説明

施設の環境影響を評価する装置,システム及び方法

【課題】商業施設及び公共施設のうち一つの環境影響を評価する際に用いる温室効果ガス足跡情報を提供するように構成されたシステムを実現すること。
【解決手段】本発明の計算機装置は,利用者から問合せを受信する処理部であって,該問合せは商業施設及び公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータと関係する,処理部と,前記施設パラメータから,前記施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つのを決定する処理部と,前記施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供する処理部と,を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,温室効果ガス排出の分野に関し,特に,施設に関係する種々のパラメータによって判断される当該施設の環境影響を評価する際に用いられる,温室効果ガス足跡(footprint)情報を提供するシステム,装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,地球温暖化がメディアによって取り上げられることが大いに増加している。したがって,一般の人と同様に,企業及び消費者も環境への影響により関心を持つようになってきた。このような関心は,消費者の自覚と,消費者が製品及びそれに関係する会社を選択する際の選択意識とを改善させるため,世界中で法制化の提案及び環境運動につながっている。この目的のために,今や広範な多くの決定が,サービス,製品,などの特定の選択に関係する環境要因によってなされ,それによって二酸化炭素(CO)の発生又はほかのガス排出を減少させることができる。
【0003】
この点について,温室効果ガスの排出を減少させる方法を提供することが,話題となっている。しかし,我々の環境影響を減少させる別の方法は,温室効果ガス又は炭素の隔離(sequestration)を増加させることである。炭素隔離は,地球温暖化を軽減させるために,二酸化炭素又は他の形態の炭素を長期保存するための地球工学技法である。例えば,農業の方法を修正することは,土壌が効果的な炭素吸収源(sink)として作用しうるため,定評のある炭素隔離方法である。農業における炭素排出削減方法は,概略次の二つの範ちゅう,(1)排出を削減及び/又は移動させる,(2)炭素除去を強化する,に分類される。これらの削減方法のいくつかは一般に,自然な炭素サイクルを中断する一方,施設運用効率を改善すること(すなわち,燃料効率のよい装置)を含む。農業分野においては広範な炭素制御技法を利用可能であるが,すべてが同じ程度の効果を有する訳ではない。また,効果の程度は,場所,気候,天候,植物の種類,等のような芝地(turf)管理における通常の変動を考慮したとき,大きく変化することがある。また,いくつかの効果的な炭素隔離技法は,別の分野の環境関心事に悪い影響を与えることがある。
【0004】
特定の施設に関して,このような広範なパラメータが温室効果ガス隔離と同様に,温室効果ガス排出の原因となるため,排出及び隔離の推定を行うことには問題が多い。このような情報は,地権者,消費者,企業,等が,温室効果ガス排出及び隔離に対する個々の貢献を判断し,評価し,管理するために有用である。さらに,当該施設に関係するパラメータを変更し,その最適値を決定することができれば,地球温暖化に対処し,施設の総合的な環境影響を減少させようと最大限の努力をしている人々にとって有利であろう。
【0005】
したがって,施設に関する評価及び/又は管理上の判断を行うために,当該施設に関係する温室効果ガス足跡情報を利用者に提供するために,例えばエネルギ消費,水消費,施設プロファイル,保守作業のような,施設に関係する種々のパラメータに基づいて,施設に関係する温室効果ガス排出量及び温室効果ガス隔離量を見積ることができる方法,システム及び計算機プログラム製品を提供することが有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
先に概説した要求は本願発明によって満たされ,本願発明は種々の実施形態において,商業施設又は公共(municipal)施設のような施設の環境影響を評価し,管理する際に用いられる温室効果ガス足跡情報を提供することに関して,上述の技術課題及びほかの技術課題の多くを克服する,温室効果ガス評価の方法,システム及び/又は装置を提供する。
【0007】
上述の要求及びほかの要求は本願発明によって満たされ,一つの実施形態において,商業施設及び公共施設のうち一つに関係する温室効果ガス足跡情報を提供する方法が提供される。この方法は,計算機ネットワークを介して利用者から問合せ(query)を受信するステップを有し,上記問合せは商業施設及び公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータに関係する。この方法は,プロセッサの一部を介して,上記施設パラメータから,商業施設又は公共施設に関係する温室効果ガス排出量を示す温室効果ガス推定量と,上記商業施設,又は公共施設によって隔離された温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減推定量とのうち少なくとも一つを決定するステップを更に有する。さらに本方法は,(1)商業施設又は公共施設の環境影響を評価する際,及び/又は(2)当該影響を緩和するように施設パラメータを管理する際,に使用できる温室効果ガス足跡情報を提供するために,上記問合せに直接応答して,表示装置又はほかの報告器具を介して,温室効果ガス排出推定量及び温室効果ガス削減推定量のうち少なくとも一つの指標(indicia)を提供するステップを有する。いくつかの実施形態において本方法は,温室効果ガス排出推定量と,温室効果ガス削減推定量との差から,正味温室効果ガス足跡推定量を決定するステップを更に有する。
【0008】
本発明のほかの有利な態様は,ここに説明したように,商業システム又は公共施設の環境影響を評価する際,又は施設パラメータを管理する際に用いられる温室効果ガス足跡情報を提供する関係する方法を実現するシステムである。このシステムは,本願発明のほかの実施形態による関係する方法を達成するための1又は複数の実行可能部分及び/又は処理部分を有する計算機ハードウェア,ソフトウェア,又は計算機ソフトウェア及びハードウェアの組合せによって実現することができる。代表的実施形態においては,温室効果ガス評価システムは,上述の関連方法を実現することができる,例えばインターネットのようなより大規模な計算機ネットワークの一部である,中間計算機又は計算機装置上において少なくとも部分的に起動され,設定される。このような中間計算機又は計算機装置は,例えば,当業者には既知のとおり,上述の機能を実現することができる,デスクトップパーソナルコンピュータ,ラップトップパーソナルコンピュータ,携帯計算機若しくはPDA,スマートホン,サーバ,ルータ,メインフレーム計算機,又は類似装置,又はそれらの組合せ,を含む。温室ガス効果評価システムはいったん中間計算機又は計算機装置上に設定されると,上記中間計算機又は計算機装置とは別であるが,計算機ネットワークと通信することができ,その結果,例えばネットワーク通信回線(有線ネットワーク,無線ネットワーク,セルラネットワーク,又は類似物のような)を介して,中間計算機又は計算機装置と通信することができる,利用者の計算機装置(これも温室効果ガス評価システムの一部である)を介して,顧客(ここでは「利用者」又は「消費者」とも呼ばれる)にアクセスすることができる。ほかの実施形態によれば,計算機装置はスタンドアローンで,かつより大きなネットワークの一部をなすことなく,関係する方法を実現することができる。ここで,上記の1又は複数の実行可能部分及び/又は処理部分は,より大きなネットワークの援助なしに,計算機装置上で実行又は処理を行うことができる。
【0009】
このように,商業施設又は公共施設の環境影響を評価する際に用いられる,本願発明の実施形態において説明したとおりの温室ガス足跡情報を提供する方法,システム及び装置は次の多くの利点を提供するが,これに限定されるものではない。すなわち,利用者に,施設に関係する温室効果ガス排出及び隔離情報を提供し,決定された温室効果ガス排出及び隔離情報と,なじみのある比較対象との比較を提供する。一つの特定の実施形態において,本願発明は,例えばゴルフコース,運動場及び公共公園のような,集中的に管理された緑地又は芝地を有する施設の環境影響を評価するために,特に適している。本発明はまた,例えば芝生管理サービス事業によって管理されている芝地又は緑地の環境影響,又は共通のブランド又はフランチャイズ下で一緒に管理されている複数の施設の環境影響を評価するために適している。このようにして,決定された温室効果ガス排出及び隔離情報の比較は,このような共通に管理されている施設を横断して提供される。
【0010】
当業者には明白な種々の利点が,本願発明の方法,システム及び装置によって提供される。これらの利点のすべてが,利用者が温室効果ガス足跡の評定及び評価を効果的,効率的に行うことを可能にすることは重要である。
【0011】
このように本発明を一般的な言葉で説明してきたが,ここで添付の図面を参照する。これらの図面は,必ずしも正確な縮尺で描かれたものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による,ゴルフ施設に関係する種々のパラメータに基づいて,当該ゴルフ施設の温室効果ガス足跡情報を利用者に提供するシステムを概略示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による,ゴルフ施設に関係する種々のパラメータに基づいて,当該ゴルフ施設の温室効果ガス足跡情報を利用者に提供する計算機装置を概略示す図である。
