説明

新規組成物

【課題】水中での崩壊性及び懸濁性に優れ、薬物顆粒を少量の水に均一に分散でき、かつ、注射筒からの押出し性が良好で、経管チューブが薬物顆粒で詰まることがなく注射筒内に残存薬剤を少なく抑える固形製剤を提供する。
【解決手段】クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、アルファ化デンプン、デンプン、ポビドンからなる群から選ばれる2種以上の崩壊剤を含む固形製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規医薬製剤及び医薬組成物に関する。更に詳しくは、経管投与用の新規製剤及び医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者や乳幼児等の嚥下することが困難な患者に服用し易い種々の医薬製剤の開発が行われてきた。このような患者には、口中において速やかな崩壊性を示す崩壊錠による服用が実施されることが多い。
【0003】
しかしながら、特に乳幼児に投与する場合には崩壊錠による投与でさえも困難である場合がある。従って、このような場合には、経鼻胃管チューブ(以下、「経管チューブ」「NGチューブ」ともいう)を用いた経鼻管投与による投与方法が選択される。
【0004】
当該経鼻管投与においては、少量の薬物投与を目的とするものであっても、服用時に水に医薬物質を分散させて投与する必要がある。
【0005】
しかしながら、常温の水に分散しにくい製剤は、温水による溶解が必要となり投与時の調製処理が煩雑になるため、服薬コンプライアンスの観点から望ましくない。また、多量の水に分散させると投与の際に患者の負担となることが考えられる。
【0006】
さらに、分散した製剤が注射筒やチューブ内に詰まったり、残存したりすると正確な用量の薬物の投与ができないこともある。
【0007】
従って、このような経管投与に使用する薬物を含む製剤は、投与時の調製処理の作業効率の観点から、常温で水への崩壊性及び懸濁性が良好であることが望ましい。更に、当該製剤は少量の水に、均一に分散できる性質を有することが望まれる。また、経管投与の際には、注射筒を通過する際に良好な押出し性を示し、かつ、経管チューブが薬物顆粒で詰まることがなく、注射筒内に残存しない性質を有する製剤が求められている。
【0008】
これまで、このような製剤を得るために種々の検討がなされている。
【0009】
WO99/55311には、糖アルコール、結晶セルロース、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等からなる口腔内崩壊錠が記載されている。
【0010】
特開2008−150364には、ポリビニルピロリドン又はポリビニルアルコール等のポリビニル系結合剤を含む、常温及び水中での崩壊性・懸濁性を有する経管投与用崩壊錠が開示されている。
【0011】
WO2005/011637には、投与前に少量の水に分散させた場合に、適切な粘度及び流動性を示す用時分散型製剤であって、医薬成分を含む平均粒子径2mm以下の主薬顆粒、及びアルギン酸プロピレングリコール等の増粘剤を含有する用時分散型製剤が記載されている。当該製剤は、服用時に水を加えて分散させ、経管チューブを通して投与することが可能であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO99/55311
【特許文献2】WO2005/011637
【特許文献3】特開2008−150364
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、これらの文献に記載された従来技術では、薬物を水に均一に分散させた状態を保つことが十分でない。また、注射筒からの優れた押出し性を有さず、経管チューブが主薬顆粒で詰まってしまうこと、さらには注射筒内の残存薬剤を少なく抑えることについても十分でないといった欠点を有する。
【0014】
したがって、水中での崩壊性及び懸濁性に優れ、薬物を水中に均一に分散させることができ、かつ、注射筒からの薬剤液の押出し性が良好で、経管チューブが薬物顆粒で詰まることがなく、かつ注射筒内に残存薬剤を少なく抑える経管投与用固形製剤が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような状況に鑑み、本発明者らは課題を解決するべく鋭意検討した結果、意外にも、二種以上の崩壊剤を製剤中に40質量%以上配合した、薬物を含まない固形製剤を、薬物を含む固形製剤とともに水に分散させることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
即ち、本発明は、(1)薬物を含む固形製剤とともに水に分散して使用するための固形製剤であって、2種以上の崩壊剤を含む、薬物を含まない固形製剤である。
【0017】
また、本発明には以下の態様も含まれる。
(2)薬物を含む固形製剤とともに水に分散して使用するための固形製剤であって、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、アルファ化デンプン、デンプン、ポビドンからなる群から選ばれる2種以上の崩壊剤を含む、薬物を含まない固形製剤。
