説明

新規飲料

【課題】本発明の目的は、アスペルロシドを継続的かつ効率的に摂取するための飲料として、味がより多くの消費者の嗜好に適合する飲料を提供することである。
【解決手段】本発明により、杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む飲料であって、飲料中に含まれるアスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100である前記飲料が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスペルロシドを含有する飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、高脂血症、高血圧、動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群、睡眠時無呼吸症候群など、数多くの疾患のリスクファクターとして認識されている。遺伝的要因、食習慣を含む生活習慣、社会環境などが肥満の原因として考えられており、肥満を改善する方法について多くの研究が行われている。
【0003】
アスペルロシドは、植物に含まれるイリドイド配糖体の一種であり、杜仲葉に含まれていることが知られている(特許文献1)。近年の研究により、アスペルロシドは脂肪分の代謝に関与し、内臓脂肪量および血中脂肪酸量の抑制効果、ならびに抗肥満効果を有することが確認されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−238449号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日本薬学会第128年会要旨集−26PE−am069(2008年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
杜仲茶の成分であるアスペルロシドは抗肥満効果を有していることから、肥満の防止または改善のために、アスペルロシドを継続的にかつ効率よく摂取するための手段が求められていた。しかし、アスペルロシドは非常に苦く渋い味を有しており、そのまま摂取することは困難であった。また、アスペルロシドを高度に含有する食品、特に高濃度のアスペルロシドを含有する飲料を消費者の嗜好に適合可能な味とする手段は知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題解決のために鋭意研究を進めたところ、アスペルロシドおよび杜仲茶葉抽出物を含む飲料において、アスペルロシドおよび杜仲茶由来成分であるゲニポシド酸の含有比率(アスペルロシド/ゲニポシド酸)を特定の範囲とすることにより、アスペルロシドの苦味および渋味が抑制され、飲料の味が顕著に改善されることができることを見いだし、本発明を完成させた。
【0008】
本発明の1つの側面によれば、杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む飲料であって、飲料中に含まれるアスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100である前記飲料が提供される。
【0009】
本発明の別の側面によれば、杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む飲料であって、飲料中に含まれるアスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100であり、アスペルロシドの濃度が50〜500mg/Lである、前記飲料が提供される。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む飲料であって、飲料中に含まれるアスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100であり、アスペルロシドの濃度が200〜500mg/Lである、前記飲料が提供される。
【0011】
さらに本発明の別の側面によれば、杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む組成物であって、組成物中に含まれるアスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100である、飲料製造用の組成物が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の飲料は、アスペルロシドを継続的かつ効率的に摂取するための飲料として、甘味料などを添加することなく、その味がより多くの消費者の嗜好に適合するという優れた性質を有する。また、アスペルロシドを含有する本発明の飲料は、肥満の改善および/または予防に適している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明で使用する杜仲茶葉抽出物は特に限定されないが、抽出溶媒として、例えば、水、C1−4アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒、好ましくは、水および/またはエタノールなどを使用して製造することができる。本発明の1つの態様において、杜仲茶葉抽出物は水抽出物、特に熱水抽出物を使用することができる。
