説明

新規化合物

式(I):


式(I)
[式中、R、R、R、R、nおよびXは明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物またはその塩;かかる化合物の製法、かかる化合物を含む医薬組成物;および医薬におけるかかる化合物の使用が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンズアミド誘導体、その調製法、それらを含有する医薬組成物および医薬におけるその使用に関する。
本発明の化合物は、EP受容体アゴニストである。
【背景技術】
【0002】
多数の報文は、プロスタノイド受容体の特性化および治療上の関連性、ならびに最も一般的に使用される選択的アゴニストおよびアンタゴニストを記載する:Eicosanoids;From Biotechnology to Therapeutic Applications,Folco,Samuelsson,Maclouf,and Velo eds,Plenum Press,New York,1996,chap.14,137−154、およびJournal of Lipid Mediators and Cell Signalling,1996,14,83−87、およびProstanoid Receptors,Structure,Properties and Function,S Narumiyaら、Physiological Reviews 1999,79(4),1193−126。
【0003】
EP受容体は7回膜貫通型受容体であり、その天然リガンドがプロスタグランジンPGEである。PGEは他のEP受容体(タイプEP、EP、およびEP)に対しても親和性を有する。プロスタノイドEP受容体は、細胞内環状アデノシン一リン酸(cAMP)濃度の上昇に通常関連する一群の受容体に分類される。EP受容体は、平滑筋弛緩、眼内圧、疼痛(特に、炎症性疼痛、神経因性疼痛、および内臓痛)、炎症、神経保護、リンパ球分化、骨代謝過程、アレルギー作用、睡眠促進、腎臓調節、胃または腸粘液分泌、および十二指腸重炭酸塩分泌に関連している。EP受容体は、NarumiyaによってProstaglandins&Other Lipid Mediators 2002,68−69 557−73で概説されるように、動脈管の閉鎖、血管抑制、炎症、および骨リモデリングにおいて重要な役割を果たす。
【0004】
多数の刊行物は、EP受容体サブタイプを介して作用するPGE、およびEPアゴニスト単独が、炎症性刺激後に炎症性サイトカインを調節できることを実証している。Takayamaらは、Journal of Biological Chemistry 2002,277(46),44147−54において、PGEが、EP受容体を介してマクロファージ由来のケモカイン産生を抑制することによって炎症性疾患時に炎症を調節することを示した。Bioorganic&Medicinal Chemistry 2002,10(7),2103−2110において、Maruyamaらは、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−437)が、IL−10濃度を増大させながら、ヒト全血中のLPS誘導性TNF−αを抑制することを立証する。Anesthesiology,2002,97,170−176の論文は、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が、機械および熱痛覚過敏、ならびに急性および慢性単関節炎における炎症反応を効果的に阻害したことを示唆する。
【0005】
SakumaらのJournal of Journal of Bone and Mineral Research 2000,15(2),218−227と、MiyauraらのJournal of Biological Chemistry 2000,275(26),19819−23の独立した2つの論文は、EP受容体ノックアウトマウスから培養される細胞での障害のある破骨細胞の形成を報告する。Yoshidaらは、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2002,99(7),4580−4585において、各PGE受容体EPサブタイプを欠いているマウスの使用により、EPは、PGE投与に応答して骨形成を媒介する受容体であると同定した。該著者らはまた、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−4819)が野生型マウスにおいて骨形成を一貫して誘導することを立証した。加えて、Teraiらは、Bone 2005,37(4),555−562において、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−4819)の存在によって、骨形成を誘導することができる治療的サイトカインであるrhBMP−2の骨誘導能が高まることを示している。
【0006】
Larsenらによるさらなる研究は、ヒト十二指腸の第二部における分泌に対するPGEの効果が、EP受容体により媒介されることを示す(Acta.Physiol.Scand.2005,185,133−140)。また、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が、ラットの大腸炎を保護しうることが示されている(Nittaら、Scandinavian Journal of Immunology 2002,56(1),66−75)。
【0007】
Doreらは、The European Journal of Neuroscience 2005,22(9),2199−206において、PGEがEPおよびEP受容体に作用することによってニューロンをアミロイドβペプチド毒性から保護しうることを示している。さらには、Doreは、Brain Research 2005,1066(1−2),71−77において、EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が脳における興奮毒性の急性期モデルにおいて神経毒性から保護することを立証している。
【0008】
Woodwardらは、Journal of Lipid Mediators 1993,6(1−3),545−53において、選択的プロスタノイドアゴニストを使用して眼内圧を下げうることを見出した。Investigative Ophthalmology&Visual Scienceでの2つの論文は、プロスタノイドEP受容体がヒト水晶体上皮細胞で発現されることを明らかにし(Mukhopadhyayら、1999,40(1),105−12)、プロスタノイドEP受容体の眼の小柱状フレームワーク中の流れの調節における生理的役割を示唆する(Hoyngら、1999,40(11),2622−6)。
【0009】
EP受容体結合活性およびその用途を示す化合物は、例えば、国際公開第98/55468号、国際公開第00/18744号、国際公開第00/03980号、国際公開第00/15608号、国際公開第00/16760号、国際公開第00/21532号、国際公開第0/1010426号、欧州特許第0855389号、欧州特許第0985663号、国際公開第02/047669号、国際公開第02/50031号、国際公開第02/50032号、国際公開第02/50033号、国際公開第02/064564号、国際公開第03/103604号、国際公開第03/077910号、国際公開第03/086371号、国際公開第04/037813号、国際公開第04/067524号、国際公開第04/085430号、米国特許出願公開第04/142969号、国際公開第05/021508号、国際公開第05/105733号、国際公開第05/105732号、国際公開第05/080367号、国際公開第05/037812号、国際公開第05/116010号、国際公開第06/122403号、国際公開第07/088189号および国際公開第07/088190号に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第98/55468号
【特許文献2】国際公開第00/18744号
【特許文献3】国際公開第00/03980号
【特許文献4】国際公開第00/15608号
【特許文献5】国際公開第00/16760号
【特許文献6】国際公開第00/21532号
【特許文献7】国際公開第01/010426号
【特許文献8】欧州特許第0855389号
【特許文献9】欧州特許第0985663号
【特許文献10】国際公開第02/047669号
【特許文献11】国際公開第02/50031号
【特許文献12】国際公開第02/50032号
【特許文献13】国際公開第02/50033号
【特許文献14】国際公開第02/064564号
【特許文献15】国際公開第03/103604号
【特許文献16】国際公開第03/077910号
【特許文献17】国際公開第03/086371号
【特許文献18】国際公開第04/037813号
【特許文献19】国際公開第04/067524号
【特許文献20】国際公開第04/085430号
【特許文献21】米国特許出願公開第04/142969号
【特許文献22】国際公開第05/021508号
【特許文献23】国際公開第05/105733号
【特許文献24】国際公開第05/105732号
【特許文献25】国際公開第05/080367号
【特許文献26】国際公開第05/037812号
【特許文献27】国際公開第05/116010号
【特許文献28】国際公開第06/122403号
【特許文献29】国際公開第07/088189号
【特許文献30】国際公開第07/088190号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Eicosanoids;From Biotechnology to Therapeutic Applications,Folco,Samuelsson,Macloufおよび Velo編、Plenum Press,New York,1996,chap.14,137−154
【非特許文献2】Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling,1996,14,83−87
【非特許文献3】Prostanoid Receptors,Structure,Properties and Function,S Narumiyaら、Physiological Reviews 1999,79(4),1193−126
【非特許文献4】Narumiya、Prostaglandins&Other Lipid Mediators 2002,68−69 557−73
【非特許文献5】Takayamaら、Journal of Biological Chemistry 2002,277(46),44147−54
【非特許文献6】Maruyamaら、Bioorganic&Medicinal Chemistry 2002,10(7),2103−2110
【非特許文献7】Anesthesiology,2002,97,170−176
【非特許文献8】Sakuma、Journal of Journal of Bone and Mineral Research 2000,15(2),218−227
【非特許文献9】Miyaura、Journal of Biological Chemistry 2000,275(26),19819−23
【非特許文献10】Yoshidaら、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2002,99(7),4580−4585
【非特許文献11】Teraiらは、Bone 2005,37(4),555−562
【非特許文献12】Larsenら、Acta.Physiol.Scand.2005,185,133−140
【非特許文献13】Nittaら、Scandinavian Journal of Immunology 2002,56(1),66−75
【非特許文献14】Doreら、The European Journal of Neuroscience 2005,22(9),2199−206
【非特許文献15】Dore、Brain Research 2005,1066(1−2),71−77
【非特許文献16】Woodwardら、Journal of Lipid Mediators 1993,6(1−3),545−53
【非特許文献17】Mukhopadhyayら、Investigative Ophthalmology&Visual Science、1999,40(1),105−12
【非特許文献18】Hoyngら、Investigative Ophthalmology&Visual Science、1999,40(11),2622−6
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、式(I):
【化1】

