説明

新規構造のバッテリーセルアセンブリ及び同じものが採用されたバッテリーパック

ここに開示されているのは、バッテリーセルアセンブリであって、2以上のバッテリーセルを含むバッテリーセルアレイであって、その各々が、密閉された状態で電解質と一緒にバッテリーケースに配置され、横方向に配列される、カソード/セパレーター/アノード構造の電極アセンブリを有する、バッテリーセルアレイと、バッテリーパックの動作を制御するためバッテリーセルアレイの上側端部に接続される、保護回路モジュール(PCM)であって、バッテリーセルの外側又はバッテリーセルアレイの外側が、バッテリーセルの電極端子を除いて、インサート射出成形により樹脂でコートされる、保護回路モジュールと、を含むバッテリーセルアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、新規な構造のバッテリーセルアセンブリ、より詳しくは、2つ以上のバッテリーセルを含むバッテリーセルアレイを含むバッテリーセルアセンブリに関し、その各々は、密閉された状態で電解質と一緒にバッテリーケースに配置されて、横方向に配列された、カソード/セパレーター/アノード構造の電極アセンブリと、バッテリーパックの動作を制御するためにバッテリーセルアレイの上側端部に接続されている保護回路モジュールと、を有しており、そのバッテリーセルの外側又はバッテリーセルアレイの外側は、バッテリーセルの電極端子を除いて、インサート射出成形により樹脂でコートされる。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の可燃材料が、二次電池には含まれている。結果として、二次電池は、二次電池の過充電、二次電池の過電流、二次電池に加えられるその他の物理的外部衝撃により、加熱されるか又は爆発されるかもしれない。すなわち、二次電池の安全性は非常に低い。結果として、例えば、二次電池の過充電又は二次電池の過電流のような二次電池の異常な状態を効果的に制御するために、例えば、正温度係数(PTC)素子及び保護回路モジュール、などの安全素子が、バッテリーセル中に、安全素子がバッテリーセルに接続される状態で、配置されている。
【0003】
その一方で、ラップトップコンピューターのための通常のバッテリーパックが、互いに直列又は並列で高い柔軟性を示す幾つかの二次電池が電気的に接続されて、ソフトパックと呼ばれる電池セルアセンブリを製造するためにその二次電池を保護回路に溶接することにより接続することにより製造され、外部衝撃からバッテリーセルアセンブリを保護するか、美的な心地よい外見を提供するようにするため、バッテリーセルアセンブリをプラスチックパックケースの中に囲む。
【0004】
しかしながら、上述のようなラップトップコンピューターのための通常の電池パックを製造する方法において、その二次電池の高い柔軟性のために、バッテリーパックを組み立てることは難しい。
【0005】
また、バッテリーパックが組立てられた後、二次電池がパックケース中で動くことを防止するために、接着剤又は両面接着テープが、パックケースと二次電池の間に提供される。結果として、バッテリーパックを構成するパーツの数が増大し、バッテリーパック製造工程は複雑化される。さらに、外部衝撃がバッテリーパックに加えられたとき、二次電池は、パックケース中で動いて、結果としてバッテリーパックは異常になるかもしれない。
【0006】
したがって、上に述べられた構造を伴うラップトップコンピューターのためのバッテリーパックが製造されるときに、起こるアセンブリ複雑性を解決することができ、そして、上に述べられた構造を伴うラップトップコンピューターのためのバッテリーパックが製造されるときに、また引き起こされる、パックケース中の、例えば二次電池のような、バッテリーセルの動きを防止する、特定の構造を有するバッテリーセルアセンブリの高い必要性がある。
【0007】
一方、ラップトップコンピューターに取り付けられるバッテリーパックは、高い出力と容量を要求する。この目的のため、複数の円筒状バッテリーセルを含む通常の円筒状バッテリーパックが、一般に使用されてきた。しかしながら、近年、ラップトップコンピューターのサイズが減少されてきており、したがって、スリムタイプのバッテリーパックの高い必要性がある。
【0008】
したがって、スリムタイプのバッテリーパックを製造するため、高い容量のポーチ形状のバッテリーセルを使用することができる技術に向けた高い必要性があり、それによりバッテリーパックの全体の電流容量を増大させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本願発明は、上の問題及びまだ解決されていない他の技術的な問題を解決するためになされた。
【0010】
詳細には、本願発明の目的は、バッテリーセル又はバッテリーセルアレイがバッテリーセルの電極端子を除いてインサート射出成形により樹脂でコートされる、バッテリーセルアセンブリを提供することであり、それにより、アセンブリプロセスを単純化し、バッテリーセル又はバッテリーセルアレイがパックケース中で動くことを効果的に防ぐ。
