p.1274 (Thompson PDR、Montvale NJ、2003)を参照のこと。メタキサロンは、休息させるための補助剤、物理療法、および急性の有痛性筋骨格状態と関連する不快感を軽減するための他の手段として示されている。
【0007】
メタキサロンは無味、無臭の白色結晶粉末であり、121.5〜123℃で分解せずに融解する。化合物は化学名5-[(3,4-ジメチルフェノキシ)メチル]-2-オキサゾリジノンといい、下記化学構造を有する。

メタキサロンの化学構造は他の骨格筋弛緩薬の化学構造と無関係である。http://www.aanos.org/edctn_msk_disordr.htm.を参照のこと。
【0008】
メタキサロンは、薬物に対し高感受性を示す個人には禁忌である。メタキサロンはまた、薬物により誘発される溶血性貧血または他の貧血の傾向があることがわかっている患者では禁忌である。メタキサロンはまた、著しく腎機能および肝機能が損なわれた患者では禁忌である。
【0009】
メタキサロンに対し最もよく起こる反応としては、悪心、嘔吐、胃腸障害、傾眠、目眩、頭痛、および神経質または「興奮性」が挙げられる。他の有害反応としては、痒みを伴う、または伴わない軽い発疹、白血球減少、溶血性貧血、および黄疸により特徴づけられる高感受性反応が挙げられる。
【0010】
メタキサロンは、400mgおよび800mgの錠剤として商標SKELAXIN(登録商標)(Elan Pharmaceuticals, Inc.)で販売されている。大人および12歳を超えた小人に対する一般的な用量は2つの400mg錠剤(800mg)または1つの800mg錠剤、1日3〜4回である。
【0011】
SKELAXIN(登録商標)の薬物動態は、New Drug Application No. 13-217/S-036において提供されている。http://www.fda.gov/cder/foi/label/2002/13217s036lbl.pdf.を参照のこと。とりわけ、42人の健康なボランティア(31人の男性、11人の女性)における単一施設無作為抽出2期間クロスオーバー研究では、絶食および摂食、両方の条件下で1つの400mg SKELAXIN(登録商標)(メタキサロン)錠剤を投与した。絶食条件下では、投与後3.3+/-1.2時間(S.D.)内(Tmax)に、865.3ng/mLの平均ピーク血漿濃度(Cmax)に到達した。メタキサロン濃度は減少し、平均最終半減期(t 1/2)は9.2+/-4.8時間であった。メタキサロンの平均の見かけの経口クリアランス(CL/F)は68+/-34L/hであった。
【0012】
同じ研究で、標準化した高脂肪量の食餌後、食物は統計学的には、SKELAXIN(登録商標)錠剤からのメタキサロンの吸収速度(Cmax)および程度(AUC(0-t)、AUCinf)を著しく増加させた。絶食処置に対し、観察された増加はそれぞれ、177.5%、123.5%、および115.4%であった。平均Tmaxはまた、4.3+/-2.3時間まで増加し、一方、平均t 1/2は2.4+/-1.2時間まで減少した。絶食被験者において見られるこの半減期の減少は、食餌存在下ではメタキサロンがより完全に吸収されることによると考えられ、このため半減期がより良好な推定値となる。メタキサロンの見かけの平均経口クリアランス(CL/F)は、絶食投与(50+/-29L/hr)に対し比較的変化がない。標準化した高脂肪量の食餌と共にSKELAXIN(登録商標)(メタキサロン)を投与した後には、より高いCmaxおよびAUCが観察されたが、これらの効果の臨床的関連はわかっていない。
【0013】
59人の健康なボランティア(37人の男性、22人の女性)における別の単一施設無作為抽出4期間クロスオーバー研究では、絶食および摂食、両方の条件下でSKELAXIN(登録商標)錠剤を投与した後、メタキサロン吸収速度および程度を決定した。絶食条件下では、2つのSKELAXIN(登録商標)400mg錠剤を投与すると、投与後3.0+1.2時間(Tmax)で、1653ng/mLのピーク血漿濃度(Cmax)が得られた。メタキサロン濃度は減少し、平均最終半減期(t 1/2)は8.0+/-4.6時間であった。メタキサロンの平均の見かけの経口クリアランス(CL/F)は68+34L/hであった。平均Cmaxが17%減少することを除き、これらの値は統計学的には、1つのSKELAXIN(登録商標)800mg錠剤を投与した後のものと差がなかった。
【0014】
同じ研究において、標準化した高脂肪量の食餌後の2つのSKELAXIN(登録商標)400mg錠剤の投与では、平均Cmaxおよびメタキサロンの曲線(AUC0-inf)下の面積はそれぞれ、194%および142%の増加が見られた。高脂肪量の食餌ではまた、平均Tmaxが4.9+/-2.3時間まで増加したが、平均t 1/2は4.2+2.5時間まで減少した。1つのSKELAXIN(登録商標)800mg錠剤からのメタキサロン吸収に対する高脂肪量の食餌の影響は、2つのSKELAXIN(登録商標)400mg錠剤からの吸収に対するものと、質的および量的に非常に類似してした。これらの効果の臨床的関連はわかっていない
【0015】
SKELAXIN(登録商標)錠剤からのメタキサロンの絶対バイオアベイラビリティはわかっていない。メタキサロンは肝臓で代謝され、同定されていない代謝産物として尿中に排出される。SKELAXIN(登録商標)(メタキサロン)の薬物動態に対する年齢、性別、肝疾患および腎疾患の影響は決定されていない。
【0016】
メタキサロンの他の以前の記述としては、「Method for Increasing the Bioavailability of Metaxalone」に対する米国特許第6,407,128号が挙げられる。この特許では、メタキサロンを食物と共に投与する方法が記述されている。
【0017】
「Methods and Transdermal Compositions for Pain Relief」に対する米国特許第6,572,880号では、二相溶解度を有するアミン含有化合物およびアミン含有化合物の活性を増強する薬剤、例えばメタキサロンの組成物が記述されている。組成物は痛みを軽減するのに有用であることが記述されている。
【0018】
「Methods for Producing 5-aryloxymethyl-2-oxazolidinones」に対する米国特許第6,592,980号では、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)を非置換または一置換もしくは二置換フェノールと縮合(fusing)させる段階を含む主題化合物の製造法が開示される。さらに、「Process for the Preparation of Metaxalone」に対する米国特許第6,538,142号では、所望の化合物を得るための反応/還元過程が記述されている。
【0019】
「Methods for Using Musculoskeletal Relaxants」に対する米国特許第4,722,938号では、メタキサロンなどの筋骨格弛緩薬を使用する方法が記述されている。
【0020】
最後に、「Bioadhesive Compositions and Methods for Topical Administration of Active Agents」に対する米国特許第6,562,363号では、皮膚または粘膜への局所塗布するための生体接着組成物が記述されている。組成物は下記の混合物を含む:(1)少なくとも1つのPVPポリマー;(2)活性剤と共に使用するのに適した少なくとも1つの生体接着溶媒;および(3)メタキサロンなどの活性剤。
【0021】
当技術分野では、投与回数を減少させ、臨床効果を改善し、潜在的に副作用を減少させることができるメタキサロン組成物が必要である。本発明はこれらの要求を満足させる。
【発明の開示】
【0022】
発明の概要
本発明は、メタキサロンを含むナノ粒子組成物に関する。組成物はメタキサロンおよび好ましくはメタキサロン粒子の表面に吸着された、または表面と関連する少なくとも1つの表面安定化剤を含む。ナノ粒子メタキサロン粒子は約2μm未満の有効平均粒径を有する。
【0023】
本発明の別の局面は、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物を含む薬学的組成物に関する。薬学的組成物は好ましくはメタキサロン、少なくとも1つの表面安定化剤、および少なくとも1つの薬学的に許容される担体、ならびに任意の所望も賦形剤を含む。
【0024】
本発明の組成物の利点および特性を本明細書で記述する。
【0025】
本発明はさらに、ナノ粒子メタキサロン組成物を製造する方法を開示する。そのような方法は、メタキサロンおよび少なくとも1つの表面安定化剤を、一定期間、ナノ粒子メタキサロン組成物を提供するのに十分な条件下で接触させる段階を含む。1つまたは複数の表面安定化剤をメタキサロンと、メタキサロンの粒径低下前、好ましくは粒径低下時、または粒径低下後のいずれかで接触させることができる。
【0026】
本発明はまた、筋骨格疾患の治療のために本発明のナノ粒子メタキサロン組成物を使用する治療法に関する。
【0027】
前記一般的な記述および下記詳細な記述の両方は例示であり、説明的なものであり、主張する本発明をさらに説明するものである。他の目的、利点、および新規特徴は、下記本発明の詳細な説明から、当業者には容易に明らかになると思われる。
【0028】
発明の詳細な説明
本発明は、メタキサロンを含むナノ粒子組成物に関する。組成物はメタキサロンおよび、好ましくは薬物の表面に吸着され、または表面と関連する少なくとも1つの表面安定化剤を含む。ナノ粒子メタキサロン粒子の有効平均粒径は約2μm未満である。
【0029】
‘684特許で開示されているように、表面安定化剤と活性剤の組み合わせの全てで安定なナノ粒子組成物が得られるわけではない。驚くべきことに、安定なナノ粒子メタキサロン製剤が製造できることが発見された。
【0030】
現在のメタキサロン製剤には下記問題がある:(1)薬物の溶解度が低くバイオアベイラビリティがかなり低くなること;(2)毎日、数回の投与を繰り返さなければならないこと;および(3)広範囲にわたる副作用が薬物の現在の投与形態と関連すること。
【0031】
本発明は、従来のメタキサロン製剤が直面した問題を克服する。具体的には、本発明のナノ粒子メタキサロン製剤は、下記利点を提供することができる:(1)作用のより迅速な開始;(2)投与回数の潜在的な減少;(3)同じ薬理学的効果を得るのに必要とされるメタキサロンの用量の低減;(4)バイオアベイラビリティの増加;(5)溶解速度の増加;(6)経口、静脈内、皮下、または筋内注入に対する性能特性の改善、例えば、より高い用量負荷およびより少量の錠剤または液体用量体積;(7)薬物動態プロファイルの改善、例えば、Tmax、CmaxおよびAUCプロファイルの改善;(8)摂食対絶食状態で投与した時のナノ粒子メタキサロン組成物の薬物動態プロがイルが実質的に類似または生物学的同等であること;(9)生体接着メタキサロン製剤、これは腸または所望の適用部位をコートし、一定期間保持されることができ、これにより、薬物の有効性が増加し、投与回数が排除または減少すること;(10)投与後の、本発明の組成物中に存在するナノ粒子メタキサロン粒子の高再分散性;(11)ナノ粒子メタキサロン組成物は、容易に再分散する乾燥形態で製剤化することができること;(12)粘度の低い液体ナノ粒子メタキサロン剤形を製造することができること;(13)粘度の低い液体ナノ粒子メタキサロン組成物では、摂取および消化がより容易なより軽い製剤の認識により、より良好な被験者コンプライアンスが得られること;(14)粘度の低い液体ナノ粒子メタキサロン組成物では、カップまたはシリンジを使用することができるので分注が容易であること;(15)ナノ粒子メタキサロン組成物は他の活性剤と共に使用することができること;(16)ナノ粒子メタキサロン組成物は滅菌濾過可能であること;(17)ナノ粒子メタキサロン組成物は非経口投与に適していること;(18)ナノ粒子メタキサロン組成物は有機溶媒または極端なpHを必要としないこと。
【0032】
本発明の好ましい剤形は固体剤形であるが、任意の薬学的に許容される剤形を使用することができる。例示的な固体剤形としては、錠剤、カプセル、サシェ、ロゼンジ、粉末、ピル、または顆粒が挙げられるが、それらに限定されない。固体剤形は、例えば、すぐに溶ける剤形、徐放性剤形、凍結乾燥剤形、遅延放出剤形、持続放出剤形、パルス放出剤形、即時放出および徐放を組み合わせた剤形、またはそれらの組み合わせとすることができる。固体用量錠剤剤形が好ましい。
【0033】
本発明について、下記および本願で記述するように、いくつかの定義を使用して本明細書で説明する。
【0034】
本明細書で使用されるように、「約」という用語は、当業者には理解されると思われ、その用語が使用される状況である程度変動すると考えられる。その用語が、使用されている状況ではその使用が当業者に明確でない場合、「約」という用語は、その特別な値の±10%までを意味すると考えられる。
【0035】
「従来の」または「非ナノ粒子活性剤」という用語は、可溶化される、または約2μmを超える有効平均粒径を有する活性剤を意味する。本明細書で規定されるようにナノ粒子活性剤は、約2μm未満の有効平均粒径を有する。
【0036】
本明細書で使用されるように「水溶性の低い薬物」という用語は、約30mg/ml未満、好ましくは約20mg/ml未満、好ましくは約10mg/ml未満、または好ましくは約1mg/ml未満の溶解度を有する薬物を意味する。そのような薬物は、循環中に吸収される前に胃腸管から排除される傾向がある。
【0037】
安定な薬物粒子に関連して本明細書で使用されるように、「安定な」という用語は、下記条件のうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない:(1)メタキサロン粒子は、粒子間引力により認めうるほど綿状凝集または凝集せず、またはそうでなければ、時間と共に粒径が著しく増加しないこと;(2)メタキサロン粒子の物理構造が時間と共に、アモルファス相から結晶相への変換などにより、変化しないこと;(3)メタキサロン粒子が化学的に安定であること;および/または(4)本発明のナノ粒子の調製において、メタキサロンが、メタキサロンの融点またはそれ以上の温度の加熱工程を受けていないこと。
【0038】
用量に関し本明細書で使用されるように「治療上有効量」は、薬物を治療の必要なかなりの数の被験者に投与すると特定の薬理学的応答が示される用量を示す。特別な場合において特別な被験者に投与した「治療上有効量」は、本明細書で記述した疾患の治療では必ずしも有効でないが、当業者により、そのような用量は「治療上有効量」と考えられることを強調する。特別な場合の薬物用量は経口用量として、または、血液中で測定される薬物レベルに関連して測定される。
【0039】
A.発明のナノ粒子メタキサロン組成物の好ましい特徴
1.作用の迅速な開始
従来のメタキサロン製剤を使用するのは、作用の開始が遅れるため、理想的ではない。対照的に、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物はより迅速な治療効果を示す。
【0040】
本発明のナノ粒子メタキサロン組成物を経口剤形(例えば、SKELAXIN(登録商標)剤形)に製剤化すると、ナノ粒子メタキサロンのピーク血漿濃度は、約2時間以内に得られる(Tmax)。本発明の別の態様では、ナノ粒子メタキサロンのピーク血漿濃度は、約110分未満、約100分未満、約90分未満、約80分未満、約70分未満、約60分未満、約50分未満、約40分未満、約30分未満、約25分未満、約20分未満、約15分未満、または約10分未満で得られる。
【0041】
下記実施例で示されるように、例示的なナノ粒子メタキサロン組成物は摂食条件下で0.38時間および0.40時間、絶食条件下で0.37時間および0.60時間のTmaxを示した。これはSKELAXIN(登録商標)の、摂食条件下で2.19時間および絶食条件下で1.19時間のTmaxと対照的であった。
【0042】
2.投与回数および用量
SKELAXIN(登録商標)の推奨1日総用量は、1日3〜4回、800mgを投与し、1日総量が2400〜3200mg/日とするものである。Physician's Desk Reference, 57th Edition pp.1274(2003)を参照のこと。
【0043】
対照的に、本発明のメタキサロン組成物は、より少ない回数、より低い用量で、分散液、粉末、噴霧、固体再分散剤形、軟膏、クリームなどの剤形で投与することができる。本発明で有用な製剤の例示的な型としては、ナノ粒子メタキサロンの分散液、ゲル、エアロゾル(肺および鼻)、軟膏、クリーム、固体形態、などが挙げられるが、それらに限定されない。粒径の小さなメタキサロン粒子はより吸収が高いので、より低い用量を使用することができ、生体接着ナノ粒子メタキサロン組成物の場合、従来のメタキサロン剤形に比べ、メタキサロンは所望の適用部位により長い期間保持される。
【0044】
本発明の1つの態様では、ナノ粒子メタキサロン組成物の治療上有効量は、非ナノ粒子メタキサロン組成物、例えばSKELAXIN(登録商標)の治療上有効量の1/6、1/5、1/4、1/3または1/2である。
【0045】
そのようなより低い用量は、薬物の副作用を減少または排除する可能性があるので、好ましい。さらに、そのようなより低い用量では、剤形のコストが減少し、患者のコンプライアンスが増加する可能性がある。
【0046】
3.バイオアベイラビリティの増加