【0014】
本発明で使用する杜仲茶葉として、例えば、杜仲生葉を加工して得られる杜仲茶用の茶葉の抽出物を原料として使用することができる。使用される杜仲生葉は、収穫後乾燥前の杜仲葉を意味するものであり、栽培により生産されたものであっても天然より採取されたものであってもよい。例えば、当年葉で落葉前の生葉を用い、採取時期は4月から10月、好ましくは5月から8月、より好ましくは7月から8月までの生葉を用いることができる。杜仲茶葉は抽出効率を高めるために、粉末にして使用してもよい。
【0015】
杜仲茶用の茶葉は、例えば、収穫した杜仲生葉を天日乾燥し、100〜140℃で30〜50分間焙煎し、さらに適当な大きさに切断することにより製造することができる。また、本発明で使用する杜仲茶葉は、特開平8−173110号、特開平8−322525号、特開平9−206041号、および特開2005−287469号などに記載の方法により製造することができる。
【0016】
本発明の1つの態様において、杜仲生葉を蒸した後、これを揉捻し、さらに熟成させながら乾燥し、得られた乾燥物を焙煎して杜仲茶葉を製造するに際し、揉捻工程の前の蒸し工程を温度90〜120℃、好ましくは100〜110℃で60〜140秒間行い、揉捻工程の後の熟成・乾燥工程を天日下で3〜5日、好ましくは3〜4日、または乾燥機を用いて60〜100℃で3〜10時間、好ましくは4〜8時間行うことを特徴とする製造方法により製造した杜仲茶葉を使用することができる。また別の態様において、杜仲生葉を温度100〜110℃で20〜120秒間蒸し、ついで揉捻し、天日で4〜5日、または乾燥機を用いて熟成させながら、水分量5%まで乾燥し、焙煎することを特徴とする製造方法により製造した杜仲葉を使用することができる。
【0017】
杜仲茶葉抽出物として、杜仲茶葉抽出液を使用してもよい。また当該抽出液を濃縮して得られる濃縮液、濃縮物などを使用してもよい。好ましくは、本発明の杜仲茶葉抽出物として、杜仲茶葉の水抽出液を使用することができる。抽出温度は特に限定されず、室温から使用する抽出溶媒の沸点、例えば20〜100℃、好ましくは85〜98℃の範囲で適宜設定することができる。
【0018】
本発明で使用するアスペルロシドは、天然物由来の製品または合成品のいずれであってもよく、例えば、植物から精製して得たものを使用することができる。杜仲抽出物を吸着剤処理して得られるアスペルロシドを豊富に含む画分を使用してもよい。ここで、杜仲抽出物は、例えば、特開平8−173110号、特開平8−322525号、特開平9−206041号に記載の方法で製造される杜仲茶葉の抽出物、または特開2005−287469号に記載の杜仲茶葉または杜仲葉粉末の抽出物などを使用することができる。例えば、特開2007−238449号に記載の方法により得られる分画物のうち、アスペルロシドを多く含む画分を本発明のアスペルロシドとして使用してもよい。
【0019】
杜仲などの植物からアスペルロシドを精製する方法として、例えば、吸着剤を用いて処理する方法が挙げられる。使用する吸着剤は天然物または食品の処理に使用できるものであれば特に限定されない。例えば、逆相の合成吸着剤、例えば、ポリスチレンゲル(ポリスチレン・ジビニルベンゼン共重合体など)、例えば、MCI(登録商標) GEL CHP10M/CHP2MGM(三菱化学社製)、SEPABEADS CHP20A/CHP20Y/CHP55A/CHP55Y/CHP20P/SP20SS/HP2MGY/SP207/SP825/SP850/SP70/SP700(三菱化学社製)、Diaion HP20/HP21/HP2MG(三菱化学社製)などが挙げられる。工業的スケールにおける製造の観点から好ましくはDiaion HP20が使用される。当該吸着剤は、例えばカラムの担体として使用することができる。使用される吸着剤の量は、杜仲葉抽出液110Lに対して、例えば10000〜18000g、好ましくは15000〜18000gの範囲から選択されうる。移動相としては、例えば、水、C1−4アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトンなどの溶媒、好ましくは水およびエタノールを用いることができる。
【0020】
さらにアスペルロシドは、各種クロマトグラフィー(例えば、イオン交換クロマトグラフィーや分配クロマトグラフィーなど)および再結晶などにより精製することもできる。
