説明

施設利用情報提供サーバ及び施設利用情報提供方法及びプログラム

【課題】施設の利用情報を検索する施設利用情報提供サーバを提供する。
【解決手段】端末位置判断部114は、位置情報端末200と近接する施設を関連性がある施設であるとして選択する。端末位置判断部114は、位置情報端末200が存在する位置が含まれる地図画像情報703を選択して情報送受信部113に送信する。施設利用判断部115は、位置情報端末200と近接する施設の利用性を判断する。施設の利用性とは、トイレ施設の例では、距離、便座数、駐車場の有無、紙の有無、キレイ度、混雑度、時間帯を基に利用可能性をランク分けした情報である。施設利用情報作成部116は、位置情報端末200に適したランク分けした情報に基づいて施設利用情報504を作成する。位置情報端末200が、地図画像情報703にランク分けしたトイレ施設の情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を元に各種の施設利用情報を提供する施設利用情報提供サーバ及び施設利用情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションや携帯電話に代表されるように、移動体通信ナビゲーションシステムによる地図検索のシステムは普及を見せているが、これらの既存の地図検索システムでは施設等の物件に関する情報は位置情報のみであり、例えば、トイレ検索のように緊急を要する物件の検索には情報が古かったり、提供される情報と異なってトイレが使用中であったり、時間外であったりと、状況に応じた情報の提供が難しい場合が多く見られる。さらに、特許文献1、2には、トイレの利用状況を提供する技術についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−326414号公報
【特許文献2】特開2007−293420号公報
【特許文献3】特開2002−107150号公報
【特許文献4】特開2003−233740号公報
【特許文献5】特開2008−261704号公報
【特許文献6】特表2009−503922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる施設利用の不便さを解消するために、利用者の状況に適した施設利用情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る施設利用情報提供サーバは、
サービスを提供する施設の施設位置を含む施設情報を記録装置に記憶する施設情報記憶部と、
位置情報端末から端末位置情報を通信装置により受信する情報受信部と、
情報受信部が入力した端末位置情報に基づいて端末位置を処理装置により判断し、施設位置が端末位置の近傍にある施設の施設情報を施設情報記憶部から処理装置により検索する端末位置判断部と、
端末位置判断部が検索した施設情報から施設の利用性を処理装置により計算してランク付けする施設利用判断部と、
施設利用判断部のランク付けに基づいて施設の施設利用情報を処理装置により作成する施設利用情報作成部と、
施設利用情報作成部が作成した施設利用情報を位置情報端末に通信装置により送信する情報送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記情報送信部は、施設利用情報とともに、施設利用情報を表示する地図情報を送信することを特徴とする。
【0007】
上記施設情報記憶部は、施設の複数の属性を施設情報として記録装置に記憶し、
上記施設利用判断部は、施設情報記憶部が記憶した施設の複数の属性に対して重み付けをして施設の利用性を計算することを特徴とする。
【0008】
上記情報受信部は、位置情報端末から緊急度を受信し、
上記施設利用判断部は、緊急度に応じて、施設の利用性を計算する重み付けを変更することを特徴とする。
【0009】
この発明に係る施設利用情報提供方法は、サービスを提供する施設の施設位置を含む施設情報を記録装置に記憶する施設情報記憶部を備えた施設利用情報提供サーバの施設利用情報提供方法において、
位置情報端末から端末位置情報を通信装置により受信する情報受信ステップと、
情報受信ステップで入力した端末位置情報に基づいて端末位置を処理装置により判断し、施設位置が端末位置の近傍にある施設の施設情報を施設情報記憶部から処理装置により検索する端末位置判断ステップと、
端末位置判断ステップで検索した施設情報から施設の利用性を処理装置により計算してランク付けする施設利用判断ステップと、
施設利用判断ステップでのランク付けに基づいて施設の施設利用情報を処理装置により作成する施設利用情報作成ステップと、
施設利用情報作成ステップで作成した施設利用情報を位置情報端末に通信装置により送信する情報送信ステップと
