説明

新規輸送体コンストラクト及び輸送体−積荷コンジュゲート分子

本発明は、一般式(I)DLLL(LLLで表される新規輸送体コンストラクト及びその変異体に関する。また、本発明は、輸送体−積荷コンジュゲート分子、特に、例えば、タンパク質又はペプチド、核酸、細胞毒性剤、有機分子などの積荷部分を有する新規輸送体コンストラクトのコンジュゲートに関する。本発明は、更に、これらコンジュゲートを含む(医薬)組成物、かかる輸送体コンストラクトを用いる治療方法、及びかかる輸送体コンストラクトの使用を開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)(配列番号1):
LLL(LLL
(式中、
Dは、D−アミノ酸であり;
Lは、L−アミノ酸であり;
aは、0〜3であり;
l、m、及びnは、互いに独立して1又は2であり;
x及びyは、互いに独立して0、1、又は2である)
で表される少なくとも1つの配列を含むことを特徴とする輸送体コンストラクト。
【請求項2】
以下の亜式(Ia)〜(Id)(配列番号2〜5):
(Ia):DLLL
(Ib):DLLLLLL
(Ic):DLLLLLLLLL;又は
(Id):DLLLLLLLLLLLL
のうちの1つに係る少なくとも1つの配列を含む請求項1に記載の輸送体コンストラクト。
【請求項3】
以下の亜式(Ie)(配列番号6):
DLLLD(LLLD)
に係る少なくとも1つの配列を含む請求項1又は2に記載の輸送体コンストラクト。
【請求項4】
以下の亜式(If)(配列番号7):
DLLLDLLLD
に係る少なくとも1つの配列を含む請求項1〜3のいずれかに記載の輸送体コンストラクト。
【請求項5】
一般式(I)又は亜式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、若しくは(If)のうちのいずれかに係る配列が、輸送(trafficking)配列と共に用いられるか、又は前記輸送配列に適用され、前記輸送配列が、HIV−1TATタンパク質(配列番号8)、好ましくは、HIV−1TATタンパク質(配列番号8)のTAT残基48〜57又は49〜57を含むアミノ酸配列、HSV VP22(単純ヘルペス)、アンテナペディアキャリア配列(ショウジョウバエのアンテナペディア)、FGF、ラクトフェリンに由来するか;或いは、5〜15アミノ酸長、好ましくは10〜12アミノ酸長を有し、且つアルギニン、リジン、及び/又はヒスチジンから選択される塩基性アミノ酸を少なくとも80%、より好ましくは85%、又は更には90%含む塩基性ペプチドに由来するか;或いは、R、R、R、R、Rを含むアルギニンリッチなペプチド配列、VP22、PTD−4由来のタンパク質若しくはペプチド、RGD−K16、PEPT1/2、PEPT1/2由来のタンパク質若しくはペプチド、SynB3、SynB3由来のタンパク質若しくはペプチド、PC阻害剤、P21由来のタンパク質若しくはペプチド、JNK1由来のタンパク質若しくはペプチド、又はこれら輸送配列のうちの1つの変異体、断片、若しくは誘導体である請求項1〜4のいずれかに記載の輸送体コンストラクト。
【請求項6】
一般式(I)又は亜式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、若しくは(If)のうちのいずれかに係る配列が、以下の配列のうちの1つ、その逆配列、又はこれら配列の変異体若しくは断片と共に用いられるか、或いは適用される請求項1〜5のいずれかに記載の輸送体コンストラクト:
【表1】

【表2】

【表3】

【請求項7】
rXXXrXXXr(配列番号252):
(式中、
rは、D−鏡像異性体アルギニンを表し;
Xは、任意のL−アミノ酸であり;且つ
各Xは、配列番号252中の任意の他のXとは個別に且つ独立して選択することができる)
に係る少なくとも1つの配列を含む請求項1〜6のいずれかに記載の輸送体コンストラクト。
【請求項8】
L−アミノ酸である6個のXのうちの少なくとも4個が、K又はRからなるLアミノ酸の群から個別に選択される請求項8に記載の輸送体コンストラクト。
【請求項9】
亜式(If)DLLLDLLLD(配列番号7)で表される配列を含み、且つ輸送体配列が、以下の配列から選択される請求項1〜8のいずれかに記載の輸送体コンストラクト:
【表4】