式(I)
[式中、
はH、ハロ、またはC1−4アルキルであり;
は4ないし6員の非芳香族炭素環基またはフェニルあるいはピリジニルであり;
ここで、炭素環基またはピリジニル基は、同一または異なっていてもよい、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルおよびハロC1−4アルコキシからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、あるいはフェニル基は、同一または異なってもいてもよい、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルおよびハロC1−4アルコキシからなる群より選択される、1または2個の置換基で置換されており;
はハロであり;
はCOOH、CHCOOHまたはテトラゾリルであり;
XがCまたはNであり;および
nが0または1である;
ただし、Rが環の4位にある場合、該基はCHCOOHとはなり得ず;およびRが環の3位にある場合、Rは4−クロロフェニルではない]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0013】
本発明の一の実施形態において、Rはクロロである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rはメチルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rはフルオロである。
【0014】
本発明の一の実施形態において、Rはフェニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは3位がハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルまたはハロC1−4アルコキシで置換されているフェニルである。
【0015】
本発明の一の実施形態において、Rはクロロフェニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは2−クロロフェニルである。本発明のさらなる実施形態において、Rは3−クロロフェニルである。本発明のさらに別の実施形態において、Rは4−クロロフェニルである。
【0016】
本発明の一の実施形態において、Rはフルオロフェニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは3−フルオロフェニルである。
【0017】
本発明の一の実施形態において、Rはジフルオロフェニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは3,5−ジフルオロフェニルである。
【0018】
本発明の一の実施形態において、Rはメチルフェニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは3−メチルフェニルである。
【0019】
本発明の一の実施形態において、Rはメチルオキシフェニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは3−メチルオキシフェニルである。
【0020】
本発明の一の実施形態において、Rはシクロヘキサン.本発明のもう一つ別の実施形態において、Rはシクロブタンである。
【0021】
本発明の一の実施形態において、Rはトリフルオロメチルフェニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは3−トリフルオロメチルフェニルである。
【0022】
本発明の一の実施形態において、Rはピリジニルである。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rは3−ピリジニルである。本発明のさらなる実施形態において、Rは2−ピリジニルである。
【0023】
本発明の一の実施形態において、Rはメチルピリジニルである。本発明のさらなる実施形態において、Rは2−メチル−ピリジニルである。本発明のもう一つのさらなる実施形態において、Rは6−メチル−ピリジニルである。
【0024】
本発明の一の実施形態において、Rはフルオロである。本発明のさらなる実施形態において、Rは4−位にある。
【0025】
本発明の一の実施形態において、RはCOOHである。本発明のさらなる実施形態において、Rは3−位にあるCOOHである。本発明のもう一つのさらなる実施形態において、Rは4−位にあるCOOHである。
【0026】
本発明の一の実施形態において、RはCHCOOHである。本発明のさらなる実施形態において、Rは3−位にあるCHCOOHである。
【0027】
本発明の一の実施形態において、Rはテトラゾリルである。本発明のさらなる実施形態において、Rは4−位にあるテトラゾリルである。
【0028】
本発明の一の実施形態において、Rは4−位にあるCOOHであり、nは0である。
【0029】
本発明の一の実施形態において、XはCである。
【0030】
本発明の一の実施形態において、XはNである。
【0031】
本発明の一の実施形態において、Rはクロロであり、Rはクロロフェニルである。本発明のさらなる実施形態において、Rはクロロであり、Rは3−クロロフェニルである。本発明のもう一つのさらなる実施形態において、Rはクロロであり、Rは3−クロロフェニルであり、XはCである。本発明のもう一つのさらなる実施形態において、Rはクロロであり、Rは3−クロロフェニルであり、XはCであって、nは0である。本発明のもう一つ別の実施形態において、Rはクロロであり、Rは3−クロロフェニルであり、XはCであり、nは0であって、RはCHCOOHである。本発明のさらにもう一つ別の実施形態において、Rはクロロであり、Rは3−クロロフェニルであり、XはCであり、nは0であって、Rは3−位にあるCHCOOHである。
【0032】
本発明の一の実施形態において、XはCであり、Rはクロロであり、nは0であって、RはCOOHである。本発明のもう一つ別の実施形態において、XはCであり、Rはクロロであり、nは0であって、Rは4−位にあるCOOHである。本発明のさらなる実施形態において、XはCであり、Rはクロロであり、nは0であり、Rは4−位にあるCOOHであって、Rはトリフルオロメチルフェニルである。本発明のもう一つのさらなる実施形態において、XはCであり、Rはクロロであり、nは0であり、Rは4−位にあるCOOHであって、Rは3−トリフルオロメチルフェニルである。
【0033】
本発明の一の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の群:
4−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
3−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
6−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
4−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
5−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−フルオロ安息香酸;
[3−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
4−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−{[({2−クロロ−5−[(シクロヘキシルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;
4−{[({2−クロロ−5−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;
6−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
[3−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
3−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
6−({[(5−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
3−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
3−({[(5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−[({[2−クロロ−5−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(5−{[(3−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−メチル−5−{[(3−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−[({[2−クロロ−5−({[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸;
6−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−3−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
[3−({[(2−メチル−5−{[(3−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(6−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
[3−({[(5−{[(3−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−N−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]メチル}ベンズアミド;
4−{[({2−メチル−5−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;および
4−{[({2−フルオロ−5−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸
から選択される。
【0034】
本明細書にて用いられる場合、「C1−4アルキル」なる語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたは2−メチルプロピルなどの1ないし4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を包含する。
【0035】
本明細書にて用いられる場合、「C1−4アルコキシ」なる語は、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシまたは2−メチルプロピルオキシなどの1ないし4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のものを包含する。
【0036】
本明細書にて用いられる場合、「ハロC1−4アルキル」なる語は、1個または複数のハロ原子で置換されている1ないし4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチルまたはジフルオロエチルを包含する。
【0037】
本明細書にて用いられる場合、「ハロC1−4アルコキシ」なる語は、1個または複数のハロ原子で置換されている直鎖または分岐鎖のアルコキシ基、例えばトリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、トリフルオロエチルオキシまたはジフルオロエチルオキシを包含する。
【0038】
本明細書にて用いられる場合、「4ないし6員の非芳香族炭素環基」なる語は、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを意味する。
【0039】
本明細書にて用いられる場合、「ハロ」なる語はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0040】
本明細書にて用いられる場合、「テトラゾリル」なる語は、すべての互変異性体の形態を包含する。
【0041】
本明細書にて使用される際の、RおよびRについて疑義を回避するために、「3−位にある」なる語は、式(Z)にて番号3を付した位置にあることを意味し、「4−位にある」なる語は、式(Z)にて番号4を付した位置にあることを意味する。
【化2】