【0011】
本願発明の別の目的は、バッテリーセル又はバッテリーセルアレイが樹脂でコートされた、バッテリーセルアセンブリを提供することであり、それにより、外部力がバッテリーセルアセンブリに加えられたとき、バッテリーセルアセンブリは損傷から防護されて、高い機械的強度を示す。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明の一実施態様によれば、上の及び他の目的は、バッテリーセルアセンブリであって、(a)2以上のバッテリーセルを含むバッテリーセルアレイであって、その各々が、密閉された状態で電解質と一緒にバッテリーケースに配置され、横方向に配列される、カソード/セパレーター/アノード構造の電極アセンブリを有する、バッテリーセルアレイ、(b)バッテリーパックの動作を制御するためバッテリーセルアレイの上側端部に接続される、保護回路モジュール(PCM)であって、バッテリーセルの外側又はバッテリーセルアレイの外側が、バッテリーセルの電極端子を除いて、インサート射出成形により樹脂でコートされる、保護回路モジュール、を含むバッテリーセルアセンブリを提供することにより達成されることができる。
【0013】
バッテリーセルアセンブリにおいて、本願発明によれは、バッテリーセルの外側又はバッテリーセルアレイの外側は、バッテリーセルの電極端子を除いてインサート射出成形により、樹脂でコートされる。結果的に、本願発明によるバッテリーセルアセンブリは、通常のバッテリーパック構造よりも、外部衝撃に対して高い機械的耐性を示す。
【0014】
また、本願発明によるバッテリーセルアセンブリは、通常のバッテリーパック構造よりも簡単に組立てられることができ、バッテリーセル又はバッテリーセルアレイがパックケース中で動くことを防止することが可能になる。
【0015】
その樹脂は、バッテリーセル又はバッテリーセルアレイが樹脂で簡単にコートされることができる限りにおいて、特に制限されていない。例えば、その樹脂は、ゴム又はプラスチックであることができる。
【0016】
バッテリーセルアセンブリは、バッテリーセルアレイの外側及び防止回路モジュールの外側が、インサート射出成形により、ゴム又はプラスチックで完全にコートされる、構造を有するように構成される。バッテリーセルアセンブリのみを使用してバッテリーパックを製造するので、追加のパックケースを使用することなくバッテリーパックを容易に製造することができる。
【0017】
保護回路モジュールは、抵抗溶接によりバッテリーセルの電極端子に接続された接続端子、バッテリーセルを互いに電気的に接続するために金属プレート、及びバッテリーパックの動作を制御するために保護回路を、含むことができる。
【0018】
上で述べられた構造の好ましい実施例において、バッテリーセルを互いに電気的に接続するために金属プレートが、保護回路モジュールの上で形成されることができる。この構造において、PCMを簡単に製造することが可能であり、バッテリーセルを互いに電気的に接続するためにPCMの保護回路中に金属ワイヤが層で形成される通常のバッテリーセル構造と比較してバッテリーセルアセンブリを簡単に組立てることが可能である。
【0019】
上で述べられた構造の別の好ましい実施例において、バッテリーセルのカソード端子の間の電気接続領域及び保護回路モジュールは、保護回路モジュールのそれぞれの接続端子の上に取り付けられた導電性プレートが溶接されて、導電性プレートがバッテリーセルのそれぞれのカソード端子を包むようにされる、構造を有するように構成されることができる。
【0020】
したがって、上述された構造物を伴うバッテリーセルアセンブリにおいて、保護回路モジュールの接続端子及びバッテリーセルのカソード端子は、導電性プレートを介して高い溶接結合力で互いに直接に接続され、それらは特定の構造を有するように構成されるものであり、保護回路モジュールに含まれる金属プレートを介して互いに直列に電気的に接続される。結果的に、高い容量のバッテリーセルアセンブリを簡単な方法の使用を通じて簡単に製造することができる。
【0021】
例えば、バッテリーセルアセンブリが3つのバッテリーセルより構成される場合において、バッテリーセルは、バッテリーセルアレイを構成するために横方向に配列され、バッテリーセルの電極端子とPCMの接続端子は、抵抗溶接により互いに接続され、それにより所望のバッテリーセルアセンブリを製造する。
【0022】
詳細には、導電性プレートは、保護回路モジュールの接続端子に取り付けられることができ、導電性プレートは曲げられることができ、導電性プレートは、バッテリーセルのカソード端子が導電性プレート上に配置される状態においてブラケット形状であってもよく、そして、抵抗溶接が導電性プレートの曲げ部分の上から実行されてもよく、それにより、保護回路モジュールの接続端子及びバッテリーセルのカソード端子の間で物理的結合及び電気的接続を達成する。
【0023】
