説明

新規類のレニン阻害剤

本発明はカルボキシラート乃至カルボン酸末端基をもつピペリジン系レニン阻害剤化合物に関する。開示する低分子量の経口活性レニン阻害剤は非ペプチド種であり、作用時間が長い。前記化合物は心血管イベントと腎不全の治療に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式(I)の新規レニン阻害剤に関する。本発明は前記化合物の製造方法、式(I)の1種以上の化合物を含有する医薬組成物、及び特に心血管イベントと腎不全におけるレニン阻害剤としてのその使用を含む関連側面にも関する。
【背景技術】
【0002】
レニン・アンギオテンシン系(RAS)において、生物学的に活性なアンギオテンシンII(Ang II)は2段階メカニズムにより生成される。高特異性酵素であるレニンはアンギオテンシノーゲンを分解し、得られたアンギオテンシンI(Ang I)はその後、低特異性アンギオテンシン変換酵素(ACE)により更にプロセシングされ、Ang IIとなる。Ang IIはAT及びATと呼ばれる少なくとも2種類の受容体サブタイプに作用することが知られている。ATはAng IIの公知機能の大半を伝達すると思われるが、ATの役割は依然として不明である。
【0003】
RASの調節は心血管疾患の治療に著しい進歩をもたらす。ACE阻害剤とAT遮断薬は高血圧の治療用として認められている(Waeber B.et al.,“The renin−angiotensin system:role in experimental and human hypertension”,in Birkenhager W.H.,Reid J.L.(eds):Hypertension,Amsterdam,Elsevier Science Publishing Co,1986,489−519;Weber M.A.,Am.J.Hypertens.,1992,5,247S)。更に、ACE阻害剤は腎保護(Rosenberg M.E.et al.,Kidney International,1994,45,403;Breyer J.A.et al.,Kidney International,1994,45,S156)、鬱血性心不全(Vaughan D.E.et al.,Cardiovasc.Res.,1994,28,159;Fouad−Tarazi F.et al.,Am.J.Med,1988,84(Suppl.3A),83)及び心筋梗塞(Pfeffer M.A.et al.,N.Engl.J.Med,1992,327,669)の予防にも使用されている。
【0004】
レニン阻害剤開発の基本原理はレニンの特異性である(Kleinert H.D.,Cardiovasc.Drugs,1995,9,645)。レニンの基質として知られているのはアンギオテンシノーゲンのみであり、(生理条件下で)レニンでしかプロセシングすることができない。他方、ACEはAng I以外にブラジキニンも分解することができ、セリンプロテアーゼであるキマーゼをバイパスとすることができる(Husain A.,J.Hypertens.,1993,11,1155)。従って、患者でACEを阻害すると、ブラジキニンが蓄積し、咳(5〜20%)や、潜在的に生命にかかわる血管神経性浮腫(0.1〜0.2%)の原因となる(Israili Z.H.et al.,Annals of Internal Medicine,1992,117,234)。キマーゼはACE阻害剤により阻害されない。従って、ACE阻害剤を投与した患者では依然としてAng IIの形成が可能である。他方、AT受容体を(例えばロサルタンにより)遮断すると、他のAT受容体サブタイプ(例えばAT)がAT受容体の遮断により著しく濃度の増加したAng IIに過剰に暴露される。つまり、レニン阻害剤はRASの遮断と安全性の側面における効力に関してACE阻害剤及びAT遮断薬とは異なる医薬品特性を示すと予想される。
【0005】
レニン阻害剤はそのペプチド様特徴により経口活性が不十分であるため、限られた臨床実験しか行われていない(Azizi M.et al.,J.Hypertens.,1994,12,419;Neutel J.M.et al.,Am.Heart,1991,122,1094)(Kleinert H.D.,Cardiovasc.Drugs,1995,9,645)。この問題と相俟って製品コストが高いために数種類の化合物の臨床開発は中止されている。臨床試験に入っているのは4個のキラル中心を含む1種類の化合物のみである(Rahuel J.et al.,Chem.Biol,2000,7,493;Mealy N.E.,Drugs of the Future,2001,26,1139)。従って、経口生体適合性が良好で作用時間の長いレニン阻害剤が必要とされている。最近、高いインビトロ活性を示す最初の非ペプチド系レニン阻害剤が記載されている(Oefner C.et al.,Chem.Biol,1999,6,127;特許出願WO97/09311;Marki H.P.et al.,Il Farmaco,2001,56,21)。しかし、これらの化合物の開発状況は不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第97/09311号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Waeber B.et al.,“The renin−angiotensin system:role in experimental and human hypertension”,in Birkenhager W.H.,Reid J.L.(eds):Hypertension,Amsterdam,Elsevier Science Publishing Co,1986,489−519
【非特許文献2】Weber M.A.,Am.J.Hypertens.,1992,5,247S
【非特許文献3】Rosenberg M.E.et al.,Kidney International,1994,45,403
【非特許文献4】Breyer J.A.et al.,Kidney International,1994,45,S156
【非特許文献5】Vaughan D.E.et al.,Cardiovasc.Res.,1994,28,159
【非特許文献6】Fouad−Tarazi F.et al.,Am.J.Med,1988,84(Suppl.3A),83
【非特許文献7】Pfeffer M.A.et al.,N.Engl.J.Med,1992,327,669
【非特許文献8】Kleinert H.D.,Cardiovasc.Drugs,1995,9,645
【非特許文献9】Husain A.,J.Hypertens.,1993,11,1155
【非特許文献10】Israili Z.H.et al.,Annals of Internal Medicine,1992,117,234
【非特許文献11】Azizi M.et al.,J.Hypertens.,1994,12,419
【非特許文献12】Neutel J.M.et al.,Am.Heart,1991,122,1094
【非特許文献13】Kleinert H.D.,Cardiovasc.Drugs,1995,9,645
【非特許文献14】Rahuel J.et al.,Chem.Biol,2000,7,493
【非特許文献15】Mealy N.E.,Drugs of the Future,2001,26,1139
【非特許文献16】Oefner C.et al.,Chem.Biol,1999,6,127
【非特許文献17】Marki H.P.et al.,Il Farmaco,2001,56,21
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は非ペプチド種で低分子量のレニン阻害剤の同定に関する。血圧調節不能徴候では組織レニン・キマーゼ系が活性化され、腎臓、心臓及び血管リモデリング、アテローム性動脈硬化症、並びに場合により再狭窄等の病態生理的局所機能変化につながると考えられるが、本発明はこのような徴候において活性な長時間作用型の経口活性レニン阻害剤に関する。従って、本発明はこれらの非ペプチド系レニン阻害剤に関する。
【0009】
本発明に記載する化合物は新規構造類のレニン阻害剤に相当する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は所定の化合物と、レニン系に関係があるとして知られている病態の治療を含めてレニン酵素の阻害におけるその使用に関する。本発明は式Iの化合物を含む。
【0011】
本発明は式(I):
【0012】
【化1】

[式中、
はC−Cアルキル又はC−Cシクロアルキルであり;
は−O(CH1−3OCH又は−(CH1−3OCHであり;
は水素、
【0013】
【化2】

から構成される群から選択され;
は水素、
−C(O)OCH
−C(O)NH−C−Cアルキル、
−COOH、
【0014】
【化3】


から構成される群から選択され;
は−COOH、−COOC−Cアルキルから構成される群から選択され;

−COOR
−CHCOOR
−CON(CH)SOCH
−CONHSOCH
−C(O)NH
−CH(CHCH)COOH、
−CONHSOCH
−NH
【0015】
【化4】

から構成される群から選択され;
及びRは独立して
−水素、
−C−Cアルキル、
−OH、
−OCH
−COOH、
−NH、及び
【0016】
【化5】

から構成される群から選択され;
あるいはRとRはそれらが結合している原子と一緒になり、C3−8シクロアルキル環を形成し;

−水素、
−C−Cアルキル、
−(CH2−4CH(ONO)CHONO
−CHC(O)N(CH
−CHOCOC(CH
−CHOCHOCOCH
−CH(CH)OCOCH(CH
−CH(CH)COOCHCH
−CHCHN(CH
−CH(CH)OCOOCHCH
−CH(CH)OCOOCH(CH
【0017】
【化6】

