説明

新規置換アザベンゾオキサゾール類

本発明は、新規MAO−B結合性化合物、及び、生きている患者におけるMAO−Bレベルの変化を測定することによる該化合物の効果を測定する方法に関する。より具体的には、本発明は、MAO−B活性を阻害するための治療薬としての本発明化合物の使用、及び、アルツハイマー病の診断を可能とするためにインビボで脳内のMAO−Bレベルを調べるための陽電子放射断層撮影(PET)画像化におけるトレーサーとして本発明化合物を使用する方法に関する。かくして、本発明は、新規MAO−B結合性化合物の診断薬及び治療薬としての使用に関する。本発明は、さらに、アルツハイマー病治療薬の臨床効果を測定する方法にも関する。特に、本発明は、アリール又はヘテロアリールで置換されている新規アザベンゾオキサゾール誘導体、組成物及び治療における使用、並びに、そのような化合物を調製する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリール又はヘテロアリールで置換されている新規アザベンゾオキサゾール誘導体、並びに、モノアミンオキシダーゼ−B(MAO−B)の阻害におけるそれら誘導体の使用、及び、生きている患者におけるMAO−BレベルのPETトレーサー技術による評価におけるそれら誘導体の使用に関する。より具体的には、本発明は、特定の神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)の治療としてMAO−Bを阻害するための本発明化合物の使用、及び、アルツハイマー病の診断を可能とするためにインビボで脳内のMAO−Bレベルを調べるための陽電子放射断層撮影(PET)画像化におけるトレーサーとして本発明化合物を使用する方法に関する。本発明は、さらに、アルツハイマー病治療薬の臨床効果を測定する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
非侵襲性の核画像化技術を使用して、実験動物、正常なヒト及び患者を包含するさまざま生きている被検者の生理学及び生化学についての基本的な情報及び診断情報を得ることができる。これらの技術は、上記のような生きている被検者に投与された放射性トレーサーから放射された放射線を検出することが可能な精巧な画像化装置の使用に基づいている。得られた情報は、再構築して、当該放射性トレーサーの分布を時間の関数として示す平面画像及び断層画像を提供することができる。適切に設計された放射性トレーサーを使用することによって、構造や機能についての情報を含んでいる画像を得ることが可能であり、また、最も重要なことには、被検者の生理学及び生化学についての情報を含んでいる画像を得ることも可能である。この情報の多くは、他の手段では得ることができない。これらの研究において使用する放射性トレーサーは、被検者の生理学若しくは生化学に関する具体的な情報又は被検者の生理学若しくは生化学に対するさまざまな疾患若しくは薬物の影響に関する具体的な情報について測定することを可能とする、定められたインビボでの振る舞いをするように設計されている。現在、放射性トレーサーは、心臓機能、心筋血流、肺血流、肝機能、脳血流、局所脳糖代謝及び酸素代謝のようなものに関する有用な情報を得るために利用可能である。
【0003】
非侵襲性インビボ画像化のために、陽電子又はガンマ線を放射する放射性核種を用いて化合物に標識することができる。陽電子を放射する最も一般的に使用される(PET)放射性核種は、11C、18F、15O及び13Nである。これらは全て、加速器で作られ、そして、それぞれ、20分、110分、2分及び10分の半減期を有する。これら放射性核種の半減期は非常に短いので、それらは、加速器を有している施設においてその場でのみ使用可能であるか、又は、それらを作り出すところの直ぐ近くにおいてのみ使用可能である。かくして、それらの使用は制限されている。本質的に米国内の全ての病院で使用可能であり、世界的には殆どの病院で使用可能な、ガンマ線を放射する数種類の放射性トレーサーを利用することができる。これらのうちで、最も広く使用されているのは、99mTc、201Tl及び123Iである。
【0004】
PETによる典型的な研究では、試験を受ける実験動物、正常なヒト又は患者に少量の放射性トレーサーを投与する。その放射性トレーサーは、その後、被検者の血液中を循環し、特定の組織内で吸収され得る。その放射性トレーサーは、酵素による特異的な変換を受けるか又はタンパク質などの巨大分子構造物に対して特異的に結合することによって、それら組織の一部において優先的に保持され得る。陽電子放射を検出する精巧な画像化装置を使用することで、体内のさまざまな組織中で、放射性トレーサーの量が非侵襲的に評価される。得られたデータを解析して、当該トレーサーがそのために設計されたインビボでの生物学的プロセスについての定量的な空間的情報を提供する。PETは、薬学研究の研究者に、候補薬物の生化学的変化又は代謝効果についてインビボで長期間にわたって評価する可能性を与え、また、PETを用いて薬物の分配を測定することが可能であり、従って、研究中の特定の候補薬物の薬物動態学及び薬力学を評価することが可能となる。重要なことには、PETトレーサーは、組織内における結合部位の存在についてその量を測定するために、設計し、使用することができる。従って、薬物開発のためのPETトレーサーについての関心は、同位体標識された生化学物質の開発と放射能を外部画像化(external imaging)によって検出するための適切な検出装置の開発に基づいて増大してきた。
【0005】
PETのような非侵襲性核画像化技術は、脳卒中、パーキンソン病、癲癇、脳腫瘍及びアルツハイマー病を包含する神経学的な疾患及び障害について研究する能力をもたらす上で、とりわけ重要であった。アルツハイマー病は、痴呆の最も一般的な形態である。それは、日常生活の正常な活動を妨げるのに充分なほど重度な知能喪失を特徴とする神経学的疾患である。それは、通常、老年期において発症し、そして、想起、推理及び立案などの認知機能が低下していることによって特徴付けられる。アルツハイマー病病理学の全ての形態は、アミロイドAβ−ペプチドが蓄積していることを特徴とする。以下のものを参照されたい: Cai,L. et al., Current Medicinal Chemistry, 2007, 14, 19−52; Chandra,R. et al. J.Med.Chem. 2007, 50, 2415−2423; Qu,W. et al., J.Med.Chem, 2007, 50, 3380−3387; Cai,L. et al., J.Med.Chem. Web Pub. 10.1021/jm0702231 page est:12.1(A−M); Qu,W. et al, J.Med.Chem. 2007, 50, 2157−2165。
【0006】
モノアミンオキシダーゼ(MAO)は、結果として過酸化水素の生成を伴う、神経伝達物質及び生体異物アミンの酸化的脱アミノ反応にとって重要な、ミトコンドリア外膜の中で見いだされる酵素である。モノアミンオキシダーゼの2種類のサブタイプMAO−A及びMAO−Bが知られており、これらは、それらの基質特異性及び阻害薬に対する異なった感受性によって区別される。これらのサブタイプは、異なる遺伝子によってコード化されている。MAO−Aは、セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミン及び阻害薬であるクロルジリンに対して、より高い親和性を有しており、それに対して、MAO−Bは、フェニルエチルアミン、ベンジルアミン並びに阻害薬であるデプレニル及びラザベミドに対して、より高い親和性を有している。MAO−A及びMAO−Bは、両方とも、脳全体において見いだされる。MAO−Aは、カテコールアミン作動性ニューロンにおいて優先的に見いだされ、MAO−Bは、セロトニン作動性ニューロン及びヒスタミン作動性ニューロンにおいて、並びに、星状膠細胞及び血小板において、優先的に見いだされる。MAO−Bによるドーパミンの増大した酸化は、パーキンソン病におけるドーパミン作動性ニューロンの破壊において役割を果たしていることが示唆されており、そして、MAO−Bの阻害は、上記疾患に対する可能性のある治療的アプローチとして追求されてきた(Shih et al., Annu.Rev.Neurosci.(1999)22:197−217)。MAO−Bは、別の神経変性障害においても役割を果たしていると考えられており、そして、この酵素の阻害は、これら疾患に対する新しい治療的アプローチをもたらし得る。アルツハイマー病の脳においては、MAO−Bの含有量が年齢を合わせた対照群と比較して増大するということが報告されており、また、アルツハイマー病の脳の皮質領域におけるプラークが結合した星状膠細胞は、増大した量のMAO−B活性を含んでいることが示された。MAO−Bの増大したレベルは、従って、アルツハイマー病に関するバイオマーカーとして機能し得る(Saura et al., Neuroscience(1994)62:15−30)。かくして、PET及び単光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)は、脳内におけるMAO−Bレベルの蓄積をモニタリングすることにおいて、及び、MAO−Bレベルの蓄積をADの進行に関連づけることにおいて、有効であり得る。
【0007】
かくして、パーキンソン病などの神経変性障害に対する治療薬として、脳に浸透する強力なMAO−B阻害薬が求められており、また、血液脳関門を素早く通過することが可能な、診断において使用することが可能な、及び、当該系から急速に消失することが可能な、無毒性のMAO−B放射性トレーサーも求められている。それらの化合物は、アルツハイマー病患者に与えられた治療計画の有効性をMAO−Bレベルの変化を測定することによってモニタリングするのに使用することも可能である。アルツハイマー病の治療において使用される化合物及び方法の例に関して、以下のものを参照されたい:WO2007/086800、WO2007/149030、WO2007/002540、WO2007/074786、WO2002/016333、WO2003/048137、WO2002/085903、及び、WO2004/083195。さらに、以下のものも参照されたい:米国特許第6696039号、US2004/0131545、US6001331、WO2004/032975、WO2004/064869、US2005/0043377、WO2007/033080、US4038396、WO2006/044503、WO2006/044503、WO2007/070173、USSN61/130399、及び、US3899506。
【0008】
本発明の同位体標識された化合物の主要な用途は、陽電子放射断層撮影法(これは、インビボでの分析技術である)においてであるが、本発明の同位体標識された化合物の一部は、PET分析以外の方法にも使用することができる。特に、14CとHで標識された化合物は、共有結合標識を含んでいる代謝研究の測定に関して、インビボ及びインビトロでの方法において使用することができる。特に、さまざまな同位体標識化化合物が、磁気共鳴画像法、オートラジオグラフィー及び別の類似した分析ツールにおいて有用性を見いだす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際特許出願公開第 2007/086800号
【特許文献2】国際特許出願公開第 2007/149030号
【特許文献3】国際特許出願公開第 2007/002540号
【特許文献4】国際特許出願公開第 2007/074786号
【特許文献5】国際特許出願公開第 2002/016333号
【特許文献6】国際特許出願公開第 2003/048137号
【特許文献7】国際特許出願公開第 2002/085903号
【特許文献8】国際特許出願公開第 2004/083195号
【特許文献9】米国特許第6696039号
【特許文献10】米国特許出願公開第2004/0131545号
【特許文献11】米国特許第6001331号
【特許文献12】国際特許出願公開第 2004/032975号
【特許文献13】国際特許出願公開第 2004/064869号
【特許文献14】米国特許出願公開第2005/0043377号
【特許文献15】国際特許出願公開第 2007/033080号
【特許文献16】米国特許第4038396号
【特許文献17】国際特許出願公開第 2006/044503号
【特許文献18】国際特許出願公開第 2006/044503号
【特許文献19】国際特許出願公開第 2007/070173号
【特許文献20】米国特許出願第61/130399号
【特許文献21】米国特許第3899506号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Cai,L. et al., Current Medicinal Chemistry, 2007, 14, 19−52
【非特許文献2】Chandra,R. et al. J.Med.Chem. 2007, 50, 2415−2423
【非特許文献3】Qu,W. et al., J.Med.Chem, 2007, 50, 3380−3387
【非特許文献4】Cai,L. et al., J.Med.Chem. Web Pub. 10.1021/jm0702231 page est:12.1(A−M)
【非特許文献5】Qu,W. et al, J.Med.Chem. 2007, 50, 2157−2165
【非特許文献6】Shih et al., Annu.Rev.Neurosci.(1999)22:197−217
【非特許文献7】Saura et al., Neuroscience(1994)62:15−30
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、アリール又はヘテロアリールで置換されているアザベンゾオキサゾール誘導体の、脳に浸透する治療用MAO−B阻害薬としての使用、並びに、生きている患者体内のMAO−Bレベルの変化を測定することによって当該化合物の効果を測定するための使用に関する。より具体的には、本発明は、特定の神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)の治療としての上記化合物の使用、及び、アルツハイマー病の診断を可能とするためにインビボで脳内のMAO−Bレベルを調べるための陽電子放射断層撮影(PET)画像化におけるトレーサーとして本発明化合物を使用する方法に関する。かくして、本発明は、アリール又はヘテロアリールで置換されているアザベンゾオキサゾール化合物の治療薬及び診断薬としての使用に関する。本発明は、さらに、アルツハイマー病治療薬の臨床効果を測定する方法にも関する。本発明は、さらに、アルツハイマー病の治療における特定の化合物の効果の診断及び測定におけるPETトレーサーとしての、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、76Br、77Br、123I、124I及び131Iで同位体標識されているアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体化合物又はヘテロアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体化合物の使用も対象とする。本発明は、さらにまた、血液脳関門を素早く通過することが可能で、非特異的結合特性が低く、及び、当該系から急速に除去される、無毒性化合物の使用にも関する。本発明の上記態様及び別の態様は、本明細書全体を精査することで理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明において使用する化合物は、式I
【化1】

