説明

新鮮な農産物を保存するための方法

【課題】新鮮な農産物を保存するための方法を提供すること。
【解決手段】新鮮な農産物、特にカットした新鮮な農産物の貯蔵寿命を延長し、その新鮮な農産物、特に新鮮な農産物の曝露された表面のテクスチャー、フレーバー、外観、パリパリ感、および色を、保存する、農産物保存剤で新鮮な農産物を保存する方法が提供される。本方法は、農産物保存剤溶液を提供する工程であって;その保存剤溶液が、水、保存性カチオン;ならびにアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンを含み;ここでアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸および保存性カチオンが、好ましくは0.2:1〜8:1、より好ましくは0.75:1〜8:1、さらにより好ましくは1:1〜4:1、なお一層好ましくは1.5:1〜3:1、最も好ましくは1.1:1〜2.5:1のイオン比で存在する、工程;ならびに上記農産物に、上記農産物保存剤を付与する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の詳細な説明)
(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年8月28日に出願した米国特許仮出願第60/498399号および2003年11月19日に出願した米国特許仮出願第60/523517号の優先権を主張する。それらは全体として本明細書に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
新鮮な農産物は、特に果物および野菜の果実が、例えば農産物の皮剥ぎをすることにより、またはスライスすることにより曝露された場合、早く変質する。その外観、フレーバー、テクスチャーおよびパリパリ感が、早く劣化する。数時間内に、例えばリンゴのような農産物は、褐色に変化し始め、そしてそれらの特徴的なフレーバーを消失する。農産物はそのテクスチャーおよび固さを消失し、農産物は軟らかくなり、そしてその特徴的なパリパリ感を消失する。
【0003】
料理を含む多くの保存方法が、フレーバーおよびテクスチャーを変える;代表的には外観もまた変化する。凍結は、実質的にフレーバーを保存するが、しかしながらテクスチャーおよびパリパリ感は影響を受ける。さらに凍結食品は連続的に貯蔵される必要があり、貯蔵のための冷凍庫が必要である。乾燥は、多くの場合フレーバーを保存するが、テクスチャー、パリパリ感および外観は、実質的に影響を受ける。冷蔵は、パリパリ感、テクスチャーおよびフレーバーを限られた時間保存するが、退色を防止しない。化学保存剤は、多くの場合単独またはこれらの保存方法との組み合わせで使用される;しかしながらそれらは代表的には残留味を残す。
【0004】
1つの方法は、4種の活性成分を使用する;クエン酸のような酸性物質;ポリリン酸ナトリウムのような金属イオン遮蔽剤またはキレート;例えば塩化ナトリウムのような酵素インヒビター;および例えばアスコルビン酸のような抗酸化剤。しかしながら、果物は不快な味を呈しそして農産物は代表的には5日以内に退色する。
【0005】
レモンジュースに存在するクエン酸は、果物で退色を遅延させるために使用されてきている;しかしながら果物は酸っぱい味を呈し、軟らかくそしてねっとりとなり、果物は代表的には数時間内に退色する。
【0006】
アスコルビン酸ナトリウムはまた、果物を保存するために使用されてきている;色の退行が遅延されるが、果実は、はっきり分かる塩味を呈する。
【0007】
他の方法は、多くの場合、果物の表面に被膜を形成する工程を包含する;しかしながらそのような被膜は、食した場合、多くの場合受容不能なゴム感を残す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
農産物、特にカット農産物を、外観、色、テクスチャー、パリパリ感およびフレーバーを保存するが、後味を残さず、また料理する工程、乾燥する工程または凍結する工程を必要としない、保存する方法を有することは望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、新鮮な農産物、特にカットされた新鮮な農産物の貯蔵寿命を延長する農産物保存剤で新鮮な農産物を保存する方法に関する。上記農産物保存剤は、新鮮な農産物、特に新鮮な農産物の曝露された表面の、テクスチャー、フレーバー、外観、パリパリ感および色を保存する。上記方法は:農産物保存剤溶液を提供する工程であって、その溶液は:水;ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、カリウムイオンまたはそれらの混合物からなる群より選択される保存性カチオン;およびアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンを含み;ここで上記アスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンおよび保存性カチオンが好ましくは、0.2:1〜8:1、より好ましくは0.75:1〜8:1、さらにより好ましくは1:1〜4:1、1.5:1〜3:1、最も好ましくは1.1:1〜2.5:1の比で存在する、工程ならびに上記農産物保存剤を、さらにより好ましく農産物に付与する工程を包含する。
【0010】
農産物保存剤溶液は、好ましくは0.02重量%〜飽和溶液、より好ましくは0.02重量%〜30重量%、さらにより好ましくは0.05重量%〜20重量%、さらにより好ましくは0.2重量%〜10重量%、さらにより好ましくは0.5重量%〜8重量%、最も好ましくは0.6重量%〜5重量%の保存性カチオン;および好ましくは0重量%〜40重量%、より好ましくは0.1重量%〜40重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜30重量%、さらにより好ましくは、0.5重量%〜15重量%、最も好ましくは1.0重量%〜5重量%のアスコルビン酸もしくはアスコルビン酸の立体異性体、またはエリソルビン酸を含有する。
【0011】
好ましくは農産物は次いで、農産物が凍結しない温度で貯蔵され;好ましくは農産物は、−6〜室温の間で貯蔵される。本発明はまた、農産物保存剤で保存される新鮮な農産物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態の説明)
(発明の詳細な説明)
本発明は、新鮮な農産物、即ち料理されていない果実および野菜を、新鮮な農産物、特にカットされた新鮮な農産物の貯蔵寿命を延長する新鮮な農産物保存剤で保存する方法に関する。上記農産物保存剤は、果実の、特に木の果実(例えば、アボカドおよびナシ状果(例えばリンゴおよび洋梨))のテクスチャー、フレーバー、外観、パリパリ感、色を保存する。上記保存剤はまた、野菜、特に以下の野菜科;ナス(Solcanaceae)科(例えばジャガイモ、コショウ、ナスおよびトマト);ヒガンバナ(Alliaceae)科(例えばタマネギ);およびアブラナ(Cruciferae)科ともいわれるアブラナ(Brassiaceae)科(例えばキャベツ);ウリ(Cucurbitaceae)科(例えばキュウリ);セリ(Umbelliferae)科ともいわれるセリ(Apiaceae)科(例えばセロリ−);およびキク(Asteraceae)科ともいわれるキク(Compositae)科(例えばレタス)のテクスチャー、フレーバー、外観パリパリ感、色を保存する。農産物保存剤はまた、子嚢菌(Ascomycetes)/担子菌(Basidiomycetes)綱の食用きのこ(例えば食用マッシュルーム)を保存する。他で注記しない限り、用語「野菜」とは、従来の野菜に加えて食用きのこも含む。
【0013】
本方法は、農産物保存剤溶液を提供する工程であって、その溶液は;水;ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、カリウムイオンまたはそれらの混合物のいずれかである保存性カチオン;およびアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンを含み、ここで上記アスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンおよび保存性カチオンが、0.2:1〜8:1、より好ましくは0.5:1〜4:1、より好ましくは1.5:
1〜2.5:1の比で存在する、工程;ならびに上記農産物保存剤を、農産物に付与する工程を包含する。銅イオンは、あまり好ましくない。上記農産物保存剤は、従来の技術を使用して、好ましくはその農産物保存剤で農産物が被覆されるのに十分な時間、付与される。適切な技術は、噴霧する工程、撒布する工程および漬ける工程である。好ましくは、農産物は、その後その農産物が凍結しない温度で貯蔵される;−6℃の温度でリンゴが凍結しないことが分かっている。好ましくは、上記農産物は、−7℃〜室温(20℃)、より好ましくは−2℃〜7℃、最も好ましくは2℃〜5℃の温度で貯蔵される。室温で貯蔵され、農産物保存剤で貯蔵された新鮮な農産物は、色、フレーバー、テクスチャーおよび味を維持する。
【0014】
本方法は、新鮮なカット農産物が退色するのを防止する;時間の長さは農産物保存剤溶液で選択される保存性カチオンに依存する。農産物は、通常いかなる残留味もなしで農産物の鮮度、パリパリ感、テクスチャー、色およびフレーバーを代表的には1週間、ある場合には2週間以上、維持しながら、退色が防止される。保存期間の正確な長さはまた、最初の農産物の品質、農産物の種類および多様性ならびに農産物の成長条件に依存する。本発明の方法は、保存された農産物が標準的な大気圧下および標準的な大気条件下で貯蔵され得るという利点を提供する;即ち本方法は、農産物が、真空下または不活性雰囲気下で貯蔵されることを必要としない。農産物を保存する本方法は、食品が料理されること、乾燥されることまたは凍結されることを必要としていない。本方法は、亜硫酸塩のような保存剤を必要としない利点を提供する。しかしながら、農産物が農産物保存剤で保存された後は、例えば食品またはポプリのような用途には、その農産物は乾燥または凍結乾燥され得る;農産物保存剤は、乾燥された農産物または凍結乾燥された農産物において最終的に起こる退色をさらに遅延する。そのような乾燥または凍結乾燥された農産物が再構築される場合、農産物は、農産物保存剤と一緒に保存されなかった農産物より、退色はより少ない。
【0015】
(農産物保存剤)
農産物保存剤は、好ましくは水、保存性カチオンを含有する溶液である。
【0016】
保存性カチオンの供給源は、保存性カチオン水酸化物、または保存性カチオンの塩またはそれらの混合物である。保存性カチオンの塩は、例えばアスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩、塩化物、炭酸塩、リン酸塩、酸化物、グリセロリン酸塩およびそれらの混合物である。
【0017】
アスコルビン酸イオンの供給源はアスコルビン酸、エリソルビン酸またはアスコルビン酸塩またはエリソルビン酸塩である。好ましくはアスコルビン酸塩またはエリソルビン酸塩は、保存性カチオンおよびアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンの両方の供給源として使用される。
【0018】
水に添加されるとアスコルビン酸は少なくとも部分的にはアスコルビン酸イオンおよび水素イオンに解離する。同様に保存性カチオンの塩は、保存性カチオンおよび対応するアニオンに解離する。例えば、リチウム塩、炭酸リチウムは、リチウムイオンおよび対応する炭酸アニオンに解離する。保存性カチオンおよびアスコルビン酸塩またはエリソルビン酸塩(例えばアスコルビン酸リチウム、エリソルビン酸リチウム)を含有する化合物が用いられる場合、農産物保存剤はまた、乾燥形態で使用され得る。乾燥形態において、農産物保存剤は、好ましくは粉末または顆粒である。好ましくは乾燥形態の保存剤は、少なくとも1%、より好ましくは少なくとも2%、さらにより好ましくは少なくとも4%、最も好ましくは少なくとも5%の農産物保存剤を含有する。
【0019】
上記農産物保存剤中の水を除いた乾燥成分の%は、好ましくは:1%〜100%、より
好ましくは12%〜50%、さらにより好ましくは20%〜40%、最も好ましくは15%〜35%の保存性塩であり;ここでその保存性塩は、アスコルビン酸塩またはエリソルビン酸塩以外の塩であり、好ましくは0.5%〜95%、より好ましくは50%〜85%、さらにより好ましくは60%〜88%、最も好ましくは65%〜75%のアスコルビン酸が存在する。上記塩が、アスコルビン酸塩またはエリソルビン酸塩である場合、アスコルビン酸は必ずしも必要ではなく、かつ好ましくない。上記保存性塩は、保存性カチオンを含有する塩である。
【0020】
上記保存性塩が塩化物である場合、上記農産物保存剤中の水を除いた乾燥成分の%は、好ましくは30%〜95%、より好ましくは60%〜80%、最も好ましくは63%〜67%のアスコルビン酸またはエリソルビン酸で、そして5%〜70%、より好ましくは20%〜35%、最も好ましくは25%〜30%の保存性塩である。
【0021】
保存性カチオン供給源が水酸化物である場合、農産物保存剤における乾燥成分の%は、好ましくは50%〜95%、より好ましくは60%〜92%、最も好ましくは70%〜85%のアスコルビン酸、および5%〜50%、より好ましくは8%〜40%、最も好ましくは15%〜30%の水酸化物である。
【0022】
保存性塩が炭酸塩である場合、農産物保存剤における乾燥成分の%は、好ましくは50%〜95%、より好ましくは55%〜90%、最も好ましくは60%〜85%のアスコルビン酸またはエリソルビン酸、および5%〜50%、より好ましくは10%〜45%、最も好ましくは15%〜40%の保存性塩である。
【0023】
上記農産物保存剤溶液は、好ましくは0.075%〜飽和溶液、より好ましくは0.225%〜12.25%、さらにより好ましくは0.375%〜6%の保存性カチオン塩;および、好ましくは0.2%〜30%、より好ましくは1.0%〜8.5%、より好ましくは2%〜5%のアスコルビン酸もしくはアスコルビン酸の立体異性体またはエリソルビン酸を含有する。
【0024】
上記農産物保存剤溶液は、保存性カチオンに対するアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンのイオン比またはモル比が、好ましくは0.2:1〜8:1、より好ましくは0.75:1〜8:1、さらにより好ましくは1:1〜4:1、なお一層好ましくは1.5:1〜3:1、最も好ましくは1.1:1〜2.5:1を有し;その農産物保存剤を農産物に付与する。
【0025】
上記農産物保存剤溶液の好ましい実施形態は、0.5%〜飽和溶液、好ましくは1.5%〜15%、より好ましくは2.5%〜10%の保存性カチオンアスコルビン酸塩を有する。
【0026】
農産物保存剤溶液のpH範囲は、好ましくは1.7〜10、より好ましくは2〜8、最も好ましくは3〜7.5である。pHは、必要に応じて従来の試薬(例えば、塩酸のような従来の酸または水酸化ナトリウムのような従来の塩基)で調整される。
【0027】
最良の味のために、農産物保存剤は、乾燥成分のうちの塩素濃度が、好ましくは35重量%以下、さらにより好ましくは0.15重量%以下、なお好ましくは0.1重量%以下;最も好ましくは0.01重量%以下である。同様に最良の味のために、農産物保存剤は、乾燥成分のうちのナトリウム濃度が、5重量%以下;より好ましくは1重量%以下;さらにより好ましくは0.5重量%以下、なお好ましくは0.1重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以下である。
【0028】
好ましくは、農産物保存剤は、乾燥成分のうち、クエン酸、クエン酸イオン、酢酸、酢酸イオン、乳酸、乳酸イオン、リンゴ酸、リンゴ酸イオンまたそのような酸の塩または他の酸もしくは酸イオン(アスコルビン酸、アスコルビン酸イオンおよびエリソルビン酸、エリソルビン酸イオンは除く)の濃度が、20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらにより好ましくは5重量%以下、さらにより好ましくは1重量%以下、なお一層好ましくは0.1重量%以下で、最も好ましくは0.01重量%である。クエン酸またはクエン酸塩が用いられる場合、クエン酸より、より多くのアスコルビン酸があることが好ましく、および/またはクエン酸塩より、より多くのアスコルビン酸塩があることが好ましい。
【0029】