から構成される群から選択され;
10
−水素、
−COOCH
−COOCH(CH)OCOCH
【0018】
【化7】

から構成される群から選択され;
Wはフェニル環又は1〜4個の窒素原子を含む6員芳香環であり、前記環はパラ位をVで置換されており;
Vは結合、−(CH−、−A−(CH−、−CH−A−(CH、−(CH−A−、−(CH−A−(CH−、−A−(CH−B−、−CH−CH−CH−A−CH−、−A−CH−CH−B−CH−、−CH−A−CH−CH−B−、−CH−CH−CH−A−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−A−CH−、−A−CH−CH−B−CH−CH−、−CH−A−CH−CH−B−CH−、−CH−A−CH−CH−CH−B−、−CH−CH−A−CH−CH−B−、−O−CH−CH(OCH)−CH−O−、−O−CH−CH(CH)−CH−O−、−O−CH−CH(CF)−CH−O−、−O−CH−C(CH−CH−O−、−O−CH−C(CH−O−、−O−C(CH−CH−O−、−O−CH−CH(CH)−O−、−O−CH(CH)−CH−O−、−O−CH−C(CHCH)−O−、又は−O−C(CHCH)−CH−O−であり;
A及びBは独立して−O−、−S−、−S(O)−及び−S(O)−から構成される群から選択され;
Uは非置換アリール;一、二、三もしくは四置換アリール(ここで置換基は独立してハロゲン、アルキル、アルコキシ及び−CFから構成される群から選択される);又は一、二もしくは三置換ヘテロアリール(ここで置換基は独立してハロゲン、アルキル、アルコキシ及び−CFから構成される群から選択される)であり;
Qはメチレン又はエチレンであり;
nは0又は1の整数であり;
rは3、4、5又は6の整数であり;
sは2、3、4又は5の整数であり;
tは1、2、3又は4の整数であり;
uは1、2又は3の整数であり;
vは2、3又は4の整数である]
の化合物、並びにその光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えばラセミ体)、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、メソ体、互変異性体、塩、溶媒和物及び形態的状態に関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩はレニン阻害剤である。前記化合物はレニンを阻害し、高血圧等の病態を治療するために有用である。
【0020】
式(I)の化合物に関する任意記載は当然のことながら、適宜必要に応じて、このような化合物の光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えばラセミ体)、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、メソ体及び互変異性体、並びに塩(特に医薬的に許容可能な塩)及び溶媒和物(水和物を含む)についても適用され、更に形態的状態にも適用される。本発明はこれらの全状態を包含する。混合物は例えばカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)又は結晶化等のそれ自体公知の方法で分離される。本発明の化合物はキラル中心をもつ場合があり、例えば1個のキラル中心((R)及び(S)の2種類の立体異性体を生じる)又は2個のキラル中心((R,R)、(S,S)、(R,S)及び(S,R)の4種類までの立体異性体を生じる)をもつ。本発明はこれらの光学異性体の全てとその混合物を包含する。特に指定しない限り、ある異性体に関する記載は可能な全異性体に適用される。異性体組成を指定しない場合には、常に可能な全異性体が含まれる。
【0021】
式Iに定義する化合物の互変異性体も本発明の範囲に含まれる。例えば、カルボニル−CHC(O)−基(ケト形)を含む化合物は互変異性化し、ヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール形)を形成する場合がある。ケト形とエノール形の両者が本発明の範囲に含まれる。
【0022】
更に、炭素−炭素二重結合をもつ化合物はZ形とE形で存在する場合があり、これらの化合物の全異性体が本発明に含まれる。
【0023】
本発明の化合物は酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)及び/又は窒素等の1個以上の部位を介してニトロソ化された式(I)のニトロソ化物も含む。本発明のニトロソ化物は当業者に公知の従来方法を使用して製造することができる。例えば、化合物の公知ニトロソ化方法は米国特許第5,380,758号、5,703,073号、5,994,294号、6,242,432号及び6,218,417号;WO98/19672;並びにOae et al.,Org.Prep.Proc.Int.,15(3):165−198(1983)に記載されている。
【0024】
塩としては式(I)の化合物の医薬的に許容可能な塩が好ましい。「医薬的に許容可能な塩」なる用語は生体に対して非毒性の無機酸もしくは有機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、亜リン酸、亜硝酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、蓚酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、マンデル酸、桂皮酸、パルモ酸、ステアリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、琥珀酸、トリフルオロ酢酸等)との塩、又は式(I)の化合物が本質的に酸性である場合には、アルカリ又はアルカリ土類塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等)との塩を包含する。医薬的に許容可能な塩の他の例については、特に“Salt selection for basic drugs”,Int.J.Pharm.(1986),33,201−217を参照されたい。
【0025】
本発明は更にプロドラッグとして作用する式Iの化合物の誘導体も含む。これらのプロドラッグは患者に投与後に体内で正常な代謝過程により式1の化合物に変換される。このようなプロドラッグとしては、式Iの化合物の薬剤吸収を改善するために生体適合性(下表4参照)、組織特異性及び/又は細胞送達性の増加を示すものが挙げられる。このようなプロドラッグの効果は親油性、分子量、電荷、及び薬剤の浸透性を決定する他の物理化学的性質等の物理化学的性質の改変により得られる。
【0026】
式Iで上記に使用した一般用語及び以下に使用する一般用語は特に指定しない限り、本開示内では好ましくは以下の意味をもつ。化合物、塩、医薬組成物、疾患等について複数形を使用する場合には、単一の化合物、塩等も意味するものとする。
【0027】
単独又は他の基と組合せた「アルキル」なる用語は炭素原子数1〜6の飽和直鎖及び分岐鎖基、即ちC1−6アルキルを意味する。アルキル基の例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル及びヘプチルである。メチル、エチル及びイソプロピル基が好ましい。化合物の構造表記では末端メチル基を「−CH」、「Me」又は
【0028】
【化8】

と示す場合があり、即ちこれらは同義である。
【0029】
単独又は他の基と組合せた「アルコキシ」なる用語はR−O−基を意味し、ここでRはアルキル基である。アルコキシ基の例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシである。
【0030】
単独又は他の基と組合せた「ヒドロキシアルキル」なる用語はHO−R−基を意味し、ここでRはアルキル基である。ヒドロキシアルキル基の例はHO−CH−、HO−CHCH−、HO−CHCHCH−及びCHCH(OH)−である。
【0031】
「ハロゲン」なる用語はフッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素、塩素又は臭素、特にフッ素又は塩素を意味する。
【0032】
単独又は組合せた「シクロアルキル」なる用語は炭素原子数3〜8の飽和環状炭化水素環系を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。
【0033】
単独又は組合せた「アリール」なる用語はフェニル、ナフチル又はインダニル基、好ましくはフェニル基を意味する。
【0034】
単独又は組合せた「ヘテロアリール」なる用語は窒素原子1〜4個を含む6員芳香環;窒素原子1〜3個を含むベンゾ縮合6員芳香環;酸素原子1個、窒素原子1個もしくは硫黄原子1個を含む5員芳香環;酸素原子1個、窒素原子1個もしくは硫黄原子1個を含むベンゾ縮合5員芳香環;独立して酸素、窒素及び硫黄から選択される2個のヘテロ原子を含む5員芳香環とこのような環のベンゾ縮合誘導体;窒素原子3個を含む5員芳香環とそのベンゾ縮合誘導体;テトラゾリル環;チアジニル環;又はクマリニルを意味する。このような環系の例はフラニル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、トリアジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾチエニル、キナゾリニル及びキノキサリニルである。
【0035】
本発明の1態様において、Qはメチレンであり、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0036】
本発明の別の態様において、Rはシクロプロピルであり、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0037】
本発明の別の態様において、Wはパラ位をVで置換されたフェニルであり、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0038】
本発明の別の態様において、Vは−CHCHO−、−CHCHCHO−、又は−OCHCHO−であり、ここで2価基は酸素原子を介して式(I)のU基と結合している。この態様の好ましい1群において、Vは−OCHCHO−であり、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0039】
本発明の別の態様において、Uは一、二、三又は四置換アリールである。この態様の好ましい1群において、Uは一、二又は三置換フェニルであり、ここで置換基は独立してハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ及び−CFから構成される群から選択される。この態様のより好ましい1群において、置換基は独立してハロゲン及びC−Cアルキルから構成される群から選択される。この態様の更に好ましい1群において、Uは2,6−ジクロロ−4−メチルフェニルを表し、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0040】
本発明の別の態様において、Rは−O(CHOCH又は−(CHOCHであり、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0041】
本発明の別の態様において、Rは水素、
【0042】
【化9】

から構成される群から選択され、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0043】
本発明の別の態様において、R及びRは独立して
−水素、
【0044】
【化10】

から構成される群から選択されるか、
あるいはRとRはそれらが結合している原子と一緒になり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルから構成される群から選択されるシクロアルキル環を形成し、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0045】
本発明の別の態様において、R
水素、
【0046】
【化11】


から構成される群から選択され、他の全変項は上記に定義した通りである。
【0047】
式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩の特定例としては下表に記載するものが挙げられる。
【0048】
【表1】





【0049】
【表2】

【0050】
【表3】


【0051】
本発明は更に医薬的に許容可能なキャリヤーと式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な結晶体もしくは水和物を含有する医薬製剤も包含する。好ましい1態様は更に第2の物質を含有する式Iの化合物の医薬組成物である。
【0052】
略語リスト:
ABTS 2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH
Boc t−ブチルオキシカルボニル
BSA ウシ血清アルブミン
DCM ジクロロメタン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EIA 酵素イムノアッセイ
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
PBS リン酸緩衝食塩水
TBS tert−ブチルジメチルシリル
TBSO tert−ブチルジメチルシリルオキシ
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン。
【0053】
特に逆の記載がない限り、本明細書に記載する全範囲は両端を含む。例えば、アルキル基をC−Cアルキルと言う場合には、このアルキル基は炭素原子数が1、2、3、4、5又は6のいずれでもよいことを意味する。
【0054】
本発明の化合物を表現及び記述する任意成分又は任意式中に任意変項が2回以上出現する場合には、出現時毎のその定義は他の全出現時のその定義から独立している。また、置換基及び/又は変項の組み合わせはこのような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合に限って許容される。
【0055】
(例えば「場合により1個以上の置換基で置換されたアリール」等における)「置換」なる用語はこのような一置換及び多置換(同一位置の多置換を含む)が化学的に許容される程度までの指定置換基による一置換及び多置換を含む。
【0056】
ピリジルN−オキシド部分をもつ本発明の化合物において、ピリジル−N−オキシド部分は下式:
【0057】
【化12】

