説明

施設情報提供装置、及び記録媒体

【課題】 きめこまかく、利便性の高い飲食店情報提供/予約サービスを提供する。
【解決手段】 利用者は、主にドライバー等が対象で、利用者の車において車載の端末1(携帯電話、携帯型情報機器等)とカーナビゲーション2とが接続されている。サイト10において、加盟飲食店DB11には各加盟飲食店の紹介情報等が格納される。また、各店の混雑状況も格納され、これは各加盟飲食店の情報処理端末7a〜7dから随時更新する(■加盟店情報登録)。利用者からのアクセスがあったときには、カーナビ2より得た利用者の現在位置/進行方向の情報と、加盟飲食店DB11、道路情報DB12、道路交通情報システム14の情報に基づいて、適切な飲食店を検索してその情報(上記混雑状況も含む)を利用者の端末に表示させる(■飲食店情報検索)。また、予約も受け付ける。利用者が予約を行った場合には、予約先の飲食店に予約内容を通知すると共にこのログ情報を予約ログDB13に格納する(■予約受付)。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲食店のような施設の情報を提供する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在のカーナビゲーション・システム(略して、カーナビともいう)は、目的地までの道順を指示したり、道路交通情報システム(ITS)から得られる、リアルタイムの渋滞情報をも用いて目的地までの最適な道順を検索する等の、基本的な機能だけでなく、様々な付加的な情報提供機能を備えている。
【0003】例えば、様々な施設の位置(ガソリンスタンド、駐車場、飲食店、宿泊施設等)をマップ上に表示したり、条件等を入力することで所望の施設の情報(例えば、目的地周辺の施設の情報等)を表示させることもできる。また、例えば「カーナビ向けiモード・サービス」(i−modeはNTT移動通信網(株)の登録商標)等のように、携帯端末とカーナビとを接続して、ドライバー向けの新たなサービスを提供することが開始されようとしている。尚、この「カーナビ向けiモード・サービス」では、例えば、飲食店情報の表示、iモードによって取り込んだ文字情報のカーナビ画面への表示、位置情報を添付したメールの送受信等が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、カーナビを利用した情報提供サービスを行う環境が整いつつある。これにより、車で移動中にも、様々な情報(例えば飲食店情報等)を手に入れて活用できる等、ドライバー(搭乗者も含む)の利便性の向上が期待できる。
【0005】しかしながら、ユーザは、よりきめこまかく、利便性の高いサービスを要望するものである。本発明の課題は、適切な飲食店のような施設の自動検索、施設の現在の混雑状況/到着までの予測時間等のリアルタイムの情報の提供、予約や予約後から到着までのフォロー等、施設情報提供/予約に係わり、きめこまかく、利便性の高いサービスを提供できる施設情報提供装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による施設情報提供装置は、各施設の情報を格納する施設情報格納手段と、道路地図情報を格納する地図情報格納手段と、利用者端末から送られてくる利用者の現在位置、進行方向の情報と前記地図情報格納手段に格納される道路地図情報に基づいて、前記施設情報の検索範囲を任意のエリアに絞り込む検索条件決定手段と、該検索条件決定手段により決められたエリア内に存在する施設を、前記施設情報格納手段を検索して求め、該施設の情報を利用者端末に表示させる施設情報提供手段とを備えるように構成する。
【0007】上記施設情報提供装置によれば、利用者が逐一検索条件を入力しなくても、自動的に検索範囲を絞り込んで、適切な(利用者がこれから向かう方向にある)施設を検索して、利用者に情報提供できる。また、上記施設情報提供装置は、例えば、前記施設情報提供手段により検索した各施設に前記利用者が到着するまでの所要予測時間を算出する所要予測時間算出手段を更に備え、前記施設情報格納手段に格納される各施設の情報には、各施設に設置される店舗端末から随時更新される各施設の現在の混雑状況を示すデータが含まれ、前記利用者端末に表示させる情報には該所要予測時間と混雑状況のデータが含まれるようにする。
