説明

新規化合物、光電子供与化合物およびこれらを含む光酸発生剤

【課題】例えば光酸発生剤として使用することができる、新規な化合物を提供すること。
【解決手段】本発明の化合物は、式(1)で表される;


式(1)中、R1は、水素原子、−OCH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを示し、R2は、水素原子または−OCH3を示す。R3は、ベンゾキノン、ナフトキ
ノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれか誘導される一価の基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規化合物、光電子供与化合物およびそれらを用いた光酸発生剤に関する。
【背景技術】
【0002】
光酸発生剤は、リトグラフをはじめとする多用な工業工程でその重要度が日々高まっている。こうした重要性の向上にも拘わらず、光酸発生剤として機能する分子の構造には制限があり、工業的に有効に使用することができる光酸発生剤はそれほど多くはないのが現実である。
【0003】
光酸発生剤における反応では、光エネルギーによる共有結合開裂が重要な反応過程となるため、光反応の量子収率を向上させることと、暗反応に対する耐性がトレードオフになる傾向があり、高い量子収率を達成することが困難である。
【0004】
このような光酸発生剤として一般に使用されている化合物にトリアリールスルホニウム塩などがあるが、このトリアリールスルホニウム塩は、媒体との相溶性に難点があり、このトリアリールスルホニウム塩を適用できる媒体に限りがある。
【0005】
さらに、従来提案されている光酸発生剤では、光エネルギーによる共有結合開裂が重要な反応過程となるため、暴露光の波長が、その反応における結合エネルギーによって支配されるために、用いる光の波長に制限があり、長波長の光を使用しにくいという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、例えば光酸発生剤として使用することができる、新規な化合物を提供することを目的としている。
さらに本発明は、光を照射することにより電子を放出する新規な光電子供与化合物を提供することを目的としてしている。
【0007】
また、本発明は、新規な化合物を用いた光酸発生剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の新規化合物は、次式(1)、(2)、(3)で表される化合物である。
【0009】
【化6】

【0010】
ただし、上記式(1)において、R1は、水素原子、−OCH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを示し、R2は、水素原子または−OCH3を表し、R3は、ベ
ンゾキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれかの化合物から誘導される一価の基を表す。
【0011】
前記式(1)におけるR1が−CH2CH2CH2OHであり、R2が−OCH3であって、かつR3がベンゾキノンから誘導される一価の基であることが好ましい。
【0012】
【化7】

【0013】
【化8】

【0014】
また、本発明の光電子供与化合物は、下記式(I)および/または(II)で表わされる
ことを特徴としている。
【0015】
【化9】

【0016】
ただし、式(I)および(II)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、−O
CH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを表し、R6は、それぞれ独立に、水素原子または−OCH3を表し、R7は、ベンゾキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれかの化合物から誘導される一価の基を表す。
【0017】
前記式(I)におけるR4が−CH2CH2CH2OHであり、R5が水素原子であり、R6
が−OCH3であり、かつ前記式(II)におけるR4が−CH2CH2CH2OHであり、R6が−OCH3であり、R7がベンゾキノンから誘導される一価の基であることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明の光酸発生剤は、下記式(I)および/または(II)で表わされる化合
物を含有する光電子供与化合物と、光電子受容分子とを含むことを特徴としている。
【0019】
【化10】

