説明

方向性電磁鋼帯を製造する方法およびそれにより製造された方向性電磁鋼

本発明は、溶融ケイ素合金鋼材が50〜100mmの範囲で厚さを有するストランドで連続的に鋳造され、0.7〜4.0mmの範囲で厚さを有する最終熱間圧延鋼帯コイルを製造するために複数の一方向圧延スタンドで熱間圧延、次いで熱間圧延鋼帯の連続焼なまし、冷間圧延、一次再結晶と、場合により、脱炭および/または窒化を誘導するために冷間圧延鋼帯の連続焼なまし、焼なまし鋼帯の被覆、二次再結晶を誘導するために巻取り鋼帯の焼なまし、焼なまし鋼帯の連続熱平坦化焼なまし、および電気絶縁のために焼なまし鋼帯の被覆に付されることで提供される、方向性電磁鋼(GOES)帯を製造する方法と、それにより製造された製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延鋼帯の金属マトリックスに再結晶粒と第二相粒子の非常に均一な分布を得る目的で、優れた磁気特性を得ながら製造プロセスを簡素化するために、一連の工程で溶融合金が凝固されてから直ちに熱間圧延される、方向性電磁鋼帯の製造のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼(GOES)は、変圧器、発電機および他の電気装置のような電気機器用のコア材料として用いられる製品の種類である。他の電磁鋼規格と比べて、GOESはコアロスの低下と透磁率の改善を示す。この改善は、bcc結晶格子の容易磁化方向〈001〉が製品の圧延方向と並んでいる、製品の鋭い結晶学的集合組織(“ゴス集合組織”または“キューブ・オン・エッジ(cube on edge)”)の結果である。GOES帯の磁気性質のこの異方性は、変圧器コアにおける計画磁束方向を製品の圧延方向と合わせるために、材料を適正に切断するまたは巻取ることで活用される。
【0003】
GOES材料を規定する磁気特性は、基準方向の透磁率(圧延方向の磁化曲線)と、交流の使用による、主に熱として消失される、電力損失である。典型的には、電力損失は1.5および1.7テスラで測定される。電力損失は製品の厚さに正比例する。これらの製品で得られる優れた磁気性質は、合金の化学組成、圧延部分の厚さ、ミクロ構造および結晶学的集合組織により決められる。
【0004】
GOESの製作に向けた全ての既存工業経路の目的は、最終製品において鋭いゴス集合組織を得ることである。ゴス集合組織鋭敏化と関連磁気挙動は、仕上げ焼なまし時に選択的二次再結晶により得られる。一次構造における粒径分布と第二相粒子分布(粒成長抑制剤)との複雑なバランスが維持されねばならない。一次構造に存在する非常にわずかなゴス粒が最終ミクロ構造で大きなゴス粒用の核として作用するため、一次構造の結晶学的集合組織は該プロセスで重要な役割を果たしている。後の冷間圧延工程で冷間圧延率が高いほど、最終ゴス集合組織は鋭敏化する。
【0005】
伝統的プロセス経路において、粒成長抑制剤は冷間圧延前に析出されてサイズ的に管理されるが、該元素を溶解して望ましいサイズ分布で再析出させるためには、非常に高温のスラブ再加熱処理が要される。この高いスラブ再加熱温度はコスト、環境およびプロセスの観点からは望ましくない。
【0006】
薄い鋳造スラブ(即ち、厚さ<100mmのスラブ)から出発するGOES製造は、仕上げ高温焼なましの開始前における望ましい集合組織と均質な粒構造の管理に難のある、凝固ミクロ構造(“難処理”粒として知られる柱状粒)の強い属性という問題と直面している。難処理粒は、それらの比較的大きなサイズと熱間圧延に際する高温のせいで、変形および回復により伸びる傾向がある。この問題を克服する1つの手法は、熱間圧延時にオーステナイト‐フェライト変態(相変態により誘導される再結晶)を活性化するために、比較的高い炭素含有率を用いることによる。残念ながら、鋳造に際する偏析現象の発生と、最終厚さで鋼帯の脱炭焼なましにより鋼帯中で高い炭素量を避ける必要性が、高い製造コストに繋がっている。
【0007】