【0008】このようにすることにより、例えば利用者は、混雑している施設は避けて施設を選ぶことができる等、現在の状況に応じた最適な施設の利用が可能になる。また、本発明による施設情報提供装置は、利用者端末からのアクセスに応じて施設情報を提示すると共に該提示した施設の予約を受け付ける予約受付手段と、該予約受付手段により受け付けた前記予約の情報を、予約された施設の端末に通知する予約情報通知手段とを有するように構成する。
【0009】上記施設情報提供装置によれば、利用者は各施設の情報を参照できるだけでなく、所望の施設の予約(席の予約やメニューの予約(注文)等)が行える。これにより、利用者は、施設に到着後待たされる心配がなく、更に飲食店等の施設にあっては店側で事前に調理準備等を行うことができるので、席に着いた後にも比較的短時間で食事を開始できるようになる。
【0010】また、上記施設情報提供装置は、例えば、前記予約に係わるログ情報を格納する予約ログ情報格納手段を更に備え、前記予約後に、該予約ログ情報を用いて、前記利用者端末と施設端末との間の情報のやりとりを仲介する。例えば、利用者の到着が遅れそうな場合に、利用者端末から遅延通知が送られてくると、これを施設端末に転送することにより、施設側ではスケジュールを変更/調整する等、何等かの対応が可能になる。このように、予約後に予定通りにいかなかった場合でも、ある程度フォローすることができる。
【0011】また、本発明は、コンピュータに上記各種機能を実行させる為のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体自体としても構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本例による飲食店情報提供/予約サービスに係わる構成全体の概略図である。
【0013】本例による飲食店情報提供/予約サービスの利用者は、ドライバー(及びその搭乗者)であるものとして説明するが、これに限るものではない。また、ドライバーは、タクシー、トラック等の職業運転手、営業等仕事上で運転している者、家族連れドライブ等、何であってもよく、特に利用対象者を制限するものではない。
【0014】利用対象者は、特に制限しないが、当該飲食店情報提供/予約サービスの利用者の車には、車載の端末1が存在する必要がある。また、本例では、利用者の車には、GPSを利用した位置情報システム(カーナビゲーション2等)が搭載されているものとして説明する(これに限るわけではなく、現在位置や進行方向を測定できる装置であれば何でもよい。例えばPHSを用いて現在位置を検出することが既に行われている)。
【0015】車載の端末1は、携帯電話/PHS等の携帯通信端末(無線通信端末)、携帯通信端末と接続した携帯型情報機器(PDA(Personal Digital Assistant)、HPC(Handheld PC )、ノートブック型パソコン等)、またはこれら携帯型情報機器であって無線通信機能を備えるものである。
【0016】尚、携帯通信端末単体で用いる場合でも、携帯型情報機器を用いる場合でも、基本的には、無線により基地局3と通信し、そこから移動体通信網4(パケット網)、インターネット5を介して、各サイトにアクセスする構成となっている。サイトにより提供される情報が、簡易型のHTML形式によるWWWページであるか、HTML形式によるWWWページであるかの違いはあっても、サイトにアクセスしてホームページを表示させ、双方向のやりとりが行えることには変わりはないので(サイト10は、これら両方に対応できるようにしておく)、以下、これらを特に区別することなく説明するものとする。
【0017】図1において、サイト10は、飲食店情報提供/予約に係わる各種サービスを提供するサーバ装置(飲食店情報提供/予約装置)であり、インターネットサーバ(WWWサーバ)としての機能を備える(これについては、良く知られているので、特に詳細には説明しない)。
【0018】サイト10には、加盟飲食店DB(データベース)11、道路情報DB12、予約ログDB13が備えられている。また、サイト10は、例えば専用線等により、道路交通情報システム14(既存のものではVICS((財)道路交通情報通信システムセンターの登録商標)があるが、これに限るわけではない)と接続しており、現在の(最新の)渋滞情報を提供してもらう。尚、VICSはビーコン等で各車に渋滞情報等を送信しているので、このビーコンを受信可能であるならば、専用線等により接続しなくてもよい。
【0019】また、サイト10は、ネットワーク6を介して、各加盟飲食店に設置されている情報処理端末7a〜7d(パソコン、PDA等)と接続している。ネットワーク6は、インターネット(更に、通常は電話回線等も含む)であってもよいし、専用線であってもよい。