等の慣用表記を使用して構造を表し、これらは同義である。
【0058】
本発明は高血圧、鬱血性心不全、肺高血圧、収縮期高血圧、腎機能不全、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能不全、心臓肥大、心筋線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎疝痛、糖尿病合併症(例えば腎症、血管症及び神経症)、緑内障、眼内圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管又は心臓手術後の合併症、勃起障害、アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤治療の合併症に関連する疾患、及びレニン・アンギオテンシン系に関係があるとして知られている他の疾患の治療及び/又は予防方法として、上記化合物をヒト又は動物に投与する段階を含む方法に関する。
【0059】
別の態様において、本発明は高血圧、鬱血性心不全、肺高血圧、腎機能不全、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能不全、心臓肥大、心筋線維症、心筋虚血、心筋症、糖尿病合併症(例えば腎症、血管症及び神経症)に関連する疾患の治療及び/又は予防方法に関する。
【0060】
別の態様において、本発明はレニン・アンギオテンシン系の調節不全に関連する疾患の治療及び/又は予防方法並びに上記疾患の治療方法に関する。
【0061】
本発明は更に上記疾患の治療及び/又は予防用医薬の製造における式(I)の化合物の使用に関する。
【0062】
式(I)の化合物又は上記医薬組成物は他の薬理活性化合物と併用してもよく、このような化合物としてはACE阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、血管拡張剤、カルシウムアンタゴニスト、カリウムアクチベーター、利尿薬、交感神経遮断薬、βアドレナリンアンタゴニスト、αアドレナリンアンタゴニスト又は上記疾患の予防もしくは治療に有益な他の薬剤が挙げられる。
【0063】
式Iの化合物に関して「投与」なる用語とその変形(例えば化合物を「投与する」)は治療又は予防を必要とする個体に化合物又は化合物のプロドラッグを提供することを意味する。本発明の化合物又はそのプロドラッグを1種類以上の他の活性剤(例えば、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、ACE阻害剤又は血圧を低下させることが知られている他の活性剤等の物質)と併用する場合には、「投与」とその変形は各々化合物又はプロドラッグと他の物質を同時又は異なる時点で提供することを含むものとする。併用する物質を同時に投与する場合には、単一組成物として一緒に投与してもよいし、別々に投与してもよい。
【0064】
本明細書で使用する「組成物」なる用語は特定量の特定成分を含有する製剤に加え、特定量の特定成分の併用により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味する。
【0065】
「医薬的に許容可能」とは医薬組成物の成分が相互に適合可能でなければならず且つそのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0066】
本明細書で使用する「対象」なる用語は治療、観察又は実験の対象とした動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0067】
本明細書で使用する「有効量」なる用語は研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する活性化合物又は薬剤の量を意味する。1態様において、有効量は治療する疾患又は病態の症状を緩和するための「治療有効量」である。別の態様において、有効量は予防する疾患又は病態の症状を予防するための「予防有効量」である。この用語は本明細書では更にレニンを阻害することにより所望応答を誘発するために十分な活性化合物の量(即ち「阻害有効量」)も含む。活性化合物(即ち活性成分)を塩として投与する場合には、活性成分の量に関する記載は化合物の遊離形態(即ち非塩形態)の量である。
【0068】
好ましい1態様において、この量は1日当たり1mg〜1000mgである。特に好ましい1態様において、この量は1日当たり1mg〜500mgである。更に特に好ましい1態様において、この量は1日当たり1mg〜200mgである。
【0069】
本発明の方法(即ちレニンの阻害方法)では、活性剤を活性剤の作用部位と接触させる任意手段により場合により塩/水和物形態の式Iの化合物を投与することができる。これらの化合物は医薬品と共に利用可能な任意慣用手段により個々の治療剤として又は治療剤の併用剤として投与することができる。化合物は単独で投与してもよいが、一般には選択した投与経路と標準医薬プラクティスに基づいて選択された医薬キャリヤーと共に投与する。本発明の化合物は例えば、有効量の化合物と医薬的に許容可能な慣用非毒性キャリヤー、アジュバント及びビヒクルを含有する医薬組成物の単位用量の形態で経口、非経口(皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射又は輸液法を含む)、吸入スプレー、又は直腸投与することができる。経口投与に適した液体製剤(例えば懸濁液剤、シロップ、エリキシル剤等)は当分野で公知の技術に従って製造することができ、水、グリコール、油類、アルコール等の通常の溶媒の任意のものを利用することができる。経口投与に適した固体製剤(例えば散剤、ピル、カプセル剤及び錠剤)は当分野で公知の技術に従って製造することができ、澱粉、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の固体賦形剤を利用することができる。非経口組成物は当分野で公知の技術に従って製造することができ、一般にキャリヤーとして滅菌水と、場合により他の成分(例えば溶解助剤)を利用することができる。注射溶液は当分野で公知の技術に従って製造することができ、キャリヤーは食塩水、ブドウ糖液又は食塩とブドウ糖の混合物を含有する溶液からなる。本発明で使用する医薬組成物の製造に使用するのに適した方法と、前記組成物で使用するのに適した成分に関する更に詳細についてはRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,A.R.Gennaro編,Mack Publishing Co.,1990に記載されている。
【0070】
生物学的活性を実証するアッセイ
ヒト組換えレニンの阻害
384ウェルポリプロピレンプレート(Nunc)で酵素インビトロアッセイを実施した。アッセイバッファーは1mM EDTAと0.1% BSAを加えたPBS(Gibco BRL)から構成した。反応混合物は酵素ミックス47.5μL/ウェルとレニン阻害剤のDMSO溶液2.5μLから構成した。以下の成分:
・ヒト組換えレニン(40pM)
・合成ヒトアンギオテンシン(1−14)(0.5μM)
・硫酸ヒドロキシキノリン(1mM)
から構成される酵素ミックスを4℃でプレミックスした。次に混合物を37℃で3時間インキュベートした。反応プレートを氷水に浮かべることにより酵素反応を停止した。
【0071】
酵素活性とその阻害を測定するために、蓄積したAng Iを384ウェルプレート(Nunc)で酵素イムノアッセイ(EIA)により検出した。Ang Iとウシ血清アルブミンの共有結合複合体(Ang I−BSA)を予めコーティングしておいたイムノプレートに反応混合物又は標準5μLを移した。0.01% Tween 20を加えた上記アッセイバッファーにAng I抗体を溶解した溶液75μLを加え、プレートを4℃で一晩インキュベートした。
【0072】
終濃度0.02NのHClで酵素反応を停止することにより代替プロトコールを使用してもよい。反応混合物又は標準5μLをイムノプレートに移し、0.01% Tween 20を加えた上記アッセイバッファーにAng I抗体を溶解した溶液75μLを加え、プレートを室温で4時間インキュベートした。
【0073】
0.01% Tween 20を加えたPBSで3回プレートを洗浄後、抗ウサギペルオキシダーゼ標識抗体(WA 934,Amersham)を加えて室温で2時間インキュベートした。プレートを3回洗浄後、ペルオキシダーゼ基質ABTS((2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH)を加え、プレートを室温で60分間インキュベートした。プレートをマイクロプレートリーダーで405nmにて評価した。各濃度点について阻害百分率を計算し、酵素活性を50%阻害したレニン阻害濃度(IC50)を求めた。試験した全化合物のIC50値は1μM未満であった。
【0074】
ヒト血漿中のレニンの阻害
384ウェルポリプロピレンプレート(Nunc)で酵素インビトロアッセイを実施した。アッセイバッファーは1mM EDTAと0.1% BSAを加えたPBS(Gibco BRL)から構成した。反応混合物はヒト血漿、酵素及びAng I抗体のミックス80μL/ウェルと、レニン阻害剤のDMSO溶液5μLから構成した。以下の成分:
・正常ドナー10人からのヒト血漿
・ヒト組換えレニン(3pM)
・Ang I抗体
から構成されるヒト血漿ミックスを4℃でプレミックスした。次に混合物を37℃で2時間インキュベートした。
【0075】
酵素活性とその阻害を測定するために、蓄積したAng Iを384ウェルプレート(Nunc)で酵素イムノアッセイ(EIA)により検出した。Ang Iとウシ血清アルブミンの共有結合複合体(Ang I−BSA)を予めコーティングしておいたイムノプレートに反応混合物又は標準10μLを移した。アッセイバッファー70μLを加え、プレートを4℃で一晩インキュベートした。0.01% Tween 20を加えたPBSでプレートを3回洗浄後、抗ウサギペルオキシダーゼ標識抗体(WA 934,Amersham)を加えて室温で2時間インキュベートした。プレートを3回洗浄後、ペルオキシダーゼ基質ABTS((2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH)を加え、プレートを室温で60分間インキュベートした。プレートをマイクロプレートリーダーで405nmにて評価した。各濃度点について阻害百分率を計算し、酵素活性を50%阻害したレニン阻害濃度(IC50)を求めた。試験した全化合物のIC50値は10μM未満であった。
【0076】
インビボ動物モデル−雌性二重トランスジェニックラットをRCC Ltd,Fullingsdorf,スイスから購入した。全動物を同一条件下で飼育し、通常のペレット状ラット飼料と水を自由に摂取させた。先ず、ラットにエナラプリル(1mg/kg/日)を2カ月間投与した。エナラプリル投与停止から約2週間後に、二重トランスジェニックラットは高血圧になり、160〜170mmHgの平均動脈圧に達する。
【0077】
トランスミッター移植−ラットに90mg/kgケタミン・HCl(Ketavet,Parke−Davis,Berlin FRG)と10mg/kgキシラジン(Rompun,Bayer,Leverkusen,FRG)の混合物を腹腔内投与して麻酔した。腎動脈の下の下行大動脈にセンサーカテーテルを下向きに配置して無菌条件下で圧力トランスミッターを腹腔内に移植した。トランスミッターを腹筋系に縫付け、皮膚を縫合した。
【0078】
テレメトリーシステム−Data Sciences社(St.Paul,MN)からテレメトリー装置を入手した。移植したセンサーは流体を充填したカテーテル(直径0.7mm,長さ8cm;モデルTA11PA−C40)から構成し、高度に安定な低コンダクタンス歪みゲージ圧力変換器に接続して真空に対する絶対動脈圧を測定すると共に、高周波トランスミッターに接続した。カテーテルの先端に粘性ゲルを充填して血液逆流を防ぐと共に、抗血栓フィルムを被せて血栓形成を抑制した。インプラント(長さ=2.5cm,直径=1.2cm)は重さ9gであり、典型的電池寿命6カ月である。レシーバプラットフォーム(RPC−1,Data Sciences)により無線信号をディジタル化入力に変換し、専用パーソナルコンピューター(Compaq,deskpro)に送信した。大気圧基準(APR−1,Data Sciences)からの入力を使用することにより動脈圧を較正した。収縮期、平均及び拡張期血圧を水銀柱ミリメートル(mmHg)で表した。
【0079】
循環動態測定−圧力トランスミッターを移植した二重トランスジェニックラットにビヒクル又は試験物質10mg/kg(n=6匹/群)を強制経口投与し、平均動脈圧を連続的にモニターした。対照群に対する治療群の平均動脈圧(MAP)の最大低下として試験物質の効果を表す。
【0080】
合成方法
本発明の化合物は以下に図示及び記載する例証としての合成反応スキームに示す各種方法により製造することができる。これらの化合物の製造に使用する出発材料及び試薬は一般にAldrich Chemical Co.等の業者から入手可能であり、あるいはFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis;Wiley & Sons:New York,Volumes 1−21;R.C.LaRock,Comprehensive Organic Transformations,2.sup.nd edition Wiley−VCH,New York 1999;Comprehensive Organic Synthesis,B.Trost and I.Fleming(Eds.)vol.1−9 Pergamon,Oxford,1991;Comprehensive Heterocyclic Chemistry,A.R.Katritzky and C.W.Rees(Eds)Pergamon,Oxford 1984,vol.1−9;Comprehensive Heterocyclic Chemistry II,A.R.Katritzky and C.W.Rees(Eds)Pergamon,Oxford 1996,vol.1−11;及びOrganic Reactions,Wiley & Sons:New York,1991,Volumes 1−40等の文献に記載されている手順に従って当業者に公知の方法により製造される。以下の合成反応スキーム及び実施例は本発明の化合物を合成することが可能な所定の方法の例証に過ぎず、これらの合成反応スキームの各種変形が可能であり、このような変形も本願に含まれる開示を参考に当業者に想到されよう。
【0081】
合成反応スキームの出発材料と中間体は所望により慣用技術を使用して単離精製することができ、このような技術としては限定されないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等が挙げられる。このような材料は物理的定数やスペクトルデータ等の慣用手段を使用して特性決定することができる。
【0082】
特に指定しない限り、実験手順は以下の条件下で実施した。溶媒の蒸発は60℃までの浴温度とし、減圧下(600〜4000パスカル:4.5〜30mmHg)でロータリーエバポレーターを使用して実施した。特に指定しない限り、反応は一般に窒素雰囲気下で周囲温度にて実施する。THF、DMF、EtO、DME及びトルエン等の無水溶媒は商業用グレードとする。試薬は商業用グレードとし、それ以上精製せずに使用した。フラッシュクロマトグラフィーはシリカゲル(230〜400メッシュ)で実施する。薄層クロマトグラフィー(TLC)又は核磁気共鳴(NMR)スペクトロメトリーにより反応の進行を追跡し、単に例証として反応時間を示す。全最終生成物の構造と純度をTLC、質量分析法、H NMR及び高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により確認した。化学記号はその通常の意味である。以下の略号も使用した:v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq.(当量)。特に指定しない限り、下記の全変項は上記の意味である。
【0083】
本発明の化合物はスキーム1に例示するように以下の一般方法に従って製造することができる。例えば、トリフラートIIとボロン酸IIIのパラジウム触媒鈴木カップリングにより、α,β不飽和エステルIVが得られる。マグネシウム等の還元剤を使用してIVのアルケン基の還元を行うことができる。得られる飽和ピペリジンVはシスジアステレオマーとトランスジアステレオマーの混合物として得られ、エタノール中でナトリウムエトキシドの存在下に還流することにより平衡化し、トランスジアステレオマーVIが得られる。エステルVIを鹸化し、得られた酸VIIをアミンVIIIとカップリングすると、ピペリジンIXが得られる。TBS基を除去した後に、アミノアミドIX上にR付加物を導入すると、ピペリジンXIが得られる。最後に、保護基を除去すると、所望のピペリジンXIIが得られる。
【0084】
【化13】

