説明

施設検索装置および施設データのデータ構造

【課題】旧ジャンルで施設を検索できる「施設検索装置および施設データのデータ構造」を提供する。
【解決手段】施設リストに、各施設名称毎のエントリを設け、各エントリに、当該施設名称の施設の識別子となる施設識別子と、当該施設名称と、当該施設名称の施設のジャンル等を登録する。施設リストのジャンルには、施設データベースがn年度のバージョンの施設データベースとして、n-4からnまでの過去5年中の各年度の各々について、当該年度のバージョンの施設データベース中における当該施設名称の施設のジャンルを登録する。制御部16は、施設リストに登録されている、ユーザから指定された年度のジャンルを用いて、ユーザから指定されたジャンルの施設を検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンル毎に分類された施設を検索する施設検索の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ジャンル毎に分類された施設を検索する施設検索の技術としては、各施設の各種情報を格納する施設データベースに、各施設のジャンルを登録しておき、ユーザから指定されたジャンルの施設の情報を施設データベースから検索して提示する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、施設を検索する施設検索の技術としては、名称に変更のあった施設について、変更後の施設の名称に加えて変更前の施設の名称も施設データベースに登録しておき、変更前の名称による施設の施設データベースからの検索を可能とすると共に、変更前の名称により検索した施設の変更後の名称を含む情報を提示する技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-340602号公報
【特許文献2】特開2006-349520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
施設データベースの更新の際に、ジャンルの新設や廃止によって、同じ施設について施設データベースに登録されるジャンルが変更されることがある。
そして、このような施設のジャンルの変更があった場合、以降、ユーザは、施設の検索を、当該施設の検索にそれまで使用していたジャンルを用いて行うができなくなるため、慣れ親しんだ手順による施設検索を行えなくなる。
そこで、本発明は、施設のジャンルの変更があった場合における、ユーザの施設検索のし易さの低下を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、施設の名称である施設名称毎に対応して設けた施設データを格納した施設データベースを用いて施設を検索する施設検索装置に、前記施設データベースを記憶した記憶装置と、検索対象バージョン設定手段と、検索手段とを設け、前記施設データには、施設名称と当該施設名称の施設のジャンル情報とを登録すると共に、前記記憶装置に記憶されている施設データベースのバージョンを第n番目のバージョンとして、当該n番目のバージョンの施設データベースの施設データには、前記施設のジャンル情報として、n番目のバージョンとn-1番目以前の1または複数のバージョンとの各々のバージョンに対応づけた、当該対応づけたバージョンの施設データベース作成時の施設のジャンルとを登録するようにしたものである。ただし、前記検索対象バージョン設定手段において、ユーザからのバージョンの指定を受け付けて、指定されたバージョンを検索対象バージョンとして設定し、前記検索手段において、前記施設データベースにおいて、ユーザから指定されたジャンルが前記検索対象バージョンに対応づけて登録されている施設データを検索し、検索した施設データに登録されている施設名称を提示するようにする。
【0007】
このような施設検索装置によれば、ユーザは、施設データベースの施設データにジャンルが対応づけて登録されているバージョンのうちの、任意のバージョンの施設データベース作成時のジャンルを用いて施設を検索できるようになるので、ユーザは、施設データベースのバージョンの更新後も、バージョン更新前の使い慣れたジャンルを用いて施設検索を行うことができるようになる。
【0008】
ここで、このような施設検索装置に、施設選択受付手段を設け、前記検索手段は、検索した施設データに登録されている施設名称の一覧を表示し、前記施設選択受付手段において、前記施設名称の一覧中からの施設名称の選択をユーザから受け付け、前記検索対象バージョンが、前記n番目のバージョンでなく、選択を受け付けた施設名称が登録されている施設データに前記n番目のバージョンと対応づけて登録されているジャンルが、当該施設データに前記検索対象バージョンと対応づけて登録されているジャンルとが異なる場合に、前記n番目のバージョンと対応づけて登録されているジャンルが、選択を受け付けた施設名称の施設の新たなジャンルである旨を提示するように構成することも好ましい。
【0009】