薄いスラブのインライン処理により可能化される温度の有利な管理のおかげで、薄スラブ連続鋳造ミルが電磁鋼板を製造するために適していることが知られている。JP2002212639Aは方向性電磁鋼板を製造する方法について記載しており、そこでは溶融されたケイ素鋼材が、30〜140mmの厚さを有する薄鋼スラブへ形成される。DE19745445では溶融されたケイ素鋼材が製造され、それが25〜100mmの厚さを有するストランドへ連続的に鋳造される。ストランドは凝固プロセス時に700℃以上の温度へ冷却され、薄いスラブへ分けられる。薄いスラブは次いでインライン均質化処理炉で均質化される。こうして加熱された薄いスラブは、その後で、<=3.0mmの厚さを有する熱間鋼帯を形成するために、マルチスタンド熱間圧延ミルで連続的に圧延される。DE19745445で重要なことは、圧延中に熱間延性問題を防ぐために1000℃付近で変形が避けられることである。従来技術で文献に記載された実用向けの様々な提案にもかかわらず、典型的には通常40〜100mmの厚さを有するストランドが鋳造され、次いで薄いスラブへ分けられる、鋳造ミルの使用は、方向性電磁鋼板を製造する上で、溶融金属組成とプロセス管理に関して電磁鋼板の製造で生じる特別な要件による例外を留めたままである。
【発明の開示】
【0008】
薄スラブ鋳造技術に基づき優れた磁気性質を有する方向性電磁鋼帯を製造する低コストプロセスを提供することが、本発明の目的である。
【0009】
薄スラブ鋳造技術に基づき優れた安定的磁気性質の方向性電磁鋼帯を製造するプロセスを提供することも、本発明の目的である。
【0010】
これら目的のうち1以上は請求項1によるプロセスで果たされる。
【0011】
該プロセスは、50〜100mm範囲の厚さを有する規定通りの組成を有したスラブへ連続鋳造装置で鋳造される、溶融ケイ素合金鋼材から出発する0.7〜4.0mm範囲の厚さの熱間圧延鋼帯の製造に基づいている。
【0012】
急速凝固は、最終固体ストランドの厚さが50〜100mm範囲の厚さを有する連続鋳造スラブにより得られる。鋳造ストランドは、好ましくは300秒間未満で急速に凝固される。凝固時間が長すぎると、例えば300秒間より長いと、Si、C、S、Mn、Cuのような元素の偏析現象が生じて、化学組成および結晶構造に望ましくない局所不均質性をもたらす。
【0013】
鋳造ストランドの厚さは、熱間圧延時に十分な変形ポテンシャルを保証するために、50mm未満ではならない。
【0014】
優れた磁気性質の最終GOESを製造するために、溶融合金は請求項1で規定されたような化学組成を有していなければならない。
【0015】
添加Siの量を増すと電気抵抗を高め、コアロス性を改善することになる。しかしながら、更に加えられると、冷間圧延は非常に難しくなり、圧延時に鋼材クラッキングを起こす。多くて4.5%で、Siが本発明による製造に用いられる。その量が2.1%未満であれば、仕上げ焼なまし時に変態が生じて、結晶学的集合組織を損なう。
【0016】
Cは一次再結晶構造を管理するために有効な元素であるが、磁気性質に逆効果も有し、そのため仕上げ焼なまし前に脱炭を行うことが必要である。0.1%Cより多く存在すれば、脱炭焼なまし時間は増し、それにより製造性を損なってしまう。この発明では、酸可溶性Alが必須元素であり、それが(Al,Si)NとしてNと結合して、抑制剤として機能するからである。許容される最大値は0.07%であり、そのときは二次再結晶を安定化させる。適切な最少値は0.01%である。0.015%Nより多く存在すれば、冷間圧延時に鋼板でブリスターが生じ、そのため0.015%Nを超えることは避けられる。それを抑制剤として機能させるためには、0.010まで要される。その量が0.008%を超えると、析出物分散状態は不均一になり、二次再結晶不安定化を生じてしまう。結果的に、窒素量は好ましくは多くて0.008%である。
【0017】
0.02%Mn未満で存在すれば、クラッキングは熱間圧延時により早く生じてしまう。MnSおよびMnSeとして、Mnも抑制剤として機能する。マンガン含有率が0.50%を超えると、析出物の分散は不均一化し、二次再結晶不安定化を生じてしまう。好ましい最大値は0.35%である。
【0018】
Mnと組み合わせると、SおよびSeは抑制剤として機能する。Sおよび/またはSe含有率が0.04%を超えると、析出物の分散はより早く不均一化し、二次再結晶不安定化を生じてしまう。
【0019】
Cuも抑制剤構成元素として加えられる。CuはSまたはSeと一緒に析出物を形成することで、抑制剤として機能する。抑制剤機能は、0.01%未満で存在すれば低下する。添加量が0.3%を超えると、析出物の分散はより早く不均一化し、コアロス減少効果の飽和を生じてしまう。
【0020】
上記成分に加えて、所要であれば、本発明のスラブ材料は窒化物形成元素Ti、V、B、W、ZrおよびNbのうち1種以上を含有してもよい。しかも、それは0.15%の最大総量まで元素Sn、SbおよびAsのうち1種以上を含有してもよく、それは0.03%の最大総量までPおよび/またはBiを含有してもよい。Pは、比抵抗を高めてコアロスを減らすために有効な元素である。0.03%より多く加えると、冷間圧延問題をもたらすことがある。