再び、最良の味のために、上記農産物保存剤は金属イオン遮蔽剤、特に酸性ポリリン酸金属イオン遮蔽剤、またはキレート濃度が、乾燥成分のうち5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、なお一層好ましくは0.1重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以下である。
【0030】
好ましい上記農産物保存剤は、好ましくは乾燥成分のうちの亜硫酸塩濃度が、5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、まださらにより好ましくは0.1重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以下である。亜硫酸塩としては、例えばメタ硫酸水素ナトリウム、メタ硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸水素カルシウムが挙げられる。
【0031】
上記農産物保存剤は、好ましくは、乾燥成分のうちのフラボノイド、バラの実またはパイナップルジュースが、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、なお一層好ましくは0.1重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以下の濃度を有する。
【0032】
上記農産物保存剤は、乾燥成分のうちのトコフェロール、特にαトコフェロールの濃度が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、なお一層好ましくは0.1重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以下である。
【0033】
農産物保存剤が、カット野菜の口ざわりに悪影響し、かつ野菜に対してワックス様またはツルツルした感触を与える薬剤(例えば、ゲル化剤、被膜形成剤、ワックス、ゴム、多糖(例えばヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロ−ス、結晶セルロース、アルギン酸塩、カラゲナン)、脂質、ペクチン、加工デンプン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、グアールガムおよびトラガカント)がないことが好ましい。上記保存剤溶液は、乾燥成分のうちのそのような薬剤の濃度が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、なお一層好ましくは0.1重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以下である。
【0034】
上記農産物保存剤は、乾燥成分のうち、レシチン、乳化剤、タンパク質または個々のアミノ酸(例えばシステイン、より詳細にはL−システイン)の濃度が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下、なお一層好ましくは0.1重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以下である。
【0035】
特定のカチオン、例えばストロンチウムおよびバリウムは、食されるべき農産物を保存するためには適切でないが、それらはポプリおよびクラフト、特にそのような産物が乾燥されている場合に使用される農産物の保存のためには有用である。
【0036】
(農産物を農産物保存剤で保存する方法)
新鮮な農産物は、好ましくは皮の表面の微生物を、減少させるかまたは除去して最初に消毒される。50〜100ppmの利用可能な塩素を含む次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用すると良好な結果が得られている。農産物は、次いで例えば皮むきをする工程、スライスをする工程、芯を取る工程、サイの目に切る工程、皮剥ぎをする工程またはそれらの組み合わせにより加工される;好ましくは消毒されるかまたは再び洗浄され、その後農産物保存剤が付与される。農産物保存剤は、好ましくは周囲温度で、例えば噴霧する工程、漬ける工程、撒布する工程、トスする工程、浸漬する工程または濡らす工程などの従来の技術により付与される。漬ける工程は、農産物を農産物保存剤の溶液に浸漬する工程を含み、一般的に好ましい。農産物を1〜2分間漬ける工程により良好な結果が得られている。より長い時間漬けることもまた用いられる;15分以上、漬けるとフレーバーに影響し得る。
【0037】
農産物が棚に運ばれたり、展示される場合のように特に数時間内に消費されない場合には、農産物は、その後農産物の乾燥を防いだり、または乾燥を低減させたりするために、好ましくは包装される。しかしながら、農産物がスライスされたり、皮剥ぎされて数時間内に消費される場合には、包装しない方が好ましい。適切な包装としては、例えば2〜4milのポリエチレン袋、ポリスチレンの「クラムシェル」包装、多層ポリオレフィン袋(例えばFood Saver bags Cryovac PD900、またはCryovac Inc.からのCryovac B900袋、カードボードボックス内において、シール無しでポリエチレンバッグを有する容器が挙げられる。
【0038】
好ましくは、農産物は、その農産物が凍結しない温度で貯蔵される;例えば−6℃の温度は、リンゴを凍結しないことが分かっている。好ましくは新鮮な農産物は、好ましくは30℃より下で、より好ましくは25℃より下、さらに好ましくは10℃より下、まださらにより好ましくは5℃より下で微生物の増殖を低減するために貯蔵される。農産物は、約20℃の周囲温度で貯蔵されるが、貯蔵寿命は、20℃より下、好ましくは10℃より下で貯蔵することにより増加する。農産物は好ましくは0℃より上で貯蔵されるのが好ましい。好ましくは農産物は−7℃〜室温、即ち20℃、より好ましくは−2℃〜7℃、最も好ましくは2℃〜5℃で貯蔵される。
【0039】
(保存された農産物の評価)
農産物保存剤で保存された結果として、農産物の色の退色が実質的に減少する。
【0040】
果実の堅固さまたは固さは、プローブが果実の中に所定の距離、果実に貫入するのに必要な力である。堅固さは、Stevens CompanyからのQuality and Test System 25およびTA 40プローブを使用して決定される。TA 40プローブは、ブラックアセテートの4.5mm直径の、平らな末端を有する20mm長ロッドプローブである。以下の設定がQTS系で用いられた:試験の型は、1サイクルの圧縮試験、0秒保持時間、0秒回復時間、5gトリガー点、30mm/分試験速度、標的単位距離、3mmの標的値。リンゴ片は、1cm厚さであった。
【0041】
上記果実のテクスチャー、フレーバーおよび湿潤性を、果実サンプルを味見することにより評価した。色および/または外観はまた、視覚的検査により評価された。色、テクスチャー、湿潤性およびフレーバーは次いで、1〜10のいずれかのスケールにより評価され、ここで値10は比較果実または野菜の新鮮にカットされた小片と割当てられた。7より低い値は受容できない。
【0042】
実施例11a農産物の堅固さは、農産物サンプルを曲げて評価された。外観は視覚的検査により評価された。湿度は、農産物が放出した水の量を測定することにより評価された。
【実施例】
【0043】
(実施例1a)
Red Deliciousリンゴ全体を水道水で濯ぎ、100ppm塩素含有の次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒し、次いで芯を取って、そしてスライスした。そのリンゴのスライスを水に0.5〜2分間浸漬した。ついで、上記リンゴのスライスを、pH5.69の4%アスコルビン酸および1.59%KCOを含有する農産物保存剤溶液に1分間漬けた。そのスライスを溶液から取り出し、1〜2分間、水切りし、ポリエチレン袋でシールし、そして2〜5℃で貯蔵した。コントロールとして、スライスしたリンゴを、処理しないか、または0.66%NaOHでpH4.45に調整した4%アスコルビン酸に漬けた。比較のために、スライスしたリンゴをpH5.58の4%アスコルビン酸および1.22%のNaCOを含有する溶液に漬けた。
【0044】
リンゴを評価し、経時的に0〜10のスケールでスコアをつけた。10のスコアは果実の色および外観が新鮮なカット果実と同じように良好であることを意味する。スコア7は最低限の受容可能な外観である。固さは、QTS25で測定した。結果を、表1に示す。
【0045】
【表1−1】

