説明

新規血管漏出遮断剤

本発明は、新規な血管漏出遮断剤に関し、本発明の新規な血管漏出遮断剤は、血管内皮細胞の死滅を抑制して、VEGFにより誘導されたアクチンストレス繊維の形成を抑制し、外皮アクチンリング(Cortical actin ring)の構造を増加させて、血管細胞間TJ(Tight Junction)の安定性を向上させて血管漏出を抑制する。本発明の血管漏出遮断剤は、血管の透過性を抑制するだけではなく、損傷された血管の完全性(integrity)を修復できる活性も持っている。したがって、本発明の血管漏出遮断剤は、血管漏出により引き起こされる多様な疾患を予防又は治療することができる。本発明の血管漏出遮断剤は、商業的に購入が容易で、合成的接近に優れている物質であって、コレステロールを母核として利用して合成されるため、商業的合成容易性(feasibility)に非常に優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規血管漏出遮断剤に関する。
【背景技術】
【0002】
増加された血管透過性を招来する内皮障壁の破壊は、多様な病的過程、例えば、多様な炎症疾患、急性肺損傷及び糖尿病性網膜症を引き起こす[非特許文献1,2]。内皮透過性は、近接接合(AJs)及び密着接合(TJs)のような隣接内皮細胞間の細胞−細胞接合(Cell−Cell junctions)により固く調節される[非特許文献3,4]。TJsは、オクルディン、クローディン、接合性接着分子(JAMs)及びゾヌラオクルジン(ZO)のような多いタンパク質からなっている。オクルディン、クローディン及びJAMsは、接合特性を有する重要な細胞膜透過タンパク質であって、隣接細胞の向かい合う内皮膜間の密接な封印形成に関与する[非特許文献3]。オクルディン及びクローディンは、ホモダイマーブリッジを形成して、ZOs及びシングリンは、これらの細胞膜透過タンパク質をアクチンフィラメントに連結する[非特許文献5−7]。接合周辺アクチンの力動的調節は、アクチン細胞骨格に密接に連結されたTJsに直接又は間接的に影響を与え、細胞間隙透過性を調節すると知られている[非特許文献8,9]。事実上、多様な条件下でTJ複合体の変化に、アクチン細胞骨格の一時的発現、力動的構造化及び空間的分布が関与するというたくさんの証拠がある[非特許文献10]。したがって、アクチンは、TJsの完全性、即ち、内皮透過性を調節するに非常に重要な役割をする。
【0003】
アクチン細胞骨格の外皮アクチンリングへの再構造化及びTJタンパク質の細胞周囲への同時的再分布は、内皮障壁強化において不可欠なイベントである。色々な分子が外皮アクチンリングの形成に重要であると知られている[非特許文献11]。リン酸化されたミオシン軽鎖(p−MLC)及びそのキナーゼ、即ち、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)は、スフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)により誘導されたEC障壁強化の間に外皮部位に分布することが観察されて[非特許文献12,13]、これは、内皮障壁機能を調節することにおいて、空間的に規定されたMLCK活性化に重要な役割をする。外皮部位におけるMLCリン酸化は、アクチンフィラメント及びミオシンの相互作用を促進して、これは、外皮アクチンリング構造を安定化して、結局、細胞周囲のTJタンパク質複合体の安定化を増加させる[非特許文献11]。F−アクチン結合タンパク質であるコータクチンは、外皮アクチン再配列に関与する[非特許文献14]。コータクチンチロシンリン酸化及びその外皮アクチンへのトランスロケーションは、強化された内皮障壁機能と係わっている[非特許文献13]。また、リン酸化されたコータクチンは、外皮リングでSH3−ドメインを介してMLCKに結合されており、このようなことは、外皮アクチン重合化の位置におけるコータクチン−MLCK相互作用がアクト−ミオシン相互作用を最適位置に局所化して、障壁機能を強化させるということを示す[非特許文献13]。
【0004】
糖尿病性網膜症(DR)は、最も一般的な血管網膜病症であり、成人において、法的視覚喪失の主要な要因である[非特許文献15]。DRの最も初期症状は、血管−網膜障壁(BRB)の破壊による網膜血管からの漏出(leakage)であり、これは、網膜浮腫及び内皮細胞増殖症状が後続される[非特許文献16]。BRBは、よく分化された目の微細血管の選択的内皮障壁である。血管網膜症の初期段階の間にBRBの破砕が発生して、これは、増殖性血管網膜症の非可逆的な血管新生以前に回復できる[非特許文献17]。VEGFは、密接接合の完全性を変化させて、内皮細胞の細胞骨格を構造化することにより、BRB破砕において重要な役割をして、これは、DRの発病の間、透過性を増加させる[非特許文献18,19]。BRB破壊のこのような初期及び可逆的段階をターゲッティングする治療法に対する要求が台頭されている。
【0005】
本明細書全体にかけて多数の特許文献及び論文が参照され、その引用が表示されている。引用された特許文献及び論文の開示内容は、その全体が本明細書に参照として取り込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Erickson KK, Sundstrom JM, Antonetti DA.Vascular permeability in ocular disease and the role of tight junctions. Angiogenesis. 2007;10(2):103−17.
【非特許文献2】Maniatis NA, Orfanos SE. The endothelium in acute lung injury/acute respiratory distress syndrome. Curr Opin Crit Care. 2008 Feb;14(1):22−30.
【非特許文献3】Harhaj NS, Antonetti DA. Regulation of tight junctions and loss of barrier function in pathophysiology. Int J Biochem Cell Biol. 2004 Jul;36(7):1206−37.
【非特許文献4】Vandenbroucke E, Mehta D, Minshall R, Malik AB. Regulation of endothelial junctional permeability. Ann N Y Acad Sci. 2008 Mar;1123:134−45.
【非特許文献5】Cordenonsi M, D’Atri F, Hammar E, et al. Cingulin contains globular and coiled−coil domains and interacts with ZO−1, ZO−2, ZO−3, and myosin. J Cell Biol. 1999 Dec 27;147(7):1569−82.
【非特許文献6】Haskins J, Gu L, Wittchen ES, Hibbard J, Stevenson BR. ZO−3, a novel member of the MAGUK protein family found at the tight junction, interacts with ZO−1 and occludin. J Cell Biol. 1998 Apr 6;141(1):199−208.
【非特許文献7】Itoh M, Furuse M, Morita K, Kubota K, Saitou M, Tsukita S. Direct binding of three tight junction−associated MAGUKs, ZO−1, ZO−2, and ZO−3, with the COOH termini of claudins. J Cell Biol. 1999Dec 13;147(6):1351−63.
【非特許文献8】Madara JL. Regulation of the movement of solutes across tight junctions. Annu Rev Physiol. 1998;60:143−59.
【非特許文献9】Anderson JM, Van Itallie CM. Tight junctions and the molecular basis for regulation of paracellular permeability. Am J Physiol. 1995 Oct;269(4 Pt 1):G467−75.
【非特許文献10】Mehta D, Malik AB. Signaling mechanisms regulating endothelial permeability. Physiol Rev. 2006 Jan;86(1):279−367.
【非特許文献11】McVerry BJ, Garcia JG. Endothelial cell barrier regulation by sphingosine 1−phosphate. J Cell Biochem. 2004 Aug 15;92(6):1075−85.
【非特許文献12】Garcia JG, Liu F, Verin AD, et al. Sphingosine 1−phosphate promotes endothelial cell barrier integrity by Edg−dependent cytoskeletal rearrangement. J Clin Invest. 2001 Sep;108(5):689−701.
【非特許文献13】Dudek SM, Jacobson JR, Chiang ET, et al. Pulmonary endothelial cell barrier enhancement by sphingosine 1−phosphate: roles for cortactin and myosin light chain kinase. J Biol Chem. 2004 Jun 4;279(23):24692−700.
【非特許文献14】Weed SA, Parsons JT. Cortactin: coupling membrane dynamics to cortical actin assembly. Oncogene. 2001 Oct 1;20(44):6418−34.
【非特許文献15】Sacha E. [Diabetic retinopathy. Current opinion on pathophysiology, diagnostics and therapy]. Przegl Lek. 2005;62(4):238−42.
【非特許文献16】Frank RN. Diabetic retinopathy. N Engl J Med. 2004 Jan 1;350(1):48−58.
【非特許文献17】Gariano RF, Gardner TW. Retinal angiogenesis in development and disease. Nature. 2005 Dec 15;438(7070):960−6.
【非特許文献18】Murata T, Ishibashi T, Khalil A, Hata Y, Yoshikawa H, Inomata H. Vascular endothelial growth factor plays a role in hyperpermeability of diabetic retinal vessels. Ophthalmic Res. 1995;27(1):48−52.
【非特許文献19】Weis SM, Cheresh DA. Pathophysiological consequences of VEGF−induced vascular permeability. Nature. 2005 Sep 22;437(7058):497−504.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、血管の完全性(integrity)の損傷による血管漏出により引き起こされる疾患を予防又は治療できる物質を開発するために鋭意研究した。その結果、本発明者らは、血管内皮細胞の損傷を抑制するものとして本発明者らが既に究明したジンセノサイドRk1及びRg3と類似した分子骨格を有する物質を合成し、この物質が血管内皮細胞の死滅を抑制して、VEGFにより誘導されたアクチンストレス繊維の形成を抑制し、外皮アクチンリング(Cortical actin ring)の構造を増加させて、血管細胞間TJ(Tight Junction)の安定性を向上させ、血管漏出関連疾患を予防又は治療できることを確認して、本発明を完成するに至った。
【0008】
したがって、本発明の目的は、新規なジンセノサイドRk1及び/又はRg3類似体を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、血管漏出(Vascular leakage)疾患の予防又は治療用薬剤学的組成物を提供することにある。
【0010】
本発明のまた他の目的は、血管漏出(Vascular leakage)疾患の予防又は治療用食品組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、血管漏出(Vascular leakage)疾患の予防又は治療方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的及び利点は、発明の詳細な説明、請求の範囲及び図面により、更に明確にされる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一様態によると、本発明は、ジンセノサイドRk1又はRg3類似体として、下記化学式1で表される化合物を提供する。
【化1】

[化学式1]
(式中、Xは、酸素又は硫黄であり、Rは、水素、ハロ、C1−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−15ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−15ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−30アリール、C6−30アラルキル、C6−30アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−30ヘテロアリール又はC6−30アリールカルボニルであり、R21は、C2−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、C2−30カルボキシアルキル、C2−30アルキルカルボキシル、C3−30カルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシル、C3−30アルキルカルボキシアルキル、C3−30アルキルカルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシアルキル、C4−30アルケニルカルボキシアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン又はC2−15エステルであって、R22は、水素、ヒドロキシ、ハロ又はC1−10アルキルであり、R23は、水素、ヒドロキシ又はC1−10アルキルであり、R21は、R22及びR23と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができて、R23は、R21及びR22と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができ、R21又はR23が前記炭素に二重結合を形成する場合、R22は、原子を含まなく、R及びRは、それぞれ独立して水素又はC1−10アルキルであって、

は、単一結合又は二重結合を示す。)
【0014】
本発明の好ましい具現例によると、本発明のジンセノサイドRk1又はRg3類似体は、下記化学式2で表される。
【化2】

[化学式2]
(式中、X、R、R21、R22、R23、R及びRに対する定義は、化学式1と同一である。)
【0015】
より好ましくは、本発明のジンセノサイドRk1又はRg3類似体は、下記化学式3で表される。
【化3】