(3)薬物を含む固形製剤が水に難溶性のものである(1)又は(2)に記載の薬物を含まない固形製剤。
(4)崩壊剤のうち1種はクロスポビドンである(1)〜(3)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(5)崩壊剤は、クロスポビドン及びクロスカルメロースナトリウムである(1)〜(4)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(6)薬物を含まない固形製剤全量に対して20質量%以上の崩壊剤を含む(1)〜(5)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(7)薬物を含まない固形製剤全量に対して40質量%以上の崩壊剤を含む(1)〜(6)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(8)薬物を含まない固形製剤全量に対して42質量%以上の崩壊剤を含む(1)〜(7)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(9)薬物を含まない固形製剤に含まれる崩壊剤全量に対して30質量%以上のクロスポビドンを含む(1)〜(8)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(10)薬物を含まない固形製剤に含まれる崩壊剤全量に対して50質量%以上のクロスポビドンを含む(1)〜(9)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(11)薬物を含まない固形製剤全量に対して40質量%以上の崩壊剤を含み、崩壊剤全量に対して30質量%以上のクロスポビドンを含む(1)〜(7)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤。
(12)薬物を含む固形製剤及び(1)〜(11)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤を含む医薬組成物。
(13)薬物を含まない固形製剤及び薬物を含む固形製剤が顆粒である(12)に記載の医薬組成物。
(14)顆粒である薬物を含む固形製剤及び顆粒である薬物を含まない固形製剤を混合後、打錠することを特徴とする(13)に記載の医薬組成物。
(15)薬物がベンズイミダゾール系化合物である(12)〜(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(16)ベンズイミダゾール系化合物がプロトンポンプ阻害剤である(15)に記載の医薬組成物。
(17)プロトンポンプ阻害剤がラベプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、ネパプラゾール、レミノプラゾール、2−[[[4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メトキシ)−3,5−ジメチルピリジン−2−イル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール及びこれらの薬理学的に許容される塩からなる群から選ばれる1種以上である(16)に記載の医薬組成物。
(18)薬物が胃酸に起因する疾患又は症状の治療又は予防剤である(12)〜(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(19)胃酸に起因する疾患又は症状が、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger−Ellison症候群、症候性逆流性食道炎、内視鏡陰性逆流性食道炎、非びらん性逆流性食道炎、胃食道逆流症、NUD(Non−Ulcer Dyspepsia)、咽喉頭異常、Barrett食道、NSAID潰瘍、胃炎、胃出血、出血性胃炎、消化管出血、消化性潰瘍、出血性潰瘍、ストレス潰瘍、胃過酸症、消化不良、胃不全、高齢者潰瘍、難治性潰瘍、急性胃粘膜病変、胸焼け、睡眠時無呼吸症時の胸焼け、歯ぎしり、胃痛、胃もたれ、むかつき、吐き気、顎関節症又は胃びらんである(18)に記載の医薬組成物。
(20)薬物が胃内ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌剤又は除菌補助剤である(12)〜(14)のいずれかに記載の医薬組成物。
(21)(1)〜(11)のいずれかに記載の薬剤を含まない固形製剤を使用することを特徴とする薬剤を含む固形製剤の投与方法。
(22)薬物を含む固形製剤及び(1)〜(11)のいずれかに記載の薬物を含まない固形製剤を水に分散させ、経管投与することを特徴とする薬物を含む固形製剤の投与方法。
(23)1ml〜15mlの水に分散させることを特徴とする(22)に記載の投与方法。
