説明

新規塩酸セルトラリン多形体、それらを調製するための方法、それらを含有する組成物およびそれらを用いる方法

【課題】鬱病、強迫神経症の治療用に使用されている塩酸セルトラリンの新規多型体、及びその調製方法を提供する。
【解決手段】塩酸セルトラリンの新規多型XI、XII、XIII、XIV、XVおよびXVIを調製する。例えば、塩酸セルトラリン型XIは、塩酸セルトラリンをベンジルアルコールに加熱・溶解した後、緩やかに冷却し結晶化させ、濾過により結晶を単離することにより調製できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は1999年12月21日に出願された米国特許仮出願第60/171,341号、2000年3月6日に出願された第60/187,336号、2000年3月8日に出願された第60/187,910号、および2000年3月20日に出願された第60/190,603号の利点を請求する。これら4仮出願のすべては本明細書において参考のために包含する。同時係属の同一出願人による1999年11月24日に出願された米国特許出願第09/448,985号は本明細書において参考のために包含する。
【0002】
発明の分野
本発明は塩酸セルトラリンの新規多型XI、XII、XIII、XIV、XVおよびXVI、それらを調製するための方法、疾患治療のためにそれらを用いる方法、他の塩酸セルトラリン型を作成するためにそれらを用いる方法、および新規型を含む薬剤投与に関する。
【0003】
発明の背景
以下の式を有する塩酸セルトラリン、塩酸(1S−シス)−4−(3,4ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナフタレンアミンは、鬱病、強迫神経症および
【化1】

パニック障害の治療用に、米国食品医薬品局により商品名ゾロフト(Zoloft)(登録商標)として承認されている。
【0004】
米国特許第4,536,518号(「’518特許」)には、遊離塩基の酢酸エチル/エーテル溶液を気相塩化水素で処理することによる融点243〜245℃を持つ塩酸セルトラリンの調製が記載されている。そういうように生成された塩酸セルトラリンの物性は別段記載されていない。
【0005】
米国特許第5,248,699号(’699特許)によると、’518特許の方法により生成される塩酸セルトラリンは、「型II」と呼ぶ結晶型を有する。’699特許には型I、III、IV、およびVと呼ばれる4の他多形体が開示されている。
【0006】
本発明は塩酸セルトラリンの新規多型を含む。化合物の多型はX線回折分光法および赤外分光法などの他の方法により実験室で識別することができる。すべての多型を含む薬剤のすべての固形状形態を調査し、各多型の安定性、融解および流動特性を測定することは望ましい。多形体および多形体の医薬品用途の一般的な概説に関しては、G.M.Wall,Pharm Manuf.3,33(1986);J.K.Haleblian and W.McCrone,J.Pharm.Sci.,58,911(1969);およびJ.K.Haleblian,J.Pharm.Sci.,64,1269(1975)を参照すること。それらのすべては本明細書において参考のために包含する。
【0007】
本明細書において参考のために包含する同一出願人による同時係属の1999年11月24日出願の米国特許出願第09/448,985号には、昇華における失敗の試みの後に発見された塩酸セルトラリン型Vを作成する新規な方法が記載されている。その出願中に開示されている方法の一つには、気相塩酸の代わりに濃縮塩酸の添加により酸性とすることができる酸性ヘキサンおよび/またはイソプロパノール溶媒系からの結晶化を含む。同時係属の出願には、また、型VI、VII、VIII、IXおよびXと呼ばれている他の新規塩酸セルトラリン型が開示されている。
【0008】
発明の概要
本発明は塩酸セルトラリンの新規型に関する。本発明は塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XVおよび型XVIを調製するための方法を提供する;塩酸セルトラリン型XI〜XVIを含有する組成物、他型の塩酸セルトラリンを調製するために塩酸セルトラリン型XI〜XVIを用いる方法、および鬱病、強迫神経症およびパニック障害を治療するために塩酸セルトラリン型XI〜XVIを用いる方法。
【0009】
本発明は、約16.0±0.2、17.7±0.2、20.7±0.2、24.9±0.2および29.2±0.2度2シータ(θ)でのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XIに関する。本発明の塩酸セルトラリン型XIは、また、739、1040、1201、1560および1595cm-1での吸収帯を含む赤外スペクトルを特徴とする。
【0010】
本発明は、また、(a)ベンジルアルコール中に塩酸セルトラリンを溶解して塩酸セルトラリン溶液を形成し、(b)塩酸セルトラリン溶液から塩酸セルトラリン型XIを結晶化し、および(c)塩酸セルトラリン型XIを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XIを作成するための方法に関する。
【0011】
本発明は、また、塩酸セルトラリン型XIが塩酸セルトラリン型XIベンジルアルコール溶媒和物である場合の塩酸セルトラリン型XIに関する。
【0012】
本発明は、また、塩酸セルトラリン型XIベンジルアルコール半溶媒和物、塩酸セルトラリン型XIベンジルアルコール一溶媒和物、塩酸セルトラリン型XIベンジルアルコール二溶媒和物および塩酸セルトラリン型XIベンジルアルコール三溶媒和物に関する。
【0013】
本発明は、また、塩酸セルトラリン型XIを加熱する段階を含む塩酸セルトラリン型Xを作成する方法に関する。
【0014】
本発明は、また、約4.3±0.2、12.0±0.2、13.4±0.2、16.3±0.2、および17.4±0.2度2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XIIに関する。
【0015】
本発明は、また、(a)塩酸セルトラリンを水蒸気にさらし、および(b)塩酸セルトラリン型XIIを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XIIを作成するための方法に関する。本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型XIIを作成するための方法は、(a)塩酸セルトラリン型Vを水蒸気にさらし、および(b)塩酸セルトラリン型XIIを単離する段階を含む。本発明は、また、塩酸セルトラリン型XII一水和物を含む塩酸セルトラリン型XII水和物に関する。
【0016】
本発明は、約7.4±0.2、9.6±0.2、12.0±0.2、12.8±0.2、14.3±0.2、16.0±0.2、16.2±0.2、18.0±0.2、21.1±0.2、23.2±0.2、23.6±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、25.7±0.2、26.7±0.2、29.6±0.2および32.5±0.2度2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XIVに関する。
【0017】
本発明は、また、(a)メタノールおよびヘキサンの溶媒混合物中にセルトラリン塩基を溶解してセルトラリン塩基および溶媒の溶液を形成し、(b)溶液に塩化水素を添加して約0.5〜約1.5のpHを得、(c)溶液から塩酸セルトラリンを沈殿させ、(d)溶媒を除去し、および(e)塩酸セルトラリン型XIVを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XIVを作成するための方法に関する。
【0018】
本発明は、また、(a)塩酸セルトラリン型IIをメタノールに添加してメタノール中における固形塩酸セルトラリンの懸濁液を形成し、および(b)塩酸セルトラリン型XIVを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XIVを作成するための方法に関する。
【0019】
本発明は、また、(a)塩酸セルトラリン型XIVを加熱し、および(b)塩酸セルトラリン型Vを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型Vを作成するための方法に関する。
【0020】
本発明は、約8.5±0.2、13.3±0.2、14.0±0.2、15.3±0.2、16.3±0.2、17.5±0.2、20.1±0.2、21.5±0.2、22.5±0.2、23.6±0.2、25.0±0.2および25.9±0.2度2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XIIIに関する。
【0021】
本発明は、また、(a)塩酸セルトラリン型XIVを加熱し、および(b)塩酸セルトラリン型XIIIを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XIIIを作成するための方法に関する。
【0022】
本発明は、また、(a)塩酸セルトラリン型XIIIを加熱し、および(b)塩酸セルトラリン型Vを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型Vを作成するための方法に関する。
【0023】
本発明は、約6.5±0.2、10.7±0.2、12.9±0.2、14.2±0.2、15.2±0.2、16.6±0.2、17.5±0.2、18.1±0.2、19.9±0.2、20.4±0.2、24.0±0.2および24.5±0.2度2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XVに関する。