XはCH又はNであり、YはO又はCHであり、Rは上記の通りである。Zは合成可能な脱離基であり、限定されないが、Cl、−OSOCF及びOHから選択される。Rは「O」がフェニル3位に結合した原子である場合のRについて上記に定義した基のいずれか1種である。あるいは、Rが「O以外の」原子結合(例えば「C」、「S」又は「N」)をもつ基である場合には、化合物VIIは式:
【0085】
【化14】

の中間体を使用して化合物IXに変換され、上記式中、Rは上記の通りであり、Rは「C」、「S」又は「N」がフェニル3位に結合した原子である場合のRについて定義した基の1種である。
【0086】
【表4】

【0087】
トリフラート1
ステップ1:4−オキソピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチル
4−オキソピペリジン−3−カルボン酸エチル塩酸塩(1eq.)の0℃のtert−ブチルメチルエーテル(0.85M)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(1.5eq.)と1N NaOH水溶液(1.5eq.)を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、18時間撹拌した。反応混合物を10% HCl水溶液で中和し、エーテルで抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、標記化合物を固体として得た。
【0088】
ステップ2:4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−5,6−ジヒドロピリジン−1,3(2H)−ジカルボン酸1−tert−ブチル−3−エチル
前段階からの4−オキソピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチル(1eq.)の0℃のTHF(0.2M)溶液にNaH(1eq.)を少量ずつ加えた。5分間撹拌後、1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド(1.05eq.)を加え、反応混合物を20時間室温で撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、エーテルで抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中10%→15% EtOAc)により精製し、標記化合物を黄色油状物として得た。
【0089】
【表5】

【0090】
ボロン酸1
ステップ1:1,3−ジクロロ−2−(2−クロロエトキシ)−5−メチルベンゼン
4−ブロモフェノール(1eq.)のジクロロエタン/水(4:1 v/v,0.38M)溶液に10N NaOH(5eq.)と触媒量の硫酸水素テトラブチルアンモニウム(2mol%)を加えた。反応混合物を16時間還流した。水相をジクロロメタンで抽出した。有機抽出層を合わせて飽和NHCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をヘプタンに懸濁し、濾過し、標記化合物を白色固体として得た。
【0091】
ステップ2:2−[2−(4−ブロモフェノキシ)エトキシ]−1,3−ジクロロ−5−メチルベンゼン
前段階からの1,3−ジクロロ−2−(2−クロロエトキシ)−5−メチルベンゼン(1.05eq.)と炭酸カリウム(1.1eq.)をDMF(0.5M)に溶解し、100℃まで加熱した。2,6−ジクロロ−4−メチルフェノール(1eq.)のDMF溶液を1時間かけて滴下した(終濃度0.38M)。反応混合物を100℃で2時間撹拌した。40℃まで冷却後、等容量の水を反応混合物に加えた。得られた沈殿を濾過し、DMFと水で十分に洗浄した。固形分を空気流で3日間乾燥し、標記化合物を得た。
【0092】
ステップ3:{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ボロン酸
前段階からの2−[2−(4−ブロモフェノキシ)エトキシ]−1,3−ジクロロ−5−メチルベンゼン(1eq.)の−78℃のTHF(0.2M)溶液に(内部温度を−70℃未満に維持しながら)nBuLi(1.1eq.)を滴下した。30分間撹拌後、(内部温度を−70℃未満に維持しながら)ホウ酸トリイソプロピル(2eq.)を滴下し、反応混合物を1時間かけて室温までゆっくりと昇温した。溶媒を減圧濃縮し、1N NaOHを注意深く加えた。15分間撹拌後、水溶液をEtOAcで抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。生成物を熱DCM/ヘキサン(1:1 v/v)中で撹拌し、濾過し、標記化合物であるボロン酸1を白色固体として得た。
【0093】
【表6】

【0094】
ピペリジン酸1
ステップ1:4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−5,6−ジヒドロピリジン−1,3(2H)ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチル
トリフラート(1eq.)とボロン酸1(1eq.)を2N NaCO水溶液/n−プロパノール(1:4 v/v,0.2M)に溶解した。反応容器を脱気し、窒素ガスで置換した。Pd(dppf)Clジクロロメタン付加物(5mol%)を加え、反応混合物を80℃まで5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcで希釈した。得られた沈殿を更にEtOAcで洗浄しながらシリカパッドで濾過した。濾液を減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,12.5% EtOAc/ヘキサン)により精製し、標記化合物を黄色油状物として得た。
【0095】
ステップ2:4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチル
前段階からの4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−5,6−ジヒドロピリジン−1,3(2H)−ジカルボン酸1−tert−ブチル−3−エチル(1eq.)のメタノール(0.2M)溶液に室温で窒素雰囲気下にてマグネシウム切削屑(2eq.)を加えた。溶媒の温和な還流が得られるまで反応混合物を激しく撹拌した。1時間撹拌後、更にマグネシウム切削屑(1eq.)を加えた。更に1.5時間後に、更にマグネシウム切削屑(0.5eq.)を加えた。更に2時間後に、反応混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチした。水相をエーテルで抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、シス及びトランス異性体の1:1混合物を含有する黄色油状物を得た。シス及びトランス異性体の混合物を窒素雰囲気下で無水エタノールに溶解した。(ナトリウム1.2eq.を無水エタノールに溶解することにより調製した)ナトリウムエトキシドのエタノール溶液を加え、反応混合物を4時間還流した。室温まで冷却後、反応混合物をエーテルで希釈し、飽和NHCl水溶液でクエンチした。水相をエーテルで抽出した。有機抽出層を合わせて水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,12.5% EtOAc/ヘキサン)により精製し、トランスジアステレオマーのみから構成される黄色油状物として標記化合物を得た。
【0096】
ステップ3:(3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチル
ラセミ体の4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸トランス−1−tert−ブチル3−エチルをChiral Pak AD分取カラム(ヘキサン中15% EtOH)により分割し、2種類のエナンチオマーを得た。後から溶出するエナンチオマーとして(3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチルが溶出した(保持時間=26.5分)。
【0097】
ステップ4:(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−カルボン酸
(3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル−3−エチル(1eq.)のエタノール(0.1M)溶液に10N NaOH水溶液(3eq.)を加え、18時間還流した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、(pH<1まで)1N HClでクエンチした。水相をEtOAcで抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、標記化合物であるピペリジン酸1を白色泡状物として得た。
【0098】
ピペリジン酸2
ステップ1:4−{4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]フェニル}−5,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル
4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]ブロモベンゼン(WO 03/093267,7.95g,24mmol)の−78℃のTHF(200mL)溶液にBuLi(ヘキサン中1.6M,17.12mL,27.4mmol)を加えた。溶液を−78℃で30分間撹拌後、ZnCl(THF中1M,30mL,30mmol)を加えた。得られた溶液を室温まで昇温し、4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル(WO 2004/002957,7.79g,20mmol)のTHF(20mL)溶液とPd(PPh(0.69g,0.60mmol)を加えた。反応混合物を50℃まで1時間加熱し、16時間室温で撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、飽和NHCl水溶液を加えた。EtOAcを加え、有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣をFC(EtOAc/ヘプタン2:8→1:0)により精製し、標記化合物を得た(8.1g,82%)。LC−MS:t=1.23分,ES+:506.47。
【0099】
ステップ2:4−{4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル
化合物4−{4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]フェニル}−5,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル(8.10g,17mmol)のMeOH(40mL)溶液にAr下でMg(1.40g,58mmol)を加えた。温度を30℃未満に維持しながら混合物を1時間撹拌した。1M HCl水溶液(115mL,115mmol)を滴下し、混合物を1時間撹拌した。混合物をEtOAc(2×)で抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣をFC(EtOAc/ヘプタン2:1)により精製し、標記化合物の2:3トランス/シス混合物(7.6g,93%)を得た。LC−MS:t=1.23分,ES+=508.47。
【0100】
ステップ3:4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル
化合物4−{4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル(7.60g,15.4mmol)の0℃のTHF(150mL)溶液にAr下でTBAF(4.86g,15.4mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌後、飽和NHCl水溶液(100mL)を加え、反応混合物をEtOAc(2×)で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣をFC(EtOAc/ヘプタン2:1→1:0)により精製し、標記化合物を得た(5.06g,87%)。LC−MS:t=0.91分,ES+=380.30。
【0101】
ステップ4:4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル
化合物4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル(5.50g,15mmol)と、2,6−ジクロロ−p−クレゾール(3.08g,18mmol)と、アゾジカルボン酸ジピペリジド(7.31g,29mmol)と、PBu(14mL,58mmol)をトルエン(150mL)に加えた混合物を50℃まで16時間加熱した。混合物を室温まで放冷し、濾過し、沈殿をトルエンで洗浄した。濾液をEtOAcで希釈し、水(2×)とブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗生成物をFC(EtOAc/ヘプタン0:1→1:9→2:8)により精製し、化合物を無色油状物として得た(7.3g,90%)。LC−MS:t=1.18分,ES+=538.34。
【0102】
ステップ5:(rac.)−(3R*,4S*)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル
化合物4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル(0.21g,0.38mmol)のMeOH(2mL)溶液にAr雰囲気下でNaOMe(6mg,0.11mmol)を加えた。混合物を3日間70℃で撹拌した。水を加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。標記化合物(150mg,72%)はそれ以上精製しなかった。LC−MS:t=1.18分,ES+=538.32。
【0103】
ステップ6:(rac.)−(3R,4S)−4−(4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
化合物(rac.)−(3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル(0.15g,0.27mmol)のMeOH(1mL)溶液に1M NaOH水溶液(1mL)を加えた。混合物を70℃で2時間撹拌した。水を加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗残渣をシリカゲルパッドで精製し、標記化合物(93mg,65%)を得た。LC−MS:t=1.12分,ES+=524.24。
【0104】
ステップ7:(3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
上記に記載したようなキラルカラムを取付けた分取HPLCを使用して化合物(rac.)−(3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(4.46g,8.5mmol)を分離した。97%ヘキサン、3%エタノール及び0.1% TFAから構成されるイソクラティック溶離液をアプライした。ピペリジン酸2の化合物が得られた(1.35g,30%)。分析用キラルHPLC(分取用と同一溶離液):t=29.00分。Chiral Pak AD分取カラム(ヘキサン中20% EtOH+0.25%ギ酸)により分割し、2種類のエナンチオマーを得た。後から溶出するエナンチオマーとして(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{6−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−3−カルボン酸が溶出した(保持時間=8.54分)。
【0105】
【表7】