を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明に係るプログラムは、コンピュータを、施設利用情報提供サーバの各部として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、施設利用情報を提供することで、利用者に近接して利用性の高い施設に関する情報を利用者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態にかかる施設利用情報提供システムの機能ブロック図である。
【図2】実施の形態にかかる施設利用情報提供サーバの処理の動作を表すフローチャートである。
【図3】実施の形態にかかる施設利用情報提供システムでの施設のランク付けの例である。
【図4】実施の形態にかかる施設利用情報提供システムでの位置情報端末で地図画像に重畳表示する、施設のナビゲーション表示例である。
【図5】実施の形態にかかる施設利用情報提供システムでの位置情報端末で表示する各施設個別の施設利用情報の表示例である。
【図6】実施の形態にかかる施設情報ファイルの例である。
【図7】実施の形態にかかる位置情報端末からの検索要求の例である。
【図8】実施の形態にかかる施設利用判断部の処理の動作を表すフローチャートである。
【図9】実施の形態にかかる施設利用情報提供システムのハードウェア構成の例である。
【図10】実施の形態にかかる施設利用情報提供サーバのハードウェア構成の例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態にかかる位置情報端末の機能ブロック図である。当実施の形態では、施設としてトイレ施設を例に実施例を説明する。
【0015】
施設利用情報提供サーバ100は、地図情報記憶部111、施設情報記憶部112、情報送受信部113、端末位置判断部114、施設利用判断部115、施設利用情報作成部116を備える。
【0016】
地図情報記憶部111は、地図情報(地図画像データ、数値データ等)及び地図に含まれる情報を記憶している。例えば、地名や道路名などの文字データや駅前や建物などの地図や市町村のマークなどの画像データ、道路情報(道路の地図データ、道路画像データ等)などである。
地図情報記憶部111は、地図ファイル701と建物レイアウトファイル702とを記憶している。地図ファイル701は、道路や建物の地図情報や地図画像情報を記憶している。建物レイアウトファイル702は、個々の建物内の廊下・部屋などの地図情報や地図画像情報を各階ごとに記憶している。
地図情報記憶部111は、施設利用情報提供サーバ100になくてもよく、地図情報記憶部111は、ネットワーク300を経由して、図示していない地図情報提供システムから地図情報を検索して取得してもよい。
【0017】
施設情報記憶部112は、施設情報ファイル601を記憶している。施設情報は複数の属性からなり、トイレ施設の例にあっては、便座数、駐車場の有無、紙の有無、キレイ度、混雑度、利用者による投稿コメント等の属性に関する情報である。
【0018】
図6に、施設情報ファイル601のフォーマットを示す。
以下に、施設情報ファイル601に記憶される施設の各属性について説明する。
トイレID:トイレの識別子。トイレの番号や名前でもよい。
トイレ位置:緯度と経度(北緯Nと東経E)。さらに高度があるとなおよい。(X、Y、Z)座標でもよい。トイレ位置はトイレの入り口の位置であり、建物内でもトイレの入り口まで識別可能な精度を有している。
設置建物ID:トイレが設置された建物の識別子。AAAホテルやBBBスーパやCCC公園などの建物や区域の名前でもよい。
設置階:トイレが設置された建物の階数。
便座数:男女別・男女共用・和式洋式に分けた台数。
利用可能時間帯:トイレが設置された建物の開館閉館時間。
混雑度:混み具合。混む時間帯でもよい。混む(0.0)から空いている(1.0)まで0.1刻みの値。
キレイ度:きれいか汚いか。汚い(0.0)からきれい(1.0)まで0.1刻みの値。
紙:有(1)または無(0)。
洗浄便座:有(1)または無(0)。
駐車場:有(1)または無(0)。
利用者コメント:利用者の投稿文。
リニューアル時期:前回のトイレの改装時期。
清掃回数・清掃時刻:1日の清掃回数と、その清掃時刻と時間。
個室の広さ:個室の床面積。あるいは、ゆったりしているか否か。
個室内荷物置場:バッグや荷物を置く棚の有(1)または無(0)。
使用料金・使用条件:トイレの使用料の有無・チップの有無。商店のトイレ使用に当たり商品購入の義務の有無。
アクセス制限:トイレが駅構内にある場合の改札。トイレが公園内にある場合の公園入場料。トイレが催し物会場内にある場合の会場入場料。
【0019】
