説明

新規殺微生物剤

式(I)(式中、置換基は請求項1において定義された通りである)の化合物は、殺微生物剤としての使用のために適切である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のは、新規の殺微生物活性、特に殺真菌活性チエニル/ベンズチエニルエチルアミドに関する。それはさらに、それらの化合物の調製に使用される中間体類、それらの化合物を含んで成る組成物類、及び植物病原性微生物、好ましくは真菌による植物の加害を制御するか又は妨げるためへの農業又は園芸へのそれらの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
チエニルエチルアミド類及び殺真菌剤としてのそれらの使用は、WO2006/108791号及びEP1710237A1号に記載されている。ベンズチエニルエチルアミド類及び殺真菌剤としてのそれらの使用は、WO2007/006739号に記載されている。
【発明の概要】
【0003】
新規チエニル/ベンズチエニルエチルアミドが殺微生物活性を有することが見出されて。本発明は、下記式(I)
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、R1, R2及びR4はお互い独立して、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルであり;
Xは、酸素、硫黄、-N(R9)-又は-N(R10)-O-であり;
R9及びR10はお互い独立して、水素又はC1-C6アルキルであり;
R3は、C1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキルであり;
Qは、下記Q1
【0006】
【化2】

【0007】
であるか、又は
Qは、下記Q2
【0008】
【化3】

【0009】
であり、ここで個々のR5はお互い独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;
nは、1,2又は3であり;
mは1,2,3又は4であり;
【0010】
Aは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択された、1〜3個のヘテロ原子を含む5−又は6−員の複素環式環又はフェニル環であり;前記複素環式環又はフェニルは、基R6, R7及びR8によりそれぞれ置換され;R6, R7及びR8はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロゲンアルキル、C1-4ハロゲンアルコキシ、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル又はC1-4ハロゲンアルコキシ(C1-4)アルキルであり、但しR6, R7及びR8の少なくとも1つは水素ではなく;
R15は、水素又はC3-C7シクロアルキルである]で表される化合物、及びその化合物の互変異体/異性体/鏡像異性体を供給する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によれば、用語“アセチニル”とは、置換基R5の定義において使用される場合、基“-C≡C-”である。例としては、C3シクロアルキルアセチニルは、下記基:
【0012】
【化4】

【0013】
であり、そして例えば、化合物1.17における置換基R5bとして存在する。
置換基の定義において存在するアルキル基は、直鎖又は枝分れ鎖であり、そして例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルである。アルコキシ、アルケニル及びアルキニル基は、言及されるアルキル基から誘導される。アルケニル及びアルキニル基は、一又は二不飽和化され得る。
【0014】
置換基の定義において存在するシクロアルキル基は例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。
【0015】
ハロゲンは一般的に、弗素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくは弗素、臭素又は塩素である。従って、これはまた、他の意味、例えばハロゲンアルキル又はハロゲンアルコキシと組合してのハロゲンにも適用される。
【0016】
ハロゲンアルキル基は好ましくは、1〜4個の炭素原子の鎖長を有する。ハロゲンアルキルは例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−2,2,2−トリクロロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロエチル及び2,2,2−トリクロロエチル;好ましくはトリクロロメチル、ジフルオロクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びジクロロフルオロメチルである。
【0017】
アルコキシは例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシ;好ましくはメトキシ及びエトキシである。ハロゲンアルコキシは例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び2,2,2−トリクロロエトキシ;好ましくはジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシ及びトリフルオロメトキシである。
【0018】
アルコキシアルキルは例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、n−プロポキシメチル、n−プロポキシフェニル、イソプロポキシメチル又はイソプロポキシエチルである。
【0019】
ハロゲンフェニルは好ましくは、1,2又は3個のハロゲン原子により置換されたフェニル、例えば4−クロロ−フェニルである。
【0020】
本発明においては、“酸素、窒素及び硫黄から、それぞれ独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5−又は6−員の複素環式環”とは好ましくは、ピラゾリル(特にピラゾール−4−イル)、トリアゾリル(特にチアゾール−5−イル)、ピロリル(特にピロール−3−イル)、1,2,3トリアゾリル、オキサゾリル(特にオキサゾール−5−イル)、ピリジル(特にピリド−3−イル)又は2,3ジヒドロ−[1,4]オキサチイニル(特に2,3ジヒドロ−[1,4]オキサチイン−5−イル)を意味する。
【0021】
式I化合物は、異なった異性体形で存在することができ;本発明はすべてのそれらの異性体及びそれらの混合物を保護する。式Iの化合物は異なった互異性体形で存在することができる。例えば、式Iの化合物は、下記互変異体形II及びIIIで存在する:
【0022】
【化5】

【0023】
本発明は、すべてのそれらの互変異体形及びそれらの混合物をカバーする。
R15が水素である、式Iの化合物が好ましい。
化合物の好ましい基においては、Aは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5−員の複素環式環であり;その複素環式環は、基R6, R7及びR8により置換される。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、
Aが下記A1
【0024】
【化6】

【0025】
であり、ここでR16はハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;
R17は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;そして
R18は水素、ハロゲン又はシアノであり;あるいは、
Aが、下記A2
【0026】
【化7】

【0027】
であり、ここでR26はハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;そして
R27はC1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;あるいは、
Aが、A3
【0028】
【化8】

【0029】
であり、ここでR36はハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;
R37はC1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;そして
R38は水素、ハロゲン又はシアノであり;あるいは、
Aは、下記A4
【0030】
【化9】

【0031】
であり、ここでR46及びR47はお互い独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルである。
【0032】
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、AはA1である。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、AはA2である。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、AはA3である。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、AはA4である。
【0033】
化合物のもう1つの好ましい基においては、Aは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択された1〜3個のヘテロ原子を含む、フェニル環又は6−員の複素環式環であり;そのフェニル環又は複素環式環は、基R6, R7及びR8により置換される。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、
Aは、下記A5
【0034】
【化10】

【0035】
であり、ここでR56はハロゲン、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;あるいは、
Aは、下記A6
【0036】
【化11】

【0037】
であり、ここでR56はハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4アルコキシ−C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;あるいは
Aは、下記A7
【0038】
【化12】

【0039】
であり、ここでR76はC1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルである。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、AはA5である。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、AはA6である。
前記化合物の好ましい基においては、さらに好ましくは、AはA7である。
【0040】
化合物の特に好ましい基においては、AはA1であり、ここでR18は水素である。化合物の特に好ましい基においては、AはA1であり、ここでR16はC1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキル、好ましくはC1-C4ハロゲンアルキルであり;R17はC1-C4アルキルである;そしてR18は水素又はハロゲン、好ましくは水素である。
化合物のもう1つの特に好ましい基においては、AはA2であり、ここでR26はC1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルであり;そしてR27はC1-C4アルキルである。
【0041】
化合物のさらにもう1つの特に好ましい基においては、AはA3であり、ここでR36はC1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルであり; R37はC1-C4アルキルであり;そしてR36は水素又はハロゲンである。
化合物のさらにもう1つの特に好ましい基においては、AはA4であり、ここでR45はC1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルであり;そして R47はC1-C4アルキルである。
【0042】
化合物のさらにもう1つの特に好ましい基においては、AはA4であり、ここでR46はハロゲンメチルであり、好ましくはR46はCF3、CF2H及びCFH2から選択され;そしてR47はC1-C4アルキルである。
化合物のさらにもう1つの特に好ましい基においては、AはA5であり、ここでR56はハロゲン又はC1-C4ハロゲンアルキルである。
化合物のさらにもう1つの特に好ましい基においては、AはA6であり、ここでR66はハロゲン又はC1-C4ハロゲンアルキルである。
【0043】
化合物のさらにもう1つの特に好ましい基においては、AはA7であり、ここでR76はC1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルである。
化合物の好ましい基においては、R1, R2及びR4はお互い独立して、水素又はメチルである。1つの態様においては、R2及びR4は両者とも水素であり、そしてR1はメチルである。1つの態様においては、R1, R2及びR4はすべて水素である。
【0044】
化合物の好ましい基においては、Xは酸素又は硫黄である。
化合物の好ましい基においては、Xは酸素である。
化合物の好ましい基においては、Xは硫黄である。
化合物の好ましい基においては、Xは-N(R9)-である。
化合物の好ましい基においては、Xは-N(R10)-O-である。
【0045】
化合物の好ましい基においては、R3はC1-C6アルキル、好ましくはメチル又はエチルである。1つの態様においては、R3はメチルである。もう1つの態様においては、R3はエチルである。
1つの態様においては、QはQ1(テニルエチルアミド)である。
1つの態様のいては、Q1は下記Q1A
【0046】
【化13】

