説明

新規ユビキチンリガーゼ及びその利用方法

【課題】新規ユビキチンリガーゼ及びそのアダプターコンポーネントを提供すること。
【解決手段】BAZFからなる、ユビキチンリガーゼコンポーネント,BAZF及びCUL3からなる、ユビキチンリガーゼコンポーネント,当該コンポーネントを含むユビキチンリガーゼ,BAZFの発現を制御する物質を含むことを特徴とするユビキチンリガーゼ制御剤,又は、これらのコンポーネントやユビキチンリガーゼ,又はその制御剤のいずれかを含むことを特徴とする、Notchシグナル制御剤又はNotchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ユビキチンリガーゼ及びそのアダプターコンポーネントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ユビキチンという76個のアミノ酸からなる蛋白質が、他の蛋白質の修飾に用いられることで、蛋白質の分解,シグナル伝達制御,DNA修復等の様々な生命現象に関与していることが分かってきている。
【0003】
他の蛋白質の修飾とは、ユビキチンシステムと呼ばれる、標的蛋白質へのユビキチンの付加(モノユビキチン化,ジユビキチン化,ポリユビキチン化等のユビキチン化)を意味している。
ユビキチン化は、標的蛋白質の持つリジン(K)側鎖のアミノ基とユビキチンのC末端との間のアミド結合によって起こり、ポリユビキチン化の場合には、ユビキチン内のリジンに、更に次のユビキチンが結合する。
ユビキチン内には、K6,K11,K29,K48,K63等の複数のリジン残基が存在するが、例えばK48へのポリユビキチン化は、蛋白質分解に関わっている。
【0004】
そしてこのユビキチンシステムには、下記の3種類の酵素が用いられている。
E1:ユビキチン活性化酵素
E2:ユビキチン結合酵素
E3:ユビキチン転移酵素(ユビキチンリガーゼ)
【0005】
従って、これらの酵素は、上記の生命現象に関連する疾患の予防や治療その他に有用である点でも注目されており、種々のユビキチン関連酵素が探索されている。
【0006】
ところで、これらの酵素のうち、ユビキチン化の最終段階で作用するE3は、下記の各種の役割を有する複数のコンポーネントからなる複合体であることが知られている。
1)リガーゼ活性を有するとともに他のコンポーネントをつなぐプラットフォームの役割をも担っている本体部位([Cullin1(CUL1),Cullin2(CUL2),Cullin3(CUL3)]等のCullin(CUL)蛋白質)
2)基質(分解の対象となる蛋白質)を認識するアダプター部位
3)その他の部位(Rbox1,Skp1等)
【0007】
そして、2)の、基質特異性のあるアダプター部位を変更することで、種々の蛋白質に対するユビキチン化を実現し得るのである。
【0008】
このアダプター部位に相当する蛋白質には、1)との結合部位の異なる、F-box含有蛋白質,BC-box含有蛋白質,BTBドメイン含有蛋白質等の種類があることが分かっている(非特許文献1,2等)。
【0009】
一方、BTBドメインを有するヒト蛋白質としては、既に約200種類近くが知られている。
【0010】
しかしながら、BTBドメインを有する蛋白質であれば、全てがE3のアダプター部位として働くとは限らず、また仮に、ある特定のBTBドメイン含有蛋白質が、E3のアダプター部位として機能するとしても、その機能を確認するためには、当該E3がユビキチン化しようとする標的蛋白質を特定しなければならず、蛋白質が、ヒトの生体内だけをとって考えても何十万個も存在することを考えると、それは容易では無い。
【0011】
かといって、BTBドメイン含有蛋白質と、相互作用する蛋白質が公知であったとしても、蛋白質の相互作用には、ユビキチン化以外にも種々のものがあり、当該対象蛋白質が、必ずしもE3の基質と言うことも出来ない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Natural Cell Biology vol.5 No.11, P.950-951, November 2003
【非特許文献2】Current Biology, vol.14, R59-R61, January 20, 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者等は、BTBドメインを有するBAZFという蛋白質について種々の研究を進める中で、このBAZFが、Notchシグナル伝達系の下流にある蛋白質(CBF1)と相互作用する一方で、Cullin(CUL)蛋白質の一種(CUL3)とも相互作用していることを偶然突き止めた。
その結果、本発明者等は、BAZFがCUL3とともに複合体(E3)を構成していること,及びBAZFが、E3においてユビキチン化の標的蛋白質であるCBF1を特異的に認識するためのアダプターとして機能していること,更にはこのE3が、CBF1のポリユビキチン化(及び分解)を介してNotch1等のNotchシグナル伝達系を制御していることを見いだし、本発明に到達したものであって、その目的とするところは、新規E3,あるいは、当該E3を利用する方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的は、下記第一の発明から第七の発明によって、達成される。
