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新規化合物アミコロース誘導体、並びにその製造方法及びその用途
説明

新規化合物アミコロース誘導体、並びにその製造方法及びその用途

【課題】簡単に製造可能な、優れた細胞増殖抑制活性を有する新規化合物及びその塩、並びにそれらの製造方法、及び、前記新規化合物及びその塩を利用した医薬組成物の提供。
【解決手段】アミコラトプシス(Amycolatopsis)属に属する微生物より得られたアミコラマイシン及びその塩を酸性条件下で分解することにより得られ、細胞増殖抑制活性を有する下記一般式(1)で表される新規化合物及びその塩である。下記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。
【化29】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物アミコロース誘導体、並びにその製造方法及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
生物は、その発生から死まで、細胞の増殖、分化、アポトーシスなどを繰り返しながら生命を維持している。この細胞制御機構が破綻すると、種々の疾患を発症する。これらの中でも、癌は、細胞増殖の制御が異常になることで無制限に細胞が増殖する疾患である。癌は、治療が困難な病気のひとつであり、世界の人々の死亡原因の上位となっている点で問題である。
【0003】
近年の癌治療は進歩しているものの、腫瘍細胞の成長を阻害することのできる十分な細胞増殖抑制活性を有する治療薬は未だ提供されておらず、優れた細胞増殖抑制活性を有する新規化合物の速やかな提供が望まれているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、簡単に製造可能な、優れた細胞増殖抑制活性を有する新規化合物及びその塩、並びにそれらの製造方法、及び、前記新規化合物及びその塩を利用した医薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、下記構造式(4)で表される化合物を、酸性水溶液で加水分解することで、下記構造式(1)で表される新規化合物を製造できること、酸性アルコール溶液で加溶媒分解することで、下記構造式(2)及び下記構造式(3)の少なくともいずれかで表される新規化合物を製造できること、これらの新規化合物が優れた細胞増殖抑制活性を有することを見出し、更に、これらの新規化合物の化学構造を分析することで、これらが新規化合物であることを確認し、本発明に至った。なお、本発明者らは、これらの新規化合物を「アミコロース誘導体」と命名した。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【0006】
なお、前記構造式(4)で表される化合物は、以前本出願人らにより見出された化合物であり、「アミコラマイシン(Amycolamicin)」と命名された。前記アミコラマイシンは、アミコラトプシス・エスピーMK575−fF5株(FERM P−21465)により生産される、優れた抗菌活性を有する化合物である。
【0007】
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1>下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物及びその塩である。
【化5】

前記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。
<2>「R」が水素原子である前記<1>に記載の化合物及びその塩である。
<3>「R」がメチル基である前記<1>に記載の化合物及びその塩である。
<4>下記一般式(1)で表される化合物及びその塩の製造方法であって、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属に属し、下記構造式(4)で表される化合物及びその塩を生産する能力を有する微生物を培養し、得られた培養物から該構造式(4)で表される化合物及びその塩を採取し、該構造式(4)で表される化合物及びその塩を分解することを特徴とする化合物及びその塩の製造方法である。
【化6】

前記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。
【化7】

<5>下記構造式(1)で表される化合物及びその塩の製造方法であって、分解が、酸性水溶液による加水分解である前記<4>に記載の化合物及びその塩の製造方法である。
【化8】

<6>酸性水溶液が、酢酸、硫酸、硝酸、及び塩化水素の少なくともいずれかを含有する前記<5>に記載の化合物及びその塩の製造方法である。
<7>下記構造式(2)及び下記構造式(3)の少なくともいずれかで表される化合物及びそれらの塩の製造方法であって、分解が、アルコール溶液による加溶媒分解である前記<4>に記載の化合物及びその塩の製造方法である。
【化9】

【化10】

<8>アルコール溶液が、酢酸、硫酸、硝酸、及び塩化水素の少なくともいずれかを含有する酸性アルコール溶液である前記<7>に記載の方法である。
<9>微生物が、受託番号FERM P−21465のアミコラトプシス・エスピー(Amycolatopsis sp.)MK575−fF5株である前記<4>から<8>のいずれかに記載の化合物及びその塩の製造方法である。
<10>下記一般式(1)で表される化合物及びその塩を含有することを特徴とする医薬組成物である。
【化11】

前記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。
<11>細胞増殖抑制剤である前記<10>に記載の医薬組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、簡単に製造可能な、優れた細胞増殖抑制活性を有する新規化合物及びその塩、並びにそれらの製造方法、及び、前記新規化合物及びその塩を利用した医薬組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、アミコラマイシンのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルのチャートである。縦軸は透過率(%)、横軸は波数(cm−1)を示す。
【図2】図2は、アミコラマイシンのメタノール中での紫外線吸収スペクトルのチャートである。縦軸は吸光度(Abs)、横軸は波長(nm)を示す。
【図3】図3は、アミコラマイシンの重メタノール中で30℃にて測定した600MHzにおけるプロトン核磁気共鳴スペクトルのチャートである。横軸はppm単位を示す。
【図4】図4は、アミコラマイシンの重メタノール中で30℃にて測定した150MHzにおける炭素13核磁気共鳴スペクトルのチャートである。横軸はppm単位を示す。
【図5】図5は、アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3)による細胞増殖抑制活性を示した図である。縦軸は細胞増殖率(%)、横軸はアミコロース誘導体濃度(μg/mL)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(化合物及びその塩)
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。下記一般式(1)で表される化合物は、本発明者が得た新規化合物であり、以下、「アミコロース誘導体」と称することがある。
【化12】

前記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。
【0011】
<化合物1>
前記一般式(1)中、「R」が水素原子であるアミコロース誘導体は、下記構造式(1)で表される化合物である。
【化13】