端末位置判断部114は、位置情報端末200と近接する施設の関連性を判断する。端末位置判断部114は、位置情報端末200と近接する施設を関連性がある施設であるとして選択する。端末位置判断部114は、位置情報端末200が存在する位置が含まれる地図画像情報703を選択して情報送受信部113に送信する。
【0020】
施設利用判断部115は、位置情報端末200と近接する施設の利用性を判断する。施設の利用性とは、トイレ施設の例では、距離、便座数、駐車場の有無、紙の有無、キレイ度、混雑度、時間帯等を基に計算した値である。利用性は施設をランク分けする情報である。
【0021】
施設利用情報作成部116は、位置情報端末200に適した施設をランク分けした情報に基づいて施設利用情報504を作成する。
【0022】
位置情報端末200は、端末位置情報処理部211、地図画像・施設利用情報表示処理部212、表示部213、施設利用情報受信部215、地図情報受信部214を備える。
【0023】
端末位置情報処理部211は、位置情報端末の位置を取得する。端末位置情報処理部211は、例えば、測位衛星(GPS(Global・Positioning・System)400などから、位置情報端末200の位置情報を取得する。
【0024】
地図情報受信部214は、施設利用情報提供サーバ100から送信される地図画像情報703を受信する。
【0025】
施設利用情報受信部215は、施設利用情報提供サーバ100から送信される施設利用情報504を受信する。
【0026】
地図画像・施設利用情報表示処理部212は、施設利用情報504と関連する地図画像情報703を重畳表示する情報にまとめる処理を行う。
【0027】
表示部213は、地図画像・施設利用情報表示処理部212が作成した施設利用情報と地図情報を重畳表示する。
【0028】
図2は、実施の形態にかかる施設利用情報提供サーバ100の処理の動作を表すフローチャートである。
図2に基づいて、施設利用情報提供サーバ100の処理の動作を説明する。
位置情報端末200の端末位置情報処理部211は、位置情報端末200の位置情報を取得し、図7に示すような、検索要求501を作成する。
【0029】
以下に、検索要求501について説明する。
位置情報端末アドレス:位置情報端末のネットワークアドレス(インターネットプロトコルアドレス)や電子メールアドレス。あるいは、電話番号。
現在位置情報:位置情報端末200の現在位置の緯度と経度(北緯Nと東経E)。さらに高度があるとなおよい。(X、Y、Z)座標でもよい。
緊急度:大・中・小の緊急度を指定する。
大は、即座にトイレを利用する場合である。
中は、近くにあるトイレを探したい場合である。
小は、あらかじめ近くのトイレを知っておきたい場合である。
緊急度の指定はなくてもよい。
好みフィルタ情報:トイレを好みに応じて選択したい場合に指定する。たとえば、好み1は洗浄便座有、好み2は個室内荷物置場有、好み3は、キレイ度を指定する。好みは、予め位置情報端末200に記憶させておいてもよいし、検索要求501の作成時にユーザが指定してもよい。好みフィルタ情報はなくてもよい。
性別:男又は女。性別はなくてもよい。
【0030】
***道路上の場合
以下、道路上でユーザが位置情報端末200から検索要求501を送信した場合について説明する。
【0031】
位置情報端末200の端末位置情報処理部211は、検索要求501を作成して、ネットワーク300を介して、施設利用情報提供サーバ100に送信する。
【0032】
ステップS101(端末位置情報受信ステップ)において、情報送受信部113の情報受信部は、位置情報端末200から検索要求501を受信する。検索要求501には、現在位置情報が必ず含まれている。
【0033】
ステップS102(端末位置判断ステップ)において、端末位置判断部114は、位置情報端末200の地図上での現在位置を判断する。端末位置判断部114は、位置情報端末200が存在する位置が道路などの屋外であれば、位置情報端末200が存在する位置が含まれる地図画像情報703を地図ファイル701から選択して情報送受信部113に送信する。端末位置判断部114は、位置情報端末200が存在する位置が建物内などの屋内であれば、後述するように、位置情報端末200が存在する位置が含まれる地図画像情報703を建物レイアウトファイル702から選択して情報送受信部113に送信する。
さらに、端末位置判断部114は、位置情報端末200の地図上で近傍にあるトイレを施設情報記憶部112から検索する。たとえば、端末位置判断部114は、現在位置情報と施設情報ファイル601のトイレ位置とから、位置情報端末200から半径100メートル以内に設置されているトイレを一つ以上検索して、検索要求501と検索した一つ以上のトイレID502を出力する。半径100メートル以内に設置されているトイレが検索できない場合には、端末位置判断部114は、検索範囲を半径200メートルに増加して検索する。