式(Z)
【0042】
環の番号付けは当業者に周知の従来の番号付けに従う。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、式(I)の化合物の医薬上許容される誘導体であって、それにより任意の医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはエステル、または式(I)の化合物のかかるエステルの塩もしくは溶媒和物、またはレシピエントに投与すると、式(I)の化合物またはその活性代謝物もしくは残渣を(直接的または間接的に)提供しうる任意の他の化合物を意味する、誘導体を包含すると理解すべきである。
【0044】
医薬用途では、上記の塩は医薬上許容される塩であるが、他の塩が、例えば、式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩の調製に使用されうることは明らかであろう。
【0045】
医薬上許容される塩には、Berge,BighleyおよびMonkhouse、J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19で記載されている塩が含まれる。「医薬上許容される塩」なる語は、無機塩基および有機塩基を含む医薬上許容される塩基から調製される塩を意味する。無機塩基から生じる塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン酸塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。医薬上許容される有機塩基から生じる塩には、第一級、第二級、および第三級アミン塩;天然の置換アミンを含む置換アミン;ならびに環状アミンの塩が含まれる。特定の医薬上許容される有機塩基には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどが含まれる。塩はまた、塩基性イオン交換樹脂、例えば、ポリアミン樹脂から形成されうる。
【0046】
式(I)の化合物が、適当なプロドラッグの代謝によってインビボで産生されうることは明らかであろう。かかるプロドラッグは、例えば、式(I)の化合物の生理学的に許容される代謝的に不安定なエステルでありうる。これらは、式(I)の親化合物中のカルボン酸基のエステル化し、適切な場合には事前に分子中に存在する任意の他の反応性基を保護し、続けて必要に応じて脱保護を行うことによって生成することができる。かかる代謝的に不安定なエステルの例として、C1−4アルキルエステル、例えば、メチル、エチル、もしくはt−ブチルエステル、C3−6アルケニルエステル、例えば、アリル置換もしくは非置換アミノアルキルエステル(例えば、アミノエチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、または2−(4−モルホリノ)エチルエステル、あるいはアシルオキシメチルまたは1−アシルオキシエチルなどのアシルオキシアルキルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル、1−ピバロイルオキシエチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1−(1−メトキシ−1−メチル)エチルカルボニルオキシエチル、1−ベンゾイルオキシエチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、1−イソプロポキシカルボニルオキシエチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチルエステル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル、または1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチルが挙げられる。
【0047】
本発明は、すべての幾何異性型、互変異性型、および光学異性型、ならびにそれらの混合物(例えば、ラセミ混合物)を含む、式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体のすべての異性体を包含することを理解すべきである。
【0048】
式(I)の化合物は医薬組成物で使用するためのものであるので、それぞれ実質的に純粋な形、例えば少なくとも50%の純度、少なくとも75%の純度、少なくとも95%の純度で提供されることが理解されよう(%は、重量/重量に基づく)。式(I)の化合物の純粋でない調製物は、医薬組成物で使用される純度のより高い形を調製するために使用される場合もある。本発明の中間化合物の純度はそれほど臨界的なものではないが、式(I)の化合物に関しては実質的に純粋な形が好ましいことは容易に理解されよう。可能である限り、本発明の化合物は結晶形で得られる。
【0049】
本発明の化合物のいくつかが有機溶媒から結晶化することができるか、または再結晶される場合、結晶化の溶媒は、結晶生成物中に存在してもよい。本発明は、遊離酸分子の溶媒和物および遊離酸分子から誘導される塩の溶媒和物を含め、かかる溶媒和物をその範囲内に包含する。同様に、本発明の化合物のいくつかは、含水溶媒から結晶化または再結晶する場合もある。かかる場合、水和水をなす場合もある。本発明は、化学量論的水和物、ならびに凍結乾燥などの方法によって生成されてもよい可変量の水を含有する化合物をその範囲内に包含する。本発明はまた、その範囲内に、式(I)の化合物の無水形態を包含する。さらに、異なる結晶化条件は、異なる結晶多形の結晶生成物を形成しうる。本発明は、本発明の化合物のすべての結晶多形をその範囲内に包含する。
【0050】
本発明はまた、式(I)のすべての同位体標識化合物もその範囲内に包含する。かかる化合物は、その中の1つまたは複数の原子が、通常自然界に見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されている点以外は、上記した化合物と同一である。式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体に組み込むことができる同位体の例として、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18Oおよび18Fなどの水素、炭素、窒素、酸素およびフッ素の同位体が挙げられる。
【0051】
式(I)の同位体標識化合物、例えば、3H、14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム、すなわち、3H同位体、および炭素−14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のため特に好ましい。11C同位体および18F同位体は、PET(ポジトロン放出断層撮影)に特に有用であり、脳画像診断に有用である。重水素、すなわち、2Hなどのより重い同位体によるさらなる置換は、より高い代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増大または必要用量の低減によって生ずるある種の治療上の利点をもたらすことができ、したがっていくつかの状況で好ましいことがある。式(I)の同位体標識化合物は、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することによって、下記のスキームおよび/または実施例で開示する合成手順を実施することによって調製してもよい。
【0052】
式(I)の化合物は、EP受容体アゴニストであるので、EP受容体媒介疾患を治療するのに有用でありうる。
【0053】
特に、式(I)の化合物は、疼痛、例えば、疾患修飾および関節構造保存特性を含む慢性関節痛(例えば、関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎、および若年性関節炎);筋骨格痛;腰痛および頚部痛;捻挫および筋挫傷;神経因性疼痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌に伴う疼痛および線維筋痛;片頭痛に伴う疼痛;インフルエンザまたは感冒などの他のウイルス感染症に伴う疼痛;リウマチ熱;非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛、および過敏性腸症候群などの腸機能障害に伴う疼痛;心筋虚血に伴う疼痛;術後痛;頭痛;歯痛;ならびに月経困難症の治療に有用でありうる。
【0054】
式(I)の化合物は、神経因性疼痛およびそれに付随する症状の治療に特に有用でありうる。神経因性疼痛症候群には、糖尿病性神経障害;坐骨神経痛;非特異性腰痛;多発性硬化症疼痛;線維筋痛;HIV関連神経障害;帯状疱疹後神経痛;三叉神経痛;および身体的外傷、切断、癌、毒素、または慢性炎症性病態によって生ずる疼痛が含まれる。神経因性疼痛の症状には、自発性電撃痛および乱刺痛、または進行中の灼熱痛が含まれる。さらに、「しびれ」(錯感覚および感覚異常)など通常は痛み以外の感覚、接触に対する感受性の増大(感覚過敏)、非侵害刺激後の痛い感覚(動的、静的、または熱的アロディニア)、侵害刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械痛覚過敏)、刺激除去後の継続的痛覚(ヒペルパチー)、あるいは選択的感覚系伝導路の欠如または欠損(痛覚鈍麻)に伴う疼痛が含まれる。
【0055】
式(I)の化合物は、炎症の治療、例えば、皮膚病態(例えば、日焼け、熱傷、湿疹、皮膚炎、乾癬);緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎などの眼疾患、および眼組織に対する急性傷害(例えば、結膜炎);肺障害(例えば、喘息、気管支炎、肺気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、ハト愛好家病、農夫肺、COPD);胃腸系障害(例えば、アフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、痘瘡状胃炎、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、消化管逆流症、下痢、便秘);臓器移植;血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、スクレロドーマ(sclerodoma)、重症筋無力症、多発性硬化症、ソルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性紅斑性狼瘡、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎、およびシェーグレン症候群などの炎症性要素を有する他の病態の治療にも有用でありうる。
【0056】
式(I)の化合物は、自己免疫疾患、免疫不全疾患、または臓器移植などの免疫疾患の治療にも有用でありうる。式(I)の化合物は、HIV感染の潜伏期を増大させるのにも有効でありうる。
【0057】
式(I)の化合物は、間欠性跛行、不安定狭心症、卒中、および急性冠症候群(例えば、閉塞性血管疾患)などの過剰なまたは望ましくない血小板活性化の疾患の治療にも有用でありうる。
【0058】
式(I)の化合物は、利尿作用を有する薬物としても有用であってもよく、または過活動膀胱症候群を治療するのに有用であってもよい。
【0059】
式(I)の化合物は、性不能または勃起不全の治療にも有用でありうる。
【0060】
式(I)の化合物は、骨粗鬆症(特に、閉経後骨粗鬆症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、骨パジェット病、骨溶解症、骨転移を伴うかまたは伴わない悪性腫瘍の高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、骨関節炎、骨痛、骨減少症、結石症(calculosis)、結石症(lithiasis)(特に、尿路結石症)、痛風および強直性脊椎炎、腱炎、ならびに滑液包炎などの異常骨代謝または吸収を特徴とする骨疾患の治療にも有用でありうる。
【0061】
式(I)の化合物はまた、骨再形成、および/または骨形成の促進、および/または骨折治癒の促進に有用でありうる。
【0062】
本発明の化合物はまた、NSAIDおよびCOX−2阻害薬の血行動態的副作用を減弱させるために有用でありうる。
【0063】
式(I)の化合物はまた、高血圧または心筋虚血などの心血管疾患;機能性または器質性静脈不全;静脈瘤療法;痔核;および動脈圧の著しい低下に伴うショック状態(例えば、敗血症性ショック)の治療に有用でありうる。
【0064】
式(I)の化合物はまた、認知症などの神経変性疾患、特に変性認知症(老年痴呆、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、およびクロイツフェルト−ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患を含む);血管性認知症(多発梗塞性痴呆を含む);ならびに頭蓋内占拠性病変、外傷、感染および関連病態(HIV感染を含む)、代謝、毒素;無酸素およびビタミン欠乏に伴う認知症;ならびに加齢に伴う軽度認知障害、特に加齢関連性記憶障害の治療に有用でありうる。
【0065】
式(I)の化合物はまた、神経学的障害の治療に有用であってもよく、神経保護剤として有用でありうる。本発明の化合物はまた、卒中後の神経変性、心停止、肺バイパス、外傷性脳損傷、脊髄損傷などの治療に有用でありうる。
【0066】