【0012】
前記構造式(1)で表される化合物(以下、「化合物1」と称することがある。)の物理化学的性状としては、次の通りである。即ち、
(1) 外観は、無色シロップ状である。
(2) 分子式は、C1420Clで表される。
(3) 高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード)による、実験値は、m/z 389.0640(M+Na)であり、計算値は、m/z 389.0641(C1420ClNaとして)である。
(4) 比旋光度は、[α]23=+15°(c0.51、クロロホルム)、である。
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトルとして、600MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
−化合物1のα体−
δpm:1.20(3H,d,J=6.9Hz),1.20(3H,d,J=6.2Hz),1.72(1H,dd,J=3.8,14.1Hz),1.84(1H,dd,J=1.4,14.1Hz),2.23(3H,s),3.07(1H,d,J=9.2Hz),3.16(1H,t,J=9.2Hz,),3.88(1H,dq,J=9.2,6.2Hz),4.32(1H,pent.,J=7.2Hz),4.97(1H,s),5.09(1H,dd,J=3.3,8.0Hz),5.32(1H,d,J=9.0Hz),6.74(1H,d,J=6.8Hz),10.20(1H,brs)
−化合物1のβ体−
δpm:1.19(3H,d,J=6.2Hz),1.20(3H,d,J=6.9Hz),1.42(1H,dd,J=9.3,13.1Hz),1.80(1H,dd,J=2.1,13.1Hz),2.23(3H,s),3.02(1H,d,J=8.9Hz),3.11(1H,t,8.9Hz,),3.58(1H,dq,J=8.9,6.2Hz),3.92(1H,s),4.24(1H,d,J=6.2Hz),4.31(1H,pent.,J=7.4Hz),4.94(1H,ddd,J=2.1,6.2,9.3Hz),6.70(1H,d,J=6.6Hz),10.20(1H,brs)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトルとして、150MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
−化合物1のα体−
δpm:11.1(q),16.2(q),18.5(q),38.8(t),52.3(d),71.1(d),74.3(d),76.3(s),92.7(d),110.3(s),111.5(s),119.8(s),129.7(s),161.0(s)
−化合物1のβ体−
δpm:11.1(q),16.2(q),18.6(q),34.8(t),52.3(d),65.1(d),74.5(d),77.2(s),93.3(d),110.2(s),111.7(s),119.6(s),129.5(s),161.2(s)
【0013】
前記化合物1が、前記構造式(1)で表される構造を有するか否かを確認する方法としては、特に制限はなく、各種の分析方法から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記マススペクトル、前記プロトン核磁気共鳴スペクトル、前記炭素13核磁気共鳴スペクトル、赤外部吸収スペクトルなどの分析を行なうことにより確認する方法が挙げられる。
【0014】
また、前記化合物1は、塩の状態であってもよい。前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸等との無機酸付加塩;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸等との有機酸付加塩;ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩;メチルアミン、エチルアミン、ジエタノールアミン等との有機アミン塩;などが挙げられる。
なお、前記化合物1は互変異性を有しており、したがって、前記化合物1にはその互変異性体も含まれる。
【0015】
前記化合物1及びその塩は、下記構造式(4)で表される化合物(以下、「アミコラマイシン」と称することがある。)から誘導されたものであってもよいし、化学合成により得られたものであってもよい。これらの中でも、前記化合物1及びその塩は、後述する本発明の、化合物及びその塩の製造方法により得られることが好ましい。
【化14】

【0016】
<化合物2及び化合物3>
前記一般式(1)の「R」がアルキル基である化合物としては、「R」がアルキル基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、「R」がメチル基である化合物が好ましく、下記構造式(2)及び下記構造式(3)の少なくともいずれかで表される化合物がより好ましい。
【化15】