【0015】
<第一の発明>
BAZFからなる、ユビキチンリガーゼコンポーネント。
【0016】
<第二の発明>
BAZF及びCUL3からなる、ユビキチンリガーゼコンポーネント。
【0017】
<第三の発明>
第一又は第二の発明に記載のコンポーネントを含むことを特徴とする、ユビキチンリガーゼ。
【0018】
<第四の発明>
BAZFの発現を制御する物質を含むことを特徴とするユビキチンリガーゼ制御剤。
【0019】
<第五の発明>
下記のいずれかを含むことを特徴とする、Notchシグナル制御剤。
1)第一又は第二の発明に記載のユビキチンリガーゼコンポーネント
2)第三の発明に記載のユビキチンリガーゼ
3)第四の発明に記載のユビキチンリガーゼ制御剤
【0020】
<第六の発明>
第五の発明に記載のNotchシグナル制御剤を含むことを特徴とする、Notchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤。
【発明の効果】
【0021】
本発明の新規ユビキチンリガーゼコンポーネント及びユビキチンリガーゼ及びその制御剤は、Notchシグナルを制御することによって、種々の疾患等の予防又は治療に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】BAZFcDNA導入細胞における、BAZF,CUL3,CBF1の共局在とCBF1の分解を示す図である。
【図2】BAZFとCUL3の相互作用を示す図である。
【図3】BAZFにおけるCUL3結合領域を示す図である。
【図4】CUL3ノックダウンによる、BAZFのCBF1ポリユビキチン化に与える影響を示す図である。
【図5】CUL3ノックダウンによる、BAZFのCBF1分解に与える影響を示す図である。
【図6】in vitro(HUVEC細胞)における、CUL3ノックダウンによる、Notch1シグナル促進を通じたVEGFの血管新生阻害作用を示す図である。
【図7】in vivo(5日齢 マウス(生後3日目にsiRNAを投与し、生後5日目に解析))における、CUL3ノックダウンによる、Notch1シグナル促進を通じたVEGFの血管新生阻害作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
[本発明のユビキチンリガーゼコンポーネント]
本発明のユビキチンリガーゼコンポーネントとしては、BAZF(Bcl-6 associated Zinc finger protein)及びCullin3蛋白質(CUL3)等が挙げられる。
BAZFは、CUL3を活性本体とする、ユビキチンリガーゼの、アダプターコンポーネントとして機能する蛋白質であることが判明した。
【0025】
本発明のユビキチンリガーゼコンポーネントは単独で(BAZF単独又はBAZFとCUL3で),あるいは、他のコンポーネント(Rbox1,Skp1等)と共にユビキチンリガーゼとして用いることで、下記の本発明のNotchシグナル制御剤や、Notchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤として用いることができる。
【0026】
[本発明のユビキチンリガーゼ]
本発明のユビキチンリガーゼは、上記本発明のユビキチンリガーゼコンポーネントを含むことを特徴とするものである。
つまり、アダプター部位としてBAZFを、活性本体として、CUL1,2,3等のCullin蛋白質を含むものである。
【0027】
本発明のユビキチンリガーゼには、この他、
E2と相互作用し、ユビキチン蛋白質を基質に接近させることによってユビキチン化に寄与する部位(Rbox1等)や、
Cullin蛋白質とアダプター蛋白質の結合を仲介する部位(Skp1等)
等を含むことができる。
【0028】
[本発明のユビキチンリガーゼ制御剤]
本発明のユビキチンリガーゼ制御剤は、BAZFの発現を制御する物質を含むことを特徴とするものである。
【0029】
本発明において、「制御」には、「阻害(抑制)」及び「促進」が含まれる。
【0030】
従って、「BAZFの発現を制御する物質」としては、「BAZFの発現を、阻害する物質」及び「BAZFの発現を、促進する物質」が挙げられる。
【0031】
(BAZFの発現を、阻害する物質)
「BAZFの発現を、阻害する物質」としては、「BAZF遺伝子の発現又はBAZF蛋白質の産生を、阻害する物質」が挙げられる。
「BAZF遺伝子の発現又はBAZF蛋白質の産生を、阻害する物質」としては、具体的には、下記のようなものが挙げられるが、必ずしもこれらに限られるものでは無い。
【0032】
(i)BAZF遺伝子に対するsiRNA遺伝子
(ii)BAZF抗体
【0033】
(i)のBAZF遺伝子に対するsiRNA遺伝子としては、例えば配列番号1(sense:5' aguuuaucuguaaauauaaTT 3')及び配列番号2(antisense:5' uuauauuuacagauaaacuGA 3')(いずれも小文字はRNA,大文字はDNAを表す。)からなる二本鎖の遺伝子等が挙げられるが、これに限られるものでは無い。