[化学式3]
(式中、X、R、R21、R22、R23、R及びRに対する定義は、化学式1と同一である。)
【0016】
本発明の他の様態によると、本発明は、(a)前記ジンセノサイドRk1類似体の薬剤学的有効量と、(b)薬剤学的に許容される塩と、を含む血管漏出(vascular leakage)疾患の予防又は治療用薬剤学的組成物を提供する。
【0017】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、前記ジンセノサイドRk1類似体を有効成分として含む血管漏出疾患の予防又は改善用食品組成物を提供する。
【0018】
本発明の他の様態によると、本発明は、前記薬剤学的組成物を、これを必要とする対象(subject)に投与する段階を含む血管漏出疾患の予防又は治療方法を提供する。
【0019】
本発明者らは、血管の完全性(integrity)の損傷による血管漏出により引き起こされる疾患を予防又は治療できる物質を開発するために鋭意研究した。その結果、本発明者らは、血管内皮細胞の損傷を抑制するものとして本発明者らが既に究明したジンセノサイドRk1及びRg3と類似した分子骨格を有する物質を合成し、この物質が血管内皮細胞の死滅を抑制して、VEGFにより誘導されたアクチンストレス繊維の形成を抑制し、外皮アクチンリング(Cortical actin ring)の構造を増加させて、血管細胞間TJ(Tight Junction)の安定性を向上させ、血管漏出関連疾患を予防又は治療できることを確認した。
【0020】
化学式1で表される本発明の化合物は、血管内皮細胞の損傷を抑制するもので、本発明者らが既に究明したジンセノサイドRk1及びRg3の構造をミミッキングして化学的に合成される。ジンセノサイドRk1及びRg3は、高価のチョウセンニンジンから抽出及び分離して使用しなければならないため、提供可能な量に限界がある。このような問題点を解決して、ジンセノサイドRk1及びRg3より改善された生理活性及び薬理学的プロファイル(Pharmacological profile)を示す物質を開発するために努力し、その結果、本発明の化合物が分子設計されて合成された。
【0021】
ジンセノサイドRk1及びRg3の分子骨格と類似した構造を有しながら商業的に購入が容易で、合成的接近に優れた物質としてコレステロールを選択し、これを母核とし多様な誘導体を分子設計して合成した。
【0022】
本明細書において、化学式1のジンセノサイドRk1又はRg3類似体を定義するために使用される用語‘ハロ’は、ハロゲン族元素を示し、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
【0023】
用語‘アルキル’は、直鎖又は分岐鎖の非置換又は置換された飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル及びヘプタデシルなどを含む。C1−30アルキルは、炭素数1から30のアルキルユニットを有するアルキル基を意味して、C1−30アルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC1−30アルキルは、好ましくは、C1−20アルキル、より好ましくは、C1−15アルキル、更に好ましくは、C1−10アルキル、最も好ましくは、C1−5アルキルである。化学式1において、R21位置のC2−15アルキルは、好ましくは、C3−10アルキル、より好ましくは、C4−8アルキル、最も好ましくは、分岐鎖のCアルキルである。化学式1において、R22位置のC1−5アルキルは、好ましくは、C1−3アルキル、より好ましくは、C1−2アルキルである。化学式1において、R23位置のC1−10アルキルは、好ましくは、C1−5アルキル、より好ましくは、C1−3アルキル、更に好ましくは、C1−2アルキルである。化学式1において、R位置又はR位置のC1−10アルキルは、好ましくは、C1−5アルキル、より好ましくは、C1−3アルキル、更に好ましくは、C1−2アルキルである。
【0024】
用語‘シクロアルキル’は、サイクリック炭化水素ラジカルを意味し、これは、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルを含む。C3−10シクロアルキルは、リング構造を形成する炭素数が3〜10であるシクロアルキルを意味し、C3−10シクロアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のシクロアルキルは、好ましくは、C3−10シクロアルキル、より好ましくは、C3−8シクロアルキルである。化学式1において、R21位置のシクロアルキルは、好ましくは、C3−10シクロアルキル、より好ましくは、C3−8シクロアルキルである。
【0025】
用語‘アルケニル’は、指定された炭素数を有する直鎖又は分岐鎖の非置換又は置換された不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エテニル、ビニル、プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、t−ブテニル、n−ペンテニル及びn−ヘキセニルを含む。C2−30アルケニルは、炭素数1から30のアルケニルユニットを有するアルケニル基を意味し、C2−30アルケニルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC2−30アルケニルは、好ましくは、C2−20アルケニル、より好ましくは、C2−15アルケニル、更に好ましくは、C2−10アルケニル、最も好ましくは、C2−5アルケニルである。化学式1において、R21位置のC2−15アルケニルは、好ましくは、C3−10アルケニルであり、より好ましくは、C4−8アルケニル、最も好ましくは、分岐鎖のCアルケニルである。
【0026】
用語‘シクロアルケニル’は、少なくとも1つの二重結合を有するサイクリック炭化水素基を意味し、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロヘキサジエンを含む。C3−10シクロアルケニルは、リング構造を形成する炭素数が3〜10であるシクロアルケニルを意味し、C3−10シクロアルケニルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−10シクロアルケニルは、好ましくは、C3−8シクロアルケニルである。化学式1において、R21位置のシクロアルケニルは、好ましくは、C3−8シクロアルケニルである。
【0027】
用語‘ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むヘテロシクロアルキル’は、炭素と水素、そして少なくとも1つのヘテロ原子(酸素、硫黄又は窒素)を含む非−芳香族性サイクリック炭化水素基を意味する。前記へテロ原子は、好ましくは、酸素又は硫黄であり、最も好ましくは、酸素である。ヘテロ原子の数は、好ましくは、1個〜4個、より好ましくは、1個〜3個、更に好ましくは、1個〜2個、最も好ましくは、1個である。C2−15ヘテロシクロアルキルは、リング構造を形成する炭素の数が2〜15であるヘテロシクロアルキルを意味する。化学式1において、R位置のC2−15ヘテロシクロアルキルは、好ましくは、C2−10ヘテロシクロアルキル、より好ましくは、C3−8ヘテロシクロアルキル、更に好ましくは、C4−6ヘテロシクロアルキル、最も好ましくは、Cヘテロシクロアルキルである。化学式1において、R21位置のC2−15ヘテロシクロアルキルは、好ましくは、C2−10ヘテロシクロアルキル、より好ましくは、C3−8ヘテロシクロアルキル、更に好ましくは、C4−6ヘテロシクロアルキル、最も好ましくは、Cヘテロシクロアルキルである。
【0028】
用語‘ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル’は、炭素と水素、そして少なくとも1つのヘテロ原子(酸素、硫黄又は窒素)を含む非−芳香族性サイクリック炭化水素基を意味する。前記へテロ原子は、好ましくは、酸素又は硫黄であり、最も好ましくは、酸素である。ヘテロ原子の数は、好ましくは、1個〜4個、より好ましくは、1個〜3個、更に好ましくは、1個〜2個、最も好ましくは、1個である。C3−15ヘテロシクロアルキルアルキルは、リング構造を形成する炭素及びアルキル部分の炭素数が3〜15であるヘテロシクロアルキルアルキルを意味する。好ましくは、アルキル部分は、1個〜5個の炭素原子を有する。本発明の具現例において、ヘテロシクロアルキルアルキルのアルキル部分は、メチレンである。化学式1において、R位置のC3−15ヘテロシクロアルキルアルキルは、好ましくは、C3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、より好ましくは、C3−6ヘテロシクロアルキルアルキルである。化学式1において、R21位置のC3−10ヘテロシクロアルキルアルキルは、好ましくは、C3−6ヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0029】
用語‘アルコキシアルキル’は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を意味する。C2−30アルコキシアルキルは、炭素数2から30のアルコキシアルキルユニットを有するアルコキシアルキル基を意味し、C2−30アルコキシアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC2−30アルコキシアルキルは、好ましくは、C2−20アルコキシアルキルであり、より好ましくは、C2−10アルコキシアルキル、更に好ましくは、C2−8アルコキシアルキル、最も好ましくは、C2−6アルコキシアルキルである。化学式1において、R21位置のC2−30アルコキシアルキルは、好ましくは、C2−20アルコキシアルキルであり、より好ましくは、C2−10アルコキシアルキルである。
【0030】
用語‘アルコキシアルコキシアルキル’は、アルコキシアルコキシ基で置換されたアルキル基(アルコキシ−アルコキシ−アルキル−)を意味する。C3−30アルコキシアルコキシアルキルは、炭素数3から30のアルコキシアルコキシアルキルユニットを有するアルコキシアルコキシアルキル基を意味し、C3−30アルコキシアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−30アルコキシアルコキシアルキルは、好ましくは、C3−20アルコキシアルコキシアルキルであり、より好ましくは、C3−10アルコキシアルコキシアルキル、更に好ましくは、C3−8アルコキシアルコキシアルキル、最も好ましくは、C3−6アルコキシアルコキシアルキルである。化学式1において、R21位置のC3−30アルコキシアルコキシアルキルは、好ましくは、C3−20アルコキシアルコキシアルキルであり、より好ましくは、C3−10アルコキシアルコキシアルキルである。
【0031】
用語‘ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むヘテロシクロアルケニル’は、炭素と水素、そして少なくとも1つのヘテロ原子(酸素、硫黄又は窒素)及び少なくとも1つの二重結合を含む非−芳香族性サイクリック炭化水素基を意味する。前記へテロ原子は、好ましくは、酸素又は硫黄であり、最も好ましくは、酸素である。ヘテロ原子の数は、好ましくは、1個〜4個、より好ましくは、1個〜3個、更に好ましくは、1個〜2個、最も好ましくは、1個である。C3−10ヘテロシクロアルケニルは、リング構造を形成する炭素の数が3〜10であるヘテロシクロアルケニルを意味する。化学式1において、R位置のC3−10ヘテロシクロアルケニルは、好ましくは、C3−9ヘテロシクロアルケニル、より好ましくは、C3−8ヘテロシクロアルケニル、更に好ましくは、C4−6ヘテロシクロアルケニル、最も好ましくは、Cヘテロシクロアルケニルである。化学式1において、R21位置のC3−10ヘテロシクロアルケニルは、好ましくは、C3−9ヘテロシクロアルケニル、より好ましくは、C3−8ヘテロシクロアルケニルである。
【0032】
用語‘アルコール’は、ヒドロキシル基がアルキル又は置換されたアルキル基の炭素原子に結合された化合物を意味する。C1−20アルコールは、炭素数1から10のアルコールユニットを有するアルコール化合物を意味し、C1−20アルコールが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC1−20アルコールは、好ましくは、C1−15アルコール、より好ましくは、C1−10アルコール、更に好ましくは、C1−5アルコールである。化学式1において、R21位置のC1−20アルコールは、好ましくは、C3−15アルコール、より好ましくは、C3−10アルコール、更に好ましくは、C5−8アルコールである。
【0033】
用語‘アルケノール’は、ヒドロキシル基がアルキル又は置換されたアルケニル基の炭素原子に結合された化合物を意味する。C1−20アルケノールは、炭素数1から10のアルケノールユニットを有するアルケノール化合物を意味し、C1−20アルケノールが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC1−20アルケノールは、好ましくは、C1−15アルケノール、より好ましくは、C1−10アルケノール、更に好ましくは、C1−5アルケノールである。化学式1において、R21位置のC1−20アルケノールは、好ましくは、C3−15アルケノール、より好ましくは、C3−10アルケノール、更に好ましくは、C5−8アルケノールである。
【0034】
用語‘アシル’は、カルボキシル酸からヒドロキシル基が除去されて形成されたラジカルを意味する。C2−30アシルは、炭素数2から30のアシルユニットを有するアシル基を意味し、C2−30アシルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC2−30アシルは、好ましくは、C2−10アシルである。化学式1において、R21位置のC2−30アシルは、好ましくは、C2−10アシルである。
【0035】
用語‘アミド’は、窒素原子に結合されたアシル基で構成された作用基を意味する。C1−10アミドは、炭素数1から10のアミドユニットを有するアミド基を意味し、C1−10アミドが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC1−10アミドは、好ましくは、C1−5アミド、より好ましくは、C1−3アミドである。化学式1において、R21位置のC1−10アミドは、好ましくは、C3−9アミドである。
【0036】
用語‘アミン’は、非結合ペアー(Lone pair)を有する塩基性窒素原子を含む作用基を意味する。C1−10アミンは、炭素数1から10のアミンユニットを有するアミン基を意味し、C1−10アミンが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC1−10アミンは、好ましくは、C1−5アミン、より好ましくは、C1−3アミンである。化学式1において、R21位置のC1−10アミンは、好ましくは、C3−9アミンである。
【0037】
用語‘エステル’は、RCOO−(Rは、アルキル又はアリール)で表される作用基を意味する。C2−15エステルは、炭素数2から15のエステルユニットを有するエステル基を意味し、C2−15エステルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC2−15エステルは、好ましくは、C2−10エステル、より好ましくは、C2−5エステルである。化学式1において、R21位置のC2−15エステルは、好ましくは、C3−9エステルである。
【0038】
用語‘カルボキシル’は、−COOHで表される作用基を意味する。
【0039】
用語‘カルボキシアルキル’は、カルボキシルが結合されたアルキル基を意味する。C3−20カルボキシアルキルは、炭素数3から20のカルボキシアルキルユニットを有するカルボキシアルキル基を意味し、C3−20カルボキシアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−20カルボキシアルキルは、好ましくは、C3−10カルボキシアルキル、より好ましくは、C3−6カルボキシアルキルである。化学式1において、R21位置のC2−20カルボキシアルキルは、好ましくは、C3−15カルボキシアルキル、より好ましくは、C4−10カルボキシアルキルである。
【0040】
用語‘カルボキシアルケニル’は、カルボキシルが結合されたアルケニル基を意味する。C3−20カルボキシアルケニルは、炭素数3から20のカルボキシアルケニルユニットを有するカルボキシアルケニル基を意味し、C3−20カルボキシアルケニルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−20カルボキシアルケニルは、好ましくは、C3−10カルボキシアルケニル、より好ましくは、C3−6カルボキシアルケニルである。化学式1において、R21位置のC3−30カルボキシアルケニルは、好ましくは、C3−15カルボキシアルケニル、より好ましくは、C4−10カルボキシアルケニルである。
【0041】
用語‘アルキルカルボキシル’は、アルキルが結合されたカルボキシル基を意味する。C3−20アルキルカルボキシルは、炭素数3から20のアルキルカルボキシルユニットを有するアルキルカルボキシル基を意味し、C3−20アルキルカルボキシルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−20アルキルカルボキシルは、好ましくは、C3−10アルキルカルボキシル、より好ましくは、C3−6アルキルカルボキシルである。化学式1において、R21位置のC2−30アルキルカルボキシルは、好ましくは、C3−15アルキルカルボキシル、より好ましくは、C4−10アルキルカルボキシルである。
【0042】
用語‘アルケニルカルボキシル’は、アルケニルが結合されたカルボキシル基を意味する。C3−20アルケニルカルボキシルは、炭素数3から20のアルケニルカルボキシルユニットを有するアルケニルカルボキシル基を意味し、C3−20アルケニルカルボキシルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−20アルケニルカルボキシルは、好ましくは、C3−10アルケニルカルボキシル、より好ましくは、C3−6アルケニルカルボキシルである。化学式1において、R21位置のC3−30アルケニルカルボキシルは、好ましくは、C3−15アルケニルカルボキシル、より好ましくは、C4−10アルケニルカルボキシルである。
【0043】
用語‘アルキルカルボキシアルキル’は、アルキル−C(O)−O−アルキルグループを意味する。C3−20アルキルカルボキシアルキルは、炭素数3から20のアルキルカルボキシアルキルユニットを有するアルキルカルボキシアルキル基を意味し、C3−20アルキルカルボキシアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−20アルキルカルボキシアルキルは、好ましくは、C3−10アルキルカルボキシアルキル、より好ましくは、C3−6アルキルカルボキシアルキルである。化学式1において、R21位置のC3−30アルキルカルボキシアルキルは、好ましくは、C3−15アルキルカルボキシアルキル、より好ましくは、C4−10アルキルカルボキシアルキルである。
【0044】
用語‘アルキルカルボキシアルケニル’は、アルキル−C(O)−O−アルケニルグループを意味する。C3−20アルキルカルボキシアルケニルは、炭素数3から20のアルキルカルボキシアルケニルユニットを有するアルキルカルボキシアルケニル基を意味し、C3−20アルキルカルボキシアルケニルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−20アルキルカルボキシアルケニルは、好ましくは、C3−10アルキルカルボキシアルケニル、より好ましくは、C3−6アルキルカルボキシアルケニルである。化学式1において、R21位置のC3−30アルキルカルボキシアルケニルは、好ましくは、C3−15アルキルカルボキシアルケニル、より好ましくは、C4−10アルキルカルボキシアルケニルである。
【0045】
用語‘アルケニルカルボキシアルキル’は、アルケニル−O−C(O)−アルキルグループを意味する。C3−20アルケニルカルボキシアルキルは、炭素数3から20のアルケニルカルボキシアルキルユニットを有するアルケニルカルボキシアルキル基を意味し、C3−20アルケニルカルボキシアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。化学式1において、R位置のC3−20アルケニルカルボキシアルキルは、好ましくは、C3−10アルケニルカルボキシアルキル、より好ましくは、C3−6アルケニルカルボキシアルキルである。化学式1において、R21位置のC3−30アルケニルカルボキシアルキルは、好ましくは、C3−15アルケニルカルボキシアルキル、より好ましくは、C4−10アルケニルカルボキシアルキルである。
【0046】
用語‘アルケニルカルボキシアルケニル’は、アルケニル−O−C(O)−アルケニルグループを意味する。C4−20アルケニルカルボキシアルケニルは、炭素数4から20のアルケニルカルボキシアルケニルユニットを有するアルケニルカルボキシアルケニル基を意味し、C4−20アルケニルカルボキシアルケニルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。
【0047】
用語‘アリール’は、全体的に又は部分的に不飽和された置換又は非置換されたモノサイクリック又はポリサイクリック炭素環を意味する。C6−30アリールは、炭素数6から30の炭素環原子を有するアリール基を意味し、C6−30アリールが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。好ましくは、アリールは、モノアリール又はビアリールである。モノアリールは、炭素数5〜6を有することが好ましく、ビアリールは、炭素数9〜10を有することが好ましい。最も好ましくは、前記アリールは、置換又は非置換されたフェニルである。モノアリール、例えば、フェニルが置換される場合は、多様な位置で多様な置換体により置換が可能であり、例えば、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C−C置換又は非置換された直鎖又は分岐鎖アルキル又はC−C直鎖又は分岐鎖アルコキシにより置換可能である。
【0048】
用語‘アラルキル’は、アリール基で置換されたアルキル基を意味する。C6−30アラルキルは、炭素数6から30のアラルキルユニットを有するアラルキルを意味し、C6−30アラルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。アラルキルにおいて、アリールは、好ましくは、モノアリール又はビアリールであり、アルキルは、好ましくは、C1−3アルキル、より好ましくは、Cアルキルである。アラルキルにおいてアリールは、多様な位置で多様な置換体により置換が可能であり、例えば、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C−C置換又は非置換された直鎖又は分岐鎖アルキル、C−C直鎖又は分岐鎖アルコキシ又はアルキルカルボキシルニトロにより置換可能である。
【0049】
用語‘アルカリール’は、アルキル基で置換されたアリール基を意味する。C6−30アルカリールは、炭素数6から30のアルカリールユニットを有するアルカリールを意味し、C6−30アルカリールが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。アルカリールにおいて、アリールは、好ましくは、モノアリール又はビアリールであり、アルキルは、好ましくは、C1−10アルキル、より好ましくは、C1−5アルキルである。アルカリールにおいてアリールは、多様な位置で多様な置換体により置換が可能であり、例えば、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C−C置換又は非置換された直鎖又は分岐鎖アルキル、C−C直鎖又は分岐鎖アルコキシにより置換可能である。
【0050】
用語‘ヘテロ原子として窒素を含むヘテロアリール’は、ヘテロサイクリック芳香族基であって、ヘテロ原子としてNを含むものである。C3−30ヘテロアリールは、炭素数3から30の炭素環原子を有するヘテロアリール基を意味し、C3−30ヘテロアリールが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。ヘテロ原子の数は、1〜4であり、好ましくは、1〜2である。ヘテロアリールにおいて、アリールは、好ましくは、モノアリール又はビアリールであり、最も好ましくは、モノアリールである。ヘテロアリールは、多様な位置で多様な置換体により置換が可能であり、例えば、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C−C置換又は非置換された直鎖又は分岐鎖アルキル、C−C直鎖又は分岐鎖アルコキシにより置換可能である。
【0051】
用語‘アリールカルボニル’は、‘アリール−C(O)−’を意味する。C6−30アリールカルボニルは、炭素数6から30のアリールカルボニルユニットを有するアリールカルボニルを意味し、C6−30アリールカルボニルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていない。アリールカルボニルにおいて、アリールは、好ましくは、モノアリール又はビアリールであり、より好ましくは、モノアリールである。アリールカルボニルにおいて、アリールは、多様な位置で多様な置換体により置換が可能であり、例えば、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C−C置換又は非置換された直鎖又は分岐鎖アルキル、C−C直鎖又は分岐鎖アルコキシ又はアルキルカルボキシルニトロにより置換可能である。
【0052】
本発明の好ましい具現例によると、前記Rは、水素、ハロ、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−8ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−20アルコキシアルキル、C3−20アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−8ヘテロシクロアルケニル、C1−10アルコール、C1−10アルケノール、C2−20アシル、C1−10アミド、C1−5アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−20アリール、C6−20アラルキル、C6−20アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−20ヘテロアリール又はC6−20アリールカルボニルである。
【0053】
より好ましくは、前記Rは、水素、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−8ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−20アルコキシアルキル、C3−10アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素を含むC3−8ヘテロシクロアルケニル、C1−10アルコール、C1−10アルケノール、C1−10アミド、C1−5アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−20アリール、C6−20アラルキル、C6−20アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−20ヘテロアリール又はC6−20アリールカルボニルである。
【0054】
本発明の好ましい具現例によると、前記Rにおいて、前記シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、C6−20アリール、C7−20アリールカルボキシル又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記C3−10シクロアルケニル又はヘテロシクロアルケニルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C2−8アルキルカルボキシル、C3−8アルキルカルボキシルアルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、C6−20アリール、C7−20アリールカルボキシル又はこれらの組み合わせにより置換可能であって、前記アリールは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記アラルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記アルカリールは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であって、前記アリールカルボニルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能である。
【0055】
下記の実施例に例示された結果によると、Rがヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルケニルである場合、血管漏出の予防又は治療効能が非常に優れている。Rがヘテロシクロアルキルである場合、これは置換されないことが好ましい。Rがヘテロシクロアルケニルである場合、C2−8アルキルカルボキシル(例えば、CHCO−O−)及び/又はC3−8アルキルカルボキシルアルキル(例えば、CHCO−O−CH−)により置換されたものが好ましい。
【0056】
本発明の好ましい具現例によると、前記R21は、直鎖又は分岐鎖のC2−15アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−15アルケニル、C3−10シクロアルケニル、C2−15カルボキシアルキル、C2−15アルキルカルボキシル、C3−15カルボキシアルケニル、C2−15アルケニルカルボキシル、C3−15アルキルカルボキシアルキル、C3−15アルキルカルボキシアルケニル、C3−15アルケニルカルボキシアルキル、C2−30アルケニルカルボキシアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−20アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン又はC2−15エステルである。また、R21は、R22及びR23と共に結合する炭素(以下、中心炭素という)に対して二重結合を形成することができる。R21が前記中心炭素に二重結合を形成すると、R22は、存在しない。
【0057】
21が前記中心炭素に二重結合を形成する場合、Rは、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニルであり、前記Rがヘテロシクロアルキルの場合、非置換であってもよい。前記Rがヘテロシクロアルケニルの場合、C2−8アルキルカルボキシル(例えば、CHCO−O−)及び/又はC3−8アルキルカルボキシル(例えば、CHCO−O−CH−)の置換基を有していてもよい。
【0058】
21が前記中心炭素に二重結合を形成する場合、R21は、分岐鎖のC5−7アルキル、C4−7カルボキシアルキル又はC5−84−7アルキルカルボキシアルキルが好ましい。
【0059】
本発明の好ましい具現例によると、前記R22は、水素、ヒドロキシ又はC1−5アルキルである。
【0060】
本発明の好ましい具現例によると、前記R23は、C1−5アルキルであるか、又はR21及びR22と共に結合する炭素に対して二重結合を形成する。R23が前記中心炭素に二重結合を形成すると、R22は、存在しない。
【0061】
本発明の好ましい具現例によると、R及びRは、それぞれ独立して、C1−5アルキルであり、より好ましくは、C1−3アルキル、更に好ましくは、C1−2アルキル、最も好ましくは、メチルである。
【0062】
化学式1において、X位置には、酸素又は硫黄原子が存在可能であり、好ましくは、Xは、酸素である。
【0063】
化学式1において、