【図3】商業施設又は公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータに関係する問合せを受信するステップと,上記施設に関係する温室効果ガス排出推定量と,上記施設に関係する温室効果ガス削減推定量とのうち少なくとも一つを決定するステップと,上記問合せに直接応答して,温室効果ガス排出推定量及び温室効果ガス削減推定量のうち少なくとも一つの指標を提供するステップと,を有する,本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。
【図4】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図5】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図6】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図7】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図8】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図9】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図10】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図11】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図12】ゴルフ施設の環境影響を評価するために用いられる温室効果ガス足跡情報を受信するために送信される問合せに含まれる,当該ゴルフ施設に関係する種々のパラメータを利用者が入力することができる,本発明の一実施形態によるインタフェース表示を示す図である。
【図13】ゴルフ施設に関係する種々のパラメータに従って,当該ゴルフ施設に関係する温室効果ガス足跡情報の指標を利用者が見ることができる,本発明の一実施形態による表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以降,添付の図面を参照して本願発明をより詳細に説明する。図面は,本発明のいくつかの実施形態を示すものであり,すべては示していない。実際,これらの発明は種々の形態で実施可能であり,ここに示した実施形態に限定されるものではない。反対に,これらの実施形態は,本明細書が必要な法的要求条件を満たすように提供されるものである。全図を通して,類似の参照記号は類似要素を指す。
【0014】
上述の本発明の種々の態様及び本発明の多くのほかの態様を,以降詳細に説明する。温室効果ガス足跡評価環境において,利用者が,例えば公共施設又はゴルフコース施設のような商業施設に関係する情報を提供する本発明の方法,システム及び装置が説明される。この方法,システム及び装置の利点は,温室効果ガス隔離の増加だけでなく,温室効果ガス排出の減少にも関係する。ここで,「施設」の用語は,例えば商業施設(例えば,ゴルフコース施設,産業施設),公共施設(例えば,公園,都市コミュニティ又は郊外コミュニティ),若しくは温室効果ガス排出を削減し,又は温室効果ガス隔離を改善するために農業協定(protocol)を用いることができる任意のほかの施設又は施設集合,のような多くの種類の施設を指すものとする。ここで説明する本発明の実施形態は,集中的に管理された芝地を有する(商業,公共,などの)施設,又は非芝地部分に加えて,芝地又は樹木若しくはほかの管理された植物相を含む緑地を含む施設に特に有利な態様を提供する。
【0015】
一般に,利用者は商業施設又は公共施設に関係する種々のパラメータを入力し,入力は問合せに編集される。問合せの入力されたパラメータは,当該施設の温室効果ガス排出量及び/又は隔離量を推定するために用いられる。さらに,利用者は上記問合せに直接応答して,当該施設に関係する温室効果ガス排出及び/又は隔離に関係する情報を受信する。このようにして利用者は,当該施設に現在関係している実際のパラメータ,又は当該施設に関係する人工的な(仮定の)パラメータ,又は実際のパラメータと人工的なパラメータとの組合せを入力することができる。人工的パラメータを含めることによって,利用者はシミュレーションツール又は判断支援ツールを用いて,施設の環境影響に重要又は大きな変化をもたらすパラメータ調整を決定することができる。このように利用者は,施設の運営のための種々の製品,手順,等を,実現に先立って実際に試験することを不要にして費用を限定しつつ,当該製品,手順,等を実現するための評定及び評価を行うために利用可能な情報を増加させることができるという恩恵を受ける。一実施形態において,1又は複数の施設運営又は地域的変動に関する実時間の,現在又は過去のデータがネットワークを介して,又はテレメトリによってセンサから受信され,そして問合せモジュールに自動的に入力される。このようにして,利用者は,施設に属する種々の製品入力,手順及び/又は管理判断を実現することに起因するかも知れない環境影響の動的傾向を決定するために利用できる情報を増加させることができるという恩恵を受ける。本発明の方法,システム及び装置は,グラウンド整備員,ゴルフコース管理者,公共の緑地又は園地(landscape)管理者,芝地管理手段の販売者(すなわち,肥料,種苗,などの販売者),芝生管理者,芝生管理サービスの販売者,及び学生が用いることができる。
【0016】
これに関して,ここで開示する方法,システム及び計算機プログラム製品は,概略,商業施設又は公共施設に関係する温室効果ガス足跡の評価を支援するための温室効果ガス足跡情報を決定し,提供することに関する。このような決定は,例えば,適切な計算機プログラム製品を実行する計算機装置によって達成される。この説明のために,「計算機装置」の用語は,デスクトップコンピュータ及びラップトップコンピュータ,並びに携帯電話機,スマートホン,パーソナルデジタルアシスタント(PDA),及び処理能力を有する可搬型・非可搬型のほかの電子装置を含むが,これらには限定されない。
【0017】
図1は,利用者から問合せを受信し,例えばゴルフ施設(例えば,ゴルフコース,ゴルフ練習場,等)のような商業施設に関係する温室効果ガス足跡を提供する,本発明の一実施形態による,計算機ネットワークを介して動作するシステムの概略図であって,商業施設と関係するパラメータ及びその環境影響を評価する際に用いられる温室効果ガス足跡情報を提供する,本発明の更なる実施形態による方法を表している。システム120は,中間計算機又はほかの計算機装置110上で起動され,展開(develop)され,管理される。中間計算機又はほかの計算機装置110は,例えばインターネットのようなより大きな計算機ネットワーク100の一部である。このような中間計算機又は計算機装置110は,ここでは利便性及び簡潔性のために「中間計算機110」と呼ばれ,例えば,デスクトップパーソナルコンピュータ,ラップトップパーソナルコンピュータ,スマートホン,サーバ,ルータ,メインフレーム計算機,又はここで説明する機能及び方法を実現することができる当業者には理解されるであろう類似の装置若しくはそれらの組合せを含んでもよい。
【0018】
システム120は,中間計算機110上に設定されると,計算機ネットワーク100と通信することができ,例えばネットワーク通信回線150を介して中間計算機110と通信することができる利用者の計算機130を介して利用者にアクセスすることができる。ここで「利用者の計算機130」は,利便性及び簡潔性のために,『利用者130』と呼ぶ。ここでは計算機ネットワークと通信する単一計算機装置の簡単な図を示すが,この概念は,例えばワールドワイドウェブ上のインターネットサイトを介する通信を表し,多くの別の計算機及び連携する装置を含むものとし,インターネットを介する通信の概念は当業者には既知であることに注意されたい。中間計算機110は通常,利用者130から遠くにあり,利用者とは別個,かつ独立であることに注意されたい。しかし,いくつかの例においては,中間計算機110によって実行される,ここで説明するシステム及び対応する方法の実施形態は,(図2に示すように)利用者の計算機130によって提供(host)することができ,その場合,利用者の計算機130はまた,本願発明の精神及び範囲に合致する中間計算機130として動作することができる。
【0019】