本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は好ましくはバイオアベイラビリティの増加を示し、同じ用量で投与される、従来の非ナノ粒子メタキサロン組成物、例えばSKELAXIN(登録商標)に比べ、必要とされる用量が少なくなる。
【0047】
メタキサロンを含むいずれの薬物も有害な副作用を有することがある。このように、より用量の高い非ナノ粒子メタキサロン組成物、例えばSKELAXIN(登録商標)で見られる効果と同じまたはそれ以上の治療効果を達成することができるより用量の低いメタキサロンが望ましい。そのようなより低い用量は、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物で実現することができる可能性がある。ナノ粒子メタキサロン組成物は、非ナノ粒子メタキサロン組成物に比べより大きなバイオアベイラビリティを示す可能性があるからである。所望の治療効果を得るのに必要とされるメタキサロンの用量が低くなる可能性があることを意味する。
【0048】
下記実施例で示されるように(例えば表4)、2つの例示的なナノ粒子メタキサロン組成物は、非ナノ粒子メタキサロン製剤、SKELAXIN(登録商標)のAUCに比べ、約859%および約1153%のAUCの増加を示した。
【0049】
4.発明のナノ粒子メタキサロン組成物の薬物動態プロファイル
本発明はまた好ましくは、哺乳類被験者に投与した時に所望の薬物動態プロファイルを有するメタキサロン組成物を提供する。メタキサロン組成物の所望の薬物動態プロファイルとしては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:(1)メタキサロンのTmaxは、投与後哺乳類被験者の血漿中でアッセイすると、好ましくは、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤(例えばSKELAXIN(登録商標))のTmaxより低いこと;(2)メタキサロンのCmaxは、投与後哺乳類被験者の血漿中でアッセイすると、好ましくは、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤(例えばSKELAXIN(登録商標))のCmaxより高いこと;および/または(3)メタキサロンのAUCは、投与後哺乳類被験者の血漿中でアッセイすると、好ましくは、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤(例えばSKELAXIN(登録商標))のAUCより高いこと。
【0050】
本明細書で使用されるように、所望の薬物動態プロファイルは、メタキサロンの初期投与後に測定した薬物動態プロファイルである。組成物は、下記で記述するように、当業者に周知のように、任意の方法で製剤化することができる。
【0051】
本発明の好ましいメタキサロン組成物は、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤(例えばSKELAXIN(登録商標))との比較薬物動態試験において、非ナノ粒子メタキサロン製剤が示したTmaxの約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、または約5%以下のTmaxを示す。
【0052】
本発明の好ましいメタキサロン組成物は、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤(例えばSKELAXIN(登録商標))との比較薬物動態試験において、非ナノ粒子メタキサロン製剤が示したCmaxより少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約600%、少なくとも約700%、少なくとも約800%、少なくとも約900%、少なくとも約1000%、少なくとも約1100%、少なくとも約1200%、少なくとも約1300%、少なくとも約1400%、少なくとも約1500%、少なくとも約1600%、少なくとも約1700%、少なくとも約1800%、または少なくとも約1900%高いCmaxを示す。
【0053】
本発明の好ましいメタキサロン組成物は、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤(例えばSKELAXIN(登録商標))との比較薬物動態試験において、非ナノ粒子メタキサロン製剤が示したAUCより少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約175%、少なくとも約200%、少なくとも約225%、少なくとも約250%、少なくとも約275%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約750%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、少なくとも約1000%、少なくとも約1050%、少なくとも約1100%、少なくとも約1150%、または少なくとも約1200%高いAUCを示す。
【0054】
所望の薬物動態プロファイルを提供するいずれの製剤も、本発明の方法により投与するのに適している。そのようなプロファイルを提供する製剤の例示的な型は、ナノ粒子メタキサロンの分散液、ゲル、エアロゾル、軟膏、クリーム、固体剤形、などである。
【0055】
5.発明のナノ粒子メタキサロン組成物の薬物動態プロファイルは好ましくは、組成物を服用する被験者の摂食または絶食状態により実質的に影響されない
本発明は、好ましくはメタキサロンの薬物動態プロファイルが、組成物を服用する被験者の摂食または絶食状態により実質的に影響されないナノ粒子メタキサロン組成物を含む。これは、ナノ粒子メタキサロン組成物が摂食状態対絶食状態で投与されても、吸収されるメタキサロンの量またはメタキサロン吸収速度に実質的な差がないことを意味する。このように、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は、メタキサロンの薬物動態に対する食物の影響を実質的に排除することができる。
【0056】
本発明の別の態様では、本発明のメタキサロン組成物の薬物動態プロファイルは、絶食状態の哺乳類に投与されても、摂食状態の哺乳類に、同じ用量で投与された同じメタキサロン組成物の薬物動態プロファイルと生物学的に同等である。「生物学的同等性」は好ましくは、合衆国食品医薬品局(USFDA)規制ガイドライン下では、CmaxおよびAUCの両方に対する90%信頼区間(CI)が0.80〜1.25の間にあれば、または欧州医薬品評価機関(EMEA)規制ガイドライン下ではCmaxに対する90%CIが0.80〜1.25の間、およびCmaxに対する90%CIが0.70〜1.43の間にあれば確立される。(TmaxはUSFDAおよびEMEA規制ガイドライン下では生物学的同等性決定に関係しない)。
【0057】
好ましくは、摂食状態対絶食状態で投与した場合の、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物のAUC(例えば、吸収)の差は、約100%未満、約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、または約3%未満である。
【0058】
さらに、好ましくは、摂食状態対絶食状態で投与した場合の、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物のCmaxの差は、約100%未満、約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、または約3%未満である。
【0059】
最後に、好ましくは、摂食状態対絶食状態で投与した場合の、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物のTmaxの差は、約100%未満、約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満であり、または本質的に差がない。
【0060】
食物の影響を実質的に排除する剤形の利益としては、被験者の利便性の増加、これによる被験者のコンプライアンスの増加が挙げられる。被験者が、食物と共に、または食物無しのいずれかで服用することを確認する必要がないからである。
【0061】
6.本発明のナノ粒子メタキサロン組成物の再分散性プロファイル
本発明のナノ粒子メタキサロン組成物の追加の特徴は、組成物が再分散し、そのため、再分散されたナノ粒子メタキサロン粒子の有効平均粒径が約2μm未満となることである。投与すると、本発明の組成物中に存在するナノ粒子メタキサロン粒子が、実質的にナノ粒子の粒径まで再分散されない場合には、その剤形が、メタキサロンをナノ粒子の粒径に製剤化することにより得られる利益を失う可能性あるため、これは重要である。
【0062】
これは、ナノ粒子メタキサロン組成物はメタキサロンの小さい粒径によって利益を享受しているためである。ナノ粒子メタキサロン粒子が投与時に小さい粒径に再分散されない場合には、「凝集塊」または凝集したメタキサロン粒子が形成される。そのような凝集粒子が形成されると、剤形のバイオアベイラビリティが、減少することがある。
【0063】
さらに、生物関連水性媒質中での再構築により証明される場合、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は、哺乳類、例えばヒトまたは動物に投与すると、メタキサロン粒子の劇的な再分散を示す。粒子の有効平均粒径は約2μm未満である。そのような生物関連水性媒質は所望のイオン強度およびpHを示す任意の水性媒質であることができ、媒質の生物関連性に対する基礎を形成する。所望のpHおよびイオン強度はヒトの体内で見られる生理学的条件を示すものである。そのような生物関連媒質は、例えば、電解質水溶液または任意の塩、酸もしくは塩基、またはそれらの組み合わせの水溶液であることができ、それらは所望のpHおよびイオン強度を示す。
【0064】
生体関連pHは当技術分野で周知である。例えば、胃では、pHは2よりわずかに小さい値(しかし、典型的には1より大きい)から最大4または5までの範囲である。小腸では、pHは4〜6の範囲であることができ、結腸では、6〜8の範囲であることができる。生物関連イオン強度もまた、当技術分野では周知である。絶食状態の胃液は約0.1Mのイオン強度を有し、一方、絶食状態の腸液は約0.14のイオン強度を有する。例えば、Lindahl et al.、 「Characterization of Fluids from the Stomach and Proximal Jejunum in Men and Women」、Pharm. Res., 14(4):497-502(1997)を参照のこと。
【0065】
試験溶液のpHおよびイオン強度は特定の化学物質含量よりも重要であると考えられる。したがって、適当なpHおよびイオン強度値は、強酸、強塩基、塩、単一または複数の共役酸-塩基対(すなわち、弱酸およびその酸の対応する塩)、一塩基酸および多塩基酸などの複数の組み合わせから得ることができる。
【0066】
代表的な電解質溶液は、濃度が約0.001〜約0.1MのHCl溶液、および濃度が約0.001〜約0.1MのNaCl溶液、ならびにそれらの混合物であることができるが、それらに限定されない。例えば、電解質溶液は、約0.1M HClまたはそれ以下、約0.01M HClまたはそれ以下、約0.001M HClまたはそれ以下、約0.1M NaClまたはそれ以下、約0.01M NaClまたはそれ以下、約0.001M NaClまたはそれ以下、およびそれらの混合物であることができるが、それらに限定されない。これらの電解質溶液の中で、0.01M HClおよび/または0.1M NaClが、近位胃腸管のpHおよびイオン強度条件のため、絶食状態のヒトの生理学的状態の最も典型的なものである。
【0067】
0.001M HCl、0.01M HCl、および0.1M HClの電解質濃度は、それぞれ、pH3、pH2およびpH1に対応する。このように、0.01M HCl溶液は、胃で見られる典型的な酸性条件をシミュレートする。0.1M NaCl溶液は、胃液を含む、身体全体で見られるイオン強度を適当に近似したものであるが、0.1Mより高い濃度を使用して、ヒトGI管内の摂食条件をシミュレートしてもよい。
【0068】
所望のpHおよびイオン強度を示す塩、酸、塩基またはそれらの組み合わせの例示的な溶液としては、リン酸/リン酸塩+ナトリウム、塩化物のカリウムおよびカルシウム、酢酸/酢酸塩+ナトリウム、塩化物のカリウムおよびカルシウム、カルボン酸/重炭酸塩+ナトリウム、塩化物のカリウムおよびカルシウム、ならびにクエン酸/クエン酸塩+ナトリウム、塩化物のカリウムおよびカルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
本発明の別の態様では、本発明の再分散メタキサロン粒子(水性媒質、生物関連媒質、または任意の他の適した媒質に再分散)の有効平均粒径は、光散乱法、顕微鏡観察、または他の適当な方法により測定する場合、約1900nm未満、1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、約50nm未満である。
【0070】
「約2000nm未満の有効平均粒径」という用語により、メタキサロン粒子の少なくとも50%(重量)が、上記技術により測定すると、有効平均未満の粒径、すなわち、約2000nm、1900nm、1800nm未満などの粒径を有することを意味する。好ましくは、メタキサロン粒子の少なくとも約70%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%が、有効平均未満の粒径、すなわち、約2000nm、1900nm、1800nm、1700nm未満などの粒径を有する。
【0071】
再分散性は、当技術分野において公知の任意の手段を用いて試験することができる。例えば、「Solid Dose Nanoparticulate Compositions Comprising a Synergistic Combination of a Polymeric Surface Stabilizer and Dioctyl Sodium Sulfosuccinate」に対する米国特許第6,375,986号の実施例の項を参照のこと。
【0072】
7.生体接着性ナノ粒子メタキサロン組成物
本発明の生体接着性ナノ粒子メタキサロン組成物は少なくとも1つのカチオン表面安定化剤を含む。このカチオン表面安定化剤については、以下でより詳細に記述する。メタキサロンの生体接着性製剤は、生体表面、例えば粘膜に対し特別な生体接着性を示す。
【0073】
生体接着性ナノ粒子メタキサロン組成物の場合、「生体接着性」という用語は、ナノ粒子メタキサロン組成物と生体基質(すなわち、消化管ムチン、肺組織、鼻粘膜、など)との間の接着性を記述するために使用される。例えば、「Bioadhesive Nanoparticulate Compositions Having Cationic Surface Stabilizers」に対する米国特許第6,428,814号を参照のこと。この特許は参照により具体的に組み入れられる。
【0074】
本発明の生体接着性メタキサロン組成物は、生体表面に組成物を適用することが望ましい任意の場合において有用である。生体接着性メタキサロン組成物は、好ましくはヒトの肉眼では視認できない連続した均一膜で標的表面をコートする。
【0075】
生体接着性ナノ粒子メタキサロン組成物は組成物の移行を遅らせ、かついくつかのメタキサロン粒子はまた、粘膜細胞以外の組織に接着する可能性が高く、このため、メタキサロンに曝露される時間が長くなり、これにより投与した用量の吸収およびバイオアベイラビリティが増加する。
【0076】
8.低粘度
従来の微結晶性または非ナノ粒子のメタキサロン組成物の液体剤形は、患者の集団にはうまく受け入れられないかなり大量の高粘度物質である。さらに、粘性溶液は、非経口投与において問題があることがある。これらの溶液ではゆっくりとシリンジを押す必要があり、チューブに付着することがあるからである。さらに、水溶性の低い活性剤、例えばメタキサロンの従来の製剤は、主に水溶性の高い物質と共に使用される、静脈内投与技術では安全ではない傾向がある。
【0077】
本発明のナノ粒子メタキサロン組成物の液体剤形は、従来のメタキサロン微結晶化合物の液体剤形よりも重大な利点を提供する。本発明のナノ粒子メタキサロン組成物の液体剤形の低粘度および絹のような質感により、調製および使用の両方において利点が生じる。これらの利点としては、例えば、下記が挙げられる:
(1)摂取および消化がより容易なより軽い製剤であることが認識され被験者のコンプライアンスが良くなること;(2)カップまたはシリンジを使用することができるので分注が容易であること;(3)より高濃度のメタキサロンを製剤化することができ、用量が減少し、このため、被験者が摂取する体積が減少すること;および(4)全体的な製剤化関連事項が容易であること。
【0078】
摂取がより容易な液体メタキサロン剤形は、若年患者、末期患者および高齢患者のことを考慮すると特に重要である。粘性製剤またはざらざらする製剤、ならびにかなり多量の用量が必要な製剤は、これらの患者集団では許容されない。錠剤を摂取することが困難な患者集団、例えば幼児および高齢者では液体経口剤形が、特に好ましい。
【0079】
本発明によるナノ粒子メタキサロンの液体剤形の粘度は好ましくは、1mlあたり大体同じメタキサロン濃度で、非ナノ粒子メタキサロン組成物の液体経口剤形の約1/200未満、約1/175未満、約1/150未満、約1/125未満、約1/100未満、約1/75未満、約1/50未満または約1/25未満である。
