説明

新規6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−(3H)−オン誘導体、およびAKT(PKB)リン酸化阻害剤としてのこの医薬調製物

本発明は、式(I)


の新規物質に関し、式中:Zは、場合により置換されたO−、−NH、Nシクロアルキル、またはNalkもしくはN−フェニルであり;nは0から4であり;R1は、H、Hal、ヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシであり;アルキルまたはアルコキシ基は場合により置換され;R1は、R1を有するフェニルと縮合されたフェニル基であることができ;R2およびR3は、H、Hal、または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換されたアルキルであり;ならびにR4はHである。前記物質は、いずれの異性形およびこれの塩であることができ、ならびに特にAKT(PKB)リン酸化阻害薬としての薬物のためのものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリミジノンに由来する新規1H−ピリミジン−2−オン化学化合物、この調製方法、得られた新規中間体、薬剤としてのこの使用、これらを含有する医薬的条件およびこのような誘導体の新規使用に関するものである。
【0002】
本発明はこのように、ヒトの処置に使用する薬剤の調製のための前記誘導体の使用にも関する。
【0003】
さらに詳細には、本発明は、新規ピリミジノン誘導体にならびにPI3K/AKT/mTOR経路の阻害によって調節されることが可能な症状の予防および処置のためのこの医薬的使用に関するものである。AKTは、本シグナル伝達経路における重要な関与物質である。高レベルのAKTリン酸化は、多くのヒトの癌で見られる、経路の活性化の特色である。
【0004】
本発明の生成物はこのように、AKTリン酸化(P−AKT)の阻害によって調節されることが可能な症状の予防または処置に特に使用され得る。P−AKTの阻害はとりわけ、PI3K/AKT/mTOR経路の阻害によって、および特に本経路に属しているキナーゼ類、例として受容体チロシンキナーゼ、例えばEGFR、IGFR、ErbB2、3’−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ−1(PDK1)、PI3Kホスホイノシチドキナーゼ、AKTセリン−トレオニンキナーゼ、またはmTORキナーゼ類の阻害によって取得され得る。
【背景技術】
【0005】
PI3K/AKT/mTOR経路の阻害および制御は、固形および液性腫瘍を含む多数の癌疾患の処置のための、特に新規で強力な作用機序を構成する。
【0006】
本出願の生成物によって処置することができるこのような症状は、ヒト固形または液性腫瘍である。
【0007】
PI3K/AKT/mTOR経路の役割
PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路は、腫瘍形成における重要な過程である、複数の細胞機能、例えば成長、生存、増殖および細胞成長を制御する複雑なネットワークである。
【0008】
本シグナル伝達経路は、このエフェクタの多くがヒト腫瘍において改変されるため、癌の処置において大切な標的である。経路の活性化に寄与する主エフェクタはi)変異、増幅または過剰発現によって活性化された癌遺伝子、例えばErbB1(EGFR)、ErbB2(HER2)、PIK3CAおよびAKT;ii)変異または欠失の後に不活性化される、腫瘍抑制遺伝子、例えばPTEN、TSC1/2、LKBおよびPMLの欠乏である(Jiang L−Z & Liu L−Z,Biochim Biophys Acta,2008,1784:150;Vivanco I & Sawyers CL,2002,Nat Rev Cancer,2:489;Cully M et al.,Nature Rev.Cancer,2006,6:184)。
【0009】
本シグナル伝達経路の癌遺伝子の活性化は、多くのヒト癌疾患で見出される:
−PIK3CA活性化変異は、結腸癌、乳癌、子宮内膜癌、肝臓癌、卵巣癌および前立腺癌の15から30%に存在する(TL Yuan and LC Cantley,Oncogene,2008,27:5497;Y.Samuels et al.Science,2004,304:554;KE.Bachman et al.Cancer Biol Ther,2004,3:772;DA Levine et al.Clin Canc Res.2005,11:2875;C.Hartmann et al.Acta Neuropathol.2005,109:639);
−脳腫瘍、乳癌および肺癌(NSCLC)におけるRTK、例えばEGFRおよびHER2の増幅、活性化変異および過剰発現;
−脳腫瘍、肺癌(NSCLC)、乳癌、腎臓癌、卵巣癌および膵臓癌におけるAKTの増幅および活性化過剰発現(Testa JR.and Bellacosa A.,Proct.Natl.Acad.Sci.USA 2001,98:10983;Cheng et al.,Proct.Natl.Acad.Sci.USA 1992,89:9267;Bellacosa et al.,Int.J.Cancer,1995,64:280;Cheng et al.,Proct.Natl.Acad.Sci.USA 1996,93:3636;Yuan et al.,Oncogene,2000,19:2324)。
【0010】
本シグナル伝達経路の腫瘍抑制遺伝子の欠乏も、多くのヒト癌疾患に見出される:
○肺癌(NSCLC)、肝臓癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、脳腫瘍、膵臓癌、子宮内膜癌および結腸癌の50%におけるPTENの欠失(Maxwell GL et al.Canc.Res.1998,58:2500;Zhou X−P et al.Amer.J.Pathol.,2002,161:439;Endersby R & Baker SJ,Oncogene,2008,27:5416;Li et al.Science,1997,275:1943;Steack PA et al.,Nat.Genet.,1997,15:356);
○結節性硬化症の50%超におけるTSC1/2の変異;
○消化管癌および膵臓癌の素因を与え、肺線癌の特に10から38%に見出される、LKB1(またはSTK11)の変異または欠失(Shah U.et al.Cancer Res.2008,68:3562);
○特にヒト腫瘍の転座によるPMLの修飾(Gurrieri C et al,J.NAtl Cancer Inst.2004,96:269)。
【0011】
加えて、本シグナル伝達経路は、例えば化学療法、放射線療法ならびに標的療法、例えばEGFRおよびHER2に対する抵抗に関する主な因子である(C.Sawyers et al.Nat Rev 2002)。
【0012】
AKTの役割
AKT(プロテインキナーゼB;PKB)は、主な細胞シグナル伝達経路の1つであるPI3K/AKT経路において中心位置を占有する、セリン−トレオニンキナーゼである。AKTは特に、腫瘍細胞の成長、増殖および生存に関与している。AKT活性化は、2つのステップ、(i)PDK1によるトレオニン308(P−T308)のリン酸化および(2)完全な活性化を生じる、mTORC2(またはmTOR−Rictor複合体)によるセリン473−(P−S473)のリン酸化で発生する。AKTは次に、mTOR(ラパマイシンの哺乳動物標的)、BAD、GSK3、p21、p27、FOXOまたはFKHRL1を含む、多数のタンパク質を調節する(Manning BD & Cantley LC,Cell,2007 129:1261)。AKTの活性化は、栄養素の内部移行を促進し、これにより細胞成長および増殖を支援する同化代謝の過程を引き起こす。特にAKTは、シグナル伝達経路の2つの必須標的であるp70S6Kおよび4EBPを生じるように、TSC1/2(結節性硬化症複合体)、RhebおよびTORによって発生する一連の相互作用を通じてタンパク質合成の開始を調節する。AKTは、アポトーシスの阻害および細胞周期の進行を生じるフォークヘッド転写因子のリン酸化およびGSK3βの不活性化の阻害も誘発する(Franke TF,Oncogene,2008,27:6473)。ゆえにAKTは抗癌療法の標的であり、このリン酸化の阻害によるAKT活性化は、悪性細胞のアポトーシスを誘発し、同様に癌の処置を提供し得る。
【0013】
IGF1Rなどの受容体チロシンキナーゼ
異常に高レベルのプロテインキナーゼ活性は、異常な細胞機能から生じる多くの疾患に関係してきた。これは、例えば酵素の不適切な変異、過剰発現もしくは活性化に関連する、またはキナーゼの上流もしくは下流シグナルの伝達にも関与する、サイトカインもしくは成長因子の過剰産生もしくは産生不足による、キナーゼ活性を調節する機構の機能不全から直接的にまたは間接的にどちらかで発し得る。これらすべての場合において、キナーゼの作用の選択的阻害は、有益な効果という期待をもたらす。
【0014】
インスリン様成長因子1型受容体(IGF−I−R)は、最初にIGFIに結合するが、弱い親和性でIGFIIおよびインスリンにも結合する膜貫通受容体チロシンキナーゼである。IGF1のこの受容体への結合は、受容体のオリゴマー化、チロシンキナーゼの活性化、細胞基質(腫瘍基質:IRS1およびShc)の自己リン酸化およびリン酸化につながる。このリガンドによって活性化された受容体は、正常細胞においてマイトジェン活性を誘発する。しかしIGF−I−Rは、「異常」成長において大切な役割を果たす。
【0015】
複数の臨床報告は、ヒト癌の発症におけるIGF−I経路の大切な役割を強調している。
【0016】
IGF−I−Rは、多くの腫瘍タイプ(乳房、結腸、肺、肉腫、前立腺、多発性骨髄腫)で過剰発現するのが見出されることが多く、この存在は、より高悪性度の表現型と関連していることが多い。
【0017】
高濃度の循環IGF1は、前立腺、肺および乳癌のリスクと強く相関している。
【0018】
さらにIGF−I−Rは、インビボと同様にインビトロでの変換表現型の確立および維持に必要であることが幅広く記録されてきた[Baserga R,Exp.Cell.Res.,1999,253,pages 1−6]。IGF−I−Rのキナーゼ活性は、複数の癌遺伝子:EGFR,PDGFR、SV40ウイルスブロードT抗原、活性化Ras、Raf、およびv−Srcの形質転換活性に必須である。正常な線維芽細胞におけるIGF−I−Rの発現は、次にインビボでの腫瘍形成につながることができる新生物表現型を誘発する。IGF−I−R発現は、基質依存性成長において大切な役割を果たす。IGF−I−Rは、化学療法および放射線誘発アポトーシスならびにサイトカイン誘発アポトーシスにおけるプロテクタであることも示されている。さらにドミナントネガティブによる内因性IGF−I−Rの阻害、3重らせんの形成またはアンチセンスの発現は、インビトロでの形質転換活性の抑制および動物モデルにおける腫瘍成長の低下を引き起こす。
【0019】
PDK1
3’−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ−1(PDK1)は、PI3K−AKTシグナル伝達経路の必須構成要素の1つである。これはセリン−トレオニン(Ser/Thr)キナーゼであり、この役割は、細胞成長、増殖および生存ならびに代謝の制御に関与しているAGCファミリの他のSer/Thrキナーゼをリン酸化および活性化することである。これらのキナーゼは、プロテインキナーゼB(PKBまたはAKT)、SGK(または血清およびグルココルチコイド制御キナーゼ)、RSK(またはp90リボソームS6キナーゼ)、p70S6K(またはp70リボソームS6キナーゼ)および同様にプロテインキナーゼC(PKC)の各種のアイソフォームを含む(Vanhaesebroeck B.& Alessi DR.,Biochem J,2000,346:561)。ゆえにPDK1の重要な役割の1つは、AKTの活性化である。PI3Kによって発生される第2のメッセンジャであるPIP3の存在下で、PDK−1は原形質膜にこのPH(プレクストリン相同)ドメインを介して補充され、AKT活性化にとって必須の修飾である、活性化ループ中に位置するトレオニン308上のAKTをリン酸化する。PDK1は遍在的に発現され、構成的活性化キナーゼである。PDK1は、腫瘍形成における重要な過程、例えば細胞増殖および生存を制御するためのPI3K/AKTシグナル伝達経路における重要な要素である。本経路はヒト癌の50%超において活性化されているため、PDK1は抗癌療法の標的となる。PDK1の阻害は、癌細胞の増殖および生存の効果的な阻害を生じ、ゆえにヒト癌に対する治療的利益を提供するはずである(Bayascas JR,Cell cycle,2008,7:2978;Peifer C.& Alessi DR,ChemMedChem,2008,3:1810)。
【0020】
ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)
PI3K脂質キナーゼは、腫瘍学の本シグナル伝達経路において大切な標的である。クラスI PI3Kは、受容体チロシンキナーゼ(RTK)、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、ファミリRhoのGTPアーゼ、p21−Rasによって活性化されたクラスIa(PI3Kα、β、δ)、ならびにGPCRおよびp21−Rasによって活性化されたクラスIb(PI3Kγ)に分割される。クラスIa PI3Kは、触媒性サブユニットp110α、βまたはδおよび制御サブユニットp85またはp55から成るヘテロダイマーである。クラスIb(p110γ)はモノマー性である。クラスI PI3Kは、膜の補充後にRTK、GPCRまたはRasによって活性化される脂質/プロテインキナーゼである。これらのクラスI PI3Kは、イノシトールの3位にあるホスファチジルイノシトール4,5−2リン酸(PIP2)をリン酸化して、本シグナル伝達経路における重要な第2のメッセンジャである、ホスファチジルイノシトール3,4,5−3リン酸(PIP3)を与える。次にPIP3はAKTおよびPDK1を膜に補充し、膜においてAKTおよびPDK1はこれらのプレクストリン相同ドメイン(PHドメイン)を介して結合し、トレオニン308でのPDK1リン酸化によるAKTの活性化を生じる。AKTは多くの基質をリン酸化して、このように細胞形質転換を生じる多くの過程、例えば細胞増殖、成長および生存、ならびに血管新生においても重要な役割を果たす。
【0021】
クラスI PI3Kは、ヒト癌に関係している。PI3KαをコードするPIK3CA遺伝子の体細胞変異は、特に2つの主な発癌変異H1047R(キナーゼドメインにおける)、およびE545K/E542K(らせんドメインにおける)を有する、ヒト腫瘍の15から35%で見出される(Y.Samuels et al.Science,2004,304:554;TL Yuan and LC Cantley,Oncogene,2008,27:5497)。PI3K阻害薬は、PI3K/AKT/mTOR経路の活性化を生じる遺伝的改変を呈する多くのヒト癌の処置で、効果的であることが期待される(Vogt P.et al.,Virology,2006,344:131;Zhao L & Vogt PK,Oncogene,2008,27:5486)。
【0022】
キナーゼ阻害モルホリノピリミジノン誘導体は、当業者に公知である。
【0023】
出願WO2008/148074は、mTOR阻害活性を有する生成物について記載している。これらの生成物は、この全体的な芳香族性質およびこの置換のために本発明の生成物とは異なるピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである。
【0024】
出願WO2008/064244は、癌、および特に乳癌の処置で有用であるPI3Kβ阻害生成物TGX−221およびTGX−155の利用について記載している。これらの生成物は、この全体的な芳香族性質およびこの置換のために本発明の生成物とは異なる、出願WO2004/016607およびWO2001/053266に以前記載された、ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである。
【0025】
出願WO2006/109081、WO2006/109084およびWO2006/126010は、ATM欠乏性癌の処置で有用であるDNA−PK阻害生成物について記載している。これらの生成物は、この全体的な芳香族性質およびこの置換のために本発明の生成物とは異なるピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである。
【0026】
出願WO2003/024949は、ATM欠乏性癌の処置で有用であるDNA−PK阻害生成物について記載している。これらの生成物は、この全体的な芳香族性質およびこの置換のために本発明の生成物とは異なるピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンである。
【0027】
キナーゼ阻害モルホリノピリミジン誘導体は、従来技術からも公知である。
【0028】
出願WO2009/007748、WO2009/007749、WO2009/007750およびWO2009/007751は、癌の処置においてmTORおよび/またはPI3K阻害活性を有する生成物について記載している。これらの生成物は、2位、4位および6位で置換されたピリミジンであり、本発明の生成物は、ピリミジノン上のカルボニル基の存在のために、および各種の置換基によっても、2位、4位および6位で置換されたピリミジンとは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】国際公開第2008/148074号
【特許文献2】国際公開第2008/064244号
【特許文献3】国際公開第2004/016607号
【特許文献4】国際公開第2001/053266号
【特許文献5】国際公開第2006/109081号
【特許文献6】国際公開第2006/109084号
【特許文献7】国際公開第2006/126010号
【特許文献8】国際公開第2003/024949号
【特許文献9】国際公開第2009/007748号
【特許文献10】国際公開第2009/007749号
【特許文献11】国際公開第2009/007750号
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Jiang L−Z & Liu L−Z,Biochim Biophys Acta,2008,1784:150
【非特許文献2】Vivanco I & Sawyers CL,2002,Nat Rev Cancer,2:489
【非特許文献3】Cully M et al.,Nature Rev.Cancer,2006,6:184
【非特許文献4】TL Yuan and LC Cantley,Oncogene,2008,27:5497
【非特許文献5】Y.Samuels et al.Science,2004,304:554
【非特許文献6】KE.Bachman et al.Cancer Biol Ther,2004,3:772
【非特許文献7】DA Levine et al.Clin Canc Res.2005,11:287
【非特許文献8】C.Hartmann et al.Acta Neuropathol.2005,109:639
【非特許文献9】Testa JR.and Bellacosa A.,Proct.Natl.Acad.Sci.USA 2001,98:10983
【非特許文献10】Cheng et al.,Proct.Natl.Acad.Sci.USA 1992,89:9267
【非特許文献11】Bellacosa et al.,Int.J.Cancer,1995,64:280
【非特許文献12】Cheng et al.,Proct.Natl.Acad.Sci.USA 1996,93:3636
【非特許文献13】Yuan et al.,Oncogene,2000,19:2324
【非特許文献14】Maxwell GL et al.Canc.Res.1998,58:2500
【非特許文献15】Zhou X−P et al.Amer.J.Pathol.,2002,161:439
【非特許文献16】Endersby R & Baker SJ,Oncogene,2008,27:5416
【非特許文献17】Li et al.Science,1997,275:1943
【非特許文献18】Steack PA et al.,Nat.Genet.,1997,15:356
【非特許文献19】Shah U.et al.Cancer Res.2008,68:3562
【非特許文献20】Gurrieri C et al,J.NAtl Cancer Inst.2004,96:269
【非特許文献21】C.Sawyers et al.Nat Rev 2002
【非特許文献22】Manning BD & Cantley LC,Cell,2007 129:1261
【非特許文献23】Franke TF,Oncogene,2008,27:6473
【非特許文献24】Baserga R,Exp.Cell.Res.,1999,253,pages 1−6
【非特許文献25】Vanhaesebroeck B.& Alessi DR.,Biochem J,2000,346:561
【非特許文献26】Bayascas JR,Cell cycle,2008,7:2978
【非特許文献27】Peifer C.& Alessi DR,ChemMedChem,2008,3:1810
【非特許文献28】Vogt P.et al.,Virology,2006,344:131
【非特許文献29】Zhao L & Vogt PK,Oncogene,2008,27:5486
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の主題は、式(I)の生成物であり:
【0032】
【化1】

