説明

新規水分散性の撥水剤、その製造方法およびその建設分野特に鉱物の結合剤組成物における使用

本発明は水に可溶な両親媒性の共重合体組成物中に予め乳化されている水に不溶で水と混ざらない防水剤の少なくとも一つに基づく新規水分散性の防水剤に関する。本発明はまた乾燥することにより得られる該組成物の固形物、およびその建設現場での用途のための水に不溶なフィルム形成性重合体組成物または鉱物結合剤組成物中での使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に可溶な両親媒性の共重合体組成物中に予め乳化されている水に不溶で水と混ざらない撥水剤の少なくとも一つに基づく新規水分散性の撥水剤に関する。本発明はまたこの組成物を乾燥して得られる固形物に関する。本発明はまたその建設分野での適用のための水に不溶なフィルム形成性重合体組成物または無機結合剤組成物での使用における。
【背景技術】
【0002】
人類が人口の住居を建設し始めて以来、問題の一つにこれら住居内への湿気の進入がある。雨や雪などの天候による要素への暴露は例えば十分な張り出しのある屋根などの適した建造物により最小にまで減らすことができる。しかし、これは建築材の毛管現象による水の吸収をコントロールすることを可能にはしない。これは塩の浸出につながり、セメント、ひいてはモルタル組成物全体の回復不可能な損傷の原因となる。この影響を防ぐためには建造物の構造を後でタールのエマルジョン、アスファルトのエマルジョン、ワックスのエマルジョンまたはパラフィンエマルジョンによる被覆または含浸の必要がある。
【0003】
シリコーン類はその撥水性でよく知られている。しかし、シリコーン類は、ちょうど二価の対イオンを持つ脂肪酸のカルボン酸塩または脂肪酸カルボキシルエステルのように、水に不溶である。不溶であることにより建築材の水性組成物中で撥水剤の良好な分散性を得るためにシリコーン類を用いることをより困難にしている。
【0004】
特に、これらの化合物は分散物またはエマルジョンの形でのみ水性液中に導入できるが、これには所望の撥水性を阻害する乳化剤または保護コロイドの添加を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような欠点を有しない撥水剤を無機結合剤組成物に導入する方法、すなわち特に無機結合剤組成物中での撥水剤の良好な分散を得ると同時に良好な効果を維持するために使用しやすい方法を見つける必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的およびその他は本発明を用いることにより達成される。したがって、本発明の対象は予め水に可溶な両親媒性の共重合体組成物中に乳化されている水に不溶で水と混ざらない撥水剤の少なくとも一つに基づく新規水分散性の撥水剤である。
【0007】
本発明の対象はまた、水に可溶な両親媒共重合体の水相に分散された水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤の再分散可能な粉末、すなわち上記で定義された水分散性の撥水剤のエマルジョンの再分散可能な粉末である。
【0008】
本発明の対象はまた、少なくとも一つの上記で定義された水分散性の撥水剤を含む水に不溶なフィルム形成性重合体組成物(ラテックス)である。
【0009】
本発明の対象はまた、少なくとも一つの上記で定義された水分散性の撥水剤を含む水に不溶なフィルム形成性重合体組成物の、無機結合剤組成物の撥水性を向上させるための添加物としての使用である。
【0010】
本発明の対象はまた、少なくとも一つの水分散性の撥水剤を含む無機結合剤組成物である。
【0011】
本発明の対象はまた、水硬性または気硬性の結合剤を基にした前記無機結合剤組成物のモルタルまたはコンクリート処方などでの使用である。
【0012】
本発明の対象はしたがって、まず第一に、予め水に可溶な両親媒性の共重合体組成物中に乳化されている水に不溶で水と混ざらない少なくとも一つの撥水剤に基づく新規水分散性の撥水剤である。
【0013】
前記「水分散性」という用語は安定で均一な方法で水相に容易に分散する化合物を意味するものである。このようにして得られた分散相の均一な性質はレーザーによる粒子径測定により検証することができる。
【0014】
前記「水に不溶で水に混ざらない撥水剤」という用語は多孔質の材料を液状の水の吸収による損傷から守ることができる生成物を意味するものである。
【0015】
水に不溶で水に混ざらない撥水剤としては、下記の化合物を挙げることができる:
シリコーン類;
2)水に不溶で水と混ざらないシリコーン類以外の撥水剤。
【0016】
「シリコーン類」という用語はポリオルガノシロキサン類単味あるいは混合物を意味するものである;場合によって官能基を有するシラン類が存在してよい。本発明で用いられることができるポリオルガノシロキサンとしては、式(I)の類似のあるいは異なるユニットを含む場合によって官能基を有してよいポリオルガノシロキサン類を挙げることができる:
SiO(4−a−b)/2 (I)
式中:
‐aおよびbは0,1,2または3と等しく;およびa+b=0,1,2または3であり;
‐前記記号Rは、類似または相違のC‐C18のアルキル基またはC‐C12のアリール基またはアラルキル基を表し、場合によってハロゲン(特にフッ素)原子で置換されていてよい;式(I)に現われるラジカルRとしては、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、tert‐ブチル、n‐ヘキシル、オクチル、トリフルオロプロピルまたはフェニルラジカルを挙げることができる;好ましくは該ラジカルRの少なくとも50mol%がメチル基である;
‐前記記号Xは、類似または相違し少なくとも一つのエポキシ、カルボキシル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ポリエーテル、ホスフェート、ホスフォネート、エステル、カルボキシレート、ジカルボキシルおよび/または酸無水物ユニットを有するものから選ばれる官能基ラジカルを表す。
【0017】
前記式(I)のユニットを含むポリオルガノシロキサン類は場合によって50重量%までの分岐(「D」ユニット以外のユニット)を含む直鎖の重合体、環式重合体または三次元重合体(樹脂)であってよい。
【0018】
樹脂に関して、この用語はよく知られていて市販されている三次元のオルガノポリシロキサンオリゴマー類または重合体類を定義するものである。これらは、その構造に、式RSiO0.5(ユニットM)、RSiO(ユニットD)、RSiO1.5(ユニットT)およびSiO(ユニットQ)から選ばれる少なくとも二つの異なるユニットを有し、これらのユニットの少なくとも一つはユニットTまたはQである。
【0019】
前記ラジカルRは上記で定義したとおりである。樹脂中、ラジカルRのいくつかは場合によって官能基Xを表してよいと理解すべきである。
【0020】
樹脂の例としては、MQ樹脂類、MDQ樹脂類、TD樹脂類およびMDT樹脂類を挙げることができ、反応性の官能基XはM、Dおよび/またはTユニットを有することができる。
【0021】
シリコーン類は水蒸気の透過性を妨げることなく種々の表面や塊材に液状の水に対する保護膜を与えるものとして知られている。これは大きな利点であり、特に「通気性」を得ることを可能にする。
【0022】
疎水性あるいは撥水効果を与えることができ業者に周知の多くの種類のシリコーン類が存在する。