(24)経口又は経鼻投与である(21)〜(23)のいずれかに記載の投与方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、二種以上の崩壊剤を組成物中に40質量%以上配合することによって水に速やかに崩壊して顆粒となり、少量の水中で薬物を含む固形製剤を均一に分散させた状態を保つことができ、注射筒からの押出し性が良好で、かつ、経管チューブが薬物顆粒で詰まることがない固形製剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】製造例1の方法で得られた薬物を含まない錠剤、及び製造例4の方法で得られた薬物を含む顆粒を使用した、材料試験機による注射筒通過性能確認試験の結果を示す。崩壊剤を固形製剤全量に対して40質量%以上にした場合に良好な押出し性を示した。
【図2】製造例2の方法で得られた薬物を含まない顆粒、及び製造例4の方法で得られた薬物を含む顆粒を使用して、実施例1と同様の方法で注射筒通過性能確認試験を実施した結果を示す。崩壊剤を固形製剤全量に対して40質量%以上にした場合に良好な押出し性を示した。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明において、薬物を含まない固形製剤及び薬物を含む固形製剤の剤形は、顆粒、細粒、粉末等であり、好ましくは顆粒である。
【0021】
本発明において、薬物を含む固形製剤は、水に対して難溶性又は不溶性のコーティングを施してあり、水に対して分散させることができるものを示す。
【0022】
なお、薬物を含む固形製剤が顆粒である場合、便宜的に主薬顆粒と表記することがある。
【0023】
本発明において、薬物はその発揮する効果によって使用する量を変更することができる。例えば、少量で薬効を発揮するものは少量の使用でよい。これにより、本発明の固形製剤に含まれる崩壊剤の量を調節することができる。
【0024】
本発明において、薬物は特に限定されるものではないが、例えば、解熱鎮痛剤、消炎剤、鎮咳剤、制吐剤、抗うつ剤、抗コリン剤、抗認知症剤、抗片頭痛剤、向精神剤、催眠剤、鎮暈剤、鎮痙剤、抗腫瘍剤、筋弛緩剤、抗不整脈剤、潰瘍治療剤、抗動脈硬化剤、血圧低下剤、血行促進剤、強心剤、利尿剤、抗喘息剤、抗アレルギー剤、抗糖尿病剤、抗ヒスタミン剤、抗リウマチ剤、免疫調節剤、駆虫剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、去痰剤、脂質低下剤、骨粗しょう症剤、利胆剤、ビタミン剤等を挙げることができる。
【0025】
好ましくは、胃腸炎・潰瘍治療剤等として使用されるベンズイミダゾール系化合物である。
【0026】
本発明において、ベンズイミダゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えばプロトンポンプ阻害剤を好適な例として挙げることができる。
【0027】
このようなプロトンポンプ阻害剤としては、例えばラベプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、ネパプラゾール、レミノプラゾール、エソメプラゾール、2−[[[4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メトキシ)−3,5−ジメチルピリジン−2−イル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩等を挙げることができる。また、これらの化合物の薬理学的に許容される塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等や水和物も好適な例として挙げることができる。好ましくはラベプラゾール、2−[[[4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メトキシ)−3,5−ジメチルピリジン−2−イル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール又はその薬理学的に許容される塩である。
【0028】
本発明においては、薬物を含む固形製剤と薬物を含まない固形製剤の両者を、少量の水に分散させて投与する。分散させる水の量は、薬物を含まない固形製剤1gに対して、通常1〜15ml、好ましくは3〜12ml、さらに好ましくは5〜10mlである。投与する対象が乳幼児である場合には、胃の容積を勘案して1回あたりの投与容量が3〜5ml程度となるようにすることが好ましい。
【0029】
本発明において、薬物を含まない固形製剤の使用量は、薬物を含む固形製剤1重量部に対して、通常1〜12重量部、好ましくは3〜10重量部、さらに好ましくは5〜7重量部である。
【0030】
本発明において、好適な薬剤の投与方法としては、経鼻管投与、経口管投与等の経管投与が挙げられる。好ましくは経鼻管投与である。
【0031】
本発明において、薬物を含む固形製剤とは、生体に対して薬理活性を示す上記薬剤成分を含む固形製剤を示す。また、薬物を含まない固形製剤とは、上記薬剤成分を含まない固形製剤であり、薬物を含む固形製剤とともに溶媒に分散させた際に、薬物液剤の均一性を高めることが可能である。さらに、薬剤液を経管投与する際に、注射筒からスムーズに薬剤液を押出すことができるようになる。
