説明

方位表示装置、方位表示方法およびプログラム

【課題】周囲の環境の影響を受けることなく、方位を正しくユーザに示す。
【解決手段】方位表示装置であって、表示部と、被写体を撮影する撮影部と、当該方位表示装置が存在する位置を測定する位置測定部と、位置測定部にて測定された位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、撮影部にて撮影された撮影画像中の地形とに基づき、撮影の方向の方位を特定する方位特定部と、方位特定部にて特定された方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて表示部に表示させる制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方位を表示する方位表示装置、方位表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される携帯端末の小型軽量化に伴い、多くの人が携帯端末を常時携帯するようになってきている。
【0003】
そのため、例えば見知らぬ場所等において道に迷ったりすることを回避するために、携帯端末を方位磁針のようにして利用したいというニーズがある。実際に携帯端末には、地磁気センサを実装することで方位を測定し、測定した方位を表示する機能を有しているものもある。
【0004】
なお、見知らぬ場所等において道に迷ったりすることを回避するための技術が例えば、特許文献1に開示されえいる。
【0005】
特許文献1に開示されている技術において携帯通信端末は、対象物の名称などの関連情報を取得して、撮影している画像情報における観測方向に存在する対象物に名称を表示する。
【0006】
しかし、特許文献1に開示された技術を利用した場合、例えば目的とする対象物が撮影した画像中に含まれていない場合には、その対象物の名称が表示されないことになる。従って、見知らぬ場所等においてユーザに示される情報としては方位の方がより普遍性が高いといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−124185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、携帯端末において方位を測定するためには、地磁気センサを用いることがあるが、地磁気センサは周囲の環境の影響を受けやすい。例えば、鉄骨の建物の中や、金属物が近くを動くような環境(例えば道路の近傍)では、方位を正しく測定することができないことがある。つまり、周囲の環境によっては、正しい方位をユーザに示すことができなくなってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、周囲の環境の影響を受けることなく、正しい方位をユーザに示すことを可能にする方位表示装置、方位表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の方位表示装置は、
表示部と、
被写体を撮影する撮影部と、
当該方位表示装置が存在する位置を測定する位置測定部と、
前記位置測定部にて測定された位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、前記撮影部にて撮影された撮影画像中の地形とに基づき、前記撮影の方向の方位を特定する方位特定部と、
前記方位特定部にて特定された方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる制御部と、を有する。
【0011】
また、上記目的を達成するために本発明の方位表示方法は、表示部を有する方位表示装置における方位表示方法であって、
当該方位表示装置が存在する位置を測定する処理と、
被写体を撮影する処理と、
前記測定した位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、前記撮影した撮影画像中の地形とに基づき、前記撮影の方向の方位を特定する特定処理と、
前記特定した方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる処理と、を有する。
【0012】
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、表示部を有する方位表示装置に、
当該方位表示装置が存在する位置を測定する機能と、
被写体を撮影する機能と、
前記測定した位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、前記撮影した撮影画像中の地形とに基づき、前記撮影の方向の方位を特定する特定機能と、
前記特定した方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上説明したように構成されているので、周囲の環境の影響を受けることなく、正しい方位をユーザに示すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の方位表示装置を適用した携帯端末の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した携帯端末の外観の一例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図3】図1に示した方位特定部が生成する全方位輪郭データの一例を説明するための図である。