このようにすることにより、ユーザは、過去のバージョンの施設データベース作成時のジャンルで施設データベースから検索した施設が、最新のバージョンの施設データベース作成時のジャンルでは異なるジャンルに分類されていることを知得して、当該知得した最新のジャンルによる施設の検索を行うことができるようになる。
【0010】
または、このような施設検索装置に、施設選択受付手段を設け、前記検索手段において、検索した施設データに登録されている施設名称の一覧を表示し、前記施設選択受付手段において、前記施設名称の一覧中からの施設名称の選択をユーザから受け付け、選択を受け付けた施設名称が登録されている施設データに前記検索対象バージョンより前のバージョンに対応づけて登録されているジャンルであって、当該施設データに前記検索対象バージョンと対応づけて登録されているジャンルと異なるジャンルが存在する場合に、当該存在したジャンルが、選択を受け付けた施設名称の施設の古いジャンルである旨を提示するように構成してもよい。
【0011】
このようにすることにより、ユーザは、あるバージョンの施設データベース作成時のジャンルで施設データベースから検索した施設が、より過去のバージョンの施設データベース作成時のジャンルでは異なるジャンルに分類されていることを知得して、当該知得した過去のジャンルによる施設の検索を行うことができるようになる。
【0012】
また、以上のような施設検索装置は、前記施設データベースに、施設名称が変更された施設の当該変更前の施設名称に対応する施設データも格納し、当該変更前の施設名称に対応する施設データには、変更前の名称である旨の情報と、当該施設名称の施設の当該変更後の施設名称の施設データの識別を登録し、前記検索手段において、変更前の名称である旨の情報が登録されている施設データが検索された場合には、当該検索された施設データに登録されている施設名称と共に、当該検索された施設データに登録されている識別が示す施設データに登録されている施設名称を、当該検索された施設データに登録されている施設名称の施設の変更後の施設名称として提示するように構成してもよい。
【0013】
また、以上のような施設検索装置は、前記施設データベースに、施設名称が変更された施設の当該変更前の施設名称に対応する施設データも格納し、当該変更前の施設名称の施設の当該変更後の施設名称の施設データには、変更後の名称である旨の情報と、当該変更前の施設名称の施設データの識別を登録し、前記検索手段において、前記変更後の名称である旨の情報が登録されている施設データが検索された場合には、当該施設データに登録されている施設名称と共に、当該検索された施設データに登録されている識別が示す施設データに登録されている施設名称を、当該検索された施設データに登録されている施設名称の施設の変更前の施設名称として提示するように構成してもよい。
【0014】
また、以上のような施設検索装置は、前記施設データベースに、閉鎖された施設の当該変更前の施設名称に対応する施設データも格納し、当該閉鎖された施設の当該変更後の施設名称の施設データには、閉鎖の旨が登録し、前記検索手段において、前記閉鎖の旨が登録され施設データが検索された場合には、当該施設データに登録されている施設名称と共に、当該施設名称の施設が閉鎖された施設である旨を提示するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、施設のジャンルの変更があった場合における、ユーザの施設検索のし易さの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る施設データベースの内容を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る施設リストの内容を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る表示画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るジャンル別検索処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る施設選択処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、自動車に搭載されるナビゲーションシステムへの適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示す。
ナビゲーションシステムは自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、ナビゲーション装置1と、操作部2と、表示装置3と、車両状態センサ4と、GPS受信機5とを備えて構成される。ここで、ここで、車両状態センサは、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや、車速パルスセンサなどである車速センサなどの、車両状態を検出するセンサ群である。
【0018】