【0080】
典型的には、本発明の液体ナノ粒子メタキサロン剤形の粘度は、0.1(l/s)の剪断速度で、約2000mPa・s〜約1mPa・s、約1900mPa・s〜約1mPa・s、約1800mPa・s〜約1mPa・s、約1700mPa・s〜約1mPa・s、約1600mPa・s〜約1mPa・s、約1500mPa・s〜約1mPa・s、約1400mPa・s〜約1mPa・s、約1300mPa・s〜約1mPa・s、約1200mPa・s〜約1mPa・s、約1100mPa・s〜約1mPa・s、約1000mPa・s〜約1mPa・s、約900mPa・s〜約1mPa・s、約800mPa・s〜約1mPa・s、約700mPa・s〜約1mPa・s、約600mPa・s〜約1mPa・s、約500mPa・s〜約1mPa・s、約400mPa・s〜約1mPa・s、約300mPa・s〜約1mPa・s、約200mPa・s〜約1mPa・s、約175mPa・s〜約1mPa・s、約150mPa・s〜約1mPa・s、約125mPa・s〜約1mPa・s、約100mPa・s〜約1mPa・s、約75Pa・s〜約1mPa・s、約50mPa・s〜約1mPa・s、約25mPa・s〜約1mPa・s、約15mPa・s〜約1mPa・s、約10mPa・s〜約1mPa・s、または約5mPa・s〜約1mPa・sである。そのような粘度は、被験者の摂取にとってずっと魅力的であり、全体的な被験者のコンプライアンスが良好になる場合がある。
【0081】
粘度は濃度および温度に依存する。典型的には、濃度が高い程粘度が高く、温度が高い程粘度が低くなる。上記で規定されるように粘度は約20℃で得られる測定値である(20℃の水の粘度は1mPa・sである)。本発明は異なる温度で測定した同等の粘度を含む。
【0082】
本発明の別の重要な局面は、液体剤形に製剤化した本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は濁っていないことである。本明細書で使用されるように「濁っている」という用語は、裸眼で見ることができる、または「ざらざら」感が感じられる粒状物質の特性を示す。液体剤形に製剤化した本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は、水と同じくらい容易に、容器から注ぎ出す、または抽出することができ、一方、非ナノ粒子または可溶化メタキサロンの液体剤形は、著しくより「緩慢な」特性を示すことが予測される。
【0083】
本発明の液体製剤は、好ましくは非ナノ粒子メタキサロン組成物の液体剤形と同等の、またはそれ以下の量の任意の量の用量に対し製剤化することができる。
【0084】
9.滅菌濾過したナノ粒子メタキサロン組成物
本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は滅菌濾過することができる。これにより、メタキサロンに悪影響を与え、またはメタキサロンを分解させることがあり、結晶成長および粒子凝集を引き起こすことがある加熱滅菌の必要性が除去される。
【0085】
滅菌濾過は、要求される組成物の粒径が小さいため、困難である場合がある。濾過は、メンブランフィルターの細孔サイズが約0.2μm(200nm)またはそれ以下である場合、均一溶液を滅菌する効果的な方法である。0.2μmフィルタは、本質的に全ての細菌を除去するのに十分であるからである。通常、μm-サイズのメタキサロンの懸濁液を滅菌するのに滅菌濾過は使用しない。メタキサロン粒子は膜の細孔を通過するには大きすぎるからである。
【0086】
滅菌ナノ粒子メタキサロン剤形は、免疫不全患者、幼児または若年患者、および高齢者の治療において特に有用である。これらの患者群は、非滅菌液体剤形により引き起こされる感染を最も受けやすいからである。
【0087】
液体剤形に製剤化した、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は滅菌濾過することができるので、および組成物は非常に小さなメタキサロン有効平均粒径を有することができるので、組成物は非経口投与に適している。
【0088】
10.薬物動態プロファイルを組み合わせた組成物
本発明のさらに別の態様では、所望の薬物動態プロファイルを提供する第1のメタキサロン組成物を、所望の異なる薬物動態プロファイルを生成する少なくとも1つの他のメタキサロン組成物と同時投与または連続投与し、またはそれと組み合わせる。2を超えるメタキサロン組成物を同時もしくは連続投与し、または組み合わせることができる。第1のメタキサロン組成物はナノ粒子サイズを有するが、追加の1つまたは複数のメタキサロン組成物はナノ粒子とすることができ、もしくは可溶化でき、または微粒子サイズを有することができる。
【0089】
例えば、第1のメタキサロン組成物はナノ粒子粒径を有することができ、これにより短いTmaxおよび典型的により高いCmaxが得られる。この第1のメタキサロン組成物を、下記を含む第2の組成物と組み合わせ、同時投与し、または連続投与することができる:(1)より大きな(しかし、本明細書で規定されるように依然としてナノ粒子である)粒径を有し、このため、より遅い吸収、より長いTmax、および典型的により低いCmaxを示すメタキサロン;または(2)より長いTmax、および典型的により低いCmaxを示す、微粒子または可溶化メタキサロン組成物。
【0090】
第2、第3、第4などのメタキサロン組成物は第1と、および互いに、例えば、下記の点で異なってもよい:(1)メタキサロンの有効平均粒径;または(2)メタキサロンの用量。そのような組み合わせ組成物では、必要とされる投与回数を減少させることができる。
【0091】
第2のメタキサロン組成物がナノ粒子の粒径を有する場合、好ましくは、第2の組成物のメタキサロン粒子は、薬物粒子の表面と関連する少なくとも1つの表面安定化剤を有する。1つまたは複数の表面安定化剤は、第1のメタキサロン組成物中に存在する表面安定化剤と同じ、または異なっていてもよい。
【0092】
好ましくは、「即効型」製剤および「持続型」製剤を同時投与することが望ましい場合、2つの製剤を1つの組成物、例えば、二重放出型組成物中で組み合わせる。
【0093】
11.組み合わせ活性剤組成物
本発明は、1つまたは複数の非メタキサロン活性剤と共に製剤化される、または同時投与される本発明のナノ粒子メタキサロン組成物を含む。そのような組み合わせ組成物を使用する方法もまた、本発明に含まれる。非メタキサロン活性剤は、結晶相、アモルファス相、半結晶相、半アモルファス相、またはそれらの混合で存在することができる。
【0094】
本発明のナノ粒子メタキサロン組成物と共に投与すべき化合物は、ナノ粒子メタキサロン組成物と別個に製剤化することができ、またはナノ粒子メタキサロン組成物と共に製剤化することができる。ナノ粒子メタキサロン組成物が第2の活性剤と共に製剤化される場合、第2の活性剤は、任意の適した様式、例えば、即効型、急速作用開始(rapid-onset)型、持続放出型、または二重放出型で製剤化することができる。
【0095】
そのような非メタキサロン活性剤は、例えば、治療薬とすることができる。治療薬は、生物剤を含む薬剤とすることができる。活性剤は、例えば、下記を含む様々な周知のクラスの薬物から選択することができる:アミノ酸、蛋白質、ペプチド、ヌクレオチド、抗肥満薬、中枢神経刺激薬、カロテノイド、コルチコステロイド、エラスターゼ阻害剤、抗真菌剤、オンコロジー治療薬、制吐剤、鎮痛薬、心血管作動薬、抗炎症薬、例えばNSAIDおよびCOX-2阻害剤、駆虫薬、抗不整脈薬、抗生剤(ペニシリンを含む)、抗凝血薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤、ムスカリン性受容体拮抗薬、抗酸菌薬、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、抗甲状腺薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、鎮静剤(睡眠薬および神経弛緩薬)、収れん薬、α-アドレナリン受容体遮断薬、β-アドレナリン受容体遮断薬、血液製剤および代用血液、心臓変力剤(cardiac inotropic agent)、造影剤、コルチコステロイド、鎮咳剤(去痰剤および粘液溶解薬)、診断薬、診断用造影剤、利尿薬、ドーパミン作動薬(抗パーキンソン病薬)、止血薬、免疫薬、脂質調節薬、筋肉弛緩薬、副交感神経興奮薬、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー薬、刺激薬および食欲抑制薬、交感神経興奮剤、甲状腺製剤、血管拡張薬、およびキサンチン。
【0096】
本発明で有用な代表的な活性剤の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:アシクロビル、アルプラゾラム、アルトレタミン、アミロリド、アミオダロン、ベンズトロピン メシラート、ブプロピオン、カベルゴリン、カンデサルタン、セリバスタチン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、クラリスロマイシン、クロニジン、クロピドグレル、シクロベンザプリン、シプロヘプタジン、デラビルジン、デスモプレシン、ジルチアゼム、ジピリダモール、ドラセトロン、エナラプリルマレアート、エナラプリラット、ファモチジン、フェロジピン、フラゾリドン、グリピジド、イルベサルタン、ケトコナゾール、ランソプラゾール、ロラタジン、ロキサピン、メベンダゾール、メルカプトプリン、ミルリノンラクテート、ミノサイクリン、ミトキサントロン、ネルフィナビルメシラート、ニモジピン、ノルフロキサシン、オランザピン、オメプラゾール、ペンシクロビル、ピモジド、タコリムス、クアゼパム、ラロキシフェン、リファブチン、リファムピン、リスペリドン、リザトリプタン、サキナビル、セルトラリン、シルデナフィル、アセチル-スルフィソキサゾール、テマゼパム、チアベンダゾール、チオグアニン、トランドラプリル、トリアムテレン、トリメトレキサート、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ベラパミル、ビンブラスチンスルフェート、ミコフェノレート、アトバクオン、アトバクオン、プログアニル、セフタジジム、セフロキシム、エトポシド、テルビナフィン、サリドマイド、フルコナゾール、アムサクリン、ダカルバジン、テニポシド、およびアセチルサリチラート。
【0097】
これらのクラスの活性剤の説明、および各クラス内の種のリストは、Martindale's The Extra Pharmacopoeia、31st Edition(The Pharmaceutical Press, London, 1996)において見ることができ、これについては参照により具体的に組み入れられる。活性剤は市販されており、および/または当技術分野で公知の技術により調製することができる。
【0098】
例示的な栄養補助食品または健康補助食品としては、ルテイン、葉酸、脂肪酸(例えば、DHAおよびARA)、果実エキスおよび野菜エキス、ビタミンおよびミネラル栄養補助食品、ホスファチジルセリン、リポ酸、メラトニン、グルコサミン/コンドロイチン、アロエ、グッグル(Guggul)、グルタミン、アミノ酸(例えば、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアニン、トレオニン、トリプトファン、およびバリン)、緑茶、リコピン、自然食品、食品添加物、ハーブ、植物性栄養素、抗酸化剤、果物のフラボノイド成分、月見草油、亜麻仁、魚油および海産動物油、ならびにプロバイオティクスが挙げられるが、これらに限定されない。栄養補助食品および健康補助食品はまた、所望の特性を有するように遺伝子改変された、「ファーマフード」としても知られているバイオ食品を含む。
【0099】
例示的な栄養補助食品および健康補助食品は、例えば、Roberts et al., Nutraceuticals: The Complete Encyclopedia of Supplements, Herbs, Vitamins, and Healing Foods (合衆国栄養補助食品協会(American Nutraceutical Association), 2001)(参照により具体的に組み入れられる)において開示されている。健康補助食品および栄養補助食品はまた、Physicians' Desk Reference for Nutritional Supplements, 1st Ed.(2001)およびThe Physicians' Desk Reference for Herbal Medicines, 1st Ed.(2001)(どちらもまた参照により組み入れられる)において開示されている。植物化学物質または機能食品としても公知の栄養補助食品および健康補助食品は、一般に、健康補助食品、ビタミン、ミネラル、ハーブ、または身体に対し医学的または薬学的な効果を有する治療食品のクラスのいずれか1つである。
【0100】
本発明の特に好ましい態様では、ナノ粒子メタキサロン組成物は少なくとも1つの鎮痛剤と組み合わされる。有用な鎮痛剤としては、NSAIDおよびCOX-2阻害剤が挙げられる。
【0101】
NSAIDの例としては、適した非酸性および酸性化合物が挙げられるが、それらに限定されない。適した非酸性化合物としては、例えば、ナブメトン、チアラミド、プロカゾン、ブフェキサマク、フルミゾール、エピラゾール、チノリジン、チメガジン、およびダプソンが挙げられる。
【0102】
適した酸性化合物としてはカルボン酸およびエノール酸が挙げられる。適したカルボン酸NSAIDとしては、例えば下記が挙げられる:(1)サリチル酸およびそのエステル、例えば、アスピリン、ジフルニサル、ベノリラートおよびフォスフォサル;(2)フェノール酢酸、例えばジクロフェナク、アルクロフェナクおよびフェンクロフェナクを含む酢酸;(3)炭素環および複素環酢酸、例えば、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、フェンチアザク、およびチロミソール;(4)プロピオン酸、例えば、カルプロフェン、フェンブフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、オキサプロジン、スプロフェン、チアプロフェン酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン;および(5)フェナム酸、例えばフルフェナム酸、メフェナム酸、メクロフェナム酸、およびニフルム酸。
【0103】
適したエノール酸NSAIDとしては、例えば、下記が挙げられる:(1)ピラゾロン、例えばオキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、アパゾン、およびフェプラゾン;ならびに(2)オキシカム、例えばピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、およびテノキシカム。
【0104】