【0021】
Sn、AsおよびSbは鋼材でアルミニウムの酸化を防げる周知の粒界偏析元素であり、そのためには0.15%の総量まで加えられる。Biは硫化物などの析出物を安定化し、それにより抑制剤機能を強化する。しかしながら、0.03%より多く加えると、逆効果を有し、避けるべきである。
【0022】
好ましくは、最終鋼板の金属マトリックスは、磁化サイクル時に磁区の壁の動きと相互作用することでロスを増やす小さな析出物を形成することがある、炭素、窒素、イオウ、酸素のような元素をできるだけ少ない量で含有していなければならない。
【0023】
好ましくは、不可避的不純物と合致したレベルを除き、本発明による鋼材はニッケル、クロムおよび/またはモリブデンを含有していない。
【0024】
本発明によれば、圧延時に微細析出に役立つよう、金属マトリックス中である量のイオウおよび/またはセレンおよび窒素を固溶体で保つために、鋳造ストランドのコア温度は熱間圧延の開始前に900℃以上に保たれることが必須である。コア温度が900℃以下に下がると、これらの元素はストランド中で早く析出してしまい、熱力学的および動力学的理由のために、熱間圧延前にトンネル炉内で望ましくないほどの長時間と高温が、析出物を再溶解させるために要されてしまう。本発明の関連において、ストランドのコアは、鋳造後の冷却プロセス時に最後に凝固されるもとして定義され、鋳造物の約50%を占める。
【0025】
ストランドの温度の均一化は、スラブの長さ、幅および厚さにわたる均一な熱間変形を可能化するために必要である。
【0026】
温度を均一化した後、トランスファーバー(transfer bar)を得るために、粗圧延段階における2回以上の圧延工程で少なくとも60%の第一圧延圧下率にスラブが付されるが、その際に粗圧延段階は少なくとも2つの一方向および連続圧延スタンドからなり、第一圧延スタンドにおける圧下率は40%より低く、粗圧延段階における連続圧延パス間の時間は20秒間未満である、一方向という用語は、材料の各部分が変形‐時間‐温度パラメーターに関して同一の熱‐機械処理に付されることを確実化するために、圧延される材料の圧延方向が逆転されないことを明らかにするために用いられている。これは、可逆モードで用いられる可逆式ミルの使用に基づいた粗圧延ミルでは本発明によるプロセスが不可能であることを意味している。
【0027】
本方法は2つの別々な段階における熱間圧延について記載している。第一の圧延段階、粗圧延段階において、トランスファーバーを得るために、粗圧延段階における2回以上の圧延工程で少なくとも60%のストランドの第一圧延圧下率に鋳造ストランドが付されるが、その際に粗圧延段階は少なくとも2つの一方向および連続圧延スタンドからなり、第一圧延スタンドにおける圧下率は40%より低い。低い変形レベルであれば、連続的粒成長プロセスに有用な硫化物および窒化物のような非金属第二相の再結晶および析出の双方を望ましい量で活性化するために必要な格子エネルギーの集中を保証することがない。好ましくは、第一圧下工程は、粗圧延段階の最終圧延スタンドの出口前で材料の厚さを常に比較的高く保ち、粗圧延時における材料の冷却をこの局面で抑えるために、第二圧下工程より低くしなければならない。これは、加えられる変形仕事量と粗圧延段階の最終スタンドからの材料の出口温度との平衡を最良化するように定められる。この平衡は、粗圧延プロセスの最後から仕上げプロセスの開始に至るまで材料を搬送するために必要な時間に際して生じる温度により活性化される材料の望ましいミクロ構造変化という観点からは、重要になる。
【0028】
更に、材料の長さ方向の圧延に際して実質的に同一の熱機械条件を保証するために、連続式で、即ち(例えば、可逆式ミルスタンドを用いて圧延方向を逆転させることにより)圧延方向を逆転させることなく、変形が行われることが肝要である。本プロセスに際して1回以上の可逆的粗圧延は本発明に適さず、可逆的圧延に際して圧延方向に沿う材料の異なる部分が、異なる熱機械処理、例えば断続的な変形間で異なる温度、異なる待ち時間での変形を受けるからである。
【0029】
