説明

新規合成ハイドロタルサイト粒子及びその製法

【課題】本発明の目的は、カサが低く、打錠したときに小さい錠剤が得られるハイドロタルサイト粒子を提供することである。
【解決手段】本発明は、顕微鏡観察下における形状が球状であり、かつ下記式(1)で表される合成ハイドロタルサイト粒子である。
MgAl(OH)2(x‐y+3)(CO・mHO (1)
(式中x、yおよびmは5.2≦x≦6.3,1≦y≦2.0,3≦m≦8を満足する値とする。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規で、特殊な形状、すなわち球状を有する合成ハイドロタルサイト粒子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成ハイドロタルサイト粒子は、陰イオン交換による酸の不活性化や優れた酸中和能を有しており、更に、構成元素の置換及び陰イオンの種類を変換できる等の特異な性質を活用し、医薬用制酸剤(特許文献1,2)、吸着剤(特許文献3,4)、ポリオレフィン系樹脂の触媒残分の中和剤(特許文献5)、塩素系樹脂の安定剤(特許文献6)等多岐にわたる分野で利用されている。しかしながら、従来のハイドロタルサイト粒子はカサが3〜6mL/gと高く、更に錠剤としたとき硬度が高くなりやすい。よって、目標とする硬度の錠剤を得るために打錠時の圧力を低くしなければならなく、結果として得られた錠剤は厚みが厚く大きなものとなり服用しにくいという欠点があった。従って、カサが低く、打錠したとき小さな錠剤が得られる合成ハイドロタルサイトが求められてきたが、これらの課題を解決するまでに至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭46−2280号公報
【特許文献2】特公昭50−30039号公報
【特許文献3】特開2004−285485号公報
【特許文献4】特開2006−239661号公報
【特許文献5】特開昭57−19133号公報
【特許文献6】特開昭55−80445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、カサが低く、打錠したときに小さい錠剤が得られるハイドロタルサイト粒子を提供することである。すなわち、新規形状を有し、カサが低く、特に錠剤としたときその錠剤サイズが小さいものとなる、ハイドロタルサイト粒子及びその製造方法を提供できることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のように、合成ハイドロタルサイト粒子については多くの検討がなされているが、いずれもカサが高く、特に医薬用制酸剤錠剤用に利用するに当たっては錠剤サイズが大きく服用しにくいものであった。従って、カサが低く打錠したときの錠剤サイズの小さい、合成ハイドロタルサイト粒子が嘱望されている。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ハイドロタルサイト製造時の原料を特定することにより、目的の合成ハイドロタルサイト粒子が得られることを見出した。すなわち、形状が球状の合成ハイドロタルサイト粒子が得られ、従来の合成ハイドロタルサイト粒子に比べカサが低く、例えば錠剤としたときサイズの小さい錠剤が得られ、更に、比較的安価に目的のハイドロタルサイト粒子が得られることを見出し本発明を完成した。
【0006】
1.本発明で得られた合成ハイドロタルサイト粒子は、下記式(1)で表わされ、形状が球状である合成ハイドロタルサイト粒子である。
MgAl(OH)2(x‐y+3)(CO3)y・mH2O (1)
(式中x、yおよびmは5.2≦x≦6.3,1≦y≦2.0,3≦m≦8を満足する値とする。)
【0007】
本発明の形状が球状である合成ハイドロタルサイト粒子は、日本薬局方外医薬品規格2002年収載規格に適合することを特徴とし、更に、該ハイドロタルサイト粒子はカサが低く、錠剤としたときサイズが小さいものとなるので制酸剤として有効で、さらにその他利用範囲の広いものとなる。
【0008】
本発明の製造方法は下記である。
<製造方法>
本発明の形状が球状のハイドロタルサイトは、以下の工程により製造することができる。
