説明

新規遺伝子およびFONG遺伝子座の一塩基多型に基づく骨粗鬆症の検査方法

【課題】骨粗鬆症を検査する方法を提供する。
【解決手段】FONG遺伝子座に存在する一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて骨粗鬆症を検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は骨粗鬆症を予測または判定するための検査方法及び該検査方法に用いられる試薬に関する。本発明は、さらに、骨粗鬆症に関連する遺伝子、当該遺伝子より発現されるタンパク質、および当該タンパク質に対する抗体に関する。
【背景技術】
【0002】
骨や関節の病気は世界中で深刻な問題であり、その中でも骨粗鬆症(osteoporosis)は最も多い疾患の一つである。骨粗鬆症は、中年以降に発症し、患者の約8割は女性である。現在、全世界で2億人以上が骨粗鬆症に罹患しており、人口の高齢化に伴い患者は急激に増大するものと予想される。
【0003】
骨粗鬆症は、臨床上は、骨量の低下、骨強度の減少、および骨折傾向の増大等を特徴とする。骨密度(bone mineral density; BMD)は骨粗鬆症の検査に一般的に用いられる表現型であり、骨粗鬆症による骨折リスクを評価するのに有用なツールである。BMDが遺伝的要因により影響を受けることは広く知られており、遺伝率は50〜90%であると推定されている。
【0004】
骨粗鬆症リスクに関与する遺伝子座を同定するためにはいくつかの実験的アプローチが考えられる。例えば、骨代謝に関連する遺伝子や、まれな単一遺伝子骨疾患の病原遺伝子を幅広くスクリーニングすることで候補となる遺伝子を同定する試みがなされている(非特許文献1−3)。しかしながら、再現性が得られているのは、ほんのわずかな遺伝子のみである。
【0005】
また、ゲノムワイド相関解析(GWAS)によって骨粗鬆症の感受性遺伝子を同定する試みがなされている。GWASによれば、表現型にほとんど影響しない遺伝子バリアントの検出も可能であり、未知の感受性遺伝子を見出すことができると期待される。最近、いくつかのグループがGWASを行い、骨粗鬆症感受性に関連する複数の遺伝子座を同定している(非特許文献4−9、特許文献1、2)。例えば、アジア人種について骨粗鬆症のGWASを行い、JAG1やALDH7A1等のいくつかの遺伝子が同定されている(非特許文献9,10)。しかしながら、骨粗鬆症に対するこれら遺伝子の遺伝的な寄与は完全には明らかになっていない。
【0006】
そして、FONG遺伝子座の多型と骨粗鬆症との関係は報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−000066号公報
【特許文献2】特開2005−006538号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Ralston, S.H. et al. Genetic regulation of bone mass and susceptibility to osteoporosis. Genes Dev 20, 2492-506 (2006)
【非特許文献2】Liu, Y.Z. et al. Molecular studies of identification of genes for osteoporosis: the 2002 update. J Endocrinol 177, 147-96 (2003).
【非特許文献3】Liu, Y.J. et al. Molecular genetic studies of gene identification for osteoporosis: a 2004 update. J Bone Miner Res 21, 1511-35 (2006)
【非特許文献4】Kiel, D.P. et al. Genome-wide association with bone mass and geometry in the Framingham Heart Study. BMC Med Genet 8 Suppl 1, S14 (2007)
【非特許文献5】Liu, Y.Z. et al. Identification of PLCL1 gene for hip bone size variation in females in a genome-wide association study. PLoS One 3, e3160 (2008)
【非特許文献6】Richards, J.B. et al. Bone mineral density, osteoporosis, and osteoporotic fractures: a genome-wide association study. Lancet 371, 1505-12 (2008)
【非特許文献7】Styrkarsdottir, U. et al. Multiple genetic loci for bone mineral density and fractures. N Engl J Med 358, 2355-65 (2008)
【非特許文献8】Xiong, D.H. et al. Genome-wide association and follow-up replication studies identified ADAMTS18 and TGFBR3 as bone mass candidate genes in different ethnic groups. Am J Hum Genet 84, 388-98 (2009)