導電性プレートの形状は、導電性プレートが簡単に曲げられることができる限りにおいて特に制限されていない。例えば、導電性プレートは、導電性プレートが保護回路モジュールの対応する接続端子に取り付けられる状態でL形状に形成されてもよい。
【0024】
各導電性プレートは、保護回路モジュール接続端子のうちの対応する1つの上に取り付けられる第1接続部分と、バッテリーセルの対応する1つのカソード端子の上に取り付けられる第2接続部分とを含んでもよい。結果的に、バッテリーセルのカソード端子と、保護回路モジュールの接続端子の間の接続は、より安全に達成される。さらに、外部力がバッテリーセルアセンブリに加えられた場合に、バッテリーセルのカソード端子と保護回路モジュールとの間の電気的接続領域の歪みが防止される。
【0025】
各導電性プレートを構成する材料は、導電性プレートが上で記載されているように溶接される場合に、導電性プレートが高い結合力を提供することができる限りにおいて、特に制限されない。好ましくは、各導電性プレートは、ニッケルプレートであり、バッテリーセルの各カソード端子は、アルミニウム端子である。
【0026】
結果的に、ニッケルプレートとアルミニウム端子の間の抵抗溶接中、抵抗溶接ロッドからの電流が、その抵抗が高い、ニッケルプレートから、その抵抗が低い、アルミニウム端子に流れ、ニッケルプレート及びアルミニウム端子の間の抵抗溶接が簡単に達成される結果になる。
【0027】
本願発明によるバッテリーセルアセンブリにおいて、任意のバッテリーセルが、バッテリーセルの種類及び形状にかかわりなく、様々な方法で使用されてもよい。幅比に対して薄い厚みを有するおよそ6面体構造のポーチ形状の二次バッテリー、好ましくは、ポーチ形状のリチウムイオンポリマーバッテリーが、バッテリーセルアセンブリの各バッテリーセルとして使用されてもよい。
【0028】
状況により、バッテリーセルアセンブリに電流を入力する、バッテリーセルアセンブリから電流を出力する、及び情報を送信及び受信する、外部入力及び出力端子が、窪んだ形状で、保護回路モジュールの前部に取り付けられてもよい。
【0029】
この構造において、外部入力及び出力端子はコネクター構造を有するように構成されるので、バッテリーセルアセンブリが、外部入力及び出力端子を通じて、外部装置に、安定的に接続されることができる。
【0030】
本願発明の別の態様によれば、上述の構造のバッテリーセルアセンブリを含むバッテリーパックと、バッテリーセルアセンブリが配置されるパックケースと、が提供されている。
【0031】
好ましくは、パックケースは、バッテリーセルアレイ及び保護回路モジュールが配置される下側ケースと、バッテリーセルアレイと保護回路モジュールを適所に固定するように下側ケースを覆うための上側ケースと、を含む。
【0032】
下側ケースは、バッテリーセルが配置されるバッテリーセル取り付け部分と、保護回路モジュールが配置される保護回路モジュール取り付け部分と、に区分けされてもよく、仕切り壁が、バッテリーセル取り付け部分と保護回路モジュール取り付け部分との間の境界で形成されてもよい。また、バッテリーセルの電極端子が保護回路モジュールに向かって露出されてそこを通る開口部が、バッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールの間の電気的接続領域に対応する仕切り壁の部分に形成されてもよい。
【0033】
このパックケース構造において、仕切り壁がバッテリーセル取り付け部分と保護回路モジュール取り付け部分との間の境界で形成されるので、バッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールのパーツの間の接触を抑止することが可能である。また、電解質が1以上のバッテリーセルから漏れる場合ですら、電解質が保護回路モジュールに流れることが防がれ、それにより短絡の発生を防止する。
【0034】
また、バッテリーセルの電極端子が保護回路モジュールに向かって露出されてそこを通る開口部が、バッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールの間の電気的接続領域に対応する仕切り壁の部分に形成されるので、その開口部を通じて露出されるバッテリーセルの電極端子を、保護回路モジュールの接続端子に、簡単に溶接することが可能である。
【0035】
仕切り壁の高さは、バッテリーセル取り付け部と保護回路モジュール取り付け部を互いから完全に隔離するのに十分であってよい。
【0036】
保護回路モジュール取り付け部は、バッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールの間の電気的接続領域を支持するための支持部を含む構造を有するように構成されてもよい。
【0037】
支持部の形状は、その支持部がバッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールの間の電気的接続領域を簡単に支持することができる限りにおいて、特に制限されない。例えば、支持部は、上向きの突起物の形状で、下側ケースに形成されてもよい。
