説明

施工ユニット取り付けシステム

プレハブ式の施工ユニットを建築構造物中の開口に取り付けるシステムは、複数のクリップを備える。クリップは施工ユニットのフレームに固定されるようになっている外側端部と、建築構造物に固定されるようになっている内側端部とを有する。外側端部は、施工ユニットのフランジを受承する深い溝を提供するように屈曲している。クリップは、作業者が建築構造物の外側からフランジを介して固定具を挿入する必要がなく、施工ユニットを設置することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレハブ式の施工ユニットを建物躯体の開口に取り付ける方法に関する。本発明の実施態様は、窓を建物躯体の開口に取り付けるためのシステムに具体化されている。
【背景技術】
【0002】
今日、ほとんどの窓は、フレームに取り付けられた1つ以上のガラス板を備えたユニットの形式にて供給されている。ガラス板は、典型的には、封止された二重または三重のガラスパネルを備える。フレームは、アルミニウム製のフレームが未だに販売されてはいるが、典型的には、熱を良くは伝達しないビニール、または、他のプラスチック材料からなる。窓ユニットのフレームは、典型的には、側面に沿って突出し、窓ユニットの周縁に延在する幅広のフランジを備える。扉、換気口、および、明り採りなどの他の種類のプレハブ式の施工ユニットは、同様なフランジを備えることができる。
【0003】
典型的な木製フレームの建物は、窓、扉、換気口、明り採りなどのプレハブ方式の施工ユニット用の開口を有する木製部材のフレームを備える。適切なサイズにした施工ユニットは、建物フレームの外側と重複し、且つ、当接するフランジにて夫々の開口に受承される。施工ユニットは、典型的には、施工ユニットの各辺に数本のねじまたは釘を配置することにより、フランジを介して建物フレームに正しく固定される。
【0004】
施工ユニットが現在設置される方法における不都合は、人は建物の外にいて施工ユニットを設置しなければならないことである。これは、特に窓ユニットに関しては、窓の開口が地表面からかなり上方に位置する可能性があるので問題である。このような位置にある窓は、しばしば梯子上に立っている人により設置される。特に風の強い天候や冬季の条件なら、これは危険である。
【0005】
施工ユニットが現在設置される方法におけるもう1つの不都合は、多くの建物は、外面に施した耐水用の膜を備えることである。この膜にねじまたは釘にて穿孔することは、膜の有効性を減じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
施工ユニットを設置するための、更に効率的な方法が必要性である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、施工ユニットを建物の壁面の開口に建物の内部から適切に固定するために用いられ得る、タブを有するプレハブ方式の施工ユニットを提供する。本発明の一態様は、施工ユニットを建築構造物に対して固定するために用いるクリップを提供する。クリップは、クリップの外側端部に施工ユニットのフレームのフランジを受承するための横方向の溝と、クリップの内側端部に少なくとも1つの装着点とを有する薄いタブを備える。装着点は、例えば開口、および/または、タブから突出している突起を備えることが可能である。クリップは、フレームのフランジを前記溝に挿入することにより、フレームに対して固定され得る。装着点は、クリップを建築構造物に対して固定するために用いられ得る。
【0008】
本発明の他の態様は、施工ユニットを建築構造物に対して固定するためのクリップを提供する。クリップは外側端部と内側端部とを備える。クリップの外側端部は、クリップを施工ユニットのフレームに対して固定する手段を備える。クリップの内側端部は、クリッ
プの内側端部を建築構造物に対して固定する手段を備える。これらの機能を実行するための様々な手段は、以下に説明される。
【0009】
本発明の更に他の実施態様は、フレーム、フレームの周縁にあり、フレームから側面に沿って突出しているフランジ、および、フレームから内側に向けて突出している複数のタブを備える施工ユニットを提供する。夫々のタブは、タブの外側端部においてフレームに対して装着されており、且つ、タブの内側端部において少なくとも1つの装着点を有する。前記装着点は、開口、および/または、タブから突出している突起を備える。
【0010】
本発明の更に他の態様は、建築構造物の壁面にある開口に、施工ユニットを設置する方法を提供する。このような一つの方法は、タブをフレームから内側に向けて突出させることにより、複数のタブを施工ユニットのフレームに対して固定する工程と、施工ユニットを開口中に据え付ける工程と、前記タブの内側端部を建築構造物に対して固定する工程とを備える。