【0020】
ただし、式(I)および(II)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、−O
CH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを表し、R6は、それぞれ独立に、水素原子または−OCH3を表し、R7は、ベンゾキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれかの化合物から誘導される一価の基を表す。
【0021】
前記式(I)において、R4は水素原子であってもよいが、媒体が絶乾状態にある場合、このR4として−CH2CH2CH2OHのような基を結合させることにより、このR4が求
核反応を円滑に行えるために、好ましい。また式(II)中におけるR4においても、−C
2CH2CH2OHであり、R6が−OCH3であって、かつR3がベンゾキノンから誘導される一価の基であることが好ましい。
【0022】
さらに、上記光酸発生剤において、上記光電子受容分子は、クロラニルおよび/またはベンゾキノンであることが好ましい。
また、上記光酸発生剤を励起する光の波長が、350nm〜450nmの範囲内にあることが好ましく長波長の光を使用することができる。
【0023】
さらにまた、上記光酸発生剤が、アセトニトリル、絶乾アセトニトリルおよび塩化メチレンよりなる群から選ばれるいずれかの媒体に含有されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、たとえば光酸発生剤として使用可能な、新規な化合物が提供される。この新規化合物は、光を照射することにより電子を放出する良好な光電子供与化合物となるので、この特性を利用して、この化合物を光電子供与化合物として使用し、さらに光電子受容化合物とともに使用することにより、光酸発生剤として使用することができる。本発明の光酸発生剤は、光の照射によって電子移動が開始して、効率よく酸が発生する。しかも、本発明の化合物を用いることにより、媒体との相溶性に優れるとともに、暴露光の波長に影響されにくい光酸発生剤を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の新規化合物は、式(1)で表わすことができる。
【0026】
【化11】

【0027】
ただし、上記式(1)において、R1は、水素原子、−OCH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを示し、R2は、水素原子または−OCH3を表し、R3は、ベ
ンゾキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれかの化合物から誘導される一価の基を表す。特にR1が−OCH2CH2OHであり、R2が−OCH3であり、R3がベンゾキノンから誘導される一価の基であることが好ましい。
【0028】
上記好ましい基を有する化合物を下記式(1−1)に示す。
【0029】
【化12】