【0032】
本発明における固形製剤は、公知の方法で製造したものであればよく、特に限定はされない。例えば第十五改正日本薬局方に記載された方法で、顆粒、細粒、粉末とすることができる。また、これら顆粒等に一般的な添加剤を添加し、又は添加せず、カプセルに充填したり、成型して錠剤としてもよい。薬物を含む固形製剤と薬物を含まない固形製剤をあらかじめ混合して顆粒剤、カプセル剤、錠剤としてもよく、また、別々に製造して投与時に混合してもよい。また、薬物を含む固形製剤と薬物を含まない固形製剤を同じ剤形としてもよく、また、異なる剤形としてもよい。例えば、一方を顆粒剤等とし、他方を錠剤とすることができる。
【0033】
上記添加剤としては、一般に医薬に使用される、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、矯味矯臭剤、乳化剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤、吸収促進剤、pH調整剤等を挙げることができ、所望により、これらを適宜組み合わせて使用することもできる。
【0034】
上記賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、ブドウ糖、コーンスターチ、マンニトール、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム等を挙げることができる。
【0035】
ラクトース、マンニトール、キシリトール等の水溶性賦形剤を配合することが好ましい。
【0036】
上記結合剤としては、例えばコーンスターチ、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等を挙げることができる。
【0037】
上記滑沢剤としては、例えばフマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、合成ケイ酸マグネシウム、カルナウバロウ、硬化油、マイクロクリスタリンワックス等を挙げることができる。
【0038】
上記崩壊剤としては、例えば結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム等を挙げることができる。
【0039】
本発明における崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、アルファ化デンプン、デンプン、ポビドン等が好ましい。
【0040】
本発明の薬物を含まない固形製剤全体に含まれる崩壊剤は、薬物を含まない固形製剤全体の40質量%以上、より好ましくは42質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更により好ましくは70質量%以上、80質量%以上含むのがよい。また、更に具体的には、好ましくは崩壊剤全量に対して30質量%のクロスポビドン、より好ましくは50質量%のクロスポビドンを含むのがよい。
【0041】
上記着色剤としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルミン、カラメル、β−カロチン、酸化チタン、タルク、リン酸リボフラビンナトリウム、黄色アルミニウムレーキ等、医薬品に添加することが許可されているものを挙げることができる。
【0042】
上記矯味矯臭剤としては、例えばココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、メントール、竜脳、桂皮末等を挙げることができる。
【0043】
上記乳化剤又は界面活性剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。
【0044】
上記溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、エタノール、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド等を挙げることができる。
【0045】
上記懸濁化剤としては、前記界面活性剤のほか、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子を挙げることができる。
【0046】
上記等張化剤としては、例えばブドウ糖、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール等を挙げることができる。
【0047】
上記緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液を挙げることができる。
【0048】
上記防腐剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等を挙げることができる。
【0049】
上記抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等を挙げることができる。
【0050】