950〜1250℃範囲の温度を有するトランスファーバーはその後で仕上げ段階へ移され、その際に粗圧延段階を出てから仕上げ段階へ入るまでの搬送時間は少なくとも15秒間、長くて60秒間である。この搬送時間は変形させた材料で再結晶プロセスを活性化するために重要である。粗圧延段階から仕上げ段階までの搬送に際する材料の時間および温度は厳密に管理されねばならない。温度は、この段階で望ましい度合の再結晶片を得るために、少なくとも15秒間にわたり低くなく、即ち950℃以上で高く保たれねばならない。搬送時間は60秒間を超えるべきでなく、その場合には析出粒子(窒化物、硫化物、..)の溶解および/または大きさの成長が、製造プロセスで更に先の連続焼なまし時に再結晶および粒成長プロセスの均一性をかなり減じ始めるからである。この中間段階後に、トランスファーバーは、1回以上の一方向圧延工程で仕上げ段階における最終熱間圧延鋼帯厚さまで圧下される。一方向という用語は、前記と同じ意味を有している。仕上げ段階後に、最終熱間圧延鋼帯は冷却され、その後で巻き取られる。仕上げ段階後で最終熱間圧延鋼帯の巻取り前に、鋼帯は、単一のトランスファーバーおよび/または鋳造スラブから2以上に分けられた個別のコイルを提供するために、フライングシャーなどを用いて切断してもよい。
【0030】
最終熱間圧延鋼帯は次いで、
‐1150℃の最高温度で熱間圧延鋼帯を連続焼なまし、
‐単一の冷間圧延によりまたは中間連続焼なましを介在させた二重冷間圧延により、0.15〜0.5mm範囲の最終冷間圧延厚さへ焼なまし鋼帯を冷間圧延し、
‐一次再結晶と、場合により、脱炭および/または窒化を誘導するために、焼なまし雰囲気の化学組成を調節することにより、冷間圧延鋼帯を連続焼なまし、
‐焼なまし鋼帯を焼なましセパレーターで被覆して、焼なまし鋼帯を巻取り、
‐二次再結晶を誘導するために巻取り鋼帯を焼なまし、
‐焼なまし鋼帯の連続熱平坦化焼なまし、
‐電気絶縁のために焼なまし鋼帯を被覆する、
後工程を含んでなる過程に付される。
【0031】
熱間圧延鋼帯の焼なましの1つの重要な目的は、最終熱間圧延鋼帯の急速冷却後で巻取り前に鋼帯で蓄えられた変形エネルギーを活用するために、仕上げ段階後に材料の再結晶を完了させることである。優れた磁気性質の最終GOESを得るために、最終熱間圧延鋼帯は1150℃を超えない最高温度で連続的に焼なましされねばならない。好ましくは、500℃からこの最高温度までの加熱時間は60秒間を超えない。鋼帯は、好ましくは、再結晶vs.回復を有利にするため、急速に最高焼なまし温度へ到達しなければならない。焼なまし処理で1150℃を超えることは好都合でなく、これが再結晶に際して更なる利点を生み出さず、析出粒子の溶解および成長が重要になり始めるからである。焼なまし工程に続き、単一の冷間圧延によりまたは中間連続焼なましを介在させた二重冷間圧延により、0.15〜0.5mm範囲の最終冷間圧延厚さへ冷間圧延される。その後、冷間圧延された材料は、該材料で一次再結晶を誘導するために連続的に焼なましされ、必要であれば、焼なまし雰囲気の化学組成を調節することにより脱炭および/または窒化される。再結晶焼なまし時の脱炭は、最終熱間圧延鋼帯の炭素含有率が50ppmより低い場合に不要である。脱炭が望まれるならば、焼なまし雰囲気はわずかに酸化するように調節される。この目的に典型的な酸化雰囲気はH、NおよびHO蒸気のミックスである。
【0032】
粒成長抑制剤の量の調整は、最終製品の磁気安定性を更に増すために行うことができる。この場合に、金属マトリックスへの粒成長抑制剤の添加は鋼帯に表面から窒素原子を注入することにより行える。これは、連続焼なまし時にNHのような窒化剤を焼なまし雰囲気へ加えることで行える。多くの異なる条件が温度、時間、雰囲気組成に関して追加の望ましい窒素量を注入するために採択でき、脱炭も行われる場合には、脱炭と同時または脱炭後に窒化が行いうる。本発明によるプロセスに際して、窒化処理は、750〜850℃範囲の温度でNHを含んでなる専用の管理雰囲気を採ることにより、再結晶、最終的には脱炭に特化させた焼なまし処理直後に、同一の連続焼なましラインで行われる。最後に、焼なまし鋼帯は焼なましセパレーターで被覆される。この焼なましセパレーターはMgOから主に構成される常用の焼なましセパレーターであるが、代わりの焼なましセパレーターも用いてよい。この被覆鋼帯は次いで巻き取られ、材料で二次再結晶を誘導するためにコイル焼なましと、連続熱平坦化焼なましに付され、最後に場合により電気絶縁のために被覆される。ある態様において、脱炭は窒化温度とは異なる温度で行ってもよく(例えば、例3参照)、脱炭は750〜850℃の範囲以外でも行えるが、窒化処理は750〜850℃範囲の温度で行われねばならない。
【0033】
本発明の一態様において、溶融鋼合金はケイ素を2.5〜3.5%、および/またはマンガンを0.35%まで、および/またはアルミニウムを0.05%まで含んでなる。マンガン含有率が0.35%を超えると、不均一化する析出物の分散のリスクが増す。ケイ素2.5〜3.5の値は、上昇する電気抵抗と結晶学的集合組織の安定性との間で最良の妥協点を呈する。
【0034】