【0020】情報処理端末7a〜7dは、例えばブラウザ機能の備え、ネットワーク6を介して常時サイト10に接続し(少なくとも営業時間中は常時接続している)、各加盟飲食店毎に専用に用意されたホームページを表示する。このホームページは、例えば後述する図6に示すようなセンター(サイト10)への情報提供画面であり、また予約が入ったとき等には予約情報が表示される。
【0021】サイト10は、概略的には、第1に、各加盟飲食店の情報処理端末7a〜7dから入力された各店の情報を、加盟飲食店DB11に格納/更新する機能(■加盟店情報登録)を備える。第2に、利用者からのアクセスがあったときに、加盟飲食店DB11、道路情報DB12、道路交通情報システム14の情報に基づいて、適切な飲食店を検索してその情報を利用者に提示する機能(■飲食店情報検索)を備える。第3に、利用者が予約を行った場合に、予約先の飲食店に予約内容を通知すると共にこの予約ログ情報を予約ログDB13に格納する機能(■予約受付)を備える。予約ログ情報は、後述する予約後のフォローを行う際、または課金の際に利用される。詳しくは後述する。
【0022】図2は、サイト10(サーバ装置)のハードウェア構成図である。図示のサーバ装置20は、CPU21、メモリ22、通信部23、記憶部24、及び上記加盟飲食店DB11、道路情報DB12、予約ログDB13等から構成される。更に、不図示の入力部(キーボード、マウス等)、表示部(ディスプレイ等)があってもよい。
【0023】CPU21は、サーバ装置20全体を制御する中央処理装置である。メモリ22は、例えばRAM等であり、何等かの処理実行の際に、プログラムやデータを一時的に格納する。通信部23は、インターネットに接続して、当該サーバ装置20に各クライアントとの双方向の情報のやりとりを行わせる為の伝送制御部である。
【0024】記憶部24には、少なくとも後述する図3に示す飲食店情報提供/予約のサービスを提供する為のプログラムが格納される。また、インターネットサーバ(WWWサーバ)としての機能を実現する為のプログラムが格納される。この記憶部24の実体は、磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリなどCPUで読取り可能な記録媒体を含んだ構成である。この記録媒体は、CD−ROM25、フロッピー(登録商標)ディスク26等の可搬型の媒体(可搬記録媒体24a)やハードディスク等の固定的な媒体を含む。また、この記録媒体に格納するプログラム、データ等は、その一部若しくは全部をネットワーク回線等(インターネット等)の伝送媒体を介して通信部23により受信する構成にしてもよい。更に上記記録媒体は、ネットワーク上に構築された他のサーバ等の記録媒体であってもよい。更に、上記プログラムを、ネットワーク回線等の伝送媒体を介して、他のサーバやクライアントへ伝送して、これらの機器にインストールするように構成してもよい。
【0025】次に、加盟飲食店DB11、道路情報DB12、予約ログDB13について、それぞれ説明する。まず、本サービス(飲食店情報提供/予約のサービス)において利用者に情報提供する飲食店は、予め加盟している店であり(以下、加盟飲食店という)、加盟時に、店名、その店の所在地、電話番号、お店の紹介、メニューの紹介、御薦め情報等を登録させており、加盟飲食店DB11には、これら情報が格納される。また、お店の紹介、メニューの紹介、御薦め情報等は、加盟後に、いつでも更新可能である。
【0026】更に、加盟飲食店DB11には、各飲食店の店内の混雑状況を示すデータが格納される。この混雑状況データは、各情報処理端末7a〜7dから、その店の現在の混雑状況を逐時(例えば混在状況が変化したとき)入力してもらい、随時更新していく。これにより、利用者は、後述するように、各飲食店の現在の混雑状況を考慮して店を選ぶことができるようになる。
【0027】道路情報DB12には、例えば緯度/経度情報が対応付けられた道路地図情報等のように、一般的なカーナビで必要となる情報が格納される。サイト10(サーバ装置20)は、この道路情報DB12と上記道路交通情報システム14(ここではVICSを例にして説明していくことにする)から得られる情報を用いて、GPS位置情報に基づく現在位置(道路上の位置)の判別、目的地までの経路探索/所要時間の算出(最新の渋滞情報を考慮したもの)等を行う機能を備える。すなわち、いわゆるVICS対応カーナビとしての機能を備える。