【0023】
特に出願人により2003年3月10日に出願された特許出願FR03 02921に記載されているシリコーン類を挙げることができる。それは、6個から18個の炭素原子を有する少なくとも一つの炭化水素系のグラフトからなるポリアルキルアルキルシロキサンを含む。グラフトの炭化水素系鎖の長さは炭素原子6個から18個の間である。炭化水素系鎖の長さは好ましくは炭素原子8個から12個の間である。さらに好ましくは,炭化水素鎖の炭素原子は12個である。グラフトの炭化水素系鎖は飽和または不飽和、および分岐または直鎖であってよい。さらにフッ素または塩素などのハロゲン類、およびヒドロキシル基類、エーテル基類、チオエーテル基類、エステル基類、アミド基類、カルボキシル基類、スルホン酸基類、カルボン酸無水物基類および/またはカルボニル基類を含んでよい。
【0024】
2003年10月8日に出願された特許出願FR03 11759に記載されているシリコーンポリエーテル類も挙げることができる。
【0025】
これらのシリコーンポリエーテル類は下記の式(I)に対応する。
【0026】
【化1】

【0027】
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド末端基類はORであり、
ここで:
OEは‐O‐CH‐CH‐を示し、
OPは‐O‐CH‐CH‐CH‐を示し、
Rは水素原子、または1個から22個の炭素原子、および好ましくは1個から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキルラジカルを表し、
xは5から50の間の数であり、
yは3から10の間の数であり、
eは10から30の間の数であり、
pは0から10の間の数であり、
以下のことが了解されている:
x/yは10未満および好ましくは8以下であり、
e+pは30未満および好ましくは20以下であり、
e/pは1より大きくおよび好ましくは4以上であり、および
x+yは60未満であり、および好ましくは40未満である。
【0028】
特に、シリコーンポリエーテルは下記の条件に対応する(I)のシリコーンポリエーテル類から選ばれる:
x=9.5、y=3.5、e=11.5およびp=2.5、およびRは水素原子を表す;
x=14、y=4、e=17およびp=1、およびRはH水素原子を表す;
x=48、y=6、e=15およびp=5、およびRは水素原子を表す。
【0029】
好ましい形態では、用いられるシリコーンは流体である。
【0030】
「流体シリコーン」という用語は自由に流れるシリコーン類を意味するものである。一般に、これらのシリコーン類は500000mPa以下の粘度を有する。
【0031】
水に不溶で水と混ざらないシリコーン類以外の撥水剤としては特に:
‐脂肪酸類、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムなどの2価の対イオンを有する脂肪酸カルボキシル塩類;
‐C10−C16の脂肪酸類(10から16個の炭素原子を有する)のメチルエステル類、エルカ酸メチルエステル、リノレイン酸メチルエステル、ラウリン酸エチルヘキシルエステル、オレイン酸ブチルエステル、オレイン酸エチルヘキシルエステルまたはオレイン酸メチルエステルなどの脂肪酸エステル;
‐常温で流体または液状であるnが6個から22個である間の炭素原子の式C2n+2のパラフィン類、またはnが6個から22個の間である炭素原子のC2nのオレフィン類;
‐8個から22個の炭素原子を含む脂肪酸のトリグリセライド類などの種々の化学的性質性質を有するワックス類;
またはこれらの混合物、
を挙げることができる。
【0032】
好ましくは、少なくとも一つのシリコーンが水に不溶で水と混ざらない撥水剤として用いられる。
【0033】
さらにより好ましくは、少なくとも一つの流体のシリコーンが水に不溶で水と混ざらない撥水剤として用いられる。
【0034】
水に不溶で水と混ざらない撥水剤として少なくとも一つのシリコーン(好ましくは流体)と少なくとも一つの上で示したシリコーン類以外の水に不溶で水と混ざらない撥水剤の混合物を用いることもできる。
【0035】
「水に可溶な両親媒性共重合体」という用語は該共重合体が水に可溶であるような割合で、その性質上疎水性の(エチレン系不飽和な)重合可能な単量体類およびその性質上親水性の(エチレン系不飽和な)重合可能な単量体類からなる重合体を意味するものである。
【0036】
親水性の重合可能および共重合可能な単量体は性質上、アニオン性、カチオン性、両性、両性イオン性またはノニオン性であることができる。好ましくはアニオン性であり、および好ましくはカルボキシルまたはポリカルボキシルでありまたはカルボン酸無水物の形である。
【0037】
その乾燥した抽出物が固体かつ粉末の形を有するような水に可溶な両親媒性共重合体が好ましく使用される。
【0038】
したがって、共単量体、およびさらにその相対的な割合は、好ましくは、得られる共重合体が固体でありおよび粉末の乾燥された形を有するように選ばれる。これは当業者が実験的なプランを用いることにより実現することができる。
【0039】
乾燥した抽出物が固体でありおよび粉末である共重合体としては、一つまたはそれ以上のカルボキシル官能基を含む水に可溶な両親媒性共重合体類を挙げることができる。
【0040】
前記一つ以上のカルボキシル官能基を含む水に可溶な両親媒性共重合体は、例えば、
(i)少なくとも一つの、脂肪族、環式、直鎖または分岐の、モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、または無水型のカルボン酸前駆体型のエチレン系不飽和単量体(I)の重合により、および
少なくとも一つの直鎖または分岐の、モノエチレン系不飽和の炭化水素系単量体(II)の重合により得られる少なくとも一つの重合体;
(ii)少なくとも一つのエチレン系不飽和の脂肪族の、環式、直鎖または分岐のモノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、または酸無水物の単量体(I)の重合から誘導され、および少なくとも一つの飽和または不飽和のC‐C30の炭化水素系の、場合によって一つまたはそれ以上のヘテロ原子が介在する、疎水性のグラフトを含む少なくとも一つの重合体、
(iii)第一に、カルボン酸またはエステルサイトなどの疎水性のグラフトをグラフトさせうるサイトを含み、第二に、カルボン酸またはカルボン酸前駆体ユニットを含む前駆体重合体の、例えばエステル化、エステル交換またはアミド化などの化学変性により得られる少なくとも一つの重合体、
から選ばれることができる。
【0041】
好ましくは前記一つまたはそれ以上のカルボキシル官能基を含む水に可溶な両親媒性共重合体は、
(i)少なくとも一つの、脂肪族、環式、直鎖または分岐の、モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、または無水型のカルボン酸前駆体型のエチレン系不飽和単量体(I)の重合により、および
少なくとも一つの直鎖または分岐の、モノエチレン系不飽和の芳香族でない炭化水素系単量体(II)の重合により得られる少なくとも一つの重合体、
(ii)少なくとも一つのエチレン系不飽和の脂肪族の、環式、直鎖または分岐のモノカルボン酸あるいはポリカルボン酸、または酸無水物の単量体(I)の重合から誘導され、少なくとも一つの飽和または不飽和のC‐C30の炭化水素系の、場合によって一つまたはそれ以上のヘテロ原子が介在する、芳香族でない疎水性のグラフトに基づく少なくとも一つの重合体