【0013】
で表されるか、又は、その製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステルであり、ここで、上記式中、
Xは、O又はSであり;
A及びYは、独立して、N又はCHであり;
Zは、フェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ピリジル、ピラゾロピリジニル、ベンゾジオキソリル及びピロロピリジニル[ここで、これらは、全て、R、R又はRの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]からなる群から選択され;
Rは、水素又は−C1−6アルキルを表し;
は、水素、−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、CN、−(CHハロ、CF、−O(CHR、−O(CH5−10ヘテロシクリル、−C1−6アルキル、−OCF、−O(CHF、−(O(CHハロ、−(O(CHOR、−C(O)OR又はヘテロスピロ環[ここで、該アルキル及びヘテロシクリルは、Rの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]を表し、但し、R、R、R及びRが同時に水素であることはなく、又は、Rが水素であり、Zがフェニルであり且つR、R及びRのうちの2つが水素である場合、R、R及びRのうちの残りは、メチル、フリル、ハロ、ヒドロキシル、エトキシ、ジメトキシ、イソプロピルオキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ又はメトキシのいずれでもなく;
、R及びRは、独立して、水素、−(CHハロ、−C1−6アルキル、−CF、−(CHOR、(CH5−10ヘテロシクリル、−N(R)[ここで、該アルキル及びヘテロシクリルは、Rの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]を表し;
は、−CN、NO、ハロ、CF、−C1−6アルキル、−C1−6アルケニル、−C1−6アルキニル、−(CHハロ、−OR、−NRR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)Rを表し;
nは、0〜6を表し;
sは、2〜4を表し;及び、
pは、1〜3を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一態様は、RがZで表されるフェニル、ピリジル及びベンゾチアゾリルのパラ位に結合しており且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0015】
本発明の別の態様は、Zがその6員環を介してアザベンゾオキサゾールに結合しており且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0016】
本発明の別の態様は、XがOであり、YがNであり、AがCHであり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0017】
本発明の別の態様は、XがSであり、YがNであり、AがCHであり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0018】
本発明の別の態様は、XがOであり、YがCHであり、AがNであり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0019】
本発明の別の態様は、Zが
【化2】

【0020】
からなる群から選択される場合に実現される。
【0021】
本発明の別の態様は、Zが
【化3】

【0022】
であり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0023】
本発明の別の態様は、Zが
【化4】

【0024】
であり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。本発明の副実施形態は、Rが水素であり、Zがフェニルであり、R、R及びRのうちの2つが水素であり且つR、R及びRのうちの残りはメチル、フリル、ハロ、ヒドロキシル、エトキシ、ジメトキシ、イソプロピルオキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ及びメトキシの何れでもない場合に実現される。
【0025】
本発明のさらに別の態様は、Zが
【化5】

【0026】
であり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0027】
本発明のさらに別の態様は、Zが
【化6】

【0028】
であり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0029】
本発明のさらに別の態様は、Zが
【化7】

【0030】
であり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0031】
本発明の別の態様は、Rが−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、−(CHハロ、−O(CH5−10ヘテロシクリル又は−(O(CHORからなる群から選択され且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0032】
本発明の別の態様は、Rがハロ、−C5−10ヘテロシクリル、−N(Rからなる群から選択され且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0033】
本発明の別の態様は、Rがフルオロ又はクロロである場合、好ましくは、フルオロである場合に実現される。
【0034】
本発明の別の態様は、Rが−N(Rであり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。本発明の副実施形態は、RがH、C1−6アルキル、−(CHOR、−(CH5−10ヘテロシクリルである場合に実現される。
【0035】
本発明の別の態様は、Rが−C5−10ヘテロシクリルであり且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。本発明の副実施形態は、該ヘテロシクリルがモルホリニル、フラニル、ピロリジニルからなる群から選択される場合に実現される。
【0036】
本発明のさらに別の態様は、R、R及びRが独立して水素、C1−6アルキル、ハロ、−(CHOR、(CH5−10ヘテロシクリル、−N(R)[ここで、該アルキル及びヘテロシクリルは、Rの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]を表し且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0037】
本発明のさらに別の態様は、R、R及びRが独立してジアルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルを表し且つ残りの全ての可変部分が最初に記載されているとおりである場合に実現される。
【0038】
本発明のさらに別の態様は、Rがハロ、−CN、NO、−C1−6アルキル、−OR、−N(R)、−NRCOR、−NRCOR又は−C5−10ヘテロシクリルを表す場合に実現される。
【0039】
本発明の別の態様は、式Iで表される化合物がH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36CL、82Br、76Br、77Br、123I、124I及び131Iで同位体標識されている場合に実現される。
【0040】
本発明のさらに別の態様は、本発明において使用する化合物が構造式Ia
【化8】

【0041】
で表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステルである場合に実現され、ここで、上記式中、R及びRは本明細書中で記載されているとおりである。式Iaの別の副実施形態は、Rが−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、ハロ、−O(CH5−10ヘテロシクリル及び−(O(CHORからなる群から選択される場合に実現される。式Iaのさらに別の実施形態は、Rがハロ、−C5−10ヘテロシクリル、−N(Rである場合に実現される。式Iaのさらに別の副実施形態は、Rがハロである場合、好ましくは、フッ素である場合に実現される。式Iaのさらに別の副実施形態は、Rが水素、C1−6アルキル、ハロ、−(CHOR、(CH5−10ヘテロシクリル及び−N(R)からなる群から選択される場合に実現される。式Iaの別の副実施形態は、RがH又はC1−6アルキルである場合、好ましくは、C1−6アルキルである場合、さらに好ましくは、メチルである場合に実現される。本発明のさらに別の副実施形態は、式Iaで表される化合物が、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHとして同位体標識されている場合、好ましくは、11C及び18Fとして同位体標識されている場合に実現される。
【0042】
本発明のさらに別の態様は、本発明において使用する化合物が構造式Ib
【化9】

