説明

新規二環式抗生物質

式Iで表される化合物(式中、X1、X3;X4及びX6は、互いに独立して、窒素原子又はCR2を表すが、但し、X1、X3;X4及びX6のうちの少なくとも1個は窒素原子を表し;X2は、C−H、C−(C1−C6アルキル)、C−(C1−C6アルコキシ)、C−ハロゲン、C−COOHを表し;X5は、C−H又はC−(C1−C6アルキル)、C−ハロゲンを表し;R1及びR2は、互いに独立して、水素を表すか、又はヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルアミノカルボニルオキシ、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルスルホニルオキシ、C1−C6ヘテロアルキルカルボニルオキシ、C5−C6ヘテロシクリルカルボニルオキシ、C1−C6ヘテロアルキル、C1−C6ヘテロアルコキシから選択される置換基を表し、ここで、前記ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ基又はヘテロシクリルは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、この置換基では、アルキル部分は、非置換であるか、又はハロゲノ、シアノ、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニル、非置換もしくは置換フェノキシもしくはフェニルカルボニル、非置換もしくは置換C5−C6ヘテロシクリルもしくはカルボキシにより更に置換され;A1は、以下の式:−O−(CH−(CH)−、−S−(CH−(CH)−又は−(C=O)O−(CH−(CH)−のうちの1個で表される二価基を表し、前記(CH部分は、場合により、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルキルメチル、モルホリノメチル、ハロゲン、カルボキシ、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ;C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ(C1−C4アルキレンオキシ)C1−C4アルキル、ベンジルオキシC1−C4アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ−(C1−C4アルキル)アミノ又はアシルアミノにより置換され、この置換基では、アルキル部分は、1個以上のフルオロ原子により更に置換されてもよく;mは、0、1又は2であるが、但し、A1の2個の末端原子価(terminal valencies)間の直接鎖(direct chain)における原子数は、少なくとも3であり、この基A1は、末端(CH)−部分を介してA2に結合し;A2は、C3−C8シクロアルキレン;窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む飽和及び不飽和の4〜8員ヘテロシクロジイルから選択され、この基A2は、非置換であるか又は置換されており;R4は、水素又はC1−C4アルキルを表し;A3は、C1−C4アルキレン、C2−C4アルケニレン、>C=O、−C(O)C1−C3アルキレン−、−C(=O)NH−を表すか、又は、炭素原子を介して隣接するNR4−基に結合している−CNH−、−CO−、及び−CS−から選択される基を表し;Gは、アリール又はヘテロアリールを表し、この基は、非置換であるか又は置換されており;nは、0、1又は2である)で表される化合物;又はその薬学的に許容しうる塩、水和物もしくは溶媒和物は、有益な抗菌剤である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化15】


(式中、
X1、X3;X4及びX6は、互いに独立して、窒素原子又はCR2を表すが、但し、X1、X3;X4及びX6のうちの少なくとも1個は窒素原子を表し;
X2は、C−H、C−(C1−C6アルキル)、C−(C1−C6アルコキシ)、C−ハロゲン、C−COOHを表し;
X5は、C−H又はC−(C1−C6アルキル)、C−ハロゲンを表し;
R1及びR2は、互いに独立して、水素、又はヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、ジ(C1−C6アルキル)アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルアミノカルボニルオキシ、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルスルホニルオキシ、C1−C6ヘテロアルキルカルボニルオキシ、C5−C6ヘテロシクリルカルボニルオキシ、C1−C6ヘテロアルキル、C1−C6ヘテロアルコキシから選択される置換基を表し、ここで、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ基、又はヘテロシクリルは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、この置換基では、アルキル部分は、非置換であるか、又はハロゲノ、シアノ、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニル、非置換もしくは置換フェノキシもしくはフェニルカルボニル、非置換もしくは置換C5−C6ヘテロシクリルもしくはカルボキシにより更に置換され;
A1は、以下の式:
−O−(CH−(CH)−、−S−(CH−(CH)−又は−(C=O)O−(CH−(CH)−のうちの1個で表される二価基を表し、ここで、前記(CH部分は、場合により、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルキルメチル、モルホリノメチル、ハロゲン、カルボキシ、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ;C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ(C1−C4アルキレンオキシ)C1−C4アルキル、ベンジルオキシC1−C4アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ−(C1−C4アルキル)アミノ又はアシルアミノにより置換され、この置換基では、アルキル部分は、1個以上のフルオロ原子により更に置換されてもよく;
mは、0、1又は2であるが、但し、A1の2個の末端原子価(terminal valencies)間の直接鎖(direct chain)における原子数は、少なくとも3であり、
この基A1は、末端(CH)−部分を介してA2に結合し;
A2は、C3−C8シクロアルキレン;窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む飽和及び不飽和の4〜8員ヘテロシクロジイルから選択され、この基A2は、非置換であるか又は置換されており;
R4は、水素又はC1−C4アルキルを表し;
A3は、C1−C4アルキレン、C2−C4アルケニレン、>C=O、−C(O)C1−C3アルキレン−、−C(=O)NH−、又は炭素原子を介して隣接するNR4−基に結合している−CNH−、−CO−、及び−CS−から選択される基を表し;
Gは、アリール又はヘテロアリールを表し、この基は、非置換であるか又は置換されており;
nは、0、1又は2である)で表される化合物;
又はその薬学的に許容しうる塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項2】
X1のみ、X3のみ、X4のみもしくはX6のみ、又はX3及びX1、X3及びX6もしくはX1及びX4が、窒素を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が、水素、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−C6アルキルスルホニルオキシ、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6ヘテロアルキルカルボニルオキシ、C5−C6ヘテロアリールカルボニルオキシから選択され、より好ましくは、ハロゲン(特に、フルオロ)、及びC1−C6アルコキシ(好ましくは、C1−C4アルコキシ、特に、メトキシ)から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
A2が、C5−C6シクロアルキレン及びヘテロ原子として1又は2個の窒素原子を含む飽和又は不飽和の4〜6員ヘテロシクロジイル基、特に、非置換C5−C6シクロアルキレン及びヘテロ原子として1個の窒素原子を含む飽和4〜6員ヘテロシクロジイルから選択される基を表す、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
A2が、
【化16】