(1)塩基性炭酸マグネシウム粒子の水懸濁液と水酸化アルミニウムの水懸濁液とを、マグネシウム原子とアルミニウム原子との比(Mg/Al)が2.6〜3.2となる割合で混合し、さらに苛性アルカリを加えて該液pH8.5〜12.5で、0〜40℃の温度、好ましくは5〜35℃の温度で反応させる工程、
(2)得られた反応液を50〜100℃で0.5〜20時間加熱熟成する工程、
(3)熟成後液からハイドロタルサイト粒子を固液分離する工程。
【0009】
(反応)
水酸化アルミニウム粒子は、日本薬局方第十五改正適合の乾燥水酸化アルミニウムゲル粒子であり、乾燥品または乾燥前スラリーであってもよい。炭酸マグネシウム粒子は、形状が球状であり、長径をa、短径をbとしたときに、b/a≧0.7の球状もしくは回転楕円体であり、前記球状粒子の粒径が10〜100μmである塩基性炭酸マグネシウムであり、このような形状の塩基性炭酸マグネシウムは特開昭60−54915号公報、特開昭61−63526号公報等の方法により得られたものを用いる。b/aの下限についてはこれ以下であると目的のハイドロタルサイト粒子を得ることができない。また、粒径についても前記上下限を逸脱すると目的とするハイドロタルサイト粒子を得ることができない。
また、用いるマグネシウム原子とアルミニウム原子の混合比率(Al/Mg)2.6〜3.2は、得られたハイドロタルサイト粒子が日本薬局方外医薬品規格のモル比規格に適合する範囲である。
苛性アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
反応pHは、8.5〜12.5好ましくは10.0〜12.0である。反応pHが8.5以下であるとハイドロタルサイト生成率が低くなり、また後工程の熟成に多大のエネルギーを必要とするので不利である。逆に反応pH12.5以上では、pH調整のための苛性アルカリの使用量が多大となりこれもまた不利である。
なお、反応温度に関しては特に限定するものではないが、0〜40℃、好ましくは15〜35℃の範囲であれば十分である。
【0010】
(熟成)
熟成は、得られた反応液を50〜100℃、好ましくは70〜90℃で維持することにより行う。また、熟成時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜3時間である。
(固液分離、)
熟成後反応液を、固液分離する。通常ろ過、洗浄、脱水及び乾燥させる。
【0011】
すなわち本発明は、
1.顕微鏡観察下における形状が球状であり、且つ下記式(1)を満足する新規合成ハイドロタルサイト粒子、
MgAl(OH)2(x‐y+3)(CO3)y・mH2O (1)
(式中x、yおよびmは5.2≦x≦6.3,1≦y≦2.0,3≦m≦8を満足する値とする。)
2.上記球状粒子の長径をa、短径をbとしたきに、b/a≧0.7、好ましくはb/a≧0.8の球状もしくは回転楕円体であり、前記球状粒子の平均粒径が10〜100μm、好ましくは20〜80μmである前記1記載の合成ハイドロタルサイト粒子、
3.錠剤としたときの硬度が20〜200N、好ましくは40〜150Nである前記1記載の合成ハイドロタルサイト粒子、
4.見掛け比容が1.5〜3mL/gである前記1記載の合成ハイドロタルサイト粒子、
5.BET法で測定された比表面積が30〜200m/gである前記1記載のハイドロタルサイト粒子、
6.合成ハイドロタルサイト粒子はその性状が、日本薬局方外医薬品規格2002年収載規格に適合する前記1記載のハイドロタルサイト粒子、
7.(1)炭酸マグネシウム粒子の水懸濁液と水酸化アルミニウムの水懸濁液とを、マグネシウム原子とアルミニウム原子との比(Mg/Al)が2.6〜3.2となる割合で混合し、さらに苛性アルカリを加えて該液pH8.5〜12.5で反応させる工程、
(2)反応液を50〜100℃で0.5〜20時間加熱熟成する工程、
(3)熟成後液からハイドロタルサイト粒子を固液分離、することからなる形状が球状の合成ハイドロタルサイト粒子の製造方法、
8.水酸化アルミニウム水懸濁液を乾燥することにより得られる水酸化アルミニウム粒子が、日本薬局方第十五改正適合の乾燥水酸化アルミニウムゲルである前記7記載の製造方法、
9.炭酸マグネシウム粒子は形状が球状であり、長径をa、短径をbとしたときに、b/a≧0.7の球状もしくは回転楕円体であり、前記球状粒子の平均粒径が10〜100μmである塩基性炭酸マグネシウムである前記7記載の製造方法、