【0030】
また、本発明の新規化合物は、次式(2)および(4)で表わすことができる。
【0031】
【化13】

【0032】
【化14】

【0033】
上記式(1−1)で表わされる化合物は、図1〜3に示されるように、メトキシフェノール(IV-a)を出発物質として製造することができる。
すなわち、図1に示すように、メトキシフェノール(IV-a)を出発物質として、DMF中でt-BuOKの存在下にアリルクロライド(塩化アリル:CH2=CH-CH2Cl)を反応させて化合物(IV-b)を製造し、得られた化合物(IV-b)を無溶媒で、たとえば190℃の温度で1.5時間加熱してクライゼン転移を進行させる。こうして得られた反応混合物からカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、化合物(IV-c)を得ることができる。
【0034】
上記のようにして得られた(IV-c)にt-BuOKおよびTHF中で(Boc)2Oを反応させて、フェノールの水酸基をBocで保護した化合物(IV-d)を得ることができる。
次いで、得られたBoc保護誘導体(IV-d)を乾燥THFに溶解し、窒素雰囲気下に0.8モ
ル等量のボランTHF錯体を加えて反応させる。反応後0.1Nの水酸化ナトリウムと過酸化水素とを加えて分解し、反応混合物を水に注ぎ、エーテル抽出する。その後、エーテルを除去して得られた残渣からカラムクロマトグラフィーを用いて分離操作を行うことにより、化合物(IV-e)を得ることができる。
【0035】
得られた化合物(IV-e)を無水酢酸に溶解し、ピリジン共存下に反応させる。反応後、溶媒を除去し、残渣をトルエン/水で抽出し、抽出物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、化合物(IV-f)を定量的に得ることができる。
【0036】
次いで、得られた化合物(IV-f)をジクロロメタンに溶解し、0.05モル等量のトリフルオロ酢酸を添加して還流した後、反応混合物を水で洗浄し、溶剤を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、化合物(IV-g)を定量的に得る
ことができる。
【0037】
上記のようにして得られた化合物(IV-g)に、DMF中でt-BuOKの存在下に、アリルクロライド(塩化アリル:CH2=CH-CH2Cl)を反応させて化合物(IV-h)を製造し、得られた化合物(IV-h)を無溶媒で、たとえば180℃の温度で3時間加熱してクライゼン転移を
進行させる。こうして得られた反応混合物からカラムクロマトグラフィーを用いて精製す
ることにより化合物(IV-i)を製造することができる。
【0038】
得られた化合物(IV-i)をピリジンに溶解して(CF3SO22Oを加えて反応させる。反応後、溶媒を除去し、残渣をトルエン/水で抽出し、抽出物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、化合物(IV-j)を得ることができる。
【0039】
得られた化合物(IV-j)を1、4-ジオキサンに溶解して反応液を酸性にすることによ
り、アセトプロピル基を還元してヒドロキシプロピル基とすることができ、溶媒を除去した後、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより化合物(IV-k)を
得ることができる。
【0040】
こうして得られた化合物(IV-k)をNEt3とCH2Cl2との混合溶液に溶解して、(Boc)2Oと反応させ、溶媒を除去後、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより化合物(IV-l)を得ることができる。
【0041】
得られた化合物(IV-l)をCH2Cl2に溶解し、オゾン(O3)とMe2Sとを加えて酸化し、
反応溶媒を除去後、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより化合物(IV-m)を得ることができる。
【0042】
得られた化合物(IV-m)を常法に従ってさらに酸化し、カラムクロマトグラフィーを
用いて精製することにより、中間体Pを得ることができる。
これとは別に、図2に示されるように、出発物質として上記と同様にo-メトキシフェノールを用いて、上記と同様の方法により化合物(IV-d)を製造する。
【0043】
得られた化合物(IV-d)に、1)O3、2)CH2Cl2、3)Me2Sを加えて反応させ、次いでカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより化合物(IV-n)を得る。
得られた化合物(IV-n)を2-プロパノールに溶解し、NaBH4を加えて反応させ、溶媒を
除去した後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより中間体である化合物Qを得ることができる。
【0044】
次いで、図3に示されるように中間体Pおよび中間体QをDCCの存在下に反応させることにより、目的物質の前駆体である前駆体Rを得ることができる。
こうして得られた前駆体Rを図4に示すように、CF3CO2Hに溶解してBocを除去することにより、化合物(IV-o)を得ることができる。
【0045】
さらに、上記のようにして得られた化合物(IV-o)をCAN(硝酸セリウムアンモニウム)
で反応させた後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、目的物質である化合物(上記式(1-1)で表される化合物(1−1)、Compound IV)を得ることができる。
【0046】
次に、示す化合物(2)の合成の例を図5に示す。
ベンジロキシエトルトシラート(IIa)と等モルのカテコールモノBoc保護誘導体(IIb)を
、DMF中で水素化ナトリウムの存在下に反応させる。得られた反応液から反応溶媒を減圧
下に除去した後、残渣をトルエン/水で抽出し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、o-ベンジロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIc)を得る。このときの収率は、通常85%程度である。
【0047】
こうして得られたo-ベンジロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIc)をメタノールに溶解して、Pd/Cを触媒として風船圧で水素ガスを添加する。次いで、触媒として使用したPd/Cを除去し、さらに溶媒を除去して、カラムクロマトグラフィーを用いて精製するこ
とにより、o-ヒドロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IId)を定量的に得ることができる。
【0048】
こうして得られたo-ヒドロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IId)を無水酢酸に溶解し、ピリジン共存下に無水酢酸と反応させる。溶媒を除去して残渣をトルエン/水で抽出し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、o-アセトキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIe)を定量的に得ることができる。
【0049】
得られたo-ヒドロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIe)をジクロロメタンに溶解し、0.05モル等量のトリフルオロ酢酸を添加して還流した後、反応混合物を水で洗浄し、溶剤を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、o-アセトキシエトキシフェノール(IIf)を定量的に得ることができる。
【0050】
こうして得られたアセトキシエトキシフェノール(IIf)を乾燥したピリジンに溶解し、
1.1モル等量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加して反応させた後、溶媒を減圧下に除去し、得られた残渣をエーテル/水で抽出し、カラムクロマトグラフィーを用いて生成することにより、o-アセトキシエトキシフェニルトリフラート(IIg)を得るこ
とができる。このときの収率はおよそ83%程度である。
【0051】
得られたo-アセトキシエトキシフェニルトリフラート(IIg)を1、4-ジオキサンに溶解し、濃塩酸を添加して、常温で加水分解を行う。反応後、塩化水素、水、ジオキサンを減圧下で除去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、目的物であるo-ヒドロキシエトキシフェニルトリフラート(Compound II)を高収率(通常は68%程度)で得ることができる。
【0052】
得られた化合物は、CDCl3中で測定した1H-NMRの結果およびマススペクトルの測定結果
からo-ヒドロキシエトキシフェニルトリフラート(上記式(2)で表わされる化合物(2)、Compound II)であることを確認することができる。
【0053】
次に、図6を用いて、上記式(3)で表わされる化合物(Compound III)の合成方法の例を示す。
常法に従ってメトキシフェノールにDMF中で、t-BuOKの存在下に、アリルクロライド(
塩化アリル:CH2=CH-CH2Cl)を反応させて4-メトキシフェニルアリルエーテル(IIIa)を
製造し、得られた4-メトキシフェニルアリルエーテル(IIIa)を無溶媒で、たとえば19
0℃の温度で1.5時間加熱してクライゼン転移を進行させる。こうして得られた反応混合物からカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-アリル-4-メトキ
シフェノール(IIIb)をおよそ75%の収率で得ることができる。
【0054】
上記2-アリル-4-メトキシフェノール(IIIb)に、t-BuOKおよびTHF中で(Boc)2Oを反
応させて、フェノールの水酸基をBocで保護した2-アリル-4-メトキシフェノールBoc保護
誘導体(IIIc)を得ることができる。このBoc保護誘導体(IIIc)の収率は、通常80%
程度である。
【0055】
上記のようにして得られた2-アリル-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIIc)を乾燥THFに溶解し、窒素雰囲気下に0.8モル等量のボランTHF錯体を加えて反応させる。反応後、0.1Nの水酸化ナトリウムと過酸化水素とを加えて分解し、反応混合物を水に注
ぎ、エーテル抽出する。その後、エーテルを除去して得られた残渣からカラムクロマトグラフィーを用いて分離操作を行うことにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIId)を得ることができる。このときの収率は、通常65
%程度である。
【0056】
得られた2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIId
)を無水酢酸に溶解し、ピリジン共存下に反応させる。反応後、溶媒を除去し、残渣をトルエン/水で抽出し、抽出物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIIe)を定量的に
得ることができる。
【0057】
次いで、この2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIIe)をジクロロメタンに溶解し、0.05モル等量のトリフルオロ酢酸を添加して還流した後、反応混合物を水で洗浄し、溶媒を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノール(IIIf)を定量的に得ることができる。
【0058】
得られた2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノール(IIIf)を乾燥したピリジンに溶解し、1.1モル等量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加して反応させた後、溶媒を減圧下に除去する。こうして得られた残渣をエーテル/水で抽出し、さらにカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェニルトリフレート(IIIg)を得ることができる。このときの収率は、通常72%程度である。
【0059】
上記のようにして得られた2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェニルトリフレート(IIIg)を1、4-ジオキサンに溶解し、濃塩酸を添加して、室温で加水分解する。反応後、塩化水素、水、ジオキサンを減圧下に除去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、目的化合物である2-(3-ヒドロキシプロピル)-4-メトキシフェニルトリフラート(III)を得ることができる。このときの収率は、通常52%程度である。
【0060】
得られた化合物は、CDCl3中で測定した1H-NMRの結果およびマススペクトルの測定結果
から、2-(3-ヒドロキシプロピル)-4-メトキシフェニルトリフラート(III)(上記
式(3)で表わされる化合物(3)、Compound III)であることを確認することができる。
【0061】
上記のようにして得られた新規化合物は、光応答分子として有効性が高く、特に光の比照射条件下では脱離基が安定であり、かつ、光を照射すると光反応によりイソプ置換反応が起こるという特性を有している。本発明の化合物で光照射によって脱離する脱離基はアルキルスルホン酸根である。そして、本発明の化合物は芳香環を有しており、この芳香環は求核置換反応を受けにくいので、本発明によって提供される新規化合物である芳香族スルホン酸エステルは、暗反応においては耐性を示し、極めて安定である。
【0062】
本発明の新規化合物に光照射を行うと、フェノールおよびその誘導体のパーフルオロスルホン酸エステルの直接光励起および増感反応が起こり、元のフェノール誘導体が生成するが、これは置換反応ではなく、スルホ塩素化反応の逆反応ともいえる反応で、2酸化イオウとパーフルオロアルキルラジカルが生成する。この反応により生成するパーフルオロアルキルラジカルは、19F-NMRによって確認することができる。
【0063】
本発明の新規化合物を用いた光酸発生剤としての作動機構には、光で励起された光電子受容部分(A)への、電子供与部分(D)からの電子移動に基づく、(A)のラジカルアニオンと(D)のラジカルカチオンの生成が含まれる。またはその逆に、光で励起された光電子供与部分(D)からの電子受容部分(A)への電子移動に基づく、(A)のラジカルアニオンと(D)のラジカルカチオンの生成が含まれる。これらの作動機構を下記式(
eq.1)〜(eq.2)に示す。
【0064】
【化15】