【0038】
好ましくは、支持部が十字突起物の形状で形成される。結果的に、支持部は、バッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールの間の抵抗溶接中に、バッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールの間の電気的接触領域をより安定的に支持することが可能になる。
【0039】
本願発明の別の態様によれば、電力源として、上述の構造を備えたバッテリーパックを含むラップトップコンピューターが提供される。
【0040】
しかしながら、本願発明によるバッテリーパックは、バッテリーパックを構成するバッテリーセルの数を変えることにより装置により必要とされる電力及び容量を提供するように製造されてもよい。もちろん、したがって、本願発明によるバッテリーパックは、ラップトップコンピューターに加えて可変バッテリー容量を必要とする様々な装置に適用されることができる。
【0041】
本願発明のさらなる態様によれば、バッテリーパックを製造する方法が提供される。詳細には、本願発明によるバッテリーパックを製造する方法は、(a)2以上のバッテリーセルを配列するステップであって、それらの各々は、バッテリーセルを形成するため横方向で、密閉された状態で電解質と一緒にバッテリーケースに配置されたカソード/セパレーター/アノードの電極アセンブリを有する、ステップと、(b)バッテリーパックの動作を制御するため保護回路モジュール(PCM)の接続端子を、抵抗溶接により、バッテリーセルアレイの上側端部に配置されたバッテリーセルの電極端子に結合するステップと、(c)下側ケース上にバッテリーセルアレイ及び保護回路モジュールを配置し、バッテリーセルアレイと保護回路モジュールを適所に固定するため上側ケースで下側ケースを覆うステップとを含む。
【0042】
したがって、本願発明によるバッテリーパックの製造方法において、通常のバッテリーパック製造方法におけるよりもコンパクトな構造を有するバッテリーパックをより容易に製造することが可能である。
【0043】
好ましい実施例において、ステップ(a)は、さらに、モールドに各バッテリーセルを配置するステップと、バッテリーセルの外側を、バッテリーセルの電極端子を除いてインサート射出成形により樹脂でコートするステップとを含んでもよい。代替的に、ステップ(a)は、さらに、モールドにバッテリーセルアレイを配置するステップと、バッテリーセルアレイの外側を、バッテリーセルの電極端子を除いてインサート射出成形により樹脂でコートするステップとを含んでもよい。結果として、バッテリーセルの機械的強度を改善し、バッテリーセルをそのパックケース中の動きから保護することが可能である。
【0044】
別の好ましい実施例において、ステップ(b)は、さらに、PCMが抵抗溶接により接続されるバッテリーセルアレイをモールドに配置するステップと、バッテリーセルアレイ及びPCMをインサート射出成形により樹脂でコートするステップとをさらに含めてもよい。
【0045】
このケースにおいて、バッテリーセルアセンブリは、追加の上側ケース及び下側ケースを使用しないで、最終のバッテリーパックとして使用されてもよい。結果的にステップ(c)は省略してもよい。
【0046】
本願発明の、上の及び他の目的、特徴及び他の利点は、添付の図面と関連して示されている以下の詳細な説明から、より明らかに理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本願発明の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを示す斜視図である。
【図2】本願発明の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを示す斜視図である。
【図3】本願発明の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを示す斜視図である。
【図4】本願発明の別の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを示す斜視図である。
【図5】本願発明の別の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを示す斜視図である。
【図6】本願発明の別の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを示す斜視図である。
【図7】本願発明の別の実施形態によるバッテリーセルアセンブリを示す斜視図である。
【図8】本願発明の別の実施形態によるバッテリーセルアレイを示す斜視図である。
【図9】図8の領域Aを典型的に示す拡大図である。
【図10】図8の領域Bを典型的に示す拡大図である。
【図11】下側ケースの斜視図である。
【図12】図11の領域Cを典型的に示す拡大図である。
【図13】本願発明の抵抗溶接構造を示す典型図である。