【0046】
【表1−2】

(実施例2a)
Bartlett洋ナシを実施例1aのように新鮮な農産物保存剤(4%アスコルビン酸および1.59%KCOを含有する保存剤溶液)で保存した。比較のために、洋ナシを4%のアスコルビン酸および1.22%NaCO含有比較溶液で処理した。結果を表2に示す。
【0047】
【表2−1】

【0048】
【表2−2】

(実施例3a)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤
溶液が4%アスコルビン酸および1%LiCOを含有すること以外は、実施例1aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。結果を表3および表4に示す。
【0049】
(実施例3b)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.6%BaClを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0050】
(実施例3c)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.5%SrCl.6HOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0051】
(実施例3d)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が3.5%アスコルビン酸および1%NHClを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0052】
(実施例3e)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が3.5%アスコルビン酸および1.6%CuSOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0053】
(実施例3f)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.5%FeCl.xHOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0054】
(実施例3g)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が3%アスコルビン酸および1.5%FeCl.xHOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0055】
(実施例3h)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が1.8%アスコルビン酸および0.72%FeClを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0056】
(実施例3i)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.75%FeSOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0057】
(実施例3j)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が3%アスコルビン酸および1.25%FeSOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0058】
(実施例3k)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤
溶液が1.8%アスコルビン酸および0.75%FeSOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0059】
(実施例3l)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.9%FeClを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0060】
(実施例3m)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が3%アスコルビン酸および1.4%FeClを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0061】
(実施例3n)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が2%アスコルビン酸および0.95%FeClを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0062】
(実施例3o)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および2.28%MnCl.4HOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0063】
(実施例3p)
Red DeliciousリンゴおよびGranny Smithリンゴを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および0.56%MnCOを含有すること以外は、実施例3aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0064】
【表3−1】

【0065】
【表3−2】

【0066】
【表4】

未処理のGranny SmithリンゴおよびRed Deliciousリンゴの両方は、カット直後に退色し始めた。カット後、5〜30分間で色スコアは、7未満まで低下した。
【0067】
(実施例4a)
Bartlett洋ナシを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1%LiCOを含有すること以外は、実施例1aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。結果を表5に示す。
【0068】
(実施例4b)
Bartlett洋ナシを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.6%BaClを含有すること以外は、実施例4aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0069】
(実施例4c)
Bartlett洋ナシを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.5%SrCl
.6HOを含有すること以外は、実施例4aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0070】
(実施例4d)
Bartlett洋ナシを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.75%FeSOを含有すること以外は、実施例4aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0071】
(実施例4e)
Bartlett洋ナシを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および1.9%FeClを含有すること以外は、実施例4aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0072】
(実施例4f)
Bartlett洋ナシを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および2.28%MnCl.4HOを含有すること以外は、実施例1aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0073】
(実施例4g)
Bartlett洋ナシを、保存剤溶液が4%アスコルビン酸および0.56%MnCOを含有すること以外は、実施例1aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0074】
【表5】

未処理のカットしたBartlett洋ナシの色スコアは、その洋ナシをカットした後4時間以内に7未満まで低下した。
【0075】
(実施例5a)
Hassアボカドを、保存剤溶液が9.3%アスコルビン酸および5.7%MnCl.4HOを含有すること以外は、実施例1aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。結果を表6に示す。
【0076】
(実施例5b)
Hassアボカドを、保存剤溶液が6.2%アスコルビン酸および3.8%MnCl.4HOを含有すること以外は、実施例5aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0077】
(実施例5c)
Hassアボカドを、保存剤溶液が10.2%アスコルビン酸および4.8%FeClを含有すること以外は、実施例5aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0078】
(実施例5d)
Hassアボカドを、保存剤溶液が6.8%アスコルビン酸および3.2%FeClを含有すること以外は、実施例5aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0079】
(実施例5e)
Hassアボカドを、保存剤溶液が8%アスコルビン酸および3.5%FeSOを含有すること以外は、実施例5aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0080】
【表6】