そして、ナビゲーション装置1は、DVDドライブやHDDなどの記憶装置であるデータ記憶部11、現在状態算出部12、操作部2や表示装置3を用いたユーザとの間の入出力を制御するGUI制御部13、ルート探索部14、メモリ15、制御部16、案内画像生成部17、外部インタフェース18とを有する。
【0019】
但し、以上のナビゲーション装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示したナビゲーション装置各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、ナビゲーション装置1に提供されるものであって良い。
【0020】
さて、このようなナビゲーションシステムにおいて、データ記憶部11には、地図情報を表す地図データを格納した地図データベースと、各施設の施設情報を表す施設データベースが格納される。
データ記憶部11に格納された地図データベースや施設データベースは、外部インタフェース18に接続した装置から提供される新たなバージョンの地図データベースや新たなバージョンの施設データベースに置き換えることにより更新することができる。
ここで、本実施形態では、このようなデータ記憶部11に格納された地図データベースと施設データベースが、年度毎に、最新年度のバージョンの地図データベースや施設データベースに置き換えられることにより、当該データ記憶部11に格納された地図データベースと施設データベースの更新行われるものとして、以下の説明を行う。
【0021】
次に、データ記憶部11に格納される施設データベースの内容について説明する
図2に、施設データベースの内容を示す。
図示するように施設データベースは、ジャンルリストと、施設リストと、施設情報とを含む。
ジャンルリストは、データ記憶部11に格納されている施設データベースがn年度のバージョンの施設データベースとして、当該施設ベースにおいて最新年度であるn年度のバージョンのエントリと、n-4からn-1までの過去4年分の各々の年度のバージョン毎のエントリ(図の各列)を備えている。そして各年度のバージョンのエントリには、当該年度のバージョンの施設データベース作成時における最新のジャンルの一覧が登録される。
【0022】
すなわち、図示したように、施設データベースが2010年度のバージョンの施設データベースである場合、ジャンルリストには、2006年度のバージョンの施設データベース作成時における最新のジャンルの一覧と、2007年度のバージョンの施設データベース作成時における最新のジャンルの一覧と、2008年度のバージョンの施設データベース作成時における最新のジャンルの一覧と、2009年度のバージョンの施設データベース作成時における最新のジャンルの一覧と、2010年度のバージョンの施設データベース作成時における最新のジャンルの一覧とが登録されている。
【0023】
ここで、図示するように、各年度のバージョンの施設データベース作成時における最新のジャンルは、年度毎のジャンルの細分化等により変化する。すなわち、たとえば、図示した例では、2006年度のバージョンの施設データベース作成時の「麺」のジャンルは、2007年度のバージョンの施設データベース作成時には「麺」と「そば」と「うどん」のジャンルに分割され、2007年度のバージョンの施設データベース作成時の「そば」のジャンルは、2008年度のバージョンの施設データベース作成時には「そば」と「焼きそば」に分割され、2008年度のバージョンの施設データベース作成時の「麺」のジャンルは、2009年度のバージョンの施設データベース作成時には「麺」と「パスタ」のジャンルに分割されている。
【0024】
次に、施設情報は、各施設毎のエントリ(図の各行)を有し、各エントリに、当該施設の識別子となる施設識別子と、施設の名称である施設名称と、施設の地図上の位置を表す座標と、施設の住所と、施設の電話番号と、その他の施設の情報を登録したものである。
そして、施設リストは、図3に示すように、各施設名称毎のエントリ(図の各行)を有し、各エントリに、当該施設名称の施設の識別子となる施設識別子と、当該施設名称と、当該施設名称の施設のジャンルと、閉鎖情報と、変更情報とを登録したものである。
ここで、施設リストのジャンルには、施設データベースがn年度のバージョンの施設データベースとして、当該施設ベースにおいて最新年度であるn年度のバージョンと、n-4からn-1までの過去4年分の各々の年度のバージョンとに対して、各々ジャンルを登録する。ここで、最新年度であるn年度のバージョンに対しては、n年度のバージョンの施設データベース作製時の最新のジャンルでジャンル分けした、当該施設名称の施設のジャンルを登録する。また、n-4からn-1までの過去4年分の各々の年度のバージョンの各々に対しては、当該年度をXとして、年度Xのバージョンの施設データベース中の施設リストにおいて、最新年度Xに対して登録されている当該施設名称の施設のジャンルを登録する。
【0025】
また、施設リストには、施設データベースのバージョンの年度より4年前の年度のバージョンの施設データベース作成以降に閉店などにより閉鎖した施設名称についてのエントリも設け、当該閉鎖した施設の施設名称のエントリの閉鎖情報には「閉鎖」を登録する。