式中:
Zは、−O−、−NH、N−シクロアルキル、NalkまたはN−フェニルを表し、alkおよびフェニルは、ハロゲン原子、ならびにアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびフェニル基から選択される1個以上の基によって場合により置換され、前記フェニル基自体は、ハロゲン原子ならびにヒドロキシル、アルコキシおよびアルキル基から選択される1個以上の基によって場合により置換され;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシ基を表し;アルキルおよびアルコキシ基は、NRxRy基または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換され;
R1が、ナフチルを形成するためにR1を担持するフェニルと縮合されたフェニル残基を表せることが理解され;
R2およびR3は、同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換されたアルキル基を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、Ryが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基が、同じであり得るまたは異なり得る、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される1個以上の基によって場合により置換される;
上のアルキル(alk)およびアルコキシ基のすべては、直鎖または分岐であり、1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある。
【0033】
本発明の主題はこのように、上で規定されるような式(I)の生成物であり、式中:
Zは、−O−、−NH、N−シクロアルキル、NalkまたはN−フェニルを表し、alkは、アルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびフェニルから選択される1個以上の基によって場合により置換され、;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、水素原子、ハロゲン原子またはアルキルもしくはアルコキシ基を表し;アルキルおよびアルコキシ基は、NRxRy基または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換され;
R1が、ナフチル基を形成するためにR1を担持するフェニルと縮合されたフェニル残基を表せることが理解され;
R2およびR3は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、Ryが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基は場合により置換される;
上のアルキル(alk)およびアルコキシ基のすべては、直鎖または分岐であり、1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある。
【0034】
本発明の主題は、式(I)の生成物であり:
【0035】
【化2】

式中:
Zは、−O−、−NH、ハロゲン原子、ならびにアルキル、アルコキシおよびヒドロキシル基から選択される1個以上の基によって場合により置換された、NalkまたはN−フェニルであり;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシ基を表し;アルキルおよびアルコキシ基は、NRxRy基によって場合により置換され;
R2およびR3は、同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換されたアルキル基を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、Ryが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基が、同じであり得るまたは異なり得る、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される1個以上の基によって場合により置換される;
上のアルキル(alk)およびアルコキシ基のすべては、直鎖または分岐であり、1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の記生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある。
【0036】
本発明の主題は、上で規定されるような式(I)の生成物であり:
【0037】
【化3】

式中:
Zは−O−、−NHまたはNalkを表し;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、ハロゲン原子またはヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシ基を表し;アルキルおよびアルコキシ基は、NRxRy基によって場合により置換され;
R2およびR3は、同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換されたアルキル基を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、Ryが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基が、同じであり得るまたは異なり得る、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される1個以上の基によって場合により置換される;
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある。
【0038】
式(I)の生成物において:
−「アルキル(またはalk)基」という用語は、直鎖、および適切な場合には分岐した基のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシルおよびヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルも、ならびにこの直鎖または分岐位置異性体も示し:上のリストの、1から6個の炭素原子を含有するアルキル基およびさらに詳細には1から4個の炭素原子を含有するアルキル基が好ましく;
−「アルコキシ基」という用語は、直鎖、および適切な場合には分岐した基のメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、直鎖、2級または3級ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシ、ならびにこの直鎖または分岐位置異性体も示し:上のリストの、1から4個の炭素原子を含有するアルコキシ基が好ましく;
−「アルキルチオ基」という用語は、直鎖、および適切な場合には分岐した基のメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、直鎖2級または3級ブチルチオ、ペンチルチオまたはヘキシルチオ、ならびにこの直鎖または分岐位置異性体も示し:上のリストの、1から4個の炭素原子を含有するアルキルチオ基が好ましく;
−「ハロゲン原子」という用語は、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子、および好ましくは塩素、臭素またはフッ素原子を示し;
−「シクロアルキル基」という用語は、3−10個の炭素原子を含有する飽和炭素環式基を示し、このように特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基、ならびに最も詳細にはシクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を示し;
−−O−シクロアルキル基において、シクロアルキルは上で規定した通りであり;
−「ヘテロシクロアルキル基」という用語はこのように、酸素、窒素または硫黄原子から選択される、同じであり得るまたは異なり得る1個以上のヘテロ原子によって割り込まれた、3から10個の環員を含有する単環式または2環式炭素環式基を示し:例えばモルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、アジリジル、アゼチジル、ピペラジニル、ピペリジル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラン、オキソジヒドロピリダジニルまたは他のオキセタニル基が挙げられ得て、これらのすべての基は場合により置換され;特にモルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ホモピペラジニルまたは他のピロリジニル基が挙げられ得て;
−「アリール」および「ヘテロアリール」という用語は、−C(O)環員を場合により含有し得る最大12個の環員を含有する、単環式または2環式の、それぞれ炭素環式および複素環式不飽和または部分不飽和基を示し、複素環式基は、O、N,またはSから選択される、同じであり得るまたは異なり得る1個以上のヘテロ原子を含有し、Nは適切な場合には、場合により置換され;
−「アリール基」という用語はこのように、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニルおよびアントラセニル基などの6−12個の環員を含有する単環式または2環式基、さらに詳細にはフェニルおよびナフチル基、ならびになおさらに詳細にはフェニル基を示す。−C(O)環員を含有する炭素環式基は例えばテトラロン基であることが注目され得て;
−「ヘテロアリール基」はこのように、5−12個の環員を含有する単環式または2環式基:単環式ヘテロアリール基、例えば基:チエニル、例えば2−チエニルおよび3−チエニル、フリル、例えば2−フリルまたは3−フリル、ピラニル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、例えば2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジアゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、例えば3−または4−イソオキサゾリル、フラザニル、遊離または塩化テトラゾリル、これらすべての基は場合により置換され、この中でも、特に詳細に基:チエニル、例えば2−チエニルおよび3−チエニル、フリル、例えば2−フリル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジルおよびピリダジニル(これらの基は場合により置換される。);2環式ヘテロアリール基、例えば基:ベンゾチエニル、例えば3−ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロキノリル、キノロン、テトラロン、アダメンチル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ジヒドロベンゾフラン、エチレンジオキシフェニル、チアントレニル、ベンゾピロリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チオナフチル、インドリル、アザインドリル、インダゾリル、プリニル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリルまたはオキソジヒドロピリジノピラゾリルなど(これらの基のすべては場合により置換される。)を示す。
【0039】
ヘテロアリールまたは2環式基の例として、さらに詳細には、上で指摘されたような、同じであり得るまたは異なり得る1個以上の置換基によって場合により置換された、ピリミジニル、ピリジル、ピロリル、アザインドリル、インダゾリルまたはピラゾリル、ベンゾチアゾリルまたはベンゾイミダゾリル基が挙げられ得る。
【0040】
式(I)の生成物のカルボキシル基は、当業者に公知の各種の群によって塩化またはエステル化され得て、例えば:
−塩化化合物の中で、無機塩基、例えばナトリウムの、カリウムの、リチウムの、カルシウムの、マグネシウムのもしくはアンモニウムの等価物など、または有機塩基、例えばメチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ベンジルアミン、プロカイン、リジン、アルギニン、ヒスチジンおよびN−メチルグルカミンなど;
−エステル化化合物の中で、アルキルカルボニル基を形成するためのアルキル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルなどであって、例えばハロゲン原子およびヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アミノまたはアリール基から選択される基によって、例えばクロロメチル、ヒドロキシプロピル、メトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、メチルチオメチル、ジメチルアミノエチル、ベンジルまたはフェネチル基
のように置換されるこれらのアルキル基が挙げられ得る。
【0041】
式(I)の生成物の、無機または有機酸による付加塩は例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アルコイルモノスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはプロパンスルホン酸など、アルコイルジスルホン酸、例えばメタンジスルホン酸またはアルファ、ベータ−エタンジスルホン酸など、アリールモノスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸、およびアリールジスルホン酸によって形成される塩であり得る。
【0042】
立体異性がこれの広い意味において、同じ構造式を有するが、特に、置換基がアキシャルまたはエクアトリアル位にあり得る1置換シクロヘキサン、およびエタン誘導体の各種の考えられる回転コンフォメーションにおけるように、各種の基が空間中に異なって配置されている、化合物の異性として規定できることが想起され得る。しかし、2重結合または環に結合された置換基の異なる空間的配置のために、別の種類の立体異性が存在し、これは幾何異性またはシス−トランス異性と呼ばれることが多い。「立体異性体」という用語は、本出願においてこれの最も広い意味で使用され、ゆえに上で指摘されたすべての化合物に関する。
【0043】
本発明の主題は、上で規定されるような式(I)の生成物であり、式中:
Zは、−O−、−NH、NalkまたはN−フェニルを表し;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、水素原子、ハロゲン原子またはアルキルもしくはアルコキシ基を表し;
R2およびR3は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、Ryが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基は場合により置換される;
上のアルキル(alk)およびアルコキシ基のすべては、直鎖または分岐であり、1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある。
【0044】
本発明の主題は、上で規定されるような式(I)の生成物であり、式中:
Zは−O−、−NHまたはNalkを表し;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、ハロゲン原子またはアルキルもしくはアルコキシ基を表し;
R2およびR3は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、Ryが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基は場合により置換される;
上のアルキル(alk)およびアルコキシ基のすべては、直鎖または分岐であり、1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある。
【0045】
特にNRxRyが上で規定したような環を形成するとき、このようなアミン環は特にピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、アゼピニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、ピペラジニルまたはホモピペラジニル基から選択され得て、これらの基はこれら自体、上または下で指摘されるように場合により置換される。
【0046】
NRxRy環はさらに詳細には、基:ピロリジニル、1もしくは2個のアルキル基によって場合により置換されたモルホリニルまたは第2の窒素原子上で、アルキル、フェニル、もしくはおよびCH−フェニル基によって場合により置換されたピペラジニルから選択され得て、これら自体はハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシルおよびアルコキシル基から選択される、同じであり得るまたは異なり得る1個以上の基によって場合により置換される。
【0047】
本発明の主題はこのように、最も詳細には、以下の式に相当する、上で規定したような式(I)の生成物である:
−2−[(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(7−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−ベンジル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[5−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−(ナフト[2,1−d][1,3]オキサゾール−2−イルメチル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−{[6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−クロロ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−クロロ−6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−(2−{[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトニトリル
−2−[(5,7−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[5−クロロ−1−(1−フェニルエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−シクロヘキシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(4−ブロモ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(7−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
ならびに同様に前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸によるまたは無機塩基および有機塩基による付加塩。
【0048】
本発明の主題は、最も詳細には、以下の式に相当する、上で規定したような式(I)の生成物である:
−2−[(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(7−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
ならびに同様に前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸によるまたは無機塩基および有機塩基による付加塩。
【0049】
本発明の主題は特に、以下の式に相当する、上で規定したような式(I)の生成物である:
2−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
ならびに同様に前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸によるまたは無機塩基および有機塩基による付加塩。
【0050】
本発明の主題は同様に、上で規定されるような式(I)の生成物を調製するいずれの方法もある。
【0051】
本発明による生成物は、在来の有機化学の方法を使用して調製することができる。
【0052】
式(I)の化合物の調製
本発明による一般式(I)の生成物は特に、下の一般スキーム1A−1Bで指摘されるように調製することができる。この点で、記載された方法は、請求された化合物を調製するための方法に関して、本発明の範囲の制限を構成することができない。
【0053】
本発明の実施例の調製は、下のスキームの例証を与える。
【0054】
このような合成スキームは、本発明の一部である:本発明の主題はこのように同様に、下の一般スキーム1A−1Bで規定されるように、式Cから(I)−bの生成物を調製する方法である。
【0055】
一般スキーム1A:
【0056】
【化4】