【0024】
本発明は、また、(a)イソプロパノールおよび非極性溶媒の混合物を含む溶媒中にセルトラリン塩基を溶解してセルトラリン塩基の溶液を形成し、(b)セルトラリン塩基の溶液に塩酸水を添加して塩酸セルトラリン型XVの沈殿を促進し、(c)溶媒を除去し、および(d)塩酸セルトラリン型XVを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XVを作成するための方法に関する。好ましくは、非極性溶媒はヘキサンである。
【0025】
本発明は、また、(a)セルトラリン塩基をイソプロパノールに添加し、(b)セルトラリン塩基およびイソプロパノールの混合物に十分な量の塩酸水を添加して塩酸セルトラリンを形成し、(c)塩酸セルトラリンおよびイソプロパノールの混合物を加熱して塩酸セルトラリンの完全な溶解を促進し、(d)水を混合物に添加して塩酸セルトラリンの完全な溶解を促進し、(e)混合物を十分な時間にわたり攪拌して塩酸セルトラリン型XVへの変換を誘導し、および(f)塩酸セルトラリン型XVを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XVを作成するための方法に関する。
【0026】
本発明は、また、(a)塩酸セルトラリン型XVを加熱し、および(b)塩酸セルトラリン型Vを回収する段階を含む塩酸セルトラリン型Vを作成するための方法に関する。
【0027】
本発明は、また、約15.6±0.2および23.0°±0.2°度2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XVIに関する。
【0028】
本発明は、また、(a)溶媒がヘキサン、シクロヘキサンおよびトルエンからなる群から選択される溶媒中にセルトラリン塩基を溶解してセルトラリン塩基および溶媒の混合物を形成し、(b)混合物に塩化水素を添加して約1〜約1.5のpHを得、(c)混合物から塩酸セルトラリン型XVIを沈殿させ、(d)溶媒を除去し、および(e)塩酸セルトラリン型XVIを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XVIを調製するための方法に関する。
【0029】
本発明は、また、(a)酢酸エチル、アセトン、およびt−ブチル−メチル−エーテルからなる群から選択される溶媒に塩酸セルトラリン型XIVを添加して塩酸セルトラリン懸濁液を形成し、(b)懸濁液を加熱し、(c)懸濁液を十分な時間にわたり攪拌して塩酸セルトラリン型XIVを塩酸セルトラリン型IIに変換し、および(d)塩酸セルトラリン型IIを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型IIを調製するための方法に関する。好ましくは、これらの方法により、懸濁液を約25℃〜還流温度の温度範囲に加熱し、さらに好ましくは懸濁液を熱して還流させる。方法は、さらに、塩酸セルトラリン型IIを単離する前に懸濁液を冷却する段階を含む。
【0030】
本発明は、また、(a)酢酸エチル、アセトン、t−ブチル−メチル−エーテルおよびシクロヘキサンからなる群から選択される溶媒に塩酸セルトラリン型XVを添加して塩酸セルトラリン懸濁液を形成し、(b)懸濁液を十分な時間にわたり攪拌して塩酸セルトラリン型XVを塩酸セルトラリン型IIに変換し、(c)懸濁液を加熱し、および(d)塩酸セルトラリン型IIを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型IIを調製するための方法に関する。好ましくは、これらの方法により、懸濁液を約25℃〜還流温度の温度範囲に熱し、さらに好ましくは懸濁液を加熱して還流させる。方法は、さらに、塩酸セルトラリン型IIを単離する前に懸濁液を冷却する段階を含む。好ましくは、懸濁液は約25℃〜約5℃の温度範囲に冷却される。
【0031】
本発明は、また、(a)酢酸エチルおよびアセトンからなる群から選択される溶媒に塩酸セルトラリン型XVIを添加して塩酸セルトラリン懸濁液を形成し、(b)懸濁液を加熱して塩酸セルトラリン型XVIを塩酸セルトラリン型IIに変換することを促進し、および(c)塩酸セルトラリン型IIを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型IIを調製するための方法に関する。
【0032】
本発明は、また、塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVI、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量、および医薬的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0033】
本発明は、また、塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVI、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量を、こうした治療を必要とする患者に投与する段階を含む、鬱病を治療するための方法に関する。
【0034】
本発明は、また、塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVI、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量を、こうした治療を必要とする患者に投与する段階を含む、強迫神経症を治療するための方法に関する。
【0035】
本発明は、また、塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVI、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量を、こうした治療を必要とする患者に投与する段階を含む、パニック障害を治療するための方法に関する。
【0036】
塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XVおよび型XVIは、鬱病、強迫神経症およびパニック障害の治療に特に有用である医薬組成物の製剤に有用である。
【0037】
塩酸セルトラリン型XIは、同一段階において防腐剤、ベンジルアルコール、および塩酸セルトラリンを提供する利点を有すると共に、別個の添加段階を省略し、防腐剤が別に添加される場合に比べてより大きな量の材料が測定されるので潜在的にさらに正確にベンジルアルコールの量を制御することにより調合過程を単純化する利点を有する。
【0038】
塩酸セルトラリン型XIV、型XVおよび型XVIは、塩酸セルトラリン型IIを調製するために有用である。
【0039】
塩酸セルトラリン型XIVおよび型XVは、塩酸セルトラリン型Vを調製するために有用である。
【0040】
本発明の詳細な説明
本発明は、塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XVおよび型XVIを調製するための方法、塩酸セルトラリン型XI〜XVIを含有する組成物、塩酸セルトラリンの他の相を調製するために塩酸セルトラリン型XI〜XVIを用いる方法、および鬱病、強迫神経症およびパニック障害を治療するために塩酸セルトラリン型XI〜XVIを用いる方法を提供する。
【0041】
塩酸セルトラリン型XI
本発明の一つの実施形態は塩酸セルトラリン型XIを提供する。塩酸セルトラリン型XIは式Iに表されるベンジルアルコール半溶媒和物である:
【化2】

式I
本発明は、さらに、ベンジルアルコールから塩酸セルトラリンを結晶化することにより塩酸セルトラリン型XIを得る方法を提供する。ベンジルアルコールは大量では毒性であり得るが、一般的に本発明により考慮された剤形におけるその投与は医薬的に許容可能である。ベンジルアルコールは抗菌防腐剤として知られ、従って、バクテリア、かび、菌および酵母菌に対して改善された保存期間を持つベンジル/アルコールを含有する組成物を提供する。
【0042】
塩酸セルトラリン型XIは、図1に示すように、約6.9±0.2、8.7±0.2、9.7±0.2、14.0±0.2、16.0±0.2、17.3±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.7±0.2、22.1±0.2、22.5±0.2、23.0±0.2、23.8±0.2、24.9±0.2および29.2±0.2度2θでの固有の反射を示すその粉末X線回折パターンを特徴とする。塩酸セルトラリン型XIの赤外吸収スペクトルは、図2に示すように、698、739、750、781、817、838、886、954、1001、1030、1040、1075、1134、1201、1312、1328、1493、1560および1595cm-1での吸収帯を有する。
【0043】
塩酸セルトラリン型XIはベンジルアルコール中に塩酸セルトラリンを溶解することにより調製される。本発明の方法により、出発材料塩酸セルトラリンは完全に溶解するので、塩酸セルトラリン型I〜X、XII〜XVIおよび非晶質塩酸セルトラリンに限定されないがそれらを含むあらゆる型の塩酸セルトラリンは用いることが可能である。好ましくは、塩酸セルトラリン濃度は、それがベンジルアルコール中に完全に溶解した後に、約0.5M以上である。濃度は、塩酸セルトラリンが100℃で合理的な時間内において完全に溶解しないほどに高くないほうが好ましい。ベンジルアルコール半溶媒和物塩酸セルトラリンを得るために、濃度は、好ましくは約1Mであるべきである。我々は塩酸セルトラリン型XIをベンジルアルコール半溶媒和物として得る一方で、一溶媒和物、二溶媒和物および三溶媒和物のような高級溶媒和物もこの方法により得ることが可能である。一溶媒和物は、塩酸セルトラリンの分子当り1溶媒分子を含有する結晶構造を有する。二溶媒和物は塩酸セルトラリンの分子当り2溶媒分子を有し、三溶媒和物は3を有する。