図示した例では、施設名称「葵」の施設と施設名称「焼きそばキング」の施設が、施設データベースのバージョンの年度より4年前の年度のバージョンの施設データベース作成以降に閉鎖された施設に該当するため、そのエントリの閉鎖情報に「閉鎖」が登録されている
また、施設リストには、施設データベースのバージョンの年度より4年前の年度のバージョンの施設データベース作成以降に施設名称が変更した施設の変更前の施設名称についてのエントリも設け、当該名称が変更した施設名称のエントリの変更情報には、既に他の施設名称に変更された変更前の施設名称であることと、変更した後の施設名称のエントリを指す変更後名称ポインタを登録する。また、施設リストに含まれる、施設データベースのバージョンの年度より4年前の年度のバージョンの施設データベース作成以降に施設名称が変更した施設の変更後の施設名称のエントリの変更情報には、他の施設名称から変更された変更後の施設名称であることと、変更する前の施設名称のエントリを指す変更後名称ポインタを登録する。
【0026】
すなわち、施設名称が「天竜」であった施設の施設名称が、施設データベースのバージョンの年度より4年前の年度のバージョンの施設データベース作成以降に「天ぷら将軍」に変更されている場合には、図示するように、「天竜」のエントリの変更情報には、変更前の施設名称であることと、変更した後の施設名称である「天ぷら将軍」のエントリを指す変更後名称ポインタを登録し、「天ぷら将軍」のエントリの変更情報には、変更後の施設名称であることと、変更する前の施設名称である「天竜」のエントリを指す変更前名称ポインタを登録する。
【0027】
以下、このようなナビゲーションシステムの動作について説明する。
まず、ナビゲーション装置1の現在状態算出部12は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部12は、車両状態センサやGPS受信機5の出力から推定される現在位置に対して、データ記憶部11の地図データベースから読み出した地図データが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ15に設定する。
【0028】
また、制御部16は、ユーザから操作部2、GUI制御部13を介して目的地の設定を受付け、これをメモリ15にセットする。そして、目的地までの推奨ルートをルート探索部14に探索させる。ルート探索部14は、必要地理的範囲の地図データを、データ記憶部11の地図データベースから読み出し、メモリ15に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を、距離最小などの所定のコストモデルに基づいて推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートの経路データを、メモリ15にセットする。
【0029】
また、制御部16は、メモリ15にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ15にセットされている目的地と推奨ルートをクリアする処理も行う。
そして、案内画像生成部17は、メモリ15にセットされた現在位置と、その時点で設定されている地図の表示縮尺に従って制御部16が算定した地図表示範囲の地図画像を、データ記憶部11の地図データベースの地図データに基づいて描画する。また、描画した地図画像上に、メモリ15にセットされている現在位置や推奨ルートや目的地を描画した案内画像を生成し表示装置3に表示する。
【0030】
次に、ナビゲーションシステムにおける、前述した施設データベースを用いて行う施設検索の動作について説明する。
まず、ナビゲーション装置1の制御部16は、施設検索の実行に先立って、予め、ユーザの操作部2を介したジャンルデータ年度設定要求に応答して、図4aに示すような年度選択ウインドウを表示装置3に表示し、年度選択ウインドウ中に、施設データベースのジャンルリストの各エントリに対応する年度の一覧401を表示し、表示した年度の一覧401中からの、検索に用いるジャンルの年度の選択をユーザから受け付け、選択を受け付けた年度を検索対象年度として設定する。
【0031】
次に、ナビゲーション装置1の制御部16は、ユーザの操作部2を介したジャンル指定施設検索要求に応答して、図4b1、c1に示すような、ジャンル選択ウインドウを表示し、ジャンル選択ウインドウ中に、施設データベースのジャンルリストの検索対象年度のエントリに登録されているジャンルの一覧402を表示し、表示したジャンルの一覧402中からの、検索する施設のジャンルの指定をユーザから受け付け、指定を受け付けたジャンルを指定ジャンルに設定する。
【0032】
ここで、図4b1、c1に示すように、ジャンル選択ウインドウ中に表示されるジャンルは、ジャンルリストの内容に応じて、検索対象年度毎に異なったものとなる。
ナビゲーション装置1の制御部16は、このように指定ジャンルを設定したならば、ジャンル選択ウインドウを消去し、ジャンル別検索処理を実行する。