一般スキーム1Aにおいて、置換基R1およびZは、上で規定された値、ならびに特にZ=NHおよびOを取る。
【0057】
アミナールケテンBは、J.Med.Chem.2006,49,4327−4332においてLandwehr J.et al.によって記載された方法に従って、イミノエーテルAからまたはこれの市販のアミノアクリレート互変異性体から、エタノールなどの溶媒中で、0℃と溶媒の沸点との間の温度にて、モルホリンとの反応によって得ることができる。
【0058】
エステルCは、エタノールなどの溶媒中で、20℃と溶媒の沸点との間の温度にて、アミナールケテンBとイミノエーテルAまたはこれのアミノアクリレート互変異性体との反応によって得ることができる。
【0059】
またはエステルCは、エタノールなどの溶媒中で、20℃と溶媒の沸点との間の温度にて、モルホリンと過剰(例えば3当量)のイミノエーテルA(またはこれのアミノアクリレート互変異性体)との間の「ワンポット」反応によって得ることができる。
【0060】
カルボキシラートDは、テトラヒドロフランまたはメタノールなどの溶媒中で、0℃と30℃との間の温度にて、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウムなどの塩基の存在下で、エステルCの加水分解によって得ることができる。
【0061】
アミドFは、例として、Tetrahedron 2001,57,1551−1558においてKunishima M.et al.によって記載された条件の下で、カルボキシラートDから、20℃と50℃との間の温度にて、ジメチルホルムアミド、ピリジン、エタノール、水またはメタノールなどの溶媒中で、ペプチドカップリング剤、例えばエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDCI)、4−(4,6−ジメトキシ−1,2,3−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)、ベンソトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ブロモトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBROP)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム)ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、またはヒドロキシベンゾトリアゾール/エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド、HOBT/EDCI、混合物の存在下で、アニリンEの縮合によって得ることができる。
【0062】
生成物(I)−aは、例えばChemical and Pharmaceutical Bulletin,45(12),1984−1993,1997においてArakawa.K et al.によって記載された方法に従って、アミドFから、酢酸などの溶媒中で、またはパラ−トルエンスルホン酸などの存在下で、トルエン、キシレンまたはn−ブタノールなどの溶媒中で、溶媒の沸点にて、脱水環化によって得ることができる。
【0063】
一般スキーム1B:
【0064】
【化5】

一般スキーム1Bにおいて、置換基R1、R2、R3およびZは、上で規定された値、ならびに特にZ=NHおよびOを取る。
【0065】
エステルGは、例えばHioki K.et al.Synthesis,2006,12,1931−1933によって記載された方法に従って、エステルCから、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、アセトニトリルまたはジクロロメタンなどの溶媒中で、例えば水素化ナトリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下で、0℃と60℃との間の温度にて、(Boc)O(tert−ブチルジカーボネート)との反応によって得ることができる。
【0066】
生成物Hは、例えばJ.Med.Chem.2008,51,5766−5779においてNoel D.D’Angelo et al.によって記載された方法に従って、エステルGから、水酸化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシドまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、メタノール、エタノールまたはジオキサンなどの溶媒中で、0℃から100℃の温度にて、R2−Xとの、次に場合によりR3−X(X=Cl、Br、IまたはOTf、ならびにR2およびR3はアルキル基である。)との反応によって得ることができる。
【0067】
R2=R3=Fである生成物Hは、例えばJ.Med.Chem.2003,46,461−473においてChristopher S.Burgey et al.によって記載された方法に従って、ヘキサメチルジシラザンのカリウム塩などの塩基の存在下で、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、−78℃と20℃との間の温度にて、生成物GとN−フルオロベンゼンスルホンイミドとの反応によって得ることができる。
【0068】
R2およびR3基がアルキル基であるエステルJは、エステルCから、生成物Hと同じ方法で、ブチルリチウム、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシドまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはジオキサンなどの溶媒中で、0℃と100℃との間の温度にて得ることができる。
【0069】
アミドKは、例として、J.Med.Chem.2000,43(2),190−197においてAuzeloux,P et al.によって記載された条件の下で、エステルHまたはJから、トリメチルアルミニウムなどの薬剤の存在下で、トルエンなどの溶媒中で、20℃と溶媒の沸点との間の温度にて、アニリンEの反応によって得ることができる。
【0070】
生成物(I)−bは、例えば、Chemical and Pharmaceutical Bulletin(1997)45(12),1984−1993においてArakawa.K et al.によって記載された方法に従って、アミドKから、パラ−トルエンスルホン酸などの酸の存在下で、酢酸、トルエン、キシレンまたはn−ブタノールなどの溶媒中で、溶媒の沸点にて、脱水環化によって得ることができる。
【0071】
式AまたはBの開始生成物の中で、幾つかは公知であり、商業的にまたは例えば市販製品からの当業者に公知の通常の方法に従ってのどちらかで得ることができる。
【0072】
当業者には、上記の本発明による方法を実施するには、アミノ、カルボキシルおよびアルコール官能基に保護基を導入して副反応を防止することが必要であり得ることが理解される。
【0073】
反応性官能基の保護の例の、以下の非網羅的なリストが挙げられる:
−ヒドロキシル基は、例えばアルキル基、例えばtert−ブチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジルまたはアセチルによって保護することができ、
−アミノ基は例えば、アセチル、トリチル、ベンジル、tert−ブトキシカルボニル、BOC、ベンジルオキシカルボニルもしくはフタルイミド基またはペプチド化学において公知の他の基によって保護することができる。
【0074】
酸官能基は例えば、ただちに切断可能なエステル、例えばベンジルもしくはtert−ブチルエステル、またはペプチド化学において公知のエステルによって形成されたエステルの形で保護することができる。
【0075】
使用できる各種の保護基のリストは、当業者に公知のマニュアルに、および例えば特許BF2499995に見出されるであろう。
【0076】
所望および必要ならば、式(I)の他の中間体または他の生成物を取得するために、上で指摘された方法によってこのように取得された式(I)の中間生成物または生成物に、当業者に公知の1つ以上の変換反応、例えば:
a)酸官能基のエステル化反応、
b)酸官能基を与えるための、エステル化官能基の鹸化反応、
c)アルコール官能基を与えるための、遊離またはエステル化カルボキシル官能基の還元反応、
d)ヒドロキシル官能基を与えるためのアルコキシ官能基の、またはさもなければアルコキシ官能基を与えるためのヒドロキシル官能基の変換反応、
e)保護された反応性官能基が担持され得る反応性基の除去反応、
f)対応する塩を得るための、無機もしくは有機酸によるまたは塩基による塩化反応、
g)分割生成物を与えるための、ラセミ形の分割反応
などを受けさせられることが注目され得て、
このように取得された前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形である。
【0077】
a)からg)の反応は、当業者に公知の通常の条件、例えば以下で指摘される条件などの下で行われ得る。
【0078】
a)上記の生成物は、所望ならば、考えられるカルボキシル官能基における、当業者に公知の通常の方法に従って行うことができるエステル化反応の対象であり得る。
【0079】
b)上記の生成物の酸官能基を与えるためのエステル化官能基の考えられる変換は所望ならば、当業者に公知の通常の条件下で、特に、例えばメタノール中などのアルコール媒体中での例えば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムとの、またはさもなければ塩酸もしくは硫酸との、酸またはアルカリ加水分解によって行われ得る。
【0080】
鹸化反応は、当業者に公知の通常の方法に従って、例えばメタノールまたはエタノール、ジオキサンまたはジメトキシエタンなどの溶媒中で、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下などで行うことができる。
【0081】
c)上記の生成物の考えられる遊離またはエステル化カルボキシル官能基は所望ならば、当業者に公知の方法によって還元されてアルコール官能基を与え得る。考えられるエステル化カルボキシル官能基は所望ならば、当業者に公知の方法によって、および特に例えばテトラヒドロフラン、またはさもなければジオキサンもしくはエチルエーテルなどの溶媒中で水素化アルミニウムリチウムを用いて還元されて、アルコール官能基を与え得る。
【0082】
上記の生成物の考えられる遊離カルボキシル官能基は所望ならば、特に水素化ホウ素を用いて還元されてアルコール官能基を与え得る。
【0083】
d)上記の生成物の、考えられるアルコキシ官能基、特にメトキシ官能基などは、必要ならば当業者に公知の通常の条件下で、例えば塩化メチレンなどの溶媒中で例えば三臭化ホウ素を用いて、臭化水素酸もしくは塩酸ピリジンを用いて、またはさもなければ還流下で水もしくはトリフルオロ酢酸中で臭化水素酸もしくは塩酸を用いて、ヒドロキシ官能基に変換され得る。
【0084】
e)保護基、例えば上で指摘された保護基などの除去は、当業者に公知の通常の条件の下で、特に塩酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、ギ酸もしくはトリフルオロ酢酸などの酸を用いて行われる酸加水分解によって、またはさもなければ触媒水素添加によって行われ得る。
【0085】
フタルイミド基はヒドラジンを用いて除去され得る。
【0086】
f)上記の生成物は所望ならば、当業者に公知の通常の方法に従って、例えば無機もしくは有機酸または無機もしくは有機塩基との塩化反応の対象であり得る。このような塩化反応は、例えば塩酸、またはさもなければ酒石酸、クエン酸もしくはメタンスルホン酸の存在下で、アルコール、例えばエタノールまたはメタノール中などで行うことができる。
【0087】
g)上記の生成物の考えられる光学活性形は、当業者に公知の通常の方法に従って、ラセミ混合物を分割することによって調製することができる。
【0088】
上で規定したような式(I)の生成物、および同様に酸によるこの付加塩は、上で指摘されたように、特にこのキナーゼ阻害特性のために好都合な薬理学的特性を有する。
【0089】
本発明の生成物は、腫瘍療法で特に有用である。
【0090】
本発明の生成物はこのように、一般に使用される抗腫瘍剤の治療的効果も増大させ得る。
【0091】
これらの特性は、療法でのこの使用を正当付けて、本発明の主題は特に薬剤としての、上で規定したような式(I)の生成物であり、前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形であり、ならびに前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による医薬的に許容される付加塩である。
【0092】
本発明の主題は、薬剤として最も詳細には、以下の式に相当する生成物である:
−2−[(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(7−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−ベンジル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[5−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−(ナフト[2,1−d][1,3]オキサゾール−2−イルメチル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−{[6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−クロロ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−クロロ−6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−(2−{[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトニトリル
−2−[(5,7−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[5−クロロ−1−(1−フェニルエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−シクロヘキシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(4−ブロモ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(7−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
ならびに同様に前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による医薬的に許容される付加塩。
【0093】
本発明は、活性成分として上で規定したような式(I)の生成物または本生成物の医薬的に許容される塩もしくは本生成物のプロドラッグの少なくとも1つ、および適切な場合には、医薬的に許容される担体を含有する、医薬組成物にも関する。
【0094】
本発明は、活性成分として上で規定したような薬剤の少なくとも1つを含有する医薬的に許容される組成物に拡大する。
【0095】
本発明のこのような医薬組成物は適切な場合には、他の抗有糸分裂薬剤、例えば特にタキソール、シス−プラチン、DNA挿入剤などに基づくものの活性成分も含有し得る。
【0096】
これらの医薬組成物は、経口的に、非経口的に、もしくは皮膚および粘膜への局所適用によって局所的に、または静脈内もしくは筋肉内注射によって投与され得る。
【0097】
これらの組成物は、固体または液体であり得て、ヒト用薬剤で一般に使用されるすべての医薬形、例として単純錠または糖衣錠、丸剤、ロゼンジ剤、ゲルカプセル剤、滴剤、顆粒剤、注射用調製物、軟膏、クリームまたはゲルであり得る。これらは通常の方法に従って調製される。活性成分は、これらの医薬組成物で標準的に使用される賦形剤、例えばタルク、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ココアバター、水性もしくは非水性担体、動物もしくは植物起源の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、各種の湿潤剤、分散化剤もしくは乳化剤、または保存料においてこの中に含まれ得る。
【0098】
通常の投薬量は、使用される生成物、処置される個体および問題の症状に応じて変動し、例えば成人で1日当り0.05−5gまたは好ましくは1日当り0.1−2gであり得る。
【0099】
このような薬剤は特に、哺乳動物における疾患の処置または予防での使用のためであり得る。
【0100】
本発明の主題は特に、制御不能な増殖に関連する疾患の予防または処置で使用する薬剤の調製のための、上で規定したような式(I)の生成物の使用である。
【0101】
本発明の主題はこのように、最も詳細には、腫瘍学における疾患の処置または予防で使用するためのおよび特に癌の処置で使用するための薬剤の調製のための、上で規定したような式(I)の生成物の使用である。
【0102】
これらの癌の中で、固形または液性腫瘍の処置に、および細胞傷害剤に耐性である癌の処置に焦点が合わせられている。
【0103】
本発明の引用された生成物はとりわけ、特に胃癌、肝臓癌、腎臓癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、子宮内膜および肺癌(NSCLCおよびSCLC)、神経膠芽腫、甲状腺癌、膀胱癌および乳癌、黒色腫、リンパ性または骨髄性造血器腫瘍、肉腫、脳腫瘍、喉頭癌およびリンパ系癌、骨癌および膵臓癌、ならびに過誤腫における原発性腫瘍および/または転移の処置に使用され得る。
【0104】
本発明の主題は、癌化学療法で使用するための薬剤の調製のための、上で規定したような式(I)の生成物の使用でもある。
【0105】
本発明の主題はこのように、上で規定したような式(I)の生成物であって、癌の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物である。
【0106】
本発明の主題は、上で規定したような式(I)の生成物であって、固形または液性腫瘍の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物である。
【0107】
本発明の主題はゆえに、上で規定したような式(I)の生成物であって、細胞傷害剤に抵抗性である癌の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物である。
【0108】
本発明の主題はゆえに、上で規定したような式(I)の生成物であって、特に胃癌、肝臓癌、腎臓癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、子宮内膜および肺癌(NSCLCおよびSCLC)、神経膠芽腫、甲状腺癌、膀胱癌および乳癌、黒色腫、リンパ性または骨髄性造血器腫瘍、肉腫、脳腫瘍、喉頭癌およびリンパ系癌、骨癌および膵臓癌、ならびに過誤腫における原発性腫瘍および/または転移の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物である。
【0109】
本発明の主題はゆえに、上で規定したような式(I)の生成物であって、癌化学療法におけるこれの使用のための式(I)の生成物である。
【0110】
癌化学療法で使用するこのような薬剤は、単独または併用で使用され得る。
【0111】
本発明の主題はゆえに、上で規定したような式(I)の生成物であって、癌化学療法でこれを単独または併用で使用するための式(I)の生成物である。
【0112】
本出願の生成物は特に、単独でまたは化学療法もしくは放射線療法との併用でまたはさもなければ例えば他の治療剤との併用で投与され得る。
【0113】
このような治療剤は、一般に使用される抗腫瘍剤であり得る。
【0114】
本発明の主題は、新規の産業用生成物としての、上で規定したおよび下で想起される式C、D、F、JおよびKの合成中間体でもある:
【0115】
【化6】