は、単一結合又は二重結合を示し、好ましくは、二重結合を示す。
【0064】
本発明の好ましい具現例によると、本発明は、前記化学式1において、Xは、酸素であり、Rは、水素、C3−10アルキル、C3−10シクロアルキル、C3−15アルケニル、C3−10シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−15ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−15ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C3−20アルコール、C3−20アルケノール、C1−10アミド、サルフェート、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−30アリール、C6−30アラルキル、C6−30アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−30ヘテロアリール又はC6−30アリールカルボニルであり、R21は、C3−15アルキル、C3−15アルケニル、C2−15カルボキシアルキル、C2−15アルキルカルボキシル、C3−15カルボキシアルケニル、C3−15アルケニルカルボキシル、C3−15アルキルカルボキシアルキル、C3−15アルキルカルボキシアルケニル、C3−15アルケニルカルボキシアルキル、C4−30アルケニルカルボキシアルケニル、C3−15アルコキシアルキル、C3−15アルコキシアルコキシアルキル、C3−20アルコール又はC3−20アルケノールであって、R22は、水素、ヒドロキシ又はC1−3アルキルであり、R23は、C1−5アルキルであり、R21は、R22及びR23と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができて、R23は、R21及びR22と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができ、R21又はR23が前記炭素に二重結合を形成する場合、R22は、原子を含まなく、R及びRは、それぞれ独立して水素又はC1−3アルキルであって、

は、単一結合又は二重結合を示す。
【0065】
本発明の好ましい具現例によると、本発明のジンセノサイドRk1又はRg3類似体は、下記化学式4から化学式46で構成された群から選択される化学式で表される化合物である。
【化4】