次に、このジャンル別検索処理について説明する。なお、以下では、施設リストのエントリにおいてK年度に対して登録されているジャンルをK年度のジャンルとして説明を行う。
図5に示すように、ジャンル別検索処理では、まず、施設データベースの施設リストのエントリのうち、検索対象年度に対するジャンルとして、指定ジャンルが登録されている全てのエントリを検索し、検索した各エントリの施設名称を検索施設名称とする(ステップ502)。
【0033】
そして、各検索施設名称について(ステップ504、512、524)、以下の処理を行う。
すなわち、当該検索施設名称が既に閉鎖された施設の施設名称であるかどうかを、施設リストの検索施設に対応するエントリの閉鎖情報の「閉鎖」の登録の有無に従って調べ(ステップ506)、閉鎖された施設の施設名称であれば、当該検索施設の施設名称に「閉鎖」を付加情報としてセットする(ステップ518)。
【0034】
また、当該検索施設名称が施設名称が変更した施設の変更前の施設名称であるかどうかを、施設リストの検索施設に対応するエントリの変更情報に従って調べ(ステップ508)、変更前の施設名称であれば、当該検索施設名称に変更後の施設名称を付加情報としてセットする(ステップ520)。ここで、変更後の施設名称は、当該施設名称のエントリの変更情報の変更後名称ポインタが示すエントリの施設名称として求まる。
【0035】
また、当該検索施設名称が施設名称が変更した施設の変更後の施設名称であるかどうかを、施設リストの検索施設に対応するエントリの変更情報に従って調べ(ステップ510)、変更後の施設名称であれば、当該検索施設の施設名称に、変更前の施設名称を付加情報としてセットする(ステップ522)。ここで、変更後の施設名称は、当該施設名称のエントリの変更情報の変更前名称ポインタが示すエントリの施設名称として求まる。
【0036】
そして、以上の処理を各検索施設名称について実行したならば、図4b2、c2、d,eに示すような検索施設一覧ウインドウを表示装置3に表示し、検索施設一覧ウインドウ中に、検索施設名称の一覧403を、付加情報に応じた形態で表示する(ステップ514)。
【0037】
すなわち、検索施設一覧ウインドウの検索施設名称の一覧403において、「閉鎖」が付加情報としてセットされている検索施設名称については、図4c2の「焼きそばキング(閉鎖)」、図4dの「葵(閉鎖)」のように、検索施設名称に「(閉鎖)」の文字を付加した上で、網掛けによって弱調表示することによって、当該検索施設名称が既に閉鎖されている施設の施設名称であることをユーザに対して提示する。
【0038】
また、検索施設一覧ウインドウの検索施設名称の一覧403において、変更後の施設名称が付加情報としてセットされている検索施設名称については、図4dの「天竜(現 天ぷら将軍)」のように、検索施設名称に変更後の施設名称を付加した上で表示することによって、当該検索施設名称の施設の新旧の施設名称をユーザに対して提示する。
【0039】
また、検索施設一覧ウインドウの検索施設名称の一覧403において、変更前の施設名称が付加情報としてセットされている検索施設名称については、図4eの「天ぷら将軍(旧 天竜)」のように、検索施設名称に変更前の施設名称を付加した上で表示することによって、当該検索施設名称の施設の新旧の施設名称をユーザに対して提示する。
【0040】
そして、このようにして検索施設一覧ウインドウを表示したならば、施設選択処理を起動し(ステップ516)、ジャンル別検索処理を終了する。
以上、ジャンル別検索処理について説明した。
ここで、このように本実施形態によれば、施設リストにジャンルが登録されている任意の年度のバージョンの施設データベースで用いられていたジャンルを用いて施設を検索できるようになるので、ユーザは、施設データベースの更新後も使い慣れたジャンルを用いて施設検索を行うことができる。
【0041】
たとえば、施設名称「好間ラーメン」は、図3に示すように2006-2009年度のジャンルは「麺」であり、20010年度のジャンルは「ラーメン」であるため、施設データベースのバージョンの年度である2010年度のジャンルで施設検索を行う場合には、ジャンル「麺」の施設を検索した場合には施設名称「好間ラーメン」を検索することはできず、ジャンル「ラーメン」の施設を検索した場合にのみ図4b2に示すように施設名称「好間ラーメン」を検索することができることとなる。しかし、本実施形態によって検索対象年度を、たとえば2008年度に設定することにより、施設名称「好間ラーメン」の過去のジャンルであるジャンル「麺」の施設の検索によって、図4c2に示すように施設名称「好間ラーメン」を検索することができるようになる。
【0042】
次に、図5のジャンル別検索処理で起動された施設選択処理について説明する。
図6に、この施設選択処理の手順を示す。
図示するように施設選択処理では、検索施設一覧ウインドウの検索施設名称の一覧403中からの施設名称の選択をユーザから受け付ける(ステップ602)。ただし、「閉鎖」が付加情報としてセットされている施設名称の選択は、これを受け付けないようにする。
【0043】