現在同定されているCOX-2阻害剤としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:セレコキシブ(SC-58635、CELEBREX(登録商標)、Pharmacia/Searle & Co.)、ロフェコキシブ(MK-966、L-748731、VIOXX(登録商標)、Merck & Co.)、メロキシカム(MOBIC(登録商標)、Abbott Laboratories、Chicago, IL、およびBoehringer Ingelheim Pharmaceuticalsにより共同販売)、バルデコキシブ(BEXTRA(登録商標)、G.D. Searle & Co.)、パレコキシブ(G.D. Searle & Co.)、エトリコキシブ(MK-663;Merck);SC-236(化学名、4-[5-(4-クロロフェニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル])ベンゼンスルホンアミド、G.D. Searle & Co.、Skokie、IL);NS-398(N-(2-シクロヘキシルオキシ-4-ニトロフェニル)メタンスルホンアミド;Taisho Pharmaceutical Co.,Ltd., Japan);SC-58125(メチルスルホンスピロ(2.4)ヘプト-5-エン I;Pharmacia/Searle & Co.);SC-57666(Pharmacia/Searle & Co.);SC-558(Pharmacia/Searle & Co.);SC-560(Pharmacia/Searle & Co.);エトドラク(Lodine(登録商標)、Wyeth-Ayerst Laboratories, Inc.);DFU(5,5-ジメチル-3-(3-フルオロフェニル)-4-(4-メチルスルホニル)フェニル2(5H)-フラノン);モンテレロイカスト(MK-476)、L-745337((5-メタンスルホンアミド-6-(2,4-ジフルオロチオ-フェニル)-1-インダノン)、L-761066、L-761000、L-748780(全てMerck & Co.);DUP-697(5-ブロモ-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-メチルスルホニル)フェニル;Dupont Merck Pharmaceutical Co.);PGV 20229(1-(7-tert-ブチル-2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチルベンゾ(b)フラン-5-イル)-4-シクロプロピルブタン-1-オン;Procter & Gamble Pharmaceuticals);イグラチモド(T-614;3-ホルミルアミノ-7-メチルスルホニルアミノ-6-フェノキシ-4H-1-ベンゾピラン-4-オン;Toyama Corp.,Japan);BF 389(Biofor、USA);CL 1004(PD 136095)、PD 136005、PD 142893、PD 138387、およびPD 145065(全て、Parke-Davis/Warner-Lambert Co.);フルルビプロフェン(ANSAID(登録商標);Pharmacia & Upjohn);ニメスリド(NIM-03、R 805、4ニトロ2フェノキシメタンスルホンアニリド、MESULID(登録商標);Hisamitsu, Japan);ナブメトン(FELAFEN(登録商標);SmithKline Beecham、plc);フロスリド(CGP 28238;Novartis/Ciba Geigy);ピロキシカム(FELDANE(登録商標);Pfizer);ジクロフェナク(VOLTAREN(登録商標)およびCATAFLAM(登録商標)、Novartis);ルミラコキシブ(COX-189;Novartis);D 1367(Celltech Chiroscience, plc);R 807(3ベンゾイルジフルオロメタンスルホンアニリド、ジフルミドン);JTE-522(Japan Tabacco、Japan);FK-3311(4’-アセチル-2’-(2,4-ジフルオロフェノキシ)メタンスルホンアニリド)、FK 867、FR 140423、およびFR 115068(すべてFujisawa、Japan);GR 253035(Glaxo Wellcome);RWJ 63556(Johnson & Johnson);RWJ 20485(Johnson & Johnson);ZK 38997(Schering);S 2474((E)-(5)-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジリデン)-2-エチル-1,2-イソチアゾリジン-1,1-ジオキシドインドメタシン;Shionogi & Co., Ltd., Japan);ゾメピラク類似体、例えばRS 57067およびRS 104897(Hoffmann La Roche);RS 104894(Hoffmann La Roche);SC 41930(Monsanto);プランルカスト(SB 205312、Ono-1078、ONON(登録商標)、ULTAIR(登録商標);SmithKline Beecham);SB 209670(SmithKline Beecham);APHS(ヘプチニルスルフィド)。
【0105】
12.発明のナノ粒子メタキサロン組成物のそのほかの利益
ナノ粒子メタキサロン組成物は好ましくは、メタキサロンの微結晶性または非ナノ粒子の形態と比較すると、増大した溶解速度を示す。さらに、ナノ粒子メタキサロン組成物は好ましくは、経口、静脈内、皮下、または筋内注入に対し改善された性能特性、例えば、より高い用量負荷およびより小さな錠剤または液体用量を示す。さらに、本発明のナノ粒子メタキサロン組成物は有機溶媒または極端なpHを必要としない。
【0106】
B.メタキサロン組成物
本発明は、ナノ粒子メタキサロン粒子および少なくとも1つの表面安定化剤を含む組成物を提供する。表面安定化剤は好ましくは、メタキサロン粒子の表面と関連する。本明細書で有用な表面安定化剤はメタキサロン粒子またはそれ自体と化学的に反応しない。好ましくは、表面安定化剤の個々の分子は本質的には分子間架橋を有さない。組成物は2またはそれ以上の表面安定化剤を含むことができる。
【0107】
本発明はまた、ナノ粒子メタキサロン組成物を1つまたは複数の非毒性の生理学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル(総称して担体と呼ぶ)と共に含む。組成物は、非経口注入(例えば、静脈内、筋内、または皮下)、経口投与(固体、液体、またはエアロゾル(すなわち、肺)形態)、膣内、鼻内、直腸、眼内、局部(粉末、クリーム、軟膏または液滴)、頬側、嚢内、腹腔内、または局所投与、などのために製剤化することができる。
【0108】
1.メタキサロン粒子
本明細書で使用されるように、「メタキサロン」は下記化学構造を有する5-[(3,4-ジメチルフェノキシ)メチル]-2-オキサゾリジノンまたはその塩を意味する。

メタキサロンの誘導体もまた「メタキサロン」という用語に含まれる。
【0109】
メタキサロンは、筋肉の損傷、攣縮、捻挫および筋挫傷の痛みを軽減する骨格筋弛緩薬である。ヒトにおけるメタキサロンの作用機序は確立されていないが、全身の中枢神経系抑制によるものである可能性がある。横紋筋の収縮機構、運動終板、または神経線維への直接の作用はない。薬物はヒトの緊張した骨格筋を直接緩和しない。The Physician's Desk Reference, 57th Edition, p.1274 (Thompson PDR、Montvale NJ、2003)を参照のこと。
【0110】
メタキサロンは結晶相、アモルファス相、半結晶相、半アモルファス相、またはそれらの混合で存在することができる。
【0111】
2.表面安定化剤
メタキサロンのための表面安定化剤の選択は、重要であり、所望の製剤を実現するために大規模な実験が必要であった。したがって、本発明は、メタキサロンナノ粒子組成物を製造することができるという驚くべき発見に関する。
【0112】
2つまたはそれ以上の表面安定化剤の組み合わせを本発明で使用することができる。本発明で使用することができる有用な表面安定化剤としては、公知の有機および無機薬学的賦形剤が挙げられるが、これらに限定されない。そのような賦形剤としては、様々なポリマー、低分子量オリゴマー、天然物、および表面活性剤が挙げられる。表面安定化剤としては、非イオン、カチオン、両性イオン、およびイオン性表面活性剤の化合物が挙げられる。
【0113】
その他の有用な表面安定化剤の代表的な例としては、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホスクシネート、ゼラチン、カゼイン、レシチン(リン脂質)、デキストラン、アラビアゴム、コレステロール、トラガカントゴム、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween20(登録商標)およびTween80(登録商標)などの市販のTween(登録商標)(ICI Speciality Chemicals));ポリエチレングリコール(例えば、Carbowax 3550(登録商標)および934(登録商標)(Union Carbide))、ステアリン酸ポリオキシエチレン、コロイド二酸化珪素、ホスフェート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロール、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドとの4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールポリマー(チロキサポール、スペリオン(superione)、およびトライトンとしても公知)、ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(登録商標)およびF108(登録商標)、これらはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーである);ポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)、Poloxamine 908(登録商標)としても公知、これはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次付加により誘導される四官能性ブロックコポリマーである(BASF Wyandotte Corporation、Parsippany、N.J.));Tetronic 1508(登録商標)(T-1508、ポロキサミン)(BASF Wyandotte Corporation)、Triton X-200(登録商標)、これはアルキルアリールポリエーテルスルホネートである(Rohm and Haas);Crodestas F-110(登録商標)、これはステアリン酸スクロースおよびジステアリン酸スクロースの混合物である(Croda Inc.);p-イソノニルフェノキシポリ-(グリシドール)、Olin-IOG(登録商標)またはSurfactant 10-G(登録商標)としても公知(Olin Chemicals、 Stamford、 CT);Crodestas SL-40(登録商標)(Croda, Inc.);およびSA9OHCO、これはC18H37CH2C(O)N(CH3)-CH2(CHOH)4(CH2OH)2(Eastman Kodak Co.);デカノイル-N-メチルグルカミド;n-デシルβ-D-グルコピラノシド;n-デシルβ-D-マルトピラノシド;n-ドデシルβ-D-グルコピラノシド;n-ドデシルβ-D-マルトシド;ヘプタノイル-N-メチルグルカミド;n-ヘプチル-β-D-グルコピラノシド;n-ヘプチルβ-D-チオグルコシド;n-ヘキシルβ-D-グルコピラノシド;ノナノイル-N-メチルグルカミド;n-ノイルβ-D-グルコピラノシド;オクタノイル-N-メチルグルカミド;n-オクチル-β-D-グルコピラノシド;オクチルβ-D-チオグルコピラノシド;PEG誘導体化リン脂質、PEG誘導体化コレステロール、PEG誘導体化コレステロール誘導体、PEG誘導体化ビタミンA、PEG誘導体化ビタミンE、リゾチーム、ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのランダムコポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
所望の投与方法により、1つまたは複数のカチオン表面安定化剤(最終的な組成物に生体接着特性を付与する)を選択することによりナノ粒子メタキサロンの生体接着製剤を調製することができる。有用なカチオン表面安定化剤を下記で記述する。
【0115】
有用なカチオン表面安定化剤の例としては、ポリマー、生体高分子、多糖、セルロース誘導体、アルギナート、リン脂質、および非ポリマー化合物、例えば、両性イオン安定化剤、ポリ-n-メチルピリジニウム、アンスリウルピリジニウムクロリド、カチオンリン脂質、キトサン、ポリリシン、ポリビニルイミダゾール、ポリブレン、ポリメチルメタクリレートトリメチルアンモニウムブロミドブロミド(PMMTMABr)、ヘキシルデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDMAB)、ポリビニルピロリドン-2-ジメチルアミノエチルメタクリレートジメチルスルフェート、1,2ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)2000](ナトリウム塩)(DPPE-PEG(2000)-アミンNaとしても公知)(Avanti Polar Lipids、Alabaster、Al)、ポリ(2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド)(Polysciences, Inc.、Warrington、PA)(S1001としても公知)、ポロキサミン、例えばTetronic 908(登録商標)(Poloxamine 908(登録商標)としても公知であり、エチレンジアミンへのプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの逐次添加により誘導される4官能性ブロックコポリマーである)(BASF Wyandotte Corporation、Parsippany、N.J.)、リゾチーム、長鎖ポリマー、例えばアルギン酸、カラギーナン(FMC Corp.)、およびPOLYOX(Dow、Midland、MI)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
他の有用なカチオン安定化剤としては、カチオン脂質、スルホニウム、ホスホニウム、および四級アンモニウム化合物、例えばステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジル-ジ-(2-クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココナッツトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、デシルトリエチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、C12〜15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドまたはブロミド、ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムクロリドまたはブロミド、N-アルキル(C12〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-アルキル(C14〜18)ジメチル-ベンジルアンモニウムクロリド、N-テトラデシリドメチルベンジルアンモニウムクロド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、N-アルキルおよび(C12〜14)ジメチル1-ナフチルメチルアンモニウムクロリド、トリメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキル-トリメチルアンモニウム塩およびジアルキル-ジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、エトキシル化アルキアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩および/またはエトキシル化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロリド、N-ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N-テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、クロリド一水和物、N-アルキル(C12〜14)ジメチル1-ナフチルメチルアンモニウムクロリドおよびドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、C12、C15、C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド(ALIQUAT 336(商標))、POLYQUAT 10(商標)、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、コリンエステル(例えば脂肪酸のコリンエステル)、塩化ベンザルコニウム、ステアラルコニウムクロリド化合物(例えば、ステアリルトリモニウムクロリドおよびジステアリルジモニウムクロリド)、セチルピリジニウムブロミドまたはクロリド、四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、MIRAPOL(商標)およびALKAQUAT(商標)(Alkaril Chemical Company)、アルキルピリジニウム塩;アミン、例えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリエチレンポリアミン、アクリル酸N,N-ジアルキルアミノアルキルおよびビニルピリジン、アミン塩、例えば酢酸ラウリルアミン、酢酸ステアリルアミン、アルキルピリジニウム塩、およびアルキルイミダゾリウム塩、およびアミン酸化物;イミドアゾリニウム塩;プロトン化四級アクリルアミド;メチル化四級ポリマー、例えばポリ[ジアリルジメチルアンモニウムクロリド]およびポリ-[N-メチルビニルピリジニウムクロリド];およびカチオングアーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
そのような例示的なカチオン表面安定化剤および他の有用なカチオン表面安定化剤は、J. Cross and E. Singer、Cationic Surfactants: Analytical and Biological Evaluation (Marcel Dekker, 1994); P. and D. Rubingh(編集者)、Cationic Surfactants: Physical Chemistry(Marcel Dekker, 1991);およびJ. Richmond, Cationic Surfactants: Organic Chemistry, (Marcel Dekker, 1990)において記述されている。
【0118】
非ポリマーカチオン性表面安定化剤は、すべての非ポリマー化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、カルボニウム化合物、ホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、ハロニウム化合物、カチオン有機金属化合物、四級リン化合物、ピリジニウム化合物、アニリニウム化合物、アンモニウム化合物、ヒドロキシルアンモニウム化合物、一級アンモニウム化合物、二級アンモニウム化合物、三級アンモニウム化合物、および化学式NR1R2R3R4(+)の四級アンモニウム化合物である。化学式NR1R2R3R4(+)の化合物では、