本発明の一態様において、トランスファーバーは、トランスファーバーのコア温度を少なくとも30℃高めるために、連続熱間圧延の工程の過程に際して粗圧延段階を出てから仕上げ段階へ入るまでに再加熱される。トランスファーバーのこの再加熱はトランスファーバーの長さおよび/または幅にわたる温度変動を減らし、それにより再結晶を均質化させる。
【0035】
本発明の一態様において、第一粗圧延段階は2つの一方向および連続圧延スタンドからなり、第一圧延スタンドにおける圧下率は40%より低い。このツイン粗圧延形態は圧下の分布と高い粗圧延温度を維持しうる能力に関して有利であり、それにより粗圧延と仕上げとの間で再結晶を促進することがわかった。
【0036】
本発明の一態様において、第二圧延スタンドにおける圧下率は50%より高い。こうすれば、粗圧延と仕上げとの間における再結晶のための駆動力が最大化される。
【0037】
本発明の一態様において、粗圧延段階における連続圧延パス間の時間は20秒間未満である。本発明において、全粗圧延圧下は好ましくは20秒間未満、更に好ましくは15秒間未満で適用される。好ましくは、粗圧延時の動的回復と再結晶現象は避けられるべきである。粗圧延時間を減らすことにより、再結晶のリスクが低下される。
【0038】
本発明の一態様において、圧延スタンド間における変形の分布は、スラブの圧延プロセスの開始時における初期分布から最終分布へと変わり、その際に第二スタンドにおける変形が初期分布で50%以下、最終分布で50%以上である。このプロセスは、新たなスラブの圧延の開始時に圧延スタンドのバイト角における制約を克服しうる。材料が粗圧延スタンドのバイトで安全に操作された直後に、粗圧延スタンド間における変形の再配分(repartition)が、スラブの圧延プロセスの開始時における初期分布から最終分布へと調整される。トランスファーバーへの鋳造ストランドの圧延が完了するまで、最終分布が維持される。
【0039】
本発明の一態様において、鋳造ストランドは、各マルチコイルスラブから望ましい寸法の最終熱間圧延鋼帯のコイル2以上を製造するために、熱間圧延後にフライで切断される圧延前のマルチコイルスラブへ分割される。この態様において、ストランドは薄いスラブへ鋳造され、最終熱間圧延鋼帯の複数のコイルが該単一スラブから製造されるような長さへ場合により切断される。このように、スラブおよびバーの頭部および尾部の圧延に関連した温度および変形不連続のプロセスに沿う実際の事態を最少に抑える目的で、圧延プロセスが行われる。不連続は形状問題と不均質な内部構造を招くが、これらはこの態様で避けられる。
【0040】
一態様において、鋳造ストランドの均質化は、1000〜1200℃範囲の温度の場合、および/または搬送時のトランスファーバーが再結晶を刺激するために950〜1150℃範囲の温度を有する場合に生じる。
【0041】
本発明の一態様において、最終熱間圧延鋼帯は少なくとも100℃/secの冷却速度で鋼帯を巻取る前に冷却される。この態様において、冷却速度は、熱間圧延ミクロ構造の回復を抑制するため、および熱変形プロセスに基づく蓄積格子エネルギーを増すために、100℃/secより低くてはならない。熱間圧延鋼帯におけるこのような蓄積エネルギーは、熱間圧延鋼帯焼なましにより活性化される連続再結晶のために必要な駆動力となるであろう。巻取り温度は、好ましくは500〜780℃の範囲にすべきである。蓄積エネルギーの急激すぎる減少を避ける同目的のために、巻取り温度を高くて650℃に抑えることが有益かもしれない。高い温度ほど望ましくない粗い析出へ至ることがあり、他方で酸洗能力を低下させるであろう。700℃以上の高い巻取り温度を用いるためには、小型冷却ゾーン直後に配置された巻取機の使用が勧められる。
【0042】
本発明の一態様において、脱炭後の冷間圧延鋼帯は窒化雰囲気中で連続焼なましに付され、その際に鋼帯温度は750℃〜850℃の範囲に保たれる。
【0043】
本発明の一態様において、最終熱間圧延鋼帯コイルは少なくとも1.0mmおよび/またはせいぜい3.0mm範囲の厚さを有している。
【0044】
第二面によると、本発明に従い製造される、最終製品が800A/mで1.80テスラまたはそれ以上、好ましくは1.9テスラまたはそれ以上のピーク誘導レベルを示す、方向性電磁鋼が提供される。
【0045】
請求項記載条件下で操作すれば、物理的歩留まりを最良化し、粒構造および集合組織に関してミクロ構造を非常に均質化させ、最終厚さで冷間圧延後に選択的二次再結晶を管理するために特に適した、望ましい重量と長さの熱間圧延鋼帯コイルを、製造業者に信頼性高く得させることができる。