【化16】

【0017】
<<化合物2>>
前記構造式(2)で表される化合物(以下、「化合物2」と称することがある。)の物理化学的性状としては、次の通りである。即ち、
(1) 外観は、無色シロップ状である。
(2) 分子式は、C1522Clで表される。
(3) 高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード)による、実験値は、m/z 403.0788(M+Na)であり、計算値は、m/z 403.0798(C1522ClNaとして)である。
(4) 比旋光度は、[α]23=−113°(c0.24、クロロホルム)、である。
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトルとして、600MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:1.30(3H,d,J=7.3Hz),1.34(3H,d,J=6.2Hz),1.49(1H,dd,J=9.3,13.1Hz),1.92(1H,dd,J=2.1,13.1Hz),2.28(3H,s),2.50(1H,brs),3.17(1H,brt,J=7.9Hz),3.48(3H,s),3.64(1H,dq,J=9.3,6.2,Hz),4.42(1H,dq,J=7.3,6.2Hz),4.69(1H,dd,J=2.1,9.3Hz),5.22(1H,brs),6.63(1H,d,J=6.2Hz),9.5−9.6(1H,brs)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトルとして、150MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:11.4(q),16.1(q),18.0(q),36.3(t),52.6(d),55.6(q),70.4(d),74.2(s),76.2(d),99.7(d),111.1(s),112.4(s),117.4(s),128.7(s),161.3(s)
【0018】
前記化合物2が、前記構造式(2)で表される構造を有するか否かを確認する方法としては、特に制限はなく、各種の分析方法から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記マススペクトル、前記プロトン核磁気共鳴スペクトル、前記炭素13核磁気共鳴スペクトル、赤外部吸収スペクトルなどの分析を行なうことにより確認する方法が挙げられる。
【0019】
また、前記化合物2は、塩の状態であってもよい。前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸等との無機酸付加塩;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸等との有機酸付加塩;ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩;メチルアミン、エチルアミン、ジエタノールアミン等との有機アミン塩;などが挙げられる。
【0020】
前記化合物2及びその塩は、前記アミコラマイシンから誘導されたものであってもよいし、化学合成により得られたものであってもよい。これらの中でも、前記化合物2及びその塩は、後述する本発明の、化合物及びその塩の製造方法により得られることが好ましい。
【0021】
<<化合物3>>
前記構造式(3)で表される化合物(以下、「化合物3」と称することがある。)の物理化学的性状としては、次の通りである。即ち、
(1) 外観は、無色シロップ状である。
(2) 分子式は、C1522Clで表される。
(3) 高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード)による、実験値は、m/z 403.0788(M+Na)であり、計算値は、m/z 403.0798(C1522ClNaとして)である。
(4) 比旋光度は、[α]23=+83°(c0.13、クロロホルム)、である。
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトルとして、600MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:1.27(3H,d,J=6.8Hz),1.33(3H,d,J=6.5Hz),1.82(1H,dd,J=3.8,14.4Hz),1.99(1H,dd,J=1.1,14.4Hz),2.27(3H,s),2.30(1H,brs),3.24(1H,brd,J=9.4Hz),3.38(3H,s),3.68(1H,dq,J=9.4,6.5,Hz),4.14(1H,brs),4.42(1H,dq,J=8.6,6.8Hz),4.84(1H,brd,J=3.1Hz),6.84(1H,d,J=8.6Hz),9.74(1H,brs)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトルとして、150MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:11.3(q),16.3(q),17.9(q),35.0(t),50.6(d),55.2(q),65.3(d),73.4(s),74.2(d),98.2(d),110.3(s),110.9(s),118.7(s),127.6(s),159.3(s)
【0022】
前記化合物3が、前記構造式(3)で表される構造を有するか否かを確認する方法としては、特に制限はなく、各種の分析方法から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記マススペクトル、前記プロトン核磁気共鳴スペクトル、前記炭素13核磁気共鳴スペクトル、赤外部吸収スペクトルなどの分析を行なうことにより確認する方法が挙げられる。
【0023】
また、前記化合物3は、塩の状態であってもよい。前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸等との無機酸付加塩;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸等との有機酸付加塩;ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩;メチルアミン、エチルアミン、ジエタノールアミン等との有機アミン塩;などが挙げられる。
【0024】
前記化合物3及びその塩は、前記アミコラマイシンから誘導されたものであってもよいし、化学合成により得られたものであってもよい。これらの中でも、前記化合物3及びその塩は、後述する本発明の、化合物及びその塩の製造方法により得られることが好ましい。
【0025】
<用途>
前記アミコロース誘導体及びそれらの塩は、後述する試験例1に示されるように、優れた細胞増殖抑制活性を有するものである。そのため、前記アミコロース誘導体及びそれらの塩は、例えば、後述する本発明の医薬組成物の有効成分として、好適に利用可能である。
【0026】
(化合物及びその塩の製造方法)
本発明の化合物、即ちアミコロース誘導体及びそれらの塩の製造方法は、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属に属し、前記アミコラマイシン及びその塩を生産する能力を有する微生物を培養し、得られた培養物から前記アミコラマイシン及びその塩を採取し、前記アミコラマイシン及びその塩を分解することを特徴とする。
微生物の生産する生理活性物質は、一般に複雑な構造を有しているため有機合成化学的手法による生産は困難であるが、それらの化合物の生理活性の発現に必須な部分構造を模倣することにより得られた誘導体は、簡便に入手でき、より細胞増殖抑制活性の高い化合物を創製できる点で有利である。
【0027】
<アミコラマイシンの製造方法>
前記アミコラマイシンは、前記アミコラマイシンを生産する生産菌(以下、「アミコラマイシン生産菌」と称することがある。)を栄養培地中に接種し、前記アミコラマイシンの生産に良好な温度で培養することによって行われ、これにより前記アミコラマイシンを含む培養物が得られる。
このような目的に用いる栄養培地としては、放線菌の培養に利用しうるものが使用される。栄養源としては、例えば、市販されている大豆粉、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーン・スティープ・リカー、硫酸アンモニウムなどの窒素源が使用できる。また、トマトペースト、グリセリン、でん粉、グルコース、ガラクトース、デキストリン等の炭水化物、あるいは脂肪等の炭素源が使用できる。更に食塩、炭酸カルシウムなどの無機塩を培地に添加して使用することができる。その他、必要に応じて微量の金属塩を培地に添加して使用することができる。これらの材料は、前記アミコラマイシンの生産菌が利用し、前記アミコラマイシンの生産に役に立つものであればよく、公知の放線菌の培養材料はすべて用いることができる。
【0028】
前記アミコラマイシンの生産には、アミコラトプシス属に属し、前記アミコラマイシンの生産能を有する微生物が使用される。具体的には、アミコラトプシス・エスピーMK575−fF5株(FERM P−21465)が、前記アミコラマイシンを生産できる。また、前記アミコラマイシンを生産できるその他の菌株についても、前記生産菌の単離の常法によって、自然界より分離することが可能である。また、前記アミコラトプシス・エスピーMK575−fF5株を含め、前記アミコラマイシンの生産菌を、放射線照射やその他の変異処理に供することにより、前記アミコラマイシンの生産能を高めることも可能である。更に、遺伝子工学的手法による前記アミコラマイシンの生産も可能である。
【0029】
前記アミコラマイシン生産のための種母培地としては、例えば、寒天培地上、アミコラマイシン生産菌の斜面培養から得た生育物を使用することができる。前記アミコラマイシンの製造に当たっては、アミコラマイシン生産菌を適当な培地で好気的に培養することが好ましく、その培養液から目的のものを採取するためには、常用の手段を用いることができる。培養温度としては、アミコラマイシン生産菌の発育が実質的に阻害されずに、前記アミコラマイシンを生産しうる範囲であれば、特に制限はなく、使用する生産菌に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、25℃〜35℃の範囲内の温度が好ましい。
【0030】
例えば、前記アミコラトプシス・エスピーMK575−fF5株による前記アミコラマイシンの生産は、通常は3日間〜9日間で最高に達する。この培養液中の前記アミコラマイシンの力価の経時変化は、例えば、HPLC法や、スタフィロコッカス・アウレウス等を被検菌とする円筒平板法などにより測定することができる。
【0031】
前記製造方法においては、得られた培養物から前記アミコラマイシンを採取するが、採取法としては、微生物の生産する代謝物を採取するのに用いられる手段を適宜利用することができる。例えば、水と混ざらない溶媒による抽出の手段、各種吸着剤に対する吸着親和性の差を利用する手段、ゲルろ過、向流分配を利用したクロマトグラフィーなどを単独又は組み合わせて利用し、前記アミコラマイシンを採取することができる。また、分離した菌体からは、適当な有機溶媒を用いた溶媒抽出法や菌体破砕による溶出法により、前記アミコラマイシンを菌体から抽出し、上記と同様に単離精製して採取することができる。
以上のようにして、前記アミコラマイシンを得ることができる。なお、前記アミコラマイシンは互変異性を有しており、したがって前記アミコラマイシンにはその互変異性体も含まれる。
また、前記アミコラマイシンは酸性物質であり、前記アミコラマイシン及びその塩は、例えば、製薬学的に許容できるアルカリ金属等の各種金属、若しくは第4級アンモニウム塩等の有機塩基と、通常公知の方法を用いて製造することができる。
【0032】
−微生物−
前記微生物は、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属に属し、前記アミコラマイシン(Amycolamicin)及びその塩を生産する能力を有することを特徴とする。前記微生物は、アミコラトプシス属に属し、前記アミコラマイシン及びその塩を生産する能力を有し、そのために、前記アミコラマイシン及びその塩の製造方法において、アミコラマイシン生産菌として使用され得る微生物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0033】
このような微生物の中でも、特に、平成8年5月、財団法人微生物化学研究会 微生物化学研究センターにおいて、宮城県仙台市の土壌より分離された放線菌で、MK575−fF5の菌株番号が付された微生物を使用することが好ましい。前記MK575−fF5株の菌学的性状は、以下の通りである。
【0034】
1.形態
基生菌糸はよく分技し、ジグザグ状を呈する。また分断が認められる。気菌糸は着生する場合としない場合がある。着生した場合、気菌糸は比較的長く、直状或いは不規則な曲状で、円筒形の胞子状に分断する。その表面は平滑で、大きさは約0.4μm〜0.6μm×0.8μm〜2.2μmである。また、気菌糸が絡まり合い球状を呈する場合がある。輪生技、菌束糸、胞子のう及び運動性胞子は認められない。
【0035】
2.各種培地における生育状態
色の記載について[ ]内に示す標準は、コンティナー・コーポレーション・オプ・アメリカのカラー・ハーモニー・マニュアル(Container Corporation of America の color harmony manual)を用いた。
(1)イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2、27℃培養)
発育はうす黄[2 gc,Bamboo]を呈し、白の気菌糸をうっすら着生する場合と着生しない場合がある。溶解性色素は認められない。
(2)オートミール寒天培地(ISP−培地3、27℃培養)
発育はうす黄[2 gc,Bamboo]を呈し、白の気菌糸をうっすら着生する場合と着生しない場合がある。溶解性色素は認められない。
(3)スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、27℃培養)
発育はうす黄[2 ea,Lt Wheat]〜にぶ黄[3 nc,Amber]を呈し、白の気菌糸をわずかに着生する場合がある。溶解性色素は認められない。
(4)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地5、27℃培養)
発育はにぶ黄だいだい[3 lc,Amber]を呈し、うすだいだい[4 ea,Light Apricot]の気菌糸を着生する場合と着生しない場合がある。溶解性色素は認められない。
(5)チロシン寒天培地(ISP−培地7、27℃培養)
発育はうす黄[3 ca,Pearl Pink]〜にぶ黄だいだい[3 lc,Amber]を呈し、うすだいだい[4 ca,Fresh Pink]の気菌糸を着生する場合と着生しない場合がある。溶解性色素は認められない。
(6)スクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養)
無色〜うす黄だいだい[3 ea,Lt Melon Yellow]の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生する場合と着生しない場合がある。溶解性色素は認められない。
【0036】
3.生理的性質
(1)生育温度範囲
グルコース・アスパラギン寒天培地(グルコース1.0質量%、L−アスパラギン0.05質量%、リン酸水素二カリウム0.05質量%、ひも寒天3.0質量%、pH7.0)を用い、10℃、20℃、24℃、27℃、30℃、37℃、45℃、及び50℃の各温度で試験した結果、10℃、45℃、及び50℃での生育は認められず、20℃〜37℃の範囲で生育した。生育至適温度は30℃付近である。
(2)スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培地、ISP−培地4、27℃培養)
21日間の培養で、陰性である。
(3)メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト・プロス、ISP−培地1;ペプトン・イースト・鉄寒天培地、ISP−培地6;チロシン寒天培地、ISP−培地7;いずれも27℃培養)
いずれの培地においても陰性である。
(4)炭素源の利用性(プリドハム・ゴドリーブ寒天培地、ISP−培地9;27℃培養)
D−グルコース、L−アラビノース、D−キシロース、D−フルクトース、スクロース、イノシトール、ラムノース、ラフィノース、及びD−マンニトールを利用して発育する。
(5)硝酸塩の還元反応(0.1質量%硝酸カリウム含有ペプトン水、ISP−培地8、27℃培養)
陽性である。
【0037】
4.菌体成分
(1)細胞壁組成
メソ型の2,6−ジアミノピメリン酸を含有する。
(2)全菌体中の還元糖
アラビノース、ガラクトースを含み、A型である。
(3)イソプレノイド・キノン
主要なメナキノンとしてMK−9(H)及び少量のMK−10(H)を含有する。
(4)リン脂質
PII型(ホスファチジルエタノールアミンを含み、ホスファチジルコリン及び未知のグルコサミン含有リン脂質を含まない)。
(5)ミコール酸
含有しない。
【0038】
5.16SrRNA遺伝子解析