【0106】
アミン1
ステップ1:3−ブロモ−5−ヒドロキシベンズアルデヒド
n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液,2.1eq.)のトルエン溶液(1.6M)に−10℃でn−ブチルマグネシウムクロリド(2.0M THF溶液,0.6eq.)を加えた。反応混合物を−10℃で30分間撹拌後、3,5−ジブロモフェノール(1eq.)のトルエン溶液(0.7M)を−10℃で35分間かけて滴下した。−10℃で更に30分間撹拌後、反応混合物を−40℃まで冷却後、DMF(20eq.)を20分間かけて滴下した。次に反応混合物をゆっくりと室温まで昇温し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を0℃にて10% HCl水溶液で注意深くクエンチし、エーテルで抽出した。有機抽出層を合わせて水とブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。濾液を減圧濃縮し、黄色固体を得た。粗生成物をエーテル/ヘキサン中で再結晶させ、標記化合物をベージュ色粉末として得た。
【0107】
ステップ2:3−ヒドロキシ−5−[(1E)−3−メトキシプロプ−1−エン−1−イル]ベンズアルデヒド
前段階からの3−ブロモ−5−ヒドロキシベンズアルデヒド(1eq.)と2−[(1E)−3−メトキシプロプ−1−エン−1−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1eq.)をDMF(0.05M)に加えた。この溶液に次に酢酸パラジウム(10mol%)と、トリフェニルホスフィン(20mol%)と、炭酸ナトリウム(2M水溶液,4eq.)を加えた。得られた懸濁液を80℃に加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を10% HCl水溶液でクエンチし、エーテルで抽出した。有機抽出層を合わせて水、飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,20%→33% EtOAc/ヘキサン)により精製し、標記化合物を黄色油状物として得た。
【0108】
ステップ3:3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−[(1E)−3−メトキシプロプ−1−エン−イル]ベンズアルデヒド
前段階からの3−ヒドロキシ−5−[(1E)−3−メトキシプロプ−1−エン−1−イル]ベンズアルデヒド(1eq.)とtert−ブチルクロロジメチルシラン(1eq.)をDMF(0.5M)に加えた。次にこの溶液にイミダゾール(1.5eq.)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた溶液を水でクエンチし、エーテル/ヘキサン(1:1 v/v)で抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、SiOプラグで濾過した。濾液を減圧濃縮し、標記化合物を薄黄色油状物として得た。
【0109】
ステップ4:N−(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−[(1E)−3−メトキシプロプ−1−エン−イル]ベンジル}シクロプロパンアミン
前段階からの3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−[(1E)−3−メトキシプロプ−1−エン−1−イル]ベンズアルデヒド(1eq.)のDCM溶液にシクロプロパンアミン(2eq.)と硫酸マグネシウム(1.5eq.)を加えた。得られた懸濁液を室温で12時間撹拌した。不溶分を濾別した。濾液を減圧濃縮し、粗イミンを黄色油状物として得た。次にこれをメタノール(0.3M)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(1.5eq.)を0℃で5分間かけて少量ずつ加えた。反応混合物を室温まで1時間かけてゆっくりと昇温後、室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液でゆっくりとクエンチし、得られた混合物をエーテルで抽出した。有機抽出層を合わせて水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、標記化合物を黄橙色油状物として得た。
【0110】
ステップ5:N−[3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]シクロプロパンアミン
前段階からのN−{3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−[(1E)−3−メトキシプロプ−1−エン−1−イル]ベンジル}シクロプロパンアミン(1eq.)のEtOAc(0.04M)溶液に活性炭担持10%パラジウム(10mol%)を加えた。容器を排気し、水素を逆充填した。次に反応懸濁液を水素バルーン雰囲気下で1.5時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトベッドで濾過した。不溶分を更にEtOAcとメタノールで洗浄した。濾液を減圧濃縮し、標記化合物であるアミン1を無色油状物として得た。
【0111】
付加物XI
以下に記載するものを除き、R−Z(Z=OH又は脱離基)XIはいずれも市販されている。
【0112】
【表8】

【0113】
付加物1
ステップ1:(1R,2R)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル
2−ホルミル−1−シクロプロパンカルボン酸エチル(1.5eq.)の0℃のメタノール(0.7M)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(1.5eq.)を30分間かけて少量ずつ加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌後、氷浴で冷却した。飽和NHCl水溶液を滴下し、混合物を1.5時間撹拌した。水を加え、水層を抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、標記化合物のラセミ混合物を透明油状物として得た。ラセミ体のトランス2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸をChiral Pak AD分取カラム(10% EtOH/ヘキサン)により精製し、2種類のエナンチオマーを得た。先に溶出するエナンチオマーとして(1R,2R)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチルが溶出した(保持時間=12.94分)。
【0114】
付加物2
ステップ1:(1S,2S)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル
ラセミ体のトランス2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸をChiral Pak AD分取カラム(10% EtOH/ヘキサン)により精製し、2種類のエナンチオマーを得た。後から溶出するエナンチオマーとして(1S,2S)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチルが溶出した(保持時間=16.44分)。
【0115】
付加物3
ステップ1:[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]酢酸メチル
(WO2005/105749、実施例2/ステップ4に記載の手順に従って製造した)[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]アセトニトリル(1eq.)のエタノール(0.1M)溶液に8N KOH水溶液(18eq.)を加えた。反応混合物を100℃まで加熱し、18時間撹拌した。室温まで冷却後、エタノールを減圧除去した。得られた水溶液をEtOAcで希釈し、氷水浴で冷却した。反応混合物の温度を10℃未満に維持しながら撹拌下に濃HClを15分間かけてゆっくりと加えた。反応混合物がpH<1に達した後、水層をEtOAcで抽出した。有機抽出層を合わせてMgSOで乾燥し、濾過した。EtOAc溶液を0℃まで冷却し、淡黄色が持続するまでジアゾメタンのエーテル溶液を加えた。反応混合物を更に10分間撹拌後、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中40% EtOAc)で精製し、標記化合物を液体として得た。
【0116】
ステップ2:(1−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸メチル
前段階からの[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]酢酸メチル(1eq.)の−40℃のDCM(0.1M)溶液にトリエチルアミン(3eq.)を加えた後、メタンスルホニルクロリド(1.5eq.)を加えた。反応混合物を1時間かけて0℃まで昇温し、DCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液でクエンチした。水相をDCMで抽出した。有機抽出層を合わせてMgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中0%→50% EtOAc)により精製し、標記化合物である付加物3を油状物として得た。
【0117】
付加物4
ステップ1:メタンスルホン酸[1−(シアノメチル)シクロプロピル]メチル
(WO2005/105749、実施例2/ステップ4に記載の手順に従って製造した)[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]アセトニトリル(1eq.)の−40℃のDCM溶液にトリエチルアミン(3eq.)を加えた後、メタンスルホニルクロリド(1.5eq.)を加えた。反応混合物を1時間かけて−10℃まで昇温し、DCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液でクエンチした。水相をDCMで抽出した。有機抽出層を合わせてMgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中0%→50% EtOA)により精製し、標記化合物である付加物4を油状物として得た。
【0118】
付加物5
ステップ1:4−ヒドロキシ−2,2−ジメチルブタン酸メチル
3,3−ジメチルジヒドロフラン−2(3H)−オン(1eq.)のエタノール(1M)溶液に8N KOH(17eq.)を加えた。混合物を一晩撹拌し、エタノール溶媒を減圧濃縮した。残りの水溶液に酢酸エチルを加え、−15℃まで冷却した。内部温度が10℃を越えないように注意しながら、pH<1になるまで濃HClを滴下した。水層を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出層を合わせて無水NaSOで乾燥し、濾過し、氷水浴で冷却した。黄色が持続するまでジアゾメタンのエーテル溶液を加えた。反応混合物を更に10分間室温で撹拌後、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中10→60% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0119】
ステップ2:2,2−ジメチル−4−[(メチルスルホニル)オキシ]ブタン酸メチル
前段階からの4−ヒドロキシ−2,2−ジメチルブタン酸メチル(1eq.)の−40℃のDCM(0.1M)溶液にメタンスルホニルクロリド(1.5eq.)とトリエチルアミン(3.0eq.)を加えた。反応混合物を30分間かけて−20℃まで昇温後、飽和NaHCO水溶液水溶液でクエンチした。水相をDCMで抽出した。有機抽出層を合わせてMgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をそれ以上精製せずに次段階で使用した。
【0120】
以下の方法に従って本発明の化合物を製造した。
【実施例1】
【0121】
(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸エチル
【0122】
【化15】

ステップ1:(3R,4S)−3−{[[3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−カルボン酸(ピペリジン酸1)(1eq)とN−[3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]シクロプロパンアミン(アミン1)(1.8eq.)のDCM(0.15M)溶液にo−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(別称HATU,1.5eq.)とヒューニッヒ塩基(3eq.)を加えた。18時間室温で撹拌後、反応混合物をエーテルで希釈した。有機抽出層を3回1N HCl水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中20% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0123】
ステップ2:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
前段階からの(3R,4S)−3−{[[3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のTHF(0.1M)溶液に1Mフッ化テトラブチルアンモニウムのTHF溶液(1.3eq.)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌後、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中50% EtOAc)により精製し、標記化合物を泡状物として得た。
【0124】
ステップ3:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[(1R,2R)−2−(エトキシカルボニル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のトルエン(0.1M)溶液に1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(1.2eq.)と、(1R,2R)−2−(ヒドロキシルメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(付加物1)(2eq.)と、トリ−n−ブチルホスフィン(1.2eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで加熱し、18時間撹拌した。高温の間に、反応混合物をEtOAc/水で希釈した。水層をEtOAcで抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中40% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0125】
ステップ4:(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸エチル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[(1R,2R)−2−(エトキシカルボニル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDCM(0.05M)溶液に4M HClジオキサン溶液(10eq.)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,DCM中5%[2M NHのMeOH溶液])により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
【0126】
H NMR(アセトンd−6):δ7.28(s,2H),7.20(d,2H),6.83(d,2H),6.60(s,1H),6.47(s,1H),6.40(s,1H),4.30−4.42(m,5H),4.27(d,1H),4.05−4.15(m,2H),4.0(dd,1H),3.8(dd,1H),3.55(dt,1H),3.31(t,2H),3.28(s,3H),3.00−3.22(m,3H),2.67−2.85(m,2H),2.55(t,2H),2.30−2.35(m,4H),1.70−1.85(m,6H),1.22(t,3H),0.4−1.2(m,6H)。LRMS[M+H]=767.3。
【実施例2】
【0127】
(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸
【0128】
【化16】