そして、施設名称の選択を受け付けたならば、検索施設一覧ウインドウを消去し、選択を受け付けた施設名称の施設を選択施設として、図7a2に示すように施設ウインドウを表示装置3に表示し、施設ウインドウ中に選択施設の施設情報701を表示する(ステップ604)。ここで、選択施設の施設情報は、施設リストの、選択を受け付けた施設名称のエントリの施設識別子と同じ施設識別子が登録されている施設情報のエントリに登録されている情報(住所等)とする。
【0044】
ここで、図7a2は、図7a1の検索施設一覧ウインドウの検索施設名称の一覧403から「ABCラーメン」が選択された場合の施設ウインドウを表しており、図7a2の施設ウインドウには「ABCラーメン」の施設情報が表示されている。
但し、このような施設ウインドウの施設情報としては、変更後の施設名称が付加情報としてセットされている施設名称が選択施設として選択された場合には変更後の施設名称の施設の施設情報701を表示する。ここで、変更後の施設名称の施設は、選択施設の施設名称のエントリの変更情報の変更後名称ポインタが示すエントリの施設名称の施設として求まり、この場合、施設情報701は、施設リストの変更後の施設名称のエントリの施設識別子と同じ施設識別子が登録されている施設情報のエントリに登録されている情報(住所等)とする。
【0045】
そして、次に、検索対象年度は最新年度、すなわち、施設データベースのバージョンの年度と同じ年度であるかどうかを調べ(ステップ606)、同じ年度であればステップ608に進む。
一方、検索対象年度が最新年度でなければ、選択施設の最新年度のジャンルは、選択施設の検索対象年度のジャンルと同じであるかどうかを調べ(ステップ616)、同じであればステップ608に進む。ここで、選択施設の最新年度のジャンルが、選択施設の検索対象年度のジャンルと同じであるかどうかは、施設リストの選択施設の施設名称のエントリにおいて、最新年度のバージョンに対して登録されているジャンルと検索対象年度のバージョンに対して登録されているジャンルが同じであるかどうかより判定する。
【0046】
一方、選択施設の最新年度のジャンルが選択施設の検索対象年度のジャンルと同じでなければ、図7b2に示すように、代替ジャンルウインドウ702を表示して、代替ジャンルウインドウ702中に選択施設の最新年度のジャンルを表示する(ステップ618)。
ここで、図7b2は、2008年度を検索対象年度、「麺」を指定ジャンルとする図5のジャンル別検索処理によって図7b1のように表示された検索施設一覧ウインドウの検索施設名称の一覧403から「好間ラーメン」が選択された場合の代替ジャンルウインドウ702を表しており、図3に示すように「好間ラーメン」の最新年度である2010年度のジャンルは「ラーメン」であるので、図7b2の代替ジャンルウインドウ702には「ラーメン」が最新年度のジャンルである旨が表示されている。
【0047】
そして、代替ジャンルウインドウ702に設けた検索ボタン7021によって、最新年度のジャンルの検索が指示されたならば(ステップ620)、最新年度を検索対象年度に、代替ジャンルウインドウ702に表示した最新年度のジャンルを指定ジャンルに設定して図5の施設選択処理を起動し(ステップ622)、施設選択処理を終了する。一方、最新年度のジャンルの検索が指示されなかった場合、すなわち、代替ジャンルウインドウ702に設けたキャンセルボタン7022が操作された場合には、代替ジャンルウインドウ702を消去し、ステップ608に進む。
【0048】
ここで、このように代替ジャンルウインドウ702を表示することにより、ユーザは、最新年度より過去の検索対象年度のジャンルで施設データベースから検索した施設が、施設データベースのバージョンの年度である最新年度において異なるジャンルに分類されていることを知得することができる。また、代替ジャンルウインドウ702上で検索を指示することにより、最新年度のジャンル分けにおいて検索した施設が分類されているジャンルによる施設の検索を容易に行うことができる。
【0049】
一方、以上のようにしてステップ608に進んだ場合には、選択施設の検索対象年度のジャンルと異なる、検索対象年度より前の年度Xの選択施設の過去のジャンルZが存在するかどうかを、施設リストの選択施設のエントリの各年度のジャンルに基づいて調べる。ここで、選択施設の検索対象年度のジャンルと異なる、検索対象年度より前の年度の選択施設の過去のジャンルが複数存在する場合には、そのうちの最も最新年度に近い年度Xのジャンルを過去のジャンルZとする。
【0050】
そして、存在しない場合にはステップ610に進み、存在する場合には、図7c2に示すように、代替ジャンルウインドウ702を表示して、代替ジャンルウインドウ702中に存在した過去のジャンルZを表示する(ステップ624)。
ここで、図7c2は、2010年度を検索対象年度、「そば」を指定ジャンルとする図5のジャンル別検索処理によって図7c1のように表示された検索施設一覧ウインドウの検索施設名称の一覧403から「そばのいわき」が選択された場合の代替ジャンルウインドウ702を表しており、図3に示すように「そばのいわき」の、「そば」と異なる過去最新のジャンルは「麺」であるので、図7c2の代替ジャンルウインドウ702には「麺」が、施設名称「そばのいわき」の施設の過去のジャンルXとして表示されている。