(式中、は、式(I)中の(CH基への結合を示す)
から選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
Gが、式
【化17】


で表される基から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
A1が、―O(CH―(CH)−又は好ましくは―S−(CH−(CH)−を表し、
mが、請求項1に記載の通りである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
mが1である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
nが0又は1である、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
X3及びX6、又はX3及びX1が窒素である、請求項6又は9記載の化合物。
【請求項11】
R2が、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、カルボキシから選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
A2が、非置換であるか、又はヒドロキシ、C1−C4アルキル及びカルボキシから選択される基で置換されている、請求項4又は5記載の化合物。
【請求項13】
(CHが、非置換であるか、又はC1−C6アルキル及びC1−C6アルケニルから選択される基で置換されている、請求項8記載の化合物。
【請求項14】
薬剤として使用するための、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項15】
細菌感染症を治療するための薬剤として使用するための、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項16】
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及び/又は表皮ブドウ球菌(Staphylococcusepidermidis)による感染症を治療するための薬剤として使用するための、化合物番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、14、15、16、17、18、19、20、28、29、30、31、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55及び56から選択される、請求項1記載の式Iで表される化合物。
【請求項17】
黄色ブドウ球菌及び/又は表皮ブドウ球菌及び/又は肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)による感染症を治療するための薬剤として使用するための、化合物番号2、5、9、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、47、48、49、50、52、53及び55から選択される、請求項1記載の式Iで表される化合物。
【請求項18】
黄色ブドウ球菌及び/又は表皮ブドウ球菌及び/又は肺炎球菌及び/又は大腸菌(Escherichia coli)による感染症を治療するための薬剤として使用するための、化合物番号9、36、37、40、44、45、46、48、49、50、51、53及び54から選択される、請求項1記載の式Iで表される化合物。
【請求項19】
黄色ブドウ球菌及び/又は表皮ブドウ球菌による感染症を治療するための薬剤として使用するための、化合物番号58、62、63、67、71、73、76、78、79、80、81、94、95、101、102、103、104、105、113、114及び122から選択される、請求項1記載の式Iで表される化合物。
【請求項20】
黄色ブドウ球菌及び/又は表皮ブドウ球菌及び/又は肺炎連鎖球菌による感染症を治療するための薬剤として使用するための、化合物番号67、78、81、95、102、103、104、105及び122から選択される、請求項1記載の式Iで表される化合物。
【請求項21】
黄色ブドウ球菌及び/又は表皮ブドウ球菌及び/又は肺炎球菌及び/又は大腸菌による感染症を治療するための薬剤として使用するための、化合物番号102及び103から選択される、請求項1記載の式Iで表される化合物。
【請求項22】
細菌感染症を治療するための薬剤を製造するための、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、水和物もしくは溶媒和物の使用。
【請求項23】
請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、水和物もしくは溶媒和物、及び薬学的に許容しうる担体(特に、薬学的に不活性である担体)からなる医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜13のいずれか一項記載の式Iで表される化合物を調製するための方法であって、式II
【化18】