その他のBAZF遺伝子に対するsiRNA遺伝子は、公知のRNAi技術の知見に基づいて、適宜設計することが可能である。
【0034】
(ii)の抗体は、公知の方法に従い、BAZFを抗原として、適当な宿主に免疫すること等によって、作製することができるが、公知の抗体として購入することもできる。
【0035】
例えば、(ii)のBAZF抗体としては、BAZFのホモログ(同族体)であるBcl-6の抗体等も使用でき、例えば、「sc-7388(Bcl-6(D-8)」,(Santa Cruz Biotechnology,Inc.,カリフォルニア州,USA),「sc-858(Bcl-6(N-3)」(Santa Cruz Biotechnology,Inc.,カリフォルニア州,USA),BCL6B mouse polyclonal antibody A01, (Abnova社、catalog ID H00255877-A01)等として購入することができる。
【0036】
(BAZFの発現を、促進する物質)
BAZFの発現を、促進する物質としては、「BAZF遺伝子の発現又はBAZF蛋白質の産生を、促進する物質」が挙げられる。
「BAZF遺伝子の発現又はBAZF蛋白質の産生を、促進する物質」としては、具体的には、下記のようなものが挙げられるが、必ずしもこれらに限られるものでは無い。
【0037】
(i)BAZF遺伝子
(ii)BAZFタンパク質
【0038】
本発明において「遺伝子」とは、アデニン(A),グアニン(G)等のプリン塩基や、チミン(T),ウラシル(U),シトシン(C)等のピリミジン塩基やそれらの修飾塩基を構成要素として含むポリヌクレオチドであり、一本鎖又は二本鎖のDNA,cDNA,一本鎖又は二本鎖のRNA,一本鎖DNAと一本鎖RNAからなるハイブリッド体,RNAとDNAが結合して一本鎖となったキメラ体をも含むものである。
【0039】
尚、ヒトBAZFの、遺伝子及びアミノ酸の配列は、「Cloning and characterization of the human BAZF gene, a homologue of the BCL6 oncogene.(Biochem. Biophys. Res. Commun. 291 (3), 567-573 (2002))」等に記載されており、また、「NCBI GENE accession number; NM 181844」として、NCBI(メリーランド州,米国)等から入手可能である。
【0040】
遺伝子は、プラスミド,ウイルスベクター等の形態で用いることができ、その際には、一本鎖であっても二本鎖であっても構わない。
【0041】
これらの遺伝子は、常法に従い、DNA合成装置や形質転換細胞等を用いて人工的に合成する,天然に存在するポリヌクレオチドを抽出する,天然からの抽出ポリヌクレオチドの塩基の一部を欠失,置換,付加, 挿入する,目的とする配列と相補的な配列を用い、逆転写酵素やDNAポリメラーゼ,RNAポリメラーゼ等によって目的の配列のものを合成させる,これらの方法で得られたポリヌクレオチドの塩基を修飾する等の方法によって製造することができる。
【0042】
尚、本発明において抗体とは、モノクローナル、ポリクローナル、もしくはキメラ抗体やヒト化抗体のいずれであっても良く、ファージ抗体であっても良い。
【0043】
[本発明のNotchシグナル制御剤]
本発明のNotchシグナル制御剤は、下記のいずれかを含むことを特徴とするものである。
【0044】
1)本発明のユビキチンリガーゼコンポーネント
2)本発明のユビキチンリガーゼ
3)本発明のユビキチンリガーゼ制御剤
【0045】
上記のいずれかを含むことによって、Notchシグナルを促進又は阻害することができ、それによって、後述するNotchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤として用いることができる他、実験室内における、実験試薬としても利用価値の高いものである。
Notchシグナル伝達系としては、Notch1〜4シグナル伝達系等が知られており、これらNotch1〜4は、ともに共通の分子機構を利用している。すなわち、Notch分子のsheddingによって産生されるNotch Intercellular Domain(Notch ICD)が、核内に移行し、CBF1と結合して、転写活性化を誘導する。Notch ICD/CBF1複合体が誘導することが知られている標的遺伝子にHEY(1,2)や HES遺伝子等がある。
従って、CBF1の分解制御に関わる本発明のユビキチンリガーゼコンポーネント,ユビキチンリガーゼ(複合体),及びユビキチンリガーゼ制御剤は、シグナル伝達系の下流にCBF1を有するNotch1〜4等のNotchシグナルの制御剤として,更には、Notchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤として用いることができるのである。
【0046】
[本発明のNotchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤]