なお、緊急時に対応するためには、現在位置からの半径ではなく、現在位置からトイレ位置までのルートの距離が100メートル以内にあるトイレを検索するほうが望ましい。
また、端末位置判断部114は、位置情報端末200の端末位置情報を要求する位置情報要求599を作成して、位置情報端末200に送信してもよい。位置情報端末200は、位置情報要求599を受け取るたびに検索要求501を送信する。端末位置判断部114は、位置情報端末200から時間的にずれた複数の検索要求501に含まれた複数の端末位置情報を受信して解析することにより、位置情報端末200の移動状態を検出する。この移動状態から、たとえば、位置情報端末200が線路上を電車で移動中であることが分かる。端末位置判断部114は、位置情報端末200の移動状態からユーザが電車内あるいはバス内にいると判断した場合には、現在位置ではなく、次の駅や次のバス停の近傍にあるトイレを施設情報記憶部112から検索する。端末位置判断部114は、次の駅や次のバス停とその到着時刻を、ネットワーク300を介して、電車会社の列車ダイヤやバス会社のバス運行スケジュールから検索することができる。
【0034】
ステップS103(施設利用判断ステップ)において、施設利用判断部115は、検索要求501と検索した一つ以上のトイレID502を入力し、位置情報端末200に近接する施設の利用性を判断する。
施設の利用性は、施設情報ファイル601の施設の属性を元にランク付けする。
トイレ施設の例であれば、トイレまでの距離、便座数、駐車場の有無、紙の有無、キレイ度、混雑度、時間帯等の属性を元に、トイレ利用データ別に施設の利用性を計算したり、また、各データを数値化して合計値でトイレ施設毎に施設の利用性を計算してランク付けする。
たとえば、施設利用判断部115は、以下の計算式で施設の利用性を計算する。
【0035】
利用性=(100メートル/トイレまでの距離)
+(便座数/3)
+(駐車場の有なら1、無なら0)
+(紙有なら1、無なら0)
+(キレイ度0.0から1.0)
+(混雑度0.0から1.0)
【0036】
施設利用判断部115は、施設の利用性を用いて、以下のようにランクを求める。施設利用判断部115は、トイレが利用時間帯以外の場合には、最低ランクにランク付けするか、あるいは、ランク付けしない。
ランク5=利用性の値が5以上
ランク4=利用性の値が4以上5未満
ランク3=利用性の値が3以上4未満
ランク2=利用性の値が2以上3未満
ランク1=利用性の値が1以上2未満
ランク0(ランク付けなし)=利用時間帯以外のトイレ・清掃中のトイレ
図3は施設のランク付けの例である。
施設利用判断部115は、トイレID502とランク503とを出力する。
【0037】
ステップS104(施設利用情報作成ステップ)において、施設利用情報作成部116は、施設利用判断部115からトイレID502とランク503を入力し、トイレID502とランク503とに基づいて、ランク付けした施設の施設利用情報504を作成する。施設利用情報504は表示イメージと表示位置と施設の属性とを含んでいる。
図3の表示シンボルは、施設利用情報504の表示イメージの例である。
ランク5=表示シンボル赤のトイレマーク
ランク4=表示シンボル紫のトイレマーク
ランク3=表示シンボル青のトイレマーク
ランク2=表示シンボル水色のトイレマーク
ランク1=表示シンボル灰色のトイレマーク
施設利用情報作成部116は、表示イメージに対応して、表示イメージを表示する表示位置をトイレ位置から求め、施設利用情報504を表示する地図上において表示イメージを位置情報端末200の現在位置と関連付けする。
施設利用情報作成部116は、施設利用情報504に、トイレまでの距離、便座数、駐車場の有無、紙の有無、キレイ度、混雑度、時間帯、利用者コメント等のトイレの属性をテキスト情報として含める。
施設利用情報作成部116は、施設利用情報504を情報送受信部113に出力する。
【0038】
ステップS105(地図画像・施設利用情報送信ステップ)において、情報送受信部113の情報送信部は、施設利用情報作成部116で作成した施設利用情報504と、地図情報記憶部111に登録してある地図画像情報703とを位置情報端末200へ送信する。
【0039】
位置情報端末200において、地図情報受信部214は、施設利用情報提供サーバ100から送信される地図画像情報703と施設利用情報504を受信する。地図画像・施設利用情報表示処理部212は、施設利用情報504と関連する地図画像情報703を重畳表示する情報にまとめ、表示部213は、地図画像・施設利用情報表示処理部212が作成した施設利用情報と地図情報を重畳表示する。