【0065】
この過程は、電子移動過程であるため、結合開裂のように大きなエネルギーを必要とせず、(A)および(D)の選択次第で、たとえば600nm等の極めて長い波長を照射することによっても、反応を進行させることができる。すなわち、本発明で提供される化合物は、比較的長い波長の光に対して反応し、通常は350nm〜450nmの光に対する感度が高い。このような波長の光は短波長の光に比べて高いエネルギーを有しているので、本発明の化合物を使用することにより、少ない光量で有効に酸を発生させることが可能になる。
【0066】
このように本発明の化合物を光酸発生剤として使用すると、酸発生の実過程は、電子移動で生成したラジカルカチオンの反応となる。酸の発生源となる原子団(式(1)中における−O−SO2−CF3)は、あらかじめ供与体となる化合物にエステル結合等により結合させておくのがよい。
【0067】
発生するラジカルカチオンは、電子欠損であるため、もとの中性分子(D)に比して極めて反応性に富むため、この過程を低温に抑えたとしても速やかに進行する。この点が従来のように光エネルギーで直接に共有結合を開裂させるものとは異なり、電子移動さえ起こればよく、光エネルギーは問題とならない。
【0068】
一方、上記供与体と対になって光酸発生反応を引き起こすためには、光電子受容分子が存在することが必要である。本発明において使用される受容体は、光励起により(D)との間で電子移動を起こすものであればよい。具体的には、たとえば、ベンゾキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体が挙げられる。以下に、供与体として式(4)で表される化合物、受容体としてクロラニルを採用した例を、式(eq.3)〜(eq.6)に示す。なお、特に本発明ではベンゾキノンを受容体として使用することが好ましい。
【0069】
【化16】

