説明

新規MCH受容体アンタゴニスト

本発明は、肥満および関連疾患と関連する症状の治療、予防または緩解に有用な式(I):
【化1】


[式中、Ar、Ar、Ar、L、LおよびQは上記定義に従う]
で示されるメラニン凝集ホルモンアンタゴニスト化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、エナンチオマーまたはそのジアステレオマーの混合物に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
Ar1はC1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、ヒドロキシ、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルキルアリール、フェニル、アリール、C3-C8シクロアルキル、C1-C8アルキルシクロアルキル、シアノ、-(CH2)nNR1R2、C1-C8ハロアルキル、ハロ、(CH2)nCOR6、(CH2)nNR5SO2R6、-(CH2)nC(O)NR1R2およびC1-C8アルキル複素環から選択される1〜5個の基で置換されているかもしれない環式基を表す(アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニルおよびアリールは各々独立して、ヒドロキシ、C1-C8アルコキシアルキル、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミノ、カルボキシアミドおよびオキソから選択される1〜3個の基で置換されていてもよい);
L1は結合、または原子数1〜14個の主鎖を有するリンカー、あるいは式:X2-(CR3R4)m-X3[ここでR3およびR4は独立して水素、C1-C8アルキル、C2-C8アルキレン、C2-C8アルキニル、フェニル、アリール、C1-C8アルキルアリール、(CH2)nNR5SO2R6、(CH2)nC(O)R6、(CH2)nCONR1R2または(CH2)nC(O)OR6を表す(アルキル、アルケニル、フェニルおよびアリール基は、場合により、オキソ、ニトロ、シアノ、C1-C8アルキル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、C1-C8アルコキシ、C1-C8ハロアルキル、(CH2)nC(O)R6、(CH2)nCONR1R2および(CH2)nC(O)OR6から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)]を表す;
X2は独立して、-O、-CH、-CHR6、-NR5、S、SOまたはSO2を表す;
X3は独立して、-O、-CH、-CHR6、-NR5、S、SOまたはSO2を表す;
Ar2は6員単環の炭素環式基または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される0、1、2または3個のヘテロ原子を有する複素環式基であるか、またはその位置異性体を表し、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、ヒドロキシ、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルキルアリール、フェニル、アリール、C3-C8シクロアルキル、C1-C8アルキルシクロアルキル、シアノ、C1-C8ハロアルキル、ハロ、(CH2)nC(O)R6、(CH2)nC(O)OR6、(CH2)nNR5SO2R6、(CH2)nC(O)NR1R2およびC1-C8アルキル複素環から選択される1〜3個の置換基で置換されていても良いが、ただし、置換の結果として安定なフラグメントまたは基を生じる;
Ar3は、6員単環式の芳香族または非芳香族の、炭素環または窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を1、2または3個有する複素環を表し、ハロ、-NHR5、C1-C8ハロアルキル、C3-C8シクロアルキル、C1-C8アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、(CH2)nC(O)R6、(CH2)nC(O)OR6、(CH2)nNR5SO2R6、(CH2)nC(O)NR1R2、フェニル、C1-C8アルキルアリールおよびアリールから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいが、ただし、Ar2およびAr3またはその位置異性体は結合により連結されている;
L2は結合または1〜14個の原子数の鎖長の主鎖を有する二価のリンカーあるいは式:X4-(CR3R4)m-X5[ここで、R3およびR4は独立して水素、C1-C8アルキル、C2-C8アルキレン、C2-C8アルキニル、フェニル、アリール、C1-C8アルキルアリール、(CH2)nNR5SO2R6、(CH2)nCR6、(CH2)nCONR1R2または(CH2)nC(O)OR6を表す(アルキル、アルケニル、フェニルおよびアリール基はオキソ、ニトロ、シアノ、C1-C8アルキル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、C1-C8アルコキシ、C1-C8ハロアルキル、(CH2)nC(O)R6、(CH2)nCONR1R2および(CH2)nC(O)OR6から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);
X4は-CH、CHR6、-O、-NR5、-NC(O)-、-NC(S)、-C(O)NR5-、-NR6C(O)NR6、-NR6C(S)NR6、-NRSO2R7および-NR6C(NR5)NR6からなる群から選択される基を表す;
X5は-CH2、-CH、-OCH2CH2、-SO、-SO2、-Sおよび-SCH2からなる群から選択され、ここで基X4-(CR3R4)m-X5は式(1)の化合物の安定性に寄与し、飽和または不飽和鎖またはリンカーであり得る]を表す;
Qは塩基性基または-NR1R2[式中、R1およびR2は独立して水素、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C3-C8シクロアルカン、C1-C8アルキルアリール、-C(O)C1-C8アルキル、-C(O)OC1-C8アルキル、C1-C8アルキルシクロアルカン、(CH2)nC(O)OR5、(CH2)nC(O)R5、(CH2)nC(O)NR1R2および(CH2)nNSO2R5(アルキル、アルケニル、アリールの各々は、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、フェニルおよびアルキルアリールから独立して選択される1〜5個の基で置換されていてもよい)から選択され、R1およびR2はいっしょになって、それらが結合した窒素原子と共に、または窒素原子に隣接した0、1または2個の原子と共に、置換基を有しうる窒素含有複素環を形成し得る]で示される基を表す;