式(I)の化合物はまた、I型糖尿病の合併症(例えば、糖尿病性細小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、黄斑変性症、緑内障)、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、ブドウ膜炎、川崎病、およびサルコイドーシスの治療に有用でありうる。
【0067】
式(I)の化合物はまた、腎機能障害(腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、腎炎症候群)、肝機能障害(肝炎、肝硬変)、および胃腸障害(下痢)の治療に有用でありうる。
【0068】
治療という場合、確立した症状の治療と予防的治療の両方を包含することを理解すべきである。
【0069】
本発明のさらなる実施形態において、ヒトまたは動物用医薬に用いるための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩が提供される。
【0070】
本発明の別の実施形態において、EP受容体でのPGEの作用または作用の喪失により媒介される病態の治療に用いるための本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0071】
本発明のさらなる実施形態によれば、EP受容体でのPGEの作用または作用の喪失により媒介される病態に罹患しているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法が提供される。
【0072】
本発明のさらなる実施形態において、疼痛、炎症性障害、免疫性障害、骨障害、神経変性障害、または腎障害に罹患しているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法が提供される。
【0073】
本発明の一の実施形態において、EP受容体でのPGEの作用または該作用の喪失によって媒介される病態の治療のための医薬の製造のための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用が提供される。
【0074】
本発明の別の実施形態において、疼痛、炎症性障害、免疫性障害、骨障害、神経変性障害、または腎障害などの病態の治療または予防のための医薬のための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用が提供される。
【0075】
式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩は、好都合なことに医薬組成物の形で投与される。かかる組成物は、好都合なことに1種または複数の生理学的に許容される担体または賦形剤と混合して従来の手法で用いるために存在していてもよい。
【0076】
したがって、本発明の別の態様において、ヒトまたは動物用医薬の使用に適している式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
【0077】
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を、未加工の化学物質として投与することが可能であるが、医薬処方として存在することが好ましい。本発明の処方は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を、そのための1種または複数の許容される担体または希釈剤、および所望により他の治療用成分と共に含む。担体(複数)は、処方の他の成分と相溶性があり、かつそのレシピエントに有害でないという意味において「許容される」必要がある。かくして、一の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体または希釈体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0078】
処方には、経口、非経口(例えば、注射またはデポー錠剤による皮下、皮内、髄腔内、例えば、デポーによる筋肉内、および静脈内を含む)、直腸、および局所(経皮、口腔内、および舌下を含む)投与に適したものが含まれるが、最も適当な経路は、例えば、レシピエントの病態および障害に依存しうる。処方は、好都合なことには単位剤形で存在していてもよく、薬学分野でよく知られているいずれかの方法によって調製されてもよい(例えば、「Remington−The Science and Practice of Pharmacy」、第21版、Lippincott,Williams&Wilkins,USA、2005およびその中に記載の参考文献を参照のこと)。全ての方法には、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩(「活性成分」)を1種または複数の副成分を構成する担体と関連させる工程が含まれる。一般に、処方は、活性成分を液体担体または微細化固体担体または両方と均一かつ緊密に関連させ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の処方に成形することによって調製される。
【0079】
経口投与に適している本発明の処方は、カプセル剤、カシェ、または錠剤(例えば、特に小児投与用の咀嚼錠)など、それぞれ所定量の活性成分を含有する別々の単位として;粉末または顆粒として;水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして存在していてもよい。活性成分はまた、ボーラス、舐剤、またはペースト剤として存在していてもよい。
【0080】
錠剤は、所望により1つまたは複数の副成分と共に圧縮または成形によって作製してもよい。圧縮錠は、所望により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑剤、界面活性剤、または分散化剤と混合した粉末または顆粒などの易流動性形態の活性成分を、適当な機械で圧縮することによって調製してもよい。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を、適当な機械で成形することによって作製してもよい。錠剤は、所望によりコーティングまたは分割されていてもよく、その中の活性成分の持続放出または放出制御されるように処方してもよい。
【0081】
非経口投与用処方には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および処方を所定のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有しうる水性および非水性無菌注射液;ならびに懸濁化剤および粘稠化剤を含有しうる水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。処方には、単位用量または多回投与容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルで存在してもよく、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射用水を添加することしか必要としないフリーズドライ(凍結乾燥)条件で保存されてもよい。即時調合注射液および懸濁液は、上記の種類の無菌粉末、顆粒、および錠剤から調製されてもよい。
【0082】
直腸投与用処方は、ココアバター、硬化脂肪またはポリエチレングリコールなどの通常の担体との坐薬として存在していてもよい。
【0083】
口腔における局所投与、例えば、口腔内または舌下投与用処方には、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントなどのフレーバー基剤中に活性成分を含むロゼンジ、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの基剤中に活性成分を含む芳香錠が含まれる。
【0084】
式(I)の化合物はまた、デポー製剤として処方されてもよい。かかる長時間作用型処方は、移植によって(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、例えば、式(I)の化合物は、適当なポリマー物質もしくは疎水性物質(例えば、許容される油中エマルジョンとして)またはイオン交換樹脂と、あるいはやや溶けにくい誘導体、例えば、やや溶けにくい塩として処方されてもよい。
【0085】
特に上記の物質に加えて、処方には、当該処方のタイプを考慮して当該技術分野で慣用の他の物質が含まれていてもよく、例えば、経口投与に適しているものには、フレーバー剤が含まれていてもよい。
【0086】
式(I)の化合物は、他の治療剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、またはパレコキシブなどのCOX−2阻害薬;5−リポキシゲナーゼ阻害薬;パラセタモールなどの鎮痛剤;ジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトン、ナプロキセン、またはイブプロフェンなどのNSAID類;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;メトトレキサートなどのDMARD類;ラモトリジンなどのナトリウムチャネル遮断薬;N型カルシウムチャネルアンタゴニスト;グリシン受容体アンタゴニストなどのNMDA受容体モジュレーター;ガバペンチン、プレガバリン、および関連化合物;アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬;ニューロン安定性抗てんかん薬;ベンラファキシンなどのモノアミン作動性取り込み阻害薬;オピオイド鎮痛剤;局所麻酔薬;トリプタン類などの5HTアゴニスト、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、またはリザトリプタン;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EPアンタゴニスト;EPアンタゴニストおよびEPアンタゴニスト;カンナバノイド受容体アゴニスト;VRアンタゴニストと組み合わせて用いてもよい。化合物が他の治療剤と組み合わせて用いられる場合、化合物は任意の好都合な経路で連続してまたは同時に投与されてもよい。
【0087】
したがって、本発明は、さらなる実施形態において、さらなる治療剤または複数の治療剤と共に式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を含む組合せを提供する。本発明の一の実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩およびパラセタモールを含む組合せが提供される。
【0088】
上記の組合せは、好都合なことに医薬処方の形態で用いるために存在していてもよく、したがって医薬上許容される担体または賦形剤と共に上記の組合せを含む医薬処方は、本発明のさらなる態様をなす。特に、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、パラセタモールおよびそのための医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。かかる組合せの個々の成分は、別々のまたは組み合わせた医薬処方で連続してまたは同時に投与されてもよい。
【0089】
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を同じ疾患に対して活性な第2の治療剤と組み合わせて用いる場合、各化合物の投与量は、化合物が単独使用される場合の投与量と異なっていてもよい。適当な投与量は、当業者であれば容易に分かるであろう。
【0090】
本発明の一の実施形態において、PGEのEP受容体との作用により、あるいはその作用の喪失により媒介される病態を患っているヒトまたは動物の対象を治療する方法であって、該対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩およびパラセタモールを投与することを含む方法が提供される
【0091】
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の提案される日用量は、遊離酸として算出して、0.001〜30mg/体重(kg)/日であり、より具体的には0.1〜3mg/体重(kg)/日であり、単回または分割投与、例えば1回〜4回/日投与されてもよい。成人の投与量範囲は、遊離酸として算出して、一般に0.1〜1000mg/日、例えば、10〜800mg/日、好ましくは10〜200mg/日である。
【0092】
パラセタモールの適当な日用量は、一日当たり4000mgまでである。適当な単位用量として、200、400、500および1000mgを、一日当たり一回、二回、三回または四回投与した量が挙げられる。
【0093】
宿主、特にヒト患者に投与される式(I)の化合物の正確な量は、顧問医が関与するであろう。しかしながら、用いられる投与量は、患者の年齢および性別、治療中の正確な病態およびその重症度、投与経路、および試みられていてもよい任意の可能な併用療法を含む、多数の要因に依存するであろう。
【0094】
本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の製造方法を提供する。
【0095】
かくして、一の実施形態において、Rがテトラゾリル以外の基である式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の製造方法であって、式(II):
【化3】