【0070】
【化17】

【0071】
SchemeIで、まずクロラニルが光を吸収して励起される(eq.3参照)。この例では、366nmの光を用い、溶媒としてアセトニトリルを使用した。励起したクロラニルと式(4)で表される供与体との間で電子移動が起こり、ラジカルカチオン、ラジカルアニオンが生成する(eq.4参照)。
【0072】
式(4)で表される供与体のラジカルカチオンに、例えば極めて微量の共存水などの求核体が反応するが、求核体の攻撃がスルホン酸基のイオウ原子に対して起こり、トリフルオロメタンスルホン酸が生成するとともに、クロラニルのラジカル(II)、およびp−メトキシフェノキシラジカル(III)が生成する(eq.5参照)。その後、上記(II)お
よび(III)は不均一化して安定な化合物に変化する(eq.6参照)。
【0073】
上記SchemeIにおいて、eq.5の反応を進行させるために微量に共存させる求核体は必ずしも水である必要はなく、アルコールであってもよい。たとえば、式(eq.7)〜(eq.8)に示すように、このような求核体としてエタノールを用いた場合、まずトリフルオロメタンスルホン酸のエチルエステルが生成するが、こうしたsp3炭素に
おける強酸エステルは極めて不安定であり、すみやかに酸を発生することとなる。
【0074】
【化18】

【0075】
酸の生成は、19F−NMRで追跡でき、本発明で提供する新規な化合物を供与体とする光酸発生剤は、トリフルオロメタンスルホン酸のトリフルオロメチル基とのシグナル強度から測定した量子収率は0.2を超える。
【0076】
本発明で提供される新規な化合物を供与体として用いた場合の例を以下に示す。
なお、光酸発生剤の評価は次の通りである。
○:酸の発生が、0.2(量子収率)を超える。
×:酸が発生しない。
【0077】
【表1】