未処理のコントロールHassアボガドは、スライスした直後から退色し始めた。その色スコアは、スライス後1〜2時間以内に7未満に低下した。
【0081】
(実施例6a)
スライスしたHassアボカドを、保存剤溶液が6.5%アスコルビン酸および3.5%塩化カリウムを含有すること以外は、実施例1aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。コントロールとして、7%アスコルビン酸溶液を使用した。結果を表7に示す。
【0082】
(実施例6b)
スライスしたHassアボカドを、保存剤溶液が6.5%アスコルビン酸、3%塩化カリウおよび0.5%塩化カルシウムを含有すること以外は、実施例6aのように新鮮な農
産物保存剤で保存した。
【0083】
(実施例6c)
スライスしたHassアボカドを、保存剤溶液が6.5%アスコルビン酸、1.5%塩化カリウおよび2%塩化カルシウムを含有すること以外は、実施例6aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0084】
(実施例6d)
スライスしたHassアボカドを、保存剤溶液が7%アスコルビン酸、1%塩化カリウおよび2%塩化カルシウムを含有すること以外は、実施例6aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0085】
(実施例6e)
スライスしたHassアボカドを、保存剤溶液が7%アスコルビン酸、2.5%塩化カリウおよび0.5%塩化カルシウムを含有すること以外は、実施例6aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0086】
【表7】

(実施例7a)
Russetジャガイモ全体を水道水で洗浄し汚れを取り除いた。そのジャガイモの皮を剥いて、サイの目に切って、約0.5インチx0.5インチサイズの立方体にした。サイの目に切ったジャガイモを、ついで水道水で濯ぎ、表面のデンプンを除去し、2〜3分間水切りした。その切ったジャガイモを、次いで4.0%のアスコルビン酸および1.43%の塩化マンガンを含有する新鮮な農産物保存剤溶液中に60秒〜120秒間浸漬し、過剰な溶液を、2〜3分水切りした。その処理したジャガイモを3milのポリエチレン袋に包装して、その袋を熱シールし、そして2〜5℃で観察のために貯蔵した。比較のために、ジャガイモを4.0%のアスコルビン酸および0.33%の塩化ナトリウムまたは4.0%アスコルビン酸および0.6%の炭酸ナトリウムを含有する溶液で処理した。結果を表8に示す。
【0087】
(実施例7b)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および1.43%の塩化第一鉄を含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0088】
(実施例7c)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および2.36%の塩化バリウムを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0089】
(実施例7d)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および1.78%塩化ストロンチウムを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0090】
(実施例7e)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および0.84%炭酸ストロンチウムを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0091】
(実施例7f)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および0.48%塩化リチウムを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0092】
(実施例7g)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および0.42%塩化リチウムを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0093】
(実施例7h)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および0.84%塩化カリウムを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0094】
(実施例7i)
スライスしたRussetジャガイモを、保存剤溶液が4.0%アスコルビン酸および1.1%重炭酸カリウムを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0095】
【表8】

(実施例8a)
セロリーを水道水で洗浄し汚れと土を除去し、100〜150ppmの次亜塩素酸ナトリウム水(塩素水)で1分間消毒し、そして過剰の塩素水を2〜3分間水切りした。そのセロリ−を、次いでカットし約3インチ長で0.25〜0.30インチ巾のスティックを作り、100ppmの塩素水で1分間消毒し、その後、2〜3分間で水を切った。上記セロリ−スティックを3.52%のアスコルビン酸および1.97%の塩化マンガン−4HOを含有する保存剤溶液に2〜3分間浸漬した。その処理したセロリ−スティックを2〜3分間水切りし、ポリエチレン袋に包装し、それを熱シールして、そして2〜5℃で貯蔵した。結果を表9に示す。
【0096】
(実施例8b)
スライスしたセロリ−スティックを、保存剤溶液が3.52%のアスコルビン酸および1.26%の塩化第一鉄−6HOを含有すること以外は、実施例8aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0097】
【表9】

(実施例9a)
スライスしたセロリ−スティックを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および1.18%の塩化バリウムを含有すること以外は、実施例8aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。結果を表10に示す。
【0098】
(実施例9b)
スライスしたセロリ−スティックを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および1.51%の塩化ストロンチウム−6HOを含有すること以外は、実施例9aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0099】
(実施例9c)
スライスしたセロリ−スティックを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および0.84%の炭酸ストロンチウムを含有すること以外は、実施例9aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0100】
(実施例9d)
スライスしたセロリ−スティックを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および0.48%の塩化リチウムを含有すること以外は、実施例9aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0101】
(実施例9e)
スライスしたセロリ−スティックを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および0.84%の炭酸リチウムを含有すること以外は、実施例9aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0102】
【表10】

(実施例10a)
ホールマッシュルームを0.25%炭酸ナトリウム溶液で30秒間洗浄して汚れを除去し、次いで約20〜30秒間水切りした。そのマッシュルームを、次いで4.0%のアスコルビン酸および0.63%炭酸リチウムを含有する新鮮な農産物保存剤溶液中に30秒間浸漬した;過剰な溶液を、2〜3分間で水切りした。処理したマッシュルームを、次いで穴の開いたプラスチック容器に移し、ペーパーバッグに入れて2〜5℃で貯蔵した。比較のために、ホールマッシュルームを4.0%のアスコルビン酸および0.8%の炭酸ナトリウムを含有する溶液または4.0%のアスコルビン酸および0.6%の水酸化ナトリウムを含有する溶液で処理した。未処理マッシュルームをコントロールとして使用した。結果を表11に示す。
【0103】
(実施例10b)
ホールマッシュルームを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および1.1%の炭酸ストロンチウムを含有すること以外は、実施例10aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0104】
(実施例10c)
ホールマッシュルームを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および1.0%の炭酸カリウムを含有すること以外は、実施例10aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0105】
(実施例10d)
ホールマッシュルームを、保存剤溶液が4.0%のアスコルビン酸および0.8%の水酸化カリウムを含有すること以外は、実施例10aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0106】
【表11】