本発明のNotchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤は、上記発明のNotchシグナル制御剤を含むことを特徴とするものである。
【0047】
このNotchシグナル制御剤を含むことによって、Notchシグナルの過剰発現を抑制又は発現を促進し、Notchシグナルの異常に起因する疾患を予防又は治療することができる。
【0048】
(その他の成分)
本発明の予防又は治療剤には、上記の、「Notchシグナル制御剤」の他、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の成分を含有させることができ、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0049】
賦形剤,滑沢剤,結合剤,崩壊剤,安定剤,矯味矯臭剤,希釈剤,界面活性剤,乳化剤,可溶化剤,吸収促進剤,保湿剤,吸着剤,充填剤,増量剤,付湿剤,防腐剤等。
賦形剤としては、有機系賦形剤及び無機系賦形剤等が挙げられる。
【0050】
(剤形)
本発明の予防又は治療剤の剤形は、例えば錠剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,丸剤,トローチ,もしくはシロップ剤,注射剤等の形態が挙げられる。
【0051】
(有効成分の含有量)
本発明の予防又は治療剤中の、有効成分(「Notchシグナル制御剤」)の含有量は、剤形によって様々であり、一概に限定できず、各種剤形化が可能な範囲で、投与量との関係で適宜選択すれば良いが、例えば液剤の場合、好ましくは0.0001〜10(w/v%),より好ましくは0.001〜5(w/v%),特に注射剤の場合、好ましくは0.0002〜0.2(w/v%),より好ましくは0.001〜0.1(w/v%),固形剤の場合、好ましくは0.01〜50(w/w%),より好ましくは0.02〜20(w/w%)等として調製できるが、必ずしもこの範囲に限定されるものでは無い。
【0052】
(製造方法)
本発明の予防又は治療剤は、上記の成分を用いて、周知の方法で製剤化することができる。
【0053】
《その他の合剤》
本発明の予防又は治療剤は、他の公知のNotchシグナル制御剤との合剤として用いることができる。
【0054】
例えば、Notchシグナル阻害剤としては、製品名DAPT:N-[N-(3,5-Difluorophenacetyl-L-alanyl)-S-phenylglycine t -Butyl Ester)等のγ−セクレターゼ阻害剤等が挙げられる。
DAPTは、γ−セクレターゼによるNotch膜内部位切断機能を阻害することで、その細胞内ドメイン(NICD)の発生を抑制し、Notchシグナルを遮断することが知られている物質である。
【0055】
(投与経路)
本発明の予防又は治療剤の投与経路としては、全身投与と局所投与があり、いずれでも良く、具体的には、経口投与,静注等の静脈投与,筋注等の筋肉内投与, 経皮投与,経鼻投与,皮内投与,皮下投与,腹腔内投与,直腸内投与,粘膜投与,吸入,関節腔内投与等が挙げられ、治療目的の疾患,症状等に応じて、適宜選択することができる。
【0056】
(投与方法)
本発明の予防又は治療剤が、siRNA等を含む遺伝子治療剤の形態を取っている場合には、例えば、プラスミドを用いる場合、発現プラスミドを直接筋肉内に投与する方法(DNAワクチン法), リポソーム法, リポフェクチン法, マイクロインジェクション法, リン酸カルシウム法, エレクトロポレーション法等が挙げられ、特にDNAワクチン法, リポソーム法が好ましい。
【0057】
ウイルスベクターを用いる場合、公知の方法に従って、ウイルスに、目的とする遺伝子を組み込むことによって行うことができる。
【0058】
ウイルスベクターに用いるウイルスとしては、例えば、無毒化した、レトロウイルス,アデノウイルス,アデノ関連(随伴)ウイルス,ヘルペスウイルス,センダイウイルス,ワクシニアウイルス,ポックスウイルス,ポリオウイルス,シンビスウイルス,SV40,免疫不全症ウイルス(HIV)等の、各種DNAウイルス又はRNAウイルスが挙げられる。
ウイルスの中では、レトロウイルス,アデノウイルス,アデノ関連ウイルス,ワクシニアウイルス等が好ましく、特に感染効率が高いアデノウイルスが好ましい。
【0059】
遺伝子を実際に医薬として作用させるには、当該遺伝子を直接体内に導入する「in vivo法」の他、ヒトから採集した細胞に当該遺伝子を導入し、その後、遺伝子導入細胞を体内に戻すという、「ex vivo法」等がある。
「in vivo法」は費用や手間が少なく、簡便である点で好ましく、「ex vivo法」は、遺伝子の細胞内への導入効率が良いという点で好ましい。
【0060】
「in vivo法」により投与する場合は、治療目的の疾患,症状等に応じた適当な投与経路を選択することができる。投与経路としては、例えば、静脈,動脈,皮下,皮内,筋肉内等が挙げられる。
【0061】
「in vivo法」によって投与する場合は、例えば、液剤等の製剤形態をとることができる。一般的には遺伝子を含有する注射剤等の形態が好ましく、必要に応じて、注射剤等に常用されている各種の成分等を加えることもできる。