【0078】
さらに、本発明の新規化合物では、末端に水酸基を有する置換基が芳香族環に結合しているので、媒体が絶乾状態であっても、酸を発生させることができるとの利点がある。
【実施例】
【0079】
次に本発明の新規化合物、光電子供与化合物およびこれらを含む光酸発生剤について、実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0080】
なお、合成した化合物は、CDCl3中で測定した1H-NMRの結果およびマススペクトルの測
定結果により同定した。
光酸発生剤としての酸発生の評価は、下記に示す方法および基準にしたがって行った。
【0081】
《酸発生の評価》
NMR測定用試験管(外径5mm、パイレックス(登録商標)製)に6.0×10-3の光
電子供与体溶液を入れ、これに光電子受容体を加えて溶解した。さらにこれを凍結脱退気した後、窒素雰囲気下において上記試験管を密封した。
【0082】
光電子受容体の濃度は、使用する光の波長において、溶液の吸光度が2.0以上となる濃度に設定した。また、光源としては、蛍光光度計により分光された励起光(励起光波長:366nmまたは435nm)を用いた。
【0083】
反応は19F-NMRを用いることにより追跡した。具体的には、反応が進行するにつれて、
光電子受容体のトリフルオロメチル基のシグナルにより、約4.2ppm低磁場にトリフルオロメタンスルホンに基づく19F-NMRが現れるので、これにより確認した。この反応で
は、上記以外のシグナルは観測できないので、これらのシグナルの強度比から、酸生成量を算出した。
【0084】
なお、照射光の光量は、既知の量子収率の光反応で決定し、アクチノメトリーを行った。酸の発生量は、下記に示す基準に基づいて評価した。
○:酸の発生が、0.2(量子収率)を超えた。
×:酸が発生しなかった。
[実施例1]
常法にしたがって、下記式(4)に表される化合物(Compound I)を合成し、光電子供与体として用いた。
【0085】
【化19】

【0086】
得られたCompound Iを光電子供与体として用い、クロラニルまたはベンゾキノンを光電子受容体として用い、アセトニトリルを媒体として用いることにより酸発生の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例2]
上述したように図5に示す方法にしたがって、下記式(2)に表される化合物(Compound II)を合成した。
【0087】
【化20】

【0088】
具体的には、まず、ベンジロキシエトルトシラート(IIa)と等モルのカテコールモノBoc保護誘導体(IIb)を、DMF中で水素化ナトリウムの存在下に反応させた。得られた反応液から反応溶媒を減圧下に除去した後、残渣をトルエン/水で抽出し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、o-ベンジロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIc)を得た(収率:85%)。
【0089】
得られたo-ベンジロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIc)をメタノールに溶解して、Pd/Cを触媒として風船圧で水素ガスを添加した。次いで、触媒として使用したPd/Cを除去し、さらに溶媒を除去して、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、o-ヒドロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IId)を得た。
【0090】
さらに得られたo-ヒドロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IId)を無水酢酸に溶解し、ピリジン共存下に無水酢酸と反応させた。溶媒を除去して残渣をトルエン/水で抽出し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、o-アセトキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIe)を得た。
【0091】
得られたo-ヒドロキシエトキシフェノールBoc保護誘導体(IIe)をジクロロメタンに溶解し、0.05モル等量のトリフルオロ酢酸を添加して還流した後、反応混合物を水で洗浄し、溶剤を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、o-アセトキシエトキシフェノール(IIf)を得た。
【0092】
得られたアセトキシエトキシフェノール(IIf)を乾燥したピリジンに溶解し、1.1モ
ル等量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加して反応させた後、溶媒を減圧下に除去し、得られた残渣をエーテル/水で抽出し、カラムクロマトグラフィーを用いて生成することにより、o-アセトキシエトキシフェニルトリフラート(IIg)を得た(収率:8
3%)。
【0093】
得られたo-アセトキシエトキシフェニルトリフラート(IIg)を1、4-ジオキサンに溶解し、濃塩酸を添加して、常温で加水分解を行った。反応後、塩化水素、水、ジオキサンを減圧下で除去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、目的物であるo-ヒドロキシエトキシフェニルトリフラート(Compound II)を得た(
収率:68%)。
【0094】
得られた化合物の1H-NMRおよびマススペクトルの測定結果を以下に示す。
Compound II:
1H-NMR(CDCl3) 4.00(t, CH2, 2H), 4.20(t, CH2, 2H), 6.91-7.06(m, Ar, 2H), 7.20-7.33(m, Ar, 2H)
Mass M/e M+286(50), 242(15), 153(45), 109(100), 81(100)。
【0095】
得られたCompound IIを光電子供与体として用い、クロラニルを光電子受容体として用
い、アセトニトリルまたは絶乾アセトニトリルを媒体として用いることにより、酸発生の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例3]
上述したように図6に示す方法にしたがって、下記式(3)に表される化合物(Compound III)を合成した。
【0096】
【化21】