【0047】
であり、ここでR5及びnは式I下で定義される通りである(チエン−2−イルエチルアミド)。
好ましくは、Q1Aは下記Q1A-1
【0048】
【化14】

【0049】
であり、ここでR5aは、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;
R5bは、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである;そして
R5cは、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである。
【0050】
この態様におけるさらにより好ましい化合物においては、R5aがハロゲン、より好ましくはクロロであり;R5bがハロゲン、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cが水素である。それらの化合物は、表1〜13に示される。
1つの態様においては、Q1は、下記Q1B
【0051】
【化15】

【0052】
であり、ここでR5及びnは式I下に定義される通りである(チエン−3−イルエチルアミド)。
好ましくは、Q1Bは、下記Q1B-1
【0053】
【化16】

【0054】
であり、ここでR5aは、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;
R5bは、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである;そして
R5cは、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである。
【0055】
この態様におけるより好ましい化合物においては、R5a及びR5bは両者ともお互い独立して、ハロゲン、より好ましいクロロであり;そしてR5cは、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである。それらの化合物は、表14〜20に示される。
【0056】
この態様におけるより好ましい化合物においては、R5a及びR5cは、両者ともお互い独立して、ハロゲン、より好ましいクロロであり;そしてR5bは、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである。またそれらの化合物は、表14〜20に示される。
【0057】
1つの態様においては、QはQ2である(ベンズチエニルエチルアミド)。
1つの態様においては、Q2は下記Q2A
【0058】
【化17】

【0059】
であり、ここでR5及びmは式I下に定義される通りである(ベンズチエン−2−イルエチルアミド)。
好ましくは、Q2Aは下記Q2A-1
【0060】
【化18】

【0061】
であり、ここでR5a及びR5bはそれぞれお互い独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cは、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである。
【0062】
この態様におけるより好ましい化合物においては、R5aは、ハロゲン、より好ましくはクロロであり;R5bは、ハロゲン、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cは水素である。1つの態様においては、R5bは、ベンズチオフェンの5’位置に存在する。もう1つの態様においては、R5bはベンズチオフェンの6’位置に存在する。それらの態様は、表21〜33の化合物により表される。
1つの態様においては、Q2は、下記Q2B
【0063】
【化19】

【0064】
であり、ここでR5及びmは式I下で定義される通りである(ベンズチエン−3−イルエチルアミド)。
好ましくは、Q2Bは下記Q2B-1
【0065】
【化20】

【0066】
であり、ここでR5a及びR5bはそれぞれお互い独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cは、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである。
【0067】
この態様におけるより好ましい化合物においては、R5aは、ハロゲン、より好ましくはクロロであり;R5bは、ハロゲン、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cは水素である。
【0068】
式I(式中、R15は水素である)の化合物の調製が下記に示される。式I(式中、QはQ1A-1であり;R2及びR4は両者とも水素であり;R5a及びR5bは両者とも、お互い独立して、クロロ又はブロモであり;そしてR5cは水素である)の化合物(スキーム1の式IAの化合物)が、スキーム1に従って調製され得る。
【0069】
【化21】

【0070】
式VAのチオフェン−2−アルデヒドが式R1CH2NO2(式中、R1は式I下で定義される通りである)のニトロアルカンにより反応せしめられ、式IVA(式中、R1は式I下で定義される通りである)のニトロアルケンが形成される。前記反応は、便利には、周囲温度〜還流温度で、酢酸及び酢酸アンモニウムの存在下で実施される。
【0071】
式IVAのニトロアルケンは、式MXR3(式中、MはLi、Na又はKであり;X及びR3は式I下に定義される通りである)の化合物と反応せしめられ、式III A(式中、X、R1及びR3は式I下に定義される通りである)のニトロアルカンが形成される。
式III Aのニトロアルカンは、例えばエーテル溶媒、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン中、LiAlH4を用いることにより、式IIA−2(式中、X、R1及び式III A下に定義される通りである)のアミンに還元され得る。
【0072】
式IIA−2のアミンは、酢酸の存在下で臭素により、式IIA(式中、Halは塩素又は臭素であり;そしてX、R1及びR3は式III A下に定義される通りである)のアミンに、塩素化又は臭素化され得る。
【0073】
式IIAのハロゲン化されたアミンは、その対応する酸誘導体、例えば式A-C(O)Cl(式中、Aは式I下に定義される通りである)の酸塩化物を用いることにより、アミド化され、式IAのハロゲン化されたアミドが形成され得る。そのようなアミド化は便利には、塩基、例えばトリエチルアミン、Hunig塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピリジン又はキノリン、好ましくはトリエチルアミンの存在下で、及び溶媒、例えばジエチルエーテル、TBME、THF、ジクロロメタン、クロロホルム、DMF又はNMP下で、10分〜48時間、好ましくは12〜24時間、及び0℃〜還流温度、好ましくは20〜25℃で実施される。
【0074】
式I(式中、QはQ1A-1であり;R2及びR4は両者とも水素であり;R5aはクロロ又はブロモであり;そしてR5bはフェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである)の化合物(スキーム2の式IA−2又はIA−3の化合物が)スキーム2に従って調製され得る。
【0075】
【化22】

【0076】
式IA−2(式中、A, X, R1及びR3は式IA下に定義される通りである、そしてX1はハロゲンであり、そしてqは0,1,2,3,4又は5である)の化合物は、式IA(式中、A, X, R1, 及びR3は式IA下に定義される通りである、そしてHalはブロモである)のアミドと、式VII(式中、X1はハロゲンであり、そしてqは0,1,2,3,4又は5、好ましくは0又は1である)の化合物とを、よく知られたSuzukiカップリング方法を用いて、反応することにより調製され得る。Suzuki反応はまた、2つの芳香族環系の直接的にカップリングのための標準方法の1つに成っており、そして例えばJournal of the American Chemical Society 121(41), 9550 (1999)及びJournal fur Praktische Chemie 342(4), 334-339 (2000)に記載されている。
【0077】
式IA−3(式中、A, X, R1及びR3は式IA下に定義される通りである、そしてR*はC3-C7シクロロアルキル、フェニル又はハロゲンフェニルである)の化合物は、式IA(式中、A, X, R1及びR3は式IA下に定義される通りである、そしてHalはブロモである)のアミドと、式VIII (式中、R*はC3-C7シクロアルキル、フェニル又はハロゲンフェニルである)のアセチニル化合物とを、良く知られているSonogashiraカップリング方法を用いて、反応せしめることにより調製され得る。Sonogashira反応は、不飽和化された、及び芳香族又は複素芳香族分子中にアルキニル官能基を導入するための標準方法の1つに成っている。
【0078】
それは、例えばthe Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis Vol.1 , 767-789 (2002)において;I.B.Campbell in Organocopper reagents (I RL-Press, 1994); K.C.Nicolaou et. al. in Angewandte Chemie Int. Ed., 44, 4442 (2005); R. Tykwinski et. al., ibid.42,1433 (2002);及びA.Zapf et.al. in Topics in Catalysis, 19, 101 (2002)により再考される。
【0079】
式I(式中、QはQ1B-1であり;R2及びR4は両者とも水素であり;R5a及びR5bは両方ともクロロであり;そしてR5cはブロモである)の化合物、及び式I(式中、QはQ1B-1であり;R2及びR4は両者とも水素であり;R5a及びR5cは両者ともクロロであり;そしてR5bはブロモである)の化合物(スキーム3aの式IB−1及びIB−2の化合物)が、スキーム3aに従って調製される。
【0080】
【化23】

【0081】
チオフェン−3−アルデヒド(式VIBの化合物)が式VBの三塩素化されたチオフェンアルデヒドを生成するために、既知方法に従って、Cl2/AlCl3により徹底的に塩素化され得る。
式VBの化合物が、式R1CH2NO2(式中、R1は式I下に定義される通りである)のニトロアルカンと反応され、式IVB(式中、R1は式I下に定義される通りである)のニトロアルケンが形成される。
【0082】
式IVBのニトロアルケンが、式MXR3(式中、MはLi、Na又はKであり;X及びR3は式I下に定義される通りである)の化合物と反応され、式III B(式中、X, R1及びR3は式I下に定義される通りである)のニトロアルカンが形成される。
式III Bのニトロアルカンが、式IIB−3及びIIB−4(式中、X、R1及びR3は式I下に定義される通りである)のニ塩素化されたアミンに還元され得る。続いて、式IIB−3及びIIB−4のアミンは臭素化され、式IIB-1及びIIB−2(式中、X、R1及びR3は式I下に定義される通りである)のアミンが形成される。
【0083】
式IIB−1固及びIIB−2の臭素化されたアミンは、その対応する酸誘導体、例えば式A−C(O)Cl(式中、Aは式I下に定義される通りである)の酸塩化物を用いることにより、アミド化され、式IB−及びIB−2(式中、X, A, R1及びR3は式I下に定義される通りである)の臭素化されたアミドが形成される。
式IB-1の化合物は、スキーム3bに従って調製され得る。
【0084】
【化24】