上記安定化剤としては、アスコルビン酸、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、トコフェロール等を挙げることができる。
【0051】
上記吸収促進剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、トコフェロール、カルシフェロール等を挙げることができる。
【0052】
上記pH調整剤としては、特に限定されないが、クエン酸、酒石酸等の有機酸を挙げることができる。
【0053】
本発明に係る薬物を含む固形製剤又は薬物を含まない固形製剤を顆粒又は細粒とする場合には、その粒径は通常50〜1500μmであり、好ましくは100〜1000μmであり、さらに好ましくは400〜800μmである。
【0054】
本発明において、胃酸に起因する疾患又は症状とは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger−Ellison症候群、症候性逆流性食道炎、内視鏡陰性逆流性食道炎、非びらん性逆流性食道炎、胃食道逆流症、NUD(Non−Ulcer Dyspepsia)、咽喉頭異常、Barrett食道、NSAID潰瘍、胃炎、胃出血、出血性胃炎、消化管出血、消化性潰瘍、出血性潰瘍、ストレス潰瘍、胃過酸症、消化不良、胃不全、高齢者潰瘍、難治性潰瘍、急性胃粘膜病変、胸焼け、睡眠時無呼吸症時の胸焼け、歯ぎしり、胃痛、胃もたれ、むかつき、吐き気、顎関節症又は胃びらんが挙げられる。
【実施例】
【0055】
製造例1 本発明の薬物を含まない固形製剤(錠剤)
乳糖水和物500g(商品名:乳糖水和物(Pharmatose 200M)、DMV社)、トウモロコシデンプン225g(商品名:日食局方コーンスターチ、日本食品化工(株))、クロスポビドン375g(商品名:ポリプラスドン、ISP社)、クロスカルメロースナトリウム375g(商品名:Ac-Di-Sol、FMC International Inc.))を高速撹拌造粒装置(商品名:スーパーミキサー、カワタ社)に入れ、3分間混合した。
【0056】
次に、クエン酸水和物10g(商品名:Citric Acid, Monohydrate, Granular, USP, J. T. Baker)を溶解した適量の精製水を加え、5分間造粒した。
【0057】
流動層造粒乾燥機(商品名:FLO-5、フロイント産業)で乾燥した後、整粒機(商品名:パワーミル、昭和技研)にて1mmスクリーンで整粒した。
【0058】
得られた顆粒にフマル酸ステアリルナトリウム15g(商品名:Pruv(Sodium Stearyl Fumarate)、JRS Pharma LP)を加え、混合機(商品名:タンブラー混合機、昭和化学機械)にて15分間混合した。この混合物を打錠機(商品名:AP-15、畑鐵工所製)を用いて成型し、経管投与用の錠剤を得た。
【0059】
製造例2 本発明の薬物を含まない固形製剤(顆粒剤)
乳糖水和物515g(商品名:乳糖水和物(Pharmatose 200M)、DMV社)、トウモロコシデンプン225g(商品名:日食局方コーンスターチ、日本食品化工(株))、クロスポビドン375g(商品名:ポリプラスドン、ISP社)、クロスカルメロースナトリウム375g(商品名:Ac-Di-Sol、FMC International Inc.))を高速撹拌造粒装置(商品名:スーパーミキサー、カワタ社)に入れ、3分間混合した。
【0060】
次に、クエン酸水和物10g(商品名:Citric Acid, Monohydrate, Granular, USP, J. T. Baker)を溶解した適量の精製水を加え、5分間造粒した。
【0061】
流動層造粒乾燥機(商品名:FLO-5、フロイント産業)で乾燥した後、整粒機(商品名:パワーミル、昭和技研)にて1mmスクリーンで整粒し、経管投与用の顆粒剤を得た。
【0062】
製造例1及び2の処方は下記の表1に示したとおりである。
【0063】
【表1】

【0064】
製造例3 薬物を含む固形製剤(顆粒剤)
ラベプラゾールナトリウム12.5g、乳糖水和物502.5g(商品名:乳糖水和物(Pharmatose 200M)、DMV社)、トウモロコシデンプン225g(商品名:日食局方コーンスターチ、日本食品化工(株))、クロスポビドン375g(商品名:ポリプラスドン、ISP社)、クロスカルメロースナトリウム375g(商品名:Ac-Di-Sol、FMC International Inc.))を高速撹拌造粒装置(商品名:スーパーミキサー、カワタ社)に入れ、3分間混合した。
【0065】
次に、クエン酸水和物10g(商品名:Citric Acid, Monohydrate, Granular, USP, J. T. Baker)を溶解した適量のエタノールを加え、5分間造粒した。
【0066】
流動層造粒乾燥機(商品名:FLO-5、フロイント産業)で乾燥した後、整粒機(商品名:パワーミル、昭和技研)にて1mmスクリーンで整粒し、経管投与用の顆粒剤を得た。
【0067】
製造例4 薬物を含む固形製剤(顆粒剤)