【0097】
具体的には、まず、常法に従ってメトキシフェノールにDMF中で、t-BuOKの存在下に、
アリルクロライド(塩化アリル:CH2=CH-CH2Cl)を反応させて4-メトキシフェニルアリ
ルエーテル(IIIa)を製造し、得られた4-メトキシフェニルアリルエーテル(IIIa)を無溶
媒で、190℃の温度で1.5時間加熱してクライゼン転移を進行させた。こうして得られた反応混合物からカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-アリル-4-メトキシフェノール(IIIb)を得た(収率:75%)。
【0098】
次に、上記2-アリル-4-メトキシフェノール(IIIb)に、t-BuOKおよびTHF中で(Boc)2Oを反応させて、フェノールの水酸基をBocで保護した2-アリル-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIIc)を得た(収率:80%)。
【0099】
得られた2-アリル-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIIc)を乾燥THFに溶解し、
窒素雰囲気下に0.8モル等量のボランTHF錯体を加えて反応させた。反応後、0.1Nの水酸化ナトリウムと過酸化水素とを加えて分解し、反応混合物を水に注ぎ、エーテル抽出した。その後、エーテルを除去して得られた残渣からカラムクロマトグラフィーを用いて分離操作を行うことにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc
保護誘導体(IIId)を得た(収率:65%)。
【0100】
得られた2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIId
)を無水酢酸に溶解し、ピリジン共存下に反応させた。反応後、溶媒を除去し、残渣をトルエン/水で抽出し、抽出物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIIe)を得た。
【0101】
次いで、この2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノールBoc保護誘導体(IIIe)をジクロロメタンに溶解し、0.05モル等量のトリフルオロ酢酸を添加して還流した後、反応混合物を水で洗浄し、溶媒を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノール(IIIf)を得た。
【0102】
得られた2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェノール(IIIf)を乾燥したピリ
ジンに溶解し、1.1モル等量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加して反応させた後、溶媒を減圧下に除去した。得られた残渣をエーテル/水で抽出し、さらにカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェニルトリフレート(IIIg)を得た(収率:72%)。
【0103】
上記得られた2-(3-アセトキシプロピル)-4-メトキシフェニルトリフレート(IIIg
)を1、4-ジオキサンに溶解し、濃塩酸を添加して、室温で加水分解させた。反応後、
塩化水素、水、ジオキサンを減圧下に除去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、目的化合物である2-(3-ヒドロキシプロピル)-4-メトキシフェニルトリフラート(Compound III)を得た(収率:52%)。
【0104】
得られた化合物の1H-NMRおよびマススペクトルの測定結果を以下に示す。
Compound III:
1H-NMR(CDCl3) 1.90(m, CH2, 2H), 2.77(t, CH2, 2H), 3.70(t, CH2, 3H), 3.81(s, OCH3, 3H),6.77(dd, Ar, 1H), 6.84(d, Ar, 1H), 7.17(d, Ar, 1H)
Mass M/e M+314(15), 181(100), 151(60), 137(90), 91(30), 77(40)。
【0105】
得られたCompound IIIを光電子供与体として用い、クロラニルまたはベンゾキノンを光電子受容体として用い、絶乾アセトニトリル、塩化メチレンまたはアセトニトリルを媒体として用いることにより、酸発生の評価を行った。結果を表2に示す。
【0106】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明により、たとえば光酸発生剤として有用に使用できる新規な化合物が提供される。この新規化合物は、光を照射することにより電子を放出する良好な光電子供与化合物となるので、この特性を利用して、この化合物と光電子供与化合物として使用し、さらに光電子受容化合物とともに使用することにより、光酸発生剤として使用することができる。本発明の光酸発生剤は、光の照射によって光で遠視移動が開始して、効率よく酸が発生する。しかも、本発明の化合物を用いることにより、媒体との相溶性に優れるとともに、暴露光の波長に影響されにくい光酸発生剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1は本発明の化合物を製造するための合成例の一例を示す反応式である。
【図2】図2は本発明の化合物を製造するための合成例の一例を示す反応式である。
【図3】図3は本発明の化合物を製造するための合成例の一例を示す反応式である。
【図4】図4は本発明の化合物を製造するための合成例の一例を示す反応式である。
【図5】図5は本発明の化合物を製造するための合成例の一例を示す反応式である。
【図6】図6は本発明の化合物を製造するための合成例の一例を示す反応式である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物;
【化1】