[化学式4]
【化5】

[化学式5]
【化6】

[化学式6]
(式中、Bzは、ベンゾイル基である。)
【化7】

[化学式7]
【化8】

[化学式8]
【化9】

[化学式9]
【化10】

[化学式10]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化11】

[化学式11]
【化12】

[化学式12]
【化13】

[化学式13]
(式中、Bzは、ベンゾイル基である。)
【化14】

[化学式14]
【化15】

[化学式15]
【化16】

[化学式16]
【化17】

[化学式17]
【化18】

[化学式18]
【化19】

[化学式19]
【化20】

[化学式20]
【化21】

[化学式21]
【化22】

[化学式22]
【化23】

[化学式23]
【化24】

[化学式24]
【化25】

[化学式25]
【化26】

[化学式26]
【化27】

[化学式27]
【化28】

[化学式28]
【化29】

[化学式29]
【化30】

[化学式30]
【化31】

[化学式31]
【化32】

[化学式32]
【化33】

[化学式33]
【化34】

[化学式34]
【化35】

[化学式35]
【化36】

[化学式36]
【化37】

[化学式37]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化38】

[化学式38]
【化39】

[化学式39]
【化40】

[化学式40]
【化41】

[化学式41]
【化42】

[化学式42]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化43】

[化学式43]
【化44】

[化学式44]
【化45】

[化学式45]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化46】

[化学式46]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【0066】
本発明の化合物は、1つ又はそれ以上のキラルセンター及び/又は幾何異性センターを有することができ、本発明は、前記化学式1で表される全ての立体異性体、即ち、光学異性体、部分立体異性体及び幾何異性体を含む。
【0067】
本発明のRk1又はRg3類似体は、血管漏出を予防するか治療するに非常に有効である。本発明のRk1又はRg3類似体が予防又は治療できる血管漏出疾患は、糖尿病、炎症、網膜症、糖尿病性網膜症、黄斑変性、緑内障、狹窄、再狹窄、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、脳浮腫、関節炎、関節症(arthropathy)、ぶどう膜炎、炎症性腸疾患、黄斑浮腫、癌、高脂血症、虚血性疾患、糖尿病性足部潰瘍、肺性高血圧、急性肺損傷、心筋虚血、心不全、急性下肢虚血、心筋梗塞、脳卒中、虚血又は再潅流損傷、VLS(Vascular Leakage Syndrome)、浮腫、移植拒否、火傷、急性又は成人呼吸困難症候群(ARDS)、敗血症又は自己免疫疾患を含む。
【0068】
例えば、本発明の組成物が再狹窄予防又は治療に使用される場合、本発明の組成物は、ステントにコーティングされて利用可能である。
【0069】
本発明の組成物が癌の予防又は治療に使用される場合、本発明の組成物は、単独の療法として利用可能であるが、他の通常的な化学療法又は放射療法と共に利用することも可能であって、このような並行療法を実施する場合は、より効果的に癌治療をすることができる。本発明の組成物と共に利用できる化学療法剤は、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、プロカルバジン(procarbazine)、メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロフォスファミド(cyclophosphamide)、イフォスファミド(ifosfamide)、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil)、ビスルファン(bisulfan)、ニトロソウレア(nitrosourea)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、ブレオマイシン(bleomycin)、プリコマイシン(plicomycin)、ミトマイシン(mitomycin)、エトポシド(etoposide)、タモキシフェン(tamoxifen)、タキソール(taxol)、トランスプラチナム(transplatinum)、5−フルオロウラシル(5−fluorouracil)、ビンクリスチン(vincristin)、ビンブラスチン(vinblastin)及びメトトレキセート(methotrexate)などを含む。本発明の組成物と共に利用できる放射療法は、X−線照射及びγ−線照射などである。
【0070】
本発明のRk1又はRg3類似体は、薬剤学的組成物、食品組成物又は化粧料組成物として提供できる。
【0071】
本発明の組成物が薬剤学的組成物に製造される場合は、本発明の薬剤学的組成物は、薬剤学的に許容される担体を含む。本発明の薬剤学的組成物に含まれる薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常的に利用されるもので、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラルオイルを含むが、これに限定されるものではない。本発明の薬剤学的組成物は、前記成分の他に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などを更に含むことができる。適した薬剤学的に許容される担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (19th ed., 1995)に詳細に記載されている。
【0072】
本発明の薬剤学的組成物は、経口又は非経口投与が可能であり、非経口投与の場合、静脈内注入、皮下注入、筋肉注入、腹腔注入、経皮投与などで投与できる。
【0073】
本発明の薬剤学的組成物の適した投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性、病的状態、飲食、投与時間、投与経路、排泄速度、及び反応感応性のような要因により様々である。本発明の薬剤学的組成物の1日投与量は、例えば、0.001mg/kg〜100mg/kgである。
【0074】
本発明の薬剤学的組成物は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できる方法により、薬剤学的に許容される担体及び/又は賦形剤を利用して製剤化することにより、単位容量形態に製造するか、又は多用量容器内に入れて製造できる。ここで剤形は、オイル又は水性媒質中の溶液、懸濁液、シロップ剤又は乳化液形態であるか、エキス剤、散剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤又はカプセル剤形態であってもよく、分散剤又は安定化剤を更に含むことができる。
【0075】
本発明の組成物が食品組成物として製造される場合、食品製造時に通常的に添加される成分を含み、例えば、香味剤又は天然炭水化物を追加成分として含むことができる。例えば、天然炭水化物は、単糖類(例えば、グルコース、フルクトースなど)、二糖類(マルトース、スクロースなど)、オリゴ糖、多糖類(例えば、デキストリン、シクロデキストリンなど)、及び糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなど)を含む。香味剤として、天然香味剤(例えば、ソーマチン、ステビア抽出物など)及び合成香味剤(例えば、サッカリン、アスパルテームなど)を利用することができる。
【0076】
本発明の組成物が化粧料組成物(特に、機能性化粧料組成物)として提供される場合、化粧料製造時に通常的に添加される成分を含む。
【発明の効果】
【0077】
本発明の特徴及び利点を要約すると、以下のようである:
(a)本発明の新規な血管漏出遮断剤は、血管内皮細胞の死滅を抑制して、VEGFにより誘導されたアクチンストレス繊維の形成を抑制し、外皮アクチンリング(Cortical actin ring)の構造を増加させて、血管細胞間TJ(Tight Junction)の安定性を向上させて血管漏出を抑制する。
(b)本発明の血管漏出遮断剤は、血管の透過性を抑制するだけではなく、損傷された血管の完全性(integrity)を修復できる活性も持っている。
(c)本発明の血管漏出遮断剤は、血管漏出により引き起こされる多様な疾患を予防又は治療することができる。
(d)本発明の血管漏出遮断剤は、商業的に購入が容易で、合成的接近に優れている物質であって、コレステロールを母核として利用して合成されるため、商業的合成容易性(feasibility)に非常に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1a】図1aは、血清欠如−誘導細胞死滅からHUVECs(human umbilical vein endothelial cells)を保護するRk1類似体合成化合物をスクリーニングした結果である。HUVECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を5μg/ml合成化合物が含まれている培地に移した。24時間及び48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図1b】図1bは、血清欠如−誘導細胞死滅からHUVECs(human umbilical vein endothelial cells)を保護するRk1類似体合成化合物をスクリーニングした結果である。HUVECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を10μg/ml合成化合物が含まれている培地に移した。24時間及び48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図1c】図1cは、血清欠如−誘導細胞死滅からHUVECs(human umbilical vein endothelial cells)を保護するRk1類似体合成化合物をスクリーニングした結果である。HUVECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を10μg/ml合成化合物が含まれている培地に移した。48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図1d】図1dは、血清欠如−誘導細胞死滅からHUVECs(human umbilical vein endothelial cells)を保護するRk1類似体合成化合物をスクリーニングした結果である。HUVECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を10μg/ml合成化合物が含まれている培地に移した。48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図1e】図1eは、血清欠如−誘導細胞死滅からHUVECs(human umbilical vein endothelial cells)を保護するRk1類似体合成化合物をスクリーニングした結果である。HUVECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を10μg/ml合成化合物が含まれている培地に移した。48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図2a】図2aは、血清欠如−誘導細胞死滅からHUVECs(human umbilical vein endothelial cells)を保護するRk1類似体合成化合物をスクリーニングした結果である。HUVECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を5μg/ml合成化合物(図1a)又は10μg/ml合成化合物(図1b)が含まれている培地に移した。24時間及び48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。図2aは、細胞形態を観察した結果である。DM,sac,01,02,03,04,05,06,07,09,10,16,19,20,21,22及びRは、それぞれDMSO,化学式23の化合物,Sac0601,Sac0602,Sac0603,Sac0504,Sac0505,Sac0902,Sac0507,Sac0509,Sac0510,Sac0516,Sac0519,Sac0520,Sac0521,Sac0522及びRk1である。
【図2b】図2bは、図1cの細胞形態を観察した結果である。
【図2c】図2cは、図1dの細胞形態を観察した結果である。
【図2d】図2dは、図1eの細胞形態を観察した結果である。
【図3a】図3aは、Rk1類似体であるsac0504及びsac0601がVEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維形成を抑制することを示す結果である。コンフルエントHUVECsを20ng/ml VEGF(1時間)処理する前に、前記化合物(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図3b】図3bは、Rk1類似体がVEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維形成を抑制することを示す結果である。コンフルエントHUVECsを20ng/mlVEGF(1時間)処理する前に、前記化合物(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図3c】図3cは、Rk1類似体がVEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維形成を抑制することを示す結果である。コンフルエントHUVECsを20ng/mlVEGF(1時間)処理する前に、前記化合物(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図4a】図4aは、Sac0601が血清欠如−誘導細胞死滅から網膜内皮細胞を保護することを示す実験結果である。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、0.1μg/ml〜10μg/ml Sac0601(図4a)が含まれている培地に移した。48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図4b】図4bは、Sac0504が血清欠如−誘導細胞死滅から網膜内皮細胞を保護することを示す実験結果である。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、0.1μg/ml〜10μg/ml Sac050が含まれている培地に移した。48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図4c】図4cは、Sac0904が血清欠如−誘導細胞死滅から網膜内皮細胞を保護することを示す実験結果である。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、0.1μg/ml〜10μg/ml Sac0904が含まれている培地に移した。48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図4d】図4dは、Sac0902が血清欠如−誘導細胞死滅から網膜内皮細胞を保護することを示す実験結果である。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、0.1μg/ml〜10μg/ml Sac0902が含まれている培地に移した。48時間後、細胞生存度をMTT分析で決定した。
【図5a】図5aは、図4a及び図4bの、細胞形態を観察した結果である。
【図5b】図5bは、図4c及び図4dの、細胞形態を観察した結果である。
【図5c】図5cは、Sac−1004が血清欠如−誘導細胞死滅から網膜内皮細胞を保護することを示す実験結果である。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、0.1μg/ml〜10μg/ml Sac0902が含まれている培地に移した。48時間後、細胞形態を観察した結果である。
【図6a】図6aは、Sac0601が血清欠如−誘導細胞死滅から網膜内皮細胞を保護することを示す実験結果である。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、0.1μg/ml〜10μg/ml Sac0601が含まれている培地に移した。48時間後、DNA断片化をTUNEL分析で観察した。
【図6b】図6bは、Sac0504が血清欠如−誘導細胞死滅から網膜内皮細胞を保護することを示す実験結果である。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地のある24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、0.1μg/ml〜10μg/ml Sac050が含まれている培地に移した。48時間後、DNA断片化をTUNEL分析で観察した。
【図7a】図7aは、Rk1類似体であるsac0601がVEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維形成を抑制して、外皮アクチンリング構造の形成を誘導することを示す結果である。コンフルエントHUVECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、前記化合物(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図7b】図7bは、Rk1類似体であるsac0504がVEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維形成を抑制して、外皮アクチンリング構造の形成を誘導することを示す結果である。コンフルエントHUVECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、前記化合物(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図7c】図7cは、Rk1類似体であるSac0904及びSac0902がVEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維形成を抑制して、外皮アクチンリング構造の形成を誘導することを示す結果である。コンフルエントHUVECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、前記化合物(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図7d】図7dは、Rk1類似体であるSac−1004がVEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維形成を抑制して、外皮アクチンリング構造の形成を誘導することを示す結果である。コンフルエントHUVECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、前記化合物(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図8a】図8aは、コンフルエントHRECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、sac0601(図8aのパネルA)及びsac0504(図8aのパネルB)で60分間前処理した。次いで、細胞をオクルディン抗体で染色した。
【図8b】図8bは、コンフルエントHRECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前にsac0601(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞破砕物に対して、抗−オクルディン抗体でウェスタンブロットを行った。
【図8c】図8cは、コンフルエントHRECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前にSac−1004(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞破砕物に対して、抗−オクルディン抗体でウェスタンブロットを行った。
【図8d】図8dは、コンフルエントHRECsを20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前にSac−1004(10μg/ml)で60分間前処理した。細胞破砕物に対して、抗−オクルディン抗体でウェスタンブロットを行った。
【図9a】図9aは、コンフルエントHRECsを、sac0504及びsac0601で処理する前に20ng/ml VEGF(1時間)で刺激した。細胞を抗−オクルディン抗体で染色した。
【図9b】図9bは、コンフルエントHRECsを、sac0504及びsac0601で処理する前に20ng/ml VEGF(1時間)で刺激した。細胞をロダミンファロイジンで染色した。
【図10a】図10aは、Sac0601がVEGF−誘導網膜内皮細胞透過性を抑制することを示す結果である。HRECsをトランスウェルフィルターにプレーティングした。コンフルエンシに到達後、20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、sac0601で60分間前処理した。HREC透過度は、トランスウェルの下部に拡散される[14C]sucrose(1μCi/μl)の放射能量を液体シンチレーションカウンタで測定して決定した。
【図10b】図10bは、Sac0504がVEGF−誘導網膜内皮細胞透過性を抑制することを示す結果である。HRECsをトランスウェルフィルターにプレーティングした。コンフルエンシに到達後、20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、sac0504(図10b)で60分間前処理した。HREC透過度は、トランスウェルの下部に拡散される[14C]sucrose(1μCi/μl)の放射能量を液体シンチレーションカウンタで測定して決定した。
【図10c】図10cは、Sac−1004がVEGF−誘導網膜内皮細胞透過性を抑制することを示す結果である。HRECsをトランスウェルフィルターにプレーティングした。コンフルエンシに到達後、20ng/ml VEGF(1時間)で処理する前に、Sac−1004で60分間前処理した。HREC透過度は、トランスウェルの下部に拡散される[14C]sucrose(1μCi/μl)の放射能量を液体シンチレーションカウンタで測定して決定した。
【図11a】図11aは、糖尿マウスモデルにおいて、網膜の血管漏出をsac0601が完璧に抑制して、sac0504は部分的に抑制することを示す結果である。糖尿病マウスに10μg sac0601又は10μg sac0504を片眼の硝子体に注入した。注入24時間後、100μl FITC−Dextran(30mg/ml in filtered DW)を左心室に注入した。網膜を蛍光顕微鏡で観察した。
【図11b】図11bは、糖尿マウスモデルにおいて、網膜の血管漏出をsac0601が完璧に抑制して、sac0504は部分的に抑制することを示す結果である。糖尿病マウスに10μg sac0601又は10μg sac0504を片眼の硝子体に注入した。注入24時間後、100μl FITC−Dextran(30mg/ml in filtered DW)を左心室に注入した。網膜を蛍光顕微鏡(図11a)で観察して、蛍光強度を定量化した(図11b)。
【図11c】図11cは、糖尿マウスモデルにおいて、網膜の血管漏出をSac−0902が部分的に抑制することを示す結果である。糖尿病マウスに10μg Sac−0902を片眼の硝子体に注入した。注入24時間後、100μl FITC−Dextran(30mg/ml in filtered DW)を左心室に注入した。網膜を蛍光顕微鏡で観察して、蛍光強度を定量化した。
【図11d】図11dは、糖尿マウスモデルにおいて、網膜の血管漏出をSac−0904が完璧に抑制することを示す結果である。糖尿病マウスに10μg Sac−0904を片眼の硝子体に注入した。注入24時間後、100μl FITC−Dextran(30mg/ml in filtered DW)を左心室に注入した。網膜を蛍光顕微鏡で観察して、蛍光強度を定量化した。
【図11e】図11eは、糖尿マウスモデルにおいて、網膜の血管漏出をSac−1004が完璧に抑制することを示す結果である。糖尿病マウスに10μg Sac−1004を片眼の硝子体に注入した。注入24時間後、100μl FITC−Dextran(30mg/ml in filtered DW)を左心室に注入した。網膜を蛍光顕微鏡で観察した。
【図11f】図11fは、糖尿マウスモデルにおいて、網膜の血管漏出をSac−1004が完璧に抑制することを示す結果である。糖尿病マウスに10μg Sac−1004を片眼の硝子体に注入した。注入24時間後、100μl FITC−Dextran(30mg/ml in filtered DW)を左心室に注入した。網膜を蛍光顕微鏡(図11e)で観察して、蛍光強度を定量化した(図11f)。
【図12a】図12aは、マウスにおいて、VEGF−誘導血管漏出を、sac0601が大きく減少させることを示す結果である。01は、sac0601を示す。
【図12b】図12bは、マウスにおいて、VEGF−誘導血管漏出を、sac0601が大きく減少させることを示す結果である。01は、sac0601を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、実施例を通じて本発明を更に詳細に説明するが、これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとっては自明なことであろう。
【実施例】
【0080】
合成例
コレステロールの3位のOH基に多様なプソイド糖(pseudosugar)生物学的等価体(bioisostere)を導入した化合物の分子設計及び合成を行った。
【0081】
合成例1:Rk1誘導体の合成1
生物学的等価体として環形エーテルグループ及び開形アルキルエーテルグループを導入した化合物の分子設計及び合成を行った。特に、生理活性に重要な影響を及ぼすと予想される糖母核のテトラヒドロピラン基を中心に多様なテトラヒドロピラン誘導体を合成した。
【0082】
【化47】