【0085】
下記式IB−3及びIB-4:
【化25】

【0086】
(式中、A, X, R1及びR3は式IA下に定義される通りである、そしてX1はハロゲンであり、そしてqは0,1,2,3,4又は4である)で表される化合物は、式IB−1及びIB-2の臭素化されたアミンと、式VIIの化合物とを、上記Suzuki反応を通して反応せしめることにより調製され得る。
下記式IB-5及びIB−6:
【0087】
【化26】

【0088】
(式中、A, X, R1及びR3は式IA下に定義される通りであり、そしてR*はC3-C7シクロアルキル、フェニル又はハロゲンフェニルである)で表される化合物は、式IB-1及びIB-2の臭素化されたアミンと、式VIII のアセチニル化合物とを、上記の良く知られてるSonogashiraカップリング方法を用いて反応せしめることにより、調製され得る。
式IIB-1/IIB-2、IIB-3/IIB-4、IB-1/IB-2、IB-3/IB-4 及びIB-5/IB-6の化合物は、HPLCにより分離され得る。
式I(式中、QはQ2A-1であり、R5aはクロロであり、そしてR2及びR4は両者とも水素である)の化合物(スキーム4の式ICの化合物)は、スキーム4に従って調製され得る。
【0089】
【化27】

【0090】
式VC(式中、R5b及びR5cは式I下に定義される通りである)のベンズチオフェンは、J. Org. Chem. 1996, 61 (9), 6523-25に記載されるようにして、式VIC(式中、R5b及びR5cは式I下に定義される通りである)の化合物から調製され得る。
式VCのベンズチオフェンから出発して、式IVC、III C、IIC及びIC(式中、X, A, R1, R3, R5b及びR5cは式I下に定義される通りである)の化合物は、スキーム1について上記のようにして調製され得る。
【0091】
式IC(式中、R5bは、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cは水素である)の化合物は、式IC(式中、R5bはブロモであり、そしれR5cは水素である)の化合物と、式VII 又はVIIIの化合物とを、Suzuki反応又はSonogashira反応を通して、上記スキームに記載のようにして反応せしめることにより調製され得る。
【0092】
式VA、VII 、VIII、VIB及びVIC(式中、置換基は、上記の通りである)の化合物、及び式R1CH2NO2及びMXR2(式中、R1及びR3は式I下に定義される通りであり;そしてMはLi, Na又はKである)の化合物は、知られており、そして市販されているか、又は上記引例に従って、又は当業界において知られている方法に従って調製され得る。
式A−C(O)Clの化合物は、知られており、そして一部、市販されている。それらは、WO 00/09482号、WO 02/38542号、WO 04/018438号EP-0-589-301号、WO 93/11117号 及び Arch. Pharm. Res. 2000, 23(4), 315-323に記載に類似して調製され得る。式I(式中、R15はC3-C7シクロアルキルである)の化合物は、次の反応スキームに従って調製され得る:
【0093】
【化28】

【0094】
A, Q, X, R1, R2, R3及びR4の定義に従って官能化された式Iのすべての追加の化合物の調製に関しては、多数の知られている適切な標準方法、例えばアルキル化、ハロゲン化、アシル化、アミド化、オキシム化、酸化及び還元が存在する。適切である調製方法の選択は、中間体における置換基の性質(反応性)に依存する。
【0095】
式Iの化合物を得るための反応は好都合には、非プロトン性不活性有機溶媒下で実施される。そのような溶媒は、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン又はシクロヘキサン、塩素化された炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン又はクロロベンゼン、エーテル、例えばジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン、ニトリル、例えばアセトニトリル又はプロピオントリル、アミド、例えばN, N−ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド又はN−メチルピロリジノンである。反応温度は好都合には、-20℃〜+120℃である。
【0096】
一般的に、反応はわずかに発熱性であり、そして原則として、それらは室温で実施され得る。反応時間を短縮するためには、又は反応を開始するためには、混合物は、反応混合物の沸点に、すばやく加熱され得る。反応時間はまた、数滴の反応触媒の添加により短縮され得る。適切な塩基は特に、第三アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン又は1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンである。
【0097】
しかしながら、無機塩基、例えば水素化物、例えば水素ナトリウム又は水素化カルシウム、炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム、又は炭酸水素塩、例えば炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウムがまた、塩基として使用され得る。塩基は、単独で又は触媒量の相移行触媒、例えばクラウンエーテル、特に18−クラウン−16、又はテトラアルキルアンモニウム塩と共に使用され得る。
【0098】
式Iの化合物は、濃縮及び/又は溶媒の蒸発により通常の態様で単離され、そして再結晶化又は固体残渣が容易に溶解できない溶媒、例えばエーテル、芳香族炭化水素又は塩素化された炭化水素においてのその残渣の粉砕により精製され得る。
【0099】
化合物I及び適切な場合、その互異性体は、可能である異性体の1つの形で、又はそれらの混合物として、例えば純粋な異性体、例えば対掌体及び/又はジアステレオマーの形で、又は異性体混合物、例えば鏡像異性体混合物、例えばラセミ体、ジアステレオマー混合物又はラセミ体混合物として、分子に存在する不斉炭素原子の数、絶対的及び相対的形状に依存して、及び/又は分子に存在する非芳香族二重結合の形状に依存して、存在することができ;本発明は、純粋な異性体及びまた、可能であるすべての異性体混合物に関し、そして立体化学の詳細が個々の場合、特別に言及されていない場合でさえ、上記及び下記に記載される意味で理解されるべきである。
【0100】
化合物I及び適切な場合、その互変異体はまた、適切な場合、水和物の形で得られ、そして/又は他の溶媒、例えば固体形で存在する化合物の結晶化のために使用され得るそれらの溶媒を含む。
下記式II:
【0101】
【化29】

【0102】
[式中、Q, X, R1, R2, R3及びR4は式I下に定義される通りである]の中間体は、新規であり、そして式Iの化合物の調製のために特に開発された。従って、式IIのそれらの中間体はまた、本発明の主題の一部を形成する。
式IIの好ましい群の中間体は、式IIA又はIIA−2の化合物である。
式IIのさらに好ましい群の中間体は、式IIB-1、IIB-2、IIB-3又はIIB-4の化合物である。
式IIのさらに好ましい群の中間体は、式IICの化合物である。
また、下記式III :
【0103】
【化30】