【0040】
図4は、道路上においてユーザが位置情報端末200から検索要求501を送信した場合のナビゲーション表示例である。図4は、地図画像情報703により表示された地図画像に重畳表示された施設の表示イメージの例である。
【0041】
位置情報端末200においてユーザが、図4の表示イメージをクリックした場合に、地図画像・施設利用情報表示処理部212は、施設利用情報504に含まれた各施設個別の施設利用情報の属性を表示する。
図5は、位置情報端末200においてユーザが、表示イメージをクリックした場合に、各施設個別の施設利用情報のテキスト表示例である。
【0042】
***建物内の場合
建物内でユーザが位置情報端末200から検索要求501を送信した場合について、前述した道路上の場合と異なる点について説明する。
建物内の場合は、ユーザがいる階数により提供する施設情報が異なるので、検索要求501の現在位置情報の高さ情報によりユーザがいる階数を判断してユーザがいる階数の施設情報を提供しなければならない。
【0043】
ステップS102(端末位置判断ステップ)において、端末位置判断部114は、位置情報端末200から受信した検索要求501の現在位置情報の高度を参照してユーザがいる階数を判断する。階数が明確に判断できない場合は、複数階の階数をユーザがいる階数であると判断する。端末位置判断部114は、施設情報ファイル601のトイレ位置と設置階とを参照して、ユーザがいる階数に利用できるトイレが有るか否かを判断する。なければ、ユーザがいる階数の上下の階数にトイレが有るか否かを判断する。
また、階数により男女別々にトイレが設置されている場合があるので、端末位置判断部114は、位置情報端末200から受信した検索要求501に含まれる性別を判断し、施設情報ファイル601の男女の便座数を参照して、ユーザが利用できるトイレが有るか否かを判断する。
端末位置判断部114は、トイレが存在する階数の地図画像情報703を建物レイアウトファイル702から選択して階数を明示して情報送受信部113に送信する。
【0044】
地図画像・施設利用情報表示処理部212は、階数を明示して施設利用情報504と関連する地図画像情報703を重畳表示する情報にまとめ、表示部213は、階数を明示して施設利用情報と地図情報を重畳表示する。
【0045】
***アクセス制限がある場合
施設に対してアクセス制限がある場合について異なる点について説明する。
【0046】
ステップS102(端末位置判断ステップ)において、端末位置判断部114が、位置情報端末200から半径100メートル以内に設置されているトイレを検索しても、そのトイレが、改札を通過しなければならない場合や、会場の入場退場門を通過しなければならない場合には、そのトイレ情報を提供することを控えたほうがよい。端末位置判断部114は、施設情報ファイル601のアクセス制限を参照して、ユーザがアクセス制限の区域内に居るか、又は、区域外に居るかを判断して、アクセス制限の区域内に居る場合には、アクセス制限の区域内のトイレを選択する。アクセス制限の区域外に居る場合には、アクセス制限の区域外のトイレを選択する。たとえば、駅の改札外に居る場合には、駅の改札内のトイレを選択しない。
或いは、駅の改札内のトイレをアクセス制限があるトイレであることが表示して、ユーザに選択させても良い。端末位置判断部114は、トイレID502を出力する場合に、アクセス制限があるトイレである情報を付加して出力する。
ステップS104(施設利用情報作成ステップ)において、施設利用情報作成部116は、アクセス制限があるトイレである情報がトイレID502に付加されている場合には、アクセス制限があることが分かる特殊な表示イメージと、「改札有り」などの原因表示テキストを作成する。
【0047】
***緊急度
ユーザが位置情報端末200から検索要求501の中に緊急度を送信した場合について異なる点について説明する。緊急度として大中小がある場合について説明する。
大は、即座にトイレを利用したい場合である。
中は、近くにあるトイレを探したい場合である。
小は、あらかじめ近くのトイレを知っておきたい場合である。
【0048】
図8は、緊急度として大中小がある場合の施設利用判断部115のステップS103(施設利用判断ステップ)を示す処理フローチャートである。
ステップS201において、施設利用判断部115は、検索要求501と検索した一つ以上のトイレID502を入力する。
ステップS202において、施設利用判断部115は、検索要求501に含まれた緊急度を判断する。
ステップS203、204、205において、施設利用判断部115は、緊急度に応じて重み付けを変更する。
たとえば、施設利用判断部115は、以下の重み付けをする。