16SrRNA遺伝子の部分塩基配列(1455nt)を決定し、国際塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/EMBL)による相同性検索を行った。その結果、MK575−fF5株の塩基配列は以下に示したとおり、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属放線菌の16SrRNA遺伝子と高い相同性を示した。Amycolatopsis kentuckyensis(99.1%)、Amycolatopsis rifamycinica(99.03%)、Amycolatopsis mediterranei(98.9%)、Amycolatopsis balhimycetica(98.82%)などである。なお、カッコ内は塩基配列の相同値を表記した。
【0039】
以上の性状を要約すると、MK575−fF5株の基生菌糸はジグザグ状を呈し、分断する。気菌糸は直状或いは不規則な曲状で、円筒形の胞子状に分断する。輪生技、菌束糸、胞子のう及び運動性胞子は認められない。種々の培地で、発育は無色〜黄だいだいを呈する。白〜うすだいだいの気菌糸を着生する場合と着生しない場合がある。溶解性色素は認められない。生育至適温度は、30℃付近である。メラニン様色素の生成及びスターチの水解性は陰性、硝酸塩の還元反応は陽性である。
MK575−fF5株の菌体成分は、全菌体加水分解物中にメソ型の2,6−ジアミノピメリン酸、アラビノース、及びガラクトースを含み、細胞壁タイプIV型、全菌体の還元糖はA型を示した。また、ミコール酸は含有せず、リン脂質はPII型(ホスファチジルエタノールアミンを含み、ホスファチジルコリン及び未知のグルコサミン含有リン脂質を含まない)、主要なメナキノンはMK−9(H)であった。
16SrRNA遺伝子の部分塩基配列を公知菌株のデータと比較したところ、アミコラトプシス属放線菌の塩基配列と高い相同性を示した。
【0040】
これらの性状により、前記MK575−fF5株はアミコラトプシス(Amycolatopsis,文献,Interenational Journal of Systematic Bacteriology,36巻,29−37頁,1986年)属に属すると考えられた。そこで、前記MK575−fF5株をアミコラトプシス・エスピー(Amycolatopsis sp.)MK575−fF5株とした。なお、前記MK575−fF5株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託申請し、平成19年12月12日、FERM P−21465として受託された。
【0041】
<アミコロース誘導体の製造方法>
前記アミコロース誘導体及びそれらの塩の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記アミコラマイシン及びその塩を分解することにより製造する方法が好ましい。
【0042】
前記分解する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加水分解法、加溶媒分解法などが挙げられる。これらの中でも、前記化合物1及びその塩を得る場合は、前記加水分解法を用いることが好ましく、前記化合物2及び化合物3の少なくともいずれか及びそれらの塩を得る場合は、前記加溶媒分解法を用いることが好ましい。
【0043】
−加水分解法−
前記加水分解を行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸性水溶液により加水分解を行う方法が好ましい。
前記酸性水溶液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、塩化水素水溶液などが挙げられる。前記酸性水溶液は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記加水分解を行う温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜100℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましい。
前記加水分解を行う時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5時間〜24時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましい。
前記加水分解反応を停止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、飽和重曹水溶液、各種緩衝液などが挙げられる。
【0044】
前記加水分解を行なった反応液は、溶媒抽出を行なうことが、前記化合物1及びその塩を高濃度得ることができる点で好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタンなどが挙げられる。
【0045】
前記抽出後の化合物1を精製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種吸着剤に対する吸着親和性の差を利用する方法、ゲルろ過法、向流分配を利用したクロマトグラフィー法、これらの方法を単独又は組み合わせる方法などが挙げられる。
【0046】
−加溶媒分解法−
前記加溶媒分解を行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルコール溶液により加溶媒分解を行う方法が好ましく、酸性アルコール溶液により加溶媒分解を行う方法がより好ましい。
前記アルコール溶液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノールなどが挙げられる。前記アルコール溶液は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸性アルコール溶液中の酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸、硫酸、硝酸、塩化水素などが挙げられる。前記酸は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記加溶媒分解を行う温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜100℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましい。
前記加溶媒分解を行う時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5時間〜24時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましい。
前記加溶媒分解を停止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、飽和重曹水溶液、各種緩衝液などが挙げられる。
【0047】
前記加溶媒分解を行なった反応液は、溶媒抽出を行なうことが、前記化合物2及び化合物3の少なくともいずれか、及びそれらの塩を高濃度得ることができる点で好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタンなどが挙げられる。
【0048】
前記抽出後の化合物2及び化合物3の少なくともいずれか及びそれらの塩を精製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種吸着剤に対する吸着親和性の差を利用する方法、ゲルろ過法、向流分配を利用したクロマトグラフィー法、これらの方法を単独又は組み合わせる方法などが挙げられる。
【0049】
(医薬組成物)
本発明の医薬組成物は、前記アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3の少なくともいずれか)及びそれらの塩を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
【0050】
<アミコロース誘導体>
前記医薬組成物中の、前記アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3の少なくともいずれか)及びそれらの塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記医薬組成物は、前記アミコロース誘導体及びそれらの塩そのものであってもよい。
【0051】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、例えば、薬理学的に許容され得る担体の中から目的に応じて適宜選択することができ、具体例としては、エタノール、水、デンプンなどが挙げられる。前記医薬組成物中の、前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3の少なくともいずれか)及びそれらの塩の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。
【0052】
<剤型>
前記医薬組成物の剤型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口固形剤、経口液剤、注射剤、吸入散剤などが挙げられる。
【0053】
−経口固形剤−
前記経口固形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などが挙げられる。
前記経口固形剤の製造方法としては、特に制限はなく、常法を使用することができ、例えば、前記アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3の少なくともいずれか)及びそれらの塩に、賦形剤、及び必要に応じて、前記その他の成分、各種添加剤を加えることにより、製造することができる。ここで、前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸などが挙げられる。また、前記添加剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味/矯臭剤などが挙げられる。
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖などが挙げられる。
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。
前記矯味/矯臭剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。
【0054】
−経口液剤−
前記経口液剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられる。
前記経口液剤の製造方法としては、特に制限はなく、常法を使用することができ、例えば、前記アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3の少なくともいずれか)及びそれらの塩に、必要に応じて、前記その他の成分、添加剤を加えることにより、製造することができる。ここで、前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、矯味/矯臭剤、緩衝剤、安定化剤などが挙げられる。
【0055】
前記矯味/矯臭剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。
前記緩衝剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチンなどが挙げられる。
【0056】
−注射剤−
前記注射剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液、懸濁液、用事溶解用固形剤などが挙げられる。
前記注射剤の製造方法としては、特に制限はなく、常法を使用することができ、例えば、前記アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3の少なくともいずれか)及びそれらの塩に、必要に応じて、前記その他の成分、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤などを添加することにより、製造することができる。ここで、前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記安定化剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸などが挙げられる。前記等張化剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられる。前記局所麻酔剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどが挙げられる。
【0057】
<投与>
前記医薬組成物の投与方法、投与量、投与時期、及び投与対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記投与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口投与法、注射による方法、吸入による方法などが挙げられる。
前記投与量としては、特に制限はなく、投与対象個体の年齢、体重、体質、症状、他の成分を有効成分とする医薬の投与の有無など、様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
前記投与対象となる動物種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、トリなどが挙げられるが、これらの中でもヒトに好適に用いられる。
【0058】
<使用>
前記医薬組成物は、1種単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併用されてもよい。また、前記医薬組成物は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。
【0059】
<用途>
前記医薬組成物は、有効成分として前記アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3の少なくともいずれか)及びそれらの塩を含むことから、後述する試験例1に示されるように、優れた細胞増殖抑制活性を有するものである。したがって、前記医薬組成物は、細胞増殖抑制剤として好適に利用可能であり、癌の予防又は治療に有用である。
【実施例】
【0060】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0061】
(実施例1:化合物1の製造)
<アミコラマイシン(Amycolamicin)の製造>
寒天斜面培地に培養したアミコラトプシス・エスピー(Amycolatopsis sp.)MK575−fF5株(FERM P−21465として寄託)を、ガラクトース2質量%、デキストリン2質量%、グリセリン1質量%、バクトソイトン(ディフコ社製)1質量%、コーン・スティープ・リカー0.5質量%、硫酸アンモニウム0.2質量%、炭酸カルシウム0.2質量%を含む液体培地(pH7.4に調整)を三角フラスコ(500mL容)に110mLずつ分注して常法により120℃で20分間滅菌した培地に接種した。その後に30℃で4日間回転振とう培養し、種母培養液を得た。
【0062】
グリセリン0.5質量%、デキストリン0.5質量%、バクトソイトン(ディフコ社製)0.25質量%、酵母エキス(日本製薬株式会社製)0.075質量%、硫酸アンモニウム0.05質量%、炭酸カルシウム0.05質量%(pH7.4に調整)の組成の培地100Lをタンク培養槽(200L容)中に調製し、更に滅菌し、生産培地とした。この生産培地に、上記の種母培養液の2体積%量を接種し、27℃、通気量100L、200rpmの培養条件で4日間タンク培養した。
【0063】
このようにして得られた培養液を遠心分離して、培養ろ液80Lと菌体2.5kgとを分離した。次いで、菌体に12Lのメタノールを加えてよく撹拌し、菌体から下記構造式(4)で表される化合物(以下、「アミコラマイシン」と称することがある。)をメタノールで抽出した。これを減圧下でメタノールを除き、アミコラマイシンを含む菌体抽出液2Lを得た。菌体抽出液2Lに酢酸エチル6Lを加え、十分撹拌し、アミコラマイシンを酢酸エチル抽出した。得られた酢酸エチル6Lは、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して、アミコラマイシンを含む粗精製物18gを得た。このアミコラマイシンを含む粗精製物の18gに、ヘキサンを200mL加え、ヘキサン可溶成分を除去し、アミコラマイシンを含むヘキサン不溶画分を3.3g得た。このヘキサン不溶画分3.3gをメタノールで溶解して、セファデックスLH−20(内径28mm×450mm、ファルマシア バイオテク株式会社製)カラムにのせ、クロマトグラフィーを行った。1フラクションを8gずつ分画すると、活性画分はフラクション番号12から15に溶出され、これを集めて減圧下で濃縮乾固し、1,584mgのアミコラマイシンを含む粗精製物を得た。この粗精製物1,584mgは、少量のメタノールに溶解し、その溶液にキーゼルグール(メルク社製)50mLを加え、溶媒を減圧下で濃縮乾固した。このキーゼルグールを、シリカゲルカラム(内径32mm×長さ175mm、メルク社製)の上にのせ、クロマトグラフィーを行った。展開溶媒としてクロロホルム:メタノール:水=100:0:0(200mL)、95:5:0(450mL)、1:95:5:0.25(450mL)、1:90:10:0.5(450mL)で順次展開を行った。1フラクションを18gずつ分画すると、アミコラマイシンはフラクション番号76から103に溶出され、これを集めて減圧下で濃縮乾固し、827mgの純粋なアミコラマイシンを得た。
【化17】