【非特許文献9】Kung, A.W. et al. Association of JAG1 with bone mineral density and osteoporotic fractures: a genome-wide association study and follow-up replication studies. Am J Hum Genet 86, 229-39 (2010)
【非特許文献10】Guo, Y. et al. Genome-wide association study identifies ALDH7A1 as a novel susceptibility gene for osteoporosis. PLoS Genet 6, e1000806 (2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、骨粗鬆症の発症リスクや発症を正確に検査する方法、及び該方法に用いられる検査試薬を提供することを課題とする。また、本発明は、骨粗鬆症に関連する遺伝子、当該遺伝子より発現されるタンパク質、および当該タンパク質に対する抗体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題の解決のために鋭意検討した結果、FONG遺伝子座に存在する一塩基多型(SNP)が骨粗鬆症と相関することを同定した。そして、これらの多型を調べることにより骨粗鬆症の発症リスクや発症の推定を正確に実施できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)FONG遺伝子座に存在する一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて骨粗鬆症を検査する方法。
(2)前記一塩基多型が、配列番号1の塩基配列の塩基番号61番目の塩基に相当する塩基、または該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基における一塩基多型である、(1)に記載の方法。
(3)配列番号1の塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有する骨粗鬆症検査用プローブ。
(4)配列番号1の塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む領域を増幅することのできる骨粗鬆症検査用プライマー。
(5)以下の(A)〜(D)から選択されるDNA。
(A)配列番号2に示す塩基配列における389〜832番目の塩基配列を含むDNA。(B)配列番号2に示す塩基配列における389〜832番目の塩基配列と相補的な塩基配列又は該塩基配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(C)配列番号3に示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(D)配列番号3のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加等を含むアミノ酸配列を含み、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(6)以下の(a)または(b)のタンパク質。
(a)配列番号3に示すアミノ酸配列を含むタンパク質。
(b)配列番号3のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加等を含むアミノ酸配列を含み、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質。
(7)前記タンパク質に対する抗体。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、これまで予測が困難であった骨粗鬆症の発症リスクを正確かつ簡便に予測することができる。また、骨粗鬆症の発症を正確かつ簡便に判定することができる。したがって、本発明は骨粗鬆症の予防や早期治療に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】1次スクリーニングにおけるQ−Qプロットを示す図。斜め線からの偏差は、いずれのSNPsも骨粗鬆症と相関しないという帰無仮説からの偏差に相当する。
【図2】2次スクリーニングにおけるQ−Qプロットを示す図。斜め線からの偏差は、いずれのSNPsも骨粗鬆症と相関しないという帰無仮説からの偏差に相当する。
【図3】ヒト第2染色体FONG遺伝子座領域の連鎖不平衡(LD)マップを示す図。
【図4】FONG遺伝子からの転写産物に基づく遺伝子の塩基配列と推定アミノ酸配列。図中、FTCD−Nドメインと推定される部分を下線で示す。
【図5】予測されていたLOC348751の遺伝子構造と、FONGの遺伝子構造を示す図。図中、白抜き部分は非翻訳領域を、黒塗り部分はコード領域を示す。
【図6】(a)ノーザンブロッティングによるFONG遺伝子の発現解析の結果を示す写真。レーン1:腎臓、レーン2:骨格筋、レーン3:肝臓、レーン4:骨。(b)各ヒト組織でのFONG遺伝子の発現レベルを示す図。縦軸は、βアクチン(ACTB)のmRNA量に対するFONGのmRNA量の相対値(2回の独立した試験に基づく平均±標準誤差)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<1>本発明の検査方法
本発明の検査方法は、ヒトのFONG遺伝子座に含まれるSNPを分析し、該分析結果に基づいて骨粗鬆症を検査する方法である。なお、本発明において、「検査」とは骨粗鬆症の発症リスクの検査及び骨粗鬆症の発症の有無の検査を含む。