【0062】
また、遺伝子を含有するリポソーム又は膜融合リポソーム(センダイウイルス(HVJ)−リポソーム等)においては、懸濁剤,凍結剤,遠心分離濃縮凍結剤等のリポソーム製剤の形態として用いることができる。
【0063】
(投与量)
本発明の予防又は治療剤の投与量は、投与経路,症状,年齢,体重,予防又は治療剤の形態等によって異なるが、例えば、予防又は治療剤中の有効成分の量が、処置を必要としている対象体重1kg当たり好ましくは0.005〜500mg,より好ましくは、0.1〜100mg,但し、成人に対して1日あたり、下限として好ましくは0.01mg(より好ましくは0.1mg),上限として、好ましくは20g(より好ましくは2000mg,更に好ましくは500mg,特に好ましくは100mg)となるように、1回又は数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
【0064】
尚、本発明の予防又は治療剤中の有効成分が、遺伝子の場合、例えば、遺伝子として0.0001〜100mg,好ましくは、0.001〜10mg等を、数日乃至数ヶ月に1回程度等投与するのが好ましい。
【0065】
《対象疾患》
本発明の予防又は治療剤の、予防又は治療の対象となる疾患としては、Notchシグナル伝達系の異常に起因する疾患が挙げられる。
【0066】
例えば、主にNotch1シグナル伝達系異常に関連すると考えられる疾患として、Aortic Valve Disease (大動脈弁疾患)等が挙げられる。
【0067】
主にNotch2シグナル伝達系異常に関連すると考えられる疾患として、Alagille Syndrome(慢性胆汁うっ滞,心血管奇形(抹消性肺動脈狭窄症),椎弓奇形,特徴的な顔貌,後部胎生環等を特徴とする常染色体優性遺伝の疾患)等が挙げられる。
【0068】
主にNotch3シグナル伝達系異常に関連すると考えられる疾患として、CADASIL (cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and Leukoencephalopathy;大脳皮質下の小梗塞像と白質病変を伴う脳内小動脈形態異常を特徴とする常染色体優先遺伝の疾患。頑固な片頭痛やめまい,嘔吐などを伴う。)等が挙げられる。
【0069】
主にNotch4シグナル伝達系異常に関連すると考えられる疾患として、アルツハイマー病(Notch4遺伝子の5’上流非翻訳領域におけるsingle nucleotide polymorphisms(SNPs)がアルツハイマー病と関連する可能性がある。)等が挙げられる。
【0070】
また、Notchシグナル伝達系の異常に起因する疾患としては、この他、癌,糖尿病性網膜症,リウマチ,パーキンソン病,糖尿病,虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞等),脳梗塞,閉塞性動脈硬化,動脈弁関連疾患,多発性硬化症,脊椎肋骨異形成症等が挙げられる。
【実施例】
【0071】
[実施例1〜2:E3コンポーネント]
BAZF遺伝子(実施例1),BAZF(実施例2)からなる、E3リガーゼコンポーネントを製造する。
これらのE3リガーゼコンポーネントを投与することによって、生体内でE3複合体の生成が促進され、CBF1のポリユビキチン化及び分解を通じて、Notchシグナルを阻害することで、Notchシグナルの過剰な伝達に起因する疾患の予防又は治療が可能と考えられる。
【0072】
[実施例3〜4:E3阻害剤]
BAZF遺伝子に対するsiRNA分子(実施例3),BAZF抗体(実施例4)からなる、E3阻害剤を製造する。
このE3阻害剤によって、Notchの細胞内ドメインとCBF1の相互作用を通じた、Notchシグナルが促進され、Notchシグナルの不足に起因する疾患の予防又は治療が可能と考えられる。
【0073】
[試験例1:ECFP-BAZF cDNA導入細胞における、BAZF,CUL3の局在と、CBF1の分解(蛍光強度)の確認]
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞 (HUVEC)にプラスミドベクターpECFP(Enhanced-Cyan Fluorescence Protein)−BAZFを、遺伝子導入試薬SugarFect(MedGEL)を用いてトランスフェクションした。その12時間後に、培養上清を除去後、4%パラホルムアルデヒドを用いて細胞を固定した。
その後、細胞を1mM グリシンを含むPBSにて2回洗浄後、1% Triton X-100を含む50mM Tris-HCl(pH7.5)緩衝液で、室温で10分間処理した。その細胞をPBSで3回洗浄後、−30℃のメタノールで15分間処理した。その後、細胞を0.05%Tween 20を含むPBS(PBST)で3回洗浄後、10%ウシ胎仔血清を含むPBSで1時間処理した。
その後、抗CUL3マウス抗体及び抗CBF1ウサギ抗体を2.5μg/mlになるようにCanGetSignal Immunostaining Solution(TOYOBO)で希釈した。その溶液中で細胞を4℃で一晩放置後、細胞をPBSTで5回洗浄した。