[反応式1]
【0083】
1−1:SAC−0504の製造
コレステロール(TCI)100mgをジクロロメタン5mlに溶かした後、アルゴン気流下でジヒドロピラン(Aldrich)0.35mlとパラトルエンスルホン酸(TCI)18mgを加えて、室温で4時間攪拌した。前記反応液にエチルアセテート30mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:25)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0504(39.5mg,32%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.33(t,1H,J=4.8Hz),4.69(m,1H),3.89(m,1H),3.54−3.49(m,2H),2.34−2.29(m,2H),2.00−0.83(m,44H),0.65(s,3H)。
【0084】
合成例1−2:SAC−0507の製造
コレステロール97mgをジクロロメタン1mlに溶かした後、アルゴン気流下でジイソプロピルエチルアミン(Aldrich)0.087mlと2−メトキシエトキシメチルクロライド(TCI)0.3mlを加えて、室温で1時間攪拌した。前記反応液にアンモニウムクロライド水溶液を加えて反応を中断した後、エチルアセテート30mlを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:5)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0507(57mg,48%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.33(t,1H,J=4.8Hz),4.76(s,2H),3.70−3.67(m,2H),3.55−3.52(m,2H),3.43(m,1H),3.37(s,3H),2.36−2.19(m,2H),2.00−0.83(m,38H),0.64(s,3H)。
【0085】
合成例1−3:SAC−0520の製造
2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−α−D−グルコピラノシルブロミド(Tetrahedron lett. 31, 7441−7444(1990)) 244mgとコレステロール150mgを窒素気流下でジクロロメタン5mlに溶かした後、−20℃で2時間攪拌した。前記反応液をろ過した後、炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物1(140mg,45%)を得た。ナトリウムをメタノール/ジクロロメタン(1:1)2.4mlに溶かした後、アルゴン気流下で上記の反応を行って得た化合物1を加えて、室温で30分間攪拌した。前記反応液にアンモニウムクロライド水溶液を加えて反応を中断した後、ジクロロメタン30mlを添加して希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン/メタノール(4:5:1)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0520を得た:H−NMR(300MHz,pyridine−d):5.33(t,1H,J=4.8Hz),5.06(d,1H,J=7.7Hz),4.57(d,1H,J=9.5Hz),4.42(dd,1H,J=4.9,11.7Hz),4.31−4.28(m,2H),4.09−3.91(m,3H),2.72(d,1H,J=13Hz),2.47(t,1H,J=11.5Hz),2.10−0.88(m,42H),0.64(s,3H)。
【0086】
【化48】

[反応式2]
【0087】
合成例1−4:SAC−0516の製造
水素化ナトリウム(Aldrich)42mgをジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン混合溶液5mlに溶かした後、アルゴン気流下でコレステロール200mgを加えて、室温で30分間攪拌した。ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン混合溶液に溶かしたグリシジルトシレート(Aldrich)294mgを反応溶液に徐々に加えた後、常温で1日間攪拌した。前記反応液にアンモニウムクロライド水溶液を加えて反応を中断した後、ジエチルエーテル30mlを添加して希釈し、10%水酸化ナトリウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0516(72mg,31%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.33(t,1H,J=4.8Hz),3.70(dd,1H,J=3.3,11.4Hz),3.45(dd,1H,J=5.7,11.3Hz),3.25−3.09(m,2H),2.78(t,1H,J=4.6Hz),2.59(dd,1H,J=2.76,4.95Hz),2.40−2.10(m,2H),2.02−1.66(m,5H),2.00−0.83(m,33H),0.64(s,3H)。
【0088】
合成例1−4:SAC−0519の製造
前記合成例1−1を通じて製造されたSAC−0504 40mgをエチルアセテート3mlに溶かして、10%パラジウム/活性炭を触媒量添加した後、水素で置換して室温で30分間攪拌した。エチルアセテートで希釈して、セライトを利用してろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:20)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0519を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):4.69(m,1H),3.89(m,1H),3.61−3.42(m,2H),2.00−0.83(m,48H),0.65(s,3H),0.59(m,1H)。
【0089】
合成例1−5:SAC−0601の製造
コレステロール1gをジエチルエーテル20mlに溶かした後、アルゴン気流下でトリ−O−アセチル−D−グルカル(Aldrich)2.04gとボロントリフルオリド・ジエチルエーテル(Aldrich)1.27mlを加えて、0℃で3時間攪拌した。前記反応液にジエチルエーテル30mlを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:5)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0601(643mg,43%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.87−5.77(m,2H),5.33(m,1H),5.26(dd,1H,J=1.47,9.15Hz),5.15(m.1H),4.25−4.06(m,3H),3.54(m,1H),2.42−2.27(m,2H),2.07(s,3H),2.05(s,3H),2.02−0.83(m,38H),0.65(s,3H)。
【0090】
合成例1−6:SAC−0522の製造
合成例1−5を通じて製造されたSAC−0601 350mgと炭酸カリウム322mgをメタノール/水(2:1)15mlに溶かした後、0℃で2日間攪拌した。前記反応液にジクロロメタン70mlを添加して希釈し、水と塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン/メタノール(20:40:3)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0522(585mg,78%)を得た:H−NMR(400MHz,CDCl):5.96(d,1H,J=10.2Hz),5.75(td,1H,J=2.23,10.2Hz),5.36(d,1H,J=6.7Hz),5.13(bs,1H),4.21(bs,1H),3.92−3.80(m,2H),3.76(m,1H),3.54(m,1H),2.42−2.27(m,2H),2.02−0.83(m,40H),0.65(s,3H)。
【0091】
合成例1−7:SAC−0602の製造
水素化ナトリウム34mgをテトラヒドロフラン4mlに溶かした後、アルゴン気流下で、合成例1−5で製造されたSAC−0522 87mgを加えて、0℃で1時間攪拌した。ヨードメタン(Aldrich)0.1mlを反応溶液に徐々に加えた後、常温で1日間攪拌した。前記反応液にエチルアセテート20mlを添加して希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0602(30mg,32%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):6.04(d,1H,J=10.2Hz),5.72(d,1H,J=11.2Hz),5.32(d,1H,J=5.1Hz),5.12(d,1H,J=2.6Hz),2.42−2.29(m,2H),2.02−1.69(m,5H),1.59−0.76(m,44H),0.65(s,3H)。
【0092】
【化49】

[反応式3]
【0093】
合成例1−8:SAC−0518の製造
コレステロール108mgをジクロロメタン10mlに溶かした後、アルゴン気流下でトリ−O−アセチル−D−グルカル(Aldrich)320mgとパラトルエンスルホン酸(TCI)11mgを加えて、室温で2時間攪拌した。前記反応液にエチルアセテート30mlを添加して希釈し、水と塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:25)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0518(60mg,26%)を得た:α isomer−H−NMR(300MHz,CDCl):8.03−7.90(m,6H),7.52−7.45(m,3H),7.40−7.33(m,6H),5.74(m,1H),5.48(m,1H),5.30(m,1H),5.20(m,1H),4.53−4.41(m,3H),3.54(m,1H),2.40−0.84(m,42H),0.65(s,3H);β isomer−H−NMR(300MHz,CDCl):8.03−7.90(m,6H),7.52−7.45(m,3H),7.40−7.33(m,6H),5.49−5.32(m,2H),5.20(m,1H),4.86(m,1H),4.53−4.41(m,2H),3.98(m,1H),3.54(m,1H),2.40−0.84(m,42H),0.65(s,3H)。
【0094】
合成例1−9:SAC−0521の製造
ナトリウムをメタノール/ジクロロメタン(1:1)6mlに溶かした後、アルゴン気流下で、合成例1−8で製造されたSAC−0518 57mgを加えて、室温で1時間20分間攪拌した。前記反応液にアンモニウムクロライド水溶液を加えて反応を中断した後、ジエチルエーテル30mlを添加して希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン/メタノール(40:20:1)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物 SAC−0521(30mg,84%)を得た:α isomer−H−NMR(500MHz,CDCl):5.32(m,1H),5.02(d,1H,J=2.1Hz),3.99(m,1H),3.85−3.82(m,2H),3.67(d,1H,J=8.95Hz),3.55−3.40(m,2H),2.26−0.84(m,45H),0.65(s,3H);β isomer−H−NMR(500MHz,CDCl):5.32(m,1H),4.68(d,1H,J=9.3Hz),3.85−3.82(m,2H),3.67(d,1H,J=8.95Hz),3.55−3.40(m,2H),3.26(m,1H),2.26−0.84(m,45H),0.65(s,3H)。
【0095】
[反応式4]
【化50】

【0096】
合成例1−10:SAC−0603の製造
コレステロール592mgを無水アセトニトリル6mlに溶かした後、アルゴン気流下でトリ−O−メチル−D−グルカル(Aldrich)288mgとセリックアンモニウムニトリト(Aldrich)触媒量を加えて、室温で2日間攪拌した。前記反応液にジエチルエーテル50mlを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:25)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0603(19mg,2%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.28(m,2H),5.06(m,1H),3.70−3.50(m,5H),3.52(s,3H),3.43(s,3H),3.39(s,3H),3.17(t,1H,J=9.0Hz)2.26−0.84(m,41H),0.65(s,3H)。
【0097】
合成例2:Rk1誘導体の合成2
プソイド糖のOH基を代替できる生物学的等価体として作用可能な多様な作用基を導入させた誘導体を分子設計して合成した。
【0098】
【化51】

[反応式5]
【0099】
合成例2−1:SAC−0514の製造
コレステロール70mgをクロロホルム2mlに溶かした後、アルゴン気流下でサルファトリオキシド・ピリジン複合体(Aldrich)86mgを加えて、室温で1日間攪拌した。前記反応液を2N塩酸溶液で酸性化させた後、エチルアセテート20mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をジクロロメタン/メタノール(7:1)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0514を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.28(m,2H),5.06(m,1H),3.70−3.50(m,5H),3.52(s,3H),3.43(s,3H),3.39(s,3H),3.17(t,1H,J=9.0Hz)2.26−0.84(m,41H),0.65(s,3H)。
【0100】
合成例2−2:SAC−0510の製造
下記合成例2−4で製造されたSAC−0509をジクロロメタン1mlに溶かした後、アルゴン気流下でグラブス2nd触媒(Aldrich)を触媒量加えて、次いでブテンジオールを過量加えた後、室温で1時間攪拌した。前記反応液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:5)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0510(12mg,30%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.93−5.76(m,2H),5.33(d,1H,J=5.1Hz),4.14(d,2H,J=4.7Hz),4.01(d,2H,J=5.13),3.19(m,1H),2.33(m,1H),2.20(m,1H),2.03−1.74(m,5H),1.54−0.84(m,34H),0.65(s,3H)。
【0101】
【化52】

[反応式6]
【0102】
合成例2−3:SAC−0505の製造
コレステロール20mgをクロロホルム1mlに溶かした後、アルゴン気流下でトリクロロアセチルイソシアネート(Aldrich)0.04mlを加えて、室温で2時間攪拌した。前記反応液を、アルミニウムオキシドを利用してろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、目的化合物SAC−0505を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.27(m,1H),4.45−4.39(m,3H),2.29−2.22(m,2H),1.98−1.77(m,5H),1.55−0.78(m,33H),0.61(s,3H)。
【0103】
合成例2−4:SAC−0509の製造
水素化ナトリウム41mgをジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン混合溶液3mlに溶かした後、アルゴン気流下でコレステロール200mgを加えて、室温で1時間攪拌した。アリルブロマイド(Aldrich)0.44mlを反応溶液に徐々に加えた後、常温で1日間攪拌した。エチルアセテート30mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:20)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0509(80mg,36%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.90(m,1H),5.36−5.11(m,3H),4.00(td,2H,J=1.26,5.7Hz),2.38−2.16(m,2H),2.02−0.81(m,39H),0.61(s,3H)。
【0104】
合成例2−5:SAC−0511の製造
コレステロール100mgをアセトニトリル/ジクロロメタン(3:1)2mlに溶かした後、アルゴン気流下で4−メチルモルホリン(Alfa aesar)0.12mlを徐々に加えて、室温で30分間攪拌した。次いでメチルプロピオレート0.1mlを徐々に加えて、室温で2時間攪拌した。前記反応液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0511(75mg,64%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):7.53(d,1H,J=12.5Hz),5.37(d,1H,J=5.0Hz)5.24(d,1H,J=12.5Hz),3.76(m,1H),3.67(s,3H),2.37−2.35(m,2H),2.22−0.81(m,38H),0.61(s,3H)。
【0105】
合成例2−6:SAC−0513の製造
合成例2−5で製造されたSAC−0511をメタノール1mlに溶かして、10%パラジウム/活性炭を触媒量添加した後、水素で置換して室温で2時間攪拌した。エチルアセテートで希釈して、セライトを利用してろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物2を得た。製造された2をテトラヒドロフラン0.5mlに溶かした後、アルゴン気流下で徐々にテトラヒドロフランに溶かして製造したリチウムアルミニウムヒドライド(Aldrich)1モル溶液0.1mlを徐々に加えた。0℃で5分間攪拌した後、水、メタノールとエチルアセテートを入れて、再び3時間攪拌した。前記反応液を塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、目的化合物SAC−0513(27mg,61%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):3.75(t,2H,J=5.4Hz),3.65(m,2H),3.21(m,1H),2.20(bs,1H),1.95−0.76(m,43H),0.61(s,3H)。
【0106】
合成例3:Rk1誘導体の合成3
プソイド糖のOH基を代替できる生物学的等価体として多様なアリール作用基を導入させた誘導体を分子設計して合成した。
【0107】
【化53】

[反応式7]
【0108】
合成例3−1:SAC−0523の製造
コレステロール400mgをジクロロメタン10mlに溶かした後、−20℃に温度を下げて、テトラブチルアンモニウムブロミド(Aldrich)120mg,4−ニトロベンジルブロミド(Aldrich)860mgと50%水酸化カリウム水溶液10mlを加えて、室温で3日間攪拌した。ジクロロメタン60mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0523(24mg,6%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):8.18(d,2H,J=8.8Hz),7.49(d,2H,J=8.8Hz),5.34(m,1H),4.64(s,2H),3.27(m,1H),2.43−2.24(m,2H),2.03−1.75(m,5H),1.54−0.81(m,33H),0.66(s,3H)。
【0109】
合成例3−2:SAC−0605の製造
水素化ナトリウム149mgをテトラヒドロフラン5mlに溶かした後、アルゴン気流下でコレステロール260mg、テトラブチルアンモニウムイオジド51mgとt−ブチル 4−(ブロモメチル)フェニルカーバメート(Synthesis. 22, 3619−3624(2008))400mgを0℃で加えた。前記反応液の温度を70℃に上げて、3日間還流した。ジクロロメタン30mlを添加して希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:20)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0605(40mg,7%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):7.32−7.27(m,2H),7.03−6.96(m,2H),5.34(m,1H),4.49(s,2H),3.24(m,1H),2.40−2.25(m,2H),2.01−1.82(m,5H),1.54−0.81(m,43H),0.66(s,3H)。
【0110】
合成例3−3:SAC−0902の製造
水素化ナトリウム42mgをテトラヒドロフラン3mlに溶かした後、アルゴン気流下でコレステロール100mgを加えて、室温で30分間攪拌した。テトラブチルアンモニウムイオジド51mgと2−ブロモメチルナフタレン(Aldrich)69mgを加えた後、常温で1日間攪拌した。ジエチルエーテル30mlを添加して希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:15)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0902(13mg,9%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):7.82−7.77(m,2H),7.48−7.41(m,2H),5.33(d,1H,J=5.1Hz),3.31(m,1H),2.46−2.27(m,2H),2.00−1.74(m,5H),1.66−0.83(m,38H),0.66(s,3H)。
【0111】
【化54】