(iii)第一に、例えばカルボン酸またはエステルサイトなどの、芳香族でない、疎水性のグラフトをグラフトさせうるサイトを含み、第二に、カルボン酸またはカルボン酸前駆体ユニットを含む前駆体重合体の、例えばエステル化、エステル交換またはアミド化などの化学変性により得られる少なくとも一つの重合体、
から選ばれる。
【0042】
水に不溶で水と混ざらない撥水剤の水に可溶な両親媒性共 重合体中での乳化は水に不溶で水と混ざらない撥水剤を水に可溶な両親媒性共重合体の濃縮した水溶液へ単に添加して行うことができる。
【0043】
「濃縮した溶液」という用語は水中に少なくとも10重量%の水に可溶な両親媒性共重合体、好ましくはこの共重合体の少なくとも25%を含む溶液を意味するものである。
【0044】
水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤および水に可溶な両親媒性共重合体のエマルジョン中での割合は:
‐乾燥混合物の総重量に対し水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤が70乾燥重量%から30乾燥重量%;
‐乾燥混合物の総重量に対し水に可溶な両親媒性共重合体が30乾燥重量%から70乾燥重量%、
の間であることができる。
【0045】
エマルジョンを得るために従来の乳化剤を添加する必要がないことに注目することは重要である。
【0046】
上述の水に可溶な両親媒性共重合体は、特に流体のシリコーン系撥水剤のときに、さらに乳化剤を加えることなく、水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤の乳化を得るのに十分な乳化性を有するという利点を有する。
【0047】
さらに、上述のカルボキシル官能基を含む水に可溶な両親媒性共重合体の濃縮溶液は、pHに敏感な粘度を有するという利点を有する。
【0048】
アルカリ性溶液は大変流動的である。その粘度はpHが下がるとともに増大する。
【0049】
この性質は、エマルジョンの水性相に相当するこの水に可溶な両親媒性共重合体の溶液の粘度を、非常に簡単に制御することを可能にするので大変有利である。ここで、この適した撹拌条件および温度制御と併せた粘度の制御と乾燥抽出物の測定の制御は、エマルジョンの粒径、すなわち水に可溶な両親媒性共重合体水溶液中の水に不溶または水と混ざらない撥水剤の水滴径を制御することを可能にする。
【0050】
乳化技術の点で、連続相および分散相の粘度およびレオロジー的挙動をできるだけ近づけるという概念は当業者には周知のことである。事実、乳化に必要な応力および機械的剪断力は二相の粘度差が小さければ界面により良好に伝達される。これらの調製方法は、例えば、1983年にMarcel Dekker Incより出版されたPaul BecherによるEncyclopedia of Emulsions Technologyに記載されている。
【0051】
本発明の好ましい一つまたはそれ以上のカルボキシル官能基を含む水に可溶な両親媒性共重合体はまた、乾燥させたときに粘着性でない粉末の形の固体の生成物を生成するという利点を有する。
【0052】
したがって、一つまたはそれ以上のカルボキシル官能基を含む水に可溶な両親媒共重合体の水性相に分散された水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤のエマルジョンを乾燥すると、非粘着性で水に再分散可能な粉末が得られる。
【0053】
「水に再分散可能な粉末」という用語は水と併せられたときに乾燥前の最初のエマルジョンと水滴径が同規模の、水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤のエマルジョンを再生することができる粉末を意味するものである。
【0054】
本発明の対象はまた、水に可溶な両親媒性共重合体水相中に分散された水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤のエマルジョンの再分散可能な粉末、すなわち水に再分散可能な粉末の形に乾燥された、上で定義された水に分散可能な撥水剤である。
【0055】
水に再分散可能な粉末の形に乾燥された上で定義された水に可溶な撥水剤のこの処方は多くの利点を有する。
貯蔵が簡単である。
【0056】
さらに、この処方はこの撥水剤粉末をすぐに使用できる乾燥モルタル処方に組み入れることを可能にする。
【0057】
最後に、この処方は撥水性とすることが望ましい無機結合剤の塊の中での撥水剤粉末の大変良好な分散を得ることを可能にし、したがって混合水を加えた後に固められた材料の塊全体、および特に固められた材料の表面全体に効果的な撥水性を得ることを可能にする。
【0058】
本発明の対象はまた、上で定義された少なくとも一つの水分散性の撥水剤を含む水に不溶なフィルム形成性重合体組成物(ラテックス)である。
【0059】
この組成物は水に不溶なフィルム形成性重合体の水性分散物(ラテックス)の形または再分散可能なラテックス粉末の形であってよい。「最分散可能なラテックス粉末」という用語は水に再分散可能なラテックス粉末を意味するものである。この再分散可能なラテックス粉末は当業者には周知である。
【0060】
この組成物の製造方法は上で定義された水に再分散可能な撥水剤を水に不溶なフィルム形成性重合体(ラテックス)と混合することからなる。
【0061】
この水分散性の撥水剤とラテックスの混合物は、再分散可能な水に可溶な撥水剤粉末と再分散可能なラテックス粉末組成物との混合物の形で調製することができる。
【0062】
この水分散性の撥水剤を重合中、または好ましくは重合後にラテックスに導入することも可能である。このように加えられるラテックスは水性分散物の形で得ることができる。
【0063】
このように得られた水性分散物を乾燥することも可能である。それによって水に再分散可能な撥水剤を添加した再分散可能なラテックス粉末が得られる。これを次に共噴霧に使用する。
【0064】
粉形の水分散性の撥水剤をラテックスの噴霧塔に、すなわちラテックスが乾燥されるときに加えることも可能である。
【0065】
これらのすべての混合の可能な形態の中で、好ましい例は再分散性粉末の形の水分散性の撥水剤が同様に再分散可能なラテックス粉末に導入されている場合、または粉末に形成された水に可溶な撥水剤がラテックスの噴霧塔に、すなわちラテックスが乾燥されるときに導入された場合である。
【0066】
特に、撥水剤が再分散可能な粉末の形で加えられたラテックス粉末はこのように得られる。これは多くの利点を有する。
【0067】
簡単に貯蔵できる。
【0068】
さらに、この処方は撥水剤が加えられたこのラテックス粉末をすぐに使用できる乾燥モルタル処方に使用することを可能にする。
【0069】
最後に、この処方はこの撥水剤が加えられたこのラテックス粉末の水の混合の段階での無機結合剤の塊の中での大変良好な分散を得ることを可能にし、したがって混合水を加えた後に固められた材料の塊全体、および特に固められた材料の表面全体に効果的な撥水性を得ることを可能にする。
【0070】
水に不溶なフィルム形成性重合体に加えられる水に可溶な撥水剤の量は水に不溶なフィルム形成性重合体組成物および/またはその撥水性を向上させることが望まれる無機結合剤に良好な撥水性を与えるに十分でなければならない。