(i)R1〜R4のどれもCH3ではなく;
(ii)R1〜R4の1つがCH3であり;
(iii)R1〜R4の3つがCH3であり;
(iv)R1〜R4の全てがCH3であり;
(v)R1〜R4の2つがCH3であり、R1〜R4の1つがC6H5CH2であり、かつR1〜R4の1つが7またはそれ以下の炭素原子のアルキル鎖であり;
(vi)R1〜R4の2つがCH3であり、R1〜R4の1つがC6H5CH2であり、かつR1〜R4の1つが19またはそれ以上の炭素原子のアルキル鎖であり;
(vii)R1〜R4の2つがCH3であり、かつR1〜R4の1つがC6H5(CH2)nであり、ここで、n>1であり;
(viii)R1〜R4の2つがCH3であり、R1〜R4の1つがC6H5CH2であり、かつR1〜R4の1つが少なくとも1つのヘテロ原子を含み;
(ix)R1〜R4の2つがCH3であり、R1〜R4の1つがC6H5CH2であり、かつR1〜R4の1つが少なくとも1つのハロゲンを含み;
(x)R1〜R4の2つがCH3であり、R1〜R4の1つがC6H5CH2であり、かつR1〜R4の1つが少なくとも1つの環状フラグメントを含み;
(xi)R1〜R4の2つがCH3であり、かつR1〜R4の1つがフェニル環であり;または
(xii)R1〜R4の2つがCH3であり、かつR1〜R4の2つが純粋な脂肪族フラグメントである。
【0119】
そのような化合物としては、ベヘナルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ラウラルコニウムクロリド、セタルコニウムクロリド、セトリモニウムブロミド、セトリモニウムクロリド、セチルアミンフッ化水素酸塩、クロラリルメタンアミンクロリド(クオタニウム-15)、ジステアリルジモニウムクロリド(クオタニウム-5)、ドデシルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(クオタニウム-14)、クオタニウム-22、クオタニウム-26、クオタニウム-18ヘクトライト、ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩、システイン塩酸塩、ジエタノールアンモニウムPOE(10)オレチルエーテルホスフェート、ジエタノールアンモニウムPOE(3)オレイルエーテルホスフェート、タロウアルコニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト、ステアラルコニウムクロリド、ドミフェニブロミド、デナトニウムベンゾエート、ミリスタルコニウム、ラウルトリモニウムクロリド、エチレンジアミン二塩酸塩、グアニジン塩酸塩、ピリドキシンHCl、イオフェタミン塩酸塩、メグルミン塩酸塩、メチルベンゼトニウムクロリド、ミルトリモニウムブロミド、オレイルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-1、プロカイン塩酸塩、ココベタイン、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトナイト、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオリド、タロウトリモニウムクロリド、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0120】
これらの表面安定化剤の多くは、周知の薬学的賦形剤であり、かつ合衆国薬学協会(American Pharmaceutical Association)および英国薬学会(The Pharmaceutical Society of Great Britain)により合同で刊行されたHandbook of Pharmaceutical Excipients (The Pharmaceutical Press, 2000)(参照により具体的に組み入れられる)において詳細に記述されている。
【0121】
表面安定化剤は、市販されており、および/または当技術分野で公知の技術により調製することができる。
【0122】
好ましい表面安定化剤としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ドキュセートナトリウム(DOSS)、およびリゾチームを含むが、それらに限定されない。特に好ましいのは、PVPとDOSSの組み合わせである。
【0123】
好ましい組成物の例は、35% メタキサロン、8.75% ポリビニルピロリドン、および0.35% DOSSである。
【0124】
3.他の薬学的賦形剤
本発明による薬学的組成物はまた、1つまたは複数の結合剤、充填剤、潤滑剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、保存剤、緩衝剤、湿潤剤、崩壊剤、発泡剤、および他の賦形剤を含んでもよい。そのような賦形剤は当技術分野において周知である。
【0125】
充填剤の例は、ラクトース一水和物、ラクトース無水物、および様々なデンプンであり;結合剤の例は様々なセルロースおよび架橋ポリビニルピロリドン、微結晶セルロース、例えば、Avicel(登録商標)PH101およびAvicel(登録商標)PH102、微結晶セルロース、およびケイ化微結晶セルロース(ProSolv SMCC(商標))である。
【0126】
圧縮すべき粉末の流動性に作用する物質を含む適した潤滑剤は、コロイド二酸化ケイ素、例えばAerosil(登録商標)200、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびシリカゲルである。
【0127】
甘味剤の例は、任意の天然または人工甘味剤、例えばスクロース、キシリトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アルパルテームおよびアクスルフェームである。香味剤の例はMagnasweet(登録商標)(MAFCOの商標)、風船ガム香料、および果物香料などである。
【0128】
保存剤の例は、ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸およびその塩、ブチルパラベンなどのパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチルまたはベンジルアルコールなどのアルコール、フェノールなどのフェノール化合物、または塩化ベンザルコニウムなどの四級化合物である。
【0129】
適した希釈剤としては薬学的に許容される不活性充填剤、例えば微結晶セルロース、ラクトース、第二リン酸カルシウム、糖類、および/または前記のいずれかの混合物が挙げられる。希釈剤の例としては、微結晶セルロース、例えば、Avicel(登録商標)PH101およびAvicel(登録商標)PH102;ラクトース、例えば、ラクトース一水和物、ラクトース無水物、およびPharmatose(登録商標)DCL21;Emcompress(登録商標)などの第二リン酸カルシウム;マンニトール;デンプン;ソルビトール;スクロース;およびグルコースが挙げられる。
【0130】
適した崩壊剤としては、軽度に架橋したポリビニルピロリドン、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、および修飾デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウムスターチ、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0131】
発泡剤の例は、有機酸および炭酸塩または重炭酸塩などの発泡対(effervescent couple)である。適した有機酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、およびアルギニン酸ならびに無水物および酸塩が挙げられる。適した炭酸塩および重炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸グリシンナトリウム、L-リシンカーボネート、および炭酸アルギニンが挙げられる。または、発泡対の重炭酸ナトリウム成分のみが存在してもよい。
【0132】
4.ナノ粒子メタキサロン粒径
本明細書で使用されるように、粒径は、当業者に周知の、従来の粒径測定技術により測定される重量平均粒径を基本に決定される。そのような技術としては、例えば、沈降場流動分画法、光子相関分光法、光散乱およびディスク型遠心分離が挙げられる。
【0133】
本発明の組成物は、上記の適当な方法により測定すると、有効平均粒径が約2000nm(すなわち、2μm)未満、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約140nm未満、約130nm未満、約120nm未満、約110nm未満、約100nm未満、約90nm未満、約80nm未満、約70nm未満、約60nm未満、または約50nm未満のメタキサロン粒子を含む。
【0134】
「約2000nm未満の有効平均粒径」という用語により、メタキサロン粒子の少なくとも50%が、上記技術により測定した場合、約2000nm未満の重量平均粒径を有することを意味する。本発明の別の態様では、ナノ粒子メタキサロン粒子の少なくとも約70%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%が、重量有効平均未満、すなわち、約2000nm未満、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満などの粒径を有する。
【0135】
ナノ粒子メタキサロン組成物を微粒子メタキサロンまたは非メタキサロン活性剤組成物と併用する場合、そのような組成物は可溶化され、または約2μmを超える有効平均粒径を有する。「約2μmを超える有効平均粒径」という用語により、微粒子メタキサロンまたは非メタキサロン活性剤粒子の少なくとも50重量%が、上記技術により測定した場合、約2μmを超える粒径を有することを意味する。本発明の別の態様では、微粒子メタキサロンまたは非メタキサロン活性剤粒子の少なくとも約70重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%が、約2μmを超える粒径を有する。
【0136】
本発明では、ナノ粒子メタキサロン組成物のD50に対する値は、メタキサロン粒子の50重量%が下回る粒径である。同様に、D90およびD99は、それぞれ、メタキサロン粒子の90重量%および99重量%が下回る粒径である。
【0137】
5.ナノ粒子メタキサロンおよび表面安定化剤の濃度
メタキサロンおよび1つまたは複数の表面安定化剤の相対量は広く変動させることができる。個々の成分の最適量は、例えば、親水性親油性バランス(HLB)、融点、および表面安定化剤の水溶液の表面張力などに依存することがある。
【0138】
メタキサロンの濃度は、他の賦形剤を含まない、メタキサロンおよび少なくとも1つの表面安定化剤を合わせた総乾燥重量を基に、約99.5重量%〜約0.001重量%、約95重量%〜約0.1重量%、または約90重量%〜約0.5重量%で、変動させることができる。
【0139】
少なくとも1つの表面安定化剤の濃度は、他の賦形剤を含まない、メタキサロンおよび少なくとも1つの表面安定化剤を合わせた総乾燥重量を基に、約0.5重量%〜約99.999重量%、約5.0重量%〜約99.9重量%、または約10重量%〜約99.5重量%で、変動させることができる。
【0140】
C.ナノ粒子メタキサロン製剤の製造方法
ナノ粒子メタキサロン組成物は、例えば、摩砕、均質化、または沈殿技術を用いて製造することができる。ナノ粒子組成物を製造する例示的な例は、‘684特許において記述されている。ナノ粒子活性剤組成物の製造方法はまた、「Method of Grinding Pharmaceutical Substances」に対する米国特許第5,518,187号、「Continuous Method of Grinding Pharmaceutical Substances」に対する米国特許第5,718,388号、「Method of Grinding Pharmaceutical Substances」に対する米国特許第5,862,999号、「Co-Microprecipitation of Nanoparticulate Pharmaceutical Agents with Crystal Growth Modifiers」に対する米国特許第5,665,331号、「Co-Microprecipitation of Nanoparticulate Pharmaceutical Agents with Crystal Growth Modifiers」に対する米国特許第5,662,883号、「Microprecipitation of Nanoparticulate Pharmaceutical Agents」に対する米国特許第5,560,932号、「Process of Preparing X-Ray Contrast Compositions Containing Nanoparticles」に対する米国特許第5,543,133号、「Method of Preparing Stable Drug Nanoparticles」に対する米国特許第5,534,270号、「Process of Preparing Therapeutic Compositions Containing Nanoparticles」に対する米国特許第5,510,118号、および「Method of Preparing Nanoparticle Compositions Containing Charged Phospholipids to Reduce Aggregation」に対する米国特許第5,470,583号(これらは全て、参照により具体的に組み入れられる)においても記述されている。
【0141】
摩砕、均質化、沈殿などの後で、得られるナノ粒子メタキサロン組成物は、固体または液体剤形、例えば、徐放性製剤、固形剤形のすぐに溶ける製剤、エアロゾル製剤、鼻用製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、カプセル、固形ロゼンジ、粉末、クリーム、軟膏などで使用することができる。
【0142】
1.ナノ粒子メタキサロン分散液組成物を得るための摩砕
ナノ粒子分散液を得るためにメタキサロンを摩砕する段階は、メタキサロン粒子を、メタキサロンが溶解しにくい液体分散媒中に分散させ、その後、剛性粉砕媒体の存在下で機械的手段を適用し、メタキサロンの粒径を所望の有効平均粒径まで減少させる段階を含む。分散媒は、例えば、水、ベニバナ油、エタノール、t-ブタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)、ヘキサン、またはグリコールであることができる。
【0143】
メタキサロン粒子は、少なくとも1つの表面安定化剤の存在下で、サイズ低下されることができる。または、メタキサロン粒子は、摩擦後1つまたは複数の表面安定化剤と接触させることができる。他の化合物、例えば希釈剤を、サイズ低下過程中に、メタキサロン/表面安定化剤組成物に添加することができる。分散液は、連続して、またはバッチ様式で製造することができる。
【0144】
2.ナノ粒子メタキサロン組成物を得るための沈殿
所望のナノ粒子メタキサロン組成物を形成する別の方法は、微小沈殿によるものである。これは、いずれのわずかな毒性溶媒または可溶化重金属不純物も含まない、1つまたは複数の表面安定化剤および1つまたは複数のコロイド安定性増強表面活性剤の存在下で、溶解しにくい活性剤の安定な分散液を調製する方法である。そのような方法は、例えば、下記を含む:(1)メタキサロンを適した溶媒に溶解する段階;(2)段階(1)の製剤を少なくとも1つの表面安定化剤を含む溶液に添加する段階;および(3)適当な非溶媒を用いて段階(2)の製剤を沈殿させる段階。その後、この方法では、形成された任意の塩(存在する場合には)が、透析またはダイアフィルトレーションにより除去され、従来の手段による分散液が濃縮されることができる。
【0145】
3.メタキサロンナノ粒子組成物を得るための均質化
活性剤ナノ粒子組成物を調製する例示的な均質化法は、「Process of Preparing Therapeutic Compositions Containing Nanoparticles」に対する米国特許第5,510,118号において記述されている。
【0146】
そのような方法は、メタキサロン粒子をメタキサロンが溶解しにくい液体分散媒に分散させ、その後、分散液を均質化しメタキサロン粒径を所望の有効平均粒径まで減少させる段階を含む。分散媒は、例えば水、ベニバナ油、エタノール、t-ブタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)、ヘキサン、またはグリコールであることができる。
【0147】
メタキサロン粒子は好ましくは、少なくとも1つの表面安定化剤の存在下で、サイズ低下されることができる。または、メタキサロン粒子は、摩擦前後のいずれかで1つまたは複数の表面安定化剤と接触させることができる。他の化合物、例えば希釈剤は、サイズ径低下過程前、中、後のいずれかで、メタキサロン/表面安定化剤組成物に添加することができる。分散液は連続して、またはバッチ様式で製造することができる。
【0148】
D.ナノ粒子メタキサロン製剤の使用法