システム120が提供する資源を調査するため,例えば,施設に関係する種々のパラメータに基づいて温室効果ガス足跡情報を決定するために,利用者130はネットワーク通信回線150を介して中間計算機110にアクセスする。中間計算機110上のシステム120には,一般に,利用者問合せモジュール160と,温室効果ガス(GHG)排出量推定モジュール170と,GHG隔離量推定モジュール180と,情報提供モジュール200とが連携する。いくつかの実施形態によれば,正味GHGモジュール190もまたシステム120と連携することができる。温室効果ガス足跡評価システム120は,一般に計算機ソフトウェアによって実現されるが,システム120はまた,いくつかの例においては,ソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実現される。利用者問合せモジュール160,GHG排出量推定モジュール170,GHG隔離量推定モジュール180,及び/又は正味GHGモジュール190によって収集された情報は,一般に,例えば中間計算機110に組み込まれるか,そうでなければ連携するメモリ装置(図示していない)内の1又は複数のデータベースに記憶される。したがって,当業者であれば気付くであろうが,システム120はデータマイニングの機会を提供することができる。さらに,利用者問合せモジュール160と,GHG排出量推定モジュール170と,GHG隔離量推定モジュール180と,正味GHGモジュール190と,情報提供者モジュール200とは,通常計算機ソフトウェアによって実現される。しかし,いくつかの例においては,これらの部品はソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実現される。例えば,GHG排出量推定モジュール170及び/又はGHG隔離量推定モジュール180は,例えば施設に関係する地理情報システム(GIS)のデータ,燃料割合/費用,エネルギ消費割合/費用を取得するために,ルータ,サーバ,スイッチなどに適切にアクセスできるように,それらを含んでもよいし,それらと通信するように配置してもよい。さらに,情報提供モジュール200は,例えば施設の温室効果ガス排出量及び隔離量の推定値のような温室効果ガス足跡情報及び/又はそれらと関係するほかの情報をシステム120を介して表示するために,文字,図形,音響,紙の報告,電子メール,インスタントメッセージ,などを提示するディスプレイ,ドライバ,などを備えてもよい。
【0020】
一般にこれらの要素又はモジュールが協働してシステム120を形成し,計算機ソフトウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実現され,商業施設又は公共施設と関係する温室効果ガス足跡情報を提供する,本発明による方法の実施形態を実行することができる1又は複数の処理部分を含む。このように,本発明によるこれらの方法の実施形態は,連携するシステム又は計算機装置の1又は複数の対応する処理部分によって実現され,各処理部分は,規定された機能のうち1又は複数を実現することができるソフトウェア部品を備えてもよいし,ソフトウェア部品及びハードウェア部品双方を備えてもよい。また,連携する計算機ソフトウェアプログラム製品も提供され,このような計算機ソフトウェアプログラム製品は,適切な計算機装置によって実行されると,ここで説明した任意の方法又はすべての方法を実行することができる1又は複数の実行可能部分を含んでもよい。したがって,温室効果ガス足跡評価システム120及びその連携要素の動作は,本発明の一実施形態に対応する連携する方法の記載によって,より詳細に説明される。
【0021】
本発明は,方法,システム及び装置を提供するだけでなく,上述の操作を実行する計算機プログラム製品も提供する。この計算機プログラム製品は,計算機可読プログラムコード手段を組み込んだ計算機可読記憶媒体を備える。計算機可読記憶媒体は記憶装置の一部であってよく,上述の操作を実行する計算機可読プログラムコード手段を実現することができる。
【0022】
この点に関して,図1及び2は,本発明による方法,システム及び装置のブロック図である。ブロック図の各ブロック又はステップ,及びブロック図内のブロックの組合せは,計算機プログラム命令によって実現できるものとする。これらの計算機プログラム命令は計算機装置又はほかのプログラム可能装置に読み込まれて機械をなし,該計算機装置又はほかのプログラム可能装置上で実行された命令が,ブロック図,フローチャート又は制御フローブロック又はステップによって規定された機能を実現する手段を生成する。またこれらの計算機プログラム命令は計算機可読メモリに記憶されて,計算機装置又はほかのプログラム可能装置が特定の方法で機能するように指示し,上記計算機可読メモリに記憶された命令が,ブロック図,フローチャート又は制御フローブロック又はステップによって規定された機能を実現する命令を含む製造物を生成する。また,計算機プログラム命令は計算機装置又はほかのプログラム可能装置に読み込まれて,該計算機装置又はほかのプログラム可能装置上で実行される一連の操作ステップが計算機実現処理を生成させ,上記計算機装置又はほかのプログラム可能装置上で実行された命令が,ブロック図,フローチャート又は制御フローブロック又はステップによって規定された機能を実現するステップを提供する。
【0023】
図3は,商用施設又は公共施設に関係する温室効果ガス足跡情報を提供する,本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。この方法は例えば,利用者から問合せを受信するステップ300であって,該問合せは商業施設又は公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータに関係する,ステップと,上記施設に関係する解放された温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値と,上記施設によって隔離された温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値とのうち少なくとも一つを,上記施設パラメータから決定するステップ310と,上記問合せに直接応答して,温室効果ガス排出量推定値と,温室効果ガス削減量推定値とのうち少なくとも一つの指標(indicia)を提供するステップ320と,を有する。このように,本発明の方法の実施形態はさらに,施設の環境影響を評価するために,温室効果ガス足跡情報を利用者に報告又は表示してもよい。
【0024】
<受信ステップ>
一実施形態において,受信ステップ300は例えば,施設に関するパラメータ及び/又は情報に関する利用者からの入力を監視又は検出するステップを有してもよく,このような入力は利用者が発出した問合せに編集される。パラメータ,情報又は問合せのすべて又は一部は,手動で入力してもよいし,自動的に入力されてもよい。すなわち,施設に関係する入力値/パラメータは,本発明の種々の態様によって提供される温室効果ガス排出量及び隔離量の推定値を決定するために用いられる。この点に関して,施設に関する温室効果ガス足跡情報を決定及び提供するために発出された問合せを編集するために用いることができる入力値/パラメータの数には制限がない。例として,ここに開示された方法,システム,計算機プログラム製品は,例えば施設プロファイル,施設エネルギ消費,施設維持管理プログラム/作業,及び利用者又は当業者にとって重要な任意のほかのパラメータのような種々のパラメータに基づいて,温室効果ガス足跡情報を決定するために用いることができる。一特定実施形態において,評価する商業施設はゴルフコース施設であってよい。このような実施形態において,ゴルフコース施設に関係するパラメータは,例えば園地プロファイル,維持管理作業(芝刈り,かんがい用水使用,肥料,及び殺虫剤使用),樹木管理(例えば,Syngenta(登録商標)Crop Protectionが製造し,TREE-ageの商標で販売されているエマメクチン安息香酸塩(emamectin benzoate)を樹木に注入することによる),ゴルフカートの使用,クラブハウスのエネルギ使用,植物成長調整剤(PGR)の使用(例えば,PGR製品は,Syngenta(登録商標) Crop Protection, Incorporatedから入手可能な,PRIMO MAXXの商標で販売されているトリネキサパックエチル(trinexapac-ethyl)のような製品であってよい)を含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施形態によれば,受信ステップ300は,利用者が操作する計算機装置と,(インターネットのような)有線ネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して通信する計算機装置によって,施設の衛星写真及び空中写真を受信すること,例えば,1又は複数の維持管理作業等に関係するパラメータを有する常時稼働(on−the−go)センサ技術情報を受信すること,によって実行してもよい。別の例においては,利用者は第三者によって運用される計算機装置によって提供されるインターネットウェブサイトにアクセスすることができ,利用者は当該インターネットウェブサイトにアクセスするために,「クリックスルー」することができる。このようにして,商業施設に関係する入力パラメータがインターネットウェブサイトを介して第三者に受信され,当該第三者が運用するインターネットウェブサイトを介して温室効果ガス足跡情報が提供される。例えば,図4〜12は,利用者が決定した入力パラメータ又は入力値を,当該利用者が入力することができるように,表示装置上に表示されたインターネットウェブサイトを示している。このように,本発明のいくつかの実施形態によれば,利用者は,図4〜12に一般的に示した表示400を提示するように構成されたインターネットウェブサイトを介して,温室効果ガス足跡ツールにアクセスすることができ,それによって,利用者は,表示400に示されている,一般的かつ集合的に示された複数の入力エントリフィールド410のうちいずれか一つに,施設関連情報を入力することができる。
【0026】
本発明のいくつかの方法,システム及び装置に関する実施形態によれば,図4〜12に一般的に示された表示400は,選択された(すなわち,マウスのクリックによって)対話型図形として施設入力エントリフィールド410を表示し,表示400が,例えば当業者には理解されるようにキーボード装置によって施設入力エントリフィールド410に数値を入力できるようにする。別の例では利用者は,当業者には理解されるように,選択可能な複数の固定選択肢を利用者に提供するドロップダウンメニューと対話する。図4〜12に例示された表示及び施設入力エントリフィールドはゴルフコース施設及びそれに関するパラメータに特に関するものであるが,このような実施形態は本発明を制限するものではなく,例示実施形態として提供されるものに過ぎない。上述のとおり,本発明の実施形態は種々の個別又は複数の商業施設又は公共施設,及びそれらに関するパラメータに関して実現することができる。例えば芝生管理サービス事業のプロファイルは,管理下のいくつかの住居及び関係する情報を含んでもよい。一方,リゾートのプロファイルは,いくつかの管理下の個別のゴルフコース及びそれに関係する情報を含んでもよい。