ステップ1:(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸
実施例1からの(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸エチル(1eq.)のエタノール溶液に1N NaOH水溶液(1.3eq.)を加えた。反応混合物を75℃まで18時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を減圧濃縮し、標記化合物のナトリウム塩を泡状物として得た。
【0129】
H NMR(DMSO):δ7.33(s,2H),7.12(d,2H),6.80(d,2H),6.52(s,1H),6.40(s,1H),6.15(s,1H),4.20−4.35(m,6H),3.60−3.80(m,2H),2.25−3.5(m,17H),1.60−1.73(m,4H),1.10−1.42(m,2H),0.3−0.8(m,6H)。LRMS[M+H]=739.2(遊離酸)。
【実施例3】
【0130】
(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸メチル
【0131】
【化17】

実施例2からの(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸(1eq.,中性形態)にジアゾメタンのエーテル溶液を淡黄色が持続するまで加えた。溶媒を窒素ガス流により蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,DCM+1% NHOH水溶液中10% MeOH)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
【0132】
H NMR(アセトンd−6):7.28(s,2H),7.20(d,2H),6.84(d,2H),6.60(s,1H),6.46(s,1H),6.40(s,1H),4.25−4.45(m,6H),4.00(dd,1H),3.80(dd,1H),3.65(s,3H),3.55(dt,1H),3.33(t,2H),3.28(s,3H),3.00−3.25(m,3H),2.69−2.85(m,2H),2.55(t,2H),2.30−2.40(m,4H),1.70−1.90(m,6H),1.00−1.21(m,2H),0.45−0.90(m,4H)。LRMS[M+H]=753.2。
【実施例4】
【0133】
(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル
【0134】
【化18】

ステップ1:(1R,2R)−2−{[3−{[[((3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸
実施例1/ステップ3からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[(1R,2R)−2−(エトキシカルボニル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のエタノール(0.1M)溶液に1M NaOH水溶液(3eq.)を加えた。反応混合物をマイクロ波(Biotage)で100℃に5分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮した。残渣を1N HCl水溶液とEtOAcに懸濁した。水層をEtOAcで数回抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、標記化合物を泡状物として得た。
【0135】
ステップ2:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−[((1R,2R)−2−{[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエトキシ]カルボニル}シクロプロピル)メトキシ]−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
前段階からの(1R,2R)−2−{[3−{[[((3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸(1eq.)のDMF(0.1M)溶液に炭酸セシウム(2eq.)と2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド(1.8eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで2時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をエーテルで希釈した。有機抽出層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中90% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0136】
ステップ3:(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−[((1R,2R)−2−{[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエトキシ]カルボニル}シクロプロピル)メトキシ]−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0137】
H NMR(アセトンd−6):δ7.28(s,2H),7.20(d,2H),6.84(d,2H),6.61(s,1H),6.49(s,1H),6.40(s,1H),4.79(q,2H),4.28−4.43(m,6H),3.98(dd,1H),3.85(dd,1H),3.55(dt,1H),2.69−3.38(m,16H),2.53(t,2H),2.30−2.38(m,4H),1.70−1.95(m,6H),0.45−1.3(m,6H)。LRMS[M+H]=824.5。
【実施例5】
【0138】
(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル
【0139】
【化19】

ステップ1:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−({(1R,2R)−2−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)カルボニル]シクロプロピル}メトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例4/ステップ1からの(1R,2R)−2−{[3−{[[((3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸(1eq.)の−20℃のDCM(0.1M)溶液にN−メチルモルホリン(1.3eq.)とクロロギ酸イソブチル(1.3eq.)を加えた。反応混合物を−20℃で45分間撹拌した。他方、インダン−5−オール(2eq)の0℃のTHF(0.2)溶液に水素化ナトリウム(60%鉱油分散液,1eq.)を加え、30分間室温で撹拌し、−15℃で反応混合物に加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌後、飽和NaHCO水溶液でクエンチした。水層をEtOAcで抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中35% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0140】
ステップ2:(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−({(1R,2R)−2−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)カルボニル]シクロプロピル}メトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0141】
H NMR(アセトンd−6):δ7.28(s,2H),7.19−7.22(m,3H),6.96(s,1H),6.80−6.87(m,3H),6.62(s,1H),6.50(s,1H),6.40(s,1H),4.23−4.45(m,6H),4.05(dd,1H),3.90(dd,1H),3.55(dt,1H),3.40−3.50(m,4H),3.28(s,3H),3.00−3.24(m,3H),2.69−2.95(m,6H),2.55(t,2H),2.30−2.40(m,4H),1.70−2.00(m,6H),1.19−1.35(m,2H),0.45−0.90(m,4H)。LRMS[M+H]=855.2。
【実施例6】
【0142】
(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル
【0143】
【化20】

ステップ1:(3R,4S)−3−{[[3−{[(1R,2R)−2−({[(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例4/ステップ1からの(1R,2R)−2−{[3−{[[((3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸(1eq.)のDCM(0.17M)溶液に(2R)−6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトレート(1.5eq.,本明細書に援用するWO2005070868/実施例2に記載の手順に従って製造)と、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.5eq.)と、4−ジメチルアミノピリジン(1.5eq.)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌後、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中40% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0144】
ステップ2:(1R,2R)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル
前段階からの(3R,4S)−3−{[[3−{[(1R,2R)−2−({[(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0145】
H NMR(アセトンd−6):δ(1eq.)7.29(s,2H),7.20(d,2H),6.82(d,2H),6.60(s,1H),6.49(s,1H),6.40(s,1H),5.52(m,1H),5.03(d,1H),4.75(dd,1H),4.30−4.45(m,5H),4.28(d,1H),4.10(t,2H),4.00(dd,1H),3.80(dd,1H),3.58(dt,1H),3.02−3.35(m,8H),2.70−2.90(m,2H),2.53(t,2H),2.30−2.35(m,4H),1.55−1.95(m,12H),1.02−1.20(m,2H),0.45−0.9(m,4H)。LRMS[M+H]=945。
【実施例7】
【0146】
(1S,2S)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸エチル
【0147】
【化21】

(1S,2S)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(付加物2)をステップ3の出発材料として使用した以外は実施例1に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0148】
H NMR(アセトンd−6):δ7.28(s,2H),7.20(d,2H),6.83(d,2H),6.60(s,1H),6.47(s,1H),6.40(s,1H),4.30−4.42(m,5H),4.27(d,1H),4.05−4.15(m,2H),4.0(dd,1H),3.8(dd,1H),3.55(dt,1H),3.31(t,2H),3.28(s,3H),3.00−3.22(m,3H),2.67−2.77(m,2H),2.53(t,2H),2.29−2.35(m,4H),1.70−1.85(m,6H),1.22(t,3H),0.4−1.2(m,6H)。LRMS[M+H]=767.1。
【実施例8】
【0149】
(1S,2S)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸
【0150】
【化22】

(1S,2S)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸エチル(実施例7)を出発材料として使用した以外は実施例2に記載した手順に従って製造した。標記化合物のナトリウム塩は泡状物であった。
【0151】
H NMR(DMSO):δ7.33(s,2H),7.11(d,2H),6.80(d,2H),6.55(s,1H),6.38(s,1H),6.15(s,1H),4.10−4.40(m,6H),3.65−3.75(m,2H),2.20−3.50(m,17H),1.60−1.75(m,4H),1.10−1.40(m,2H),0.3−0.8(m,6H)。LRMS[M+H]=739.3(遊離酸)。
【実施例9】
【0152】
(1S,2S)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{6−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸エチル
【0153】
【化23】

(3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{6−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−3−カルボン酸(ピペリジン酸2)をステップ1の出発材料とし、(1S,2S)−2−(ヒドロキシルメチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(付加物2)をステップ3の出発材料として使用した以外は実施例1に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0154】
H NMR(アセトンd−6):δ8.00(s,1H),7.61(d,1H),7.28(s,2H),6.69(d,1H),6.60(s,1H),6.45(s,1H),6.40(s,1H),4.65(t,2H),4.35−4.45(m,3H),4.30(d,1H),4.08−4.15(m,2H),4.00(dd,1H),3.80(dd,1H),3.63(dt,1H),3.05−3.35(m,8H),2.70−2.90(m,2H),2.52(t,2H),2.40(m,1H),2.31(s,3H),1.70−1.90(m,6H),1.24(t,3H),1.02−1.20(m,2H),0.45−0.91(m,4H)。LRMS[M+H]=768。
【実施例10】
【0155】
(1S,2S)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{6−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸
【0156】
【化24】

(1S,2S)−2−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{6−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロパンカルボン酸エチル(実施例9)を出発材料として使用した以外は実施例2に記載した手順に従って製造した。標記化合物のナトリウム塩は泡状物であった。
【0157】
H NMR(アセトンd−6):δ8.02(s,1H),7.6(d,1H),7.2(s,2H),6.67(d,1H),6.45−6.55(m,2H),6.30(s,1H),4.60−4.67(m,2H),4.05(d,1H),4.30−4.40(m,2H),3.90−4.05(m,2H),2.25−3.70(m,18H),1.50−1.90(m,6H),0.3−0.9(m,6H)。LRMS[M+H]=740(遊離酸)。
【実施例11】
【0158】
(1−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸メチル
【0159】
【化25】

ステップ1:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例1/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDMF(0.1M)溶液に(1−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸メチル(付加物3)(2eq.)と炭酸セシウム(2eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで加熱し、18時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をエーテルで希釈した。有機抽出層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,トルエン中20% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0160】
ステップ2:(1−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸メチル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0161】
H NMR(アセトンd−6):δ7.28(s,2H),7.20(d,2H),6.82(d,2H),6.60(s,1H),6.50(s,1H),6.35(s,1H),4.30−4.45(m 6H),3.85(s,2H),3.61(s,3H),3.51(dt,1H),3.30(t,2H),3.28(s,3H),3.00−3.25(m,3H),2.67−2.85(m 2H),2.49−2.56(m,4H),2.25−2.35(m,4H),1.70−1.83 m 4H),0.4−0.85(m,8H)。LRMS[M+H]=767.1。
【実施例12】
【0162】
(1−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸
【0163】
【化26】