【0064】
得られたアミコラマイシンの物理化学的性状を測定したところ、以下の通りであり、これらのことから、アミコラマイシンが、下記構造式(4)で表される構造を有する化合物であることが確認された。また、このアミコラマイシンは互変異性を有していた。
(1) 外観は、白色パウダー状である。
(2) 分子式は、C4460Cl14で表される。
(3) 高分解能質量分析(HRESIMS:負イオンモード)による、実験値は、m/z 937.3386(M−H)であり、計算値は、m/z 937.3405(C4459Cl14として)である。
(4) 比旋光度は、[α]23=−21.6°(c0.5,メタノール)、である。
(5) 赤外線吸収スペクトルは、図1に示す通りである。
(6) 紫外線吸収スペクトルは、図2に示す通りである。
(7) プロトン核磁気共鳴スペクトルとして、600MHzにおいて重メタノール中で30℃にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルは、図3に示す通りである。
(8) 炭素13核磁気共鳴スペクトルとして、150MHzにおいて重メタノール中で30℃にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルは、図4に示す通りである。
(9) 薄層クロマトグラフィーとして、シリカゲル60F254(メルク社製)の薄層クロマトグラフィーでは、展開溶媒としてクロロホルム:メタノール(90:10、容量比)を用いて展開したときのRf値は、0.31である。
【化18】