本発明の方法は、被験者に有効量の、ナノ粒子メタキサロンを含む組成物を投与する段階を含む。本発明のメタキサロン組成物は被験者に、経口、直腸、眼内、非経口(例えば、静脈内、筋内、または皮下)、嚢内、肺、膣内、腹腔内、局所(例えば、粉末、軟膏または液滴)、または頬側もしくは鼻噴霧を含む(が、これらに限定されない)従来の手段のいずれかにより投与することができる。本明細書で使用されるように、「被験者」という用語は、動物、好ましくはヒトまたは非ヒトを含む哺乳類を意味するために使用される。患者および被験者という用語は互換的に使用できる。
【0149】
USFDAは、急性の有痛性筋骨格問題の緩和のための安静および理学療法に対する補助剤としての、筋骨格弛緩薬、例えばメタキサロンの適応を承認した。臨床的には、小さい筋肉挫傷および軽傷の症例の大部分に関連する軽い痛みは自己限定的である。ほとんどの患者が通常、直ちに対応して安静にする。かなりの組織損傷および浮腫が存在する場合、抗炎症薬が有用である場合がある。対照的に、重篤な筋骨格挫傷および捻挫、外傷、ならびに変形関節炎、椎間板ヘルニア、脊椎炎または椎弓切除の結果としての頸部神経根症または腰部神経根症はしばしば、中程度の、または重篤な、およびより慢性的な有痛性の骨格筋攣縮を引き起こす。主な症状としては、局所的な疼痛、触診時の圧痛、筋肉の一貫性の増大および運動制限が挙げられる。これらの患者では、骨格筋弛緩薬が、単独で、または鎮痛剤と組み合わせて、しばしば処方される。いくつかの研究結果により、筋肉弛緩薬および鎮痛剤の製剤は、同様の用量の鎮痛剤のみに比べ、急性の筋肉骨格障害患者においてより大きな利益を提供する。
【0150】
非経口注入に適した組成物は、生理学的に許容される滅菌水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、および滅菌注射用溶液または分散液に再構築するための滅菌粉末を含んでもよい。適した水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレン-グリコール、およびグリセロールなど)、それらの適した混合物、植物油(例えばオリーブ油)および注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティングを使用することにより、分散液の場合所望の粒径を維持することにより、および表面活性剤を使用することにより、適した流動性を維持することができる。
【0151】
ナノ粒子組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントを含んでもよい。様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、およびソルビン酸などにより、微生物の増殖の防止が確実にできる。等張剤、例えば糖、および塩化ナトリウムなどを含むことも望ましい可能性がある。注射可能な薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用することにより引き起こすことができる。
【0152】
経口投与用の固体剤形としては、粉末、エアロゾル、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒が挙げられるが、これらに限定されない。そのような固体剤形では、活性剤を少なくとも1つの下記と混合する:(a)1つまたは複数の不活性賦形剤(または担体)、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム;(b)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸;(c)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴム;(d)保湿剤、例えばグリセロール;(e)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;(f)溶液遅延剤、例えばパラフィン;(g)吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物;(h)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール;(i)吸着剤、例えばカオリンおよびベントナイト;および(j)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物。カプセル、錠剤、およびピルでは、剤形はまたは緩衝剤を含んでもよい。
【0153】
経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容されるエアロゾル、エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。活性剤の他に、液体剤形は、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤を含んでもよい。例示的な乳化剤はエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、例えば、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などである。
【0154】
そのような不活性希釈剤の他に、組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤を含むことができる。
【0155】
当業者であれば、メタキサロンの有効量は経験的に決定することができること、および純粋形態(そのような形態が存在する場合)、または薬学的に許容される塩、エステルまたはプロドラッグの形態で使用することができることが認識されると思われる。本発明のナノ粒子組成物中のメタキサロンの実際の投与レベルは、変動させて、特別な組成物および投与方法に対し所望の治療反応を得るのに有効なメタキサロンの量が得られるようにしてもよい。そのため、選択した投与レベルは、所望の治療効果、投与経路、投与したメタキサロンの有効性、所望の治療期間、および他の因子に依存する。
【0156】
用量単位組成物は、一日量を構成するのに使用できるような量またはその約数を含んでもよい。しかしながら、任意の特別な患者に対する特定の用量レベルは、下記様々な因子に依存することは理解されると思われる:達成すべき細胞または生理学的応答の型および程度;使用した特定の薬剤または組成物の活性;使用した特定の薬剤または組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康、性別および食事;投与時間、投与経路、および薬剤の排泄率;治療期間;特定の薬剤と組み合わせてまたは同時に使用した薬物;および医学分野で周知の同様の因子。
【0157】
下記実施例は、本発明を説明するために示すものである。しかしながら、本発明はこれらの実施例で記述した特定の状態または細部に限定されるものではないことを理解すべきである。本明細書全体を通して、米国特許を含む公的に入手可能な文書へのいずれのおよびすべての言及は、参照により具体的に組み入れられる。
【0158】
実施例1
この実施例の目的は、メタキサロンのナノ粒子分散物を調製することであった。
【0159】
25%(w/w)メタキサロン(UniChem Laboratories Ltd.(ドイツ))、5%(w/w)ポリビニルピロリジン(PVP)(Plasdone(登録商標)K29/32;ISP Technologies)、および0.1%ドキュセートナトリウム(DOSS)(Cytec Industries, Inc.)を含むメタキサロンナノ粒子コロイド分散物(NCD)を、150ccのバッチチャンバを備えたDYNO(登録商標)-Mill KDL(Willy A. Bachofen AG, Maschinenfabrik, スイスバーゼル所在)において、500μmポリマーアトリション(attrition)媒体(Dow Chemical Co.)を用いて、この混合物を1.5時間、高エネルギー摩砕条件下で湿式(水性)摩砕することにより調製した。
【0160】
Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カリフォルニア州アービン所在)を用いて測定すると、最終平均(重量)メタキサロン粒径は334nmであり、D50は319nm、D90は479nm、およびD95は540nmであった。
【0161】
実施例2
この実施例の目的は、メタキサロンのナノ粒子分散物を調製することであった。
【0162】
25%(w/w)メタキサロン(UniChem Laboratories Ltd.(ドイツ))、10%(w/w)PVP(Plasdone(登録商標)K29/32;ISP Technologies)、および0.25%DOSS(Cytec Industries, Inc.)を含むメタキサロンナノ粒子コロイド分散物(NCD)を、300ccの再循環チャンバを備えたDYNO(登録商標)-Mill KDL(Willy A. Bachofen AG, Maschinenfabrik, スイスバーゼル所在)において、500μmポリマーアトリション媒体(Dow Chemical Co.)を用いて、この混合物を6.5時間、高エネルギー摩砕条件下で湿式(水性)摩砕することにより調製した。
【0163】
Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カリフォルニア州アービン所在)を用いて測定すると、最終平均(重量)メタキサロン粒径は400nmであり、D50は352nm、D90は628nm、およびD95は768nmであった。
【0164】
実施例3
この実施例の目的は、メタキサロンのナノ粒子分散物を調製することであった。
【0165】
35%(w/w)メタキサロン(UniChem Laboratories Ltd.(ドイツ))、7%(w/w)PVP(Plasdone(登録商標)K29/32;ISP Technologies)、および0.14%DOSS(Cytec Industries, Inc.)を含むメタキサロンナノ粒子コロイド分散物(NCD)を、20リットルの再循環容器を備えた2リットルNetzsch LMZ-2 Mill(Netzsch、ペンシルベニア州エクストン所在)において、500μmポリマーアトリション媒体(Dow Chemical Co.)を用いて、この混合物を8.4時間、高エネルギー摩砕条件下で湿式(水性)摩砕することにより調製した。
【0166】
Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カリフォルニア州アービン所在)を用いて測定すると、最終平均(重量)メタキサロン粒径は370nmであり、D50は348nm、D90は544nm、およびD95は624nmであった。
【0167】
実施例4
この実施例の目的は、メタキサロンのナノ粒子分散物を調製することであった。
【0168】
35%(w/w)メタキサロン(UniChem Laboratories Ltd.(ドイツ))、8.75%(w/w)PVP(Plasdone(登録商標)K29/32;ISP Technologies)、および0.35%DOSS(Cytec Industries, Inc.)を含むメタキサロンナノ粒子コロイド分散物(NCD)を、20リットルの再循環容器を備えた2リットルNetzsch LMZ-2 Mill(Netzsch、ペンシルベニア州エクストン所在)において、500μmポリマーアトリション媒体(Dow Chemical Co.)を用いて、この混合物を6.8時間、高エネルギー摩砕条件下で湿式(水性)摩砕することにより調製した。
【0169】
Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カリフォルニア州アービン所在)を用いて測定すると、最終平均(重量)メタキサロン粒径は383nmであり、D50は353nm、D90は572nm、およびD95は668nmであった。
【0170】
実施例5
この実施例の目的は、ナノ粒子メタキサロン組成物のインビボ薬物動態を決定することであった。
【0171】
3つの製剤を研究で使用した:2つのナノ粒子メタキサロン製剤および微粒子メタキサロン組成物、Skelaxin(登録商標)。
【0172】
製剤#1:ナノ粒子メタキサロン分散物
PVP(Plasdone(登録商標)K29/32;ISP Technologies)4.0g、DOSS(Cytec Industries, Inc.)0.08g、および水56.0gを含む溶液に、メタキサロン(UniChem Laboratories Ltd.(ドイツ))20.0gを添加し、その後、得られた混合物を180分間、DYNO-Mill KDL(Willy A. Bachofen AG, Maschinenfabrik, スイスバーゼル所在)中、2500RPMで、500μmポリマーアトリション媒体(Dow Chemical Co.)と共に摩砕した。
【0173】
Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カリフォルニア州アービン所在)を用いて測定すると、最終平均(重量)メタキサロン粒径は381nmであり、D50は330nm、D90は614nm、およびD95は766nmであった。投与直前に製剤を水で希釈し、10%(w/w)とした。
【0174】
製剤#2:ナノ粒子メタキサロン分散物
リゾチーム(Fordas,スイスルガーノ所在)6.4g、および水53.6gを含む溶液に、メタキサロン(UniChem Laboratories Ltd.(ドイツ))20.0gを添加し、80分間、DYNO-Mill KDL(Willy A. Bachofen AG, Maschinenfabrik, スイスバーゼル所在)中、4200RPMで、500μmポリマーアトリション媒体(Dow Chemical Co.)と共に摩砕した。
【0175】
Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カリフォルニア州アービン所在)を用いて測定すると、最終平均(重量)メタキサロン粒径は139nmであり、D50は134nm、D90は190nm、およびD95は210nmであった。投与直前に製剤を水で希釈し、10%(w/w)とした。
【0176】
製剤#3:Skelaxin(登録商標)錠
第3の製剤は100mg用量の400mg Skelaxin(登録商標)錠(Elan Pharmaceutical, Inc.)から構成した(すなわち、錠剤の4分の1)。
【0177】
(表1)イヌ試験において使用した製剤の概要

【0178】
イヌ試験プロトコル
摂食/絶食メタキサロン試験において12匹の雄のビーグル犬を使用した。研究した用量は100mgであった。12匹のイヌを3つの群に分けた。各群は、表1で概要を示した3つの製剤のうちの1つのみを、摂食および絶食条件下の両方で摂取した。
【0179】
(表2)研究デザイン

【0180】
絶食条件
第1日の投与前12〜16時間、動物を絶食させた(食物のみ)。第1日に、8匹のイヌに製剤#1および#2を強制経口投与により投与した。投与後、強制飼養チューブに18mLの水を流した。各用量の実際の重量は、投与前の注入シリンジ全体および投与直後の空のシリンジの重量を測定することにより、重量測定法に従い決定した。第3の製剤は、4分の1錠剤として4匹のイヌに投与した。錠剤の重量を投与前に記録した。投与後10mLの水を与えた。
【0181】
摂食条件
第7日に、イヌに食餌を混合した缶詰食品を摂食させた。摂取量は0%、25%、50%、75%または100%として記録した。8匹のイヌに、食後約10〜30分、強制飼養により製剤#1または#2を投与した。投与後、強制飼養チューブに18mLの水を流した。各用量の実際の重量は、投与前の注入シリンジ全体および投与直後の空のシリンジの重量を測定することにより、重量測定法に従い決定した。4匹のイヌには、4分の1錠剤を経口投与した。錠剤の重量を投与前に記録した。投与後10mLの水を与えた。
【0182】
下記表3は研究プロトコルの概要を示す。
【0183】
(表3)研究プロトコル

【0184】
血液試料の採取
血液試料を、投与前、経口投与後10分、20分、30分、45分および60分、ならびに1.5時間、2時間、4時間、8時間、12時間、および24時間に採取した。約3mLの全血を頸静脈から、ヘパリンナトリウム抗凝血薬を含むVacutainerチューブ中に採取し、血漿の調製のために冷蔵した遠心分離機内に入れるまで氷上に置いた。遠心分離後、血漿を氷上に置き、大体2つのアリコート中に分配させた。1つのアリコートは約-70℃で凍結させた。
【0185】
Cmax、TmaxおよびAUCデータを、血液試料の分析から計算した。データを下記表4に示す。
【0186】
(表4)薬物動態データ

【0187】
製剤#1、#2および4分の1 Skelaxin(登録商標)錠に対する時間経過に伴う(0〜6時間)平均メタキサロン血漿濃度を図1(絶食条件)および図2(摂食条件)に示す。
【0188】
表4ならびに図1および2において提供したデータにより、ナノ粒子メタキサロン組成物が著しく高いCmaxおよびAUC、ならびに著しく低いTmaxを有することが示される。このように、ナノ粒子メタキサロン製剤は、メタキサロンの微粒子製剤、Skelaxin(登録商標)と比較して、摂食および絶食の両条件下、著しく高いバイオアベイラビリティ、ならびに著しく迅速な作用の開始を示した。
【0189】