【0028】予約ログDB13には、利用者が加盟飲食店に対し予約を行った場合に(詳しくは後述する)、この予約に係わる情報を記録する。例えば、予約店、予約時刻、現在位置、到着予定時刻、予約情報(予約人数、予約メニュー等)、利用者情報等が記録される。
【0029】この予約ログDB13に記録される情報は、予約時点から到着までを追跡/サポートするサービスを提供するために用いられる。更に、利用状況に応じた課金処理のデータベースとして用いる(詳しくは後述する)。また、この情報を利用情報として蓄積して、各種分析、マーケティング、個別利用者へのサービス向上等に結びつけることも考えられる。
【0030】図3は、上記サイト10により提供される、飲食店情報提供/予約等のサービスの処理手順の一例を説明する為の図である。このフローチャートで示す各機能を実現するプログラムは、CPUで読取り可能なプログラムコードの形態で記録媒体(記憶部24等)に格納されている。また、このプログラムは、プログラムコードの形態でネットワーク回線等の伝送媒体を介して伝送することもできる。
【0031】まず、各加盟飲食店側では、例えば店員などにより、各店に設置された情報処理端末7a〜7d(以下、店舗端末という)から、随時、自店の混雑状況を入力して、サイト10(センター)側に通知している(ステップS23)。サイト10側では、この通知を受け取る毎に、加盟飲食店DB11を更新している(ステップS12)。
【0032】一方、各車において、利用者が、当該飲食店情報提供/予約のサービスを受けたいと思った場合には、上記車載の端末1(以下、ユーザ端末(利用者端末)という)を用いて、例えばメニュー一覧から本サービス名(例えば「飲食店情報提供/予約」となっている)を選択する(ステップS1)。あるいは、サイト10のURLを入力してもよい。
【0033】これにより本サービスが開始されると、ユーザ端末は、まず、このユーザ端末と接続しているカーナビゲーション2から、現在の車の位置(GPSから得た緯度/経度情報等)、進行方向のデータを取得して(ステップS2)、このデータを検索依頼コマンドと共にサイト10に送信する(ステップS3)。
【0034】サイト10は、この検索依頼を受けると、検索範囲(地域)を自動的に絞って加盟飲食店を検索する処理を行う(ステップS13)。この検索処理の詳細を、図4に示す。図4において、サイト10は、上記利用者の現在位置、進行方向の情報を含む検索依頼コマンドを受信すると(ステップS28)、まず、道路情報DB12を利用して、検索対象とすべき地域を絞り込む(ステップS29)。これは、概略的には、利用者の現在位置から進行方向に向かって所定範囲内(現在位置からの距離または到着までに掛かる時間が、予め設定されている所定値以下の範囲)が、検索範囲とすべき地域となるが、具体的な方法は、様々である。例えば、現在位置から進行方向を中心軸とする任意の角度の扇状のエリアとする。あるいは、車が現在の進行方向のまま進むとは限らないので(途中で右折/左折する。あるいは、道自体が曲がっているかもしれない)、例えば、現在位置がどの道路上にあるのかを判別し(例えば、国道1号線上を走行中であると判別し)、この道路沿いの所定範囲(例えば数百メートル程度)のエリアを検索対象地域としてもよい。あるいは、カーナビゲーション2において利用者が目的地を設定して、この目的地へ向かう途中である場合には、このカーナビゲーション2は目的地までの経路を検索して記録しているはずであるので、この経路情報も、上記現在位置、進行方向データと共にサイト10に送るようにしておけば、この経路沿いの所定範囲(例えば数百メートル程度)のエリアを検索対象地域とすることもできる。他にも、様々な方法が有り得るので、特にこれら具体的な方法に限定されるものではない。
【0035】上記ステップS29で検索範囲(地域)を絞り込んだら、次に、加盟飲食店DB11を用いて、この地域内に存在する加盟飲食店を検索する(ステップS30)。各加盟飲食店の所在地は、登録されているので、所在地が上記対象地域内にある加盟飲食店が、該当する(利用者に情報提供すべき)店となる。
【0036】次に、これら検索した各加盟飲食店に利用者が到着するまでに掛かる所要時間(予測)を算出する(ステップS31)。これは、カーナビと同様の機能により実現できる。更に、例えばVICS対応カーナビと同様の機能により、道路交通情報システム14から得られる情報を用いて所要時間を算出すれば、予測精度が高い算出結果が得られる。算出した所要予測時間データは、加盟飲食店DB11に格納する。