【0027】
本発明の実施形態によれば,商業施設又は公共施設に関係する入力パラメータは,利用者が提供,又は収集した実際のデータから決定してもよい。いくつかの例においては,データは,例えば1年のような所定の期間,又は特定の年の動的な施設管理を可能にするため,例えば1月又は四半期のようなより短い期間に渡って決定してもよい。もちろん,いくつかの例においては,入力パラメータは利用者が提供した純粋な仮想データを含んでもよい。すなわち,本発明の実施例によって提供される温室効果ガス情報は,いくつかの例においては,どのような特定のデータ,又はどのような実際のサンプリングデータにも基づいていなくてもよい。その代わり,例えば,施設の温室効果ガス排出を減少させるか,及び/又は施設による温室効果ガス隔離を増加させるためにより効果的な特定の行動又は戦略下の種々のシナリオを想像し,計画し又はその決定を支援するために,仮想パラメータデータを用いてもよい。
【0028】
施設に関係する入力パラメータは,施設によって排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出推定,及び/又は施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減推定を開発/決定/計算するために用いられる任意の情報を含んでもよい。この種のパラメータは,GHGの発生源(例えばエネルギ消費)又はGHGの吸収源(例えば芝地,樹木,自然の草地,など)を含んでもよい。例えば,このパラメータは,ゴルフコース施設情報(図4),施設プロファイル(図5),管理作業情報(図6),水消費又はかんがい(灌漑)情報(図7),肥料及び殺虫剤利用情報(図8),ゴルフカート利用情報(図9),施設エネルギ消費情報(図10),芝地/園地情報(図11),及びPGR製品利用情報(図12)を含んでもよい。ここに掲げたパラメータは本発明の実施形態を制限するものではなく,特にゴルフコース施設によって代表される施設に関する例示実施形態として提供されるものである。
【0029】
例として,ゴルフコース施設のホールの数及びコースの全体面積に加え,園地プロファイルについて,プロファイルは森林の密度(低,中,高,など)並びに樹木の樹齢及び種別(落葉樹,針葉樹,砂漠林地(desert woodland),落葉樹/針葉樹混合,など)に関する情報を含んでもよい。かんがいに関する情報は水源(地上,地下,混合)及び水の種類(飲用,半処理,雨水,又は生)を含んでもよい。肥料情報は,種別(窒化アンモニウム,硫化アンモニウム,窒化カルシウム,尿素,ESN,IBDN,メチレン,尿素,ポリマ被覆尿素,硫黄被覆尿素,UF,有機,その他,など)及び形態(液体,粒状,施肥かんがい)を含んでもよい。芝地情報,例えば種別(寒地型,暖地型,追播)及び品種(ベントグラス,多年生ライムギ,バーミューダ,ライムギ,ケンタッキーブルー,など)も収集してよい。
【0030】
上述のとおり,問合せを編集するために用いられるパラメータのうちいくつかは,システム及び/又は計算機装置又はセンサによって取得され,そのため利用者はそのような情報を提供する必要がない。すなわち,いくつかの例においては,システム及び/又は計算機装置がエントリフィールドを埋めてもよいし,又は利用者によって,若しくは自動的に提供されるほかの情報に基づいて一定のパラメータを提供してもよい。例えば,商業施設に関係する地理情報システム(GIS)データ,燃料価格/費用,エネルギ消費価格/費用を自動的に取得してもよい。したがって,利用者の入力パラメータが問合せに編集され,それが当該施設に関係するため,最終的に温室効果ガス足跡情報を提供するために用いられる。いくつかの実施形態によれば,害虫(pest)情報のような入力値を,対応するパラメータに関係する入力エントリフィールド410に入力してもよい。このようなデータは,土地調査(ground scouting),維持管理記録,及び/又はシステム又はデータベースに含まれるほかの関連情報によって取得できる。
【0031】
図12に示すように,施設に関係する温室効果ガス足跡情報を決定するために使うことができる一つの特定のパラメータは,植物成長調整剤(PGR),例えばSyngenta(登録商標)Crop Protection, Incorporatedを通じて入手可能なPRIMO MAXXの商標で販売されているトリネキサパックエチルのような製品の使用である。PGR製品は,高温,かんばつ,病気及び歩行のようなストレスが始まる前に該製品を施用することによって極端な条件に対して芝草を準備させ,強化し,したがってシーズンを通じて進行するストレスに耐えられるようにするために,使用することができる。このようにしてPGR製品は,施設の芝刈りのための時間及び燃料に関係する費用を節約する。この観点で,植物の健康状態を改善するほかの製品もまた使用してよい。例えば,植物の健康状態を強化し,また病気又はほかの害虫を管理する製品,例えばSyngenta(登録商標)Crop Protection, Incorporatedを通じて入手可能なHERITAGEの登録商標で販売されているアゾキシストロビンを含むストロビルリンのような製品は,本発明による使用に適している。このエネルギ節約情報はまた,芝刈り装置からの温室効果ガス/CO排出を削減することになり,それによって施設の温室効果ガス足跡を改善する。一実施形態によれば,このようなPGR製品の施用は温室効果ガス推定アルゴリズムに組み込んで,PGR製品施用期間の芝刈り削減に基づいて燃料消費節約を積算することによって実際の施設節約量を捕捉することができる。
【0032】
<決定ステップ>
決定ステップ310は,一実施形態において例えば,温室効果ガス排出量推定値及び/又は温室効果ガス削減量推定値を施設パラメータから決定するステップを有し,温室効果ガス排出量推定値は当該商業施設に関係して排出された温室効果ガスの量を示し,温室効果ガス削減量推定値は当該商業施設に関係して隔離された温室効果ガスの量を示す。例えば,温室効果ガス排出量推定値は,利用者が提供した入力パラメータに基づいて計算された総温室効果ガス足跡推定値を示してもよい。さらに,温室効果ガス削減量推定値は,利用者が提供した入力パラメータに基づいて計算された,施設によって隔離された温室効果ガスの量を示してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態によれば,温室効果ガス排出量推定値及び/又は温室効果ガス削減量推定値は,1次推定値を意図してもよい。一つの例においては,温室効果ガス排出量推定値は総温室効果ガス足跡推定値として提供され,総温室効果ガス足跡推定値は,所定の期間に渡って施設を運用するために必要なエネルギ入力を発生するために大気中に放出された温室効果ガス(例えばCO)の推定量を表す。一例においては,総温室効果ガス足跡推定値は,施設に関係する種々のパラメータについて温室効果ガス排出量推定値を収集することによって計算してもよい。例えば,総温室効果ガス足跡推定値は,燃料消費,かんがい用水をくみ上げるためのエネルギ消費,合成肥料の使用による亜酸化窒素発生,ゴルフカート使用によるエネルギ消費,及びクラブハウスのエネルギ使用に関する維持管理作業による温室効果ガス排出量推定値を収集することによって計算してもよい。すなわち,総温室効果ガス足跡推定値は,関係する各パラメータ又は入力についての個々の排出量推定値の追加計算として決定してもよい。PGR製品の使用は,その温室効果ガス削減が総燃料消費の削減(すなわち,芝刈りの減少)に反映されているため,総温室効果ガス足跡推定値を計算する際には通常使用されないことがある。
【0034】
上述のとおり,温室効果ガス排出量推定値は,施設に関係する種々のパラメータに対する温室効果ガス排出量推定値を収集することによって計算してもよい。次のアルゴリズムは,施設に関係するあるパラメータについて温室効果ガス排出量推定値を決定する方法の例として提供されたものであり,本発明を制限しようとするものではない。
【0035】
<例A‐電気の使用>
発電による温室効果ガス排出は,電気供給者が使用する電源の混合に依存して,全米に渡って広く変化する。本発明の実施形態は,米国の国家データベースを使用して,施設がある地域の適切な排出量係数及びキロワット時当たり費用レートを引き出してもよい。米国環境保護局(EPA)によれば,米国において電気1キロワット時(kWh)当たり発生されるCOの国家平均は598.05g(1.329ポンド)である。この推定値は,石炭発電所,石油発電所及び天然ガス発電所を含む混合電源を考慮している。本発明の実施形態が用いる国家レベルのデータベースはまた,太陽光,水力又は風力のような再生可能エネルギ源も考慮してよい。
【0036】
例として,ノースカロライナのゴルフコース施設において,水をくみ上げるための年間8,000ドルの電気代請求書を考える。ここで排出量推定値((8,000ドル/NC商業セクタのkWh当たり0.0797ドル)×(kWh当たり583.6g(1.297ポンド)のCO))は,58,584.6kg(130,188ポンド)のCOとなり,59メートルトンのCOに相当する。
【0037】
<例B‐燃料の使用>