【0044】
塩酸セルトラリンの溶解を促進するために、ベンジルアルコールまたは塩酸セルトラリン/ベンジルアルコール混合物を加熱することは必要であり得る。加熱が用いられる場合好ましい高温度は100℃である。
【0045】
塩酸セルトラリンの完全な溶解後、塩酸セルトラリン型XIの結晶化は高温度からの冷却により誘導することが可能である。均質な溶媒和結晶を生成するために、結晶成長は緩やかな方が好ましく、そこで冷却も同様に緩やかに行われるのが好ましい。塩酸セルトラリン型XI半溶媒和物を選択的におよび均質に生成するために、溶液を好ましくは約38℃h-1以下の率で冷却する。好ましい濃度範囲が用いられる場合、約室温への冷却はいかなる必要な追加の冷却もなしで良好な収率の溶媒和物を生成する筈である。さらに溶液を冷却するための選択は、この開示を知った当業者の領域内にある。
【0046】
得られる結晶は、ベンジルアルコールを結晶から移して分離するかまたは濾過によるなどの技術上知られるあらゆる方法により分離することが可能である。高真空下での結晶加熱は非溶媒和化ベンジルアルコールを蒸発により除去することが必要となり得るが、蒸発も、また、過剰なアルコールを除去するための適する方法である。濾過は単離の好ましい方法である。残留溶媒は、どちらの場合であるとしても数分間の加熱を伴い濾紙または焼結ガラス上に単離された結晶が残留することを可能とする真空濾過により、および/または中でベンジルアルコールは溶解するが塩酸セルトラリン型XIは溶解しない揮発性溶媒によるすすぎ洗いにより、除去することができる。
【0047】
塩酸セルトラリンの新規型XIは塩酸セルトラリン型Xの調製における中間体として有用である。本発明の方法により、塩酸セルトラリン型XIを十分な時間にわたり真空下で加熱して、塩酸セルトラリン型XIは塩酸セルトラリン型Xに変換される。変換の完遂は材料の試料採取によって測定することができる。好ましくは、塩酸セルトラリン型XIは約24hにわたり約80℃に加熱され、これは一貫して塩酸セルトラリン型Xへの完全な変換をもたらす。1999年11月24日出願の同一出願人による同時係属米国特許出願第09/448,985号においてより詳細に記載されているように、塩酸セルトラリン型Xは15.0±0.2、16.0±0.2、16.5±0.2、17.0±0.2、18.1±0.2、21.0±0.2、22.4±0.2、24.9±0.2、25.4±0.2、26.2、27.1、28.4および29.0°±0.2度2θで主要ピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする。塩酸セルトラリン型XのIRスペクトルは以下の吸収帯を特徴とする:742、776、806、824、1002、1017、1028、1060、1079、1135、1218、1314、1336、および1560cm-1での吸収帯を有する。塩酸セルトラリン型XのDSCは、約190℃で小さい吸熱を、次に約250℃で融解熱を示す。
【0048】
シロップまたはエリキシル剤または点眼剤または注射用溶液などの別な溶媒中の塩酸セルトラリンおよびベンジルアルコール溶液を調製するための、本発明の新規塩酸セルトラリン型XIの使用は、熟慮された本発明の範囲内にあると考えられる。塩酸セルトラリン型XIは抗菌剤ベンジルアルコールを含む。塩酸セルトラリンおよびベンジルアルコールを含有する溶液を調製するための、粉末、顆粒または圧縮錠剤のようなあらゆる固形状における塩酸セルトラリン型XIの使用は、本発明により教示される。固型は溶媒中に溶解し、1段階で、塩酸セルトラリンおよび溶液の保存期間を増大するための防腐剤を提供することができる。プロセスの利点は、防腐剤を含有する塩酸セルトラリン溶液の調製用に、塩酸セルトラリン型XIを使用することから生まれる。割合が型それ自体によって1:2に前決定されているので、塩酸セルトラリン型XIが単独で用いられる場合ベンジルアルコール対塩酸セルトラリンの割合を大きく制御することは可能ではないが、当業者は、塩酸セルトラリン型XI、およびベンジルアルコールを含有しない塩酸セルトラリン型I〜X、XII〜XVIおよび非晶質塩酸セルトラリンに限定されないがそれらを含む別型の塩酸セルトラリンの混合物を用いることにより塩酸セルトラリンに対するアルコール量を減少させ得ることを理解するであろう。同一段階において防腐剤および塩酸セルトラリンを添加する利点には、別個の添加段階を省略すると共に、防腐剤が別に添加される場合に比べてより大きな量の材料が測定されるので潜在的にさらに正確にベンジルアルコールの量を制御することにより調合過程を単純化することが含まれる。
【0049】
塩酸セルトラリン型XII
本発明の別の実施形態は、塩酸セルトラリンの水和相である塩酸セルトラリン型XIIとして表される新規型の塩酸セルトラリン、および塩酸セルトラリン型XIIを作成するための方法を提供する。塩酸セルトラリン型XIIはあらゆる知られた型の塩酸セルトラリンから得ることが可能である。塩酸セルトラリンの適する型には、塩酸セルトラリン型I、型II、型III、型Vおよび非晶質塩酸セルトラリンが挙げられるがそれらに限定されない。塩酸セルトラリン型Vは好ましい出発材料である。塩酸セルトラリン型XIIは塩酸セルトラリンを水蒸気にさらすことによって作成することができる。塩酸セルトラリン型Vは塩酸セルトラリン型XIIへの変換のために十分な時間にわたり水蒸気にさらされる。好ましくは、塩酸セルトラリン型Vは約7日間にわたり水蒸気にさらされる。変換はX線粉末回折技術により監視することが可能である。長期間にわたり水蒸気にさらされる場合に塩酸セルトラリンを非汚染状態に保存するために、出発塩酸セルトラリンは密封室中に置くことが好ましい。塩酸セルトラリン型XIIは、図3に示すように、約4.3±0.2、12.0±0.2、13.4±0.2、14.4±0.2、16.3±0.2、17.4±0.2、19.4±0.2、20.9±0.2、21.4±0.2、22.4±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2および25.3±0.2度2θでの固有の反射を有するその粉末X線回折パターンを特徴とする。これらの内、約4.3、12.0、13.4、16.3および17.4±0.2度での反射は特に特徴的である。
【0050】
塩酸セルトラリン型XIV
本発明の別の実施形態は、塩酸セルトラリン型XIVおよび塩酸セルトラリン型XIVを作成するための方法を提供する。塩酸セルトラリン型XIVは、塩酸セルトラリンをメタノールおよびヘキサンなどの非極性溶媒中に溶解することにより得ることが可能である。本発明の方法により、出発材料塩酸セルトラリンは完全に溶解するので、塩酸セルトラリン型I〜X、XII〜XVIおよび非晶質塩酸セルトラリンに限定されないがそれらを含むあらゆる型の塩酸セルトラリンは用いることが可能である。
【0051】
塩酸セルトラリン型XIVを作成する一つの好ましい方法において、セルトラリン塩基は最初にメタノールとヘキサンの混合物中に溶解される。好ましい条件はセルトラリン塩基をメタノールとヘキサンの約1:1混合物に添加して約150〜200mM溶液を生成することを含む。メタノールの濃度および非極性溶媒に対する比率に応じて、セルトラリン塩基の溶解を促進するために加熱が必要とされる場合がある。塩基の溶解が完全になった後に、気相塩化水素をpH約0.5〜約1.5、さらに好ましくは約1.0が得られるまで溶液を通して泡立たせる。塩酸セルトラリン型XIVは時間をかけて溶媒から沈殿させるのが好ましい。気相塩化水素が高温度で添加される場合、次に、溶液は結晶化を誘導するために室温未満の温度に放置して冷却されるか、または積極的に冷却されることが可能である。沈殿した塩酸セルトラリン型XIVは、濾過またはデカンテイングによるように、通常に溶媒から分離することが可能である。
【0052】
本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型XIVは塩酸セルトラリン型IIから作成される。本発明の方法により、塩酸セルトラリン型XIVは塩酸セルトラリン型IIをメタノールに添加して懸濁液を形成することによって作成される。好ましくは、塩酸セルトラリン型IIの重量に対して約3体積のメタノールが用いられる。しかし、たとえいくつかの例においてそれがより遅いとしても、より少ない量の溶媒でも変換をもたらす。塩酸セルトラリン型IIの塩酸セルトラリン型XIVへの変換は、懸濁液を高温度に加熱することにより加速される。メタノールの還流温度は、それが実質的に約1時間内に完全になるような十分な変換を加速するために適している。次に、塩酸セルトラリン型XIVは、例えばデカンテイングまたは濾過により通常に単離することが可能である。
【0053】
本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型XIVは塩酸セルトラリン型IIを調製するために有用である。この方法は、酢酸エチル、アセトン、およびt−ブチル−メチル−エーテルからなる群から選択される溶媒中に塩酸セルトラリン型XIVを懸濁して塩酸セルトラリンの懸濁液を形成することにより、塩酸セルトラリン型XIVを型IIに変換することを含む。一般的な負荷は、塩酸セルトラリン型XIVの重量に対して溶媒約5体積〜約20体積の範囲、さらに好ましくは約10体積(本明細書において重量に対する体積はミリリットル/グラムまたは等価のリットル/キログラムの単位で測定される)である。塩酸セルトラリン型XIVの塩酸セルトラリン型IIへの変換は、懸濁液を約25℃〜溶媒の還流温度に加熱することにより促進される。好ましくは、懸濁液は加熱して還流する。懸濁液を加熱して、塩酸セルトラリン型IIへの変換が実質的に完全であるように十分な時間にわたり攪拌する。好ましくは、懸濁液は約2〜約3時間にわたり加熱される。次に、懸濁液は、さらに塩酸セルトラリン型IIへの変換を加速するために、冷却されるか、または放置されて冷却される。塩酸セルトラリン型IIは、例えばデカンテイングまたは濾過により通常に単離される。