[反応式8]
【0112】
合成例3−4:SAC−0703の製造
銀箔紙で包んだ反応容器にコレステロール506mgと水素化ナトリウム(60%)140mgを入れて、テトラヒドロフラン3mlに溶かした後、アルゴン気流下でシルバーテトラフルオロボレート(Aldrich)255mgと2−クロロピリミジン(TCI)100mgを加えて、3日間還流した。水で反応を中断し、減圧ろ過した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:15)の混合溶液で再結晶を行って、目的化合物SAC−0703(123mg,30%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):8.47(d,2H,J=5.0Hz),6.86(t,1H,J=4.8Hz),5.39(m,1H),4.87(m,1H),2.5−2.45(m,2H),2.02−1.79(m,5H)1.56−0.83(m,33H),0.66(s,3H)。
【0113】
合成例3−5:SAC−0702の製造
水素化ナトリウム42mgをテトラヒドロフラン4mlに溶かした後、アルゴン気流下でコレステロール200mgを加えて、室温で30分間攪拌した。2,4−ジクロロピリミジン(Aldrich)88mgを加えた後、常温で1日間攪拌した。ジクロロメタン30mlを添加して希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:30)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0702を得た:SAC−0702−1;H−NMR(300MHz,CDCl):8.33(d,1H,J=5.1Hz),6.91(d,1H,J=5.1Hz),5.40(m,1H),5.00(m,1H),2.50−2.40(m,2H),2.02−0.83(m,38H)0.67(s,3H);SAC−0702−2;H−NMR(300MHz,CDCl):8.23(d,1H,J=5.1Hz),6.57(d,1H,J=5.1Hz),5.40(m,1H),4.85(m,1H),2.50−2.40(m,2H),2.02−0.83(m,38H)0.67(s,3H)。
【0114】
合成例4:Rk1誘導体の合成4
コレステロールの3位のOH基の絶対配列(absolute configuration)が反対である誘導体を分子設計して、合成を行った。
【0115】
【化55】

[反応式9]
【0116】
合成例4−1:SAC−0612の製造
コレステロール2gをテトラヒドロフラン10mlに溶かした後、アルゴン気流下でトリフェニルホスフィン(Aldrich)5.15g,4−ニトロベンゾ酸(Aldrich)3.45g、ジエチルアゾジカルボキシレート(Aldrich)4.23mlを加えて、室温で13時間攪拌した後、40℃で30分間攪拌した。ジエチルエーテル100mlを添加して希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物を得た。これをテトラヒドロフラン7mlに溶かした後、0℃に温度を下げ、5%水酸化ナトリウム水溶液6mlを加えた。室温で12時間攪拌した後、クロロホルム50mlを添加して希釈し、水、1N塩酸溶液と塩化ナトリウムで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:4)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0612(480mg,24%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.39(m,1H),3.99(m,1H),2.55(m,1H),2.07(t,1H,J=2.6Hz),2.02−0.83(m,39H),0.66(s,3H)。
【0117】
合成例4−2:SAC−0613の製造
前記反応で得られたSAC−0612 49mgをジクロロメタン2mlに溶かした後、アルゴン気流下でジヒドロピラン(Aldrich)0.12mlとパラトルエンスルホン酸7mgを加えて、室温で4時間攪拌した。前記反応液にエチルアセテート30mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:25)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0504(28mg,47%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl):5.24(m,1H),4.59(m,1H),3.89−3.82(m,2H),3.44(m,1H),2.46−2.18(m,2H),2.00−0.83(m,44H),0.65(s,3H)。
【0118】
合成例5:Rk1/Rg3誘導体の合成1
生物学的等価体として環形エーテル基を導入すると同時に、Rk1鎖位置の二重結合とRg3鎖位置のアルコール基を導入した化合物の分子設計及び合成を行った。特に生理活性に重要な影響を及ぼすと予想されるテトラヒドロピラン基とトリ−O−アセチル−D−グルカン基を導入した誘導体を合成した。
【0119】
【化56】

[反応式10]
【0120】
合成例5−1:SAC−0903の製造
プレグネノロン(TCI)500mgをジクロロメタン8mLに溶かした後、アルゴン気流下でジヒドロピラン(Aldrich)0.72mlとパラトルエンスルホン酸(TCI)76mgを加えて、室温で8時間攪拌した。前記反応液にエチルアセテート20mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、化合物1(403mg,63.6%)を得た。
【0121】
アルゴン気流下でマグネシウムターニング(Aldrich)39mgをジエチルエーテル1mLに溶かした後、アイオジンを触媒量だけ添加し、1−ブロモ−4−メチルペンタン(Aldrich)0.03mLを徐々に加えた。マグネシウムが全てなくなると、化合物1 50mgをジエチルエーテル2mLに溶かして徐々に入れた。10分間後、前記反応液に2N塩酸溶液を加えて反応を中断し、エチルアセテート20mLで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0903(11mg,18%)を得た:H−NMR(500MHz,CDCl)δ5.33(t,1H,J=6.25Hz),4.69(m,1H),3.90(m,1H),3.53−3.45(m,2H),2.34−2.30(m,2H),2.20−0.82(m,47H)。
【0122】
合成例5−2:SAC−0909の製造
前記合成例1−1を通じて製造されたSAC−0903 50mgをアルゴン気流下でジクロロメタン3mLに溶かした後、0℃に温度を下げ、トリエチルアミン(Aldrich)0.07mLと塩化メチンスルホニル(Aldrich)0.015mLを加えた。温度を上げて40℃で3時間攪拌した後、再び常温に温度を下げ、ジクロロメタン10mLを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液を入れて洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物を得た:SAC−0909−1;H−NMR(500MHz,CDCl3)δ5.34(m,1H),4.84(s,1H),4.74(s,1H),4.69(m,1H),3.90(m,1H),3.53−3.45(m,2H),2.34−0.52(m,45H).SAC−0909−2;H−NMR(300MHz,CDCl)δ5.34(m,1H),5.15(m,1H),4.69(m,1H),3.90(m,1H),3.53−3.45(m,2H),2.34−0.52(m,46H)。
【0123】
合成例5−3:SAC−0905の製造
アルゴン気流下でイソヘキシルトリフェニルホスホニウムブロマイド(J. Org. Chem., 44, 3760−3765(1979))900mgをベンゼン8mLに溶かした後、カリウム−t−ブトキシド1モル溶液(Alfa Aesar)2.1mLを入れて25分間還流させた。プレグネノロン(TCI)200mgをベンゼン2mLに溶かした後、注射器で前記反応液に溶かし、2時間25分間還流させた。常温に温度を下げた後、水20mLを添加して反応を中断し、ジエチルエーテルで抽出して、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:5)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って知られた目的化合物2(54mg,22%)を得た。製造された化合物2 23mgをアルゴン気流下でジクロロメタン4mLに溶かした後、ジヒドロピラン(Aldrich)0.04mlとパラトルエンスルホン酸(TCI)3mgを加えて、室温で3時間攪拌した。前記反応液にエチルアセテート10mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0905(16mg,57%)を得た:H−NMR(500MHz,CDCl)δ5.33(m,1H),5.15(m,1H,),4.69(m,1H),3.90(m,1H),3.53−3.45(m,2H),2.34−2.29(m,2H),2.21−0.52(m,44H)。
【0124】
【化57】

[反応式11]
【0125】
合成例5−4:SAC−0902の製造
アルゴン気流下でマグネシウムターニング(Aldrich)92mgをテトラヒドロフラン3mLに溶かした後、アイオジンを触媒量だけ添加し、1−ブロム化−4−メチルペンタン(Aldrich)0.69mLを徐々に加えた。マグネシウムが全てなくなると、プレグネノロン(Aldrich)200mgをテトラヒドロフラン4mLに溶かして徐々に入れた。10分間後、前記反応液に2N塩酸溶液を加えて反応を中断し、エチルアセテート20mLで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、商業的に購入可能な化合物3(95mg,15%)(Fluka H6378)を得た。
【0126】
化合物3 43mgをジエチルエーテル5mLに溶かした後、アルゴン気流下でトリ−O−アセチル−D−グルカル(Aldrich)81mgとボロントリフルオリド・ジエチルエーテル(Aldrich)0.012mlを加えて、0℃で1時間攪拌した。前記反応液にジエチルエーテル30mlを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0902(7.6mg,12%)を得た:H−NMR(500MHz,CDCl)δ5.86(d,1H,J=10.2Hz),5.81(d,1H,J=10.2Hz),5.38(m.1H),5.27(m,1H),5.14(m,1H),4.23−4.09(m.3H),3.55(m,1H),2.41−2.32(m,2H),2.07−2.06(m,7H),2.14−0.52(m,38H)。
【0127】
合成例5−5:SAC−0904の製造
合成例5−3で製造された化合物2 317mgをジエチルエーテル15mLに溶かした後、アルゴン気流下でジエチルエーテル7mlに溶かしたトリ−O−アセチル−D−グルカル(Aldrich)672mgとボロントリフルオリド・ジエチルエーテル(Aldrich)0.3mlを加えて、0℃で3時間攪拌した。前記反応液を室温に温度を上げた後、ジエチルエーテル30mlを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−0904(270mg,54.9%)を得た:H−NMR(500MHz,CDCl)δ5.86(d,1H,J=10.2Hz),5.81(d,1H,J=10.2Hz),5.34(m.1H),5.28(d,1H,J=9.0Hz),5.15−5.13(m,2H),4.25−4.14(m.3H),3.54(m,1H),2.40−2.30(m,2H),2.07−2.06(m,6H),2.02−0.52(m,38H)。
【0128】
合成例6:Rk1/Rg3誘導体の合成2

【化58】

[反応式12]
【0129】
合成例6−1:SAC−1001の製造
アルゴン気流下で(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロマイド(TCI)665mgをトルエン4mLに溶かした後、カリウム−t−ブトキシド(Alfa Aesar)1.76mLを入れて、2時間還流させた。前記合成例1−1で得た化合物1 200mgをトルエン2mLに溶かし、前記反応液に加えた後、14時間還流させた。常温に温度を下げた後、2N塩酸溶液でpH3に調節し、エチルアセテート20mLで希釈して、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過し、減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン/アセト酸(50:100:1)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、SAC−1001(158mg,65%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl)δ5.32(m,1H),5.13(m,1H),4.71(m,1H),3.89(m,1H),3.53−3.44(m,2H),2.37−0.53(m,42H)。
【0130】
合成例6−2:SAC−1002の製造
前記合成例6−1で得たSAC−1001 158mgをメタノール/ジクロロメタン(1:2)6mlに溶かした後、トリメチルシリルジアゾメタン2M溶液(Aldrich)0.31mLを徐々に加えた。泡がそれ以上立たなくなると、減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:15)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−1002(113.8mg,70%)を得た:H−NMR(400MHz,CDCl)δ5.33(m,1H,),5.14−5.11(t,1H,J=6.9Hz),4.69(m,1H),3.90(m,1H),3.64(s,3H),3.53−3.44(m,2H),2.34−0.52(m,41H)。
【0131】
合成例6−3:SAC−1003の製造
前記合成例6−2で得たSAC−1002 120mgをメタノール5mLに溶かした後、パラトルエンスルホン酸(TCI)11mgを入れて、常温で1時間攪拌させた。前記反応液にジエチルアセテート10mlを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:5)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、SAC−1003(85mg,85%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl)δ5.35(m,1H),5.16−5.12(t,1H,J=7.1Hz),3.66(s,3H),3.52(m,1H),2.33−2.22(m,4H),2.10−0.63(m,29H),0.53(s,3H)。
【0132】
合成例6−4:SAC−1004の製造
合成例6−3で製造されたSAC−1003 13.4mgをテトラヒドロフラン1mLに溶かした後、アルゴン気流下でトリ−O−アセチル−D−グルカル(Aldrich)26mgとボロントリフルオリド・ジエチルエーテル(Aldrich)0.012mlを加えて、0℃で10時間攪拌した。前記反応液を室温に温度を上げた後、ジエチルエーテル5mlを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−1004(11mg,56%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl)δ5.89−5.80(m,2H),5.37−5.27(m.2H),5.17−5.14(m,2H),4.23−4.16(m,3H),3.66(s.3H),3.56(m,1H),2.38−2.28(m,4H),2.17−0.53(m,37H)。
【0133】
【化59】