本発明の飲料および組成物は、杜仲茶葉由来のゲニポシド酸を成分として含有するが、その他の添加物由来のゲニポシド酸を含んでもよい。本発明におけるアスペルロシドおよびゲニポシド酸の重量比は、杜仲茶葉由来のゲニポシド酸に基づいて算出される。
【0021】
本発明の飲料は、例えば、アスペルロシド水溶液に杜仲茶葉抽出物を添加して、アスペルロシドおよびゲニポシド酸(アスペルロシド/ゲニポシド酸)の重量比が例えば、0.2以上、0.25以上、0.5以上、または1.0以上となるように、また例えば、100以下、50以下、または20以下となるように調製される。本発明の効果の観点から、当該重量比の範囲は、例えば、0.2〜100、好ましくは0.25〜100、より好ましくは0.5〜100、特に好ましくは0.5〜20である。
【0022】
本発明の1つの側面において、杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む飲料であって、飲料中に含まれるアスペルロシドの濃度が200〜500mg/Lであり、アスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100、好ましくは0.25〜100,特に好ましくは0.25〜20である前記飲料が提供される。
【0023】
ゲニポシド酸およびアスペルロシドの重量比はクロマトグラフィーの技術、例えば、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCとも称する)などを利用して検量線を作成することにより確認することができる。例えば、ゲニポシド酸およびアスペルロシドの重量比は実施例に記載のHPLCの条件で測定し、求められる両物質のピークの面積比から算出することができる。また、特開2007−238449に記載のHPLC分析手法により、ゲニポシド酸およびアスペルロシドの重量比を確認することができる。
【0024】
本発明の飲料および飲料製造用の組成物に含まれるアスペルロシドおよびゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)は、例えば、0.2以上、0.25以上、0.5以上、または1.0以上となるように、また例えば、100以下、50以下、または20以下となるように調製される。本発明の効果の観点から、当該重量比の範囲は、例えば0.2〜100、好ましくは0.25〜100、より好ましくは0.5〜100である。本発明の飲料は、水で適宜希釈するなどして成分濃度を調節することが可能である。飲料に含まれるアスペルロシドの濃度は特には限定されないが、例えば、30mg/L以上、50mg/L以上、または80mg/L以上、また例えば、1000mg/L以下、750mg/L以下、または500mg/L以下となるように調製される。
【0025】
本発明の飲料製造用の組成物は、例えば、上記の飲料を濃縮することにより製造することができる。また、本発明の組成物は、例えば、杜仲抽出物に、アスペルロシド、またはアスペルロシドを豊富に含む画分などを添加することにより製造することができる。当該組成物は、濃縮液または固体(例えば、錠剤、顆粒、ペレットまたは粉末)の形態であってもよい。濃縮は食品分野で知られた慣用の方法により行うことができる。また、固体組成物についても食品の製造において通常行われている打錠方法、造粒方法または粉末の製造方法などを利用して製造することができる。本発明の組成物は、好ましくは水溶性の固体である。本発明の組成物を水で希釈することにより飲料を製造することができる。本発明の1つの態様において、本願発明の組成物は、アスペルロシドの濃度が、例えば、30mg/L以上、50mg/L以上、または80mg/L以上、また例えば、1000mg/L以下、750mg/L以下、または500mg/L以下となるように希釈することができる。
【0026】
本発明の飲料製造用の組成物は、例えば水に不溶な成分を含んでいてもよく、例えば、当該組成物に水を加えて抽出した後に不溶成分を除去して得られる水溶液を飲料として供することができる。当該組成物の1つの態様として、杜仲茶葉、およびアスペルロシドを含む水溶性成分を含有する組成物が挙げられる。
【0027】
本発明の飲料は、抗肥満効果を有するアスペルロシドを効率的に摂取するために適しているため、健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品、サプリメントなど)、病者用飲料などとして利用することができる。また、本発明の飲料は良好な味を有するので、お茶、特に杜仲茶として、また清涼飲料などの通常の飲料として供してもよい。
【0028】
本発明の飲料は、肥満、高脂血症、高血圧、動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群、睡眠時無呼吸症候群などの症状の改善および/または予防のために摂取することができる。上記効果を得るために、本発明の飲料の摂取量は、対象の体型、年齢、体調、重篤度等により、適宜選択することができる。例えば、体重60kgの成人を基準として、アスペルロシドを1〜1000mg/日、好ましくは1〜500mg/日の用量を目安として使用される。