【図14】本願発明の別の実施形態による複数のポーチ形状のバッテリーセルが互いに電気的に接続されている構造を示す部分斜視図である。
【図15】図14の保護回路モジュール(PCM)を典型的に示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
ここで、本願発明の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して詳細に記載される。しかしながら、本願発明の範囲は、例示された実施形態により限定されないことに留意されたい。
【0049】
図1〜3は、本願発明の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを典型的に示す斜視図である。
【0050】
これらの図面を参照して、バッテリーパックは以下のように製造される。最初に、図1(a)に示されるようにバッテリーセル31は、モールドに配置され、バッテリーセル31の外側が、図1(b)に示されるようなバッテリーセル32を製造するため、バッテリーセル31の電極端子を除いてインサート射出成形によりゴムでコートされる。
【0051】
続いて、3つのバッテリーセル32は、そのうち1つが図1(b)に示されており、図2(b)に示されるようにバッテリーセルアセンブリ50を製造するために、図2(a)に示されるように保護回路へ直列及び/又は並列に溶接されている。
【0052】
続いて、図2(b)のバッテリーセルアセンブリ50は、図3(a)に示されるように下側ケース10に配置され、上側ケース20は、バッテリーセルアセンブリ50を適所に固定するために下側ケース10を覆う。このように、図3(b)に示されるようにバッテリーパック100は完成される。
【0053】
詳細には、図2(b)を参照すると、バッテリーセルアセンブリ50は、3つのバッテリーセル32を含んでいるバッテリーセルアレイ30であって、それらの各外側が、バッテリーセル32のそれぞれの電極端子を除いてインサート射出成形により樹脂でコートされ、横方向に配列されるものと、バッテリーセルアレイ30の上側端部に接続される保護回路モジュール40と、を含む。
【0054】
各バッテリーセル32は、カソード/セパレーター/アノード構造を有する電極アセンブリが、密閉された状態で電解質と一緒にバッテリーケース中に配置されるように構成された、ポーチ形状の二次電池である。ポーチ形状の二次電池は、プレート形状の構造、すなわち、幅比に対して薄い厚みを有するおよそ6面体構造を有するように、一般的に、構成されている。一般的に、ポーチ形状の二次電池は、ポーチ形状の電池ケースを含む。電池ケースは、高い耐久性を示すポリマー樹脂から形成された外側コーティング層、湿気又は空気を封鎖する金属材料から形成されたバリア層、及び熱的に溶接されることができるポリマー樹脂から形成される内側シーラント層、が連続して積層された、ラミネートシート構造を有するように構成される。
【0055】
図3(a)を参照して、パックケースは、バッテリーセルアレイ30と保護回路モジュール40が取り付けられる下側ケース10、及びそのバッテリーセルアレイ30と保護回路モジュール40が適所に固定されるために下側ケース10の上に配置される上側ケース20を含む。
【0056】
図4〜6は、本願発明の別の実施形態によるバッテリーパックを製造するプロセスを典型的に示す斜視図である。
【0057】
これらの図面を参照して、バッテリーパックが以下のように製造される。最初に、3つのバッテリーセル31は、そのうち1つが図4(a)に示されており、図4(b)に示されるようにバッテリーセル31は横方向に配列される状態で保護回路40へ直列及び/又は並列に溶接される。
【0058】
続いて、バッテリーセルアレイ30は、モールド中に配置され、図5(b)に示されるようにバッテリーアセンブリ50aを製造するため、バッテリーセルアレイの外側が、バッテリーセルの電極端子及び保護回路モジュールを除いてインサート射出成形によりゴムでコートされる。
【0059】
続いて、図5(b)のバッテリーセルアセンブリ50aは、図6(a)で示されるように下側ケース10に配置され、上側ケース20は、そのバッテリーセルアセンブリ50aを適所に固定するために下側ケース10を覆う。このように、図6(b)に示されるようにバッテリーパック100aが完成された。
【0060】
図7は、本願発明の別の実施形態によるバッテリーセルアセンブリを典型的に示す斜視図である。
【0061】
図7を参照して、バッテリーセルアセンブリ50bは、バッテリーセルアレイ30の外側及び保護回路モジュール40の外側が、インサート射出成形によりゴムで完全にコートされるように構成される。このバッテリーセルアセンブリ50bは、追加のパックケースに取り付けることなしに完成されたバッテリーパックとして使用されてもよい。
【0062】
図8は、本願発明の別の実施形態によるバッテリーセルアレイを典型的に示す斜視図である。図9は、図8の領域Aを典型的に示す拡大図であり、図10は、図8の領域Bを典型的に示す拡大図である。
【0063】
