説明

新規紫外線吸収剤およびそれを利用した皮膚外用剤

【課題】
皮膚外用性基材である油分への配合を目的としたUV−A領域に優れた紫外線吸収を有する紫外線吸収剤、およびこれを配合した皮膚外用剤を提供することである。
【解決手段】
下記一般式(I)からなる紫外線吸収剤。
一般式(I)
【化1】



(式中、RがH、2−エチルヘキシルオキシ基のうちの一つであり、R2、3はメチル基、ターシャリブチル基、ターシャリオクチル基から選択されるいずれかのアルキル基の組み合わせである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な紫外線吸収剤及びこれを含有する皮膚外用剤、さらに新規ベンゾトリアゾール化合物に関する。本発明の紫外線吸収剤は、UV−A領域、もしくはUV−B、UV−A両領域に対して優れた紫外線吸収を有するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料には配合成分の紫外光に対する安定性をあげるために、あるいは、人体の皮膚を保護するために、紫外線吸収剤が配合されている。
【0003】
一方、紫外線の波長領域としては、UV−A領域(320〜400nm)、UV−B領域(290〜320nm)UV−C領域(〜290nm)に分けられるが、このうちUV−C領域の紫外線は、通常、地上に達することはない。また、UV−A領域(320〜400nm)の紫外線は皮膚を黒く侵すが、UV−B領域(290〜320nm)の紫外線のようにサンバーンを起こし、皮膚の老化を促進させるものではないと考えられていた。ところが近年になってUV−B領域の紫外線が比較的、皮膚の表面部分にとどまるのに対してUV−A領域の紫外線が、皮膚の深部にまで達し、皮膚の老化はもとより皮膚癌を誘発する原因となることがわかってきた。
【0004】
今日までに使用されてきた化粧料用紫外線吸収剤は、構造面から分類すると、(1)安息香酸誘導体、(2)ケイ皮酸誘導体、(3)ベンゾフェノン誘導体、(4)ジベンゾイルメタン誘導体、(5)サリチル酸誘導体等がある。そして近年は、(2)と(4)の紫外線吸収剤が多用されている。
【0005】
しかしながら、上記にあげた紫外線吸収剤は、実用面から見るとそれぞれに問題がある。例えば、(1)の安息香酸誘導体では、例えばp−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルは、液状、透明であり、扱いやすい長所はあるが、これらの誘導体を含めて安全性の疑いがあり、近年は使用されていない。また、極大吸収波長が290nm付近にあり、UV−B領域のみの紫外線を吸収する。
【0006】
(2)のケイ皮酸誘導体では、現在市販されているサンケア化粧品に最もよく使用されている紫外線吸収剤として、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステルがある。極大吸収波長は310nm付近にあり、吸収域がUV−A領域には及ばない。また、日光により変質して着色性や紫外線防御効果の持続性に問題がある。
【0007】
(3)のベンゾフェノン誘導体では、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンがUV−A,UV−B領域にわたって吸収があり、比較的皮膚外用剤基剤への溶解性も良いが、極大吸収波長がややUV−B領域に近いところにあり、吸光度もあまり大きくない。また近年では基本骨格の構造物(ベンゾフェノン)が環境ホルモンとして指摘されていて、その使用が敬遠されている。
【0008】
(4)のジベンゾイルメタン誘導体では、4−tert−ブトキシ−4−メトキシジベンゾイルメタンがよく皮膚外用剤に使用されている。極大吸収が360nm付近にあり、吸光度も大きく、UV−A領域の紫外線吸収剤として優れている。しかしながら、光安定性に問題があり、皮膚外用剤用の油分に対しての相溶性が悪く、少量しか混合できない。
【0009】
(5)のサリチル酸誘導体では、サリチル酸オクチルが使われている。UV−B領域に極大吸収波長をもち、オイル状であり、パラフィンオイル等の相溶性に優れるが吸光度が低いため、あまり実用化されていない。
【0010】
このため、UV−B領域においては、(2)のp−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルが、UV−A領域に関しては(4)の4−tert−ブトキシ−4−メトキシジベンゾイルメタンが使用されることが多い。特に近年では、UV−A領域の紫外線吸収に対する要求が高まっているが、耐光性や吸収波長域において必ずしも満足できるものではない。
【0011】
耐光性に関しては、特開2005−206473の図4における経時光安定性試験結果からも明らかである。吸収波長域に関しては、さらに400nmに近い紫外線をより多く吸収することが求められているが、350nm付近にλmaxを持ち、350〜400nmの紫外線を多く吸収するものはあまりない。
【特許文献1】特開2005−206473号公報
【0012】
化粧品以外の用途や紫外線吸収剤で市販までにいたらず、文献に見られるだけのものを含めてλmax ≧ 350nm のものとなると、6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)レゾルシノール(III、λmax=351nm:シプロ化成市販品)、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−フェニルチオ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(IV、λmax=365nm){Ciba−Geigy AG、PCT Int.Appl.WO 92}{14,718;C.A、118,125806d(1993)}、メチレンビス−[2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]−4−(1,1,3,3−テトラメチル)フェノール(V、λmax=350nm){AdecaArgus Chem.Co.Ltd.,Jpn.Kokai Tokkyo Koho JP 61,118,373; C.A.,106,68265c(1987)}、2,4−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシカルバゾール−3−イル)−1,3,5−トリアジン(VI、λmax=367nm){旭電化工業,特開平8−151480(8.6.11)},2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(VII、λmax=371nm){旭電化工業,特開平8−151480(8.6.11)、特開平6−295139(6.11.29)}、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−フェニル)−1,3,5−トリアジン(YIII,λmax=360nm)[H,Brunetti andC.E.Luthi,Helv.Chim.Acta,55,1566(1972)},2−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−メチル−6−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(IX,λmax=380nm){Farbwerke Hoechest Ag,Ger.Offen.2,350,414;C.A.,83,97386e(1978)}等だけである。
【特許文献2】特開平8−151480号公報
【0013】
【化1】