【0043】
で表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステルである場合に実現され、ここで、上記式中、R及びRは本明細書中で記載されているとおりである。これの副実施形態は、Rが水素である場合はRはメチル、フリル、ハロ、ヒドロキシル、エトキシ、ジメトキシ、イソプロピルオキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ又はメトキシの何れでもないという条件の下で実現される。式Ibの副実施形態は、R及びRが同時には水素ではない場合に実現される。式Ibの別の副実施形態は、Rが−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、ハロ、−O(CH5−10ヘテロシクリル及び−(O(CHORからなる群から選択される場合に実現される。式Ibのさらに別の実施形態は、Rがハロ、−C5−10ヘテロシクリル及び−N(Rである場合に実現される。式Ibのさらに別の副実施形態は、Rが−(CHOR、(CH5−10ヘテロシクリル及び−N(R)からなる群から選択される場合に実現される。本発明のさらに別の副実施形態は、式Ibで表される化合物が、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHとして同位体標識されている場合、好ましくは、11C及び18Fとして同位体標識されている場合に実現される。
【0044】
本発明のさらに別の態様は、本発明において使用する化合物が構造式Ic
【化10】

【0045】
で表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステルである場合に実現され、ここで、上記式中、R、R、R及びRは本明細書中で記載されているとおりである。式Icの別の副実施形態は、Rが−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、ハロ、−O(CH5−10ヘテロシクリル及び−(O(CHORからなる群から選択される場合に実現される。式Icのさらに別の実施形態は、Rがハロ、−C5−10ヘテロシクリル、−N(Rである場合に実現される。式Icのさらに別の副実施形態は、R、R及びRが独立して水素、C1−6アルキル、ハロ、−(CHOR、(CH5−10ヘテロシクリル及び−N(R)−からなる群から選択される場合に実現される。本発明のさらに別の副実施形態は、式Icで表される化合物が、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHとして同位体標識されている場合、好ましくは、11C及び18Fとして同位体標識されている場合に実現される。
【0046】
本発明において使用する化合物の例は、以下のとおりである:
【表1】











【0047】
又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステル。
【0048】
本発明の化合物のさらなる例は、以下のとおりである:
[5−(5−フルオロ−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン;
[5−(5−フルオロ−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン;
4−(5−フルオロ[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルアニリン;
4−(5−フルオロ[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−N,N−ジメチルアニリン;
5−フルオロ−2−(1H−インドール−5−イル)[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン;
5−フルオロ−2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン;
又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステル。 本発明は、化合物の効果を測定する方法にも関し、ここで、該方法は、生きている患者におけるMAO−Bレベルの変化を測定することによる。より具体的には、本発明は、アルツハイマー病の診断を可能とするためにインビボで脳内のMAO−Bレベルを調べるための陽電子放射断層撮影(PET)画像化におけるトレーサーとして、本発明化合物を使用する方法にも関する。かくして、本発明は、診断薬としての当該新規化合物の使用に関する。本発明は、さらに、アルツハイマー病を治療するための薬物の製造における当該新規化合物の使用にも関する。本発明は、さらに、アルツハイマー病治療薬の臨床効果を測定する方法にも関する。とりわけ、本発明は、パーキンソン病の治療における、アリール又はヘテロアリールで置換されている新規アザベンゾオキサゾール誘導体及び組成物の使用に関する。本発明は、さらに、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36CL、82Br、76Br、77Br、123I、124I及び131Iで同位体標識されている、好ましくは、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHで同位体標識されている、さらに好ましくは、11C及び18Fで同位体標識されている式Iのアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体化合物又はヘテロアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体化合物及び組成物のアルツハイマー病の診断における使用も対象とする。本発明は、さらにまた、血液脳関門を素早く通過することが可能で、特異的結合特性が低く、及び、当該系から急速に消失する、無毒性化合物の使用にも関する。
【0049】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸及びキラル面を有する場合があり、ラセミ化合物、ラセミ混合物として、及び、個々のジアステレオマーとして存在し得る。光学異性体を包含する全ての可能な異性体は、本発明に包含される〔以下のものを参照されたい:「E.L.Eliel and S.H.Wilen Stereochemistry of Carbon Compounds(John Wiley and Sons, New York 1994)」、特に、第1119頁〜第1190頁〕。
【0050】
任意の成分の中にいずれかの可変部分(例えば、アリール、ヘテロ環、R1a、Rなど)が2回以上存在する場合、各存在に対するその定義は、他の全ての存在から独立している。さらにまた、置換基/又は可変部分の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許される。
【0051】
さらに、本明細書中に開示されている化合物は、互変異性体としても存在し得る。たとえ一方の互変異性体構造のみが示されていたとしても、両方の互変異性形態とも本発明の範囲内に包含されることが意図されている。例えば、下記化合物Aに対するどのような請求も互変異性体構造Bを包含していると理解され、また、その逆も同様であり、さらに、それらの混合物も同様である。
【化11】