【図4】図1に示した方位特定部が生成する撮影画像輪郭データの一例を説明するための図であり、(a)は撮影画像の一例を示す図、(b)は(a)に示した撮影画像を示す撮影画像データから生成された撮影画像輪郭データを説明するための図である。
【図5】図1に示した方位特定部が撮影画像角度を決定する動作を説明するための図である。
【図6】図1に示した制御部が方位画像を生成する動作を説明するための図であり、(a)は方位画像を生成する際の基準となる基準方位画像を示す図、(b)は撮影画像に重畳されて表示部に表示された方位画像の一例を示す図である。
【図7】図1〜図6に示した携帯端末において撮影の方向の方位を表示する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の方位表示装置を適用した携帯端末の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の方位表示装置を適用した携帯端末の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1に示した携帯端末10の外観の一例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0017】
本実施形態の携帯端末10は図1に示すように、表示部11と、位置測定部12と、撮影部13と、方位特定部14と、記憶部15と、入力部16と、制御部17とを備えている。
【0018】
表示部11は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を備えており、図2に示すように携帯端末10の筺体の正面に設けられている。表示部11は、制御部17からの指示に従い、撮影部13にて撮影された撮影画像等の画像を表示する。
【0019】
撮影部13は、図2に示すように携帯端末10の筺体の背面に設けられている。撮影部13は、制御部17からの指示に従い被写体を撮影する。
【0020】
位置測定部12は、例えばGPS(Global Positioning System)信号を受信することで携帯端末10が存在する位置の緯度と経度とを測定する。そして、位置測定部12は、測定した緯度を示す緯度情報と、測定した経度を示す経度情報とを生成する。なお、位置測定部12は、携帯端末10が存在する位置に応じ、緯度情報および経度情報を随時更新している。
【0021】
記憶部15は、地図を示す地図データに高さの情報を加えることで地形を示した地形データを記憶している。なお、地形データが示す地形には、山や丘等の自然の地形だけではなく、ビルや橋等の人工的な地形も含まれる。また、ここでは、地形データが示す地形は、緯度と経度とでその位置が特定される。
【0022】
入力部16は、各種指示や選択等の入力を携帯端末10のユーザ(以降、ユーザという)から受け付け、受け付けた指示を示す情報や選択された内容を示す情報を制御部17等へ出力する。具体的には、入力部16は、撮影部13における撮影の方向の方位を表示部11に表示させるための方位表示指示をユーザから受け付ける。そして、入力部16は、方位表示指示が受け付けられたことを示す方位表示指示情報を制御部17および方位特定部14へ出力する。なお、入力部16には例えば、文字等を入力するためのキーボードや上下左右ボタン等が含まれる。また、入力部16は、表示部11に積層されたタッチパネルを備え、表示部11に表示されたアイコン等が押下されることで各種指示や選択等の入力が受け付けられるものでもよい。
【0023】
方位特定部14は、入力部16から出力された方位表示指示情報を受け付けると、緯度情報および経度情報を位置測定部12から取得する。次に、方位特定部14は、取得した緯度情報が示す緯度と、経度情報が示す経度とから特定される位置を中心とした周囲360度の地形を表すデータを、記憶部15に記憶された地形データの中から全方位地形データとして取得する。そして、方位特定部14は、取得した全方位地形データから全方位輪郭データを生成する。
【0024】
図3は、図1に示した方位特定部14が生成する全方位輪郭データの一例を説明するための図である。
【0025】
全方位輪郭データは、取得した緯度情報が示す緯度と、経度情報が示す経度とから特定される位置を中心とした円である方位円101上に、その位置を中心とした周囲360度の地形の輪郭だけを示したデータである。図3において全方位輪郭データが示す輪郭は、太い破線にて示している。
【0026】
なお、図3において、取得した緯度情報が示す緯度と、経度情報が示す経度とから特定される位置は中心102として示している。また、方位は図3に示すように、真北の方位を0度とした角度で表されている。
【0027】
また、方位特定部14は、撮影部13から出力され、撮影部13にて撮影された撮影画像を示す撮影画像データを受け付ける。そして、方位特定部14は、受け付けた撮影画像データから撮影画像輪郭データを生成する。
【0028】
図4は、図1に示した方位特定部14が生成する撮影画像輪郭データの一例を説明するための図であり、(a)は撮影画像の一例を示す図、(b)は(a)に示した撮影画像を示す撮影画像データから生成された撮影画像輪郭データを説明するための図である。