【0054】
塩酸セルトラリン型XIVは、図5に示すように、約7.4±0.2、9.6±0.2、12.0±0.2、12.8±0.2、14.3±0.2、16.0±0.2、16.2±0.2、18.0±0.2、21.1±0.2、23.2±0.2、23.6±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、25.7±0.2、26.7±0.2、29.6±0.2および32.5±0.2度2θでの反射を有する粉末X線回折パターンを特徴とする。
【0055】
塩酸セルトラリン型XIII
本発明の別の実施形態は、塩酸セルトラリン型XIIIとして表される新規型の塩酸セルトラリン、および塩酸セルトラリン型XIIIを作成するための方法を提供する。本発明の方法により、塩酸セルトラリン型XIIIは塩酸セルトラリン型XIV結晶を約24時間にわたり約60℃の温度に加熱することにより得ることが可能である。このようにして得られた塩酸セルトラリン型XIIIは、図4に示すように、約8.5±0.2、13.3±0.2、14.0±0.2、15.3±0.2、16.3±0.2、17.5±0.2、20.1±0.2、21.5±0.2、22.5±0.2、23.6±0.2、25.0±0.2および25.9±0.2度2θでの反射を有する粉末X線回折パターンを特徴とする。
【0056】
塩酸セルトラリン型XV
本発明の別の実施形態は、塩酸セルトラリン型XVとして表される新規型の塩酸セルトラリン、および塩酸セルトラリン型XVを作成するための方法を提供する。本発明の方法により、塩酸セルトラリン型XVは、セルトラリン塩基または塩酸セルトラリンのいずれかを出発材料としてイソプロパノール水溶液からの沈殿により得ることが可能である。
【0057】
塩酸セルトラリン型XVを作成するための一つの好ましい方法において、セルトラリン塩基は、最初に、共溶媒としての非極性有機化合物と共にイソプロパノール中に溶解されて、セルトラリン塩基の溶解を促進する。特に好ましい溶媒は、イソプロパノールとヘキサンの混合物、さらに好ましくは約1:1のイソプロパノール:ヘキサン混合物である。これらの好ましい条件下で塩酸セルトラリン型XVは加熱なしで調製することができるが、しかしより高い割合のイソプロパノールを有するかまたはより高いセルトラリン塩基濃度での溶媒系において、完全な溶解を得るために加熱は必要であり得る。次に、濃縮または希釈いずれかの塩酸水溶液を添加して、セルトラリン塩基等量当り少なくとも1等量の塩化物を供給する。なおさらに高濃縮の塩酸水溶液の使用でさえも十分な水を提供して、型XVにおける塩酸セルトラリンの沈殿に有利に働く。塩化水素の添加は、室温未満への積極的な冷却の必要性なしで、数時間にわたってその塩酸塩としてのセルトラリンの沈殿を誘導する。しかし、加熱がセルトラリン塩基を溶解するために用いられる場合には、続く室温への溶液の冷却はさらに結晶化を誘発することが可能である。次に、沈殿結晶は例えば濾過またはデカンテイングにより通常に単離して塩酸セルトラリン型XVを生成することが可能である。
【0058】
本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型XVはセルトラリン塩基をイソプロパノールに添加して懸濁液を形成する方法により作成される。好ましくは、イソプロパノールはセルトラリン塩基の添加前か後のいずれかに約40〜50℃に温められる。次に、塩酸水溶液をセルトラリン塩基とイソプロパノールの混合物に塩酸セルトラリンを形成するために十分な量で添加する。得られた塩酸セルトラリンの懸濁液を加熱して塩酸セルトラリンの溶解を促進する。好ましくは、反応は60℃に加熱される。また水も塩酸セルトラリン溶液の加熱の間に添加されて完全な溶解を促進する。完全な溶解に達すると、混合物を室温で十分な時間にわたり攪拌して、塩酸セルトラリン型XVへの変換および塩酸セルトラリン型XVの沈殿を誘導する。次に、沈殿塩酸セルトラリン型XVは従来の方法により単離することが可能である。
【0059】
本発明の方法における使用のためのセルトラリン塩基は、マンデル酸セルトラリンを酢酸エチル中に溶解し、次にマンデル酸セルトラリンの水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより生成することが可能である。有機相は水相から分離され、硫酸マグネシウムを用いて乾燥される。溶媒を減圧下除去してセルトラリン塩基を油として生成する。セルトラリン塩基の作成方法は米国特許第4,536,518号および第5,248,699号に記載されており、この内容は本明細書において参考のために包含する。
【0060】
本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型XVは塩酸セルトラリン型VIから作成される。同時係属米国特許出願第09/448,985号には、塩酸セルトラリン型VIおよび塩酸セルトラリン型VIを作成するための方法が開示されている。塩酸セルトラリン型VIは以下の実施例18、19、および20により作成され、7.3±0.2、12.1±0.2、12.7±0.2、14.0±0.2、15.6±0.2、17.6±0.2、20.1±0.2、20.6±0.2、21.9±0.2、22.7±0.2、23.0±0.2、23.8±0.2、24.3±0.2、25.4±0.2、および26.3±0.2度2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする。
【0061】
本発明の方法により、塩酸セルトラリン型XVは、塩酸セルトラリン型VIをイソプロパノール水溶液中に懸濁することによって調製することが可能である。好ましくは、塩酸セルトラリン出発材料の重量に対してイソプロパノールの約1〜約4、さらに好ましくは約3の体積が用いられる。塩酸セルトラリン型XVは、好ましくは約5:1〜約7:1(v/v)、さらに好ましくは約6:1の比率にあるイソプロパノールと水を含む溶媒系を用いるこうした懸濁液からの再結晶化によって調製される。前述の好ましい範囲内に水含量を持ってくる為に、水はイソプロパノール水溶液を用いることにより、または無水イソプロパノールまたはイソプロパノール水溶液のいずれかに水を添加することにより供給することが可能である。懸濁液は十分な時間にわたり攪拌されて塩酸セルトラリン型VIの塩酸セルトラリン型XVへの変換を促進する。変換はX線回折法により監視することが可能である。懸濁液は、好ましくは、塩酸セルトラリン型VIの塩酸セルトラリン型XVへの変換を加速するために加熱され、イソプロパノールの還流温度はこの目的のために適する温度である。塩酸セルトラリン型XVは、例えば、イソプロパノールによる結晶の洗浄を任意に伴うデカンテイングまたは濾過により通常に単離することが可能である。
【0062】
塩酸セルトラリン型XVは、図6に示すように、6.5±0.2、10.7±0.2、12.9±0.2、14.2±0.2、15.2±0.2、16.6±0.2、17.5±0.2、18.1±0.2、19.9±0.2、20.4±0.2、24.0±0.2および24.5±0.2度2θでの反射を有する粉末X線回折パターンを特徴とする。
【0063】
本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型Vは塩酸セルトラリン型XIVおよびXVから調製することができる。これら新規型は、それぞれ、新規型の結晶を好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上に変換を完遂するまでの十分な時間にわたり加熱することにより塩酸セルトラリン型Vに変換することができる。反応は粉末X線回折法によって監視することが可能である。塩酸セルトラリン型Vへの変換は、実質的に、塩酸セルトラリン型XIVまたはXVの24時間にわたる80℃への加熱後に完遂されている。
【0064】
本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型XVは塩酸セルトラリン型IIを調製するために有用である。この方法は、酢酸エチル、アセトン、t−ブチル−メチル−エーテル(MTBE)およびシクロヘキサンからなる群から選択される溶媒中に塩酸セルトラリン型XVを懸濁することにより、塩酸セルトラリン型XVを塩酸セルトラリン型IIに変換することを含む。一般的な負荷は、塩酸セルトラリン型XVの重量に対して溶媒約5体積〜約20体積の範囲、さらに好ましくは約10体積(本明細書において重量に対する体積はミリリットル/グラムまたは等価のリットル/キログラムの単位で測定される)である。塩酸セルトラリン型XVの塩酸セルトラリン型IIへの変換は、懸濁液を約25℃〜溶媒の還流温度に加熱することにより促進される。好ましくは、懸濁液は熱して還流する。塩酸セルトラリン型IIへの変換が実質的に完全であるように十分な時間にわたり懸濁液を還流する。好ましくは、懸濁液は約2〜約3時間にわたり加熱される。或いは、懸濁液は室温で十分な時間にわたり攪拌されて塩酸セルトラリン型XVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進することが可能である。変換の完遂は適する手段、例えばX線粉末回折法を用いて反応を監視することにより測定することが可能である。塩酸セルトラリン型XVが塩酸セルトラリン型IIに転化すると、次に、懸濁液は約室温〜約5℃の温度範囲に冷却されて、さらに塩酸セルトラリン型IIへの変換が促進される。塩酸セルトラリン型IIは、例えばデカンテイングまたは濾過により通常に単離される。
【0065】
塩酸セルトラリン型XVI
