説明

新規製剤

液体ビヒクル中の酸性ポリマーおよびアニオン界面活性剤の溶液を含む消毒用製剤。適切な酸性ポリマーは、隣接した-[-R1.COOH-]-(ここで、R1は本明細書中で定義されている)単位をその構造中に含む酸性ポリマー、例えば、-[CH.COOH-CH.COOH-]-単位を典型的に含むマレイン酸部分に基づくポリマー、例えば、公知のGantrez(商標)ポリマーである。適切なアニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌類およびウイルス類などの有害な微生物に対する活性を有している消毒用製剤(sanitising formulations)、特に、ヒトの皮膚(例えば、手)を清潔にするための消毒用製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
MRSAなどの抵抗性微生物による病院内感染の発生率の増大への対応において、および、クルーズ客船などの閉鎖されたコミュニティーにおける感染についての公表された事件の認識において、手の衛生は、ここ数年重要性が増している。病院内では、そのような微生物が伝達される一般的な経路は、医療従事者の手を介するものである。世界保健機関(WHO)は、手の衛生についてのガイドライン「“WHO Guidelines on Hand Hygiene in Healthcare” Advanced Draft 2007」(本明細書においては、「WHOガイドライン」と称する)を作製した。WHOガイドラインによれば、人の皮膚には、2種類の広義に分類される微生物(即ち、常在性および一過性)が棲息している。常在微生物は、角質層の表層細胞の下に棲息しており、また、皮膚の表面にも棲息している。表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)が優占種である。一般に、常在微生物は、感染症にあまり関与しそうにないが、無菌の体腔内において、眼内において、または、傷ついた(non-intact)皮膚の表面においては、感染を引き起こし得る。皮膚の表層にコロニーを形成する一過性微生物は、最も頻繁に医療関連感染症に関与する微生物である。一般的な一過性微生物は、例えば、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、別のブドウ球菌(Staphylococci)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)、大腸菌(E. coli)およびさまざまなウイルス類、例えば、ロタウイルス、インフルエンザウイルス類およびライノウイルスなどである。
【0003】
病院の医療従事者などの感染した手を有するヒトによる微生物の伝達および交差汚染に対する対応として、消毒用製剤を用いて備品などの局所的な無生物表面および従事者の手を効率よく洗浄することは、最も一般的な解決案である。そのような消毒用製剤は、一般に、上記表面に対して好都合に適用することが可能な流動性の液体またはゲルの形態にある。そのような製剤についての適切な粘度は当技術分野においてはよく知られている。多くの消毒用製剤が知られており、例えば、WO-A-2004/101724、WO-A-2004/101725およびWO-A-2005/110357(これらは代表的な例である)などに開示されている。何種類かの既知消毒用製剤は、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)と特定の酸性ポリマー(例えば、いわゆる「Carbopol」)の組合せに基づいている。そのような製剤は、例えば、WO-A-1999/24012、GB-A-2393908、EP-A-1090631およびWO-A-2005/04663などに開示されている。
【0004】
WHOガイドラインには、皮膚から有害な微生物を除去する目的で手を消毒するために使用されてきた多くの物質(これは、石鹸、アルコール、クロルヘキシジン、クロロキシレノール、ヘキサクロロフェン、ヨウ素、ヨードフォア、第四級アンモニウム化合物、トリクロサン、次亜塩素酸塩などを包含する)も記載されている。これらの物質のうちの何種類かには、危険が伴う。例えば、アルコール類は引火性であり、ヨウ素および別のハロゲンは、腐食性であり得るかまたは例えば遊離塩素ガスなどを放出し得る。
【0005】
特定の酸性ポリマーがウイルス不活性化活性を有していて空気濾過システムとして使用するための繊維状基材の表面上に沈着させることができるということは、例えば、本出願人の同時係属中のPCT/EP2007/057298、WO-A-03/039713およびUS-A-7,029,516から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO-A-2004/101724
【特許文献2】WO-A-2004/101725
【特許文献3】WO-A-2005/110357
【特許文献4】WO-A-1999/24012
【特許文献5】GB-A-2393908
【特許文献6】EP-A-1090631
【特許文献7】WO-A-2005/04663
【特許文献8】PCT/EP2007/057298
【特許文献9】WO-A-03/039713
【特許文献10】US-A-7,029,516
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“WHO Guidelines on Hand Hygiene in Healthcare” Advanced Draft 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