【0011】
本発明の更なる態様、および、本発明の具体的な実施態様の特徴は、以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図面は、本発明の限定するためのものではない実施態様を図示したものである。
以下の説明を通して、本発明を更に充分に理解できるようにするために個別の詳細が提示される。しかし、本発明は、これらの具体事項が無くても実行され得る。次に、本発明を不必要に混乱させないため、公知の要素は詳細には図示、または、説明されていない。従って、明細書および図面は限定的なものというより、例示的なものとみなされるべきである。
【0013】
図1は、典型的な木製フレーム構造のフレーム10の一部を図示する。フレーム10は、羽目12により外面を被覆された木製の間柱11を備える。フレーム10は、窓ユニット15を受承するための木製のフレーム部材14に囲まれた開口13を有する。窓ユニット15は、いかなる適当な材料からなってもよい窓フレーム16とガラスパネル18とを有する。
【0014】
窓ユニット15は、4辺を有するとして図示されている。本発明は、三角形、円形、半円形、多角形などの他の形を有する施工ユニットでも使用されてよい。
窓フレーム16は、窓フレーム16の周縁において側面に沿って突出しているフランジ20を有する。開口13は、フランジ20の外形寸法より小さく、窓フレーム16を受承する寸法となっている。一方、フランジ20は羽目12の外部表面を圧迫する。
【0015】
本発明はクリップ30を提供する。クリップ30は、窓フレーム16を嵌合するようにされた外側端部32と、建物フレーム10の内側から建物フレーム10に対して固定されるようにされた内側端部34とを備える。クリップ30は、1つ以上のクリップ30を窓フレーム16の各辺に固定して使用される。図1に図示される実施例においては、2つのクリップ30が窓フレーム16の各辺に固定されている。より大きな窓ユニットに対しては、3つ以上のクリップ30が窓フレーム16の各辺に固定されてもよい。多くの場合、2つ以上のクリップ30が窓フレーム16の各辺に固定されるであろう。
【0016】
本発明の図示されている実施態様において、クリップ30はフランジ20に係着している。図2は更に詳細にクリップ30を示す。クリップ30は、鋼、強靭なプラスチックなどのあらゆる適切な材料の帯状片から形成される。クリップ30の材料は、弾力性に富むのが好ましい。幾つかの実施態様において、クリップ30は、クリップ30の材料と比較
して熱伝導性の乏しい被覆層(図示されていない)にて被覆されていてもよい。例えば、そのような被覆層は、ゴム、プラスチック、ビニール、グラスファイバなどを含む。そのような被覆層はクリップ30の表面(片面または両面)上での凝結を減少させ、または、防止させるのを助ける可能性がある。幾つかの実施態様において、被覆層はクリップ30の接触面(片面または両面)上に付与されてよい。クリップ30の内側端部34は、内側端部34を建築構造物10に固定するための、ねじまたは釘などの固定具を受承することができる1つ以上の開口36を備える。開口36は、内側端部34を建築構造物に対して固定させるための1つの可能な手段を構成している。
【0017】
クリップ30の外側端部32は屈曲され、深い溝38を画定している。図3に示される如く、溝38は窓フレーム16のフランジ20を受承するのに充分な程深い。溝38の両側にある部分39Aと部分39Bとは、好ましくは(必須ではないが)互いの方向に弾力をもって付勢されており、それにより、クリップ30はフランジ20を把持する傾向がある。内向きの歯40(図2)は、溝38の片側、または、両側に任意で設けられてよい。フランジ20が溝38に受承された後、歯40はフランジ20に噛み込み、溝38からフランジ20を引き出すことになるあらゆる力に抵抗する。
【0018】
溝38の外側42はテーパーをつけてもよく、これにより、フランジ20を溝38に導くのが容易になる。フランジ20が溝38の外側42に差し込まれるにつれて、フランジ20は部分39Aと部分38Bとを押し広げる傾向にあり、これにより、フランジ20は溝38に堅固に保持される。
【0019】
クリップ30は、好ましくは(必須ではないが)両端部32,34の中間の場所にて屈曲されている。その屈曲は支点44を明確化する。図3に示されるように、端部34が構造10に固定されると、クリップは支点44の周りに軸回転する傾向があり、従って、端部32はフランジ20と一層堅固に嵌合するように付勢される。クリップ30は、弾力があって柔軟性に富むのが好ましい。端部34が釘46などの固定具により建築構造物10に固定されるので、クリップ30は真っ直ぐとなる。
【0020】
