説明

方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーおよびその調製方法ならびに方向性電磁鋼板の製造方法

【課題】時間が経過してもスラリー粘度の上昇が効果的に抑制された方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーを提供する。
【解決手段】焼鈍分離剤スラリーのスラリー化直後から2時間経過後の粘度上昇量が、B型粘度計により測定した値で20%以下となるように、カルボン酸またはカルボン酸のマグネシウム塩を添加して調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーおよびその調製方法ならびに方向性電磁鋼板の製造方法に関し、特にマグネシアを主体する焼鈍分離剤スラリーの鋼板表面への塗布作業性の向上、ひいては方向性電磁鋼板の被膜均一性の向上を図ろうとするものである。
【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼板の製造工程としては、所定の成分組成に調整した鋼スラブに、熱間圧延、焼鈍、冷間圧延を施し、ついで再結晶焼鈍、仕上焼鈍を行うのが一般的である。この工程のうち、仕上焼鈍では、1200℃という高温で焼鈍を行うことから、コイルの焼き付き防止のためにマグネシアを主体とする焼鈍分離剤を塗布するのが通例である。また、マグネシアは、かような焼鈍分離剤としての役割の他に、仕上焼鈍前に行われる脱炭焼鈍時に鋼板表面に生成するシリカを主体とする酸化層と反応して、フォルステライト被膜を形成させるという働きもある。
【0003】
かようにして形成されたフォルステライト被膜は、上塗りされるリン酸塩系絶縁コーティングと地鉄部分とを密着させる一種のバインダーとしての働きの他、鋼板に張力を付与することにより磁気特性を向上させる働き、鋼板被膜外観を均一化する働きなどがあり、従って焼鈍分離剤の役割は大きい。
【0004】
焼鈍分離剤の塗布工程は、通常、マグネシアを主体とする粉体を水に懸濁して撹拌することによりスラリー化し、これをロールコ一夕ーにより鋼板表面に塗布し、ついで乾燥炉で乾燥させた後に、コイル状に巻き取ることからなるのが一般的である。
この塗布工程では、マクネシアスラリーの粘度を調整することが重要であり、粘度が低すぎる場合には、鋼板表面への塗布性や液の付着性が悪化して鋼板表面でさざ波状の塗布ムラが生じたり、コー夕ー溝の模様がムラとなって転写してしまい、仕上焼鈍後の被膜に模様が生じる。一方、粘度が高すぎる場合には、スラリーが配管内で詰りを起こしトラブルとなったり、高速での均一な塗布ができなくなって、やはり被膜外観にムラが生じる。
さらに、焼鈍分離剤の塗布中に粘度変化が起こると、被膜品質が時間経過とともに変化するという問題が生じる。
【0005】
上記の問題の解決策として、特許文献1には、スラリー中に炭酸ガスあるいはドライアイスを添加して、粘度を一定以上に管理する方法が開示されている。
【特許文献1】特開昭55−110732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の技術を適用しても、スラリー中のマグネシアは時間の経過と共に水和して水酸化マグネシウムに変化し、スラリー粘度の上昇を招くため、時間の経過と共に鋼板の被膜特性、作業性などが変化するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、時間が経過してもスラリー粘度の上昇が効果的に抑制された方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーを提案することを目的とする。
また、本発明は、上記した焼鈍分離剤スラリーを安定して得るための調製方法ならびにかかる焼鈍分離剤スラリーを使用した方向性電磁鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、マグネシアを主体とする焼鈍分離剤スラリー中に、有機酸あるいはそのマグネシウム塩を添加すると、スラリー粘度が格段に安定化することの知見を得た。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)方向性電磁鋼板の仕上焼鈍前の鋼板表面に塗布するマグネシアを主体とする焼鈍分離剤スラリーの調製方法であって、該焼鈍分離剤スラリーのスラリー化直後から2時間経過後の粘度上昇量が、B型粘度計により測定した値で20%以下となるように、カルボン酸またはカルボン酸のマグネシウム塩を添加して調整することを特徴とする焼鈍分離剤スラリーの調製方法。
【0010】
(2)カルボン酸の分子量が200以下のカルボン酸またはそのカルボン酸のマグネシウム塩のうちから選ばれる1種または2種以上を合計で、マグネシア:100g当り1g以上 20g以下で添加することを特徴とする上記(1)に記載の焼鈍分離剤スラリーの調製方法。