【0104】
[式中、Q, X, R1, R2, R3及びR4は式I下に定義される通りである]の中間体は、新規であり、そして式Iの化合物の調製のために特に開発された。従って、式III のそれらの中間体はまた、本発明の主題の一部を形成する。
式III の好ましい群の中間体は、式III Aの化合物である。
式III のさらに好ましい群の中間体は、式III の化合物である。
式III のさらに好ましい群の中間体は、式III Cの化合物である。
本発明の式Iの化合物が、植物病原性微生物、例えば真菌により引起される疾病に対して、有用な植物を保護するための非常に好都合な範囲の活性を有することが現在、見出された。
【0105】
本発明は、式Iの化合物が有用な植物、その一部又はその部位に適用される、植物病原性微生物による加害を制御するか又は妨げるための方法に関する。本発明の式Iの化合物は、植物により十分に耐性であることにより、及び環境的に安全であることにより、低い適用割合で卓越した活性により区別される。それらは、非常に有用な治療、予防及び全身性特性を有し、そして多くの有用な植物の保護のために使用される。式Iの化合物は、植物又は異なった収穫物の有用な植物の一部(果物、花、葉、茎、球根、根)上に存在する疾病を阻害するか又は破壊し、同時に、例えば植物病原性微生物から、後で成長する植物のそれらの一部を保護するために使用され得る。
【0106】
特に種子(果物、塊茎、穀物)及び植物挿し穂(例えば米)の植物成長材料の処理のための、及び真菌感染及び土壌に存在する植物病原性真菌に対する保護のためのドレッシング剤として式Iの化合物を使用することが可能である。
さらに、本発明の式Iの化合物は、関連する領域、例えば技術的材料、例えば木材及び木材関連の技術的製品の保護、食品貯蔵又は衛生管理における真菌を制御するために使用され得る。
【0107】
式Iの化合物は例えば、次の種類の植物病原性真菌に対して効果的である:不全菌類(例えば、ボチチス属(Botrytis)、ピリキュラリア属(Pyricularia)、ヘルミンソスポリウム(Helminthosporium)、フサリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポラ(Cercospora)及びアルテルナリア(Alternaria))及び担子菌類(例えば、リゾクトニア(Rhizoctonia)、ヘミレイア(Hemileia)、プシニア(Puccinia))。さらに、それらはまた、子嚢菌類(例えばベンツリア(Venturia)及びエリシフェ(Erysiphe)、ポドスファエラ(Podosphaera)、モニリニア(Monilinia)、ウンシヌラ(Uncinula))及び卵菌類(例えば、ファイトプソラ(Phytophthora)、ピチウム(Pythium)、プラスモパラ(Plasmopara))に対しても効果的である。
【0108】
著しい活性がうどんこ病菌(エリシフェspp.(Erysiphe spp.))に対して観察された。さらに、式Iの新規化合物は、植物病原性細菌及びウィルス(例えば、キサントモナスspp(Xanthomonas spp), シュードモナスspp(Pseudomonas spp), エルウィニア・アミノボニラ(Erwinia amylovora)及びタバコモザイク病ウィルス)に対して効果的である。良好な活性が、アジア大豆赤カビ病(ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi))に対して観察された。
【0109】
本発明の範囲内で、保護されるべき有用な植物は典型的には、次の植物種を包含する:
穀類(小麦、大麦、ライ麦、オート麦、米、トウモロコシ、サトウモロコシ及び関連する種);テンサイ(砂糖大根及び飼料ビート);なし状果、核果及び柔らかな果物(リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、チェリー、イチゴ、ラズベリー及びキイチゴ);マメ科植物(そら豆、レンズ豆、エンドウ、大豆);油料植物(レイプ、マスタード、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ヤシ、トウゴマ、ココア豆、ラッカセイ);キュウリ植物(かぼちゃ、キュウリ、メロン);繊維植物(綿、麻、大麻、黄麻);柑橘果物(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンドリン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、ドマト、ジャガイモ、パプリカ);樟科(アボカド、シナモン、樟脳);又は植物、例えばタバコ、ナット、コーヒー、ナス、サトウキビ、紅茶、コショウ、つる植物、ホップ、バナナ及び天然ゴム植物、並びに観賞植物。
【0110】
用語“有用な植物”とは、品種改良又は遺伝子工学の従来の結果としての、プロモキシニルのような除草剤又はある種の除草剤(例えば、HPPD阻害剤、ALS阻害剤、例えばプリミスルフロン、プロスルフロン及びトリフロキシスルフロン、EPSPS(5−エノール−ピロビル−シキメート−3−ホスフェート−シンターゼ)阻害剤、GS(グルタミンシンターゼ)阻害剤又はPPO(プロトポルフィリノーゲン−ホキシダーゼ)阻害剤)に対して耐性にされた有用な植物を包含するものとして理解されるべきである。
【0111】
品種改良(突然変異誘発)の従来方法により、イミダゾリノン、例えばイマザモクスに対して耐性にされた収穫物の例は、Clearfield(商標)夏ナタネ(カノラ)である。遺伝子工学法により、除草剤又はある種の除草剤に対して耐性にされた収穫物の例は、商品名RoundupReady(商標) , Herculex I(商標) 及び LibertyLink(商標)として市販されているグリホセート−及びグルホシネート−耐性トウモロコシ品種を包含する。
【0112】
用語“有用な植物”とは、例えばトキシン−生成細菌、特にバチルス(Bacillus)属のそれらから知られている、1又は複数の選択的作用性毒素を合成できる、組換えDNA技法の使用により形質転換されている有用な植物を包含するものとして理解されるべきである。
【0113】
用語“有用な植物”とは、選択的作用を有する抗病原性物質、例えばいわゆる、“病因−関連のタンパク質”(PRP、例えばEP-A-O392225号を参照のこと)を合成できる組換えDNA技法の使用により形質転換された有用な植物を包含するものとして理解されるべきである。そのような抗病原性物質及びそのような抗病原性物質を合成できるトランスジェニック植物の例は、例えばEP-A-O 392 225号、WO 95/33818号及びEP-A-O 353 191号から知られている。そのようなトランスジェニック植物を生成する方法は、一般的に当業者に知られており、そして例えば上記に言及される出版物に記載されている。
【0114】
用語、有用な植物の“部位”とは、本明細書において使用される場合、有用な植物の植物成長材料が種蒔されるか、又は有用な植物の植物成長材料が土壌中に配置される、有用な植物が成長する場所を包含するものとして意図される。そのような部位の例は、収穫植物が成長するフォールドである。
【0115】
用語“植物成長材料”とは、植物の増殖のために使用され得る、植物の発生部分、例えば種子、及び成長材料、例えば挿し穂又は塊茎を示すことが理解される。例えば種子(厳密な意味で)、根、果物、塊茎、球根、根茎及び植物の一部が言及され得る。発芽した植物、及び発芽の後又は土壌からの出現の後、移植される若い植物がまた、言及され得る。それらの若い植物は、含浸による全体又は一部の処理により、移植の前、保護され得る。好ましくは、“植物成長物質”とは、種子を示すものとして理解される。
【0116】
式Iの化合物は、変性されていない形で、又は好ましくは、製剤業界において通常使用されるキャリヤー及びアジュバントと共に使用され得る。
従って、本発明はまた、式Iの化合物及び不活性キャリヤーを含んで成る、植物病原性微生物を制御し、そしてそれに対して保護するための組成物、及び式Iの化合物を活性成分として含んで成る組成物が有用な植物、その一部又はその部位に適用される、植物病原性微生物による加害を制御するか又は妨げるための方法にも関する。
【0117】
このためには、式Iの化合物及び不活性キャリヤーは便利には、乳化可能濃縮物、被覆できるペースト、直接的に噴霧できるか又は希釈できる溶液、希釈エマルジョン、湿潤性粉末、溶解できる粉末、ダスト、粒状物及びまた、例えばポリマー物質におけるカプセルかに、既知態様で配合される。組成物の型に関しては、適用方法、例えば噴霧、微粒化、ダスチング、散布、被覆又は注入が、意図された目的及び通常の環境に従って選択される。組成物はまた、追加のアジュバント、例えば安定剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤又は粘着付与剤、及び肥料、微量栄養素ドナー又は特定の効果を得るための他の配合物を含むことができる。
【0118】
適切なキャリヤー及びアジュバントは、固体又は液体であり得、そして配合技法において有用な物質、例えば天然又は再生された鉱物物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤又は肥料である。そのようなキャリヤーは例えば、WO97/33890号に記載されている。
【0119】
式Iの化合物、又は活性成分としての式Iの化合物及び不活性キャリヤーを含んで成る組成物は、植物の部位又は処理される植物に同時に又は追加の化合物と共に連続して適用され得る。それらの追加の化合物は、植物の成長に影響を及ぼす、肥料又は微量栄養ドナー又は他の調製物であり得る。それらはまた、選択的除草剤、及び殺昆虫剤、殺真菌剤、殺細菌剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤、又は所望には、配合業界において通常使用される、追加のキャリヤー、界面活性剤又は適用促進アジュバントと共に、それらのいくつかの調製物の混合物でもあり得る。
【0120】