【0052】
本明細書中で使用される場合、「アルキル」は、指定されている数の炭素原子を有する分枝鎖と直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されている。「アルコキシ」は、酸素橋を介して結合している示されている数の炭素原子からなるアルキル基を表す。「ハロゲン」又は「ハロ」は、本明細書中で使用される場合、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。
【0053】
好ましくは、アルケニルは、C−Cアルケニルである。
【0054】
好ましくは、アルキニルは、C−Cアルキニルである。
【0055】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキル」は、指定されている数の炭素原子を有する環状の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されている。好ましくは、シクロアルキルは、C−C10シクロアルキルである。そのようなシクロアルキル成分の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどを挙げることができる。
【0056】
本明細書中で使用される場合、「アリール」は、各環の中に最大で7員を有する任意の安定な単環式又は二環式の炭素環(ここで、少なくとも1の環は芳香族である)を意味することが意図されている。そのようなアリール成分の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル又はアセナフチルなどを挙げることができる。
【0057】
用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環」又は「ヘテロ環式」は、本明細書中で使用される場合、安定な5員〜7員の単環式ヘテロ環式環又は安定な8員〜11員の二環式ヘテロ環式環(ここで、該環は、飽和又は不飽和のいずれかであり、該環は、N、O及びSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子と炭素原子からなる)を表し、そして、上記で定義したヘテロ環式環がベンゼン環に縮合している任意の二環式基を包含する。該ヘテロ環式環は、安定な構造を作り出す任意のヘテロ原子又は炭素原子で結合し得る。用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環」又は「ヘテロ環式」は、ヘテロアリール部分を包含する。そのようなヘテロ環成分の例としては、限定するものではないが、アゼピニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル(oxopiperdinyl)、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾロピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル及びトリアゾリルなどを挙げることができる。そのようなヘテロ環成分の上記例の一実施形態は、限定するものではないが、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、2−ピリジノニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル及びトリアゾリルを包含する。
【0058】
好ましくは、ヘテロ環は、2−アゼピノニル、ベンゾイミダゾリル、2−ジアザピノニル、イミダゾリル、2−イミダゾリジノニル、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノニル、2−ピリミジノニル、2−ピロリジノニル、キノリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、チエニル及びトリアゾリルから選択される。
【0059】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロアリール」は、各環の中に最大で7員を有する任意の安定な単環式又は二環式の炭素環(ここで、少なくとも1の環は芳香族であり、並びに、1〜4個の炭素原子はN、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子で置き換えられている)を意味することが意図されている。そのようなヘテロ環成分の例としては、限定するものではないが、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル及びトリアゾリルなどを挙げることができる。
【0060】
本明細書中で使用される場合、特に別途定義されていないかがり、置換されているアルキル、置換されているシクロアルキル、置換されているアロイル、置換されているアリール、置換されているヘテロアロイル、置換されているヘテロアリール、置換されているアリールスルホニル、置換されているヘテロアリール−スルホニル及び置換されているヘテロ環は、当該化合物の残りの部分への結合点に加えて1〜3の置換基を含んでいる部分構造を含有する。好ましくは、そのような置換基は、F、Cl、Br、CF、NH、N(C−Cアルキル)、NO、CN、(C−Cアルキル)O−、(アリール)O−、−OH、(C−Cアルキル)S(O)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、フェニル、ピリジル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チエニル、フリル、イソチアゾリル及びC−C20アルキルを包含する(但し、これらに限定されない)群から選択される。
【0061】
本明細書中で使用される場合、「インビボで加水分解され得る前駆物質」は、カルボキシ基又はヒドロキシ基を含んでいる式Iで表される化合物のインビボで加水分解され得る(切断され得る)エステルを意味する。例えば、アミノ酸エステル、C1−6アルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチル;C1−6アルカノイルオキシメチルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル;C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシ、C1−6アルキルエステル、例えば、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、アセトキシメトキシ、又は、ホスホルアミド酸環状エステル。
【0062】
「有効量」の例としては、インビボにおけるアミロイド沈着の画像化を可能とし、毒性が許容し得る程度であり、医薬用途に関して生物学的利用能レベルが許容し得る程度であり、並びに/又は、原繊維形成を伴う細胞変性及び毒性を防止する量などを挙げることができる。
【0063】
内科での使用に関して、式Iで表される化合物の塩は、製薬的に許容される塩である。しかしながら、別の塩も、本発明化合物の調製において、又は、本発明化合物の製薬上許容される塩の調製において、有用であり得る。本発明の化合物が酸性である場合、適切な「製薬上許容される塩」は、製薬上許容許容される無毒性の塩基(これは、無機塩基及び有機塩基を包含する)から調製された塩を意味する。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第2鉄塩、第1鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン酸塩、マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム及び亜鉛塩などを挙げることができる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。製薬上許容される有機無毒性塩基から誘導される塩としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、置換アミン(これは、天然の置換アミンを包含する)、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン及びトロメタミンなどの塩を挙げることができる。
【0064】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、製薬上許容許容される無毒性の酸(これは、無機酸及び有機酸を包含する)から調製することができる。そのような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸及びp−トルエンスルホン酸などを挙げることができる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0065】
上記で記載した製薬上許容される塩及び別の典型的な製薬上許容される塩の調製については、Bergら(”Pharmaceutical Salts”, J.Pharm.Sci, 1977:66:1−19)によってさらに充分に記載されている。
【0066】
本明細書中に示されているように、本発明は、本発明の同位体標識された化合物を包含する。「同位体標識された」化合物、「放射能標識された」化合物、「トレーサー」化合物、「標識されたトレーサー」化合物、「放射性リガンド」化合物又は「検出可能なアミロイド結合性」化合物は、1種類以上の原子が自然界で典型的に見られる(即ち、天然の)原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子で置き換えられている又は置換されている化合物である。本発明の化合物に組み入れることができる適切な放射性核種(即ち、「検出可能な同位体」)としては、限定するものではないが、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、76Br、77Br、123I、124I及び131Iなどを挙げることができる。本発明の同位体標識された化合物は、特定の用途に適した技術を用いて検出することを可能とする程度まで又はそれを上回る程度まで、検出可能な同位体で富化されていることのみが必要である。本発明の放射能標識化化合物に組み入れられる放射性核種は、その放射能標識化化合物の特定の用途に依存する。本発明の別の実施形態では、該放射性核種は、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHで表され、好ましくは、11C及び18Fで表される。
【0067】
本発明は、さらに、脳内のMAO−Bレベルを検出するための又は脳内のMAO−B活性を阻害するための、有効量の式Iで表される少なくとも1種類の化合物及び製薬上許容される担体を含んでいる医薬組成物の使用にも関する。該組成物は、限定するものではないが、1種類以上の緩衝剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、滑沢剤、吸着剤、界面活性剤、防腐剤などを含有することができる。該組成物は、以下の投与用の固体、液体、ゲル又は懸濁液として製剤することができる:経口投与(例えば、水剤、大型丸剤、錠剤、粉末剤、カプセル剤、口腔スプレー剤、エマルション剤);非経口投与(例えば、皮下注射剤、筋肉内注射剤、静脈内注射剤、硬膜外注射剤);局所適用(例えば、クリーム剤、軟膏剤、制御放出貼付剤、スプレー剤);膣内投与、直腸内投与、経皮投与、眼内投与又は経鼻投与。
【0068】
本発明は、MAO−Bレベルを評価するための作用剤及びその作用剤をそれから調製する合成前駆化合物としての、放射能標識されたアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体又はヘテロアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体を提供する。式Iで表される化合物は、アルツハイマー病などの年齢関連性(age−related)疾患、並びに、ダウン症候群及びベータ−アミロイド脈管障害などの別の病状を評価するために使用される。本発明は、さらに、MAO−B活性を治療的に阻害するための薬剤としての、標識化されていないアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体又はヘテロアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体も提供する。
【0069】
本発明の最終的な目的は、特定の高い放射能を有し且つMAO−Bレベルに対するその高い親和性に基づいた高い標的組織選択性を有する、PET画像化において有用な放射性医薬品を提供することである。そのような組織選択性は、この高選択性放射性医薬品を微粒子などの標的指向性作用物質(targeting agent)と結合させることによって、さらに強化することができる。
【0070】
本発明によれば、同位体標識された新規なアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体又はヘテロアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体を画像化剤(imaging agent)として使用する、患者体内のベータ−アミロイドプラークを画像化するための最も好ましい方法は、以下の段階を含んでいる:患者を背臥位でPETカメラ内に配置する、及び、充分な量の(<10mCi)の同位体標識されたアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体又はヘテロアリール置換アザベンゾオキサゾール誘導体を患者の脳組織に投与する。脳の領域の放射スキャンを実施する。頭部の放射スキャンを実施する技術は、当業者にはよく知られている。PET技術は、以下のものに記載されている:Freeman et al, Freeman and Johnson’s Clinical Radionuclide Imaging. 3rd.Ed. Vol.1(1984);Grune & Stratton, New York;Ennis et Q. Vascular Radionuclide Imaging:A Clinical Atlas, John Wiley & Sons, New York(1983)。
【0071】
用語「標識されたトレーサー」は、定められた活性をインビボで追跡又は検出するために使用することが可能な任意の分子を意味する。例えば、好ましいトレーサーは、ベータ−アミロイドプラークが見いだされ得る領域内で蓄積するトレーサーである。好ましくは、該標識されたトレーサーは、例えば陽電子放射断層撮影装置(PET)スキャニングによって、生きている実験動物、健康なヒト又は患者(被検者と称する)の体内で調べることが可能なトレーサーである。適切な標識としては、限定するものではないが、放射性同位体、蛍光色素、化学発光性化合物、染料及びタンパク質(これは、酵素を包含する)などを挙げることができる。
【0072】
本発明は、さらにまた、酵素又は別の分子の活性をインビボで測定する方法も提供する。より具体的には、トレーサー(これは、標的とされる活性を特異的に追跡する)を選択し、標識する。好ましい実施形態では、該トレーサーは、脳と中枢神経系の中のMAO−Bのレベルを追跡する。そのようなトレーサーは、速い興奮性シナプス伝達、神経伝達物質放出の制御及び長期増強を包含するさまざまなニューロンプロセスを評価する手段を提供する。本発明は、研究者に、痛み、不安/鬱病、薬物の嗜癖及び禁断症状、脳幹神経節の障害、摂食障害、肥満症、長期抑圧、学習及び記憶、発達的シナプス可塑性、低酸素虚血性障害及び神経細胞死、癲癇性発作、視覚処理並びに幾つかの神経変性障害の病理の生化学的機序を研究する手段を与える。
【0073】
アルツハイマー病状態、予後及び進行のバイオマーカーは、全て、一般的な診断上の実用性に関して、及び、アルツハイマー病の治療薬に関する臨床上の開発計画に関して、有用であろう。患者の選定及びコホートへの割り当てに役立てるために、患者はアルツハイマー病の新しい治療に関する臨床試験に登録されるので、本発明はバイオマーカー情報を提供する。本発明は、正しい患者を適切なPhIIb試験コホートに入れるための、疾患状態のバイオマーカーのうちの1つとして機能する。さらに、本発明は、プラセボ処理群において当該疾患が進行する可能性を増大させるために(最近のAD臨床試験を悩ませてきた問題)、参加者組み入れ基準(entry inclusion criterion)としての、疾患の予後の1つのマーカーとしても機能し得る。最後に、本発明は、治療における患者の臨床経過をモニターするための、疾患進行の1つのバイオマーカーとしても機能することも可能であり、そして、治療薬による治療反応の独自のバイオマーカー基準を提供することができた。
【0074】
本発明の範囲内の化合物は、モノアミンオキシダーゼB(MAO−B)の阻害薬/結合剤である。化合物及びその同位体標識された変形態様は、アルツハイマー病、鬱病、統合失調症又はパーキンソン病の診断及び/又は治療に有用であり得る。標識を検出する方法は、当業者にはよく知られている。例えば、同位体の標識は、画像化技術、写真フィルム又はシンチレーションカウンターを用いて検出することができる。好ましい実施形態では、該標識は、画像化技術〔例えば、陽電子放射断層撮影(PET)〕によって、被検者の脳内においてインビボで検出する。
【0075】
本発明の標識された化合物は、好ましくは、標識として少なくとも1種類の放射性核種を含んでいる。陽電子を放射する放射性核種は、全て、使用の候補である。本発明に関連して、該放射性核種は、好ましくは、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHから選択され、さらに好ましくは、11C及び18Fから選択される。
【0076】
トレーサーは、選択した検出方法に従って選択することができる。本発明の方法を実施する前に、診断上有効量の本発明の標識された又は標識されていない化合物を、生体(これは、ヒトを包含する)に投与する。
【0077】
本発明に関するインビボ法を実施する前に投与される本発明の標識された又は標識されていない化合物の診断上有効量は、体重1kg当たり0.1ng〜100mgの範囲内であり、好ましくは、体重1kg当たり1ng〜10mgの範囲内である。
【0078】
本発明の別の実施形態に従い、上記で記載されているヘテロ環式化合物を調製する方法が提供される。例えば、上記で記載されているヘテロ環式化合物は、以下に概説されているように、式Iで表される置換ヘテロ環の前駆物質から、当技術分野でよく知られている合成化学技術(以下のものを参照されたい:Comprehensive Heterocyclic Chemistry, Katritzky,A.R. and Rees,C.W. eds., Pergamon Press, Oxford, 1984)を用いて調製することができる。本発明の同位体標識された化合物は、基体分子に11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHなどの同位体を組み入れることによって調製する。このことは、放射活性源(例えば、原子炉、サイクロトロンなど)の中に試薬を置くことによってその試薬の中に含まれている原子のうちの1種類以上が放射性にされたその試薬を用いることによって達成される。さらに、O、CI、14Br及びClCH14COClなどの同位体標識された多くの試薬が、市販されている。次いで、以下に記載されているように、その同位体標識された試薬を標準的な有機化学合成技術で使用して、当該同位体原子を式Iで表される化合物の中に組み入れる。下記反応スキームは、式Iで表される化合物を調製する方法について例証している。
【0079】
当該化学反応についての記載において及び下記実施例において使用されている略語は、以下のとおりである:
【表2】