酸性ポリマーを特定の新規方法で製剤化することにより抗ウイルス活性と抗細菌活性の両方を有する消毒用製剤がもたらされ得るということが、意外にも見いだされた。
【0009】
本発明の目的は、改善された消毒用製剤(例えば、改善された効力もしくは拡大された範囲の微生物に対する効力を有する消毒用製剤、または、既知消毒用製剤に伴う欠点を回避する消毒用製剤)の提供において、上記発見を利用することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、新規消毒用製剤は、液体ビヒクル中の酸性ポリマーおよびアニオン界面活性剤の溶液を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書中で使用される場合、用語「消毒する(sanitising)」は、細菌類またはウイルス類などの潜在的に有害な病原体を、例えば殺すかまたは別の方法によって、不活性化することを意味する。本発明の消毒用製剤は、表面からの汚れの除去を容易にするための洗浄作用も付加的に有し得る。
【0012】
本明細書中で使用される場合、用語「酸性ポリマー」には、その骨格に沿って、例えば側鎖基として、酸性基を有しているポリマーが包含される。適切な酸性基は、カルボン酸基である。酸性ポリマーは、架橋されていてもよいし、または、線状であってもよい。本出願に関しては、一般に、架橋されていないポリマー、例えば、線状ポリマーが好ましい。その理由は、とりわけ、架橋ポリマーと比較して架橋されていない線状構造がより多くの利用可能な-COOH基を提供し得るからであり、さらに、架橋されていないポリマーが溶解させるのがより容易であり、従って本明細書に開示されている調製方法に使用するのがより容易であるからでもある。
【0013】
酸性ポリマーには、ポリ-(カルボン酸)ポリマーが包含され得る。
【0014】
ポリ-(カルボン酸)ポリマーは、典型的には、その構造中に-COOH基または誘導体基[例えば、酸無水物基、容易に切断可能なカルボン酸エステル基、または、容易に切断して-COOH基を生じる塩化された-COOH基など]を含むポリマーである。
【0015】
ポリ-(カルボン酸)ポリマーは、その骨格に直接的に結合した-COOH基(または、誘導体基)を有し得るか、または、ポリマーは、骨格から分枝している側鎖に-COOH基(または、誘導体基)が結合しているいわゆるグラフトポリマーもしくは樹状ポリマーであり得る。
【0016】
例えば、ポリ-(カルボン酸)ポリマーは、
-[-CR1.COOH-]-
[ここで、R1は、好ましくは水素であり、または、R1は、C1-3アルキル、C1-3アルコキシもしくはC1-3ヒドロキシアルキルであり得る]
単位をその構造中に含み得る。
【0017】
そのようなポリ-(カルボン酸)ポリマーの1つのタイプは、単位
-[- CR2R3-CR1.COOH-]-
[ここで、R2およびR3は、独立して、好ましくは水素であり、または、R2およびR3は、C1-3アルキルもしくはC1-3アルコキシであり得る]
をその構造中に有しているポリマーを包含する。例えば、そのようなポリマーには、ポリ-(カルボキシビニル)ポリマー、例えば、式CR2R3=CR1.COOH[式中、置換基は上記で定義されているとおりである]で表されるモノマー化合物のポリマーなどが包含され得る。そのようなポリマーには、アクリル酸またはメタクリル酸のポリマー、即ち、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸、例えば、線状のポリアクリル酸およびポリメタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマーなどが包含され得る。そのようなポリマーの例は、カルボキシポリメチレンである。市販されているポリアクリル酸の例は、約30,000の分子量を有している、物質Good-Rite(商標)K-702である。市販されているナトリウム塩としてのポリアクリル酸の例は、同様に約30,000の分子量を有している、物質Good-Rite(商標)K-765である。ポリアクリル酸ポリマーは、合成ポリマーに分類されるCarbomer(商標)の商品名で市販されており、別の方法で、エマルション安定剤としておよび水性増粘剤として使用される。
【0018】
このタイプのポリマーは、例えば、US-A-2,798,053[即ち、“a carboxylic monomer such as acrylic acid、maleic acid or anhydride and the like, copolymerized with certain proportions of a polyalkenyl polyether of a polyhydric alcohol containing more than one alkenyl ether grouping per molecule, the parent polyhydric alcohol containing at least 4 carbon atoms and at least three hydroxyl groups.”]に開示されている。
【0019】