【0011】
(3)マグネシアを主体とする方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーであって、該焼鈍分離剤スラリーのスラリー化直後から2時間経過後の粘度上昇量が、B型粘度計により測定した値で20%以下となるように、カルボン酸またはカルボン酸のマグネシウム塩を含有することを特徴とする方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリー。
【0012】
(4)マグネシアを主体とする方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーであって、分子量が200以下のカルボン酸またはそのカルボン酸のマグネシウム塩のうちから選ばれる1種または2種以上を合計で、マグネシア:100g当り1g以上 20g以下で含有することを特徴とする上記(3)に記載の方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリー。
【0013】
(5)含けい素鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤スラリーを塗布した後、仕上圧延を施すことによって方向性電磁鋼板を製造するに際し、該焼鈍分離剤スラリーとして、上記(3)または(4)に記載の焼鈍分離剤スラリーを用いることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スラリー粘度の経時変化を効果的に抑制し、良好な作業性をもつ焼鈍分離剤スラリーを得ることができる。
また、本発明によれば、かような焼鈍分離剤スラリーを使用することにより、被膜均一性に優れた方向性電磁鋼板を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明を由来するに至った実験結果について詳しく述べる。
さて、発明者らは、マグネシアを主体とする焼鈍分離剤スラリー(以下、マグネシアスラリーという)の粘度を安定化させる薬剤として有機酸に注目し、種々の有機酸についてスラリーの粘度に及ぼす影響を調査した。
以下、実験の一例について述べる。
A液として、MgO:100gをスラリーとして500mlになるように水温:30℃の水を加えたものを、またB液として、MgO:100gに酢酸マグネシウム(酢酸Mg):2gを加えてスラリーとして 500mlになるようにしたものを用意した。
ついで,A,B両液を、ウォーターバスで液温:30℃に保ったままマグネチックスターラーで毎分:120回転で撹拌しながら、スラリー化直後から30分おきにB型粘度計で粘度変化を測定した。
得られた結果を図1に示す。
【0016】
同図に示したとおり、スラリー化直後から、B液の粘度はA液よりも低かった。また、時間の経過と共にA液の粘度は上昇したが、B液の粘度はほとんど上昇しなかった。
【0017】
また、上記実験で、酢酸Mgをサリチル酸Mgに変えて同じ測定を行ったところ、やはり経時変化はほとんど見られなかったが、スラリー化直後の粘度はA液よりも幾分高くなった。
【0018】
このように、カルボン酸のMg塩をマグネシアスラリーに混合することによって、粘度変化が抑えられた理由については、まだ明確に解明されたわけではないが、発明者らは次のように推測している。
つまり、マグネシアスラリーの粘度は時間の経過とともに上昇すること、液温が高いほうが上昇が急であることを考慮すると、マグネシアの水和によりスラリーのpHが上昇すること、すなわちマグネシアが水酸化マグネシウムに変化することが、粘土上昇が関係しているものと推定される。
この時、スラリー中に弱酸であるカルボン酸と強塩基であるMgの塩が存在していると、緩衝作用が生じてpHを一定に保とうとする働きが生じ、ひいてはマグネシアの水和量を一定割合に抑制する結果、粘度の経時変化が安定するものと考えられる。
【0019】
なお、本発明において、スラリー粘度を測定する粘度計として、B型粘度計を用いることにした理由は、JIS R 1652(セラミックススラリーの回転粘度計による測定方法)に示された、多量のサンプルを測定できる、一般的な測定方法であることによる。
なお、スラリー粘度の測定温度は室温程度で行うのが好ましい。
【0020】
また、マグネシアスラリーのスラリー化直後の初期粘度は、20〜90cPs程度とするのが好適である。というのは、この初期粘度が20cPsに満たないとマグネシアスラリーを鋼板に塗布した時の塗布量が少なすぎて、鋼板が焼鈍中に焼き付きを起こすおそれがあり、一方90cPsを超えると鋼板表面に均一にスラリーが拡がらないため、焼鈍後におしキズが生じるからである。
【0021】
さらに、本発明において「マグネシア主体」とは、焼鈍分離剤の50mass%超がMgOからなることを意味し、その他の成分としては、上記したカルボン酸またはカルボン酸のマグネシウム塩の他、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、チタン酸塩などを50mass%未満で含有することを許容する。