その細胞をFITC標識抗マウスIgG抗体及びCy3標識抗ウサギIgG抗体を1μg/mlになるようにCanGetSignal Immunosatining Solutionで希釈した。その希釈液中で細胞を室温で1時間放置後、PBSTで5回洗浄した。
これを、共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果を、図1に示した。
一番左の図が、CFPを発色させることによってBAZFを検出した図であり、左から二番目の図がFITCを発色させることによってCUL3を検出した図であり、左から三番目の図が、Cy3を発色させることによってCBF1を検出した図であり、一番右が、これら3つを合成した図である。
各図の上段は、BAZF cDNAを導入していない細胞,下段がBAZF cDNAを導入した細胞である。
【0074】
図1から、BAZF cDNAを導入していない細胞ではBAZF,CUL3,CBF1が、いずれも細胞質内に散らばっているのに対し、導入した細胞においては、これらが核領域に偏在しており、しかも、BAZF cDNA未導入細胞と比較して、CBF1が減少していることが分かった。
これは、BAZFが、CUL3とともに、複合体を形成し、CBF1を分解する、E3として機能していることを意味している。
【0075】
[試験例2:BAZFとCUL3の相互作用の確認]
HEK293T細胞にプラスミドベクター(pME18s-V5-BAZF及びpME18s-FLAG-CUL3)をLipofectamine 2000(Invitrogen)でトランスフェクションし、24時間後に細胞を回収し、1% sodium deoxycholate,1% Nonidet 40,2mM EDTA,150mM NaCl及びプロテアーゼインヒビターカクテル (Rhoche)を含む50mM Tris-HCl(pH7.5)にて細胞に超音波処理(30秒×3回)を行った。
尚、V5とは、14アミノ酸からなる公知のタグであり、市場から購入することができる。
その後、抗FLAGマウス抗体(1μg/l)を加え、4℃で1時間反応させた後、Protein G-Sepharose (GE HealthCare)にて免疫沈降(IP)した。遠心分離によりProtein G-Sepharoseを回収後、SDS-PAGEに供し、その後、ニトロセルロースメンブレンに転写した。ニトロセルロースメンブレンを、5%スキムミルクを含むPBSTでブロッキングし、PBSTで1回洗浄後、抗V5マウス抗体(0.5μg/ml)(Invitorogen(株)製)を含むPBSTと室温で1時間反応(IB)後、PBSTで3回洗浄した。その後、HRP標識抗マウスIgG抗体(0.25μg/ml)を含むPBST中で、室温で1時間反応後、PBSTで5回洗浄した。その後、ECL試薬で化学発光させ、X線フィルムにて発光を可視化した。
結果を図2に示した。
尚、図中で、αFLAGとは、抗FLAGマウス抗体,αV5とは、抗V5マウス抗体を意味する。
【0076】
図2から、BAZFが、確かにCUL3と相互作用していることが分かった。
【0077】
[試験例3:BAZFにおけるCUL3結合責任領域の確認]
HEK293T細胞にプラスミドベクター(pME18s-FLAG-CUL3,pME18s-V5-BAZF-BTB-Center,pME18s-V5-BAZF-ZnF又はpME18s(対照用の空ベクター))を、図3に示すような組み合わせでLipofectamine 2000を用いて遺伝子導入した。
最も左のレーンが、空ベクターを導入した細胞である。
BAZF-BTB-Centerとは、BAZF中の、BTBドメイン領域とセンタードメイン(BTBドメインとZnFフィンガードメインの間)領域を意味する。
BAZF-ZnFとは、BAZFのZnフィンガーモチーフドメインを意味する。
24時間後に細胞を回収し、1% sodium deoxychlate,1% Nonidet 40,2mM EDTA,150mM NaCl及びプロテアーゼインヒビターカクテル(Rhoche)を含む50mM Tris-HCl(pH7.5)にて細胞を超音波処理 (30秒×3回)を行った。得られた細胞溶解液の一部をSDS-PAGEに供し、残りの細胞溶解液に抗FLAG抗体(1μg/ml)を加え、4℃で1時間反応させた後、Protein G-Sepharose(GE HealthCare)にて免疫沈降した。遠心分離によりProtein G-Sepharoseを回収後、SDS-PAGEに供した。SDS-PAGE後、ニトロセルロースメンブレンに転写した。ニトロセルロースメンブレンを、5%スキムミルクを含むPBSTでブロッキングし、PBSTで1回洗浄後、抗V5マウス抗体又は抗FLAGマウス抗体(0.5μg/ml)を含むPBSTと室温で1時間反応後、PBSTで3回洗浄した。その後、HRP標識抗マウスIgG抗体(0.25μg/ml)を含むPBST中で、室温で1時間反応後、PBSTで5回洗浄した。その後、ECL試薬で化学発光させ、X線フィルムにて発光を可視化した。
結果を図3に示した。