(1−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸メチル(実施例11)を出発材料として使用した以外は実施例2に記載した手順に従って製造した。標記化合物のナトリウム塩は泡状物であった。
【0164】
H NMR(アセトンd−6):δ7.27(s,2H),7.20(d,2H),6.84(d,2H),6.55−6.66(m,2H),6.38(s,1H),4.59(d,1H),4.30−4.41(m,5H)5 3.90−4.10(m,2H),3.50−3.60(m,1H),2.20−3.35(m,18H),1.65−1.81(m,4H),0.3−0.8(m,8H)。LRMS[M+H]=753.2(遊離酸)。
【実施例13】
【0165】
(1−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸ベンジル
【0166】
【化27】

ステップ1:(1−{[3−{[[((3R,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸
実施例11/ステップ1からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のエタノール(0.1M)溶液に1M NaOH水溶液(3eq.)を加えた。反応混合物をマイクロ波(Biotage)で100℃に分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮した。残渣を1N HCl水溶液とEtOAcに懸濁した。水層をEtOAcで数回抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、標記化合物を泡状物として得た。
【0167】
ステップ2:(3R,4S)−3−{[[3−({1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル]シクロプロピル}メトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
前段階からの(1−{[3−{[[((3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸(1eq.)のDMF(0.04M)溶液に臭化ベンジル(1.2eq.)と炭酸セシウム(1.2eq.)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌後、エーテルで希釈した。有機抽出層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中30% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0168】
ステップ3:(1−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}シクロプロピル)酢酸ベンジル
前段階からの(3R,4S)−3−{[[3−({1−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル]シクロプロピル}メトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0169】
H NMR(アセトンd−6):δ7.30−7.40(m,5H),7.28(s,2H)7.20(d,2H),6.82(d,2H)5 6.59(s,1H),6.50(s,1H),6.35(s,1H),5.11(s,2H),4.30−4.43(m,6H),3.85(s,2H),3.52(dt,1H),3.00−3.31(m,8H),2.69−2.85(m,2H),2.49−2.60(m,4H),2.25−2.35(m,4H),1.69−1.80(m,4H),0.4−0.8(m,8H)。LRMS[M+H]=843.4。
【実施例14】
【0170】
(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−N−(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[1−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)シクロプロピル]メトキシ}ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド
【0171】
【化28】

ステップ1:(3R,4S)−3−{[[3−{[1−(シアノメチル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例1/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDMF(0.1M)溶液にメタンスルホン酸[1−(シアノメチル)シクロプロピル]メチル(付加物4)(2eq.)と炭酸セシウム(2eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで加熱し、18時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をエーテルで希釈した。有機抽出層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,トルエン中0%→50% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0172】
ステップ2:(3R,4S)−3−{[シクロプロピル(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[1−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)シクロプロピル]メトキシ}ベンジル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
前段階からの(3R,4S)−3−{[[3−{[1−(シアノメチル)シクロプロピル]メトキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のジオキサン(0.17M)溶液にトリ−n−ブチル錫アジド(3eq.)を加えた。反応混合物を密閉管で150℃まで18時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈した。有機抽出層を飽和NHCl水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中50% EtOAc→100% EtOAc→DCM中5% MeOH)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0173】
ステップ3:(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−N−(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[1−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)シクロプロピル]メトキシ}ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド
前段階からの(3R,4S)−3−{[シクロプロピル(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[1−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)シクロプロピル]メトキシ}ベンジル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,NHOH/MeOH/EtOAc 1:4:16)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
【0174】
H NMR(アセトンd−6):δ7.27(s,2H),7.19(d,2 H),6.88(d,2H),6.77(s,1H),6.75(s,1H),6.57(s,1H),5.3(d,1H),4.39(m,4H),4.0(d,1H),3.68−3.55(m,3H),3.4−3.32(m,4H),3.29(s,3H),3.09(d,1H),2.95(m,1H),2.65(t,2H),2.40(d,1H),2.32(s,3H),2.30(m,2H),1.85(m,4H),1.12(m,1H),0.95−0.55(m,8H)。LRMS[M+H]=777.1。
【実施例15】
【0175】
4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]ブタン酸エチル
【0176】
【化29】

ステップ1:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−(4−エトキシ−4−オキソブトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例1/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDMF(0.2M)溶液に4−ブロモブタン酸エチル(1.6eq.)と炭酸セシウム(1.3eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで3時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈した。有機抽出層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中50% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0177】
ステップ2:4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]ブタン酸エチル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−(4−エトキシ−4−オキソブトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0178】
H NMR(アセトンd−[beta]):δ7.27(s,2H),7.19(d,2H),6.83(d,2H),6.6(s,1H),6.47(s,1H),6.39(s,1H),4.45−4.25(m,6H),4.11(q,2H),3.96(t,2H),3.57(m,1H),3.32(t,2H),3.27(s,3H),3.21(m,1H),3.13(m,1H),3.07(m,1H),2.75(m,4H),2.52(m,4H),2.34(m,1H),2.33(s,3H),1.8(m,4H),1.22(t,3H),0.75(m,3H),0.47(m,1H)。LRMS[M+H]=755.2。
【実施例16】
【0179】
4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]ブタン酸
【0180】
【化30】

4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]ブタン酸エチル(実施例15)を出発材料として使用した以外は実施例2に記載した手順に従って製造した。標記化合物のナトリウム塩は泡状物であった。
【0181】
H NMR(DMSO):δ7.33(s,2H),7.11(d,2H),6.81(d,2H),6.53(s,1H),6.37(s,1H),6.17(s,1H),4.27(m,6H),3.84(t,2H),3.45−3.37(m,4H),3.25(t,2H),3.20(s,3H),2.94(m,1H)2.56(m,2H),2.42(t,2H),2.31(m,1H),2.30(s,3H),1.96(t,2H),1.83−1.79(m,2H),1.71−1.67(m,2H),1.62(d,1H),0.73(m,2H),0.65(m,1H),0.35(m,1H)。LRMS[M+H]=727.2(遊離酸)。
【実施例17】
【0182】
(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−N−{3−(3−メトキシプロピル)−5−[3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロポキシ]ベンジル}ピペリジン−3−カルボキサミド
【0183】
【化31】

ステップ1:(3R,4S)−3−{[[3−(3−シアノプロポキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例1/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDMF(0.2M)溶液に4−ブロモブタンニトリル(1.2eq.)と炭酸セシウム(1.3eq.)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌後、65℃まで4時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈した。水層をEtOAcで抽出した。有機抽出層を合わせて飽和NHCl水溶液,5% HCl水溶液、飽和NaHCO水溶液及びブラインで洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、減圧濃縮し、標記化合物を油状物として得た。
【0184】
ステップ2:(3R,4S)−3−[(シクロプロピル{3−(3−メトキシプロピル)−5−[3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロポキシ]ベンジル}アミノ)カルボニル]−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
前段階からの(3R,4S)−3−{[[3−(3−シアノプロポキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のジオキサン(0.17M)溶液にトリ−n−ブチル錫アジド(3eq.)を加えた。反応混合物を密閉管で150℃まで18時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈した。有機抽出層を飽和NHCl水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中50% EtOAc→100% EtOAc→DCM中5% MeOH)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0185】
ステップ3:(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−N−{3−(3−メトキシプロピル)−5−[3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロポキシ]ベンジル}ピペリジン−3−カルボキサミド
前段階からの(3R,4S)−3−[(シクロプロピル{3−(3−メトキシプロピル)−5−[3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロポキシ]ベンジル}アミノ)カルボニル]−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,NHOH/MeOH/EtOAc 1:4:16)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
【0186】
H NMR(アセトンd−6):7.28(s,2H),7.19(d,2H),6.88(d,2H),6.70(s,2H),6.53(s,1H),5.29(d,1H),4.40(m,4H),3.85(m,1H),3.76(m,1H),3.64(m,2H),3.42(d,1H),3.36−3.31(m,4H),3.28(s,3H),3.18(m,1H),3.08(m,1H);2.95(m,1H),2.62(t,2H),2.43(m,2H),2.35(s,3H),2.15(m,1H),1.92−1.82(m,4H),1.08(m,1H),0.75(m,3H),0.55(m,1H)。LRMS[M+H]=751.2。
【実施例18】
【0187】
4−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}安息香酸メチル
【0188】
【化32】

ステップ1:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]オキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例1/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDMF(0.05M)溶液に4−(ブロモメチル)安息香酸メチル(1.6eq.)と炭酸セシウム(1.3eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで加熱し、12時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をエーテルで希釈し、水でクエンチした。水層をエーテルで抽出した。有機抽出層を合わせて水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中5% EtOAc→100% EtOAc)により精製し、標記化合物を泡状物として得た。
【0189】
ステップ2:4−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}安息香酸メチル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−{[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]オキシ}−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0190】
H NMR(CDCl):δ8.20(d,2H),7.35(d,2H),7.33(d,2H),6.89(d,2H,),6.80(s,2H),6.99(s,1H),6.75(s,1H),6.66(s,1H),4.81(s,2H),4.51(d,1H),4.41(d,1H),4.20(t,2H),4.12−4.02(m,2H),3.63−3.50(m,4H),3.42(td,1H),3.29(t,2H),3.21(s,3H),3.08(t,1H),3.01(d,1H),2.88−2.62(m,3H),2.09−2.04(m,1H),2.02(s,2H),1.96−1.87(m,2H),1.84(td,1H),1.76(s,3H),0.52−.43(m,2H),0.44−0.33(m,2H)。LRMS[M+H]=790.2。
【実施例19】
【0191】
4−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}安息香酸
【0192】
【化33】

実施例18からの4−{[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]メチル}安息香酸メチル(1eq.)のメタノール(0.03)溶液に1N NaOH水溶液(2.2eq.)を加えた。反応混合物を加熱還流し、18時間撹拌した。揮発分を減圧除去し、得られた固体残渣にエーテルを加えてトリチュレーションした。得られた残渣を次にEtOAcに溶解し、不溶分を濾別した。次に濾液にエーテルをゆっくりと加え、標記化合物のナトリウム塩を白色固体として析出させた。
【0193】
H NMR(DMSO):δ7.81(d,2H),7.32(s,2H),7.26(d,2H),7.11(d,2H),6.79(d,2H),6.64(s,1H),6.45(s,1H),6.20(s,1H),4.98(s,2H),4.30−4.18(m,6H),3.46−3.40(m,1H),3.25(t,2H),3.20(s,3H),3.09−2.91(m,4H),2.54−2.50(m,1H),2.44(t,2H),2.28(s,3H),1.71−1.65(m,5H),0.80−0.60(m,3H),0.39−0.31(m,1H)。LRMS[M+H]=775.4。
【実施例20】
【0194】
(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−N−(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンジル]オキシ}ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド
【0195】
【化34】