クリップ30に屈曲を付与することはまた、内側に向けられた例えば釘またはねじなどの固定具により、クリップ30の建築構造物10に対する固定を促進する。このような固定具がかたく固定されると、クリップ30は内側に向けて引かれ、それにより、クリップ30は窓フレーム16を堅固に開口に引き込む。
【0021】
図4A、図4Bおよび図4Cは、内側端部34に関する幾つかの代替案の構成を図示している。図4A、図4Bおよび図4Cのいずれにおいても、端部34は幾つかの突起48を備えている。突起48はクリップ30から突出し、クリップ30が窓フレーム16に固定されるときにフレーム部材14(図1)に打ち込まれ得る。図示されている実施態様において、突起48はクリップ30の本体の材料と一体化しており、クリップ30の材料のフラップを屈曲させることにより形成される。突起48は図4Aおよび図4Bに示されるように三角形であってよく、または、図4Cに示されるように更に伸長された形を有してよく、または、他の形を有してよい。図4Aおよび図4Cの実施態様は開口36と突起48との両方を備える。突起48はクリップ30の端部34に直角に突出してよい。代替案の実施態様において、端部34を建築構造物10に対して固定させるのに使用できる突起48は、適切な方法により端部34に対して固定される別の要素を備えてもよい。例えば、適切な突起48が端部34にスポット溶接されていてもよい。端部34に固定された突起は、端部34を建築構造物10に対して固定させる代替手段を提供する。
【0022】
図4Cの実施態様において、突起48は柔軟性を有する爪49の終端の近くに配置される。
突起48は端部34を建築構造物10に対して恒久的に固定するに充分な程必ずしも大きくはない。幾つかの実施態様において、突起48は、ねじまたは釘が開口36を介して挿入されるまで、端部34を建築構造物に対して暫定的に保持するように用いられてもよい。
【0023】
図5Aおよび図5Bは、本発明の他の実施態様によるクリップ30を図示している。図5Aおよび図5Bの実施態様において、クリップ30は、中間部31の表面から上方に突出する隆起33を備える。窓ユニット15が建物開口23に、図5Aおよび図5Bに示されている種類のクリップを用いて取り付けられるときに、隆起33は、フレーム部材14の最上端14Aと窓フレーム16の下方縁16Aとの間に間隙37を作成する。間隙37は、窓ユニット15の同一辺上の隣接するクリップ同士の間に延在する。間隙37は、建物の外部と内部との間のガス、および/または、水分の交換を促進し、且つ、建物壁面の層間からのガス、および/または、水分の散逸を促進するように使用され得る。
【0024】
図5Bは窓ユニット15の下方辺にて使用されているクリップ30を図示するが、隆起33を有するクリップは、窓ユニット15の他の辺においても、間隙37を生成するように使用され得ることは、充分に理解されるであろう。図5Aおよび図5Bに図示された隆起33は、窓フレーム16とフレーム部材14との間の間隙37を生成する隆起の、可能性のある1つの実施態様を表す。幾つかの代替の実施態様は、クリップ30上に複数の隆起を備える。幾つかの代替の実施態様は、中間部31の反対面から対向する方向に(即ち、フレーム部材に向かって)突出する1つ以上の隆起を備える。他の代替の実施態様において、クリップ30は、部分39Bの表面から内側の方向に突出し、窓フランジ20(および、クリップ30の部分39B)と羽目12の外部表面との間に間隙を与える1つ以上の隆起を備える。このような間隙は、間隙37に連通し、ガス、および/または、水分の交換を促進できる。更に他の代替の実施態様においては、クリップ30の中間部31(および/または、部分39B)の相対的な厚さが増大し、これにより、クリップ30は、窓フレームと隣接する構造との間の間隙を与えるようなスペーサとして作用することができる。
【0025】
図6Aおよび図6Bはそれぞれ、本発明の更なる代替の実施態様によるクリップ130の断面図、および、等角図である。クリップ130は、外側切片130A、内側切片130B、および、断熱性連結材137を含む複数の切片を備える。図6Aおよび図6Bに示される如く、外側切片130Aは、好ましくは深い溝138を画定する部分139A,139Bを有する外側端部132を備える。内側切片130Bは、好ましくは内側端部134と中間部131とを備える。断熱性連結材137は、内側切片130Bを外側切片130Aに対して連結し、且つ、これら二者間を熱的に遮断する。断熱性連結材137は、外側切片130A、および、内側切片130Bの材料に比較して熱的に絶縁性である材料(単数もしくは複数)から製造される。例えば、外側切片130A、および、内側切片130Bは鋼、または、他種の金属合金からなることが可能であり、一方、断熱性連結材137は、ゴム、プラスチック、ビニール、ガラス繊維などからなることが可能である。外側切片130Aから内側切片130Bを熱的に遮断することにより、外側切片130Aにより感知された低温による内側切片130B上への水分の凝結の可能性が減少する。