米国EPAによれば,3.785リットル(1ガロン)のガソリンは8.73kg(19.4ポンド)のCOを発生し,3.785リットル(1ガロン)のディーゼル燃料は9.99kg(22.2ポンド)のCOを発生する。例として,ゴルフコース施設によって年間24,224リットル(6,400ガロン)のガソリン及び6,813リットル(1,800ガロン)のディーゼル燃料が消費されることを考える。ガソリンエンジンの排出量推定値((24,224リットル(6,400ガロン)のガソリン×3.785リットル(1ガロン)当たり8.73kg(19.4ポンド)のCO))は55,872kg(124,160ポンド)のCOとなり,ディーゼルエンジンの排出量推定値((6,813リットル(1,800ガロン)のディーゼル燃料×3.785リットル(1ガロン)当たり9.99kg(22.2ポンド)のCO))は17,982kg(39,960ポンド)のCOになり,これは18メートルトンのCOに相当する。
【0038】
<例C‐肥料使用による亜酸化窒素発生>
種々の情報源によれば,肥料からの直接の亜酸化窒素(1酸化2窒素,NO)排出からCO等価物へのエネルギ変換は,(年間散布されるN(ポンドN))×(合成商用肥料の使用による排出係数)×(450g(1ポンド)当たり707g(1.571ポンド)のNO)×(450g(1ポンド)の亜酸化窒素から二酸化炭素等価物への変換の変換係数)である。この亜酸化窒素排出/増加の程度は場所依存であり,温度,土壌条件,肥料の種類,作物の種類によって異なる。例外的に詳細な情報なしでは,農業資源からの亜酸化窒素の排出量をマグニチュードの程度より高信頼度で推定することは一般には不可能である。この例においては,この値(排出係数1.0%)には保守的な方法が用いられた。NOの大気中寿命は約100年であり,100年の地球温暖化ポテンシャル(GWP)は通常,COの296倍と推定される。
【0039】
例として,ゴルフコースに年間3,150kg(7,000ポンド)の窒素が散布されることを考える。排出量推定値((年間3,150kg(7,000ポンド)のN)×(0.01)×(450g(1ポンド)のN当たり707g(1.571ポンド)のNO)×(296GWP係数))は,14,648kg(32,551ポンド)のCOとなり,これは14.8メートルトンのCOに相当する。
【0040】
上述のとおり,入力パラメータは,施設の芝地,植生(樹木,植物),などによって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値を決定するために用いることができる。施設に関係する一定のパラメータに対する温室効果ガス削減量推定値を決定する方法の例として次のアルゴリズムが提供されるが,これは本発明を制限するものではない。
【0041】
<例D‐隔離された温室効果ガス>
例として,CO等価物に変換されたゴルフコース施設の芝地及び樹木によって隔離された炭素のエネルギ変換は,国レベルの情報又は起源(derivation)に基づいて得ることができる。この特定の例においては,0.607km(150エーカー)のNCのゴルフコースに,0.348km(86エーカー)の管理された芝地及び40,470m(10エーカー)の都市森林があるとする。芝地の隔離量推定値(総管理コース面積×4,047m(1エーカー)・1年当たり1,822kg(4,084ポンド)のCO=0.348km(86エーカー)×4,047m(1エーカー)・1年当たり1,822kg(4,084ポンド)のCO)は,年当たり158,051kg(351,224ポンド)のCOになり,これは159メートルトンのCOに相当する。樹木の隔離量推定値(総樹木面積×4,047m(1エーカー)・1年当たり1,916kg(4,257ポンド)のCO=年当たり19,160kg(42,570ポンド)のCOになり,19メートルトンのCOに相当する。
【0042】
上述のとおり,いくつかの例において,温室効果ガス排出量推定値及び削減量推定値を決定するために用いられるパラメータは,利用者以外の情報源から取得することができる。例えば,電気利用に関係する温室効果ガス排出量の決定は,施設のある地域のキロワット時当たりの適切な排出値を引き出すために国家データベースにアクセスする必要がある。これに関して,利用者による入力パラメータの入力は,いくつかの例においては任意選択であってよい。すなわち,いくつかの実施形態によれば,施設に関係する入力パラメータは第三者によって提供されるか,又はあるほかの情報源から取得される。これに関して,入力パラメータは自動的にシステムに供給され,これによって利用者は能動的にそのような情報を入力する必要がなく,したがって関連情報が時期を得たものであり,かつ正確であることを利用者に保証する。
【0043】
任意選択で,この方法は一実施形態において,例えば決定された温室効果ガス排出量推定値及び決定された温室効果ガス削減量推定値から正味温室効果ガス足跡推定値を決定するステップを有する決定ステップを更に含んでもよい。正味温室効果ガス足跡推定値は,システムの総温室効果ガス足跡を示し,決定された温室効果ガス排出量推定値と決定された温室効果ガス削減量推定値との差をとることによって決定することができる。
【0044】
また,この方法は一実施形態において,例えばPGR製品の散布に起因する施設における温室効果ガス排出量の削減量を示すPGR削減量推定値を決定するステップを有する決定ステップを更に含んでもよい。施設に関係する一定のパラメータに対するPGR削減量推定値を決定する方法の例として次のアルゴリズムが提供されるが,これは本発明を制限するものではない。
【0045】
<例E‐PGR散布による燃料消費削減>
例として,芝刈り作業に年間26,495リットル(7,000ガロン)のガソリン及び11,355リットル(3,000ガロン)のディーゼル燃料が用いられると仮定する。ここで,PGR製品は4ヶ月に渡って散布され,コースは6ヶ月に渡って芝刈りされる。さらに,PGR製品の散布はフェアウェイ及びグリーンの芝刈りを25%削減し,ティーグラウンド(tee box area)では10%削減する。最後に,コースは次の管理面積,すなわち12,141m(3エーカー)のティーグラウンド,12,141m(3エーカー)のグリーン,0.121km(30エーカー)のフェアウェイ及び0.206km(51エーカー)のラフからなり,PGR製品の使用によって削減された排出量は,次のアルゴリズムによって計算される。
【0046】
((芝刈り用の総年間ガソリン消費量*ガソリンのCOレート)+(芝刈り用の総年間ディーゼル燃料消費量*ディーゼル燃料のCOレート)×Primo(登録商標)を散布する月数/コースを芝刈りした月数)×フェアウェイの芝刈り削減%×(フェアウェイ面積/総芝刈り面積))+((芝刈り用の総年間ガソリン消費量*ガソリンのCOレート)+(芝刈り用の総年間ディーゼル燃料消費量*ディーゼル燃料のCOレート)×Primo(登録商標)を散布する月数/コースを芝刈りした月数)×ティーグラウンドの芝刈り削減%×(ティーグラウンド面積/総芝刈り面積))+((芝刈り用の総年間ガソリン消費量*ガソリンのCOレート)+(芝刈り用の総年間ディーゼル燃料消費量*ディーゼル燃料のCOレート)×Primo(登録商標)を散布する月数/コースを芝刈りした月数)×グリーンの芝刈り削減%×(グリーン面積/総芝刈り面積))。
【0047】
この特定の例において,PGR製品の利用によって削減された排出量((26,495リットル(7,000ガロン)のガソリン*3.785リトッル(1ガロン)のガソリン当たり8.73kg(19.4ポンド)のCO)+(3.785リトッル(1ガロン)のディーゼル燃料当たり11,355リットル(3,000ガロン)のディーゼル燃料*9.99kg(22.2ポンド)のCO)*(4ヶ月間のPrimo(登録商標)散布/6ヶ月の芝刈り)*フェアウェイに対する0.25の芝刈り削減)*(0.121km(30エーカー)のフェアウェイ/0.352km(87エーカー)の管理された芝地)+(26,495リットル(7,000ガロン)のガソリン*3.785リトッル(1ガロン)のガソリン当たり8.73kg(19.4ポンド)のCO)+(3.785リトッル(1ガロン)のディーゼル燃料当たり11,355リットル(3,000ガロン)のディーゼル燃料*9.99kg(22.2ポンド)のCO)*(4ヶ月間のPrimo(登録商標)散布/6ヶ月の芝刈り)*ティーグラウンドに対する0.10の芝刈り削減)*(12,141m(3エーカー)のティーグラウンド/0.352km(87エーカー)の管理された芝地)+(26,495リットル(7,000ガロン)のガソリン*3.785リトッル(1ガロン)のガソリン当たり8.73kg(19.4ポンド)のCO)+(3.785リトッル(1ガロン)のディーゼル燃料当たり11,355リットル(3,000ガロン)のディーゼル燃料*9.99kg(22.2ポンド)のCO)*(4ヶ月間のPrimo(登録商標)散布/6ヶ月の芝刈り)*グリーンに対する0.25の芝刈り削減)*(12,141m(3エーカー)のグリーン/0.352km(87エーカー)の管理された芝地))は,年間5,779kg(12,842ポンド)のCOになり,これはPGR製品の散布によって削減された5.8メートルトンのCO排出量に相当する。
【0048】
さらに,この方法はまた,例えば決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定するステップを有する決定ステップを任意選択で含んでもよい。一実施形態において,温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出を示し,温室効果ガス足跡等価物は利用者により身近な正味温室効果ガス足跡推定値との対比を提供するために用いられる。
【0049】
<例F‐等価比較>