で表される化合物を、式(III)
G−A3b−L0(III):
で表される化合物と反応させる方法、ここで、式中、
X1、X2、X3、X4、X5、X6、R1、A2、G、R4、m及びnは、式Iの通りであり、
Aは、−O−;−S−;及び−C(=O)O−(前記−C(=O)O−基は、酸素原子を介して隣接する(CH基に結合する)から選択される基を表し、
L0は、−CHY、−CHO、−COOH及び−COClから選択され、
Yは、脱離基、特に、メチルスルホニル、トリルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル又はハロゲンであり、
A3bは、存在しないか、又はC1−C3アルキレン、C1−C3アルケニレン、もしくは−CHNH−、−CHO−及び−CHS−(前記基は、窒素、酸素又は硫黄原子を介してGに結合する)から選択される基を表す。
【請求項25】
請求項1〜13のいずれか一項記載の式Iで表される化合物を調製するための方法であって、式IVで表される化合物
【化19】


で表される化合物を式V
【化20】


で表される化合物と反応させる方法、ここで、式中、
X1、X2、X3、X4、X5、X6、R1、A2、R4、m及びnは、式Iの通りであり、
L1は、C(=O)OHもしくは対応する酸ハロゲン化物であるか又は他の活性化されたアシル誘導体、無水物もしくは混合無水物、OH、SH、Br、Cl又は基OSOR(ここで、Rは、CH、CF又はトリルである)であり、
L2は、ハロゲン原子、SH、OH又は基OSOR(ここで、Rは、CH、CF又はトリルである)であり、
L1及びL2は、前記反応が式VIII
【化21】


(式中、Aは、−O−;−S−;及び−C(=O)O−(前記−C(=O)O−基は、酸素原子を介して隣接する(CH基に結合する)から選択される基を表す)
で表される化合物の生成に帰するものから選択され、
Eは、アミノ保護基又は式−A3−G(式中、A3及びGは、式Iにおけるものと同じ意味を有する)で表される基であり、
Eが保護基であるとき、前記保護基を除去し、脱保護された中間体を式III
G−A3b−L0(III):
(式中、Gは、上に定義された通りであり、
A3bは、存在しないか、又はC1−C3アルキレンもしくは−CHNH−、−CHO−及び−CHS−(前記基は、窒素、酸素又は硫黄原子を介してGに結合する)から選択される基を表し、
L0は、−CHY、−CHO、−COOH及び−COClから選択され、
Yは、脱離基(特に、メチルスルホニル、トリルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル又はハロゲン)である)
で表される化合物と反応させる。
【請求項26】
請求項1〜13のいずれか一項記載の式Iで表される化合物を調製するための方法であって、式VI
【化22】


で表される化合物を、式VII
【化23】


で表される化合物と反応させる方法、ここで、式(VI)及び(VII)中、
X1、X2、X3、X4、X5、X6、R1、R4、m及びnは、式Iの通りであり、
Aは、−O−;−S−;及び−C(=O)O−(前記−C(=O)O−基は、酸素原子を介して隣接する(CH基に結合する)から選択される基を表し、
A2は、非置換であるか又は置換された、窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子のうちの少なくとも1個が窒素原子である飽和又は不飽和の4〜8員ヘテロシクロジイル基であり、
[−N]は、A2の窒素環原子に結合している水素原子を表し、
L3は、−CHOであり、
Eは、アミノ保護基又は式−A3−G(式中、A3及びGは、式Iにおけるものと同じ意味を有する)で表される基であり、
Eが保護基であるとき、前記保護基を除去し、脱保護された中間体を式III
G−A3b−L0(III):
(式中、Gは、上に定義された通りであり、
A3bは、存在しないか、又はC1−C3アルキレンもしくは−CHNH−、−CHO−及び−CHS−(前記基は、窒素、酸素又は硫黄原子を介してGに結合する)から選択される基を表し、
L0は、−CHY、−CHO、−COOH及び−COClから選択され、
Yは、脱離基(特に、メチルスルホニル、トリルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル又はハロゲン)である)
で表される化合物と反応させる。

【公表番号】特表2012−515745(P2012−515745A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546788(P2011−546788)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050684
【国際公開番号】WO2010/084152
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(501241380)バジリア ファルマスーチカ アーゲー (24)
【氏名又は名称原語表記】Basilea Pharmaceutica AG
【Fターム(参考)】