[反応式13]
【0134】
合成例6−5:SAC−1005の製造
前記合成例6−1で得たSAC−1001 300mgをジメチルホルムアミド4mLに溶かした後、ブロム化アリル0.08mLとカリウム重炭酸塩185mgを加えた。15時間攪拌させた後、エチルアセテート15mlで希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過した。残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−1005(195mg,60%)を得た:H−NMR(500MHz,CDCl)δ5.89(m,1H),5.39−5.07(m,4H),4.69(m,1H),4.56−4.55(m,2H),3.91−3.88(m,1H),3.53−3.45(m,2H),2.38−0.81(m,41H)。
【0135】
合成例6−6:SAC−1006の製造
前記合成例6−5で得たSAC−1005 195mgをアリルアルコール5mLに溶かした後、パラトルエンスルホン酸(TCI)16mgを入れて常温で1時間攪拌させた後、前記反応液にエチルアセテート20mLを添加して希釈し、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:15)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、SAC−1006(98mg,60%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl)δ5.92(m,1H),5.35−5.11(m,4H),4.57−4.55(m,2H),3.51(m,1H),2.35−2.22(m,4H),2.10−0.53(m,32H)。
【0136】
合成例6−7:SAC−1007の製造
前記合成例6−6で製造されたSAC−1006 191.8mgをテトラヒドロフラン10mLに溶かした後、アルゴン気流下でトリ−O−アセチル−D−グルカル(Aldrich)355mgとボロントリフルオリド・ジエチルエーテル(Aldrich)0.32mlを加えて、0℃で10時間攪拌した。前記反応液を室温に温度を上げた後、ジエチルエーテル30mlを添加して希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をエチルアセテート/ヘキサン(1:10)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−1007(139mg,49%)を得た:H−NMR(300MHz,CDCl)δ5.97−5.79(m,3H),5.34−5.12(m.6H),4.57−4.55(m,2H),4.26−4.07(m,3H),3.55(m,1H),2.37−2.30(m,4H),2.17−0.53(m,37H)。
【0137】
合成例6−8:SAC−1008の製造
合成例6−7で製造されたSAC−1007 67mgをテトラヒドロフラン5mLに溶かした後、アルゴン気流下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Aldrich)136mgとモルフォリン(Aldrich)0.01mlを加えて、12時間攪拌した。前記反応液を2N塩酸溶液で反応を終了させた後、ジエチルエーテル5mlを添加して希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をジクロロメタン/メタノール(10:1)の混合溶出液でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って、目的化合物SAC−1008(12.5mg,20%)を得た:H−NMR(400MHz,CDCl)δ5.92−5.78(m,2H),5.33−5.26(m,2H),5.19−5.08(m,2H),4.24−4.07(m,3H),3.54(m,1H),2.41−2.31(m,3H),2.23−0.52(m,39H)。
【0138】
実験例
培養例:血管内皮細胞の培養
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)と網膜血管内皮細胞をcell−systems(USA)で購入し、20%(w/v)牛胎児血清(FBS, HyClone, Canada)、100units/mlのペニシリン(penicillin, Invitrogen, USA)、100μg/mlのストレプトマイシン(streptomycin, Invitrogen, USA)、3ng/mlの線維芽細胞成長因子(bFGF; basic fibroblast growth factor, Upstate Biotechnology, USA)及び5units/mlのヘパリンを含有したM199培地(Life Technologies, USA)が入っている100mmの培養ディッシュ(dish)に接種した後、37℃の5%CO培養器で培養した。
【0139】
実験例1:血管内皮細胞死滅抑制能による合成誘導体のスクリーニング
本発明者らの先行研究結果に基づき、血管内皮細胞死滅抑制機能と透過性抑制機能を有したステロイド骨格を有したRk1の合成誘導体をスクリーニングした。第1のスクリーニング方法で血管内皮細胞の死滅抑制能を測定した。血管内皮細胞の1種であるHUVECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地1mlが入った24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を、前記合成例1−4で合成された化合物5μg/ml(図1a)又は10μg/ml(図1b)を含む血清−欠如M199培地に移した。24時間及び48時間後、細胞生存度をMTT分析(Mosmann T, Journal of Immunological Methods 65(1−2):55−63(1983); Cory AH, et al., Cancer Communications 3(7):207−12(1991))で決定した。その結果、Sac0504とSac0601合成誘導体の場合、Rk1と同程度の細胞死滅抑制機能をするということを確認した。また、細胞の形態変化の観察結果からも血管内皮細胞保護機能があることを確認した(図2a)。
【0140】
合成例5で合成された化合物に対して、上記と同一な方式で網膜血管内皮細胞(HREC;human retina endothelial cells)に化合物を処理し、48時間後、MTT分析を行った。図1cから分かるように、合成例5で合成された化合物が細胞死滅抑制能を示して、特に、Sac−0904とSac−0902合成誘導体の場合、Sac−0601より改善された細胞死滅抑制能を示した。また、細胞の形態変化の観察結果からも血管内皮細胞保護機能があることを確認した(図2b)。
【0141】
優れた活性のSAC−0904に対する物性、特に水溶性(water solubility)(SAC−0904のcLogP値:9.9114)を改善して新薬候補物質としての価値を高めるために、cLogP値を低めることができて且つ活性維持にも適した生物学的等価体であるエステル基を導入した化合物を製造した(参照:合成例7)。SAC−1004の場合、cLogP値が7.9424であって、水溶性が改善されただけではなく、SAC−0904より改善された血管内皮細胞保護能力を示した。また、エステル基導入により形成されたメチルエステルを加水分解した形態である酸化合物の合成を試みて、水溶性の改善及び活性の維持を図った。合成例6で合成された化合物に対して、上記と同一な方式で化合物処理48時間後、MTT分析を行った。図1d〜1eから分かるように、水溶性を改善するために新しく合成された化合物の場合、SAC−0904と類似した細胞死滅抑制能を示して、SAC−1004は、SAC−0904より増加された細胞死滅抑制能を示した。また、細胞の形態変化の観察結果も、合成例7で合成された化合物に血管内皮細胞保護機能があることを示した(図2c〜2d)。
【0142】
実験例2:細胞骨格変化による合成誘導体のスクリーニング
細胞骨格をなすアクチンの構造変化が血管内皮細胞の透過性と密接な連関があると知られている。血管内皮細胞の透過性が増加する場合、アクチンストレス繊維の形成が増加して、外皮アクチンリング構造は減少する。これを利用して、Rk1合成誘導体の血管内皮透過性抑制能をスクリーニングした。コンフルエントHUVECsを20ng/ml VEGF(Upstate Biotechnology)1時間処理前に、合成化合物10μg/mlで前記細胞を前処理した。次いで、細胞を4%パラホルムアルデヒドで20分間室温にて固定化させて、PBS(pH7.4)で3回洗浄した。次いで、細胞を0.1% Triton X−100/PBSで透過化させて、ロダミンファロイジン(Molecular Probes)0.1mg/mlで1時間反応した。次いで、蛍光顕微鏡(Olympus)下で細胞を観察した。血管細胞死滅抑制能スクリーニング結果と同様に、Sac0504とSac0601が、VEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維の形成を抑制させて、外皮アクチンリング構造を増加させる結果を確認した(図3a)。また、合成例5で合成された化合物もアクチンストレス繊維の形成を抑制させる効果を示して、特にSac−0904とSac−0902合成誘導体を前処理した場合、VEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維の形成を抑制して、外皮アクチンリングの構造を増加させる結果を確認した(図3b)。一方、合成例6で合成された化合物も、アクチンストレス繊維の形成を抑制する効果を示し、特に、Sac−1004合成誘導体を前処理した時、VEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維の形成を抑制して、外皮アクチンリングの構造を増加させる結果を確認した(図3c)。
【0143】
実験例3:合成誘導体の網膜血管内皮細胞(HRECs)において細胞死滅抑制能及び細胞骨格構造の変化確認
前記実験の結果によって1次スクリーニングした15種の合成誘導体のうち、HUVECにおいて血管内皮細胞保護能と透過性抑制能に優れた特性を示すと推定される2種の合成誘導体(Sac0504及びSac0601)を選別した。これをまた他の血管内皮細胞である網膜血管内皮細胞に処理して、細胞死滅抑制能をもう1回確認した。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地1mlが入った24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を前記合成誘導体Sac0601 0.1μg/ml〜10μg/ml(図4a)又はSac0504 0.1μg/ml〜10μg/ml(図4b)を含む血清−欠如M199培地に移した。48時間後、細胞生存度を前記実験例1のMTT分析方法と同様に行って測定した。HUVECにおける実験結果と同様に、Sac0601とSac0504の二つの化合物とも、血清の除去により誘導される細胞死滅から網膜血管内皮細胞を保護する機能があることを示した(図4a、4b及び図5a)。
【0144】
前記実験の結果によって1次スクリーニングした15種の合成誘導体(合成例5)のうち、HUVECにおいて血管内皮細胞保護能と透過性抑制能に優れた特性を示すと推定される2種の合成誘導体(Sac0904及びSac0902)を選別した。上記と同様に実験を進行し、網膜血管内皮細胞に対する細胞死滅抑制能を再確認した。Sac0904及びSac0902の2つの化合物とも、濃度依存的に血清の除去により誘導される細胞死滅から血管内皮細胞を保護する機能があることを示した(図4c〜4d及び図5b)。Sac0904及びSac0902の2つの化合物は、濃度依存的に血管内皮細胞を効果的に保護することが分かる。合成例6で合成された化合物、特にSac−1004も濃度依存的に血清の除去により誘導される細胞死滅から血管内皮細胞を保護する機能があることを示した(図4e及び図5c)。
【0145】
また、細胞死滅時に特異的に現れる染色体断片化を標識した。HRECs(3×10cells/well)を、20%牛胎児血清を含むM199培地1mlが入った24−ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を前記合成誘導体Sac0601 0.1μg/ml〜10μg/ml(図6a)又はSac0504 0.1μg/ml〜10μg/ml(図6b)を含む血清−欠如M199培地に移した。48時間後、PBSで2回細胞を洗浄し、2%パラホルムアルデヒドで固定させた後、再びPBSで2回洗浄した後、DAPI(4’,6−Diamidino−2−phenylindole−2HCl, Calbiochem, USA)溶液を入れた後、暗室で30分間反応して、PBSで2回洗浄した後、カバーグラスで覆ってマウンティング(mounting)した後、蛍光顕微鏡を利用し、DNA断片化程度を観察した。実験結果、Sac0601とSac0504によりDNA断片化が抑制されることを確認し、これは、網膜血管内皮細胞保護能が細胞死滅の抑制によるものであることを示す(図6)。
【0146】
コンフルエントHRECsに10μg/ml Sac0601又はSac0504を1時間処理した後、20ng/ml VEGFを1時間処理した。次いで、細胞を4%パラホルムアルデヒドで、20分間室温で固定化させて、PBS(pH7.4)で3回洗浄した。次いで、細胞を0.1% Triton X−100/PBSで透過化させて、ロダミンファロイジン(Molecular Probes)0.1mg/mlで1時間反応した。次いで、蛍光顕微鏡(Olympus)下で細胞を観察した。その結果、Sac0601及びSac0504は、VEGFにより誘導されるアクチンストレス繊維の形成を抑制して、これと同時に外皮アクチンリングの形成を増加させた(図7a及び図7b)。合成例5で合成された化合物に対しても、アクチン細胞骨格分析を上記と同様に行った。Sac0904及びSac0902の2つの化合物とも、血管浸透性に密接な関係があるアクチン細胞骨格の変化にも濃度依存的に影響を及ぼすことを確認した(図7c)。Sac0904及びSac0902は、アクチンストレス繊維の形成を抑制して、これと同時に外皮アクチンリングの形成を増加させた(図7c)。また、合成例6で製造されたSac−1004もアクチンストレス繊維の形成を抑制して、外皮アクチンリング構造の形成を増加させた(図7d)。
【0147】
実験例4:合成誘導体が細胞接触面における密着接合(TJ)の安定性に及ぼす影響の分析
(a)VEGFにより誘導されるTJ安定性変化の抑制効果分析
血管透過性は、血管細胞間密着接合(TJ)の安定性に非常に大きい影響を受けると知られており、本発明者らの先行研究によると、Rk1の場合、細胞膜間のTJの安定性を高めることにより、血管内皮細胞間透過性を抑制させた。
【0148】
コンフルエントHRECsに10μg/ml Sac0601(図8a、パネルA)又はSac0504(図8a、パネルB)を1時間処理した後、20ng/ml VEGFを1時間処理した。次いで、細胞を4%パラホルムアルデヒドで、20分間室温で固定化させて、0.1% Triton X−100/PBSで透過化させた。その後、細胞を5%正常ヤギ血清及び0.05% Tween−20を含むPBSブロッキング溶液でインキュベーションした。それから細胞を抗−オクルディン(Zymed Laboratories Inc.)抗体と反応させた。反応結果物の可視化は、フルオレシン−結合抗−マウス抗体(Vector Lab.)でした。また、細胞破砕物に対して、ウェスタンブロットを行った。細胞破砕物をSDS−PAGEで分画化して、次いでポリビニルジフルオリド膜に転移させた。ブロッキングされた膜を抗−オクルディン(Zymed Laboratories Inc.)抗体と反応させて、次いで免疫反応バンドをAmersham Biosciences, Inc.で提供された化学発光試薬で可視化した。
【0149】
Sac0601とSac0504を網膜血管内皮細胞に処理した場合、Rk1と同様に、VEGFによりTJが細胞質に再分布されるか、細胞膜で不安定になることを防ぐだけではなく、それ自体が細胞間TJの安定性を向上させる役割をすることも確認された。Sac0601がSac0504よりTJの安定性を増加させる機能において更に効果的であることを確認することができた。TJを構成する代表的タンパク質であるオクルディンがこの2つの化合物により細胞の接触面で更に安定的に位置することが免疫染色法で確認された(図8a)。ウェスタンブロットでオクルディンタンパク質を確認した結果、Sac0601で処理した場合、オクルディンが減少することを確認した(図8b)。Sac−1004を網膜血管内皮細胞に前処理した場合、VEGFによりTJが細胞質に再分配されるか、細胞膜で不安定になることを防ぐだけではなく、それ自体が細胞間TJの安定性を向上させる役割をすることも確認された(図8c)。また、Sac−1004の場合も、VEGF作用により減少されたオクルディンタンパク質を復元させることを確認した(図8d)。
【0150】
(b)VEGFにより誘導されたTJ不安定性及び細胞骨格タンパク質構造変化の復元効果分析
コンフルエントHRECsに20ng/ml VEGFを1時間処理した後、10μg/ml Sac0601又はSac0504を1時間処理した。次いで、前記実験例と同様に抗−オクルディン抗体(図9a)又は抗−アクチン抗体(図9b)を利用して細胞を染色した。実験結果、VEGFにより既に細胞内アクチンの構造及び細胞間接触面でTJ安定性に変化を誘導した後に、Sac0601とSac0504を処理した場合も、このような変化を復元させる機能をすることを確認した。
【0151】
実験例5:合成誘導体の血管内皮細胞透過性抑制作用の確認
Sac0601及びSac0504の血管透過性に及ぼす影響を分析した。HRECsをトランスウェルフィルター(Corning Costar)にプレーティングした。コンフルエンスに到達した後、HRECsを1%FBS−含有M199培地で3時間培養して、60分間10μg/ml Sac0601(図10a)又はSac0504(図10b)を処理した。このとき、20ng/ml VEGFを60分間前処理するか、又はしなかった。[H]スクロース(1μCi[0.037MBq]/μl;Amersham Pharmacia)50μl(0.8μCi[0.0296MBq]/ml)を上部に添加した。30分間後、下部に核酸された放射能量を液体シンチレーションカウンタ(Wallac, PerkinElmer)で決定した。それぞれの実験ポイントを少なくとも4回行った。その結果、2つの合成物とも、血管内皮細胞間の透過性を抑制して、網膜血管の完全性を維持し、特に、VEGFにより増加される血管内皮透過性を保護する機能をするということが確認された(図10a及び図10b)。Sac−1004は、血管内皮細胞間の浸透性を抑制して、網膜血管の完全性を維持し、特にVEGFにより増加される血管内皮浸透性を保護する機能をするということが確認された(図10c)。
【0152】
実験例6:合成誘導体の糖尿病性網膜症の血管透過性増加に及ぼす影響の分析
Rk1合成誘導体が糖尿病性網膜症の血管透過性増加に及ぼす影響をin vivo分析するために、ストレプトゾトシンを利用してC57/BL6マウスで高血糖を誘導し、糖尿病マウスモデル(DM)を作った。このmouseの眼球硝子体に10μg Sac0601又はSac0504を注入した。24時間後、40kDa FITC−デキストラン(Sigma(30mg/ml in PBS)を左心室に注入した。前記トレーサーが約2分程度循環されるようにした後、眼球を抽出し、4% PFAに直ちに固定化させた。その後、網膜を摘出して、フラットマウンティング(flat mounting)をして、蛍光顕微鏡を通じて観察した。図11a及び図11bから確認できるように、Sac0601がDMで誘導された網膜血管透過性を非常に効果的に阻害する反面、Sac0504の場合、網膜血管透過性阻害能が制限的に現れることが確認された。また、合成例5で合成されたSac−0904の場合、DMで誘導された網膜血管浸透性を非常に効果的に阻害することが確認されて、Sac−0902の場合、網膜血管浸透性阻害能が制限的に現れることが確認された(図11c及び図11d)。図11e−図11fから分かるように、合成例6で合成されたSac−1004は、DMで誘導された網膜血管浸透性を非常に効果的に阻害した。
【0153】
実験例7:合成誘導体によるVEGF−誘導血管漏出の抑制(動物実験)
C57/BL6マウスの硝子体に50ngVEGFと10μg Sac0601を共同注入した。反対側眼には、賦形剤(DMSO)を注入した。注入24時間後、100μl FITC−デキストラン(Sigma(30mg/ml in PBS))を左心室に注入した。前記トレーサーが約2分程度循環されるようにした後、眼を抽出し、4% PFAに直ちに固定化させた。その後、網膜を摘出して、フラットマウンティング(flat mounting)をして、蛍光顕微鏡を通じて観察した。図12a及び図12bから確認できるように、Sac0601は、VEGF−誘導血管漏出を大きく減少させることが分かる。
【0154】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な記述はただ望ましい具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。