【0029】
撮影画像輪郭データは、撮影画像データが示す撮影画像中の地形の輪郭だけを示したデータである。図4(a)に示した撮影画像を示す撮影画像データから生成された撮影画像輪郭データを、図4(b)において太い実線で示している。
【0030】
なお、撮影画像データから撮影画像輪郭データを生成する方法としては例えば、撮影画像データが示す撮影画像において濃度の変化が大きな部分を輪郭として認識する方法がある。
【0031】
次に、方位特定部14は、生成した全方位輪郭データが示す輪郭のうち、生成した撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致した部分の位置から、撮影部13における撮影の方向の方位を特定する。具体的には、方位特定部14は、生成した全方位輪郭データが示す輪郭のうち、生成した撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致した部分の位置から、真北の方位に対する撮影画像の角度を撮影画像角度として決定する。そして、方位特定部14は、決定した撮影画像角度を示す撮影画像角度情報を制御部17へ出力する。
【0032】
図5は、図1に示した方位特定部14が撮影画像角度を決定する動作を説明するための図である。なお、図5では、図3に示したのと同じ全方位輪郭データを示している。
【0033】
図5において太い破線で示した全方位輪郭データが示す輪郭のうち、太い実線で示した部分が、撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致した部分であるとする。
【0034】
まず、方位特定部14は、撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致した部分の中央となる中央点を決定する。図5においては、決定した中央点を中央点103として示している。次に、方位特定部14は、中央点103から鉛直方向に引いた直線と方位円101との交点を決定する。図5においては、決定した交点を交点104として示している。
【0035】
そして、方位特定部14は、方位円101において真北の方位に対する中心102から交点104への角度を撮影画像角度として決定する。図5においては、決定した角度をθで示している。なお、撮影画像角度は例えば、0度〜359度まで1度刻みであるものとし、負の値になることはないものとする。
【0036】
再度、図1を参照すると、制御部17は、携帯端末10の各部の動作を制御するための機能を備えている。具体的には、制御部17は、入力部16から出力された方位表示指示情報を受け付けると、撮影部13に被写体の撮影を開始させるとともに、撮影部13にて撮影された撮影画像を表示部11に表示させる。また、制御部17は、撮影部13にて撮影された撮影画像を示す撮影画像データを方位特定部14に出力させる。そして、制御部17は、方位特定部14から出力された撮影画像角度情報を受け付けると、受け付けた撮影画像角度情報が示す角度に基づいて方位画像を生成する。方位画像は、撮影部13における撮影の方向の方位をユーザに認識させることが可能な画像である。そして、制御部17は、生成した方位画像を撮影画像に重畳させて表示部11に表示させる。
【0037】
図6は、図1に示した制御部17が方位画像を生成する動作を説明するための図であり、(a)は方位画像を生成する際の基準となる基準方位画像を示す図、(b)は撮影画像に重畳されて表示部11に表示された方位画像の一例を示す図である。
【0038】
制御部17は、方位特定部14から出力された撮影画像角度情報を受け付けると、基準方位画像を生成する。基準方位画像は図6(a)に示すように、円筒形を表す画像であり、その円筒形の上面を構成する円上に、方位を示す文字(北、南、西、東)が描かれている。基準方位画像では、図中上方向に北の文字が描かれている。
【0039】
次に、制御部17は、基準方位画像中に描かれた方位を示す文字を、受け付けた撮影画像角度情報が示す角度だけ、円筒形の上面を構成する円の円周方向で反時計回りに回転させることで方位画像を生成する。
【0040】
図6(a)に示した基準方位画像と、図6(b)に示した方位画像51とを比較すると、方位を示す文字の位置が異なっていることがわかる。
【0041】
以下に、上記のように構成された携帯端末10において方位を表示する際の動作について説明する。
【0042】
図7は、図1〜図6に示した携帯端末10において撮影の方向の方位を表示する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0043】
まず、入力部16は、方位表示指示をユーザから受け付ける(ステップS1)。
【0044】
ユーザからの方位表示指示を受け付けた入力部16は、方位表示指示情報を制御部17および方位特定部14へ出力する。
【0045】
入力部16から出力された方位表示指示情報を受け付けた制御部17は、撮影部13に被写体の撮影を開始させるとともに、撮影部13にて撮影された撮影画像を表示部11に表示させる(ステップS2)。
【0046】
また、制御部17は、撮影部13にて撮影された撮影画像を示す撮影画像データを方位特定部14へ出力させる。
【0047】