【0014】
【化2】

【0015】
【化3】

【0016】
【化4】

【0017】
【化5】

【0018】
【化6】

【0019】
【化7】

【0020】
これらの化合物の中で実際に市販され、化粧用途にも事業展開されている化合物として(V)のメチレンビス−2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールが上げられる。
この化合物は商品名LA−31(ADEKA社製)としてポリカーボネート樹脂に対しての耐光性や熱安定性に優れた紫外線吸収剤として市販されている。
【0021】
一般的なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、この化合物のモノ体である2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチル)フェノール(商品名SEESORB709:シプロ化成社製)と比べて耐熱性が高く、λmaxが、後者は342nmに対して前者は346nmと若干長波長域にシフトすることが知られている。また、モル吸光係数εは前者が34821に対して後者は15780である。
【0022】
また化合物(V)は、化粧用途として下記名でポジティブリストにも収載されている。
(メチレンビスベンゾトリゾリルテトラメチルブチルフェノール(ビスオクトリゾール))
この化合物の短所として、有機溶媒や化粧基材の油分に対する溶解性が悪い点が上げられる。
従って化粧用途として使用するには微粉化して基材に分散させる必要がある。
実際においてこの化合物はチバスペシャルティーケミカル社よりビスオクトリゾールを約50%含む水分散体として商品化されている(商品名TINOSORB M)。さらに、この化合物をもってしても400nmに近い波長域の紫外線を効率的に吸収させることにおいては不十分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
従って本発明が解決しようとする課題は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチル)フェノールのメチレンビス化による化合物(V)の耐光性の良さを維持しながら、さらに効率よく400nmに近いUV−A領域の紫外線を吸収し、各種皮膚外用剤基材の油分との相溶性に優れ、長期にわたって紫外線吸収効果を持続可能な紫外線吸収剤及びこれを配合した皮膚外用剤を提供することである。
【0024】
ところで、このような観点から、新規紫外線吸収剤を開発しても、合成方法が非常に困難であり、また、その構造が複雑で実際の製造において多大な手間とコストを要するようなものでは、工業的には全く意味がない。
【0025】
すなわち、従来の紫外線吸収剤の製造とほぼ同等の手間とコストで、新規に設備投資することなく既存の設備により容易に生産が可能であり、安定して、化粧品企業等のユーザーに供給することが重要である。
【0026】
本発明は、上記課題を下記解決手段により解決したものであり、新規な紫外線吸収剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)からなる紫外線吸収剤を提供するものである。
一般式(I)
【化8】