例えば、絶食条件下、製剤#1および#2は、Skelaxin(登録商標)の174.9ng/mLのCmaxとは対照的に、それぞれ、2582.7ng/mLおよび3454.5ng/mLのCmaxを有した。これは、メタキサロンの微粒子製剤、Skelaxin(登録商標)よりも、製剤#1では約1392%、製剤#2では約1875%、Cmaxが増加したと言い換えられる。
【0190】
摂食条件下では、製剤#1および#2は、Skelaxin(登録商標)の343.7ng/mLのCmaxとは対照的に、それぞれ、2928.5ng/mLおよび1045.0ng/mLのCmaxを有した。これは、メタキサロンの微粒子製剤、Skelaxin(登録商標)よりも、製剤#1では約752%、製剤#2では約204%、Cmaxが増加したと言い換えられる。
【0191】
同様に、製剤#1および#2は、絶食条件下、Skelaxin(登録商標)の246.5ng/mLのAUCとは対照的に、それぞれ、2364.1ng/mLおよび3087.9ng/mLのAUCを有した。これは、メタキサロンの微粒子製剤、Skelaxin(登録商標)よりも、製剤#1では約859%、製剤#2では約1153%、AUCが増加したと言い換えられる。
【0192】
摂食条件下では、製剤#1および#2は、Skelaxin(登録商標)の457.0ng/mLのAUCとは対照的に、それぞれ、1373.8ng/mLおよび931.2ng/mLのAUCを有した。これは、メタキサロンの微粒子製剤、Skelaxin(登録商標)よりも、製剤#1では約201%、製剤#2では約104%、AUCが増加したと言い換えられる。
【0193】
Tmaxの結果は同様に意外であった。絶食条件下、製剤#1および#2は、Skelaxin(登録商標)の1.19時間のTmaxとは対照的に、それぞれ、0.60時間および0.37時間のTmaxを有した。これは、メタキサロンの微粒子製剤、Skelaxin(登録商標)よりも、製剤#1では約50%、製剤#2では約69%、Tmaxが減少したと言い換えられる。
【0194】
同様に、摂食条件下では、製剤#1および#2は、Skelaxin(登録商標)の2.19時間のTmaxとは対照的に、それぞれ、0.40時間および0.38時間のTmaxを有した。これは、メタキサロンの微粒子製剤、Skelaxin(登録商標)よりも、製剤#1では約82%、製剤#2では約83%、Tmaxが減少したと言い換えられる。
【0195】
試料サイズが非常に小さいが、この実施例のデータより、2つのナノ粒子メタキサロン製剤(製剤#1および#2)は、市販のSkelaxin(登録商標)製剤よりもバイオアベイラビリティが高いことが示唆される。
【0196】
実施例6
この実施例の目的は、酢酸ビニルおよびビニルピロリドンのランダムコポリマーである表面安定化剤Plasdone(登録商標)S630およびDOSSを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0197】
5%メタキサロン、2% Plasdone(登録商標)S630、および0.1% DOSSの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、4時間、メタキサロン粒子の平均粒径が513nmとなり、D90が790nmとなるまで、摩砕した。5℃で1日後、組成物は、492nmの平均メタキサロン粒径および730nmのD90を有した。5℃で1週間後、組成物は、548nmの平均メタキサロン粒径および864nmのD90を有した。5℃で2週間後、組成物は、392nmの平均メタキサロン粒径および609nmのD90を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0198】
実施例7
この実施例の目的は、表面安定化剤Plasdone(登録商標)S630およびDOSSを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0199】
5%メタキサロン、1% Plasdone(登録商標)S630、および0.05% DOSSの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、2.5時間、メタキサロン粒子の平均粒径が655nmとなり、D90が1217nmとなるまで、摩砕した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0200】
実施例8
この実施例の目的は、表面安定化剤ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびDOSSを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0201】
5%メタキサロン、2% HPMC、および0.1% DOSSの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、3時間、メタキサロン粒子の平均粒径が596nmとなり、D90が1171nmとなるまで、摩砕した。5℃で1日後、組成物は、608nmの平均メタキサロン粒径および1274nmのD90を有した。5℃で1週間後、組成物は、584nmの平均メタキサロン粒径および1107nmのD90を有した。5℃で2週間後、組成物は、556nmの平均メタキサロン粒径および990nmのD90を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0202】
実施例9
この実施例の目的は、表面安定化剤ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SL)を使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0203】
5%メタキサロンおよび2% HPC-SLの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、3時間、メタキサロン粒子の平均粒径が317nmとなり、D90が454nmとなるまで、摩砕した。5℃で1日後、組成物は、336nmの平均メタキサロン粒径および489nmのD90を有し;25℃で1日後、組成物は、372nmの平均メタキサロン粒径を有し;および40℃で1日後、組成物は、433nmの平均メタキサロン粒径を有した。5℃で1週間後、組成物は、349nmの平均メタキサロン粒径および509nmのD90を有し;25℃で1週間後、組成物は、479nmの平均メタキサロン粒径を有し;および40℃で1週間後、組成物は、617nmの平均メタキサロン粒径を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0204】
実施例10
この実施例の目的は、表面安定化剤ポリビニルピロリドン(PVP)およびDOSSを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0205】
5%メタキサロン、2% PVP、および0.05% DOSSの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、3時間、メタキサロン粒子の平均粒径が363nmとなり、D90が550nmとなるまで、摩砕した。5℃で1日後、組成物は、363nmの平均メタキサロン粒径および529nmのD90を有し;25℃で1日後、組成物は、440nmの平均メタキサロン粒径を有し;および40℃で1日後、組成物は、761nmの平均メタキサロン粒径を有した。5℃で13日後、組成物は、386nmの平均メタキサロン粒径および569nmのD90を有し;25℃で13日後、組成物は、581nmの平均メタキサロン粒径を有し;および40℃で13日後、組成物は、518nmの平均メタキサロン粒径を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0206】
実施例11
この実施例の目的は、表面安定化剤PVPおよびDOSSを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0207】
20%メタキサロン、8% PVP、および0.2% DOSSの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、4時間、メタキサロン粒子の平均粒径が386nmとなるまで、摩砕した。5℃で10日後、組成物は、415nmの平均メタキサロン粒径を有し;25℃で10日後、組成物は、515nmの平均メタキサロン粒径を有した。5℃で24日後、組成物は、420nmの平均メタキサロン粒径を有し;25℃で24日後、組成物は、548nmの平均メタキサロン粒径を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0208】
実施例12
この実施例の目的は、表面安定化剤Plasdone(登録商標)S630およびDOSSを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0209】
20%メタキサロン、8% Plasdone(登録商標)S630、および0.1% DOSSの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、1.5時間、メタキサロン粒子の平均粒径が408nmとなるまで、摩砕した。5℃で4日後、組成物は、435nmの平均メタキサロン粒径を有し;25℃で4日後、組成物は、508nmの平均メタキサロン粒径を有した。5℃で18日後、組成物は、440nmの平均メタキサロン粒径を有し;25℃で18日後、組成物は、533nmの平均メタキサロン粒径を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0210】
実施例13
この実施例の目的は、表面安定化剤PVPおよびDOSSを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0211】
20%メタキサロン、2% Plasdone(登録商標)S630、および0.2% DOSSの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、1.5時間、メタキサロン粒子の平均粒径が425nmとなるまで、摩砕した。5℃で4日後、組成物は、407nmの平均メタキサロン粒径を有し;25℃で4日後、組成物は、550nmの平均メタキサロン粒径を有した。5℃で18日後、組成物は、419nmの平均メタキサロン粒径を有し;25℃で18日後、組成物は、740nmの平均メタキサロン粒径を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0212】
実施例14
この実施例の目的は、表面安定化剤HPC-SLを使用してナノ粒子メタキサロン組成物を調製することであった。
【0213】
10%メタキサロンおよび4% HPC-SLの混合物を、水性環境、DynoMill(登録商標)(型:KDL;Mfg.:Willy Bachofen、スイスのバーゼル所在)で、180分間、メタキサロン粒子の平均粒径が358nmとなるまで、摩砕した。5℃で13日後、組成物は、410nmの平均メタキサロン粒径を有し;25℃で3日後、組成物は、448nmの平均メタキサロン粒径を有した。40℃で3日後、組成物は、739nmの平均メタキサロン粒径を有した。粒径は、Horiba LA-910粒径アナライザ(Horiba Instruments、カルフォルニア州アービン)を用いて測定した。
【0214】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の方法および組成物において、様々な改変および変更が可能であることは、当業者には明らかであると思われる。このように、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内にあれば、本発明の改変および変更を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】絶食条件下、4匹の雄犬に下記の100mgメタキサロン用量を経口投与した後の、6時間にわたるメタキサロンの平均濃度(ng/mL)を示すグラフである:(1)ナノ粒子メタキサロン分散物#1;(2)ナノ粒子メタキサロン分散物#2;および(3)SKELAXIN(登録商標)錠剤の1/4。
【図2】摂食条件下、4匹の雄犬に下記の100mgメタキサロン用量を経口投与した後の、6時間にわたるメタキサロンの平均濃度(ng/mL)を示すグラフである:(1)ナノ粒子メタキサロン分散物#1;(2)ナノ粒子メタキサロン分散物#2;および(3)SKELAXIN(登録商標)錠剤の1/4。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有効粒子平均サイズが約2000nm未満であるメタキサロンまたはその塩の粒子;および
(b)少なくとも1つの表面安定化剤
を含む組成物。
【請求項2】
メタキサロンが、結晶相、アモルファス相、半結晶相、半アモルファス相、およびそれらの混合からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
メタキサロン粒子の有効平均粒径が、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約100nm未満、約75nm未満、および約50nm未満からなる群より選択される、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
経口、肺、直腸、眼内、結腸、非経口、嚢内、膣内、腹腔内、局部、頬側、鼻内、および局所投与からなる群より選択される投与のために製剤化される、請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物。
【請求項5】
分散液、経口懸濁液、ゲル、エアロゾル、軟膏、クリーム、徐放性製剤、すぐに溶ける製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、カプセル、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、ならびに即時放出および徐放を組み合わせた製剤からなる群より選択される剤形に製剤化される、請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物。
【請求項6】
(a)メタキサロンまたはその塩が、他の賦形剤を含まない、メタキサロンまたはその塩と少なくとも1つの表面安定化剤を合わせた総重量を基に、約99.5重量%〜約0.001重量%、約95重量%〜約0.1重量%、および約90重量%〜約0.5重量%からなる群より選択される量で存在し;かつ
(b)少なくとも1つの表面安定化剤が、他の賦形剤を含まない、メタキサロンまたはその塩と少なくとも1つの表面安定化剤を合わせた総乾燥重量を基に、約0.5重量%〜約99.999重量%、約5.0重量%〜約99.9重量%、および約10重量%〜約99.5重量%からなる群より選択される量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
【請求項7】