【0071】
水に不溶なフィルム形成性重合体に加えられる水分散性撥水剤の量は下記で表される:
‐水分散性の撥水剤の量は、乾燥混合物総重量に対する乾燥した水分散性の撥水剤の重量%として10から90である、
‐水に不溶なフィルム形成性重合体の水性分散物(ラテックス)の量は、乾燥混合物総重量に対する乾燥したラテックスの重量%として90から10である。
【0072】
好ましくは、水に不溶なフィルム形成性重合体に加えられる水分散性の撥水剤の量は:
‐水分散性の撥水剤の量が乾燥混合物総重量に対する乾燥した水分散性の撥水剤の重量%として40から60であり、
‐水に不溶なフィルム形成性重合体の水性分散物(ラテックス)の量が乾燥混合物総重量に対する乾燥したラテックスの重量%として60から40である、
と表される。
【0073】
適した水に不溶な重合体は水性分散物の形または水性分散物に変換されることができる形の単一重合体または共重合体であり、続いて噴霧乾燥により粉末に処方されることができる。
【0074】
粉末の平均粒径は好ましくは10から1000μm、さらに好ましくは20から700μm、特に50から500μmである。
【0075】
好適な水に不溶な重合体は:
‐ビニルエステル類、そしてより詳細には酢酸ビニル;
‐アルキル基が1から10の炭素原子を含むアルキルアクリレート類およびアルキルメタクリレート類、例えばメチル、エチル、n‐ブチルまたは2‐エチルヘキシルアクリレート類およびメチル、エチル、n‐ブチルまたは2‐エチルヘキシルメタクリレート類;
‐ビニル芳香族単量体、特にスチレン、
から選ばれる単量体の重合により得られる。
【0076】
これらの単量体は互いにまたは他のエチレン系不飽和単量体と共重合させて単一重合体、共重合体または三元重合体を形成することができる。
【0077】
酢酸ビニルおよび/またはアクリル酸エステル類および/またはスチレンと共重合できる単量体の制限的でない例としては、エチレンおよびイソブテンまたは6から20個、好ましくは8から14個の炭素原子を有するアルファ‐オレフィン類などのオレフィン類;プロピオン酸ビニル、ビニル“バーサテート(Varsatate)”(C‐C11の分岐酸エステル類の登録商標)、および特にベオバ(Veova)10として知られるネオデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ブチル酸ビニル、2‐エチルヘキシルヘキサン酸ビニルまたはラウリン酸ビニルなどの1から16個の炭素原子を有する分岐または非分岐の飽和モノカルボン酸のビニルエステル類;メチル、エチル、ブチルまたはエチルヘキシルマレイン酸エステルまたはメチル、エチル、ブチルまたはエチルヘキシルフマル酸エステルなどの3から6個の炭素原子を有する不飽和のモノカルボン酸類あるいはジカルボン酸類と1から10個の炭素原子を有するアルカノール類とのエステル類;メチルスチレン類、ビニルトルエン類などのビニル芳香族単量体類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類、ジオレフィン類、特にブタジエン;(メタ)アクリル酸の(メタ)アリルエステル類、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸およびイタコン酸のモノエステル類およびジエステル類の(メタ)アリルエステル類、およびさらにN‐メタアリルマレイミドなどのアクリル酸及びメタクリル酸アミドのアルカン誘導体類から選ばれる他のエチレン系不飽和単量体を挙げることができる。
【0078】
三元重合体を得るために少なくとも二つの性質の異なる共重合可能な単量体を選ぶことができる。
【0079】
例としては、酢酸ビニル/ビニルバーサテート/マレイン酸ジブチル型の三元重合体を挙げることができる。
【0080】
酢酸ビニルおよび/またはアクリル酸エステル類および/またはスチレンと共重合できる単量体に下記のリストから選ばれた少なくとも一つの他の単量体を加えることもできる:
‐アクリルアミド、エチレン系不飽和カルボン酸類またはジカルボン酸類、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはクロトン酸、エチレン系不飽和スルホン酸類およびこれらの塩類、好ましくはビニルスルホン酸または2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、またはメタアリルスルホン酸ナトリウム;
‐フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、メタクリル酸アリル、シアヌール酸トリアリル、アジピン酸ジビニルまたはエチレングリコールジメタクリルエステルなどのエチレン系の不飽和を少なくとも二つ有する架橋性単量体類;
‐ビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシランなどのシラン官能基を有する単量体類。
【0081】
これらの単量体は単量体総重量に対し0.05重量%から10重量%の間で加えることができる。これらの単量体は重合中に加えられる。
【0082】
一般に前記単量体の重合は乳化剤および/または保護コロイド、および重合開始剤の存在下乳化重合工程により行なわれる。
【0083】
用いられる単量体は一度に行なわれる重合の開始前、または継続的あるいは連続的な部分による重合中のいずれかに、混合物としてまたは別々に同時に反応系に導入することができる。
【0084】
水に不溶な重合体(ラテックス)の乳化重合または共重合に用いることができる乳化剤はアニオン性、カチオン性またはノニオン性乳化剤である。
【0085】
これらは一般に単量体総重量に対し0.01重量%から5重量%の割合で用いられる。
【0086】
一般に使用される乳化剤は特に硫酸アルキル類、スルホン酸アルキル類、硫酸アルキルアリール類、スルホン酸アルキルアリール類、硫酸アリール類、スルホン酸アリール類、スルホコハク酸塩類、アルキルリン酸アルカリ金属塩類またはアビチエン酸塩類に代表される従来のアニオン性乳化剤であり、水添されていてもされていなくてもよい。
【0087】
乳化重合の開始剤は,過酸化水素水溶液、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシドまたはtert‐ブチルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類により、より詳細に代表される。これは単量体の総重量に対し0.05重量%から3重量%の間の量で用いられる。これらの開始剤は場合によって重硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒド・スルホキシル酸ナトリウム、ポリエチレンアミン類、糖類(デキストロース、サッカロース)、アスコルビン酸またはイソアスコルビン酸または金属塩などの還元剤と併用してもよい。使用される還元剤の量は単量体の総重量に対し0重量%から3重量%の範囲である。
【0088】
反応温度は用いる開始剤に依存し、一般に0から100℃、および好ましくは30から90℃である。
【0089】