ポリ-(カルボン酸)の別のタイプは、架橋ポリ-(カルボン酸)ポリマーである。そのようなものの例としては、アリルエーテル[例えば、ペンタエリスリトールのアリルエーテル、スクロースのアリルエーテルまたはプロピレンのアリルエーテル]で架橋されているアクリル酸のホモポリマー、例えば、商品名「Carbopol」でB.F.Goodrich Companyから入手可能な物質などがある。例えば、特定のCarbopol類としては、Carbopol 934、940、980、1382、Carbopol ETD 2020、ETD 2050、Ultrez 20および21などを挙げることができる。
【0020】
そのようなポリ-(カルボン酸)ポリマーの別のタイプは、隣接した
-[-CR1.COOH-]-
[ここで、R1は、上記で定義されている]
単位をその構造中に含み得る。例えば、マレイン酸部分に基づくポリマー[ここで、マレイン酸部分は、典型的には、-[CH.COOH-CH.COOH-]-単位を含むか、および/または、そのような単位の塩もしくはエステルを含むかまたは無水物形態(ここで、無水物形態においては、隣接する炭素原子上のCOOH基は環化されて、-CH.CO-O-CO.CH-環系を形成し得る)にあるそのような単位を含み、これらの誘導体は、加水分解を受けて対応する遊離酸を形成しやすい]。
【0021】
そのようなポリ-(カルボン酸)ポリマーの1つのタイプは、隣接したポリマー鎖炭素原子上のカルボン酸基の対を有する単位を含み得る。例えば、そのようなポリマーは、単位:
-[- CR1R2 - CR3R4 - CR5.COOH - CR6.COOH-]-
[ここで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素(好ましい)であるか、または、C1-3アルキルもしくはC1-3アルコキシであり、好ましくは、R1およびR2は水素であり、R3は水素であり、R4はメトキシであり、ならびに、R5およびR6は水である]、または、その誘導体[ここで、誘導体は、その構造中にCOOH基を保持しているかもしくは容易に加水分解されてCOOH基となる基を保持している]をその構造中に含み得る。そのようなポリ-(カルボン酸)ポリマーは、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマーに基づく前記ポリマーである。そのようなポリマーは、商品名Gantrez(商標)で市販されている。
【0022】
そのようなポリマーの例は、
-[- CH2-CH.OCH3-CH.COOH - CH.COOH-]-
単位をその構造中に含む。
【0023】
そのようなポリマーは、線状ポリマーであり得るか、または、架橋されているポリマーであり得る。線状で架橋されていないこのタイプのポリマーは、商品名Gantrez(商標)S(CAS # 25153-4-69)で、例えば、約700,000の分子量を有するGantrez(商標)S-96、約1,200,000の分子量を有するGantrez(商標)S-97で、市販されている。そのようなGantrezポリマーが好ましい。そのようなGantrez(商標)ポリマーは、水溶液(当該形態において、それらは、本発明の製剤中で使用することができる)として市販されている。
【0024】
架橋されているこのタイプのポリマーも、Gantrez(商標)の商品名で市販されている。
【0025】
そのような酸の誘導体の例は、無水物、即ち、2つの隣接する-COOH基が環化されて、
【化1】

【0026】
環系を形成している無水物である。そのような無水物は、加水分解して対応する遊離酸を形成し易い。そのようなポリマーは、商品名Gantrez(商標)AN(CAS # 9011-16-9)で、例えば、Gantrez(商標)AN-119、Gantrez(商標)AN-903、Gantrez(商標)AN-139、Gantrez(商標)AN-169で市販されている。
【0027】
誘導体の別の例は、部分塩、例えば、遊離-COOH基の一部がI族金属もしくはII族金属の金属塩、例えば、それぞれ、ナトリウムもしくはカルシウムなどの金属塩、または、混合ナトリウム-カルシウム塩に変換されている部分塩である。そのようなポリマーは、商品名Gantrez(商標)MSで、例えば、Gantrez(商標)MS-955(CAS # 62386-95-2)で市販されている。
【0028】
そのような酸の誘導体の別の例は、遊離-COOH基の一部がC1-6アルキル(例えば、エチルまたはn-ブチル)でエステル化されている部分エステルである。そのようなポリマーは、商品名Gantrez(商標)ESで、例えば、Gantrez(商標)ES-225(CAS # 25087-06-03)またはGantrez(商標)ES-425(CAS # 25119-68-0)で市販されている。典型的には、この2番目のタイプのポリマーは、200,000-2,000,000の範囲内の分子量を有する。
【0029】
本発明の消毒用製剤において、隣接した
-[-CR1.COOH-]-
[ここで、R1は、上記で定義されている]
単位をその構造中に含むポリ-(カルボン酸)ポリマー、例えば、マレイン酸部分に基づくポリマー、例えば、上記Gantrez(商標)物質などは、アニオン界面活性剤と組み合わされたときのそれらの粘性のために、例えばCarbopol(商標)タイプの物質に基づく場合の例えば本発明の消毒用製剤と比較して、それらが適用される表面上に長い間保持されるという利点を有しているということが分かった。このようにより長い間保持されることの結果として、当該表面上において長期にわたる活性が達成され得る。これらのポリマーのさらなる利点は、例えばCarbopol(商標)タイプの酸性ポリマーに基づく消毒用製剤と比較して、それらが、より容易に流れ得ること、より容易に散布され得ること、および、より限定された空間に入り込み得るということである。