(実施例11a)
シミまたは傷みのないBramleyリンゴ全体を水で濯ぎ、100ppmの利用可能な塩素を有する次亜塩素酸ナトリウム溶液で2分間消毒し、その後皮を剥き、芯を取ってスライスした。スライスしたリンゴを、5.12%のアスコルビン酸ストロンチウムを含有する新鮮な農産物保存溶液に約30〜60秒間浸漬した;その新鮮な農産物保存溶液は、4.12%のアスコルビン酸および1.79%のSrCOを含有した。上記リンゴを1分間水切りに入れて水切りした。上記リンゴスライスおよび水切りを、SunSct
Packagingからの500ミクロンプラスチック袋に入れて、4℃で貯蔵し、15日間の期間にわたり数回評価した。プラスチック袋の中で収集された水を、取り出して重量を測定した。
【0107】
比較のために、同様に調製したリンゴスライスを、pH7.2の4.3%アスコルビン酸および1.13%水和MgCO、特に4MgCO.Mg(OH)5HOを含有する溶液もしくはpH7.2の5.0%w/wアスコルビン酸カルシウム2水和物水溶液;または4.12%アスコルビン酸および1.17%炭酸カルシウムの5.3%w/w溶液;またはpH2.3の6%アスコルビン酸を含有する溶液;またはpH1.2の800gの水に48gのアスコルビン酸、48gのクエン酸、16gのCaClおよび48gのNaClを含有する溶液;または6%w/wクエン酸および6%w/wアスコルビン酸を含有する溶液;または4.13%のアスコルビン酸および1.18%のNaCOを有する4.64%のアスコルビン酸ナトリウム溶液のいずれかの数種類の溶液のうちのいずれか1種に入れる。結果を表12に示す。
【0108】
(実施例11b)
Bramleyリンゴを、4.3%のアスコルビン酸および1.62%のKCOを含有する5.02%アスコルビン酸カリウム新鮮な農産物保存溶液に浸漬すること以外は、実施例11aのように、新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0109】
【表12−1】

【0110】
【表12−2】

(実施例12a)
Bramleyリンゴを、保存剤溶液がアスコルビン酸リチウムを含有すること以外は、実施例11aのように新鮮な農産物保存剤で保存した。上記アスコルビン酸リチウム溶液は、800gの水に7.35グラムの炭酸リチウムおよび35グラムのアスコルビン酸を加えて調製した。その保存剤溶液のpHは、5.7であった。
【0111】
比較のために、リンゴスライスを、pH7で42.5グラムのアスコルビン酸カルシウム2水和物および800グラムの水を含有する5.0%w/wアスコルビン酸カルシウム2水和物水溶液;800グラムの水に9.95グラムの炭酸カルシウムおよび35グラムのアスコルビン酸の44.94グラムの混合物を含有する、pH5.5の5.3%w/w
のアスコルビン酸カルシウム溶液;800gの水に48gのアスコルビン酸、48gのクエン酸、16gのCaClおよび48gのNaClを含有するpH1.2の比較溶液;800グラムの水に、28.45グラムの炭酸ナトリウム、35グラムのアスコルビン酸を含有する、pH6.8のアスコルビン酸ナトリウム比較溶液;800グラムの水に、8.75グラムの炭酸カルシウム、35グラムのアスコルビン酸を含有するアスコルビン酸カルシウムの比較溶液;765グラムの水に9.95グラムの炭酸カルシウム、35グラムのアスコルビン酸を含有するアスコルビン酸カルシウム比較溶液;765グラムの水に9.66グラムの水和炭酸マグネシウム4MgCO.Mg(OH)5HO、35グラムのアスコルビン酸を含有する、pH6.4のアスコルビン酸マグネシウム比較溶液;ならびに765グラムの水に35グラムのアスコルビン酸、および12.74グラムの炭酸亜鉛を含有する、pH5.5のアスコルビン酸亜鉛比較溶液の、数種の比較溶液の内の1種に入れる。上記リンゴスライスを、5日目に評価した。結果を表13に示す。
【0112】
(実施例12b)
保存剤溶液が13.74グラムの炭酸カリウム、35グラムのアスコルビン酸、765グラムの水を含有し、pH6.8の、5.2%アスコルビン酸カリウム溶液を提供すること以外は実施例12aのように、Bramleyリンゴを保存した。
【0113】
(実施例12c)
保存剤溶液が14.68グラムの炭酸ストロンチウム、35グラムのアスコルビン酸、765グラムの水を含有し、pH5.3の、5.44%%(w/w)アスコルビン酸ストロンチウム溶液を提供すること以外は実施例12aのように、Bramleyリンゴを保存した。
【0114】
(実施例12d)
保存剤溶液が、3%(w/v)アスコルビン酸バリウムを含有すること以外は、実施例4のように、Bramleyリンゴを保存した。アスコルビン酸バリウム溶液を、765グラムの水に19.62グラムの炭酸バリウムおよび35グラムのアスコルビン酸を添加して調製した。pHは5.8であった。
【0115】
【表13】

(実施例13)
セロリ−を水道水で洗浄し汚れおよび土を除去し、100〜150ppmの次亜塩素酸ナトリウム水(塩素水)で1分間消毒し、そして過剰の塩素水を2〜3分間水切りした。上記セロリ−を、次いでカットし約3インチ長で0.25〜0.30インチ巾のスティックを作り、100ppmの塩素水で1分間消毒し、その後、2〜3分間で水を切った。次いで、上記セロリ−スティックを4%のアスコルビン酸および1.0%の塩化カリウムを含有する保存剤溶液に2〜3分間浸漬した。その処理したセロリ−スティックを2〜3分間水を切りポリエチレン袋に包装し、それを熱シールして、そして2〜5℃で貯蔵した。比較のためにセロリ−スティックを、4%アスコルビン酸および1.0%塩化ナトリウムまたは4%のアスコルビン酸および1%塩化カルシウムのいずれかを含有する溶液で処理をした。結果を表14に示す。
【0116】
【表14】