[式中:
、R、RおよびXは式(I)にて定義した通りであり、nは0または1であり、Rはメチル、エチル、またはベンジル基などの適当なアルキルのエステル保護基を意味する]
で示される化合物を、水性酸と反応させ、その後、所望によりそのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成することを含む、方法が提供される。
【0096】
適当な酸は2N塩酸である。式(II)の化合物と酸を用いる上記した反応は、酢酸などの溶媒中、高温、例えば90℃で実施されるのが好都合である。
【0097】
本発明のさらなる実施形態において、Rがテトラゾリル以外の基である式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の製造方法であって、式(II):
【化4】


[式中:
、R、RおよびXは式(I)にて定義した通りであり、nは0または1であり、Rはメチル、エチル、またはベンジル基などの適当なアルキルのエステル保護基を意味する]
で示される化合物を、水性塩基と反応させ、その後、所望によりそのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成することを含む、方法が提供される。
【0098】
適当な塩基は水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを包含する。式(II)の化合物と塩基を用いる上記した反応は、一の溶媒、あるいはメタノール/水、エタノール/水、または1,4−ジオキサン/水の溶媒の混合液中で実施することが好都合である。該反応は外界温度または高温で行われてもよい。
【0099】
式(II)の化合物は、以下のスキーム1に従って調製されてもよい:
【化5】