転位剤は単量体に対し0重量%から3重量%の範囲の割合で用いてよく一般にN‐ドデシルメルカプタン、tert‐ドデシルメルカプタンまたは2‐メルカプトエタノールなどのメルカプタン類、アリルアルコール類、シクロヘキセンなどのアリル誘導体類、クロロホルム、ブロモホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類から選ばれる。それは分子鎖の長さを制御することを可能にする。それは重合前あるいは重合中に反応媒体に加えられる。
【0090】
保護コロイド類も重合の初期、重合中または重合後に用いることができる。
【0091】
適した保護コロイド類は、例えばビニルアルコール/酢酸ビニル共重合体などのポリビニルアルコール類およびそれらの誘導体、シラノール類、メルカプタン類、アミン類またはホルムアミド類などの反応性官能基を含む変性ポリビニルアルコール類であり、エチレン、ビニルバーサテート、ヘキサン酸ビニル2‐エチルヘキシル、ポリビニルピロリドン類(PVPs)などの疎水性単量体類、例えばでんぷん類(アミロースおよびアミロペクチン)、セルロースなどのポリサッカライド類、例えばヒドロキシエチルセルロース、グアー、トラガカント酸、デキストラン、アルギン酸塩類およびそのカルボキシメチル、メチル、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル誘導体などのセルロースエーテル類、例えばカゼイン、大豆タンパク類、ゼラチン類などのタンパク類、例えばポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルスルホン酸類、およびその水溶性共重合体類などの合成共重合体、メラミン‐ホルムアルデヒドスルホネート類、ナフタレン‐ホルムアルデヒド‐スルホネート類、スチレン/マレイン酸共重合体類、およびビニルエーテル/マレイン酸共重合体類である。ポリビニルアルコールが重合のための保護コロイドとして特に好ましい。特に用いられる保護コロイドは200から3500の重合度および80から99モル%、好ましくは86%から92%の加水分解度を有するポリビニルアルコールである。
【0092】
前記保護コロイド類は単量体総重量に対し0.5重量%から15重量%の間、好ましくは2重量%から10重量%の間の割合で加えられる。
【0093】
特に好ましい実施形態においては、水分散性の撥水剤が再分散性粉末の形で加えられたラテックス組成物は水に不溶な重合体の総重量に対し0重量%から35重量%、好ましくは3重量%から15重量%の保護コロイドを含む。
【0094】
適した保護コロイドは上述と同じである。
【0095】
ラテックスを乾燥してその水に再分散可能な粉末を生成する場合、好ましい固結防止剤はケイ酸アルミニウム類、炭酸カルシウム類または炭酸マグネシウム類、またはその混合物、シリカ類、アルミナ水和物、ベントナイト、タルク、またはドロマイトとタルクの混合物、またはカルサイトとタルクの混合物、カオリン、硫酸バリウム、酸化チタンまたはスルホアルミン酸カルシウム(サテンホワイト)である。
【0096】
固結防止剤の粒径は好ましくは0.001から0.5mmの範囲である。
【0097】
水分散性の撥水剤を含む水に不溶なフィルム形成性重合体はさらに他の粉末化した撥水剤を含むことができる;特にラウリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸アルカリ金属塩、またはステアリン酸アルカリ金属塩などの遊離酸の形の脂肪酸またはそのアルカリ金属塩から選ばれる。
【0098】
この水分散性の撥水剤を含む水に不溶なフィルム形成性重合体組成物は無機結合剤組成物の撥水性を向上させるための添加剤としてそのままであるいは他の成分と組み合わせて用いることができるという利点を有する。
【0099】
したがって、本発明の対象はまた、水分散性の撥水剤を含む水に不溶なフィルム形成性重合体組成物の無機結合剤組成物の撥水性を向上するための添加剤としての使用である。
【0100】
本発明の対象はまた、水分散性の撥水剤を含む無機結合剤組成物である。
【0101】
前記無機結合剤は気硬性の結合剤または水硬性の結合剤であってよい。
【0102】
「気硬性の結合剤」という用語は、例えば、石灰を基としたあるいは漆喰類から得られる結合剤を意味するものである。
【0103】
水硬性の無機結合剤はポートランド、ハイ‐アルミナまたは高炉型などのセメント類またはこれら水硬性の結合剤の混合物から選ぶことができる。微粒炭またはか焼頁岩などのしばしば添加物としてセメントに加えられる他の化合物も水硬性を有する。石灰と反応してケイ酸カルシウムを形成するポゾラン類も挙げることができる。
【0104】
無機結合剤は、水を除き、材料を水または二酸化炭素(CO)と反応させて、乾燥後に良好な機械的性能を有する詰まった塊を形成する結合剤を生成することができる無機化合物に変換するために高温で処理された天然材料から製造される。
【0105】
無機結合剤はグラウト、モルタルまたはコンクリートの形であってよく、すなわち一般に水と混合する間に砂や石などの微細なまたはより粗い顆粒にした材料が加えられる。
【0106】
前記水に可溶な撥水剤は乾燥無機結合組成物の総重量に対して乾燥した水に可溶な撥水剤0.05重量%から10重量%の間の量で無機結合剤組成物に直接加えることができる。
【0107】
好ましくはこの量は乾燥無機結合剤組成物の総重量に対して乾燥した水分散性の撥水剤が0.1重量%から5重量%である。
【0108】
上で示したように、上で定義した水分散性の撥水剤は好ましくは乾燥され、水に再分散可能な粉末の形で加えられる。
【0109】
水分散性の撥水剤はまた、無機結合剤組成物に加えられる前にその十分な量を水に不溶なフィルム形成性重合体組成物と水性分散物(ラテックス)の形あるいは再分散可能なラテックス粉末の形で事前混合することができる。
【0110】
したがって結合剤組成物は、本発明の水分散性の撥水剤に加えて少なくとも一つの水に不溶なフィルム形成性重合体を含む。
【0111】
水に不溶なフィルム形成性重合体組成物に導入される水分散性の撥水剤の量は上で示されているものと同じである。
【0112】
使用される水分散性の撥水剤が加えられた再分散可能なラテックス粉末はきわめて種々の性質を有してよい。
【0113】
特に好ましくは再分散性の粉体の形のラテックス組成物であり下記を含む:
‐少なくとも一つの水に不溶な重合体、
‐前記重合体の総重量に対し0重量%から35重量%の少なくとも一つの保護コロイド、
‐前記重合体の総重量に対し0重量%から30重量%の固結防止剤、および
‐前記重合体の総重量に対し0.02重量%から25重量%の水分散性の撥水剤。
【0114】
水分散性の撥水剤を加えた再分散性のラテックス粉末は重合体の水性分散物を噴霧乾燥することによって調製されることができる。この乾燥はシングル、ダブル、マルチ液体ノズルまたはロータリディスクにより噴霧化を用いて従来の噴霧乾燥システムで行なわれる。選ばれる生成物の出口温度は通常50から100℃、好ましくは60から90℃の範囲であり、システム、ラテックスのガラス転移点および望まれる乾燥度による。
【0115】
再分散可能なラテックス粉末の貯蔵安定性および流動能力を上げるために、固結防止剤を重合体の水性分散物とともに噴霧塔に導入することが好ましい。これは分散物の粒子上に固結防止剤の好ましい沈着をもたらす。
【0116】
このようにして得られた無機結合剤組成物は、固化後、良好な撥水性および毛管反応による水の吸収の減少を示す。
【0117】