【0029】
本発明の飲料および飲料製造用の組成物は、必要に応じて、慣用の食品添加物、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、粘稠剤、pH調整剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤、増粘剤などを配合することができる。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書において示されるパーセンテージは特に言及がなければ重量%を意味する。
[アスペルロシドの調製]
以下に示す手法により、アスペルロシドを杜仲葉より抽出・精製した。原料として使用した杜仲葉粉末は、特開2005−287469号公報の実施例5の記載に基づいて製造した。
【0031】
イオン交換水(70L)に杜仲葉粉末(40kg)を加え、室温で8時間攪拌した。得られた混合物を、三菱ダイヤイオンHP−20(三菱化学)を充填したカラム(PP製、200mmID×1000mm)に注ぎ込み、目的物を吸着させた。さらにイオン交換水(40L)を使用してカラムを洗浄した後に、35%エタノール水溶液(v/v)を用いて目的物を溶出させた。得られた溶液に等量のイオン交換水を加えて希釈し、フィルター(1.2μm、10インチ)により濾過して、不溶解物を除去した。
【0032】
別途用意したカラム(PP製、200mmID×1000mm;充填剤:三菱ダイヤイオンHP−20(三菱化学))に得られた濾液を注ぎ、カラムに目的物を吸着させ、イオン交換水(40L)を使用してカラムを洗浄した。その後、エタノール(100%)を使用して溶出させ5Lずつ分画し、HPLCで画分中のアスペルロシドの含量を確認した後、含量の高い画分を回収した。得られた溶液をエバポレーター(50℃)で濃縮し、濃縮乾固物(1.97kg)を得た。
【0033】
得られた濃縮物をイオン交換水に溶解させ、ODSカラム(φ200mm×1000mm;充填剤:ダイソゲルSP−120−40/60、ODS−B;ダイソー社)を用いたカラムクロマトグラフィーに供した(移動相:エタノール/水=1/2(v/v);流速:500mL/分;検出器:UV検出器(測定波長:215mm))。アスペルロシドを多く含む画分を回収し、エバポレーター(50℃)で濃縮した。得られた濃縮液を濾過し(95mmID 5A)、濾液を減圧乾燥することにより結晶を得た。最終的に179.8gのアスペルロシドを得た。HPLC測定の結果、純度は98.83%(エリア比)であった。
[HPLC測定条件]
HPLC装置:LC−6(島津製作所);
カラム:YMC−Pack ODS A−312、φ6.0mm×150mm(YMC製);
移動相:水/メタノール/リン酸=870/130/1;
カラム温度:40℃;
検出器:UV検出器(測定波長:215nm);
流速:1mL/分。
[杜仲茶葉抽出物の製造]
杜仲葉抽出物の製造は、特開2005−289950号公報の実施例1の記載に基づいて行った。杜仲生葉(5kg)を、日本茶製造用の送帯蒸機により110℃で90秒間蒸熱した。生葉を送帯蒸し機の投入口から機内に投入し、コンベヤ上を移動する間に上下スチーム供給装置からスチームを当て、110℃で90秒間蒸熱した。ネットコンベア上に杜仲生葉を広げ、ボイラーから供給される無圧蒸気を充満させた処理室を通過させることにより、杜仲生葉を蒸熱処理した。宮村鉄工株式会社製、給葉機、地上型1500及びネットコンベア、送帯式1000を用いた。
【0034】
次にこの蒸熱後の杜仲葉を揉捻機を用いて30分間揉捻した後、揉捻物を乾燥機を用いて80℃で5時間、水分量を5%まで乾燥させた。杜仲葉の色調は蒸熱後、緑褐色であったのが、乾燥に従い緑色を帯びた黒褐色へと変化した。その後、炒葉機(IR−10SP型:寺田製作所)を用いて110℃で30分間焙煎し、杜仲乾燥葉サンプル2kgを得た。
【0035】
このようにして処理した杜仲乾燥葉(1kg)を90℃の熱水(15kg)で30分間抽出し、それを150メッシュのフィルターを用いてろ過し、ろ液を5℃に冷却し一晩静置した。上澄み液を取り出し、減圧下50℃でろ液を濃縮し1kgを得た。
【0036】
濃縮液をクボタ株式会社製、遠心分離器KS8000で処理し、1800rpmの回転速度の遠心分離により沈殿物を除去し、得られた上澄み液を加熱殺菌(85℃、2時間)し、杜仲茶葉抽出エキスを得た。当該濃縮エキス液をスプレードライ法により乾燥し、杜仲茶葉抽出エキスの粉末(300g)を褐色の粉体として得た。この褐色粉末を、以下、「杜仲茶葉抽出物」として使用した。なお、杜仲茶葉抽出物に含まれるアスペルロシドおよびゲニポシド酸の重量比は、アスペルロシド/ゲニポシド酸=0.16であった。