【0026】
図示された実施態様において、断熱性連結材137は、外側切片130Aおよび内側切片130Bを夫々受承する溝141A,141Bを備える。断熱性連結材137は弾性材料から製造されるのが好ましく、従って、外側切片130Aと内側切片130Bとが溝141A,141Bに挿入されると、溝141A,141Bの変形は、外側切片130Aおよび内側切片130Bの先端を定位置に保持するように(即ち、外側切片130Aおよび内側切片130Bの先端を断熱性連結材137に対して装着するように)作用する。代替の実施態様において、接着剤、リベット、および/または他の適切な固定具は、外側切片
130Aおよび内側切片130Bの先端を断熱性連結材137に対して装着するのを補助するように使用されてもよい。断熱性連結材137は、切片130A,130Bの先端周辺に適切に成型されてもよい。外側切片130Aおよび内側切片130Bは、外側切片130Aおよび内側切片130Bの材料と比較して伝熱性の乏しい被覆層(図示せず)にて被覆されてもよい。このような被覆層はまた、外側切片130Aおよび内側切片130Bの表面(片側または両側)上の凝結を減少させ、または、防止するのを補助できる。
【0027】
本発明の使用により、プレハブ式の施工ユニットの建物への設置が、特に、施工ユニットが建物の外部から設置されるような場所に到達するために、人が梯子、足場、昇降機などを必要とする場合には、極めて単純化され得ることは充分に理解されるべきである。本発明によれば、作業者は、クリップ30を施工ユニットに対して固定させ、その後、構造の内側から、施工ユニットを斜めにして施工ユニットが設置される開口に向け、施工ユニットを開口を介して構造の外側に通すことができる。更に構造の内側から作業をすることにより、その後作業者は、施工ユニットを開口の定位置に引き込み、構造に対してクリップ30の内側端部34を固定することにより施工ユニットを定位置に固定する。必要なら、施工ユニットのフレームの周囲に詰め木を設置し、開口中の施工ユニットを適切に調整してもよい。
【0028】
耐水用の膜などが建物フレーム10の外面に施工されている場合には、本発明の更なる利点が認識される。施工ユニットを建築構造物に固定する従来のシステムは、典型的には、開口13に隣接する領域において、この膜は釘またはねじにより穿孔されることが必要とされる。幾つかの場合には、建築基準は、この膜が穿孔されるような方法で施工ユニットの下辺を固定することを禁止している。時には、この理由により、窓は下辺に固定具を用いることなく設置される。その結果は、特に風の強い天候の際に、窓の下辺が動くことがあり得る。本発明によるクリップ30の使用は、膜が無傷でいることを可能にし、更に、窓ユニット、および、他の施工ユニットの下辺を1つ以上のクリップ30により堅固にすることができる。
【0029】
上記した如き外側端部32を備えるクリップ30は、最小限の道具を用い、且つ、フレームにドリル穿孔したり、または、他の観点から窓やドアのフレームを改変したりする必要がなく、施工ユニットフレームに対して固定され得る。
【0030】
先に言及されている、例えば、部材、タブ、固定具などの構成要素は、他に指示が無ければ、その構成要素を言及(手段とする言及も含めて)することにより、記載されたその構成要素の機能を実行する(即ち、機能上等価である)あらゆる構成要素が、その構成要素と等価なものとして含まれると解釈されるべきである。更に、その構成要素を言及(手段とする言及も含めて)することにより、本発明の図示された例示的な実施態様にある機能を実行する開示された構造とは、構造上は等価ではない構成要素をも含めると解釈されるべきである。
【0031】
上述の開示に関し当業者には明らかであるように、本発明の実施の際に、本発明の精神または範囲を逸脱することなく、多くの変更および改変が可能である。例えば、
・ 上記の詳細な説明は主に窓ユニットに関係するが、本発明によるクリップは、扉ユニット、換気口ユニット、明り採りユニットなどの他の種類の施工ユニットを建物フレーム中の適切なサイズにした開口中に固定するために、同様に用いられ得ることは、理解されるべきである。
・ 幾つかの実施態様において、変形可能なエラストマー系の材料(図示せず)がクリップ30の中間部31の片面(または両面)に装着され得る。このような変形可能なエラストマー系の層(単層または複数層)は、クリップ30を更に順応性を付与するので、これにより、クリップ30の設置をし易くし、且つ、クリップ30が窓ユニット15またはフ