【0037】再び、図3に戻り、説明を続ける。ステップS13の検索処理により求められた各加盟飲食店の情報を、加盟飲食店DB11から読み出して、利用者に通知する(ステップS14)。ユーザ端末は、これを受信して表示する(ステップS4)。
【0038】表示例を図5に示す。図5(a)は、ユーザ端末に表示される飲食店一覧30の一例である。図示の例では、検索された各加盟飲食店の店名31、紹介32、所要時間33、及び混雑状況34が表示されるが、これに限るものではない。
【0039】店名31、紹介32は、上記加盟時に登録され加盟飲食店DB11に格納されている(またはその後、任意の時に更新した)、各店の基本的な情報や宣伝等のデータであり、同図では一例を示しているだけであり、これに限るわけではない。所要時間33は、上記ステップS31の処理で算出された、利用者が各加盟飲食店に到着するまでに掛かる所要時間の予測値である。混雑状況34は、現在の店内の混雑状況を示すものであり、図示の例では○が“空いている”、△が“やや混雑”、×が“混雑”を意味する。勿論、このような表示例に限らず、例えば文字で表示してもよい。
【0040】このように、利用者は、単なる各店の紹介といった情報だけでなく、所要予測時間や現在の混雑状況という情報も見ることができ、これらを考慮した総合的な判断で店の選択を行うことができる。例えば、ラーメンが好きなのであるが、現在混んでおり、待たされるのは嫌なので、空いている店の中から選択するといったように、状況に応じたより適切な選択を行うことができるようになる。
【0041】そして、店を決めたら、飲食店一覧30上でその店を選択/指定すると、例えば図5(b)に示すような、その店のメニュー一覧40が表示される。このメニュー一覧40では、単にメニュー情報を見るだけでなく、予約も行える。すなわち、メニュー41、特徴42、及び価格43は、予め各加盟飲食店が登録して加盟飲食店DB11に格納されている情報であるが、数量44は、利用者が入力する欄である。利用者が、所望するメニューの数量44の欄に所望の予約数を入力した後(図示の例では「野菜ほうとう」が2人分、「海鮮ほうとう」が1人分)、「予約」ボタン45を押すと、ユーザ端末はこの予約情報をサイト10に送信する(ステップS5)。
【0042】尚、他の店のメニューも見たい場合には、「取消」ボタン46を押せば、飲食店一覧30に戻る。また、尚、混雑状況34のデータを、予約可能情報として用いるようにしてもよい。すなわち、例えば、混雑状況34が×(混雑)の店に対しては予約が行えないようにしてもよい。
【0043】また、この例は、席の予約だけでなく、先に注文まで済ませておくことにより、店側で事前に調理準備等を行うことを可能にし、これにより利用者が到着後に比較的短時間で(理想は待ち時間ゼロ)食事を開始できるようにしたサービスであるが、これに限るものではない。席だけ確保して、メニューは実際に店に入った後に選びたいと思う利用者もいるので、図示していないが、例えば予約人数を入力する欄を設け、この欄に人数を入力して「予約」ボタン45を押すと、席の予約だけできるようにしてもよい。また、予約は行わないが、選択した店に行きたい、と希望するユーザもあるかもしれないので、図示していないが、例えば「店の指定」、「店の位置座標取得」という意味のボタンも表示させるようにし、このボタンを押した場合には、選択した店の位置座標の取得要求をサイト10に送信するようにしてもよい。
【0044】サイト10側では、ステップS5でユーザ端末から送信された店の指定(予約)情報を受信すると(ステップS15)、予約であるか、位置座標の取得要求であるかに係わらず、まずその店の位置座標(緯度/経度)情報をユーザ端末に送信する(ステップS16)。ユーザ端末は、受信したこの位置座標情報をカーナビゲーションに渡す。カーナビゲーションは、この位置座標を目的地としてセットし、店までのナビゲーションを開始する(ステップS6)。単に飲食店の各種情報を提供するだけのサービスでは、ユーザはこの情報を参照して目的地を設定する手間が掛かるが、本例では所望の飲食店を選択/指定すれば、自動的に目的地として設定される。
【0045】更に、サイト10側においては、ステップS15において予約ではなく位置座標の取得要求を受けた場合には(ステップS17,NO)、この利用者に関する処理を終了するが、予約があった場合には(ステップS17,YES)、予約された店の店舗端末に対して予約通知を送る(ステップS18)。この予約通知には、上記利用者が入力した予約内容(メニューと数量、予約人数等)、到着予定時刻等の情報が含まれる。尚、到着予定時刻は、上記所要予測時間を現在時刻にプラスして求めたものである。更に、道路情報DB12の地図情報を利用し、図7に示すような利用者の現在位置を印したマップも通知するようにしてもよい。また、この予約に係わるログ情報を予約ログDB13に格納する(ステップS19)。尚、予約ログには、予約通知の内容だけでなく、予約日時、利用者の識別情報、予約された店の識別情報等も含まれる。