ラベプラゾールナトリウム3480.0g、酸化マグネシウム1113.6(富田製薬製)及びエチルセルロース(商品名:エトセル、ダウケミカル社)835.2gを、38470gの無水エタノールに溶解した。この溶液を微粒子コーティング装置(型式:FD-GPCG-15SPC型、(株)パウレック)を使用して、核物質であるノンパレル108(商品名、フロイント産業)5846.4gにコーティングし乾燥させ、顆粒を得た。
【0068】
次にエチルセルロース(商品名:エトセル、ダウケミカル)974.4g及びヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC−L、信越化学工業)5985.6gを、140265gの無水エタノールに溶解させ、さらにステアリン酸マグネシウム(マリンクロット社)2784gを分散させたコーティング液で、上記顆粒の半量にコーティングし乾燥させ、中間層被覆顆粒を得た。
【0069】
さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HP−55S、信越化学工業)6960g及びジアセチル化モノグリセリド(商品名:マイバセット、クエスト・インターナショナル社)696gを、167111gの80%エタノール水溶液に溶解させ、さらにタルク(松村産業(株))661.2g及び酸化チタン(MERCK社製)348gを分散させた後、上記の中間層被覆顆粒にコーティングし乾燥させ、腸溶性顆粒を得た。
【0070】
この腸溶性顆粒を355μmと557μmのダルトン振動ふるい機(ダルトン社製)で分級し、棚式真空乾燥機(日空工業(株)製)で乾燥させた。その後、乾燥顆粒16356gに対して軽質無水ケイ酸(商品名:AEROSIL、日本アエロジル(株))174g及びタルク(松村産業(株))174gを添加し、50Lタンブラーミキサー(型式:TM-50S、昭和技研(株)製)で混合して、経管投与用の顆粒剤を得た。
【0071】
製造例5 乳幼児に対する経管投与用製剤(分包剤)
製造例2の方法で製造した顆粒剤を真空乾燥した。この顆粒300mgに製造例4の方法で製造した顆粒48mgを均一になるように混合し、アルミ袋に入れて分包剤を製造した。
【0072】
製造例6 乳幼児に対する経管投与用製剤(カプセル剤)
製造例2の方法で製造した顆粒剤を真空乾燥した。この顆粒300mgに製造例4の方法で製造した顆粒48mgを均一になるように混合し、ハードカプセルに充填した。
【0073】
製造例7 経管投与用製剤(錠剤)
製造例1の方法で得られる混合顆粒を真空乾燥した。この顆粒300mgに製造例4の方法で製造した顆粒48mgを加えて混合し、材料試験機(装置名:オートグラフ(Autograph)、型式:AG-5000A、島津製作所製)で打錠し、経管投与用の錠剤を得た。
【0074】
製造例8 経管投与用製剤(錠剤)
製造例2の方法で製造した顆粒剤を真空乾燥した。この顆粒300mgに製造例4の方法で製造した顆粒48mgを加えて混合し、有核打錠機で打錠し、経管投与用の錠剤を得た。
【0075】
製造例9〜11 乳幼児投与用製剤の調製
製造例5〜7の方法で製造した分包剤、カプセル剤または錠剤を、2mlの精製水を注入した注射筒に入れ、十分に攪拌して、乳幼児に対する経管投与用の薬物分散液剤をそれぞれ得た。
【0076】
実施例1 材料試験機による注射筒通過性能確認試験
試験方法
10mlチップカップ付シリンジ(Baxa社製)に精製水を適量入れ、当該シリンジに製造例1の方法で得られた錠剤及び製造例4の方法で得られた顆粒を投入し、シリンジを上下反転させた。その後、40cm、6Frの経鼻胃管チューブ(Vygon社製、以下、「NGチューブ」とも言う)を取り付け、材料試験機(商品名:オートグラフ(Autograph)、AG-5000A、島津製作所製)を用いてチューブから内容物を押出した。押出し速度が100mm/分になるときの圧力を測定した。なお、押出し終点の制御方法は、シリンジの重点部分を測定し、そのストロークを押出し距離に入力して制御した。崩壊剤を固形製剤全量に対して、0、20、40、60、80、100質量%配合した場合の押出し圧力をそれぞれ測定した。
【0077】
結果
試験の結果は表2に示したとおりである。崩壊剤を固形製剤全量に対して40質量%以上にした場合に良好な押出し性を示した(図1)。
【0078】
【表2】

【0079】
実施例2 材料試験機による注射筒通過性能確認試験
試験方法
10mlチップカップ付シリンジ(Baxa社製)に精製水を適量入れ、当該シリンジに製造例1の方法で得られた錠剤及び製造例4の方法で得られた顆粒を投入し、シリンジを上下反転させた。その後、40cm、6Frの経鼻胃管チューブ(Vygon社製、以下、「NGチューブ」とも言う)を取り付け、材料試験機(商品名:オートグラフ(Autograph)、AG-5000A、島津製作所製)を用いてチューブから内容物を押出した。押出し速度が100mm/分になるときの圧力を測定した。なお、押出し終点の制御方法は、シリンジの重点部分を測定し、そのストロークを押出し距離に入力して制御した。崩壊剤を固形製剤全量に対して、42、45、50、55、65、70、及び75質量%配合した場合の押出し圧力をそれぞれ測定した。
【0080】
結果