10.苛性アルカリが水酸化ナトリウムである前記7記載の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、形状が球状で日本薬局方外医薬品規格2002年収載規格に適合し、更に、カサが低く、打錠したとき、錠剤のサイズの小さい剤形となる合成ハイドロタルサイト粒子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は実施例3に係る球状ハイドロタルサイト粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は比較例1に係る不定形ハイドロタルサイト粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は実施例3に係る球状ハイドロタルサイト粒子のX線回折図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のハイドロタルサイト粒子は、前記式1で示され形状が球状であることを特徴とし、医薬用の制酸剤として利用する合成ハイドロタルサイト粒子である。
本発明の方法によれば、前記式1におけるxの範囲が上記範囲外の既知のハイドロタルサイトであっても形状を球状とすることが可能である。さらに、Mgの一部を他のM2+イオンで置換させたり、Alを他のM3+イオンと置換することが可能であり、COと他の陰イオンとのイオン交換も可能である。
従って、本発明によれば医薬用制酸剤のみならず多岐わたる用途、例えば吸着剤、樹脂用安定剤および担体等に使用可能な球状ハイドロタルサイトを合成することができる。
【0015】
本発明の合成ハイドロタルサイト粒子は形状が球状であり、長径をa、短径をbとしたきに、b/a≧0.7の球状もしくは回転楕円体であり、前記球状粒子の粒径が10〜100μmである。b/aが0.7以下になると目的とするハイドロタルサイト粒子が得られない。粒径に関しては、長径の平均値として10μm以下および100μm以上になるとこれも目的とするハイドロタルサイト粒子が得られない。
【0016】
本発明の合成ハイドロタルサイト粒子は、カサが低く、錠剤にしたとき、錠剤の容積を小さく出来る。そのため、合成ハイドロタルサイト粒子を主成分とする径が小さい錠剤を提供できる。主成分とは合成ハイドロタルサイト粒子が70重量%以上、好ましくは80重量%〜100重量%の含有量をいう。
錠剤としたときの硬度は20〜200Nであるが、20N以下となると錠剤用としての利用価値がなくなり、200N以上となると打錠により得られる錠剤が大きなものとなる。
【0017】
見掛け比容については、1.5〜3mL/gであり低い側については特に限定しないが、1.5mL/g以下のものは得ることが困難である。一方、3mL/g以上については、カサが高くなりすぎることにより、打錠したときの錠剤が厚くなる。
【0018】
BET法で測定された比表面積は30〜200m/gであるが、30m/g以下とするとハイドロタルサイト粒子の制酸剤としての特徴である酸反応性が悪くなる。また、200m/g以上のものは合成が困難である。
【0019】
また本発明のハイドロタルサイト粒子は、表1に示す日本薬局方外医薬品規格2002に適合するものである。更に、本発明のハイドロタルサイト粒子は、粉末X線回折法による測定に基づいて、ハイドロタルサイト粒子と同じパターンを示し、これ以外のパターンを示さない。
【0020】
【表1】

【0021】
(実施例)
以下に実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、ハイドロタルサイト粒子の特性は以下の方法により測定した。
(1)粒子形状:走査型電子顕微鏡(JSM−6300/日本電子)で倍率2000倍の写真を撮り、個々の粒子の長径aおよび短径bの長さ測定し、その値からb/a(球形度)を計算で求め、平均値で示した。
(2)日本薬局方外医薬品規格2002合成ハイドロタルサイト規格:日本薬局法外医薬品合成ハイドロタルサイトに準じて測定した。
(3)CO:JIS R 9101のAGK法に準じて測定した。
(4)見かけ比容:JIS K 5101に準じて測定した。
(5)BET法比表面積:ハイドロタルサイト粒子を真空圧100mmTorrで、105℃×3時間処理し、QUANTA