これらの図面を参照して、下側ケース10cは、バッテリーセル32cが配置されるバッテリーセル取り付け部12c、及び保護回路モジュール40cが配置される保護回路モジュール取り付け部14cに区切られる。
【0064】
区切り壁16cは、バッテリーセル取り付け部12c及び保護回路モジュール取り付け部14cの間の境界に形成される。そこを通じてバッテリーセル32cのアノード端子34cが保護回路モジュール40cに向けて晒される、開口部18cは、バッテリーセル32cのアノード端子34c及び保護回路モジュール40cの間の電気的接続領域に対応する区切り壁16の部分に形成される。
【0065】
区切り壁16cは、バッテリーセル取り付け部12c及び保護回路モジュール40cを互いから完全に隔離するのに十分な高さhを有している。状況により、対応する区切り壁が、上で述べられた隔離を達成するために、上側ケースに形成されてもよい(示されていない)。
【0066】
保護回路モジュール40cは、バッテリーセル32cのカソード端子33cに抵抗溶接により接続された接続端子42cと、互いに接続端子42cに電気的に接続するための金属プレート(示されていない)と、バッテリーパックの動作を制御するための保護回路(示されていない)と、を含む。
【0067】
各々のバッテリーセル32cのカソード端子33cと保護回路モジュール40cとの間の電気的接続領域Bが、保護回路モジュール40cの接続端子42cの対応する1つに取り付けられた導電性プレート41cが各々のバッテリーセル32cのカソード端子33cを包む構造を有するように構成される。
【0068】
また、導電性プレート41cは、ニッケルプレートであってもよく、保護回路モジュール40cの対応する接続端子42cの上に取り付けられる第1接続部分43cと、対応するバッテリーセル32の、アルミニウム端子であってもよい、カソード端子の上に取り付けられる第2接続部分44cと、を含む。
【0069】
詳細には、導電性プレート41cは、保護回路モジュール40cの対応する接続端子42cの上に、L形状で、取り付けられている。導電性プレート41は、対応するバッテリーセル32cのカソード端子33cが導電性プレート41cの第1接続部分43cの上に配置される状態でブラケット形状に曲げられ、次いで抵抗溶接が、導電性プレート41cの曲げ部分である第2接続部分44cの上から実行される。
【0070】
一方、外部入力及び出力端子、すなわち、コネクター46cは、電流をバッテリーパックに入力し、バッテリーパックから電流を出力し、そして情報を送信及び受信し、窪んだ形態で、保護回路モジュールの前部に取り付けられている。
【0071】
図11は、下側ケースを典型的に示す斜視図であり、図12は図11の領域Cを典型的に示す拡大図である。
【0072】
これらの図面を図8及び10と一緒に参照して、電流をバッテリーパックに入力し、バッテリーパックから電流を出力し、情報を送信及び受信する、外部入力及び出力端子46cが取り付けられる、外部入力及び出力端子取り付け部15cは、下側ケース10cの保護回路モジュール取り付け部14cに形成される。
【0073】
また、各バッテリーセル32cのカソード端子33c及び保護回路モジュール40cの間の電気的接続領域を支持するための支持部材13cが、下側ケース10cに、支持部材13が区切り壁16cに接続されるような状態で上向きに十字形状の突起物の形状で形成される。支持部材13は、抵抗溶接中にバッテリーセル32のそれぞれのカソード端子33cの上に位置する溶接チップ(示されていない)により加えられる下向きの圧力を適切に支持し、それにより高い溶接圧力を提供する。
【0074】
図13は、本願発明の抵抗溶接構造を示す典型図である。
【0075】
図13を参照して、保護回路ボード410の上に配置される、ニッケルプレート430及びアルミニウム端子420の間の抵抗溶接中に抵抗溶接ロッドから発生した電流は、その抵抗が高い、ニッケルプレート430から、その抵抗が低い、アルミニウム端子420に流れ、そしてニッケルプレート430に流れて戻る。このとき、熱は、それらの間の抵抗差により、アルミニウム端子420とニッケルプレート430の間の境界で生成され、ニッケルプレート430とアルミニウム端子420の間の抵抗溶接が容易に達成される結果となる。
【0076】
図14は、本願発明の別の実施形態による複数のポーチ形状のバッテリーセルが互いに電気的に接続されている構造を典型的に示す部分斜視図であり、そして、図15は、図14の保護回路モジュール(PCM)を典型的に示す拡大平面図である。
【0077】
これらの図面を参照すると、互いにバッテリーセル32d、34d及び36dを電気的に接続する金属プレート402dは、第1バッテリーセル32dのアノード端子324dが第2バッテリーセル34dのカソード端子342dに直列に接続されている構造で、保護回路モジュール40dの上に形成されている。
【0078】