【0022】
次に、本発明の構成要件の限定理由について述べる。
本発明では、用いるスラリーの粘度変化を、スラリー化直後から2時間経過後のB型粘度計で測定された値で、20%以下にする必要がある。というのは、粘度が20%を超えて上昇すると、鋼板表面への塗布性や液の付着性が変化して鋼板表面の塗布状態が変化し、仕上焼鈍後の被膜の均一性が保てないからである。
【0023】
粘度安定性を調整するために用いる調整剤としては、強塩基と混在することで緩衝作用を示すことが肝要であるので、弱酸が好ましく、その中でも仕上焼鈍中に熱分解して消滅するカルボン酸がとりわけ有利に適合する。
また、スラリー中にはマグネシアが存在しているので、カルボン酸を添加すればカルボン酸のMg塩が生成するが、はじめからカルボン酸のMg塩を添加する方がマグネシアの状態が変化しないのでより好ましい。
【0024】
カルボン酸の塩としては、アルカリ土類金属のCaやSrなども考えられるが、これらは仕上焼鈍中の被膜形成性に悪影響を及ぼすのに対し、分解後マグネシアに変化するカルボン酸のMg塩は被膜形成に及ぼす悪影響がないので、これに限定する。
また、カルボン酸の中でも、分子量が200以下のものに限定する。この理由は、分子量が200よりも大きくなると、疎水性が強くなって水に溶けにくくなるからである。
【0025】
さらに、カルボン酸の添加量は、マグネシア:100g当り1.0g以上20g以下とする必要がある。1.0gよりも少ないと十分な緩衝作用が発揮されず粘度上昇を抑えられない。一方、20gよりも多いと仕上焼鈍中に分解するときに鋼板を浸炭してしまい仕上焼鈍後に磁気時効を起こして磁性劣化を引き起こしたり、分解後に生成したマグネシアにより被膜形成が部分的に進行し仕上焼鈍後の被膜に点状欠陥を生じるおそれがある。
【0026】
本発明のマグネシアスラリーを適用して方向性電磁鋼板を製造する際の製造条件については、特に制限はなく、従来から公知の一般的な製造条件に従えばよい。
たとえば、鋼成分については、C:0.02〜0.1mass%、Si:2.0〜4.0mass%、Mn:0.02〜0.2mass%を含有し、さらにインヒビター形成元素としてSe:0.001〜0.03mmass%、Sb:0.01〜0.08mass%、Al:0.001〜0.04mass%、N:0.001〜0.012mass%、S:0.001〜0.03mass%、Cu:0.05〜0.2mass%、Sn:0.005〜0.4mass%、Cr:0.02〜0.08mass%、Mo:0.01〜0.1mass%、P:0.01〜0.03mass%、Bi:0.001〜0.04mass%などを適宜含有させることができる。
【0027】
上記の成分組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げる。ついで、脱炭焼鈍後、本発明の焼鈍分離剤スラリーを塗布し、乾燥させコイル状に巻き取ったのち、仕上圧延を施す。
仕上焼鈍後は、平坦化焼鈍を施して形状を矯正する。さらに、鉄損を改善するために、鋼板表面に張力を付与する絶縁コーティングを施すことが有効である。
【実施例】
【0028】
実施例1
マグネシア:100gに、表1に示す各種の酸およびそのMg塩を5g(液体は5ml)添加し、30℃の水を加えて500mlのスラリーとした。ついで、これらのスラリーを、ウォーターバスで液温:30℃に保ったままマグネチックスターラーで毎分:120回転で撹拌しながら、スラリー化直後の粘度と2時間後の粘度をB型粘度計で測定した。
得られた結果を表1に併記する。
【0029】
【表1】

【0030】
同表に示したとおり、無機酸である塩酸、硫酸、硝酸およびそのMg塩と比較して、カルボン酸であるクエン酸、酢酸、サリチル酸およびそのMg塩は、粘度の上昇を20%以下に抑制することができた。
【0031】
実施例2
マグネシア:100gに、表2に示す各種のカルボン酸およびそのMg塩を種々の量添加し、30℃の水を加えて500mlのスラリーとした。ついで、これらのスラリーを、ウォーターバスで液温:30℃に保ったままマグネチックスターラーで毎分:120回転で撹拌しながら、スラリー化直後の粘度と2時間経過後の粘度をB型粘度計で測定した。
【0032】
また、C:0.06mass%、Si:2.95mass%、Mn:0.07mass%、Se:0.015mass%、Sb:0.015mass%およびCr:0.03mass%を含み、残部はFeおよび不可避的不純物よりなる珪素鋼スラブを、1350℃で40分加熱後、熱間圧延により2.6mm厚の熱延板とし、ついで900℃,60秒の熱延板焼鈍後、1050℃,60秒の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により、0.30mmの最終板厚に仕上げた。ついで、脱炭焼鈍後、粘度変化を測定したのと同じ組成の焼鈍分離剤をそれぞれ塗布し、1200℃まで25℃/hで昇熱を行う仕上焼鈍を施した後、平滑化焼鈍を施し、焼鈍後に地鉄中C濃度を測定した。