【0046】この予約通知を受け取った店舗端末側では、この予約を受け付けて登録する(ステップS24)。予約を受け付けた飲食店は、予約内容、到着予定時刻に基づいて、席の確保、料理の準備等、利用者の待ち時間を少なくする(理想は待ち時間ゼロ)為の各種作業を行うことができる。これは利用者にとってメリットがあるだけでなく、店にとっても、サービスの質の向上が図れたり、客の回転率が良くなるといったメリットがある。
【0047】以上のように予約を完了した時点で処理を終了してもよいが、本例では予約後のフォローまで行う。すなわち、利用者は、車で移動中であるので、予定通りに行かない場合もある。例えば上記所要予測時間を算出した時点では発生していなかった渋滞が、発生するかもしれない(事故渋滞等)。このように、何等かの理由で到着予定時刻までに店に到着できない場合でも、店側が利用者の現状を把握できればある程度はフォローできる。一方、逆に、予定より早く到着した場合には、利用者は、店に入ってよいかどうか迷うかもしれない。
【0048】このように多少予定が狂っても、情報提供されれば、飲食店側は作業予定を変更したり、空いている席を有効活用する等して、状況の変化に迅速に対応できるようになるので、本例のサイト10は、予約後のフォローとして、以下に説明するように、ユーザ端末−店舗端末間の情報の橋渡しを行う。
【0049】まず、利用者は、上記ステップS6でカーナビに目的地をセットした後は、カーナビの指示に従って目的地に向かって走行している。この状態で、ユーザ端末は、随時、店に到着したか否か(ステップS7)、及び現在時刻が到着予定時刻の少し前(この例では10分前)になったか否か(ステップS10)を判定している。尚、通常、カーナビは、目的地に到着したことを認識して音声等で到着を知らせる機能を備えているので、ユーザ端末はこの情報をカーナビから取得すれば、ステップS7の判定を行える。
【0050】ステップS7において、到着したと判定した場合には(ステップS7,YES)(但し、この例では、ステップS10により、到着予定時刻の10分前までに到着した場合を意味する)、ユーザ端末はサイト10に対して、到着した旨を通知する(ステップS8)。サイト10は、予約ログDB13の格納されているログ情報に基づいて、店舗端末に到着通知を転送する(ステップS20)。店舗端末はこの到着通知を受信して(ステップS25)表示する。このように、到着予定時刻前に利用者が到着した場合には、店側では店員等が席が空いているか否かを判断して、店舗端末を操作して、席が空いていなければ「待ち指示」を通知し、席が空いていたら「準備OK」を通知する(ステップS26)。
【0051】サイト10はこの通知をユーザ端末に転送し(ステップS21)、ユーザ端末で表示させる(ステップS9)。このようにすることにより、利用者は、予定より早く到着した場合でも、店に入るか否か迷うことなく、「準備OK」を通知されるまで、車の中でゆっくり待てばよくなる。
【0052】一方、到着予定時刻の少し前(この例では、10分前となっているが、5分前でも3分前でも、任意に決めてよい)になっても、店に到着していなかった場合には(ステップS10,YES)、ユーザ端末は、音声または表示等により、利用者に対し、遅延通知を出すか否かの判断を促す。利用者は、到着予定時刻までに到着できるか否かを判断し、到着できそうになければ、遅延通知を送信する(ステップS11)。サイト10は、この遅延通知を店舗端末に転送する(ステップS22)。店舗端末は、この遅延通知を受信し、表示する(ステップS27)。これにより、店側では、利用者の到着が遅れることを事前に知り、スケジュールを調整する等の対応を行うことができる。また、通常、カーナビは、随時、目的地までの所要予測時間を再計算して表示しているので、この最新の情報を取得して遅延通知に含めるようにすれば、店側ではあと何分で到着するのか知ることができる。また、遅延通知だけでなく、予定通りに到着できそうと判断した場合にも「予定通り到着できる」旨の通知を送るようにしてもよい。こうすれば、店側では安心して引続き準備作業を行うことができる。