【0015】
FONG遺伝子座は、ヒト第2染色体長腕33.1領域に存在する、FONG遺伝子産物をコードする遺伝子を包含する領域である。FONG遺伝子座は、好ましくは、ヒト第2染色体上のGenBank Accession No.NC_000002.11の200625258〜200716734の領域を意味する。
【0016】
FONG遺伝子座に存在する具体的なSNPとしては、ヒトrs7605378を挙げることができる。ここで、rs番号はNational Center for Biotechnology InformationのdbSNPデータベース(http//www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/)の登録番号を示す。rs7605378はFONG遺伝子座のイントロン3に存在する。rs7605378はGenBank Accession No. NT_005403.16の50886343番目の塩基におけるアデニン(A)/シトシン(C)の多型を意味し、この塩基がAである場合は骨粗鬆症の可能性が高い。また、アレルを考慮して解析した場合は、rs7605378がAA>AC>CCの順で骨粗鬆症の可能性が高い。
【0017】
なお、rs7605378について、SNP塩基及びその前後60bpの領域を含む合計121bpの長さの配列を、配列番号1に示した。61番目の塩基が多型を有する。
【0018】
上記塩基に相当する塩基を本発明においては解析する。ここで、「相当する」とは、ヒトFONG遺伝子座の該当塩基を意味し、仮に、人種の違いなどによって上記配列がSNP以外の位置で若干変化したとしても、その中の該当塩基を解析することも含む。
【0019】
また、本発明において解析する塩基は上記のものに限定されず、上記の塩基と連鎖不平衡にある塩基の多型を分析してもよい。ここで「上記の塩基と連鎖不平衡にある塩基」とは、上記の塩基とr2>0.5、好ましくはr2>0.8、さらに好ましくはr2>0.9の関係を満たす塩基をいう。そのようなSNPsとしては、例えば、rs10194076、rs57696619、rs2346662、rs7577763、rs2689763、rs769954、rs796363、rs769957、rs769958、rs797163、rs2689766、rs59036985、およびrs58319901が挙げられる。これらSNPsの詳細について表1に示す。表1中、r2はrs7605378に対する各SNPのr2を示す。また、表1中、各SNPについて、メジャーアレルがリスクアレルである。すなわち、例えば、rs10194076は、GenBank Accession No. NT_005403.16の50887080番目の塩基におけるチミン(T)/シトシン(C)の多型を意味し、この塩基がTである場合は骨粗鬆症の可能性が高い。なお、rs57696619は、チミン(T)が欠失している場合に骨粗鬆症の可能性が高い。なお、rs59036985は、4塩基(AAAG)が挿入されている場合に骨粗鬆症の可能性が高い。いずれもリスクアレルのホモ接合体が骨粗鬆症の可能性が高い。
【0020】
【表1】

【0021】
上記SNPの塩基の種類を調べることによって、骨粗鬆症を検査することができる。上記SNPは単独で解析されてもよいし、上記SNPの少なくとも1つを含む複数のSNPsをまとめて解析(ハプロタイプ解析)してもよい。なお、FONG遺伝子座の配列はセンス鎖を解析してもよいし、アンチセンス鎖を解析してもよい。
【0022】
FONG遺伝子座に含まれるSNPの解析に用いる試料としては、染色体DNAを含む試料であれば特に制限されないが、例えば、血液、尿等の体液サンプル、口腔粘膜などの細胞、毛髪等の体毛などが挙げられる。SNPの解析にはこれらの試料を直接使用することもできるが、これらの試料から染色体DNAを常法により単離し、これを用いて解析することが好ましい。
【0023】
FONG遺伝子座に含まれるSNPの解析は、通常の遺伝子多型解析方法によって行うことができる。例えば、シークエンス解析、PCR、ハイブリダイゼーション、インベーダー法などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
シークエンスは通常の方法により行うことができる。具体的には、多型を示す塩基の5’側 数十塩基の位置に設定したプライマーを使用してシークエンス反応を行い、その解析結果から、該当する位置がどの種類の塩基であるかを決定することができる。なお、シークエンスを行う場合、あらかじめSNP部位を含む断片をPCRなどによって増幅しておくことが好ましい。
【0025】
また、PCRによる増幅の有無を調べることによって解析することができる。例えば、多型を示す塩基を含む領域に対応する配列を有し、かつ、3’末端が各多型に対応するプライマーをそれぞれ用意する。それぞれのプライマーを使用してPCRを行い、増幅産物の有無によってどのタイプの多型であるかを決定することができる。また、LAMP法(特許第3313358号明細書)、NASBA法(Nucleic Acid Sequence−Based Amplification;特許2843586号明細書)、ICAN法(特開2002−233379号公報)などによって増幅の有無を調べることもできる。その他、単鎖増幅法を用いてもよい。
【0026】