等価比較とは,施設の正味温室効果ガス足跡を,利用者が自分の日常生活に関係付けることができるベンチマークに対比して示すことを意味する。すなわち,「メートルトンの二酸化炭素」が何に等しいかを思い浮かべることはしばしば困難である。一実施形態によれば,等価比較は米国の平均的な家庭及び米国における平均的な乗用車の排出状況(spectrum)を利用する。したがって,本発明の実施形態は,理解することが比較的困難な計算書(statement)を,例えば「年間X台の車の二酸化炭素排出量を削減することに等しい」のようなより普通の用語に翻訳することができる。このような等価ベンチマークは,温室効果ガス排出量を削減するための温室効果ガス削減戦略,削減目標又はほかの取り組み(initiative)を伝える際に有用である。
【0050】
例として,米国の平均的な家庭が,年間約18,675kg(41,500ポンド)のCO又は年18.8メートルトンのCO等価物を排出すると仮定する(2人世帯の運輸,電気,暖房及び廃棄を考慮する)。さらに,米国の平均的な乗用車(8.33km/l(19.7mpg)及び18,970km(11,856マイル)走行)は,およそ年間5,445kg(12,100ポンド)のCO又は年間5.5メートルトンのCO等価物を発生する。ゴルフコース施設の例として,年間150メートルトンの正味温室効果ガス足跡推定値を仮定する。ここで正味温室効果ガス足跡推定値は8戸の米国家庭からの温室効果ガス排出量に等しいと計算され(ゴルフコースの正味炭素足跡/平均的な米国家庭の炭素足跡,年間150メートルトン/18.8メートルトン),正味温室効果ガス足跡推定値は27台の米国乗用車からの温室効果ガス排出量に等しいと計算される(ゴルフコースの正味炭素足跡/平均的な米国車両の炭素足跡,年間150メートルトンのCO/5.5メートルトン)。
【0051】
<提供ステップ>
提供ステップ320は,一実施形態において例えば,温室効果ガス足跡推定値,温室効果ガス削減量推定値,及び/又は任意のほかの関連する温室効果ガス足跡情報(例えば,正味温室効果ガス足跡推定値,PGR削減量推定値,温室効果ガス足跡等価物)の指標を,問合せに直接応答して利用者に提供,通知,又は表示するステップを有してもよい。温室効果ガス足跡推定値,温室効果ガス削減量推定値,及び/又はほかの関連情報の指標は,利用者の計算機装置に関係する表示画面に表示してもよい。別の例においては,温室効果ガス足跡推定値,温室効果ガス削減量推定値,及び/又はほかの関連情報の指標を利用者の閲覧用に紙媒体に印刷してもよい。別の例においては,温室効果ガス足跡推定値,温室効果ガス削減量推定値,及び/又はほかの関連情報の指標を,例えば利用者に送信できる報告を生成することのような,任意の適切な方法で利用者に伝え,又は提供することができる。ここで報告は,決定された温室効果ガス足跡推定値を削減するために,施設が実現できる持続可能な管理戦略を含んでもよい。別の例においては,利用者が本発明の実施形態を利用して,証明プログラムの順守を達成することができ,利用者にこのような順守を証明する確認が提供される。
【0052】
どの例においても,利用者に特定施設に関する温室効果ガス足跡情報の指標が提供される。上述のとおり,いくつかの例においては,比較発生源(例えば家庭に関係する排出,乗用車に関係する排出)からの温室効果ガス足跡情報が利用者に提供され,それによってより身近な比較項目に関する比較が容易になる。温室効果ガス足跡情報は表示400を介して利用者に提供される(例えば,本発明の一実施形態によって,施設に関係する温室効果ガス足跡情報を閲覧するために利用者がアクセスできるインターネットウェブページを示す図13〜15及び25を参照)。例えば,利用者には,総温室効果ガス足跡推定値としての温室効果ガス足跡情報502,温室効果ガス削減量推定値504,正味温室効果ガス足跡推定値506,及び/又はPGR製品によって削減された温室効果ガス推定値508,及び/又は温室効果ガス足跡等価物510,が提供される。このようにして利用者に,施設に関する環境影響評価を可能にする実時間情報が提供される。いくつかの実施形態においては,利用者に,利用者が入力したパラメータに応答して,表示400を介して温室効果ガス足跡情報を示す図形表現(例えば円グラフ,棒グラフ)が提供される。例えば,利用者に施設に関係する種々のパラメータに対する温室効果ガスの貢献を示す対話型円グラフが提供され,円グラフの特定部分に「マウスを重ねる」(mouse over)ことによって,該円グラフの特定部分に関係するパラメータ特定の情報が利用者に提供される。
【0053】
したがって,本発明の実施形態による方法,システム及び装置は,温室効果ガス足跡情報を提供する,より詳細に言えば,商業施設又は公共施設に関係する温室効果ガス足跡情報を提供して,環境影響に関して当該施設の評価ができるようにし,同時に,決定された環境影響を減少させるために種々のパラメータを調整するための情報も提供するために使用することができる。
【0054】
ゴルフコースに関する以降の例は本発明を制限するものではなく,本発明によって提供される温室効果ガス足跡情報によって通知される,ある施設パラメータ,製品,又は手続への変更の例示であって,該変更が施設に関係する環境影響に関する技術的効果をもたらす,例示を提供するものである。
【0055】
<例G‐水/かんがい>
・水が少なくて済む芝草品種を選ぶ
・かんがいシステムが適切に設定され機能していることを確かめるために,現地評価を行う
・かんがい及び維持管理要求条件を相殺するために耐乾性植物及び自然植生を用いる(節水園芸)
・美化区域にマルチを用いる
・可能であればプレー可能区域の追播を避ける
・かんがいシステムが最新式(計算機制御システム)であり,個別スプリンクラヘッド制御機能がある(可能であればスプリンクラヘッドを交換)ことを確かめる
・湿潤剤を使用して水分布を改善する
・維持管理用に雨水,放水又は再生水を使用する場所を開拓する
・閑散時,通常は夜遅くから早朝,にかんがいを計画する
・実時間の状況に応答するために,現在のET,雨,風及び/又は土壌湿度の測定値を収集するために気象台を信頼する
・ホール特定の散水を制御するためにGPS/GISを使用する
・特定区域は手で散水する
・月別かんがい予算を設計する
・現場の雨センサ遮断装置によって降雨を注意深く追跡する
・かんがい排水のために回復システムを設定する
・水浸透を改善するために適切な土壌通気を行う
・散水の必要を減らすために肥料管理プログラムを修正する
・問題となる漏水を速やかに直す
・分布効率及び消費量を評価するためにかんがい検査を行う(流量計を設置する)。かんがい及びエネルギ消費を減少させる可能性がある。
【0056】
<例H‐芝刈り>
・芝刈りの高さを調整することは芝刈り頻度を減少させるだけでなく,水の使用,植物へのストレス及び雑草の広がりを減らすことにつながる
・植物成長調整剤(PGR)をコースに散布することによって,維持管理費用を非常に削減することができる
・フェアウェイ,準ラフ及びラフを再設計し,管理して,芝刈り範囲及び芝刈り頻度を減少させることによって費用を節約する
・芝刈り機の刃を研ぐことによって時間を節約し,抗力を低下させる
・切りかすを収集したときは,ごみ処理場に持って行くのではなく,コース所有地に堆積させることが望ましい
【0057】
<例I‐肥料管理>
・コースの土壌及び芝草の特性を検査して,コース特有の芝地に合わせた最も効果的な肥料管理体制に合うようにする
・可能であれば施肥かんがいを導入する
・長年に渡って適切に管理されてきた古い(成熟した),健康な芝地には肥料率を下げ,通行(プレー)の量を低から中にする
・芝草の品種を知ること。新しい耐乾性の芝草は,肥料及び栄養剤が少なくて済むことがある。
・前年のシーズン(9月から11月)の遅くに施肥することによって,春に施肥する必要を削減又は無くし,芝刈りの回数を減少させ,耐乾性を改善する
・ストレスの多い夏季に向かって過剰成長することを避けるために,緩効性の窒素源(硫黄被覆尿素,ポリマ被覆尿素,IBDU,メチレン尿素又は自然有機物由来肥料)を使用する
【0058】
<例J‐殺虫剤管理>
・定期的調査によって,コース上の害虫の活動及び対応する殺虫剤散布の詳細な記録をつける
・統合害虫管理(IPM)プログラムを確立する
・頻度,時期及び配置について製造事業者のラベルに従う
・時間,費用及びエネルギを節約するために,化学溶液かんがいによって殺虫剤を散布できる可能性を判定する
【0059】
<例K‐装置維持管理>
・維持管理用装置が定期的に点検修理されていることを確かめる
・長期の節約につながる燃料効率,使用寿命及び維持管理要求条件を考慮して,新しい装置を購入する
・エンジンオイルの適切な廃棄及びリサイクル
【0060】
<例L‐維持管理施設>
・エネルギ及び水の使用を減少させる簡単な技法について従業員を訓練する
・ピーク利用時間を避けるために,可能な限りエネルギ使用を調整する
・エネルギ効率のよい照明を検討し,可能であれば自然光を利用する
・使用していないすべての照明,ファン,コンプレッサ及び装置は「切り」になっていることを確かめる
【0061】
<例M‐カート>
・最も効率的な性能を得るために全カートを定期的に点検修理する
・ガソリンカートから電気カートに転換すること,又はカートのバッテリを太陽光充電することのような代替動力源を調査する
【0062】
<例N‐クラブハウス>
・エネルギ及び水の使用を減少させる簡単な技法について従業員を訓練する
・ピーク利用時間を避けるために,可能な限りエネルギ使用を調整する
・代替の太陽光,水力,風力及び地熱エネルギ源を開拓する
・最大効率のために,年間を通じてサーモスタットを25℃(78°F)に設定することが望ましい
・白熱電球を交換する。小型蛍光灯(CFL)及び他の効率のよいランプに切り替える。調光スイッチを設置することも助けになる。
・適切に断熱された窓を設置する
・クラブハウス内の断熱を評価する(R係数はいくらか?)