【0046】
図1では、非発明プロセス(白四角,□)と本発明プロセス(白菱形,◇)との差異が示されている。本発明プロセスにおけるR2およびF1間の搬送の方が長く、スラブの温度が長時間にわたり高く留まることが、明らかにわかる。変形されたスラブの再結晶に必須な950℃以上でスラブが留まる時間は、50%より長い。
【0047】
【表1】

【0048】
図2において、下記例の70mmストランドのコア温度の推移が、4.8m/minの鋳造速度で、ポイントMの鋳型からポイントF鋳造における均質化処理炉の入口までの距離の関数として示されている。コア温度が900℃の臨界温度以上に留まることは、この図から明らかにわかる。
【0049】
図3は、(Cで示された)図2と同様の曲線と、(Sで示された)表面直下におけるストランドの温度を表す曲線とを示している。表面が鋳造機の冷却ロールと接触しているとき、またはストランドが該ストランドに向けられた冷却スプレーと接触されているとき、実際の表面温度が900℃の温度以下へ降下することに着目すべきである。しかしながら、これらの熱的変動は時間的に非常に短く、表面温度は速やかに900℃以上へ回復する。表面近くにおけるこれらの短い変動は最終熱間圧延鋼帯の有益な性質に影響しない。図3における灰色表面は鋼帯のコアと表面直下との間でのストランドにおける各ポイントの温度を示し、該ストランドの温度が鋳造から均質化処理炉の入口まで900℃以上であることを示している。図2および3で掲示された結果は、約3m/minからおよびそれ以上の鋳造速度の全範囲にわたり得られる。
【0050】
本発明によるプロセスは下記例で実証されているが、しかしながら本発明によるプロセスの単なる例示にすぎない。
【0051】
例1:0.055%C、3.1%Si、0.15%Mn、0.010%S、0.010%P、0.025%Al、0.08%Cu、0.08%Sn、0.0070%N、残部が鉄と不可避の不純物である組成を有する、70mmの薄いスラブを鋳造した。薄いスラブを1150℃で均質化し、2スタンドタンデム粗圧延ミルにおいて第一粗圧延機で35%の圧下率および第二スタンドで43%の圧下率で圧延した。トランスファーバーを仕上げミルへ搬送するが、R2の出口とF1の入口との間の時間は約25sである。トランスファーバーを次いで5スタンド仕上げタンデムミルにおいて第二圧延圧下で最終熱間圧延鋼帯厚さまで圧下する。最終熱間圧延鋼帯を仕上げ段階と巻取りステーションとの間で少なくとも100℃/secの冷却速度で冷却し、640℃で巻取る。熱間圧延鋼帯を次いで連続的に焼なまし、酸洗し、その後で単一冷間圧延により0.30mmまで冷間圧延した。冷間圧延鋼帯を焼なまして、一次再結晶および脱炭を誘導させ、その後でHNX雰囲気中でインライン窒化処理した。その後で焼なまし鋼帯をMgOセパレーターで被覆し、鋼帯を巻き取った後、それを再び焼なまして、二次再結晶を誘導させた。焼なまし鋼帯の連続熱平坦化焼なましと、電気絶縁のための焼なまし鋼帯の被覆後に、最終製品は800A/mで約1.90テスラより大きなピーク誘導レベルを示す。
【0052】
【表2】

【0053】
例2:鋼材2は溶融体として工業的に製造し、連続鋳造において約70mmの厚さで凝固させ、次いで1150℃の温度にて鋳造機とインラインのトンネル炉内で熱均質化した。炉の出口において、凝固ストランドを2スタンドタンデム粗圧延ミルで連続的に圧延した(図1参照)。該ストランドを、第一粗圧延パス時に各々54または37%の異なる圧下率を有する2つの別々な圧下プログラムaおよびbのうち1つへ付した:
a.R1=70mm→32mm(54%)(□(図1),本発明以外)
b.R1=70mm→44mm(37%)(◇(図1),本発明による)
両ケースにおいて、第二スタンドにおける圧下率は、全粗圧延圧下率が65%より高くなるように選択された。粗圧延機出口(R2)から仕上げ圧延開始(F1)までの搬送時間は、非発明および本発明態様で各々18.5および32.5秒間である。その後の仕上げ段階において、2.3mmの最終熱間圧延鋼帯厚さを有する熱間圧延鋼帯コイルを製造した。コイルを連続的に1110℃の温度で90秒間にわたり焼なまし、冷却し、酸洗した。コイルを次いで単一段階の5回パスで2.3mmから0.29mmまで冷間圧延し、次いで脱炭のために湿H‐N雰囲気中約100秒間の浸漬時間にわたり840℃で、その後窒化のために湿H‐N‐NH雰囲気中約20秒間の浸漬時間にわたり830℃で連続的に焼なました。焼なまし処理後、2つの冷間圧延材料をMgOセパレーターで被覆し、コイルバッチ焼なましに付して、二次再結晶を誘導させた。結果が表3で示されている。