【0080】
本発明の化合物を調製するための幾つかの方法について、以下のスキーム及び実施例において例証する。出発物質及び必要な中間体は、場合によっては、市販されているか、又は、文献に記載されている方法に従って若しくは本明細書中で例証されているようにして調製することができる。
【0081】
本発明の化合物は、文献中で知られている又は実験手順において例示されている他の標準的な操作に加えて、下記スキームにおいて示されている反応を用いることで調製することができる。該スキームにおいて示されている置換基の番号付けは、「特許請求の範囲」において使用されている置換基の番号付けと必ずしも関連しておらず、多くの場合、明確にするために、複数の置換基が上記定義の下で許容されている化合物に対して単一の置換基が結合して示されている。本発明の化合物を生成させるために使用される反応物は、場合により文献中で知られている又は実験手順において例証されている他の標準的な操作(例えば、エステル加水分解、保護基の切断など)に加えて、本明細書中のスキーム及び実施例において示されている反応を用いて調製する。
【0082】
場合によっては、例えば置換基を操作することによって、最終生成物をさらに部分的に変えることができる。そのような操作としては、限定するものではないが、当業者には一般に知られている還元反応、酸化反応、アルキル化反応、アシル化反応及び加水分解反応などを挙げることができる。場合によっては、当該反応を促進するか又は望ましくない反応生成物を避けるために、上記反応スキームを実施する順番を変えることができる。以下の実施例は、本発明をさらに充分に理解することができるように提供されている。これらの実施例は、単に例証的なものであって、決して本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0083】
一般的な反応スキーム1
【化12】

【0084】
一般的な反応スキーム1に示されているように、適切に置換されている3−アミノ−2−ピリドンを、トリクロロアセトニトリルとポリスチレン担持トリフェニルホスフィンの存在下で、適切に置換されているカルボン酸と反応させて、対応する7−アザ−ベンゾオキサゾールを生成させる。当該分子のカルボン酸部分がBoc保護基又はPMB保護基を含んでいる場合、それは、次に、トリフルオロ酢酸と反応させて除去することが可能であり、それにより、最終物質が得られる。この場合、全てのカルボン酸類及び3−アミノ−2−ピリドン類は、商業的に入手可能であった。
【0085】
スキーム1
【化13】

【0086】
実施例1
ジメチル−(4−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル−フェニル)−アミン
3−アミノ−ピリジン−2−オール(50mg、0.45mmol)と4−ジメチルアミノ−安息香酸(74mg、0.45mmol)とトリクロロアセトニトリル(91μL、0.91mmol)とポリスチレントリフェニルホスフィン(425mg、1.362mmol)をマイクロ波管内のアセトニトリル(4.5mL)に懸濁させ、15分間、撹拌しながら150℃に加熱した。その粗製反応混合物を濾過し、濃縮して、残渣を得た。その残渣を逆相クロマトグラフィーで精製して、ジメチル−(4−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル−フェニル)−アミン(7.1mg、0.030mmol、収率6.6%)を得た。
【0087】
ES MS(M+H)=240;
H NMR(300MHz,CDCl):δ 8.24(d,J=5.1Hz,1H);8.14(d,J=8.6Hz,2H);7.95(d,J=7.8Hz,1H);7.28(dd,J=7.7,4.9Hz,2H);6.78(d,J=8.6Hz,1H);3.09(s,6H);
HRMS m/z 240.1122(「C1413+H」は、240.1132を必要とする)。
【0088】
一般的な反応スキーム2
【化14】

【0089】
一般的な反応スキーム2に示されているように、適切に置換されているカルボン酸を、1−クロロ−N,N−2−トリメチル−1−プロペニルアミン又は塩化オキサリル及び触媒としてのDMFと反応させて酸塩化物を生成させることができる。今度は、この酸塩化物を、適切に置換されている2−ハロ−3−アミノピリジンと反応させて対応するアミドとすることができる。このアミドを、次いで、高温下、KCO又はCsCOと反応させて、対応する7−アザベンゾオキサゾール又は4−アザベンゾオキサゾールに変換する。場合により、該カルボン酸出発物質は、Boc保護基又はPMB保護基を含み得る。このBoc保護基又はPMB保護基は、次に、トリフルオロ酢酸と反応させ及び/又は加熱して、除去することができ、それによって、最終物質が得られる。この場合、全てのカルボン酸類及び2−アミノ−フェノール類及び3−アミノ−2−ピリドン類は、商業的に入手可能であったか、又は、当業者には既知の方法を用いて調製した。
【0090】
スキーム2
【化15】

【0091】
実施例2
2−(4−メトキシ−フェニル)−5−モルホリン−4−イル−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
段階1: N−(2,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド
ピリジン(31mL)中の2,6−ジクロロ−ピリジン−3−イルアミン(5g、30.7mmol)の混合物を0℃に冷却し、撹拌しながら、それに、4−メトキシ−ベンゾイルクロリド(4.15mL、30.7mmol)を滴下して加えた。添加した後、その反応混合物を室温まで昇温させ、撹拌を30分間継続した。その時点で、反応混合物を水に注いで沈澱物を形成させ、その沈澱物を濾過により採集した。採集した固体をさらなる水で洗浄した後、減圧下に一晩乾燥させて、N−(2,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド(8.66g、29.1mmol、収率95%)を得た。これは、それ以上精製することなく次の反応において使用した。
【0092】
ES MS(M+H)=297。
【0093】
段階2: 5−クロロ−2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
N−(2,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル)−4−メトキシ−ベンズアミド(3.86g、13.0mmol)及びKCO(1.80g、13mmol)をマイクロ波管内のDMF(15mL)の中で合し、30分間160℃に加熱した。得られた混合物を水(100mL)に注いで沈澱物を形成させ、その沈澱物を濾過により採集し、さらなる水で洗浄した後、減圧下に一晩乾燥させた。得られた固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0%−60%酢酸エチル)で精製して、5−クロロ−2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン(2.0g、7.67mmol、収率59.1%)を得た。これは、それ以上精製することなく次の反応において使用した。
【0094】
ES MS(M+H)=261。
【0095】
段階3: 2−(4−メトキシ−フェニル)−5−モルホリン−4−イル−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
5−クロロ−2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン(25mg、0.096mmol)をDMSO(1mL)に溶解させた溶液に、L−プロリン(11.04mg、0.096mmol)とCuI(18.27mg、0.096mmol)とモルホリン(13μL、0.15mmol)とKPO(40.7mg、0.192mmol)を添加した。その反応容器を密閉し、一晩90℃に加熱した。その時点で、その反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。その有機相を濃縮することにより残渣が残った。その残渣を逆相クロマトグラフィーで精製して、2−(4−メトキシ−フェニル)−5−モルホリン−4−イル−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン(4.3mg、0.013mmol、収率14%)を得た。
【0096】
ES MS(M+H)=312;
H NMR(499MHz,DMSO−d):δ 8.07−8.02(d,J=8.7Hz,2H);7.98−7.94(m,1H);7.17−7.11(d,J=8.7Hz,2H);6.91(d,J=8.8Hz,1H);3.86(s,3H);3.73(t,J=4.8Hz,4H);3.51(t,J=4,8Hz,4H);
HRMS m/z 312.1352(「C1717+H」は、312.1343を必要とする)。
【0097】
スキーム3
【化16】

【0098】
実施例3
[4−(5−フルオロ−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−フェニル]−メチル−アミン
4−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−安息香酸(70mg、0.28mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させた溶液に、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(98μL、0.74mmol)を添加した。酸塩化物が形成された後、その反応混合物を濃縮して残渣を得た。その残渣をピリジン(2mL)に溶解させた後、2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イルアミン(30mg、0.23mmol)を1回で添加した。さらに30分間経過した後、その反応混合物を濃縮乾固させて残渣を得た。その残渣に、DMF(2mL)及びKCO(64mg、0.46mmol)を添加した。得られた混合物をマイクロ波で10分間150℃に加熱し、その後、その混合物を濾過し、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0%から100%までの酢酸エチル)で精製して、[4−(5−フルオロ−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−フェニル]−メチル−アミン(50mg、0.21mmol、89%)を得た。
【0099】
ES MS(M+H)=244;
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ 8.24(t,J=7.7Hz,1H);7.89(d,J=8.4Hz,2H);7.18(d,J=8.4Hz,1H);6.68(d,J=8.5Hz,3H);2.76(s,3H);
HRMS m/z 244.0883(「C1310FNO+H」は、244.0881を必要とする)。
【0100】
スキーム4
【化17】