【0053】図6は、上記ステップS23で説明した混雑状況の通知等を行える情報提供画面の一例である。例えば、各店舗端末には、通常時には、図示のようなセンター(サイト10)への情報提供画面50が表示されているものとする。情報提供画面50には、例えば、「混雑」51、「やや混雑」52、「混雑解除」53という混雑状況を示す項目が表示される。店員等は、店内の様子を見て、混雑状況が変化したとき等に、これら項目のいずれかを選択/指定する。選択/指定の仕方は、例えばマウス等を用いてもよいし、タッチパネルである場合には直接画面上の表示位置をタッチして指定する。これに応じて加盟飲食店DB11に格納されている混雑状況のデータが更新される。
【0054】また、情報提供画面50には、混雑状況だけでなく、例えば「営業時間終了」54、「メニューの変更」55等の項目も表示される。「営業時間終了」54を選択/指定した場合、この通知を受けたサイト10は、後に営業開始が通知されるまでの間、この店の情報は利用者に提示しないようにする。尚、加盟時等に、店の営業時間帯(定休日等の情報も)をサイト10に登録しておけば、逐一、営業開始/終了を通知しなくても済む。また、上記の通り、各加盟飲食店は、最初に登録した“お店の紹介”、“メニューの紹介”、“御薦め情報”等の情報をいつでも更新可能であり、同図ではこの中の一例として「メニューの変更」55を示している。「メニューの変更」55を選択/指定すると、加盟飲食店DB11に登録してある“メニューの紹介”の情報の更新画面が表示され、店員等はデータ更新作業を行う。
【0055】図7は、予約時に店舗端末に表示される、利用者の車の現在位置のマップ表示例である。これは、上記ステップS18で店舗端末に対して予約通知が送られると、店舗端末のディスプレイ等に表示されるものである。店員等は、上述してある予約内容(人数、メニュー、到着予定時刻等)を確認した後、このマップ表示画面60を参照して、利用者の現在位置を把握することができる。尚、「確認」61を選択/指定すると、情報提供画面50に戻る。
【0056】最後に、課金について、述べておく。これについては、既存の手法の中の任意の方法を用いれば良いので、特に詳細には説明しないが、概略的には、例えば利用者から利用料金を徴収する場合には、各携帯電話特有の情報提供サービスでは、例えば予め利用料として一月当たり100円、200円程度を徴収することが行われている。または上記予約ログDB13の情報を例えば一月分蓄積しておき、各利用者毎に、一月分の利用回数、利用時間、パケット通信のデータ量等に応じた請求を行うようにしてもよい。あるいは、飲食店は、加盟することで、集客率の向上を図れたり、サービスの質の向上が図れるというメリットを享受できるので、これら加盟飲食店から加盟料を徴収するようにしてもよい。あるいは、上記飲食店一覧20等の画面上に広告を表示させるようにし、広告料を徴収するようにしてもよい。
【0057】尚、上述した実施例の説明では、車の位置情報、進行方向に基づいて、自動的に検索範囲(地域)を絞り込むことにより、利用者が逐一検索条件を入力しなくても済むようにしたが、利用者が自由に検索条件を指定したい場合も考えられる。よって、選択により利用者が所望の(食事をしたい)地域を指定することも出来るようにしてもよい。これにより、更に適切な飲食店検索を行えるようにできる。
【0058】更に、“地域”以外にも任意の検索条件を追加できるようにしてもよい。例えば、利用者が食事をしたい時刻(時間帯)を指定したり、予算等を指定できるようにすることで、更に適切な飲食店検索を行えるようにできる。また、上述した実施例の説明では、本サービスの利用対象者は、車で移動中の人間であるとして説明したが、これに限るものではない。例えば、鉄道の利用客に対しても同様のサービスを提供できる。すなわち、目的地までの経路(路線)を検索したり、乗換時間まで含めた所要時間を算出できるソフトウェアを利用し、更に鉄道事故等のリアルタイムの交通情報を発信するサービスを利用することにより、同様のサービスを提供できる。また、歩行者を対象とすることも可能である。
【0059】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の施設情報提供装置によれば、利用者にとって様々な点で利便性の高い情報提供、予約等のサービスを実現できる。例えば、利用者が逐一検索条件を入力しなくても、利用者の現在位置/進行方向の情報に基づいて検索範囲(地域)を絞り込んで、適切な飲食店等の施設の情報を提供できる。また、利用者に提供する情報には、施設の現在の混雑状況や、到着までの予測時間等のリアルタイムの情報を含めることができ、これにより利用者により適切な施設を選択させることができる。また、予約も受け付けることができ、利用者は施設到着後の待ち時間が極めて少なくて済むようになる。更に、予約後から到着までをフォローし、予定より遅れそうな場合には事前に施設側に知らせることができる等、きめの細かいサービスを提供できる。