尚、図中で、αFLAGとは抗FLAGマウス抗体を、αV5とは抗V5マウス抗体を意味する。
【0078】
上段のパネルで、50-70kDaの間に見える太いバンドと25kDaに見える太いバンドは、免疫沈降時に用いる抗体由来のバンドで、それぞれ抗体のH鎖とL鎖である。
【0079】
図3から、BAZFにおいては、ZnFを除いた、BTB-センタードメインに、CUL3結合領域があることが判明した。
このことは、公知のE3の基質認識用アダプター部位の一例として、BTBドメイン含有蛋白質が挙げられていることと一致している。
【0080】
[試験例4:CUL3ノックダウンによる、過剰発現BAZFのCBF1ポリユビキチン化に与える影響の確認]
HUVECにCUL3 siRNA又はコントロールsiRNA (100 nM)を、Lipofectamine RNAiMAXにて導入後、24時間後にアデノウィルスBAZF (AdBAZF) 又はアデノウィルスGFP(AdGFP:コントロール)を感染させた(MOI 100)。siRNA導入47時間後、プロテアソーム阻害剤であるMG132(50μM)を加え、1時間後に細胞を回収した。
プロテアソーム阻害剤を併用することによって、ポリユビキチン化されたCBF1の、E3リガーゼによる分解を防止できるため、ポリユビキチン化CBF1の検出が可能となる。
尚、CUL3 siRNAとしては、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製の「ON-TARGETplus SMARTpool,Human CUL3,NM_003590」を用い、コントロールsiRNAとしては、QIAGEN社製の「Allstars Negative Control siRNA」を用いた。
その後、細胞分画キット(Sigma-Aldrich)を用いて細胞を細胞質及び核画分に分けた後、1% Triton X-100 lysis buffer [1% Trition X-100,150 mM NaCl,5mM EDTA及びプロテアーゼインヒビターカクテル(Rhoche)を含む50mM Tris-HCl (pH7.5)]で核分画を懸濁後、遠心分離により可溶性画分(核質:Nucleoplasm)及び不溶性画分(クロマチン・核マトリクス: Nuclear matrix)を回収した。
不溶性画分は2% SDSを含む50mM Tris-HCl(pH7.5)中で10分間煮沸後、超音波処理 (30秒×3回)し、1% Triton X-100 lysis bufferで10倍希釈した。その希釈液に抗CBF1ウサギ抗体(2μg/ml)を加え、1時間反応後、Protein G-Sepharoseにて免疫沈降した。
その後、免疫沈降物及び各核質画分及び核マトリクス画分をSDS-PAGEに供し、ニトロセルロースメンブレンに転写した。
その後、ニトロセルロースメンブレンを、5%スキムミルクを含むPBSTでブロッキングし、PBSTで1回洗浄後、抗ユビキチンマウス抗体又は抗CBF1ウサギ抗体と反応させた(抗ユビキチンマウス抗体:4℃,12時間/抗CBF1ウサギ抗体:室温,1時間)。その後、HRP標識抗マウスIgG抗体又はHRP標識抗ウサギIgG抗体(0.25μg/ml)を含むPBST中で、室温で1時間反応後、PBSTで5回洗浄した。その後、ECL試薬で化学発光させ、X線フィルムにて発光を可視化した。
結果を図4に示した。
尚、図中で、αCBF1とは抗CBF1ウサギ抗体を、αUbとは、抗ユビキチンマウス抗体を意味する。
【0081】
図4から、CUL3をノックダウンすることによって、核質に発現していた、様々な分子量のポリユビキチン化CBF1を示すスメアなバンドが消失,つまりCBF1のポリユビキチン化が抑制されていることが分かった。
このことは、BAZFとCBF1の相互作用が、CUL3をリガーゼ活性本体とするE3によるポリユビキチン化であることを示している。
【0082】
[試験例5:CUL3ノックダウンによる、過剰発現BAZFのCBF1分解に与える影響の確認]
HUVECにCUL3 siRNA 又はコントロールsiRNAをLipofectamine RNAiMAXにてトランスフェクション(100nM)し、24時間後にアデノウィルスBAZF(AdBAZF) 又はアデノウィルスGFP(AdGFP:コントロール)を感染(MOI250)させた。その後、細胞分画キット(Sigma-Aldrich)を用いて細胞を、細胞質(Cytosol),核質(Nucleoplasm),及びクロマチン・核マトリクス(Nuclear matrix)画分に分画し、抗CBF1ウサギ抗体及び抗BAZFウサギ抗体でウェスタンブロットを行った。
Nucleoplasm,及びNuclear matrix画分についての結果を図5に示した。
尚、CUL3 siRNAとしては、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製の「ON-TARGETplus SMARTpool,Human CUL3,NM_003590」を用い、コントロールsiRNAとしては、QIAGEN社製の「Allstars Negative Control siRNA」を用いた。