(式中、RがH、2−エチルヘキシルオキシ基のうちの一つであり、R2、3はメチル基、ターシャリブチル基、ターシャリオクチル基から選択されるいずれかのアルキル基の組み合わせである。)
【0028】
また本発明は、下記式(II−a)からなる2−{2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルベンジル}−6−[2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを提供するものである。
【0029】
この化合物は、上記一般式(I)に示された化合物において、
R1=−H、
R2=−CH
R3=−C(CHCHC(CHのアルキル基である場合の新規なベンゾトリアゾール化合物である。
【0030】
式(II−a)
【化9】

【0031】
また本発明は、下記式(II−b)からなるメチレンビス−2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールを提供するものである。
【0032】
この化合物は、上記一般式(I)に示された化合物において、
R1=−O−CH−CH(CHCH)CHCHCHCH
R2=R3=−CHのアルキル基である場合の新規なベンゾトリアゾール化合物である。
【0033】
式(II−b)
【化10】

【0034】
さらに本発明は一般式(1)、式(II−a)または式(II−b)の紫外線吸収剤を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明の紫外線吸収剤は、λmax350nm付近のUV−A領域において高いモル吸光係数を示し、かつ耐熱性、蒸散性に優れた安定性の高い化合物である。
【0036】
特に(II−a)化合物においては、前記化合物(V)よりも格段に吸光度が高く、モル吸光係数も大きい。従って図に示したように350〜400nmの紫外線をより多く、効率よく吸収することが出来る。また、λmax303nmの大きな吸収があり、UV−B領域の紫外線も効率よく吸収することが出来る。
【0037】
また(II−b)化合物においては、そのモノ体である2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールや、さらにその原料の2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール (商品名SEESORB701 シプロ化成社製)よりもλmaxが353nmと長波長にあり、そのときのモル吸光係数が47543あり、350〜400nmの紫外線を効率よく吸収することが出来る。
【0038】
また、本発明による新規の紫外線吸収剤は結晶化せずに非晶質のアモルファスの性質を有するので化粧基材の油分中に分散させたときに透明度の高い化粧品をとして配合することが出来る。さらにベンゾトリアゾールの5位において、2−エチルヘキシル基の代わりにヘキサメチルトリシロキサンのようなシリコーンを付加して、より機能性の高い化粧用紫外線吸収剤とすることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明について詳述する。
本発明は、前記化合物(V)のメチレンビス−2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、商品名LA−31(ADEKA社製)が、そのモノ体化合物である2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノール(商品名SEESORB709:シプロ化成社製)と比べて耐熱性が高く、λmaxが、後者は342nmに対して前者は346nmと若干長波長域にシフトすることに着目した。
【0040】
この化合物は、チバスペシャルティーケミカルズ社により微粉末化されて50%を含む水分散体として化粧用途として使われているが、化粧基材の油分には不溶であり、ただし微粉末としているために紫外線散乱剤としての用途が主である。
【0041】
従って、化粧基材の油分に対しての相溶性を良くする、あるいは分散させることで、本来の紫外線吸収剤としての機能を果たし、併せて320〜400nmのいわゆるUV−A域の紫外線吸収、特に350〜400nmの紫外線吸収を多く吸収する化合物となることを目的とした。
【0042】
そこで本発明者らはベンゾトリアゾールの5位に水酸基を入れ、その水酸基を官能基として2−エチルヘキシル基を修飾し、さらにメチレンビス化することによる溶解性に優れた化合物の設計に鋭意工夫した結果、結晶化せず、非晶性のアモルファスを保つ化合物が得られることを見出した。
【0043】
さらに驚くべき事にこれらの化合物は吸光度が高く、λmaxがより長波長にシフトする傾向があり、モル吸光係数が非常に大きい。
【0044】
これは前記化合物(V)のメチレンビス−2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、商品名LA−31(ADE
KA社製)等における耐熱性や耐光性の長所を保持しながら、UV−A紫外線吸収剤の欠点である350〜400nmの波長の紫外線吸収能の不足を著しく改善し、化粧基材の油分に対する溶解性を改善できるものである。
【0045】
一般式(I)
【化11】