(ただし、式(1)中、R1は、水素原子、−OCH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを示し、R2は、水素原子または−OCH3を表し、R3は、ベンゾキノン
、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれかの化合物から誘導される一価の基を表す。)。
【請求項2】
前記式(1)におけるR1が−CH2CH2CH2OHであり、R2が−OCH3であって、かつR3がベンゾキノンから誘導される一価の基であることを特徴とする請求項1に記載
の化合物。
【請求項3】
下記式(2)で表される化合物;
【化2】

【請求項4】
下記式(3)で表される化合物;
【化3】

【請求項5】
下記式(I)および/または(II)で表わされることを特徴とする光電子供与化合物;
【化4】

(ただし、式(I)および(II)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、−O
CH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを表し、R6は、それぞれ独立に、水素原子または−OCH3を表し、R7は、ベンゾキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれかの化合物から誘導される一価の基を表す。)。
【請求項6】
前記式(I)におけるR4が−CH2CH2CH2OHであり、R5が水素原子であり、R6
が−OCH3であり、かつ前記式(II)におけるR4が−CH2CH2CH2OHであり、R6が−OCH3であり、R7がベンゾキノンから誘導される一価の基であることを特徴とする請求項5に記載の光電子供与化合物。
【請求項7】
下記式(I)および/または(II)で表わされる化合物を含有する光電子供与化合物と
、光電子受容分子とを含むことを特徴とする光酸発生剤;
【化5】

(ただし、式(I)および(II)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、−
OCH2CH2OHまたは−CH2CH2CH2OHのいずれかを表し、R6は、それぞれ独立に、水素原子または−OCH3を表し、R7は、ベンゾキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体のいずれかの化合物から誘導される一価の基を表す。)。
【請求項8】
前記式(I)におけるR4が−CH2CH2CH2OHであり、R5が水素原子であり、R6
が−OCH3であり、かつ前記式(II)におけるR4が−CH2CH2CH2OHであり、R6が−OCH3であり、R7がベンゾキノンから誘導される一価の基であることを特徴とする請求項7に記載の光酸発生剤。
【請求項9】
前記光電子受容分子が、クロラニルおよび/またはベンゾキノンであることを特徴とする請求項7または8に記載の光酸発生剤。
【請求項10】
前記光酸発生剤を励起する光の波長が、350nm〜450nmの範囲内にあることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の光酸発生剤。
【請求項11】
前記光酸発生剤が、アセトニトリル、絶乾アセトニトリルおよび塩化メチレンよりなる群から選ばれるいずれかの媒体に含有されることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の光酸発生剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−79021(P2009−79021A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251354(P2007−251354)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2007年9月21日 2007年光化学討論会実行委員会発行の「2007年 光化学討論会 講演要旨集」に発表
【出願人】(390033927)アイバイツ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】