【0054】
【表3】

【0055】
例3:スケジュールaおよびbの例2の0.29mmの冷間圧延コイルを、脱炭のために湿H‐N雰囲気中約100秒間の浸漬時間にわたり850℃で、その後窒化のために湿H‐N‐NH雰囲気中約20秒間の浸漬時間にわたり830℃で連続的に焼なました。焼なまし処理後、2つの冷間圧延材料をMgOセパレーターで被覆し、静的高温焼なましに付して、二次再結晶を誘導させた。結果が表3で示されている。
【0056】
例4:鋼材2のスラブを、2スタンドタンデム粗圧延ミルにおいて、R1で70mmから45mmまで(36%)、R2で45mmから24mmまで(46%)、即ち66%全粗圧延圧下率で連続的に圧延した。トランスファーバーを粗圧延ミル出口から仕上げ圧延ミル入口まで30秒間で連続的に搬送し、5スタンド仕上げミルにおいて24mmから2.3mmの最終熱間圧延鋼帯厚さへ連続的に圧延した。
【0057】
熱間圧延コイルを連続焼なましラインにおいて1100℃の浸漬温度で90秒間にわたり焼なました。酸洗後、鋼帯を2.3mmから0.30mmまで冷間圧延し、次いで炭素含有率を30ppm以下へ減らすために第二連続焼なましラインにおいて脱炭向けに湿H/N雰囲気中850℃で約100秒間にわたり焼なまし、次に約30ppmの窒素含有率を増すために窒化向けにH/N/NH雰囲気中で連続的に焼なました。鋼帯コイルの第一ハーフを窒化ゾーンで800℃の浸漬温度(4a)を採って焼なまし、一方で第二ハーフを窒化ゾーンで900℃の浸漬温度(4b)を採って焼なました。二次再結晶を誘導して残留窒素およびイオウから鋼帯を精製するために、バッチ焼なまし炉で最終焼なまし後に、磁気性質を測定した。結果が表3で示されている。
【0058】
例5:例2bに従い製造された熱間圧延コイルを連続的に1000℃の温度で60秒間にわたり焼なまし、冷却し、酸洗し、次いで単一段階の5回パスで2.3mmから0.29mmの厚さまで冷間圧延した。冷間圧延鋼帯を次いで脱炭のために湿H‐N雰囲気中約100秒間の浸漬時間にわたり800℃で連続的に焼なまし、直後にMgOセパレーターで被覆した(窒化なし!)。最終二次再結晶焼なまし後に、仕上げられた鋼帯を磁気測定により特徴付けた。結果が表3で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】
【図2】
【図3】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向性電磁鋼(GOES)帯の製造方法であって、50〜100mmの範囲で厚さを有するストランドで溶融ケイ素合金鋼が連続的に鋳造され、該溶融鋼合金が、
‐2.1%から4.5%までのケイ素、
‐0.1%までの炭素、
‐0.02%から0.5%までのマンガン、
‐0.01%から0.3%までの銅、
‐0.04%までのイオウおよび/またはセレン、
‐0.07%までのアルミニウム、
‐0.015%までの窒素、
‐場合により、a〜cの群のうち1つから選択される1種以上の元素:
a.0.05%の最大総量までのチタン、バナジウム、ホウ素、タングステン、ジルコニウム、ニオブ、および
b.0.15%の最大総量までのスズ、アンチモン、ヒ素、および
c.0.03%の最大総量までのリン、ビスマス、
‐鉄および不可避的不純物である残部、
を含んでなり、
凝固されたストランドが、0.7〜4.0mmの範囲で厚さを有する最終熱間圧延鋼帯コイルを製造するために、
‐900℃以上のコア温度へ凝固ストランドを冷却する工程、
‐1000〜1300℃範囲の温度で該ストランドの均質化する工程、
‐トランスファーバーを得るために、粗圧延段階における2回以上の圧延工程で少なくとも60%のストランドの第一圧延圧下工程であって、粗圧延段階は少なくとも2つの一方向および連続圧延スタンドからなり、第一圧延スタンドにおける圧下率は40%より低く、粗圧延段階における連続圧延パス間の時間は20秒間未満である工程、
‐仕上げ段階への950〜1250℃範囲の温度を有するトランスファーバーの搬送工程であって、粗圧延段階を出てから仕上げ段階へ入るまでの搬送時間が15秒間以上60秒間以下であることで、変形させた材料で再結晶プロセスを活性化する工程、
‐仕上げ段階における1回以上の一方向圧延工程で第二圧延圧下に際して最終熱間圧延鋼帯厚さまでトランスファーバーを圧下する工程、
‐仕上げ段階と巻取りステーションとの間で最終熱間圧延鋼帯を冷却する工程、
‐500〜780℃範囲の巻取り温度で最終熱間圧延鋼帯を巻取工程、
を含む一連の工程により、複数の一方向圧延スタンドで熱間圧延され、
その後、