試験の結果は表3に示したとおりである。崩壊剤を固形製剤全量に対して42質量%以上にした場合に良好な押出し性を示した。
【0081】
【表3】

【0082】
実施例3 材料試験機による注射筒通過性能確認試験
製造例2の方法で得られた薬物を含まない顆粒、及び製造例4の方法で得られた薬物を含む顆粒を使用して、実施例1と同様の方法で注射筒通過性能確認試験を実施した。崩壊剤を、固形製剤全量に対して、5、10、15、20、40、50、60、80及び100質量%配合した場合の押出し圧力をそれぞれの試料につき三回測定した。
【0083】
結果
試験の結果は表4に示したとおりである。
【0084】
試験の結果、崩壊剤を固形製剤全量に対して40質量%以上にした場合に良好な押出し性を示した(図2)。
【0085】
【表4】

【0086】
実施例4 手押しによる注射筒通過性能確認試験
試験方法
10mlチップカップ付シリンジに精製水を適量入れ、当該シリンジに製造例1の方法で得られた錠剤及び製造例4の方法で得られた顆粒を投入し、当該シリンジを上下反転させた。その後、6FrのNGチューブを取り付け、手押しによってチューブから内容物を押出した。2mLの水を用いて、シリンジ内の主薬顆粒をフラッシングした。崩壊剤を固形製剤全量に対して、0、20、40、60、80、100質量%配合した場合の透過率をそれぞれの試料につき三回測定した。
【0087】
結果
試験の結果は表5に示したとおりである。主薬顆粒がNGチューブ内で詰まった場合は、試料がチューブを通過しなかったと評価した。
【0088】
試験の結果、崩壊剤を固形製剤全量に対して40質量%以上にした場合に試料をNGチューブから容易に押出すことができた。実際の医療現場における投与と似た状況にある手押しによっても注射筒からの押出し性が良好であることが分かった。
【0089】
【表5】

【0090】
実施例5 手押しによる注射筒通過性能確認試験
試験方法
10mlチップカップ付シリンジに精製水を適量入れ、当該シリンジに製造例1の方法で得られた錠剤及び製造例4の方法で得られた顆粒を投入し、当該シリンジを上下反転させた。その後、6FrのNGチューブを取り付け、手押しによってチューブから内容物を押出した。2mLの水を用いて、シリンジ内の主薬顆粒をフラッシングした。崩壊剤を固形製剤全量に対して、42、45、50、55、65、70及び75質量%配合した場合の押出し圧力をそれぞれの試料につき三回測定した。
【0091】
結果
試験の結果は表6に示したとおりである。主薬顆粒がNGチューブ内で詰まった場合は、試料がチューブを通過しなかったと評価した。
【0092】
試験の結果、崩壊剤を固形製剤全量に対して42質量%以上にした場合に試料をNGチューブから容易に押出すことができた。実際の医療現場における投与と似た状況にある手押しによっても注射筒からの押出し性が良好であることが分かった。
【0093】
【表6】

【0094】
実施例6 手押しによる注射筒通過性能確認試験
製造例2の方法で得られた薬物を含まない顆粒、及び製造例4の方法で得られた薬物を含む顆粒を使用して、実施例3と同様の方法で手押しによる注射筒通過性能確認試験を実施した。崩壊剤を、固形製剤全量に対して、5、10、15、20、40、50、60、80及び100質量%配合した場合の押出し圧力をそれぞれの試料につき三回測定した。
【0095】
結果
試験の結果は表7〜表15に示したとおりである。崩壊剤を固形製剤全体の40質量%以上にした場合に、試料をNGチューブから容易に押出すことができた。実際の医療現場における投与と似た状況にある手押しによっても注射筒からの押出し性が良好であることが分かった。
【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】
【表9】

【0099】
【表10】

【0100】
【表11】

【0101】
【表12】

【0102】
【表13】

【0103】
【表14】

【0104】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物を含む固形製剤とともに水に分散して使用するための固形製剤であって、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、アルファ化デンプン、デンプン、ポビドンからなる群から選ばれる2種以上の崩壊剤を含む、薬物を含まない固形製剤。
【請求項2】
薬物を含む固形製剤が水に難溶性のものである請求項1に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項3】
崩壊剤のうち1種はクロスポビドンである請求項1又は2に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項4】
崩壊剤は、クロスポビドン及びクロスカルメロースナトリウムである請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項5】
薬物を含まない固形製剤全量に対して20質量%以上の崩壊剤を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項6】