【0065】
<アミコラマイシンの加水分解>
アミコラマイシン(2.05mg、2.18nmol)のテトラヒドロフラン溶液0.5mLに対し、4M塩酸を1mL混合し、室温にて2時間攪拌することにより加水分解を行った。飽和重曹水溶液10mLで反応を停止後、酢酸エチルで3回抽出を行なった。得られた有機層は飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水を行い、濾過により硫酸マグネシウムを除いた後、溶媒を減圧留去した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:メタノール(90:10、容量比))による精製を行い、加水分解体として化合物1を得た。化合物1の収量は0.78mgであり、そのモル収率は97%であった。
【0066】
得られた化合物1の物理化学的性状を測定したところ、以下の通りであり、化合物1は下記構造式(1)で表される構造を有する新規化合物であることが確認された。また、この化合物1は互変異性を有していた。
(1) 外観は、無色シロップ状である。
(2) 分子式は、C1420Clで表される。
(3) 高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード)による、実験値は、m/z 389.0640(M+Na)であり、計算値は、m/z 389.0641(C1420ClNaとして)である。
(4) 比旋光度は、[α]23=+15°(c0.51、クロロホルム)、である。
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトルとして、600MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
−化合物1のα体−
δpm:1.20(3H,d,J=6.9Hz),1.20(3H,d,J=6.2Hz),1.72(1H,dd,J=3.8,14.1Hz),1.84(1H,dd,J=1.4,14.1Hz),2.23(3H,s),3.07(1H,d,J=9.2Hz),3.16(1H,t,J=9.2Hz,),3.88(1H,dq,J=9.2,6.2Hz),4.32(1H,pent.,J=7.2Hz),4.97(1H,s),5.09(1H,dd,J=3.3,8.0Hz),5.32(1H,d,J=9.0Hz),6.74(1H,d,J=6.8Hz),10.20(1H,brs)
−化合物1のβ体−
δpm:1.19(3H,d,J=6.2Hz),1.20(3H,d,J=6.9Hz),1.42(1H,dd,J=9.3,13.1Hz),1.80(1H,dd,J=2.1,13.1Hz),2.23(3H,s),3.02(1H,d,J=8.9Hz),3.11(1H,t,8.9Hz,),3.58(1H,dq,J=8.9,6.2Hz),3.92(1H,s),4.24(1H,d,J=6.2Hz),4.31(1H,pent.,J=7.4Hz),4.94(1H,ddd,J=2.1,6.2,9.3Hz),6.70(1H,d,J=6.6Hz),10.20(1H,brs)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトルとして、150MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
−化合物1のα体−
δpm:11.1(q),16.2(q),18.5(q),38.8(t),52.3(d),71.1(d),74.3(d),76.3(s),92.7(d),110.3(s),111.5(s),119.8(s),129.7(s),161.0(s)
−化合物1のβ体−
δpm:11.1(q),16.2(q),18.6(q),34.8(t),52.3(d),65.1(d),74.5(d),77.2(s),93.3(d),110.2(s),111.7(s),119.6(s),129.5(s),161.2(s)
【化19】