‐1150℃の最高温度で熱間圧延鋼帯を連続焼なます工程、
‐単一の冷間圧延によりまたは中間連続焼なましを介在させた二重冷間圧延により、0.15〜0.5mm範囲の最終冷間圧延厚さへ焼なまし鋼帯を冷間圧延する工程、
‐焼なまし雰囲気の化学組成を調節することにより、750〜850℃範囲の温度で、一次再結晶と、場合により、脱炭および/または窒化を誘導するために、冷間圧延鋼帯を連続に焼なます工程、
‐焼なまし鋼帯を焼なましセパレーターで被覆して、焼なまし鋼帯を巻取る工程、
‐二次再結晶を誘導するために巻取り鋼帯を焼なましする工程、
‐焼なまし鋼帯の連続熱平坦化焼なましする工程、
‐電気絶縁のために焼なまし鋼帯を被覆する工程
を含む一連の工程が行われる、方法。
【請求項2】
溶融鋼合金が、
‐2.5から3.5%までのケイ素、および/または、
‐0.35%までのマンガン、および/または、
‐0.05%までのアルミニウム、
を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
トランスファーバーが、トランスファーバーのコア温度を少なくとも30℃高めるために、連続熱間圧延の工程の過程に際して粗圧延段階を出てから仕上げ段階へ入るまでに再加熱される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第一粗圧延段階が2つの一方向および連続圧延スタンドからなり、第一圧延スタンドにおける圧下率が40%より低い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第二圧延スタンドにおける圧下率が50%より高い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
粗圧延段階における連続圧延パス間の時間が20秒間未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
圧延スタンド間における変形の分布が、スラブの圧延プロセスの開始時における初期分布から最終分布へと変えられ、その際に第二スタンドにおける変形が初期分布で50%以下、最終分布で50%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
鋳造ストランドが、各マルチコイルスラブから望ましい寸法の最終熱間圧延鋼帯のコイル2以上を製造するために、熱間圧延後にフライで切断される圧延前のマルチコイルスラブへ分割される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ストランドの均質化が1000〜1200℃範囲の温度で生じ、および/または搬送時のトランスファーバーが950〜1150℃範囲の温度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
最終熱間圧延鋼帯が、少なくとも100℃/secの冷却速度で、鋼帯を巻取る前に冷却される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
脱炭後の冷間圧延鋼帯が窒化雰囲気中で連続焼なましに付され、その際に鋼帯温度が750℃〜850℃の範囲で保たれる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
最終熱間圧延鋼帯コイルが少なくとも1.0mmおよび/または最大で3.0mm範囲の厚さを有している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
最終製品が800A/mで1.80テスラまたはそれ以上、好ましくは1.9テスラまたはそれ以上のピーク誘導レベルを示す、請求項1〜12のいずれか一項に従い製造された方向性電磁鋼。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−512332(P2013−512332A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540309(P2012−540309)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007101
【国際公開番号】WO2011/063934
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(500252006)タタ、スティール、アイモイデン、ベスローテン、フェンノートシャップ (16)
【氏名又は名称原語表記】TATA STEEL IJMUIDEN BV
【Fターム(参考)】