前記無機成分のほかに、無機結合剤組成物は、例えばセルロースエーテルあるいはグアーなどの水コロイド類などの有機添加剤、可塑剤類、上記水に不溶なフィルム形成性重合体組成物において述べられたような撥水剤、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、セルロースあるいは架橋ポリビニルアルコール系の繊維などの無機または有機の繊維、またはこれらの混合物をさらに含むことができる。
【0118】
前記無機結合剤組成物はさらに無機または有機の着色剤を含んでよい。これはこの無機結合剤組成物が仕上げ塗り剤として用いられる時に特に該当する。
【0119】
前記無機結合剤組成物はさらに無機結合剤組成物に通常用いられる任意の添加物を含んでよい。
【0120】
本発明の対象はまた無機結合剤組成物の撥水性の増大方法であって、該組成物に十分な量の少なくとも一つの水に可溶な撥水剤を加えることを特徴とする。
【0121】
本発明の組成物や方法の他の利点は制限的ではない例示としての下記の実施例に示されている。
【0122】
実施例で示される割合や百分率は別に示されている以外は重量ベースである。
【0123】
粒径は堀場レーザー回折粒子径測定機を用いて測定する。
【0124】
(実施例)
撥水剤システム
下記のシリコーン流体を本発明に従って処方した。
‐シリコーン(A) カルボキシレート末端を有するPDMS、ローディア(Rhodia)社から供給された。
‐シリコーン(B):粘度300mPa.sのポリジメチルシロキサン、ローディア社から供給された。
‐流体樹脂(C):15重量%の(CHSiO1/2ユニット、60重量%の(CH)SiO3/2ユニットおよび25重量%の(CHSiO2/2ユニットからなる式を有するポリオルガノシロキサン、ローディア社から供給された。
【実施例1】
【0125】
シリコーンオイルAの乾燥エマルジョンの調製
1680gのシリコーンオイルAを撹拌しながら乾燥抽出物が25%の水に可溶な両親媒性共重合体EGPM(ローディア)の溶液5640gに分散し、少量の希塩酸を加えることにより望ましい粒径(測定は堀場レーザー回折粒子径測定機を用いて中位の試料について行った。)に達するまでその初期pH(11.2)を徐々に減少させる。
【0126】
連続相の粘度5500mPa/sに相当するpH7.5で、600rpmで25分撹拌を維持することにより得られたエマルジョンの平均径は約0.3ミクロンである。
【0127】
このように得られたエマルジョンは次にその粘度が400mPa/sとなるように脱イオン水で少し希釈する。次にNiro Minor atomizerで暖気とともに噴霧する。空気の入り口温度は140から160℃および空気の出口温度は80から100℃の間である。
【0128】
処方可能でありおよび平均径が80ミクロン程度である乾燥粉末がこのようにして得られる。
【0129】
この乾燥粉末の質を確認するためにその1gを採り、50gの蒸留水中で緩やかに撹拌しながら分散させ、このように再構築された分散物の粒径を測定する。この工程により粒径が濃縮エマルジョンの粒径と同程度(1ミクロン以下)であるシリコーンオイルエマルジョンを再生することができることが確認される。したがって、乾燥エマルジョンであり、元のエマルジョンの大きさで水中に再分散できる粉末が明らかに得られた。
【実施例2】
【0130】
乾燥エマルジョンの水相での効果的な再分散を表す実施例
下記の生成物間での比較試験:
発明例1:シリコーンオイル(A)の乾燥エマルジョン
発明例2:シリコーンオイル(B)の乾燥エマルジョン
発明例3:シリコーン樹脂(C)の乾燥エマルジョン
比較例1:Tixosil 38X(登録商標)シリカ上に吸着させたシリコーンオイル(B)
比較例2:ラウリン酸ナトリウム
比較例3:ステアリン酸カルシウム
比較例4:Wacker PC−A沈降シリカ上に吸着させたシラン類
比較例5:Wacker PC−B沈降シリカ上に吸着させたシラン類
ラウリン酸ナトリウムはセメント相内のカルシウムと接触させるとその場で撥水性になる;ラウリン酸ナトリウムの状態では撥水性ではないことに留意すべきである。
【0131】
すべて微粉末の形であるこれらの生成物を、100ccの脱イオン水に2gの割合で加える。水を250ccのビーカーに入れ、比較する粉末の2gを撹拌せずに水の表面に加える。次にそれらの挙動を観察しその観察を下記表Iに要約する:
【0132】
【表1】

【0133】
本発明による形の良好な濡れ性と分散性が認められる、一方従来の形や競合者の形は水に瞬時には分散せず、これはこれらの従来の形を含むセメント処方を混合するときに遭遇する困難に対し明確な説明を与える
【実施例3】
【0134】
仕上げ塗りへの撥水効果を説明する実施例(セメント材)
この評価は、下記の条件で組成を混合し、固化させたセメント試料について行う:
ポーランド R52‐5 セメント 150g
微細粒子の砂 15g
撥水剤(活性成分として) 0.3g
水 75g
この組成物を100x30x6mmの試料を作るために型に入れる。
【0135】
固化後、試料を型から取り出し、常温、相対湿度条件下、28日間熟成する。
【0136】
得られた材料上での撥水効果を判断するため、一連のテストを実施し、種々のレベルでの材料の挙動を測定する。
【0137】
下記が特に観察される:
‐試料のすべての面における「パーリング」効果 特徴付けるべき表面に水滴を落とし、光学的方法により初期の接触角を測定し、適切な場合に水滴の材料内への浸透速度を観察することによりパーリング効果を評価する。浸透時間は、セメント材が高度に疎水性である場合数時間にも及ぶ可能性がある;
液状の水に関する撥水効果(セメント試料内の毛管現象による上昇のmmで表した高さおよび取り込んだ重量)、試料をその底部の高さ5mmまでのみを濡らす水膜の上に置く;
‐72時間湿った環境(90%RHおよび25℃)に置いた後の重量増加で表される水蒸気の取り込み
‐最後に、得られる材料の機械的性質への撥水の効果を判定するために試料の屈曲強度の測定を引っ張り試験機(Zwieck製)を用いて行う。
【0138】
結果を表IIに示す。
【0139】
【表2】

【0140】
本発明による生成物はすべての評価基準、とくにパーリング効果が試料のすべての面、さらに塊中(機械的試験のために試料を破壊後、破壊片について試験を行った)に見られるという点において他の製品よりも優れていた。
【0141】
さらに、本発明の水分散性の撥水剤による機械的性能への影響はほとんどなく、またシリコーンオイル(A)の乾燥エマルジョンの場合にはプラスの効果さえ見られた。
【0142】
水分散性の撥水剤の乾燥エマルジョンの形は無機支持体、とくにTixosil 38X(登録商標)沈降シリカからなる支持体に吸着させた同じ初期の水に不溶および/または水に混ざらない撥水剤よりも高いレベルの性能を与えることが確認される。シリコーン(B)の乾燥エマルジョンの性能レベルと比較例1を比較することで十分である。
【0143】
図1の写真は撥水性の性質を有する種々の形の粉末の水中での挙動を表している。これは粉末が水の表面に置かれてから撹拌なしで10分の接触時間に相当する。
【0144】
ほとんどの撥水剤は水中への分散が悪いあるいはまったく分散しない(ステアリン酸マグネシウム、シリカ支持体、Wacker PC−AおよびPC−Bの比較生成物上に置かれたシリコーン)ことが確認される。
【0145】
ラウリン酸ナトリウムは部分的に分散し溶解する。しかし、このラウリン酸ナトリウムの形では良好な撥水剤ではない。これは、その場でセメントまたは漆喰縣濁液内でそれ自体が不溶で水溶液の表面に浮くカルシウム塩に変換されることによる。