相XVIで表される塩酸セルトラリンの新規型および塩酸セルトラリン型XVIを調製するための方法もまた発見されてきた。塩酸セルトラリン型XVIは、図7に示すように、約15.6および23.0± 0.2度2θでの幅のあるピークの存在により真に非晶質な塩酸セルトラリンから識別できると共に、他の多くの結晶型からはそれら型の固有の反射がないことにより識別できる、低結晶性の塩酸セルトラリンの型である。塩酸セルトラリン型XVIは、ヘキサン、シクロヘキサンおよびトルエンからなる群から選択される単一成分、非水性、非極性溶媒系中の溶液からの沈殿により、セルトラリン塩基から調製することが可能である。
【0066】
塩酸セルトラリン型XVIを得るための好ましい方法により、セルトラリン塩基は最初にヘキサン、シクロヘキサンまたはトルエン中に溶解される。セルトラリン塩基重量当り、溶媒の約5〜約20体積、さらに好ましくは約10体積が用いられる。この付加において、懸濁液を高温度に加熱して溶媒中のセルトラリン塩基の溶解を促進することは必要であり得て、この場合に好ましい高温度は約30℃〜溶媒の還流温度、さらに好ましくは40℃〜溶媒の還流温度である。透明な溶液の形成は好ましいが、あらゆる未溶解セルトラリン塩基が以下の説明から明らかになるように塩酸セルトラリン型XVI沈殿物として溶液中に入り込むので、それは厳密には必要とされない。
【0067】
pH約1〜約1.5が達せられるまで、セルトラリン塩基を含有する溶液(または懸濁液)を通して気相塩化水素を泡立たせる。塩化水素の添加は塩酸セルトラリン塩の沈殿を誘発する。塩の沈殿は溶液中のセルトラリン塩基の濃度を減少させ、これは、いくらかでも未溶解のまま残っている場合により多くのセルトラリン塩基の溶解を可能とする。溶液pHの監視および必要な場合の塩化水素の維持用添加は、溶液のpHを好ましい範囲内に維持したいような場合に推奨される。この方法の実行のために推奨される負荷のどこかで、ゲル生成が起こり得る。一般に、形成されるあらゆるゲルは、濾過またはデカンテイングを可能とするために、混合物の連続攪拌により粉々にすることが可能である。沈殿が実質的に完遂された後に、結晶は濾過またはデカンテイング、任意に溶媒で洗浄することにより通常に単離して、塩酸セルトラリン型XVIを生成することが可能である。
【0068】
本発明の別の実施形態において、塩酸セルトラリン型XVIは塩酸セルトラリン型IIを調製するために有用である。この方法は、酢酸エチルおよびアセトンから選択される溶媒中に塩酸セルトラリン型XVIを懸濁することにより、塩酸セルトラリン型XVIを塩酸セルトラリン型IIに変換することを含む。一般的な負荷は、塩酸セルトラリン型の重量に対して溶媒約5体積〜約20体積の範囲、さらに好ましくは約10体積(本明細書において重量に対する体積はミリリットル/グラムまたは等価のリットル/キログラムの単位で測定される)である。塩酸セルトラリン型XVIは十分な時間にわたり懸濁されて、塩酸セルトラリン型XVIの塩酸セルトラリン型IIへの変換を誘発する。懸濁液は攪拌することが可能である。塩酸セルトラリン型XVIの塩酸セルトラリン型IIへの変換は加熱により促進され、溶媒の還流温度は、変換が約2時間の内に実質的に完全であるに十分な塩酸セルトラリン型IIへの変換を加速するために適している。次に、塩酸セルトラリン型IIの懸濁液は好ましくは室温に冷却されるか、または放置されて冷却される。塩酸セルトラリン型IIは、例えばデカンテイングまたは濾過により通常に単離される。
【0069】
塩酸セルトラリン多形体を含有する医薬組成物
本発明により、新規塩酸セルトラリン型XI〜XVIは、鬱病、強迫神経症およびパニック障害の治療に特に有用である医薬組成物として調製することが可能である。シロップ、エリキシル剤および溶液を調剤するために他の型を伴う塩酸セルトラリン型XIの上述の使用で分かるように、本発明の組成物は、一般に、本発明の新規型を単独または塩酸セルトラリンの他型と混合して含むことが可能である。こうした組成物は、また、医薬的に許容可能な賦形剤、すなわち1以上の医薬的添加剤を含むことが可能である。純粋形態であるか、一緒に混合されるか、または医薬的添加剤を含有する組成物において投与されるかには拘らず、形態(複数を含む)は粉末、顆粒、砂またはあらゆる他の固形状態を取ることが可能である。
【0070】
例えば、これらの組成物は経口的、非経口的、直腸的、経皮的、口腔内または鼻経由的に投与しようとする薬物として調剤することが可能である。経口投与に適する形態には、錠剤、圧縮または被覆ピル、糖衣錠、舌下錠剤、シロップ、エリキシル剤および懸濁液が挙げられる。非経口投与に適する形態には、水性または非水性溶液または乳化液、一方直腸投与に対して、投与に適する形態には親水性または疎水性賦形剤を伴う座薬が挙げられる。局所投与に対して、本発明は技術上知られる適する経皮的搬送系を提供し、鼻経由搬送に対しては技術上知られる適するエアゾール搬送系が提供される。
【0071】
錠剤作製用の組成物は、用いる錠剤化法、必要放出速度および他の因子に応じて少ないかまたは多い成分を有することが可能である。例えば、本発明の組成物は、粉末セルロース、微結晶性セルロース、微細セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩および他の置換および非置換セルロースなどのセルロース誘導材料;でんぷん;予備ゼラチン化でんぷん;炭酸カルシウムおよび二燐酸二塩基カルシウムのような無機希釈剤および医薬業界に知られる他の希釈剤などの希釈剤を含むことが可能である。他の適する希釈剤には、ワックス、糖およびマンニトールおよびソルビトールなどの糖アルコール、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、さらにペクチン、デキストリンおよびゼラチンが挙げられる。
【0072】
他の添加剤には、アカシアゴムなどの結合剤、予備ゼラチン化でんぷん、アルギン酸ナトリウム、グルコース、およびウエットおよびドライ造粒ならびに直接圧縮錠剤化法に用いられる他の結合剤が挙げられる。塩酸セルトラリンの新規型の固形組成物中にまた存在し得る添加剤には、さらに、グリコール酸でんぷんナトリウム、クロスポビドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースおよび他などの崩壊剤が挙げられる。追加の添加剤には、ステアリン酸マグネシウムおよびカルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムおよびポリエチレングリコールなどの錠剤性潤滑剤;香味料;甘味料;防腐剤;医薬的に許容可能な染料および二酸化ケイ素などの滑剤が挙げられる。
【0073】
カプセル投与は、勿論、ゼラチンまたは他のカプセル化材料から作製することが可能であるカプセル内の組成物を含む。錠剤および粉末は被覆することができる。被覆剤は腸溶性または非腸溶性であることができる。腸溶性粉末形態に適する被覆剤には、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ポリビニルアルコール、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンとマレイン酸のコポリマー、メタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、および似た材料が挙げられ、必要な場合に、それらは適する可塑剤および/または増量剤と共に用いることが可能である。被覆化錠剤は錠剤の表面上に被覆を有するか、または腸溶性被覆を持つ粉末または顆粒を含む錠剤であることができる。
【0074】
本発明の好ましい調剤は経口錠剤である。ピル、カプセル、糖衣錠、カチェット、トローチ、ペレット、懸濁液、粉末、トローチ剤、およびエリキシル剤など、および座薬、軟膏、懸濁液および非経口および点眼懸濁液を含む他の経口剤形も用いることが可能である。加えて、本発明の剤形は溶液中に溶解して塩酸セルトラリンおよび溶媒和物を搬送することが可能である。
【0075】
本発明の好ましい固形の経口投薬量は、約25mg〜約200mgの塩酸セルトラリン型XI、XII、XIII、XIV、XV、XVIまたはそれらの混合物を含む。さらに好ましい経口投薬量は、約50〜120mgの1以上の新規塩酸セルトラリン型を含む。
【0076】
横送り速度2°/分でλ=1.5418ÅのCu放射線を持つフィリップス(Philips)X線粉末回折計、角度計モデル1050/70を用いる技術上知られた方法により、粉末X線回折パターンを得た。
【0077】
パーキンエルマー(Perkin Elmer)FT−IRパラゴン1000分光計を用いる技術上知られた方法により、赤外スペクトルを得た。ヌジョールマル(Nujol mulls)中で試料を分析した。4cm-1分解能およびそれぞれ16スキャンでスペクトルを得た。
【0078】
こうしていくつかの好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、以下の実施例は、さらに、それにより新規型の塩酸セルトラリンを得ることが可能である方法を説明するために提供される。当業者は、本発明の精神と範囲を逸脱することなく説明され且つ実証された方法における変化および代用を認識するであろう。
【0079】
〔実施例〕
実施例1
塩酸セルトラリン型XIの調製
塩酸セルトラリン(10g)を、凝縮器、温度計および機械式攪拌器付の3口丸底フラスコ中のベンジルアルコール(30mL)に添加した。得られた懸濁液を緩やかに100℃に加熱しながら攪拌した。混合物が透明になった後に、得られた溶液を2時間かけて緩やかに100℃から25℃に冷却した。結晶が形成され、濾過により単離した。結晶を新鮮なベンジルアルコールですすぎ洗いをし、さらなる精製または乾燥なしで分析した。結晶は、それらの粉末X線スペクトルにより塩酸セルトラリン型XIとして同定された。