式Iの化合物、又は活性成分としての式Iの化合物及び不活性キャリヤーを含んで成る組成物の好ましい適用方法は、葉面散布である。適用の頻度及び適用割合は、その対応する病原体による加害の危険性に依存するであろう。しかしながら、式Iの化合物はまた、液体配合物により植物の部位を浸すことにより、又は固体形、例えば粒状形で土壌に化合物を適用することにより(土壌適用)、土壌を通して根から植物に侵入することができる(全身性作用)。マコモ(water rice)の収穫物においては、そのような粒状物が水田に適用され得る。式Iの化合物はまた、殺真菌剤の液体配合物により種子又は塊茎を含浸するか、又は固体配合物によりそれらを被覆することにより、種子(被覆)に適用され得る。
【0121】
配合物、すなわち式Iの化合物及び所望には、固体又は液体アジュバントを含んで成る組成物は、既知態様で、典型的には、前記化合物と増量剤、例えば溶媒、固体キャリヤー及び任意には界面活性剤化合物(界面活性剤)とを親密に混合し、そして/又は粉砕することにより調製される。
【0122】
農薬配合物は通常、0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜95重量%の式Iの化合物、99.9〜1重量%、好ましくは99.8〜5重量%の固体又は液体アジュバント、及び0〜25重量%、好ましくは0.1〜25重量%の界面活性剤を含むであろう。
濃縮物として市販の製品を配合することが好ましいが、最終使用者は通常、希配合物を使用するであろう。
【0123】
適用の好都合な割合は通常、1ヘクタール当たり5g〜2kgの活性成分、好ましくは10g〜1kg a.i./ヘクター、最も好ましくは20g〜600g a.i./ヘクタールである。種子含浸剤として使用される場合、便利な適用割合は、種子1kg当たり10mg〜1gの活性物質である。所望する作用のための適用割合は、実験により決定され得る。それは、作用のタイプ、有用な植物の成長段階、及び適用(位置、タイミング、適用方法)に依存し、そしてそれらのパラメーターのために、広い制限内で変化することができる。
【0124】
驚くべきことには、式Iの化合物はまた、グリホセート及び少なくとも1つの式Iの化合物の組合せを、グリホセートに対して耐性であるか、又はそれに対して感受性である植物又はその部位に投与することを含んで成る、植物病原性生物による攻撃に対して有用な植物の収穫物を保護し、そして植物病原性生物により加害される有用な植物を処理するための方法に使用され得ることが現在見出された。
【0125】
前記方法は、グリホセートの不在下で式Iの化合物を用いるのと比較して、疾病の意外に改良された制御を提供することができる。前記方法は、式Iの化合物による疾病の制御の増強において効果的であり得る。グリホセート及び少なくとも1つの式Iの化合物の混合物が式Iの化合物により、少なくとも一部、制御される疾病範囲を高めることができるが、式Iの化合物により、いくらかの程度、制御されることがすでに知られている疾病種に対する式Iの化合物の活性の上昇がまた、観察される効果でもあり得る。
【0126】
前記方法は、菌類界、バシジオミコット(Basidiomycot)門、ウレジノマイヤス(Uredinomycetes)網、ウレジニオマイセチダエ(Urediniomycetidae)亜網及びウレジナレ(Uredinales)(通常、赤カビとしても言及される)の植物病原性生物に対して特に効果的である。農業に対して特に大きな衝撃を有する赤サビの種は、ファコプソラセアエ(Phakopsoraceae)科、特にファコプソラ(Phakopsora)属、例えばファコプソラ・パキリジ(Phakopsora・pachyrhizi)(また、アジアの大豆さび菌とも言及される)、及びプシニアセアエ(Pucciniaceae)科、特にプシニア(Puccinia)属、例えばプシニア・グラミニス(Puccinia graminis)(また、穀類収穫物における問題の疾病である黒錆病又は黒さび病としても知られている)及びプシニア・レコンジタ(Puccinia recondite)(また、茶色さび病としても知られている)を包含する。
【0127】
前記方法の態様は、グリホセート、例えばその塩又はエステル、及び植物病原性生物に対する活性を有する少なくとも1つの式Iの化合物を、植物、植物の一部及び植物の部位から成る群から選択された少なくとも1つのメンバーに同時適用することを含んで成る、植物病原性生物による攻撃に対して有用な植物の収穫物を保護し、そして/又は植物病原性生物により加害される有用な植物の収穫物を処理する方法である。
【0128】
上記に記載される、式(I)の化合物、又は医薬的に許容できるその塩はまた、動物における微生物感染の処理及び/又は予防のための好都合な範囲の活性を有することができる。
【0129】
“動物”とは、いずれかの動物、例えば昆虫、哺乳類、爬虫類、魚類、両生類、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトであり得る。“処理”とは、感染の上昇又は広がりを低めるか又は遅延するか又は停止するか、又は感染を低めるか、又は感染を治療するために、微生物感染を有する動物への使用を意味する。“予防”とは、いずれかの未来の感染を予防するか、又はいずれかの未来の感染の上昇又は広がりを低めるか又は遅延するために、微生物感染の外見上の徴候を有さない動物への使用を意味する。
【0130】
本発明によれば、動物における微生物感染の処理及び/又は予防に使用するための薬物の製造への式(I)の化合物の使用が提供される。医薬剤としての式(I)の化合物の使用がまた提供される。動物の処理への抗微生物剤としての式(I)の化合物の使用がまた提供される。本発明によれば、活性成分としての式(I)の化合物、又は医薬的に許容できるその塩、及び医薬的に許容できる希釈剤又はキャリヤーを含んで成る医薬組成物がまた提供される。この組成物は、動物における微生物感染の処理及び/又は予防のために使用され得る。
【0131】
この医薬組成物は、経口投与のために適切な形、例えば錠剤、ロゼンジ、ハードカプセル、水性懸濁液、油性懸濁液、エマルジョン、分散性粉末、分散性顆粒、シロップ及びエリキシルの形であり得る。他方では、この医薬組成物は、局部投与のために適切な形、例えば噴霧、クリーム又はローションの形であり得る。他方では、この医薬組成物は、非経口投与、例えば注射のために適切な形であり得る。他方では、この医薬組成物は、吸入可能な形、例えばエアロゾル噴霧の形であり得る。式(I)の化合物は、動物において微生物感染を引起すことができる種々の微生物種に対して効果的であり得る。
【0132】
そのような微生物の例は、アスペルギラス症を引起すそれら、例えばアスペルギルス・フミブタス(Aspergillus fumigatus)、A. フラバス(A. flavus)、A. テルス(A. terrus)、A. ニジランス(A. nidulans)及びA. ニガー(A. niger)、ブラストミセス症を引起すそれら、例えばプラストミセス・ダーマチチジス(Blastomyces dermatitidis);カンジダ症を引起すそれら、例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、C. グラブラタ(C. glabrata)、C. トロピカリス(C. tropicalis)、C. パラプシロシス(C. parapsilosis)、C. クルセイ(C. krusei)及びC. ルシタニアエ(C. lusitaniae);コクシジオイデス症を引起すそれら、例えばコクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis);クリプトコックス症を引起すそれら、例えばクリプトコックス・ネオホルマンス(Cryptococcus neoformans);ヒストプラスマ症を引起すそれら、例えばヒストプラスマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)及び接合菌症を引起すそれら、例えばアブシジア・コリムピフェラ(Absidia corymbifera)、リゾムコル・プシラス(Rhizomucor pusillus)及びリゾパス・アルヒザス(Rhizopus arrhizus)である。
【0133】
さらなる例は、フサリウムSpp(Fusarium Spp), 例えばフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)及びフサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、及びスセドスポリウムSpp(Scedosporium Spp), 例えばスセドスポリウム・アピオスペルマム(Scedosporium apiospermum)及びスセドスポリウム・プロリフィカンス(Scedosporium prolificans)である。さらなる例は、ミクロスポラムSpp(Microsporum Spp), トリコフィトンSpp(Trichophyton Spp), エピデルモフィトンSpp(Epidermophyton Spp)、ムコルSpp(Mucor Spp), スポロトリックスSpp(Sporothorix Spp), フィアロフォラSpp(Phialophora Spp), クラドスポリウムSpp(Cladosporium Spp), ペトリエリジウムSpp(Petriellidium spp), パラコシジオイデスSpp(Paracoccidioides Spp)及びヒストプラスマSpp(Histoplasma Spp)である。
【0134】
次の非制限例は、上記発明を、より詳細に示すが、但しそれらは本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0135】
調製例
例P1:3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(3,5−ジクロロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−メトキシ−1−メチルエチル]アミド(化合物22.2)の調製
【0136】
【化31】