【0067】
(実施例2:化合物2及び化合物3の製造)
アミコラマイシン(19.5mg、20.7nmol)のメタノール溶液1mLに対し、5質量%塩化水素メタノール溶液1mLを混合し、室温にて3時間攪拌することにより加溶媒分解を行った。飽和重曹水溶液10mLで反応を停止後、酢酸エチルで3回抽出を行なった。得られた有機層は飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで脱水を行い、濾過により硫酸マグネシウムを除いた後、溶媒を減圧留去した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル:メタノール(95:5、容量比))による精製を行い、βメチルグリコシド体(化合物2)及びαメチルグリコシド体(化合物3)を得た。化合物2は4.8mgであり、そのモル収率は64%であった。また、化合物3の収量は2.5mgあり、そのモル収率は33%であった。
【0068】
得られた化合物2の物理化学的性状を測定したところ、以下の通りであり、化合物2は下記構造式(2)で表される構造を有する新規化合物であることが確認された。
(1) 外観は、無色シロップ状である。
(2) 分子式は、C1522Clで表される。
(3) 高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード)による、実験値は、m/z 403.0788(M+Na)であり、計算値は、m/z 403.0798(C1522ClNaとして)である。
(4) 比旋光度は、[α]23=−113°(c0.24、クロロホルム)、である。
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトルとして、600MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:1.30(3H,d,J=7.3Hz),1.34(3H,d,J=6.2Hz),1.49(1H,dd,J=9.3,13.1Hz),1.92(1H,dd,J=2.1,13.1Hz),2.28(3H,s),2.50(1H,brs),3.17(1H,brt,J=7.9Hz),3.48(3H,s),3.64(1H,dq,J=9.3,6.2,Hz),4.42(1H,dq,J=7.3,6.2Hz),4.69(1H,dd,J=2.1,9.3Hz),5.22(1H,brs),6.63(1H,d,J=6.2Hz),9.5−9.6(1H,brs)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトルとして、150MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:11.4(q),16.1(q),18.0(q),36.3(t),52.6(d),55.6(q),70.4(d),74.2(s),76.2(d),99.7(d),111.1(s),112.4(s),117.4(s),128.7(s),161.3(s)
【化20】