【0080】
熱重量分析により、試料が、150℃への加熱に際し、塩酸セルトラリンのベンジルアルコール半溶媒和物からのベンジルアルコールの完全な喪失に対応するその重量の12〜14%を失ったことを示した。
【0081】
実施例2
型XIからの塩酸セルトラリン型Xの調製
塩酸セルトラリン型XIを真空下で24時間にわたり80℃に加熱した。次に、得られた材料を真空下で室温に冷却した。得られた材料は塩酸セルトラリン型Xであることが見出された。
【0082】
実施例3
塩酸セルトラリン型XIIの調製
塩酸セルトラリン型V(100mg)を10mLガラスビンの中に入れた。蓋をしないビンをより大きなビンの底の水層中に設置した。大きなビンをシールし、塩酸セルトラリン型V結晶を1週間にわたり湿った環境の中で保持した。1週間後に回収された塩酸セルトラリン型XIIの結晶は、4.3、12.0、13.4、14.4、16.3、17.4、19.4、20.9、21.4、22.4、23.0、23.5および25.3(±0.2)度2θでの反射を示すそれらのX線回折パターンを特徴とした。
【0083】
実施例4
塩酸セルトラリン型XIVの調製
セルトラリン塩基(10g)をメタノール(100mL)とヘキサン(100mL)の混合物中に溶解した。気相HClを35℃で混合物が透明になる点pH1まで混合物を通して泡立たせた。得られた溶液を30℃でその間に結晶が形成される2時間にわたり攪拌した。結晶を濾過し、7.4±0.2、9.6±0.2、12.0±0.2、12.8±0.2、14.3±0.2、16.0±0.2、16.2±0.2、18.0±0.2、21.1±0.2、23.2±0.2、23.6±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、25.7±0.2、26.7±0.2、29.6±0.2および32.5±0.2度2θでの反射を示すそれらのX線回折スペクトルにより塩酸セルトラリン型XIVとして同定した。
【0084】
実施例5
型XIVからの塩酸セルトラリン型XIIIの調製
塩酸セルトラリン型XIV結晶を60℃で24時間にわたり乾燥した。乾燥された結晶をそれらの粉末X線回折スペクトルにより塩酸セルトラリン型XIIIとして同定した。
【0085】
実施例6
型IIからの塩酸セルトラリン型XIVの調製
塩酸セルトラリン型II(7g)をメタノール(21mL)中に懸濁し、1時間にわたり熱して還流した。溶液を放置して室温に冷却するとすぐに溶液中に結晶が形成した。結晶を濾過により単離し、それらの粉末X線回折パターンにより塩酸セルトラリン型XIVとして同定した。
【0086】
実施例7
塩酸セルトラリン型XIVからの型Vの調製
塩酸セルトラリン型XIV結晶を80℃で24時間にわたり乾燥して塩酸セルトラリン型Vを生成した。
【0087】
実施例8
セルトラリン塩基からの塩酸セルトラリン型XVの調製
セルトラリン塩基(10g)を室温でイソプロパノール:ヘキサン1:1(v:v)混合物(200mL)中に溶解した。次に、塩酸を溶液中にかき混ぜながら入れて塩酸セルトラリン型XVの沈殿を促進した。溶液を室温で攪拌し、その間に結晶が溶液中に形成した。結晶を濾過により単離し、1:1イソプロパノール:ヘキサン(2x10mL)で洗浄した。結晶を粉末X線スペクトルにより塩酸セルトラリンの新規型(塩酸セルトラリン型XVと表される)として同定した。
【0088】
実施例9
セルトラリン塩基からの塩酸セルトラリン型XVの調製
セルトラリン塩基(26.5g)を45℃でイソプロパノール(85mL)中に添加した。次に、塩酸を暖かい溶液中にかき混ぜながら入れた。得られた懸濁液を約60℃に加熱し、水を添加して塩酸セルトラリンの完全な溶解を促進した。次に、溶液を室温に冷却し、2.5時間にわたり攪拌して、塩酸セルトラリン型XVの形成およびその沈殿を促進した。塩酸セルトラリン型XV結晶を濾過に限らないがそれを含む従来の方法により単離した。
【0089】
実施例10
塩酸セルトラリン型VIからの塩酸セルトラリン型XVの調製
塩酸セルトラリン型VI(40g)をイソプロパノール(120mL)中に懸濁し、還流温度まで加熱した。塩酸セルトラリンは未溶解のままであった。水(20mL)を塩酸セルトラリンが溶解するまで暖かい懸濁液に緩やかに添加した。次に、溶液を放置して冷却した。約40℃に冷却後、混合物のゲル化が始まった。ゲルをイソプロパノールの添加および数分間にわたる還流温度への再加熱により再溶解した。次に、溶液を放置して再度室温に冷却し、室温で、その間に結晶が溶液中に形成される1時間にわたり攪拌した。塩酸セルトラリン型XV結晶を濾過により単離し、イソプロパノールで洗浄した(2x20mL)。
【0090】
実施例11
型XVからの塩酸セルトラリン型Vの調製
次に、型XV結晶を80℃で24時間にわたり乾燥して塩酸セルトラリン型Vを生成した。
【0091】
実施例12
セルトラリン塩基からの塩酸セルトラリン型XVIの調製
セルトラリン塩基(5g)をシクロヘキサン(50mL)中に懸濁し、懸濁液を約60℃に加熱してセルトラリン塩基を溶解した。気相塩酸をpH約1〜1.5が達せられるまで溶液中に泡立たせた。泡立ちを終わらせ、溶液を放置して約40℃に冷却するとすぐに結晶が溶液中に形成した。シクロヘキサンを濾過により除去し、残留物を粉末X線分光法により型XVIと表される新規型の塩酸セルトラリンとして同定した。型XVIの粉末X線スペクトルは2θで215.6および23.0での二つの幅広い反射を示す。
【0092】
実施例13
型XVIからの塩酸セルトラリン型Vの調製
塩酸セルトラリン型XVI結晶を24時間にわたり80℃に加熱して塩酸セルトラリン型Vを生成した。
【0093】
実施例14
セルトラリン塩基からの塩酸セルトラリン型XVIの調製
セルトラリン塩基(5g)をヘキサン(50mL)中に懸濁し、懸濁液を40℃に加熱して塩基を溶解した。次に、溶液を放置して30℃に冷却し、気相塩酸を溶液のpHが約1.5に達するまで溶液中に泡立たせた。溶液は酸性化されるがしかし攪拌はしたままの状態で溶液はゲル化した。ゲルを室温で2時間にわたり攪拌した。塩酸セルトラリン型XVIはヘキサンから沈殿した。ヘキサンを濾過により除去し、残留物を新鮮なヘキサンで洗浄した。残留物は塩酸セルトラリン型XVIであると測定された。型XVIの粉末X線スペクトルは2θで215.6および23.0での二つの幅広い反射を示す。
【0094】
実施例15
セルトラリン塩基からの塩酸セルトラリン型XVIの調製
セルトラリン塩基(5.8g)をトルエン(200mL)中に溶解した。溶液を通して気相塩酸を泡立たせて(約pH1.5)、塩酸セルトラリン型XVIの形成を誘導した。溶液は酸性化されるがしかし攪拌はしたままの状態で溶液はゲル化した。濾過および50℃で16時間にわたる乾燥により塩酸セルトラリン型XVI(6.61g)を生成する。
【0095】
実施例16
型XVIからの塩酸セルトラリン型IIの調製
塩酸セルトラリン型XVI(5g)を酢酸エチル(50mL)中に懸濁し、懸濁液を2hにわたり還流した。次に、懸濁液を約40℃に冷却し濾過した。固形残留物は塩酸セルトラリン型IIであることが見出された。
【0096】
実施例17
型XVIからの塩酸セルトラリン型IIの調製
塩酸セルトラリン型XVI(5g)をアセトン(50mL)中に懸濁し、懸濁液を2hにわたり還流した。次に、懸濁液を約40℃に冷却し濾過した。固形残留物は塩酸セルトラリン型IIであることが見出された。
【0097】
実施例18
型Iのリスラリー(reslurry)による塩酸セルトラリンエタノール付加物型VIの調製
塩酸セルトラリン型I(1g)および無水エタノール(20mL)を室温で24時間にわたり攪拌した。混合物の濾過により、塩酸セルトラリンエタノール付加物−型VIを生成した。
【0098】
実施例19
型IIのリスラリー(reslurry)による塩酸セルトラリンエタノール付加物型VIの調製
塩酸セルトラリン型II(1g)および無水エタノール(20mL)を室温で24時間にわたり攪拌した。混合物の濾過により、塩酸セルトラリンエタノール付加物−型VIを生成した。
【0099】
実施例20
型Vからの塩酸セルトラリンエタノール付加物−型VIの調製
塩酸セルトラリン型V(1g)および無水エタノール(20mL)を室温で24時間にわたり攪拌した。混合物の濾過により、塩酸セルトラリンエタノール付加物型VIを生成した。
【0100】
実施例21
型XIVからの塩酸セルトラリン型IIの調製
塩酸セルトラリン型XIV(3g)を酢酸エチル(45mL)中に懸濁した。懸濁液を熱し2時間にわたり還流して、塩酸セルトラリン型XIVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進した。次に、懸濁液を冷却した。塩酸セルトラリン型IIを濾過により単離した。
【0101】
実施例22
型XIVからの塩酸セルトラリン型IIの調製
塩酸セルトラリン型XIV(3g)をアセトン(30mL)中に懸濁した。懸濁液を熱し2時間にわたり還流して、塩酸セルトラリン型XIVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進した。次に、懸濁液を冷却した。塩酸セルトラリン型IIを濾過により単離した。
【0102】
実施例23
型XIVからの塩酸セルトラリン型IIの調製
塩酸セルトラリン型XIV(3g)をt−ブチル−メチル−(MTBE)中に懸濁した。懸濁液を熱し3時間にわたり還流して、塩酸セルトラリン型XIVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進した。次に、懸濁液を冷却した。塩酸セルトラリン型IIを濾過により単離した。
【0103】
実施例24
型XVからの塩酸セルトラリン型IIの調製