(実施例14a)
Red Deliciousリンゴ全体を水道水で濯ぎ、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒し、芯を取ってスライスした。そのリンゴのスライスを水に1/2〜2分間浸漬した。上記リンゴのスライスを、1分間、3%のアスコルビン酸および0.8%のNHClの溶液に漬けた。比較のために、未処理のスライスを、3%アスコルビン酸または2%アスコルビン酸で処理したリンゴスライスと同様に使用した。そのリンゴを取り出し、1〜2分間水切りをし、2milポリエチレン袋の中にシールして2〜5℃で貯蔵した。結果を、表15に示す。
【0117】
(実施例14b)
上記保存剤溶液が、2、0%のアスコルビン酸および0.8%のNHClを含有すること以外は、実施例14aのようにRed Deliciousリンゴを、上記新鮮な農産物保存剤で、保存した。
【0118】
(実施例14c)
上記保存剤溶液が、3.0%のアスコルビン酸および0.5%の(NHCOを含有すること以外は、実施例14aのようにRed Deliciousリンゴを、上記新鮮な農産物保存剤で、保存した。
【0119】
(実施例14d)
上記保存剤溶液が、2.0%のアスコルビン酸および0.5%の(NHCOを含有すること以外は、実施例14aのようにRed Deliciousリンゴを、上記新鮮な農産物保存剤で、保存した。
【0120】
【表15】

(実施例15a)
上記保存剤溶液が、3.0%のアスコルビン酸および0.8%のCuSOを含有すること以外は、実施例14aのようにRed Deliciousリンゴを、上記新鮮な農産物保存剤で、保存した。結果を表16に示す。
【0121】
(実施例15b)
上記保存剤溶液が、2.0%のアスコルビン酸および0.8%のNHClを含有すること以外は、実施例15aのようにRed Deliciousリンゴを、上記新鮮な農産物保存剤で、保存した。
【0122】
【表16】

(実施例16a)
上記保存剤溶液が、4.0%のアスコルビン酸および2.74%のAlCl 6H
Oを含有すること以外は、実施例7aのように新鮮なスライスしたRussetジャガイモを、上記新鮮な農産物保存剤で保存した。比較のために未処理のスライスを使用した。結果を表17に示す。
【0123】
(実施例16b)
上記保存剤溶液が、4.0%のアスコルビン酸および1.82%のAlCl 6HOを含有すること以外は、実施例16aのように新鮮なスライスしたRussetジャガイモを、上記新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0124】
(実施例16c)
上記保存剤溶液が、4.0%のアスコルビン酸および3.43%のAlNH(SO 12HOを含有すること以外は、実施例16aのように新鮮なスライスしたRussetジャガイモを、上記新鮮な農産物保存剤で保存した。
【0125】
【表17】