また、SNP部位を含むDNA断片を増幅し、増幅産物の電気泳動における移動度の違いによってどのタイプの多型であるかを決定することもできる。このような方法としては、例えば、PCR−SSCP(single−strand conformation polymorphism)法(Genomics. 1992 Jan 1; 12(1): 139-146.)が挙げられる。具体的には、まず、FONG遺伝子座に含まれる目的のSNPを含むDNAを増幅し、増幅したDNAを一本鎖DNAに解離させる。次いで、解離させた一本鎖DNAを非変性ゲル上で分離し、分離した一本鎖DNAのゲル上での移動度の違いによってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
【0027】
さらに、多型を示す塩基が制限酵素認識配列に含まれる場合は、制限酵素による切断の有無によって解析することもできる(RFLP法)。この場合、まず、DNA試料を制限酵素により切断する。次いで、DNA断片を分離し、検出されたDNA断片の大きさによってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
【0028】
ハイブリダイゼーションの有無を調べることによって多型の種類を解析することも可能である。すなわち、各塩基に対応するプローブを用意し、いずれのプローブにハイブリダイズするかを調べることによってSNPがいずれの塩基であるかを調べることもできる。
【0029】
このようにしてSNPがいずれの塩基であるかを決定することで、骨粗鬆症を検査するためのデータを得ることができる。
【0030】
<2>本発明の検査用試薬
本発明はまた、骨粗鬆症を検査するためのプライマーやプローブなどの検査試薬を提供する。このようなプローブとしては、FONG遺伝子座における上記SNP部位を含み、ハイブリダイズの有無によってSNP部位の塩基の種類を判定できるプローブが挙げられる。具体的には、配列番号1において塩基配列の61番目の塩基を含む配列、又はその相補配列を有する10塩基以上の長さのプローブが挙げられる。プローブの長さはより好ましくは、15〜35塩基であり、さらに好ましくは20〜35塩基である。
【0031】
また、プライマーとしては、FONG遺伝子座における上記多型部位を増幅するためのPCRに用いることのできるプライマー、又は上記多型部位を配列解析(シークエンシング)するために用いることのできるプライマーが挙げられる。具体的には、配列番号1の塩基配列の61番目の塩基含む領域を増幅したりシークエンシングしたりすることのできるプライマーが挙げられる。このようなプライマーの長さは10〜50塩基が好ましく、15〜35塩基がより好ましく、20〜35塩基がさらに好ましい。
【0032】
上記多型部位をシークエンシングするためのプライマーとしては、上記塩基の5’側領域、好ましくは30〜100塩基上流の配列を有するプライマーや、上記塩基の3’側領域、好ましくは30〜100塩基下流の領域に相補的な配列を有するプライマーが例示される。PCRによる増幅の有無で多型を判定するために用いるプライマーとしては、上記塩基を含む配列を有し、上記塩基を3’側に含むプライマーや、上記塩基を含む配列の相補配列を有し、上記塩基の相補塩基を3’側に含むプライマーなどが例示される。
【0033】
なお、本発明の検査用試薬はこれらのプライマーやプローブに加えて、PCR用のポリメラーゼやバッファー、ハイブリダイゼーション用試薬などを含むものであってもよい。
【0034】
<3>本発明の遺伝子
本発明の遺伝子は、ヒトのFONG遺伝子である。ヒトのFONG遺伝子としては、例えば、配列番号2の塩基配列を含むDNAを挙げることができる。配列番号2の塩基配列は、FONG遺伝子座からの転写産物に基づくFONG遺伝子の塩基配列である。上記配列の遺伝子は、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードしていると推定される。配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質は、ホルムイミノトランスフェラーゼ活性を有すると推定される。また、本発明の遺伝子は、特に、配列番号2の塩基配列中、前記タンパク質をコードすると推定される領域である389〜832番目の塩基配列を含むDNAを含む。
【0035】
本発明の遺伝子は、人種の違いなどによって1又は複数の塩基に置換や欠失等が存在する可能性があるため、上記配列の遺伝子に限定されない。
【0036】
すなわち、本発明の遺伝子は、配列番号3のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加等を含むアミノ酸配列を含み、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。前記「1若しくは数個」とは、具体的には好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個を意味する。
【0037】
本発明の遺伝子は、配列番号3のアミノ酸配列全体に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を有し、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。
【0038】
また、本発明の遺伝子は、配列番号2に示す塩基配列の相補配列または配列番号2に示す塩基配列の389〜832番目の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。ここで、「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。一例を示せば、相同性が高いDNA同士、例えば80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC、0.1% SDS、好ましくは、60℃、0.1×SSC、0.1% SDS、さらに好ましくは、68℃、0.1×SSC、0.1% SDSに相当する塩濃度、温度で、1回、より好ましくは2〜3回洗浄する条件が挙げられる。