【0101】
実施例4
5−フルオロ−2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
段階1: 1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸
DMF(23mL)中のNaH(272mg、6.81mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、撹拌しながら、それに、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸メチルエステル(400mg、2.27mmol)を添加した。5分間経過した後、PMBBr(548mg、2.72mmol)及びKI(377mg、2.27mmol)を添加した。その反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌を継続した。翌日、水を添加して残留しているNaHをクエンチし、その水性混合物をEtOAcで洗浄し、それを廃棄した。その水相を集め、注意深く酸性化(pH約3)した後、EtOAcで抽出した。その有機物を合して脱水し、蒸発させて、1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(160mg、0.57mmol、収率25%)を得た。
【0102】
ES MS(M+H)=283。
【0103】
段階2: 5−フルオロ−2−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(47mg、0.17mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させた溶液を撹拌し、それに、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(45μL、0.34mmol)を添加した。酸塩化物が形成された後、その反応混合物を濃縮して残渣を得た。その残渣をピリジン(2mL)に溶解させた後、2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イルアミン(20mg、0,15mmol)を1回で添加した。さらに30分間経過した後、その反応混合物を濃縮乾固させて残渣を得た。その残渣に、DMF(2mL)及びKCO(64mg、0.46mmol)を添加した。得られた混合物をマイクロ波で10分間150℃に加熱した。その後、その混合物を濾過し、濃縮して、5−フルオロ−2−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−オキサゾロ[5,4−b]ピリジンを粗製残渣として得た。その粗製残渣は、それ以上精製することなく、次に使用した。
【0104】
ES MS(M+H)=375。
【0105】
段階3: 5−フルオロ−2−(1H−ピロロ[2,3−b)]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
段階2からの粗製5−フルオロ−2−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−オキサゾロ[5,4−b]ピリジンをTFA(0.5mL)に溶解させ、マイクロ波で25分間170℃に加熱した。次いで、揮発性物質を減圧下に除去し、得られた残渣をHPLCで精製して、5−フルオロ−2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン(2.5mg、9.8μmol、収率6%)を得た。
【0106】
ES MS(M+H)=255;
H NMR δ(ppm)(DMSO−d):12.18(1H,s),9.04(1H,d,J=2.10Hz),8.76(1H,d,J=2.06Hz),8.44(1H,dd,J=8.39,7.10Hz),7.67(1H,t,J=2.75Hz),7.31(1H,d,J=8.40Hz),6.68(1H,d,J=3.43Hz);
HRMS m/z 255.0675(「C13FNO+H」は、255.0677を必要とする)。
【0107】
スキーム5
【化18】

【0108】
実施例5
[4−(5−フルオロ−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−フェニル]−ジメチル−アミン
4−ジメチルアミノ−安息香酸(635mg、3.84mmol)をジクロロメタン(38mL)に溶解させた溶液に、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(0.51mL,3.84mmol)を添加した。酸塩化物が形成された後、その反応混合物を濃縮して残渣を得た。その残渣をピリジン(7.8mL)に溶解させた後、2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イルアミン(500mg、3.84)を1回で添加した。さらに1時間経過した後、その反応混合物を濃縮乾固させて残渣を得た。その残渣に、DMF(5mL)及びKCO(531mg、3.84mmol)を添加した。得られた混合物をマイクロ波で10分間150℃に加熱し、その後、その混合物を濾過し、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0%から100%までの酢酸エチル)で精製して、[4−(5−フルオロ−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)−フェニル]−ジメチル−アミン(430mg、1.67mmol、44%)を得た。
【0109】
ES MS(M+H)=258;
H NMR δ(ppm)(DMSO−d):8.28(1H,dd,J=8.36,7.14Hz),8.01−7.94(2H,m),7.24−7.18(1H,m),6.87(2H,d,J=8.89Hz),3.05(6H,s);
HRMS m/z 258.1039(「C1412FNO+H」は、258.1037を必要とする)。
【0110】
スキーム6
【化19】

【0111】
実施例6
5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
段階1: 1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(2.88g、20.1mmol)をDMF(40mL)に溶解させた溶液を撹拌し、それに、60%NaH(2.41g、60.4mmol)を添加した。20分間経過した後、ヨードメタン(6.3mL,101mmol)を1回で添加し、得られた混合物を一晩撹拌した。翌日、水を注意深く滴下して加えて残留しているNaHをクエンチした後、追加の水(50mL)を添加し、それによって、当該生成物の沈澱が生じた。濾過し、減圧下に乾燥させて、1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(3.16g、20.1mmol、収率100%)が得られた。これは、それ以上精製することなく、次に使用した。
【0112】
ES MS(M+Η)=158。
【0113】
段階2: 1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸
1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(3.16g、20.1mmol)を濃水性HCl(15mL)に溶解させ、3時間還流した。冷却後、その混合物を減圧下に蒸発させて、1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(3.54g、20.1mmol、収率100%)を得た。これは、それ以上精製することなく、次に使用した。
【0114】
ES MS(M+Η)=177。
【0115】
段階3: 5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
CHCl(2mL)中の1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(68mg、0.38mmol)の懸濁液に、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(50μL、0.38mmol)を添加した。酸塩化物が形成された後、その反応混合物を濃縮して残渣を得た。その残渣をピリジン(2mL)に溶解させた後、2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イルアミン(50mg、0.38mmol)を1回で添加した。さらに30分間経過した後、その反応混合物を濃縮乾固させて残渣を得た。その残渣に、DMF(2mL)及びKCO(53mg、0.38mmol)を添加した。得られた混合物をマイクロ波で10分間150℃に加熱し、その後、その混合物を濾過し、濃縮した。得られた残渣を逆相クロマトグラフィーで精製して、5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン(13.1mg、0.049mmol、収率13%)を得た。
【0116】
ES MS(M+H)=269;
H NMR δ(ppm)(DMSO−d):9.07(1H,d,J=2.12Hz),8.75(1H,d,J=2.13Hz),8.42(1H,t,J=7.74Hz),7.70(1H,d,J=3.52Hz),7.29(1H,d,J=8.41Hz),6.69(1H,d,J=3.52Hz),3.89(3H,s);
HRMS m/z 269.0831(「C14FNO+H」は、269.0833を必要とする)。
【0117】
スキーム7
【化20】

【0118】
実施例7
5−クロロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]イリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
CHCl(4mL)中の1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(200mg、1.14mmol)の懸濁液に、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(600μL、4.54mmol)を添加した。酸塩化物が形成された後、その反応混合物を濃縮して残渣を得た。その残渣をピリジン(4mL)に溶解させた後、2,6−ジクロロ−ピリジン−3−イルアミン(278mg、1.70mmol)を1回で添加した。さらに30分間経過した後、その反応混合物を濃縮乾固させて残渣を得た。その残渣に、DMA(3mL)及びCsCO(552mg、1.70mmol)を添加した。得られた混合物をマイクロ波で15分間165℃に加熱し、その後、その混合物を濾過し、濃縮した。得られた残渣を逆相クロマトグラフィーで精製して、5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]イリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン(65mg、0.228mmol、収率20%)を得た。
【0119】
ES MS(M+Η)=285;
H NMR δ(ppm)(DMSO−d):9.10(1H,s),8.78(1H,d,J=2.29Hz),8.32(1H,d,J=8.17Hz),7.75−7.59(2H,m),6.72(1H,d,J=3.55Hz),3.91(3H,s)。
【0120】
一般的な反応スキーム3
【化21】

【0121】
一般的な反応スキーム3に示されているように、適切に置換されているカルボン酸を、1−クロロ−N,N−2−トリメチル−1−プロペニルアミン又は塩化オキサリル及び触媒としてのDMFと反応させて酸塩化物を生成させることができる。今度は、この酸塩化物を、適切に置換されている2−ハロ−3−アミノピリジンと反応させて対応するアミドとすることができる。このアミドを、次いで、高温下、ローソン試薬と反応させて、対応する7−アザベンゾオキサゾール又は4−アザベンゾオキサゾールに変換する。場合により、該カルボン酸出発物質は、Boc保護基又はPMB保護基を含み得る。このBoc保護基又はPMB保護基は、次に、トリフルオロ酢酸と反応させ及び/又は加熱して、除去することができ、それによって、最終物質が得られる。この場合、全てのカルボン酸類及び2−アミノ−フェノール類及び3−アミノ−2−ピリドン類は、商業的に入手可能であったか、又は、当業者には既知の方法を用いて調製した。
【0122】
スキーム8
【化22】

【0123】
実施例8
5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−チアゾロ[5,4−b]ピリジン
段階1: 1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イル)−アミド
CHCl(400mL)中の1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(3.54g、20.1mmol)の懸濁液に、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(5.26mL、40.2mmol)を添加した。酸塩化物が形成された後、その反応混合物を濃縮して残渣を得た。その残渣をピリジン(100mL)に溶解させた後、2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イルアミン(2.61mg、20.1mmol)を1回で添加した。さらに30分間経過した後、その反応混合物を濃縮乾固させて残渣を得た。その残渣に水を添加し、それによって、分析的に純粋な1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イル)−アミド(4.2g、収率72.5%)の沈澱が生じた。
【0124】
ES MS(M+H)=289。
【0125】
段階2: 1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イル)−アミド
密閉可能なバイアル内のトルエンの中の1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イル)−アミド(300mg、1.04mmol)の懸濁液に、ローソン試薬(210mg、0.52mmol)を添加した。そのバイアルに蓋をし、12時間130℃に加熱し、室温まで冷却し、シリカゲルカラムの上に直接ロードし、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0%から100%までのEtOAc)で精製して、1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(2,6−ジフルオロ−ピリジン−3−イル)−アミド(247mg、収率83%)を得た。
【0126】
ES MS(M+H)=285;
H NMR δ(ppm)(DMSO−d):8.99(1H,d,J=2.23Hz),8.64(1H,s),8.66−8.53(1H,m),7.67(1H,d,J=3.50Hz),7.38(1H,dd,J=8.74,1.80Hz),6.65(1H,d,J=3.49Hz),3.87(3H,s)。
【0127】
スキーム9
【化23】