ステップ1:(3R,4S)−3−([[3−[(4−シアノベンジル)オキシ]−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例1/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDMF(0.05M)溶液にメチル4−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(1.6eq.)と炭酸セシウム(1.3eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで加熱し、16時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をエーテルで希釈し、水でクエンチした。水層をエーテルで抽出した。有機抽出層を合わせて水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン中5% EtOAc→100% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0196】
ステップ2:(3R,4S)−3−({シクロプロピル(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンジル]オキシ}ベンジル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
前段階からの(3R,4S)−3−([[3−[(4−シアノベンジル)オキシ]−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のトルエン(0.04M)溶液にアジド(トリメチル)シラン(3eq.)と酸化ジブチル錫(0.25eq.)を加えた。反応混合物を105℃まで加熱し、16時間撹拌した。揮発分を減圧除去し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,95.9:3.9:0.2(v/v/v)DCM/MeOH/AcOH)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0197】
ステップ3:(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−N−(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンジル]オキシ}ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド
前段階からの(3R,4S)−3−{[シクロプロピル(3−(3−メトキシプロピル)−5−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンジル]オキシ}ベンジル)アミノ]カルボニル}−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0198】
H NMR(CDOD):δ8.03(d,2H),7.51(d,2H),7.20(s,2H),7.04(d,2H),6.76(s,1H),6.73(d,2H),6.45(s,1H),6.44(s,1H),5.16(s,2H),4.50,(d,1H),4.32−4.13(m,4H),4.06(d,1H),3.80(dt,1H),3.55(d,1H),3.43−3.28(m,7H),3.22−3.10(m,2H),3.05(dt,1H),2.59(t,2H),2.30(s,3H),2.18−2.06(m,1H),1.85−1.78(m,3H),0.86−0.79(m,1H),0.68−0.53(m,2H),0.48−0.41(m,1H)。LRMS[M+H]=799.1。
【実施例21】
【0199】
4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]−2,2−ジメチルブタン酸メチル
【0200】
【化35】

ステップ1:(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−(4−メトキシ−3,3−ジメチル−4−オキソブトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
実施例1/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のDMF(0.1M)溶液に4−ヒドロキシ−2,2−ジメチルブタン酸メチル(付加物5)(2eq.)と炭酸セシウム(2eq.)を加えた。反応混合物を80℃まで加熱し、18時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をエーテルで希釈した。有機抽出層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,トルエン中20% EtOAc)により精製し、標記化合物を油状物として得た。
【0201】
ステップ2:4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]−2,2−ジメチルブタン酸メチル
前段階からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−(4−メトキシ−3,3−ジメチル−4−オキソブトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。標記化合物は無色油状物であった。
【0202】
H NMR(アセトンd−6):δ7.29(s,2H),7.20(s,2H),6.85(d,2H),6.59(s,1H),6.48(s,1H),6.39(s,1H),4.3−4.45(m,7H),3.97(t,2H),3.67(s,3H),3.55(t,1H),3.33(t,2H),3.30(s,3H),3.04−3.25(m,3H),2.7−2.9(m,3H),2.55(t,2H),2.3−2.4(m,4H),1.7−1.85(m,4H),1.25(s,6H),0.4−0.9(m,4H)。LRMS[M+H]=769.2。
【実施例22】
【0203】
4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]−2,2−ジメチルブタン酸
【0204】
【化36】

ステップ1:4−[3−{[[((3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]−2,2−ジメチルブタン酸
実施例21/ステップ2からの(3R,4S)−3−({シクロプロピル[3−(4−メトキシ−3,3−ジメチル−4−オキソブトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1eq.)のエタノール溶液に1N NaOH水溶液(3eq.)を加えた。反応混合物をマイクロ波反応器(Biotage)で100℃まで10分間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を減圧濃縮し、エタノール溶媒を除去した。得られた溶液を1N HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出層を合わせて無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物をそれ以上精製せずに次段階で使用した。
【0205】
ステップ2:4−[3−({シクロプロピル[((3R,4S)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}メチル)−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]−2,2−ジメチルブタン酸
前段階からの4−[3−{[[((3R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}ピペリジン−3−イル)カルボニル](シクロプロピル)アミノ]メチル}−5−(3−メトキシプロピル)フェノキシ]−2,2−ジメチルブタン酸を出発材料として使用した以外は実施例1/ステップ4に記載した手順に従って製造した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO,DCM中15−20% MeOH)により精製し、標記化合物を泡状物として得た。
【0206】
H NMR(アセトンd−6):δ7.27−7.30(m,4H),6.94(d,2H),6.60(s,1H),6.55(s,1H),6.24(s,1H),5.13(d,1H),4.39−4.42(m,4H),4.20(t,1H),3.90−3.95(m,2H),3.60(d,1H),3.25−3.50(m,8H),3.10(t,1H),2.90(t,1H),2.56(t,2H),2.32(s,3H),2.08−2.30(m,3H),1.7−2.0(m,4H),1.30(d,6H),0.2−0.9(m,4H)。LRMS[M+H]=755.2(遊離酸)。
【0207】
【表9】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
はC−Cアルキル又はC−Cシクロアルキルであり;
は−O(CH1−3OCH又は−(CH1−3OCHであり;
は水素、
【化2】

から構成される群から選択され;
は水素、
−C(O)OCH
−C(O)NH−C−Cアルキル、
−COOH、
【化3】


から構成される群から選択され;
は−COOH、−COOC−Cアルキルから構成される群から選択され;

−COOR
−CHCOOR
−CON(CH)SOCH
−CONHSOCH
−C(O)NH
−CH(CHCH)COOH、
−CONHSOCH
−NH
【化4】

から構成される群から選択され;
及びRは独立して
−水素、
−C−Cアルキル、
−OH、
−OCH
−COOH、
−NH、及び
【化5】

から構成される群から選択され;
あるいはRとRはそれらが結合している原子と一緒になり、C3−8シクロアルキル環を形成し;

−水素、
−C−Cアルキル、
−(CH2−4CH(ONO)CHONO
−CHC(O)N(CH
−CHOCOC(CH
−CHOCHOCOCH
−CH(CH)OCOCH(CH
−CH(CH)COOCHCH
−CHCHN(CH
−CH(CH)OCOOCHCH
−CH(CH)OCOOCH(CH
【化6】

から構成される群から選択され;
10
−水素、
−COOCH
−COOCH(CH)OCOCH
【化7】

から構成される群から選択され;
Wはフェニル環又は1〜4個の窒素原子を含む6員芳香環であり、前記環はパラ位をVで置換されており;
Vは結合、−(CH−、−A−(CH−、−CH−A−(CH、−(CH−A−、−(CH−A−(CH−、−A−(CH−B−、−CH−CH−CH−A−CH−、−A−CH−CH−B−CH−、−CH−A−CH−CH−B−、−CH−CH−CH−A−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−A−CH−、−A−CH−CH−B−CH−CH−、−CH−A−CH−CH−B−CH−、−CH−A−CH−CH−CH−B−、−CH−CH−A−CH−CH−B−、−O−CH−CH(OCH)−CH−O−、−O−CH−CH(CH)−CH−O−、−O−CH−CH(CF)−CH−O−、−O−CH−C(CH−CH−O−、−O−CH−C(CH−O−、−O−C(CH−CH−O−、−O−CH−CH(CH)−O−、−O−CH(CH)−CH−O−、−O−CH−C(CHCH)−O−、又は−O−C(CHCH)−CH−O−であり;
A及びBは独立して−O−、−S−、−S(O)−及び−S(O)−から構成される群から選択され;
Uは非置換アリール;一、二、三もしくは四置換アリール(ここで置換基は独立してハロゲン、アルキル、アルコキシ及び−CFから構成される群から選択される);又は一、二もしくは三置換ヘテロアリール(ここで置換基は独立してハロゲン、アルキル、アルコキシ及び−CFから構成される群から選択される)であり;
Qはメチレン又はエチレンであり;
nは0又は1の整数であり;
rは3、4、5又は6の整数であり;
sは2、3、4又は5の整数であり;
tは1、2、3又は4の整数であり;
uは1、2又は3の整数であり;
vは2、3又は4の整数である]
の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩、又はその光学異性体。
【請求項2】
Qがメチレンである請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
がシクロプロピルである請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
Wがパラ位をVで置換されたフェニルである請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項5】
Vが−CHCHO−、−CHCHCHO−、又は−OCHCHO−であり、ここで2価基は酸素原子を介して式(I)のU基と結合している請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項6】
Vが−OCHCHO−である請求項5に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
Uが一、二又は三置換フェニルであり、ここで置換基は独立してハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ及び−CFから構成される群から選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
Uが2,6−ジクロロ−4−メチルフェニルである請求項7に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項9】
が−O(CHOCH又は−(CHOCHである請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項10】
が水素、
【化8】

から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項11】
及びRが独立して
−水素、
【化9】

から構成される群から選択されるか、
あるいはRとRはそれらが結合している原子と一緒になり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルから構成される群から選択されるシクロアルキル環を形成する請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項12】
が水素、
【化10】


から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項13】
Xが
【化11】

から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項14】
下表:
【表1】





【表2】

【表3】


に記載の化合物から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項15】
有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項16】
高血圧、鬱血性心不全、肺高血圧、腎機能不全、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能不全、心臓肥大、心筋線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎疝痛、糖尿病合併症(例えば腎症、血管症及び神経症)、緑内障、眼内圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管又は心臓手術後の合併症、勃起障害、アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤治療の合併症に関連する疾患、及びレニン・アンギオテンシン系に関係があるとして知られている他の疾患の治療又は予防用医薬の製造における請求項1に記載の化合物又は請求項15に記載の組成物の使用。
【請求項17】
高血圧、鬱血性心不全、肺高血圧、腎機能不全、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能不全、心臓肥大、心筋線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎疝痛、糖尿病合併症(例えば腎症、血管症及び神経症)、緑内障、眼内圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管又は心臓手術後の合併症、勃起障害、アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤治療の合併症に関連する疾患、及びレニン・アンギオテンシン系に関係があるとして知られている他の疾患の治療又は予防方法であって、医薬活性量の請求項1に記載の化合物を患者に投与する段階を含む前記方法。

【公表番号】特表2010−527942(P2010−527942A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508680(P2010−508680)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001005
【国際公開番号】WO2008/141462
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】