CHROME社製NOVA2000を用いてBET法により測定した。
(6)打錠試験:(株)前川試験機製作所製 TYPE M 型静的圧縮機を用いて、錠剤径10mm、試料量200mg、打錠圧0.25tで打錠した。錠剤の厚みはMitutoyo製ノギス65を用いて測定し、錠剤の硬度はフロイント産業工業(株)製Table Tester 8Mを用いて測定した。
(7)X線回折:理学電気(株)製RINT2200Vを用いてCU−Kαにて測定した。
(8)実施例において使用した形状が球状の塩基性炭酸マグネシウムは、特開昭60−54915号公報、特開昭61−63526号公報等の方法により得られた各種球状塩基性炭酸マグネシウムを用いた。
(9)比較例において使用した塩基性炭酸マグネシウムは、株式会社トクヤマ製炭酸マグネシウム(炭マTT)を用いた。なお、同塩基性炭酸マグネシウムの形状は不定形であった。
(10)実施例、比較例において使用した水酸化アルミニウムは、協和化学工業(株)製乾燥水酸化アルミニウムゲル(銘柄:S−100)および同水酸化アルミニウムゲルの乾燥前スラリーを用いた。
【実施例1】
【0022】
6L容ステンレス製反応容器に水道水3.8Lを投入し、攪拌下に、特開昭60−54915号公報により得た、粒径27μm、球形度0.9の塩基性炭酸マグネシウムを424g(MgOとして4.5モル)投入し、炭酸マグネシウム懸濁液を作成する。続いて攪拌下に、前記乾燥水酸化アルミニウムゲル140g(AlOとして0.74モル)および3.35mol/L水酸化ナトリウム水溶液1.79Lを投入した。得られた混合液の液温は25℃、液pHは11.65であった。続いて、液温を50℃に昇温し、50℃で24時間熟成した。冷後、固液分離、洗浄、脱水、乾燥、粉砕することにより、ハイドロタルサイト粒子を得た。得られたハイドロタルサイト粒子の特性を表2に示す。
【実施例2】
【0023】
実施例1において、熟成温度を70℃とし、熟成時間を7時間とした以外は実施例1と同操作としハイドロタルサイト粒子を得た。なお、塩基性炭酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルおよび水酸化ナトリウム水溶液を混合した液のpHは11.53であった。得られたハイドロタルサイト粒子の特性を表2に示す。
【実施例3】
【0024】
実施例1において、熟成温度を90℃とし、熟成時間を3時間とした以外は実施例1と同操作としハイドロタルサイト粒子を得た。なお、塩基性炭酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルおよび水酸化ナトリウム水溶液を混合した液のpHは11.54であった。得られたハイドロタルサイト粒子の特性を表2に、電子顕微鏡写真を図1に、およびX線回折パターンを図3に示す。
【実施例4】
【0025】
実施例1において、アルミニウム原料として乾燥前水酸化アルミニウムゲルスラリーを用い、熟成温度を90℃とし、熟成時間を3時間とした以外は実施例1と同操作としハイドロタルサイト粒子を得た。なお、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムゲルスラリーおよび水酸化ナトリウム水溶液を混合した液のpHは11.32であった。得られたハイドロタルサイト粒子の特性を表2に示す。
【実施例5】
【0026】
6L容ステンレス製反応容器に水道水3.8Lを投入し、攪拌下に、特開昭60−54915号公報により得た、粒径55.7μm、球形度0.93の塩基性炭酸マグネシウムを424g(MgOとして4.5モル)投入し、炭酸マグネシウム懸濁液を作成する。続いて攪拌下に、前記乾燥水酸化アルミニウムゲル140g(AlOとして0.74モル)および3.35mol/L水酸化ナトリウム水溶液1.79Lを投入した。得られた混合液の液温は24℃、液pHは11.51であった。続いて、液温を90℃に昇温し、90℃で3時間熟成した。冷後、固液分離、洗浄、脱水、乾燥、粉砕することにより、ハイドロタルサイト粒子を得た。得られたハイドロタルサイト粒子の特性を表2に示す。
【実施例6】
【0027】