【表5】

【表6】

【請求項10】
亜式(If)DLLLDLLLD(配列番号7)で表される配列を含み、且つ輸送体配列が、TAT由来配列の位置2にチロシン(Y)を有するHIV−1TATタンパク質に由来する輸送配列と共に用いられるか、又は前記輸送配列に適用され、前記TAT由来配列が、配列TAT(s2−91)(配列番号116)から選択されることが好ましい請求項1〜9のいずれかに記載の輸送体コンストラクト。
【請求項11】
一般式(I)又は亜式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、若しくは(If)のうちのいずれかに係る輸送体配列が、請求項5〜10に記載の輸送配列のうちのいずれかの変異体又は断片であって、請求項5〜10に記載の輸送配列のいずれかの全長の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を有する変異体又は断片と共に用いられるか、或いは前記変異体又は断片に適用される請求項5〜10のいずれかに記載の輸送体コンストラクト。
【請求項12】
a)請求項1〜11のいずれかに記載の輸送体コンストラクトを含む成分(A)と、
b)エフェクタ分子を含む成分(B)と、
を含むことを特徴とする輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項13】
エフェクタ分子が、治療活性タンパク質及びペプチド、タンパク質キナーゼ阻害剤、タンパク質キナーゼであるc−Junアミノ末端キナーゼの阻害剤、抗原、抗体、アポトーシス因子、病状に関与しているプロテアーゼ、好ましくはペプチドプロテアーゼ阻害剤、BH3−ドメイン又はBH3−onlyタンパク質、これらタンパク質をコードする核酸、siRNA、アンチセンスRNA、細胞毒性剤、並びにプロテアーゼ阻害剤を含む小有機化合物から選択される請求項12に記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項14】
成分(B)とは異なる少なくとも1つの追加成分(C)、(D)、及び/又は(E)を更に含み、前記少なくとも1つの任意の追加成分(C)、(D)、及び/又は(E)が、成分(B)について定義された様々なエフェクタ分子、その断片、又はその変異体から互いに独立して選択される請求項12又は13に記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項15】
成分(A)及び(B)と、任意成分(C)、(D)、及び/又は(E)が、互いに共有結合している請求項12〜14のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項16】
少なくとも1つの追加成分(C)、(D)、及び/又は(E)が、シグナル配列又は局在配列から選択され、前記シグナル配列又は局在配列が、本発明の輸送体−積荷コンジュゲート分子を特定の細胞内標的局在位置又は特定の細胞型に導く請求項12〜15のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項17】
成分(B)と、少なくとも1つの追加成分(C)、(D)、及び/又は(E)との少なくともいずれかが、タンパク質又はペプチド配列であり、且つL−アミノ酸、D−アミノ酸、又はL−アミノ酸とD−アミノ酸との混合物からなる請求項12〜16のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項18】
成分(B)がタンパク質又はペプチド配列である場合には、成分(A)が、輸送体−積荷コンジュゲート分子のC末端に位置している請求項12〜17のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項19】
薬剤として使用するための請求項12〜18のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子。
【請求項20】
請求項12〜19のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子と、任意で薬学的に許容できる担体及びビヒクルの少なくともいずれかとを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項21】
輸送体−積荷コンジュゲート分子を調製するための請求項1〜11のいずれかに記載の輸送体コンストラクトの使用。
【請求項22】
輸送体−積荷コンジュゲート分子が、請求項12〜18のいずれかに定義されている請求項21に記載の輸送体コンストラクトの使用。
【請求項23】
治療される患者の細胞又は組織に積荷分子を輸送するための請求項1〜11のいずれかに記載の輸送体コンストラクト、又は請求項12〜18のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子の使用。
【請求項24】
積荷が、請求項12〜18のいずれかに定義されている請求項23に記載の使用。
【請求項25】
特に治療される患者の、白血球及び神経細胞の少なくともいずれかに積荷分子を輸送するための請求項23又は24に記載の使用。
【請求項26】
欠損性アポトーシスにより引き起こされる疾患を含む癌若しくは腫瘍疾患、炎症性疾患、感染性疾患、ウイルス(感染性)疾患、JNKシグナル伝達に強く関連する疾患、自己免疫障害、自己免疫疾患、心臓血管疾患、神経疾患、神経変性疾患、肝臓疾患、脊椎疾患、子宮疾患、大鬱病性障害、非慢性炎症性消化器疾患、慢性炎症性消化器疾患、聴力損失、内耳疾患の予防、治療、及び回復の少なくともいずれかを行う薬剤を調製するため、又は組織移植において用いるための請求項12〜18のいずれかに記載の輸送体−積荷コンジュゲート分子の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−513428(P2012−513428A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542716(P2011−542716)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009229
【国際公開番号】WO2010/072406
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(507045085)ザイジェン エス.アー. (17)
【Fターム(参考)】