【0030】
適切な別のポリ-(カルボン酸)ポリマーとしては、C10-30アルキルアクリレートと式R4R5C=CR6-COOR7[式中、R4、R5、R6およびR7のそれぞれは、独立して、水素またはC1-5アルキル(特に、メチル、エチルまたはプロピル)から選択される]で表される1種類以上のモノマー化合物のコポリマーなどがある。そのようなモノマー化合物の例としては、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルなどがある。
【0031】
適切な別のポリ-(カルボン酸)ポリマーとしては、式R1R2C=CR3-COOR4[式中、R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立して、水素またはC1-5アルキル(特に、メチル、エチルまたはプロピル)]で表される化合物に基づくアニオン性ポリマーなどがある。そのようなポリマーの例は、商品名「Eudragit」でRohm GmbH & Co.から入手可能な、メタクリル酸およびカルボン酸官能基を有するエチルアクリレートに基づくポリマーである。特定のグレードとしては、Eudragit L100-55、L30-D-55、L100、S100およびFS 30Dなどを挙げることができる。
【0032】
適切な別の酸性ポリマーは、スルホン酸基などの別の酸基を含むポリマーであり得る。スルホン酸基を含む酸性ポリマーの例は、アクリル酸またはメタクリル酸とスルホン酸のコポリマー、例えば、線状コポリマーなどである。スルホン酸基を含むそのようなポリマーは、それらの塩の形態、例えば、それらのナトリウム塩の形態で使用することができる。アクリル酸とスルホン酸のコポリマーの例は、商品名Good-Rite(商標)K-776で市販されている。別の酸性ポリマーには、アクリル酸とスルホン酸のコポリマーが包含され得る。例えば、酸性ポリマーには、マレイン酸とポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(「ポリAMPS」)のコポリマーおよびターポリマー、ならびに、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のコポリマーが包含され得る。
【0033】
ポリスチレンスルホン酸は適切であり得る。例えば、商品名Flexan(商標)IIで入手可能なナトリウム塩の形態にある市販されているポリスチレンスルホン酸(分子量約120,000)などは、適切であり得る。
【0034】
適切な別の酸性ポリマーには、ポリビニルホスホン酸が包含されると考えられる。
【0035】
本発明における目的のために有用であることが見いだされた酸性ポリマーは、30,000〜2,000,000の範囲内の分子量を有しているということが分かった。しかしながら、分子量が重大な意味を持っているとは考えられず、上記分子量は、単に、代表的な範囲であり得る。
【0036】
好ましい酸性ポリマーは、上記で記載したCarbopol ETD 2020およびGantrez(商標)S97である。
【0037】
典型的には、アニオン界面活性剤は、親水性アニオン性基および関連するカチオンを有している化合物である。そのようなカチオンは、金属性、例えば、アルカリ金属などであり得るか、または、非金属性、例えば、アンモニウムもしくは第四級アンモニウムなどであり得る。典型的には、そのようなアニオン界面活性剤は、親水性アニオン性基および塩の形態にあるカチオンを含む。好ましくは、アニオン界面活性剤は、有機親水性アニオン性基のナトリウム塩を含む。適切には、有機親水性アニオン性基は、スルホン酸基またはカルボン酸基であり得る。
【0038】
そのような好ましいアニオン界面活性剤化合物は、式(I):
CnH2n+1 - Z- M+ (I)
[式中、nは、8〜20、好ましくは、10〜15であり、Zは、SO3またはSO4であり、および、Mは、ナトリウムまたはカリウムである]
で表される。このタイプの好ましいアニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(n=12、ZはSO4、Mはナトリウム)である。
【0039】
適切であり得る別のアニオン界面活性剤は、式(II):
CnH2n+1 - X - CmH2m - Z- M+ (II)
[式中、n+mは、8〜20であり、Xは、-O-または-CO.O-であり、Zは、SO3またはSO4であり、および、Mは、ナトリウムまたはカリウムである]
で表されるアニオン界面活性剤である。このタイプの好ましいアニオン界面活性剤は、ココイルイセチオン酸ナトリウム(n=9、m=2、XはCO.O、ZはSO3、Mはナトリウム)である。式(II)で表される別のアニオン界面活性剤は、ラウレス硫酸ナトリウムである。
【0040】
適切であり得る別のアニオン界面活性剤は、式(III):
CnH2n+1 - CO.NR.- CmH2m - Z - M+ (III)
[式中、nおよびmは、それぞれ1以上であり、n+mは、8〜20であり、Rは、C1-3アルキルであり、Zは、CO.O、SO3またはSO4であり、ならびに、Mは、ナトリウムまたはカリウムである]
で表されるアニオン界面活性剤である。このタイプの好ましいアニオン界面活性剤は、ラウロイルサルコシンナトリウム(n=11、Rはメチル、m=1、Mはナトリウム)、および、ココイルメチルタウリンナトリウム(Rはメチル、m=2、ZはSO3、Mはナトリウム)である。