式中、R1、R2、R3およびZは、請求項1および2のどちらか一方で指摘される意味を有する。
【0116】
式(I)の生成物である以下の例は、本発明を例証するが、本発明を制限することはない。
【0117】
実験項
本発明の化合物の命名は、ACDLABSソフトウェア、バージョン10.0を用いて行われた。
【0118】
使用したマイクロ波オーブンは、Biotage,Initiator(商標)2.0、最大400W、2450MHz装置である。
【0119】
400MHzにおけるH NMRスペクトルおよび500MHzにおけるH NMRスペクトルは、温度303Kにおいて2.5ppmを基準とする、溶媒ジメチルスルホキシド−d(d−DMSO)中での化学シフト(δppm)を用いて、Bruker Avance DRX−400またはBruker Avance DPX−500分光計で実行した。
【0120】
マススペクトル(MS)は、方法A、方法Bまたは方法Cのいずれかによって得られた:
方法A:
Waters UPLC−SQD装置;イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレー(ES+/−);クロマトグラフィー条件:カラム:Acquity BEH C181.7μm−2.1×50mm;溶媒:A:HO(0.1%ギ酸)B:CHCN(0.1%ギ酸);カラム温度:50℃;流速:1ml/分;勾配(2分):0.8分にて5%から50%までのB;1.2分:100%のB;1.85分:100%のB;1.95:5%のB;保持時間=Tr(分)。
【0121】
方法B:
Waters ZQ装置;イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレー(ES+/−);クロマトグラフィー条件:カラム:XBridge C182.5μm−3×50mm;溶媒:A:HO(0.1%ギ酸)B:CHCN(0.1%ギ酸);カラム温度:70℃;流速:0.9ml/分;勾配(7分):5.3分にて5%から100%までのB;5.5分:100%のB;6.3分:5%のB;保持時間=Tr(分)。
【0122】
方法C:
Waters PLC装置、BEH C18カラム、2.1×50mm;1.7u,HO+0.1%TFA:AcN+0.08%TFA 95:5(0分)から5:95(1.1分)から5:95(1.7分)から95:5(1.8分)から95:5(2分)、0.9ml/分55℃;Waters SQD Single Quadrupol、質量120−1200で0.5秒の走査時間。
【実施例】
【0123】
(実施例1)
2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル]−N−フェニルアセトアミドの合成
ステージ1:
【0124】
【化7】

エチル3エトキシ−3−イミノプロパノアートヒドロクロリド168.5ml、および次にエタノール200ml中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン155mlを、95℃まで加熱されたモルホリン25gのエタノール400mlによる溶液に添加する。反応混合物を95℃にて30時間加熱して、次に周囲温度まで戻らせる。形成した沈殿を焼結ガラスで濾過して、次にエタノール100ml、水500mlで2回、および最後にエチルエーテル500mlで洗浄する。固体を真空下で乾燥させると、エチル[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート35gが白色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,δppm,d−DMSO):1,19(t,J=7.1Hz,3H);3.38 to 3.44(m,4H);3.56(s,2H);3.61(dd,J=4.0 and 5.7Hz,4H);4.12(q,J=7.1Hz,2H);5.20(s,1H);11.69(broad s,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.48;
[M+H]+:m/z 268;[M−H]−:m/z 266
純度:98%
【0125】
ステージ2:
【0126】
【化8】

2M水酸化ナトリウム18.7mlをエチル[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート10gのテトラヒドロフラン300mlによる溶液に添加する。反応混合物を周囲温度にて48時間撹拌する。形成した沈殿を焼結ガラスで濾過して、酢酸エチルで洗浄して、エチルエーテルで数回すすぐ。得られた固体を次に回転蒸発器で乾燥させると、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート8.7gが白色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,δppm,d−DMSO):3.08(s,2H);3.38(t,J=4.6Hz,4H);3.61(t,J=4.6Hz,4H);5.08(s,1H);13.16(broad s,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.29;
[M+H]+:m/z 240;[M−H]−:m/z 238
純度:98%
【0127】
ステージ3:
【0128】
【化9】

1,2−ジアミノ−4−フルオロベンゼン151mgを、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート261mgのメタノール8mlによる溶液に添加する。生じた混合物を周囲温度にて5分間撹拌し、次に4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリド水和物354mgを添加する。生じた混合物をこのように周囲温度にて30分間撹拌する。反応混合物は次に減圧下で濃縮乾固され、残渣を次に酢酸30ml中に取る。反応混合物を1時間還流させて、次に減圧下で濃縮する。水30mlを次に添加して、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を7の領域のpHが得られるまで添加する。酢酸エチル20mlを次に添加して、生じた混合物を1時間撹拌する。形成した沈殿を濾過して、続けてシリカゲル・カラム・クロマトグラフィーで、溶離液の0%から100%のジクロロメタン中のCHCl/MeOH:80/20の勾配で25分間溶離を行って精製する。2−[(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン140mgがオフホワイト色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,δppm,d−DMSO):3.37(t,J=4.9Hz,4H);3.58(t,J=4.9Hz,4H);4.08(s,2H);5.22(s,1H);7.00(t,J=8.2Hz,1H);7.31(dd,J=0.7 and 9.8Hz,1H);7.49(broad s,1H);12.15(broad s,2H)。
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.41;
[M+H]+:m/z 330;[M−H]−:m/z 328
純度:98%
【0129】
(実施例2)
2−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0130】
【化10】

ステージ1:
ピリジン4ml、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド550mgおよび2−アミノフェノール700mgを、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート500mgのジメチルホルムアミド4mlによる溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌して、次に減圧下で濃縮する。水および酢酸エチルを添加して、生じた混合物をこのように30分間撹拌する。形成した沈殿を濾過して、水、エチルエーテルおよび石油エーテルですすぐ。得られた固体を真空下で乾燥させる。N−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル]アセトアミド370mgはこのようにベージュ色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=2.58;
[M+H]+:m/z 331;[M−H]−:m/z 329
純度:98%
【0131】
ステージ2:
4−メチルベンゼンスルホン酸水和物20mgを、N−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド200mgのトルエン40mlによる溶液に添加する。反応混合物を一晩還流させる。0℃まで冷却した後、形成した不溶性物質を濾過する。濾液を減圧下で濃縮乾固させて、残渣を次にシリカゲルカラムで、溶離液:CHCl/MeOH:98/02、次に90/10でクロマトグラフィーにかける。2−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン16mgがこのように白色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,δppm,d−DMSO):3.35(t,J=5.0Hz,4H);3.56(t,J=4.9Hz,4H);4.25(s,2H);5.25(broad s,1H);7.31 to 7.40(m,2H);7.62 to 7.74(m,2H);11.92(broad s,1H)。
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.60
[M+H]+:m/z 313;[M−H]−:m/z 311
純度:98%
融点(コフラーベンチ)=224℃
【0132】
(実施例3)
2−[(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0133】
【化11】

丸底フラスコ内でナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート1.3gをジメチルホルムアミド10ml中に導入して、次にピリジン10ml、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド1.44gおよび4−ブロモベンゼン−1,2−ジアミン1.87gを添加する。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌して、次に減圧下で濃縮乾固する。残渣を酢酸40ml中に取り、4時間還流させ、次に減圧下で濃縮する。水100mlを次に添加して、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を7の領域のpHが得られるまで添加する。酢酸エチル200mlを次に添加して、生じた混合物を1時間撹拌する。形成した沈殿を濾過して、次にシリカゲル・カラム・クロマトグラフィーで、溶離液の0%から100%のジクロロメタン中のCHCl/MeOH:80/20の勾配で25分間溶離を行って精製する。2−[(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン560mgがオフホワイト色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.34 to 3.39(m,4H);3.55 to 3.59(m,4H);4.09(s,2H);5.21(s,1H);7.28(dd,J=2.0 and 8.6Hz,1H);7.47(d,J=8.6Hz,1H);7.71(d,J=2.0Hz,1H);12.20(broad m,2H)。
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=2.71;
[M+H]+:m/z 390;[M−H]−:m/z 388
純度:98%
【0134】
(実施例4)
2−[(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0135】
【化12】

生成物は、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル]アセテート261mgおよび1,2−ジアミノ−4−メトキシベンゼン166mgを1,2−ジアミノ−4−フルオロベンゼンの代わりに使用して、実施例1のステージ3に記載された手順に従って調製する。純CHClからCHCl/MeOH:85/15の勾配を用いて溶離を行うシリカゲル・カラム・クロマトグラフィーによる精製の後、2−[(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン8mgがオフホワイト色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.38(m,4H);3.58(m,4H);3.76(s,3H);4.04(s,2H);5.21(s,1H);6.72 to 6.82(m,1H);6.89 to 7.15(broad m,1H);7.27 to 7.52(broad m,1H);11.82(broad m,1H);12.11(broad m,1H)。
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.40;
[M+H]+:m/z 342
純度:90%
【0136】
(実施例5)
2−[(5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0137】
【化13】

生成物は、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル]アセテート261mgおよび1,2−ジアミノ−4、5−ジフルオロベンゼン173mgを1,2−ジアミノ−4−フルオロベンゼンの代わりに使用して、実施例1のステージ3に記載された手順に従って調製する。純CHClからCHCl/MeOH:85/15の勾配を用いて溶離を行うシリカゲル・カラム・クロマトグラフィーによる精製の後、2−[(5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン150mgが薄ピンク色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.34 to 3.39(m,4H);3.55 to 3.60(m,4H);4.08(s,2H);5.21(s,1H);7.57(dd,J=7.8 and 10.8Hz,2H);12.16(broad s,2H)。
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.51;
[M+H]+:m/z 348;[M−H]−:m/z 346
純度:98%
【0138】
(実施例6)
2−[(6−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0139】
【化14】