【0100】
[式中、R、R、R、およびXは式(I)における記載と同意義であり、nは0または1であり、Rはメチル、エチルまたはベンジル基などの適当なアルキルのエステル保護基を意味する]。
【0101】
式(II)の化合物は、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩などのアミドカップリング試薬を用いて、式(C)および(D)の化合物より得ることができる。該反応は、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基と共にまたはなしで、外界温度または高温で実施されるのが好都合である。
【0102】
また、式(II)の化合物は、式(C)の化合物を酸塩化物にまず変換することを必要とする2工程操作によって式(C)の化合物より得てもよい。この反応は、式(C)の化合物を、塩化チオニルまたは塩化オキサリルなどの試薬と外界温度または高温で、所望により化学量論量以下のジメチルホルムアミドの存在下で処理することにより達成されるのが好都合である。過剰量の試薬を蒸発により、必要ならば、トルエンを用いて共沸蒸留に付して除去した後、粗酸塩化物を、典型的にはジクロロメタンなどの溶媒中、ピリジンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下、外界温度または高温で、式(D)の化合物と反応させる。
【0103】
式(D)の化合物は市販されているか、あるいは文献に記載されており、当該分野にて公知の方法に従って市販されている出発物質より容易に製造され得る。例えば、4−(アミノメチル)安息香酸メチル塩酸塩はSigma-Aldrichより入手可能である。
【0104】
式(C)の化合物は、式(B)の化合物を水酸化リチウムなどの塩基で処理して得るのが好都合である。該反応は、1,4−ジオキサン/水などの溶媒の混合液中、高温で、例えば60℃で実施されるのが好都合である。
【0105】
式(B)の化合物は、式(A)の化合物を、ハロゲン化アルキルなどのアルキル化剤で処理することにより得てもよい。該反応は、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、高温、例えば60℃で実施されるのが好都合である。
【0106】
式(A)の化合物は市販されているか、あるいは当該分野にて公知の方法に従って製造されてもよい。例えば、2−クロロ−5−ヒドロキシ安息香酸はApin Chemicals Ltd., UKより入手可能である。
【0107】
また別に、式(II)の化合物は以下のスキーム2に従って調製されてもよい:
【化6】

【0108】
[式中、R、R、R、およびXは式(I)の記載と同意義であり、nは0または1であり、Rはメチル、エチルまたはベンジル基などの適当なアルキルのエステル保護基を意味する]。
【0109】
式(II)の化合物は、式(F)の化合物をハロゲン化アルキルなどのアルキル化剤で処理することにより得てもよい。該反応は、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、外界温度または高温で実施されるのが好都合である。
【0110】
また別に、式(II)の化合物は、式(F)の化合物をアルコールと、トリフェニルホスフィンおよびジイソプロピルアゾジカルボキシラートの存在下、テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることにより得てもよい。
【0111】
式(F)の化合物は、式(E)の化合物をナトリウムメトキシドなどの塩基と、メタノールなどの溶媒中、外界温度または高温で反応させることにより得るのが好都合である。
【0112】
式(E)の化合物は、第一に式(A)の化合物を2,2−ジメチルプロパノイルクロリドと反応させ、中間体の酸無水物を形成することを必要とする2工程の操作により、式(A)の化合物より得ることができる。この反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、ジクロロメタンなどの溶媒中、外界温度または高温で実施されるのが好都合である。ついで、式(D)の化合物を、さらなる溶媒および塩基と共に反応物に添加することにより、該粗酸無水物を、単離することなく、式(E)の化合物に変換してもよい。
【0113】
本発明のさらなる実施形態において、Rがテトラゾリルである式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の製造方法であって、式(IIa):
【化7】


[式中、R、R、Rは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物をテトラゾール誘導体に変換し、所望によりその後で、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成することを含む方法が提供される。
【0114】
この変換を実施するための適当な条件は、アジドトリメチルシランおよびトリメチルアルミニウムのトルエンなどの溶媒中混合物の高温、例えば80℃での使用を包含する。
【0115】
式(IIa)の化合物は、式(C)の化合物および4−(アミノエチル)ベンゾニトリルより、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩などのアミドカップリング試薬を用いて得てもよい。該反応は、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基と一緒にまたはなしで、外界温度または高温で実施されるのが好都合である。
【0116】
また別に、式(IIa)の化合物は、式(C)の化合物を酸塩化物にまず変換することを必要とする2工程操作によって式(C)の化合物より得てもよい。この反応は、式(C)の化合物を、塩化チオニルまたは塩化オキサリルなどの試薬と外界温度または高温で、所望により化学量論量以下のジメチルホルムアミドの存在下で処理することにより達成されるのが好都合である。過剰量の試薬を蒸発により、必要ならば、トルエンを用いて共沸蒸留に付して除去した後、粗酸塩化物を、典型的にはジクロロメタンなどの溶媒中、ピリジンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下、外界温度または高温で、4−(アミノメチル)ベンゾニトリルと反応させる。
【0117】
以下の記載例および実施例は式(I)の化合物の調製について説明するものである。記載例は中間化合物に言及するものであり、実施例は式(I)の化合物に言及するものである。中間化合物を調製するための出発物質はその言及するバッチより必ずしも調製される必要はない。実施例の化合物を調製するための中間体はその言及するバッチより必ずしも調製される必要はない。
【0118】
中間体1:2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}安息香酸(3−クロロフェニル)メチル
【化8】

【0119】
2−クロロ−5−ヒドロキシ安息香酸(500mg、2.9ミリモル)のDMF(20ml)中混合物に、炭酸カリウム(1.0g、7.3ミリモル、2.5当量)および臭化3−クロロベンジル(0.8ml、6.1ミリモル、2.1当量)を加えた。該混合物を60℃で2.5時間加熱した。冷却後、該混合物を酢酸エチル(300ml)で希釈し、水(2x100ml)、ついでブライン(70ml)で洗浄した。有機層を真空下で乾燥かつ蒸発させた。残渣をヘキサン中0−30%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィー(Biotage SP4、100gシリカカラム)に付して精製し、標記化合物を透明な油として得た(1.16g)。MS(ES+)m/z 421[M+H](C211535Cl)。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ 5.19(2H,s)、5.35(2H,s)、7.26(1H,dd,J8.8,J3.2)、7.40−7.56(10H,m)。
【0120】
中間体2:2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}安息香酸
【化9】

【0121】
2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}安息香酸(3−クロロフェニル)メチル(970mg、2.3ミリモル)のジオキサン(30ml)および水(15ml)中溶液を水酸化リチウム(一水和物)(145mg、3.5ミリモル、1.5当量)で処理した。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。ついで溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を水(50ml)に溶かし、エーテル(100ml)で洗浄した。ついで水層を2M HClで酸性にし、エーテル(2x150ml)で抽出した。有機層を合し、ブラインで洗浄し、真空下で乾燥かつ蒸発させて、標記化合物を白色固体として得た(600mg)。MS(ES−)m/z 295[M−H](C141035Cl)。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ5.17(2H,s)、7.17−7.20(1H,m)、7.38−7.53(6H,m)、13.4(1H,s)。
【0122】
中間体2について使用される方法と類似する2工程方法(アルキル化、つづいてエステル加水分解)であって、記載される操作と以下の表に示される相違点を有する方法により、中間体3ないし17を適宜置換した5−ヒドロキシ安息香酸から得た:
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】

【0123】
中間体18:4−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル
【化10】

【0124】
2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}安息香酸(250mg、0.84ミリモル)およびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(250mg、1.3ミリモル)のDCM(3ml)中溶液を室温で30分間攪拌した。4−(アミノメチル)安息香酸メチル塩酸塩(262mg、1.3ミリモル)のDCM(2ml)中溶液を添加し、つづいてN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(220μl、1.3ミリモル)を加えた。該混合物を40℃で一夜加熱した。該混合物を40℃で一夜加熱した。ついで、該混合物をメタノールで希釈し、メタノールで溶出するSCXカートリッジにより精製した。フラクションを合し、蒸発させて標記化合物を白色固体として得た。MS(ES+)m/z 444 [M+H](C231935ClNO)。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ 3.85(3H,s)、4.51(2H,d,J4)、5.17(2H,s)、7.12(2H,d,J8)、7.42−7.49(7H,m)、7.95(2H,d,J8)、9.06(1H,s)。
【0125】
以下の実施例19は、上記の中間体8と同様の操作にて調製した。
【表2】