【0039】
プローブは、上記DNAの相補配列の一部であってもよい。そのようなプローブは、公知の遺伝子配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとし、これらの塩基配列を含むDNA断片を鋳型とするPCRによって作製することができる。例えば、プローブとして、300bp程度の長さのDNA断片を用いる場合には、ハイブリダイゼーションの洗いの条件は、50℃、2×SSC、0.1% SDSが挙げられる。
【0040】
<4>本発明のタンパク質
本発明のタンパク質は、本発明の遺伝子によりコードされるタンパク質である。
【0041】
本発明のタンパク質としては、例えば配列番号3のアミノ酸配列を含むタンパク質が挙げられる。配列番号3のアミノ酸配列を含むタンパク質は、ホルムイミノトランスフェラーゼ活性を有すると推定される。
【0042】
本発明のタンパク質は、配列番号3のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加等を含むアミノ酸配列を含み、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質であってもよい。前記「1若しくは数個」とは、具体的には好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個を意味する。
【0043】
本発明のタンパク質は、配列番号3のアミノ酸配列全体に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を有し、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質であってもよい。
【0044】
<5>本発明の抗体
本発明の抗体は本発明のタンパク質に対する抗体である。本発明のタンパク質を特異的に認識するものである限り、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体でもよい。
【0045】
ポリクローナル抗体は、例えば、本発明のタンパク質を含む免疫原でマウスやウサギなどの非ヒト哺乳動物を免疫し、その抗血清から本発明のタンパク質を特異的に認識する抗体を回収することによって得ることができる。BSAやKLHなどのキャリアタンパク質に結合させて免疫に使用してもよい。抗体はプロテインAなどによって精製することができる。
【0046】
モノクローナル抗体は、例えば、本発明のタンパク質を含む免疫原でマウスなどの非ヒト哺乳動物を免疫し、該哺乳動物から単離したリンパ球をマウスミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを作製し、得られたハイブリドーマが産生する抗体の中から、本発明のタンパク質を特異的に認識する抗体を選択することによって得ることができる。モノクローナル抗体には、F(ab’)2化抗体、F(ab’)化抗体、短鎖抗体(scFv)、ダイアボディ(Diabodies)およびミニボディ(Minibodies)等のモノクローナル抗体のフラグメントも含まれる。
【0047】
本発明の抗体は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質の検出や免疫沈降やELISAなどに使用できる。
【実施例】
【0048】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0049】
(実施例1)骨粗鬆症と相関するSNPsの同定
まず、骨粗鬆症感受性を決定する遺伝的変異を同定するために、日本人被検者を用いてゲノムワイド相関解析(GWAS)を行った。解析に用いた被検者の特徴は表2に示すとおりである。
【0050】
【表2】

【0051】
1次および2次スクリーニングに用いた骨粗鬆症の被検者(ケース; 患者)および非骨粗鬆症の被検者(コントロール; 対照)は、BioBank Japan(BBJ)(Nakamura, Y. The BioBank Japan Project. Clin Adv Hematol Oncol 5, 696-7 (2007))より得た。1次追試の患者群は、BBJより得た。2次追試の患者群、並びに、1次および2次追試の対照群には、互いに血縁関係を有さない外来の閉経後女性ボランティアのサンプルを用いた。対照群は、骨粗鬆症以外の種々の疾患を有する。
【0052】
骨粗鬆症の判定は日本骨粗鬆症学会の基準に準じて行い、腰椎(lumbar spine)および大腿骨頸部(femoral neck)の両方について若年成年男性のBMDの70%未満である場合に骨粗鬆症と判定した。当該基準は、世界保健期間(WHO)の基準であるTスコアで−2.5未満に相当する。BMDは、標準的なプロトコルに従って二重エネルギー放射線吸収測定法を行うことで測定した。
【0053】