【産業上の利用可能性】
【0126】
例えば、本発明は以下を提供する:
(項目1)
新鮮な農産物を保存するための方法であって、
a.新鮮な農産物保存剤溶液を提供する工程であって、該溶液は、
ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオン、鉄イオン、マンガンイオンまたはそれらの混合物からなる群より選択される保存性カチオン;および
アスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンからなる群より選択される保存性アニオン;および
水を含み、
ここで、該保存性アニオンイオンと該保存性カチオンが、0.2:1〜8:1のイオン比率で存在する工程;ならびに
b.該農産物保存剤を、該農産物に付与する工程
を包含する、方法。
(項目2)
前記保存剤溶液が、1%未満のナトリウムイオンおよび1%未満のカリウムイオンを有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記保存剤溶液が、0.5%未満のクエン酸またはクエン酸イオンおよび0.5%未満のリンゴ酸またはリンゴ酸イオンを有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記保存性カチオンが、鉄イオンであって、前記保存性アニオンがおよび鉄イオンが0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目5)
前記保存性カチオンがマンガンイオンであって、前記保存性アニオンとマンガンイオンとが、0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目6)
前記保存性カチオンがアルミニウムイオンであって、前記保存性アニオンとアルミニウムイオンとが、0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目7)
前記保存性カチオンが銅イオンであって、前記保存性アニオンと銅イオンとが、0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目8)
前記保存性カチオンがアンモニウムイオンであって、前記保存性アニオンと保存性カチオンとが、0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目9)
前記保存性カチオンがリチウムイオンであって、前記保存性アニオンと保存性カチオンとが、0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目10)
項目1、2、または3に記載の方法であって、前記保存剤溶液が、
0.1%〜30%の前記保存性カチオン;
0.1%〜40%の前記保存性アニオン;を含み、ここで、該保存性アニオンおよび該保存性カチオンが、1:1〜4:1のモル比で存在する、
方法。
(項目11)
前記保存剤が、5%未満のフィルム形成剤、乳酸およびシステインを有する、項目1、2、または3に記載の方法。
(項目12)
項目1、2、または3に記載の方法であって、前記保存剤溶液が、
0.1%〜10%の保存性カチオン;
0.5%〜15%の保存性アニオン;を含み、ここで、該保存性アニオンおよび該保存性カチオンが、1.5:1〜3:1のモル比で存在し、
前記農産物が、ナス科、ヒガンバナ科、アブラナ科、ウリ科、子嚢菌/担子菌綱または木の果物である、
方法。
(項目13)
項目1、2、または3に記載の方法であって、前記保存剤溶液が、0.2%〜3%の保存性カチオンおよび1%〜5%の保存性アニオンを含み;
前記農産物が、コショウ、タマネギ、トマト、キュウリ、マッシュルーム、セロリ−、ジャガイモ、レタス、リンゴ、洋ナシ、アボガドおよびそれらの混合物からなる群より選択され;
該農産物がカットされ;そして
該カット農産物が、工程bの後で凍結されたり、乾燥されたり、料理されたりまたは缶詰にされたりはしない、方法。
(項目14)
項目1、2、または3に記載の方法により保存された野菜のカット果実。
(項目15)
新鮮な農産物を保存するための方法であって、
a.農産物保存剤溶液を提供する工程であって、該溶液は、本質的に
ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオン、鉄イオン、マンガンイオンまたはそれらの混合物からなる群より選択される保存性カチオン;およびそれらの混合物;ならびにアスコルビン酸イオン;エリソルビン酸イオン;およびそれらの混合物からなる群より選択される保存性アニオン;ならびに水からなり、
ここで該保存性アニオンと該保存性カチオンとが0.2:1〜8:1のモル比で存在する、工程;
b.該農産物保存剤を、該農産物に付与する工程を包含する、方法。
(項目16)
前記保存性アニオンおよび前記保存性カチオンが、0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目15に記載の方法。
(項目17)
項目15に記載の方法であって、前記保存剤溶液が、
0.1%〜15%の保存性カチオン;および
0.1%〜30%の保存性アニオンを含み;ここで該保存性アニオンおよび保存性カチオンが、1:1〜4:1のモル比で存在する、
方法。
(項目18)
項目15に記載の方法であって、前記保存剤溶液が、0.1%〜10%の保存性カチオン、および0.5%〜15%の保存性アニオンを含み;ここで、該保存性アニオンおよび該保存性カチオンが、1.5:1〜3:1のモル比で存在し、前記農産物が、ナス科、彼岸バナ科、アブラナ科、ウリ科、子嚢菌/担子菌綱または木の果物の成員であり、前記カット農産物は、工程bの後に凍結されず、料理されず、缶詰にもされない、方法。
(項目19)
新鮮な農産物を保存するための方法であって、
a.新鮮な農産物保存剤溶液を提供する工程であり、該溶液は、
カリウムイオンおよび
アスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンからなる群より選択される保存性アニオン;ならびに
水;を含み
ここで該保存性アニオンおよびカリウムイオンは0.2:1〜8:1のイオン比で存在する、工程;ならびに
b.該農産物保存剤を該農産物に付与する工程を包含する、方法。
(項目20)
新鮮な農産物を保存するための方法であって、
a.新鮮な農産物保存剤溶液を提供する工程であり、該溶液は、
カリウムイオンおよび
アスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンからなる群より選択される保存性アニオン;ならびに
水;を含み
ここで該保存性アニオンおよびカリウムイオンは0.2:1〜8:1のイオン比で存在する、工程;ならびに
b.該農産物保存剤を該農産物に付与する工程を包含する、方法。
(項目21)
前記保存剤溶液が1%未満のナトリウムイオンを有する、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記保存剤溶液が、0.5%未満のクエン酸またはクエン酸イオンおよび0.5%未満のリンゴ酸およびリンゴ酸イオンを有する、項目19に記載の方法。
(項目23)
前記保存性アニオンおよびカリウムイオンが、0.75:1〜8:1のモル比で存在する、項目19に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
残留味を残さず、果実のテクスチャー、フレーバー、外観、パリパリ感および色を保存するための方法であって、
該果実に、保存剤水溶液を付与する工程であって、該水溶液は、
水、
ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオン、鉄イオン、マンガンイオンおよびそれらの混合物からなる群より選択される保存性カチオン;および
アスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオン
を含み、
ここで、該保存剤水溶液は、該果実が褐色化するのを少なくとも1週間にわたって防止するのに充分な保存性カチオンとアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンを含み、
該保存剤水溶液中のアスコルビン酸イオンもしくはエリソルビン酸イオンまたはそれらの混合物の、保存性カチオンに対するイオン比率が、0.2:1〜8:1であり、
該保存剤水溶液の塩素イオン濃度は0.1重量%以下であり、
該保存剤水溶液のナトリウムイオン濃度は1重量%以下であり、
該保存剤水溶液のカリウムイオン濃度は1重量%以下であり、
該保存剤水溶液中のアスコルビン酸イオンおよびエリソルビン酸イオン以外の酸アニオンの濃度は1重量%以下であり、
該保存剤水溶液は、該保存剤水溶液中の乾燥成分の重量に基づいて0.5重量%以下の金属イオン遮蔽剤を含み、および
該保存剤水溶液中の被膜形成剤の濃度は、5重量%以下である、工程;ならびに
その後、該果実を標準的な大気圧下および標準的な大気条件下に貯蔵することにより、残留味のない保存された果実を得る工程
を包含し、ここで、該保存性カチオンがアンモニウムイオンである場合、該保存剤水溶液中の被膜形成剤の濃度は、0.1重量%以下でかつ0.01重量%以下ではなく;
該保存性カチオンがストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マンガンイオン、およびそれらの混合物から選択される場合、該保存剤水溶液中の被膜形成剤の濃度は、0.01重量%以下ではない、方法。
【請求項2】
前記保存性カチオンが、ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マンガンイオンおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保存剤水溶液中のアスコルビン酸イオンもしくはエリソルビン酸イオンまたはそれらの混合物の、保存性カチオンに対するイオン比率が、1.5:1〜2.5:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
残留味を残さず、果実のテクスチャー、フレーバー、外観、パリパリ感および色を保存するための組成物であって、
保存剤水溶液を含み、該水溶液は、
水、
ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオン、鉄イオン、マンガンイオンおよびそれらの混合物からなる群より選択される保存性カチオン;および
アスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオン
を含み、
ここで、該保存剤水溶液は、該果実が褐色化するのを少なくとも1週間にわたって防止するのに充分な保存性カチオンとアスコルビン酸イオンまたはエリソルビン酸イオンを含み、
該保存剤水溶液中のアスコルビン酸イオンもしくはエリソルビン酸イオンまたはそれらの混合物の、保存性カチオンに対するイオン比率が、0.2:1〜8:1であり、
該保存剤水溶液の塩素イオン濃度は0.1重量%以下であり、
該保存剤水溶液のナトリウムイオン濃度は1重量%以下であり、
該保存剤水溶液のカリウムイオン濃度は1重量%以下であり、
該保存剤水溶液中のアスコルビン酸イオンおよびエリソルビン酸イオン以外の酸アニオンの濃度は1重量%以下であり、
該保存剤水溶液は、該保存剤水溶液中の乾燥成分の重量に基づいて0.5重量%以下の金属イオン遮蔽剤を含み、および
該保存剤水溶液中の被膜形成剤の濃度は、5重量%以下であり、
該果実に該組成物を付与した後に、該果実は、標準的な大気圧下および標準的な大気条件下に貯蔵されることにより、残留味のない保存された果実が得られることを特徴とし、ここで、該保存性カチオンがアンモニウムイオンである場合、該保存剤水溶液中の被膜形成剤の濃度は、0.1重量%以下でかつ0.01重量%以下ではなく;
該保存性カチオンがストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マンガンイオン、およびそれらの混合物から選択される場合、該保存剤水溶液中の被膜形成剤の濃度は、0.01重量%以下ではない、組成物。
【請求項5】
前記保存性カチオンが、ストロンチウムイオン、リチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マンガンイオンおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記保存剤水溶液中のアスコルビン酸イオンもしくはエリソルビン酸イオンまたはそれらの混合物の、保存性カチオンに対するイオン比率が、1.5:1〜2.5:1である、請求項4に記載の組成物。

【公開番号】特開2011−83294(P2011−83294A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−19283(P2011−19283)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【分割の表示】特願2006−524828(P2006−524828)の分割
【原出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(500058327)マントローズ−ハウザー カンパニー インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】