【0051】
そして、代替ジャンルウインドウ702に設けた検索ボタン7021によって、ジャンルZの検索が指示されたならば(ステップ626)、施設リストの選択施設のエントリのジャンルZが登録されている年度のうちの、最も最新年度に近い年度Xを検索対象年度に、ジャンルZを指定ジャンルに設定して図5の施設選択処理を起動し(ステップ628)、施設選択処理を終了する。
【0052】
ここで、このように代替ジャンルウインドウ702を表示することにより、ユーザは、特定の検索対象年度のジャンルで施設データベースから検索した施設が、より過去の年度において異なるジャンルに分類されていたことを知得することができる。また、代替ジャンルウインドウ702上で検索を指示することにより、当該過去の年度において検索した施設が分類されていたジャンルによる施設の検索を容易に行うことができる。
【0053】
一方、ジャンルXの検索が指示されなかった場合、すなわち、代替ジャンルウインドウ702に設けたキャンセルボタン7022が操作された場合には、代替ジャンルウインドウ702を消去し、ステップ610に進む。
そして、ステップ610に進んだならば、施設ウインドウに設けた「目的地に設定する」ボタン7011による目的地設定指示の発生(ステップ610)と、施設ウインドウに設けた「地図を表示する」ボタン7012による地図表示指示の発生(ステップ612)と、「キャンセル」ボタン7013によるキャンセル指示の発生(ステップ614)を監視する。
【0054】
そして、目的地設定指示が発生した場合には(ステップ610)、施設ウインドウに施設情報を表示している施設の座標を前述した目的地に設定した上で(ステップ630)、施設ウインドウを消去し、施設選択処理を終了する。施設ウインドウに施設情報を表示している施設の座標は、施設ウインドウに選択施設の施設情報を表示している場合には、施設リストの選択施設の施設名称のエントリの施設識別子と同じ施設識別子が登録されている施設情報のエントリの座標として求まり、施設ウインドウに選択施設の施設名称の変更後の施設名称の施設の施設情報を表示している場合には、施設リストの選択施設の施設名称のエントリの変更情報の変更後名称ポインタが示すエントリの施設識別子と同じ施設識別子が登録されている施設情報のエントリに登録されている座標として求まる。
【0055】
また、地図表示指示が発生した場合には(ステップ612)、施設ウインドウを消去し、施設ウインドウに施設情報を表示している施設の座標を中心とする範囲を表示範囲とする地図を表示装置3に表示し、施設選択処理を終了する。
また、キャンセル指示が発生した場合には(ステップ614)、そのまま施設ウインドウを消去し、施設選択処理を終了する。
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態におけるジャンル別検索処理では、検索対象年度を設定して施設名称の検索を行うようにしたが、当該ジャンル別検索処理では、検索対象年度を設定せずに、ユーザから指定されたジャンルである指定ジャンルが、施設リストのいずれかの年度のバージョンに対するジャンルとして登録されているエントリの施設名称を検索することにより施設の検索を行うようにしてもよい。なお、この場合には、ユーザから指定ジャンルの選択を受け付けるジャンル選択ウインドウには、ジャンルリストのいずれかの年度に登録されているジャンルの全ての一覧を表示するようにする。
【符号の説明】
【0056】
1…ナビゲーション装置、2…操作部、3…表示装置、4…車両状態センサ、5…GPS受信機、11…データ記憶部、12…現在状態算出部、13…GUI制御部、14…ルート探索部、15…メモリ、16…制御部、17…案内画像生成部、18…外部インタフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の名称である施設名称毎に対応して設けた施設データを格納した施設データベースを用いて施設を検索する施設検索装置であって、
前記施設データベースを記憶した記憶装置と、
検索対象バージョン設定手段と、
検索手段とを有し、
前記施設データには、施設名称と当該施設名称の施設のジャンル情報とが登録されており、
前記記憶装置に記憶されている施設データベースのバージョンを第n番目のバージョンとして、当該n番目のバージョンの施設データベースの施設データには、前記施設のジャンル情報として、n番目のバージョンとn-1番目以前の1または複数のバージョンとの各々のバージョンに対応づけた、当該対応づけたバージョンの施設データベース作成時の施設のジャンルとが登録されており、
前記検索対象バージョン設定手段は、ユーザからのバージョンの指定を受け付けて、指定されたバージョンを検索対象バージョンとして設定し、