【0137】
スルホン化フラスコにおいて、例P2c)において調製されたアミン0.2g(0.68mモル)及び83mg(0.82mモル)のトリエチルアミンを、10mlのメチレンクロリドに溶解する。次に、132mg(0.68mモル)の3−ジフルオロメチル−1−メチル−1−H−ピラゾール−4−カルボン酸クロリド及び8mlの塩化メチレンを、室温で撹拌しながら添加する。16時間の撹拌の後、溶媒を水流真空下で蒸発し、そして残渣を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサン1:1)により精製する。収量:240mgの白色結晶(80%の理論値);m.p. 128°−132℃。
【0138】
例P2:2−(3,5−ジクロロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−メトキシ−1−メチルエチルアミンの調製
a)3,5−ジクロロ−2−((E)−ニトロプロペニル)ベンゾ[b]チオフェンの調製
【0139】
【化32】

【0140】
スルホン化フラスコにおいて、6.93g(0.03モル)の3,5−ジクロロベンゾ[b]チオ−フェン−2−カルバルデヒド、18g(0.24モル)のニトロエタン、5.8g(0.075モル)の酢酸アンモニウム及び60mlの酢酸の混合物を、90℃で6時間、加熱する。冷却の後、酢酸エチルを添加し、そして有機相を水により3度、洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濾過の後、有機溶媒を水流真空下で蒸留する。残渣を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘプタン1:5)により精製する。クロマトグラフィー処理の後、酢酸エチルからの結晶化を通してのさらなる精製を達成することができた。収量:4g(47%の理論値)。m.p. 143°−146℃。
【0141】
b)3,5−ジクロロ−2−(1−メトキシ−2−ニトロプロピル)ベンゾ[b]チオフェン(化合物Z6.2)の調製
【化33】

【0142】
スルホン化フラスコにおいて、0.89g(0.003モル)の3,5−ジクロロ−2−((E/Z)−ニトロプロペニル)ベンゾ[b]チオフェンを、30mlのトルエンに溶解する。次に、5.4Mのメタノレート溶液2.3ml(0.00124モル)を、4mlのメタノールにより希釈し、そして室温で撹拌下でニトロオレフィンに滴下する。その混合物を室温で3時間、撹拌し、そして次に3mlの酢酸を添加し、そして撹拌を30分間、続ける。次に水を添加し、そして撹拌を数分間、続ける。酢酸エチルの添加の後、有機層を分離し、そして溶媒を水流真空下で蒸留する。得られる原料を、さらに精製しないで、次の段階に使用する。収量:黄色がかった油状物の形で1.0g(約100%の理論値)(ジアステレオマー混合物、比率:3:2)。1H-NMR: 1.45/d/3H-DS1 (マイナーな異性体), 1.65/d/3H- DS2 (主要異性体), 3.30/s/3H-DS1 , 3.46/s/3H-DS2, 4.82/m/1 H-DS2, 4.87/m/1H-DS1 , 5.3/d/1 H-DS1 , 5.48/d/1 H-DS2, 7.4/m/2H-DS1 +DS2, 7.7-7.85/m/4H-DS1+DS2。
【0143】
c)2−(3,5−ジクロロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−メトキシ−1−メチルエチルアミン(化合物Z3.2)の調製
【化34】

【0144】
スルホン化フラスコにおいて、1MのLiAlH4エーテル溶液15ml(0.015モル)を、40mlのジエチルエーテルにより希釈する。0.97g(0.003モル)の3,5−ジクロロ−2−(1−メトキシ−2−ニトロプロピル)ベンゾ[b]チオフェン及び30mlのジエチルエーテルの溶液を、内部温度が0−5℃で一定に維持するような態様で、撹拌下で添加する。次に、その混合物を室温まで暖め、そして撹拌を5時間、続ける。次に反応混合物を再び冷却し、そして水をゆっくり添加する。急冷の後、硫酸ナトリウムを添加する。濾過及び水流真空下での溶媒の蒸留の後、原料を得る。カラムクロマトグラフィー(溶離剤:tertブチルメチルエーテル/EtOH 3:1)により精製する。収量:0.62g(87%の理論値)のジアステレオマー混合物(比率:約2:1)から成る黄色がかった油状物。1H-NMR: 1.05/d/3H-DS1 (マイナーな異性体), 1.13/d/3H, DS2(主要異性体), 3.2/m/1 H-DS1 , 3.35/s/6H-DS1+DS2, 3.39/m/1 H-DS2, 4.45/d/1H-DS1 , 4.52/d/1 H-DS2, 7.38/m/2H-DS1+DS2, 7.72/d/2H-DS1 +DS2, 7.8/2s/DS1+DS2。
【0145】
想定表1〜13:式I−1の化合物
本発明はさらに、下記想定表1〜13に列挙される式(I-1)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【0146】
【化35】

【0147】
下記表Vに従う想定表1〜13の個々は、式(I-1)(式中、R1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは、表Vに与えられる値を有し、そしてAは適切な想定表1〜13に与えられる値を有する)の48の化合物を含んで成る。従って、想定表1は、Vが1であり、そしてAが想定表1の見出し下に与えられる値を有する場合の表Vに対応し、想定表2は、Vが2であり、そしてAが想定表2の見出し下に与えられる値を有する場合の表Vに対応し、そして想定表3〜13に関しても同様である。
【0148】
表V
【表1】

【0149】
【表2】

【0150】
【表3】

【0151】
想定表1は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0152】
【化36】

【0153】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。例えば、化合物1.1は、次の構造:
【0154】
【化37】

【0155】
を有する。
想定表2は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0156】
【化38】

【0157】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表3は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0158】
【化39】

【0159】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表4は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0160】
【化40】

【0161】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表5は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0162】
【化41】

【0163】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表6は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0164】
【化42】

【0165】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表7は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0166】
【化43】

【0167】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表8は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0168】
【化44】

【0169】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表9は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0170】
【化45】

【0171】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表10は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0172】
【化46】

【0173】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表11は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0174】
【化47】

【0175】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表12は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0176】
【化48】

【0177】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
想定表13は、式(I-1)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0178】
【化49】

【0179】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vにおいて定義される通りである。
【0180】
想定表14〜20:式I−2の化合物
本発明はさらに、下記想定表14〜20に列挙される式(I-2)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【0181】
【化50】

【0182】
下記表Wに従う想定表14〜20の個々は、式(I-2)(式中、R1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは、表Wに与えられる値を有し、そしてAは適切な想定表14〜20に与えられる値を有する)の158の化合物を含んで成る。従って、想定表14は、Wが14であり、そしてAが想定表14の見出し下に与えられる値を有する場合の表Wに対応し、想定表15は、Wが15であり、そしてAが想定表15の見出し下に与えられる値を有する場合の表Wに対応し、そして想定表16〜20に関しても同様である。
【0183】
表W
【表4】

【0184】
【表5】

【0185】
【表6】

【0186】
【表7】

【0187】
【表8】

【0188】
【表9】

【0189】
【表10】

【0190】
【表11】

【0191】
【表12】

【0192】
想定表14は、式(I-2)の158の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0193】
【化51】

【0194】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Wにおいて定義される通りである。
想定表15は、式(I-2)の158の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0195】
【化52】

【0196】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Wにおいて定義される通りである。
想定表16は、式(I-2)の158の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0197】
【化53】

【0198】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Wにおいて定義される通りである。
想定表17は、式(I-2)の158の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0199】
【化54】

【0200】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Wにおいて定義される通りである。
想定表18は、式(I-2)の158の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0201】
【化55】

【0202】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Wにおいて定義される通りである。
想定表19は、式(I-2)の158の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0203】
【化56】

【0204】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Wにおいて定義される通りである。
想定表20は、式(I-2)の158の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0205】
【化57】

【0206】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Wにおいて定義される通りである。
【0207】
想定表21〜33:式I−3の化合物
本発明はさらに、下記想定表21〜33に列挙される式(I-3)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【0208】
【化58】

【0209】
下記表Yに従う想定表21〜33の個々は、式(I-3)(式中、R1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは、表Yに与えられる値を有し、そしてAは適切な想定表21〜33に与えられる値を有する)の64の化合物を含んで成る。従って、想定表21は、Yが21であり、そしてAが想定表21の見出し下に与えられる値を有する場合の表Yに対応し、想定表22は、Yが22であり、そしてAが想定表22の見出し下に与えられる値を有する場合の表Yに対応し、そして想定表23〜33に関しても同様である。
表Y:
【0210】
【表13】

【0211】
【表14】

【0212】
【表15】

【0213】
【表16】

【0214】
想定表21は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0215】
【化59】

【0216】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表22は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0217】
【化60】

【0218】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表23は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0219】
【化61】

【0220】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表24は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0221】
【化62】

【0222】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表25は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0223】
【化63】

【0224】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表26は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0225】
【化64】

【0226】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表27は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0227】
【化65】

【0228】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表28は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0229】
【化66】

【0230】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表29は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0231】
【化67】

【0232】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表30は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0233】
【化68】

【0234】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表31は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0235】
【化69】

【0236】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表32は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0237】
【化70】

【0238】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
想定表33は、式(I-3)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0239】
【化71】

【0240】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yにおいて定義される通りである。
【0241】
表17〜19:式II-1の化合物
本発明はさらに、下記表17〜19に列挙される式(II-1)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【0242】
【化72】

【0243】
【表17】

【0244】
【表18】

【0245】
【表19】

【0246】
表20〜27:式II-2の化合物
本発明はさらに、下記表20〜27に列挙される式(II-2)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【0247】
【化73】