ステージ1:
生成物は、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート550mgおよび2−アミノ−5−フルオロフェノール815mgを2−アミノフェノールの代わりに使用して、実施例2のステージ1に記載された手順に従って調製する。純CHCl、次にCHCl/MeOH:95/05を用いて溶離を行うシリカゲル・カラム・クロマトグラフィーによる精製の後、N−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル]アセトアミド149mgが灰色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=2.74;
[M+H]+:m/z 349;[M−H]−:m/z 347
【0140】
ステージ2:
生成物は、N−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド120mg、および4−メチルベンゼンスルホン酸水和物11mgを使用して、ならびにトルエンをキシレンに代えて、実施例2のステージ2に記載された手順に従って調製する。シリカゲル・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:98/02による精製の後、2−[(6−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン15mgを白色固体の形で得て、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.35(m,4H);3.56(m,4H);4.25(s,2H);5.25(broad s,1H);7.24(ddd,J=2.6 and 8.7 and 10.0Hz,1H);7.70 to 7.77(m,2H);11.93(broad s,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.65
[M+H]+:m/z 329;[M−H]−:m/z 331
【0141】
(実施例7)
2−[(5−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0142】
【化15】

ステージ1:
生成物は、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート1gおよび2−アミノ−4−フルオロフェノール466mgを2,4−ジフルオロアニリンの代わりに使用して、実施例2のステージ1に記載された手順に従って調製する。N−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド795mgが褐色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.55;
[M+H]+:m/z 349;[M−H]−:m/z 347
純度:98%
【0143】
ステージ2:
生成物は、N−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド700mg、および4−メチルベンゼンスルホン酸水和物292mgを使用して、ならびにトルエンをキシレンに代えて、実施例2のステージ2に記載された手順に従って調製する。CHCl/MeOH:98/02、次にCHCl/MeOH:95/05の混合物を用いて溶離を行うシリカゲル・カラム・クロマトグラフィーによる精製と、続いてのメタノールからの再結晶の後、2−[(5−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン188mgが褐色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):本バッチで、すべての信号がbroadである:3.33 to 3.39(m,4H);3.54 to 3.62(m,4H);4.26(s,2H);5.25(s,1H);7.25(t,J=9.0Hz,1H);7.61(d,J=9.0Hz,1H);7.76(dd,J=4,5 and 9.0Hz,1H);11.83 to 11.96(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0,65
[M+H]+:m/z 331;[M−H]−:m/z 329
【0144】
(実施例8)
2−[(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)オンの合成
ステージ1:
【0145】
【化16】

生成物は、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート500mgおよび2−アミノ−5−メチルフェノール466mgを2,4−ジフルオロアニリンの代わりに使用して、実施例2に記載された手順に従って調製する。N−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド515mgが紫がかった固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.57
[M+H]+:m/z 345;[M−H]−:m/z 343
【0146】
ステージ2:
【0147】
【化17】

生成物は、N−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド390mgおよび4−メチル−ベンゼンスルホン酸水和物108mgを使用して、ならびにトルエンをキシレンに代えて、実施例2に記載された手順に従って調製する。エタノール20mlおよびメタノール5mlからの再結晶の後、2−[(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン105mgを白色固体の形で得て、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):2.43(s,3H);3.36(m,4H);3.56(m,4H);4.21(s,2H);5.24(broad m,1H);7.18(broad d,J=8.3Hz,1H);7.51(broad s,1H);7.57(d,J=8.3Hz,1H);11.91(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.69
[M+H]+:m/z 327;[M−H]−:m/z 325
【0148】
(実施例9)
2−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
ステージ1:
【0149】
【化18】

生成物は、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート500mgおよび2−アミノ−4−ブロモフェノール520mgを2,4−ジフルオロアニリンの代わりに使用して、実施例2に記載された手順に従って調製する。N−(4−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド350mgが紫がかった固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.65
[M+H]+:m/z 409;[M−H]−:m/z 407
【0150】
ステージ2:
【0151】
【化19】

生成物は、N−(4−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド316mgおよび4−メチル−ベンゼンスルホン酸水和物73mgを使用して、ならびにトルエンをキシレンに代えて、実施例2に記載された手順に従って調製する。エタノール30ml、メタノール5mlおよびジクロロメタン5mlからの再結晶、次に形成された沈殿のシリカゲル・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:90/10による精製の後、2−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン70mgがオフホワイト色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル:(400MHz):3.35(m,4H);3.56(m,4H);4.26(s,2H);5.25(broad m,1H);7.54(dd,J=1.8 and 8.4Hz,1H);7.69(d,J=8.4Hz,1H);8.07(d,J=1.8Hz,1H);11.92(broad m,1H)
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=3.40
[M+H]+:m/z 391;[M−H]−:m/z 389
【0152】
(実施例10)
2−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0153】
【化20】

生成物は、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート300mgおよびN−メチル−1,2−フェニレンジアミン280mgを4−ブロモベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用して、実施例3に記載された手順に従って調製する。シリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:純CHCl溶離液からCHCl/MeOH:90/10の勾配による精製の後、2−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン225mgを白色固体の形で得て、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.34(m,4H);3.56(m,4H);3.80(s,3H);4.20(s,2H);5.21(s,1H);7.17(t,J=7.8Hz,1H);7.23(t,J=7.8Hz,1H);7.52(d,J=7.8Hz,1H);7.56(d,J=7.8Hz,1H);11.85(broad s,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.36
[M+H]+:m/z 326;[M−H]−:m/z 324
【0154】
(実施例11)
2−[(5−フルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0155】
【化21】

ステージ1:
水酸化ナトリウム(2N)0.75mを2−[(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン329mg(実施例1、ステージ3)のアセトン15mlによる溶液に添加する。20℃の領域における温度にて10分間撹拌した後、ヨードメタン0.93mlを添加する。一晩の期間の後、アセトンを蒸発除去させて、残渣を水20mlで希釈して、塩酸(2N)を使用して媒体をpH6にする。不溶性物質が濾過除去された後、濾液を減圧下で蒸発乾固させて、シリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:95/05によって精製する。異性体の混合物145mgが得られ、前記50%の2−[(5−フルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンを含有する混合物を次のステージで精製する:
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.43および0.45:異性体の50−50混合物
[M+H]+:m/z 344;[M−H]−:m/z 342
【0156】
ステージ2:
Chiralpak AD 20μm(1000g、直径80mm)でのキラルクロマトグラフィーによる、メチルの位置に関する異性体の混合物の分離
注入:EtOH 60ml+ヘプタン40ml
移動相:60%EtOH 40%ヘプタン 0.1%TEA
移動相流速:150ml/mn
UV検出:240nm
化学異性体の分離後、2−[(5−フルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン63mgがベージュ色結晶の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.31 to 3.36(m,4H);3.53 to 3.58(m,4H);3.80(s,3H);4.19(s,2H);5.21(s,1H);7.09(ddd,J=2.5 and 8.8 and 9.8Hz,1H);7.37(dd,J=2.5 and 9.8Hz,1H);7.54(dd,J=4.8 and 8.8Hz,1H);11.87(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.44
[M+H]+:m/z 344;[M−H]−:m/z 342
【0157】
(実施例12)
2−[(7−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
ステージ1:
【0158】
【化22】

生成物は、ピリジン4mlおよびジメチルホルムアミド4mlの混合物中のナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート500mg(実施例1、ステージ2)、2−アミノ−6−フルオロフェノール357mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド600mgを使用して、実施例2、ステージ2に記載された手順に従って調製する。N−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド335mgがベージュ色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.44(m,4H);3.62(m,4H);3.71(s,2H);5.21(s,1H);6.78(dt,J=6.0 and 8.1Hz,1H);6.94(broad t,J=8.1Hz,1H);7.64(broad d,J=8.1Hz,1H);9.55 to 10.10(broad m,2H);11.69(broad m,1H)
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=2.66
[M+H]+:m/z 349;[M−H]−:m/z 347
融点(コフラーベンチ):260℃超
【0159】
ステージ2:
【0160】
【化23】

4−メチルベンゼンスルホン酸水和物42mgをN−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド300mgのキシレン20mlによる溶液に添加する。6時間の還流の後(Dean−Stark装置による組立て品)、媒体を減圧下で濃縮乾固する。固体残渣のシリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:純CHClからCHCl/MeOH:95/05の勾配による精製の後、得られた生成物をエチルエーテル20mlと共に2回取り、次にスピンフィルタ乾燥させ、真空下で乾燥させる。2−[(7−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン110mgが白色粉末の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.34 to 3.38(m,4H);3.53 to 3.59(m,4H);4.31(s,2H);5.26(s,1H);7.30 to 7.42(m,2H);7.59(dd,J=1.4 and 7.7Hz,1H);11.93(broad m,1H)
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=3.11
[M+H]+:m/z 331;[M−H]−:m/z 329
【0161】
(実施例13)
6−(モルホリン−4−イル)−2−[(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0162】
【化24】

生成物は、ピリジン2.5mlおよびジメチルホルムアミド2.5mlの混合物中の、ならびに次に酢酸5ml中の、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート300mg、N−フェニルベンゼン−1,2−ジアミン423mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド330mgを使用して、実施例3に記載された手順に従って調製する。シリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:95/05による精製の後、6−(モルホリン−4−イル)−2−[(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン230mgが白色粉末の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.32(m,partially broad ,4H);3.56(m,4H);4.05(s,2H);5.16(s,1H);7.11 to 7.17(m,1H);7.19 to 7.30(m,2H);7.49 to 7.72(m,6H);11.74(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.66
[M+H]+:m/z 388;[M−H]−:m/z 386
【0163】
(実施例14)
2−[(1−ベンジル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0164】
【化25】

生成物は、ピリジン2.5mlおよびジメチルホルムアミド2.5mlの混合物中の、ならびに次に酢酸5ml中の、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート300mg、N−ベンジルベンゼン−1,2−ジアミン455mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド330mgを使用して、実施例3に記載された手順に従って調製する。45分間の還流およびシリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:95/05による精製の後、2−[(1−ベンジル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン250mgがクリーム色粉末の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.25 to 3.35(partially masked m,4H);3.52 to 3.58(m,4H);4.18(s,2H);5.18(s,1H);5.56(s,2H);7.13 to 7.20(m,4H);7.23 to 7.35(m,3H);7.39 to 7.47(m,1H);7.55 to 7.64(m,1H);11.88(broad m,1)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.58
[M+H]+:m/z 402;[M−H]−:m/z 400
【0165】
(実施例15)
2−[(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0166】
【化26】

ステージ1:
生成物は、ピリジン2.5mlおよびジメチルホルムアミド2.5mlの混合物中の、ならびに次に酢酸5ml中の、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート300mg、ベンゼン−1,2−ジアミン248mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド330mgを使用して、実施例3に記載された手順に従って調製する。1時間の還流およびシリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:100/0から90/10の勾配による精製の後、2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン75mgがベージュ色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.35
[M+H]+:m/z 312;[M−H]−:m/z 310
【0167】
【化27】

ステージ2:
生成物は実施例11のステージ1のように、しかしアセトン15ml、水酸化ナトリウム(2N)0.375mlおよびヨードエタン0.6m中の2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン155mgを使用して調製することができる。シリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:95/05による精製の後、2−[(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン30mgがベージュ色粉末の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):1.31(t,J=7.1Hz,3H);3.34(m,4H);3.57(m,4H);4.18(s,2H);4.31(q,J=7.1Hz,2H);5.21(s,1H);7.13 to 7.19(m,1H);7.20 to 7.25(m,1H);7.51 to 7.59(m,2H);11.88(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.42
[M+H]+:m/z 340;[M−H]−:m/z 338
【0168】
(実施例16)
2−[(5,6−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0169】
【化28】

ステージ1:
【0170】
【化29】

生成物は、実施例2のステージ1に記載された手順に従って、しかしピリジン4mlおよびジメチルホルムアミド4mlの混合物中のナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート500mg(実施例1、ステージ2)、2−アミノ−4,5−ジフルオロフェノール425mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチル−カルボジイミドヒドロクロリド600mgを使用して調製する。N−(4,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド500gが褐色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.68
[M+H]+:m/z 367;[M−H]−:m/z 365
【0171】
ステージ2:
生成物は、実施例12のステージ2に記載されたように、しかしキシレン30mlおよび4−メチルベンゼンスルホン酸水和物77mg中のN−(4,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド465mgを使用して調製することができる。6時間の還流、4−メチルベンゼンスルホン酸水和物100mgおよびシリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:純CHClからCHCl/MeOH:96/04の勾配による精製の後、生成物をジエチルエーテル20mlと共に取り、次にスピンフィルタ乾燥させ、真空下で乾燥させる。2−[(5,6−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン63mgが白色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.35(m,4H);3.56(m,4H);4.26(s,2H);5.24(broad m,1H);7.91(dd,J=7.6 and 10.3Hz,1H);8.04(dd,J=7.0 and 9.9Hz,1H);11.88(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.68
[M+H]+:m/z 349;[M−H]−:m/z 347
【0172】
(実施例17)
2−[(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0173】
【化30】

生成物は、ピリジン3.5mlおよびジメチルホルムアミド3.5mlの混合物中の、ならびに次に酢酸7ml中の、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート400mg、4−クロロベンゼン−1,2−ジアミン436mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド440mgを使用して、実施例3に記載された手順に従って調製される。30分間の還流およびシリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:100/0から90/10の勾配による精製の後、2−[(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン260mgが白色粉末の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.37(m,4H);3.57(m,4H);4.10(s,2H);5.22(s,1H);7.17(dd,J=1.9 and 8.6Hz,1H);7.51(d,J=8.6Hz,1H);7.57(d,J=1.9Hz,1H);12.18(broad m,2H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.51
[M+H]+:m/z 346;[M−H]−:m/z 344
【0174】
(実施例18)
2−[(1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0175】
【化31】