【0041】
別のアニオン界面活性剤は、オレフィンスルホネート、例えば、α-オレフィンスルフェート、例えば、市販の物質Bioterge(商標)As-40(これは、C14-16スルホネートのナトリウム塩である)などである。
【0042】
適切であり得る別のアニオン界面活性剤としては、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウムおよびパルミトイルメチルタウリンナトリウム(および、これらのアルキル鎖長が異なる類似体)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、オレアミドスルホコハク酸二ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸二ナトリウムなどがある。適切であり得る別の種類のアニオン界面活性剤としては、アルカリルスルホネート類、アルキルスクシネート類、アルキルスルホスクシネート類、N-アルコイルサルコシネート類(N-alkoyl sarcosonates)、アルキルホスフェート類、アルキルエーテルホスフェート類、α-オレフィンスルホネート類およびアシルメチルタウレート類などがあり、特に、そのナトリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩およびトリエタノールアミン塩などを挙げることができる。上記におけるアルキル基は、8〜20個の炭素原子を含有し得る。アルキルエーテルスルフェート類およびアルキルエーテルホスフェート類は、1分子当たり、1〜10のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含有し得る。
【0043】
酸性ポリマーとアニオン界面活性剤の好ましい組合せは、Carbopol(商標)ETD 2020またはGantrez(商標)S97と、ラウリル硫酸ナトリウムまたはα-オレフィンスルフェートアニオン界面活性剤[例えば、市販の物質Bioterge As-40(酸性pHで安定な水溶性α-オレフィン界面活性剤)]である。
【0044】
本発明の新規製剤の一実施形態では、酸性ポリマーとアニオン界面活性剤は、適切には、溶液中に、1-2:2-1(適切には、1:1.5+/-0.2)の酸性ポリマー:アニオン界面活性剤の重量%の比率で一緒に存在している。適切には、溶液中に、酸性ポリマーは、1-5重量%、好ましくは、2+/-0.2重量%で存在しており、アニオン界面活性剤は、0.1-4重量%、好ましくは、1.5+/-0.2重量%で存在している。
【0045】
本発明の新規製剤の別の実施形態では、酸性ポリマーが、隣接した
-[-CR1.COOH-]-
[ここで、R1は、上記で定義されている]
単位をその構造中に含む上記で記載したタイプのポリマー、例えば、マレイン酸部分に基づくポリマー[ここで、マレイン酸部分は、典型的には、-[CH.COOH-CH.COOH-]-単位を含むか、および/または、そのような単位の塩もしくはエステルを含むかまたは無水物形態(ここで、無水物形態においては、隣接する炭素原子上のCOOH基は環化されて、
【化2】

【0046】
環系を形成し得る)にあるそのような単位を含む]、例えば、商品名Gantrez(商標)、例えば、Gantrez(商標)S97で市販されている上記ポリマーである場合、酸性ポリマーとアニオン界面活性剤は、適切には、溶液中に、3:1-1:2の酸性ポリマー:アニオン界面活性剤の重量%の比率で一緒に存在している。適切には、溶液中に、酸性ポリマーは、1-7重量%で存在しており、アニオン界面活性剤は、1-6重量%、適切には、3+/-0.2重量%で存在している。
【0047】
本発明の新規製剤は、好ましくは、2-4の範囲内のpHにある。これは、例えば、溶液中で適切なpHバッファーを使用して達成することができる。適切なバッファーは、1種類以上の有機カルボン酸、例えば、クエン酸(これが好ましい)、サリチル酸、フマル酸、安息香酸、グルタル酸、乳酸、マロン酸、酢酸、グリコール酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、アスパラギン酸、フタル酸、酒石酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸もしくはグルコン酸またはこれらのうちの2種類以上の混合物などを含ませることにより提供され得る。加えて、または、代替的に、水酸化ナトリウムなどの塩基または塩酸などの鉱酸を含ませて適切なレベルのpHとすることもできる。
【0048】
適切な液体ビヒクルは、水性ビヒクル、例えば、水、または、エタノール、または、エタノールと水の混合物である。例えば、そのような混合物においては、エタノール:水の体積比は、4:1-1:1.5の範囲、典型的には、3:1-1:1の範囲内にあり得る。
【0049】
本発明の新規消毒用製剤は、流動性の液体の形態にあり得るか、または、代替的に、粘性のゲルの形態にあり得る。例えば、アリルエーテル(例えば、ペンタエリスリトールのアリルエーテル、スクロースのアリルエーテルまたはプロピレンのアリルエーテル)で架橋されているアクリル酸のホモポリマーである上記で記載した架橋されているポリ-(カルボン酸)ポリマー、例えば、「Carbopol」(例えば、特定のCarbopolsとしては、Carbopol 934、940、980、1382、Carbopol ETD 2020、ETD 2050、Ultrez 20および21などがある)の商品名でB.F.Goodrich Companyから入手可能な物質が、アニオン界面活性剤と組み合わされてゲルを形成する傾向があるということが分かった。用語「液体」は、本発明においては、そのような流動性のゲルを包含する。そのようなゲルは、消毒用製剤の分配およびそれの皮膚への適用を容易にする上で有利であり得る。