(式中、RがH、2−エチルヘキシルオキシ基のうちの一つであり、R2、3はメチル基、ターシャリブチル基、ターシャリオクチル基から選択されるいずれかのアルキル基の組み合わせである。)
【0046】
本発明の紫外線吸収剤は、一般式(I)式中、R1〜R3は、それぞれ独立に任意の置換基を表し、該任意の置換基の例として
R1は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、等の枝分かれしても良いアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の枝分かれしても良いアルコキシ基、
R2、R3は、メチル基、ブチル基、オクチル基等の枝分かれしても良いアルキル基等が上げられる。
【0047】
上記一般式(I)に示された化合物において、
R1=H、
R2=CH
R3=−(CHCHC(CHである化合物、すなわち
2−{2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルベンジル}−6−[2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールおよび、

R1=−OCHCH(CHCH)CHCHCHCH
R2=R3=−CHである化合物、
すなわちメチレンビス−2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールは、本発明者によって始めて合成された新規なベンゾトリアゾール化合物である。
【0048】
これらの新規化合物は、室温以下に冷却して長期にわたって保管しても結晶体とならず、透明性のある非晶性のアモルファスの性質を保ち、また蒸散性がわずかであり、長期にわたって紫外線吸収効果が持続し、化学的に安定である。
【0049】
本発明の新規ベンゾトリアゾール化合物は、例えば次のようにして合成することが出来る。
【化12】

【化13】



【化14】



【0050】
5−ヒドロキシ−2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−フェノールの5位に2−エチルヘキシルクロリドもしくは2−エチルヘキシルブロマイドのようなハロゲン化アルキルをアルカリ触媒下で反応させる。このときフェノールの水酸基は、窒素原子との水素結合により反応しにくい状態にあり、ほぼ優先的にベンゾトリアゾールの5位の水酸基にアルキル基が置換される。
【0051】
次にベンゾトリアゾール誘導体に高沸点溶媒である商品名「ソルベッソ150」(エクソンモービル社製)溶媒下、パラホルムアルデヒドとジエチルアミン等の低級アミンを反応させてマンニッヒベースとし、さらにベンゾトリアゾール誘導体と縮合させることで本発明の上記ベンゾトリアゾール誘導体化合物を合成できる。
【0052】
反応の溶媒としては、上記「ソルベッソ150」以外に例えばキシレン等の芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、ヘプタン、オクタン等の鎖状炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環状炭化水素を用いることができる。また、再結晶の際に用いる再結晶溶媒としては、メチルイソブチルケトン以外に例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等の低級エステル類等が挙げられる。
【0053】
本発明の皮膚外用剤は、上記一般式(1)の紫外線吸収剤を、化粧料等の皮膚外用剤に配合することにより製造される。配合量は目的の製品に応じて適宜決定されるが、皮膚外用剤全量に対して通常0.01〜10質量%であり、皮膚外用剤油分に溶解して配合される。
【0054】
また、本発明の皮膚外用剤には、UV−B領域の紫外線吸収剤としてp−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを皮膚外用剤全量に対して通常0.01〜20質量%併用して配合しても好ましい。この場合に、一般式(I)のベンゾトリアゾール誘導体とp−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルの配合重量比は8:2〜2:8が好ましい。この比を逸脱してベンゾトリアゾール誘導体の配合量が低いと、UV−A領域における優れた吸収効果や紫外線防御の持続性が発揮されにくい場合がある。また、多いと衣服への汚着などの問題が起こりやすい場合がある。
【0055】
本発明の皮膚外用剤には、上記必須成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、美白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、その他の紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合して常法により製造することができる。例えば配合成分としては次のようなものが挙げられる。
【0056】
アボカド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレイン酸グリセリル、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンなどの油分。
カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール。
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸。
ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。
メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。
エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの有機溶剤。
ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。
安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸と塩酸塩。
アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸。
ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。
ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ―オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。
ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。
ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイドなどのカチオン界面活性剤。
エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤。
香料、スクラブ剤、精製水など。
【0057】
本発明の皮膚外用剤の特に好ましい基剤は、流動パラフィン、スクワラン、イソオクタン酸セチル、イソオクタン酸トリグリセライド、コハク酸ジ2−エチルヘキシルの油分である。本発明は特にコハク酸ジ2−エチルヘキシルを主成分基剤とする皮膚外用剤に好ましく利用される。
【0058】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック等である。その製品形態は問わない。特には日焼け止め化粧料として最適である。またその剤型も特に問わない。
【実施例】
【0059】
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
[化合物II−aの合成]
A. 2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールの合成例
【化15】