・“Energy star”の機器及びオフィス装置を検討する
・リサイクル事務用品(すなわち,紙)を購入する
・事務機器(すなわち,計算機及びコピー機)のエネルギ削減機能を利用する
・最大のエネルギ効率を達成するために,必要に応じて暖房,換気及び空調(HVAC)装置を保守点検し,更新する
・空気フィルタを毎月交換又は清掃する。詰まったフィルタはエネルギ費用に非常に影響する。
・蛇口又は配管のどんな漏れも速やかに修理する。漏れによる水の損失は重大になることがある。
・更に水を節約するために,トイレを2重フラッシュ機構に改造する
【0063】
関係する種々のパラメータによる施設の環境影響を評価する際に用いられる温室効果ガス足跡情報を提供する温室効果ガス評価システムについて説明したが,ここで本発明の実施形態による例示の温室効果ガス評価方法,システム及び装置をゴルフコース施設に関して提供する。一例において,ゴルフコース管理者のような利用者はゴルフコース施設に関係する種々のパラメータを決定することができ,このパラメータは当該ゴルフコース施設に関係する温室効果ガス足跡情報を計算するために用いられる。そして利用者はキーボード装置を介してこのようなパラメータを施設入力エントリフィールド410に入力する。例えば図4に示すように,利用者は,例えば管理者名421,ゴルフコース施設名422,ゴルフコース施設がある米国の州423,郵便番号424,好みの測定単位425及びゴルフコース施設がある国426,のようなゴルフコース施設に関係するコース情報パラメータ420を入力又は提供する。
【0064】
さらに,図5に示すように利用者は,例えば,ゴルフコースのホール数431,総コース面積432,総管理面積433,非芝地園地面積434,樹木情報435,森林密度436のような,ゴルフコース施設に関係する園地プロファイルパラメータ430を入力,又は提供する。さらに,図6に示すように利用者は,例えば,芝刈りに関係する燃料消費441,芝草を刈る月数442,芝刈り以外の作業に関係する燃料消費443(例えば,殺虫剤/肥料散布),及び維持管理作業に関するエネルギ消費444(例えば,グリーン上のファン,維持管理小屋)のような,ゴルフコース施設に関係する維持管理作業パラメータ440を入力,又は提供する。また,図7に示すように利用者は,例えば,エネルギ消費451,燃料消費452,水消費453,水源454及び水の種類455のような,ゴルフコース施設に関係するかんがいパラメータ450を入力,又は提供する。さらに,図8に示すように利用者は,例えば,肥料の量461,肥料の形状462,肥料散布方法463及び殺虫剤の量464のような,ゴルフコース施設に関係する肥料/殺虫剤パラメータ460を入力,又は提供する。
【0065】
さらに,図9に示すように利用者は,例えば,エネルギ消費471(電気/ガソリン)及び所定の期間のカート使用472のような,ゴルフコース施設に関係するゴルフカートパラメータ470を入力,又は提供する。さらに,図10に示すように利用者は,例えば,エネルギ消費/費用476及び水利用477のような,ゴルフコース施設に関係するクラブハウスパラメータ475を入力,又は提供する。また,図11に示すように利用者は,例えば,グリーンの芝地品種481,ティーグラウンドの芝地品種482,フェアウェイの芝地品種483,芝地期間484,土壌有機物の割合485及び土壌構成486のような,ゴルフコース施設に関係する芝草/土壌パラメータ480を入力,又は提供する。さらに,図12に示すように利用者は,例えば,利用491,散布範囲割合492,散布頻度493及び芝刈り削減量494のような,ゴルフコース施設に関係するPGRパラメータ490を入力,又は提供する。
【0066】
これら種々の入力パラメータは,いくつかは自動的に提供される(前述のとおり)が,これを用いて,例えば前に説明したアルゴリズムによって,施設に関係する温室効果ガス足跡情報を決定するために,問合せが編集/生成及び発出される。したがって,決定された温室効果ガス足跡情報の指標が図13に示すように,問合せに直接応答して,表示400上に表示される。例えば,総温室効果ガス足跡推定値502,温室効果ガス削減量推定値504,正味温室効果ガス足跡推定値506,PGR製品によって削減された温室効果ガス推定値508及び温室効果ガス足跡等価物510が,表示400上で提供される。さらに,いくつかの例においては,利用者が温室効果ガス足跡情報の合計を国平均と比較できるように比較指標512を提供してもよい。さらに,ゴルフコース施設に関係する種々のパラメータに関する総温室効果ガス足跡推定値502の構成を示すために,図形表示514を提供してもよい。このように,ゴルフコース管理者に,当該ゴルフコース施設の全体の環境影響を評価するために使用する情報を提供することができる。もちろん,当業者であれば,この例に関係する施設パラメータ及びほかの変数は,利用者の好みに合わせて変更してもよいことを理解するであろう。そしてこのような例は,本発明をいかようにも制限するものではない。さらに,当業者であれば,本発明を全世界で実現できるように,記載された実施形態をヨーロッパ標準(すなわちメートル単位)又はほかの外国標準に変更してもよいことを理解するであろう。
【0067】
本発明の種々の方法及び計算機プログラム製品の実施形態はまた,利用者に「すぐに使える」温室効果ガス足跡評価プログラムも提供することができる。例えば,いくつかの実施形態において,提供ステップ320は,利用者が検討する1又は複数の温室効果ガス排出削減又は隔離戦略を提供するエンティティを表すロゴ,配色,背景,商標及び/又は意匠を含む温室効果ガス足跡情報を,インターネットウェブサイト及び/又は他の視覚表示400を介して利用者に提供するステップを含んでもよい。
【0068】
<例>
以降の例は,本発明のいくつかの更なる態様を例示するものであって,本発明の範囲を制限するものではない。
【0069】
<例1>
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【0070】
これらの報告された指標に基づいて,利用者は例Nにあげたクラブハウスに関係する管理方法を変更することを決定してもよい。
【0071】
<例2>
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【表2−7】

【表2−8】

【表2−9】

【0072】
これらの報告された指標に基づいて,利用者は例Gにあげたかんがい管理体制に関係する管理方法を変更することを決定してもよい。
【0073】
前述の説明及び関連する図面に提示された教示によって,当事者はここで述べた本発明の多くの修正物及びほかの実施形態を想起するであろう。したがって,本発明は開示された特定の実施形態に限定されず修正物及びほかの実施形態も本願の請求項の範囲内に含まれることを理解されたい。ここでは特定の用語を用いたが,それらは一般的かつ説明的な意味で用いたに過ぎず,制限の目的で使われたものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者と対話し,商業施設及び公共施設のうち一つに関係する温室効果ガス足跡情報を提供するように構成された計算機装置であって,
利用者から問合せを受信する処理部であって,該問合せは商業施設及び公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータと関係する,処理部と,
前記施設パラメータから,前記施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する処理部と,
前記施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供する処理部と,
を備える計算機装置。
【請求項2】
前記利用者から問合せを受信する処理部は,施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業及びそれらの組合せに関係する複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項1に記載の計算機装置。
【請求項3】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定する処理部を更に備える請求項1に記載の計算機装置。
【請求項4】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定する処理部を更に備え,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記処理部は,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するように更に構成されている,請求項3に記載の計算機装置。
【請求項5】
前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記処理部は,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するように構成されている,請求項1に記載の計算機装置。
【請求項6】
利用者から問合せを受信する前記処理部は,所定の期間に渡って定義された複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項1に記載の計算機装置。
【請求項7】
前記利用者に送信できる報告を生成する処理部を更に備え,該報告は前記施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項1に記載の計算機装置。
【請求項8】
商業施設及び公共施設のうち一つに関係する温室効果ガス足跡情報を提供するシステムを実現するように構成された中間計算機装置であって,利用者が使用するようになっている個別計算機装置と通信することができるように,計算機ネットワークと通信するように構成され,
利用者から問合せを受信する処理部であって,該問合せは商業施設及び公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータと関係する,処理部と,
前記施設パラメータから,前記施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する処理部と,
前記施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供する処理部と,
を備える中間計算機装置。
【請求項9】
前記利用者から問合せを受信する処理部は,施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業及びそれらの組合せに関係する複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項8に記載の中間計算機装置。
【請求項10】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定する処理部を更に備える請求項8に記載の中間計算機装置。
【請求項11】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定する処理部を更に備え,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記処理部は,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するように更に構成されている,請求項10に記載の中間計算機装置。
【請求項12】
前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記処理部は,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するように構成されている,請求項8に記載の中間計算機装置。
【請求項13】
利用者から問合せを受信する前記処理部は,所定の期間に渡って定義された複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項8に記載の中間計算機装置。
【請求項14】
前記利用者に送信できる報告を生成する処理部を更に備え,該報告は前記施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項8に記載の中間計算機装置。
【請求項15】
商業施設及び公共施設のうち一つに関係する温室効果ガス足跡情報を提供するシステムであって,
計算機ネットワークと通信するように構成された第1計算機装置であって,
利用者から問合せを受信する処理部であって,該問合せは商業施設及び公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータと関係する,処理部と,
前記施設パラメータから,前記施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する処理部と,
前記施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供する処理部と,
を備える第1計算機装置を備えるシステム。
【請求項16】
前記利用者から問合せを受信する処理部は,施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業及びそれらの組合せに関係する複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定する処理部を更に備える請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定する処理部を更に備え,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記処理部は,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するように更に構成されている,請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記処理部は,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するように構成されている,請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
利用者から問合せを受信する前記処理部は,所定の期間に渡って定義された複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記利用者に送信できる報告を生成する処理部を更に備え,該報告は前記施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