【0146】
一方、本発明の乾燥シリコーンエマルジョンの形は全体に均一で安定した縣濁液全体で調整された分散物をすばやく与える。
【0147】
この点は図2に与えられた再分散物の粒径の測定によっても確かめられる。図2は再分散物の大きさはそれが導入される媒質に関係なく同じであることを示している。
【0148】
とくに、ポートランドタイプのセメントの混合水中に存在する可溶性の塩はシリコーン類の再分散物の軟凝縮も変性も与えない。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明の水分散性の撥水剤は水に不溶なフィルム形成性重合体組成物または無機結合剤組成物の形で建設現場で用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】撥水性の性質を有する種々の形の粉末の水中での挙動を表す写真である。
【図2】再分散物のサイズの分布を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に可溶な両親媒性の共重合体組成物中に予め乳化されている水に不溶で水と混ざらない撥水剤の少なくとも一つを基づく水分散性の撥水剤。
【請求項2】
前記水に可溶な両親媒性の共重合体が、
(i)少なくとも一つの、脂肪族、環式、直鎖または分岐の、モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、または無水型のカルボン酸前駆体のエチレン系不飽和単量体(I)の重合により、および
少なくとも一つの、直鎖または分岐の、モノエチレン系不飽和の炭化水素系単量体(II)の重合により得られる少なくとも一つの重合体、
(ii)少なくとも一つのエチレン系不飽和の、脂肪族、環式、直鎖または分岐のモノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、または酸無水物の単量体(I)の重合から誘導され、および少なくとも一つの飽和または不飽和のC‐C30の炭化水素系の、場合によって一つまたはそれ以上のヘテロ原子が介在する、疎水性のグラフトを含む少なくとも一つの重合体、
(iii)第一に、例えばカルボン酸またはエステルサイトなどの疎水性のグラフトをグラフトさせうるサイトを含み、第二に、カルボン酸またはカルボン酸前駆体ユニットを含む前駆体重合体の、例えばエステル化、エステル交換またはアミド化などの化学変性により得られる少なくとも一つの重合体、
から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の水分散性の撥水剤。
【請求項3】
前記水に可溶な両親媒性の共重合体が、
(i)少なくとも一つの、脂肪族、環式、直鎖または分岐の、モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、または無水型のカルボン酸前駆体のエチレン系不飽和単量体(I)の重合により、および
少なくとも一つの直鎖または分岐の、モノエチレン系不飽和の芳香族でない炭化水素系単量体(II)の重合により得られる少なくとも一つの重合体、
(ii)少なくとも一つのエチレン系不飽和の、脂肪族、環式、直鎖または分岐のモノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、または酸無水物の単量体(I)の重合から誘導され、および少なくとも一つの飽和または不飽和のC‐C30の炭化水素系の、場合によって一つまたはそれ以上のヘテロ原子が介在する、芳香族でない疎水性のグラフトを含む少なくとも一つの重合体、
(iii)第一に、例えばカルボン酸またはエステルサイトなどの、芳香族でない、疎水性のグラフトをグラフトさせうるサイトを含み、第二に、カルボン酸またはカルボン酸前駆体ユニットを含む前駆体重合体の、例えばエステル化、エステル交換またはアミド化などの化学変性により得られる少なくとも一つの重合体、
から選ばれることを特徴とする請求項1および2のいずれか一項に記載の水分散性の撥水剤。
【請求項4】
前記水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤が、
‐シリコーン類;
‐シリコーン類以外の、水に不溶および/または水と混ざらない:
‐脂肪酸類、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムなどの二価の対イオンを有する脂肪酸のカルボン酸塩類、
‐C10−C16の脂肪酸類(10から16個の炭素原子を有する)のメチルエステル類、エルカ酸メチルエステル、リノレイン酸メチルエステル、ラウリン酸エチルヘキシルエステル、オレイン酸ブチルエステル、オレイン酸エチルヘキシルエステルまたはオレイン酸メチルエステルなどの脂肪酸エステル、
‐常温で流体または液体であるnが炭素数6から22の間である分子式C2n+2のパラフィン類またはnが炭素数6から22の間である分子式C2nのオレフィン類、
‐8から22個の炭素原子を含む脂肪族のトリグリセリドなどの化学的性質が変化するワックス、
またはこれらの混合物
から選ばれる撥水剤、
またはこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の水分散性の撥水剤。
【請求項5】
前記水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤が少なくとも一つのシリコーンを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の水分散性の撥水剤。
【請求項6】
前記シリコーンが流体であることを特徴とする請求項5に記載の水分散性の撥水剤。
【請求項7】
前記水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤と水に可溶な両親媒性共重合体との割合が:
‐乾燥混合物の総重量に対し水に不溶および/または水と混ざらない撥水剤が70乾燥重量%から30乾燥重量%;
‐乾燥混合物の総重量に対し水に可溶な両親媒性共重合体が30乾燥重量%から70乾燥重量%の間であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の水分散性の撥水剤。
【請求項8】
水に再分散可能な粉体の形であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の水分散性の撥水剤。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の水分散性の撥水剤を含むことを特徴とする水に不溶なフィルム形成性重合体組成物。
【請求項10】
前記組成物が水に不溶なフィルム形成性ポリマーの水性分散物(ラテックス)の形であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が再分散可能なラテックス粉体の形であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
‐水分散性の撥水剤の量が、乾燥混合物総重量に対する水に可溶な乾燥した撥水剤の重量%として10から90の間であり、
‐水に不溶なフィルム形成性ポリマーの水性分散物(ラテックス)の量が、乾燥混合物総重量に対する乾燥したラテックスの重量%として90から10の間であることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