また、図中のαCBF1とは抗CBF1ウサギ抗体を、αBAZFとは抗BAZFウサギ抗体を意味する。
【0083】
図5から、CUL3をノックダウンすることによって、CBF1のバンドが発現,つまりCBF1の分解が抑制されていることが分かった。
このことは、BAZFとCBF1の相互作用が、CUL3をリガーゼ活性本体とするE3によるポリユビキチン化を通じたCBF1の分解作用であることを示している。
【0084】
[試験例6:CUL3ノックダウンによる、Notch1シグナル促進を通じたVEGFの血管新生阻害作用の確認(1):in vitro]
HUVECにCUL3 siRNA又はコントロールsiRNAをトランスフェクション(100nM)した。トランスフェクション後の36時間血清入りMCDB131培地で培養し、さらに12時間、無血清MCDB131培地で培養した。その後、1mM EDTAを含む0.25%トリプシン溶液で処理し、細胞を回収した。
尚、CUL3 siRNAとしては、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製の「ON-TARGETplus SMARTpool,Human CUL3,NM_003590」を用い、コントロールsiRNAとしては、QIAGEN社製の「Allstars Negative Control siRNA」を用いた。
回収した細胞をMatrigel(Becton Dickinson and Company, Inc.製)上に播き、VEGF(50ng/ml)とDMSO,又はVEGF(50ng/ml)とDAPT(1μM/DMSO溶液)存在下で培養した。
12時間後にネットワークの形成状態を顕微鏡にて撮影した。
結果を図6に示した。
左図及び中央図では、VEGFとDMSOを、右図では、VEGFとDAPTを添加している。
【0085】
図6から、CUL3をノックダウンすることによって、血管内皮細胞の管腔形成能(血管新生能)が阻害されること,及び、CUL3をノックダウンするとともにNotchシグナル阻害剤(DAPT)を添加することで、管腔形成能が回復することが確認された。
このことは、CUL3をコンポーネントするE3が、Notchシグナル伝達の制御を通じて、血管新生の制御に関与していることを示している。
【0086】
[試験例7:CUL3ノックダウンによる、Notchシグナル促進を通じたVEGFの血管新生阻害作用の確認(2):in vivo]
マウス(3日齢)の硝子体内へCUL3 siRNA(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製,「ON-TARGETplus SMARTpool,Mouse CUL3,NM_016716」)又は前述したコントロールsiRNA(5μg)を投与し、5日齢時に網膜血管を観察した。血管内皮はisolectin B4- Alexa647(赤色)で可視化した。
結果を図7に示した。
図7の左図は対物レンズ10倍、右図は対物レンズ20倍で撮影した図である。
【0087】
図7からも、CUL3をノックダウンすることによって、生体内においても確かに、血管内皮細胞の管腔形成能(血管新生能)が阻害されることが確認された。
このことも、CUL3をコンポーネントするE3が、Notchシグナル伝達の制御を通じて、血管新生の制御に関与していることを裏付けている。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の新規ユビキチンリガーゼコンポーネント及びユビキチンリガーゼ及びその制御剤は、Notchシグナルを制御することによって、種々の疾患等の予防又は治療に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
BAZFからなる、ユビキチンリガーゼコンポーネント。
【請求項2】
BAZF及びCUL3からなる、ユビキチンリガーゼコンポーネント。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコンポーネントを含むことを特徴とする、ユビキチンリガーゼ。
【請求項4】
BAZFの発現を制御する物質を含むことを特徴とするユビキチンリガーゼ制御剤。
【請求項5】
下記のいずれかを含むことを特徴とする、Notchシグナル制御剤。
1)請求項1又は2記載のユビキチンリガーゼコンポーネント
2)請求項3記載のユビキチンリガーゼ
3)請求項4記載のユビキチンリガーゼ制御剤
【請求項6】
請求項5記載のNotchシグナル制御剤を含むことを特徴とする、Notchシグナル伝達系の異常に起因する疾患の予防又は治療剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−115109(P2011−115109A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277073(P2009−277073)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(504147254)国立大学法人愛媛大学 (214)
【Fターム(参考)】