緊急度大=トイレまでの距離の重みW1を3とし、便座数の重みW2を2にして他の重みW3〜W9を0にする。
緊急度中=すべての重みW1〜W9を1にする。
緊急度小=検索要求501に含まれた好みの重みW7,W8,W9を1にして、他の重みW1〜W6を0にする。以下の計算式で施設の利用性を計算する。
【0049】
利用性=W1×(100メートル/トイレまでの距離)
+W2×(便座数/3)
+W3×(駐車場の有なら1、無なら0)
+W4×(紙有なら1、無なら0)
+W5×(キレイ度0.0から1.0)
+W6×(混雑度0.0から1.0)
+W7×(好み1の属性の値:有なら1、無なら0、又は、0.0から1.0)
+W8×(好み1の属性の値:有なら1、無なら0、又は、0.0から1.0)
+W9×(好み1の属性の値:有なら1、無なら0、又は、0.0から1.0)
【0050】
***トイレに近接する場合の処理
トイレが非常に近い場合、トイレまでの距離が0となる場合がある。或いは、ユーザが利用時間帯以外の使用不可のトイレの前で別なトイレ検索をする時、施設情報記憶部112の施設情報ファイル601の情報が古く目の前のトイレを利用時間帯内のトイレであるとして検索してしまう場合、トイレまでの距離が0となる場合がある。
このような場合、トイレまでの距離が0となり、「100メートル/トイレまでの距離」の計算で分母が0の割算を生起してしまう。
その場合、施設利用判断部115は、以下の処理をする。
(1)トイレまでの距離が一定値以下は全てトイレまでの距離を一定とする処理。
たとえば、施設利用判断部115は、トイレまでの距離が5メートル以内ならば、トイレまでの距離=5mとする処理をする。
(2)トイレまでの距離が一定値以下のトイレを検索対象からはずす処理。
たとえば、5メートル以内程度の視覚内にあるトイレを検索対象からはずしても、目視できるのであるから、不都合は生じない。
【0051】
ステップS206において、施設利用判断部115は、施設の利用性を用いて、ランク503を判断する。
ステップS207において、施設利用判断部115は、トイレID502とランク503とを出力する。
【0052】
以上のように、緊急度を用いることにより、ユーザの状況に応じた施設情報を提供することができる。
【0053】
図9は、実施の形態における施設利用情報提供サーバ100と位置情報端末200の外観の一例を示す図である。
図9において、施設利用情報提供サーバ100は、システムユニット910、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(Key・Board:K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット910は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク942(LAN)、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
【0054】
図10は、実施の形態1における施設利用情報提供サーバ100のハードウェア資源の一例を示す図である。
図10において、施設利用情報提供サーバ100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913(Read・Only・Memory)、RAM914(Random・Access・Memory)、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力部、出力装置の一例である。
【0055】
通信ボード915は、ファクシミリ機932、電話器931、LAN942等に接続されている。通信ボード915は、LAN942に限らず、インターネット940、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。インターネット940或いはISDN等のWANに接続されている場合、ゲートウェイ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0056】
上記プログラム群923には、実施の形態の説明において「〜部」として説明した機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明する情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示・抽出のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態の説明において説明したフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0057】