【0060】
200mLの四つ口フラスコに温度計、玉付きコンデンサー、撹拌装置を取り付け、常法にて合成した2−(5−ヒドロキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール10.0g(0.04モル)、2−エチルヘキシルブロマイド16.0g(0.083モル)、炭酸カリ5.7g(0.0.041モル)、ヨウ化カリ0.2g、ジメチルホルムアマイド1.0g、メチルイソブチルケトン50mLを加えて加熱還流させながら20時間反応させた。内容物を70〜80℃に冷却し、温水20mLを加えて生成した無機塩を溶解させ、静置して下層の無機塩水層を分離し、さらに20mLの温水で同様に2回、洗浄した。この粗製オイルを25mmHgの減圧下で120℃に達するまで加熱して溶媒のメチルイソブチルケトンを留去し、198〜205℃/0.08〜0.09mmHgの条件下で減圧蒸留し、目的物の2−{[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]}−4−メチルフェノールである淡黄色オイル13.1gを得た。収率89.4%、HPLCによる面積百分率純度は89.7%であった。
1H−NMRで構造を確認し、チャートを図5に示す。
【0061】
<UVスペクトルの測定>
この化合物のUVスペクトルを以下の条件で測定したところ、λmax348nmのときのεは、20900であった。このスペクトル図については図2に示す。
(測定条件)
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
クロロホルム溶状にて10ppm濃度で測定
測定波長:250〜500nm
【0062】
また以下の実施例も本実施例と同様の測定条件で紫外〜近紫外吸収スペクトルの測定を行った。
B.2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ジエチルアミノメチル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールの合成
【化16】