1次および2次スクリーニングにおいて、統計解析にはFisherの正確確率検定(allele frequency model, dominant−effect model, およびrecessive−effect modelの3モデル)を用いた。追試において、統計解析にはχ2検定(allele frequency model, dominant−effect model, およびrecessive−effect modelの3モデル)を用いた。オッズ比(Odds Ratio; OR)および信頼区間(Confidence Interval; CI)はメジャーアレルを参考に算出した。ハプロタイプの相関解析はHaploview softwareを用いて行った(Barrett, J.C et al. Haploview: analysis and visualization of LD and haplotype maps. Bioinformatics 21, 263-5 (2005))。メタ解析はMantel−Haenszel法により行った。
【0054】
本研究は東京大学医科学研究所および理化学研究所ゲノム医科学研究センターの倫理委員会によって承認された。
【0055】
[1次スクリーニング]
1次スクリーニングでは、BBJに登録された骨粗鬆症の患者190人と対照1557人について、常染色体に存在する268,064個のSNPsの遺伝型を解析し、224,507個のSNPsについて遺伝型のデータを取得した。上記268,064個のSNPsは、日本人集団におけるタグSNPsとしてJSNP(Haga, H. et al. Gene-based SNP discovery as part of the Japanese Millennium Genome Project: identification of 190,562 genetic variations in the human genome. Single-nucleotide polymorphism. J Hum Genet 47, 605-10 (2002))またはHapMapデータベース(Frazer, K.A. et al. A second generation human haplotype map of over 3.1 million SNPs. Nature 449, 851-61 (2007))から選択されたものであり、日本人集団の一般的なSNPsの約56%をカバーする。試料としては末梢血白血球から常法により抽出したゲノムDNAを用い、解析にはhigh density oligonucleotide arrays(Perlegen Science)を用いた。Quantile−quantile(Q−Q)プロット(図1)により、骨粗鬆症に関連する可能性のある多くのSNPsが存在することが明らかとなった。
【0056】
[2次スクリーニング]
1次スクリーニングにおいてデータの得られた224,507個のSNPsの内、P値の低い上位3000個のSNPsを選択し、2次スクリーニングを行った。患者526人と対照1537人について、前記3000個のSNPsの遺伝型を解析し、1654個のSNPsについて遺伝型のデータを取得した。患者群の解析はhigh density
oligonucleotide arrays(Perlegen Science)により、対照群の解析はmultiplex−PCR invader assay(Ohnishi, Y. et al. A high-throughput SNP typing system for genome-wide association studies. J Hum Genet 46, 471-7 (2001))により行った。Quantile−quantile(Q−Q)プロットを図2に示す。
【0057】
[1次追試]
2次スクリーニングにおいて結果の得られた1654個のSNPs(図2)の内、P値の低い上位3個のSNPsを選択し、追試を行った。患者1326人と対照1292人について、前記3個のSNPsの遺伝型を解析した。相関解析における有意性の閾値をP<1.67×10-2(=0.05/3)と設定した。当該閾値は、3回のテストに基づくボンフェローニ補正後のP<0.05に相当する。前記3個のSNPsの内、最小のP値を示すrs7605378のみが骨粗鬆症と有意に相関を示した(P=2.99×10-3)。rs7605378について表3に示す。なお、rs7605378について、Aが骨粗鬆症のリスクアレルである。
【0058】
【表3】

RAF:リスクアレル頻度(risk allele frequency)
a:Pearsonのχ2検定(allele model)のP値
b:2×2頻度表からのリスクアレルのオッズ比(odds ratio; OR)
c:Breslow−Day検定の結果
d:日本人被検者を用いた全4試験(1次および2次スクリーニング並びに1次および2次追試)のメタ解析
e:日本人被検者を用いた全4試験および漢民族集団を用いた試験のメタ解析
【0059】
[2次追試]
検証のため、独立した人的集団を被検者として2次追試を行った。患者240人と対照285人について、rs7605378の遺伝型を解析したところ、rs7605378と骨粗鬆症との有意な相関が再現された(P=3.97×10-2)。なお、相関解析における有意性の閾値はP<0.05と設定した。
【0060】
また、1次および2次スクリーニング並びに1次および2次追試からなる全4試験のメタ解析を行ったところ、rs7605378のcombined P valueは1.51×10-8(OR=1.25; 95% CI:1.16−1.35)であり(表3)、GWASの有意性の閾値として設定したP<2.23×10-7(=0.05/224,507)をパスした。当該閾値は、224,507回のテストに基づくボンフェローニ補正後のP<0.05に相当する。よって、rs7605378が骨粗鬆症と有意に相関することが確認された。