【0128】
実施例9
18F]5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジンの放射化学合成
18F]Fは、Siemens Biomarker Solutions(North Wales, PA)から入手した。その[18F]Fは、18Oが富化された水(Cambridge Isotope Laboratories)を用いることによって18O(p,n)18F反応を介して製造された。照射(bombardment)の終了時点において、標的のタンタルの内容物を出し、小さなアニオン交換樹脂上に捕捉し、放射化学実験室に運び、溶離させてから使用した。放射化学の手順は、Gilson 233XL液体ハンドラーを用いて実施した。[18F]Fを含んでいるアニオン交換樹脂は、80%アセトニトリル:20%オキサレート溶液の混合物(0.7mL)を用いて溶離させ[0.05mLの(200mgのK/3mgのKCO/5mLのHO)+0.25mLのHO+1.2mLのMeCN]、空胴共振器(microwave cavity)内の1mL v−バイアルに添加した。18G1注射針を用いてこのバイアルに通気孔をあけた。そのフッ化物水溶液に、Kryptofix222(0.15mL, 36mg/mL MeCN)を添加し、そのフッ化物を、アルゴン流下、水性アセトニトリルを加熱するマイクロ波パルス(約50W)を用いて乾燥させた。共沸乾燥させるために、アセトニトリルの追加のアリコート(2×0.5mL)を添加した。マイクロ波バイアルに、5−クロロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジン(2mg)をDMSO(0.25mL)に溶解させた溶液を添加し、その反応混合物に、200秒間、マイクロ波のパルスを発生させた(約60W,140℃)。1分間冷却した後、その反応物をアセトニトリル/水(0.4mL, 60:40)で希釈し、セミ分取HPLCシステム(Gemni RP C18カラム, 7.8×150mm, 5μm)で精製した。使用した溶媒系は、45:55のアセトニトリル:NaHPO(0.1N)(5mL/分)であり、保持時間は約9分間であった。5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジンに対応するピークを集め、溶媒の大部分を減圧下に除去し、濯ぎ液として生理食塩水を用いて蓋がされているバイアルに移して、3,229Ci/mmolの比放射能及び99%(n=11)を超える放射化学的純度を有する51mCiの[18F]5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジンを得た。放射性核種量校正器の中でアリコートをカウントし、信頼できる標準に対する分析的HPLCシステム(C18 XTerra RP18, 4.6×150mm, 5μm)によって質量を測定することにより、[18F]5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジンに関する比放射能を決定した。使用した溶媒系は、50:50のアセトニトリル:NaHPO(0.1N)(1mL/分)であり、保持時間は約5分間であった。
【0129】
本発明の特定の実施形態を参照して本発明について記述し例証したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、手順及びプロトコルについてさまざまな適合、変更、修正、置換、削除又は付加を成し得るということを当業者は理解するであろう。例えば、上記で示されている本発明の化合物を用いて当該適応症のいずれかに関して治療される哺乳動物の反応性における変異の結果として、本明細書中で上記されている特定の投与量以外の有効な投与量も適用し得る。同様に、観察される特異的な薬理的反応は、選択された特定の活性化合物又は製薬用担体の存在の有無並びに用いた製剤の型及び投与方法に従い及びそれらに応じて変化し得る。結果におけるそのような予期される変動又は差異は、本発明の目的及び実践に従って考慮される。従って、本発明は以下の「特許請求の範囲」の範囲によって定義されるべきであること、及び、そのような「特許請求の範囲」は合理的に広く解釈されるべきであることが意図されている。
【0130】
生物学的実施例 − モノアミンオキシダーゼBアッセイ
機能的アッセイ: MAO−B源として、ヒトMAO−Bを発現する昆虫細胞から調製したMAO−B含有膜フラクション(BD Supersomes Enzymes, BD Biosciences Discovery Labware, Woburn MA)を使用した。アッセイは、96ウェルプレート内で最終体積200μLで実施した。アッセイ緩衝液は、0.1Mリン酸カリウム(pH7.4)であった。アッセイ系は、以下の3種類の混合物で構成された:(a)阻害剤希釈混合物(これは、当該アッセイ緩衝液であった);(b)基質/緩衝液/対照昆虫細胞タンパク質混合物:4×基質−80μMキヌラミン及び4×対照昆虫細胞タンパク質;及び、(c)酵素/緩衝液混合物:4×MAO−B(アッセイ緩衝液中で調製したもの)の濃度。最終MAO−B濃度は、0.015mg/mLであった。対照昆虫タンパク質を用いて規格化された最終総タンパク質濃度は、0.06mg/mLであった。被験化合物は、96ウェルプレート内において、直接、阻害剤希釈混合物中で連続3倍希釈した(最終総体積100μL)。各ウェルに、50μLの基質/緩衝液混合物を添加した。被験化合物とMAO基質(総体積150μL)を含んでいる96ウェルプレーを、37℃で、プレインキュベートした。50μLの酵素/緩衝液混合物を用いて、反応を開始させた。20分間経過した後、75μLの2N NaOHを添加することにより、反応を停止させた。励起波長/放射波長は、330nm/460nm(スリット幅20nm)であった。(注記:4−ヒドロキシキノリンを検出するための最適な波長は、約310nm励起及び380nm放射である)。生成物の形成は、サンプルの蛍光放射を既知量の信頼できる代謝物標準(4−ヒドロキシキノリン:これは、キヌラミンの脱アミノ化反応から形成された生成物である)の蛍光放射と比較することにより定量化した。全ての被験化合物は、DMSOに溶解させた。
【0131】
放射性リガンド結合アッセイ: MAO−B源として、ヒトMAO−Bを発現する昆虫細胞から調製したMAO−B含有膜フラクション(BD Supersomes Enzymes, BD Biosciences Discovery Labware, Woburn MA)を使用した。[H]−DMAB又は[H]5−フルオロ−2−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−オキサゾロ[5,4−b]ピリジンを比放射能約80Ci/mmolで合成した。組織ホモジネート結合アッセイのための放射性リガンドの最終濃度は、8〜10nmであった。MAO−B膜フラクションをリン酸緩衝食塩水(PBS)で希釈して、最初の5mg/mL体積から0.25mg/mLとし、最終質量50μg/アッセイ管とするために200μLをアッセイで使用した。標識されていない被験化合物を1mMでジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた。2%DMSOを含んでいるPBSで被験化合物を希釈して、さまざまな濃度とした。総結合は、競合する化合物の非存在下で定義し、置き換え不可能な結合は、1μMの非標識化自己遮蔽(self block)の存在下で求めた。化合物の希釈物(10×)を、200μLの希釈されたMAO−B膜フラクションを含んでいるアッセイ管に添加し(別々に、管1本当たりそれぞれ25μL)、その管を、室温で10分間プレインキュベートした。次いで、放射性リガンドの希釈物(10×)をアッセイ管の中に添加(別々に、管1本当たりそれぞれ25μL)して、管1本当たり250μLの最終体積とした。室温(25℃)で90分間インキュベーションを実施し、次いで、アッセイサンプルを、Skatron 12ウェルハーベスターを使用してGF/Cフィルターで濾過し、5−5−5(約3×2mL)氷冷緩衝液(PBS, pH7.4)の設定で洗浄した。Skatronハーベスター用のGF/C濾紙は、使用の前に、室温で1時間、0.1%BSAの中に予浸した。フィルターをシンチレーションバイアルの中に押し入れ、「Perkin Elmer Tri−Carb 2900TR」上の「2mL Ultima Gold」の中で1分間カウントした。データの解析は、Prismソフトウェアを用いて行った。全てのアッセイは、3反復で実施し、ヒトの組織を用いる研究用に指定された実験室内で実施した。
【0132】
インビボオートラジオグラフィー
アルツハイマー病(AD)と臨床診断されたドナー又は正常な対照被検者(非AD)から得られた死後の冷凍されたヒト脳サンプルを商業的供給元から購入した。冷凍の脳の薄片(厚さ20μm)を、クリオスタット(Leica CM3050)を用いて調製し、調製された順に維持した。その組織薄片をSuperfrost Plusガラススライド(Cat.# 5075−FR, Brain Research Laboratories, USA)の上に置き、室温で乾燥させ、−70℃のスライドボックスの中に貯蔵し、その後使用した。インビトロオートラジオグラフィーのための放射性リガンドの最終濃度は、1.0nMであった。結合実験の当日、インビトロオートラジオグラフ研究に関して興味深いそれぞれの脳領域から隣接している薄片を選択し、総結合及び非特異的結合(NSB)として指定した。これらの薄片を、生物学的安全性フードの中で15分間室温で解凍した。脳薄片中の放射性リガンドの総結合は、競合物質の非存在下で定義し、非特異的結合(NSB)は、競合物質(1.0μMの非標識化化合物)の存在下で測定した。その脳薄片を、最初に、PBS緩衝液(pH7.4)の中で室温で20分間プレインキュベートした。その薄片を、次に、放射性リガンド又は放射性リガンドと上記で記載した競合物質を含んでいる新たに作製した緩衝液に移し、室温で90分間インキュベートした。当該薄片を氷冷(4℃)洗浄緩衝液(PBS, pH7.4)の中で3回洗浄(各洗浄は3分間続いた)することにより、インキュベーションを終了させた。洗浄終了後、その薄片を氷冷(4℃)脱イオン水の中で短時間洗浄し、次いで、送風機によって室温で完全に乾燥させた。その薄片を、室温で曝露させるための密封カセットの中に「Fuji Phosphor Image Plates」(TR25, Fuji)に接して配置した。1週間曝露させた後、そのプレートを「Fuji BAS 5000 Scanner」の中でスキャンし、スキャンされた画像は、MCID 7.0ソフトウェアを用いて解析した。放射性リガンド結合密度を定量化するために、[H]−マイクロスケール(Amersham Biosciences, GE)を使用した。全ての薄片結合アッセイは、ヒトの組織を用いる研究用に指定された実験室内で実施した。
【0133】
これらの基準に適合する候補放射性リガンドは、[18F]で放射能標識した。[18F]で標識された放射性リガンドは、脳内への急速な取込と脳からの迅速なクリアランスに関して、アカゲザル体内でインビボで特徴付けが行われた。最終的なPET放射性トレーサーの選定に当たっては、白質内における結合の可能性を最少化することが重要な基準であり、また、脳内への高い取込(1.5SUVを超えるものとして定義される)も重要な基準であった。
【0134】
アカゲザルにおけるPET画像化
全ての研究は、米国国立医療研究所が出版した「American Physiological Society and the Guide for the Care and Use for Laboratory Animals」(NIH出版番号85−23, 1985年に改訂)の指導原理のもとで実施し、「Merck Research Laboratories」の「West Point Institutional Animal Care and Use Committee」によって承認された。アカゲザル(約10kg)を、最初に、ケタミン(10mg/kg i.m.)で麻酔し、次いで、プロポフォール(5mg/kg i.v.)を用いて誘発し、挿管し、医療グレードの空気で呼吸させた。体温は、循環水加熱パッドを用いて維持し、研究の期間中、温度、SpO及び呼気終期COについてモニターした。研究の期間中、プロポフォール(0.4mg/kg/分)を用いて麻酔状態を維持した。PETスキャンは、「ECAT EXACT HR+」(CTI/Siemens, Knoxville, TN)上で、3Dモードで実施した;送信データ(その後の減衰補正用)は、放射性医薬品を注射する前に、2Dモードで取得した。放射スキャンは、約5mCiの各PETトレーサーをボーラス注射した後、直ぐに、実施した。その放射スキャンは、減衰、散乱及び不感時間に関して補正し、ランプフィルターを用いて再構成した。それによって、FWHMで5mmの横方向及び軸方向の空間分解能が得られた。
【0135】
各スキャンに関して、獲得中に得られた動的フレームを合計することにより、静的(又は、積算)PET画像が得られた。解剖学的に識別するためのMRI画像を用いて、興味深い領域(ROI)を積算PET画像の上に描いた。次いで、ROIを動的スキャン上に投影して、対応する時間−活性曲線(TAC)を得た。TACは、当該サルの体重及びトレーサーの注入薬量を用いて、標準的な取込値(SUV)単位で、以下のように表した:
【数1】