入力部16から出力された方位表示指示情報を受け付けた方位特定部14は、緯度情報および経度情報を位置測定部12から取得する。
【0048】
次に、方位特定部14は、取得した緯度情報が示す緯度と、経度情報が示す経度とから特定される位置を中心とした周囲360度の地形を表すデータを、記憶部15に記憶された地形データの中から全方位地形データとして取得する(ステップS3)。
【0049】
次に、方位特定部14は、取得した全方位地形データから全方位輪郭データを生成する(ステップS4)。
【0050】
また、方位特定部14は、撮影部13から出力された撮影画像データを受け付ける。
【0051】
次に、方位特定部14は、受け付けた撮影画像データから撮影画像輪郭データを生成する(ステップS5)。
【0052】
次に、方位特定部14は、生成した全方位輪郭データが示す輪郭のうち、生成した撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致した部分の位置から撮影画像角度を決定する(ステップS6)。
【0053】
そして、方位特定部14は、決定した撮影画像角度を示す撮影画像角度情報を制御部17へ出力する。
【0054】
方位特定部14から出力された撮影画像角度情報を受け付けた制御部17は、受け付けた撮影画像角度情報が示す角度に基づいて方位画像を生成する(ステップS7)。
【0055】
そして、制御部17は、生成した方位画像を撮影画像に重畳させて表示部11に表示させる(ステップS8)。
【0056】
このように本実施形態において携帯端末10は、表示部11と、被写体を撮影する撮影部13と、携帯端末10が存在する位置を測定する位置測定部12とを有する。
【0057】
また、携帯端末10は、位置測定部12にて測定された位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、撮影部13にて撮影された撮影画像中の地形とに基づき、撮影の方向の方位を特定する方位特定部14を有する。
【0058】
また、携帯端末10は、方位特定部14にて特定された方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて表示部11に表示させる制御部17を有する。
【0059】
これにより、方位を測定するために地磁気センサを用いる必要がない。従って、周囲の環境の影響を受けることなく、正しい方位をユーザに示すことが可能となる。
【0060】
なお、本実施形態では、携帯端末10が備える記憶部15において地形データを記憶している場合について説明した。これ以外にも例えば、携帯端末の外部に接続されるハードディスクや、携帯端末と通信回線にて接続されるサーバに地形データを記憶させるようにしてもよい。
【0061】
例えば、携帯端末と通信回線にて接続されるサーバに地形データを記憶させた場合、全方位輪郭データを生成するまでの動作は以下のようになる。
【0062】
まず、携帯端末は、緯度情報および経度情報を、地形データを記憶しているサーバへ送信する。
【0063】
次に、緯度情報および経度情報を受信したサーバは、受信した緯度情報が示す緯度と、経度情報が示す経度とから特定される位置を中心とした周囲360度の地形を表すデータを、全方位地形データとして地形データの中から抽出する。
【0064】
次に、サーバは、抽出した全方位地形データを携帯端末へ送信する。
【0065】
そして、サーバから送信された全方位地形データを受信した携帯端末は、受信した全方位地形データから全方位輪郭データを生成する。以降の携帯端末の動作は、上述した携帯端末10における動作と同様である。
【0066】
なお、この場合、地形データを記憶しているサーバが、抽出した全方位地形データから全方位輪郭データを生成し、生成した全方位輪郭データを携帯端末へ送信するようにしてもよい。
【0067】
また、本実施形態において位置測定部12は、GPS信号を受信することで携帯端末10が存在する位置を測定したが、携帯端末10が存在する位置を測定する方法は、GPS信号を用いた方法に限定されない。例えば、携帯端末が移動体通信網の基地局からの電波を受信することができる場合、その電波にて送信される情報を用いることで、携帯端末10が存在する位置を測定することもできる。
【0068】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の方位表示装置を適用した携帯端末の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図8において、図1に示したものと同一の構成のものには同一の符号を付してある。
【0069】
本実施形態において携帯端末20は、表示部11と、被写体を撮影する撮影部13と、携帯端末10が存在する位置を測定する位置測定部12とを有する。
【0070】
また、携帯端末10は、位置測定部12にて測定された位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、撮影部13にて撮影された撮影画像中の地形とに基づき、撮影の方向の方位を特定する方位特定部14を有する。
【0071】
また、携帯端末10は、方位特定部14にて特定された方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて表示部11に表示させる制御部17を有する。