R5は水素、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C5-C8アルキルアリール、(CH2)nNSO2C1-C8アルキル、(CH2)nNSO2フェニル、(CH2)nNSO2アリール、-C(O)C1-C8アルキルまたは-C(O)OC1-C8アルキルを表す;
R6は水素、C1-C8アルキル、フェニル、アリール、C1-C8アルキルアリールおよびC3-C8シクロアルキルから独立して選択される基を表し、ここで、mは0〜4の整数であり、nは0〜3の整数を表す}
で示される化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、エナンチオマー、ジアステレオマーの混合物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項2】
Ar1がシクロヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、フェニル、ピロリジン、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、2-インドール、イソインドール、チオフェン、ベンゾ(b)チオフェニル、ナフチル、ベンゾフラニルおよびベンズチアゾリルからなる群から選択される基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
L1が-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-SCH2-、-OCH2-、-CH2SCH2-、-CH2OCH2-、-OCH2CH2OCH2-、-OCH2CH2SCH2-、-O(CH2)3SCH2-、-OCH(Et)CH2CH2SCH2、-OCH(iPr)CH2CH2SCH2-、-OCH(CH3)CH2CH2SCH2、-O(CH2)3SCH(CH3)-、-O(CH2)2SCH(CF3)-、-OCH2CH(NO2)SCH2-、-OCH(CN)CH2SCH2、OCH2CH2OCH2-、-O(CH2)3OCH2-、-OCH(Et)CH2CH2OCH2、-OCH2CH(NH2)SCH2-、-CH2O(CH2)3CH2O-、-CH2O(CH2)2CH3O-および-(CH2)4SCH2-からなる群から選択されるリンカーを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Ar2がピリダジニル、ピリミジニル、ピラン、ピペリジニル、フェニル、シクロヘキシル、ピリジニルおよびピペラジニルからなる群から選択される6員芳香族基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Ar3がフェニル、ピラン、ピペリジン、ピリジン、ピリダジンおよびピペラジンからなる群から選択される6員芳香族基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Ar3が、フェニルあるいは、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、フェニル、アリール、C1-C8アルキルアリール、(CH2)nC(O)R6、(CH2)nCONR1R2および(CH2)nOR6から選択される1〜3個の置換基で置換されているフェニルから選択される基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Ar2およびAr3が両方フェニルを表し、各々場合により、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、フェニル、アリール、C1-C8アルキルアリール、(CH2)nC(O)R6、(CH2)nCONR1R2および(CH2)nOR6から独立して選択される置換基1〜3個で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
リンカー(L2)が-OCH2CH2-、-O(CH2)3-、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH=CHCH2-、-CH=CHCH2CH2-、-C=CCH2-、-CONHCH2CH2CH2-、-CONHCH2CH2-、-NHCONHCH2CH2-、-NHCONHCH2CH2CH2-、-NHCSNHCH2CH2-、-NHCSNHCH2CH2CH2-、-NHC(CN)NHCH2CH2-、-NHC(CN)NHCH2CH2CH2-、-NHCOCH2CH2-または-NHCOCH2CH2CH2-を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
リンカーL2が-CONHCH2CH2CH2-、-CONHCH2CH2-または-CONHCH2CH2CH2CH2-を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Qに関して、R1およびR2が一緒になってピペリジニル、ピロリジニル、アゼピンまたはアゼチジニルを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R1およびR2が水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、フェニル、2-フルオロフェニル、ベンジルおよびC(O)Meからなる群から独立して選択される基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
L1およびL2の少なくとも1つが3〜8原子分の鎖長を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
L2が1〜8原子分の鎖長を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-3-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド シュウ酸塩、
【化2】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-3-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド シュウ酸塩、
【化3】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-3-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド シュウ酸塩、
【化4】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド シュウ酸塩、
【化5】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド 塩酸塩、
【化6】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド シュウ酸塩、
【化7】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド シュウ酸塩、
【化8】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド、
【化9】