LOD(乾燥時損失)30%を伴う塩酸セルトラリン型XV(23g)を40℃に予熱された酢酸エチル(230mL)中に懸濁した。懸濁液を熱し2時間にわたり還流して、塩酸セルトラリン型XVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進した。次に、懸濁液を冷却した。塩酸セルトラリン型IIを濾過により単離した。
【0104】
実施例25
型XVからの塩酸セルトラリン型IIの調製
塩酸セルトラリン型XV(6g)をアセトン(60mL)中に懸濁した。懸濁液を熱し3時間にわたり還流して、塩酸セルトラリン型XVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進した。次に、懸濁液を冷却した。塩酸セルトラリン型IIを濾過により単離した。
【0105】
実施例26
型XVからの塩酸セルトラリン型IIの調製
LOD54%を伴う塩酸セルトラリン型XV(30g)を40℃に予熱されたt−ブチル−メチル−(MTBE)(300mL)中に懸濁した。懸濁液を熱して3時間にわたり還流して、塩酸セルトラリン型XVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進した。次に、懸濁液を冷却した。塩酸セルトラリン型IIを濾過により単離した。
【0106】
実施例27
型XVからの塩酸セルトラリン型IIの調製
塩酸セルトラリン型XV(6g)をシクロヘキサン(60mL)中に懸濁した。懸濁液を60℃で3時間にわたり加熱して、塩酸セルトラリン型XVの塩酸セルトラリン型IIへの変換を促進した。次に、懸濁液を冷却した。塩酸セルトラリン型IIを濾過により単離した。
【0107】
いくつかの修正、変更および代用が、本発明の教示から逸脱することなく当業者から予期され、期待されることは、理解されるべきである。従って、以下のクレームが広く、且つ本発明の範囲および精神に合致するやり方で解釈されることは適切である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】塩酸セルトラリン型XIの固有の粉末X線回折パターンである。
【図2】塩酸セルトラリン型XIの固有の赤外吸収スペクトルである。
【図3】塩酸セルトラリン型XIIの固有の粉末X線回折パターンである。
【図4】塩酸セルトラリン型XIIIの固有の粉末X線回折パターンである。
【図5】塩酸セルトラリン型XIVの固有の粉末X線回折パターンである。
【図6】塩酸セルトラリン型XVの固有の粉末X線回折パターンである。
【図7】塩酸セルトラリン型XVIの固有の粉末X線回折パターンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩酸セルトラリン型XI。
【請求項2】
約16.0±0.2、17.7±0.2、20.7±0.2、24.9±0.2および29.2±0.2度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XI。
【請求項3】
約6.9±0.2、8.7±0.2、9.7±0.2、14.0±0.2、16.0±0.2、17.3±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.7±0.2、22.1±0.2、22.5±0.2、23.0±0.2、23.8±0.2、24.9±0.2および29.2±0.2度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項2に記載の塩酸セルトラリン型XI。
【請求項4】
739、1040、1201、1560および1595cm-1でのバンドを含む赤外吸収を特徴とする塩酸セルトラリン型XI。
【請求項5】
698、739、750、781、817、838、886、954、1001、1030、1040、1075、1134、1201、1312、1328、1493、1560および1595cm-1でのバンドを含む赤外吸収を特徴とする、請求項4に記載の塩酸セルトラリン型XI。
【請求項6】
(a)ベンジルアルコール中に塩酸セルトラリンを溶解して塩酸セルトラリン溶液を形成し、
(b)塩酸セルトラリン溶液から塩酸セルトラリン型XIを結晶化し、および
(c)塩酸セルトラリン型XIを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XIを作成するための方法。
【請求項7】
塩酸セルトラリン型XIが塩酸セルトラリンベンジルアルコール半溶媒和物である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
塩酸セルトラリン型XIが一溶媒和物、二溶媒和物または三溶媒和物である請求項6に記載の方法。
【請求項9】
塩酸セルトラリン型XIがベンジルアルコール溶媒和物である請求項6に記載の方法。
【請求項10】
さらに溶液を加熱して溶解を促進する段階を含む請求項6に記載の方法。
【請求項11】
塩酸セルトラリン型XIを加熱する段階を含む塩酸セルトラリン型Xを作成する方法。
【請求項12】
塩酸セルトラリン型XIが真空下で加熱される請求項11に記載の塩酸セルトラリン型Xを作成する方法。
【請求項13】
塩酸セルトラリン型XII。
【請求項14】
塩酸セルトラリン型XII水和物。
【請求項15】
塩酸セルトラリン型XII一水和物。
【請求項16】
約4.3±0.2、12.0±0.2、13.4±0.2、16.3±0.2、および17.4±0.2度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XII。
【請求項17】
約4.3±0.2、12.0±0.2、13.4±0.2、14.4±0.2、16.3±0.2、17.4±0.2、19.4±0.2、20.9±0.2、21.4±0.2、22.4±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2および25.3±0.2度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項16に記載の塩酸セルトラリン型XII。
【請求項18】
(a)塩酸セルトラリンを水蒸気にさらし、および
(b)塩酸セルトラリン型XIIを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XIIを作成するための方法。
【請求項19】
段階(a)の塩酸セルトラリンが塩酸セルトラリン型Vである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
塩酸セルトラリン型XIV。
【請求項21】
約7.4±0.2、9.6±0.2、12.0±0.2、12.8±0.2、14.3±0.2、16.0±0.2、16.2±0.2、18.0±0.2、21.1±0.2、23.2±0.2、23.6±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、25.7±0.2、26.7±0.2、29.6±0.2および32.5±0.2度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XIV。
【請求項22】
(a)メタノールおよびヘキサンの溶媒混合物中にセルトラリン塩基を溶解してセルトラリン塩基および溶媒の溶液を形成し、
(b)溶液に塩化水素を添加して約0.5〜約1.5のpHを得、
(c)溶液から塩酸セルトラリンを沈殿させ、
(d)溶媒を除去し、および
(e)塩酸セルトラリン型XIVを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XIVを作成するための方法。
【請求項23】
溶媒がメタノールとヘキサンの1:1混合物である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
セルトラリン塩基および溶媒の混合物がメタノールとヘキサンの1:1混合物中でセルトラリン塩基の約150〜200mM溶液である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
(a)塩酸セルトラリン型IIをメタノールに添加してメタノール中における固形塩酸セルトラリンの懸濁液を形成し、
(b)懸濁液を十分な時間にわたり攪拌して、塩酸セルトラリン型IIの塩酸セルトラリン型XIVへの変換を誘発し、および
(c)塩酸セルトラリン型XIVを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XIVを作成するための方法。
【請求項26】
メタノールが塩酸セルトラリン型IIの重量当り約3体積からの量において用いられる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
さらに単離された塩酸セルトラリン型XIVを加熱して乾燥することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項28】
さらに懸濁液を加熱することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項29】
(a)塩酸セルトラリン型XIVを加熱し、および
(b)塩酸セルトラリン型Vを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型Vを作成するための方法。
【請求項30】
(a)メタノールおよびヘキサンの溶媒混合物中にセルトラリン塩基を溶解してセルトラリン塩基および溶媒の溶液を形成し、
(b)溶液に塩化水素を添加して約0.5〜約1.5のpHを得、
(c)溶液から塩酸セルトラリンを沈殿させ、
(d)溶媒を除去し、および
(e)塩酸セルトラリン型XIVを単離する
段階をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