【0050】
それとは対照的に、単位:
-[- CR1R2 - CR3R4 - CR5.COOH - CR6.COOH-]-
[ここで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素(好ましい)であるか、または、C1-3アルキルもしくはC1-3アルコキシであり、好ましくは、R1およびR2は水素であり、R3は水素であり、R4はメトキシであり、ならびに、R5およびR6は水である]、または、その誘導体[ここで、誘導体は、その構造中にCOOH基を保持しているかもしくは容易に加水分解されてCOOH基となる基を保持している]をその構造中に含むポリマー、例えば、Gantrez(商標)の商品名で市販されている上記ポリマーは、流動性の液体のままでいる傾向を有している。
【0051】
本発明の製剤は、その効力を増強するために、または、付加的な機能もしくは特定の用途に対する適合性を提供するために、別の物質を含有することができる。
【0052】
例えば、製剤は、1種類以上の付加的な抗菌物質を含有し得る。
【0053】
クエン酸は、抗ウイルス活性を有することが知られており、本発明の製剤中に存在する場合、pH制御機能に加えてこの抗ウイルス機能も果たし得る。典型的には、本発明の製剤は、0.5-7重量%、典型的には、1-5+/-0.25重量%のクエン酸を含有し得る。
【0054】
従って、本発明の好ましい製剤は、好ましくは、隣接した
-[-CR1.COOH-]-
[ここで、R1は、上記で定義されている]
単位をその構造中に含む上記で記載したポリカルボン酸タイプの酸性ポリマー、例えば、マレイン酸部分に基づくポリマー[ここで、マレイン酸部分は、典型的には、-[CH.COOH-CH.COOH-]-単位を含むか、および/または、そのような単位の塩もしくはエステルを含むかまたは無水物形態(ここで、無水物形態においては、隣接する炭素原子上のCOOH基は環化されて、
【化3】

【0055】
環系を形成し得る)にあるそのような単位を含み、これらの誘導体は、加水分解を受けて対応する遊離酸を形成しやすい]、アニオン界面活性剤およびクエン酸を含む。
【0056】
従って、本発明の好ましい製剤は、1.5-0.5重量%のGantrez(商標)S-97、1-2重量%のアルキル硫酸ナトリウム(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)および0.5-1.5重量%のクエン酸を含む。
【0057】
従って、本発明の好ましい別の製剤は、3.5-2.5重量%のGantrez(商標)S-97、6-4重量%(好ましくは、4.5-5.5重量%)のα-オレフィンスルホネート(例えば、Bioterge As-40)および2.5-1.5重量%のクエン酸を含む。
【0058】
適切な別の抗菌物質としては、チモール(抗真菌薬)、トリクロサン、1種類以上の亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム)、1種類以上の亜鉛塩(例えば、塩化亜鉛)、抗菌活性を有していることが知られている1種類以上のアルキルアンモニウム塩もしくはアリールアンモニウム塩(例えば、主としてジメチルベンジルアンモニウムクロリドを含む市販の物質Hyamine(商標)、または、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびn-アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリドを含むBTC 2125)、トリアセチン(抗真菌薬)およびソルビン酸などを挙げることができる。
【0059】
例えば、製剤は、1種類以上のキレート化物質(例えば、市販の物質Versenol(商標))を含有することができる。
【0060】
例えば、製剤は、蛍光マーカー(例えば、紫外線のもとで可視的に発光し、適用された表面上に残存しやすく、その結果、消毒用製剤の例えば病院環境における使用のコンプライアンスを確認することが可能な蛍光マーカー)を含有し得る。そのような蛍光着色剤の例は、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウムまたは8-ヒドロキシ-1,3,6-ピレンスルホン酸三ナトリウム塩(CI 59040)である。
【0061】
従って、本発明のさらなる態様は、表面(特に、使用者の皮膚)を消毒するための、特に、潜在的に有害な微生物(例えば、細菌類またはウイルス類)で汚染されているまたは汚染されていると考えられるそのような表面を消毒するための、新規消毒用製剤の使用を提供する。
【0062】
この使用において、製剤は、それ自体を表面または手に適用することによって慣習的に使用することができ、例えば、表面上に注ぐかもしくは噴霧することができ、または、表面をその製剤中に浸漬することができ、または、製剤を例えばスポンジ、布もしくはティッシュペーパーなどに吸収させ、それを用いて表面に適用することができる。
【0063】