表面安定化剤が、アニオン表面安定化剤、カチオン表面安定化剤、両性イオン表面安定化剤、およびイオン表面安定化剤からなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの表面安定化剤が、下記からなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか一項記載の組成物:セチルピリジニウムクロリド、ゼラチン、カゼイン、リン脂質、デキストラン、グリセロール、アラビアゴム、コレステロール、トラガカントゴム、ステアリン酸、ベンザルコニウムクロリド、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリン酸ポリオキシエチレン、コロイド二酸化珪素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、フタル酸ヒプロメロース、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドとの4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールポリマー、ポロキサマー;ポロキサミン、帯電リン脂質、ジオクチルスルホスクシナート、ナトリウムスルホコハク酸のジアルキルエステル、ラルリル硫酸ナトリウム、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、ステアリン酸スクロースおよびジステアリン酸スクロースの混合物、p-イソノニルフェノキシポリ-(グリシドール)、デカノイル-N-メチルグルカミド;n-デシルβ-D-グルコピラノシド;n-デシルβ-D-マルトシド;n-ドデシルβ-D-グルコピラノシド;n-ドデシルβ-D-マルトシド;ヘプタノイル-N-メチルグルカミド;n-ヘプチル-β-D-グルコピラノシド;n-ヘプチルβ-D-チオグルコシド;n-ヘキシルβ-D-グルコピラノシド;ノナノイル-N-メチルグルカミド;n-ノイルβ-D-グルコピラノシド;オクタノイル-N-メチルグルカミド;n-オクチル-β-D-グルコピラノシド;オクチルβ-D-チオグルコピラノシド;リゾチーム、PEG-リン脂質、PEG-コレステロール、PEG-コレステロール誘導体、PEG-ビタミンA、酢酸ビニルおよびビニルピロリドンのランダムコポリマー、カチオンポリマー、カチオンバイオポリマー、カチオン多糖、カチオンセルロース誘導体、カチオンアルギナート、カチオン非ポリマー化合物、カチオンリン脂質、カチオン脂質、ポリメチルメタクリレートトリメチルアンモニウムブロミド、スルホニウム化合物、ポリビニルピロリドン-2-ジメチルアミノエチルメタクリレートジメチルスルフェート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ホスホニウム化合物、四級アンモニウム化合物、ベンジル-ジ-(2-クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココナッツトリメチルアンモニウムクロリド、ココナッツトリメチルアンモニウムブロミド、ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、デシルトリエチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドブロミド、C12〜15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、C12〜15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドブロミド、ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムブロミド、ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムクロリド、ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムブロミド、N-アルキル(C12〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-アルキル(C14〜18)ジメチル-ベンジルアンモニウムクロリド、N-テトラデシリドメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、N-アルキルおよび(C12〜14)ジメチル1-ナフチルメチルアンモニウムクロリド、トリメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキル-トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル-ジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、エトキシル化アルキアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩、エトキシル化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロリド、N-ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N-テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、クロリド一水和物、N-アルキル(C12〜14)ジメチル1-ナフチルメチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、C12トリメチルアンモニウムブロミド、C15トリメチルアンモニウムブロミド、C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、POLYQUAT 10(商標)、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、コリンエステル、ベンザルコニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド化合物、セチルピリジニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、MIRAPOL(商標)、ALKAQUAT(商標)、アルキルピリジニウム塩;アミン、アミン塩、アミン酸化物、イミドアゾリニウム塩、プロトン化四級アクリルアミド、メチル化四級ポリマー、およびカチオングアー。
【請求項9】
生体接着性である、請求項7または8記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの主表面安定化剤および少なくとも1つの第2の表面安定化剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の組成物。
【請求項11】
表面安定化剤として、ポリビニルピロリドン、ドキュセートナトリウム、リゾチーム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の組成物。
【請求項12】
請求項1記載のメタキサロン組成物の有効平均粒径とは異なる有効平均粒径を有する少なくとも1つの追加のメタキサロン組成物をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の組成物。
【請求項13】
1つまたは複数の非メタキサロン活性剤をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項14】
追加の1つまたは複数の非メタキサロン活性剤が、下記からなる群より選択される、請求項13記載の組成物:アミノ酸、蛋白質、ペプチド、ヌクレオチド、抗肥満薬、中枢神経刺激薬、カロテノイド、コルチコステロイド、エラスターゼ阻害剤、抗真菌剤、オンコロジー治療薬、制吐剤、鎮痛薬、心血管作動薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗生剤、抗凝血薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤、ムスカリン性受容体拮抗薬、抗酸菌薬、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、抗甲状腺薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、鎮静剤、収れん薬、α-アドレナリン受容体遮断薬、β-アドレナリン受容体遮断薬、血液製剤、代用血液、心臓変力剤(cardiac inotropic agent)、造影剤、コルチコステロイド、鎮咳剤、診断薬、診断用造影剤、利尿薬、ドーパミン作動薬、止血薬、免疫薬、脂質調節薬、筋肉弛緩薬、副交感神経興奮薬、副甲状腺カルシトニン、副甲状腺ビホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン、抗アレルギー薬、刺激薬、食欲抑制薬、交感神経興奮剤、甲状腺製剤、血管拡張薬、キサンチン、アシクロビル、アルプラゾラム、アルトレタミン、アミロリド、アミオダロン、ベンズトロピン メシラート、ブプロピオン、カベルゴリン、カンデサルタン、セリバスタチン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、クラリスロマイシン、クロニジン、クロピドグレル、シクロベンザプリン、シプロヘプタジン、デラビルジン、デスモプレシン、ジルチアゼム、ジピリダモール、ドラセトロン、エナラプリルマレアート、エナラプリラット、ファモチジン、フェロジピン、フラゾリドン、グリピジド、イルベサルタン、ケトコナゾール、ランソプラゾール、ロラタジン、ロキサピン、メベンダゾール、メルカプトプリン、ミルリノンラクテート、ミノサイクリン、ミトキサントロン、ネルフィナビルメシラート、ニモジピン、ノルフロキサシン、オランザピン、オメプラゾール、ペンシクロビル、ピモジド、タコリムス、クアゼパム、ラロキシフェン、リファブチン、リファムピン、リスペリドン、リザトリプタン、サキナビル、セルトラリン、シルデナフィル、アセチル-スルフィソキサゾール、テマゼパム、チアベンダゾール、チオグアニン、トランドラプリル、トリアムテレン、トリメトレキサート、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ベラパミル、ビンブラスチンスルフェート、ミコフェノレート、アトバクオン、アトバクオン、プログアニル、セフタジジム、セフロキシム、エトポシド、テルビナフィン、サリドマイド、フルコナゾール、アムサクリン、ダカルバジン、テニポシド、アセチルサリチラート、NSAIDおよびCOX-2阻害剤。
【請求項15】
NSAIDが下記からなる群より選択される、請求項14記載の組成物:ナブメトン、チアラミド、プロカゾン、ブフェキサマク、フルミゾール、エピラゾール、チノリジン、チメガジン、ダプソン、アスピリン、ジフルニサル、ベノリラート、フォスフォサル、ジクロフェナク、アルクロフェナク、フェンクロフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、フェンチアザク、チロミソール、カルプロフェン、フェンブフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、オキサプロジン、スプロフェン、チアプロフェン酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、フルフェナミク、メフェナミク、メクロフェナミク、ニフルミク、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、アパゾン、フェプラゾン、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、およびテノキシカム。
【請求項16】
COX-2阻害剤が、下記からなる群より選択される、請求項14記載の組成物:セレコキシブ、ロフェコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、SC-236、NS-398、SC-58125、SC-57666、SC-558、SC-560、エトドラク、DFU、モンテレロイカスト、L-745337、L-761066、L-761000、L-748780、DUP-697、PGV 20229、イグラチモド、BF 389、PD 136005、PD 142893、PD 145065、PD 138387、フルルビプロフェン、ニメスリド、ナブメトン、フロスリド、ピロキシカム、ジクロフェン、ルミラコキシブ、D 1367、ジフルミドン、JTE-522、FK-3311、FK 867、FR 115068、GR 253035、RWJ 63556、RWJ 20485、ZK 38997、S 2474、CL 1004、RS 57067、RS 104897 RS 104894、SC 41930、プランルカスト、およびSB 209670、ヘプチニルスルフィド、およびFR 140423。
【請求項17】
哺乳類に投与すると、メタキサロン粒子が再分散し、粒子の有効平均粒径が、約2μm未満、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、および約50nm未満からなる群より選択されるものである、請求項1〜16のいずれか一項記載の組成物。
【請求項18】
生物関連媒質に再分散すると、メタキサロン粒子の有効平均粒径が、約2μm未満、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、および約50nm未満からなる群より選択されるものである、請求項1〜17のいずれか一項記載の組成物。
【請求項19】
生物関連媒質が、水、電解質水溶液、塩の水溶液、酸の水溶液、塩基の水溶液、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
投与後、哺乳類被験者の血漿においてアッセイすると、メタキサロンのTmaxが、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤のTmaxより小さい、請求項1〜19のいずれか一項記載の組成物。
【請求項21】
Tmaxが、同じ用量で投与された、非ナノ粒子メタキサロン製剤により示されるTmaxの約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、および約5%以下からなる群から選択されるものである、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
投与後、哺乳類被験者の血漿においてアッセイすると、メタキサロンのCmaxが、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤のCmaxより大きい、請求項1〜21のいずれか一項記載の組成物。
【請求項23】
Cmaxが、同じ用量で投与された、非ナノ粒子メタキサロン製剤により示されるCmaxより、少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約600%、少なくとも約700%、少なくとも約800%、少なくとも約900%、少なくとも約1000%、少なくとも約1100%、少なくとも約1200%、少なくとも約1300%、少なくとも約1400%、少なくとも約1500%、少なくとも約1600%、少なくとも約1700%、少なくとも約1800%、または少なくとも1900%大きいものからなる群より選択される、請求項22記載の組成物。
【請求項24】
投与後、哺乳類被験者の血漿においてアッセイすると、メタキサロンのAUCが、同じ用量で投与した、非ナノ粒子メタキサロン製剤のAUCより大きい、請求項1〜23のいずれか一項記載の組成物。
【請求項25】
AUXが、同じ用量で投与された、非ナノ粒子メタキサロン製剤により示されるAUCより、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約175%、少なくとも約200%、少なくとも約225%、少なくとも約250%、少なくとも約275%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約750%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、少なくとも約1000%、少なくとも約1050%、少なくとも約1100%、少なくとも約1150%、または少なくとも約1200%大きいものからなる群より選択される、、請求項24記載の組成物。
【請求項26】
絶食条件と比較して、摂食条件下で投与しても吸収レベルに有意の差を示さない、請求項1〜25のいずれか一項記載の組成物。
【請求項27】
摂食状態対絶食状態で投与した場合の、本発明のメタキサロン組成物の吸収差が、約100%未満、約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、および約3%未満からなる群より選択されるものである、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
絶食状態でのヒトへの組成物の投与が、摂食状態での被験者への組成物の投与と生物学的に同等である、請求項1〜27のいずれか一項記載の組成物。
【請求項29】
「生物学的同等性」が、下記により確立される、請求項28記載の組成物:
(a)CmaxおよびAUCの両方に対し90%信頼区間が0.80〜1.25の間にあること、または
(b)AUCに対し90%信頼区間が0.80〜1.25の間にあり、かつCmaxに対し90%信頼区間が0.70〜1.43の間にあること。
【請求項30】
1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤、担体、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1〜29のいずれか一項記載の組成物。
【請求項31】
薬剤の調製のための、請求項1〜30のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項32】
薬剤が、筋骨格弛緩薬が典型的に使用される徴候、変形関節炎、椎間板ヘルニア、脊椎炎、椎弓切除、重篤な筋骨格挫傷、重篤な筋骨格捻挫、筋骨格外傷、頸部神経根症、腰部神経根症、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される徴候を治療するのに有用である、請求項31記載の使用。
【請求項33】
メタキサロンまたはその塩の粒子を、少なくとも1つの表面安定化剤と、一定時間、有効平均粒径が約2000nm未満であるメタキサロン組成物を提供するのに十分な条件下で、接触させる段階を含む、メタキサロン組成物の製造方法。
【請求項34】
接触段階が、粉砕段階、湿式粉砕段階、または均質化段階を含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
接触段階が、
(a)メタキサロンまたはその塩の粒子を溶媒に溶解する段階;
(b)得られたメタキサロン溶液を、少なくとも1つの表面安定化剤を含む溶液に添加する段階;および
(c)表面に吸着された少なくとも1つの表面安定化剤を有する可溶化メタキサロンを、これに非溶媒を添加することにより沈殿させる段階
を含む、請求項33記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−501839(P2007−501839A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523181(P2006−523181)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/019108
【国際公開番号】WO2005/016310
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505295134)エラン ファーマ インターナショナル リミテッド (10)
【Fターム(参考)】