レーム10を思いかけず傷付けるのを防止できる。このような変形可能なエラストマー系の層(単層または複数層)はまた、窓ユニット15、および/または、フレーム部材14の縁の形状における反りに対応するのを補助することが可能である。類似の変形可能なエラストマー系の層(単層または複数層)は、先に論じたクリップに関する全ての実施態様において、使用することが可能である。
・ 幾つかの実施態様において、断熱性連結材137は、図6Aおよび図6Bに図示されたものとは異なる形状を有し、且つ、図6Aおよび図6Bに図示されたものとは異なる方法により外側切片130Aおよび内側切片130Bに装着され得る。図7Aおよび図7Bは、それぞれ、本発明の更なる実施態様による窓取り付け用クリップの断面図を示す。図7Aのクリップ130は外側切片130Aと内側切片130Bとを備える。切片130A,130Bは断面がT字型であり、切片130A,130B上に延在するフランジ150A,150Bを有する断熱性連結材137´により互いに連結されている。断熱性連結材137´は、接着剤、リベット、および/または、他の適切な固定具(図示せず)を用いて、外側切片130Aおよび内側切片130Bに連結され得る。T字型の断熱性連結材137´は、フランジ150A,150Bが切片130A,130Bの下に延在するように(切片130A,130Bに対して)逆転していてもよいことは、当業者は正しく理解するであろう。図7の実施態様において、外側切片130Aおよび内側切片130Bは比較的平坦な形状の断熱性連結材137´´により互いに連結されている。断熱性連結材137´´は、切片130A,130B上に夫々延在する外側端部152Aおよび内側端部152Bを備える。断熱性連結材137´´は、接着剤、リベット、および/または、他の適切な固定具(図示せず)を用いて、切片130A,130Bと連結され得る。断熱性連結材137´´のフランジ152A,152Bは、他の方法として、切片130A,130Bの下に、または、切片130A,130Bの上と下との両方に延在してもよいことは、当業者は正しく理解するであろう。断熱性連結材137´,137´´は、外側切片130Aおよび内側切片130Bの材料に比較して熱的に伝導性が乏しいのが好ましい。
従って、本発明の範囲は、以下の特許請求項により定義される大要に則り解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による取り付け用クリップを用いて建築構造物に設置された窓の部分破断等角図。
【図2】本発明の具体的な実施態様による窓取り付け用クリップの等角図。
【図3】図2に示される型の窓取り付け用クリップを用いて、建物フレームの開口中に設置された窓の一部の断面図。
【図4A】本発明の代替の実施態様による窓取り付け用クリップの端部の等角図。
【図4B】本発明の代替の実施態様による窓取り付け用クリップの端部の等角図。
【図4C】本発明の代替の実施態様による窓取り付け用クリップの端部の等角図。
【図5A】本発明の他の実施態様による窓取り付け用クリップの等角図。
【図5B】図5Aに示される型の窓取り付け用クリップを用いて建物フレームの開口中に設置された窓の一部の断面図。
【図6A】本発明の他の代替の実施態様による窓取り付け用クリップの断面図。
【図6B】本発明の他の代替の実施態様による窓取り付け用クリップの等角図。
【図7A】本発明の更なる実施態様による窓取り付け用クリップの断面図。
【図7B】本発明の更なる実施態様による窓取り付け用クリップの断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物に対して施工ユニットを固定するために使用されるクリップであって、外側端部において、施工ユニットのフレームのフランジを受承すべくクリップを横断する方向に延びる溝と、内側端部において、開口および突起の組合わせを1つ以上を備える少なくとも1つの装着点とからなる薄板状のタブを備えるクリップ。
【請求項2】
前記溝の開口部はテーパー状をなす請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記溝内において内方に指向する少なくとも1個の歯を備える請求項1又は2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記溝およびタブは、弾性材料よりなる屈曲片から一体的に形成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項5】
前記タブの外側端部および内側端部は、断熱性連結部材の対向する辺に連結された別材よりなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項6】
前記溝と少なくとも1つの装着点との間に配置された支点を備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項7】
前記支点は、タブ中の屈曲個所においてタブの外表面よりなる請求項6に記載のクリップ。