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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジンセノサイドRk1又はRg3類似体として、下記化学式1で表されることを特徴とする化合物。
【化60】

[化学式1]
(式中、Xは、酸素又は硫黄であり、Rは、水素、ハロ、C1−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−15ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−15ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−30アリール、C6−30アラルキル、C6−30アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−30ヘテロアリール又はC6−30アリールカルボニルであり、R21は、C2−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、C2−30カルボキシアルキル、C2−30アルキルカルボキシル、C3−30カルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシル、C3−30アルキルカルボキシアルキル、C3−30アルキルカルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシアルキル、C4−30アルケニルカルボキシアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン又はC2−15エステルであって、R22は、水素、ヒドロキシ、ハロ又はC1−10アルキルであり、R23は、水素、ヒドロキシ又はC1−10アルキルであり、R21は、R22及びR23と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができて、R23は、R21及びR22と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができ、R21又はR23が前記炭素に二重結合を形成する場合、R22は、原子を含まなく、R及びRは、それぞれ独立して水素又はC1−10アルキルであって、

は、単一結合又は二重結合を示す。)
【請求項2】
ジンセノサイドRk1又はRg3類似体は、下記化学式2で表される請求項1に記載の化合物。
【化61】

[化学式2]
(式中、Xは、酸素又は硫黄であり、Rは、水素、ハロ、C1−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−15ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−30アリール、C6−30アラルキル、C6−30アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−30ヘテロアリール又はC6−30アリールカルボニルであり、R21は、C2−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、C2−30カルボキシアルキル、C2−30アルキルカルボキシル、C3−30カルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシル、C3−30アルキルカルボキシアルキル、C3−30アルキルカルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシアルキル、C4−30アルケニルカルボキシアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン又はC2−15エステルであって、R22は、水素、ヒドロキシ、ハロ又はC1−10アルキルであり、R23は、水素、ヒドロキシ又はC1−10アルキルであり、R21は、R22及びR23と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができて、R23は、R21及びR22と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができ、R21又はR23が前記炭素に二重結合を形成する場合、R22は、原子を含まなく、R及びRは、それぞれ独立して水素又はC1−10アルキルであって、

は、単一結合又は二重結合を示す。)
【請求項3】
ジンセノサイドRk1又はRg3類似体は、下記化学式3で表される請求項2に記載の化合物。
【化62】

[化学式3]
(式中、Xは、酸素又は硫黄であり、Rは、水素、ハロ、C1−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−15ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−30アリール、C6−30アラルキル、C6−30アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−30ヘテロアリール又はC6−30アリールカルボニルであり、R21は、C2−30アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−30アルケニル、C3−10シクロアルケニル、C2−30カルボキシアルキル、C2−30アルキルカルボキシル、C3−30カルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシル、C3−30アルキルカルボキシアルキル、C3−30アルキルカルボキシアルケニル、C3−30アルケニルカルボキシアルキル、C4−30アルケニルカルボキシアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−30アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン又はC2−15エステルであって、R22は、水素、ヒドロキシ、ハロ又はC1−10アルキルであり、R23は、水素、ヒドロキシ又はC1−10アルキルであり、R21は、R22及びR23と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができて、R23は、R21及びR22と共に結合する炭素に対して二重結合を形成することができ、R21又はR23が前記炭素に二重結合を形成する場合、R22は、原子を含まなく、R及びRは、それぞれ独立して水素又はC1−10アルキルである。)
【請求項4】
前記Xは、酸素である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記Rは、水素、ハロ、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−8ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−20アルコキシアルキル、C3−20アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−8ヘテロシクロアルケニル、C1−10アルコール、C1−10アルケノール、C2−20アシル、C1−10アミド、C1−5アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−20アリール、C6−20アラルキル、C6−20アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−20ヘテロアリール又はC6−20アリールカルボニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記Rは、水素、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−8ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−20アルコキシアルキル、C3−10アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素を含むC3−8ヘテロシクロアルケニル、C1−10アルコール、C1−10アルケノール、C1−10アミド、C1−5アミン、C2−15エステル、サルフェート、カルボキシル基、C3−20カルボキシアルキル、C3−20カルボキシアルケニル、C3−20アルキルカルボキシル、C3−20アルケニルカルボキシル、C3−20アルキルカルボキシアルキル、C3−20アルキルカルボキシアルケニル、C3−20アルケニルカルボキシアルキル、C4−20アルケニルカルボキシアルケニル、C6−20アリール、C6−20アラルキル、C6−20アルカリール、ヘテロ原子として窒素を含むC3−20ヘテロアリール又はC6−20アリールカルボニルである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記Rにおいて、前記シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、C6−20アリール、C7−20アリールカルボキシル又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記C3−10シクロアルケニル又はヘテロシクロアルケニルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C2−8アルキルカルボキシル、C3−8アルキルカルボキシルアルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、C6−20アリール、C7−20アリールカルボキシル又はこれらの組み合わせにより置換可能であって、前記アリールは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記アラルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記アルカリールは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であって、前記アリールカルボニルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能であり、前記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロ、C1−5アルキル、C1−5アルコール、C1−5アルコキシ、C2−8アルコキシアルキル、ニトロ、C2−8アルキルカルボキシルアミノ又はこれらの組み合わせにより置換可能である請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記R21は、直鎖又は分岐鎖のC2−15アルキル、C3−10シクロアルキル、C2−15アルケニル、C3−10シクロアルケニル、C2−15カルボキシアルキル、C2−15アルキルカルボキシル、C3−15カルボキシアルケニル、C2−15アルケニルカルボキシル、C3−15アルキルカルボキシアルキル、C3−15アルキルカルボキシアルケニル、C3−15アルケニルカルボキシアルキル、C2−30アルケニルカルボキシアルケニル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC2−10ヘテロシクロアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C2−20アルコキシアルキル、C3−30アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロ原子として酸素、硫黄又は窒素を含むC3−10ヘテロシクロアルケニル、C1−20アルコール、C1−20アルケノール、C2−30アシル、C1−10アミド、C1−10アミン又はC2−15エステルである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記R22は、水素、ヒドロキシ又はC1−5アルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記R23は、C1−5アルキルであるか、又はR21及びR22と共に結合する炭素に対して二重結合を形成する請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記

は、二重結合である請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
前記ジンセノサイドRk1又はRg3類似体は、下記化学式4から化学式46で構成された群から選択される化学式で表される化合物である請求項1に記載の化合物。
【化63】

[化学式4]
【化64】

[化学式5]
【化65】

[化学式6]
(式中、Bzは、ベンゾイル基である。)
【化66】

[化学式7]
【化67】

[化学式8]
【化68】

[化学式9]
【化69】

[化学式10]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化70】

[化学式11]
【化71】

[化学式12]
【化72】

[化学式13]
(式中、Bzは、ベンゾイル基である。)
【化73】

[化学式14]
【化74】

[化学式15]
【化75】

[化学式16]
【化76】

[化学式17]
【化77】

[化学式18]
【化78】

[化学式19]
【化79】

[化学式20]
【化80】

[化学式21]
【化81】

[化学式22]
【化82】

[化学式23]
【化83】

[化学式24]
【化84】

[化学式25]
【化85】

[化学式26]
【化86】

[化学式27]
【化87】

[化学式28]
【化88】

[化学式29]
【化89】

[化学式30]
【化90】

[化学式31]
【化91】

[化学式32]
【化92】

[化学式33]
【化93】

[化学式34]
【化94】

[化学式35]
【化95】

[化学式36]
【化96】

[化学式37]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化97】

[化学式38]
【化98】

[化学式39]
【化99】

[化学式40]
【化100】

[化学式41]
【化101】

[化学式42]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化102】

[化学式43]
【化103】

[化学式44]
【化104】

[化学式45]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【化105】

[化学式46]
(式中、Acは、アセチル基である。)
【請求項13】
(a)請求項1から12のいずれかに記載のジンセノサイドRk1又はRg3類似体の薬剤学的有効量と、(b)薬剤学的に許容される塩と、を含むことを特徴とする血管漏出(vascular leakage)疾患の予防又は治療用薬剤学的組成物。
【請求項14】
前記血管漏出疾患は、糖尿病、炎症、網膜症、糖尿病性網膜症、黄斑変性、緑内障、狹窄、再狹窄、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、脳浮腫、関節炎、関節症(arthropathy)、ぶどう膜炎、炎症性腸疾患、黄斑浮腫、癌、高脂血症、虚血性疾患、糖尿病性足部潰瘍、肺性高血圧、急性肺損傷、心筋虚血、心不全、急性下肢虚血、心筋梗塞、脳卒中、虚血又は再潅流損傷、VLS(Vascular Leakage Syndrome)、浮腫、移植拒否、火傷、急性又は成人呼吸困難症候群(ARDS)、敗血症又は自己免疫疾患である請求項13に記載の薬剤学的組成物。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載のジンセノサイドRk1又はRg3類似体を有効成分として含むことを特徴とする血管漏出疾患の予防又は改善用食品組成物。
【請求項16】
前記血管漏出疾患は、糖尿病、炎症、網膜症、糖尿病性網膜症、黄斑変性、緑内障、狹窄、再狹窄、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、脳浮腫、関節炎、関節症(arthropathy)、ぶどう膜炎、炎症性腸疾患、黄斑浮腫、癌、高脂血症、虚血性疾患、糖尿病性足部潰瘍、肺性高血圧、急性肺損傷、心筋虚血、心不全、急性下肢虚血、心筋梗塞、脳卒中、虚血又は再潅流損傷、VLS(Vascular Leakage Syndrome)、浮腫、移植拒否、火傷、急性又は成人呼吸困難症候群(ARDS)、敗血症又は自己免疫疾患である請求項15に記載の食品組成物。
【請求項17】
請求項17に記載の薬剤学的組成物を、これを必要とする対象(subject)に投与する段階を含むことを特徴とする血管漏出疾患の予防又は治療方法。
【請求項18】
前記血管漏出疾患は、糖尿病、炎症、網膜症、糖尿病性網膜症、黄斑変性、緑内障、狹窄、再狹窄、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、脳浮腫、関節炎、関節症(arthropathy)、ぶどう膜炎、炎症性腸疾患、黄斑浮腫、癌、高脂血症、虚血性疾患、糖尿病性足部潰瘍、肺性高血圧、急性肺損傷、心筋虚血、心不全、急性下肢虚血、心筋梗塞、脳卒中、虚血又は再潅流損傷、VLS(Vascular Leakage Syndrome)、浮腫、移植拒否、火傷、急性又は成人呼吸困難症候群(ARDS)、敗血症又は自己免疫疾患である請求項17に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図12a】
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【図12b】
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【公表番号】特表2013−509401(P2013−509401A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536689(P2012−536689)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007533
【国際公開番号】WO2011/053048
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(507175175)インダストリー−アカデミック コーポレーション ファウンデーション,ヨンセイ ユニバーシティ (18)
【出願人】(512112002)ハンドク ファーマセウティカルズ カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】