スラリー化直後と2時間経過後の粘度変化と地鉄中C濃度および被膜外観(被膜均一性)について調べた結果を、表2に併記する。
なお、脱炭焼鈍後の地鉄中C濃度は10ppmであった。
また、被膜の均一性は、平滑化焼鈍後のコイルを全長にわたって目視検査し、被膜不良部(例えば黒いスジ模様や点状欠陥)の発生長さが全長の10%未満を良好、それ以上を不良とした。
【0033】
【表2】

【0034】
同表に示したとおり、本発明に従い調整したマグネシアスラリーはいずれも、2時間経過後の粘度上昇率が20%以下と粘度安定性に優れ、またかかるマグネシアスラリーを用いて製造した方向性電磁鋼板はいずれも、均一性に優れた被膜外観を得ることができた。
【0035】
実施例3
C:0.045mass%、Si:3.25mass%、Mn:0.070mass%、Al:80ppm、N:40ppmおよびS:20ppmを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物よりなる珪素鋼スラブを、1200℃に加熱後、熱間圧延により2.2mm厚の熱延板コイルとし、ついで1000℃,30秒間の熱延板焼鈍後、鋼板表面のスケールを除去した。次に、タンデム圧延機により冷間圧延し、最終板厚:0.30mmの冷延板とした。その後、均熱温度:850℃で90秒間保持する脱炭焼鈍を施したのち、2種類の焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃まで25℃/hで昇熱を行う仕上焼鈍を施したのち、平滑化焼鈍を施した。この時、2種類の焼鈍分離剤として、マグネシアスラリー中に酢酸Mgを5g添加したものと添加しなかったものを用い、それぞれスラリー作製直後と作製2時間後に鋼板に塗布したものの被膜外観について調査した。
【0036】
その結果、マグネシアスラリーに酢酸Mgを添加しなかったものは、2時間経過後に塗布した場合、塗布ムラに伴う外観不均一が見られたが、酢酸Mgを添加したものは2時間経過後であってもスラリー作製直後と同等に均一な被膜外観を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】マグネシアスラリー粘度の経時変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向性電磁鋼板の仕上焼鈍前の鋼板表面に塗布するマグネシアを主体とする焼鈍分離剤スラリーの調製方法であって、該焼鈍分離剤スラリーのスラリー化直後から2時間経過後の粘度上昇量が、B型粘度計により測定した値で20%以下となるように、カルボン酸またはカルボン酸のマグネシウム塩を添加して調整することを特徴とする焼鈍分離剤スラリーの調製方法。
【請求項2】
カルボン酸の分子量が200以下のカルボン酸またはそのカルボン酸のマグネシウム塩のうちから選ばれる1種または2種以上を合計で、マグネシア:100g当り1g以上 20g以下で添加することを特徴とする請求項1に記載の焼鈍分離剤スラリーの調製方法。
【請求項3】
マグネシアを主体とする方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーであって、該焼鈍分離剤スラリーのスラリー化直後から2時間経過後の粘度上昇量が、B型粘度計により測定した値で20%以下となるように、カルボン酸またはカルボン酸のマグネシウム塩を含有することを特徴とする方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリー。
【請求項4】
マグネシアを主体とする方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリーであって、分子量が200以下のカルボン酸またはそのカルボン酸のマグネシウム塩のうちから選ばれる1種または2種以上を合計で、マグネシア:100g当り1g以上 20g以下で含有することを特徴とする請求項3に記載の方向性電磁鋼板用の焼鈍分離剤スラリー。
【請求項5】
含けい素鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤スラリーを塗布した後、仕上圧延を施すことによって方向性電磁鋼板を製造するに際し、該焼鈍分離剤スラリーとして、請求項3または4に記載の焼鈍分離剤スラリーを用いることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−246973(P2007−246973A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71240(P2006−71240)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】