[官能評価試験]
上記のアスペルロシドおよび杜仲茶葉抽出物を使用して、アスペルロシド濃度が50mg/L、80mg/L、200mg/Lおよび500mg/Lであり、アスペルロシドおよびゲニポシド酸の重量比が表1〜表4に示したとおりである試料を調製した。
【0037】
上記試料について、習熟したパネル5人を選んで官能評価試験を行って、味(苦味、渋味、甘味、酸味)を評価した。その結果を以下の表1〜表4に示す。表中の評価の点数は以下の基準で採点した各パネルの平均点(小数点第二位を四捨五入)である。
【0038】
(基準)
5点:異味を感じない。
4点:異味をやや感じる。
3点:異味を感じる。
2点:異味を強く感じる。
1点:異味を非常に強く感じる。
【0039】
【表1】

【0040】
アスペルロシド濃度50mg/Lでは、アスペルロシドのみを含む試料の評価(総合:3.8)と比較して、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.2〜100の範囲で評価の向上が確認された。また、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.5〜20の範囲では20%以上の評価値の向上が確認された。
【0041】
【表2】

【0042】
アスペルロシド濃度80mg/Lでは、アスペルロシドのみを含む試料の評価(総合:3.6)と比較して、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.2〜100の範囲で評価の向上が確認された。また、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.5〜20の範囲では20%以上の評価値の向上が確認された。
【0043】
【表3】

【0044】
アスペルロシド濃度200mg/Lでは、アスペルロシドのみを含む試料の評価(総合:2.8)と比較して、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.2〜100の範囲で評価の向上が確認された。また、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.25〜20の範囲では50%以上の評価値の向上が確認された。
【0045】
【表4】

【0046】
アスペルロシド濃度500mg/Lでは、アスペルロシドのみを含む試料の評価(総合:2.0)と比較して、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.2〜100の範囲で評価の向上が確認された。また、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.25〜20の範囲では50%以上の評価値の向上が確認された。
【0047】
上記試験結果の全てのアスペルロシド濃度において、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.2〜100の範囲で評価の向上が確認され、特にアスペルロシド/ゲニポシド酸が0.5〜20の範囲では評価値の向上が顕著であった。また、アスペルロシドが高濃度(200mg/Lおよび500mg/L)の場合は、アスペルロシド/ゲニポシド酸が0.25の試料においても評価値の顕著な向上が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む飲料であって、飲料中に含まれるアスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸の重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100である前記飲料。
【請求項2】
アスペルロシドの濃度が50〜500mg/Lである、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
アスペルロシドの濃度が200〜500mg/Lである、請求項1に記載の飲料。
【請求項4】
杜仲茶葉抽出物が杜仲茶葉の水抽出物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項5】
杜仲茶葉抽出物およびアスペルロシドを含む組成物であって、組成物中に含まれるアスペルロシドおよび杜仲茶葉由来のゲニポシド酸重量比(アスペルロシド/ゲニポシド酸)が0.2〜100である、飲料製造用の組成物。
【請求項6】
水溶性の固体である、請求項5に記載の組成物。

【公開番号】特開2011−72227(P2011−72227A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225452(P2009−225452)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】