ステージ1:
【0176】
【化32】

マイクロ波オーブン用の反応装置内で、1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン795mgをテトラヒドロフラン10ml中に導入する。N−エチル−N−(プロパン−2−イル)プロパン−2−アミン1mlおよびシクロプロパンアミン0.416mlを添加する。マイクロ波照射下で110℃の温度にて30分、および次に120℃の温度にて1時間20分の後に、シクロプロパンアミン0.1mlを添加して、媒体を次に、再びマイクロ波照射下で130℃の温度に30分間置く。減圧下での濃縮乾固の後、N−シクロプロピル−4−フルオロ−2−ニトロアニリン960mgがオレンジ色粉末の形で得られ、これを次のステージで使用する。
【0177】
ステージ2:
【0178】
【化33】

亜鉛1.58gをN−シクロプロピル−4−フルオロ−2−ニトロアニリン950mgの酢酸15mlによる溶液にゆっくり添加する。20℃の領域における温度にて1時間30分間撹拌した後、水25mlを媒体に添加し、28%アンモニア水溶液を使用してpHを7に調整する。水相を酢酸エチル30mlで3回抽出して、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で濃縮乾固する。油性残渣をジエチルエーテル100ml中に取り、沈殿が形成するまで塩酸の水溶液(2N)を添加する。固体をスピンフィルタ乾燥させ、次に真空ベルジャーの下で乾燥させて、N−シクロプロピル−4−フルオロベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド960mgが紫色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.62
[M+H]+:m/z 167
【0179】
ステージ3:
生成物は、ピリジン3mlおよびジメチルホルムアミド3mlの混合物中の、ならびに次に酢酸5ml中の、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート300mg、N−シクロプロピル−4−フルオロベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド645mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド330mgを使用して、実施例3に記載された手順に従って調製する。2時間の還流およびシリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:95/05による精製の後、得られた残渣を分取HPLC/MSによって精製する(方法1)。アセトニトリルが蒸発除去された後、重炭酸ナトリウム(固体)を使用してpHを8にして、次に水相を酢酸エチル25mlで2回抽出して、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で濃縮乾固させる。2−[(1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン15mgが白色粉末の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):1.04 to 1.22(m,4H);3.33 to 3.43(m,5H);3.54 to 3.60(m,4H);4.24(s,2H);5.22(s,1H);7.09(dt,J=2.4 and 9.3Hz,1H);7.39(dd,J=2.4 and 9.8Hz,1H);7.56(dd,J=4.8 and 9.3Hz,1H);11.80(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.57
[M+H]+:m/z 370;[M−H]−:m/z 368
【0180】
(実施例19)
2−{[5−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0181】
【化34】

ステージ1:
【0182】
【化35】

生成物は、実施例18のステージ1に記載されたように、しかしテトラヒドロフラン10ml中の1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン795mg、N−エチル−N−(プロパン−2−イル)プロパン−2−アミン1mlおよび2−メトキシエタンアミン0.655mlを使用して調製することができる。マイクロ波照射下での130℃の温度での1時間の後、4−フルオロ−N−(2−メトキシエチル)−2−ニトロアニリン900mgが赤色油の形で得られ、これを次のステージで使用する。
【0183】
ステージ2:
【0184】
【化36】

生成物は、実施例18のステージ2に記載されたように、しかし酢酸11ml中の4−フルオロ−N−(2−メトキシエチル)−2−ニトロアニリン880mgおよび亜鉛1.34gを使用して調製することができる。20℃の領域における温度にて3時間撹拌した後、亜鉛536mgを添加する。4−フルオロ−N−(2−メトキシエチル)ベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド850mgが赤色油の形で得られ、これを次のステージで使用する。
【0185】
ステージ3:
生成物は、ピリジン5mlおよびジメチルホルムアミド5mlの混合物中の、ならびに次に酢酸5ml中の、ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート300mg、4−フルオロ−N−(2−メトキシエチル)ベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド760mgおよびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド330mgを使用して、実施例3に記載された手順に従って調製する。1時間の還流およびシリカ・カラム・クロマトグラフィー、溶離液:CHCl/MeOH:95/05による精製の後、得られた残渣を分取HPLC/MSによって精製する(方法1)。アセトニトリルが蒸発除去された後、重炭酸ナトリウム(固体)を使用してpHを8にして、次に水相を酢酸エチル25mlで2回抽出して、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で濃縮乾固させる。2−{[5−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン120mgが白色粉末の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.20(s,3H);3.33 to 3.40(m,4H);3.54 to 3.59(m,4H);3.63(t,J=5.3Hz,2H);4.19(s,2H);4.47(t,J=5.3Hz,2H);5.21(s,1H);7.08(dt,J=2.4 and 9.3Hz,1H);7.37(dd,J=2.4 and 9.8Hz,1H);7.57(dd,J=4.8 and 9.3Hz,1H);11.80(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.51
[M+H]+:m/z 388;[M−H]−:m/z 386
【0186】
(実施例20)
6−(モルホリン−4−イル)−2−(ナフト[2,1−d][1,3]オキサゾール−2−イルメチル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0187】
【化37】

ステージ1:
ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート65mg、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)104mgおよびN−メチルモルホリン82μlを3−アミノ−2−ナフトール40mgのジメチルホルムアミド2mlによる溶液に添加する。反応混合物を110℃にて1時間加熱して、次に冷却の後、TFA0.1mlを添加し、沈殿をクロマトグラフィーによって精製する。得られたN−(2−ナフトール)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミドは、このまま次のステージで使用する。
【0188】
ステージ2:
前のステージで得たN−(2−ナフトール)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミドをトリフルオロ酢酸2mlに溶解させ、120℃にて30分間マイクロ波照射する。トルエン8mlを添加して、溶液を濃縮乾固する。クロマトグラフィーによる精製の後、6−(モルホリン−4−イル)−2−(ナフト[2,1−d][1,3]オキサゾール−2−イルメチル)ピリミジン−4(3H)−オン4mgが得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.31 to 3.48(partially masked m,4H);3.54 to 3.64(m,4H);4.39(s,2H);5.26(broad m,1H);7.63(t,J=8.0Hz,1H);7.73(t,J=8.0Hz,1H);7.87(d,J=9.0Hz,1H);7.94(d,J=9.0Hz,1H);8.14(d,J=8.0Hz,1H);8.21(d,J=8.0Hz,1H);12.00(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=1.02
[M+H]+:m/z 363;[M−H]−:m/z 361
【0189】
(実施例21)
2−[(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0190】
【化38】

ステージ1:
ピリジン4ml、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド1.2gおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシアニリン940mgをナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート1gのジメチルホルムアミド6mlによる溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌して、次に減圧下で濃縮する。水および酢酸エチルを添加して、生じた混合物をこのように30分間撹拌する。形成した沈殿を濾過して、水、エチルエーテルおよび石油エーテルですすぐ。得られた固体を真空下で乾燥させる。N−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド1.2gが褐色固体の形で得られ、これをこのまま次のステージで使用する:
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=2.55
[M+H]+:m/z 361;[M−H]−:m/z 359
【0191】
ステージ2:
N−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド500mgをキシレン40mlに混入して、4−メチルベンゼンスルホン酸水和物155mgを添加する。反応混合物を3時間還流させる。20℃に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮乾固させて、次に残渣をシリカゲルカラム、溶離液:CHCl/MeOH:95/05でクロマトグラフィーにかける。2−[(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン220mgがこのように白色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.36(m,4H);3.57(m,4H);3.81(s,3H);4.19(s,2H);5.24(s,1H);6.95(dd,J=2.2 and 8.8Hz,1H);7.33(d,J=2.2Hz,1H);7.58(d,J=8.8Hz,1H);11.89(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.64
[M+H]+:m/z 343;[M−H]−:m/z 341
【0192】
(実施例22)
2−[(6,7−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0193】
【化39】

ステージ1:
ナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート65mg、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)284mgおよびN−メチルモルホリン82μLを6−アミノ−2,3−ジフルオロフェノール32mgのジメチルホルムアミド2mlによる溶液に添加する。反応混合物を110℃にて1時間加熱して、次に冷却の後、TFA0.1mlを添加し、沈殿をクロマトグラフィーによって精製する。得られたN−(3,4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミドは次のステージでこのまま使用した。
【0194】
ステージ2:
前のステージで取得したN−(3,4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミドをトリフルオロ酢酸2mlに溶解させ、120℃にて30分間マイクロ波照射する。トルエン80mlを添加して、溶液を濃縮乾固する。クロマトグラフィーによる精製の後、2−[(6,7−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン4mgが得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.26 to 3.47(partially masked m,4H);3.54 to 3.71(m,4H);4.32(s,2H);5.25(broad m,1H);7.50(m,1H);7.63(m,1H);11.96(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.97
[M+H]+:m/z 349;[M−H]−:m/z 347
【0195】
(実施例23から35)
実施例23から35で使用される一般的手順
カップリング:ジアミン1当量を秤量して、反応装置に入れる。次に、実施例1のステージ2で得た(4−モルホリン−4−イル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル)酢酸のナトリウム塩1当量、およびN−メチルモルホリン(109−02−4)3当量を含有するジメチルホルムアミドによる懸濁液1mlを、続いてN,N−ジメチルホルムアミドに溶解したHBTU(94790−37−1)1.1当量を添加する。反応装置を次に閉じて、110℃にて1時間撹拌した。周囲温度に冷却した後、トリフルオロ酢酸0.1mlを反応媒体に添加し、次にこれを濾過する。このように得た濾液は分取HPLCによって精製する。
【0196】
環化:前に得られた精製化合物を氷酢酸2mlに溶解させて、次に100℃にて3時間加熱する。このように得た溶液を蒸発させる;残渣をジメチルホルムアミドおよびトリフルオロ酢酸の混合物(19/1)中に取り、次に濾過する;濾液を分取HPLCによって精製する。
【0197】
上記の2ステージプロトコルを0.25mmolのスケールで、以下に続くジアミン(ジアミンの列)に適用して、以下の化合物を生じる(実施例23から35)。
【0198】
化合物はLCMS分析、方法Cによってキャラクタリゼーションされる。
【0199】
【表1】




【0200】
(実施例36)
2−[(6−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
【0201】
【化40】

ステージ1:
【0202】
【化41】

4−ブロモ−2−フルオロニトロベンゼン(1.2g)のTHF(10ml)による溶液をマイクロ波反応装置内でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(690μl)およびメチルアミン(THF中2M、3ml)の存在下にて加熱する(10℃、20分)。20分後、メチルアミンTHF100μl(2M)を添加して、生じた混合物を105℃にてさらに5分間加熱する。反応媒体を濃縮して、次に酢酸エチル中に取り、水で、次に塩水で洗浄する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。(5−ブロモ−2−ニトロフェニル)メチルアミン(1.2g)をオレンジ色固体の形で単離し、これを次のステージでこのまま使用する。
【0203】
ステージ2:
【0204】
【化42】

上で調製したような(5−ブロモ−2−ニトロフェニル)メチルアミン(1.2g)の酢酸(20ml)による溶液を数回に分けて亜鉛粉末(1.72mg)で処置する。反応媒体を周囲温度(20℃)にて90分間撹拌する。水および28%アンモニアをpH7まで添加して、次に酢酸エチルを使用して反応媒体を除去する。有機抽出物を合わせ、水および塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた油をエーテル中に取り、次に1N HClを添加する。蒸発後に形成された固体を単離および乾燥する。4−ブロモ−N2−メチルベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド(1.2g)が得られ、次のステージでこのまま使用する。
【0205】
ステージ3:
丸底フラスコ中に上で調製した4−ブロモ−N2−メチルベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド(1.2g)をDMF(10ml)およびピリジン(10ml)中に磁気撹拌しながら入れ、次にN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(968mg)、次に実施例1のステージ2で得た(4−モルホリン−4−イル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル)酢酸のナトリウム塩(1.2g)を添加する。このように得た混合物を周囲温度(20℃)にて一晩撹拌する。反応媒体の蒸発後、氷酢酸(20ml)を添加して、生じた混合物を還流させる(90分)。反応媒体を濃縮して、pH8(2N水酸化ナトリウム)のジクロロメタンおよび水中に取って固体を形成させ、これを濾過して、ジクロロメタンで洗浄する。得られた固体をメタノールに溶解させ、シリカ(7g)に吸収させて、クロマトグラフィーによって精製する。精製はシリカカラム(50g)で行い、溶離はジクロロメタンおよび9/1 ジクロロメタン/MeOHの混合物(CV=75ml;勾配:4CV DCM;4CVの、0から16%の9/1 DCM/MeOH;8CVの、16から20%の9/1 DCM/MeOH;1CVの20から30%の9/1 DCM/MeOH)を用いて行う。期待される化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。2−[(6−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン900mgを単離し、この特徴は以下の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.33(m,4H);3.57(m,4H);3.80(s,3H);4.20(s,2H);5.21(s,1H);7.31(dd,J=1.7 and 8.6Hz,1H);7.52(d,J=8.6Hz,1H);7.83(d,J=1.7Hz,1H);11.81(broad m,1H)
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=2.91;
[M+H]+:m/z 404;[M−H]−:m/z 402
【0206】
(実施例37)
2−[(6,7−ジフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
【0207】
【化43】

ステージ1:
【0208】
【化44】

2,3−ジフルオロ−6−ニトロアニリン(3g)のトルエン(9.2ml)による溶液を硫酸ジメチル(2.6g)および2N水酸化ナトリウム(17.3ml)によって、臭化テトラブチルアンモニウム(0.33g)の存在下で撹拌しながら周囲温度(20℃)にて24時間処置する。反応媒体を2N HCl(150ml)中に流入させて、生じた混合物はジクロロメタン(300ml)を使用して除去する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた化合物をシリカゲル・カラム・クロマトグラフィー(300gシリカ)によって精製し、溶離はヘプタン/酢酸エチルの85/15混合物を用いて行う。期待される化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。所望の(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェニル)メチルアミンを単離して、次のステージで使用する(1.7g)。
【0209】
ステージ2:
【0210】
【化45】