前記検索手段は、前記施設データベースにおいて、ユーザから指定されたジャンルが前記検索対象バージョンに対応づけて登録されている施設データを検索し、検索した施設データに登録されている施設名称を提示することを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
請求項1記載の施設検索装置であって、
施設選択受付手段を有し、
前記検索手段は、検索した施設データに登録されている施設名称の一覧を表示し、
前記施設選択受付手段は、前記施設名称の一覧中からの施設名称の選択をユーザから受け付け、前記検索対象バージョンが、前記n番目のバージョンでなく、選択を受け付けた施設名称が登録されている施設データに前記n番目のバージョンと対応づけて登録されているジャンルが、当該施設データに前記検索対象バージョンと対応づけて登録されているジャンルとが異なる場合に、前記n番目のバージョンと対応づけて登録されているジャンルが、選択を受け付けた施設名称の施設の新たなジャンルである旨を提示することを特徴とする施設検索装置。
【請求項3】
請求項1記載の施設検索装置であって、
施設選択受付手段を有し、
前記検索手段は、検索した施設データに登録されている施設名称の一覧を表示し、
前記施設選択受付手段は、前記施設名称の一覧中からの施設名称の選択をユーザから受け付け、選択を受け付けた施設名称が登録されている施設データに前記検索対象バージョンより前のバージョンに対応づけて登録されているジャンルであって、当該施設データに前記検索対象バージョンと対応づけて登録されているジャンルと異なるジャンルが存在する場合に、当該存在したジャンルが、選択を受け付けた施設名称の施設の古いジャンルである旨を提示することを特徴とする施設検索装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の施設検索装置であって、
前記施設データベースには、施設名称が変更された施設の当該変更前の施設名称に対応する施設データも格納されており、
当該変更前の施設名称に対応する施設データには、変更前の名称である旨の情報と、当該施設名称の施設の当該変更後の施設名称の施設データの識別が登録されており、
前記検索手段は、変更前の名称である旨の情報が登録されている施設データが検索された場合には、当該検索された施設データに登録されている施設名称と共に、当該検索された施設データに登録されている識別が示す施設データに登録されている施設名称を、当該検索された施設データに登録されている施設名称の施設の変更後の施設名称として提示することを特徴とする施設検索装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載の施設検索装置であって、
前記施設データベースには、施設名称が変更された施設の当該変更前の施設名称に対応する施設データも格納されており、
当該変更前の施設名称の施設の当該変更後の施設名称の施設データには、変更後の名称である旨の情報と、当該変更前の施設名称の施設データの識別が登録されており、
前記検索手段は、前記変更後の名称である旨の情報が登録されている施設データが検索された場合には、当該施設データに登録されている施設名称と共に、当該検索された施設データに登録されている識別が示す施設データに登録されている施設名称を、当該検索された施設データに登録されている施設名称の施設の変更前の施設名称として提示することを特徴とする施設検索装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5記載の施設検索装置であって、
前記施設データベースには、閉鎖された施設の当該変更前の施設名称に対応する施設データも格納されており、
当該閉鎖された施設の当該変更後の施設名称の施設データには、閉鎖の旨が登録されており、
前記検索手段は、前記閉鎖の旨が登録され施設データが検索された場合には、当該施設データに登録されている施設名称と共に、当該施設名称の施設が閉鎖された施設である旨を提示することを特徴とする施設検索装置。
【請求項7】
ジャンルを検索キーとした施設の検索に用いられる施設データベースのデータ構造であって、
施設の名称である施設名称毎に対応して設けた施設データを含み、
前記施設データには、施設名称と当該施設名称の施設のジャンル情報とが登録されており、
前記記憶装置に記憶されている施設データベースのバージョンを第n番目のバージョンとして、当該n番目のバージョンの施設データベースの施設データには、前記施設のジャンル情報として、n番目のバージョンとn-1番目以前の1または複数のバージョンとの各々のバージョンに対応づけた、当該対応づけられたバージョンの施設データベース作成時の施設のジャンルとが登録されていることを特徴とする施設データベースのデータ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−169812(P2011−169812A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35038(P2010−35038)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】