また、保護回路モジュール40dは、過充電、過放電及び過電流を制御するための保護回路を有するPCM本体401dと、互いにバッテリーセル32d、34d及び36dを直接的に電気的に接続するためバッテリーセル32d、34d及び36dの電極端子に対応するPCM本体401dの位置に形成される接続端子404d及び407dと、互いに接続端子404d及び407dを電気的に接続するためPCM本体401dの上に形成される金属プレート405dと、電流をバッテリーパックに入力するため、電流をバッテリーパックから出力するため、及び情報を送信及び受信するために、窪んだ形態で、PCM本体401の前部に取り付けられる外部入力及び出力端子403dと、を含む。
【0079】
本願発明の実施形態は、例示的な目的のために開示されるものであるが、当業者は、添付の請求項で開示されるような発明の範囲及び精神から離れることなく、様々な修正、追加及び置換が可能なことを理解しうる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
上記記載から明らかなように、本願発明によるバッテリーセルアセンブリは、それぞれのバッテリーセルの外側又はバッテリーセルアレイの外側は、バッテリーセルの電極端子を除いてインサート射出成形により樹脂でコートされる。結果的に、アセンブリプロセスを単純化すること、及びパックケース中でバッテリーセル又はバッテリーセルアレイが移動することを効果的に防ぐことが可能になる。
【0081】
また、バッテリーセル又はバッテリーセルアレイは、樹脂でコートされる。結果として、バッテリーセルアセンブリの機械的強度は顕著に改善されることが可能である。
【符号の説明】
【0082】
10 下側ケース
10c 下側ケース
12c バッテリーセル取り付け部
13c 支持部材
14c 保護回路モジュール取り付け部
15c 外部入力及び出力端子取り付け部
16 区切り壁
16c 区切り壁
20 上側ケース
30 バッテリーセルアレイ
31 バッテリーセル
32 バッテリーセル
32c バッテリーセル
32d バッテリーセル
33c カソード端子
34c アノード端子
34d バッテリーセル
36d バッテリーセル
40 保護回路モジュール
40c 保護回路モジュール
41c 導電性プレート
42c 接続端子
43c 第1接続部分
44c 第2接続部分
46c コネクター
50 バッテリーセルアセンブリ
50a バッテリーセルアセンブリ
50b バッテリーセルアセンブリ
100 バッテリーパック
100a バッテリーパック
401d PCM本体
402d 金属プレート
403d 外部入力及び出力端子
404d 接続端子
405d 金属プレート
407d 接続端子
410 保護回路ボード
420 アルミニウム端子
430 ニッケルプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルアセンブリであって、
(a)2以上のバッテリーセルを含むバッテリーセルアレイであって、その各々が、密閉された状態で電解質と一緒にバッテリーケースに配置され、横方向に配列される、カソード/セパレーター/アノード構造の電極アセンブリを有する、バッテリーセルアレイ、及び
(b)バッテリーパックの動作を制御するため前記バッテリーセルアレイの上側端部に接続される、保護回路モジュール(PCM)であって、バッテリーセルの外側又はバッテリーセルアレイの外側が、バッテリーセルの電極端子を除いて、インサート射出成形により樹脂でコートされる、保護回路モジュール、
を具備するバッテリーセルアセンブリ。
【請求項2】
前記樹脂が、ゴム又はプラスチックである請求項1に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項3】
前記バッテリーセルアレイの外側及び前記防止回路モジュールの外側が、インサート射出成形により、ゴム又はプラスチックで完全にコートされる、請求項1に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項4】
前記保護回路モジュールは、抵抗溶接により前記バッテリーセルの電極端子に接続された接続端子、バッテリーセルを互いに電気的に接続するために金属プレート、及びバッテリーパックの動作を制御するために保護回路、を具備する請求項1に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項5】
前記バッテリーセルを互いに電気的に接続するために前記金属プレートは、保護回路モジュールの上で形成される請求項4に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項6】
前記バッテリーセルのカソード端子の間の電気接続領域及び保護回路モジュールは、保護回路モジュールのそれぞれの接続端子の上に取り付けられた導電性プレートが溶接されて、導電性プレートがバッテリーセルのそれぞれのカソード端子を包むようにされる、構造を有するように構成される請求項4に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項7】