(a)メタノールに塩酸セルトラリン型IIを添加してメタノール中に固形塩酸セルトラリンの懸濁液を形成し、および
(b)メタノールを除去して塩酸セルトラリン型XIVを得る
予備段階をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
加熱温度が約80℃であり、加熱が少なくとも約24時間続く請求項29に記載の方法。
【請求項33】
(a)塩酸セルトラリン型XIVを加熱し、および
(b)塩酸セルトラリン型XIIIを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XIIIを作成するための方法。
【請求項34】
塩酸セルトラリン型XIVが少なくとも約24時間にわたり約60℃に加熱される請求項33に記載の方法。
【請求項35】
約8.5±0.2、13.3±0.2、14.0±0.2、15.3±0.2、16.3±0.2、17.5±0.2、20.1±0.2、21.5±0.2、22.5±0.2、23.6±0.2、25.0±0.2および25.9±0.2度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XIII。
【請求項36】
(a)塩酸セルトラリン型XVを加熱し、および
(b)塩酸セルトラリン型Vを回収する段階を含む塩酸セルトラリン型Vを作成するための方法。
【請求項37】
塩酸セルトラリン型XVが少なくとも約24時間にわたり約80℃に加熱される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
約6.5±0.2、10.7±0.2、12.9±0.2、14.2±0.2、15.2±0.2、16.6±0.2、17.5±0.2、18.1±0.2、19.9±0.2、20.4±0.2、24.0±0.2および24.5±0.2度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XV。
【請求項39】
(a)イソプロパノールおよび非極性溶媒の混合物を含む溶媒中にセルトラリン塩基を溶解してセルトラリン塩基の溶液を形成し、
(b)セルトラリン塩基の溶液に塩酸水を添加して塩酸セルトラリン型XVの沈殿を促進し、
(c)溶媒を除去し、および
(d)塩酸セルトラリン型XVを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XVを作成するための方法。
【請求項40】
非極性溶媒がヘキサンである請求項39に記載の方法。
【請求項41】
(a)セルトラリン塩基をイソプロパノールに添加し、
(b)セルトラリン塩基およびイソプロパノールの混合物に十分な量の塩酸水を添加して塩酸セルトラリンを形成し、
(c)塩酸セルトラリンおよびイソプロパノールの混合物を加熱して塩酸セルトラリンの完全な溶解を促進し、
(d)水を混合物に添加して塩酸セルトラリンの完全な溶解を促進し、
(e)混合物を十分な時間にわたり攪拌して塩酸セルトラリン型XVへの変換を誘導し、および
(f)塩酸セルトラリン型XVを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XVを作成するための方法。
【請求項42】
混合物が約60℃に加熱される請求項41に記載の方法。
【請求項43】
(a)イソプロパノール水溶液中に塩酸セルトラリン型VIの懸濁液を形成し、および
(b)イソプロパノール水溶液の除去により塩酸セルトラリン型XVを単離する段階を含む塩酸セルトラリン型XVを調製するための方法。
【請求項44】
さらに懸濁液を加熱する段階を含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
塩酸セルトラリン型XVI。
【請求項46】
約15.6±0.2および23.0°±0.2°度2シータでのピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする塩酸セルトラリン型XVI。
【請求項47】
(a)溶媒がヘキサン、シクロヘキサンおよびトルエンからなる群から選択される溶媒中にセルトラリン塩基を溶解してセルトラリン塩基および溶媒の混合物を形成し、
(b)混合物に塩化水素を添加して約1〜約1.5のpHを得、
(c)混合物から塩酸セルトラリン型XVIを沈殿させ、
(d)溶媒を除去し、および
(e)塩酸セルトラリン型XVIを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型XVIを調製するための方法。
【請求項48】
さらに混合物を約30℃〜還流温度の温度範囲に加熱する段階を含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
溶媒がセルトラリン塩基の重量当り約5〜約20体積の量で用いられる請求項47に記載の方法。
【請求項50】
溶媒がトルエンである請求項47に記載の方法。
【請求項51】
溶媒がシクロヘキサンである請求項47に記載の方法。
【請求項52】
溶媒がヘキサンである請求項47に記載の方法。
【請求項53】
(a)酢酸エチル、アセトン、およびt−ブチル−メチル−エーテルからなる群から選択される溶媒に塩酸セルトラリン型XIVを添加して塩酸セルトラリン懸濁液を形成し、
(b)懸濁液を加熱し、
(c)懸濁液を十分な時間にわたり攪拌して塩酸セルトラリン型XIVを塩酸セルトラリン型IIに変換し、および
(d)塩酸セルトラリン型IIを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型IIを調製するための方法。
【請求項54】
懸濁液が約25℃〜還流温度の温度範囲に加熱される請求項53に記載の方法。
【請求項55】
懸濁液が加熱されて還流される請求項54に記載の方法。
【請求項56】
溶媒が酢酸エチルである請求項53に記載の方法。
【請求項57】
溶媒がアセトンである請求項53に記載の方法。
【請求項58】
溶媒がt−ブチル−メチル−エーテルである請求項53に記載の方法。
【請求項59】
さらに塩酸セルトラリン型IIを単離する前に懸濁液を冷却する段階を含む請求項53に記載の方法。
【請求項60】
(a)酢酸エチル、アセトン、t−ブチル−メチル−エーテルおよびシクロヘキサンからなる群から選択される溶媒に塩酸セルトラリン型XVを添加して塩酸セルトラリン懸濁液を形成し、
(b)懸濁液を十分な時間にわたり攪拌して塩酸セルトラリン型XVを塩酸セルトラリン型IIに変換し、
(c)懸濁液を加熱し、および
(d)塩酸セルトラリン型IIを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型IIを調製するための方法。
【請求項61】
懸濁液が約25℃〜還流温度の温度範囲に加熱される請求項60に記載の方法。
【請求項62】
懸濁液が加熱還流される請求項61に記載の方法。
【請求項63】
溶媒が酢酸エチルである請求項60に記載の方法。
【請求項64】
溶媒がアセトンである請求項60に記載の方法。
【請求項65】
溶媒がt−ブチル−メチル−エーテルである請求項60に記載の方法。
【請求項66】
溶媒がシクロヘキサンである請求項60に記載の方法。
【請求項67】
さらに塩酸セルトラリン型IIを単離する前に懸濁液を冷却する段階を含む請求項60に記載の方法。
【請求項68】
懸濁液が約25℃〜約5℃の温度範囲に冷却される請求項67に記載の方法。
【請求項69】
(a)酢酸エチルおよびアセトンからなる群から選択される溶媒に塩酸セルトラリン型XVIを添加して塩酸セルトラリン懸濁液を形成し、
(b)懸濁液を加熱して塩酸セルトラリン型XVIを塩酸セルトラリン型IIに変換することを促進し、および
(c)塩酸セルトラリン型IIを単離する
段階を含む塩酸セルトラリン型IIを調製するための方法。
【請求項70】
懸濁液が加熱されて還流される請求項69に記載の方法。
【請求項71】
塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVI、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量を含む医薬組成物。
【請求項72】
塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVI、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量を、こうした治療を必要とする患者に投与する段階を含む鬱病を治療するための方法。
【請求項73】
塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVIおよびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量を、こうした治療を必要とする患者に投与する段階を含む、強迫神経症を治療するための方法。
【請求項74】
塩酸セルトラリン型XI、型XII、型XIII、型XIV、型XV、型XVIおよびそれらの混合物からなる群から選択される塩酸セルトラリンの治療的に有効な量を、こうした治療を必要とする患者に投与する段階を含む、パニック障害を治療するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−308505(P2007−308505A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163172(P2007−163172)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【分割の表示】特願2001−546631(P2001−546631)の分割
【原出願日】平成12年12月21日(2000.12.21)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】