【請求項8】
前記タブは弾性材料にて形成される請求項7に記載のクリップ。
【請求項9】
前記弾性材料は鋼である請求項8に記載のクリップ。
【請求項10】
前記タブは、同タブに比較して熱伝導性の低い材料の層にて被覆されている請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項11】
前記タブは、溝とタブの内側端部との間に中間部を備える請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項12】
前記中間部はタブの外側端部および内側端部より厚い請求項11に記載のクリップ。
【請求項13】
前記中間部は同中間部の表面から突出する少なくとも1個の隆起部を備える請求項11又は12に記載のクリップ。
【請求項14】
前記中間部の表面に装着された変形可能なエラストマー系の材料の層を備える請求項11に記載のクリップ。
【請求項15】
断熱性連結部材の熱伝導性はタブの内側端部および外側端部の熱伝導性よりも低い請求項5に記載のクリップ。
【請求項16】
断熱性連結部材はその対向する側において、タブの内側端部および外側端部を夫々受承する一対の溝を備える請求項5乃至15のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項17】
断熱性連結部材はタブの外側端部と内側端部とに対応する表面に沿って夫々延在する外側連結フランジと内側連結フランジとを備える請求項5乃至15のいずれか1項に記載の
クリップ。
【請求項18】
断熱性連結部材は、外側連結フランジと内側連結フランジとの間にして、タブの外側端部と内側端部との間に配置された中央部を備える請求項17に記載のクリップ。
【請求項19】
前記装着点の突起はタブの端部に対してほぼ直角をなして突出する請求項1乃至18のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項20】
施工ユニットを建築構造物に対して固定するためのクリップであって、外側端部と内側端部とを備え、クリップの外側端部は同クリップを施工ユニットのフレームに対して固定する手段を備えるとともに、クリップの内側端部は同内側端部を建築構造物に対して固定する手段を備えるクリップ。
【請求項21】
フレームと、
前記フレームの周縁において同フレームから側方に突出するフランジと、
前記フレームから内方に突出する複数のタブと、前記タブは同タブの外側端部においてフレームに取り付けられるとともに、内側端部において少なくとも1個の装着点を有し、同装着点は、開口および突起よりなる少なくとも1つの組み合わせを有するタブとからなる施工ユニット。
【請求項22】
各タブは同タブの内側端部と外側端部との中間の位置に支点を備える請求項21に記載の施工ユニット。
【請求項23】
前記支点はタブ中の屈曲個所におけるタブの外表面よりなる請求項22に記載の施工ユニット。
【請求項24】
前記タブは弾性材料にて形成される請求項21乃至23のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項25】
前記弾性材料は鋼である請求項24に記載の施工ユニット。
【請求項26】
前記タブはその外側端部に溝を備え、同溝は前記フランジを受承して、把持する請求項21乃至25のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項27】
前記タブは溝内において内方に指向する少なくとも1個の歯を備える請求項26に記載の施工ユニット。
【請求項28】
前記溝とタブとは、弾性材料よりなるの屈曲片から一体的に形成されている請求項26乃至27のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項29】
各タブの外側端部および内側端部は、断熱性連結部材の両側に連結された別々の材料片を備え、断熱性連結部材の熱伝達率はタブの内側端部および外側端部の熱伝達率より低い請求項21乃至27のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項30】
前記フレームは4つの側部を有し、同フレームの4つの側部からそれぞれ突出するタブを複数個備える請求項21乃至29のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項31】
前記タブは同タブに比較して熱伝導率の低い材料よりなる層にて被覆されている請求項21乃至30のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項32】
前記タブはその内側端部と外側端部との間に中間部を備える請求項21乃至31に記載の施工ユニット。
【請求項33】