実施例4において、用いた塩基性炭酸マグネシウムを粒径90μm、球形度0.89とした以外は実施例4同操作としハイドロタルサイト粒子を得た。なお、塩基性炭酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルおよび水酸化ナトリウム水溶液を混合した液のpHは11.95であった。得られたハイドロタルサイト粒子の特性を表2示す。
【0028】
(比較例1)
実施例3において、塩基性炭酸マグネシウムを前記株式会社トクヤマ製炭酸マグネシウムとした以外は実施例3と同操作を行いハイドロタルサイト粒子を得た。なお、塩基性炭酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルおよび水酸化ナトリウム水溶液を混合した液のpHは10.86であった。得られたハイドロタルサイト粒子の、電子顕微鏡観察下における粒子形状は不定形であった。なお、得られたハイドロタルサイト粒子のその他の特性を表2に、電子顕微鏡写真を図2に示す。
【0029】
(比較例2)
協和化学工業株式会社製市販品ハイドロタルサイト粒子(銘柄:アルカマックSH)の特性を表2に示す。
【0030】
本発明のハイドロタルサイト粒子は形状が球状で、見かけ比容が低く、日本薬局方外医薬品規格2002に適合し、さらに、打錠された錠剤の厚みが薄く硬度が低いものであることが分かる。
【0031】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡観察下における形状が球状であり、且つ下記式(1)を満足する新規合成ハイドロタルサイト粒子。
MgAl(OH)2(x‐y+3)(CO3)y・mH2O (1)
(式中x、yおよびmは5.2≦x≦6.3,1≦y≦2.0,3≦m≦8を満足する値とする。)
【請求項2】
上記球状の形状の長径をa、短径をbとしたときに、b/a≧0.7の球状もしくは回転楕円体であり、前記球状粒子の平均粒径が10〜100μmである請求項1記載の合成ハイドロタルサイト粒子。
【請求項3】
錠剤としたときの硬度が20〜200Nである請求項1記載の合成ハイドロタルサイト粒子。
【請求項4】
見掛け比容が1.5〜3mL/gである請求項1記載の合成ハイドロタルサイト粒子。
【請求項5】
BET法で測定された比表面積が、30〜200m/gである請求項1記載の合成ハイドロタルサイト粒子。
【請求項6】
日本薬局方外医薬品規格2002年収載規格に適合することを特徴とする請求項1記載の合成ハイドロタルサイト粒子。
【請求項7】
請求項1記載の合成ハイドロタルサイト粒子を主成分とする錠剤。
【請求項8】
合成ハイドロタルサイト粒子の含有量が80重量%〜100重量%である請求項7記載の錠剤。
【請求項9】
請求項1記載の新規合成ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする制酸剤。
【請求項10】
(1)炭酸マグネシウム粒子の水懸濁液と水酸化アルミニウムの水懸濁液とを、マグネシウム原子とアルミニウム原子との比(Mg/Al)が2.6〜3.2となる割合で混合し、さらに苛性アルカリを加えて該液pH8.5〜12.5で反応する工程、
(2)反応液を50〜100℃で0.5〜20時間加熱熟成する工程、および
(3)熟成後液からハイドロタルサイト粒子を固液分離、することからなる形状が球状の合成ハイドロタルサイト粒子の製造方法。
【請求項11】
水酸化アルミニウムは、日本薬局方第十五改正適合の乾燥水酸化アルミニウムゲルである請求項8記載の製造方法。
【請求項12】
炭酸マグネシウム粒子は形状が球状であり、長径をa、短径をbとしたときに、b/a≧0.7の球状もしくは回転楕円体であり、前記球状粒子の粒径が直径の平均値として10〜100μmである塩基性炭酸マグネシウムである請求項7記載の製造方法。
【請求項13】
苛性アルカリが水酸化ナトリウムである請求項9記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−228987(P2010−228987A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79651(P2009−79651)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000162489)協和化学工業株式会社 (66)
【Fターム(参考)】