【0072】
これにより、方位を測定するために地磁気センサを用いる必要がない。従って、周囲の環境の影響を受けることなく、正しい方位をユーザに示すことが可能となる。
【0073】
なお、本発明においては、方位表示装置内の処理は上述の専用のハードウェアで実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを方位表示装置にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを方位表示装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。方位表示装置にて読取可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、方位表示装置に内蔵されたHDDなどを指す。
【符号の説明】
【0074】
10,20 携帯端末
11 表示部
12 位置測定部
13 撮影部
14 方位特定部
15 記憶部
16 入力部
17 制御部
51 方位画像
101 方位円
102 中心
103 中央点
104 交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方位表示装置であって、
表示部と、
被写体を撮影する撮影部と、
当該方位表示装置が存在する位置を測定する位置測定部と、
前記位置測定部にて測定された位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、前記撮影部にて撮影された撮影画像中の地形とに基づき、前記撮影の方向の方位を特定する方位特定部と、
前記方位特定部にて特定された方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる制御部と、を有する方位表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の方位表示装置において、
前記方位特定部は、前記全方位地形データから、該全方位地形データによる地形の輪郭を示す全方位輪郭データを生成し、前記撮影部にて撮影された撮影画像を示す撮影画像データから、当該撮影画像中の地形の輪郭を示す撮影画像輪郭データを生成し、前記生成した全方位輪郭データが示す輪郭のうち、前記生成した撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致する部分の位置から前記撮影の方向の方位を特定する方位表示装置。
【請求項3】
表示部を有する方位表示装置における方位表示方法であって、
当該方位表示装置が存在する位置を測定する処理と、
被写体を撮影する処理と、
前記測定した位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、前記撮影した撮影画像中の地形とに基づき、前記撮影の方向の方位を特定する特定処理と、
前記特定した方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる処理と、を有する方位表示方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方位表示方法において、
前記全方位地形データから、該全方位地形データによる地形の輪郭を示す全方位輪郭データを生成し、前記撮影した撮影画像を示す撮影画像データから、当該撮影画像中の地形の輪郭を示す撮影画像輪郭データを生成する処理をさらに有し、
前記特定処理は、前記生成した全方位輪郭データが示す輪郭のうち、前記生成した撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致する部分の位置から前記撮影の方向の方位を特定する処理である方位表示方法。
【請求項5】
表示部を有する方位表示装置に、
当該方位表示装置が存在する位置を測定する機能と、
被写体を撮影する機能と、
前記測定した位置を中心とした周囲の地形を示す全方位地形データによる地形と、前記撮影した撮影画像中の地形とに基づき、前記撮影の方向の方位を特定する特定機能と、
前記特定した方位を認識させることが可能な画像を、当該撮影画像に重畳させて前記表示部に表示させる機能と、を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記方位表示装置に、前記全方位地形データから、該全方位地形データによる地形の輪郭を示す全方位輪郭データを生成し、前記撮影した撮影画像を示す撮影画像データから、当該撮影画像中の地形の輪郭を示す撮影画像輪郭データを生成する機能をさらに実現させ、
前記特定機能は、前記生成した全方位輪郭データが示す輪郭のうち、前記生成した撮影画像輪郭データが示す輪郭と一致する部分の位置から前記撮影の方向の方位を特定する機能であるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−3247(P2013−3247A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132110(P2011−132110)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】