【0248】
【表20】

【0249】
【表21】

【0250】
【表22】

【0251】
【表23】

【0252】
【表24】

【0253】
【表25】

【0254】
【表26】

【0255】
【表27】

【0256】
表28〜31:式II-3の化合物
本発明はさらに、下記表28〜31に列挙される式(II-3)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【0257】
【化74】

【0258】
【表28】

【0259】
【表29】

【0260】
【表30】

【0261】
【表31】

【0262】
表32〜34:式III -1の化合物
本発明はさらに、下記表32〜34に列挙される式(III -1)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【0263】
【化75】

【0264】
【表32】

【0265】
【表33】

【0266】
【表34】

【0267】
表35〜42:式III -2の化合物
本発明はさらに、下記表35〜42に列挙される式(III -2)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【化76】

【0268】
【表35】

【0269】
【表36】

【0270】
【表37】

【0271】
【表38】

【0272】
【表39】

【0273】
【表40】

【0274】
【表41】

【0275】
【表42】

【0276】
表43〜46:式III -3の化合物
本発明はさらに、下記表43〜46に列挙される式(III -3)の好ましい個々の化合物により例示される。特徴的データが表47に与えられる。
【化77】

【0277】
【表43】

【0278】
【表44】

【0279】
【表45】

【0280】
【表46】

【0281】
物理学的データ(℃での融点)
この記載を通して、温度は℃で与えられ;“NMR”は核磁気共鳴スペクトルを意味し;MSは質量スペクトルであり;そして“%”は、対応する濃度が他の単位で示されていない限り、重量%である。
【0282】
次の略語が、この記載を通して使用される:
m.p.=融点;b.p.=沸点;S=シングレット;br=広い;d=ダブレット;dd=ダブレットのダブレット;t=トリプレット;q=カルテット;m=マルチプレット;ppm=百万分率。
表47は、特にことわらない限り、選択された融点及びNMRデータを示し(すべて、溶媒としてCDCl3が使用される);溶媒の混合物が存在する場合、これは例えば(CDCl3/d6-DMSO)として示される。
【0283】
【表47】

【0284】
想定表1a〜13a:式I−1aの化合物
本発明はさらに、下記想定表1a〜13aに列挙される式(I-1a)の好ましい個々の化合物により例示される。
【0285】
【化78】

【0286】
下記表Vaに従う想定表1a〜13aの個々は、式(I-1a)(式中、R1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは、表Vaに与えられる値を有し、そしてAは適切な想定表1a〜13aに与えられる値を有する)の48の化合物を含んで成る。従って、想定表1aは、Vaが1であり、そしてAが想定表1aの見出し下に与えられる値を有する場合の表Vaに対応し、想定表2aは、Vaが2であり、そしてAが想定表2aの見出し下に与えられる値を有する場合の表Vaに対応し、そして想定表3a〜13aに関しても同様である。
表Va
【0287】
【表48】

【0288】
【表49】

【0289】
【表50】

【0290】
想定表1aは、式(I-1a)の48の化合物を供給し、ここでAは、下記基:
【化79】

【0291】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。例えば、化合物1a.1は、次の構造:
【0292】
【化80】

【0293】
を有する。
想定表2aは、式(I-1a)の48の化合物を供給し、ここでAは、下記基:
【0294】
【化81】

【0295】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表3aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0296】
【化82】

【0297】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表4aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0298】
【化83】

【0299】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表5aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0300】
【化84】

【0301】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表6aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0302】
【化85】

【0303】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表7aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0304】
【化86】

【0305】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表8aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0306】
【化87】

【0307】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表9aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0308】
【化88】

【0309】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表10aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0310】
【化89】

【0311】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表11aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0312】
【化90】

【0313】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表12aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0314】
【化91】

【0315】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
想定表13aは、式(I-1a)の48の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0316】
【化92】

【0317】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Vaにおいて定義される通りである。
【0318】
想定表14a〜20a:式I−2aの化合物
本発明はさらに、下記想定表14a〜20aに列挙される式(I-2a)の好ましい個々の化合物により例示される。
【0319】
【化93】

【0320】
下記表Waに従う想定表14a〜20aの個々は、式(I-2a)(式中、R1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは、表Waに与えられる値を有し、そしてAは適切な想定表14a〜20aに与えられる値を有する)の136の化合物を含んで成る。従って、想定表14aは、Waが14であり、そしてAが想定表14aの見出し下に与えられる値を有する場合の表Waに対応し、想定表15aは、Waが15であり、そしてAが想定表15aの見出し下に与えられる値を有する場合の表Waに対応し、そして想定表16a〜20aに関しても同様である。
表Wa
【0321】
【表51】

【0322】
【表52】

【0323】
【表53】

【0324】
【表54】

【0325】
【表55】

【0326】
【表56】

【0327】
【表57】

【0328】
【表58】

【0329】
想定表14aは、式(I-2a)の136の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【化94】

【0330】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Waにおいて定義される通りである。
想定表15aは、式(I-2a)の136の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0331】
【化95】

【0332】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Waにおいて定義される通りである。
想定表16aは、式(I-2a)の136の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0333】
【化96】

【0334】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Waにおいて定義される通りである。
想定表17aは、式(I-2a)の136の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0335】
【化97】

【0336】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Waにおいて定義される通りである。
想定表18aは、式(I-2a)の136の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0337】
【化98】

【0338】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Waにおいて定義される通りである。
想定表19aは、式(I-2a)の136の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0339】
【化99】

【0340】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Waにおいて定義される通りである。
想定表20aは、式(I-2a)の136の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0341】
【化100】

【0342】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Waにおいて定義される通りである。
想定表21a〜33a:式I−3aの化合物
本発明はさらに、下記想定表21a〜33aに列挙される式(I-3a)の好ましい個々の化合物により例示される。
【0343】
【化101】

【0344】
下記表Yaに続く表21a〜33aの個々は、式(I-3a)(式中、R1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは、表Yaに与えられる値を有し、そしてAは適切な表21a〜33aに与えられる値を有する)の64の化合物を含んで成る。従って、表21aは、Yaが21であり、そしてAが表21aの見出し下に与えられる値を有する場合、表Yaに対応し、表22aは、Yaが22であり、そしてAが表22aの見出し下に与えられる値を有する場合、表Yaに対応し、そして表23a〜33aに関しても同様である。
表Ya
【0345】
【表59】

【0346】
【表60】

【0347】
【表61】

【0348】
【表62】

【0349】
想定表21aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【化102】

【0350】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表22aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0351】
【化103】

【0352】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表23aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0353】
【化104】

【0354】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表24aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0355】
【化105】

【0356】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表25aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0357】
【化106】

【0358】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表26aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0359】
【化107】

【0360】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表27aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0361】
【化108】

【0362】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表28aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0363】
【化109】

【0364】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表29aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0365】
【化110】

【0366】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表30aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0367】
【化111】

【0368】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表31aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0369】
【化112】

【0370】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表32aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0371】
【化113】

【0372】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
想定表33aは、式(I-3a)の64の化合物を提供し、ここでAは、下記基:
【0373】
【化114】

【0374】
であり、ここで破線は、アミド基への基Aの結合の点を示し、そしてR1, X-R3, R5a, R5b及びR5cは表Yaにおいて定義される通りである。
【0375】
式Iの化合物についての配合例
例F−1.1−F−1.2:乳化可能濃縮物
【0376】
【表63】

【0377】
いずれかの所望する濃度のエマルジョンを、そのような濃縮物を水により希釈することにより調製することができる。
【0378】
例F−2:乳化可能濃縮物
【表64】

【0379】
いずれかの所望する濃度のエマルジョンを、そのような濃縮物を水により希釈することにより調製することができる。
【0380】
例F−3.1〜F−3.4:溶液
【表65】

【0381】
溶液は、微小液滴の形での使用のために適切である。
【0382】
例F−4.1〜F−4.4:粒状物
【表66】

【0383】
新規化合物をジクロロメタンに溶解し、その溶液をキャリヤー上に噴霧し、そして次に溶媒を真空下での蒸留により除去する。
【0384】
例F−5.1及びF−5.2:ダスト
【表67】

容易な使用のためのダストは、すべての成分を親密に混合することにより得られる。
【0385】
例F−6.1〜F−6.3:湿潤できる粉末
【表68】

【0386】
すべての成分を混合し、そしてその混合物を、適切なミルにおいて十分に粉砕し、いずれかの所望する濃度の懸濁液に、水により希釈され得る湿潤できる粉末を得る。
【0387】
例F7:種子処理のための流動性濃縮物
【表69】