【0063】
1000mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イルフェノール)(商品名「シーソーブ709」シプロ化成社製)96.9g(0.30モル)、ジエチルアミン65.7g(0.90モル)、92%パラホルムアルデヒド29.4g(0.90モル)、を入れ、95〜100℃にて8時間撹拌した。
【0064】
次いでn−ヘキサン240mLを加えて70℃の温水100mLで3回洗浄し、冷却して析出した結晶をブフナーロートに濾過し取った。乾燥機にて60℃で乾燥し、微黄色の結晶であるマンニッヒ塩基体98.0gを得た。融点102.2〜103.1℃、収率80%であった。
【0065】
C. 化合物(II−a)
2−{2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルベンジル}−6−[2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールの合成例
300mLの四つ口フラスコに温度計、玉付きコンデンサー、撹拌装置を取り付けAで合成した中間体化合物5.7g(0.016モル)、Bで合成したマンニッヒ塩基体6.5g(0.016モル)、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液1.0g、キシレン50mLを加え、キシレンを留去させながら150℃まで温度を上げ、さらに2時間撹拌しながら反応させた。さらに150〜160℃/450mmHgの減圧下で5時間反応させた。
【0066】
次に100℃以下に冷却し、トルエン50mLおよび温水20mLを加えて撹拌しながら、酢酸2mLで酸性化し、静置後、下層の水層を分離した。さらに20mLの温水で同様に洗浄した。さらに同量の温水で2回洗浄した。次いでこの反応物の中にイソプロピルアルコール50mLを加え、内容物を溶解させてから活性炭を少量加えて還流下で2時間処理し、75℃で濾過して瀘滓を除去し、イソプロピルアルコールを減圧下で留去した後、n−ヘキサン50mLを加えて結晶を析出させた。析出した結晶をブフナーロートで濾過し取った。
この粗製結晶をカラムクロマトグラフィーにて精製し、HPLC面積百分率で純度96.7%の目的物を得た。
黄色の透明な液状物であり、徐々に流動性を失ったが、結晶化しなかった。
1H−NMRおよび13C−NMRで構造を確認し、チャートを図3〜図4に示す。
【0067】
<UVスペクトルの測定>
この化合物のUVスペクトルを測定し、λmax303nmのとき、εは51400、
λmax346nmのとき、εは64400であった。
このスペクトル図を図1に示す。

【0068】
(実施例2)
A.2−ジエチルアミノメチル−6−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールの合成
【化17】

【0069】
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、実施例1のAで合成した2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノール5.6g(0.016モル)、ジエチルアミン4.12g(0.056モル)、92%パラホルムアルデヒド0.92g(0.03モル)、ソルベッソ150(エクソンモービル社製)15mLを入れ、102〜104℃にて6時間撹拌した。 さらにジエチルアミン4.12g(0.056モル)、92%パラホルムアルデヒド0.92g(0.03モル)を追加し、100〜105℃にて2時間撹拌した。
【0070】
HPLCにて分析し、マンニッヒ塩基体が74%、未反応のベンゾトリアゾール体が17%であったのでベンゾトリゾール体0.96g(0.003モル)を追加して、マンニッヒ塩基体と未反応のベンゾトリアゾール体との混合比率が約6対4になるように調製した後、10mLの温水で4回、洗浄した。
【0071】
化合物(II−b)
メチレンビス−2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールの合成例
A.で調製した反応物の中に28%ナトリウムメチラートメタノール溶液1.0mLを加え、徐々に温度を上げながら、生成するジエチルアミンを留去した。
最後145〜147℃にて2時間、撹拌しながら加熱した後、さらに減圧にして、最後137℃/500mmHgの条件で8時間反応させた。
【0072】
HPLCの分析により、未反応の原料が消失しているのを確認し、トルエン30mLと水10mLを加えて撹拌しながら、酢酸2mLを加えて酸性化した。次いで温水10mLで3回洗浄し、トルエンと共沸にて水分を除去し、トルエン10mLを加えて100℃に加熱後、濾過して不溶解分を除去してから減圧下でトルエンを留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製して、HPLC面積百分率で純度99.2%の目的物を得た。
黄色の透明な液状物であり、徐々に流動性を失ったが、結晶化しなかった。
【0073】
<UVスペクトルの測定>
この化合物のUVスペクトルを測定し、λmax353nmのとき、εは47500であった。このスペクトル図を図2に示す。
【0074】
[比較例]
(比較例1)
実施例1および実施例2で得られた化合物と、化合物(V)であるメチレンビス−2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、商品名LA−31(ADEKA社製)について200℃、2時間加熱後の変化を調べた。この結果を表1に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
(比較例2)
実施例1および実施例2で合成した化合物について200℃ X 2時間後のUV吸収スペクトル分析を行った。表2にその結果を示す。
また、parsol1789(比較例2)についても同様に実施した結果、加熱後のUV吸収の低下が著しいことがわかる。
【0077】
【表2】