【0126】
中間体20:[3−(アミノメチル)フェニル]酢酸エチル塩酸塩
【化11】

【0127】
(3−シアノフェニル)酢酸(3g、18.6ミリモル)、チャコール上10%パラジウム(300mg)および濃塩酸(3滴、4.6ml、55.8ミリモル)のエタノール(100ml)中混合物を水素添加の雰囲気に一夜供した。得られた混合物をハイフロ(hyflo)を通して濾過し、触媒をエタノールで十分に洗浄した。ついで、溶媒を真空下で蒸発させて軽い手触りの白色固体を得た。これをエーテルでトリチュレートし、濾過し、白色固体を得た(2.76g)。H−NMR(400MHz、d4−MeOH)δ 1.24(3H,t,J8.0)、3.69(2H,s)、4.11(2H,s)、4.15(2H,q,J13.2 6.0)、7.17−7.20(1H,m)、7.34−7.44 (4H,m)。
【0128】
中間体21:4−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル
【化12】

【0129】
5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−フルオロ安息香酸(343mg、1.22ミリモル)のジクロロメタン(5ml)中溶液を塩化オキサリル(1.5当量、160μl、1.83ミリモル)およびDMF(1滴)で処理した。泡立ちが観察され、該混合物を室温で1時間攪拌した。ついで、溶媒を真空下で蒸発させ、トルエンと共沸蒸留させた。得られた固体の一部(122mg、0.41ミリモル)をジクロロメタン(5ml)に溶かし、トリエチルアミン(2.5当量、142μl、1.02ミリモル)および4−(アミノメチル)安息香酸メチル塩酸塩(1.5当量、124mg、0.61ミリモル)で処理した。該混合物を室温で18時間攪拌した。ついで、該混合物をメタノールで希釈し、メタノールで溶出するSCXカートリッジを用いて精製した。フラクションを合し、蒸発させて標記化合物を白色固体として得た(227mg)。MS(ES+)m/z 428 [M+H](C231935CIFNO)。
【0130】
4−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル(中間体21)と同様の2工程方法であって、記載される操作と以下の表に示される相違点を有する方法により、以下の中間体22ないし43を適当な出発物質より調製した:
【表3−1】


【表3−2】


【表3−3】


【表3−4】


【表3−5】

【0131】
中間体44:4−{[({2−クロロ−5−[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸メチル
【化13】

【0132】
2−クロロ−5−ヒドロキシ安息香酸(1.0g、5.8ミリモル)のDCM(10ml)中溶液をトリエチルアミン(2.5当量、2.0ml、14.5ミリモル)および2,2−ジメチルプロパノイルクロリド(2.0当量、1.43ml、11.6ミリモル)で処理した。混合物を室温で2時間攪拌した。ついで、4−(アミノメチル)安息香酸メチル塩酸塩(1.5当量、1.75g、8.7ミリモル)およびトリエチルアミン(2.0当量、1.6ml、11.6ミリモル)のDCM(10ml)中溶液を加え、該混合物を室温でさらに2時間攪拌した。該混合物をDCM(300ml)および水性炭酸水素ナトリウム(100ml)で希釈し、層を分離し、水層を再びDCM(200ml)で抽出した。有機層を合し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させた。残渣をHex中0−30%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(Biotage SP4)に付して精製し、標記化合物を白色固体として得た。MS(ES+)m/z 404[M+H](C212235ClNO)。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ 1.30(9H,s)、3.85(3H,s)、4.51(2H,d,J6)、7.24(1H,dd,J8.8,J2.8)、7.29(1H,d,J2.8)、7.51(2H,d,J8.8)、7.56(2H,d,J8.4)、7.95(2H,m)。
【0133】
中間体45:4−({[(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル
【化14】

【0134】
4−{[({2−クロロ−5−[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸メチル(590mg、1.46ミリモル)およびナトリウムメトキシド(1.2当量、95mg、1.76ミリモル)のメタノール(10ml)中溶液を65℃で一夜攪拌した。冷却後、溶媒を真空下で蒸発させ、標記化合物を白色固体として得た。MS(ES+)m/z 320[M+H](C161435ClNO)。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ 3.84(3H,s)、4.45(2H,d,J6)、6.55(2H,m)、6.99(1H,d,J8.8)、7.46(2H,d,J8.4)、7.92(2H,m)、8.82(1H,t)。
【0135】
中間体46:4−[({[2−クロロ−5−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸メチル
【化15】

【0136】
4−({[(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル(95mg、0.3モル)、炭酸カリウム(2当量、83mg、0.6ミリモル)および1−(ブロモメチル)−3−(メチルオキシ)ベンゼン(1.2当量、50μl、0.36ミリモル)のDMF(2ml)中溶液を室温で2時間攪拌した。ついで、該混合物を酢酸エチル(100ml)およびHO(80ml)で希釈した。層を分離し、有機層をブライン(80ml)で洗浄し、ついで真空下で乾燥かつ蒸発させた。残渣をヘキサン中0−40%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィー(Biotage SP4)に付して精製し、標記化合物を透明油として得た。MS(ES+)m/z 440[M+H](C242235ClNO)。H−NMR(400MHz、d−DMSO) δ 3.76(3H,s)、3.85(3H,s)、4.51(2H,d,J6)、5.12(2H,s)、6.89−7.96(11H,m)、7.46(2H,d,J8.4)、7.92(2H,m)、9.05(1H,t,J6)。
【0137】
4−[({[2−クロロ−5−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸メチル(中間体46)と同様の2工程方法を用いて、適当な出発材料から、以下の中間体47および48を調製した:
【表4】

【0138】
中間体49:4−({[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−3−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル
【化16】

【0139】
4−({[(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル(100mg、0.31ミリモル)のTHF(5ml)中溶液を、トリフェニルホスフィン(1.2当量、98mg、0.37ミリモル)、(2−メチル−3−ピリジニル)メタノール(38mg、0.31ミリモル)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(1.2当量、110μl、0.56ミリモル)で処理し、室温で4時間攪拌した。混合物をメタノールで希釈し、最初にメタノールで、ついでメタノール中2Mアンモニアで溶出するSCXカートリッジに付して精製した。基準フラクションを合し、蒸発させて標記化合物を灰白色固体として得た。MS(ES+)m/z 425[M+H](C232135ClN)。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ 3.85(3H,s)、4.51(2H,d,J6)、5.18(2H,s)、7.10−7.96(9H,m)、8.42(1H,dd,J1.6,J4.8)、9.07(1H,t,J6)。
【0140】
以下の中間体50を上記の中間体49と同様の方法にて調製した:
【表5】

【0141】
実施例1:4−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸
【化17】

【0142】
4−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル(113mg、0.25ミリモル)の酢酸(10ml)および2M HCl(10ml)中溶液を90℃で6時間加熱した。90℃での加熱を6時間続けた。冷却すると固体が析出した。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて標記化合物を白色固体として得た(67mg)。MS(ES+)m/z 430[M+H](C221735ClNO)。H−NMR(400MHz、d−DMSO) δ 4.51(2H,d,J6.0)、5.20(2H,s)、7.11−7.16(2H,m)、7.37−7.54(6H,m)、7.59−7.62(1H,m)、7.91−7.94(2H,m)、9.10(1H,t,J6.0)、12.89(1H,s)。
【0143】
4−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸(実施例1)と同様の2工程方法であって、記載される操作と以下の表に示される相違点を有する方法により、適当な中間体から以下の実施例2ないし19を調製した:

【表6−1】


【表6−2】


【表6−3】


【表6−4】

【0144】
実施例20:4−[({[2−クロロ−5−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸
【化18】

【0145】
4−[({[2−クロロ−5−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸メチル(106mg、0.24ミリモル)および水酸化リチウム(2当量、20mg、0.48ミリモル)のジオキサン(3ml)およびHO(1.5ml)中溶液を65℃で3時間加熱した。冷却して、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を2M HClで酸性にし、ろ過して標記化合物を白色固体として得た。MS(ES+)m/z 426[M+H](C232035ClNO)。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ 3.76(3H,s)、4.50(2H,d,J6)、5.12(2H,s)、6.91(1H,dd,J1.6,J7.6)、7.02(1H,s)、7.09(2H,m)、7.30(1H,t,J4)、7.40−7.47(2H,m)、7.92(2H,d,J8)、9.04(1H,t,J6)
【0146】
4−[({[2−クロロ−5−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸(実施例2)と同様の2工程方法であって、記載される操作と以下の表に示される相違点を有する方法により、適当な中間体から以下の実施例21ないし29を調製した:

【表7−1】


【表7−2】

【0147】
実施例30:2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−N−{[4−(テトラゾール−5−イル)フェニル]メチル}ベンズアミド
【化19】

【0148】
アジドトリメチルシラン(0.027ml、0.20ミリモル)を、0℃、アルゴン雰囲気下にてトリメチルアンモニウムのトルエン中撹拌溶液(2M、0.102ml、0.20ミリモル)に滴下した。ついで、中間体47(36mg、0.09ミリモル)のトルエン(2ml)中懸濁液を添加し、反応物を80℃に加熱した。この温度で17時間撹拌した後、反応物を冷却し、6N HCl(10ml)および酢酸エチル(10ml)に注いだ。層が分離し、水相をさらに酢酸エチル(2x10ml)で抽出した。合した有機層をブライン(10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して灰白色固体を得、それをMDAPに付して精製し、標記化合物を白色固体として得た(18mg)。 LC(5分)2.88、MS(ES+)m/z 454[M+H](C221735Cl )。H−NMR(400MHz、d−DMSO)δ 4.52(2H,d,J6)、5.18(2H,s)、7.10−7.16(2H,m)、7.39−7.60(7H,m)、8.02(2H,d,J8)、9.07(1H,t,J6)。
【0149】
生物学的データ
インビトロcAMPアッセイ
組換えヒトプロスタノイドEP受容体を発現するHEK−293(T)細胞(HEK−EP細胞)を用いて研究が行われた。細胞を、glutamax II(Gibco)を含有し、10%ウシ胎仔血清(Gibco)および0.4mg/ml G418を補充した、DMEM−F12/F12中の単層培養物として増殖させた。HEK−EP細胞を、実験の24時間と30分前に、10μMインドメタシンで前処理し、10μMインドメタシンを含有するヴェルセン(Versene)を用いて採取した。細胞を1ml当たり1×10細胞でアッセイ緩衝液(DMEM:F12、10μMインドメタシンおよび200μM IBMX)に再懸濁させ、37℃で20分間インキュベートした。その後、50μlの細胞を、50ulアゴニスト(式(I)の化合物)に加え、反応を停止する前の4分間、100μlの1%トリトンX−100と一緒にインキュベートした。細胞溶解物中のcAMP濃度を、競合結合アッセイを用いて決定した。該アッセイにおいて、細胞溶解物のプロテインキナーゼAの結合サブユニットに結合する3H−cAMP(Amersham)の抑制能を測定し、cAMP濃度を標準曲線から計算した。各化合物についてのデータを、10nM最大濃度の標準アンタゴニストPGEに対する反応の%として表した。各化合物について、最大反応およびその最大反応の50%をもたらす化合物の濃度を計算した。内活性はPGEに対する最大反応と比例して示される。明記しない限り、試薬は、Sigma社から商業的に購入されたものである。
【0150】
本発明の実施例を上記アッセイにて試験し、6.43以上の平均pEC50値および17.4以上の平均内活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

式(I)
[式中、
はHあるいはハロゲンまたはC1−4アルキルであり;
は4ないし6員の非芳香族炭素環基あるいはフェニルまたはピリジニルであり;
ここで、炭素環基またはピリジニル基は、同一または異なってもよい、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルおよびハロC1−4アルコキからなる群より選択される、1個または2個の置換基により置換されていてもよく;あるいはフェニル基は、同一または異なってもよい、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルおよびハロC1−4アルコキからなる群より選択される、1個または2個の置換基により置換されており;
はハロゲンであり;
はCOOH、CHCOOHまたはテトラゾリルであり;
XはCまたはNであり;
nは0または1である;
ただし、Rが環の4位にある場合、RはCHCOOHではあり得ず;Rが環の3位にある場合、Rは4−クロロ−フェニルではない]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
がクロロである、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
が、同一または異なってもよい、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキルおよびハロC1−4アルコキからなる群より選択される、1個または2個の置換基により置換されているフェニルである、請求項1または請求項2記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
4−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
3−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
6−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
4−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
5−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−フルオロ安息香酸;
[3−({[(2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
4−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−{[({2−クロロ−5−[(シクロヘキシルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;
4−{[({2−クロロ−5−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;
6−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
[3−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
3−({[(5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
6−({[(5−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
3−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
3−({[(5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−[({[2−クロロ−5−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(5−{[(3−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−({[(2−メチル−5−{[(3−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
4−[({[2−クロロ−5−({[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]安息香酸;
6−({[(2−クロロ−5−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)−3−ピリジンカルボン酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(2−メチル−3−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
[3−({[(2−メチル−5−{[(3−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
4−({[(2−クロロ−5−{[(6−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸;
[3−({[(5−{[(3−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−2−メチルフェニル)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]酢酸;
2−クロロ−5−{[(3−クロロフェニル)メチル]オキシ}−N−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]メチル}ベンズアミド;
4−{[({2−メチル−5−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;および
4−{[({2−フルオロ−5−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸
からなる群より選択される、請求項1記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項6】
ヒトまたは動物の医薬に用いるための請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
PGEのEP受容体との作用またはその作用の喪失により媒介される症状の治療にて用いるための請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項8】
PGEのEP受容体との作用またはその作用の喪失により媒介される症状を患っているヒトまたは動物の対象の治療方法であって、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を該対象に投与することを含む、方法。
【請求項9】
痛みまたは炎症、免疫または骨疾患、神経変性疾患あるいは腎機能不全を患っているヒトまたは動物の対象を治療する方法であって、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を該対象に投与することを含む、方法。
【請求項10】
PGEのEP受容体との作用またはその作用の喪失により媒介される症状の治療または予防用医薬の製造における、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項11】
痛み、あるいは炎症性、免疫学的、骨、神経変性あるいは腎障害などの症状の治療または予防用医薬の製造における、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。

【公表番号】特表2011−502969(P2011−502969A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531523(P2010−531523)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064700
【国際公開番号】WO2009/056582
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】