【0060】また、利用者だけでなく、飲食店等の施設に対しても、集客率の向上を図れたり、サービスの質の向上が図れるというメリットを供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】飲食店情報提供/予約サービスに係わる構成全体の概略図である。
【図2】サイト(サーバ装置)のハードウェア構成図である。
【図3】飲食店情報提供/予約等のサービスの処理手順の一例を説明する為の図である。
【図4】図3のステップS13の検索処理の詳細フローチャート図である。
【図5】(a)はユーザ端末に表示される飲食店一覧の一例、(b)はメニュー一覧の一例を示す図である。
【図6】各店舗端末に表示される、混雑状況の通知等を行える情報提供画面の一例である。
【図7】予約時に店舗端末に表示される、利用者の車の現在位置のマップ表示例である。
【符号の説明】
1 車載の端末
2 カーナビゲーション
3 基地局
4 移動体通信網
5 インターネット
6 ネットワーク
7a〜7d 情報処理端末
10 サイト
11 加盟飲食店DB
12 道路情報DB
13 予約ログDB
14 道路交通情報システム
20 サーバ装置
21 CPU
22 メモリ
23 通信部
24 記憶部
24a 可搬記憶媒体
25 CD−ROM
26 フロッピーディスク
30 飲食店一覧
31 店名
32 紹介
33 所要時間
34 混雑状況
40 メニュー一覧
41 メニュー
42 特徴
43 価格
44 数量
45 「予約」ボタン
46 「取消」ボタン
50 情報提供画面
51 「混雑」
52 「やや混雑」
53 「混雑解除」
54 「営業時間終了」
55 「メニューの変更」
60 マップ表示画面
61 「確認」

【特許請求の範囲】
【請求項1】 各施設の情報を格納する施設情報格納手段と、道路地図情報を格納する地図情報格納手段と、利用者端末から送られてくる利用者の現在位置、進行方向の情報と前記地図情報格納手段に格納される道路地図情報に基づいて、前記施設情報の検索範囲を任意のエリアに絞り込む検索条件決定手段と、該検索条件決定手段により決められたエリア内に存在する施設を、前記施設情報格納手段を検索して求め、該施設の情報を利用者端末に表示させる施設情報提供手段と、を有することを特徴とする施設情報提供装置。
【請求項2】 前記施設情報提供手段により検索した各施設に前記利用者が到着するまでの所要予測時間を算出する所要予測時間算出手段を更に備え、前記施設情報格納手段に格納される各施設の情報には、各施設に設置される店舗端末から随時更新される各施設の現在の混雑状況を示すデータが含まれ、前記利用者端末に表示させる情報には該所要予測時間と混雑状況のデータが含まれることを特徴とする請求項1記載の施設情報提供装置。
【請求項3】 利用者端末からのアクセスに応じて施設情報を提示すると共に該提示した施設の予約を受け付ける予約受付手段と、該予約受付手段により受け付けた前記予約の情報を、予約された施設の端末に通知する予約情報通知手段と、を有することを特徴とする施設情報提供装置。
【請求項4】 前記予約に係わるログ情報を格納する予約ログ情報格納手段を更に備え、前記予約後に、該予約ログ情報を用いて、前記利用者端末と施設端末との間の情報のやりとりを仲介することを特徴とする請求項3記載の施設情報提供装置。
【請求項5】 コンピュータに、利用者端末から送られてくる利用者の現在位置、進行方向の情報に基づいて検索範囲を絞って検索した施設情報を、前記利用者端末に提供する機能と、前記利用者端末において施設に対する予約が行われた場合、該予約された施設の端末に対し予約情報を通知する機能と、を実行させる為のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図3】
image rotate


【公開番号】特開2002−98537(P2002−98537A)
【公開日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−293327(P2000−293327)
【出願日】平成12年9月27日(2000.9.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】