【0069】
得られた化合物3の物理化学的性状を測定したところ、以下の通りであり、化合物3は下記構造式(3)で表される構造を有する新規化合物であることが確認された。
(1) 外観は、無色シロップ状である。
(2) 分子式は、C1522Clで表される。
(3) 高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード)による、実験値は、m/z 403.0788(M+Na)であり、計算値は、m/z 403.0798(C1522ClNaとして)である。
(4) 比旋光度は、[α]23=+83°(c0.13、クロロホルム)、である。
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトルとして、600MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定したプロトン核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:1.27(3H,d,J=6.8Hz),1.33(3H,d,J=6.5Hz),1.82(1H,dd,J=3.8,14.4Hz),1.99(1H,dd,J=1.1,14.4Hz),2.27(3H,s),2.30(1H,brs),3.24(1H,brd,J=9.4Hz),3.38(3H,s),3.68(1H,dq,J=9.4,6.5,Hz),4.14(1H,brs),4.42(1H,dq,J=8.6,6.8Hz),4.84(1H,brd,J=3.1Hz),6.84(1H,d,J=8.6Hz),9.74(1H,brs)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトルとして、150MHzにおいて重クロロホルム中で30℃にて測定した炭素13核磁気共鳴スペクトルのピークは、以下の通りである。
δpm:11.3(q),16.3(q),17.9(q),35.0(t),50.6(d),55.2(q),65.3(d),73.4(s),74.2(d),98.2(d),110.3(s),110.9(s),118.7(s),127.6(s),159.3(s)
【化21】

【0070】
得られたアミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3)の細胞増殖抑制活性を、以下の試験例1で確認した。
【0071】
(試験例1:細胞増殖抑制活性)
ヒト前立腺間質細胞PrSC(Bio Whittaker社製)を10質量%FBS(Fetal bovine serum)(ICN Biomedicals社製)を含むDMEM(日水製薬株式会社製)で5×10細胞/mLに調製し、96穴プレートに0.1mLずつ播種し、アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3)を、それぞれ終濃度が0.024μg/mL、0.098μg/mL、0.391μg/mL、1.563μg/mL、6.25μg/mL、25μg/mL、及び100μg/mLになるように添加し、3日間、37℃、5%COの条件で、インキュベーターにて培養した。リン酸緩衝液で5mg/mLに調製したMTT(3−[4,5−dimethylthiazol−2−yl]−2,5−diphenyltetrazolium bromide)(Sigma社製)を10μLずつ各穴に加え、4時間、37℃、5%COの条件で、インキュベーターにて培養し、10mM塩酸で調製した20質量%SDS(sodium dodecylsulphate)を100μL加えて、1晩、37℃に静置し、MTTによって生成されたフォルマザンを溶解させた。吸光光度計にて570nmの吸光度を測定した(以下、「アミコロース誘導体添加サンプル吸光度」と称することがある。)。アミコロース誘導体無添加の場合の吸光度(以下、「コントロール吸光度」と称することがある。)を100%とし、各濃度のアミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3)について、下記計算式(1)より細胞増殖率を算出した。その結果を図5に示す。
細胞増殖率(%)=アミコロース誘導体添加サンプル吸光度/コントロール吸光度×100 ・・・計算式(1)
【0072】
図5より、アミコロース誘導体(化合物1、化合物2、及び化合物3)は細胞の増殖抑制活性が認められ、特に化合物1に顕著な細胞増殖抑制活性が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のアミコロース誘導体及びそれらの塩は、優れた細胞増殖抑制活性を有するため、癌などの細胞増殖を抑制する医薬組成物の有効成分として、好適に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物及びその塩。
【化22】

前記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。
【請求項2】
「R」が水素原子である請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項3】
「R」がメチル基である請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項4】
下記一般式(1)で表される化合物及びその塩の製造方法であって、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属に属し、下記構造式(4)で表される化合物及びその塩を生産する能力を有する微生物を培養し、得られた培養物から該構造式(4)で表される化合物及びその塩を採取し、該構造式(4)で表される化合物及びその塩を分解することを特徴とする化合物及びその塩の製造方法。
【化23】

前記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。
【化24】

【請求項5】
下記構造式(1)で表される化合物及びその塩の製造方法であって、分解が、酸性水溶液による加水分解である請求項4に記載の化合物及びその塩の製造方法。
【化25】

【請求項6】
酸性水溶液が、酢酸、硫酸、硝酸、及び塩化水素の少なくともいずれかを含有する請求項5に記載の化合物及びその塩の製造方法。
【請求項7】
下記構造式(2)及び下記構造式(3)の少なくともいずれかで表される化合物及びそれらの塩の製造方法であって、分解が、アルコール溶液による加溶媒分解である請求項4に記載の化合物及びその塩の製造方法。
【化26】

【化27】

【請求項8】
アルコール溶液が、酢酸、硫酸、硝酸、及び塩化水素の少なくともいずれかを含有する酸性アルコール溶液である請求項7に記載の化合物及びその塩の製造方法。
【請求項9】
下記一般式(1)で表される化合物及びその塩を含有することを特徴とする医薬組成物。
【化28】

前記一般式(1)中、「R」は水素原子及びアルキル基のいずれかを示す。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−46622(P2011−46622A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194376(P2009−194376)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000173913)財団法人微生物化学研究会 (29)
【Fターム(参考)】