【0388】
細かく粉砕された活性成分を、アジュベントと共に親密に混合し、懸濁濃縮物を得、これから、いずれかの所望する希釈度の懸濁液を、水による希釈により得ることができる。そのような希釈溶液を用いて、生存する植物及び植物成長材料を、噴霧、注射又は含浸により、微生物による加害に対して、処理し、そして保護することができる。
【0389】
生物学的例:殺真菌作用
例B-1:ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に対する作用/トマト(トマトに対するボトリチス
発芽の後4週間目のトマト植物品種Roter Gnomを、噴霧チャンバーにおいて、配合された試験化合物(0.02%の活性成分)により処理する。適用の2日後、トマト植物を、試験植物上に胞子懸濁液(1×105個の分生胞子/ml)を噴霧することにより接種する。成長チャンバーにおける20℃及び95%r.h.での4日間のインキュベーションの後、疾病発生率を評価する。化合物22.2, 22.4, 22.33, 22.34, 22.36, 30.2, 30.4 及び33.2は、この試験において良好な活性を示す(20%以下の加害率)。
【0390】
例B-2:ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に対する作用/ブドウ(ブドウ上のうどんこ病菌)
発芽の後5週目のブドウ苗品種Gutedelを、噴霧チャンバーにおいて、配合された試験化合物(0.02%の活性成分)により処理する。適用の1日後、ブドウ植物を、試験植物上でブドウうどんこ病菌により感染された植物を振盪することにより接種する。14/10時間(明/暗)の光様式下で、26℃及び60℃r.h.での7日間のインキュベーションの後、疾病発生率を評価する。化合物22.2, 22.4, 22.33, 22.34, 22.36, 25.34, 29.34, 30.4, 30.33, 30.34, 33.2, 33.4, 33.33, 33.34及び33.36は、この試験において良好な活性を示す(20%以下の加害率)。
【0391】
例B−3:プシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)に対する作用/小麦(小麦上の褐色サビ病)
発芽の後1週目の小麦植物品種Arinaを、噴霧チャンバーにおいて、配合された試験化合物(0.02%の活性成分)により処理する。適用の1日後、小麦植物を、試験植物上に胞子懸濁液(1×105個の夏胞子/ml)を噴霧することにより接種する。20℃及び75%r.h.での2日間のインキュベーションの後、植物を、20℃及び60%r.h.で8日間、温室に維持する。疾病発生率を、接種の10日後、評価する。化合物22.2、22.4及び22.36は、この試験において良好な活性を示す(20%以下の加害率)。
【0392】
例B−4:セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)に対する作用/小麦(小麦上のセプトリア(Septoria)斑点病)
発芽の後2週目の小麦植物品種Ribandを、噴霧チャンバーにおいて、配合された試験化合物(0.02%の活性成分)により処理する。適用の1日後、小麦植物を、試験植物上に胞子懸濁液(1×105個の分生胞子/ml)を噴霧することにより接種する。23℃及び95%r.h.での1日間のインキュベーションの後、植物を、23℃及び60%r.h.で16日間、温室に維持する。疾病発生率を、接種の18日後、評価する。化合物22.2, 22.4, 22.33, 22.34, 22.36, 25.34, 29.34, 30.2, 30.4, 30.33, 30.34, 33.2, 33.4, 33.33, 33.34及び33.36は、この試験において良好な活性を示す(20%以下の加害率)。
【0393】
例B−5:ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)に対する作用/大麦(大麦上の網状斑点病(Net blotch))
発芽の後1週目の大麦植物品種Expressを、噴霧チャンバーにおいて、配合された試験化合物(0.02%の活性成分)により処理する。適用の2日後、大麦植物を、試験植物上に胞子懸濁液(3×104個の分生胞子/ml)を噴霧することにより接種する。20℃及び95%r.h.での2日間のインキュベーションの後、植物を、20℃及び60%r.h.で2日間、温室に維持する。疾病発生率を、接種の4日後、評価する。化合物22.2, 22.4, 22.33, 22.34, 22.36, 25.34, 29.34, 30.2, 30.4, 30.33, 30.34, 33.2, 33.4, 33.33, 33.34 及び33.36は、この試験において良好な活性を示す(20%以下の加害率)。
【0394】
例B−6:アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に対する作用/トマト(トマト上の早い銅枯れ病)
発芽の後4週間目のトマト植物品種Roter Gnomを、噴霧チャンバーにおいて、配合された試験化合物(0.02%の活性成分)により処理する。適用の2日後、トマト植物を、試験植物上に胞子懸濁液(2×105個の分生胞子/ml)を噴霧することにより接種する。成長チャンバーにおける20℃及び95%r.h.での3日間のインキュベーションの後、疾病発生率を評価する。化合物22.2, 22.4, 22.34, 22.36, 25.34, 29.34, 30.2, 30.4, 30.34, 33.2, 33.4, 33.33, 33.34 及び33.36は、この試験において良好な活性を示す(20%以下の加害率)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

[式中、R1, R2及びR4はお互い独立して、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルであり;
Xは、酸素、硫黄、-N(R9)-又は-N(R10)-O-であり;
R9及びR10はお互い独立して、水素又はC1-C6アルキルであり;
R3は、C1-C6アルキル又はC1-C6ハロアルキルであり;
Qは、下記Q1
【化2】

であるか、又は
Qは、下記Q2
【化3】

であり、ここで個々のR5はお互い独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;
nは、1,2又は3であり;
mは1,2,3又は4であり;
Aは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択された、1〜3個のヘテロ原子を含む5−又は6−員の複素環式環又はフェニル環であり;前記複素環式環又はフェニルは、基R6, R7及びR8によりそれぞれ置換され;R6, R7及びR8はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4ハロゲンアルキル、C1-4ハロゲンアルコキシ、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル又はC1-4ハロゲンアルコキシ(C1-4)アルキルであり、但しR6, R7及びR8の少なくとも1つは水素ではなく;
R15は、水素又はC3-C7シクロアルキルである]
で表される化合物、及びその化合物の互変異体/異性体/鏡像異性体。
【請求項2】
R15が水素である、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Aが、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択された、1〜3個のヘテロ原子を含む5−員の複素環式環であり;前記複素環式環が基R6, R7及びR8により置換される、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Aが下記A1
【化4】

であり、ここでR16はハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;
R17は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;そして
R18は水素、ハロゲン又はシアノであり;あるいは、
Aが、下記A2
【化5】

であり、ここでR26はハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;そして
R27はC1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;あるいは、
Aが、A3
【化6】

であり、ここでR36はハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;
R37はC1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルであり;そして
R38は水素、ハロゲン又はシアノであり;あるいは、
Aは、下記A4
【化7】

であり、ここでR46及びR47はお互い独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、C1-C4ハロゲンアルコキシ、C1-C4アルコキシ-C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルコキシ-C1-C4アルキルである、
請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
AがA1である、請求項4記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
R16がC1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲンアルキルであり;R17がC1-C4アルキルであり;そしてR18が水素又はハロゲンである、請求項5記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
R1, R2及びR4がお互い独立して、水素又はメチルである、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
QがQ2である、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
Q2が、下記Q2A
【化8】

であり、ここで個々のR5はお互い独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり、そしてmは1,2,3又は4である、請求項8記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
Q2Aが下記Q2A-1
【化9】

であり、ここでR5a及びR5bはお互い独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cは水素、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲンアルキル、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルである、請求項9記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
R5aがハロゲンであり;R5bがハロゲン、フェニル、ハロゲンフェニル、C3-C7シクロアルキルアセチニル、フェニルアセチニル又はハロゲンフェニルアセチニルであり;そしてR5cが水素である、請求項10記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
下記式(II):
【化10】

[式中、Q, X, R1, R2, R3及びR4はそれぞれ請求項1に定義される通りである]で表される化合物。
【請求項13】
下記式(III ):
【化11】

[式中、Q, X, R1, R2, R3及びR4はそれぞれ請求項1に定義される通りである]で表される化合物。
【請求項14】
請求項1記載の式Iの化合物、又はその化合物を活性成分として含んで成る組成物が有用な植物、その一部又はその部位に適用される、植物病原性微生物による加害を制御するか又は妨げるための方法。
【請求項15】
請求項1記載の式Iの化合物又は不活性キャリヤーを含んで成る、植物病原性微生物に対する制御又は保護のための組成物。

【公表番号】特表2010−531829(P2010−531829A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513773(P2010−513773)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005343
【国際公開番号】WO2009/003672
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】