【0061】
[漢民族集団を用いた追試]
さらに、漢民族集団において、rs7605378と骨粗鬆症との相関を解析した。患者338人と対照122人について、rs7605378の遺伝型を解析したところ、骨粗鬆症と相関する傾向が認められた。
【0062】
さらに、日本人集団を用いた4試験とこの漢民族集団を用いた試験からなる全5試験のメタ解析を行ったところ、rs7605378のcombined P valueは1.33×10-8(OR=1.24; 95% CI:1.15−1.33)であり(表3)、日本人を用いた4試験のメタ解析の結果と比較して、さらに高い有意性を示した。よって、rs7605378が骨粗鬆症と有意に相関することが再度確認された。
【0063】
[骨粗鬆症と最も強く相関するSNPの同定]
HapMapプロジェクトデータベース(リリース23a)を参照し、rs7605378に対するD’>0.8であり、かつ、マイナーアレル頻度>0.1であるSNPsを選択し、FONG領域の連鎖不平衡(LD)マップを作成した(図3)。rs7605378近傍の連鎖不平衡(LD)ブロックには、HapMapプロジェクトデータベースに登録された51個のSNPsと1個の予測遺伝子が含まれていた。当該51個のSNPs全てをr2>0.8でカバーする、rs7605378を含む14個のタグSNPsを選択し、患者2039人と対照1292人について、遺伝型を解析したところ、rs7605378よりも有意に骨粗鬆症と相関するSNPは見出せなかった。なお、D’およびr2はいずれも連鎖不平衡の程度を示す尺度である。
【0064】
さらに、rs7605378に対してr2>0.8を示す約25kbの領域を、患者24人から取得したゲノムDNAのダイレクトシーケンスにより検索したところ、HapMapデータベースに登録された39個の既知SNPsに加え、20個の新規SNPsが見出された(表4)。当該59個のSNPs全てを用いてペアワイズr2値を算出し、r2>0.95を示す22個のタグSNPsを選択して遺伝型を解析したところ、rs7605378よりも有意に骨粗鬆症と相関するSNPは見出されなかった。
【0065】
【表4】

【0066】
さらに、s7605378近傍の連鎖不平衡(LD)ブロックから選択した前記14個のタグSNPsについて、ハプロタイプ解析を行った。rs7605378を単独で解析するのに比較して、より有意に骨粗鬆症と相関したハプロタイプは見出されなかった(表5)。
【0067】
【表5】

OR:アレル2に対するアレル1のオッズ比
CI:信頼区間(Confidence Interval)
前記2次追試で用いた骨粗鬆症患者群において1%以上の頻度で出現する全てのハプロタイプを示す。1および2は、それぞれ骨粗鬆症患者群におけるマイナーアレルおよびメジャーアレルを示す。
*14個のSNPsのアレル(左からrs12373788、rs7572473、rs12615435、rs10931875、rs12473679、rs6759644、rs17529497、rs6743271、rs4673491、rs7605378、rs2030653、rs2164889、rs12470986、およびrs10203122)
【0068】
以上より、rs7605378が骨粗鬆症と最も強く相関するSNPであることが明らかとなった。また、rs7605378に対してr2=1を示す、すなわちrs7605378と完全連鎖する12個のSNPsが検出された(表4)。よって、特にこれら13個のSNPは、骨粗鬆症の原因SNPsであると推測され、いずれも骨粗鬆症の検査に用いることができる。
【0069】
(実施例2)FONGの同定と発現
[FONGの同定]
NCBI genome database(build 36.3)において、rs7605378はLOC348751遺伝子内に存在する。前記データベースにおいて、LOC348751にはRefseq転写産物(966bp)が登録されているが、あくまでin silico予測に基づくものであった。そこで、骨を試料として、発現した転写産物の全長配列をRACEおよびRT−PCRによりクローニングした。その結果、147アミノ酸残基のタンパク質の存在が予測される1997bpの新規な転写産物が同定された(図4)。当該タンパク質のアミノ酸配列を配列番号3に、当該転写産物に基づく遺伝子の塩基配列を配列番号2に示す。この新規に見出された遺伝子をFONGと命名した。
【0070】
なお、LOC348751は5つのエクソンで構成されるが、本実験のRT−PCRでは、予測されていたエクソン1は確認されず、エクソン2の一部およびエクソン3−5のみが確認された。上記1997bpの転写産物を含む多数のスプライシングバリアントを同定したところ、主要なスプライシングバリアントは4つのエクソンで構成されており、LOC348751のエクソン3および4を共通して含んでいた。一方、エクソン5についてはスプライシングバリアント間で多様性に富むことが明らかとなった。予測されていたLOC348751の遺伝子構造と、FONGの遺伝子構造を図5に示す。
【0071】
[FONGの発現]
FONGの発現と転写産物のサイズを確認するため、以下の手順でノーザンブロッティングを行い、RNAの検出を行った。
【0072】