【0078】
表1からは、耐熱性、蒸散性に関してTINOSORB M(チバスペシャルティーケミカルズ社製)である化合物のメチレンビス−2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと何ら遜色なく、かつ表2からは、高温での加熱後のモル吸光係数に変化がなく、非常に大きいモル吸光係数を維持することが分かる。
【0079】
化粧用途のUV−A紫外線吸収剤として最もよく使用されているParsol1789よりも紫外線照射線に対して遙かに能力が高いサンケア−化粧品の製造が可能である事を示唆している。
【0080】
以下に本発明の皮膚外用剤の実施例を示す。
(実施例3) サンスクリーン乳液
A.油相
揮発性環状シリコーン 27.0重量%
二酸化チタン(疎水化処理品)
10.0
酸化亜鉛(疎水化処理品) 10.0
タルク(疎水化処理品)
4.0
化合物(II−a)のベンゾトリアゾール 3.0
オクチルメトキシシンナメート
3.0
4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン
1.0
有機変性モンモリロナイト
0.5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン 2.0
防腐剤
適 量
香料
適 量
B.水相
ジプロピレングリコール
7.0
精製水
残余
【0081】
(製法及び評価)油相部と水相部をそれぞれ混合溶解させる。油相部は二酸化チタンの分散を十分に行い、水相部を加え、ホモジナイザーを用い乳化する。得られたサンスクリーン乳液は、さっぱりさに優れていた。
【0082】
(実施例4) : 日焼け止め(W/O)
製造方法は、油相(O)に水相(W)を徐々に添加し添加終了後、攪拌機を用いて乳化粒子が均一になるように調製した。得られたサンスクリーン乳液は、さっぱりさに優れ、外観の黄色味もなく、安定性に優れていた。

【0083】
【表3】


【0084】
(実施例5) :日焼け止め(O/W)
製造方法は、水相(W)を調製後、油相(O)に徐々に添加し、最後にホモミキサーを用いて攪拌した。得られたサンスクリーン乳液は、使用性、肌へのなじみに優れていた。

【0085】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、新規ベンゾトリアゾール化合物を提供する。従って、新規な紫外線吸収剤及びこれを含有する皮膚外用剤を提供する。本発明の紫外線吸収剤は、UV−A領域、もしくはUV−B、UV−A両領域に対して優れた紫外線吸収を有するものである。

【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1で得られた化合物(II−a)および、化合物(V)である商品名TINOSORB Mの(チバスペシャルティーケミカルズ社)主成分ベンゾトリアゾールおよびそのモノ体である商品名SEESORB709(シプロ化成社製)のUVスペクトル図である。(クロロホルム溶状にて濃度10ppmで測定)
【図2】実施例1で得られた化合物Aの紫外吸収スペクトルおよび実施例2で得られたそのメチレンビス体である化合物(II−b)および、商品名SEESORB701(シプロ化成社製)のUVスペクトル図である。(クロロホルム溶状にて濃度10ppmで測定)
【0088】
【図3】化合物(II−a)の1H−NMR図である。
【図4】化合物(II−a)の13C−NMR図である。
【図5】実施例1で得られた化合物Aの1H−NMR図である。
【図6】化合物(II−b)の1H−NMR図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)からなる紫外線吸収剤。
一般式(I)
【化1】


(式中、RがH、2−エチルヘキシルオキシ基のうちの一つであり、R2、3はメチル基、ターシャリブチル基、ターシャリオクチル基から選択されるいずれかのアルキル基の組み合わせである。)

【請求項2】
下記式(II−a)からなる2−{2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルベンジル}−6−[2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールである請求項1記載の紫外線吸収剤。
式(II−a)
【化2】

【請求項3】
下記式(II−b)からなるメチレンビス−2−[5−(2−エチルヘキシルオキシ)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチルフェノールである請求項1記載の紫外線吸収剤。
式(II−b)
【化3】



【請求項4】
請求項1、2又は3記載の紫外線吸収剤を有する皮膚外用剤




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−191005(P2009−191005A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32686(P2008−32686)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(301000675)シプロ化成株式会社 (33)
【Fターム(参考)】