本発明の第4の態様において、表面のための消毒用製剤として使用するための、特に、使用者の皮膚(例えば、手)のための消毒用製剤として使用するための、本発明の消毒用製剤が提供される。そのような使用に関して、製剤は、好ましくは、表面への適用を容易にするディスペンサーに入れて提供され、例えば、ディスペンサー容器の中に含ませるか、または、そのようなディスペンサー容器のための補充容器の中に含ませる。典型的には、皮膚のための消毒用製剤としての使用に関して、新規製剤は、手で操作可能なポンプが備わっている容器に入れて提供され得る。
【0064】
本明細書に開示されている製剤は、成分、例えば、酸性ポリマー、pHバッファー物質、アニオン界面活性剤、存在する場合には別の物質(例えば、紫外線蛍光着色剤)および液体ビヒクルを一緒に混合させ、その混合物を全てが溶解するまで撹拌する慣習的な手順によって調製することができる。液体ビヒクル中に酸性ポリマーを最初に分散させ、次いで、アニオンポリマーと他の成分を混ぜ入れるのが好ましい。酸性ポリマーとアニオン界面活性剤を混合させることによって、混合物のゲル化が起こることが期待され得る場合、成分を添加する上記順番は重要であり得る。
【0065】
本発明のさらなる態様は、液体ビヒクルで希釈することによって本発明の消毒用製剤を提供するのに適している濃縮物を提供する。そのような濃縮物は、酸性ポリマーとイオン性界面活性剤の、適切には、1-2:2-1(好ましくは、1:1.5+/-0.2)の範囲の重量%比における混合物を含有し得る。そのような濃縮物は、希釈して調製された消毒用製剤のpHが所望のpH(例えば、pH2-4)を有するように、上記で挙げた有機カルボン酸およびアルカリのうちの1種類以上のような物質も含有し得る。そのような濃縮物は、適切な容器に入れて使用するために提供することができる。
【0066】
本発明について、以下において、例示することのみを目的として記載する。
【実施例】
【0067】
実施例1
【表1】

【0068】
実施例2
【表2】

【0069】
インビトロ抗菌抗力の評価
欧州薬局方および米国薬局方に記載されている微生物学的防腐剤効力試験方法(microbiological preservative efficacy test method)に従い、上記消毒用製剤のサンプルを懸濁試験(suspension testing)によって評価した。
【0070】
使用した微生物
大腸菌(Escherichia coli) NCIMB 8545
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) NCIMB 9518
手順
4.5mLの製剤を0.5mLの細菌懸濁液(107CFU/mL)と合わせた。1分間経過した後、当該混合溶液のうちの1mLを取り出し、9mLの中和培地(10%のTween 20および3%のレシチンを含むトリプトン大豆ブロス)で希釈した。連続希釈を実施し、1mL混釈平板法を用いて生存細菌の数を数えた。結果は、平均CFU/mLとして示した。製剤に添加する前の細菌懸濁液の初期Logを製剤に1分間さらした後の値と比較することにより、Log低減を計算した。
【0071】
インビトロ抗ウイルス活性の評価
「ASTM E1052」に記載されている方法により、上記消毒用製剤のサンプルを評価した。
【0072】
使用したウイルス
Influenza A/Hong Kong 8/68 ATTC544/GBL 44540, プール #3 Ref No 744-239-112
手順
0.1mLの微生物を0.9mLのサンプルに添加し、20-25℃で10分間、接触した状態にしておいた。その接種されたサンプルを中和培地で10-1から10-6まで希釈した。サンプルをアッセイし、製剤を添加する前の初期値を製剤に10分間さらした後の値と比較することにより、ウイルス力価におけるLog低減を計算した。
【表3】

【0073】
本発明による消毒用溶液のさらなる例を以下に記載する。
【0074】
実施例3
【表4】

【0075】
実施例4
【表5】

【0076】
*Versenol(商標)120キレート化剤は、N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸の三ナトリウム塩の水溶液である。
【0077】
**Bioterge As 40は、酸性pHで安定なα-オレフィンスルホネートのナトリウム塩である。
【0078】
上記製剤においては、アニオン性含有量(anionic content)を用いた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ビヒクル中の酸性ポリマーおよびアニオン界面活性剤の溶液を含む、消毒用製剤。
【請求項2】
前記酸性ポリマーがポリ-(カルボン酸)ポリマーを含む、請求項1に記載の消毒用製剤。
【請求項3】
前記酸性ポリマーが、ペンタエリスリトールのアリルエーテルまたはスクロースのアリルエーテルまたはプロピレンのアリルエーテルで架橋されているアクリル酸のホモポリマーを含む、請求項2に記載の消毒用製剤。
【請求項4】
前記酸性ポリマーがCarbopol ETD 2020を含む、請求項3に記載の消毒用製剤。
【請求項5】
前記酸性ポリマーが、隣接した
-[-CR1.COOH-]-
[ここで、R1は、水素であるか、または、C1-3アルキルもしくはC1-3アルコキシである]
単位をその構造中に含む、請求項2に記載の消毒用製剤。
【請求項6】
前記酸性ポリマーが、単位:
-[- CR1R2 - CR3R4 - CR5.COOH - CR6.COOH-]-