FONGの413−731番目の塩基配列に相当するcDNAフラグメントをpCR2.1TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングした。DIGラベルしたプローブを、クローニング後のベクターを基に、DIG RNA Labeling Kit(Roche)を用いて合成した。腎臓、肝臓、骨格筋、および骨からのmRNAの抽出はFastTrack 2.0 mRNA Isolation kit (Invitrogen)により行った。各組織から抽出されたmRNA2μgを電気泳動に供し、DIG Easy HybおよびDIG Wash and Block Buffer set (Roche)を製造元の指示に従って使用しmRNAの検出を行った。予測された転写産物の長さに相当するバンドが、全ての組織に共通して検出された(図6(a))。
【0073】
また、リアルタイムPCRにより、種々のヒト組織におけるFONGの発現を調べたところ、FONGは、肝臓および骨格筋において高度に発現しており、また骨においても中程度に発現していることが明らかとなった(図6(b))。
【0074】
[FONGの機能推定]
Protein motif analysis program(http://www.ebi.ac.uk/Tools/InterProScan/)によると、前記147アミノ酸残基のタンパク質は、シグナルペプチド、およびホルムイミノトランスフェラーゼドメイン−N末サブドメイン(FTCD−Nドメイン)を有していると予測された。FTCD−Nドメインを図4に下線で示す。FTCDは、ヒスチジンからグルタミン酸への変換に関与する哺乳類の代謝酵素であり、そのN末ドメインはN−ホルムイミノ−L−グルタミン酸からテトラヒドロ葉酸へホルムイミノ基を転移し、L−グルタミン酸と5−ホルムイミノテトラヒドロ葉酸を生成する活性を有する。グルタミン酸シグナル伝達は骨の恒常性に重要であり、例えば、グルタミン酸は破骨細胞により分泌され、また、グルタミン酸トランスポータ1のKOマウスは骨粗鬆症を発症することが知られている。すなわちFONGは骨の代謝を制御している可能性がある。
【0075】
また、rs7605378および当該SNPと完全連鎖する12個のSNPsは、いずれもFONG遺伝子座のイントロン3に、または3’フランクキング領域に存在し、FONGより発現されるタンパク質のアミノ酸配列に影響しない。よって、これらSNPsはFONGの発現に影響することで骨粗鬆症と関連している可能性がある。
【0076】
以上の通り、骨粗鬆症感受性遺伝子の候補として新規にFONGを同定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FONG遺伝子座に存在する一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて骨粗鬆症を検査する方法。
【請求項2】
前記一塩基多型が、配列番号1の塩基配列の塩基番号61番目の塩基に相当する塩基、または該塩基と連鎖不平衡の関係にある塩基における一塩基多型である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
配列番号1の塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有する骨粗鬆症検査用プローブ。
【請求項4】
配列番号1の塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む領域を増幅することのできる骨粗鬆症検査用プライマー。
【請求項5】
以下の(A)〜(D)から選択されるDNA。
(A)配列番号2に示す塩基配列における389〜832番目の塩基配列を含むDNA。(B)配列番号2に示す塩基配列における389〜832番目の塩基配列と相補的な塩基配列又は該塩基配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、配列番号3のアミノ酸配列をからなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(C)配列番号3に示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(D)配列番号3のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加等を含むアミノ酸配列を含み、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
【請求項6】
以下の(a)または(b)のタンパク質。
(a)配列番号3に示すアミノ酸配列を含むタンパク質。
(b)配列番号3のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加等を含むアミノ酸配列を含み、配列番号3のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質。
【請求項7】
請求項6に記載のタンパク質に対する抗体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−100557(P2012−100557A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249929(P2010−249929)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度 文部科学省、科学技術試験研究「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト」産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【出願人】(508067851)一般社団法人徳洲会 (12)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】