(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェニル)メチルアミン(500mg)の酢酸による溶液を数回に分けて亜鉛粉末(869mg)で処置する。反応媒体を周囲温度(20℃)にて還元完了まで撹拌する。水(13ml)および28%アンモニアをpH7まで添加して、次に酢酸エチル(3×50)を使用して反応媒体を除去する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた油をエーテル(50ml)中に取り、次に2N HClによって処置する。形成した固体を濾過除去する。3,4−ジフルオロ−N1−メチルベンゼン−1,2−ジアミンをこのヒドロクロリド形(510mg)で単離し、次のステージで使用する。
【0211】
ステージ3:
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(220.3mg)および次に実施例1のステージ2で得た(4−モルホリン−4−イル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル)酢酸のナトリウム塩(200mg)を、上で調製したアミン242.3mgのDMF(1.75ml)およびピリジン(1.75ml)の混合物による溶液に磁気撹拌しながら添加する。このように得た混合物を周囲温度(20℃)にて一晩撹拌する。反応媒体の蒸発後、氷酢酸3.5mlを添加して、生じた混合物を環化化合物が得られるまで還流させる。反応媒体を次に水(20ml)で希釈して、次に2N水酸化ナトリウムをpH7までこれに添加する。反応媒体を酢酸エチル(3×20ml)によって抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた化合物をジクロロメタンで洗浄して、次に乾燥させる。2−[(6,7−ジフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン20.8mgが単離され、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.33(m,4H);3.57(m,4H);3.94(s,3H);4.19(s,2H);5.21(s,1H);7.20(ddd,J=7.5 and 8.8 and 11.7Hz,1H);7.38(dd,J=3.3 and 8.8Hz,1H);11.81(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.65;
[M+H]+:m/z 362;[M−H]−:m/z 360
【0212】
(実施例38)
2−[(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
【0213】
【化46】

ステージ1:
【0214】
【化47】

4,5−ジクロロ−2−ニトロアニリン(3g)のトルエン(9.2ml)による溶液を硫酸ジメチル(2.2g)および2N水酸化ナトリウム(14.5ml)によって、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.28g)の存在下で周囲温度(20℃)にて撹拌しながら24時間処置する。反応媒体を2N HCl(150ml)中に流入させて、生じた混合物はジクロロメタン(3×100ml)を使用して除去する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた化合物をシリカゲル・カラム・クロマトグラフィー(300gシリカ)によって精製し、溶離はヘプタン/酢酸エチルの85/15混合物を用いて行う。期待される化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で乾燥させる。所望の(4,5−ジクロロ−2−ニトロフェニル)メチルアミンを単離して、次のステージで使用する(0.57g)。
【0215】
ステージ2:
【0216】
【化48】

(4,5−ジクロロ−2−ニトロフェニル)メチルアミン(500mg)の酢酸(7.5ml)による溶液を数回に分けて亜鉛粉末(740mg)で処置する。反応媒体を周囲温度(20℃)にて還元完了まで撹拌する。水(13ml)および28%アンモニアをpH7まで添加して、次に酢酸エチル(3×50)を使用して反応媒体を除去する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた油をエーテル(50ml)中に取り、次に2N HClをこれに添加する。形成した固体を濾過除去する。4,5−ジクロロ−N−メチルベンゼン−1,2−ジアミンがこれのヒドロクロリド形(510mg)で単離され、次のステージで使用する。
【0217】
ステージ3:
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(220.3mg)および次に実施例1のステージ2で得た(4−モルホリン−4−イル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル)酢酸のナトリウム塩(200mg)を、上で調製した4,5−ジクロロ−N−メチルベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド(292.7mg)のDMF(1.75ml)およびピリジン(1.75ml)の混合物による溶液に磁気撹拌しながら添加する。このように得た混合物を周囲温度(20℃)にて一晩撹拌する。反応媒体の蒸発後、氷酢酸3.5mlを添加して、生じた混合物を環化化合物が得られるまで還流させる。反応媒体を次に水(20ml)で希釈して、次に2N水酸化ナトリウムをpH7までこれに添加する;反応媒体を酢酸エチル(3×20ml)によって抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた化合物をジクロロメタンで洗浄して、次に乾燥させる。得られた化合物をシリカゲル・カラム・クロマトグラフィー(60gシリカ)によって精製し、溶離はジクロロメタン/メタノールの80/20混合物を用いて行う。期待される化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で乾燥させる。2−[(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン121mgが単離され、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.32(m,4H);3.56(m,4H);3.80(s,3H);4.21(s,2H);5.21(s,1H);7.85(s,1H);7.94(s,1H);11.82(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.75;
[M+H]+:m/z 394;[M−H]−:m/z 392
【0218】
(実施例39)
6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
【0219】
【化49】

ステージ1:
【0220】
【化50】

2,3,4−トリフルオロ−6−ニトロアニリン(3g)のトルエン(8.3ml)による溶液を硫酸ジメチル(2.4g)および2N水酸化ナトリウム(15.6ml)によってテトラブチルアンモニウムブロミド(0.3g)の存在下で、周囲温度(20℃)にて撹拌しながら48時間処置する。反応媒体を2N HCl(150ml)中に流入させて、次に生じた混合物はジクロロメタン(3×300ml)を使用して除去する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた化合物をシリカゲル・カラム・クロマトグラフィー(300gシリカ)によって精製し、溶離はヘプタン/酢酸エチルの85/15混合物を用いて行う。期待される化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で蒸発させる。メチル(3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロフェニル)アミン(2g)を単離して、次のステージで使用する。
【0221】
ステージ2:
【0222】
【化51】

メチル(3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロフェニル)アミン(0.5g)の酢酸(7.5ml)による溶液を数回に分けて亜鉛粉末(793mg)で処置する。反応媒体を周囲温度(20℃)にて還元完了まで撹拌する。水(13ml)および28%アンモニアをpH7まで添加して、次に酢酸エチル(3×50)を使用して反応媒体を除去する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた油をエーテル(50ml)中に取り、次に2N HClをこれに添加する。形成した固体を濾過除去する。3,4,5−トリフルオロ−N−メチルベンゼン−1,2−ジアミンをこのヒドロクロリド形(508mg)で単離し、次のステージで使用する。
【0223】
ステージ3:
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(220.3mg)および次に実施例1のステージ2で得た(4−モルホリン−4−イル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル)酢酸(200mg)を、上で調製した3,4,5−トリフルオロ−N1−メチルベンゼン−1,2−ジアミン(270mg)のDMF(1.75ml)およびピリジン(1.75ml)の混合物による溶液に磁気撹拌しながら添加する。このように得た混合物を周囲温度(20℃)にて一晩撹拌する。反応媒体の蒸発後、氷酢酸3.5mlを添加して、生じた混合物を環化化合物が得られるまで還流させる。反応媒体を次にpH7の水(20ml)で希釈する。反応媒体を酢酸エチル(3×20ml)によって抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた化合物をジクロロメタンで洗浄して、次に乾燥させる。得られた化合物をシリカゲル・カラム・クロマトグラフィー(100gシリカ)によって精製し、溶離はジクロロメタン/メタノールの80/20混合物を用いて行う。期待される化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で乾燥させる。6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン44mgが単離され、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.33(m,4H);3.57(m,4H);3.94(s,3H);4.20(s,2H);5.21(broad s,1H);7.55(ddd,J=1.5 and 6.4 and 10.5Hz,1H);11.82(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.72;
[M+H]+:m/z 380;[M−H]−:m/z 378
【0224】
(実施例40)
2−[(4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの合成
【0225】
【化52】

ステージ1:
N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド1.19gおよび2−アミノレゾルシノール946mgをナトリウム[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセテート1gのピリミジン8mlによる溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌して、次に減圧下で濃縮する。水および酢酸エチルを添加して、生じた混合物をこのように30分間撹拌する。形成した沈殿を濾過して、水、エチルエーテルおよび石油エーテルですすぐ。得られた固体を真空下で乾燥させる。N−(2,6−ジヒドロオキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]−アセトアミド904mgが赤色固体で得られ、これをこのまま次のステージで使用する。
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=2.15
[M+H]+:m/z 347;[M−H]−:m/z 345
【0226】
ステージ2:
4−メチルベンゼンスルホン酸水和物239mgをN−(2,6−ジヒドロオキシフェニル)−2−[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]アセトアミド870mgのオルトキシレン60mlによる溶液に添加する。反応混合物を4時間還流させる。0℃まで冷却した後、形成した不溶性物質を濾過する。濾液を減圧下で濃縮乾固させて、残渣を次に、溶離を90/10 CHCl/MeOHで行うシリカゲルカラムでクロマトグラフィーにかける。2−[(4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン654mgがこのように白色固体の形で得られ、この特徴は次の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz,dppm,d−DMSO):3.37(m,4H);3.57(m,4H);4.20(s,2H);5.25(s,1H);6.73(d,J=7.9Hz,1H);7.09(d,J=7.9Hz,1H);7.16(t,J=7.9Hz,1H);10.23(broad s,1H);11.92(broad m,1H)
質量分析:方法A
保持時間Tr(分)=0.56
[M+H]+:m/z 329;[M−H]−:m/z 327
【0227】
(実施例41)
2−[(7−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
【0228】
【化53】

ステージ1:
【0229】
【化54】

3−ブロモ−2−フルオロニトロベンゼン(1g)のTHF(8.3ml)による溶液をマイクロ波反応装置内でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(690μl)およびメチルアミン(690μl)およびメチルアミン(2.54ml)の存在下で加熱する(105℃、30分)。反応媒体を濃縮して、次に酢酸エチル中に取り、次に水で、次に塩水で洗浄する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。(5−ブロモ−2−ニトロフェニル)メチルアミン(1g)をオレンジ色固体の形で単離し、これを次のステージでこのまま使用する。
【0230】
ステージ2:
【0231】
【化55】