前記中間部はタブの内側端部および外側端部よりも厚い請求項32に記載の施工ユニット。
【請求項34】
前記中間部はその表面から突出している少なくとも1個の隆起を備える請求項32乃至33に記載の施工ユニット。
【請求項35】
前記中間部の表面に装着された、変形可能なエラストマー系の材料の層を備える請求項32に記載の施工ユニット。
【請求項36】
断熱性連結部材はその両側においてタブの内側端部および外側端部をそれぞれ受承する一対の溝を備える請求項29に記載の施工ユニット。
【請求項37】
断熱性連結部材はタブの外側端部と内側端部とに対応する表面に沿って夫々延在する外側連結フランジと内側連結フランジとを備える請求項29に記載のクリップ。
【請求項38】
断熱性連結部材は、外側連結フランジと内側連結フランジとの間にして、タブの外側端部と内側端部との間に中央部を備える請求項37に記載のクリップ。
【請求項39】
フレーム内に透明パネルを有する窓ユニットを備える請求項21乃至38のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項40】
フレーム内に扉を有する扉ユニットを備える請求項21乃至38のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項41】
施工ユニットはフレーム内に換気口を有する換気口ユニットを備える請求項21乃至38のいずれか1項に記載の施工ユニット。
【請求項42】
施工ユニットはフレーム内に透光性パネルを有する採光ユニットを備える請求項21乃至38に記載の施工ユニット。
【請求項43】
施工ユニットを建築構造物の壁面中の開口に設置する方法であって、
施工ユニットのフレームから内側に突出するタブにより、複数の同タブを前記フレームに対して固定する工程と、
施工ユニットを前記開口に載置する工程と、
前記タブの内側端部を建築構造物に対して固定する工程とを備える方法。
【請求項44】
施工ユニットは複数の側部を備え、前記方法はフレームの各側部に対して少なくとも1つのタブを固定する工程を備える請求項43に記載の方法。
【請求項45】
施工ユニットは、施工ユニットの周縁にあり、且つ、側面に沿って突出したフランジを備え、フランジを建築構造物の壁面の外表面に対して引き当てる工程を備える請求項43乃至44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
複数のタブを施工ユニットのフレームに対して固定する工程は、前記複数のタブを施工ユニットのフランジに対して固定する工程を備える請求項45に記載の方法。
【請求項47】
各タブは同タブの外側端部に溝を備え、施工ユニットのフランジに対してタブを固定す
る工程は、施工ユニットのフランジをタブの溝に押入する工程を備える請求項46に記載の方法。
【請求項48】
各タブは弾力性を有するとともに、支点を備え、前記方法は、タブの内側端部を建築構造物に対して固定するに先立って、及び固定する間の少なくともいずれかにおいて、前記タブの内側端部を外方に弾力性をもって曲げる工程と、これにより、フレームに対してタブの外側端部を付勢する工程とを備える請求項43乃至47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記タブの内側端部を建築構造物に対して固定する工程は、タブの内側端部に設けた開口を介し、建築構造物にねじを打ち込む工程を備える請求項43乃至48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記タブの内側端部を建築構造物に対して固定する工程は、前記タブの内側端部に設けた開口を介し、建築構造物に釘を打ち込む工程を備える請求項43乃至49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記タブは同タブから突出する突起を備え、前記タブの内側端部を建築構造物に対して固定する工程は、前記突起を建築構造物に打ち込む工程を備える請求項43乃至50のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−514180(P2006−514180A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−567674(P2004−567674)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001975
【国際公開番号】WO2004/070153
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(505300542)
【氏名又は名称原語表記】MOFFATT,Andrew,M.
【Fターム(参考)】