‐水分散性の撥水剤の量が、乾燥混合物総重量に対する水に可溶な乾燥した撥水剤の重量%として40から60の間であり、
‐水に不溶なフィルム形成性ポリマーの水性分散物(ラテックス)の量が、乾燥混合物総重量に対する乾燥したラテックスの重量%として60から40の間であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記水に不溶なフィルム形成性ポリマーが、
‐ビニルエステル類、より詳細には酢酸ビニル、
‐アルキル基が1から10の炭素原子を含むアルキルアクリレート類およびアルキルメタクリレート類、例えばメチル、エチル、n‐ブチルまたは2‐エチルヘキシルアクリレート類およびメチル、エチル、n‐ブチルまたは2‐エチルヘキシルメタクリレート類、
‐ビニル芳香族単量体、特にスチレン、
から選ばれる単量体の重合によって得られる水に不溶なフィルム形成性ポリマーであり、これらの単量体は互いにまたは他のエチレン系不飽和単量体と共重合させて単一重合体、共重合体または三元重合体を形成することができることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の単量体が、エチレンおよびイソブテンまたは6から20個、好ましくは8から14個の炭素原子を有するアルファ‐オレフィン類などのオレフィン類;プロピオン酸ビニル、ビニル“バーサテート(Versatate)”(C‐C11の分岐酸エステル類の登録商標)、および特にベオバ(Veova)10として知られるネオデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ブチル酸ビニル、2‐エチルヘキシルヘキサン酸ビニルまたはラウリン酸ビニルなどの1から16個の炭素原子を有する分岐または非分岐の飽和モノカルボン酸のビニルエステル類;メチル、エチル、ブチルもしくはエチルヘキシルマレイン酸エステルまたはメチル、エチル、ブチルもしくはエチルヘキシルフマル酸エステルなどの、3から6個の炭素原子を有する不飽和のモノカルボン酸類またはジカルボン酸類と1から10個の炭素原子を有するアルカノール類とのエステル類;メチルスチレン類、ビニルトルエン類などのビニル芳香族単量体類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類、ジオレフィン類、特にブタジエン;(メタ)アクリル酸の(メタ)アリルエステル類、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸およびイタコン酸のモノエステル類およびジエステル類の(メタ)アリルエステル類、ならびにさらにN‐メタアリルマレイミドなどのアクリル酸およびメタクリル酸アミドのアルカン誘導体類から選ばれる他のエチレン系不飽和単量体と共重合されることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
酢酸ビニルおよび/またはアクリル酸エステル類および/またはスチレンと共重合可能な単量体類に加えられるものが下記記載:
‐アクリルアミド、エチレン系不飽和カルボン酸類またはジカルボン酸類、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはクロトン酸、エチレン系不飽和スルホン酸類およびこれらの塩類、好ましくはビニルスルホン酸または2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、またはメタアリルスルホン酸ナトリウム;
‐フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、メタクリル酸アリル、シアヌール酸トリアリル、アジピン酸ジビニルまたはエチレングリコールジメタクリル酸エステルなどのエチレン系の不飽和を少なくとも二つ有する架橋性単量体類;
‐ビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシランなどのシラン官能基を有する単量体類;
から選ばれる少なくとも一つの他の単量体であることを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
さらに、特にラウリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸アルカリ金属塩類またはステアリン酸アルカリ金属塩類などのフリーの酸の形またはそれらのアルカリ金属塩類の形の脂肪酸から選ばれる他の固体撥水剤を含むことを特徴とする請求項9から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
無機結合剤組成物の撥水性向上のための添加剤としての請求項9から17のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項19】
請求項1から8のいずれか一項に記載の水に可溶な撥水剤を含むことを特徴とする無機結合剤組成物。
【請求項20】
前記無機結合剤が漆喰類から選ばれる気硬性の結合剤であることを特徴とする請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記無機結合剤がポートランド、ハイ‐アルミナまたは高炉型、微粒炭、か焼頁岩またはポゾラン類であってよいセメントから選ばれる水硬性の結合剤であることを特徴とする請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
水に可溶な撥水剤の量が、乾燥無機結合剤の組成物の総重量に対する間水に可溶な撥水剤の乾燥重量%として0.05から10の間であることを特徴とする請求項19から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
水分散性の撥水剤の量が、乾燥結合剤組成物の総重量に対する水に可溶な撥水剤の乾燥重量%として0.1から5であることを特徴とする請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
さらに水に不溶なフィルム形成性重合体を含むことを特徴とする請求項19から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記水分散性撥水剤を、水性分散物(ラテックス)の形または再分散可能なラテックス粉体の形の、水に不溶なフィルム形成性重合体組成物と予混合することを特徴とする請求項19から24のいずれか一項に記載の無機結合剤組成物の製造方法。
【請求項26】
請求項1から8のいずれか一項に記載の水分散性撥水剤の少なくとも一つを該組成物に添加することを特徴とする無機結合剤組成物の撥水性の向上方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−500420(P2008−500420A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514009(P2007−514009)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001281
【国際公開番号】WO2005/118683
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【Fターム(参考)】