商業施設及び公共施設のうち一つに関係する温室効果ガス足跡情報を提供する方法であって,該方法は計算機ネットワークを介して実現され,
利用者から問合せを受信するステップであって,該問合せは商業施設及び公共施設のうち一つに関係する複数の施設パラメータと関係する,ステップと,
前記施設パラメータから,前記施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するステップと,
前記施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供するステップと,
を有する方法。
【請求項23】
前記利用者から問合せを受信するステップは,施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業及びそれらの組合せに関係する複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するステップを更に有する,請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定するステップを更に有する請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定するステップを更に有し,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記ステップは,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するステップを更に有する,請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記ステップは,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するステップを更に有する,請求項22に記載の方法。
【請求項27】
利用者から問合せを受信する前記ステップは,所定の期間に渡って定義された複数の施設パラメータと関係する問合せを受信するステップを更に有する,請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記利用者に送信できる報告を生成するステップを更に有し,該報告は前記施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項22に記載の方法。
【請求項29】
利用者と対話し,ゴルフ施設に関係する温室効果ガス足跡情報を提供するように構成された計算機装置であって,
利用者から問合せを受信する処理部であって,該問合せはゴルフ施設に関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する,処理部と,
前記芝地管理及び施設パラメータから,前記ゴルフ施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記ゴルフ施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する処理部と,
前記ゴルフ施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供する処理部と,
を備える計算機装置。
【請求項30】
前記利用者から問合せを受信する処理部は,ゴルフ施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業,化学処置プログラム及びそれらの組合せに関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項29に記載の計算機装置。
【請求項31】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定する処理部を更に備える請求項29に記載の計算機装置。
【請求項32】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定する処理部を更に備え,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記処理部は,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するように更に構成されている,請求項31に記載の計算機装置。
【請求項33】
前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記処理部は,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するように構成されている,請求項29に記載の計算機装置。
【請求項34】
利用者から問合せを受信する前記処理部は,所定の期間に渡って定義された複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項29に記載の計算機装置。
【請求項35】
前記利用者に送信できる報告を生成する処理部を更に備え,該報告は前記ゴルフ施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項29に記載の計算機装置。
【請求項36】
ゴルフ施設に関係する温室効果ガス足跡情報を提供するシステムを実現するように構成された中間計算機装置であって,利用者が使用するようになっている個別計算機装置と通信することができるように,計算機ネットワークと通信するように構成され,
利用者から問合せを受信する処理部であって,該問合せはゴルフ施設に関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する,処理部と,
前記芝地管理及び施設パラメータから,前記ゴルフ施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記ゴルフ施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する処理部と,
前記ゴルフ施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供する処理部と,
を備える中間計算機装置。
【請求項37】
前記利用者から問合せを受信する処理部は,ゴルフ施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業,化学処置プログラム及びそれらの組合せに関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項36に記載の中間計算機装置。
【請求項38】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定する処理部を更に備える請求項36に記載の中間計算機装置。
【請求項39】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定する処理部を更に備え,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記処理部は,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するように更に構成されている,請求項38に記載の中間計算機装置。
【請求項40】
前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記処理部は,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するように構成されている,請求項36に記載の中間計算機装置。
【請求項41】
利用者から問合せを受信する前記処理部は,所定の期間に渡って定義された複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項36に記載の中間計算機装置。
【請求項42】
前記利用者に送信できる報告を生成する処理部を更に備え,該報告は前記ゴルフ施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項36に記載の中間計算機装置。
【請求項43】
ゴルフ施設に関係する温室効果ガス足跡情報を提供するシステムであって,
計算機ネットワークと通信するように構成された第1計算機装置であって,
利用者から問合せを受信する処理部であって,該問合せはゴルフ施設に関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する,処理部と,
前記芝地管理及び施設パラメータから,前記ゴルフ施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記ゴルフ施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する処理部と,
前記ゴルフ施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供する処理部と,
を備える第1計算機装置を備えるシステム。
【請求項44】
前記利用者から問合せを受信する処理部は,ゴルフ施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業,化学処置プログラム及びそれらの組合せに関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定する処理部を更に備える請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定する処理部を更に備え,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記処理部は,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するように更に構成されている,請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記処理部は,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するように構成されている,請求項43に記載のシステム。
【請求項48】
利用者から問合せを受信する前記処理部は,所定の期間に渡って定義された複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するように更に構成されている,請求項43に記載のシステム。
【請求項49】
前記利用者に送信できる報告を生成する処理部を更に備え,該報告は前記ゴルフ施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項43に記載のシステム。
【請求項50】
ゴルフ施設に関係する温室効果ガス足跡情報を提供する方法であって,
利用者から問合せを受信するステップであって,該問合せはゴルフ施設に関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する,ステップと,
前記芝地管理及び施設パラメータから,前記ゴルフ施設に関係して排出される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス排出量推定値及び前記ゴルフ施設によって隔離される温室効果ガスの量を示す温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するステップと,
前記ゴルフ施設の環境影響を評価するために使うことができる温室効果ガス足跡情報を提供するために,前記問合せに直接応答して,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を表示装置を介して提供するステップと,
を有する方法。
【請求項51】
前記利用者から問合せを受信するステップは,ゴルフ施設プロファイル,エネルギ消費,維持管理作業,化学処置プログラム及びそれらの組合せに関係する複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するステップを更に有する,請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記温室効果ガス排出量推定値と前記温室効果ガス削減量推定値との差から正味温室効果ガス足跡推定値を決定するステップを更に有する請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記の決定された正味温室効果ガス足跡推定値に対応する温室効果ガス足跡等価物を決定するステップを更に有し,前記温室効果ガス足跡等価物は比較発生源からの温室効果ガス排出量を示し,前記温室効果ガス排出量推定値及び前記温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つの指標を提供する前記ステップは,前記表示装置を介して前記利用者に比較を提供するために,前記温室効果ガス足跡等価物の指標を提供するステップを更に有する,請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定する前記ステップは,温室効果ガス排出量又はその等価物に基づいて,前記芝地管理及び施設パラメータから,温室効果ガス排出量推定値及び温室効果ガス削減量推定値のうち少なくとも一つを決定するステップを更に有する,請求項50に記載の方法。
【請求項55】
利用者から問合せを受信する前記ステップは,所定の期間に渡って定義された複数の芝地管理及び施設パラメータと関係する問合せを受信するステップを更に有する,請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記利用者に送信できる報告を生成するステップを更に有し,該報告は前記ゴルフ施設の前記決定された温室効果ガス排出量推定値を削減するように実現できる,持続可能な管理戦略を含む,請求項50に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−507697(P2013−507697A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533390(P2012−533390)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/052335
【国際公開番号】WO2011/046941
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)