薬物を含まない固形製剤全量に対して40質量%以上の崩壊剤を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項7】
薬物を含まない固形製剤全量に対して42質量%以上の崩壊剤を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項8】
薬物を含まない固形製剤に含まれる崩壊剤全量に対して30質量%以上のクロスポビドンを含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項9】
薬物を含まない固形製剤に含まれる崩壊剤全量に対して50質量%以上のクロスポビドンを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項10】
薬物を含まない固形製剤全量に対して40質量%以上の崩壊剤を含み、崩壊剤全量に対して30質量%以上のクロスポビドンを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤。
【請求項11】
薬物を含む固形製剤及び請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤を含む医薬組成物。
【請求項12】
薬物を含まない固形製剤及び薬物を含む固形製剤が顆粒である請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
顆粒である薬物を含む固形製剤及び顆粒である薬物を含まない固形製剤を混合後、打錠することを特徴とする請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
薬物がベンズイミダゾール系化合物である請求項11〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
ベンズイミダゾール系化合物がプロトンポンプ阻害剤である請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
プロトンポンプ阻害剤がラベプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、ネパプラゾール、レミノプラゾール、2−[[[4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メトキシ)−3,5−ジメチルピリジン−2−イル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール及びこれらの薬理学的に許容される塩からなる群から選ばれる1種以上である請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
薬物が胃酸に起因する疾患又は症状の治療又は予防剤である請求項11〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
胃酸に起因する疾患又は症状が、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger−Ellison症候群、症候性逆流性食道炎、内視鏡陰性逆流性食道炎、非びらん性逆流性食道炎、胃食道逆流症、NUD(Non−Ulcer Dyspepsia)、咽喉頭異常、Barrett食道、NSAID潰瘍、胃炎、胃出血、出血性胃炎、消化管出血、消化性潰瘍、出血性潰瘍、ストレス潰瘍、胃過酸症、消化不良、胃不全、高齢者潰瘍、難治性潰瘍、急性胃粘膜病変、胸焼け、睡眠時無呼吸症時の胸焼け、歯ぎしり、胃痛、胃もたれ、むかつき、吐き気、顎関節症又は胃びらんである請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
薬物が胃内ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌剤又は除菌補助剤である請求項11〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤を使用することを特徴とする薬物を含む固形製剤の投与方法。
【請求項21】
薬物を含む固形製剤及び請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬物を含まない固形製剤を水に分散させ、経管投与することを特徴とする薬物を含む固形製剤の投与方法。
【請求項22】
1ml〜15mlの水に分散させることを特徴とする請求項21に記載の投与方法。
【請求項23】
経口又は経鼻投与である請求項20〜22のいずれか一項に記載の投与方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−72061(P2012−72061A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17483(P2009−17483)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】