4'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド シュウ酸塩、
【化10】

3'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド 塩酸塩、
【化11】

3'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド、
【化12】

3'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド、
【化13】

3'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-3-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド シュウ酸塩、
【化14】

3'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド、
【化15】

3'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド シュウ酸塩、
【化16】

3'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド シュウ酸塩、
【化17】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド シュウ酸塩、
【化18】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド、
【化19】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド シュウ酸塩、
【化20】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-3-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド シュウ酸塩、
【化21】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-3-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド シュウ酸塩、
【化22】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-3-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド シュウ酸塩、
【化23】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド、
【化24】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (3-ジメチルアミノ-プロピル)-アミド、
【化25】

2'-(2-フェノキシ-エチルスルファニルメチル)-ビフェニル-4-カルボン酸 (4-ジメチルアミノ-ブチル)-アミド、
【化26】

およびその製薬上許容される塩、エナンチオマー、溶媒和物またはプロドラッグからなる群から選択される化合物。
【請求項15】
シュウ酸塩、塩酸塩または重硫酸塩である、請求項1〜14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
肥満の治療を必要とする患者に請求項1〜15のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、肥満の治療方法。
【請求項17】
II型糖尿病の予防を必要とする患者に請求項1〜15のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、II型糖尿病の予防方法。
【請求項18】
メラニン凝集ホルモン遊離の阻害を必要とする患者に請求項1〜15のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、メラニン凝集ホルモン遊離の阻害方法。
【請求項19】
肥満および関連疾患の症状の治療、予防または軽減を必要とする患者に式Iの化合物を治療上有効な量で投与することを含む、治療、予防または軽減方法。
【請求項20】
肥満および関連疾患の治療のための、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物および製薬担体を含有する医薬製剤。
【請求項21】
真性糖尿病、高血糖症、肥満、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、冠状動脈、脳血管動脈および末梢動脈の粥状硬化症、消化性潰瘍、食道炎、胃炎および十二指腸炎(H.pyloriにより引き起こされるものを含む)、腸内潰瘍形成(炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病および直腸炎を含む)ならびに胃腸潰瘍形成、咳を含む気道の神経性炎症、喘息、うつ病、前立腺疾患(例えば、良性前立腺肥大)、過敏性腸症候群ならびに腸運動性の低下を必要とする他の障害を含む胃腸疾患、糖尿病性網膜症、神経因性膀胱機能障害、眼圧の上昇、および緑内障および非特異的下痢ダンピング症候群、を含む肥満および関連疾患の治療のための医薬の製造の際における、式Iに記載の化合物の使用。


【公表番号】特表2006−509801(P2006−509801A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559142(P2004−559142)
【出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/037071
【国際公開番号】WO2004/052848
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
TEFLON
【出願人】(590005922)イーライ・リリー・アンド・カンパニー (15)
【氏名又は名称原語表記】ELI LILLY AND COMPANY
【Fターム(参考)】