[ここで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素であるか、または、C1-3アルキルもしくはC1-3アルコキシである]
をその構造中に含む、請求項5に記載の消毒用製剤。
【請求項7】
前記酸性ポリマーがマレイン酸部分に基づくものであり、ここで、マレイン酸部分は、-[CH.COOH-CH.COOH-]-単位および/または当該単位の塩もしくはエステル、または隣接する炭素原子上のCOOH基が環化されて、
【化1】

環系を形成する無水物形態にある当該単位を含み、これらの誘導体は、加水分解を受けて対応する遊離酸を形成しやすい、請求項5または6に記載の消毒用製剤。
【請求項8】
R1およびR2が水素であり、R3が水素であり、R4がメトキシであり、ならびに、R5およびR6が水素である、または、その構造中にCOOH基を保持しているかもしくは容易に加水分解されてCOOH基となる基を保持している誘導体である、請求項6に記載の消毒用製剤。
【請求項9】
前記酸性ポリマーが、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマーに基づくポリ-(カルボン酸)ポリマーである、請求項8に記載の消毒用製剤。
【請求項10】
前記酸性ポリマーが、ポリマーGantrez(商標)S-97を含む、請求項9に記載の消毒用製剤。
【請求項11】
前記アニオン界面活性剤が、親水性アニオン性基および関連するカチオンを有する化合物である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項12】
前記アニオン界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムおよびα-オレフィンスルフェートから選択される、請求項11に記載の消毒用製剤。
【請求項13】
Carbopol(商標)ETD 2020またはGantrez(商標)S97、および、ラウリル硫酸ナトリウムまたはα-オレフィンスルフェートを含む、請求項12に記載の消毒用製剤。
【請求項14】
前記酸性ポリマーと前記アニオン界面活性剤が、溶液中に、1-2:2-1の酸性ポリマー:アニオン界面活性剤の重量%の比率で一緒に存在している、請求項1〜13のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項15】
前記酸性ポリマーと前記アニオン界面活性剤が、溶液中に、3:1-1:2の酸性ポリマー:アニオン界面活性剤の重量%の比率で一緒に存在している、請求項5〜14のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項16】
前記酸性ポリマーが1-7重量%で存在しており且つ前記アニオン界面活性剤が1-6重量%で存在している、請求項15に記載の消毒用製剤。
【請求項17】
pHが2-4の範囲内にある、請求項1〜16のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項18】
前記製剤が、4:1-1:1.5の範囲内のエタノール:水の体積比にあるエタノールと水の混合物を含む液体ビヒクル中に存在している、請求項1〜17のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項19】
流動性の液体の形態にあるか、または粘性のゲルの形態にある、請求項18に記載の消毒用製剤。
【請求項20】
クエン酸を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項21】
0.5-7重量%のクエン酸を含む、請求項20に記載の消毒用製剤。
【請求項22】
隣接した
-[-CR1.COOH-]-
[ここで、R1は、上記で定義されている]
単位をその構造中に含む酸性ポリマー、前記アニオン界面活性剤およびクエン酸を含む、請求項5〜21のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項23】
1.5-0.5重量%のGantrez(商標)S-97、1-2重量%のラウリル硫酸ナトリウムおよび0.5-1.5重量%のクエン酸を含む、請求項22に記載の消毒用製剤。
【請求項24】
3.5-2.5重量%のGantrez(商標)S-97、6-4重量%のα-オレフィンスルホネートおよび2.5-1.5重量%のクエン酸を含む、請求項22に記載の消毒用製剤。
【請求項25】
潜在的に有害な微生物、例えば細菌類またはウイルス類で汚染されている表面または汚染されていると考えられる表面を消毒するための、請求項1〜24のいずれか1項に記載の消毒用製剤の使用。
【請求項26】
表面用の消毒用製剤として使用するために提供された、請求項1〜24のいずれか1項に記載の消毒用製剤。
【請求項27】
液体ビヒクルで希釈することによって請求項1〜24のいずれか1項に記載の消毒用製剤を提供するのに適した濃縮物。

【公表番号】特表2011−511764(P2011−511764A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542613(P2010−542613)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050337
【国際公開番号】WO2009/090178
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】