(2−ブロモ−6−ニトロフェニル)メチルアミン(1g)の酢酸(20ml)による溶液を数回に分けて亜鉛粉末(1.41mg)で処置する。反応媒体を周囲温度(20℃)にて還元完了まで撹拌する。水および28%アンモニアをpH7まで添加して、次に酢酸エチル(3×50)を使用して反応媒体を除去する。有機抽出物を合わせ、水および塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過して、減圧下で蒸発させる。得られた油をエーテル中に取り、次に1N HClをこれに添加する。蒸発後に形成された固体を単離および乾燥する。3−ブロモ−N2−メチルベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド(1g)が得られ、次のステージでこのまま使用する。
【0232】
ステージ3:
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(807mg)および次に実施例1のステージ2で得た(4−モルホリン−4−イル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリミジン−2−イル)酢酸(1g)を、上で調製した3−ブロモ−N2−メチルベンゼン−1,2−ジアミンヒドロクロリド(1g)のDMF(8.3ml)およびピリジン(8.3ml)の混合物による溶液に磁気撹拌しながら添加する。このように得た混合物を周囲温度(20℃)にて一晩撹拌する。反応媒体の蒸発後、氷酢酸(20ml)を添加して、生じた混合物を還流させる(90分)。反応媒体を濃縮して、pH8(2N水酸化ナトリウム)のジクロロメタンおよび水中に取る。固体が形成し、これを濾過して、ジクロロメタンで洗浄する。得られた固体をメタノールに溶解させ、シリカ(7g)に吸収させて、クロマトグラフィーによって精製する。精製はシリカカラム(50g)で行い、溶離はジクロロメタンおよび9/1 ジクロロメタン/MeOHの混合物(CV=75ml;勾配:4CV DCM;4CVの、0から16%の9/1 DCM/MeOH;8CVの、16から20%の9/1 DCM/MeOH;1CVの20から30%の9/1 DCM/MeOH)を用いて行う。期待される化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で乾燥させる。2−[(7−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン100mgを単離し、この特徴は以下の通りである:
H NMRスペクトル(400MHz):3.34(m,4H);3.57(m,4H);4.05(s,3H);4.21(s,2H);5.21(s,1H);7.09(t,J=7.8Hz,1H);7.40(d,J=7.8Hz,1H);7.58(d,J=7.8Hz,1H);11.82(broad m,1H)
質量分析:方法B
保持時間Tr(分)=3.02;
[M+H]+:m/z 404;[M−H]−:m/z 402
【0233】
(実施例14)
医薬組成物
以下の処方に相当する錠剤を調製した:
実施例1による生成物・・・0.2g
の最終重量を有する錠剤用賦形剤・・・1g
(賦形剤の詳細:ラクトース、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム)。
【0234】
実施例1は医薬調製の1例として解釈され、所望ならば、本出願の実施例で与えられた他の生成物を用いて本調製を行うことが可能である。
【0235】
薬理学項:
実験プロトコル
インビトロ実験手順
AKTリン酸化に対する分子の阻害活性は、下記の技法を使用するウエスタンブロッティング、または同様に下に記載されたMeso Scale DiscoveryによるMSD Multi−spot Biomarker検出技法のどちらかによって測定される。1セットの分子について、どちらの技法も適合性のある結果が得られることが証明された。
【0236】
ウエスタンブロッティングによって測定されたPC3ヒト前立腺癌腫細胞におけるpAKT発現の研究(試験A):
本試験は、セリン473でのAKTタンパク質リン酸化の発現を測定することに基づく。AKT(pAKT)のリン酸化は、pAKT−S473を特異的に認識する抗体を使用して、PC3ヒト前立腺癌腫系統(ATCC CRL−1435)でのウエスタンブロッティングによって測定される。
【0237】
第1日にPC3細胞を6ウェルプレート(TPP、#92006)に、10%ウシ胎仔血清(SVF Gibco,#10500−056)および1%グルタミン(L−Glu Gibco #25030−024)を含有するDMEM培地(DMEM Gibco #11960−044)1800μl中に0.8×10細胞/ウェルの濃度で播種して、37℃、5% COで一晩インキュベートする。
【0238】
第2日に、細胞を試験生成物の存在下または非存在下にて、1から2時間37℃にて、5% COの存在下でインキュベートする。ジメチルスルホキシド(DMSO Sigma #D2650)で希釈した分子が10倍濃縮原液から添加され、DMSOの最終パーセンテージは0.1%である。分子は、10μM以下の単一の濃度、または1nM未満から10μMに拡張可能な範囲内の上昇濃度のどちらかで試験される。
【0239】
本インキュベーションの後、タンパク質調製のために細胞が溶解される。培地を除去した後、細胞をPBS(DPBS Gibco,#14190−094)1mlですすぎ、完全HNTG緩衝液200μl中でかき取ることによって回収し、96ウェルプレート(Greiner #651201)に移動して、氷上で1時間溶解させた。HNTG緩衝液は以下の混合物:50mM hepes、150mM NaCl、1%トリトン、10%グリセロールと、緩衝液10ml当りのMini Protease Inhibitor Cocktail錠(Roche 1836153)1錠およびPhosphatase Inhibitor Cocktail錠(Roche104906837001)1錠を即席で添加して構成されている。
【0240】
溶解液を6000rpmで10分間遠心分離する。上清155μlを回収する。150μlを、4倍希釈された4×NuPAGE LDS試料緩衝液(InVitrogen ref NP0007)および10倍希釈された10×NuPAGE試料還元剤(InVitrogen ref NP0009)の存在下で、変性のために95℃にて5分間インキュベートする。これらの試料は次に−20℃にて凍結させる。5μlをmicroBCA技法により、MicroBCAタンパク質アッセイキット(Pierce #23235)の技術資料に従ってアッセイする。
【0241】
タンパク質分離では、タンパク質20μgをNU−PAGE 4−12% Bis Tris Gel 12ウェル(InVitrogen ref NP0322BOX)に挿入して、20倍に希釈した20×NU−PAGE MOPS SDS泳動用緩衝液(InVitrogen ref NP0001)中で150ボルトにて1時間30分、泳動を行う。
【0242】
ゲルを次に、エタノール(Ethanol Fischer Scientific #E/0600DF/15)中で事前に透過処理されたInvitrolon PVDF膜(Invitrogen #LC2007)上に移動する。
【0243】
移動は、20倍に希釈した20×NUPAGE移動緩衝液(InVitrogen ref NP0006)の存在下で、Bioradタンク中で30ボルトにて一晩または60ボルトにて3時間行う。
【0244】
膜を次に、TBS(10×トリス緩衝生理食塩水、Sigma #T5912、10倍希釈)、0.1%ツイーン20(Sigma #P5927)および3% BSA(ウシ血清アルブミン画分V、Sigma #A4503)で構成される飽和溶液中で、一晩の移動の後には6時間、またはさもなければ3時間の期間の移動の後には1時間飽和させる。
【0245】
1次抗体を抗ホスホAKT−Ser473抗体(193H2、ウサギ、モノクローナル、Cell Signaling Technologyによるcat#4058)Abcam)の場合、PBS、0.1%ツイーン20および3% BSAで構成される飽和溶液で1/1000に希釈して、次に4℃にて一晩振とうする。
【0246】
2次抗体のハイブリダイゼーションの前に、TBSおよび0.1%ツイーン20で構成される洗浄溶液中での5分間のすすぎを2回行う。
【0247】
2次抗体を飽和溶液で、ウサギ抗マウスIgGHRP抗体(W402 Promega)では1/10000に、およびヤギ抗ウサギIgGHRP抗体(W401 Promega)では1/10000に希釈して、次に周囲温度にて1時間振とうする。
【0248】
洗浄溶液中での30分間のすすぎを2回行い、次にHO中での5分間のすすぎを行って、残存するツイーン20を除去する。
【0249】
発色溶液は、Western Lightning Chemiluminescence Reagent Plus(Western Lightning Chemiluminescence Reagent Plus Perkin Elmer #NEL104)の技術情報に従って、体積対体積で調製する。
【0250】
膜を発色溶液中に1分間配置して、排液し、2枚の透明膜に挟んで、次にルミネセンス読み取りおよびシグナルの定量のために測定装置内に配置する。ルミネセンスはフジフイルムの装置(Ray Test)で読み取る。
【0251】
フジの装置は、選択した各バンドについて得た全ルミネセンスシグナル(AU)を測定する。装置は次に選択したバンドのサイズ(面積)に比例するバックグラウンドノイズ(BG)を引き、前記バックグラウンドノイズは、各バンドの特異的シグナル(AU−BG)を得る目的で、特異的バックグラウンド・ノイズ・バンドから計算される。生成物の非存在下および0.1% DMSOの存在下で得られたバンドは、100%シグナルと見なされる。ソフトウェアは、本100%シグナルの関数として選択された各バンドについて得られた%比活性(比)を計算する。阻害パーセンテージは、式(100%−比)に従って各濃度について計算される。
【0252】
2つの独立した実験により、1つの濃度のみにおいて試験された生成物の、所与の濃度で得られた阻害パーセンテージの平均を計算することが可能となる。
【0253】
適切な場合には、生成物の活性は、試験された各種の濃度の用量依存曲線から得られ、50%の特異的阻害を与える用量(絶対IC50)を表す、およそのIC50に変換される。2つの独立した実験により、IC50の平均が計算できるようになる。
【0254】
Meso Scale DiscoveryによるMSDマルチスポットバイオマーカー検出技法によって測定されたPC3ヒト前立腺癌腫細胞におけるpAKT発現の研究(試験B):
本試験は、Meso Scale DiscoveryによるMSDマルチスポットバイオマーカー検出キット:ホスホ−Akt(Ser473)全細胞溶解液キット(#K151CAD)またはホスホ−Akt(Ser473)/全Akt全細胞溶解液キット(#K151OOD)を使用するサンドイッチイムノアッセイに基づく技法を用いて、PC3ヒト前立腺癌腫系統におけるセリン473でのリン酸化されたAKTタンパク質の発現(P−AKT−S473)を測定することに基づく。P−AKT−S473(キット#K151CAD)に特異的な1次抗体は、MSDキットの96ウェルプレートの各ウェル中で電極にコーティングされる。各ウェルへのタンパク質溶解液の添加後に、エレクトロケミルミネセンス化合物によって標識された2次検出抗体を添加することによってシグナルが描出される。従った手順は、キットに記載された手順である。
【0255】
第1日にPC3細胞を96ウェルプレート(TPP,#92096)に、ウシ胎仔血清(FCS Gibco,#10500−056)および1%グルタミン(L−Glu Gibco #25030−024)を含有するDMEM培地(DMEM Gibco #11960−044)200μl中に35000細胞/ウェルの濃度で播種して、37℃、5% COで一晩インキュベートする。
【0256】
第2日に、細胞を試験生成物の存在下または非存在下にて、1から2時間37℃にて、5% COの存在下でインキュベートする。ジメチルスルホキシド(DMSO Sigma #D2650)で希釈した分子が20倍濃縮原液から添加され、DMSOの最終パーセンテージは0.1%である。分子は、10μM以下の単一の濃度、または1nM未満から10μMに拡張可能な範囲内の上昇濃度のどちらかで試験される。
【0257】
本インキュベーションの後、タンパク質調製のために細胞が溶解される。このために培地を除去した後に、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤溶液を含有するMSDキットの完全トリス溶解緩衝液50μlをウェルに添加して、細胞を振とうしながら4℃にて1時間溶解させる。本段階で、溶解液を含有するプレートを−20℃または−80℃にて凍結することができる。
【0258】
MSDキットの96ウェルプレートのウェルをMSDキットの遮断溶液によって、周囲温度にて1時間飽和させる。MSDキットのトリス洗浄緩衝液150μlを用いて洗浄を4回行う。前に調製した溶解液をMSDキットの96ウェル・マルチスポット・プレート内に移動して、振とうしながら周囲温度にて1時間インキュベートする。MSDキットのトリス洗浄緩衝液150μlを用いて洗浄を4回行う。MSDスルホタグ検出抗体溶液25μlをウェルに添加して、振とうしながら周囲温度にて1時間インキュベートする。MSDキットのトリス洗浄緩衝液150μlを用いて洗浄を4回行う。MSDキットの読み取り緩衝液150μlをウェルに添加して、Meso Scale DiscoveryによるS12400機器によってただちに読み取る。
【0259】
機器は各ウェルの信号を測定する。細胞を含まず、溶解緩衝液を含有するウェルはバックグラウンドノイズを決定する役割を果たし、バックグラウンドノイズはすべての測定値(min)から引かれる。生成物の非存在下および0.1% DMSOの存在下で細胞を含有するウェルは、100%シグナル(max)と見なされる。阻害パーセンテージは、以下の式:(1−((試験−min)/(max−min)))×100に従って、試験生成物の各濃度について計算される。
【0260】
生成物の活性は、試験された各種の濃度の用量依存曲線から得られ、50%の特異的阻害を与える用量(絶対IC50)を表す、IC50に変換される。2つの独立した実験により、IC50値の平均が計算できるようになる。
【0261】
実験項における実施例としての生成物について得られた結果を、下の薬理学的結果の表に与える:
【0262】
【表2】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の生成物であって:
【化1】

式中:
Zは、−O−、−NH、N−シクロアルキル、NalkまたはN−フェニルを表し、alkおよびフェニルは、ハロゲン原子、ならびにアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびフェニル基から選択される1個以上の基によって場合により置換され、前記フェニル基自体は、ハロゲン原子ならびにヒドロキシル、アルコキシおよびアルキル基から選択される1個以上の基によって場合により置換され;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシ基を表し;アルキルおよびアルコキシ基は、NRxRy基または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換され;
R1が、ナフチル基を形成するためにR1を担持するフェニルと縮合されたフェニル残基を表せることが理解され;
R2およびR3は、同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換されたアルキル基を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、およびRyが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基が、同じであり得るまたは異なり得る、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される1個以上の基によって場合により置換される;
上のアルキル(alk)およびアルコキシ基のすべては、直鎖または分岐であり、1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある式(I)の生成物。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)の生成物であって、式中:
Zは、−O−、−NH、N−シクロアルキル、NalkまたはN−フェニルを表し、alkはアルコキシ、ヒドロキシル、シアノおよびフェニルから選択される1個以上の基によって場合により置換され、;
nは、0から4の整数を表し;
R1は、水素原子、ハロゲン原子またはアルキルもしくはアルコキシ基を表し;アルキルおよびアルコキシ基は、NRxRy基または1個以上のハロゲン原子によって場合により置換され;
R1が、ナフチル基を形成するためにR1を担持するフェニルと縮合されたフェニル残基を表せることが理解され;
R2およびR3は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
NRxRyは、Rxが水素原子もしくはアルキル基を表し、およびRyが水素原子もしくはアルキル基を表す;またはRxおよびRyが、これらが結合された窒素原子と共に、3から10個の環員および場合によりO、S、NHおよびN−アルキルから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、この環式基は場合により置換される;
上のアルキル(alk)およびアルコキシ基のすべては、直鎖または分岐であり、1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物は、考えられるすべてのラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー異性形、ならび前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による付加塩でもある式(I)の生成物。
【請求項3】
以下の式に相当する、請求項1または2のどちらか一方に記載の式(I)の生成物:
−2−[(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−フルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(7−フルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−ベンジル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[5−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−(ナフト[2,1−d][1,3]オキサゾール−2−イルメチル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−{[6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−クロロ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5−クロロ−6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−(2−{[4−(モルホリン−4−イル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−2−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトニトリル
−2−[(5,7−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−{[5−クロロ−1−(1−フェニルエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]メチル}−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(1−シクロヘキシル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(4−ブロモ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(6,7−ジフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−6−(モルホリン−4−イル)−2−[(5,6,7−トリフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
−2−[(7−ブロモ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
ならびに同様に前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸によるまたは無機塩基および有機塩基による付加塩である式(I)の生成物。
【請求項4】
以下で規定するようなスキーム1Aに従って、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物を調製する方法であって:
スキーム1A:
【化2】

式中、置換基R1およびZが請求項1および2のどちらか一方で指摘される意味を有する、方法。
【請求項5】
以下で規定するようなスキーム1Bに従って、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物を調製する方法であって:
スキーム1B:
【化3】

式中、置換基R1、R2、R3およびZは、請求項1および2のどちらか一方で指摘される意味を有する、方法。
【請求項6】
薬剤としての、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物、および同様に前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による医薬的に許容される付加塩。
【請求項7】
薬剤としての、請求項3に記載の式(I)の生成物、および同様に前記式(I)の生成物の、無機酸および有機酸による、または無機塩基および有機塩基による医薬的に許容される付加塩。
【請求項8】
活性成分としての、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物、または本生成物の医薬的に許容される塩もしくは本生成物のプロドラッグの少なくとも1つおよび医薬的に許容される担体を含有する、医薬組成物。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、癌の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、固形または液性腫瘍の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、細胞傷害剤に抵抗性である癌の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、特に胃癌、肝臓癌、腎臓癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、子宮内膜および肺癌(NSCLCおよびSCLC)、神経膠芽腫、甲状腺癌、膀胱癌および乳癌、黒色腫、リンパ性または骨髄性造血器腫瘍、肉腫、脳腫瘍、喉頭癌およびリンパ系癌、骨癌および膵臓癌、ならびに過誤腫における原発性腫瘍および/または転移の処置におけるこれの使用のための式(I)の生成物。
【請求項13】
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、癌化学療法におけるこれの使用のための式(I)の生成物。
【請求項14】
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、癌化学療法におけるこれの単独または併用での使用のための式(I)の生成物。
【請求項15】
AKT(PKB)リン酸化の阻害剤としての、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項16】
新規の産業用生成物としての、請求項4または5で記載のおよび下で想起される式C、D、F、JおよびKの合成中間体であって:
【化4】

式中、R1、R2、R3およびZは、請求項1および2のどちらか一方で指摘される規定を有する、合成中間体。

【公表番号】特表2012−531465(P2012−531465A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518121(P2012−518121)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051376
【国際公開番号】WO2011/001115
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】