【0136】
MAO−B負荷の評価
被検者にミニメンタルステート検査を施して、その被検者が正常な対照被検者であるか又はAD患者であるかについて評価する。本明細書中に記載されているPET放射性トレーサーを使用して、及び、当業者には既知の方法を用いて、両方の群の患者にPET試験を実施する。AD患者体内でMAO−Bが増大することが知られている領域(例えば、前頭皮質領域)の中への放射性トレーサーの取込及びそこでの保持について、AD患者体内でMAO−Bが増大しない参照領域(例えば、小脳)の中への放射性トレーサーの取込及びそこでの保持と比較する。正常な対照被検者と比較したAD患者体内におけるこれら領域の組合せの間の取込と保持における大きな差異は、AD患者体内においてAβプラーク負荷がより多いこと、及び、MAO−Bを発現する星状膠細胞の中でも関連して増大していることに起因する。試験−再試験の間の(被験者間の)変動性は、2回目の本質的に同じPET試験によって確定される。
【0137】
プラークを低減させる化合物がMAO−Bを阻害するのに有効であるかどうかについて決定するために、プラークを低減させる当該化合物を投与する前にPET試験を実施する。治療薬を用いた1クールの治療の後で、2回目のPET試験を実施する。MAO−Bが蓄積することが知られている領域におけるPET放射性トレーサーの取込及び保持の(試験−再試験における変動性よりも大きな)低減は、MAO−B活性(これは、アミロイドプラークの存在に関するバイオマーカーである)の低下を示している。そのような試験においては、各被験者は、自分自身の治療前対照として機能する。
【0138】
本発明の化合物は、0.1nM〜1000nMの範囲内で、MAO−B活性を阻害するか、又は、MAO−Bに結合する。例えば、以下の化合物は、MAO−Bの阻害又はMAO−Bへの結合を実証している:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物においてMAO−B活性を阻害する方法であって、
有効量の式I
【化1】

〔式中、
Xは、O又はSであり;
A及びYは、独立して、N又はCHであり;
Zは、フェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ピリジル、ピラゾロピリジニル、ベンゾジオキソリル及びピロロピリジニル[ここで、これらは、全て、R、R又はRの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]からなる群から選択され;
Rは、水素又は−C1−6アルキルを表し;
は、水素、−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、CN、−(CHハロ、CF、−O(CHR、−O(CH5−10ヘテロシクリル、−C1−6アルキル、−OCF、−O(CHF、−(O(CHハロ、−(O(CHOR、−C(O)OR又はヘテロスピロ環[ここで、該アルキル及びヘテロシクリルは、Rの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]を表し;
、R及びRは、独立して、水素、−(CHハロ、−C1−6アルキル、−CF、−(CHOR、(CH5−10ヘテロシクリル、−N(R)[ここで、該アルキル及びヘテロシクリルは、Rの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]を表し;
は、−CN、NO、ハロ、CF、−C1−6アルキル、−C1−6アルケニル、−C1−6アルキニル、−(CHハロ、−OR、−NRR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)Rを表し;
nは、0〜6を表し;
sは、2〜4を表し;及び、
pは、1〜3を表す〕
で表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステルを投与すること;及び、
当該患者におけるMAO−B活性に対する上記化合物の効果を測定すること;
を含む、前記方法。
【請求項2】
、R、R及びRが同時に水素であることはなく;
又は、
が水素であり、Zがフェニルであり、且つ、R、R及びRのうちの2つが水素である場合、R、R及びRのうちの残りは、メチル、フリル、ハロ、ヒドロキシル、エトキシ、ジメトキシ、イソプロピルオキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ又はメトキシのいずれでもない;
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
神経変性疾患の治療において使用するための、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記神経変性疾患がパーキンソン病である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
患者においてMAO−Bレベルを測定する方法であって、
検出可能な量の式I
【化2】

〔式中、
Xは、O又はSであり;
A及びYは、独立して、N又はCHであり;
Zは、フェニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ピリジル、ピラゾロピリジニル、ベンゾジオキソリル及びピロロピリジニル[ここで、これらは、全て、R、R又はRの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]からなる群から選択され;
Rは、水素又は−C1−6アルキルを表し;
は、水素、−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、CN、−(CHハロ、CF、−O(CHR、−O(CH5−10ヘテロシクリル、−C1−6アルキル、−OCF、−O(CHF、−(O(CHハロ、−(O(CHOR、−C(O)OR又はヘテロスピロ環[ここで、該アルキル及びヘテロシクリルは、Rの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]を表し;
、R及びRは、独立して、水素、−(CHハロ、−C1−6アルキル、−CF、−(CHOR、(CH5−10ヘテロシクリル、−N(R)[ここで、該アルキル及びヘテロシクリルは、Rの1〜3の基で場合により置換されていてもよい]を表し;
は、−CN、NO、ハロ、CF、−C1−6アルキル、−C1−6アルケニル、−C1−6アルキニル、−(CHハロ、−OR、−NRR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)Rを表し;
nは、0〜6を表し;
sは、2〜4を表し;及び、
pは、1〜3を表す〕
で表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはインビボで加水分解され得るエステルを投与すること;及び、
当該患者におけるMAO−Bレベルのレベルを検出すること;
を含む、前記方法。
【請求項6】
式Iで表される前記化合物が、11、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36CL、82Br、76Br、77Br、123I、124I及び131Iで同位体標識されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
陽電子放射断層撮影(PET)画像化、単光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)、磁気共鳴画像法又はオートラジオグラフィーを実施することによって検出する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群、統合失調症における認知障害及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子に対する同型接合体を診断するための、又は、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群、統合失調症における認知障害及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子に対する同型接合体の治療をモニタリングするための、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、統合失調症における認知障害、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子に対する同型接合体を予防及び/又は治療する方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項5に記載のMAO−B阻害薬化合物を投与することを含む、前記方法。


【公表番号】特表2012−507534(P2012−507534A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534619(P2011−534619)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/061456
【国際公開番号】WO2010/051196
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】