各導電性プレートは、前記保護回路モジュールの接続端子のうちの対応する1つの上に取り付けられる第1接続部分と、前記バッテリーセルの対応する1つのカソード端子の上に取り付けられる第2接続部分と、を具備する請求項6に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項8】
各導電性プレートは、ニッケルプレートであり、前記バッテリーセルの各カソード端子は、アルミニウム端子である請求項7に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項9】
前記バッテリーセルのそれぞれは、ポーチ形状の二次バッテリーである請求項1に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項10】
前記バッテリーセルアセンブリに電流を入力する、前記バッテリーセルアセンブリから電流を出力する、及び情報を送信及び受信する、外部入力及び出力端子が、窪んだ形態で、保護回路モジュールの前部に取り付けられる、請求項1に記載のバッテリーセルアセンブリ。
【請求項11】
請求項1によるバッテリーセルアセンブリ及びそのバッテリーセルアセンブリが配置されるパックケースを具備するバッテリーパック。
【請求項12】
前記パックケースは、バッテリーセルアレイ及び保護回路モジュールが配置される下側ケースと、バッテリーセルアレイと保護回路モジュールを適所に固定するように下側ケースを覆うための上側ケースと、を具備する請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
下側ケースは、前記バッテリーセルが配置されるバッテリーセル取り付け部分と、前記保護回路モジュールが配置される保護回路モジュール取り付け部分と、に区分けされることができ、
仕切り壁が、前記バッテリーセル取り付け部分と前記保護回路モジュール取り付け部分との間の境界で形成され、一方、前記バッテリーセルの電極端子が保護回路モジュールに向かって露出されてそこを通る開口部が、前記バッテリーセルの電極端子と前記保護回路モジュールの間の電気的接続領域に対応する仕切り壁の部分に形成される、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
保護回路モジュール取り付け部分は、バッテリーセルの電極端子と保護回路モジュールの間の電気的接続領域を支持するための支持部を具備する請求項13に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
電力源として、請求項11に記載のバッテリーパックを具備するラップトップコンピューター。
【請求項16】
バッテリーパックを製造する方法であって、
(a)2以上のバッテリーセルを配列するステップであって、それらの各々は、バッテリーセルを形成するため横方向で、密閉された状態で電解質と一緒にバッテリーケースに配置されたカソード/セパレーター/アノードの電極アセンブリを有する、ステップと、
(b)バッテリーパックの動作を制御するため保護回路モジュール(PCM)の接続端子を、抵抗溶接により、前記バッテリーセルアレイの上側端部に配置された前記バッテリーセルの電極端子に結合するステップと、
(c)下側ケース上に前記バッテリーセルアレイ及び前記保護回路モジュールを配置し、バッテリーセルアレイと保護回路モジュールを適所に固定するため上側ケースで前記下側ケースを覆うステップと、
を含む、バッテリーパックを製造する方法。
【請求項17】
ステップ(a)は、さらに、各バッテリーセルをモールドに配置するステップと、バッテリーセルの外側を、バッテリーセルの電極端子を除いてインサート射出成形により樹脂でコートするステップとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(a)は、さらに、バッテリーセルアレイをモールドに配置するステップと、バッテリーセルアレイの外側を、バッテリーセルの電極端子を除いてインサート射出成形により樹脂でコートするステップとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(b)は、さらに、PCMが抵抗溶接により接続されるバッテリーセルアレイをモールドに配置するステップと、バッテリーセルアレイ及びPCMをインサート射出成形により樹脂でコートするステップとをさらに含む、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−518387(P2013−518387A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551085(P2012−551085)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000538
【国際公開番号】WO2011/093639
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】