また、実施の形態の説明において「〜部」として説明したものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明したものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の施設利用情報を各種の都市情報、地域情報、あるいは、各種施設内の情報に置き換えることによって、トイレ施設の利用情報に限らず、各種の位置に関連ある施設の利用情報に対する案内などに利用することができる。
たとえば、前述した施設利用情報提供システムは、病院や医者を至急探したい場合、二次会会場を至急探したい場合、カラオケ施設を至急探したい場合、現金不足により自動現金受け払い機を至急探したい場合などに有効である。特に、ユーザがサービスを受ける場合に、台数・椅子数・部屋数に限りがある施設の施設情報を提供する場合に有効である。
【符号の説明】
【0059】
100 施設利用情報提供サーバ、111 地図情報記憶部、112 施設情報記憶部、113 情報送受信部、114 端末位置判断部、115 施設利用判断部、116 施設利用情報作成部、200 位置情報端末、211 端末位置情報処理部、212 地図画像・施設利用情報表示処理部、213 表示部、214 地図情報受信部、215 施設利用情報受信部、300 ネットワーク、400 測位衛星、501 検索要求、502 トイレID、503 ランク、504 施設利用情報、599 位置情報要求、601 施設情報ファイル、701 地図ファイル、702 建物レイアウトファイル、703 地図画像情報、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 ファクシミリ機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供する施設の施設位置を含む施設情報を記録装置に記憶する施設情報記憶部と、
位置情報端末から端末位置情報を通信装置により受信する情報受信部と、
情報受信部が入力した端末位置情報に基づいて端末位置を処理装置により判断し、施設位置が端末位置の近傍にある施設の施設情報を施設情報記憶部から処理装置により検索する端末位置判断部と、
端末位置判断部が検索した施設情報から施設の利用性を処理装置により計算してランク付けする施設利用判断部と、
施設利用判断部のランク付けに基づいて施設の施設利用情報を処理装置により作成する施設利用情報作成部と、
施設利用情報作成部が作成した施設利用情報を位置情報端末に通信装置により送信する情報送信部と
を備えたことを特徴とする施設利用情報提供サーバ。
【請求項2】
上記情報送信部は、施設利用情報とともに、施設利用情報を表示する地図情報を送信することを特徴とする請求項1記載の施設利用情報提供サーバ。
【請求項3】
上記施設情報記憶部は、施設の複数の属性を施設情報として記録装置に記憶し、
上記施設利用判断部は、施設情報記憶部が記憶した施設の複数の属性に対して重み付けをして施設の利用性を計算することを特徴とする請求項1又は2記載の施設利用情報提供サーバ。
【請求項4】
上記情報受信部は、位置情報端末から緊急度を受信し、
上記施設利用判断部は、緊急度に応じて、施設の利用性を計算する重み付けを変更することを特徴とする請求項3に記載の施設利用情報提供サーバ。
【請求項5】
サービスを提供する施設の施設位置を含む施設情報を記録装置に記憶する施設情報記憶部を備えた施設利用情報提供サーバの施設利用情報提供方法において、
位置情報端末から端末位置情報を通信装置により受信する情報受信ステップと、
情報受信ステップで入力した端末位置情報に基づいて端末位置を処理装置により判断し、施設位置が端末位置の近傍にある施設の施設情報を施設情報記憶部から処理装置により検索する端末位置判断ステップと、
端末位置判断ステップで検索した施設情報から施設の利用性を処理装置により計算してランク付けする施設利用判断ステップと、
施設利用判断ステップでのランク付けに基づいて施設の施設利用情報を処理装置により作成する施設利用情報作成ステップと、
施設利用情報作成ステップで作成した施設利用情報を位置情報端末に通信装置により送信する情報送信ステップと
を備えたことを特徴とする施設利用情報提供方法。
【請求項6】
コンピュータを、上記請求項1から4いずれかに記載の施設利用情報提供サーバの各部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−237904(P2010−237904A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84126(P2009−84126)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】